明 細 書
情報記録媒体とその製造方法
技術分野
[oooi] 本発明は、光学的にまたは電気的に情報を記録、消去、書き換え、及び Zまたは 再生する情報記録媒体及びその製造方法に関するものである。
背景技術
[0002] 記録層 (相変化材料層)が相変化を生じる現象を利用する相変化形情報記録媒体 力 既に知られている。光学的相変化形情報記録媒体は、レーザビームを用いて、こ の相変化を生じさせる、即ち、光学的に情報を記録、消去、書き換え、再生する媒体 である。より具体的には、光学的相変化情報記録媒体への情報の記録は、レーザビ ームの照射により発生する熱によって、例えば、結晶相と非晶質相との間で状態変 化させて実施する。記録した情報は、結晶相と非晶質相との間の反射率の違いを検 出して、読みとる。
[0003] 書き換え型光学的相変化形情報記録媒体は、情報の消去および書き換えが可能 なものである。この媒体において、一般に記録層の初期状態は結晶相である。この媒 体に情報を記録するときには、高パワー(記録パワー)のレーザビームを照射して記 録層を溶融した後、急激に冷却することによって、レーザ照射部を非晶質相にする。 一方、この媒体から、情報を消去するときには、記録時より低いパワー(消去パワー) のレーザビームを照射して、記録層を昇温した後、徐冷することにより、レーザ照射部 を結晶相にする。従って、書き換え型光学的相変化形情報記録媒体の記録層に、高 パワーレベルと低パワーレベルとの間でパワー変調させたレーザビームを照射するこ とによって、記録されている情報を消去しながら新しい情報を記録または書き換えす ることが可能である。
[0004] 追記型光学的相変化形情報記録媒体は、一回だけ情報の記録が可能で、情報の 消去や書き換えが不可能なものである。この媒体において、一般に記録層の初期状 態は非晶質相である。この媒体に情報を記録するときには、高パワー(記録パワー) のレーザビームを照射して記録層を昇温した後、徐冷することによってレーザ照射部
を結晶相にする。
[0005] 上記レーザビームを照射する代わりに、電気的エネルギー(たとえば電流)の印加 により情報を記録する電気的相変化形情報記録媒体もある。この電気的相変化形情 報記録媒体への情報の記録は、電流の印加により発生するジュール熱によって記録 層の相変化材料を結晶相 (低抵抗)と非晶質相 (高抵抗)との間で状態変化させて実 施する。記録した情報は、結晶相と非晶質相との間の電気抵抗の違いを検出して、 みとる。
[0006] 光学的相変化形情報記録媒体の例として、 4. 7GBZDVD— RAMが挙げられる 。 4. 7GBZDVD— RAMの構成を、図 12に示す。図 12に示す情報記録媒体 12 ( 以下、単に「媒体」と呼ぶこともある)は、基板 1上に、レーザ入射側力も見て、入射側 誘電体層 2、入射側界面層 3、記録層 4、反入射側界面層 5、反入射側誘電体層 6、 光吸収補正層 7、および反射層 8を有している。反射層 8の表面には、接着層 9により ダミー基板 10が貼り付けられて 、る。
[0007] 入射側誘電体層 2と反入射側誘電体層 6は、光学距離を調節して記録層 4への光 吸収効率を高め、結晶相と非晶質相との反射率変化を大きくして信号強度を大きく する光学的な働きを有する。また、これらの誘電体層は、記録時に高温となる記録層 4から、熱に弱い基板 1、およびダミー基板 10等を断熱する熱的な働きを有する。従 来、誘電体層の材料として使用されている、(ZnS) (SiO ) (mol%)は、透明で、
80 2 20
高い屈折率、低熱伝導率、良好な断熱性、および良好な機械特性及び耐湿性を有 するので、優れた誘電体材料である。
[0008] 記録層 4は、化合物である GeTeと Sb Teを混合した GeTe— Sb Te擬ニ元系相
2 3 2 3
変化材料にぉぃて06のー部を311で置換した(06— 311)丁6— 31) Teを含む高速結
2 3
晶化材料力 成る。この材料の記録層は、初期記録書き換え性能のみならず、優れ た記録保存性 (記録した信号を、長期保存後に再生できるかの指標)、及び書き換え 保存性 (記録した信号を、長期保存後に消去または書き換えできるかの指標)をも実 現している。
[0009] 反射層 8は、記録層 4に吸収される光量を増大させるという、光学的な機能を有する 。また、反射層 8は、記録層 4で生じた熱を速やかに拡散させ、記録層 4を非晶質ィ匕
しゃすくするという熱的な機能も有する。さらに、反射層 8は、使用する環境から多層 膜を保護すると!ヽぅ機能も有する。
[0010] 入射側界面層 3と反入射側界面層 5は、入射側誘電体層 2と記録層 4、及び反入射 側誘電体層 6と記録層 4との間で生じる物質移動を防止する機能を有する。この物質 移動とは、入射側誘電体層 2及び反入射側誘電体層 6に (ZnS) (SiO ) (mol%)
80 2 20 を使用した場合に、レーザビームを記録層 4に照射して記録'書き換えを繰り返して いる間に、 S (硫黄)が記録層に拡散していく現象のことである。 Sが記録層に拡散す ると、繰り返し書き換え性能が悪ィ匕する。この繰り返し書き換え性能の悪ィ匕を防ぐに は、 Geを含む窒化物を入射側界面層 3及び反入射側界面層 5に使用することが好ま しい (例えば、特許文献 1参照)。
[0011] 以上のような技術により、優れた書き換え性能と高い信頼性を達成し、 4. 7GB/D VD— RAMを商品化するに至った。
[0012] また、情報記録媒体をさらに大容量ィ匕するための技術として、さまざまな技術が検 討されている。例えば、光学的相変化形情報記録媒体においては、レーザビームの スポット径をより小さくして高密度の記録を行う技術が検討されている。具体的には、 従来の赤色レーザより短波長の青紫色レーザを用いること、およびレーザビームが入 射する側の基板の厚さを薄くして、開口数 (NA)が大きい対物レンズを使用すること 力 検討されている。スポット径を小さくして記録を行うと、レーザビームが照射される 領域がより小さく限定されるため、記録層で吸収されるパワー密度が増大して、体積 変動が大きくなる。その結果、物質移動が生じやすくなり、 ZnS -SiOのような Sを含
2
む材料を記録層に接して用いると、繰り返し書き換え性能が悪ィ匕する。
[0013] また、それぞれ記録層を有する 2つの情報層を備える光学的相変化形情報記録媒 体 (以下、 2層光学的相変化形情報記録媒体と 、う場合がある)が開発されて!、る ( 例えば、特許文献 2及び特許文献 3参照)。 2層光学的相変化形情報記録媒体は、 例えば、図 1に示す媒体の 2倍の記録容量を有することができる。 2つの情報層への 情報の記録再生は、媒体の一方の面の側力 入射するレーザビームによって行われ る。よって、レーザビームの入射側から遠い情報層(以下、第 2の情報層という)の記 録再生は、レーザビームの入射側に近い情報層(以下、第 1の情報層という)を透過
したレーザビームを用いて行われる。そのため、第 1の情報層では記録層の厚さを極 めて薄くして、透過率を高めている。しかし、記録層が薄くなると、記録層に接してい る層からの物質移動の影響が大きくなるため、 ZnS— SiOのような Sを含む材料を記
2
録層に接して用いると、繰り返し書き換え性能が急激に悪ィ匕する。
[0014] 従来、発明者らは上記の高密度記録媒体および 2層光学的相変化形情報記録媒 体において、 4. 7GBZDVD—RAMと同様に、界面層として Geを含む窒化物を記 録層の両側に配置して、物質移動の影響を軽減し、繰り返し書き換え性能の悪ィ匕を 防いでいた。
特許文献 1 :特開平 10— 275360号公報 (第 2— 6頁、図 2)
特許文献 2 :特開 2000— 36130号公報 (第 2— 11頁、図 2)
特許文献 3 :特開 2002— 144736号公報 (第 2— 14頁、図 3)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0015] し力しながら、レーザビームのスポット径をより小さくして高密度の記録を行う光学的 相変化形情報記録媒体では、情報を記録する際により大きなエネルギー (レーザパ ヮー)が記録層に照射されて、記録層で多くの熱が発生することがある。このため、従 来のように Geを含む窒化物で界面層を形成すると、記録層で発生した熱で界面層 の膜破壊が生じることがある。膜破壊した界面層は、誘電体層からの Sの拡散を抑制 できなくなる。よって、 Geを含む窒化物の界面層は、繰り返し書き換え性能の急激な 悪ィ匕を招き得ると 、う課題を有して 、る。
[0016] また、 Geを含む窒化物は熱伝導率が高いため、誘電体層からの Sの拡散を抑制す るために界面層を厚くすると、熱が拡散しやすくなる。そのため、 Geを含む窒化物の 界面層は、記録感度の低下を招き得ると ヽぅ課題をも有して ヽる。
[0017] 本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明は 、繰り返し書き換え性能及び記録感度がともに向上され、且つ信号強度が良好な相 変化形情報記録媒体を提供することを目的とする。さらに、本発明は、より良好な記 録保存性を有する相変化形情報記録媒体を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0018] 本発明は、光の照射または電気的エネルギーの印加によって情報を記録及び Zま たは再生し得る情報記録媒体 (以下、単に「媒体」と呼ぶこともある)であって、 Siと In と Ml (Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素)と酸素(O)とを含む Si— In— ZrZHf— O系材料層を含み、当該 Si— In— ZrZHf— O系材料層が Siを 1原 子%以上含む、情報記録媒体を提供する。ここで、「ZrZHf」は、 Zrおよび Hfのい ずれか一方または両方が含まれることを意味する。この材料層を、例えば、相変化形 情報記録媒体の誘電体層(記録層と接して形成されるもの、及び界面層に接して形 成されるものを含む)または記録層と誘電体層との間の界面層として用いると、媒体 の繰り返し書き換え性能、記録保存性、記録感度及び信号強度を向上させることが できる。 Si-In— Zr/Hf— O系材料層を構成する、より具体的な材料は次のとおり である。
[0019] 本発明の情報記録媒体において、 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、式(1): Si In Ml O (原子%) (1)
al bl cl 100-al-bl-cl
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 al、 bl及び clは 、 l≤al < 32, 3く blく 38、 1く clく 30、 25く al +bl + clく 40を満たす。;) で表される Si-In- Zr/Hf - O系材料を含む層であつてよ!/ヽ。
[0020] ここで、「原子%」とは、式(1)が、 Si原子、 In原子、「M1」原子、および酸素原子を 合わせた数を基準(100%)として表された組成式であることを示している。以下の式 においても「原子%」の表示は、同様の趣旨で使用されている。また、式(1)は、 Si— In— ZrZHf— O系材料層に含まれる、 Si原子、 In原子、「M1」原子、および酸素原 子のみをカウントして表したものである。したがって、この組成式で示される材料を含 む Si— In— ZrZHf— O系材料は、これらの原子以外の成分 (例えば、他の金属、水 素、アルゴンおよび窒素等)を含むことがある。
[0021] 式(1)において、各原子がどのような化合物として存在しているかは問われない。こ のような式で材料を特定しているのは、薄膜に形成した層の組成を調べるに際し、化 合物の組成を求めることは難しぐ現実には、元素組成 (即ち、各原子の割合)のみを 求める場合が多いことによる。
[0022] 本発明の情報記録媒体において、 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、式(2):
(SiO ) (Ιη θ ) (MIO ) (mol%) (2)
2 xl 2 3 yl 2 100-xl-yl
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 xl及び ylは、 5 ≤xl≤90, 5≤yl≤90, 10≤xl +yl≤95を満たす。;)
で表される Si— In— Zr/Hf—O系材料を含む層であってよい。式(2)は、 Si、 Inお よび Mlが、酸ィ匕物として含まれているときに、各酸化物の好ましい割合を示す式に 相当する。
[0023] ここで、「mol%」とは、式(2)が、各化合物の総数を基準(100%)として表わされた 組成式であることを示している。以下の式においても「mol%」の表示は、同様の趣旨 で使用されている。 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、この式で示される材料以外に 、他の化合物を含むことがある。
[0024] 本発明の情報記録媒体は、 Si— In— ZrZHf—O系材料層力 M2 (M2は Y、 Cr 及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素である)をさらに含むものであってよい。 Si 、 In、および Mlに加えて M2を含む Si— In— ZrZHf—O系材料層もまた、例えば、 相変化形情報記録媒体の誘電体層または界面層として用いると、媒体の繰り返し書 き換え性能、記録保存性、記録感度及び信号強度を向上させることができる。
[0025] 本発明の情報記録媒体において、 M2を含む Si— In— ZrZHf— O系材料層は、 式 (3) :
Si In Ml M2 O (原子%) (3)
dl el fl gl 100-dl-el-fl-gl
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Ga力ら選ば、れる少なくとも一つの元素であり、 dl、 el、 il及び glは、 l≤dl < 31、 2 く elく 38、 1く flく 29、 0く glく 36、 25く dl + el +fl +glく 40を満たす。;) で表される Si— In— ZrZHf - O系材料を含む層であつてよ!/ヽ。
[0026] また、本発明の情報記録媒体において、 M2を含む Si— In— ZrZHf— O系材料 層は、式 (4) :
(SiO ) (In O ) (MIO ) (M2 O ) (mol%) (4)
2 zl 2 3 wl 2 vl 2 3 100-zl-wl-vl
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 zl、 wl及び vlは、 5≤zl < 90、 5≤w 1く 90、 5≤vlく 90、 15≤zl +wl +vlく 100を満たす。;)
で表される Si— In— Zr/Hf - O系材料を含む層であつてよ!/ヽ。
[0027] また、本発明の情報記録媒体において、 M2を含む Si—In—ZrZHf—O系材料 層は、 M2として、 Yを含み、式(5):
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (5)
2 ul 2 3 tl 2 0.97 2 3 0.03 100-ul-tl
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 ul及び tlは、 5≤ul≤90、 5≤tl≤9 0、 10≤ul +tl≤95を満たす。)
で表される Si— In— Zr/Hf - O系材料を含む層であつてよ!/ヽ。
[0028] 本発明の情報記録媒体において、 M2を含む Si— In— ZrZHf— O系材料層は、 M2として、 Yを含み、式(6):
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (6)
2 si 2 3 rl 2 0.92 2 3 0.08 100-sl-rl
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 si及び rlは、 5≤sl≤90, 5≤rl≤9 0、 10≤sl +rl≤95を満たす。)
で表される Si— In— Zr/Hf - O系材料を含む層であつてよ!/ヽ。
[0029] 式(5)および式 (6)の組成の材料 (即ち Y Oを含む組成の材料)を含む層もまた、
2 3
例えば、相変化形情報記録媒体の誘電体層または界面層として用いると、媒体の繰 り返し書き換え性能、記録保存性、記録感度及び信号強度を向上させることができる 。また、 ZrOの一部が Y Oで置き換えられた材料は、安定ィ匕されているために、これ
2 2 3
を含む材料の Si— In— Zr/Hf— O系材料層は安定して、形成することができる。
[0030] 本発明の情報記録媒体において、 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、さらに、 炭素 (C)、
Sc、 La、 Gd、 Dy、 Yb、 Al、 Mg、 Zn、 Ta、 Ti、 Ca、 Ce、 Sn、 Te、 Nb及び B も選 ばれる少なくとも一つの元素の酸化物、
Si、 Cr、 A1及び Geから選ばれる少なくとも一つの元素の窒化物、ならびに Si— C から選択される、少なくとも 1つの成分を含んでもよい。これらの成分を含む Si— In— ZrZHf— O系材料層もまた、例えば、相変化形情報記録媒体の誘電体層または界 面層として用いると、媒体の繰り返し書き換え性能、記録保存性、記録感度及び信号
強度を向上させることができる。
[0031] 本発明の情報記録媒体は、少なくとも一つの記録層を有してよい。記録層は、相変 化を生じ得るものであってもよい。相変化を生じ得る記録層は、 Sb、 Bi、 In及び Snか ら選ばれる少なくとも一つの元素と、 Geと Teとを含んでもよい。
[0032] 相変化を生じ得る記録層は、(Ge Sn) Teゝ GeTe Sb Te、 (Ge Sn) Te Sb
2 3
Te、 GeTe Bi Te、(Ge Sn)Te Bi Te、 GeTe- (Sb— Bi) Te、(Ge Sn
2 3 2 3 2 3 2 3
)Te- (Sb— Bi) Te、 GeTe- (Bi— In) Te及び(Ge Sn)Te (Bi— In) Teの
2 3 2 3 2 3 いずれかで表される材料を含むものであってよい。そのような記録層は、相変化形情 報記録媒体の繰り返し書き換え性能を向上させることができる。
[0033] 本発明の情報記録媒体において、 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、記録層の少 なくとも一つの面と接して配置されていてもよい。そのような配置は、例えば、相変化 形情報記録媒体の繰り返し書き換え性能、記録保存性、記録感度及び信号強度を 向上させることができる。「記録層の面」は、記録層の領域を画定し、他の層と接して いる部分である。 Si— In— ZrZHf— O系材料層と接する記録層の面は、好ましくは 、厚さ方向と垂直な面である。 Si— In— ZrZHf— O系材料層と接する記録層の面は 、厚さ方向と平行な面 (例えば側面)であってもよ!/ヽ。
[0034] 本発明の情報記録媒体は、厚さ方向に垂直な記録層の 2つの面のうち、一方の面 に Si— In— ZrZHf O系材料層が接して配置され、他方の面に、 Cr、 Mlおよび O を含む層が接して配置されてよい。 Cr、 Mlおよび Oを含む層は、記録層の結晶化を 促進する役割をする。好ましくは、 Cr、 Mlおよび Oを含む層が、記録層から見て、レ 一ザビームにより近い側(レーザービーム入射側)の面に設けられ、 Si— In— ZrZH f— O系材料層力 記録層から見て、レーザビーム力もより遠い側(レーザビーム反入 射側)の面に設けられる。
[0035] 本発明の情報記録媒体は、少なくとも一つの反射層をさらに有してよい。また、反 射層は、主として Agを含んでもよい。「主として」という用語は、 Agを 50原子%以上 含むことをいう。反射層、特に Agを主として含む反射層は、例えば、相変化形情報記 録媒体の繰り返し書き換え性能及び信号強度を向上させることができる。
[0036] 本発明はまた、前記課題を解決するために、本発明の情報記録媒体を製造する方
法を提供する。本発明の製造方法は、 Siと Inと Ml (Mlは Zr及び Hfから選ばれる少 なくとも一つの元素)と酸素(O)とを含む Si— In— ZrZHf— O系材料層をスパッタリ ング法により形成する工程を少なくとも含み、 Si— In— Zr/Hf— O系材料層を形成 する工程において、 Siと Inと Mlと Oとを含むスパッタリングターゲットであって、 Siを 0 . 5原子%以上含むものを使用することを特徴とする。この製造方法により、相変化形 情報記録媒体を製造する場合には、繰り返し書き換え性能、記録保存性、記録感度 及び信号強度が向上した媒体を得ることができる。
[0037] また、本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf— O系材料 層を形成する工程で用いるスパッタリングターゲットは、式(11):
Si In Ml O (原子%) (11)
a2 b2 c2 100-a2-b2-c2
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 a2、 b2及び c2は 、 0. 5≤a2< 35, 0く b2<43、 0く c2< 35、 20く a2+b2 + c2く 45を満たす。;)で 表される Si— In— Zr/Hf—O系材料を含んでよい。
[0038] また、本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf— O系材料 層を形成する工程で用いるスパッタリングターゲットは、式(12):
(SiO ) (Ιη θ ) (MIO ) (mol%) (12)
2 x2 2 3 y2 2 100-x2-y2
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 x2及び y2は、 2 <x2≤95, 0<y2≤95, 5≤x2+y2< 100を満たす。;)で表される Si— In— ZrZH f O系材料を含んでよい。
[0039] 式(12)は、 Si、 In、 Mlおよび酸素を含むスパッタリングターゲットが、 Si、 Inおよび Mlの酸ィ匕物の組成が表示されて供給される場合があることを考慮して、その好まし い割合を示している。発明者は、組成がそのように表示されたスパッタリングターゲッ トを X線マイクロアナライザーで分析して得た元素組成力 表示されて ヽる組成から 算出される元素組成と略等しくなることを (即ち、組成表示 (公称組成)が適正である こと)を確認している。したがって、酸ィ匕物の混合物として提供されるスパッタリングタ 一ゲットもまた、本発明の製造方法において好ましく用いられる。
[0040] また、本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf— O系材料 層を形成する工程は、 M2をさらに含む Si— In— Zr/Hf— O系材料層を形成する
工程として実施してよぐその場合、 Siと Inと Mlと M2と Oとを含むスパッタリングター ゲットであって、 Siを 0. 5原子%以上含むものを使用する。
[0041] 本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf—O系材料層を 形成する工程で用いるスパッタリングターゲットは、式(13):
Si In Ml M2 O (原子%) (13)
d2 e2 f2 g2 100-d2-e2-f2-g2
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Ga力ら選ば、れる少なくとも一つの元素であり、 d2、 e2、 ί2及び g2は、 0. 5≤d2< 34 、 0く e2<43、 0く f2< 34、 0く g2<41、 20く d2 + e2+f2+g2く 45を満たす。;) で表される Si— In— Zr/Hf - O系材料を含んで!/、てもよい。
[0042] 本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf—O系材料層を 形成する工程で用いるスパッタリングターゲットは、式(14):
(SiO ) (In O ) (MIO ) (M2 O ) (mol%) (14)
2 z2 2 3 w2 2 v2 2 3 100-z2-w2-v2
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 z2、 w2及び v2は、 2< z2< 95、 0<w 2く 95、 0く v2< 95、 10≤z2+w2+v2く 100を満たす。;)
で表される Si— In— ZrZHf—O系材料を含んでいてもよい。式(13)は、式(12)と 同様に、酸ィ匕物の混合物として提供されるスパッタリングターゲットにおいて、各酸ィ匕 物の好ま 、割合を示して 、る。
[0043] 本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf—O系材料層を 形成する工程で用いるスパッタリングターゲットは、式(15):
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (15)
2 u2 2 3 t2 2 0.97 2 3 0.03 100-u2-t2
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 u2及び t2は、 2<u2≤95、 2<t2≤9 5、 5≤u2+t2く 100を満たす。;)
で表される Si— In— Zr/Hf - O系材料を含んで!/、てもよい。この組成の材料を含む スパッタリングターゲットは、安定して作製することができるので、上記のように優れた 性能を有する媒体を、さらに安定して量産することを可能にする。
[0044] 本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf—O系材料層を
形成する工程で用いるスパッタリングターゲットは、式(16):
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (16)
2 s2 2 3 r2 2 0.92 2 3 0.08 100-s2-r2
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 M2は Y、 Cr及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 s2及び r2は、 2< s2≤95, 2<r2≤9 5、 5≤s2+r2く 100を満たす。)
で表される Si— In— Zr/Hf - O系材料を含んで!/、てもよい。この組成の材料を含む スパッタリングターゲットもまた、安定して作製することができるので、上記のように優 れた性能を有する媒体を、さらに安定して量産することを可能にする。
[0045] 本発明の情報記録媒体の製造方法において、 Si— In— ZrZHf—O系材料層を 形成する工程で用 、るスパッタリングターゲットは、さらに
炭素 (C)、
Sc、 La、 Gd、 Dy、 Yb、 Al、 Mg、 Zn、 Ta、 Ti、 Ca、 Ce、 Sn、 Te、 Nb及び B も選 ばれる少なくとも一つの元素の酸化物、
Si、 Cr、 A1及び Geから選ばれる少なくとも一つの元素の窒化物、ならびに Si— C 力も選択される、少なくとも 1つの成分を含んでもよい。これらの成分のうち、 1または 複数を含むターゲットが相変化形情報記録媒体の製造において使用される場合にも 、繰り返し書き換え性能、記録感度及び信号強度が向上した媒体を得ることができる
[0046] 本発明の情報記録媒体の製造方法で実施される Si— In— ZrZHf— O系材料層 の形成工程においては、希ガス、または希ガスと Oガスとの混合ガスを用いてよい。
2
これらのガスを使用して、相変化形情報記録媒体の Si— In— ZrZHf— O系材料層 を形成する場合には、上記したような優れた性能を有する媒体を、より安定して製造 することが可能となる。
発明の効果
[0047] 本発明の情報記録媒体は、 Si、 In、 Zrおよび Zまたは Hf、ならびに Oを含む Si— I n— ZrZHf— O系材料層を有することを特徴とする。この Si— In— ZrZHf—O系材 料層は、光学的相変化形情報記録媒体において、誘電体層または界面層として使 用することができ、記録層と接して設けられても物質移動が生じにくい。よって、この
層を含む光学的相変化形情報記録媒体は、より向上した繰り返し書き換え性能、記 録保存性、記録感度及び信号強度を有する。この Si— In— ZrZHf— O系材料層は また、電気的相変化形情報記録媒体において、記録層を断熱するための誘電体層 として使用される場合にも、その繰り返し書き換え回数を向上させることができる。ま た、本発明の製造方法によれば、本発明の情報記録媒体を容易に製造することがで きる。
図面の簡単な説明
[図 1]本発明の 1層の情報層を備えた情報記録媒体の層構成の一例を示す一部断 面図
[図 2]本発明の N層の情報層を備えた情報記録媒体の層構成の一例を示す一部断 面図
[図 3]本発明の 2層の情報層を備えた情報記録媒体の層構成の一例を示す一部断 面図
圆 4]本発明の 1層の情報層を備えた情報記録媒体の層構成の一例を示す一部断 面図
[図 5]本発明の N層の情報層を備えた情報記録媒体の層構成の一例を示す一部断 面図
[図 6]本発明の 2層の情報層を備えた情報記録媒体の層構成の一例を示す一部断 面図
[図 7]本発明の情報記録媒体の記録再生に用いられる記録再生装置の構成の一部 を模式的に示す図
[図 8]本発明の情報記録媒体、及び電気的情報記録再生装置の構成の一部を模式 的に示す図
[図 9]本発明の大容量の電気的情報記録媒体の構成の一部を模式的に示す図 [図 10]本発明の電気的情報記録媒体とその記録再生システムの構成の一部を模式 的に示す図
[図 11]本発明の電気的情報記録媒体に適用される記録 ·消去パルス波形の一例を 示す図
