JP2003067974A - 相変化光記録媒体 - Google Patents

相変化光記録媒体

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JP2003067974A
JP2003067974A JP2002008682A JP2002008682A JP2003067974A JP 2003067974 A JP2003067974 A JP 2003067974A JP 2002008682 A JP2002008682 A JP 2002008682A JP 2002008682 A JP2002008682 A JP 2002008682A JP 2003067974 A JP2003067974 A JP 2003067974A
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JP2002008682A
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Toshio Inao
俊雄 稲生
Hitoshi Iigusa
仁志 飯草
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高線速における消去率が高く、さらに、OW
サイクル特性および耐環境性に優れた相変化光記録媒体
を提供する。 【解決手段】 基板上に形成された、少なくとも保護
層、記録層を含む多層膜を有し、記録層の結晶相とアモ
ルファス相との間の可逆的な相変化を利用して、情報の
記録・消去を行なう相変化光記録媒体において、前記保
護層を酸化物を主成分とする膜で構成する。特に、前記
記録層の少なくとも1方の側に接する保護層を、Taの
酸化物又はAlの酸化物と、1種以上の炭化物とを含む
膜で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は書き換えが可能な光
情報記録媒体のなかで、レーザービーム等によって記録
層に相変化を生じさせ、情報の記録、再生および消去を
行なう相変化光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】相変化型光記録ディスクは書き換え可能
な光記録ディスクの一種であり、記録層の可逆的な相変
化(多くは結晶−アモルファス間)によって情報を記録
するものである。単一ヘッドにより単層記録膜で光変調
オーバーライトが可能であり、また、相変化に伴う反射
率の変化により信号を読み取るので、CD−ROM等の
既存の光記録ディスクとの互換性が高い等の特徴を有す
ることから、書き換え可能な光記録ディスクとして近年
盛んに研究開発がなされており、書き換え可能なDVD
に応用されている。
【0003】相変化型光記録ディスク等の相変化光記録
媒体は、一般に、記録層の結晶相(消去状態)上にレー
ザービームによってアモルファス相の記録マークを形成
することによって記録を行ない、結晶相とアモルファス
相との反射率の差を検出することによって再生信号を得
る。また、信号記録の際のレーザービームの強度をアモ
ルファス化の強度(ピークパワー)と結晶化の強度(バ
イアスパワー)との間で強度変調させることにより(図
1参照)、単一ビーム、単層記録膜の組み合わせで光変
調オーバーライト(ダイレクトオーバーライト:DO
W)が可能であり、大容量かつ高速転送レートの記録デ
ィスクを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】相変化光記録媒体では
上述のようにダイレクトオーバーライト(DOW)が可
能である。しかし、高速転送を実現するために線速度を
速くするとオーバーライト(OW)後に初期信号が完全
に消えず、いわゆる消し残りが生じ、消去率が悪くな
る。
【0005】本発明は、高線速において消し残りを少な
くし、消去率を向上させ、高記録感度で、さらにOWサ
イクル耐久性、および、耐候性も良い相変化光記録媒体
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、基板上に保護
層、記録層を含む多層膜を形成し、この記録層の結晶相
とアモルファス相との間の可逆的な相変化を利用して、
情報の記録・消去を行なう相変化光記録媒体において、
保護層を特定の成分からなる膜とすることにより高線速
における消去率、耐久性が向上することを見出し、さら
に、保護層の成分比を特定の範囲とすることによりさら
に上記効果が向上することを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、基板上に保護層、記録層を含む
多層膜を形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相
との間の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去
を行なう相変化光記録媒体において、前記保護層が、元
素の周期表4〜6族及び12〜16族の元素の酸化物か
ら選ばれるいずれか1種以上の酸化物及び下記A群から
選ばれる少なくとも1種以上の物質を含むことを特徴と
する相変化光記録媒体に関する。 A群:炭化物、窒化物 上記A群から選ばれる材料としては、500℃における
標準生成自由エネルギーが負である炭化物、特に、T
a、Ti、Al、Zr、Mn、Hf、Si、V、Cr、
Be、Ce、Sm、Mo、Nbの炭化物から選ばれる1
種以上の炭化物であることが好ましい。
【0008】また、上記A群から選ばれる材料として
は、他に、500℃における標準生成自由エネルギーが
負である窒化物、特に、Ta、Nb、Al、La、C
e、Zr、Ca、Hf、Cr、Mg、Th、Ti、S
c、Be、V、B、In、Ba、Li、Ga、Mn、S
iの窒化物から選ばれる1種以上の窒化物であることが
好ましい。
【0009】さらに、上記保護層中の上記A群から選ば
れた材料の全含有量は1mol%以上50mol%未満
の範囲であることが好ましい。
【0010】また、本発明は基板上に保護層、記録層を
含む多層膜を形成し、この記録層の結晶相とアモルファ
ス相との間の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・
消去を行なう相変化光記録媒体において、前記保護層
が、元素の周期表4〜6族及び12〜16族の元素の酸
化物から選ばれる1種以上の酸化物を主成分とする膜で
あることを特徴とする相変化光記録媒体に関する。
【0011】上記保護層がTaの酸化物、および下記B
群から選ばれる1種以上の物質、および下記C群から選
ばれる1種以上の物質から構成される膜からなことが望
ましい。 B群:炭化物、窒化物 C群:Ta以外の元素の酸化物 上記保護層中のTaの酸化物の含有量は50mol%以
上である事が望ましい。
【0012】上記保護層に加えるC群のTa以外の元素
の酸化物の熱伝導率は10W/mK以下であることが望
ましく、より望ましくは7W/mK以下、さらに望まし
くは5W/mK以下である。また、C群のTa以外の元
素の酸化物の体積弾性率は2.5×106kg/cm2
下であることが望ましく、より望ましくは2.0×10
6kg/cm2以下、さらに望ましくは1.5×106
g/cm2以下である。また、C群のTa以外の元素の
酸化物が下記C1群から選ばれる1種以上の物質から選
ばれることが望ましい。 C1群:SiO2、ZrO2、TiO2、ThO2、Li2
O、Na2O、K2O、BaO2、ZnO、B23、Sr
O、In23、SnO2、HfO2 さらに、上記保護層に加える炭化物、及び窒化物の含有
