JP2000187882A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2000187882A
JP2000187882A JP11035090A JP3509099A JP2000187882A JP 2000187882 A JP2000187882 A JP 2000187882A JP 11035090 A JP11035090 A JP 11035090A JP 3509099 A JP3509099 A JP 3509099A JP 2000187882 A JP2000187882 A JP 2000187882A
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JP11035090A
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Yutaka Kasami
裕 笠見
Yuji Kuroda
裕児 黒田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度、高転送レートに対応可能とし、
同時に良好なダイレクトオーバーライトを実現可能とす
る。 【解決手段】 基板上に反射層、記録層がこの順に積層
形成されるとともに、記録層上に厚さ0.3mm以下の
光透過層が形成され、上記光透過層側から記録再生光が
照射される光記録媒体である。この光記録媒体におい
て、上記記録層が結晶状態にあるときの吸収率Acとア
モルファス状態にあるときの吸収率Aaの比Ac/Aa
は1.1以上である。厚さ0.3mm以下の光透過層側
からの記録再生光の照射と吸収率制御とを併用すること
により、結晶とアモルファスの物理的性質の差が確実に
補償され、高線速化と良好なダイレクトオーバーライト
が同時に実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化型の光記録
媒体に関するものであり、高速ダイレクトオーバーライ
ト可能な相変化型光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】相変化記録材料を用いた書き換え可能な
光ディスクの実用例として、いわゆるDVD−RAMが
市販されており、線速6m/秒、ビット長0.41μm
/秒、トラックピッチ0.74μm、レーザ波長およそ
650nm、データ転送レート11Mbps、記録容量
2.6GBが実現されている。
【0003】これをさらに上回る大容量、高転送レート
を実現するためには、記録レーザのスポットサイズを小
さくし、記録線速を上げることが有効である。ここで、
記録レーザのスポットサイズを小さくする具体的手法と
しては、レーザ波長を短くする方法や、対物レンズの開
口数を大きくする方法が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スポッ
トサイズを小さくして記録線速を高くすると、相変化記
録に特有の問題であるダイレクトオーバーライト時のア
モルファスと結晶の吸収率の差に起因する波形歪みを助
長することになる。
【0005】すなわち、いわゆる相対的高線速記録にお
いては、既に書き込まれている記録マークに重ねて次の
マークがオーバーライトされる場合には、何も書かれて
いない結晶状態の部分に新しく書き込まれる場合より
も、記録マークが大きくなる傾向にある。これは、アモ
ルファスと結晶の物理的性質(光学定数、熱伝導度、溶
解時の潜熱の有無)の差によるものである。
【0006】したがって、通常の4層構造の相変化記録
ディスクでは、高密度、高転送レートを実現すること
は、事実上、困難である。
【0007】一方、光ディスクの記録密度を高める一手
段として、対物レンズの開口数NAを上げて光りスポッ
ト径を小さくする方法がある。しかしながら、対物レン
ズの開口数NAを上げると、例えばディスクの傾き、す
なわちスキューに対する許容度が小さくなり、光学シス
テムとして不安定となる。
【0008】この問題に対しては、透明基板の厚さを薄
くすることで対処可能であり、これによりスキューに対
する許容度を広げることができる。例えば、対物レンズ
の開口数NA=0.85に対し、透明基板の厚さを0.
1mmとすることによりスキューマージンを確保したま
ま高記録密度を得ることができる。
【0009】しかしながら、いわゆるコンパクトディス
ク(CD)等で用いられている射出成形法、すなわちイ
ンジェクション法で厚さ0.1mmの薄型透明基板を精
度良く作製することは、現状では困難である。また、仮
にこのような薄型透明基板が作製可能であるとしても、
非常に薄くて反りやすいために、成膜プロセスやUV保
護膜塗布工程等での取り扱いに多大な注意を要する。
【0010】そこで、これまで用いられてきた厚さ0.
