JP2003016687A - 情報記録媒体およびその製造方法ならびにそれを用いた記録再生方法 - Google Patents

情報記録媒体およびその製造方法ならびにそれを用いた記録再生方法

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JP2003016687A JP2001209132A JP2001209132A JP2003016687A JP 2003016687 A JP2003016687 A JP 2003016687A JP 2001209132 A JP2001209132 A JP 2001209132A JP 2001209132 A JP2001209132 A JP 2001209132A JP 2003016687 A JP2003016687 A JP 2003016687A
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    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24035Recording layers
    • G11B7/24038Multiple laminated recording layers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つの記録層を備え高密度記録が可能な情報
記録媒体、およびその製造方法、ならびにその記録再生
方法を提供する。 【解決手段】 第1の基板11と、第1の基板11に対
向するように配置された第2の基板12と、第1の基板
11と第2の基板12との間に配置された第1の情報層
13と、第1の情報層13と第2の基板12との間に配
置された第2の情報層14と、第1の情報層13と第2
の情報層14との間に配置された中間層15とを備え
る。第1の情報層13は、レーザビーム35によって結
晶相と非晶質相との間で可逆的に相変態を起こす第1の
記録層18を含み、第2の情報層14は、レーザビーム
35によって結晶相と非晶質相との間で可逆的に相変態
を起こす第2の記録層27を含む。第1の記録層18
は、GeとSnとSbとTeとを含み且つ厚さが9nm
以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報を記
録、消去、書き換え、再生する情報記録媒体およびその
製造方法、ならびにその記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】相変化型の情報記録媒体は、結晶相と非
晶質相との間で可逆的に相変態を起こす記録層を利用し
て、情報の記録、消去および書き換えを行う。この記録
層に高パワーのレーザビームを照射したのちに急冷する
と、照射された部分が非晶質相となる。また、記録層の
非晶質部分に低パワーのレーザビームを照射したのちに
徐冷すると、照射された部分が結晶相となる。したがっ
て、相変化型の情報記録媒体では、高パワーレベルと低
パワーレベルとの間でパワーを変調させたレーザビーム
を記録層に照射することによって、記録層を非晶質相ま
たは結晶相に自由に変化させることができる。この情報
記録媒体では、非晶質相における反射率と結晶相におけ
る反射率との差を利用して情報の記録を行う。
【0003】近年、情報記録媒体の記録密度を向上させ
るために、さまざまな技術が研究されている。たとえ
ば、青紫色レーザビームを使用してより小さい記録マー
クを記録する技術や、光入射側の基板を薄くするととも
に開口数が大きいレンズを使用してより小さい記録マー
クを記録する技術が研究されている。また、片側から入
射したレーザビームを用いて2つの記録層の記録・再生
を行う技術も研究されている(特開平12−36130
号公報参照)。
【0004】記録マークを小さくするためには、記録層
の相変化に要するレーザビームの照射時間を短くする必
要がある。したがって、記録層の結晶化速度が速いこと
が必要とされる。また、2つの記録層を用いて記録・再
生を行うためには、光入射側の記録層を薄くして、後方
の記録層に十分な光が到達するようにする必要がある。
しかしながら、記録層を薄くすると、記録層に含まれる
原子の数が減り、また、相変化に伴う原子の移動が抑制
されるため、結晶化速度が低下するという問題がある。
そのため、薄くても信頼性よく記録が可能な記録層を形
成できる材料が求められていた。
【0005】従来から、記録層の材料としては、Ge−
Sb−Te系材料が使われてきた。その中でも、GeT
e−Sb2Te3の擬二元系組成は最も結晶化速度が速
く、(GeTe):(Sb2Te3)=2:1であるGe
2Sb2Te5は、非常に優れた特性を有することが発明
者らの実験で分かっている。また、Unoらは、厚さ6
nmのGe−Sb−Te記録層を用いた記録再生実験を
報告している(M.Uno, K.Nagata an
d N.Yamada, ”Thinninglimi
tation of Ge-Sb-Te recordi
ng filmfor high transmitt
ance media” Proc.of PCOS’
99, 83-88)。この実験では、波長が660n
mのレーザを用いて9m/sの線速度で記録の消去を行
い、30dBという良好な消去率が得られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
らが、Ge−Sb−Te系材料について波長405nm
の青紫色レーザを用いて実験したところ、この材料では
光入射側の材料として不十分であることがわかった。そ
のため、従来の記録層では、青紫色レーザを用いて記録
・再生を行う2層構造の情報記録媒体を実現することは
困難であった。
【0007】特開平2−147289号公報では、記録
層としてTe−Ge−SnにSbを添加して各元素の含
有量を限定することによって、記録消去の繰り返し特性
が優れ、消去率の経時変動も少ない情報記録媒体が得ら
れることが報告されている。しかしながら、この情報記
録媒体に含まれる記録層は1層のみであり、記録層の厚
さが30nm〜100nmと厚い場合における実験結果
である。この公報には、記録層を薄くした場合のSnの
添加効果については示されていない。
【0008】上記の事実に鑑み、本発明は、2つの記録
層を備え高密度記録が可能な情報記録媒体、およびその
製造方法、ならびにその記録再生方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の情報記録媒体は、第1の基板と、前記第1
の基板に対向するように配置された第2の基板と、前記
第1の基板と前記第2の基板との間に配置された第1の
情報層と、前記第1の情報層と前記第2の基板との間に
配置された第2の情報層と、前記第1の情報層と前記第
2の情報層との間に配置された中間層とを備え、前記第
1の情報層が、前記第1の基板側から照射されるレーザ
ビームによって結晶相と非晶質相との間で可逆的に相変
態を起こす第1の記録層を含み、前記第2の情報層が、
前記レーザビームによって結晶相と非晶質相との間で可
逆的に相変態を起こす第2の記録層を含み、前記第1の
記録層が、GeとSnとSbとTeとを含み且つ厚さが
9nm以下であることを特徴とする。この情報記録媒体
は、2つの記録層を備え高密度記録が可能である。
【0010】上記情報記録媒体では、前記第1の記録層
が、組成式 (Ge−Sn)ASbBTe3+A (ただし、2≦A≦22、2≦B≦4)で表される材料
からなるものでもよい。この組成式は、GeとSnと
が、合計で100*A/(2A+B+3)原子%含まれ
ることを示す。この構成によれば、第1の記録層を薄く
しても、青紫色レーザを用いて良好な記録・消去特性が
得られる。2≦Aとすることによって、信号の振幅を大
きくできる。また、A≦22とすることによって結晶化
速度の低下を防止できる。2≦Bとすることによって、
結晶相と非晶質相との間の相変態の際に融点が低いTe
が析出してしまうことを防止できる。また、2<Bの場
合には、(Ge−Sn)ASb2Te3+Aで表される材料
に過剰なSbが添加される。この過剰なSbは、結晶化
温度を上げて記録マークの熱的安定性を高める作用と、
繰り返し記録時に物質の移動を抑制する作用とを有す
る。
【0011】上記情報記録媒体では、前記第1の記録層
中のSnの含有量が25原子%以下であってもよい。こ
の構成によれば、第1の記録層を薄くしても、青紫色レ
ーザを用いて良好な消去率が得られる。また、第1の記
録層中のSnの含有量とBとを調整することによって、
第1の記録層の結晶化速度および結晶化温度を制御でき
る。なお、Snの含有量は0.1原子%以上であること
が好ましい。
【0012】上記情報記録媒体では、前記第1の記録層
が結晶相である場合の前記第1の情報層の透過率Tc
(%)と、前記第1の記録層が非晶質相である場合の前
記第1の情報層の透過率Ta(%)とが、波長390n
m〜430nmの範囲内のレーザビームに対して、40
≦(Tc+Ta)/2を満たしてもよい。この構成によ
れば、第2の情報層についても良好な記録・消去特性が
得られる。
【0013】上記情報記録媒体では、前記透過率Tc
(%)と前記透過率Ta(%)とが、波長390nm〜
430nmの範囲内のレーザビームに対して、0≦|T
c−Ta|/Tc≦0.15(より好ましくは、0≦|
Tc−Ta|/Tc≦0.05)を満たしてもよい。こ
の構成によれば、第1の情報層の記録状態に拘わらず、
第2の情報層の記録感度の変化を小さくできる。 上記
情報記録媒体では、前記第1の情報層が第1および第2
の誘電体層と第1の反射層とをさらに含み、前記第1の
反射層、前記第2の誘電体層、前記第1の記録層、およ
び前記第1の誘電体層が、前記中間層側から前記第1の
基板側に向かってこの順序で配置されていてもよい。こ
の構成によれば、誘電体層および反射層の材料や厚さを
変化させることによって、第1の記録層の光吸収率や、
第1の情報層の透過率および反射率を制御できる。
【0014】上記情報記録媒体では、前記第1の情報層
が、前記第1の反射層と前記中間層との間に配置された
第3の誘電体層をさらに備えてもよい。この構成によれ
ば、第3の誘電体層の材料や厚さを変化させることによ
って、第1の情報層の透過率を高くすることができる。
【0015】上記情報記録媒体では、前記第3の誘電体
層の屈折率が、波長390nm〜430nmの光に対し
て2.3以上であってもよい。
【0016】上記情報記録媒体では、前記中間層にトラ
ッキング制御用のグルーブが形成されていてもよい。
【0017】上記情報記録媒体では、前記第1の情報層
が、前記第1の誘電体層と前記第1の記録層との間の界