量の合計は1mol%以上50mol%未満の範囲であ
ることが好ましい。
【0013】また、本発明は基板上に保護層、記録層を
含む多層膜を形成し、この記録層の結晶相とアモルファ
ス相との間の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・
消去を行なう相変化光記録媒体において、前記保護層
が、標準生成自由エネルギーが−300kJ/mol以
下及び/又は熱伝導率が30W/mK以下の酸化物、窒
化物、又は炭化物のいずれかからなる、あるいは、いず
れかを50mol%以上含むことを特徴とする相変化光
記録媒体に関する。
【0014】上記保護層に50mol%以上含有される
主成分に加える物質としては、主成分以外の炭化物、窒
化物、及び酸化物からなる群から選ばれる1種以上の物
質が好ましい。
【0015】また、本発明は基板上に保護層、記録層を
含む多層膜を形成し、この記録層の結晶相とアモルファ
ス相との間の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・
消去を行なう相変化光記録媒体において、保護層が1種
以上の酸化物と下記D群から選ばれる1種以上の物質、
及び1種以上の金属若しくは合金の混合膜からなること
を特徴とする相変化光記録媒体に関する。 D群:炭化物、窒化物 上記保護層に含まれる金属若しくは合金の融点は600
℃以上が好ましく、より好ましくは660℃以上であ
り、更に好ましくは850℃以上である。また、保護層
に含まれる酸化物の500℃における生成自由エネルギ
ーは−300KJ/mol以下であることが好ましく、
より好ましくは−400KJ/mol以下、さらに好ま
しくは−500KJ/mol以下である。
【0016】また、上記相変化記録媒体の記録層はG
e、Sb及びTeの合金、あるいはこの合金を主成分と
する材料により構成されていることが好ましい。
【0017】本発明の相変化光記録媒体は高線速領域で
の消去率特性が優れており、レーザービーム径をd(=
λ/NA)、線速度をvとしたときに、d/vの値が
1.5×10-7秒未満(d/v<1.5×10-7s)の
高転送速度領域で使用される相変化光記録媒体として好
適に使用することができる。
【0018】なお、本発明の相変化光記録媒体の保護層
としては、(1)Ta25とSiCからなる保護層、
(2)Ta25とTiCからなる保護層、(3)Ta2
5とNb2Cからなる保護層、(4)Al23とSiC
からなる保護層、(5)Ta2 5とSiCとSiO2
らなる保護層等が特に好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。
【0020】図2は本発明の相変化光記録媒体の一例の
構造を示す部分断面図である。図2の相変化光記録媒体
は、基板21上に、第一保護層22、記録層23、第二
保護層24、反射層25が積層されている。
【0021】基板21としては使用するレーザーの波長
領域において十分透明であり、機械特性などの媒体基板
としての特性を満たすものであれば特に限定されず、ガ
ラス、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン
等を用いることができる。
【0022】第一保護層22、および、第二保護層24
は、元素の周期表4〜6族及び12〜16族の元素の酸
化物から選ばれるいずれか1種以上の酸化物及び下記A
群から選ばれる少なくとも1種以上の物質を含む膜から
なる。 A群:炭化物、窒化物 上記A群の炭化物としては、500℃における標準生成
自由エネルギーが負である炭化物が好ましく、特に、T
a、Ti、Al、Zr、Mn、Hf、Si、V、Cr、
Be、Ce、Sm、Mo、Nbの炭化物から選ばれる1
種以上の炭化物が好ましい。上記A群の窒化物として
は、500℃における標準生成自由エネルギーが負であ
る窒化物が好ましく、特に、Ta、Nb、Al、La、
Ce、Zr、Ca、Hf、Cr、Mg、Th、Ti、S
c、Be、V、B、In、Ba、Li、Ga、Mn、S
iの窒化物から選ばれる1種以上の窒化物であることが
好ましい。
【0023】上記に挙げた内、酸化物としてはTa、A
l、Ti、Zr、Si、Nbの酸化物が特に好ましく、
この中でも、Ta、Alの酸化物は特に好ましい。ま
た、炭化物としては上記に挙げた内、Si、Ti、T
a、Nbの炭化物が特に好ましい。
【0024】さらに、保護層に含まれる炭化物、あるい
は窒化物の含有量は1mol%以上50mol%未満が
好ましく、より好ましくは1mol%以上40mol%
以下、さらに好ましくは1mol%以上30mol%以
下の範囲である。含有量が50mol%を超えると膜の
消衰係数(k)が大きくなる場合が有り、透明度が悪く
なって相変化光記録媒体として現実的ではなくなる。
【0025】また、元素の周期表4〜6族及び12〜1
6族の元素の酸化物から選ばれる1種以上の酸化物を主
成分とする膜を第一保護層22、および、第二保護層2
4としても良い。この場合、Taの酸化物、および下記
B群から選ばれる1種以上の物質、および下記C群から
選ばれる1種以上の物質から構成される膜であることが
望ましい。 B群:炭化物、窒化物 C群:Ta以外の元素の酸化物 上記保護層中のTaの酸化物含有量は50mol%以上
である事が望ましい。
【0026】上記保護層中のTa以外の元素の酸化物の
熱伝導率は10W/mK以下であることが望ましく、よ
り望ましくは7W/mK以下、さらに望ましくは5W/
mK以下である。また、上記保護層中のTa以外の元素
の酸化物の体積弾性率は2.5×106kg/cm2以下
であることが望ましく、より望ましくは2.0×10 6
kg/cm2以下、さらに望ましくは1.5×106kg
/cm2以下である。熱伝導率が10W/mK以下であ
る酸化物の具体例としてはSiO2、ZrO2、Ti
2、ThO2等が挙げられ、体積弾性率が2.5×10
6kg/cm2以下である酸化物の具体例としてはSiO
2、ZrO2、ThO2、TiO2、SnO2、ZnO等が
挙げられる。また、Li2O、Na2O、K2O、BaO2
は含有させることにより熱伝導率を低下させる効果があ
り、また、B23、SrO、In23は含有させること
により体積弾性率を低下させる効果がある。
【0027】さらに、保護層に含まれる炭化物、あるい
は窒化物の含有量は1mol%以上50mol%未満が
好ましく、より好ましくは3mol%以上40mol%
以下、さらに好ましくは5mol%以上30mol%以
下の範囲である。含有量が50mol%を超えると膜の
消衰係数(k)が大きくなる場合が有り、透明度が悪く
なって相変化光記録媒体として現実的ではなくなる。保
護層に含まれる炭化物としてはTa、Ti、Al、Z
r、Mn、Hf、Si、V、Cr、Be、Ce、Sm、
Mo、Nbから選ばれる1種以上の炭化物であることが
好ましく、また、窒化物としては、Ta、Nb、Al、
La、Ce、Zr、Ca、Hf、Cr、Mg、Th、T
i、Sc、Be、V、B、In、Ba、Li、Ga、M
n、Si、Geから選ばれる1種以上の窒化物であるこ
とが好ましい。
【0028】上記に挙げた内、Ta酸化物に加える酸化
物としてはSi、Zr、Ti、Hf、Inの酸化物が特
に好ましい。また、炭化物としては上記に挙げた内、S
i、Ti、Ta、Nbの炭化物が特に好ましい。
【0029】また、Ta含有保護層の熱伝導率は7W/
mK以下であることが望ましく、より望ましくは5W/
mK以下、さらに望ましくは3W/mK以下である。
【0030】また、標準生成自由エネルギーが−300