[図 12]4. 7GBZDVD— RAMについて層構成の一例を示す一部断面図 符号の説明
1, 14, 26, 30, 39 基板
2、 102 入射側誘電体層
3、 103 入射側界面層
4, 104 記録層
5, 105 反入射側界面層
6, 106 反入射側誘電体層
7 光吸収補正層
8, 108 反射層
9, 27 接着層
10, 28 ダミー基板
11 レーザビーム
12, 15, 22, 24, 29, 31, 32, 37 情報記録媒体
13 透明層
16, 18, 21 情報層
17, 19, 20 光学分離層
23 第 1情報層
25 第 2情報層
33 スピンド/レモータ
34 対物レンズ
35 半導体レーザ
36 光学ヘッド
38 記録再生装置
40 下部電極
41, 204 第 1記録層
42, 304 第 2記録層
43 上部電極
44, 51 電気的情報記録媒体
45 印加部
46, 59 抵抗測定器
47, 49 スィッチ
48, 58 ノ レス電源
50 電気的情報記録再生装置
52 ワード線
53 ビット線
54 メモリセノレ
55 アドレス指定回路
56 記憶装置
57 外部回路
107 界面層
202 第 1入射側誘電体層
203 第 1入射側界面層
206 第 1反入射側誘電体層
208 第 1反射層
209 透過率調整層
302 第 2入射側誘電体層
303 第 2入射側界面層
306 第 2反入射側誘電体層
308 第 2反射層
401 第 1誘電体層
402 第 2誘電体層
501, 502, 503, 504, 505, 508, 509 記録波形
506, 507 消去波形
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の
実施の形態は一例であり、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、以下 の実施の形態では、同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省 略する場合がある。
[0051] (実施の形態 1)
実施の形態 1として、本発明の情報記録媒体の一例を説明する。実施の形態 1の 情報記録媒体 15の一部断面図を図 1に示す。情報記録媒体 15は、レーザビーム 11 の照射によって情報の記録再生が可能な光学的情報記録媒体である。
[0052] 情報記録媒体 15は、基板 14、基板 14上に形成された情報層 16、及び透明層 13 により構成されている。透明層 13は、使用するレーザビーム 11に対して小さい光吸 収率を有し、短波長域にぉ 、て光学的に小さ 、複屈折率を有することが好ま 、。 例えば、透明層 13は、光硬化性榭脂 (特に、エポキシ榭脂またはアクリル榭脂のよう な紫外線硬化性榭脂)もしくは遅効性榭脂等の榭脂、または誘電体等から成る。ある いは、透明層 13は、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフインもしくは PMMA等 の榭脂、またはガラス力も成る、透明な円盤状のシートまたは板であってもよい。この 場合、透明層 13は、光硬化性榭脂 (特に紫外線硬化性榭脂)もしくは遅効性榭脂等 の榭脂、または粘着性のシートなどによって入射側誘電体層 102に貼り合わせてよ い。
[0053] レーザビーム 11の波長 λは、高密度記録の場合、特に 450nm以下であることが好 ましい。レーザビーム 11を集光した際のスポット径が波長えによって決まるためであ る。一般に、波長えが短いほど、レーザビームはより小さなスポット径に集光可能であ る。また、 λが 350nm未満であると、透明層 13等による光吸収が大きくなる。よって、 λは、 350nm〜450nmの範囲内であることがより好ましい。
[0054] 基板 14は、透明な円盤状の基板である。基板 14を構成する材料としては、例えば 、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフインもしくは PMMA等の榭脂、またはガラ スが挙げられる。基板 14の材料としては、転写性および量産性に優れ、低コストであ ることから、ポリカーボネートが特に好ましい。
[0055] 基板 14は、情報層 16が形成される側の表面に、必要に応じてレーザビームを導く ための案内溝を有して 、てよ 、。基板 14の情報層 16が形成される側と反対側の表
面は、平滑であることが好ましい。基板 14の厚さは、十分な強度が確保され、且つ情 報記録媒体 15の厚さが 1. 2mm程度となるよう、 0. 5mn!〜 1. 2mmの範囲内である ことが好ましい。なお、透明層 13の厚さが 0. 6mm程度(NA=0. 6で良好な記録再 生が可能な厚さ)の場合、基板 14の厚さは 0. 55mm〜0. 65mmの範囲内であるこ とが好ましい。また、透明層 13の厚さが 0. 1mm程度(NA=0. 85で良好な記録再 生が可能な厚さ)の場合、基板 14の厚さは 1. 05mm〜l. 15mmの範囲内であるこ とが好ましい。
[0056] 以下、情報層 16の構成について詳細に説明する。
情報層 16は、レーザビーム 11の入射側から順に配置された入射側誘電体層 102 、入射側界面層 103、記録層 104、反入射側界面層 105、反入射側誘電体層 106、 及び反射層 108を備える。入射側界面層 103および反入射側界面層 105は、必要 に応じて設けられ、図 1に示す媒体 15は、いずれか一方または両方の界面層を有し な ヽ形態で提供されてよ ヽ。
[0057] この情報層 16において、 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、入射側誘電体層 102 、入射側界面層 103、反入射側界面層 105、および反入射側誘電体層 106から選 択される 1つまたは複数の層を形成する。図 1に示す構成の媒体 15において、 Si— I n— ZrZHf— O系材料層は、好ましくは反入射側誘電体層 106として形成される。 以下、 Si— In— ZrZHf— O系材料層について説明する。
[0058] Si— In— ZrZHf—O系材料層は、 Siと Inと Ml (Mlは Zr及び Hfから選ばれる少 なくとも一つの元素)と Oとを少なくとも含み、 Siを 1原子%以上含む層である。 Siを 1 原子%以上含む Si— In— ZrZHf— O系材料層は、誘電体層または界面層として用 いられる場合に、媒体 15の記録感度を向上させ得る。また、 Siは、 Si— In— ZrZHf —O系材料層の結晶化を抑制する役割をする。よって、例えば、この層が反入射側 誘電体層 106として用いられる場合には、情報記録媒体 15の雑音振幅の増加を抑 制し、信号強度を高くする。
[0059] Inは、酸素とともに酸化物として存在すると考えられる。 Inは、 Si— In— ZrZHf— O系材料層を、記録層と接して形成する場合に、記録層との密着性を高くする。また 、 Inは、 Si— In— ZrZHf— O系材料層を、誘電体層または界面層として設ける場合
に、媒体の記録保存性を良好にする。 Zrおよび Zまたは Hfは、酸素とともに酸化物 として存在すると考えられる。 Zrおよび Hfの酸ィ匕物は、透明で、高い融点(約 2700 °C)を有し、且つ酸化物の中では熱伝導率が低い材料である。よって、これらの少な くとも一方を含む Si— In— ZrZHf—O系材料層が、誘電体層または界面層として形 成された媒体は、繰り返し書き換え性能に優れたものとなる。また、 Zrおよび Hfの酸 化物の少なくとも一方を含む Si— In— Zr/Hf O系材料層力 成る界面層は、消 衰係数が小さぐ熱的に安定である。
[0060] Si— In— ZrZHf— O系材料層においては、 Siと Oが SiOを形成し、 Inと O力 n O
2 2 3 を形成し、 Mlと Oが MIOを形成していることが好ましい。 SiO、 In O及び Ml O
2 2 2 3 2 3 は、 Sを含まない材料である。そのため、これらの酸化物を含む Si— In— ZrZHf— O 系材料層は、記録層と接するように設けられても、物質移動を生じさせにくい。よって 、この層は、特に、記録層と接するように形成する誘電体層、または記録層と接する 界面層として、好ましく用いられる。 Sを含まない Si— In— ZrZHf— O系材料層はま た、図示するように、入射側界面層 103 (または反入射側界面層 105)を備える構成 において、第 1誘電体層 102 (または反入射側誘電体層 106)として形成してよい。そ の場合には、界面層が膜破壊しても、物質移動による繰り返し書き換え性能の低下 が生じにく!ヽと 、う点で有利である。
[0061] Si— In— ZrZHf— O系材料層は、界面層の有無に関わらず、反入射側誘電体層 106として形成されることが好ましい。 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、 Crの酸ィ匕 物等と比べて、低い熱伝導率を有する Inの酸化物を含む。そのため、これを反射層 1 08に近い反入射側誘電体層 106として形成すると、熱が反射層の方へ速やかに拡 散され、記録に要するレーザパワーが低くなる(即ち、記録感度が高くなる)。
[0062] Si— In— ZrZHf— O系材料層は、式(1):
Si In Ml O (原子%) (1)
al bl cl 100-al-bl-cl
で表される材料を含む層であることが好ましい。式(1)において、 al、 bl及び clは、 l≤al < 32, 3<bl < 38、 l < cl < 30、 25< al +bl + cl <40を満たすこと力 S好 ましく、 1く alく 15、 8く blく 35、 1く clく 20、 30く al +bl +clく 40を満たすこ とがより好ましい。
[0063] Si— In— ZrZHf— O系材料層は、 Si、 Inおよび Mlの酸化物の混合物を含む層と して表すときには、式(2):
(SiO ) (Ιηθ ) (MIO ) (mol%) (2)
2 xl 2 3 yl 2 100- xト yl
で表される材料を含む層であることが好ましい。式(2)において、 xl及び ylは、 5≤x 1≤90、 5≤yl≤90, 10≤xl+yl≤95を満たすこと力 S好ましく、 10≤xl≤50、 30 ≤yl≤ 80、 40≤xl +yl≤ 90を満たすこと力より好まし!/ヽ。
[0064] Si— In— ZrZHf— O系材料層は、 Si、 In、 Mlおよび Oに加えて、 M2(M2は Y、 Cr及び Gaから選ばれる少なくとも一つの元素)を含んでいてよい。その場合も、 Siは 1原子%以上含まれる。 M2をカ卩えることにより、例えば、 Si— In— ZrZHf— O系材 料層の安定性、記録層との密着性、および結晶化速度等を調節することが可能とな る。
[0065] M2を含む Si— In— ZrZHf— O系材料層は、式(3):
Si In Ml M2 O (原子%) (3)
dl el fl gl 100-dl-el-fl-gl
で表される Si— In— ZrZHf—O系材料を含む層であることが好ましい。式(3)にお いて、 dl、 el、 fl及び glは、 l≤dlく 31、 2く elく 38、 1く flく 29、 0く glく 36、 25<dl + el+fl+gl<40を満たすこと力 S好ましく、 l<dl<15、 8<el<35、 1 く fl<20、 0く gl<23、 30く dl + el+fl+gl<40を満たすこと力より好まし!/、。
[0066] M2もまた、酸ィ匕物の形態で Si— In— ZrZHf—O系材料層に含まれると考えられ る。よって、 M2を含む Si— In— Zr/Hf— O系材料層は、酸化物の混合物を含む層 として表すときには、式 (4):
(SiO ) (In O ) (MIO ) (M2 O ) (mol%) (4)
2 zl 2 3 wl 2 vl 2 3 100-zl-wl-vl
で表される材料を含む層であることが好ましい。式 (4)において、 zl、 wl及び vlは、 5≤zl<90、 5≤wl<90, 5≤vl<90、 15≤zl+wl+vl< 100を満たすこと力 S 好ましく、 10≤zl≤50、 30≤wl≤80, 10≤vlく 60、 50≤zl+wl+vlく 100を 満たすことがより好ましい。
[0067] Si— In— Zr/Hf—O系材料層において、 Mlとして Zrを含む場合、 ZrOが Y O
2 2 3 で部分安定ィ匕されていてよい。その場合、 Si-In— ZrZHf— O系材料層は、式(5)
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (5)
2 ul 2 3 tl 2 0.97 2 3 0.03 100-ul-tl
で表される材料を含む層であることが好ましい。式(5)において、 ul及び tlは、 5≤u 1≤90、 5≤tl≤90, 10≤ul +tl≤95を満たすこと力 S好ましく、 10≤ul≤50、 30 ≤tl≤80, 40≤ul +tl≤90を満たすことがより好ましい。
[0068] あるいは、 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、式(6):
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (6)
2 si 2 3 rl 2 0.92 2 3 0.08 100-sl-rl
で表される材料を含む層であることが好ましい。式(6)において、 si及び rlは、 5≤s 1≤90、 5≤rl≤90, 10≤sl +rl≤95の範囲にあること力 S好ましく、 10≤sl≤50、 30≤rl≤ 80、 40≤sl +rl≤ 90の範囲にあること力 ^より好まし!/、。
[0069] 前述のように、 Y Oは透明な材料で、且つ ZrOを安定ィ匕させる働きがある。よって
2 3 2
、これを含む Si— In— ZrZHf—O系材料層を、誘電体層または界面層として使用す る場合には、繰り返し書き換え性能に優れ、信頼性の高い情報記録媒体 15が実現 できる。また、 Si— In— ZrZHf— O系材料層を、後述するようにスパッタリング法によ り形成する場合には、 Y Oが ZrOを安定ィ匕させることにより、密度の高いスパッタリン
2 3 2
グターゲットを製造しやすいので、好都合である。
[0070] また、 Si— In— ZrZHf— O系材料層は、
炭素 (C)、
Sc、 La、 Gd、 Dy、 Yb、 Al、 Mg、 Zn、 Ta、 Ti、 Ca、 Ce、 Sn、 Te、 Nb及び B も選 ばれる少なくとも一つの元素の酸化物、
Si、 Cr、 A1及び Geから選ばれる少なくとも一つの元素の窒化物、ならびに Si— C 力も選択される、少なくとも 1つの成分を含んでもよい。
[0071] これらの成分は、 Si— In— ZrZHf—O系材料層の特性を調節するために用いてよ い。あるいは、これらの成分は、不可避的に Si—In—Zr/Hf—O系材料層に含まれ ることがある。いずれの場合でも、これらの成分は、 mol%で表されるときには、 20mol %を越えて存在しないことが好ましい。また、 Si— In— ZrZHf—O系材料層力 これ らの成分 (またはそれ以外の成分)を含むことにより、 Si、 In、 Mlおよび 0、ならびに 場合により含まれる M2以外の元素を含む場合には、そのような元素は、 10原子%ま で含まれてよい。
[0072] Si— In— ZrZHf— O系材料層は、前述のように、入射側誘電体層 102、反入射側 誘電体層 106、入射側界面層 103および反入射側界面層 105の ヽずれか一つとし て形成される。以下、各層の機能および好ましい厚さ等を、具体的に、説明する。
[0073] 入射側誘電体層 102および反入射側誘電体層 106は、記録層 104の酸化、腐食、 および変形等を防止する働き、光学距離を調整して記録層 104の光吸収効率を高 める働き、ならびに記録前後の反射光量の変化を大きくして信号強度を大きくする働 きを有する。前述のように、反入射側誘電体層 106を、 Si— In— ZrZHf— O系材料 層とすることが好ましい。あるいは、両方の誘電体層 102および 106を、 Si— In— Zr /Hf— O系材料層としてもよい。あるいは、入射側誘電体層 102のみを、 Si— In— Z rZHf— O系材料層としてもよ ヽ。
[0074] 入射側誘電体層 102 (または反入射側誘電体層 106)を、 Si—In— ZrZHf—O系 材料層としない場合、この層を形成する材料として、例えば TiO、 ZrO、 HfO、 Zn
2 2 2
0、 Nb O、 Ta O、 SiO、 SnO、 Al O、 Bi O、 Cr O、 Ga O、 In O、 Sc O、 Y
2 5 2 5 2 2 2 3 2 3 2 3 2 3 2 3 2 3 2
O、 La O、 Gd O、 Dy O、 Yb O、 CaO、 MgO、 CeO、および TeO等から選ば
3 2 3 2 3 2 3 2 3 2 2 れる 1または複数の酸化物を用いることができる。また、 C— N、 Ti— N、 Zr— N、 Nb N、 Ta— N、 Si— N、 Ge— N、 Cr N、 Al— Nゝ Ge— Si— N、および Ge— Cr N 等力も選ばれる、 1または複数の窒化物を用いることもできる。また、 ZnSなどの硫ィ匕 物、 SiCなどの炭化物、 LaFなどの弗化物、及び Cを、入射側誘電体層 102の材料
3
として用いることもできる。また、上記材料力も選ばれる 1または複数の材料の混合物 を用いて、入射側誘電体層 102を形成することもできる。
[0075] 例えば、 ZnSと SiOとの混合物である ZnS— SiOは、入射側誘電体層 102の材料
2 2
として特に優れている。 ZnS -SiOは、非晶質材料で、屈折率が高ぐ成膜速度が
2
速ぐ機械特性及び耐湿性が良好である。 ZnS -SiOは、好ましくは、 (ZnS) (SiO
2 80
) (mol%)で示される材料である。
2 20
[0076] 入射側誘電体層 102の厚さは、マトリクス法に基づく計算により、記録層 104の結 晶相である場合とそれが非晶質相である場合の反射光量の変化が大きくなる条件を 満足するように厳密に決定することができる。
[0077] 入射側界面層 103は、繰り返し記録によって入射側誘電体層 102と記録層 104と
の間で生じる物質移動を防止する働きを有する。また、入射側界面層 103は、記録 層 104の結晶化を促進または抑制する働き、即ち、結晶化能を調整する働きも有す る。入射側界面層 103は、光の吸収が少なく記録の際に溶けない高融点な材料で、 且つ、記録層 104との密着性が良い材料で形成されることが好ましい。記録の際に 溶けない高融点な材料であることは、高パワーのレーザビーム 11を照射した際に、 入射側界面層 103が溶けて記録層 104に混入しな ヽことを確保するために、必要と される特性である。入射側界面層 103の材料が混入すると、記録層 104の組成が変 わり、書き換え性能が著しく低下する。また、記録層 104と密着性が良い材料である ことは、信頼性を確保するために必要とされる特性である。
[0078] 入射側界面層 103は、 Si— In— ZrZHf— O系材料層としてよい。または入射側界 面層 103は、 Si-In— ZrZHf— O系材料層以外の層としてよい。その場合、入射側 界面層 103の材料として、入射側誘電体層 102に関連して説明した材料が挙げられ る。
[0079] 特に、入射側界面層 103は、 Crと Oを含む材料で形成することが好ま 、。 Crと O を含む入射側界面層 103は、記録層 104の結晶化をより促進することによる。その材 料において、 Crと Oは Cr Oを形成していることが好ましい。 Cr Oは記録層 104との
2 3 2 3
密着性が良い材料である。
[0080] また、入射側界面層 103は、 Inと Oを含む材料を用いて形成してょ 、。その材料に おいて、 Inと Oは In Oを形成していることが好ましい。 In Oは記録層 104との密着
2 3 2 3
性が良い材料である。また、入射側界面層 103は、 Gaと Oを含む材料を用いて形成 してよい。その材料において、 Gaと Oは Ga Oを形成していることが好ましい。 Ga O
2 3 2 3 は記録層 104との密着性が良 、材料である。
[0081] 入射側界面層 103は、 Crと 0、 Gaと 0、または Inと Oの他に、 Zr、 Hf及び Yから選 ばれる少なくとも一つの元素をさらに含んでもよい。前述のように、 ZrO及び HfOは
2 2
、透明で融点が約 2700〜2800°Cと高ぐ且つ酸化物の中では熱伝導率が低い材 料で、情報記録媒体の繰り返し書き換え性能を良好にする。また、 Y O
2 3は透明な材 料で、且つ ZrO及び HfOを安定ィ匕させる働きをする。また、この 3種類の酸化物の
2 2
V、ずれか 1つまたは複数を、 Cr等の酸化物と混合した材料で形成した入射側誘電体
層 103は、記録層 104と部分的に又は全体に接していても、繰り返し書き換え性能に 優れ、信頼性の高い情報記録媒体 15の実現を可能にする。
[0082] 記録層 104との密着性を確保するため、入射側界面層 103中の Cr O、 Ga O、ま
2 3 2 3 たは In Oの含有量は 10mol%以上であることが好ましい。さらに、入射側界面層 10
2 3
3中の Cr O等の含有量は、入射側界面層 103による光吸収を小さく保っため、 70
2 3
mol%以下であることが好ましい。 Cr O等が多くなると光吸収が増加する傾向にある
2 3
。より好ましくは、 Cr O等の含有量は、 20mol%以上 60mol%以下である。
2 3
[0083] 入射側界面層 103は、 Cr、 Ga、 In、 Zr、 Hf、 Y及び Oの他に、さらに Siを含む材料 を用いても形成してよい。 SiOを含ませることにより、透明性が高くなり、記録性能に
2
優れた第 1情報層 16を実現できる。 In、 Zrおよび Zまたは Hf、ならびに Siを含む材 料力も成る入射側界面層 103は、 Si-In— ZrZHf— O系材料層となり得る。入射側 界面層 103中の SiOの含有量は 5mol%以上であることが好ましぐ記録層 104との
2
密着性を確保するため 50mol%以下であることが好ましぐ 10mol%以上 40mol% 以下であることがより好まし 、。
[0084] 入射側誘電体層 102を、 ZnS - SiOで形成する場合には、入射側界面層 103は
2
、特に、 Cr O、 ZrOおよび/または HfO、ならびに SiOを含む材料で形成される
2 3 2 2 2
ことが好ましい。 Cr Oは、高い結晶化促進能を有するため、特に、高速 (例えば、 2
2 3
倍速または 4倍速の Blu— ray Disc)で記録する媒体にて、レーザビームの入射側 の界面層を形成するのに適している。さらに、 Cr O
2 3は、 Ga O
2 3および In O
2 3と比較し て大きい光吸収率を有するものの、入射側界面層 103のように、極めて薄く形成され る層においては、 Cr Oの光吸収が媒体全体に与える影響は小さい。
2 3
[0085] より具体的には、入射側界面層 103は、下記の式
(MIO ) (Cr O ) (SiO ) (mol%)
2 h 2 3 i 2 100- h"i
(式中、 Mlは Zr及び Hfから選ばれる少なくとも一つの元素であり、 hおよび iは、 20 ≤h≤80, 10≤i≤70の、且つ 60≤h+i≤90を満たす)
で表される材料を含むことが好ましい。さらに、入射側界面層 103は、さらに Yを含ん でいてよい。 Yは、 Y Oとして含まれていてよい。その場合、 Y Oは、 MIO (特に、
2 3 2 3 2
ZrO )の一部(例えば、 0. 03mol%または 0. 08モル%)を置換する形態で、含まれ
ていてよい。
[0086] 入射側界面層 103の厚さは、入射側界面層 103での光吸収によって情報層 16の 記録前後の反射光量の変化が小さくならないよう、 0. 5ηπ!〜 15nmの範囲内である ことが望ましぐ lnm〜10nmの範囲内であることがより好ましい。
[0087] 反入射側誘電体層 106は、前述のように、 Si—In—ZrZHf—O系材料層であるこ とが好ましい。あるいは、反入射側誘電体層 106は、 Si— In— ZrZHf— O系材料以 外の材料力 成る層であってよ!/、。
[0088] 反入射側誘電体層 106の厚さは、 2ηπ!〜 75nmの範囲内であることが好ましぐ 2n m〜40nmの範囲内であることがより好ましい。この範囲内にある厚さを有する反入射 側誘電体層 106は、記録層 104で発生した熱を効果的に反射層 108側に拡散させ ることがでさる。
[0089] 記録層 104と反入射側誘電体層 106の間に、反入射側界面層 105を配置してもよ い。反入射側界面層 105は、入射側界面層 103と同様に、繰り返し記録によって反 入射側誘電体層 106と記録層 104との間の物質移動を防止する働きをする。反入射 側界面層 105は、 Si— In— ZrZHf—0系材料層としてよぐあるいは他の材料の層 としてよい。他の材料の層は、先に、入射側誘電体層 102に関連して説明したとおり である。反入射側界面層 105は、特に、 Inと Oを含む材料で形成することが好ましい 。より特には、 Inと O力 n Oを形成した酸ィ匕物を含むことが好ましい。よって、反入射
2 3
側界面層 105は、好ましくは、 Si-In— ZrZHf— O系材料層として形成される。
[0090] 反入射側界面層 105および反入射側誘電体層 106を、ともに Si— In— ZrZHf— O系材料層として形成されると、 2つの連続する層が、記録層の反入射側に位置する こととなる。そのような構成は、媒体の繰り返し書き換え性能、記録保存性、記録感度 及び信号強度をより向上させ得る。その場合、反入射側界面層 105の Si— In— ZrZ Hf— O系材料を占める Inの割合は、反入射側誘電体層 106の Si— In— ZrZHf— O系材料を占める Inの割合よりも多いことが好ましい。 Inを多くすると、密着性が良好 となることによる。同様の理由により、反入射側界面層 105の Si— In— ZrZHf— O系 材料を占める Siの割合は、反入射側誘電体層 106の Si— In— ZrZHf— O系材料を 占める Siの割合よりも少な 、ことが好ま 、。
[0091] より具体的には、反入射側界面層 105の Si— In— ZrZHf—O系材料における In の割合は、反入射側誘電体層 106のそれよりも、 3mol%〜: L0mol%程度多いことが 好ましぐ 5mol%〜8mol%程度多いことがより好ましい。また、反入射側界面層 105 の Si— In— ZrZHf—O系材料における Siの割合は、反入射側誘電体層 106のそ れよりも、 lmol%〜15mol%程度少ないことが好ましぐ 2mol%〜: L0mol%程度少な いことがより好ましい。
[0092] あるいは、反入射側界面層 105は、入射側界面層 103に関連して説明したように、 Crと Oを含む材料、または Gaと Oを含む材料で形成してよい。 Crと Oは、 Cr Oを形
2 3 成していることが好ましぐ Gaと Oは、 Ga Oを形成していることが好ましい。また、反
2 3
入射側界面層 105は、入射側界面層 103と同様に、 Inと 0、 Crと 0、または Gaと Oの 他に、 Zr、 Hf及び Yから選ばれる少なくとも一つの元素をさらに含んでもよい。さらに 、これらの成分以外に、 Siをさらに含む材料を用いて、反入射側誘電体層 105を形 成してよい。
[0093] 反入射側界面層 105は入射側界面層 103より記録層との密着性が悪 、傾向にある ため、反入射側界面層 105中の In O、 Cr Oまたは Ga Oの含有量は、入射側界
2 3 2 3 2 3
面層 103のそれより多 、20mol%以上であることが好まし 、。反入射側界面層 105 の厚さは、入射側界面層 103と同様に、 0. 5ηπ!〜 15nmの範囲内であることが望ま しぐ lnm〜10nmの範囲内にあることがより好ましい。
[0094] 図示した媒体 15において、記録層 104は、レーザビーム 11の照射によって結晶相 と非晶質相との間で相変化を生じ得る材料カゝらなる。記録層 104は、例えば Ge、 Te 、 M3 (M3は Sb、 Bi及び Inから選択される少なくとも一つの元素)を含む、可逆的な 相変化を生じ得る材料で形成できる。具体的には、記録層 104は、式 Ge M3 Te
A B 3+A で表される材料で形成できる。この式において、 Aは、 0<A≤60を満たすことが望ま しぐ 4≤A≤40を満たすことがより好ましい。 Aがこの範囲内にあると、非晶質相が安 定であり、よって、低い転送レートでの記録保存性が良好であり、また、融点の上昇と 結晶化速度の低下が少なぐよって、高い転送レートでの書き換え保存性が良好とな る。また、この式において、 Bは、 1. 5≤B≤ 7を満たすことが好ましぐ 2≤B≤4を満 たすことがより好ましい。 Bがこの範囲内にあると、非晶質相が安定で、結晶化速度の
低下が少ない。
[0095] あるいは、記録層 104は、式(Ge— M4) M3 Te (M4は Sn及び Pbから選ばれ
A B 3+A
る少なくとも一つの元素)で表される、可逆的な相変化を生じ得る材料で形成してもよ い。その場合、 Geを置換した元素 M4が結晶化能を向上させるため、記録層 104の 厚さが薄い場合でも、十分な消去率が得られる。元素 M4は、 Snであることがより好ま しい。人体への影響を懸念して、 Pbの使用が規制されつつあることによる。この材料 を用いる場合も、式中、 Aおよび Bは、 0<A≤60 (より好ましくは 4≤A≤40)、且つ 1 . 5≤B≤7 (より好ましくは 2≤B≤4)を満たすことが好ましい。
[0096] 記録層 104力 上記式 Ge M3 Te 、または(Ge— M4) M3 Te で表される材
A B 3+A A B 3+A