面、前記第1の記録層と前記第2の誘電体層との間の界
面、前記第2の誘電体層と前記第1の反射層との間の界
面、および、前記第1の反射層と前記第3の誘電体層と
の間の界面から選ばれる少なくとも1つの界面に配置さ
れた界面層をさらに備えてもよい。この構成によれば、
層間の物質移動が抑制されるため、信頼性が高い情報記
録媒体が得られる。
【0018】上記情報記録媒体では、前記第1の反射層
の厚さが、5nm〜15nmの範囲内であってもよい。
この構成によれば、第1の情報層の透過率Tc(%)お
よびTa(%)を高めることができ、また、第1の記録
層で生じた熱を速やかに拡散させて非晶質化しやすくす
ることができる。第1の反射層を形成する場合には、薄
いと熱拡散機能が不十分であり、厚いと第1の情報層の
透過率が不十分となるため、その厚さは、5nm〜15
nmの範囲内とすることが好ましい。
【0019】上記情報記録媒体では、前記第1の基板の
厚さが10μm〜700μmの範囲内であってもよい。
この構成によれば、対物レンズの開口数NAを変えるこ
とによって、第1の基板のグルーブの形状や記録消去再
生条件に合わせて、記録マークの長さや記録マーク間の
間隔を最適化できる。
【0020】上記情報記録媒体では、前記第1の基板に
トラッキング制御用のグルーブが形成されていてもよ
い。
【0021】上記情報記録媒体では、前記第2の基板の
厚さが500μm〜1300μmの範囲内であってもよ
い。この構成によれば、対物レンズの開口数NAをかえ
ることによって、第2の基板のグルーブの形状や記録消
去再生条件に合わせて記録マークの長さや記録マーク間
の間隔を最適化できる。第2の基板の厚さは、情報記録
媒体の厚さが約1200μmとなるように選択する。第
1の基板の厚さが約100μmである場合は、第2の基
板の厚さを約1100μmとする。また、第1の基板の
厚さが約600μmの場合は、第2の基板の厚さを約6
00μmとする。
【0022】上記情報記録媒体では、前記第2の基板に
トラッキング制御用のグルーブが形成されていてもよ
い。
【0023】上記情報記録媒体では、前記第2の情報層
が第4および第5の誘電体層と第2の反射層とをさらに
含み、前記第2の反射層、前記第5の誘電体層、前記第
2の記録層、および前記第4の誘電体層が、前記第2の
基板側から前記中間層側に向かってこの順序で配置され
ていてもよい。この構成によれば、誘電体層や反射層の
材料や厚さを変化させることによって、第2の記録層の
光吸収率や第2の情報層の反射率を制御できる。
【0024】上記情報記録媒体では、前記第2の情報層
が、前記第4の誘電体層と前記第2の記録層との間の界
面、前記第2の記録層と前記第5の誘電体層との間の界
面、および、前記第5の誘電体層と前記第2の反射層と
の間の界面から選ばれる少なくとも1つの界面に配置さ
れた界面層をさらに備えてもよい。
【0025】また、情報記録媒体を製造するための本発
明の製造方法は、第1および第2の基板と、第1および
第2の情報層と、中間層とを備える情報記録媒体の製造
方法であって、(a)前記第2の基板上に前記第2の情
報層を形成する工程と、(b)前記第2の情報層上に前
記中間層を形成する工程と、(c)前記中間層上に前記
第1の情報層を形成する工程と、(d)前記第1の情報
層上に前記第1の基板を接着層する工程とを含み、前記
第1の情報層が、前記第1の基板側から照射されるレー
ザビームによって結晶相と非晶質相との間で可逆的に相
変態を起こす第1の記録層を含み、前記第2の情報層
が、前記レーザビームによって結晶相と非晶質相との間
で可逆的に相変態を起こす第2の記録層を含み、前記
(c)の工程は、前記第1の記録層を、GeとSnとS
bとTeとを含む母材を用いて厚さが9nm以下となる
ように形成する工程を含むことを特徴とする。この製造
方法によれば、本発明の情報記録媒体を容易に製造でき
る。また、この製造方法では、第2の情報層および第1
の情報層を形成してから第1の基板を積層するため、薄
い第1の基板を備える情報記録媒体を容易に製造でき
る。
【0026】上記製造方法では、前記(c)の工程にお
いて、前記第1の記録層を、アルゴンガスまたはクリプ
トンガスを含むスパッタリングガスを用いたスパッタリ
ング法で形成してもよい。この構成によれば、繰り返し
記録特性が優れた情報記録媒体を容易に形成できる。
【0027】上記製造方法では、前記スパッタリングガ
スが、酸素および窒素から選ばれる少なくとも1つのガ
スをさらに含んでもよい。
【0028】上記製造方法では、前記第1の記録層を、
0.1nm/秒〜10nm/秒の範囲内の成膜速度で成
膜してもよい。この構成によれば、第1の記録層の膜厚
ばらつきを少なくでき、また、短時間で生産性よく第1
の記録層を製造できる。
【0029】上記製造方法では、前記(b)の工程は、
前記中間層の表面にトラッキング制御用のグルーブを形
成する工程を含んでもよい。
【0030】また、上記製造方法では、前記第1の情報
層が前記第1の記録層よりも前記中間層側に配置された
第1の反射層をさらに含み、前記(c)の工程が、前記
第1の反射層を5nm〜15nmの範囲内となるように
形成する工程を含んでもよい。
【0031】また、本発明の記録再生方法は、情報記録
媒体にレーザビームを照射することによって情報信号の
記録および再生を行う記録再生方法であって、前記情報
記録媒体が上記本発明の情報記録媒体であり、前記レー
ザビームは前記情報記録媒体の前記第1の情報層側から
入射し、前記情報記録媒体の前記第2の情報層では、前
記第1の情報層を透過してきた前記レーザビームによっ
て情報が記録再生され、前記レーザビームの波長が39
0nm〜430nmの範囲内であることを特徴とする。
この記録再生方法によれば、信頼性よく高密度記録が可
能である。
【0032】上記記録再生方法では、情報を記録再生す
る際の前記情報記録媒体の線速度が、1m/秒〜50m
/秒の範囲内であってもよい。この構成によれば、情報
記録媒体の構成や、記録・再生の条件に合わせて記録マ
ークの長さや記録マークの間隔を最適化でき、高転送レ
ートを実現できる。
【0033】上記記録再生方法では、前記レーザビーム
は、開口数NAが0.4〜1.1の範囲内の対物レンズ
で集光されたレーザビームであってもよい。この構成に
よれば、第1の基板または第2の基板の厚さやグルーブ
の形状、記録消去再生条件にあわせて、記録マークの長
さや記録マーク間の間隔を最適化でき、高い転送レート
が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形
態は一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されな
い。
【0035】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
情報記録媒体について一例を説明する。実施形態1の情
報記録媒体10について、一部断面図を図1に示す。
【0036】図1を参照して、情報記録媒体10は、第
1の基板11(ハッチングは省略する)と第1の基板1
1に対向するように配置された第2の基板12と、第1
の基板11と第2の基板12との間に配置された第1の
情報層13と、第1の情報層13と第2の基板12との
間に配置された第2の情報層14と、第1の情報層13
と第2の情報層14との間に配置された中間層15とを
備える。情報記録媒体10は、第1の基板11側から入
射するレーザビーム35によって情報の記録および再生
を行う。
【0037】第1の基板11および第2の基板12は、
それぞれ、円盤状の透明な基板である。図1に示すよう
に、第1の基板11および第2の基板12の内側(中間
層15側)の表面には、必要に応じてトラッキング制御
用のグルーブ(溝)が形成されていてもよい。第1の基
板11および第2の基板12の外側の表面は、一般的に
平滑である。基板にグルーブが形成されている場合、情
報は、グルーブ11a(レーザビーム35の入射側に近
い方の溝面)に記録してもよいし、グルーブ11a間の
部分(レーザビーム35の入射側から遠い方の溝面であ
り、以下、ランド11bという)に記録してもよい。ま
た、グルーブ11aとランド11bとの両方に記録して
もよい。
【0038】第1の基板11および第2の基板12は、
ガラスや、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフ
ィン、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)と
いった樹脂を用いて形成できる。この中でも、グルーブ
の形成が容易で生産性がよいことからポリカーボネート
樹脂が好ましい。第1の基板11は、波長390nm〜
430nmの範囲内の光における複屈折が小さいことが
好ましい。第1の基板11の厚さは、10μm〜700
μm(より好ましくは、50μm〜150μm)の範囲
内であることが好ましい。第1の基板11が薄いほど、
対物レンズの開口数を大きくできレーザビーム35を絞
り込むことができる。たとえば、第1の基板11の厚さ
が100μmの場合には、開口数が0.85の対物レン
ズを用いて良好に記録・消去を行うことができる。ま
た、第1の基板11の厚さが600μmの場合には、開
口数が0.6の対物レンズを用いて良好に記録・消去を
行うことができる。第2の基板12の厚さは、500μ
m〜1300μm(より好ましくは、900μm〜13
00μm)の範囲内であることが好ましい。
【0039】第1の情報層13は、中間層15側から第
1の基板11側に順に配置された、第3の誘電体層2
4、第4の界面層23、第1の反射層22、第3の界面
層21、第2の誘電体層20、第2の界面層19、第1
の記録層18、第1の界面層17、および第1の誘電体
層16を備える。また、第2の情報層14は、第2の基
板12側から中間層15側に順に配置された、第2の反
射層31、第7の界面層30、第5の誘電体層29、第
6の界面層28、第2の記録層27、第5の界面層2
6、および第4の誘電体層25を備える。
【0040】第1の記録層18が結晶相である場合の第
1の情報層13の透過率Tc(%)と、第1の記録層1
8が非晶質相である場合の第1の情報層13の透過率T
a(%)とは、波長390nm〜430nmの範囲内の
レーザビームに対して、40≦(Tc+Ta)/2を満
たすことが好ましい。また、TcおよびTaは、0≦|
Tc−Ta|/Tc≦0.15(より好ましくは、0≦
|Tc−Ta|/Tc≦0.05)を満たすことが好ま
しい。
【0041】第1、第2および第3の誘電体層16、2
0および24は、第1の記録層18を環境から保護する
