JPH04143937A - 相変化型光記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は書換え可能な大容量ファイルとして用いられる
光ディスクのなかで、薄膜の相変化を利用した光記録媒
体に関する。

［従来の技術］ 相変化型光記録媒体は、大容量な書換え可能な光ディス
クとして利用されている。記録媒体として要求される特
性は、相変化が高速（生じること、記録・消去状態か安
定なこと、繰り返し書き換えても記録・消去特性か変化
しないこと、である。

高速な相変化を起こす材料としては、Ｇｅ−３ｂ−Ｔｅ
系合金が代表的なものとして知られており、既にオーバ
ーライド特性に優れた光ディスクが作製されている。こ
れらのディスクは１０６回繰り返し書き換えたときの記
録・消去特性にも優れている。

しかし、これらのディスクの保護膜では記録層との付着
力か弱いため、記録層と保護層の間で剥離が生じ易いと
いう欠点があった。このため光ディスクの長期保存性は
劣っていた。

［発明が解決しようとする課題］ 上記観点から、相変化型光記録媒体の開発に際して、高
い繰り返し回数を保ち、記録膜との付着力の強い保護膜
が探索されていた。ところが、繰り返し回数を高くでき
る保護膜は通常強い共有結合をとるため、記録膜との付
着力は弱いものであった。

本発明の目的は、繰り返し記録・消去特性に優れ、しか
も長期保存性に優れた相変化型光記録媒体を提供するこ
とにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、非晶質と結晶との間の相変化を利用して情報
の記録・再生・消去を行う相変化型光記録媒体において
、基板、下地層、付着強化層、記録層、付着強化層、保
護層および反射層からなる構成としたことを特徴とする
相変化型光記録媒体であ°る。

第１図は、本発明の相変化型光記録媒体の基本的構成を
示す断面図であり、基板１上に、下地層２、第１付着強
化層３、記録層４、第２付着強化層５、保護層６、反射
層７か順次積層されている。

１の基板材質にはポリカーボネート、ＰＭＭＡ、ポリオ
レフィン、溝付きガラスなどがある。下地層２および保
護層６は、種々の透明誘電体あるいは誘電体混合物、例
えばＳｉ３Ｎ４．ＳｉＯ。

Ａｆ　Ｎ、Ｔａ２０５　、Ｔ　ｉ　０２　、ＺｒＯ２な
どから形成される。これらの層は、記録層４で生じた反
射率の差異を増幅するとともに、記録、・消去の繰り返
しに伴う基板１や記録層４の熱変形を防ぐ役割を持つ。

付着強化層３．５は種々の透明誘電体で、例えばｚｎｓ
、ｚｎｓｅ、Ｓ　ｉ０２．ＣｄＳ、Ｉｎ２Ｏ３などから
なる。これらの層も下地層２．保護層６と同様に、記録
層４で生じた反射率の差異を増幅させる役割を持つ。こ
の付着強化層３と５の間に記録層４か形成される。７は
Ａｆ！。

Ａｕ、Ｓｉ、Ｎｉ　−Ｃｒなどからなる反射層である。

下地層２．付着強化層３，５、保護層６の材質はレーザ
光の波長に対して透明であることが必要である。下地層
２と保護Ｍ６は記録層４の温度上昇に対して十分な耐熱
性、変形に対して十分な機械的強度を満足するという条
件で選定されるものである。一方、付着強化層３．５は
下地層２や保護層６および記録層４との濡れ性がよい材
料であれば、耐熱性や機械的強度は保護層はど強い必要
はない。上記で例示した化合物類はいずれもカルコゲナ
イド系非晶質と酸化物、窒化物などのセラミックス材料
との中間的な結合様式であり、界面においてはカルコゲ
ナイド系非晶質とセラミックス材料の両方に結合手を出
しうる材料である。記録層４は、可逆的な相変化を示す
材料である。各層の膜厚は、記録・消去時に照射される
レーザ光の波長で光学的な吸収が大きく、再生信号振幅
が大きくなるように設定する。

下地層２、付着強化層３，５、保護層６はスパッタ法、
真空蒸着法、ＣＶＤ法などで形成する。

記録ｌＩ４、反射層７は、スパッタ法あるいは蒸着法で
形成される。

［作用］ 相変化型光記録媒体で、記録すなわち非晶質化暎液体状
態からの急冷過程を利用する。この時、液体状態になる
記録材料と記録材料を保護する保護層との濡れ性が良け
れば記録動作時に両者は密着状態を保ち、濡れ性が悪い
と両者は分離する。