料を含む場合、元素 M3として特に Inを含むことが好ましい。 Inを含む材料から成る 記録層 104は、特に、非晶質相が安定で、低い転送レートでの記録保存性を良好に する。また、 Inを含む記録層と接して Si— In— Zr/Hf—O系材料層が形成される場 合、 Si— In— Zr/Hf— O系材料層と記録層との密着性が良好となる。
[0097] あるいは、記録層 104は、組成式 GeTe— SnTeで表される、可逆的な相変化を生 じ得る材料で形成してもよい。その場合、 SnTeが結晶化能を向上させるため、記録 層 104の厚さが薄い場合でも、十分な消去率が得られる。
[0098] あるいは、記録層 104は、例えば Sbと M5 (M5は V、 Mn、 Ga、 Ge、 Se、 Ag、 In、 S n、 Te、 Pb、 Bi、 Tb、 Dy及び Auから選ばれる少なくとも一つの元素)を含む、可逆 的な相変化を生じ得る材料で形成してもよい。具体的には、記録層 104は、 Sb M5
X 1
(原子%)で表される材料で形成できる。この式において、 Xは、 50≤X≤95を満 oo-x
たすことが好ましい。 Xがこの範囲内にあると、記録層 104が結晶相である媒体 15と、 非晶質相である媒体 15との間で、反射率差を大きくでき、良好な記録再生特性が得 られる。特に、 Xが 75≤X≤ 95を満たす場合には、記録層 104の結晶化速度が特に 速くなり、よって、高い転送レートにおいて良好な書き換え性能が得られる。また、 X が 50≤X≤75を満たす場合には、非晶質相が特に安定であり、よって、低い転送レ ートにお 、て良好な記録性能が得られる。
[0099] 記録層 104の厚さは、情報層 16の記録感度を高くするため、 6ηπ!〜 15nmの範囲 内であることが好ましい。この範囲内においても、記録層 104が厚い場合には、熱の
面内方向への拡散による記録部と隣接する領域への熱的影響が大きくなる。また、 記録層 104が薄い場合には、情報層 16の反射率が小さくなる。したがって、記録層 1 04の厚さは、 8nm〜 13nmの範囲内であることがより好まし!/、。
[0100] あるいは、記録層 104は、不可逆な相変化を起こす材料で形成されてよぐ例えば 、 Te— Pd— Oで表される材料で形成してもよい。この場合、記録層 104の厚さは、 1 0nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。
[0101] 反射層 108は、記録層 104に吸収される光量を増大させるという光学的な機能を有 する。また、反射層 108は、記録層 104で生じた熱を速やかに拡散させ、記録層 104 を非晶質化しやすくするという熱的な機能も有する。さらに、反射層 108は、使用する 環境力 多層膜を保護すると 、う機能も有する。
[0102] 反射層 108の材料として、例えば Ag、 Au、 Cu及び A1のような、熱伝導率が高!ヽ単 体金属を用いることができる。また、 Al— Cr、 Al— Ti、 Al— Ni、 Al— Cu、 Au— Pd、 Au—Cr、 Ag—Pd、 Ag— Pd—Cu、 Ag— Pd—Ti、 Ag—Ru—Au、 Ag— Cu—Ni、 Ag— Zn— Al、 Ag— Nd— Au、 Ag— Nd— Cuゝ Ag— Biゝ Ag— Gaゝ Ag— Ga— In、 Ag— Ga— Cu、 Ag— In、 Ag— In— Snまたは Cu— Siのような合金を用いることもで きる。特に、 Agを 50原子%以上含む合金は、熱伝導率が大きいため、反射層 108 の材料として好ましい。
[0103] 反射層 108の厚さは、熱拡散機能を十分に発揮するよう、 30nm以上であることが 好ましい。尤も、反射層 108が 200nmより厚い場合には、熱が過度に拡散されて、 情報層 16の記録感度が低下する。したがって、反射層 108の厚さは、 30ηπ!〜 200 nmの範囲内であることがより好ましい。
[0104] 反射層 108と反入射側誘電体層 106の間には、界面層(以下、この界面層を、誘 電体層と記録層との間に設けられる界面層と区別するために、便宜的に、「反射層側 界面層」と呼ぶ)を配置してもよい。図 1に示す情報記録媒体 15において反射層側 界面層が設けられる場合、界面層は、符号 108で示される層と、符号 106で示される 層との間に、符号 107で示される層として形成してよい。この場合、反射層側界面層 を形成する材料としては、反射層 108の材料よりも熱伝導率の低 、材料を用いること ができる。反射層 108の材料として、 Ag合金を用いた場合、反射層側界面層は、例
えば Al、または Al合金で形成してよい。
[0105] あるいは、反射層側界面層の材料として、 Cr、 Ni、 Siおよび Cなどの元素、 TiO、 Z
2 rO、 HfO、 ZnO、 Nb O、 Ta O、 SiO、 SnO、 Al O、 Bi O、 Cr O、 Ga O、 In
2 2 2 5 2 5 2 2 2 3 2 3 2 3 2 3 2
O、 Sc O、 Y O、 La O、 Gd O、 Dy O、 Yb O、 CaO、 MgO、 CeO、および Te
3 2 3 2 3 2 3 2 3 2 3 2 3 2
Oなどの酸化物を用いることができる。また、 C— N、 Ti— N、 Zr— N、 Nb— N、 Ta—
2
N、 Si— N、 Ge— N、 Cr— N、 Al— N、 Ge— Si— N、および Ge— Cr— Nなどの窒ィ匕 物を用いることもできる。また、 ZnSなどの硫ィ匕物や SiCなどの炭化物、 LaFなどの
3 弗化物、及び Cを用いることもできる。また、上記材料力も選ばれる 2以上の材料の混 合物を用いることもできる。反射層側界面層の厚さは、 3ηπ!〜 lOOnmの範囲内であ ることが好ましぐ 10nm〜50nmの範囲内であることがより好ましい。
[0106] 情報層 16にお 、て、記録層 104が結晶相である場合の反射率 R (%)、及び記録 層 104が非晶質相である場合の反射率 R (%)は、 R <Rを満たすことが好ましい。
a a c
それにより、情報が記録されていない初期の状態で反射率が高ぐ安定に記録再生 動作を行うことができる。また、反射率差 (R— R )を大きくして良好な記録再生特性 c a
が得られるように、 R、 Rは、 0. 2≤R≤10且つ 12≤R≤ 40を満たすことが好ましく c a a c
、 0. 2≤R≤5且つ 12≤R≤ 30を満たすことがより好ましい。
a c
[0107] 情報記録媒体 15は、以下に説明する方法によって製造できる。
まず、基板 14 (厚さが例えば 1. 1mm)上に情報層 16を積層する。情報層は、単層 膜または多層膜から成る。情報層を構成する各層は、成膜装置内で、材料となるスパ ッタリングターゲットを順次スパッタリングすることによって形成できる。
[0108] 具体的には、まず、基板 14上に反射層 108を形成する。反射層 108は、反射層 10 8を構成する金属または合金力もなるスパッタリングターゲットを、希ガス (例えば、 Ar ガス)雰囲気中、または希ガスと反応ガス(Oガス及び Nガスカゝら選ばれる少なくとも
2 2
一つのガス)との混合ガス雰囲気中でスパッタリングすることによって形成できる。
[0109] 続いて、反射層 108上に、必要に応じて反射層側界面層を形成する。反射層側界 面層は、反射層側界面層を構成する元素または化合物からなるスパッタリングターゲ ットを、希ガス雰囲気中、または希ガスと反応ガスとの混合ガス雰囲気中でスパッタリ ングすることによって形成できる。
[0110] 続いて、反射層 108、または反射層側界面層上に、反入射側誘電体層 106を形成 する。反入射側誘電体層 106は、反入射側誘電体層 106を構成する化合物からなる スパッタリングターゲット(例えば、(SiO ) (Ιη θ ) (MIO ) (mol%) )を、希
2 xl 2 3 yl 2 100-xl-yl
ガス雰囲気中、または希ガスと反応ガス (特に Oガス)との混合ガス雰囲気中でスパ
2
ッタリングすることによって形成できる。また、反入射側誘電体層 106は、反入射側誘 電体層 106を構成する金属力もなるスパッタリングターゲットを、希ガスと反応ガスと の混合ガス雰囲気中で反応性スパッタリングすることによつても形成できる。
[0111] 反入射側誘電体層 106を、 Si— In— ZrZHf— O系材料層として形成する場合、ス ノ ッタリングターゲット(以下、単に「ターゲット」と呼ぶことがある)は、式(11): Si In Ml O (原子%) (11)
a2 b2 c2 100-a2-b2-c2
で表される材料を含むものであることが好ましい。式(11)において、 a2、 b2及び c2 は、 0. 5≤a2< 35, 0く b2<43、 0く c2< 35、 20く a2+b2 + c2く 45を満たすこ と力 S好ましく、 0. 5< a2< 20、 3<b2<40、 0< c2< 25、 25< a2+b2 + c2<45を 満たすことがより好ましい。
[0112] このスパッタリングターゲットを使用して形成される層は、前記式(1)で示される組成 の材料を含む層となる。式(11)において、 Si、 In、 Mlおよび Oの割合の範囲は、式 (1)におけるそれらとは若干異なる。本発明者らは、このようなターゲットを用いたとき に、式(1)で表される材料を含む層が形成されることを確認した。
[0113] また、 Si— In— Ml— O系材料層を形成するためのスパッタリングターゲットは、式( 12) :
(SiO ) (Ιη θ ) (MIO ) (mol%) (12)
2 x2 2 3 y2 2 100-x2-y2
で表される材料を含むものであってよい。式(12)において、 x2及び y2は、 2<x2≤ 95、0<y2≤95、 5≤x2+y2< 100を満たすこと力 S好ましく、 5≤x2≤55、 25≤y2 ≤85、 35≤x2+y2≤95を満たすこと力より好まし!/ヽ。
[0114] 式(12)のようにスパッタリングターゲットを特定しているのは、 Si、 In、 Mlおよび O を含むターゲットは、通常、 Si、 In、および Mlの酸ィ匕物の組成が表示されて、販売さ れていることによる。また、発明者は、市販のスパッタリングターゲットの X線マイクロア ナライザ一で分析して得た元素組成が、表示されている組成カゝら算出される元素組
成と略等しくなることを (即ち、組成表示 (公称組成)が適正であること)を確認して!/、 る。したがって、この式で表されるスパッタリングターゲットも好ましく使用される。同様 のことは、式(14)、(15)および(16)で表されるターゲットについてもあてはまる。
[0115] 式(12)で示される材料を含むターゲットを使用して形成される層は、前記式(1)で 示される組成の材料を含む層となる。式(12)において、各酸ィ匕物の割合の範囲は、 式 (2)におけるそれらとは若干異なる。本発明者らは、このようなターゲットを用いたと きに、式(2)で表される材料を含む層が形成されることを確認した。
[0116] 反入射側誘電体層 106を、 M2 (M2は、 Y、 Cr、及び Gaから選ばれる少なくとも 1 つの元素である)をさらに含む Si— In— Zr/Hf—O系材料層として形成する場合、 ターゲットは、式(13) :
Si In Ml M2 O (原子%) (13)
d2 e2 f2 g2 100-d2-e2-f2-g2
で表される材料を含むものであることが好ましい。式(13)において、 d2、 e2、 f2及び g2は、 0. 5≤d2く 34、 0く e2<43、 0く f2< 34、 0く g2<41、 20< d2 + e2+f2 +g2<45を満たすこと力 S好ましく、 0. 5< d2< 20、 3< e2<40、 0<f2< 25、 0<g 2< 28、 25< d2 + e2+f2+g2<45を満たすこと力より好まし!/、。
[0117] このスパッタリングターゲットを使用して形成される層は、前記式(3)で示される組成 の材料を含む層となる。式(13)において、 Si、 In、 Ml、 M2および Oの割合の範囲 は、式 (3)におけるそれらとは若干異なる。本発明者らは、このようなターゲットを用い たときに、式(3)で表される材料を含む層が形成されることを確認した。
[0118] M2を含む Si— In— Zr/Hf— O系材料層を形成するためのスパッタリングターゲッ トは、式(14) :
(SiO ) (In O ) (MIO ) (M2 O ) (mol%) (14)
2 z2 2 3 w2 2 v2 2 3 100-z2-w2-v2
で表される材料を含むものであってよい。式(14)において、 z2、 w2及び v2は、 2< z 2< 95、 0<w2< 95、 0<v2< 95、 10≤z2+w2+v2< 100を満たすこと力 S好まし く、 5≤z2≤55、 25≤w2≤85, 5≤v2< 65, 45≤z2+w2+v2く 100を満たすこ とがより好ましい。
[0119] 式(14)で示される材料を含むターゲットを使用して形成される層は、前記式 (4)で 示される組成の材料を含む層となる。式(14)において、各酸ィ匕物の割合の範囲は、
式 (4)におけるそれらとは若干異なる。本発明者らは、このようなターゲットを用いたと きに、式 (4)で表される材料を含む層が形成されることを確認した。
[0120] Si— In— ZrZHf—O系材料層を形成するためのスパッタリングターゲットは、式(1 5) :
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (15)
2 u2 2 3 t2 2 0.97 2 3 0.03 100-u2-t2
で表される材料を含むものであってよい。式(15)において、 u2及び t2は、 2< u2≤ 95、 2< t2≤95, 5≤u2+t2< 100を満たすこと力 S好ましく、 5≤u2≤55、 25≤t2 ≤85、 35≤u2+t2≤95を満たすこと力より好まし!/ヽ。
[0121] 式(15)で示される材料を含むターゲットを使用して形成される層は、前記式(5)で 示される組成の材料を含む層となる。式(15)において、各酸ィ匕物の割合の範囲は、 式 (5)におけるそれらとは若干異なる。本発明者らは、このようなターゲットを用いたと きに、式(5)で表される材料を含む層が形成されることを確認した。
[0122] あるいは、 Si— In— ZrZHf—O系材料層を形成するためのスパッタリングターゲッ トは、式(16) :
(SiO ) (Ιη θ ) [ (ZrO ) (Y O ) ] (mol%) (16)
2 s2 2 3 r2 2 0.92 2 3 0.08 100-s2-r2
で表される材料を含むものであってよい。式(16)において、 2< s2≤95、 2<r2≤9 5、 5≤s2+r2< 100を満たすこと力 S好ましく、 5≤s2≤55、 25≤r2≤85, 35≤s2 +r2≤ 95を満たすことがより好ましい。
[0123] 式(16)で示される材料を含むターゲットを使用して形成される層は、前記式 (6)で 示される組成の材料を含む層となる。式(16)において、各酸ィ匕物の割合の範囲は、 式 (6)におけるそれらとは若干異なる。本発明者らは、このようなターゲットを用いたと きに、式 (6)で表される材料を含む層が形成されることを確認した。
[0124] 上記のスパッタリングターゲットはいずれも、さらに
炭素 (C)、
Sc、 La、 Gd、 Dy、 Yb、 Al、 Mg、 Zn、 Ta、 Ti、 Ca、 Ce、 Sn、 Te、 Nb及び B も選 ばれる少なくとも一つの元素の酸化物、
Si、 Cr、 A1及び Geから選ばれる少なくとも一つの元素の窒化物、ならびに Si— C 力 選択される、少なくとも 1つの成分を含んでもよい。これらの成分がターゲットに占
める割合は、形成される Si— In— ZrZHf— O系材料層において、これらの成分が、 20mol%を越えて、または 10原子%を越えないように、調整される。
[0125] Si— In— ZrZHf— O系材料層は、例えば SiO、 In O、 MIO、および M2 Oで
2 2 3 2 2 3 それぞれ表される、単一化合物のスパッタリングターゲットを、複数の電源を用いて同 時にスパッタリングすることによって形成することもできる。あるいは、 SiO、 In O、 M
2 2 3 lO、および必要に応じて M2 Oを、 2以上の群に分けて、各群の酸化物から成る 2
2 2 3
元系または 3元系スパッタリングターゲットを、複数の電源を用いて同時にスパッタリン グする方法で、 Si— In— ZrZHf— O系材料層を形成してよい。いずれの場合にも、 スパッタリングは、希ガス雰囲気中、または希ガスと反応ガス (特に Oガス)との混合
2
ガス雰囲気中で、実施してよい。
[0126] 反入射側誘電体層 106を、 Si— In— Zr/Hf— O系材料層として形成しない場合 には、反入射側誘電体層 106を構成すべき化合物等に応じて、スパッタリングターゲ ットを調製して、スパッタリング法により反入射側誘電体層 106を形成する。この場合 にも、スパッタリングは、希ガス雰囲気中、または希ガスと反応ガス (特に Oガス)との
2 混合ガス雰囲気中で、実施してよい。
[0127] 続いて、反入射側誘電体層 106上に、必要に応じて反入射側界面層 105を形成 する。反入射側界面層 105は、 Si— In— ZrZHf— O系材料層として、またはそれ以 外の層として、反入射側誘電体層 106に関連して説明した方法と同様の方法で形成 できる。
[0128] 続いて、反入射側誘電体層 106または反入射側界面層 105上に、記録層 104を形 成する。記録層 104は、その組成に応じて、 Ge— Te— M3合金力もなるスパッタリン グターゲット、 Ge— M4—Te— M3合金からなるスパッタリングターゲット、 Ge— Sn— Te合金力もなるスパッタリングターゲット、 Sb— M5合金力もなるスパッタリングターゲ ット、または Te— Pd合金力もなるスパッタリングターゲットを、一つの電源を用いてス ノ ッタリングすることによって形成できる。スパッタリングの雰囲気ガスとして、希ガス、 または希ガスと反応ガスとの混合ガスを用いることができる。
[0129] また、記録層 104は、 Ge、 Te、 M3、 M4、 Sb、 M5、および Pdでそれぞれ表される 、単一成分のスパッタリングターゲットを、複数の電源を用いて同時にスパッタリング
することによって形成することもできる。あるいは、 Ge、 Te、 M3、 M4、 Sb、 M5、およ び Pdを、 2以上の群に分けて、各群の酸ィ匕物力 成る 2元系または 3元系スパッタリン グターゲットを、複数の電源を用いて同時にスパッタリングする方法で、記録層 104を 形成してよい。いずれの場合にも、スパッタリングは、希ガス雰囲気中、または希ガス と反応ガスとの混合ガス雰囲気中で、実施してよい。
[0130] 続 ヽて、記録層 104上に、必要に応じて入射側界面層 103を形成する。入射側界 面層 103は、反入射側誘電体層 106と同様の方法で形成できる。
[0131] 続 ヽて、記録層 104、または入射側界面層 103上に、入射側誘電体層 102を形成 する。入射側誘電体層 102は、反入射側誘電体層 106と同様の方法で形成できる。
[0132] 最後に、入射側誘電体層 102上に透明層 13を形成する。透明層 13は、光硬化性 榭脂 (特に紫外線硬化性榭脂)または遅効性榭脂を、入射側誘電体層 102上に塗 布してスピンコートしたのち、榭脂を硬化させることによって形成できる。また、透明層 13として、透明な円盤状の基板を用いてもよい。基板は、例えば、ポリカーボネート、 アモルファスポリオレフインもしくは PMMA等の榭脂、またはガラス力も成る。この場 合、透明層 13は、光硬化性榭脂 (特に紫外線硬化性榭脂)または遅効性榭脂等の 榭脂を、入射側誘電体層 102上に塗布して、基板を入射側誘電体層 102上に密着 させてスピンコートしたのち、榭脂を硬化させることによって形成できる。また、基板に 予め粘着性の榭脂を均一に塗布し、それを入射側誘電体層 102に密着させることも できる。
[0133] なお、入射側誘電体層 102を形成した後、または透明層 13を形成した後、必要に 応じて、記録層 104の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。記録層 104 の結晶化は、レーザビームを照射することによって行うことができる。
[0134] 以上のようにして、情報記録媒体 15を製造できる。なお、本実施の形態においては 、各層の形成方法としてスパッタリング法を用いた。各層の形成方法は、これに限定 されず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法 (Chemical Vapor De position;CVD)、または分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy; MBE)等 を用いてよい。
[0135] (実施の形態 2)
実施の形態 2として、本発明の情報記録媒体の別の例を説明する。実施の形態 2の 情報記録媒体 22の一部断面図を図 2に示す。情報記録媒体 22は、片面からのレー ザビーム 11の照射によって情報の記録再生が可能な多層光学的情報記録媒体で ある。
[0136] 情報記録媒体 22では、基板 14上に光学分離層 20、 19、 17等を介して順次積層 された、情報層 21、情報層 18及び第 1情報層 23を含む、 N糸且 (Nは N≥2を満たす 自然数)の情報層、及び透明層 13により構成されている。ここで、レーザビーム 11の 入射側から数えて (N— 1)番目までの情報層である、第 1情報層 23および情報層 18 (以下、レーザビーム 11の入射側力 数えて K番目(1≤K≤Nの情報層を「第 K情 報層」と記す。)は、光透過形の情報層である。基板 14、及び透明層 13は、実施の形 態 1で説明したものと同様の材料を用いて形成することができる。また、それらの形状 (好ま ヽ厚さを含む)及び機能は、実施の形態 1で説明した形状及び機能と同様で ある。
[0137] 光学分離層 20、 19、及び 17等は、光硬化性榭脂(特に、エポキシ榭脂およびァク リル樹脂のような紫外線硬化性榭脂)もしくは遅効性榭脂等の榭脂、または誘電体等 力もなる。光学分離層 20、 19、及び 17等は、使用するレーザビーム 11に対して小さ V、光吸収率を有し、短波長域にお!、て光学的に小さ!/、複屈折率を有することが好ま しい。
[0138] 光学分離層 20、 19、及び 17等は、情報記録媒体 22の第 1情報層 23、情報層 18 、及び 21等のそれぞれのフォーカス位置を区別するために設ける層である。光学分 離層 20、 19、及び 17等の厚さは、対物レンズの開口数 NAとレーザビーム 11の波 長えによって決定される、焦点深度 Δ Ζ以上であることが必要である。焦光点の強度 の基準を無収差の場合の 80%と仮定した場合、 Δ Ζは Δ Ζ= λ Ζ{2 (ΝΑ) 2}で近似 できる。 λ =405nm、 NA=0. 85のとき、 Δ Ζ=0. 280 /z mとなり、 ±0. 以内 は焦点深度内となる。そのため、この場合には、光学分離層 20、 19、及び 17等の厚 さは、 0. 6 m以上であることが必要である。
[0139] 隣接する 2つの情報層間の距離、および第 1情報層 23とこれから最も離れた第 N情 報層との間の距離は、対物レンズを用いてレーザビーム 11を集光することが可能で
ある範囲となるようにすることが望ましい。したがって、光学分離層 20、 19、及び 17等 の厚さの合計は、対物レンズが許容できる公差内(例えば 50 m以下)にすることが 好ましい。
[0140] 光学分離層 20、 19、及び 17等は、レーザビーム 11の入射側の表面に、必要に応 じてレーザビームを導くための案内溝を有していてよい。この場合、片側からのレー ザビーム 11の照射のみにより、第 K情報層 (Kは 1 <K≤Nの自然数)を第 1〜第 (K — 1)情報層を透過したレーザビーム 11によって記録再生することが可能である。
[0141] なお、第 1情報層から第 N情報層のいずれかを、再生専用タイプの情報層 (ROM ( Read Only Memory) )、あるいは 1回のみ書き込み可能な追記型の情報層(WO (Write Once) )としてもよい。
[0142] 以下、第 1情報層 23の構成について詳細に説明する。
第 1情報層 23は、レーザビーム 11の入射側から順に配置された第 1入射側誘電体 層 202、第 1入射側界面層 203、第 1記録層 204、第 1反入射側誘電体層 206、第 1 反射層 208、及び透過率調整層 209を有する。
[0143] 第 1入射側誘電体層 202は、実施の形態 1の入射側誘電体層 102と同様に、光学 距離を調整して第 1記録層 204の光吸収効率を高める働き、及び記録前後の反射 光量の変化を大きくして信号強度を大きくする働きを有する。第 1入射側誘電体層 2 02は、実施の形態 1の入射側誘電体層 102と同様の材料を用いて形成することがで きる。
[0144] 第 1入射側誘電体層 202の厚さは、マトリクス法に基づく計算により、下記の条件を 満たすように、厳密に決定することができる。
第 1記録層 204が結晶相である場合とそれが非晶質相である場合の反射光量の変 化が大きい;
第 1記録層 204による光吸収が大きくなる;
第 1情報層 23の透過率が大きくなる。
[0145] 第 1入射側界面層 203は、実施の形態 1の入射側界面層 103と同様の材料を用い て形成することができる。また、その機能及び形状 (好ましい厚さを含む)についても、 実施の形態 1の入射側界面層 103と同様である。第 1入射側界面層 103は必要に応
じて設けられ、設けられなくてもよい。
[0146] 第 1反入射側誘電体層 206は、第 1入射側誘電体層 202と同様の働きを有する。
第 1反入射側誘電体層 206は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 106の材料と同 様の系の材料を用いて形成することができる。第 1反入射側誘電体層 206厚さは、 0 . 5nm〜75nmの範囲内であることが好ましぐ lnm〜40nmの範囲内であることが より好ましい。この範囲力も選ばれる厚さを有する第 1反入射側誘電体層 206は、第 1記録層 204で発生した熱を効果的に第 1反射層 208側に拡散させ得る。
[0147] 第 1記録層 204と第 1反入射側誘電体層 206との間に、第 1反入射側界面層を配 置してもよい。第 1反入射側界面層は、実施の形態 1の反入射側界面層 105の材料 と同様の系の材料を用 Vヽて形成することができる。第 1反入射側界面層の好ま 、厚 さは、実施の形態 1の反入射側界面層 105のそれと同じである。図 2に示す媒体にお いて、第 1反入射側界面層が設けられる場合、その層は、符号 204で示される層と符 号 206で示される層との間に、例えば、符号 205で示される層として表すことができる
[0148] 第 1記録層 204は、レーザビーム 11の照射によって結晶相と非晶質相との間で相 変化を生じ得る材料力もなる。第 1記録層 204は、具体的には、前述したように、式 G e M3 Te で表される材料、式(Ge— M4) M3 Te で表される材料、または、式
A B 3+A A B 3+A
GeTe— SnTeで表される材料で形成してよい。これらの式における M3および M4が 表す元素、ならびに Aおよび Bの好ましい範囲は、先に実施の形態 1に関連して説明 したとおりであるから、省略する。
[0149] 第 1情報層 23は、レーザビーム 11の入射側から第 1情報層 23より遠い側にある情 報層に、記録再生の際に必要なレーザ光量を到達させるため、その透過率を高くす る必要がある。このため、第 1記録層 204の厚さは、 9nm以下であることが好ましぐ 2 nm〜8nmの範囲内であることがより好ましい。
[0150] また、第 1記録層 204は、不可逆な相変化を起こす材料を用いて形成してもよぐ例 えば、 Te— Pd— Oで表される材料で形成することもできる。この場合、第 1記録層 20
4の厚さは 5nm〜30nmの範囲内であることが好まし!/、。
[0151] 第 1反射層 208は、第 1記録層 204に吸収される光量を増大させるという光学的な
機能を有する。また、第 1反射層 208は、第 1記録層 204で生じた熱を速やかに拡散 させ、第 1記録層 204を非晶質ィ匕しゃすくするという熱的な機能も有する。さらに、第 1反射層 208は、使用する環境力も多層膜を保護するという機能も有する。
[0152] 第 1反射層 208の材料は、実施の形態 1の反射層 108の材料と同様の材料を用い て形成することができる。特に Ag合金は熱伝導率が大きいため、第 1反射層 208の 材料として好ましい。第 1反射層 208の厚さは、第 1情報層 23の透過率をできるだけ 高くするため、 3ηπ!〜 15nmの範囲内であることが好ましぐ 6ηπ!〜 12nmの範囲内 であることがより好ましい。この範囲の厚さを有する第 1反射層 208は、十分な熱拡散 機能を発揮し、且つ第 1情報層 23の反射率を確保し、さらに第 1情報層 23の透過率 を十分に高くする。
[0153] 透過率調整層 209は誘電体からなり、第 1情報層 23の透過率を調整する機能を有 する。この透過率調整層 209によって、第 1記録層 204が結晶相である場合の第 1情 報層 23の透過率 T (%)と、第 1記録層 204が非晶質相である場合の第 1情報層 23 の透過率 T (%)とを共に高くすることができる。具体的には、透過率調整層 209を備
a
える第 1情報層 23の透過率は、透過率調整層 209が無い場合に比べて、 2%〜: L0 %程度上昇する。また、透過率調整層 209は、第 1記録層 204で発生した熱を効果 的に拡散させる。
[0154] 透過率調整層 209の屈折率 n及び消衰係数 kは、第 1情報層 23の透過率 T及び
t t c
Tを高める作用をより大きくするように、 2. 0≤η且つ k≤0. 1を満たすことが好ましく a t t
、 2. 4≤n≤3. 0且つ k≤0. 05を満たすことがより好ましい。
t t
[0155] 透過率調整層 209の厚さ Lは、(1Z32) X /n≤L≤ (3/16) λ /η又は(17Z3
t t
2) Zn≤L≤(l lZl6) λ Ζηを満たすことが好ましぐ (1/16) λ /n≤L≤ (5