機能を有する。また、各層の厚さや材料を選択すること
によって、光の干渉を利用して、第1の記録層18の光
吸収率(%)、ならびに第1の情報層13の光反射率お
よび光透過率を制御することができる。
【0042】これらの誘電体層の厚さは、たとえばマト
リクス法(たとえば、久保田広著「波動光学」岩波書
店,1971年,第3章を参照)に基づく計算を用いて
決定できる。具体的には、|Rc−Ra|またはRc/
Raがより大きく、且つTcおよびTaがより大きくな
る条件を満足するように厳密に決定することができる。
ここで、RcおよびTcは、それぞれ、第1の記録層1
8が結晶相である場合の第1の情報層13の反射率
(%)および透過率(%)である。また、RaおよびT
aは、それぞれ、第1の記録層18が非晶質相である場
合の第1の情報層13の反射率(%)および透過率
(%)である。
【0043】また、これらの誘電体層の波長400nm
近傍における、複素屈折率は、第1の記録層18の光吸
収率や、第1の情報層13の反射率および透過率を決定
する重要な要素である。複素屈折率は、屈折率nと消衰
係数kとを用いて、(n−k・i)で表される。大きな
TcおよびTaを確保するためには、誘電体層の透明性
が高いことが望ましく、具体的には消衰係数kが0.1
以下であることが望ましい。
【0044】誘電体層の屈折率について、発明者らは、
マトリクス法を用いたシミュレーションを行うことによ
って、第1の誘電体層16の屈折率n1と、第2の誘電
体層20の屈折率n2と、第3の誘電体層24の屈折率
n3とが、第1の情報層13の反射率および透過率に与
える影響について調べた。このシミュレーションは、第
1の記録層18の厚さを6nmと仮定し、第1の反射層
22の厚さを10nmと仮定して行った。その結果、屈
折率n1、n2およびn3が、それぞれ、1.7≦n1
≦2.5、1.7≦n2≦2.8、2.0≦n3の関係
を満足する場合には、|Rc−Ra|またはRc/Ra
が大きく、且つ、40≦(Tc+Ta)/2を満たす誘
電体層の厚さを決定できるという結果が得られた。さら
に、2.1≦n1≦2.4、2.0≦n2≦2.8、お
よび2.2≦n3を満足する場合には、Raをより小さ
くできるため、Rc/Raがより大きく、且つ、50≦
(Tc+Ta)/2を満たす誘電体層の厚さを決定でき
るという結果が得られた。
【0045】このように、第1、第2および第3の誘電
体層16、20および24は、第1の情報層13の透過
率(TcおよびTa)を大きくするという機能を有す
る。この中でも、第3の誘電体層24が特に重要であ
り、第3の誘電体層24を屈折率が大きい材料、たとえ
ば屈折率が2.3以上の材料で形成することが好まし
い。第3の誘電体層24がある場合には、それがない場
合と比較して、透過率が絶対値で5%〜10%上昇する
ことも計算で確かめられた。
【0046】次に、誘電体層の好ましい熱的特性につい
て説明する。第1の記録層18に良好な記録マークを形
成するためには、光吸収によって第1の記録層18に発
生した熱を、速やかに膜厚方向に逃がして第1の記録層
18を急冷することが重要である。そのため、第1の誘
電体層16および第2の誘電体層20には、相対的に熱
伝導率が小さい材料を用いることが好ましい。熱伝導率
が大きい材料を用いると、熱が面内方向に逃げやすくな
り、急冷速度が相対的に低下する。一方、第1の反射層
22上に形成された第3の誘電体層24には、急冷速度
を大きくするために、相対的に熱伝導率が大きい材料を
用いることが好ましい。 第1、第2および第3の誘電
体層16、20および24は、上記の光学的および熱的
な条件を満足するような材料を用いて形成される。これ
らの誘電体層は、酸化物、窒化物、酸化窒化物、硫化
物、炭化物、およびこれらを組み合わせた混合物で形成
できる。酸化物としては、たとえば、In23、Nb2
5、SnO、TiO2、MgO、ZnO、ZrO2、T
eO2、Al23、SiO2またはTa25を用いること
ができる。窒化物としては、たとえば、Si−N、Al
−N、Ti−N、Ta−N、Zr−NまたはGe−Nを
用いることができる。酸化窒化物としては、たとえば、
Al−O−NまたはSi−O−Nを用いることができ
る。硫化物としては、たとえばZnSを用いることがで
きる。炭化物としては、たとえばSiCを用いることが
できる。混合物としては、たとえばZnS−SiO2
用いることができる。
【0047】これらの中でも、第1の誘電体層16およ
び第2の誘電体層20には、ZnS−SiO2が適して
いる。ZnS−SiO2は、屈折率が約2.3の透明な
非晶質材料であり、成膜速度も速く、機械的特性および
耐湿性に優れている。また、第3の誘電体層24には、
TeO2、ZnO、Ta25、ZrO2、またはTiO2
といった屈折率が2.3よりも大きい材料が適してい
る。
【0048】第1の界面層17および第2の界面層19
は、第1の誘電体層16と第1の記録層18との間、お
よび第1の記録層18と第2の誘電体層20との間で物
質が移動することを防止する機能を有する。また、第3
の界面層21および第4の界面層23は、第2の誘電体
層20と第1の反射層22との間、および第1の反射層
22と第3の誘電体層24との間で物質が移動すること
を防止する。たとえば、ZnS−SiO2からなる誘電
体層を用いた場合に、誘電体層中の硫黄が第1の記録層
18や第1の反射層22に拡散することを防止する。こ
れらの界面層は省略することが可能であるが、硫化物か
らなる誘電体層を用いる場合には、界面層を形成するこ
とが好ましい。第1の情報層13の透過率を大きくする
ためには、界面層の数ができるだけ少ない方が好まし
い。
【0049】これらの界面層の材料には、Si−N、A
l−N、Zr−N、Ti−N、Ge−N、Ta−Nとい
った窒化物、またはこれらを含む窒化酸化物を用いるこ
とができる。また、CまたはSiCといった炭化物を用
いることもできる。これらの中でも、Ge−Nを含む材
料は、反応性スパッタリングで容易に形成でき、機械的
特性および耐湿性にも優れている。これら界面層の厚さ
が厚いと、第1の情報層13の反射率や吸収率が大きく
変化してしまうため、これらの界面層の厚さは1nm〜
10nm(より好ましくは3nm〜7nm)の範囲内が
好ましい。
【0050】第1の記録層18は、レーザビームの照射
によって結晶相と非晶質相との間で可逆的に相変態を生
ずる相変化材料からなる。具体的には、第1の記録層1
8は、GeとSnとSbとTeとを含む。より具体的に
は、GeASbBTe3+Aで表される材料のGeの一部を
Snで置換した材料、すなわち、組成式が(Ge−S
n)ASbBTe3+A(ただし、2≦A≦22、2≦B≦
4)で表される材料を用いることができる。この組成式
は、第1の記録層18中に、GeおよびSnが、合計で
100*A/(2A+B+3)原子%含まれることを示
す。繰り返し記録性能に優れた情報記録媒体を得るため
に、Aは、2≦A≦10を満たすことがより好ましい。
第1の記録層18の厚さは、9nm以下であり、好まし
くは、3nm〜9nmの範囲内である。
【0051】GeTe−Sb2Te3擬二元系組成は、結
晶化速度が速い材料として従来から用いられているが、
これにSnTeまたはPbTeを固溶させることによっ
てさらに結晶化速度をさらに速くできる。SnTeおよ
びPbTeは、GeTe−Sb2Te3擬二元系と同様
に、結晶構造が岩塩型である。また、SnTeおよびP
bTeは、結晶化速度が速く、Ge−Sb−Teと固溶
しやすい。本発明者らは、SnTeが、GeTe−Sb
2Te3擬二元系組成に固溶させる材料として好ましいこ
とを見いだした。この材料を用いることによって、小さ
なレーザビームスポットで、より小さな記録マークをよ
り短い間隔で記録層に記録できる。なお、SnTeの代
わりにPbTeを加えることも有用である。この場合、
好ましいPbの量は、好ましいSnの量と同様である。
【0052】以上説明したように、GeTe−Sb2
3擬二元系組成にSnTeを混ぜたGeTe−SnT
e−Sb2Te3を第1の記録層18の材料として用いる
ことができる。この場合には、Geの一部がSnで置換
され(Ge−Sn)Te−Sb 2Te3となり、結晶化速
度が大きくなる。さらに、(Ge−Sn)Te−Sb2
Te3に過剰なSbを加えて(Ge−Sn)Te−Sb2
Te3−Sbとすることによって、結晶化速度を大きく
するとともに結晶化温度を向上させることができ、その
結果、記録マークの熱的安定性を向上させることができ
る。さらに、過剰なSbは結晶格子に入らずに非晶質S
bとなるため、繰り返し記録時における物質の移動を抑
制する機能も有する。
【0053】組成式が(Ge−Sn)ASbBTe3+A
表される材料を用いる場合、2≦Aとすることによって
青紫色の波長域で十分な信号振幅が得られる。また、A
≦22とすることによって、融点の上昇、および結晶化
速度の低下を防止できる。また、2≦A≦10とするこ
とによって、繰り返し記録特性に優れた情報記録媒体が
得られる。
【0054】次に、組成式が(Ge−Sn)ASbBTe
3+Aで表される材料を用いる場合において、材料中に含
まれるSnの含有量について説明する。A=B=2の場
合、第1の記録層18中に含まれるSnの含有量Y(原
子%)は、0<Y≦11を満たすことが好ましい。ま
た、A=2でB=4の場合、0<Y≦15であることが
好ましい。また、A=22でB=2の場合、0<Y≦2
2であることが好ましい。また、A=22でB=4の場
合、0<Y≦25であることが好ましい。したがって、
上記材料中のSnの含有量は、25原子%以下であるこ
とが好ましい。Sn濃度が多すぎると、第1の記録層1
8の結晶相と非晶質相との間の屈折率変化が小さくな
り、記録特性が低下する場合がある。
【0055】図2を参照しながら、第1の記録層18の
好ましい組成範囲について説明する。図2は、(Ge−
Sn)の濃度(原子%)、Sbの濃度(原子%)、Te
の濃度(原子%)の座標からなる。点aは、[(Ge−
Sn),Sb,Te](以下、この順で表示)=(5
0,0,50)で、(Ge−Sn)Teを示す。点b
は、座標が(0,40,60)で、Sb2Te3を示す。
従って、線a−bは、(Ge−Sn)ASb2Te3+A
組成を示す。点cは、(0,57.1,42.9)で、
Sb4Te3を示す。従って、線a−cは、(Ge−S
n)ASb4Te3+Aの組成を示す。点dは、座標が(4
4.9,4.1,51.0)であり、A=22でB=2
の組成を示す。点eは、座標が(40,8,52)であ
り、A=10でB=2の組成を示す。点fは、座標が
(22.2,22.2,55.6)であり、A=2でB
=2の組成を示す。点gは、座標が(18.2,36.