3mm以上の基板、例えば厚さ1.2mmや0.6mm
の基板の上に、従来とは逆の順番、すなわち反射層、誘
電体層、記録層、誘電体層の順に成膜し、最後に厚さ
0.3mm以下(例えば厚さ0.1mm)の透明層(以
下、光透過保護層と呼ぶ。)を形成する方法が提案され
ている。光透過保護層は、スピンコートにより紫外線硬
化樹脂を塗布する方法や、厚さ0.1mmのシートを接
着する方法等により形成可能である。また、レーザビー
ムは光透過保護層側から入射する。
【0011】しかしながら、このように従来のものに比
べて非常に微細な(開口数NAの高い)光スポット径で
信号を記録する上記構造の光記録媒体の場合、記録線速
を高くしたとき、上述したアモルファスと結晶の吸収率
の差に起因する波形歪みがより顕著になり、従来の光学
系を用いたものよりも高転送レート化がさらに困難にな
るという問題がある。レーザ波長が400nm台の青色
レーザとなると、スポット径はより小さくなるので、高
記録線速化はさらに困難となる。
【0012】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、前記構造の光記録媒体におい
て、スポットサイズの微小化や記録線速の向上による高
記録密度、高転送レートに対応可能とし、良好なダイレ
クトオーバーライトを実現可能とすることを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の光記録媒体は、基板上に反射層、記録層
がこの順に積層形成されるとともに、記録層上に厚さ
0.3mm以下の光透過層が形成され、上記光透過層側
から記録再生光が照射される光記録媒体において、上記
記録層が結晶状態にあるときの吸収率Acとアモルファ
ス状態にあるときの吸収率Aaの比Ac/Aaが1.1
以上であることを特徴とする。
【0014】本発明は、厚さ0.3mm以下の光透過保
護層及び逆順成膜に特徴付けられる光ディスク構造と吸
収率制御とを併用するというのが基本的な考えであり、
これらを組み合わせることで、高記録密度(高NA化、
あるいは短波長化)且つ高記録線速においても結晶とア
モルファスの物理的性質の差が確実に補償され、良好な
ダイレクトオーバーライトが実現される。
【0015】通常の4層構造の光ディスクにおいては、
上記Ac/Aaは0.8〜0.9に設定されている。こ
れに対し、アモルファスの方が結晶より高い吸収率を光
学的薄膜の積層構成を制御することにより逆転させる,
いわゆる吸収率制御の手法は、既に提唱されているもの
であるが、厚さ0.3mm以下の光透過保護層及び逆順
成膜と組み合わせた例はない。
【0016】本発明では、上記構造の光記録媒体との併
用を考え、これまでの手法とは異なる見地から異なる範
囲(1.1以上)にAc/Aaを設定するものであり、
従来のものとは全く異なる技術と言える。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明を適用した光ディスクの最
も基本的な構成を示すもので、例えば厚さ0.3mm以
上の基板1上に、反射層2、記録層3、光透過保護層4
が順次形成されてなるものである。
【0019】したがって、この光ディスクでは、光透過
保護層4側から記録再生光が照射され、記録層3に対す
る記録・再生が行われる。
【0020】上述の構成の光ディスクにおいて、基板1
は、ポリカーボネート等のプラスチック材料を例えば射
出成型することにより作製される透明基板であり、記録
層3が形成される側の面に、案内溝等が形成されていて
もよい。あるいは、2Pレジン(紫外線硬化樹脂)を用
いたガラス2P法等により形成されてもよい。また、基
板1は必ずしも透明基板でなくともよく、その場合に
は、上記プラスチック材料ではなく、光を吸収する別の
材料を用いることもできる。
【0021】記録層3は、相変化材料よりなるものであ
り、相変化材料としては、カルコゲナイト、すなわちカ
ルコゲン化合物あるいは単体のカルコゲン等、公知のも
のがいずれも使用可能である。例示するならば、Te、
Seの各単体、GeSbTe、GeTe、InSbTe
Ag、InSe(−TlCo)、InSbSe、Bi2
Te3 、BiSe、Sb2Se3、Sb2Te3等カルコゲ
ナイト系材料を挙げることができる。
【0022】光透過保護層4は、例えば紫外線硬化樹脂
を塗布することによって形成することもできるし、光透
過性フィルムを紫外線硬化樹脂で貼り合わせることによ
っても形成することができる。光透過層4の厚さを0.