kJ/mol以下及び/または熱伝導率が30W/mK
以下の酸化物、窒化物、又は炭化物のいずれかからな
る、あるいは、いずれかを50mol%以上含む膜を第
一保護層22、および、第二保護層24としても良い。
この場合、標準生成自由エネルギーは−350kJ/m
ol以下がより好ましく、さらに好ましくは−400k
J/molである。熱伝導率は15W/mK以下がより
好ましく、さらに好ましくは7W/mK以下である。標
準生成自由エネルギーが−300kJ/mol以下で、
かつ、熱伝導率が30W/mK以下の物質はより好まし
く、標準生成自由エネルギーが−300kJ/mol以
下で、かつ、熱伝導率が15W/mK以下の物質はさら
に好ましく、標準生成自由エネルギーが−300kJ/
mol以下で、かつ、熱伝導率が7W/mK以下の物質
はさらにより好ましい。ここで、例えば、酸化物を主成
分した物質とは、酸化物を50mol%以上含有した物
質であることを意味する。窒化物、炭化物の場合も同様
である。上記保護層の主成分に加える物質としては、主
成分以外の炭化物、窒化物、及び酸化物からなる群から
選ばれる1種以上の物質が好ましい。酸化物としては、
元素の周期表4〜6族及び12〜16族の各々の元素の
酸化物から成る群から選ばれる1種以上の酸化物が好ま
しい。炭化物としては、Ta、Ti、Al、Zr、M
n、Hf、Si、V、Cr、Be、Ce、Sm、Mo、
Nbの炭化物から選ばれる1種以上の炭化物が好まし
い。窒化物としては、Ta、Nb、Al、La、Ce、
Zr、Ca、Hf、Cr、Mg、Th、Ti、Sc、B
e、V、B、In、Ba、Li、Ga、Mn、Siの窒
化物から選ばれる1種以上の窒化物が好ましい。
【0031】保護層が、酸化物と窒化物、あるいは、酸
化物と炭化物などからなるというような多成分系からな
る場合には、多成分系保護層の熱伝導率は7W/mK以
下であることが望ましく、より望ましくは5W/mK以
下、さらに望ましくは3W/mK以下である。
【0032】また、1種以上の酸化物と下記D群から選
ばれる1種以上の物質と1種以上の金属若しくは合金の
混合膜からなる膜を第一保護層22、および、第二保護
層24としても良い。 D群:炭化物、窒化物 この保護層に含まれる酸化物の500℃における生成自
由エネルギーは−300KJ/mol以下であることが
好ましく、より好ましくは−400KJ/mol以下、
更に好ましくは−500KJ/mol以下である。具体
的には、Sn、In、Cr、Ta、Ti、Si、Zr、
Al、Hf、Mgのいずれか1種以上の酸化物が好まし
い。500℃における生成自由エネルギーを−300K
J/mol以下とすることで、記録層と保護層の間の濡
れ性が変化し、消去率が向上するものと考えられる。D
群の炭化物としては、Zr、Si、Ti、Ta、Al、
Mn、Hf、V、Cr、Be、Ce、Sm、Mo、Nb
のいずれか一種以上の炭化物が好ましい。また、D群の
窒化物は、Nb、La、Ce、Zr、Ca、Hf、C
r、Th、Sc、Be、V、B、In、Ba、Li、G
a、Mn、Si、Ta、Ti、Mg、Alのいずれか一
種以上の窒化物が好ましい。D群の物質を添加すること
により、膜の密着性が向上したり、膜の弾性率が変化し
て、記録層の熱膨張サイクルに対して、耐久性が向上
し、オーバーライト(以下OWと称する)サイクル耐久
性が向上するものと考えられる。保護層に含まれる金属
若しくは合金の融点は600℃以上の物質が好ましく、
より好ましくは660℃であり、更に好ましくは850
℃以上である。具体的にはMg、Al、Ge、Ag、A
u、Cu、Ni、Co、Hf、Zr、Pt、Ti、C
r、Ta、W及びこれらの合金が好ましい。金属若しく
は合金を含有させることにより、記録層と保護層の間の
濡れ性が変化し、膜の密着性が向上するものと考えられ
る。
【0033】これらの第一、第二保護層を構成する一種
以上の酸化物と下記D1群から選ばれる1種以上の物質
と1種以上の金属の混合膜のD1群の含有量はD1群/
(酸化物+A群)のモル比で5%以上〜70%以下とす
ることが好ましく、より好ましくは10%以上〜50%
であり、更に好ましくは15%以上〜40%である。 D1群:炭化物、窒化物 D1群の含有量が70mol%を超えると膜の消衰係数
(k)が大きくなり、透明度が悪くなって相変化光記録
媒体として現実的ではなくなる。
【0034】また、金属若しくは合金の含有量は、金属
若しくは合金/((酸化物+D1群)+金属若しくは合
金)のモル比で0.1%以上〜25%以下が好ましく、
より好ましくは0.4%以上〜20%であり、更に好ま
しくは0.8%以上〜10%である。金属若しくは合金
の含有量が25mol%を超えると膜の消衰係数(k)
が大きくなり、透明度が悪くなって相変化光記録媒体と
して現実的ではなくなる。
【0035】記録層23には、GeSbTe系薄膜、I
nSbTe系薄膜等の可逆的相変化を有する膜を使用す
ることができるが、Ge、Sb及びTeの合金、あるい
はこの合金を主成分とする材料を使用することが好まし
い。記録層と、少なくとも一方の保護層は接するように
形成する。記録層と上記保護層を接して形成する事によ
り、接触面(界面)において結晶核生成が促進され、結
晶化がより早く進行する。記録層として、GeSbTe
系薄膜、InSbTe系薄膜等を使用する事ができる
が、GeSbTe系薄膜の結晶化は核生成が主体となっ
て起きるため上記保護層を有する本発明の相変化光記録
媒体の記録層として特に好ましい。
【0036】反射層25はAl合金やAg合金等の使用
するレーザーの波長域において反射率の高い膜から構成
される。
【0037】上記第一、第二保護層は記録層を保護する
役割のほかに記録層への光吸収効率を高めたり、また、
記録前後の反射光の変化量を大きくする役割も有するた
めこれらの厚さは使用するレーザー波長や、記録層の膜
厚などを考慮して最適になるように設計する。
【0038】本発明では、上述の構造の他、第一保護
層、あるいは、第二保護層のみに本発明の保護層を使用
し、他方は別の物質からなる保護層を形成して使用する
こともできる。
【0039】以上の第一、第二保護層、記録層、反射層
はDCスパッタ法、RFスパッタ法、真空蒸着法等の真
空成膜技術により成膜することができる。
【0040】さらに、これらの層を形成した後、その上
に、必要に応じて合成樹脂等からなる保護コ−ト層を形
成しても良い。
【0041】また、本発明の保護層は膜形成順序を逆に
した、いわゆる、表面再生型光記録媒体にも使用するこ
とができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0043】(実施例1、比較例1)以下に示すように
して、図3に示すような構造の相変化光記録媒体を製造
した。0.7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成し
たポリカーボネート製のディスク状の基板31上にTa
25とSiCからなる第一保護層32(膜厚:100n
m)をTa25ターゲットとSiCターゲットとの同時
RFスパッタリングにより成膜した。この後、Ge2
2Te5からなる記録層33(膜厚:20nm)をGe
2Sb2Te5合金ターゲットのDCスパッタリングによ
り成膜した。さらにTa25とSiCからなる第二保護
層34(膜厚:20nm)をTa25ターゲットとSi
Cターゲットとの同時RFスパッタリングにより成膜し
た。この後、反射層35としてAl−3wt%Cr合金
膜(膜厚:150nm)を形成した。この上に、保護コ
ート層36として紫外線硬化樹脂を10μmの厚みに形
成して相変化光記録媒体を完成させた。