t t t
/32) λ Zn又は(9Z16) /n≤L≤ (21/32) λ /nを満たすことがより好まし
t t t
い。レーザビーム 11の波長えおよび透過率調整層 209の屈折率 nを、例えば、 350
t
nm≤ λ≤450nm、 2. 0≤n≤3. 0を満たすように選ぶと、 Lの好ましい範囲は、 3n
t
m≤L≤40nm又は 60nm≤L≤130nmとなり、より好ましい範囲は、 7nm≤L≤30 nm又は 65nm≤L≤120nmとなる。 Lをこの範囲内で選ぶことによって、第 1情報層 23の透過率 T及び Tを共に高くすることができる。
c a
[0156] 透過率調整層 209の材料として、例えば、 TiO、 ZrO、 HfO、 ZnO、 Nb O、 Ta
2 2 2 2 5 2
O、 SiO、 Al O、 Bi O、 CeO、 Cr O、 Ga O、および Sr—Oなどから選ばれる 1
5 2 2 3 2 3 2 2 3 2 3
または複数の酸化物を用いることができる。また、 Ti— N、 Zr— N、 Nb— N、 Ta— N 、 Si— N、 Ge— N、 Cr— N、 Al— N、 Ge— Si— N、及び Ge— Cr— Nなどから選ばれ る 1または複数の窒化物を用いることもできる。また、 ZnSなどの硫ィ匕物を用いることも できる。また、上記材料力も選ばれる複数の材料の混合物を用いて、透過率調整層 209を形成することもできる。特に、 TiO、または TiOを含む材料を用いることが好ま
2 2
しい。これらの材料は屈折率が大きく(n= 2. 6〜2. 8)、消衰係数も小さい (k=0. 0 〜0. 05)ため、これらを用いて形成した透過率調整層 209は、第 1情報層 23の透過 率をより高める。
[0157] 第 1情報層 23の透過率 T及び Tは、記録再生の際に必要なレーザ光量を、レー c a
ザビーム 11の入射側力も第 1情報層 23より遠 、側にある情報層に到達させるように、 40<T且つ 40<Τを満たすことが好ましぐ 46<Τ且つ 46<Τを満たすことがより c a c a
好ましい。
[0158] 第 1情報層 23の透過率 T及び Tは、— 5≤ (T— T )≤ 5を満たすことが好ましぐ c a c a
- 3≤ (T— T )≤3を満たすことがより好ましい。 T及び Tがこれらの範囲内にあると c a c a
、レーザビーム 11の入射側力 第 1情報層 23より遠い側にある情報層を記録再生す るときに、第 1情報層 23の第 1記録層 204の状態に起因する透過率の変化の影響が 小さぐ良好な記録再生特性が得られる。
[0159] 第 1情報層 23において、第 1記録層 204が結晶相である場合の反射率 R (%)、及 cl び第 1記録層 204が非晶質相である場合の反射率 R (%)は、 R <R を満たすこと al al cl
が好ましい。それにより、情報が記録されていない初期の状態で反射率が高ぐ安定 に記録再生動作を行うことができる。また、反射率差 (R — R
cl al )を大きくして良好な記 録再生特性が得られるように、 R及び R は、 0. 1≤R ≤5且つ 4≤R ≤15を満た cl al al cl
すことが好ましぐ 0. 1≤R ≤3且つ 4≤R ≤ 10を満たすことがより好ましい。
al cl
[0160] 情報記録媒体 22は、以下に説明する方法によって製造できる。
まず、基板 14 (厚さが例えば 1. 1mm)上に (N—1)個の情報層を、光学分離層を 介して順次積層する。情報層は、単層膜、または多層膜から成る。情報層を構成する
各層は、成膜装置内で材料となるスパッタリングターゲットを順次スパッタリングするこ とによって形成できる。また、光学分離層は、光硬化性榭脂 (特に紫外線硬化性榭脂
)または遅効性榭脂を情報層上に塗布して、その後基板 14を回転させて榭脂を均一 に広げた後 (スピンコート)、榭脂を硬化させることによって形成できる。光学分離層が レーザビーム 11の案内溝を備える場合には、溝が形成された基板 (型)を硬化前の 榭脂に密着させたのち、基板 14を型とともに回転させてスピンコートし、榭脂を硬化さ せる。その後、基板 (型)をはがすことによって案内溝を形成できる。
[0161] このようにして、基板 14上に (N—1)個の情報層を、光学分離層を介して積層した のち、さらに、光学分離層 17を形成する。
続いて、光学分離層 17上に第 1情報層 23を形成する。具体的には、まず (N— 1) 個の情報層を、光学分離層を介して積層したのち、第 2情報層の上に光学分離層 1 7を形成する。それから、基板 14を成膜装置内に配置し、光学分離層 17上に透過率 調整層 209を形成する。透過率調整層 209は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 1 06と同様の方法で形成できる。
[0162] 続いて、透過率調整層 209上に、第 1反射層 108を形成する。第 1反射層 108は、 実施の形態 1の反射層 108と同様の方法で形成できる。続いて、第 1反射層 208上 に、第 1反入射側誘電体層 206を形成する。第 1反入射側誘電体層 206は、実施の 形態 1の反入射側誘電体層 106と同様の方法で形成できる。
[0163] 続いて、第 1反入射側誘電体層 206上に、必要に応じて第 1反入射側界面層を形 成する。第 1反入射側界面層は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 106と同様の方 法で形成できる。
[0164] 続いて、第 1反入射側誘電体層 206または第 1反入射側界面層上に、第 1記録層 2 04を形成する。第 1記録層 204は、その組成に応じたスパッタリングターゲットを用い て、実施の形態 1の記録層 104と同様の方法で形成できる。続いて、第 1記録層 204 上に、第 1入射側界面層 203を形成する。第 1入射側界面層 203は、実施の形態 1 の反入射側誘電体層 106と同様の方法で形成できる。
[0165] 続いて、第 1入射側界面層 203上に、第 1入射側誘電体層 202を形成する。第 1入 射側誘電体層 202は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 106と同様の方法で形成
できる。最後に、第 1入射側誘電体層 202上に透明層 13を形成する。透明層 13は、 実施の形態 1で説明した方法で形成できる。
[0166] 第 1入射側誘電体層 202を形成したのち、または透明層 13を形成したのち、必要 に応じて、第 1記録層 204の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。第 1記 録層 204の結晶化は、レーザビームを照射することによって行うことができる。また、 必要に応じて、この段階で、他の情報層の記録層を初期化してよい。
[0167] 以上のようにして、情報記録媒体 22を製造できる。本実施の形態においては、各 層の形成方法としてスパッタリング法を用いた。各層の形成方法は、これに限定され ず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、 CVD法、または MBE法等を用いてよい。
[0168] (実施の形態 3)
実施の形態 3として、実施の形態 2の本発明の多層光学的情報記録媒体において 、 N= 2、すなわち 2組の情報層によって構成された情報記録媒体の一例を説明する 。実施の形態 3の情報記録媒体 24の一部断面図を図 3に示す。情報記録媒体 24は 、片面力 のレーザビーム 11の照射によって情報の記録再生が可能な 2層光学的情 報記録媒体である。
[0169] 情報記録媒体 24は、基板 14上に順次積層した、第 2情報層 25、光学分離層 17、 第 1情報層 23、及び透明層 13により構成されている。基板 14、光学分離層 17、第 1 情報層 23、及び透明層 13は、実施の形態 1及び 2で説明した、それらの材料と同様 の材料で形成できる。また、それらの形状 (好ましい厚さを含む)及び機能についても 、実施の形態 1及び 2で説明した、それらの形状及び機能と同様である。
[0170] 以下、第 2情報層 25の構成について詳細に説明する。
第 2情報層 25は、レーザビーム 11の入射側から順に配置された第 2入射側誘電体 層 302、第 2入射側界面層 303、第 2記録層 304、第 2反入射側誘電体層 306、及 び第 2反射層 308を備える。第 2情報層 25での情報の記録再生は、透明層 13、第 1 情報層 23、及び光学分離層 17を透過したレーザビーム 11により行われる。
[0171] 第 2入射側誘電体層 302は、実施の形態 1の入射側誘電体層 102の材料と同様の 材料で形成することができる。また、その機能についても、実施の形態 1の入射側誘 電体層 102と同様である。
[0172] 第 2入射側誘電体層 302の厚さは、マトリクス法に基づく計算により、第 2記録層 30 4の結晶相である場合とそれが非晶質相である場合の反射光量の変化が大きくなる ように、厳密に決定することができる。
[0173] 第 2入射側界面層 303は、実施の形態 1の入射側界面層 103の材料と同様の材料 で形成することができる。また、その機能及び形状 (好ましい厚さを含む)は、実施の 形態 1の入射側界面層 103と同様である。第 2入射側誘電体層 303は、必要に応じ て形成され、形成されなくてもよい。
[0174] 第 2反入射側誘電体層 306は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 106の材料と同 様の材料で形成することができる。また、その機能及び形状 (好ましい厚さを含む)は 、実施の形態 1の反入射側誘電体層 106と同様である。
[0175] 第 2記録層 304と第 2反入射側誘電体層 306との間に、必要に応じて第 2反入射側 界面層を配置しても良い。第 2反入射側界面層は、実施の形態 1の反入射側界面層 105の材料と同様の材料で形成することができる。また、その機能及び形状 (好まし い厚さを含む)は、実施の形態 1の反入射側界面層 105と同様である。図 3に示す媒 体において、第 2反入射側界面層が設けられる場合、その層は、符号 304で示され る層と符号 306で示される層との間に、例えば、符号 305で示される層として表すこと ができる。
[0176] 第 2記録層 304には、実施の形態 1の記録層 104の材料と同様の材料で形成する ことができる。第 2記録層 304の材料が可逆的な相変化を生じ得るものである場合( 例えば、 Ge M3 Te ) ,その厚さは、第 2情報層 25の記録感度を高くするため、 6n
A B 3+A
m〜15nmの範囲内であることが好ましい。この範囲内においても、第 2記録層 304 が厚い場合には、熱の面内方向での拡散による記録部の隣接領域への熱的影響が 大きくなる。また、第 2記録層 304が薄い場合には、第 2情報層 25の反射率が小さく なる。したがって、第 2記録層 304の厚さは、 8nm〜13nmの範囲内であることがより 好ましい。また、第 2記録層 304を、不可逆な相変化を起こす材料 (例えば、 Te— Pd —O)で形成する場合、第 2記録層 304の厚さは、実施の形態 1と同様、 10nm〜40 nmの範囲内であることが好まし!/、。
[0177] 第 2反射層 308は、実施の形態 1の反射層 108の材料と同様の材料で形成すること
ができる。また、その機能及び形状 (好ましい厚さを含む)は、実施の形態 1の反射層 108と同様である。
[0178] 第 2反射層 308と第 2反入射側誘電体層 306の間に、第 2反射層側界面層を配置 してもよい。第 2反射層側界面層は、実施の形態 1で説明した反射層側界面層の材 料と同様の材料を用いて形成することができる。また、第 2反射層側界面層の機能及 び形状 (好ましい厚さを含む)は、実施の形態 1の界面層 107と同様である。図 3に示 す媒体において、反射層側界面層が設けられる場合、その層は、符号 306で示され る層と符号 308で示される層との間に、例えば、符号 307で示される層として表すこと ができる。
[0179] 情報記録媒体 24は、以下に説明する方法によって製造できる。
まず、第 2情報層 25を形成する。具体的には、まず、基板 14 (厚さが例えば 1. lm m)を用意し、成膜装置内に配置する。
[0180] 続いて、基板 14上に第 2反射層 308を形成する。基板 14にレーザビーム 11を導く ための案内溝が形成されている場合には、案内溝が形成された側に第 2反射層 308 を形成する。第 2反射層 308は、実施の形態 1の反射層 108と同様の方法で形成で きる。
[0181] 続いて、第 2反射層 308上に、必要に応じて第 2反射層側界面層を形成する。この 界面層は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 106と同様の方法で形成できる。
[0182] 続いて、第 2反射層 308または第 2反射層側界面層上に、第 2反入射側誘電体層 3 06を形成する。第 2反入射側誘電体層 306は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 1 06と同様の方法で形成できる。続いて、第 2反入射側誘電体層 306上に、必要に応 じて第 2反入射側界面層を形成する。第 2反入射側界面層は、実施の形態 1の反入 射側誘電体層 106と同様の方法で形成できる。
[0183] 続いて、第 2反入射側誘電体層 306、または第 2反入射側界面層上に、第 2記録層 304を形成する。第 2記録層 304は、その組成に応じたスパッタリングターゲットを用 V、て、実施の形態 1の記録層 104と同様の方法で形成できる。
[0184] 続いて、第 2記録層 304上に、必要に応じて第 2入射側界面層 303を形成する。第 2入射側界面層 303は、実施の形態 1の反入射側誘電体層 106と同様の方法で形
成できる。続いて、第 2記録層 304、または第 2入射側界面層 303上に、第 2入射側 誘電体層 302を形成する。第 2入射側誘電体層 302は、実施の形態 1の反入射側誘 電体層 106と同様の方法で形成できる。このようにして、第 2情報層 25を形成する。
[0185] 続いて、第 2情報層 25の第 2入射側誘電体層 302上に光学分離層 17を形成する 。光学分離層 17は、光硬化性榭脂 (特に紫外線硬化性榭脂)または遅効性榭脂を 第 2入射側誘電体層 302上に塗布してスピンコートしたのち、榭脂を硬化させること によって形成できる。光学分離層 17がレーザビーム 11の案内溝を備える場合には、 溝が形成された基板 (型)を硬化前の樹脂に密着させたのち、基板 14を型とともに回 転させてスピンコートし、榭脂を硬化させ、その後、基板 (型)をはがすことによって案 内溝を形成できる。
[0186] 第 2入射側誘電体層 302を形成したのち、または光学分離層 17を形成したのち、 必要に応じて、第 2記録層 304の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。第 2記録層 304の結晶化は、レーザビームを照射することによって行うことができる。
[0187] 続いて、光学分離層 17上に第 1情報層 23を形成する。具体的には、光学分離層 1 7上に、透過率調整層 209、第 1反射層 208、第 1反入射側誘電体層 206、第 1記録 層 204、第 1入射側界面層 203、及び第 1入射側誘電体層 202をこの順序で形成す る。必要に応じて第 1反入射側誘電体層 206と第 1記録層 204との間に、第 1反入射 側界面層を形成してもよい。これらの各層は、実施の形態 2で説明した方法で形成で きる。最後に、第 1反入射側誘電体層 202上に透明層 13を形成する。透明層 13は、 実施の形態 1で説明した方法で形成できる。
[0188] 第 1入射側誘電体層 202を形成したのち、または透明層 13を形成したのち、必要 に応じて、第 1記録層 204の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。第 1記 録層 204の結晶化は、レーザビームを照射することによって行うことができる。
[0189] 第 1入射側誘電体層 202を形成したのち、または透明層 13を形成したのち、必要 に応じて、第 2記録層 304、及び第 1記録層 204の全面を結晶化させる初期化工程 を行ってもよい。この場合、第 1記録層 204の結晶化を先に行うと、第 2記録層 304を 結晶化するために必要なレーザパワーが大きくなる傾向にあるため、第 2記録層 304 を先に結晶化させることが好まし 、。
[0190] 以上のようにして、情報記録媒体 24を製造できる。本実施の形態においては、各 層の形成方法としてスパッタリング法を用いた。各層の形成方法は、これに限定され ず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、 CVD法、または MBE法等を用いてよい。
[0191] (実施の形態 4)
実施の形態 4として、本発明の情報記録媒体の別の例を説明する。実施の形態 4の 情報記録媒体 29の一部断面図を図 4に示す。情報記録媒体 29は、実施の形態 1の 情報記録媒体 15と同様、レーザビーム 11の照射によって情報の記録再生が可能な 光学的情報記録媒体である。
[0192] 情報記録媒体 29は、基板 26上に積層した情報層 16に、ダミー基板 28が、接着層 27を介して密着させられた構成である。基板 26、及びダミー基板 28は、透明で円盤 状の基板である。基板 26及びダミー基板 28は、実施の形態 1の基板 14と同様に、例 えば、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフインもしくは PMMA等の榭脂、または ガラスカゝら形成されてよい。基板 26及びダミー基板 28の材料としては、転写性'量産 性に優れ、低コストであることから、ポリカーボネートが特に有用である。
[0193] 基板 26は、入射側誘電体層 102側の表面に、必要に応じてレーザビームを導くた めの案内溝を有してよい。基板 26の入射側誘電体層 102側と反対側の表面、及び ダミー基板 28の接着層 27側と反対側の表面は、平滑であることが好ましい。なお、 基板 26及びダミー基板 28の厚さは、十分な強度が確保され、且つ情報記録媒体 29 の厚さが 1. 2mm程度となるよう、 0. 3mm〜0. 9mmの範囲内であることが好ましい
[0194] 接着層 27は、光硬化性榭脂 (特に、エポキシ榭脂およびアクリル榭脂のような紫外 線硬化性榭脂)または遅効性榭脂等の樹脂からなり、使用するレーザビーム 11に対 して小さ 、光吸収率を有し、短波長域にぉ 、て光学的に小さ 、複屈折率を有するこ とが好ましい。接着層 27の厚さは、光学分離層 19および 17等に関連して説明した 理由と同様の理由により、 0. 6 /ζ πι〜50 /ζ πιの範囲内にあることが好ましい。
その他、実施の形態 1と同一の符号を付した部分については、その説明を省略する
[0195] 情報記録媒体 29は、以下に説明する方法によって製造できる。
まず、基板 26 (厚さが例えば 0. 6mm)上に、情報層 16を形成する。基板 26にレー ザビーム 11を導くための案内溝が形成されている場合には、案内溝が形成された側 に情報層 16を形成する。具体的には、基板 26を成膜装置内に配置し、入射側誘電 体層 102、入射側界面層 103、記録層 104、反入射側誘電体層 106、及び反射層 1 08を順次積層する。なお、必要に応じて記録層 104と反入射側誘電体層 106の間 に反入射側界面層を形成してもよい。また、必要に応じて、反入射側誘電体層 106と 反射層 108との間に反射層側界面層を形成してもよい。各層の成膜方法は、実施の 形態 1の各層の成膜方法と同様である。
[0196] 次に、情報層 16が積層された基板 26に、ダミー基板 28 (厚さが例えば 0. 6mm)を 、接着層 27を用いて貼り合わせる。具体的には、光硬化性榭脂 (特に紫外線硬化性 榭脂)または遅効性榭脂等の榭脂をダミー基板 28上に塗布して、情報層 16が積層 された基板 26をダミー基板 28上に密着させてスピンコートしたのち、榭脂を硬化させ るとよい。また、ダミー基板 28上に予め粘着性の榭脂を均一に塗布し、それを情報層 16が積層された基板 26に密着させることもできる。
[0197] 基板 26及びダミー基板 28を密着させた後、必要に応じて、記録層 104の全面を結 晶化させる初期化工程を行ってもよい。記録層 104の結晶化は、レーザビームを照 射すること〖こよって行うことができる。
[0198] 以上のようにして、情報記録媒体 29を製造できる。本実施の形態においては、各 層の形成方法としてスパッタリング法を用いた。各層の形成方法は、これに限定され ず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、 CVD法、または MBE法等を用いてよい。
[0199] (実施の形態 5)
実施の形態 5として、本発明の情報記録媒体の一例を説明する。実施の形態 5の 情報記録媒体 31の一部断面図を図 5に示す。情報記録媒体 31は、実施の形態 2の 情報記録媒体 22と同様、片面力 のレーザビーム 11の照射によって情報の記録再 生が可能な多層光学的情報記録媒体である。
[0200] 情報記録媒体 31は、基板 26上に光学分離層 17、 19等を介して順次積層した、第 1情報層 23および情報層 18を含む (N—1)個の情報層を含む積層体に、基板 30上 に積層した情報層 21が、密着させられた構成である。積層体と情報層 21との間には
接着層 27が介在している。この媒体 31は、 N個の情報層を有する。
[0201] 基板 30は透明で円盤状の基板である。基板 30の材料は、基板 14のそれと同様に 、例えば、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフインもしくは PMMA等の榭脂、ま たはガラスであってよい。基板 30の材料としては、転写性 ·量産性に優れ、低コストで あることから、ポリカーボネートが特に有用である。
[0202] 基板 30は、情報層 21側の表面に、必要に応じてレーザビームを導くための案内溝 を有してよい。基板 30の情報層 21側と反対側の表面は、平滑であることが好ましい。 基板 30の厚さは、十分な強度が確保され、且つ情報記録媒体 31の厚さが 1. 2mm 程度となるよう、 0. 3mm〜0. 9mmの範囲内であることが好ましい。
その他、実施の形態 2、及び 4と同一の符号を付した部分については、その説明を 省略する。
[0203] 情報記録媒体 31は、以下に説明する方法によって製造できる。
まず、基板 26 (厚さが例えば 0. 6mm)上に、第 1情報層 23を形成する。基板 26に レーザビーム 11を導くための案内溝が形成されている場合には、案内溝が形成され た側に第 1情報層 23を形成する。具体的には、基板 26を成膜装置内に配置し、第 1 入射側誘電体層 202、第 1入射側界面層 203、第 1記録層 204、第 1反入射側誘電 体層 206、第 1反射層 208、及び透過率調整層 209を順次積層する。必要に応じて 第 1記録層 204と第 1反入射側誘電体層 206との間に、第 1反入射側界面層を形成 してもよい。各層の形成方法は、実施の形態 2の各層の形成方法と同様である。その 後、(N— 2)個の情報層を、光学分離層を介して順次積層する。
[0204] これとは別に、基板 30 (厚さが例えば 0. 6mm)上に、情報層 21を形成する。情報 層は、単層膜、または多層膜からなり、それらの各層は、実施の形態 2と同様、成膜 装置内で材料となるスパッタリングターゲットを順次スパッタリングすることによって形 成できる。
[0205] 最後に、情報層が積層された基板 26を、情報層 21が形成された基板 30に、接着 層 27を用いて貼り合わせる。具体的には、光硬化性榭脂 (特に紫外線硬化性榭脂) または遅効性榭脂等の榭脂を情報層 21上に塗布して、第 1情報層 23を形成した基 板 26を、情報層 21上に密着させてスピンコートしたのち、榭脂を硬化させるとよい。
また、情報層 21上に予め粘着性の榭脂を均一に塗布し、それを基板 26に密着させ ることちでさる。
[0206] 基板 26及び基板 30を密着させた後、必要に応じて、第 1記録層 204の全面を結晶 ィ匕させる初期化工程を行ってもよい。第 1記録層 204の結晶化は、レーザビームを照 射すること〖こよって行うことができる。
[0207] 以上のようにして、情報記録媒体 31を製造できる。本実施の形態においては、各 層の形成方法としてスパッタリング法を用いた。各層の形成方法は、これに限定され ず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、 CVD法、または MBE法等を用いることも 可能である。
[0208] (実施の形態 6)
実施の形態 6として、実施の形態 5の本発明の多層光学的情報記録媒体において
、 N= 2、すなわち 2つの情報層によって構成された情報記録媒体の一例を説明する
。実施の形態 6の情報記録媒体 32の一部断面図を図 6に示す。情報記録媒体 32は
、実施の形態 3の情報記録媒体 24と同様、片面からのレーザビーム 11の照射によつ て情報の記録再生が可能な 2層光学的情報記録媒体である。
[0209] 情報記録媒体 32は、基板 26上に第 1情報層 23を積層して成る積層体に、基板 30 上に積層して成る第 2情報層 25が、接着層 27を介して密着している構成である。
[0210] 基板 30の第 2反射層 308側の表面には、必要に応じてレーザビームを導くための 案内溝が形成されていてもよい。基板 30の第 2反射層 308側と反対側の表面は、平 滑であることが好ましい。
その他、実施の形態 3、実施の形態 4、及び実施の形態 5と同一の符号を付した部 分については、その説明を省略する。
[0211] 情報記録媒体 32は、以下に説明する方法によって製造できる。
まず、基板 26 (厚さが例えば 0. 6mm)上に、実施の形態 5と同様の方法により第 1 情報層 23を形成する。透過率調整層 209を形成したのち、必要に応じて、第 1記録 層 204の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。第 1記録層 204の結晶化 は、レーザビームを照射することによって行うことができる。
[0212] これとは別に、基板 30 (厚さが例えば 0. 6mm)上に、第 2情報層 25を形成する。
基板 30にレーザビーム 11を導くための案内溝が形成されている場合には、案内溝 が形成された側に第 2情報層 25を形成する。具体的には、基板 30を成膜装置内に 配置し、第 2反射層 308、第 2反入射側誘電体層 306、第 2記録層 304、第 2入射側 界面層 303、および第 2入射側誘電体層 302を順次積層する。なお、必要に応じて 第 2記録層 304と第 2反入射側誘電体層 306の間に、第 2反入射側界面層を形成し てもよい。また、必要に応じて第 2反射層 308と第 2反入射側誘電体層 306の間に、 反射層側界面層を形成してもよい。各層の形成方法は、実施の形態 3の各層の形成 方法と同様である。
[0213] 第 2入射側誘電体層 302を形成したのち、必要に応じて、第 2記録層 304の全面を 結晶化させる初期化工程を行ってもよい。第 2記録層 304の結晶化は、レーザビーム を照射することによって行うことができる。
[0214] 最後に、第 1情報層 23を積層した基板 26と第 2情報層 25を積層した基板 30とを、 接着層 27を用いて貼り合わせる。具体的には、まず、光硬化性榭脂 (特に紫外線硬 化性榭脂)または遅効性榭脂等の榭脂を、第 1情報層 23または第 2情報層 25上に 塗布する。それから、基板 26上の第 2入射側誘電体層 302と基板 30上の透過率調 整層 209とを密着させてスピンコートしたのち、榭脂を硬化させるとよい。また、第 1情 報層 23または第 2情報層 25上に予め粘着性の榭脂を均一に塗布し、基板 26と基板 30を密着させることちできる。
[0215] その後、必要に応じて第 2記録層 304、及び第 1記録層 204の全面を結晶化させる 初期化工程を行ってもよい。この場合、実施の形態 3で説明した理由と同様の理由に より、第 2記録層 304を先に結晶化させることが好ましい。
[0216] 以上のようにして、情報記録媒体 32を製造できる。なお、本実施の形態においては 、各層の形成方法としてスパッタリング法を用いた。各層の形成方法は、これに限定 されず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、 CVD法、または MBE法等を用いて よい。
[0217] (実施の形態 7)
実施の形態 7では、実施の形態 1、 2、 3、 4、 5、及び 6で説明した本発明の情報記 録媒体の記録再生方法を説明する。
本発明の記録再生方法に用いられる記録再生装置 38の一部の構成を図 7に模式 的に示す。図 7に示す記録再生装置 38は、情報記録媒体 37を回転させるためのス ピンドルモータ 33、半導体レーザ 35、及び半導体レーザ 35から出射されるレーザビ ーム 11魏光する対物レンズ 34を備える光学ヘッド 36を備える。情報記録媒体 37 は、実施の形態 1、 2、 3、 4、 5、及び 6で説明した情報記録媒体であり、単数 (例えば 情報層 16)、または複数の情報層 (例えば第 1情報層 23、第 2情報層 25)を備える。 対物レンズ 34は、レーザビーム 11を情報層上に集光する。
[0218] 情報記録媒体への情報の記録、消去、及び上書き記録は、レーザビーム 11のパヮ 一を、高パワーのピークパワー(P (mW) )と低パワーのバイアスパワー(P (mW) )と
P b の間で変調させることによって行う。ピークパワーのレーザビーム 11を照射することに よって、記録層の局所的な一部分が非晶質相にされ、その非晶質相が記録マークと なる。記録マーク間では、バイアスパワーのレーザビーム 11が照射され、結晶相(消 去部分)が形成される。