4,45.4)であり、A=2でB=4の組成を示す。
点hは、座標が(37,14.8,48.2)であり、
A=10でB=4の組成を示す。点jは、座標が(4
3.1,7.8,49.1)であり、A=22でB=4
の組成を示す。したがって、d−f−g−jで囲まれる
範囲は、2≦A≦22で2≦B≦4の組成を示す。e−
f−g−hで囲まれる範囲は、2≦A≦10で2≦B≦
4の組成を示す。線d−fは、2≦A≦22でB=2の
組成を示す。線e−fは、2≦A≦10でB=2の組成
を示す。
【0056】組成式(Ge−Sn)ASbBTe3+Aで表
される材料を用いて厚さが6nmの第1の記録層18を
形成したところ、A、BおよびSnの濃度を選択するこ
とによって、390nm〜430nmという短波長のレ
ーザビームを用いた場合でも、良好な記録消去性能が得
られた。
【0057】なお、第1の記録層18の材料として、
(Ge−Sn)ASbBTe3+Aに他の元素を加えた材料
を用いてもよい。このような、材料は、組成式[(Ge
−Sn)ASbBTe3+A100-CC(ただし、0<C≦
20)で表される。元素Mには、窒素、Ag、Al、C
r、Mn、Ti、V、Zr、Nb、Mo、Pd、Cu、
Au、Ni、Pt、Zn、In、Ga、Al、Si、S
e、Bi、W、Ta、Hf、La、Ce、Nd、Sm、
Gd、Tb、およびDyからなる群より選ばれる少なく
とも1つの元素を用いることができる。この場合にも、
Sn濃度を変えることによって結晶化速度を最適化する
ことができる。
【0058】第1の反射層22は、光学的には、第1の
記録層18に吸収される光量を増大させる働きを有し、
熱的には、第1の記録層18で発生した熱を速やかに拡
散させ第1の記録層18を非晶質化しやすくするという
働きを有する。また、第1の反射層22は、多層膜を使
用環境から保護する働きも有する。第1の反射層22の
材料としては、たとえば、Al、Au、Ag、またはC
uといった熱伝導率が高い単体金属を用いることができ
る。また、これらの金属を主成分とし、耐湿性の向上ま
たは熱伝導率の調整のために1つ以上の他の元素を添加
した合金材料を用いることもできる。具体的には、Al
−Cr、Al−Ti、Au−Pd、Au−Cr、Ag−
Pd、Ag−Pd−Cu、Ag−Pd−Ti、またはC
u−Siといった合金を用いることもできる。これらの
合金は、いずれも耐食性および熱伝導率が高い材料であ
る。中でも、Ag合金は、熱伝導率が高い。また、Ag
合金は、それ自体の光吸収率を小さくする光学設計がし
やすいので、Au系の材料またはAl系の材料を用いる
場合よりも光を透過光に配分しやすい。第1の記録層1
8の光吸収率と、第1の情報層13の透過率とのバラン
スを考慮すると、第1の反射層22の厚さは、5nm〜
15nm(より好ましくは、8nm〜12nm)が好ま
しい。厚さを5nm以上とすることによって、十分な放
熱機能が得られる。また、厚さを15nm以下とするこ
とによって、第1の情報層13の透過率が低くなりすぎ
ることを防止できる。
【0059】次に、第2の情報層14について説明す
る。第4および第5の誘電体層25および29は、第2
の記録層27を環境から保護する機能を有する。また、
これらの誘電体層の厚さと屈折率とを選択することによ
って、第2の記録層27の光吸収効率を高めることがで
き、また、記録前後の反射光量の変化を大きくして信号
振幅を大きくすることができる。これらの誘電体層は、
第1、第2および第3の誘電体層16、20および24
について説明した材料で形成できる。これらの誘電体層
は、異なる材料で形成してもよいし、同一の材料で形成
してもよい。
【0060】第5の界面層26および第6の界面層28
は、第4の誘電体層25と第2の記録層27との間、お
よび第2の記録層27と第5の誘電体層29との間で物
質が移動することを防止する。第7の界面層30は、第
5の誘電体層29と第2の反射層31との間で物質が移
動することを防止する。これらの界面層は、第1および
第2の界面層17および19と同様の材料で形成でき、
好ましい厚さも同様である。
【0061】第2の記録層27には、第1の情報層13
を透過したレーザビーム35によって情報の記録、消去
および再生が行われる。第2の記録層27に記録された
情報の再生は、第2の情報層14によって反射されたレ
ーザビームを用いて行うため、第2の情報層14の反射
率が高いことが好ましい。
【0062】第2の記録層27は、レーザビームの照射
によって結晶相と非晶質相との間で可逆的に相変態を生
ずる相変化材料からなる。具体的には、Ge−Sb−T
e、Ge−Bi−Te、Ge−Sn−Te、In−Sb
−Te、Sb−Te、Ge−Te、またはAg−In−
Sb−Teといった材料を用いることができる。あるい
は、これらの材料に、Au、Ag、Cu、Al、Ga、
Pd、Pt、Ni、Ce、Cr、Bi、Sn、Se、I
n、La、C、Si、Ti、Mo、W、Ta、Hf、Z
r、NbおよびVからなる群より選ばれる少なくとも1
つの元素を加えた材料を用いることもできる。あるい
は、これらの材料にさらに窒素または酸素を添加した材
料を用いることもできる。
【0063】また、第2の記録層27の材料として、第
1の記録層18と同じGe−Sn−Sb−Te系の材料
を用いてもよい。この場合、第2の記録層27は第1の
記録層18よりも厚いため、Snの含有量は第1の記録
層18よりも少なくてよい。組成式(Ge−Sn)A
BTe3+Aで表される材料を用いる場合には、2≦A≦
10で2≦B≦4であることが好ましい。第2の記録層
27に入射するレーザビームは弱いため、第2の記録層
27は、融点が低い材料で形成されることが好ましい。
A=15の場合には、融点が高くなって記録感度が低下
する。A=2の場合には、Snの含有量Y(原子%)
は、0<Y≦5であることが好ましい。また、A=10
の場合には、0<Y≦15であることが好ましい。
【0064】第2の記録層27が薄すぎると、第2の情
報層14の反射率が低下する。また、第2の記録層27
が厚すぎると、第2の記録層27で発生した熱が面方向
に拡散しやすくなるため小さい記録マークが形成されに
くくなる。したがって、第2の記録層27の厚さは、8
nm〜15nmであることが好ましい。
【0065】第2の反射層31は、第2の記録層27に
吸収される光量をを増大させる。また、第2の記録層2
7で発生した熱を速やかに拡散させ、第2の記録層27
の非晶質化を容易にするという機能を有する。第2の反
射層31は、第1の反射層22で説明した材料で形成で
きる。第2の反射層31の厚さは、30nm〜150n
m(より好ましくは、70nm〜90nm)の範囲内で
あることが好ましい。第2の反射層31が30nmより
薄いと熱拡散機能が小さくなって第2の記録層27が非
晶質化しにくくなる。また、第2の反射層31が150
nmより厚いと熱拡散機能が大きくなりすぎて第2の記
録層27の記録感度が低下する。
【0066】中間層15は、第1の記録層18のフォー
カス位置と第2の記録層27のフォーカス位置とを区別
するために形成される。中間層15には、トラッキング
制御用のグルーブが形成されていてもよい。中間層15
は、光硬化性樹脂または遅効性樹脂を用いて形成でき
る。中間層15の材料は、レーザビーム35の波長λに
おいて、光吸収が少ないことが好ましい。中間層15の
厚さは、レーザビーム35を集光する対物レンズの開口
数NAと、レーザビーム35の波長λ(nm)とで決定
される焦点深度ΔZ以上である。焦光点の強度を無収差
の場合の80%とする場合、焦点深度ΔZはΔZ=λ/
{2(NA)2}の式で近似できる。λ=400nm、
NA=0.6のとき、ΔZ=0.556μmとなる。こ
の場合、±0.6μm以内は焦点深度内となるので、中
間層15の厚さは1μm以上でなければならない。一
方、第1の記録層18と第2の記録層27との両方にレ
ーザビーム35を集光させることができるように、中間
層15の厚さは50μm以下とすることが好ましい。
【0067】なお、図1に示した情報記録媒体は一例で
ある。たとえば、本発明の情報記録媒体は、図3に示す
情報記録媒体10aを含む。また、本発明の情報記録媒
体では、各誘電体層の材料、各界面層の材料、各反射層
の材料は、それぞれ、同じでも異なってもよい。
【0068】(実施形態2)実施形態2では、情報記録
媒体を製造するための本発明の製造方法について説明す
る。なお、実施形態1で説明した部分と同様の部分につ
いては同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0069】実施形態2の製造方法で製造される情報記
録媒体10aについて、断面図を図3に示す。この製造
方法では、まず、第2の基板12上に第2の情報層14
を形成する(工程(a))。以下に、第2の情報層14
の形成方法を説明する。
【0070】最初に、トラッキング制御用のグルーブが
形成された第2の基板12(たとえば、厚さ1.1m
m)を用意し、この基板を成膜装置内に配置する。そし
て、第2の基板12のグルーブが形成された側に、第2
の反射層31、第7の界面層30、第5の誘電体層2
9、および第6の界面層28を順に形成する。第2の反
射層31は、金属からなる母材をArガス雰囲気中でス
パッタリングすることによって形成できる。各界面層お
よび誘電体層は、スパッタリング法(たとえば反応性ス
パッタリング法)によって形成できる。スパッタリング
ガスには、Arガス、またはArガスと反応性ガスとの
混合ガスを用いることができる。
【0071】次に、第2の記録層27を形成する。第2
の記録層27は、スパッタリング法によって形成でき
る。母材には、形成する第2の記録層27の組成に応じ
た母材(たとえば、Ge−Sb−Te合金)を用いる。
スパッタリングガスには、Arガス、Krガス、Arガ
スと反応性ガス(N2またはO2から選ばれる少なくとも
1つのガスである。以下、同様である。)との混合ガ
ス、またはKrガスと反応性ガスとの混合ガスを用いる
ことができる。
【0072】次に、第5の界面層26と第4の誘電体層
25を順に形成する。これらの層は、上述した方法で形
成できる。第4の誘電体層25の形成後に、必要に応じ
て第2の記録層27を結晶化させる初期化工程を行って
もよい。
【0073】次に、第2の情報層14上に中間層15を
形成する(工程(b))。図3に示すように、この実施
形態では、中間層15の第1の基板11側の表面にトラ
ッキング制御用のグルーブを形成する場合について説明
する。まず、第4の誘電体層25上に、中間層15の材
料となる硬化前の紫外線硬化性樹脂を塗布する。紫外線
硬化性樹脂は、たとえばスピンコート法で塗布できる。
次に、トラッキング制御用のグルーブの形状が転写され
た透明な基板(たとえばポリカーボネート基板)を用意
する。そして、この基板のグルーブが形成された面を樹
脂に密着させたのち、紫外線を照射して紫外線硬化性樹
脂を硬化させ、グルーブを転写する。その後、基板を剥
離することによって、トラッキング制御用のグルーブが
形成された中間層15を形成できる。
【0074】次に、中間層15上に、第1の情報層13
を形成する(工程(c))。以下に、第1の情報層13
の形成方法について説明する。
【0075】まず、中間層15上に、第3の誘電体層2
4、第4の界面層23、第1の反射層22、第3の界面
層21、第2の誘電体層20、および第2の界面層19
を順に形成する。これらの層は、第2の情報層14で説
明した方法で形成できる。
【0076】次に、第2の界面層19上に第1の記録層
18を形成する。第1の記録層18の組成は、実施形態
1で説明したものと同様である。第1の記録層18は、
GeとSnとSbとTeとを含む母材を用いて厚さが9
nm以下となるように形成される。具体的には、Ge−
Sn−Sb−Te合金の母材をスパッタリングすること