【0044】以上のような構造で保護層形成の際のTa
25ターゲット投入パワーとSiCターゲット投入パワ
ーの比を変化させることによりSiCの含有量が1〜7
0mol%の組成の保護層を有する相変化光記録媒体を
作製した(実施例1)。また、比較のためにSiCを含
まない保護層(SiC含有量0mol%)を有する相変
化光記録媒体をあわせて作製した(比較例1)。
【0045】(実施例2)第一保護層、第二保護層の主
成分をTiO2、ZrO2、Al23、SiO2、Zn
O、In23、SnO2、Nb25、GeOとし、Si
Cを10mol%添加して形成した以外は、実施例1と
同様の方法で相変化光記録媒体を作製した。
【0046】(実施例3)第一保護層、第二保護層の主
成分をTa25とし、添加物としてTiC、Al 43
ZrC、MnC2、HfC、VC、Cr32、Be2C、
CeC2、SmC2、Mo2C、Nb2Cを10mol%添
加して形成した以外は、実施例1と同様の方法で相変化
光記録媒体を作製した。
【0047】(実施例4)第一保護層、第二保護層の主
成分をTa25とし、添加物としてNb2N、AlN、
LaN、CeN、ZrN、Ca32、HfN、CrN、
Mg32、TiN、ScN、Be32、VN、BN、L
3N、GaN、Mn4N、SiN、GeNを10mol
%添加して形成した以外は、実施例1と同様の方法で相
変化光記録媒体を作製した。
【0048】(実施例5)第一保護層の主成分をTa2
5とし、添加物としてSiCを10mol%添加して
形成し、第二保護層をZnS−20mol%SiO2
形成した以外は、実施例1と同様の方法で相変化光記録
媒体を作製した。
【0049】(実施例6)第一保護層をZnS−20m
ol%SiO2で形成し、第二保護層の主成分をTa2
5とし、添加物としてSiCを10mol%添加して形
成した以外は、実施例1と同様の方法で相変化光記録媒
体を作製した。
【0050】(実施例7)基板上の膜形成順を反射層
(膜厚:150nm)、第一保護層(膜厚:20n
m)、記録層(膜厚:20nm)、第二保護層(膜厚:
100nm)とし、この上に0.1mmの保護コート層
を形成した以外は、実施例1と同様の方法で逆構成の表
面再生型相変化光記録媒体を作製した。
【0051】実施例1〜7において主成分に添加した炭
化物、窒化物の500℃における標準生成自由エネルギ
ーの値を表1に示す。
【0052】
【表1】 (比較例2)以下に示すようにして、図3に示すような
構造の相変化光記録媒体を製造した。0.7μmの幅の
溝を1.4μmピッチで形成したポリカーボネート製の
ディスク状の基板31上にZnSとSiO2からなる第
一保護層32(膜厚:100nm)をZnS−20mo
l%SiO2ターゲットのRFスパッタリングにより成
膜した。この後、Ge2Sb2Te5からなる記録層33
(膜厚:20nm)をGe2Sb2Te5合金ターゲット
のDCスパッタリングにより成膜した。さらに第二保護
層34としてZnSとSiO2からなる膜(膜厚:20
nm)をZnS−20mol%SiO2ターゲットのR
Fスパッタリングにより形成した。この後、反射層35
としてAl−3wt%Cr合金膜(膜厚:150nm)
を形成した。この上に、保護コート層36として紫外線
硬化樹脂を10μmの厚みに形成して相変化光記録媒体
を完成させた。
【0053】実施例1〜6及び比較例1、2の相変化光
記録媒体を記録再生装置にセットして、線速度6m/s
ecで回転させながら、680nmの波長のレーザービ
ーム(対物レンズNA:0.55)を10mWの強度で
照射して記録層を結晶化させた。次に、記録層を結晶化
させた領域のトラック上に同じ装置を使用して、線速度
6m/secで0.6μmの長さのアモルファスマーク
を記録した(記録ピッチ:1.2μm)。この記録の
際、図4に示すようなオフパルスを付加したレーザー変
調パターンを使用し、オフパルスパワー(Poff)およ
び再生パワー(Pr)を1mW、また、ピークパワーの
幅を50ns、オフパルスの幅は33nsとした。ボト
ムパワー(Pb)を5mWとしてピークパワー(Pp)
を変化させアモルファスマークを記録し、CNRが最大
となるPpを最適Pp(Pp0)とした。次に、Pb=
5mW、Pp=Pp0としてアモルファスマークを記録
し、種々のパワーのレーザービームを照射してアモルフ
ァスマークを消去した。この時、消去前後でのキャリア
レベルの差を消去率として測定し、消去率が最大となる
レーザーパワーを最適Pb(Pb0)とした。次に、P
pを(Pp0−1)mW、Pbを(Pb0−1)mWとし
てアモルファスマーク(マーク長:0.6μm)を記録
し、(Pb0−1)mWのレーザーで消去する。この記
録−消去を1トラック当たり20回行なった(以下、こ
の工程を初期化処理と呼ぶ)。
【0054】初期化処理したトラックに対して、線速度
6m/secで0.6μmの長さのアモルファスマーク
をPr=1mW、Poff=1mW、Pp=Pp0、Pb=
Pb 0のレーザーパワーで記録した(記録ピッチ:1.
2μm)。この記録マークを種々の線速度、消去パワー
で消去し、消去前後でのキャリアレベルの差を消去率と
して測定した。
【0055】実施例1の各保護層組成のサンプルと比較
例1(SiC含有量0mol%)、比較例2のサンプル
の消去率の線速依存性を図5に示す。Ta25とSiC
の組成比は同条件で成膜した保護層の蛍光X線分析、E
PMAから求めた。図5から本発明の保護層では比較例
に比べて高線速領域(レーザービーム径をd(=λ/N
A)、線速度をvとしたときにd/v<1.5×10-7
sの領域)において高い消去率が得られることがわか
る。
【0056】また、実施例1のSiC含有量10%のサ
ンプル及び実施例2の各サンプルの線速度12m/sで
の消去率の測定結果を表2に示す。表2から、酸化物と
してはTa、Al、Ti、Zr、Si、Nbの酸化物が
特に好ましく、この中でも、Ta、Alの酸化物が特に
好ましいことが分かる。また、実施例3の各サンプルの
線速度12m/sでの消去率の測定結果を表3に示す
(表3には、実施例1のSiC含有量10%のサンプル
の測定結果を炭化物SiCとして合わせて示してい
る)。炭化物としてはSi、Ti、Nbの炭化物が特に
好ましいことが分かる。
【0057】
【表2】
【表3】 さらに、実施例4〜6の各々のサンプルについても同様
な測定を行ない、比較例2に比べて高線速領域(レーザ
ービーム径をd(=λ/NA)、線速度をvとしたとき
にd/v<1.5×10-7sの領域)において高い消去
率が得られることが確認された。
【0058】また、同サンプルに対して、Pr=1m
W、Poff=1mW、Pp=Pp0、Pb=Pb0のレー
ザーパワーで0.6μmの長さのアモルファスマーク
(記録ピッチ:1.2μm)と1.6μmの長さのアモ
ルファスマーク(記録ピッチ:3.2μm)のマークを
交互に記録(オーバーライト:OW)するOWサイクル
テストを行なった結果、実施例1〜6の各々のサンプル
は比較例1,2に比べてサイクル耐久性が向上している
ことが確認された。
【0059】さらに、同じサンプルを85℃、95%R
Hの環境に250時間保存する加速環境試験を行なった
結果、実施例1〜6の各々のサンプルは比較例1,2に
比べて耐候性が向上していることが確認された。
【0060】また、実施例7のサンプルについて、記録
再生テストを行なったところ、良好なCNR、および消
去率が得られ、表面再生型光記録媒体として使用可能で
あることが確認された。
【0061】(実施例8)以下に示すようにして、図3
に示すような構造の相変化光記録媒体を製造した。0.