3mm以下、例えば10〜177μmとし、高NAの光
学系と組み合わせることで、これまでにない高記録密度
を実現することができる。
【0023】一方、反射層2は、熱伝導率が0.000
4J/(cm・K・s)から2.2J/(cm・K・
s)なる値を有する金属元素、半金属元素、半導体元
素、及びそれらの化合物、あるいは混合物を用いること
ができるが、吸収率制御の観点から、ある程度光を透過
する透過型反射膜とすることが好ましい。具体的には、
半導体レーザ波長域において吸収能を有し且つ透過率3
%以上のものを光透過型反射膜と定義する。
【0024】通常、反射層2は、Al等の金属のある程
度厚さが厚い膜が用いられる。この場合、記録再生光
は、この反射層2によりほとんど全てが反射され、記録
層3が結晶状態にあるときの吸収率Acとアモルファス
状態にあるときの吸収率Aaの比Ac/Aaが0.8〜
0.9程度である。
【0025】本発明では、反射層2を上記のようにある
程度光を透過する透過型反射層とし、その膜厚、記録層
3の膜厚、さらには後述の誘電体層の厚さ等を制御する
ことにより、記録層3が結晶状態にあるときの吸収率A
aとアモルファス状態にあるときの吸収率Acの比Ac
/Aaを1.1以上とする。
【0026】具体的には、例えば反射層2にSiを用
い、その厚さdを0nm<d<100nmとなるように
制御する。あるいは、反射層2にAuを用い、その厚さ
dを0nm<d<30nmとなるように制御する。その
他、Al、Ag等の金属、半金属、半導体、さらには各
種合金等も、厚さを薄く設定し、光透過型反射膜とする
ことにより、使用可能である。金属元素、半金属元素、
半導体元素の窒化物、酸化物、硫化物等の化合物の場合
や、それらの混合物の場合も同様である。
【0027】上述のように吸収率の比Ac/Aaを1.
1以上とすることにより、相対的に結晶部分が加熱され
易くなり、何も書かれていない結晶状態の部分に書かれ
る記録マークの大きさを、アモルファス状態にある記録
マークに重ねて書かれる記録マークの大きさに近づける
ことができる。
【0028】ただし、上記吸収率の比Ac/Aaを大き
くする方向は、反射層2の厚さを薄くする方向でもあ
り、ヒートシンクの点で問題が生ずるので、適正な範囲
に抑えることが好ましい。
【0029】すなわち、通常、反射層2は、先にも述べ
たとおり、ある程度厚さの厚い金属膜からなり、ヒート
シンクの役割を果たしている。これに対し、反射層2に
Siを用いたり、厚さを薄くすると、このヒートシンク
の役割を十分に果たせなくなり、熱が逃げにくくなる。
その結果、徐冷構造となり、繰り返し特性等の劣化を招
く。
【0030】そこで、上記吸収率の比Ac/Aaには、
自ずと許容範囲(上限)が決まってくるが、この許容範
囲は記録再生光の波長によっても異なり、例えば、現状
の波長域(650nm前後)では、上記吸収率の比Ac
/Aaを2.0以下にすることが好ましい。
【0031】ところで、上記結晶状態にあるときの吸収
率Acは、記録再生用レーザの波長に対し、記録層が結
晶状態にあるときの記録層における吸収率である。同様
に、アモルファス状態にあるときの吸収率Aaは、記録
層がアモルファス状態にあるときの記録層における吸収
率である。
【0032】これらの値は、多層構造においては直接測
定することはできない。多層膜による多重干渉の結果、
記録層に吸収される光強度を計算し、これを入射光強度
で割る必要がある。
【0033】そこで、本発明においては、吸収率Acや
吸収率Aaを次のように定義する。
【0034】先ず、図2に示すような多層膜(m層)を
考えた場合、ディスクの反射率R、ディスクの透過率
T、ディスクの吸収率A、l2 層(例えば記録層)にお
ける吸収率Al2、lm-1 層(例えば反射層)における吸
収率Alm-1は、下記のように定義する。
【0035】ただし、ここでは垂直入射(斜め入射成分