によって形成できる。また、Ge、Sn、SbおよびT
eの4つの母材を4つの電源を用いて同時にスパッタリ
ングすることによっても形成できる。また、Ge、S
n、Sb、Teのうち複数を含む化合物からなる母材を
用いてもよい。スパッタリングガスには、Arガス、K
rガス、Arガスと反応性ガスとの混合ガス、またはK
rガスと反応性ガスとの混合ガスを用いることができ
る。第1の記録層18は、0.1nm/秒〜10nm/
秒の範囲内の成膜速度で形成することが好ましい。成膜
速度は、電極に印加するパワーによって制御できる。成
膜速度を0.1nm/秒以上とすることによって、スパ
ッタリングガスが記録層に過剰に混入することを防止で
きる。また、成膜速度を10nm/秒以下とすることに
よって、記録層の厚さの制御が容易になる。
【0077】上記方法によれば、母材の組成や形状に依
らず、形成された第1の記録層18について反応性ガス
成分を除いた組成が、(Ge−Sn)ASbBTe3+A
なっていれば、特に優れた情報記録媒体が得られる。
【0078】次に、第1の記録層18上に、第1の界面
層17および第1の誘電体層16を順に形成する。これ
らは、上述した方法で形成できる。第1の誘電体層16
を形成したのちに、第1の記録層18にレーザビームを
照射して、第1の記録層18の全体を結晶化する初期化
工程を行ってもよい。
【0079】その後、第1の情報層13上に、第1の基
板11を接着する(工程(d))。まず、第1の誘電体
層16上に、硬化前の樹脂を塗布する。樹脂には、紫外
線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂を用いることができ
る。樹脂は、スピンコート法などによって塗布できる。
この樹脂は、硬化によって接着層36となる。接着層3
6の厚さは、5μm〜40μmの範囲内であることが好
ましい。その後、硬化前の樹脂上に第1の基板11を密
着させ、紫外線や電子線を照射することによって樹脂を
硬化させる。このようにして、接着層36によって第1
の誘電体層16と第1の基板11とを接着する。なお、
接着層36の材料として、遅効性樹脂を用いてもよい。
また、第1の基板11上に、傷を防止するためのハード
コート層を形成してもよい。ハードコート層は、たとえ
ば紫外線硬化性樹脂によって形成できる。
【0080】このようにして、実施形態1で説明した情
報記録媒体を製造できる。なお、実施形態1で説明した
情報記録媒体は、他の方法でも製造できる。たとえば、
第1の基板11上に第1の情報層13を形成し、第2の
基板12上に第2の情報層14を形成し、これらを中間
層15を介して貼りあわせてもよい。各層については、
上述した方法で形成できる。
【0081】(実施形態3)実施形態3では、本発明の
情報記録媒体の記録再生方法について説明する。
【0082】本発明の記録再生方法に用いる記録再生装
置について一例を図4に示す。図4を参照して、記録再
生装置40は、情報記録媒体10を回転させるスピンド
ルモータ41と光ヘッド42とを備える。光ヘッド42
は、レーザビーム43を出射する半導体レーザ44と、
レーザビーム43を集光する対物レンズ45と、情報記
録媒体10によって反射されたレーザビーム43を検出
するフォトダイオード(図示せず)とを備える。
【0083】情報記録媒体10は、実施形態1で説明し
た本発明の情報記録媒体である。レーザビーム43の波
長は、390nm〜430nmの範囲内である。対物レ
ンズ45は、開口数が0.4〜1.1の範囲内である。
【0084】実施形態3の記録再生方法では、情報記録
媒体10を1m/秒〜50m/秒の範囲内の線速度にな
るように回転させることによって情報の記録、再生、お
よび消去を行うことが好ましい。
【0085】情報記録媒体10がトラッキング制御用の
グルーブを備える場合、情報は、グルーブ11aの部分
のみに記録してもよいし、ランド11bの部分のみに記
録してもよい(図1参照)。また、情報は、グルーブ1
1aとランド11bの両方に記録してもよい。たとえ
ば、第1の情報層13および第2の情報層14にともに
グルーブが形成されている場合、第1の情報層13/第
2の情報層14への情報記録は、グルーブ記録/グルー
ブ記録、グルーブ記録/ランド記録、ランド記録/グル
ーブ記録、またはランド記録/ランド記録のいずれでも
よい。
【0086】情報は、照射するレーザビーム43を高い
方のピークパワーPp(mW)と低い方のバイアスパワ
ーPb(mW)とに変調させることによって記録する。
Ppのレーザビームの照射によって非晶質相が形成さ
れ、これが記録マークとなる。記録マーク間には、Pb
のレーザビームの照射によって、結晶相が形成される。
【0087】第1の情報層13を記録再生する際には、
第1の記録層18に焦点を合わせてレーザビーム43を
照射する。情報の再生は、第1の記録層18から反射し
てきたレーザビーム43を検出することによって行う。
第2の情報層14を記録再生する際には、第2の記録層
27に焦点を合わせてレーザビーム43を照射する。情
報の再生は、第2の記録層27によって反射され、中間
層15と第1の情報層13とを透過してきたレーザビー
ム43を検出することによって行う。
【0088】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。
【0089】(実施例1)実施例1では、記録層の材料
と特性との関係について評価した。まず、図5に示すサ
ンプル50を作製した。図5のサンプル50は、第1の
基板51上に形成された第1の情報層13aを備える。
第1の情報層13aは、接着層52によってダミー基板
53に接着されている。以下に、サンプル50の作製方
法を説明する。
【0090】まず、基板51として、12mm×18m
mのポリカーボネート基板(厚さ:0.6mm)を用意
した。そして、基板51上に、第1の誘電体層16(厚
さ:90nm)、第1の界面層17(厚さ:3nm)、
第1の記録層18、第2の界面層19(厚さ:3n
m)、第2の誘電体層20(厚さ:36nm)、第3の
界面層21(厚さ:3nm)、および第1の反射層22
(厚さ:10nm)を順にスパッタリング法によって形
成した。
【0091】実施例1では、各誘電体層にZnS−Si
2(SiO2:20mol%)を用い、各界面層にGe
−Nを用い、第1の反射層22にAg合金を用いた。ま
た、第1の記録層18は、組成式(Ge−Sn)4Sb2
Te7で表される材料(GeとSnの含有量が合計で3
0.8原子%)で形成した。第1の記録層18は、初期
化は行わず、非晶質状態のままとした。実施例1では、
第1の記録層18中のGeの含有量X(原子%)とSn
の含有量Y(原子%)とを変化させて複数のサンプルを
作製した。
【0092】第1の記録層18の厚さは、3nm〜12
nmの範囲内で変化させた。第1および第2の誘電体層
16および20の厚さは、波長405nmにおける第1
の記録層18の反射率変化が大きく且つ第1の記録層1
8の光吸収率が大きくなるように、マトリクス法に基づ
く計算によって決定した。
【0093】各誘電体層は、ZnS−SiO2の母材
(直径100mm、厚さ6mm)をAr雰囲気中で高周
波スパッタリング(パワー:400W)することによっ
て形成した。各界面層は、Geの母材(直径100m
m、厚さ6mm)をArガスと窒素ガスとの混合ガス雰
囲気中で高周波スパッタリング(パワー:300W)す
ることによって形成した。第1の記録層18は、Ge−
Sn−Sb−Te合金の母材(直径100mm、厚さ6
mm)をArガス雰囲気中で直流スパッタリング(パワ
ー:50W)することによって形成した。第1の記録層
18の成膜速度は、0.5nm/秒であった。第1の反
射層22は、銀合金の母材(直径100mm、厚さ6m
m)を直流スパッタリング(パワー:200W)するこ
とによって形成した。
【0094】次に、第1の反射層22上に、接着層52
となる紫外線硬化性樹脂を塗布し、ダミー基板53を密
着させて樹脂を硬化させ、第1の反射層22とダミー基
板53とを接着層52で接着した。初期化は行わず、第
1の記録層18は、成膜後の非晶質相(as−depo
非晶質相)のままとした。このようにして、複数のサン
プル50を作製した。
【0095】このようにして作製したサンプルについ
て、図6に示す評価装置を用いて評価を行った。図6の
評価装置は、ステージ61と光ヘッド62とを備える。
光ヘッド62は、波長405nmのレーザビーム63を
出射する半導体レーザ64と、開口数が0.65の対物
レンズ65とを備える。
【0096】次に、サンプルの評価方法について説明す
る。まず、サンプル50をステージ61に固定した。そ
して、サンプル50に、3.5mWで500nsのパル
スレーザを照射し、第1の記録層18をas−depo
非晶質相から結晶相に変化させた。次に、サンプル50
に、7mWで40nsのパルスレーザを照射し、第1の
記録層18を結晶相から一旦溶かして非晶質相に変化さ
せた。その後、3mWのパルスレーザを、照射時間が1
0ns〜500nsの範囲内で照射し、非晶質相を結晶
相に変化させるのに必要な時間を測定した。なお、相変
化が生じたかどうかは、反射率で決定した。測定結果を
表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】表1中、結晶化時間とは、非晶質相を結晶
相に変化させるのに必要とされるレーザの照射時間であ
る。この結晶化時間が短いほど、第1の記録層18の結
晶化速度が速い。
【0099】表1に示すように、Snの濃度が高くなる
ほど結晶化時間が短くなる傾向があった。また、記録層
が薄くなるほど、その傾向が大きくなった。このよう
に、記録層が薄い場合であっても、Ge−Sb−Teに
Snを添加することによって、結晶化時間を短くでき
た。
【0100】(実施例2)実施例2では、図1に示した
第1の情報層13を作製し、その透過率を測定した。
【0101】まず、第1の基板11として、直径120
mmで厚さ0.1mmのポリカーボネート基板を用意し
た。そして、この基板上に、第1の誘電体層16(厚
さ:110nm)、第1の界面層17(厚さ:3n
m)、第1の記録層18、第2の界面層19(厚さ:3
nm)、第2の誘電体層20(厚さ:22nm)、第3
の界面層21(厚さ:3nm)、第1の反射層22(厚
さ:10nm)、第4の界面層23(厚さ:3nm)、
および第3の誘電体層24(厚さ:17nm)を順にス
パッタリング法によって形成した。第1の記録層18の
厚さは、3nm〜12nmの範囲内で変化させた。第1
および第2の誘電体層16および20の厚さは、波長4
05nmにおける第1の記録層18の反射率変化が大き
く且つ第1の記録層18の光吸収率が大きくなるよう
に、マトリクス法に基づく計算によって決定した。ま
た、第3の誘電体層24の厚さは、第1の情報層13の
記録・再生特性に影響を与えることなく第1の情報層1
3の透過率が高くなるように決定した。
【0102】各界面層には、実施例1と同様にGe−N
を用いた。各誘電体層には、実施例1と同様にZnS−
SiO2(SiO2:20mol%)を用いた。第1の記
録層18には、組成式(Ge−Sn)4Sb2Te7(G
e:20.8原子%、Sn:10原子%)で表される材
料を用いた。
【0103】このようにして得られた第1の情報層13
を、紫外線硬化性樹脂を用いてダミー基板に貼りあわせ
た。このようにして、透過率測定用のサンプルを得た。
【0104】これらのサンプルについて、第1の記録層
18が非晶質相であるときの透過率Taを測定した。そ
の後、第1の記録層18を結晶化して、透過率Tcを測
定した。透過率は、波長405nmにおける値を分光器
で測定した。測定結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】第2の情報層14に十分な量のレーザビー