7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成したポリカー
ボネート製のディスク状の基板31上にTa25とSi
CとSiO2からなる第一保護層32(膜厚:100n
m)をTa25ターゲット上にSiC材料およびSiO
2材料をのせてRFスパッタリングすることにより成膜
した。この後、Ge2Sb2Te5からなる記録層33
(膜厚:20nm)をGe2Sb2Te5合金ターゲット
のDCスパッタリングにより成膜した。さらにTa25
とSiCとSiO2からなる第二保護層34(膜厚:2
0nm)をTa25ターゲット上にSiC材料およびS
iO2材料をのせてRFスパッタリングすることにより
成膜した。この後、反射層35としてAl−3wt%C
r合金膜(膜厚:150nm)を形成した。この上に、
保護コート層36として紫外線硬化樹脂を10μmの厚
みに形成して相変化光記録媒体を完成させた。
【0062】以上のような構造で保護層形成の際のTa
25ターゲット上のSiC材料とSiO2材料の数を変
化させることにより種々の組成の保護層を有する相変化
光記録媒体を作製した。
【0063】(実施例9)第一保護層、および第二保護
層のSiO2の代わりにZrO2、あるいはTiO 2、あ
るいはThO2、あるいはLi2O、あるいはNa2O、
あるいはK2O、あるいはBaO2、あるいはZnO、あ
るいはB23、あるいはSrO、あるいはIn23、あ
るいはHfO2、あるいはSnO2をそれぞれ10mol
%含有させ、SiCの含有量を30mol%としたこと
以外は、実施例8と同様の方法で相変化光記録媒体を作
製した。
【0064】(実施例10)第一保護層をSiCを30
mol%、SiO2を10mol%含有したTa2 5
し、第二保護層をZnS−20mol%SiO2で形成
した以外は、実施例8と同様の方法で相変化光記録媒体
を作製した。
【0065】(実施例11)第一保護層をZnS−20
mol%SiO2とし、第二保護層をSiCを30mo
l%、SiO2を10mol%含有したTa25で形成
した以外は、実施例8と同様の方法で相変化光記録媒体
を作製した。
【0066】(実施例12)基板上の膜形成順を反射層
(膜厚:100nm)、第一保護層(膜厚:20n
m)、記録層(膜厚:20nm)、第二保護層(膜厚:
100nm)とし、この上に0.1mmの保護コート層
を形成した以外は、実施例8と同様の方法で逆構成の表
面再生型相変化光記録媒体を作製した。
【0067】実施例8〜11の相変化光記録媒体を初期
化装置を使用して記録層の初期結晶化を行なった。
【0068】次に、記録層を結晶化させた領域のトラッ
ク上に、線速度6m/secで0.6μmの長さのアモ
ルファスマークを記録した(記録ピッチ:1.2μ
m)。この記録の際、図4に示すようなオフパルスを付
加したレーザー変調パターンを使用し、オフパルスパワ
ー(Poff)および再生パワー(Pr)を1mW、ま
た、ピークパワーの幅を50ns、オフパルスの幅は3
3nsとした。バイアスパワー(Pb)を5mWとして
ピークパワー(Pp)を変化させアモルファスマークを
記録し、CNRが最大となるPpを最適Pp(Pp0
とした。次に、Pb=5mW、Pp=Pp0としてアモ
ルファスマークを記録し、種々のパワーのレーザービー
ムを照射してアモルファスマークを消去した。この時、
消去前後でのキャリアレベルの差を消去率として測定
し、消去率が最大となるレーザーパワーを最適Pb(P
0)とした。次に、Ppを(Pp0−1)mW、Pbを
(Pb0−1)mWとしてアモルファスマーク(マーク
長:0.6μm)を記録し、(Pb 0−1)mWのレー
ザーで消去する。この記録−消去を1トラック当たり2
0回行なった。
【0069】初期化処理したトラックに対して、Pb=
Pb0mWとして、線速度6m/secでアモルファス
マーク(マーク長:0.6μm)を記録し、CNRの記
録パワー(Pp)依存性(以下パワーカーブと呼ぶ)を
測定した。また、初期化処理したトラックに対して、線
速度6m/secで0.6μmの長さのアモルファスマ
ークをPr=1mW、Poff=1mW、Pp=Pp0、P
b=Pb0のレーザーパワーで記録し(記録ピッチ:
1.2μm)、この記録マークを種々の線速度、消去パ
ワーで消去し、消去前後でのキャリアレベルの差を消去
率として測定した。
【0070】比較例1のTa25のみの保護層、実施例
1のSiCを10mol%含有させたTa25保護層、
及び実施例8のSiC、SiO2を各10mol%含有
させたTa25保護層を有する各サンプルのパワーカー
ブを図6に示す。図6におけるパワーカーブがCNR=
30dBと交わる交点を各々のサンプルの記録感度(P
th)として定義した。実施例1のSiC含有量5及び
10mol%のサンプル、実施例8並びに比較例1の各
保護層組成のサンプルのPthを表4に示す。
【0071】SiCとSiO2の組成は同条件で成膜し
た保護層の蛍光X線分析、EPMAから求めた。表4か
ら本発明の保護層では、Ta25のみの保護層に比べて
記録感度が高くなっていることがわかる。また、各サン
プルの消去率測定から高線速領域(レーザービーム径を
d(=λ/NA)、線速度をvとしたときにd/v<
1.5×10-7sの領域)において比較例に比べて高い
消去率が得られることが確かめられた。
【0072】
【表4】 また、実施例9〜11の各々のサンプルについても同様
な測定を行なった。実施例9の結果を表5に示す。表5
において、◎、○、△はそれぞれ記録感度がTa25
30mol%SiC保護層に比べ1.5mW以上、0.
5〜1.5mW、0.1〜0.5mW以上高いことを表
わす。表5から、熱伝導率が10W/mK以下である酸
化物、あるいは、体積弾性率が2.5×106kg/c
2以下である酸化物で記録感度の向上効果が高いこと
がわかる。特に、Si、Zr、Ti、Hf、Inの酸化
物を使用したときに感度向上の効果が大きいことが分か
る。また、各サンプルとも比較例1、2に比べて高線速
領域(レーザービーム径をd(=λ/NA)、線速度を
vとしたときにd/v<1.5×10-7sの領域)にお
いて高い消去率が得られることが確認された。また、実
施例10、11の測定結果から第一保護層、あるいは第
二保護層のみに形成したサンプルでも消去率向上、記録
感度向上の効果が確認された。
【0073】
【表5】 また、同サンプルに対して、Pr=1mW、Poff=1
mW、Pp=Pp0、Pb=Pb0のレーザーパワーで
0.6μmの長さのアモルファスマーク(記録ピッチ:
1.2μm)のダイレクトオーバーライト(DOW)サ
イクルテストを行なった結果、実施例8〜11の各々の
サンプルは比較例1、2に比べてサイクル耐久性が向上
していることが確認された。
【0074】さらに、同じサンプルを85℃、95%R
Hの環境に250時間保存する加速環境試験を行なった
結果、実施例8〜11の各々のサンプルは比較例1、2
に比べて耐候性が向上していることが確認された。
【0075】また、実施例12のサンプルについて、記
録再生テストを行なったところ、良好なCNR、および
消去率が得られ、表面再生型光記録媒体として使用可能
であることが確認された。
【0076】(実施例13)以下に示すようにして、図
3に示すような構造の相変化光記録媒体を製造した。
0.7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成したポリ
カーボネート製のディスク状の基板31上にTa25
SiCからなる第一保護層32(膜厚:100nm)を
Ta25ターゲットとSiCターゲットとの同時RFス
パッタリングにより成膜した。この後、Ge2Sb2Te
5からなる記録層33(膜厚:20nm)をGe2Sb2
Te5合金ターゲットのDCスパッタリングにより成膜
した。さらにTa25とSiCからなる第二保護層34
(膜厚:20nm)をTa25ターゲットとSiCター
ゲットとの同時RFスパッタリングにより成膜した。こ
の後、反射層35としてAl−3wt%Cr合金膜(膜
厚:150nm)を形成した。この上に、保護コート層
36として紫外線硬化樹脂を10μmの厚みに形成して
相変化光記録媒体を完成させた。第一、および第二保護
層形成の際、Ta25ターゲットとSiCターゲットの
パワーを制御してSiCの含有量を10mol%とし
た。
【0077】(実施例14)第一保護層、および第二保
護層のTa25の代わりにZnO、In23又はTeO
2としたこと以外は、実施例13と同様の方法で相変化
光記録媒体を作製した。
【0078】(実施例15)第一保護層、および第二保
護層のTa25の代わりにSiN、SiO2、TiO2
Al23、SnO2又はMgOとしたこと以外は、実施
例13と同様の方法で相変化光記録媒体を作製した。
【0079】(実施例16)実施例13と同様な方法で
相変化光記録媒体を作製した。ただし、本実施例の場
合、Ta25ターゲットとSiCターゲットのパワーを
制御して種々の組成の保護層とした。
【0080】(実施例17)第一保護層、および第二保
護層のSiCの代わりにTi、Zr、Hf、Nb、C
r、Zn、In、Sn、Bi、又はTeの酸化物のいず
れかを10mol%含有させたこと以外は、実施例13
と同様の方法で相変化光記録媒体を作製した。
【0081】(実施例18)第一保護層、および第二保
護層のSiCの代わりにTa、Ti、Al、Zr、M
n、Hf、Si、V、Cr、Be、Ce、Sm、Mo、
又はNbの炭化物のいずれかを10mol%含有させた
こと以外は、実施例13と同様の方法で相変化光記録媒
体を作製した。
【0082】(実施例19)第一保護層、および第二保
護層のSiCの代わりにTa、Nb、Al、La、C
e、Zr、Ca、Hf、Cr、Mg、Th、Ti、S
c、Be、V、B、In、Ba、Li、Ga、Mn、又
はSiの窒化物のいずれかを10mol%含有させたこ
と以外は、実施例13と同様の方法で相変化光記録媒体
を作製した。
【0083】実施例13〜15の相変化光記録媒体を初
期化装置を使用して記録層の初期結晶化を行なった。
【0084】次に、記録層を結晶化させた領域のトラッ
ク上に、線速度6m/sec、記録ピッチ:1.2μm
の条件でアモルファスマークを記録した。この記録の
際、図4に示すようなオフパルスを付加したレーザー変
調パターンを使用し、オフパルスパワー(Poff)およ
び再生パワー(Pr)を1mW、また、ピークパワーの
幅を50ns、オフパルスの幅は33nsとした。バイ
アスパワー(Pb)を5mWとしてピークパワー(P
p)を変化させアモルファスマークを記録し、CNRが
最大となるPpを最適Pp(Pp0)とした。次に、P
b=5mW、Pp=Pp0としてアモルファスマークを
記録し、種々のパワーのレーザービームを照射してアモ
ルファスマークを消去(結晶化)した。この時、消去前
後でのキャリアレベルの差を消去率として測定し、消去
率が最大となるレーザーパワーを最適Pb(Pb0)と
した。さらに、線速度6m/sec、記録ピッチ:1.