[0219] ピークパワーのレーザビーム 11は、一般に、パルスの列の形態で、即ち、マルチパ ルスとして照射される。マルチパルスは、ピークパワー及びバイアスパワーのパワーレ ベルのみの間で、 2値変調されてもよい。あるいは、マルチパルスは、バイアスパワー よりさらに低パワーのクーリングパワー(P (mW) )およびボトムパワー(P (mW) )を c B 加えて、 OmW〜ピークパワーの範囲のパワーレベルを用いて、 3値変調、または 4値 変調されてもよい。
[0220] 情報信号の再生は、再生パワーのレーザビーム 11を照射することによって得られる 情報記録媒体からの信号を検出器で読みとることにより実施する。再生パワー (P (m
W) )は、次の条件を満たすように設定される。
ピークパワーおよびバイアスパワーのパワーレベルよりも低 ヽ; 再生パワーレベルで、レーザビーム 11を照射したときに、記録マークの光学的な状 態が影響を受けない;
情報記録媒体から記録マーク再生のための十分な反射光量が得られる。
[0221] 対物レンズ 34の開口数 NAは、レーザビームのスポット径を 0. 4 μ m〜0. 7 μ mの 範囲内に調整するため、 0. 5〜1. 1の範囲内であることが好ましぐ 0. 6〜0. 9の範
囲内であることがより好ましい。レーザビーム 11の波長は、 450nm以下(より好ましく は、 350nm〜450nmの範囲内)であることが好ましい。本発明の情報記録媒体は、 そのように短い波長で記録再生するのに適したものとなるように、 Si-In-Zr/Hf- O系材料層を設けたものであることによる。情報を記録する際の情報記録媒体の線 速度は、再生光による結晶化が起こりにくぐ且つ十分な消去性能が得られる lmZ 秒〜 20mZ秒の範囲内であることが好ましく、 2mZ秒〜 15mZ秒の範囲内であるこ とがより好ましい。情報記録媒体の種類に応じて、ここで例示していない波長、対物 レンズの開口数、および線速度を使用してよいことはいうまでもない。例えば、レーザ ビームの波長は、 650nm〜670nmであってよい。
[0222] 二つの情報層を備えた情報記録媒体 24、及び情報記録媒体 32において、第 1情 報層 23への情報の記録は、レーザビーム 11の焦点を第 1記録層 204に合わせ、透 明層 13を透過したレーザビーム 11によって行う。第 1情報層 23からの情報の再生は 、第 1記録層 204によって反射され、透明層 13を透過してきたレーザビーム 11を検 出して行う。第 2情報層 25への情報の記録は、レーザビーム 11の焦点を第 2記録層 304に合わせ、透明層 13、第 1情報層 23、及び光学分離層 17を透過したレーザビ ーム 11を用いて行う。第 2情報層 25からの情報の再生は、第 2記録層 304によって 反射され、光学分離層 17、第 1情報層 23、及び透明層 13を透過してきたレーザビー ム 11を検出して行う。
[0223] 基板 14、光学分離層 20、 19、及び 17に、レーザビーム 11を導くための案内溝が 形成されている場合、記録は、レーザビーム 11の入射側カゝら近い方の面 (グループ) で行われてもよいし、遠い方の面(ランド)で行われてもよい。あるいは、グルーブとラ ンドの両方に情報を記録してもよ 、。
[0224] この記録再生装置を用いて、情報記録媒体の性能を次のようにして評価できる。記 録性能の評価の手順は次のとおりである。まず、レーザビーム 11を、 0〜P (mW)の
P
間でパワー変調し、(1— 7)変調方式でマーク長 0. 149 111 (2丁)カら0. 596 m( 8T)までのランダム信号を記録する。記録したマークの前端間、及び後端間のジッタ 一(マーク位置の誤差)をタイムインターバルアナライザーで測定することによって、 記録性能を評価できる。ジッター値が小さいほど、記録性能がよい。 Pと Pは、前端
P b
間、及び後端間のジッターの平均値 (平均ジッター)が最小となるよう決定される。こ のときの最適 Pを記録感度とする。
P
[0225] また、信号強度の評価の手順は次のとおりである。まず、レーザビーム 11を 0〜P (
P
mW)の間でパワー変調し、マーク長 0. 149 /ζ πι (2Τ)と 0. 671 m (9T)の信号を 同じグループに、連続 10回、交互に記録する。したがって、 2T信号を 5回、 9T信号 を 5回記録する。最後に 2T信号を上書きする。最後に上書きした 2T信号の周波数 での信号振幅(carrier level)と雑音振幅(noise level)の比(CNR (Carrier to Noise Ratio) )をスペクトラムアナライザーで測定することにより、信号強度を評価で きる。 CNRが大きいほど信号強度が強い。
[0226] 繰り返し書き換え回数は、次の手順で評価される。まず、レーザビーム 11を 0〜P (
P
mW)の間でパワー変調し、マーク長 0. 149 /ζ πι (2Τ)力 0. 596 m(8T)までの ランダム信号を同じグループに連続記録する。各記録書き換え回数における前端間 、及び後端間ジッターをタイムインターバルアナライザーで測定することにより、繰り 返し書き換え回数を評価できる。具体的には、 1回目の前端間と後端間の平均ジッタ 一値に対し、 3%増加する書き換え回数を上限値とする。なお、 P、 P、 Pおよび P p b c B は、平均ジッター値が最も小さくなるように決定する。
[0227] 記録保存性は、次の手順で評価される。まず、信号を最適条件で記録する。その 後、温度 80°C、相対湿度 85%の環境下に、媒体を 100時間曝す。曝露前後のジッ ター値をタイムインターバルアナライザーで測定し、ジッター値の変化量により、記録 保存性を評価することができる。
[0228] (実施の形態 8)
実施の形態 8として、本発明の情報記録媒体の別の例を説明する。実施の形態 8の 電気的情報記録媒体 44の一構成例を図 8に示す。電気的情報記録媒体 44は、電 気的エネルギー (特に電流)の印加によって、情報の記録再生が可能な情報記録媒 体である。
[0229] 基板 39としては、ポリカーボネート等の榭脂基板、ガラス基板、 Al O等のセラミック
2 3
基板、 Si等の半導体基板、および Cu等の金属基板を用いることができる。ここでは、 基板として Si基板を用いた例を、説明する。電気的情報記録媒体 44は、基板 39上
に下部電極 40、第 1誘電体層 401、第 1記録層 41、第 2記録層 42、第 2誘電体層 40 2、および上部電極 43を順に積層した構造である。下部電極 40及び上部電極 43は 、第 1記録層 41、及び第 2記録層 42に電流を印加するために形成する。第 1誘電体 層 401は、第 1記録層 41に印加する電気エネルギー量を調整し、第 2誘電体層 402 は第 2記録層 42に印加する電気エネルギー量を調整するために設けられる。
[0230] 本形態においては、第 1誘電体層 401および第 2誘電体層 402の少なくとも一方を 、 Si— In— ZrZHf— O系材料層とする。他方の誘電体層は、実施の形態 1の入射 側誘電体層 102に関連して説明した別の材料で形成されて 、てもよ 、。
[0231] 第 1記録層 41、及び第 2記録層 42は、電流の印加により発生するジュール熱によ つて結晶相と非晶質相との間で可逆的な相変化を生じ得る材料力 成る。この媒体 においては、結晶相と非晶質相との間で抵抗率が変化する現象を、情報の記録に利 用する。第 1記録層 41の材料および第 2記録層 42の材料として、実施の形態 1の記 録層 104の材料と同様の材料を用いることができる。第 1記録層 41および第 2記録層 42は、異なる抵抗率を有するように、層の厚さおよび Zまたは材料の組成を、互いに 異なるように選択して設計される。第 1記録層 41、及び第 2記録層 42は、それぞれ実 施の形態 1の記録層 104と同様の方法で形成できる。
[0232] 下部電極 40、及び上部電極 43は、 Al、 Au、 Ag、 Cu、 Pt等の単体金属材料、また はこれらのうちの 1つまたは複数の元素を主成分とし、耐湿性の向上または熱伝導率 の調整等のために適宜 1つもしくは複数の他の元素を添加した合金材料を用いるこ とができる。下部電極 40、及び上部電極 43は、 Arガス雰囲気中で、材料となる金属 母材または合金母材をスパッタリングすることによって形成できる。各層の形成方法と して、スパッタリング法以外の方法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、 C VD法、または MBE法等を用いることも可能である。
[0233] 電気的情報記録媒体 44に、印加部 45を介して電気的情報記録再生装置 50を電 気的に接続する。下部電極 40と上部電極 43の間には、第 1記録層 41、及び第 2記 録層 42に電流パルスを印加するために、装置 50のパルス電源 48がスィッチ 47を介 して接続される。また、第 1記録層 41、及び第 2記録層 42の相変化による抵抗値の 変化を検出するために、下部電極 40と上部電極 43の間に、スィッチ 49を介して抵抗
測定器 46が接続される。
[0234] 非晶質相(高抵抗状態)にある第 1記録層 41または第 2記録層 42を結晶相 (低抵 抗状態)に変化させるためには、スィッチ 47を閉じて (スィッチ 49は開く)電極間に電 流パルスを印加する。印加は、電流パルスが印加される部分の温度力 材料の結晶 化温度より高ぐ且つ融点より低い温度にて、結晶化時間の間保持されるように実施 する。結晶相から非晶質相に再度戻す場合には、結晶化時よりも相対的に高い電流 パルスをより短い時間で印加し、記録層を融点より高い温度にして溶融した後、急激 に冷却するようにする。なお、電気的情報記録再生装置 50のパルス電源 48は、図 1 1の記録 ·消去パルス波形を出力できるような電源である。
[0235] ここで、第 1記録層 41が非晶質相の場合の抵抗値を r 、第 1記録層 41が結晶相の
al
場合の抵抗値を r 、第 2記録層 42が非晶質相の場合の抵抗値を!: 、第 2記録層 42
cl a2
が結晶相の場合の抵抗値を r とする。これらの抵抗値力 r ≤r <r <r 、もしくは
c2 cl c2 al a2
r ≤r <r <r 、もしくは r ≤r <r <r 、もしくは r ≤r <r <r を満たすことに cl c2 a2 al c2 cl al a2 c2 cl a2 al
よって、第 1記録層 41と第 2記録層 42の抵抗値の和を、 r +r 、 r +r 、 r +r 、及
al a2 al a2 a2 cl び r +r の 4つの異なる値に設定できる。従って、電極間の抵抗値を抵抗測定器 46 cl c2
で測定することにより、 4つの異なる状態、すなわち 2値の情報を一度に検出すること ができる。
[0236] この電気的情報記録媒体 44をマトリクス的に多数配置することによって、図 9に示 すような大容量の電気的情報記録媒体 51を構成することができる。各メモリセル 54 は、電気的情報記録媒体 44と同様の構成が形成された微小領域を有する。各々の メモリセル 54への情報の記録再生は、ワード線 52、及びビット線 53をそれぞれ一つ 指定することによって行う。
[0237] 図 10は電気的情報記録媒体 51を用いた、情報記録システムの一構成例を示す。
記憶装置 56は、電気的情報記録媒体 51と、アドレス指定回路 55によって構成され る。アドレス指定回路 55により、電気的情報記録媒体 51のワード線 52、及びビット線 53がそれぞれ指定され、各々のメモリセル 54への情報の記録再生を行うことができ る。また、記憶装置 56を、少なくともパルス電源 58と抵抗測定器 59から構成される外 部回路 57に電気的に接続することにより、電気的情報記録媒体 51への情報の記録
再生を行うことができる。
実施例
[0238] 本発明のより具体的な実施の形態を、実施例を用いてさらに詳細に説明する。
[0239] (実施例 1)
実施例 1では、図 1の情報記録媒体 15を作製し、反入射側誘電体層 106の材料と 、情報層 16の記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度との関係を調べた。 具体的には、反入射側誘電体層 106の材料が異なる情報層 16を含む情報記録媒 体 15のサンプル 1— 1〜1— 29を作製し、情報層 16の記録感度、繰り返し書き換え 性能、及び信号強度を測定した。
[0240] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 14として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 1. 1mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、反 射層 108として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 80nm)、反入射側誘電体層 106 (厚さ: 25η m)、記録層 104として Ge In Bi Te 層(厚さ: lOnm)、入射側界面層 103として (C
45 1 3 51
r O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、入射側誘電体層 102として (ZnS) (SiO ) 層(厚
2 3 50 2 50 80 2 20 さ: 60nm)を順次スパッタリング法によって積層した。
[0241] 上記の各層をスパッタリングする成膜装置は、それぞれ反射層 108を成膜する合金 スパッタリングターゲット、反入射側誘電体層 106を成膜するスパッタリングターゲット 、記録層 104を成膜する合金スパッタリングターゲット、入射側界面層 103を成膜す るスパッタリングターゲット、入射側誘電体層 102を成膜するスパッタリングターゲット を備える。スパッタリングターゲットの形状は、いずれも直径 100mm、厚さ 6mmであ る。
[0242] 本実施例では、反射層 108を成膜するために、 Ag— Pd—Cu合金スパッタリングタ 一ゲットを使用した。同様のターゲットは、以下の実施例においても反射層を形成す るために使用した。また、記録層 104を成膜するために、 Ge— In— Bi— Te系材料を 含むターゲットを使用した。同様のターゲットを、以下の実施例においても、記録層を 形成するために使用した。
[0243] 本実施例で採用した条件で、誘電体層または界面層として、 Si— In— ZrZHf— O
系材料層および他の酸ィ匕物系材料層を形成する限りにお 、て、スパッタリングターゲ ットの組成は、スパッタリングにより形成される層の分析組成に近力 た。よって、誘電 体層および界面層の組成は、スパッタリングターゲットの組成と同一であるとみなした 。上記において示した、誘電体層および界面層の糸且成は、スパッタリングターゲットの 組成である。このことは以下の実施例においてもあてはまる。
[0244] 反射層 108の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 4Paとし、 DC電源を用いて、投 入パワー 200Wで行った。反入射側誘電体層 106の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧 力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。記録層 104の成 膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 DC電源を用いて、投入パワー 100W で行った。入射側界面層 103の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF 電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。入射側誘電体層 102の成膜は、 Arと O
2 との混合ガス (O : 3体積%)雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて投入
2
パワー 400Wで行った。
[0245] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を入射側誘電体層 102上に塗布した。
それから、基板 14を回転させることによって、均一な榭脂層を形成した。次に、紫外 線を照射して榭脂を硬化させた。その結果、榭脂層から成る、厚さ 100 mの透明層 13が形成された。その後、記録層 104をレーザビームで結晶化させる初期化工程を 行った。以上のようにして、反入射側誘電体層 106の材料が異なる複数のサンプル を製造した。
[0246] 各サンプルについて、図 7の記録再生装置 38を用いて、情報層 16の記録感度、及 び繰り返し書き換え性能を測定した。このとき、レーザビーム 11の波長は 405nm、対 物レンズ 34の開口数 NAは 0. 85、測定時のサンプルの線速度は 4. 9mZs、及び 9 . 8mZs、最短マーク長(2T)は 0. 149 mとした。情報はグループに記録した。
[0247] 情報記録媒体 15の情報層 16の反入射側誘電体層 106の材料と、情報層 16の記 録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度の評価結果について、線速度 4. 9m Zs (IX)での結果を (表 1)に、線速度が 9. 8mZs (2X)での結果を (表 2)に示す。 表中、 IXでの記録感度については、 6mW未満を〇、 6mW以上 7mW未満を△、 7 mW以上を Xとして表示している。 2Xでの記録感度については、 7mW未満を〇、 7
mW以上 8mW未満を△、 8mW以上を Xとして表示している。繰り返し書き換え性能 については、繰り返し書き換え回数が 1000回以上を〇、 500回以上 1000回未満を △、 500回未満を Xとして表示している。信号強度については、 40dB未満を X、 40 dB以上 45dB未満を△、 45dB以上を〇として表示している。
[表 1]
記 信 繰り返し サンブル 錄
反射層側誘電体層 106の材 ¾f md<½) 元素ごと原子%換算 書き換え
No. 感 強 性能 度 度
1-1 (ZnS)8。(SiOつ) 。 Zn36.4s36.4Si9.1°18.1 〇 X 〇
1-2 (ln2O3)50(ZrO2)50 Ιη25.0ζΊ2.5°62.5 Δ 〇 Δ
1-3
Si1.3
ln25.0
Zr11.2°62.5 〇 〇 〇
1-4 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 Si3.8ln25.0Zr8.7°62.5 〇 〇 〇
1-5 (SiO2)25(ln2¾)50CZrO2)25 Si6.3ln25.0Zr6.2°62.5 ο 〇 〇
1-6 (302)5(^03) 5(ZrO2)90 Si1.6ln3.2Zr29.0°66.2 〇 Ο 〇
1-7 (SiO2)90(ln2C¾)5(ZrO2)5 Si29.0ln3.2Zr1.6°66.2 〇 〇 〇
1-8 (SiO2)5(ln2O3)90(ZrO2)5 Si1.0ln37.5Zr1.0°60.5 〇 ο 〇
1-9 (S'02)5 (ln203) 50[ (ZrO2)097(Y2¾)003]45 Si1.2ln24.8Zr10.8Y0.7°62.5 〇 〇 〇
1-10 (Si。2)15(ln2°3) 50[ (Zr¾) 0.97(Y2o3)0.03] 35 Si3.7ln24.9Zr8.4Y0.5°62.5 〇 ο 〇
1-11 (Si02)25(ln2¾) 50 [ (Zr¾) 0.97^2°3}0.03] 25 Si6.2ln24.9Zr6.0Y0.4°62.5 〇 〇 〇
1-12 02)5 (ln203) 5[ (ZrfD2)097(Y2O3)003] 90 Si1.6ln3.2Zr27.7Y1.7°65.8 〇 〇 〇
1-13 (SiO2)90(ln2¾) 5[ (ZrO2)097(Y2O3)003]5 Si29.0ln3.2Zr1.6Y0.1°66.1 〇 〇 〇
1-14 (Si02)5 dn203) 90[ (ZrO2)097(Y2¾)003]5 Si1.0ln37.5Zr1.0Y0.1°60.4 ο 〇 〇
1-15 (S'02)5 (ln203) 50[ (ZrO2)092(Y2(¾)008]45 Si1.2ln24.6Zr10.2Y1.8°62.2 〇 〇 〇
1-16 (Si02)15(ln2°3) 50[ (Zr02) 0.92(Y2o3)0.08] 35 Si3.7ln24.7Zr7.9Y1.4°62.3 〇 〇 〇
1-17 (Si02)25(ln203) so [ (Zr¾) 0.92(丫203)0.08] 25 Si6.2ln24.8Zr5.7Y1.0°62.3 〇 〇 〇
1-18 02)5 (ln203) 5[ (ZrO2)092(Y2C¾)008] 90 Si1.5ln3.1Zr25.5Y4.4°65.5 〇 〇 〇
1-19 (SiO2)90(ln2¾)5[(ZrO2)092(Y2¾)008]5 Si29.0ln3.2Zr1.5Y0.3°66.0 ο 〇 〇
1-20 (Si02)5 (ln203) 90[ (ZrO2)0.92(Y2¾)0.08]5 Si1.0ln37.4Zr1.0Y0.2°60.4 〇 〇 〇
1-21 (Si。2)25(ln2¾) 40 25 (。「2。3) 10 Si6.3ln20.0Zr6.3Cr5.0°62.4 ο 〇 〇
(SiO2)25(ln2O3)40(Cr2O3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4
1-22 〇 〇 〇
[ 02) 0.97 (Y203) 0.03] 25 Cr5.0°62.5
(SiO2)25(ln2¾)40fCr2O3)10 Si62ln198Zr57Y1 o
1-23 〇 ο 〇
[ 02) 0.92 (γ203) 0.08] 25 Cr5.0°62.3
1-24 (SiO2)25Cln2¾)40C rO2)25CGa2O3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Ga5.0°62.4 〇 〇 〇
(SiO2)25(ln2O3)40CGa2°3 10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4
1-25 〇 ο 〇 [(Zr02) 0.97 (Y2O3) 0.03] 25 Ga5.0°62.5
(SiO2)25(ln2O3)40(G O3)10 Si62ln198Zr 7Y10
1-26 〇 ο 〇
[ 02) 0.97 (γ203) 0.03] 25 Ga5.0°62.3
1-27 (SiO2)25Cln2¾)50CHfO2i25 Si6.3ln25.0Hf6.2°62.5 〇 〇 〇
1-28 (SiO2)25(ln2¾)50(Zr¾)15(HfO2)10 Si6.3ln25.0Zr3.8Hf2.5°62.4 〇 ο 〇
1-29 (S,02)25Cln2¾) 50 C^) 10 (Hf。2) 10(Y2O3) 5 Si6.1ln24.4Zr2.4Hf2.4Y2.4°62.3 〇 〇 〇
2]
記 信 繰り返し サンプル 反射層側誘電体層 106 錄
元素ごと原子%換算 書き換え
NO. の材料 (mol%>) 感 強 性能 度 度
1-1 (ZnS)80(SiO2)20 Zn36.4¾6.4Si9.1°18.1 〇 X 〇
1-2 (Ιη2〇3)50(ΖιΟ2)50 ln25.0Zr12.5°62.5 〇 〇 Δ
1-3 (SiO2)5(ln2O3)50(ZrO2)45 Si1.3ln25.0Zr11.2°62.5 〇 〇 〇
1 -4 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 Si3.8ln25.0Zr8.7°62.5 〇 〇 〇
1 -5 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)25 ¾l6.3ln25.0ir6.2°62.5 〇 〇 〇
1 -6 (SiO2)5(ln2〇3)5(ZrO2)90 Si1.6ln3.2Zr29.0°66.2 〇 〇 〇
1-7 (SiO2)90(ln2O3)5(ZrO2)5 Si29.0ln3.2Zr1.6°66.2 〇 〇 〇
1-8 (SiO2)5(ln2O3)90(ZrO2)5 〇 〇 〇
1-9 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) o 97(Y2O3)003]45 si1.2ln24.8Zr10.8Y0.7°62.5 〇 〇 〇
1-10 (Si02) 15 (ln203) so [ (Zr02) 097 (Y203) Q 03] 35 si3.7ln24.9Zr8.4Y0.5°62.5 〇 〇 〇
1-11 (Si02) 25 (In 2。3) 50 [ (Zr02) 0.97 (丫203) 0.03] 25 si6.2ln24.9Zr6.0Y0.4°62.5 〇 〇 〇
1-12 (Si02)5 (ln203) 5[ (Z )2) 0.97(丫2。3) 0.03]90 Si1.6ln3.2Zr27.7Y1.7°65.8 〇 〇 〇
1-13 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si29.0ln3.2zH.6Y0.1°66.1 〇 〇 〇
1-14 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si1.0ln37.5Zr1.0Y0.1 i°n60.4 〇 〇 〇
1-15 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) 092(Y2O3)008]45 Si1.2ln24.6Zr10.2Y1.8°62.2 〇 〇 〇
1-16 (Si02) 1 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫203) 0.08] 35 Si3.7ln24.7Zr7.9Y1.4°62.3 〇 〇 〇
1-17 (Si02) 25 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫203) 0.08] 25 Si6.2ln24.8Zr5.7Y1.0°62.3 〇 〇 〇
1-18 (Si02)5 (ln203) 5[ CZ )2) 0·92(γ2ο3) 0·08]90 Si1.5ln3.1Zr25.5Y44°65.5 〇 〇 〇
1-19 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) o 92(Y2O3)008]5 Si29.0ln3.2Zr1.5Y0.3°66.0 〇 〇 〇
1-20 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) o 92(Y2O3)008]5 Si1.0ln37.4Zr1.0Y0.2°60.4 〇 〇 〇
1-21 (SiO2)25 n2O3)40(ZrO2)25CCr2O3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Cr5.0°62.4 〇 〇 〇
(:siO2)25(ln2o3:i40CCr2o3:)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇
1-22
[(ΖγΟ2)0·97(υ2ο3)0·03]25 Cr5.0°62.5
(Si02)25(ln203) 。;^ Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇
1-23
[(ZrO2)0.92(丫 203)0.08]25 Cr5.0°62.3
1-24 (SiO2)25(ln2o3)40(ZrO2)25(Ga2o3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Ga5.0°62.4 〇 〇 〇 iSiO2)25(ln2o3:i40(:Ga2o3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇
1-25
[ (02)0.97(丫203)0.03]25 Ga5.0°62.5
(SiO2)25(ln2O3)40(Ga2O3)10 Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇
1-26
[(Zr02)o.97(Y2°3:)0.03]25 Ga5.0°62.3
1-27 (SiO2)25(ln2O3)50(HfO2)25 Si6.3ln25.0Hf6.2°62.5 〇 〇 〇
1-28 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)15(HfO2)10 Si6.3ln25.0Zr3.8Hf2.5°62.4 〇 〇 〇
1-29 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)10(HfO2)10(Y2¾)5 Si6.1ln24.4Zr2.4Hf2.4Y2.4°62.3 〇 O 〇
[0250] この結果、反入射側誘電体層 106が(ZnS) (SiO ) 力も成るサンプル 1—1は、 Z
80 2 20
nSに含まれる硫黄が記録層に拡散してしまうため、 IX、及び 2Xでの繰り返し書き換 え性能が悪 、ことがわ力つた。反入射側誘電体層 106が (In O ) (ZrO ) 力も成る
2 3 50 2 50 サンプル 1 2は、 IXでの記録感度と信号強度が若干劣り、 2Xでの信号強度が若 干劣っていることがゎカゝつた。反入射側誘電体層 106が、 Siと Inと Oを少なくとも含み 、且つ SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%以上含むサンプル 1—3から 1— 29では、
2
記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度がすべて良好であることがわかつ た。以上のことから、反入射側誘電体層 106が、 SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%