ムを入射させるには、第1の情報層13の透過率が、4
0≦(Tc+Ta)/2を満たすことが好ましい。表2
から明らかなように、第1の記録層18の厚さを9nm
以下とすることによってこの条件を満たすことができ、
6nm以下とすることによって、50≦(Tc+Ta)
/2を満たすことができる。したがって、第1の記録層
18の厚さは、9nm以下が好ましい。
【0107】(実施例3)実施例3では、図1に示した
情報記録媒体10を製造し、第1の記録層18の組成お
よび厚さと、特性との関係について調べた。
【0108】まず、第1の基板11として、直径120
mmで厚さ0.1mmのポリカーボネート基板を用意し
た。そして、この基板上に、第1の誘電体層16(厚
さ:45nm)、第1の界面層17(厚さ:3nm)、
第1の記録層18、第2の界面層19(厚さ:3n
m)、第2の誘電体層20(厚さ:11nm)、第3の
界面層21(厚さ:3nm)、第1の反射層22(厚
さ:10nm)、第4の界面層23(厚さ:3nm)、
および第3の誘電体層24(厚さ:23nm)を順にス
パッタリング法によって形成した。第1の記録層18の
厚さは、3nm〜9nmの範囲内で変化させた。
【0109】界面層および誘電体層については、それぞ
れ、実施例2のサンプルと同様の材料で形成した。第1
の記録層18は、組成式(Ge−Sn)4Sb2Te7
表される材料を用い、Snの含有量を0〜20原子%の
範囲で変化させた。各層は、実施例1と同様の方法で作
製した。
【0110】次に、第2の基板12として、直径120
mmで厚さ1.1mmのポリカーボネート基板を用意し
た。そして、この基板上に、第2の反射層31(厚さ:
80nm)、第7の界面層30(厚さ:3nm)、第5
の誘電体層29(厚さ:11nm)、第6の界面層28
(厚さ:3nm)、第2の記録層27(厚さ:12n
m)、第5の界面層26(厚さ:3nm)、および第4
の誘電体層25(厚さ:65nm)をスパッタリング法
によって形成した。各誘電体層の厚さは、第2の記録層
27の記録・再生特性がよくなるように、マトリクス法
に基づく計算によって決定した。
【0111】第2の反射層31には、Ag合金を用い
た。各界面層には、Ge−Nを用いた。各誘電体層に
は、ZnS−SiO2(SiO2:20mol%)を用い
た。第2の記録層27には、組成式Ge4Sb2Te7
表される材料を用いた。誘電体層、界面層および反射層
は、それぞれ、実施例1で説明した方法で形成した。第
2の記録層27は、Ge−Sb−Te合金の母材をAr
ガスとN2ガスとの混合ガス雰囲気中で直流スパッタリ
ング(パワー:100W)することによって形成した。
【0112】次に、第1の記録層18と第2の記録層2
7とを、それぞれ初期化、すなわち結晶化した。その
後、第1の情報層13と第2の情報層14とを紫外線硬
化性樹脂を用いて接着した。このようにして、第1の記
録層18の組成および厚さが異なる複数のサンプルを作
製した。
【0113】このようにして得られたサンプルについ
て、記録マークの消去率と、CNR(Carrier
to Noise Ratio)とを測定した。この測
定には、図4に示した記録再生装置を用いた。具体的に
は、波長が405nmのレーザビームを用い、開口数が
0.85の対物レンズを用いた。消去率およびCNR測
定時における情報記録媒体10の線速度は、8.6m/
sとした。信号は、ランド部分(図1のランド11b参
照)に記録した。測定結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】情報記録媒体では、消去率は20dB以上
であることが好ましく、30dB以上であることがより
好ましい。また、CNRは、40dB以上であることが
好ましく、50dB以上であることがより好ましい。
【0116】表3に示すように、Snを添加していない
サンプル3−1〜3−7では、消去率およびCNRがと
もに低く、特に、層厚が6nm以下の場合には消去率が
10dB以下であった。Snを添加すると消去率が向上
し、厚さが6nmで10原子%のSnを含有する第1の
記録層18を用いたサンプル3−18では、消去率が3
4dBでCNRが52dBという良好な結果が得られ
た。
【0117】実施例3の結果では、Geの含有量X(原
子%)と、Snの含有量Y(原子%)とが、約X/5≦
Y≦約2Xを満たす場合に、良好な記録消去特性が得ら
れた。特に、約X/2≦Y≦約Xを満たす場合には、消
去率およびCNRがともに優れた特性を示した。
【0118】なお、実施例3の結果は、情報記録媒体の
線速度が8.6m/sの場合の結果であり、線速度を遅
くすると消去率およびCNRは高くなる。
【0119】なお、実施形態2の製造方法で情報記録媒
体10aを作製し、本実施例を実施したところ同様の結
果が得られた(以下の実施例5、6、7、8、10およ
び11についても、同様であった)。
【0120】(実施例4)実施例4では、第1の記録層
18が異なることを除いて実施例1と同様のサンプルを
作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0121】実施例4では、第1の記録層18の厚さを
6nmとし、組成式(Ge−Sn) ASb2Te3+Aで表
される材料を用いた。そして、Aの値を変化させた複数
のサンプルを作製し、組成と結晶化時間との関係を評価
した。Snの含有量Y(原子%)は、Geの含有量X
(原子%)の約半分とした。結晶化時間の測定結果を表
4に示す。
【0122】
【表4】
【0123】表4から明らかなように、Aの値を大きく
すると結晶化時間が長くなる傾向があることがわかっ
た。
【0124】(実施例5)実施例5では、第1の記録層
18が異なることを除いて実施例3と同様のサンプルを
作製し、実施例3と同様の方法でCNRおよび消去率を
測定した。第1の記録層18は、厚さを6nmとし、組
成式(Ge−Sn)ASb2Te3+Aで表される材料を用
いて形成した。そして、Aの値を変化させた複数のサン
プルを作製した。Snの含有量Y(原子%)は、Geの
含有量X(原子%)の約半分とした。測定結果を表5に
示す。
【0125】
【表5】
【0126】表5に示すように、Aの値が小さいとCN
Rが低くなり、Aの値が大きいと消去率が低下する傾向
があった。この傾向は、実施例4の結果と一致してい
る。実施例5の記録層を用いた場合には、Aが、2≦A
≦10を満たすことが好ましい。
【0127】(実施例6)実施例6では、第1の記録層
18が異なることを除いて実施例3と同様のサンプルを
作製し、実施例3と同様の方法でCNRおよび消去率を
測定した。第1の記録層18は、厚さを6nmとし、組
成式(Ge−Sn)ASb2Te3+Aで表される材料を用
いて形成した。そして、Aの値を変化させた複数のサン
プルを作製した。実施例5とは異なり、Snの含有量Y
(原子%)は、Geの含有量X(原子%)とほぼ同じと
した。測定結果を表6に示す。
【0128】
【表6】
【0129】表6から明らかなように、実施例6の記録
層を用いた場合には、Aが、2≦A≦22を満たすこと
が好ましい。
【0130】(実施例7)実施例7では、第1の記録層
18が異なることを除いて実施例3と同様のサンプルを
作製した。第1の記録層18は、膜厚を6nmとし、組
成式(Ge−Sn)22SbBTe25で表される材料で形
成した。実施例7では、Bの値を変えた複数のサンプル
を作製した。
【0131】これらのサンプルについて、図5の装置を
用いてサイクル寿命回数(以下、記録サイクル性能とい
う場合がある)と、記録保存性とを評価した。サイクル
寿命回数は、3T信号とランダム信号とを繰り返し記録
し、3T信号が3dB低下するまでの回数とした。記録
保存性は、3T信号を記録したサンプルを温度が90℃
で相対湿度が20%の環境下に100時間放置し、3T
信号の振幅の低下を測定して評価した。評価結果を表7
に示す。
【0132】
【表7】
【0133】表7中、A1〜D1はサイクル寿命回数を
示す。具体的には、D1<1000、1000≦C1<
5000、5000≦B1<10000、10000≦
A1である。また、A2〜E2は、3T信号の振幅の低
下量を示す。具体的には、3dB≦D2、1dB≦C2
<3dB、0dB<B2<1dB、A2=0dBであ
る。また、E2は、結晶化速度が遅く、消去率が10d
B未満であったことを示す。
【0134】表7に示すように、記録層中のSbの濃度
が高い方がサイクル性能が向上した。また、Sbの濃度
とSnの濃度とをともに増やすことによって、サイクル
性能と記録保存性とがともに良好になる組成範囲が広が
った。したがって、実施例7の記録層(A=22)を用
いる場合、Snの含有量Y(原子%)とBとが、それぞ
れ、0<Y≦25、2≦B≦4を満たすことが好まし
い。
【0135】(実施例8)実施例8では、第1の記録層
18の組成のみが実施例7とは異なるサンプルを作製
し、実施例7と同様の測定を行った。具体的には、組成
式(Ge−Sn)2SbBTe5で表される材料を用いて
第1の記録層18を形成した。その結果、実施例8の記
録層(A=2)を用いた場合、BおよびYが、それぞ
れ、2≦B≦4、0<Y≦15を満たすことが好ましか
った。
【0136】(実施例9)実施例9では、第1の記録層
18および第1の反射層22が異なることを除いて実施
例2と同様のサンプルを作製した。具体的には、第1の
記録層18は、組成式が(Ge−Sn)4Sb2Te7
表される材料を用い、膜厚を1nm〜9nmの範囲内で
変化させた。第1の反射層22にはAg合金を用い、厚
さを3、5、7、10、12、15、17、20nmと
した。
【0137】作製した複数のサンプルについて、反射
率、透過率、および3T信号の振幅を測定した。その結
果、第1の反射層22の厚さは、5nm〜15nmの範
囲内であることが好ましく、8nm〜12nmの範囲内
であることがより好ましいことがわかった。第1の反射
層22がない場合には、第1の情報層13の反射率が低
下した。また、第1の反射層22が5nmより薄いと、
熱の拡散機能が低下して3T信号の振幅が小さくなっ
た。また、15nmより厚いと、第1の情報層13の透
過率が低下した。
【0138】(実施例10)実施例10では、第1の記
録層18および情報信号の記録位置を変化させたことを
除いて実施例3と同様の方法でサンプルを作製した。具
体的には、第1の記録層18は、厚さを6nmとし、組
成式が(Ge−Sn)4Sb2Te7(ただし、Sn:1
0原子%)で表される材料で形成した。情報は、トラッ
キング制御のために形成したグルーブ(レーザビームの
入射側に近い方の溝面)またはランド(レーザビームの
入射側から遠い方の溝面)のいずれかに記録した。
【0139】これらのサンプルの第1の情報層13の透
過率は、平均で50%であった。これらのサンプルにつ
いて消去率とCNRとを実施例3と同様の方法で測定し
た。なお、実施例10では、記録マーク(非晶質相)を
形成する際のレーザビームのパワーPpと、結晶相を形
成する際のレーザビームのパワーPbとについても変化
させた。測定結果を表8に示す。
【0140】
【表8】
【0141】表8から明らかなように、第1の情報層1
3の記録位置がグルーブの部分であるかランドの部分で
あるか、および第2の情報層14の記録位置がグルーブ
の部分であるかランドの部分であるかに拘わらず、30
dB≦(消去率)、および50dB≦CNRの良好な結
果が得られた。すなわち、信号の記録位置に拘わらず、
第1の情報層13および第2の情報層14の特性はとも
に良好であった。
【0142】(実施例11)実施例11では、第1の記
録層18および第2の記録層27の形成方法とが異なる
ことを除いて、実施例3のサンプル3−18と同様にサ
ンプルを作製した。具体的には、第1の記録層18およ