は無視)のみと仮定し、また各界面は平滑(グルーブ等
の凹凸の影響は無視)と仮定する。また、多層膜での多
重干渉のみを考えることとし、基準となる入射光強度I
は、実際の入射光強度Ixから最表面での反射光強度I
yを差し引いた値とする。
【0036】 ディスクの反射率R:100×Ir/I(%) ディスクの透過率T:100×It/I(%) ディスクの吸収率A:100×(I−Ir−It)
(%) l2 層(例えば記録層)における吸収率Al2:100×
l2/I(%) lm-1 層(例えば反射層)における吸収率Alm-1:10
0×Ilm-1/I(%) ただし、Irは多層膜から反射される反射光強度、It
は多層膜を透過する透過光強度であり、Il2はl2
(例えば記録層)に吸収される光強度、Ilm-1はlm-1
層(例えば反射層)に吸収される光強度である。
【0037】上記吸収率Acや吸収率Aaは、多層膜に
よる多重干渉の結果、記録層(結晶状態あるいはアモル
ファス状態)に吸収される光強度を多重膜への入射光強
度Iで割った値である。
【0038】このような多重干渉の計算は、レーザ波
長、各層の膜厚、複素屈折率(n−ik)が分かれば特
性マトリクスを導入することにより可能である。
【0039】かかる多重干渉の計算方法に関する文献は
多数出版されており、例えば培風館発行、鶴田匡夫著、
「応用光学II」(4−3−2章:多層膜)や、共立出版
発行、藤原史郎編、光学技術シリーズII「光学薄膜」
(第3章:多層膜の光学的性質)等を挙げることができ
る。
【0040】これらの文献にも記載されるように、例え
ばJ番目の境界上の電場と磁場の接線成分と、(J−
1)番目のそれらとの関係が分かる。
【0041】光エネルギーIは、ポインティングベクト
ルSの絶対値の平均<|S|>で表すことができ、J番
目の層の吸収AJ はAJ =IJ-1−IJ、吸収率は(I
J-1−IJ)/I0(I0は表面反射分を引いた後の入射エ
ネルギー)で表すことができる。
【0042】これらの計算を行うソフトウエアが市販さ
れており、これらを用いることにより容易に算出可能で
ある。
【0043】以上が本発明を適用した光ディスクの基本
構成であるが、層構成は任意に変更することが可能であ
る。
【0044】例えば、図3に示すように、光透過保護層
4と記録層3の間に第1の誘電体層5を配し、記録層3
と反射層2の間に第2の誘電体層6を配してもよい。さ
らには、図4に示すように、反射層2と透明基板1の間
に第3の誘電体層7を配することも可能である。
【0045】各誘電体層には、Al、Si等の金属及び
半金属元素の窒化物、酸化物、硫化物等を用いることが
できる。例えば、AlN、Si34、SiO2 、Al2
3、ZnS、MgF2 等を用いることができる。ただ
し、半導体レーザ波長域において吸収の無いものである
ことが条件となる。
【0046】これら誘電体層5,6,7を配し、その膜
厚を調整することにより、光学特性を制御することが可
能となり、上記吸収率制御が容易になる。
【0047】あるいは、図5に示すように、反射層を第
1の反射層2Aと第2の反射層2Bの2層膜とすること
も可能である。反射層2を2層以上の多層構造とするこ
とにより、やはり吸収率制御がし易くなる。例えば、第
1の反射層2Aを半導体レーザ波長域において吸収を有
し且つ透過率3%以上のものを光透過型反射膜とし、第
2の反射膜2Bを従来同様の厚さが40nm以上の例え
ばAl合金とすることにより、光学特性と熱特性のバラ
ンスを図ることが可能となる。さらに、図6に示しよう
に、第1の反射層2Aと第2の反射層2Bの間に第3の
誘電体層7を設けた構造としてもよい。
【0048】また、上記の例では、記録再生光照射側か
ら見たときに記録層3の背後に位置する反射層2を光透
過型反射膜とすることにより吸収率制御を行うようにし
たが、図7に示すように、記録層3よりも記録再生光照