2
以上含むと、良好な性能の媒体 15が得られることがわ力つた。
[0251] (実施例 2)
実施例 2では、図 3の情報記録媒体 24を作製し、第 2反入射側誘電体層 306の材 料と、第 2情報層 25の記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度との関係を 調べた。具体的には、第 2反入射側誘電体層 306の材料が異なる第 2情報層 25を含 む情報記録媒体 24のサンプル 2— 1〜2— 29を作製し、第 2情報層 25の記録感度、 繰り返し書き換え性能、及び信号強度を測定した。
[0252] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 14として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 1. 1mm)を用意した。そして、そのポリカーボネート基板上 に、第 2反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 80nm)、第 2反入射側誘電体層 3 06 (厚さ: 25nm)、第 2記録層 304として Ge In Bi Te 層(厚さ: lOnm)、第 2入射
45 1 3 51
側界面層 303として (Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、第 2入射側誘電体層 302と
2 3 50 2 50
して (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)を順次スパッタリング法によって積層した。
80 2 20
[0253] 第 2反射層 308の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 4Paとし、 DC電源を用いて 、投入パワー 200Wで行った。第 2反入射側誘電体層 306の成膜は、 Arガス雰囲気 で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 2記録層 304の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 DC電源を用いて、投入パヮ 一 100Wで行った。第 2入射側界面層 303の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 1 5Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 2入射側誘電体層 302
の成膜は、 Arと Oとの混合ガス雰囲気(O : 3体積%)で、圧力を 0. 15Paとし、 RF
2 2
電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。
[0254] 次に、第 2入射側誘電体層 302上に紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を塗布し 、その上に案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)を形成した基板をかぶせて 密着し回転させることによって均一な榭脂層を形成した。次いで、榭脂を硬化させ、 その後、基板をはがした。この工程によって、レーザビーム 11を導く案内溝が第 1情 報層 23側に形成された、厚さ 25 mの光学分離層 17が形成された。
[0255] その後、光学分離層 17の上に、透過率調整層 209として TiO層(厚さ: 20nm)、
2
第 1反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 10nm)、第 1反入射側誘電体層 206と して(SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層(厚さ: 15nm)、第 1記録層 204として Ge In Bi T
2 25 2 3 50 2 25 45 1 3 e 層(厚さ: 6nm)、第 1入射側界面層 203として(SiO ) (Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ
51 2 25 2 3 50 2 25
: 5nm)、第 1入射側誘電体層 202として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 40nm)を順次ス
80 2 20
ノッタリング法によって積層した。
[0256] 透過率調整層 209の成膜は、 Arと Oとの混合ガス雰囲気 (O: 3体積%)で、圧力
2 2
を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 1反射層 208の成 膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 4Paとし、 DC電源を用いて、投入パワー 100Wで 行った。第 1反入射側誘電体層 206の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paと し、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 1記録層 204の成膜は、 Arガ ス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 DC電源を用いて、投入パワー 50Wで行った。第 1入射側界面層 203の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用 いて、投入パワー 400Wで行った。第 1入射側誘電体層 202の成膜は、 Arと Oとの
2 混合ガス雰囲気 (O : 3体積%)で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パ
2
ヮー 400Wで行った。
[0257] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を第 1入射側誘電体層 202上に塗布し た。それから、基板 14を回転させることによって、均一な榭脂層を形成した。次に、紫 外線を照射して榭脂を硬化させた。その結果、榭脂層から成る、厚さ 75 mの透明 層 13が形成された。その後、第 2記録層 304、及び第 1記録層 204をレーザビーム で結晶化させる初期化工程を行った。以上のようにして、第 2反入射側誘電体層 306
の材料が異なる複数のサンプルを製造した。
[0258] 各サンプルについて、図 7の記録再生装置 38を用いて、第 2情報層 25の記録感度 、繰り返し書き換え性能、及び信号強度を測定した。このとき、レーザビーム 11の波 長は 405nm、対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 85、測定時のサンプルの線速度は 4 . 9mZs、及び 9. 8mZs、最短マーク長(2T)は 0. 149 mとした。情報はグルー ブに記録した。
[0259] 情報記録媒体 24の第 2情報層 25の第 2反入射側誘電体層 306の材料と、第 2情 報層 25の記録感度、及び繰り返し書き換え性能の評価結果について、線速度が 4. 9mZs (lX)での結果を (表 3)に、線速度が 9. 8mZs (2X)での結果を (表 4)に示 す。表中、 IXでの記録感度については、 12mW未満を〇、 12mW以上 14mW未満 を△、 14mW以上を Xとして表示している。また、 2Xでの記録感度については、 14 mW未満を〇、 14mW以上 16mW未満を△、 16mW以上を Xとして表示している。 繰り返し書き換え性能については、繰り返し書き換え回数が 1000回以上を〇、 500 回以上 1000回未満を△、 500回未満を Xとして表示している。信号強度について は、 40dB未満を X、 40dB以上 45dB未満を△、 45dB以上を〇として表示している
[0260] [表 3]
記 信 繰り返し サンプル 第 2反射層側誘電体層 306 録
元素ごと原子%換算 書き換え
NO. の材料 (mol%>) 感 強 性能 度 度 -1 (ZnS)80CSiO2)20 Zn36.4s36.4Si9.1°18.1 〇 X 〇 -2 (Ιη2〇3)50(ΖιΟ2)50 ln25.0Zr12.5°62.5 Δ Ο Δ -3 (SiO2)5(ln2O3)50(ZrO2)45 Si1.3ln25.0Zr11.2°62.5 〇 Ο 〇 -4 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 Si3.8ln25.0Zr8.7°62.5 〇 〇 〇 -5 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)25 ¾l6.3ln25.0ir6.2°62.5 〇 〇 〇 -6 (SiO2)5(ln2〇3)5(ZrO2)90 Si1.6ln3.2Zr29.0°66.2 〇 〇 〇 -7 (SiO2)90(ln2O3)5(ZrO2)5 Si29.0ln3.2Zr1.6°66.2 〇 〇 〇 -8 (SiO2)5(ln2O3)90(ZrO2)5 Si1.0ln37.5Zr1.0°60.5 〇 〇 〇 -9 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) 097(Y2O3)003]45 Si1.2ln24.8Zr10.8Y0.7°62.5 〇 〇 〇 -10 (Si02) ! 5 (ln203) 50 [ (Zr02) 097 (Y203)ひ 03] 35 Si3.7ln24.9Zr8.4Y0.5°62.5 〇 〇 〇 -11 (Si02) 25 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.97 (Y203) 0.03] 25 Si6.2ln24.9Zr6.0Y0.4°62.5 〇 〇 〇 -12 (Si02)5 (ln203) 5[ (Ζιϋ2) 0.97(Y2O3) 003]90 Si1.6ln3.2Zr27.7Y1.7°65.8 〇 〇 〇 -13 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si29.0ln3.2Zr1.6Y0.1°66.1 〇 Ο 〇 -14 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si1.0ln37.5Zr1.0Y0.1°60.4 〇 〇 〇 -15 (SiO2)5(ln2O3)50[(ZrO2)092(Y2O3)008]45 Si1.2ln24.6Zr10.2Y1.8°62.2 〇 〇 〇 —16 (Si02) 1 (ln203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫2。3) o.08] 35 Si3.7ln24.7Zr7.9Y1.4°62.3 〇 〇 〇 -17 (Si02) 25 (ln203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫2。3) o.08] 25 Si6.2ln24.8Zr5.7Y1.0°62.3 〇 〇 〇 -18 (Si02)5 (ln203) 5[ (Zt02) 0.92(Y2o3) 0.08]90 Si1.5ln3.1Zr25.5Y44°65.5 〇 〇 〇 -19 (SiO2)g0(ln2O3) 5[ (Zr02) 092(Y2O3)008]5 si29.0ln3.2Zr1.5Y0.3°66.0 〇 〇 〇 -20 (SiO2)5(ln2O3)90[(ZrO2)092(Y2O3)008]5 si1.0ln37.4Zr1.0Y0.2°60.4 〇 〇 〇 -21 si6.3ln20.0Zr6.3Cr5.0°62.4 〇 〇 〇
(SiO2)25Cln2O3)40(Cr2O3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 —22
[(Zr02)o.97(丫 2ο3)0·03]25 Cr5.0°62.5
(Si02)25(ln203) 40( 203) Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 -23
[(Zr02)o.92(丫 2ο3)0.08]25 Cr5.0°62.3
-24 (SiO2)25(ln2o3)40(ZrO2)25(Ga2o3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Ga5.0°62.4 〇 〇 〇 iSiO2)25(ln2o3:i40(:Ga2o3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 —25
[(Zr02)o.97(Y203:>0.03]25 Ga5.0°62.5
(SiO2)25(ln2O3)40(Ga2O3)10 Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 —26
[(Zr02)o.97(Y2°3:)0.03]25 Ga5.0°62.3
-27 (SiO2)25(ln2O3)50(HfO2)25 Si6.3ln25.0Hf6.2°62.5 〇 〇 〇 -28 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)15(HfO2)10 Si6.3ln25.0Zr3.8Hf2.5°62.4 〇 〇 〇 -29 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)10(HfO2)10(Y2¾)5 Si6.1ln24.4Zr2.4Hf2.4Y2.4°62.3 〇 Ο 〇
4]
記 信 繰り返し サンプル 第 2反射層側誘電体層 306 錄
元素ごと原子%換算 書き換え
NO. の材料 (mol%>) 感 強 性能 度 度 -1 (ZnS)80(SiO2)20 Zn36.4¾6.4Si9.1°18.1 〇 X 〇 -2 (Ιη2〇3)50(ΖιΟ2)50 ln25.0Zr12.5°62.5 〇 〇 Δ -3 (SiO2)5(ln2O3)50(ZrO2)45 Si1.3ln25.0Zr11.2°62.5 〇 〇 〇 -4 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 Si3.8ln25.0Zr8.7°62.5 〇 〇 〇 -5 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)25 ¾l6.3ln25.0ir6.2°62.5 〇 〇 〇 -6 (SiO2)5(ln2〇3)5(ZrO2)90 Si1.6ln3.2Zr29.0°66.2 〇 〇 〇 -7 (SiO2)90(ln2O3)5(ZrO2)5 Si29.0ln3.2Zr1.6°66.2 〇 〇 〇 -8 (SiO2)5(ln2O3)90(ZrO2)5 〇 〇 〇 -9 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) o 97(Y2O3)003]45 si1.2ln24.8Zr10.8Y0.7°62.5 〇 〇 〇 -10 (Si02) 15 (ln203) so [ (Zr02) 097 (Y203) Q 03] 35 si3.7ln24.9Zr8.4Y0.5°62.5 〇 〇 〇 -11 (Si02) 25 (In 2。3) 50 [ (Zr02) 0.97 (丫203) 0.03] 25 si6.2ln24.9Zr6.0Y0.4°62.5 〇 〇 〇 —12 (Si02)5 (ln203) 5[ (Z )2) 0.97(丫2。3) 0.03]90 Si1.6ln3.2Zr27.7Y1.7°65.8 〇 〇 〇 -13 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si29.0ln3.2zH.6Y0.1°66.1 〇 〇 〇 -14 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si1.0ln37.5Zr1.0Y0.1 i°n60.4 〇 〇 〇 -15 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) 092(Y2O3)008]45 Si1.2ln24.6Zr10.2Y1.8°62.2 〇 〇 〇 -16 (Si02) 1 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫203) 0.08] 35 Si3.7ln24.7Zr7.9Y1.4°62.3 〇 〇 〇 -17 (Si02) 25 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫203) 0.08] 25 Si6.2ln24.8Zr5.7Y1.0°62.3 〇 〇 〇 -18 (Si02)5 (ln203) 5[ CZ )2) 0·92(γ2ο3) 0·08]90 Si1.5ln3.1Zr25.5Y44°65.5 〇 〇 〇 -19 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) o 92(Y2O3)008]5 Si29.0ln3.2Zr1.5Y0.3°66.0 〇 〇 〇 —20 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) o 92(Y2O3)008]5 Si1.0ln37.4Zr1.0Y0.2°60.4 〇 〇 〇 —21 (SiO2)25 n2O3)40(ZrO2)25CCr2O3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Cr5.0°62.4 〇 〇 〇
(:siO2)25(ln2o3:i40CCr2o3:)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 —22
[(ΖγΟ2)0·97(υ2ο3)0·03]25 Cr5.0°62.5
(Si02)25(ln203) 。;^ Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 —23
[(ZrO2)0.92(丫 203)0.08]25 Cr5.0°62.3
-24 (SiO2)25(ln2o3)40(ZrO2)25(Ga2o3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Ga5.0°62.4 〇 〇 〇 iSiO2)25(ln2o3:i40(:Ga2o3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 -25
[ (02)0.97(丫203)0.03]25 Ga5.0°62.5
(SiO2)25(ln2O3)40(Ga2O3)10 Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 —26
[(Zr02)o.97(Y2°3:)0.03]25 Ga5.0°62.3
-27 (SiO2)25(ln2O3)50(HfO2)25 Si6.3ln25.0Hf6.2°62.5 〇 〇 〇 -28 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)15(HfO2)10 Si6.3ln25.0Zr3.8Hf2.5°62.4 〇 〇 〇 -29 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)10(HfO2)10(Y2¾)5 Si6.1ln24.4Zr2.4Hf2.4Y2.4°62.3 〇 O 〇
[0262] この結果、第 2反入射側誘電体層 306が(ZnS) (SiO ) から成るサンプル 2—1
80 2 20
は、 ZnSに含まれる硫黄が記録層に拡散してしまうため、 IX、及び 2Xでの繰り返し 書き換え性能が悪いことがわ力つた。第 2反入射側誘電体層 306が (In O ) (ZrO )
2 3 50 2 力 成るサンプル 2— 2は、 IXでの記録感度と信号強度が若干劣り、 2Xでの信号
50
強度が若干劣っていることがわ力つた。第 2反入射側誘電体層 306が、 Siと Inと Oを 少なくとも含み、且つ SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%以上含むサンプル 2— 3から
2
2— 29は、記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度がすべて良好であること がわかった。以上のことから、第 2反入射側誘電体層 306が SiOを 5mol%以上、 Si
2
を 1原子%以上含むと、良好な性能の媒体 24が得られることがわ力つた。
[0263] (実施例 3)
実施例 3では、図 3の情報記録媒体 24を作製し、第 1反入射側誘電体層 206の材 料と、第 1情報層 23の記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度との関係を 調べた。具体的には、第 1反入射側誘電体層 206の材料が異なる第 1情報層 23を含 む情報記録媒体 24のサンプル 3— 1〜3— 29を作製し、第 1情報層 23の記録感度、 繰り返し書き換え性能、及び信号強度を測定した。
[0264] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 14として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 1. 1mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、第 2 反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 80nm)、第 2反入射側誘電体層 306として (SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層 (厚さ: 15nm)、第 2反入射側界面層(図示せず)とし
2 25 2 3 50 2 25
て(SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層(厚さ: 10nm)、第 2記録層 304として Ge In Bi Te
2 15 2 3 35 2 50 45 1 3 5 層(厚さ: 10nm)、第 2入射側界面層 303として(Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、
1 2 3 50 2 50
第 2入射側誘電体層 302として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)を順次スパッタリン
80 2 20
グ法によって積層した。
[0265] 第 2反射層 308の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 4Paとし、 DC電源を用いて 、投入パワー 200Wで行った。第 2反入射側誘電体層 306の成膜は、 Arガス雰囲気 で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 2記録層 304の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 DC電源を用いて、投入パヮ
一 100Wで行った。第 2入射側界面層 303の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 1 5Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 2入射側誘電体層 302 の成膜は、 Arと Oとの混合ガス雰囲気(O : 3体積%)で、圧力を 0. 15Paとし、 RF
2 2
電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。
[0266] 次に、第 2反入射側誘電体層 302上に紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を塗布 し、その上に案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)を形成した基板をかぶせ て密着し回転させることによって均一な榭脂層を形成した。次いで、榭脂を硬化させ 、その後、基板をはがした。この工程によって、レーザビーム 11を導く案内溝が第 1 情報層 23側に形成された、厚さ の光学分離層 17が形成された。
[0267] その後、光学分離層 17の上に、透過率調整層 209として TiO層(厚さ: 20nm)、
2
第 1反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 10nm)、第 1反入射側誘電体層 206 ( 厚さ: 15nm)、第 1記録層 204として Ge In Bi Te 層(厚さ: 6nm)、第 1入射側界
45 1 3 51
面層 203として(SiO ) (Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、第 1入射側誘電体層 20
2 25 2 3 50 2 25
2として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 40nm)を順次スパッタリング法によって積層した。
80 2 20
[0268] 透過率調整層 209の成膜は、 Arと Oとの混合ガス雰囲気 (O: 3体積%)で、圧力
2 2
を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 1反射層 208の成 膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 4Paとし、 DC電源を用いて、投入パワー 100Wで 行った。第 1反入射側誘電体層 206の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paと し、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 1記録層 204の成膜は、 Arガ ス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 DC電源を用いて、投入パワー 50Wで行った。第 1入射側界面層 203の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用 いて、投入パワー 400Wで行った。第 1入射側誘電体層 202の成膜は、 Arと Oとの
2 混合ガス雰囲気 (O : 3体積%)で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パ
2
ヮー 400Wで行った。
[0269] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を第 1入射側誘電体層 202上に塗布し た。それから、基板 14を回転させることによって、均一な榭脂層を形成した。次に、紫 外線を照射して榭脂を硬化させた。その結果、榭脂層から成る、厚さ 75 mの透明 層 13が形成された。その後、第 2記録層 304、及び第 1記録層 204をレーザビーム
で結晶化させる初期化工程を行った。以上のようにして、第 1反入射側誘電体層 206 の材料が異なる複数のサンプルを製造した。
[0270] 各サンプルについて、図 7の記録再生装置 38を用いて、第 1情報層 23の記録感度 、繰り返し書き換え性能、及び信号強度を測定した。このとき、レーザビーム 11の波 長は 405nm、対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 85、測定時のサンプルの線速度は 4 . 9mZs、及び 9. 8mZs、最短マーク長(2T)は 0. 149 mとした。情報はグルー ブに記録した。
[0271] 情報記録媒体 24の第 1情報層 23の第 1反入射側誘電体層 206の材料と、第 1情 報層 23の記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度の評価結果について、 線速度が 4. 9mZs (IX)での結果を (表 5)に、線速度が 9. 8mZs (2X)での結果を (表 6)に示す。表中、 IXでの記録感度については、 12W未満を〇、 12W以上 14W 未満を△、 14W以上を Xとして表示している。 2Xでの記録感度については、 14W未 満を〇、 14W以上 16W未満を△、 16W以上を Xとして表示している。繰り返し書き 換え性能については、繰り返し書き換え回数が 1000回以上を〇、 500回以上 1000 回未満を△、 500回未満を Xとして表示している。信号強度については、 40dB未満 を X、 40dB以上 45dB未満を△、 45dB以上を〇として表示している。
[0272] [表 5]
記 信 繰り返し サンプル 第 1反射層側誘電体層 206 録
元素ごと原子%換算 書き換え