び第2の記録層27は、クリプトンガス雰囲気中で直流
スパッタリングを行うことによって形成した。このよう
にして得られたサンプルについて、ランド部分(図1の
ランド11b参照)に信号を記録し、記録サイクル性能
を評価した。記録サイクル性能の評価では、3T信号の
CNRを測定することによって行い、初期のCNR値か
ら3dB低下するまでの回数を記録サイクル寿命とし
た。評価結果を表9に示す。
【0143】
【表9】
【0144】表9から明らかなように、アルゴンガス雰
囲気中で記録層を形成したサンプル3−18に比べて、
クリプトンガス雰囲気中で記録層を形成したサンプル9
−1は、サイクル性能が約1.5倍に改善された。
【0145】(実施例12)実施例12では、Sbおよ
びSnの添加が、結晶化温度および結晶化時間に与える
影響を調べた。結晶化温度測定用に石英基板上に第1の
記録層18として(Ge−Sn)4SbBTe7層を6n
m成膜し、その上にGe−N層を5nm成膜した。A=
4で一定とし、BとYの値を変えたサンプルを5種類製
造した。これらのサンプルについて、結晶化温度を測定
した。結晶化温度は、結晶化に伴う急激な透過率低下が
生じた温度で定義した。透過率変化は、サンプルをレー
ザビームで昇温しながら測定した。結晶化時間は、実施
例1と同様に、図5のサンプル50を作製し、図6の評
価装置を用いて測定した。その際、結晶化温度測定用の
サンプルと第1の記録層18の組成が同じであるサンプ
ルを5種類測定した。第1の記録層18の厚さは6nm
とした。測定結果を表10に示す。
【0146】
【表10】
【0147】試料番号1−4、1−24、1−34を比
較すると、B=2でSnのみ添加すると、結晶化時間
は、90ns→50ns→20nsと短くなり、それに
伴って、結晶化温度は200℃→180℃→170℃
と、30℃低下した。結晶化温度の低下は、記録マーク
の熱的な安定性を損なう。これに対し、Sbを増やして
B=3にすると、結晶化時間は90ns→55ns→2
2nsとほぼ同等に短くなるが、結晶化温度は200℃
→195℃→185℃と、15℃の低下に抑えられた。
このように、Snのみ添加するよりも、SbとSnを添
加した方が、熱安定性を確保しつつ、結晶化時間を短く
することが可能となる。
【0148】(実施例13)実施例13では、第1の情
報層のTc、Taおよび|ΔT|/Tc(ここで、ΔT
=Tc−Ta)の値と第2の情報層の記録特性との関係
を調べた。
【0149】図3の情報記録媒体10aを実施形態2の
方法に準じて製造した。製造したサンプルについて図4
の評価装置を用いて、第1の情報層13が初期状態(全
面結晶)または記録状態(結晶状態と非晶質状態の混
在)である場合の第2の情報層14の記録感度の変化を
測定した。第1の誘電体層16、第2の誘電体層20、
および第3の誘電体層24の厚さを変えて、Tcおよび
Taが異なる情報記録媒体10aを製造した。
【0150】まず、第2の基板12として、直径120
mmで厚さ1.1mmのポリカーボネート基板を用意し
た。そして、この基板上に、第2の情報層14を形成し
た。具体的には、第2の反射層31(厚さ:80n
m)、第7の界面層30(厚さ:3nm)、第5の誘電
体層29(厚さ:11nm)、第6の界面層28(厚
さ:3nm)、第2の記録層27(厚さ:12nm)、
第5の界面層26(厚さ:3nm)、および第4の誘電
体層25(厚さ:65nm)を、順にスパッタリング法
によって形成した。第2の記録層27は、組成式Ge8
Sb2.6Te11で表される材料で形成した。その他の層
は、実施例3のサンプルと同様の材料で形成した。
【0151】次に、第2の情報層14にレーザビームを
照射することによって、第2の記録層27を非晶質相か
ら結晶相に変化させる初期化を行った。
【0152】次に、第4の誘電体層25上に、グルーブ
が転写された中間層15を紫外線硬化性樹脂で形成し
た。
【0153】次に、中間層15上に第1の情報層13を
形成した。具体的には、第3の誘電体層24、第4の界
面層23(厚さ:3nm)、第1の反射層22(厚さ:
10nm)、第3の界面層21(厚さ:3nm)、第2
の誘電体層20、第2の界面層19(厚さ:3nm)、
第1の記録層18(厚さ:6nm)、第1の界面層17
(厚さ:3nm)、および第1の誘電体層16を順にス
パッタリング法によって形成した。次に、第1の情報層
13にレーザビームを照射することによって、第1の記
録層18を非晶質相から結晶相に変化させる初期化を行
った。
【0154】第1の記録層18は、組成式(Ge−S
n)8Sb2Te11(Sn:10原子%)で表される材料
で形成した。その他の層については、実施例3と同様の
材料で形成した。
【0155】次に、紫外線硬化性樹脂を用いて、第1の
情報層13と第1の基板11とを接着した。第1の基板
11には、直径が120mmで厚さが0.09mmのポ
リカーボネート基板を用いた。接着層36の厚さと第1
の基板11の厚さとの合計は、0.1mmであった。
【0156】図4の評価装置を用いて、第1の情報層1
3が初期化状態の時、第2の情報層14に線速度5m/
sで3T信号をグルーブの部分に記録した。50dBの
CNRが得られるPp(mW)とPb(mW)とを測定
した。次に、第1の情報層13のグルーブの部分に3T
信号を記録し、その記録部分を透過したレーザビームが
集光する、第2の情報層14のグルーブの部分に3T信
号を記録し、測定した。
【0157】TcおよびTaは、第1の情報層13のみ
を成膜したディスク試料を作製して、実施例2と同様に
分光器で測定した。測定結果を表11に示す。
【0158】なお、表中のD1、D2およびD3は、そ
れぞれ、第1、第2および第3の誘電体層16、20お
よび24の厚さを示している。
【0159】
【表11】
【0160】表11に示すように、|ΔT|/Tcが小
さい方が、第2の情報層14は、第1の情報層13の状
態に依らず、記録感度変化が小さいことが検証できた。
また、ユーザが情報記録媒体を使用して、新しいファイ
ルを保存していくにつれて、記録された領域が増えてい
くので、透過率の低下が伴わないようにTc<Taを満
足することがより好ましい。サンプル11−3は、(T
c+Ta)/2=41(%)で透過率が小さく、且つ、
|ΔT|/Tc=0.16でTcとTaとの差が大きい
構成である。この構成では、第1の情報層13が初期化
状態での、第2の情報層14の記録感度が13mW近く
あり、透過率はほぼ下限であると考えられた。また、T
cとTaとの差が大きいので、第1の情報層13が記録
状態の場合には、第2の情報層14の3T信号の振幅に
ムラが生じた。よって、|ΔT|/Tcは、0.15以
下であることが好ましく、0.05以下であることがよ
り好ましい。
【0161】なお、本実施例では、第1の情報層13お
よび第2の情報層14の初期化は、第1の基板11を接
着する前に行ったが、初期化の工程は他の時期に行って
もよい。たとえば、第1の基板11を接着したのちに初
期化を行ってもよく、その場合でも、同様の結果と効果
が得られる。
【0162】(実施例14)実施例14では、マトリク
ス法に基づく計算を行い、第3の誘電体層24の材料お
よび厚さと、第1の情報層13の透過率との関係につい
て調べた。
【0163】計算は、ポリカーボネート基板/第1の誘
電体層16/第1の界面層17(厚さ:3nm)/第1
の記録層18(厚さ:6nm)/第2の界面層19(厚
さ:3nm)/第2の誘電体層20(厚さ:23nm)
/第3の界面層21(厚さ:3nm)/第1の反射層2
2(厚さ:10nm)/第4の界面層23(厚さ:3n
m)/第3の誘電体層24という構造を仮定して行っ
た。なお、第3の誘電体層24がない場合の計算では、
第4の界面層23もないものとして計算した。
【0164】第1の誘電体層16の厚さD1(nm)
と、第3の誘電体層24の材料および厚さを変化させた
ときのTc、Ta、AcおよびAaについて、計算を行
った。TcおよびAcは、それぞれ、第1の記録層18
が結晶相である場合の、第1の情報層13の透過率およ
び第1の記録層18の光吸収率を示す。また、Taおよ
びAaは、それぞれ、第1の記録層18が非晶質相であ
る場合の、第1の情報層13の透過率および第1の記録
層18の光吸収率を示す。計算結果を表12に示す。表
12の結果は、第1の記録層18が結晶相である場合の
第1の情報層13の反射率Rc(%)と、第1の記録層
18が非晶質相である場合の第1の情報層13の反射率
Ra(%)とが、Ra≦1、且つ5≦Rc/Raを満た
すように誘電体層の厚さを設定したときの値である。
【0165】
【表12】
【0166】表12に示すように、第3の誘電体層24
がない場合には、TcおよびTaは42%以下であっ
た。これに対し、第3の誘電体層24を形成することに
よって、TcおよびTaを45%以上とすることができ
た。また、屈折率が大きいほどTcおよびTaを大きく
できることが計算で確かめられた。透過率を50%以上
にするためには、屈折率が2.3以上の材料で第3の誘
電体層24を形成することが好ましい。
【0167】次に、計算結果を検証するために、実際に
第1の情報層13を作製して透過率を分光器で測定し
た。
【0168】第1の情報層13は、以下の方法で作製し
た。まず、直径120mmで厚さ1.1mmのポリカー
ボネート基板を用意した。この基板上に、第3の誘電体
層24、第4の界面層23(厚さ:3nm)、第1の反
射層22(厚さ:10nm)、第3の界面層21(厚
さ:3nm)、第2の誘電体層20(厚さ:23n
m)、第2の界面層19(厚さ:3nm)、第1の記録
層18(厚さ:6nm)、第1の界面層17(厚さ:3
nm)、および第1の誘電体層16を順に積層した。第
3の誘電体層24を除く誘電体層および界面層は、実施
例3のサンプルと同様の材料で形成した。第1の記録層
18は、組成式(Ge−Sn)8Sb2Te11(Sn:1
0原子%)で表される材料で形成した。そして、第3の
誘電体層24の材料および厚さ、ならびに第1の誘電体
層16の厚さを変化させた複数のサンプルを作製した。
また、比較のために、第4の界面層23および第3の誘
電体層24を形成しないサンプルも作製した。これらの
サンプルについて第1の情報層13の透過率Tcおよび
Taを測定した結果を表13に示す。
【0169】
【表13】
【0170】表13に示すように、ほぼ計算通りの結果
が得られた。サンプル13−7〜13−13では50%
以上の透過率が得られた。このように、第3の誘電体層
24を形成することによって、第1の情報層13の透過
率が飛躍的に向上した。
【0171】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
【0172】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報記録
媒体およびその製造方法によれば、2つの記録層を備え
高密度記録が可能な情報記録媒体が得られる。
【0173】また、本発明の記録再生方法によれば、高
密度記録が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の情報記録媒体について一例を示す一
部断面図である。
【図2】 本発明の情報記録媒体について第1の記録層
の組成範囲を示す図である。
【図3】 本発明の情報記録媒体について他の一例を示
す一部断面図である。
【図4】 本発明の記録再生方法に用いる記録再生装置
について一例の構成を模式的に示す図である。
【図5】 本発明の情報記録媒体の評価に用いたサンプ
ルの構成を示す一部断面図である。
【図6】 本発明の情報記録媒体の評価に用いた評価装