2μmの条件でアモルファスマークをPr=1mW、P
off=1mW、Pp=Pp0、Pb=Pb0のレーザーパ
ワーで記録し、この記録マークを種々の消去パワーで消
去し、消去前後でのキャリアレベルの差をDC消去率と
して、DC消去率の消去パワー依存性を測定した。この
消去パワー依存性で最大のDC消去率を最大消去率とし
た。実施例13、14の最大消去率の測定結果を表6に
示す。標準生成自由エネルギーが−300kJ/mol
以下で高い消去率が得られることが分かる。また、実施
例13、15の最大消去率の測定結果を表7に示す。熱
伝導率が30W/mK以下で高い消去率が得られること
が分かる。さらに、表6、7を合わせるとTa25は標
準生成自由エネルギーが−300kJ/mol以下でか
つ熱伝導率が30W/mK以下であり、同様な標準生成
エネルギー、あるいは熱伝導率を有する物質より高い消
去率を示すことがわかる。
【0085】
【表6】
【表7】 実施例16〜19の相変化光記録媒体を初期化装置を使
用して記録層の初期結晶化を行なった。
【0086】次に、記録層を結晶化させた領域のトラッ
ク上に、線速度6m/sec、記録ピッチ:1.2μm
の条件でアモルファスマークを記録した。この記録の
際、図4に示すようなオフパルスを付加したレーザー変
調パターンを使用し、オフパルスパワー(Poff)およ
び再生パワー(Pr)を1mW、また、ピークパワーの
幅を50ns、オフパルスの幅は33nsとした。バイ
アスパワー(Pb)を5mWとしてピークパワー(P
p)を変化させアモルファスマークを記録し、CNRが
最大となるPpを最適Pp(Pp0)とした。次に、P
b=5mW、Pp=Pp0としてアモルファスマークを
記録し、種々のパワーのレーザービームを照射してアモ
ルファスマークを消去した。この時、消去前後でのキャ
リアレベルの差を消去率として測定し、消去率が最大と
なるレーザーパワーを最適Pb(Pb 0)とした。さら
に、線速度6m/sec、記録ピッチ:1.2μmの条
件でアモルファスマークをPr=1mW、Poff=1m
W、Pp=Pp0、Pb=Pb0のレーザーパワーで記録
し、この記録マークを種々の消去パワーで消去し、消去
前後でのキャリアレベルの差をDC消去率として、DC
消去率の消去パワー依存性を測定した。この消去パワー
依存性で最大のDC消去率を最大消去率とした。実施例
16の最大消去率の組成依存性を表8に示す。
【0087】
【表8】 さらに、同サンプルに対して、Pr=1mW、Poff=
1mW、Pp=Pp0、Pb=Pb0のレーザーパワーで
0.6μmの長さのアモルファスマーク(記録ピッチ:
1.2μm)のダイレクトオーバーライト(DOW)サ
イクルテスト、及び、85℃、95%RHの環境に25
0時間保存する加速環境試験を行なった。この結果、実
施例16〜19の酸化物、炭化物、窒化物を加えた保護
層では、消去率特性は主成分のみの保護層と同等である
と共に、OWサイクル耐久性、耐候性が向上しているこ
とが確認された。
【0088】(実施例20)以下に示すようにして、図
7に示すような構造の相変化光記録媒体を製造した。
0.7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成したポリ
カーボネート製のディスク状の基板71上に第一保護層
72(膜厚:100nm)をTa25ターゲット、Si
Cターゲット及びWターゲットとの同時RFスパッタリ
ングにより成膜した。この後、Ge2Sb2Te5からな
る記録層73(膜厚:20nm)をGe2Sb2Te5
金ターゲットのDCスパッタリングにより成膜した。更
に第二保護層74(膜厚:20nm)をTa25ターゲ
ット、SiCターゲット及びWターゲットとの同時RF
スパッタリングにより成膜した。この後、反射層75と
してAl−3wt%Cr合金膜(膜厚:150nm)を
形成した。
【0089】以上のような構造で保護層形成の際のTa
25ターゲット投入パワー、SiCターゲット投入パワ
ー及びWターゲット投入パワーの比を変化させることに
より、組成の異なる保護層を有する相変化光記録媒体を
作製した。
【0090】(実施例21)以下に示すようにして、図
7に示すような構造の相変化光記録媒体を製造した。
0.7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成したポリ
カーボネート製のディスク状の基板71上に第一保護層
72(膜厚:100nm)を下記の酸化物ターゲット、
SiCターゲット及びWターゲットとの同時RFスパッ
タリングにより成膜した。
【0091】酸化物ターゲット:TeO2、In23
ZnO、Ta25、SiO2、Al23 この後、Ge2Sb2Te5からなる記録層73(膜厚:
20nm)をGe2Sb 2Te5合金ターゲットのDCス
パッタリングにより成膜した。更に第二保護層74(膜
厚:20nm)を第一保護層と同様に成膜した。この
後、反射層75としてAl−3wt%Cr合金膜(膜
厚:150nm)を形成した。
【0092】以上のような構造で保護層形成の際の酸化
物ターゲット投入パワー、SiCターゲット投入パワー
及びWターゲット投入パワーの比を変化させることによ
り、酸化物:炭化物:金属のモル比で70:29:1の
保護層を有する相変化光記録媒体を作製した。
【0093】(実施例22)以下に示すようにして、図
7に示すような構造の相変化光記録媒体を製造した。
0.7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成したポリ
カーボネート製のディスク状の基板71上に第一保護層
72(膜厚:100nm)を成膜した。この第一保護層
の成膜はTa25ターゲット及びSiCターゲット上に
5mm×5mm×3mmの大きさの下記の金属チップを
乗せた状態で、同時RFスパッタリングにより成膜し
た。
【0094】金属若しくは合金チップ:Sn、Pd、M
g、Al、Ag、Au、Zr、Ti、Cr、W、AlT
i この後、Ge2Sb2Te5からなる記録層73(膜厚:
20nm)をGe2Sb 2Te5合金ターゲットのDCス
パッタリングにより成膜した。更に第二保護層74(膜
厚:20nm)を上述の第一保護層と同様な手段を用い
て成膜した。この後、反射層75としてAl−3wt%
Cr合金膜(膜厚:150nm)を形成した。
【0095】以上のような構造で保護層形成の際のTa
25ターゲット投入パワー、SiCターゲット投入パワ
ー比を変化させ、更に、Ta25ターゲット及びSiC
ターゲット上の金属若しくは合金チップ数を変化させる
ことにより、酸化物:炭化物:金属若しくは合金のモル
比で70:29:1の保護層を有する相変化光記録媒体
を作製した。
【0096】(実施例23)図7に示す第一保護層72
(膜厚:100nm)組成をTa25ターゲット投入パ
ワー、SiCターゲット投入パワー及びWターゲット投
入パワーの比を変化させることにより、モル比で(Ta
25:SiC:W=70:25:5)となるよう調整し
たこと及び第二保護層74(膜厚:20nm)をZnS
−SiO2(モル比でZnS:SiO2=80:20)タ
ーゲットを用いて、RFスパッタリングにより成膜した
こと以外は実施例20と同様にして相変化光記録媒体を
作製した。
【0097】(実施例24)図7に示す第一保護層72
(膜厚:100nm)をZnS−SiO2(モル比でZ
nS:SiO2=80:20)ターゲットを用いて、R
Fスパッタリングにより成膜したこと及び第二保護層7
4(膜厚:20nm)組成をTa25ターゲット投入パ
ワー、SiCターゲット投入パワー及びWターゲット投
入パワーの比を変化させることにより、モル比で(Ta
25:SiC:W=70:25:5)となるよう調整し
たこと以外は実施例20と同様にして相変化光記録媒体
を作製した。
【0098】(実施例25)基板上の膜形成順序を反射
膜(膜厚:100nm)、第一保護層(膜厚:20n
m)、記録層(膜厚:20nm)、第二保護層(100
nm)としたこと及び第一保護層、第二保護層組成をT
25ターゲット投入パワー、SiCターゲット投入パ
ワー及びWターゲット投入パワーの比を変化させること
により、モル比で(Ta25:SiC:W=70:2
5:5)となるよう調整したこと以外は実施例20と同
様にして逆構成の表面再生型相変化光記録媒体を作製し
た。
【0099】(比較例3)以下に示すようにして、図7
に示すような構造の相変化光記録媒体を製造した。0.