NO. の材料 (mol%>) 感 強 性能 度 度 -1 (ZnS)80CSi02)2o Zn36.4s36.4Si9.1°18.1 〇 X 〇 -2 (Ιη2〇3)50(ΖιΟ2)50 ln25.0Zr12.5°62.5 Δ Ο Δ -3 (SiO2)5(ln2O3)50(ZrO2)45 Si1.3ln25.0Zr11.2°62.5 〇 Ο 〇 -4 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 Si3.8ln25.0Zr8.7°62.5 〇 〇 〇 -5 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)25 ¾l6.3ln25.0ir6.2°62.5 〇 〇 〇 -6 (SiO2)5(ln2〇3)5(ZrO2)90 Si1.6ln3.2Zr29.0°66.2 〇 〇 〇 -7 (SiO2)90(ln2O3)5(ZrO2)5 Si29.0ln3.2Zr1.6°66.2 〇 〇 〇 -8 (SiO2)5(ln2O3)90(ZrO2)5 Si1.0ln37.5Zr1.0°60.5 〇 〇 〇 -9 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) 097(Y2O3)003]45 Si1.2ln24.8Zr10.8Y0.7°62.5 〇 〇 〇 -10 (Si02) ! 5 (ln203) 50 [ (Zr02) 097 (Y203)ひ 03] 35 Si3.7ln24.9Zr8.4Y0.5°62.5 〇 〇 〇 -11 (Si02) 25 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.97 (Y203) 0.03] 25 Si6.2ln24.9Zr6.0Y0.4°62.5 〇 〇 〇 -12 (Si02)5 (ln203) 5[ (Ζιϋ2) 0.97(Y2O3) 003]90 Si1.6ln3.2Zr27.7Y1.7°65.8 〇 〇 〇 -13 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si29.0ln3.2Zr1.6Y0.1°66.1 〇 Ο 〇 -14 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si1.0ln37.5Zr1.0Y0.1°60.4 〇 〇 〇 -15 (SiO2)5(ln2O3)50[(ZrO2)092(Y2O3)008]45 Si1.2ln24.6Zr10.2Y1.8°62.2 〇 〇 〇 -16 (Si02) 1 (ln203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫2。3) o.08] 35 Si3.7ln24.7Zr7.9Y1.4°62.3 〇 〇 〇 -17 (Si02) 25 (ln203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫2。3) o.08] 25 Si6.2ln24.8Zr5.7Y1.0°62.3 〇 〇 〇 -18 (Si02)5 (ln203) 5[ (Zt02) 0.92(Y2o3) 0.08]90 Si1.5ln3.1Zr25.5Y44°65.5 〇 〇 〇 -19 (SiO2)g0(ln2O3) 5[ (Zr02) 092(Y2O3)008]5 si29.0ln3.2Zr1.5Y0.3°66.0 〇 〇 〇 -20 (SiO2)5(ln2O3)90[(ZrO2)092(Y2O3)008]5 si1.0ln37.4Zr1.0Y0.2°60.4 〇 〇 〇 -21 si6.3ln20.0Zr6.3Cr5.0°62.4 〇 〇 〇
(SiO2)25Cln2O3)40(Cr2O3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 -22
[(Zr02)o.97(丫 2ο3)0·03]25 Cr5.0°62.5
(Si02)25(ln203) 40( 203) Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 -23
[(Zr02)o.92(丫 2ο3)0.08]25 Cr5.0°62.3
-24 (SiO2)25(ln2o3)40(ZrO2)25(Ga2o3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Ga5.0°62.4 〇 〇 〇 iSiO2)25(ln2o3:i40(:Ga2o3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 -25
[(Zr02)o.97(Y203:>0.03]25 Ga5.0°62.5
(SiO2)25(ln2O3)40(Ga2O3)10 Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 -26
[(Zr02)o.97(Y2°3:)0.03]25 Ga5.0°62.3
-27 (SiO2)25(ln2O3)50(HfO2)25 Si6.3ln25.0Hf6.2°62.5 〇 〇 〇 -28 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)15(HfO2)10 Si6.3ln25.0Zr3.8Hf2.5°62.4 〇 〇 〇 -29 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)10(HfO2)10(Y2¾)5 Si6.1ln24.4Zr2.4Hf2.4Y2.4°62.3 〇 Ο 〇
6]
記 信 繰り返し サンプル 第 1反射層側誘電体層 206 錄
元素ごと原子%換算 書き換え
NO. の材料 (mol%>) 感 強 性能 度 度 -1 (ZnS)80(SiO2)20 Zn36.4¾6.4Si9.1°18.1 〇 X 〇 -2 (Ιη2〇3)50(ΖιΟ2)50 ln25.0Zr12.5°62.5 〇 〇 Δ -3 (SiO2)5(ln2O3)50(ZrO2)45 Si1.3ln25.0Zr11.2°62.5 〇 〇 〇 -4 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 Si3.8ln25.0Zr8.7°62.5 〇 〇 〇 -5 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)25 ¾l6.3ln25.0ir6.2°62.5 〇 〇 〇 -6 (SiO2)5(ln2〇3)5(ZrO2)90 Si1.6ln3.2Zr29.0°66.2 〇 〇 〇 -7 (SiO2)90(ln2O3)5(ZrO2)5 Si29.0ln3.2Zr1.6°66.2 〇 〇 〇 -8 (SiO2)5(ln2O3)90(ZrO2)5 〇 〇 〇 -9 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) o 97(Y2O3)003]45 si1.2ln24.8Zr10.8Y0.7°62.5 〇 〇 〇 -10 (Si02) 15 (ln203) so [ (Zr02) 097 (Y203) Q 03] 35 si3.7ln24.9Zr8.4Y0.5°62.5 〇 〇 〇 -11 (Si02) 25 (In 2。3) 50 [ (Zr02) 0.97 (丫203) 0.03] 25 si6.2ln24.9Zr6.0Y0.4°62.5 〇 〇 〇 -12 (Si02)5 (ln203) 5[ (Z )2) 0.97(丫2。3) 0.03]90 Si1.6ln3.2Zr27.7Y1.7°65.8 〇 〇 〇 -13 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si29.0ln3.2zH.6Y0.1°66.1 〇 〇 〇 -14 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) 097(Y2O3)003]5 Si1.0ln37.5Zr1.0Y0.1 i°n60.4 〇 〇 〇 -15 (Si02)5 (ln203) 50[ (Zr02) 092(Y2O3)008]45 Si1.2ln24.6Zr10.2Y1.8°62.2 〇 〇 〇 -16 (Si02) 1 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫203) 0.08] 35 Si3.7ln24.7Zr7.9Y1.4°62.3 〇 〇 〇 -17 (Si02) 25 (In 203) 50 [ (Zr02) 0.92 (丫203) 0.08] 25 Si6.2ln24.8Zr5.7Y1.0°62.3 〇 〇 〇 -18 (Si02)5 (ln203) 5[ CZ )2) 0·92(γ2ο3) 0·08]90 Si1.5ln3.1Zr25.5Y44°65.5 〇 〇 〇 -19 (SiO2)90(ln2O3) 5[ (Zr02) o 92(Y2O3)008]5 Si29.0ln3.2Zr1.5Y0.3°66.0 〇 〇 〇 -20 (Si02)5 (ln203) 90[ (Zr02) o 92(Y2O3)008]5 Si1.0ln37.4Zr1.0Y0.2°60.4 〇 〇 〇 -21 (SiO2)25 n2O3)40(ZrO2)25CCr2O3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Cr5.0°62.4 〇 〇 〇
(:siO2)25(ln2o3:i40CCr2o3:)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 -22
[(ΖγΟ2)0·97(υ2ο3)0·03]25 Cr5.0°62.5
(Si02)25(ln203) 。;^ Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 -23
[(ZrO2)0.92(丫 203)0.08]25 Cr5.0°62.3
-24 (SiO2)25(ln2o3)40(ZrO2)25(Ga2o3)10 Si6.3ln20.0Zr6.3Ga5.0°62.4 〇 〇 〇 iSiO2)25(ln2o3:i40(:Ga2o3)10 Si6.2ln19.9Zr6.0Y0.4 〇 〇 〇 -25
[ (02)0.97(丫203)0.03]25 Ga5.0°62.5
(SiO2)25(ln2O3)40(Ga2O3)10 Si6.2ln19.8Zr5.7Y1.0 〇 〇 〇 -26
[(Zr02)o.97(Y2°3:)0.03]25 Ga5.0°62.3
-27 (SiO2)25(ln2O3)50(HfO2)25 Si6.3ln25.0Hf6.2°62.5 〇 〇 〇 -28 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)15(HfO2)10 Si6.3ln25.0Zr3.8Hf2.5°62.4 〇 〇 〇 -29 (SiO2)25(ln2O3)50(ZrO2)10(HfO2)10(Y2¾)5 Si6.1ln24.4Zr2.4Hf2.4Y2.4°62.3 〇 O 〇
[0274] この結果、第 1反入射側誘電体層 206が(ZnS) (SiO ) から成るサンプル 3—1
80 2 20
は、 ZnSに含まれる硫黄が記録層に拡散してしまうため、 IX、及び 2Xでの繰り返し 書き換え性能が悪いことがわ力つた。第 1反入射側誘電体層 206が (In O ) (ZrO )
2 3 50 2 力 成るサンプル 3— 2は、 IXでの記録感度と信号強度が若干劣り、 2Xでの信号
50
強度が若干劣っていることがわ力つた。第 1反入射側誘電体層 206が、 Siと Inと Oを 少なくとも含み、且つ SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%以上含むサンプル 3— 3から
2
3— 29では、記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度がすべて良好である ことがわかった。以上のことから、第 1反入射側誘電体層 206が SiOを 5mol%以上、
2
Siを 1原子%以上含むと、良好な性能の媒体 24が得られることがわ力つた。
[0275] (実施例 4)
実施例 4では、図 4の情報記録媒体 29を作製し、これを実施例 1と同様の試験に付 した。
[0276] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 26として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 40nm、トラックピッチ 0. 344 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 0. 6mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、入 射側誘電体層 102として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)、入射側界面層 103とし
80 2 20
て(Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、記録層 104として Ge In Bi Te 層(厚さ: 10
2 3 50 2 50 45 1 3 51 nm)、反入射側誘電体層 106 (厚さ: 25nm)、反射層 108として Ag— Pd— Cu層(厚 さ: 80nm)を順次スパッタリング法によって積層した。使用した成膜装置、スパッタリ ングターゲット、及び成膜条件 (ガス種、圧力、投入パワー)等は実施例 1で使用した それらと同様である。
[0277] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を、ダミー基板 28上に塗布し、基板 26 の反射層 108榭脂に密着させた。それから、基板 206を回転させることによって、基 板 26とダミー基板 28との間に均一な榭脂層(厚さ 20 m)を形成した。次に、紫外線 を照射して榭脂を硬化させた。その結果、接着層 27を介して基板 26が、ダミー基板 28に接着された。最後に、記録層 104の全面をレーザビームで結晶化させる初期化 工程を行った。
[0278] 各サンプルについて、実施例 1と同様の方法によって、情報記録媒体 29の情報層
16の記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度を測定した。このとき、レーザ ビーム 11の波長は 405nm、対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 65、測定時のサンプ ルの線速度は 8. 6mZs、及び 17. 2mZs、最短マーク長は 0. 294 /z mとした。情 報はグループに記録した。
[0279] 測定の結果、実施例 1と同様に、反入射側誘電体層 106が(ZnS) (SiO ) 力も
80 2 20 成るサンプルは、 ZnSに含まれる硫黄が記録層に拡散してしまうため、 IX、及び 2X での繰り返し書き換え性能が悪いことがわ力つた。反入射側誘電体層 106が(In O )
2 3
(ZrO ) 力も成るサンプルは、 IXでの記録感度と信号強度が若干劣り、 2Xでの信
50 2 50
号強度が若干劣っていることがわ力つた。反入射側誘電体層 106が、 Siと Inと Oを少 なくとも含み、且つ SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%以上含むサンプルは、記録感
2
度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度がすべて良好であることがわ力つた。以上 のことから、反入射側誘電体層 106が、 SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%以上含む
2
と、良好な性能の媒体 29が得られることがわ力つた。
[0280] (実施例 5)
実施例 5では、図 6の情報記録媒体 32を作製し、これを実施例 2と同様の試験に付 した。
[0281] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 26として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 40nm、トラックピッチ 0. 344 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 0. 6mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、第 1 入射側誘電体層 202として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 40nm)、第 1入射側界面層 2
80 2 20
03として(SiO ) (Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、第 1記録層 204として Ge In
2 25 2 3 50 2 25 45 1
Bi Te 層(厚さ: 6nm)、第 1反入射側誘電体層 206として(SiO ) (In O ) (ZrO )
3 51 2 25 2 3 50 2 層(厚さ: 10nm)、第 1反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 10nm)、透過率調
25
整層 209として TiO層(厚さ: 20nm)を順次スパッタリング法によって積層した。使用
2
した成膜装置、スパッタリングターゲット、成膜条件 (ガス種、圧力、投入パワー)等は 実施例 2の第 1の情報層 23の形成で使用したそれらと同様である。
[0282] また、基板 30として、レーザビーム 11を導くための案内溝 (深さ 40nm、トラックピッ チ 0. 344 m)が形成されたポリカーボネート基板(直径 120mm、厚さ 0. 58mm)
を用意した。そのポリカーボネート基板上に、第 2反射層 208として Ag— Pd—Cu層( 厚さ: 80nm)、第 2反入射側誘電体層 306 (厚さ: 25nm)、第 2記録層 304として Ge
4
In Bi Te 層(厚さ: lOnm)、第 2入射側界面層 303として(Cr O ) (ZrO ) 層(厚
5 1 3 51 2 3 50 2 50 さ: 5nm)、第 2入射側誘電体層 302として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)を順次
80 2 20
スパッタリング法によって積層した。使用した成膜装置、スパッタリングターゲット、成 膜条件 (ガス種、圧力、投入パワー)等は実施例 2の第 2情報層 25の形成で使用した それらと同様である。
[0283] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を基板 30の第 2入射側誘電体層 302 上に塗布し、基板 26の透過率調整層 209を榭脂に密着させた。それから、基板 30を 回転させること〖こよって、第 2入射側誘電体層 302と透過率調整層 209との間に、均 一な榭脂層 (厚さ 20 m)を形成した。次いで、紫外線を照射して榭脂を硬化させた 。その結果、接着層 27を介して、基板 26が基板 30に接着された。最後に、第 2記録 層 304、及び第 1記録層 204の全面をレーザビームで結晶化させる初期化工程を行 つた o
[0284] 各サンプルについて、実施例 2と同様の方法によって、情報記録媒体 32の第 2情 報層 25の記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度を測定した。このとき、レ 一ザビーム 11の波長は 405nm、対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 65、測定時のサ ンプルの線速度は 8. 6mZs、及び 17. 2mZs、最短マーク長は 0. 294 /z mとした。 情報はグループに記録した。
[0285] 測定の結果、実施例 2と同様に、第 2反入射側誘電体層 306が(ZnS) (SiO ) か
80 2 20 ら成るサンプルは、 ZnSに含まれる硫黄が記録層に拡散してしまうため、 IX、及び 2 Xでの繰り返し書き換え性能が悪いことがわ力つた。第 2反入射側誘電体層 306が (I n O ) (ZrO ) 力 成るサンプルは、 IXでの記録感度と信号強度が若干劣り、 2X
2 3 50 2 50
での信号強度が若干劣っていることがわ力つた。第 2反入射側誘電体層 306が、 Siと Inと Oを少なくとも含み、且つ SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%以上含むサンプル
2
は、記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度がすべて良好であることがわか つた。以上のことから、第 2反入射側誘電体層 306が、 SiOを 5mol%以上、 Siを 1原
2
子%以上含むと、良好な性能の媒体 29が得られることがわ力つた。
[0286] (実施例 6)
実施例 6では、図 6の情報記録媒体 32を作製し、これを実施例 3と同様の試験に付 した。
サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 26として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 40nm、トラックピッチ 0. 344 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 0. 6mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、第 1 反入射側誘電体層 202として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 40nm)、第 1入射側界面層
80 2 20
203として(SiO ) (Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、第 1記録層 204として Ge In
2 25 2 3 50 2 25 45
Bi Te 層(厚さ: 6nm)、第 1反入射側誘電体層 206 (厚さ: 15nm)、第 1反射層 20
1 3 51
8として Ag— Pd— Cu層(厚さ: lOnm)、透過率調整層 209として TiO層(厚さ: 20η
2
m)を順次スパッタリング法によって積層した。使用した成膜装置、スパッタリングター ゲット、成膜条件 (ガス種、圧力、投入パワー)等は実施例 3の第 1情報層 23の形成 で使用したそれらと同様である。
[0287] また、基板 30として、レーザビーム 11を導くための案内溝 (深さ 40nm、トラックピッ チ 0. 344 m)が形成されたポリカーボネート基板(直径 120mm、厚さ 0. 58mm) を用意した。そのポリカーボネート基板上に、第 2反射層 208として Ag— Pd—Cu層( 厚さ: 80nm)、第 2反入射側誘電体層 306として(SiO ) (In O ) (ZrO ) 層(厚さ
2 25 2 3 50 2 25
: 15nm)、第 2反入射側界面層(図示せず)として (SiO ) (In O ) (ZrO ) 層(厚
2 15 2 3 35 2 50 さ: lOnm)、第 2記録層 304として Ge In Bi Te 層(厚さ: lOnm)、第 2入射側界面
45 1 3 51
層 303として (Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、第 2入射側誘電体層 302として (Zn
2 3 50 2 50
S) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)を順次スパッタリング法によって積層した。使用した成
80 2 20
膜装置、スパッタリングターゲット、成膜条件 (ガス種、圧力、投入パワー)等は実施例 3の第 2情報層 25の形成で使用したそれらと同様である。
[0288] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を基板 30の第 2入射側誘電体層 302 上に塗布し、基板 26の透過率調整層 209を榭脂に密着させた。それから、基板 26を 回転させること〖こよって、第 2入射側誘電体層 302と透過率調整層 209との間に、均 一な榭脂層 (厚さ 20 m)を形成した。次いで、紫外線を照射して榭脂を硬化させた 。その結果、接着層 27を介して、基板 26が基板 30に接着された。最後に、第 2記録
層 304、及び第 1記録層 204の全面をレーザビームで結晶化させる初期化工程を行 つた o
[0289] 各サンプルについて、実施例 4と同様の方法によって、情報記録媒体 32の第 1情 報層 23の記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度を測定した。このとき、レ 一ザビーム 11の波長は 405nm、対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 65、測定時のサ ンプルの線速度は 8. 6mZs、及び 17. 2mZs、最短マーク長は 0. 294 /z mとした。 情報はグループに記録した。
[0290] 測定の結果、実施例 4と同様に、第 1反入射側誘電体層 206が(ZnS) (SiO ) か
80 2 20 ら成るサンプルは、 ZnSに含まれる硫黄が記録層に拡散してしまうため、 IX、及び 2 Xでの繰り返し書き換え性能が悪いことがわ力つた。また、第 1反入射側誘電体層 20 6が(In O ) (ZrO ) 力 成るサンプルは、 IXでの記録感度と信号強度が若干劣り
2 3 50 2 50
、 2Xでの信号強度が若干劣っていることがわ力つた。第 1反入射側誘電体層 206が 、 Siと Inと Oを少なくとも含み、且つ SiOを 5mol%以上、 Siを 1原子%以上含むサン
2
プルは、記録感度、繰り返し書き換え性能、及び信号強度がすべて良好であることが わかった。以上のことから、第 1反入射側誘電体層 206が、 SiOを 5mol%以上、 Si
2
を 1原子%以上含むと、良好な性能の媒体 32が得られることがわ力つた。
[0291] (実施例 7)
実施例 7では、図 1の情報記録媒体 15を作製し、入射側界面層 103、及び反入射 側界面層 105の材料と、情報層 16の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能との関 係を調べた。具体的には、入射側界面層 103、及び反入射側界面層 105の材料の 組み合わせが異なる情報層 16を含む情報記録媒体 15のサンプルを作製し、情報層 16の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能を測定した。
[0292] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 14として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 1. 1mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、反 射層 108として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 80nm)、反入射側誘電体層 106として(SiO
2
) (Ιη θ ) (ZrO ) 層(厚さ: 20nm)、反入射側界面層 105 (厚さ: 5nm)、記録層
25 2 3 50 2 25
104として Ge In Bi Te 層(厚さ: lOnm)、入射側界面層 103 (厚さ: 5nm)、入射
側誘電体層 102として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)を順次スパッタリング法によ
80 2 20
つて積層した。
[0293] 反射層 108の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 4Paとし、 DC電源を用いて、投 入パワー 200Wで行った。反入射側誘電体層 106の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧 力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。反入射側界面層 105の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パヮ 一 400Wで行った。記録層 104の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 D C電源を用いて、投入パワー 100Wで行った。入射側界面層 103の成膜は、 Arガス 雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。入 射側誘電体層 102の成膜は、 Arと Oとの混合ガス雰囲気 (O : 3体積%)で、圧力を
2 2
0. 15Paとし、 RF電源を用いて投入パワー 400Wで行った。
[0294] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を入射側誘電体層 102上に塗布した。
それから、基板 14を回転させることによって、均一な榭脂層を形成した。次に、紫外 線を照射して榭脂を硬化させた。その結果、榭脂層から成る、厚さ 100 mの透明層 13が形成された。その後、記録層 104をレーザビームで結晶化させる初期化工程を 行った。以上のようにして、入射側界面層 103、及び反入射側界面層 105の材料の 組み合わせが異なる複数のサンプルを製造した。
[0295] 各サンプルについて、図 7の記録再生装置 38を用いて、情報層 16の記録保存性、 及び繰り返し書き換え性能を測定した。このとき、レーザビーム 11の波長は 405nm、 対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 85、測定時のサンプルの線速度は 4. 9mZs、最 短マーク長(2T)は 0. 149 μ mとした。情報はグループに記録した。
[0296] 情報記録媒体 15の情報層 16の入射側界面層 103、及び反入射側界面層 105の 材料と、情報層 16の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能の評価結果を (表 7)に 示す。記録保存性は、温度 80°C、相対湿度 85%で 100時間放置した前後のジッタ 一の変化量により評価した。表中、ジッターの変化量は、 1%未満を〇、 1%以上 2% 未満を△、 2%以上を Xとして表示した。また、繰り返し書き換え性能については、繰 り返し書き換え回数が 1000回以上を〇、 500回以上 1000回未満を△、 500回未満 を Xとして表示した。
[0297] [表 7]