置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10、10a 情報記録媒体 11 第1の基板 11a 溝 11b ランド 12 第2の基板 13、13a 第1の情報層 14 第2の情報層 15 中間層 16 第1の誘電体層 17 第1の界面層 18 第1の記録層 19 第2の界面層 20 第2の誘電体層 21 第3の界面層 22 第1の反射層 23 第4の界面層 24 第3の誘電体層 25 第4の誘電体層 26 第5の界面層 27 第2の記録層 28 第6の界面層 29 第5の誘電体層 30 第7の界面層 31 第2の反射層 35、43、63 レーザビーム 36 接着層 40 記録再生装置 41 スピンドルモータ 42、62 光ヘッド 44、64 半導体レーザ 45、65 対物レンズ 50 サンプル 51 基板 52 接着層 53 ダミー基板 61 ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 G11B 7/24 531Z 533 533H 533L 535 535C 535H 538 538F 541 541B 541D B41M 5/26 7/004 Z G11B 7/004 7/26 7/26 B41M 5/26 X (72)発明者 山田 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA04 EA23 EA32 EA43 FA02 FA11 FA12 FA21 FB05 FB06 FB09 FB12 FB30 GA01 GA03 5D029 HA04 JA01 JB13 JB18 JB31 JB35 JB46 JB47 JC04 KB03 LB04 LB11 LC06 MA14 MA15 NA15 NA21 RA01 RA12 RA50 5D090 AA01 BB05 BB12 CC12 CC14 DD01 EE01 EE05 FF11 FF21 GG10 KK06 KK20 5D121 AA01 AA03 AA07 DD20 EE03 EE07 EE17 EE18

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板と、前記第1の基板に対向す
    るように配置された第2の基板と、前記第1の基板と前
    記第2の基板との間に配置された第1の情報層と、前記
    第1の情報層と前記第2の基板との間に配置された第2
    の情報層と、前記第1の情報層と前記第2の情報層との
    間に配置された中間層とを備え、 前記第1の情報層が、前記第1の基板側から照射される
    レーザビームによって結晶相と非晶質相との間で可逆的
    に相変態を起こす第1の記録層を含み、 前記第2の情報層が、前記レーザビームによって結晶相
    と非晶質相との間で可逆的に相変態を起こす第2の記録
    層を含み、 前記第1の記録層が、GeとSnとSbとTeとを含み
    且つ厚さが9nm以下であることを特徴とする情報記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 前記第1の記録層が、組成式 (Ge−Sn)ASbBTe3+A (ただし、2≦A≦22、2≦B≦4)で表される材料
    からなる請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第1の記録層中のSnの含有量が2
    5原子%以下である請求項1または2に記載の情報記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 前記第1の記録層が結晶相である場合の
    前記第1の情報層の透過率Tc(%)と、前記第1の記
    録層が非晶質相である場合の前記第1の情報層の透過率
    Ta(%)とが、波長390nm〜430nmの範囲内
    のレーザビームに対して、40≦(Tc+Ta)/2を
    満たす請求項1ないし3のいずれかに記載の情報記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 前記透過率Tc(%)と前記透過率Ta
    (%)とが、波長390nm〜430nmの範囲内のレ
    ーザビームに対して、0≦|Tc−Ta|/Tc≦0.
    15を満たす請求項4に記載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記第1の情報層が第1および第2の誘
    電体層と第1の反射層とをさらに含み、前記第1の反射
    層、前記第2の誘電体層、前記第1の記録層、および前
    記第1の誘電体層が、前記中間層側から前記第1の基板
    側に向かってこの順序で配置されている請求項1ないし
    5のいずれかに記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記第1の情報層が、前記第1の反射層
    と前記中間層との間に配置された第3の誘電体層をさら
    に備える請求項6に記載の情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記第3の誘電体層の屈折率が、波長3
    90nm〜430nmの光に対して2.3以上である請
    求項7に記載の情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記中間層にトラッキング制御用のグル
    ーブが形成されている請求項1ないし8のいずれかに記
    載の情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記第1の情報層が、前記第1の誘電
    体層と前記第1の記録層との間の界面、前記第1の記録
    層と前記第2の誘電体層との間の界面、前記第2の誘電
    体層と前記第1の反射層との間の界面、および、前記第
    1の反射層と前記第3の誘電体層との間の界面から選ば
    れる少なくとも1つの界面に配置された界面層をさらに
    備える請求項7に記載の情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記第1の反射層の厚さが、5nm〜
    15nmの範囲内である請求項6に記載の情報記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 前記第1の基板の厚さが10μm〜7
    00μmの範囲内である請求項1ないし11のいずれか
    に記載の情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記第1の基板にトラッキング制御用
    のグルーブが形成されている請求項12に記載の情報記
    録媒体。
  14. 【請求項14】 前記第2の基板の厚さが500μm〜
    1300μmの範囲内である請求項1ないし11のいず
    れかに記載の情報記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記第2の基板にトラッキング制御用
    のグルーブが形成されている請求項14に記載の情報記
    録媒体。
  16. 【請求項16】 前記第2の情報層が第4および第5の
    誘電体層と第2の反射層とをさらに含み、前記第2の反
    射層、前記第5の誘電体層、前記第2の記録層、および
    前記第4の誘電体層が、前記第2の基板側から前記中間
    層側に向かってこの順序で配置されている請求項7に記
    載の情報記録媒体。
  17. 【請求項17】 前記第2の情報層が、前記第4の誘電
    体層と前記第2の記録層との間の界面、前記第2の記録
    層と前記第5の誘電体層との間の界面、および、前記第
    5の誘電体層と前記第2の反射層との間の界面から選ば
    れる少なくとも1つの界面に配置された界面層をさらに
    備える請求項16に記載の情報記録媒体。
  18. 【請求項18】 第1および第2の基板と、第1および
    第2の情報層と、中間層とを備える情報記録媒体の製造
    方法であって、 (a)前記第2の基板上に前記第2の情報層を形成する
    工程と、 (b)前記第2の情報層上に前記中間層を形成する工程
    と、 (c)前記中間層上に前記第1の情報層を形成する工程
    と、 (d)前記第1の情報層上に前記第1の基板を接着する
    工程とを含み、 前記第1の情報層が、前記第1の基板側から照射される
    レーザビームによって結晶相と非晶質相との間で可逆的
    に相変態を起こす第1の記録層を含み、 前記第2の情報層が、前記レーザビームによって結晶相
    と非晶質相との間で可逆的に相変態を起こす第2の記録
    層を含み、 前記(c)の工程は、前記第1の記録層を、GeとSn
    とSbとTeとを含む母材を用いて厚さが9nm以下と
    なるように形成する工程を含むことを特徴とする情報記
    録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記(c)の工程において、前記第1
    の記録層を、アルゴンガスまたはクリプトンガスを含む
    スパッタリングガスを用いたスパッタリング法で形成す
    る請求項18に記載の情報記録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記スパッタリングガスが、酸素およ
    び窒素から選ばれる少なくとも1つのガスをさらに含む
    請求項19に記載の情報記録媒体の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第1の記録層を、0.1nm/秒
    〜10nm/秒の範囲内の成膜速度で成膜する請求項1
    9または20に記載の情報記録媒体の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記(b)の工程は、前記中間層の表
    面にトラッキング制御用のグルーブを形成する工程を含
    む請求項18ないし21のいずれかに記載の情報記録媒
    体の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記第1の情報層が前記第1の記録層
    よりも前記中間層側に配置された第1の反射層をさらに
    含み、 前記(c)の工程が、前記第1の反射層を5nm〜15
    nmの範囲内となるように形成する工程を含む請求項1
    8ないし22のいずれかに記載の情報記録媒体の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 情報記録媒体にレーザビームを照射す
    ることによって情報信号の記録および再生を行う記録再
    生方法であって、 前記情報記録媒体が請求項1に記載の情報記録媒体であ
    り、 前記レーザビームは前記情報記録媒体の前記第1の情報
    層側から入射し、 前記情報記録媒体の前記第2の情報層では、前記第1の
    情報層を透過してきた前記レーザビームによって情報が
    記録再生され、 前記レーザビームの波長が390nm〜430nmの範
    囲内であることを特徴とする情報記録媒体の記録再生方
    法。
  25. 【請求項25】 情報を記録再生する際の前記情報記録
    媒体の線速度が、1m/秒〜50m/秒の範囲内である
    請求項24に記載の情報記録媒体の記録再生方法。
  26. 【請求項26】 前記レーザビームは、開口数NAが
    0.4〜1.1の範囲内の対物レンズで集光されたレー
    ザビームである請求項24に記載の情報記録媒体の記録
    再生方法。
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