7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成したポリカー
ボネート製のディスク状の基板71上に第一保護層72
(膜厚:100nm)をTa25ターゲットのRFスパ
ッタリングにより成膜した。この後、Ge2Sb2Te5
からなる記録層73(膜厚:20nm)をGe2Sb2
5合金ターゲットのDCスパッタリングにより成膜し
た。更に第二保護層74としてTa25ターゲットのR
Fスパッタリングにより形成した。この後、反射層75
としてAl−3wt%Cr合金膜(膜厚:150nm)
を形成した。
【0100】(比較例4)第一保護層及び第二保護層
を、Ta25の代わりにZnS−SiO2(モル比でZ
nS:SiO2=80:20)としたこと以外は、比較
例3と同様にして相変化光記録媒体を作製した。
【0101】(実施例26)第一保護層(膜厚:100
nm)及び第二保護層(膜厚:20nm)をTa25
ーゲット投入パワー、SiCターゲット投入パワーの比
を変化させることにより、モル比で(Ta25:SiC
=70:30)となるよう調整したこと以外は、比較例
3と同様にして相変化光記録媒体を作製した。
【0102】実施例20〜24、26及び比較例3〜4
の相変化光記録媒体についてテープによる膜剥離テスト
を行った。この膜剥離テストは、セロハンテープ(ニチ
バン製)をAl−3wt%Cr合金膜(膜厚:150n
m)上に空気が混入しないように接着させた後、基板の
外周側から内周へ向かって剥離させるものである。その
後、基板上に残った膜の状態の観察を行い、膜剥離が全
く無いものを◎、僅かに剥離が生じた(10%以下)も
のを○、剥離が半分程度まで(10〜50%)生じたも
のを△、半分以上膜剥離が生じたものを×とした。
【0103】また、実施例20〜24、26及び比較例
3〜4の相変化光記録媒体のAl−3wt%Cr合金膜
(膜厚:150nm)上に紫外線硬化樹脂を10μmの
厚みに形成した。その後、CNR、DC消去率の測定、
OWサイクル試験及び加速環境試験を行なった。
【0104】CNR及びDC消去率の測定は、まず、初
期化装置を使用して記録層の初期結晶化を行なった後、
トラック上に、線速度6m/sec、記録ピッチ:1.
2μmの条件でアモルファスマークを記録した。この記
録の際、図4に示すようなオフパルスを付加したレーザ
ー変調パターンを使用し、オフパルスパワー(Pof
f)及び再生パワー(Pr)を1mW、またピークパワ
ー(Pp)の幅を50ns、オフパルスの幅を33ns
とした。バイアスパワー(Pb)を5mWとし、ピーク
パワー(Pp)を変化させアモルファスマークを記録
し、キャリアレベルとノイズレベルの差をCNRとし
た。更に、CNRが最大となるPpを最適Pp(Pp
o)とした。次にPb=5mW、Pp=Ppoとしてア
モルファスマークを記録して、種々のパワーのレーザー
ビームを照射してアモルファスマークを消去(結晶化)
した。この時、消去前後のキャリアレベルの差をDC消
去率とし、消去率が最大となるレーザーパワーを最適P
b(Pbo)とした。更に線速度6m/s、記録ピッチ
1.2μmでアモルファスマークをPr=1mW、Po
ff=1mW、Pp=Ppo、Pb=Pboのレーザー
パワーで記録して、種々のパワーのレーザービームを照
射してアモルファスマークを消去(結晶化)し、DC消
去率のパワー依存性を測定した。
【0105】OWサイクル試験は、DC消去率の測定の
際に用いた条件Pr=1mW、Poff=1mW、Pp
=Ppo、Pb=Pboのレーザーパワーで線速度6m
/s、記録ピッチ:1.2μmの条件でアモルファスマ
ークのダイレクトオーバーライトを10万回行なった。
オーバーライト前後での最大CNRの差が2dB未満の
ものを◎、3dB未満のものを○、5dB未満のものを
△、5dB以上のものを×とした。
【0106】加速環境試験は、80℃ 85%RHの環
境に250時間保存することで実施し、試験後の目視及
び顕微鏡観察結果が非常に良好なものを◎とし、以下
○、△、×とランク付けを行なった。
【0107】膜剥離テスト、CNR、DC消去率、OW
サイクル試験及び加速環境試験の評価結果を表9〜12
に示す。表9および実施例26の結果から、保護膜に金
属を添加する事によって密着性が向上し、金属の添加料
を20mol%以下とする事によってCNR、消去率特
性と密着性、耐久性とのバランスのとれた特性が得られ
る事がわかる。また、表10から、生成自由エネルギー
が−300kJ/mol以下でCNR、消去率特性と密
着性、耐久性とのバランスのとれた特性が得られる事が
わかる。さらに表11から、添加する金属の融点が66
0℃以上のサンプルにおいてCNR、消去率特性と密着
性、耐久性とのバランスのとれた特性が得られる事がわ
かる。実施例23、24の評価結果から、第一保護層、
あるいは第二保護層のみに本発明の保護層を形成したサ
ンプルでも効果が確認された。
【0108】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】 また、実施例25について、膜剥離テスト、CNRの測
定、DC消去率の測定及び加速環境試験を実施したとこ
ろ、良好な特性を得ることができ、逆構成の表面再生型
相変化光記録媒体として使用可能であることが確認され
た。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、高線速において消し残
りが少なく、消去率が向上し、さらにOWサイクル特性
および耐候性の良い相変化光記録媒体を得ることが可能
となる。そのため、本発明により、高転送レートで耐久
性の高い相変化型光ディスクを作製することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録再生装置のレーザーパワーの関係を示す図
である。
【図2】本発明の相変化光記録媒体の一例の構造を示す
部分断面図である。
【図3】本発明の実施例および比較例の相変化光記録媒
体の構造を示す部分断面図である。
【図4】0.6μmのマーク記録に使用したレーザーパ
ワーの関係を示す図である。
【図5】実施例1、比較例1及び比較例2のサンプルの
消去率の線速依存性を示す図である。
【図6】実施例8(SiC(10mol%)+SiO2
(10mol%))、実施例1(SiC(10mol
%))及び比較例1のサンプルのCNRのピークパワー
依存性を示す図である。
【図7】本発明の実施例および比較例の相変化光記録媒
体の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
21、31、71:基板 22、32、72:第一保護層 23、33、73:記録層 24、34、74:第二保護層 25、35、75:反射層 36 :保護コート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 G11B 7/24 534M 535 535B 535D 535F

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜を
    形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間の
    可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行なう
    相変化光記録媒体において、前記保護層が、元素の周期
    表4〜6族及び12〜16族の元素の酸化物から選ばれ
    るいずれか1種以上の酸化物及び下記A群から選ばれる
    少なくとも1種以上の物質を含むことを特徴とする相変
    化光記録媒体。 A群:炭化物、窒化物
  2. 【請求項2】 保護層が、500℃における標準生成自
    由エネルギーが負である炭化物を含む膜であることを特
    徴とする請求項1に記載の相変化光記録媒体。
  3. 【請求項3】 保護層が、Ta、Ti、Al、Zr、M
    n、Hf、Si、V、Cr、Be、Ce、Sm、Mo、
    Nbの炭化物から選ばれる1種以上の炭化物を含む膜で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化光
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 保護層中の炭化物の含有量が1mol%
    以上50mol%未満であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の相変化光記録媒体。
  5. 【請求項5】 保護層が、500℃における標準生成自
    由エネルギーが負である窒化物を含む膜であることを特
    徴とする請求項1に記載の相変化光記録媒体。
  6. 【請求項6】 保護層が、Ta、Nb、Al、La、C
    e、Zr、Ca、Hf、Cr、Mg、Th、Ti、S
    c、Be、V、B、In、Ba、Li、Ga、Mn、S