[0298] この結果、入射側界面層 103、及び反入射側界面層 105の ヽずれも Inを含まな 、 サンプル 4 1から 4 7は、情報層 16の記録保存性がやや劣って!/、ることがわかつ た。また、入射側界面層 103、及び反入射側界面層 105のいずれも Inを含むサンプ ル 4— 19は、情報層 16の繰り返し書き換え性能がやや劣っていることがわ力つた。入 射側界面層 103、及び反入射側界面層 105のどちらか一方に Inを含むサンプル 4— 8から 4— 18は、情報層 16の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能がともに良好 であることがわ力つた。以上の結果から、入射側界面層 103、及び反入射側界面層 1 05の 、ずれかを Inを含む材料で形成すると、情報層 16の記録保存性が良好となる ことがわかった。
[0299] さらに、サンプル 4— 8と 4—18を比較すると、サンプル 4— 8は、特に 2Xでの繰り返 し書き換え性能に優れていることが確認された。このことから、入射側界面層として、 Cr Oおよび ZrOを含む層を使用し、反入射側界面層として、 Si-In-Zr/Hf-
2 3 2
O系材料層を使用すると、高速記録に適した媒体を得られることがゎカゝつた。
[0300] さらにまた、サンプル 4 8〜4 11は、サンプル 4— 11よりも優れた繰り返し書き換 え性能を示した。これは、サンプル 4— 8〜4— 11において、反入射側界面層 105中 の Siの含有量力 反入射側誘電体層 106のそれよりも小さ力つたためであると考えら れる。サンプル 4—12〜4— 15もまた、サンプル 4— 11よりも優れた繰り返し書き換え 性能を示した。これらのサンプルにおいては、 Siの含有量力 サンプル 4— 11のそれ よりも少ないことに加え、 Inの含有量力 サンプル 4— 11のそれよりも大きいためであ ると考免られる。
[0301] (実施例 8)
実施例 8では、図 3の情報記録媒体 24を作製し、第 2入射側界面層 303、及び第 2 反入射側界面層の材料の組み合わせと、第 2情報層 25の記録保存性、及び繰り返 し書き換え性能との関係を調べた。具体的には、第 2入射側界面層 303、及び第 2反 入射側界面層の材料の組み合わせが異なる第 2情報層 25を含む情報記録媒体 24 のサンプル 5— 1〜5— 19を作製し、第 2情報層 25の記録保存性、及び繰り返し書き 換え性能を測定した。
[0302] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 14として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 1. 1mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、第 2 反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 80nm)、第 2反入射側誘電体層 306として (SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層 (厚さ: 20nm)、第 2反入射側界面層(図示せず)(厚さ
2 25 2 3 50 2 25
: 5nm)、第 2記録層 304として Ge In Bi Te 層(厚さ: lOnm)、第 2入射側界面層 3
45 1 3 51
03 (厚さ: 5nm)、第 2入射側誘電体層 302として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)
80 2 20
を順次スパッタリング法によって積層した。
[0303] 第 2反射層 308の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 4Paとし、 DC電源を用いて 、投入パワー 200Wで行った。第 2反入射側誘電体層 306の成膜は、 Arガス雰囲気
で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。第 2反入射 側界面層の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入 パワー 400Wで行った。第 2記録層 304の成膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15P aとし、 DC電源を用いて、投入パワー 100Wで行った。第 2入射側界面層 303の成 膜は、 Arガス雰囲気で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400W で行った。第 2入射側誘電体層 302の成膜は、 Arと Oとの混合ガス雰囲気 (O : 3体
2 2 積%)で、圧力を 0. 15Paとし、 RF電源を用いて、投入パワー 400Wで行った。
[0304] 次に、第 2入射側誘電体層 302上に紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を塗布し 、その上に案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)を形成した基板をかぶせて 密着し回転させることによって均一な榭脂層を形成した。次に、榭脂を硬化させ、そ の後、基板をはがした。この工程によって、レーザビーム 11を導く案内溝が第 1情報 層 23側に形成された厚さ 25 μ mの光学分離層 17が形成された。
[0305] その後、光学分離層 17の上に、透過率調整層 209として TiO層(厚さ: 20nm)、
2
第 1反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 10nm)、第 1反入射側誘電体層 206と して(SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層(厚さ: 15nm)、第 1記録層 204として Ge In Bi T
2 25 2 3 50 2 25 45 1 3 e 層(厚さ: 6nm)、第 1入射側界面層 203として(SiO ) (Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ
51 2 25 2 3 50 2 25
: 5nm)、第 1入射側誘電体層 202として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 40nm)を順次ス
80 2 20
ノッタリング法によって積層した。使用した成膜装置、スパッタリングターゲット、成膜 条件 (ガス種、圧力、投入パワー)等は実施例 3の第 1の情報層 23の形成で使用した それらと同様である。
[0306] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を第 2入射側誘電体層 202上に塗布し た。それから、基板 14を、回転させることによって均一な榭脂層を形成した。次いで、 紫外線を照射して榭脂を硬化させた。その結果、榭脂層から成る、厚さ 75 mの透 明層 13が形成された。その後、第 2記録層 304、及び第 1記録層 204をレーザビー ムで結晶化させる初期化工程を行った。以上のようにして、第 2入射側界面層 303、 及び第 2反入射側界面層の材料の組み合わせが異なる複数のサンプルを製造した
[0307] 各サンプルについて、図 7の記録再生装置 38を用いて、情報記録媒体 24の第 2情
報層 25の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能を測定した。このとき、レーザビー ム 11の波長は 405nm、対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 85、測定時のサンプルの 線速度は 4. 9mZs、最短マーク長(2T)は 0. 149 mとした。情報はグループに記 録した。
[0308] 情報記録媒体 24の第 2情報層 25の第 2入射側界面層 303、及び第 2反入射側界 面層の材料と、第 2情報層 25の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能の評価結果 を (表 8)に示す。記録保存性は、温度 80°C、相対湿度 85%で 100時間放置した前 後のジッターの変化量により評価した。表中、ジッターの変化量は、 1%未満を〇、 1 %以上 2%未満を△、 2%以上を Xとして表示した。また、繰り返し書き換え性能につ いては、繰り返し書き換え回数が 1000回以上を〇、 500回以上 1000回未満を△、 500回未満を Xとして表示した。
[0309] [表 8]
2入射側界面層 303 第 2反入射側界面層 繰り返し サンプル 第 記錄
書き
NO. の材料 (mo|<½) の材 * (m。l<½) 保存性
性能
5-1 (Cr2O3)50CZrO2)50 (SiO2)25(Cr2O3)50(ZrO2)25 Δ 〇
5-2 (Cr2O3)50CZrO2)50 (Si02)25(La203½ 02)25 Δ 〇
5-3 (Cr2O3)50CZrO2)50 (SiO2)25(CeO2)50(ZrO2)25 Δ 〇
5-4 (Cr203)50(Zr02)5o (SiO2)25(AI2O3)50(ZrO2)25 Δ 〇
5-5 (Cr203)50(Zr02)5o (Si¾)25(Ga2O3)50(aO2)25 Δ 〇
5-6 (Cr2O3)50(ZrO2)50 (SiO2)25(MgO)50(ZrO2)25 Δ 〇
5-7 (Cr2O3)50CZrO2)50 (SiO2)25(Y2O3)50(ZrO2)25 Δ 〇
5-8 (Cr2O3)50CZrO2)50 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 〇 〇
5-9 (SiO2)5(Cr2O3)50(ZrO2)45 (Si02)5(ln203) 50(^2)45 〇 〇
5-10 (SO2)15(Cr2O3)50 02)35 (SiO2)15(ln2O3)50(ZrO2)35 〇 〇
5-11 (so2)25(o2o3)50ほ 02)25 (SD2)25(ln2O3)50(ZrO2)25 〇 〇
5-12 (so2)20(o2o3)60ほ o2)20 (SiO2)20(ln2O3)60(ZrO2)20 〇 〇
5-13 (SO2)15(Cr2O3)70ほ 02)15 (SiO2)15(ln2O3)70(ZrO2)15 〇 〇
5-14 O2)10(Cr2O3)80ほ O2)10 (SiO2)10(ln2O3)80(ZrO2)i0 〇 〇
5-15 O2)5(Cr2O3)90ほ 02)5 (SiO2)5(ln2O3)90(ZrO2)5 〇 〇
(SiO2)25(Cr2O3)50 (SiO2)25(ln2O3)50 〇 〇
5-16
[(Zl02) 0.97(丫 203) 0.03] 25 [(ZrO2)0.97(丫 2o3)0.03]25
(Si02)25(Cr203)5o (SiO2)25(ln2O3)50 〇 〇
5-17
[(Zt02) 0.92 (Y2°3J 0.08^ 25 [(Zr¾)0.92(Y2O3)0.08]25
5-18 (SiO2)i5(ln2O3)50(ZiO2)35 (Cr2O3)50(ZrO2)50 〇 〇
5-19 (SiO2)i5(ln2O3)50(ZiO2)35 (SiO2)i5(ln2O3)50(ZrO2)35 〇 Δ
[0310] 測定の結果、第 2入射側界面層 303、及び第 2反入射側界面層のいずれにも Inを 含まな 、サンプル 5 - 1から 5 - 7は、第 2情報層 25の記録保存性がやや劣って 、る ことがわ力つた。また、第 2入射側界面層 303、及び第 2反入射側界面層のいずれに も Inを含むサンプル 5— 19は、第 2情報層 25の繰り返し書き換え性能がやや劣って いることがわ力つた。第 2入射側界面層 303、及び第 2反入射側界面層のどちらか一 方に Inを含む材料を用いたサンプル 5— 8から 5— 18は、第 2情報層 25の記録保存 性、及び繰り返し書き換え性能がともに良好であることがわ力つた。以上の結果から、 第 2入射側界面層 303、及び第 2反入射側界面層のいずれかを Inを含む材料で形 成すると、第 2情報層 25の記録保存性が良好となることがわ力つた。
[0311] さらに、サンプル 5— 8と 5— 18を比較すると、サンプル 5— 8は、特に 2Xでの繰り返
し書き換え性能に優れていることが確認された。このことから、第 2入射側界面層とし て、 Cr Oおよび ZrOを含む層を使用し、第 2反入射側界面層として、 Si— In— Zr
2 3 2
ZHf— O系材料層を使用すると、高速記録に適した媒体を得られることがゎカゝつた。
[0312] さらにまた、サンプル 5— 8〜5— 10は、サンプル 5— 11よりも優れた繰り返し書き換 え性能を示した。これは、サンプル 5— 8〜5— 10において、反入射側界面層 105中 の Siの含有量力 反入射側誘電体層 106のそれよりも小さ力つたためであると考えら れる。サンプル 5—12〜5— 15もまた、サンプル 5— 11よりも優れた繰り返し書き換え 性能を示した。これらのサンプルにおいては、 Siの含有量力 サンプル 5— 11のそれ よりも少ないことに加え、 Inの含有量力 サンプル 5— 11のそれよりも大きいためであ ると考免られる。
[0313] (実施例 9)
実施例 9では、図 3の情報記録媒体 24を作製し、第 1入射側界面層 203、及び第 1 反入射側界面層の材料の組み合わせと、第 1情報層 23の記録保存性、及び繰り返 し書き換え性能との関係を調べた。具体的には、第 1入射側界面層 203、及び第 1反 入射側界面層の材料の組み合わせが異なる第 1情報層 23を含む情報記録媒体 24 のサンプル 6— 1〜6— 19を作製し、第 1情報層 23の記録保存性、及び繰り返し書き 換え性能を測定した。
[0314] サンプルは以下のようにして製造した。まず、基板 14として、レーザビーム 11を導く ための案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)が形成されたポリカーボネート 基板 (直径 120mm、厚さ 1. 1mm)を用意した。そのポリカーボネート基板上に、第 2 反射層 308として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 80nm)、第 2反入射側誘電体層 306として (SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層 (厚さ: 15nm)、第 2反入射側界面層(図示せず)とし
2 25 2 3 50 2 25
て(SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層(厚さ: 10nm)、第 2記録層 304として Ge In Bi Te
2 15 2 3 35 2 50 45 1 3 5 層(厚さ: 10nm)、第 2入射側界面層 303として(Cr O ) (ZrO ) 層(厚さ: 5nm)、
1 2 3 50 2 50
第 2入射側誘電体層 302として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 60nm)を順次スパッタリン
80 2 20
グ法によって積層した。使用した成膜装置、スパッタリングターゲット、成膜条件 (ガス 種、圧力、投入パワー)等は実施例 3の第 2の情報層 25の形成で使用したそれらと同 様である。
[0315] 次に、第 2入射側誘電体層 302上に紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を塗布し 、その上に案内溝 (深さ 20nm、トラックピッチ 0. 32 m)を形成した基板をかぶせて 密着し回転させることによって均一な榭脂層を形成した。次いで、榭脂を硬化させ、 その後、基板をはがした。この工程によって、レーザビーム 11を導く案内溝が第 1情 報層 23側に形成された、厚さ 25 mの光学分離層 17が形成された。
[0316] その後、光学分離層 17の上に、透過率調整層 209として TiO層(厚さ: 20nm)、
2
第 1反射層 208として Ag— Pd— Cu層(厚さ: 10nm)、第 1反入射側誘電体層 206と して (SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 層 (厚さ: 10nm)、第 2反入射側界面層(図示せず)(
2 25 2 3 50 2 25
厚さ: 5nm)、第 1記録層 204として Ge In Bi Te 層(厚さ: 6nm)、第 2入射側界面
45 1 3 51
層 203 (厚さ: 5nm)、第 2入射側誘電体層 202として (ZnS) (SiO ) 層(厚さ: 40η
80 2 20
m)を順次スパッタリング法によって積層した。使用した成膜装置、スパッタリングター ゲット、成膜条件 (ガス種、圧力、投入パワー)等は実施例 3の第 1の情報層 23の形 成で使用したそれらと同様である。
[0317] 次に、紫外線硬化性榭脂 (アクリル系榭脂)を第 1入射側誘電体層 202上に塗布し た。それから、基板 14を回転させることによって均一な榭脂層を形成した。次いで、 紫外線を照射して榭脂を硬化させた。その結果、榭脂層から成る、厚さ 75 mの透 明層 13が形成された。その後、第 2記録層 304、及び第 1記録層 204をレーザビー ムで結晶化させる初期化工程を行った。以上のようにして、第 1入射側界面層 203、 及び第 1反入射側界面層の材料の組み合わせが異なる複数のサンプルを製造した
[0318] 各サンプルについて、図 7の記録再生装置 38を用いて、情報記録媒体 24の第 1情 報層 23の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能を測定した。このとき、レーザビー ム 11の波長は 405nm、対物レンズ 34の開口数 NAは 0. 85、測定時のサンプルの 線速度は 4. 9mZs、最短マーク長(2T)は 0. 149 mとした。情報はグループに記 録した。
[0319] 情報記録媒体 24の第 1情報層 23の第 1入射側界面層 203、及び第 1反入射側界 面層の材料と、第 1情報層 23の記録保存性、及び繰り返し書き換え性能の評価結果 を (表 9)に示す。記録保存性は、温度 80°C、相対湿度 85%で 100時間放置した前
後のジッターの変化量により評価した。表中、ジッターの変化量は、 1%未満を〇、 1 %以上 2%未満を△、 2%以上を Xとして表示した。また、繰り返し書き換え性能につ いては、繰り返し書き換え回数が 1000回以上を〇、 500回以上 1000回未満を△、 500回未満を Xとして表示した。
[0320] [表 9]
[0321] この結果、第 1入射側界面層 203、及び第 1反入射側界面層のいずれにも Inを含 まない材料を用いたサンプル 6— 1から 6— 7は、第 1情報層 23の記録保存性がやや 劣っていることがわ力つた。また、第 1入射側界面層 203、及び第 1反入射側界面層 のいずれにも Inを含むサンプル 6— 19は、第 1情報層 23の繰り返し書き換え性能が やや劣っていることがわかった。、第 1入射側界面層 203、及び第 1反入射側界面層
のどちらか一方に Inを含むサンプル 6— 8から 6— 18では、第 1情報層 23の記録保 存性、及び繰り返し書き換え性能がともに良好であることがわ力つた。以上の結果か ら、第 1入射側界面層 203、及び第 1反入射側界面層のいずれかを Inを含む材料で 形成すると、第 1情報層 23の記録保存性が良好となることがわ力つた。
[0322] さらに、サンプル 6— 8と 6— 18を比較すると、サンプル 6— 8は、特に 2Xでの繰り返 し書き換え性能に優れていることが確認された。このことから、第 1入射側界面層とし て、 Cr Oおよび ZrOを含む層を使用し、第 1反入射側界面層として、 Si— In— Zr
2 3 2
ZHf— O系材料層を使用すると、高速記録に適した媒体を得られることがゎカゝつた。
[0323] さらにまた、サンプル 6— 8〜6— 10は、サンプル 6— 11よりも優れた繰り返し書き換 え性能を示した。これは、サンプル 6— 8〜6— 10において、反入射側界面層 105中 の Siの含有量力 反入射側誘電体層 106のそれよりも小さ力つたためであると考えら れる。サンプル 6—12〜6— 15もまた、サンプル 6— 11よりも優れた繰り返し書き換え 性能を示した。これらのサンプルにおいては、 Siの含有量力 サンプル 6— 11のそれ よりも少ないことに加え、 Inの含有量力 サンプル 6— 11のそれよりも大きいためであ ると考免られる。
[0324] (実施例 10)
実施例 1から実施例 9において、記録層 104、第 1記録層 204、または第 2記録層 3 04を(Ge— Sn)Te、 GeTe— Sb Te、(Ge— Sn)Te— Sb Te、 GeTe— Bi Te、 (
2 3 2 3 2 3
Ge— Sn)Te— Bi Te、 GeTe—(Sb— Bi) Te、(Ge— Sn)Te—(Sb— Bi) Te、 G
2 3 2 3 2 3 eTe—(Bi— In) Te及び(Ge— Sn)Te—(Bi— In) Teのいずれかで表される材料
2 3 2 3
で形成したところ、同様の結果が得られた。この場合、特に GeTe— (Bi— In) Te、
2 3 または (Ge— Sn)Te— (Bi—In) Teで表される材料で記録層を形成すると、記録層
2 3
中に含まれる Inが非晶質相を安定化し、低 ヽ転送レートでの記録保存性が良好とな つた o
[0325] (実施例 11)
実施例 1から実施例 10において、 Si-In— Zr/Hf— O系材料層として形成した誘 電体層または界面層を、 Si、 In、および Zr (および Zまたは Hf)にカ卩えて、さらに炭素 (C)、 Sc、 La、 Gd、 Dy、 Yb、 Al、 Mg、 Zn、 Ta、 Ti、 Ca、 Ce、 Sn、 Te、 Nb及び Bi力
ら選ばれる少なくとも一つの元素の酸ィ匕物、 Si、 Cr、 Al及び Geから選ばれる少なくと も一つの元素の窒化物、ならびに Si— C力も選択される 1または複数の成分を、 20m ol%までの割合で添加した材料を用いて形成した。いずれの媒体についても、同様 の結果が得られた。
[0326] (実施例 12)
実施例 12では、図 8の電気的情報記録媒体 44を製造し、その電流の印加による相 変化を確認した。
基板 39として、表面を窒化処理した Si基板を準備し、その上に下部電極 40として P tから成る、面積 6 m X 6 mで厚さ 0. 1 μ mの層を形成した。第 1誘電体層 401と して(SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 力ら成り、面積 4. 5 m X 5 mで厚さ 0. 01 mの
2 25 2 3 50 2 25
層を形成した。層 401の上に、第 1記録層 41として Ge Bi Te から成り、面積 5 /z m
45 4 51
5 111で厚さ0. l /z mの層を形成した。層 41の上に、第 2記録層 42として、 Sb Te
70
Geから成る、面積 5 μ τη Χ δ μ mで厚さ 0. 1 μ mの層を形成した。層 42の上に、第
25 5
2誘電体層 402として(SiO ) (Ιη θ ) (ZrO ) 力ら成る、面積 4. 5 m X 5 mで
2 25 2 3 50 2 25
厚さ 0. 01 μ mの層を形成した。層 402の上に、上部電極 43として Ptから成る、面積 5 m X 5 mで厚さ 0. 1 μ mの層を形成した。これらの層は、いずれもスパッタリン グ法により形成した。
[0327] 第 1誘電体層 401、及び第 2誘電体層 402は絶縁体である。従って、第 1記録層 41 、及び第 2記録層 42に電流を流すため、第 1誘電体層 401、及び第 2誘電体層 402 を、第 1記録層 41及び第 2記録層 42より小さい面積で成膜し、下部電極 40と第 1記 録層 41が接し、かつ第 2記録層 42と上部電極 43が接するようにして 、る。
[0328] その後、下部電極 40、及び上部電極 43に Auリード線をボンディングし、印加部 45 を介して電気的情報記録再生装置 50を電気的情報記録媒体 44に接続した。下部 電極 40と上部電極 43の間には、装置 50のパルス電源 48をスィッチ 47を介して接続 した。さらに、第 1記録層 41及び第 2記録層 42の相変化による抵抗値の変化を、下 部電極 40と上部電極 43の間にスィッチ 49を介して接続された抵抗測定器 46によつ て検出した。
[0329] ここで、第 1記録層 41の融点 T は 630°C、結晶化温度 T は 170°C、結晶化時間 t
は 100nsである。また、第 2記録層 42の融点 T は 550°C、結晶化温度 T は 200 xl m2 x2
°C、結晶化時間 t は 50nsである。さらに、第 1記録層 41の非晶質相での抵抗値 r x2 al は 500 Ω、結晶相での抵抗値 r は 10 Ωであり、第 2記録層 42の非晶質相での抵抗 cl
値 r は 800 Ω、結晶相での抵抗値 r は 20 Ωである。
a2 c2
[0330] 第 1記録層 41及び第 2記録層 42が共に非晶質相である状態 1のとき、下部電極 40 と上部電極 43の間に、図 11の記録波形 501において I = 5mA、t = 150nsの電 cl cl
流パルスを印加した。その結果、第 1記録層 41のみが非晶質相から結晶相に転移し た(以下、状態 2とする)。状態 1のとき、下部電極 40と上部電極 43の間に、図 11の 記録波形 502において I = 10mA、t = 100nsの電流パルスを印加した。その結果 c2 c2
、第 2記録層 42のみが非晶質相から結晶相に転移した (以下、状態 3とする)。状態 1 のとき、下部電極 40と上部電極 43の間に、図 11の記録波形 503において I = 10m c2
A、 t = 150nsの電流パルスを印加した。その結果、第 1記録層 41及び第 2記録層 cl
42が共に非晶質相から結晶相に転移した (以下、状態 4とする)。
[0331] 次に、第 1記録層 41及び第 2記録層 42が共に結晶相である低抵抗状態の状態 4 のとき、下部電極 40と上部電極 43の間に、図 11の記録波形 504において I = 20m al
A、I = 10mA、t = 100nsの電流パルスを印加した。その結果、第 1記録層 41の c2 c2
みが結晶相から非晶質相に転移した (状態 3)。状態 4のとき、下部電極 40と上部電 極 43の間に、図 11の記録波形 505において I = 15mA、t = 50nsの電流パルス a2 a2
を印加した。その結果、第 2記録層 42のみが結晶相から非晶質相に転移した (状態 2 ) o状態 4のとき、下部電極 40と上部電極 43の間に、図 11の消去波形 506において I = 20mA、 t = 50nsの電流パルスを印加した。その結果、第 1記録層 41及び第 2 al al
記録層 42が共に結晶相から非晶質相に転移した (状態 1)。
[0332] さらに、状態 2または状態 3のとき、図 11の記録波形 503において I = 10mA、t c2 cl
= 150nsの電流パルスを印加した。その結果、第 1記録層 41及び第 2記録層 42が 共に非晶質相から結晶相に転移した (状態 4)。また、状態 2または状態 3のとき、図 1 1の消去波开507【こお!ヽて I = 20mA, I = 10mA、t = 150ns, t = 50nsの電 al c2 cl al
流パルスを印加した。その結果、第 1記録層 41及び第 2記録層 42が共に結晶相から 非晶質相に転移した (状態 1)。状態 2のとき、図 11の記録波形 508において I = 20
mA、I = 10mA、t = 100ns, t = 50ns電流パルスを印加した。その結果、第 1記 c2 c2 al
録層 41が結晶相から非晶質相に転移し、第 2記録層 42が非晶質相から結晶相に転 移した(状態 3)。状態 3のとき、図 11の記録波形 509において I = 15mA、I = 5m a2 cl
A、t = 150ns, t = 50nsの電流パルスを印加した。その結果、第 1記録層 41が非 cl a2
晶質相から結晶相に転移し、第 2記録層 42が結晶相から非晶質相に転移した (状態 2)。
[0333] 以上の結果から、図 8の電気的相変化形情報記録媒体 44では、第 1記録層 41及 び第 2記録層 42のそれぞれを結晶相と非晶質相との間で電気的に可逆変化させる ことができることがわ力つた。また、この媒体 44においては、 4つの状態 (状態 1 :第 1 記録層 41と第 2記録層 42が共に非晶質相、状態 2 :第 1記録層 41が結晶相で第 2記 録層 42が非晶質相、状態 3 :第 1記録層 41が非晶質相で第 2記録層 42が結晶相、 状態 4 :第 1記録層 41と第 2記録層 42が共に結晶相)を実現できることがわ力つた。
[0334] さらに、電気的相変化形情報記録媒体 44の繰り返し書き換え回数を測定した。そ の結果、第 1誘電体層 401、及び第 2誘電体層 402が無い場合に比べ、繰り返し書 き換え回数が、 10倍以上、向上され得ることがわ力 た。これは、第 1誘電体層 401 、及び第 2誘電体層 402が、下部電極 40及び上部電極 43からの、第 1記録層 41及 び第 2記録層 42への物質移動を抑制しているためである。
産業上の利用可能性
[0335] 本発明に力かる情報記録媒体は、記録した情報を長時間保持できる性質 (不揮発 性)を有し、高密度の書き換え型(例えば、 Blu— ray Disc Rewritable (BD— RE ;)、 DVD— RAM、 DVD— RW、 +RW等)、追記型(例えば、 Blu— ray Disc Rec ordable (BD—R)、 DVD—R等)、及び再生専用型(例えば、 Blu—ray Disc Re ad— Only (BD— ROM)、 DVD— ROM等)の光ディスク等として有用である。また 電気的不揮発性メモリ等の用途にも応用できる。