また、表面張力の大きざと下地との濡れ性の兼ね合いで
物質の形状も変化する。このような記録層と保護層の濡
れ性の関係を利用すれば、記録動作時における密着性を
向上させ、形状変化を抑えることが可能である。

本発明では、記録層と保護層の間で濡れ性の大きざを最
適化することにより、長期保存のきく相変化型光記録媒
体を与える。ここでは、保護層と記録層との間に両方の
層に対して濡れ性の良い付着強化層を設けることで、記
録層と保護層の密着性を上げ、膜の剥離を抑え、長期保
存性を高める。

記録・消去の繰り返し回数を多くするためには、硬度の
高い保護膜を利用することが有利である。

例えば窒化珪素などのセラミックス材料がこれに相当す
る。一方、相変化型光記録材料にはカルコゲナイド系非
晶質合金の適していることか知られている。ところが、
セラミックスとカルコゲナイド非晶質との濡れ性は悪い
。これは、セラミックスは強い共有結合であり、カルコ
ゲナイド合金は弱い共有結合とイオン結合の混ざった結
合であることから、両者の界面における結合力が弱いた
めである。

そこで、記録層と保護層のいずれに対しても濡れ性の良
い層、すなわちセラミックスとカルコゲナイドの両方に
対して結合の手を出しうるような物質を挟めば、繰り返
し記録・消去特性に優れた性質を生かしつつ、長期保存
の観点から記録層と保護層の間で剥離しにくい相変化型
光記録媒体とすることかできる。

［実施例］ 次に、本発明の実施例について説明する。

実施例１ ポリカーボネート基板に膜厚１００　ｎｍの下地層を窒
化珪素で成膜し、以下、膜厚５０　ｎｍの第１付着強化
層ＺｎＳ、膜厚３０　ｎｍの記録層Ｇｅ２Ｓｂ２Ｔｅ５
、膜厚５０　ｎｍの第２付着強化層ｚｎＳ、膜厚４０　
ｎｍの保護層窒化珪素、膜厚５０　ｎ＋ｎの反射膜Ｓ１
を成膜して相変化型光ディスクを作製した。

このディスクの記録・消去特性と繰り返し記録・消去回
数を測定した。線速１１．３　ｍ／Ｓ　・記録周波数７
．４ＭＨｚ　、　　３．７ＭＨ２−ｄｕｔｙ　５０％の
条件て第２図からなるパルス光を照射してオーバーライ
ドしたとき、ＣＮＨの最大は記録パワー１９　ｍＷで５
５ｄＢ、最大消去率は記録パワー１９　ｍＷ、消去パワ
ー８　ｍＷの組み合わせて３５　ｄＢであった。また、
線速１１．３　ｍ／ｓ−記録周波数７．４ＭＨｚ、　　
３．７ＭＨ２−ｄｕｔｙ　５０％の条件で記録パワー１
９　ｍＷ、消去パワー８１１１Ｗの組み合わせとして第
２図のパルス光を繰り返し照射してオーバーライドした
時、１０６回までの繰り返しでＣＮＲ１消去率はともに
変化しなかった。なお、第２図中、８は読み出し光、９
は消去パルス、１０は記録パルスである。

次に、このディスクを温度８０’Ｃ１湿度９０％ＲＨの
環境に１０（＞０時間入れ、耐環境性を調べたところ、
記録膜と保護膜との間に剥離は見られなかった。付着強
化層を形成しない記録・消去特性。

繰り返し回数の同じディスクを同一の環境に入れた場合
、短い場合には約５０時間で膜の剥離が見られたことか
ら、付着強化層を加えることにより相変化型光ディスク
の長期保存性を向上することができることかわかる。

［発明の効果］ 以上、述べてきた如く、本発明によれば、付着強化層を
設けることにより、記録・消去特性、繰り返し回数はそ
のままで、長期保存性に優れた相変化型光記録媒体を提
供することかできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による相変化型光記録媒体の基本的構成
を示す断面図、第２図は記録・消去特性、繰り返し回数
測定で用いたレーザ光のパルス形状を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）非晶質と結晶との間の相変化を利用して情報の記
   録・再生・消去を行う相変化型光記録媒体において、基
   板、下地層、付着強化層、記録層、付着強化層、保護層
   および反射層からなる構成としたことを特徴とする相変
   化型光記録媒体。