    i、Geの窒化物から選ばれる1種以上の窒化物を含む
    ことを特徴とする請求項1又は5に記載の相変化光記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 保護層中の窒化物の含有量が1mol%
    以上50mol%未満であることを特徴とする請求項
    1、5又は6のいずれか1項に記載の相変化光記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜を
    形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間の
    可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行なう
    相変化光記録媒体において、前記保護層が、元素の周期
    表4〜6族及び12〜16族の元素の酸化物から選ばれ
    る1種以上の酸化物を主成分とする膜であることを特徴
    とする相変化光記録媒体。
  9. 【請求項9】 保護層がTaの酸化物と、下記B群から
    選ばれる1種以上の物質と、下記C群から選ばれる1種
    以上の物質とから構成される膜からなることを特徴とす
    る請求項8記載の相変化光記録媒体。 B群:炭化物、窒化物 C群:Ta以外の元素の酸化物
  10. 【請求項10】 保護層中のTaの酸化物の含有量が5
    0mol%以上であることを特徴とする請求項9に記載
    の相変化光記録媒体。
  11. 【請求項11】 C群のTa以外の元素の酸化物を熱伝
    導率が10W/mK以下の酸化物とすることを特徴とす
    る請求項9又は10に記載の相変化光記録媒体。
  12. 【請求項12】 C群のTa以外の元素の酸化物を体積
    弾性率が2.5×106kg/cm2以下の酸化物とする
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の相変化光記
    録媒体。
  13. 【請求項13】 C群のTa以外の元素の酸化物が下記
    C1群の物質から選ばれることを特徴とする請求項9又
    は10に記載の相変化光記録媒体。 C1群:SiO2、ZrO2、TiO2、ThO2、Li2
    O、Na2O、K2O、BaO2、ZnO、B23、Sr
    O、In23、SnO2、HfO2
  14. 【請求項14】 保護層中の炭化物及び窒化物の含有量
    の合計が1mol%以上50mol%未満であることを
    特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の相変
    化光記録媒体。
  15. 【請求項15】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜
    を形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間
    の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行な
    う相変化光記録媒体において、前記保護層が、標準生成
    自由エネルギーが−300kJ/mol以下及び/又は
    熱伝導率が30W/mK以下の酸化物、窒化物、又は炭
    化物のいずれかからなる、あるいは、いずれかを50m
    ol%以上含むことを特徴とする相変化光記録媒体。
  16. 【請求項16】 炭化物、窒化物、及び酸化物からなる
    群から選ばれる物質であって、前記保護層とは異なる物
    質を1種以上保護層に含むことを特徴とする請求項15
    に記載の相変化光記録媒体。
  17. 【請求項17】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜
    を形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間
    の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行な
    う相変化光記録媒体において、保護層が1種以上の酸化
    物と下記D群から選ばれる1種以上の物質、及び1種以
    上の金属若しくは合金の混合膜からなることを特徴とす
    る相変化光記録媒体。 D群:炭化物、窒化物
  18. 【請求項18】 保護層に含まれる金属の融点が600
    ℃以上であることを特徴とする請求項17に記載の相変
    化光記録媒体。
  19. 【請求項19】 保護層に含まれる酸化物の500℃に
    おける生成自由エネルギーが−300KJ/mol以下
    であることを特徴とする特許請求項17又は18に記載
    の相変化光記録媒体。
  20. 【請求項20】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜
    を形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間
    の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行な
    う相変化光記録媒体において、前記保護層が、Taの酸
    化物と、少なくとも1種の炭化物とからなり、該保護層
    の前記炭化物の含有量が1mol%以上40mol%以
    下であり、かつ、前記保護層が前記記録層に接して形成
    されていることを特徴とする相変化光記録媒体。
  21. 【請求項21】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜
    を形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間
    の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行な
    う相変化光記録媒体において、前記保護層が、Alの酸
    化物と、少なくとも1種の炭化物とからなり、該保護層
    の前記炭化物の含有量が1mol%以上40mol%以
    下であり、かつ、前記保護層が前記記録層に接して形成
    されていることを特徴とする相変化光記録媒体。
  22. 【請求項22】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜
    を形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間
    の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行な
    う相変化光記録媒体において、前記保護層が、Taの酸
    化物と、少なくとも1種の炭化物と、In、Si、T
    i、Hf及びZrからなる群から選ばれる元素の酸化物
    の1種以上とを含有し、該保護層の前記炭化物の含有量
    が1mol%以上40mol%以下であり、かつ、前記
    保護層が前記記録層に接して形成されていることを特徴
    とする相変化光記録媒体。
  23. 【請求項23】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜
    を形成し、この記録層の結晶相とアモルファス相との間
    の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行な
    う相変化光記録媒体において、前記保護層がAlの酸化
    物と、少なくとも1種の炭化物と、In、Si、Ti、
    Hf及びZrからなる群から選ばれる元素の酸化物の1
    種以上とを含有し、該保護層の前記炭化物の含有量が1
    mol%以上40mol%以下であり、かつ、前記保護
    層が前記記録層に接して形成されていることを特徴とす
    る相変化光記録媒体。
  24. 【請求項24】 保護層が、Si、Ti、Ta、Nbの
    炭化物から選ばれる1種以上の炭化物を含むことを特徴
    とする請求項20〜23のいずれか1項に記載の相変化
    光記録媒体。
  25. 【請求項25】 記録層がGe、Sb及びTeの合金、
    あるいはこの合金を主成分とする材料により構成されて
    いることを特徴とする請求項20〜24のいずれか1項
    に記載の相変化光記録媒体。
  26. 【請求項26】 記録層におけるレーザービーム径をd
    (=λ/NA、λはレーザー波長、NAは対物レンズの
    開口数)、線速度をvとしたときに、d/v<1.5×
    10-7sの条件で使用することを特徴とする請求項20
    〜25のいずれか1項に記載の相変化光記録媒体。
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