射側に半導体レーザ波長域において吸収能を有し且つ透
過率3%以上の吸収率制御層8を設け、これにより吸収
率を制御するようにしてもよい。
【0049】この場合の吸収率制御層8としては、先の
反射層2による吸収率制御の場合と同様、SiやAuを
用いることができ、Siを用いたときには、その厚さd
を0nm<d<100nmとなるように、またAuを用
いたときには、その厚さdを0nm<d<30nmとな
るように制御すればよい。その他、Al、Ag、Ti、
Ge、Cu、Sb、Cr、Ni、Pd、Ga等の金属、
半金属、半導体や、これらの合金を用いることができ
る。
【0050】あるいは、図8に示すように、吸収率制御
層を誘電体層9,10の多層膜で構成することも可能で
ある。誘電体多層膜では、誘電体の種類を変える(例え
ば屈折率の異なる誘電体)ことで、多層膜全体の反射
率、屈折率等の光学特性を調整することができる。ま
た、例えば、図8において、第5の誘電体層10を第1
及び第2の誘電体層5,6と同一材料とする構成として
もよい。
【0051】あるいは、図9に示すように、図7の吸収
率制御層8と光透過保護層4の間に、第6の誘電体層1
1を設けた構成としてもよい。その上で更に、基板1と
反射層2の間に第7の誘電体層を設けた構成としてもよ
い(図示は省略する。)。
【0052】このように記録再生光照射側に吸収率制御
層8を設ける場合、反射層2は通常の反射層とすること
ができ、従来と同等のヒートシンク効果を維持すること
ができる。
【0053】なお、上記図1〜図9のいずれの構成の場
合においても、反射層、各誘電体層、記録層、吸収率制
御層の各層を連続する2層以上の多層膜とする構成とし
てもよい。
【0054】また、上記図1〜図9のいずれの構成の場
合も、基板側から順次各層を積層し、最後に光透過保護
層を形成する作製法により特徴付けられる。
【0055】
【実施例】次に、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて説明する。
【0056】実施例1 図4に示す構成の光ディスクを作製した。各層に使用し
た材料、厚さは下記の通りである。この光ディスクのA
c/Aaは約1.2である。
【0057】 基板1 : ポリカーボネート基板(厚さ1.2mm) 反射層2 : Si(厚さ40nm) 記録層3 : Ge2Sb2Te5(厚さ14nm) 光透過保護層4 : 紫外線硬化樹脂(厚さ0.1mm) 第1の誘電体層5 : ZnS−SiO2(厚さ60nm) 第2の誘電体層6 : ZnS−SiO2(厚さ18nm) 第3の誘電体層7 : ZnS−SiO2(厚さ100nm)比較例1 図3に示す構成において、反射層2として光を透過しな
い程度に十分に厚い(100nm)Al合金を用いた構
造の光ディスクを作製した。なお、各層の材料、厚さは
下記の通りである。この光ディスクのAc/Aaは約
0.85である。
【0058】 透明基板1 : ポリカーボネート基板(厚さ1.2mm) 反射層2 : Al合金(厚さ100nm) 記録層3 : Ge2Sb2Te5(厚さ20nm) 光透過保護層4 : 紫外線硬化樹脂(厚さ0.1mm) 第1の誘電体層5 : ZnS−SiO2(厚さ90nm) 第2の誘電体層6 : ZnS−SiO2(厚さ20nm)特性評価 これら実施例1及び比較例1について、記録再生特性を
調べた。測定したのは、消去比と記録再生線速の関係で
ある。結果を図10に示す。
【0059】なお、記録再生線速は5〜10m/秒の範
囲で1m/秒刻みで振った。消去比は、マーク長0.7
μmのマークを記録しておき、その上にマーク長0.3
μmのマークをオーバーライトしたときのマーク長0.
7μmに対応する信号(キャリア)レベルの減少分で定
義した。
【0060】この図10からも明らかなように、実施例
1の光ディスクでは、記録再生線速の上昇と共に消去比
が上昇している。これに対して、比較例1の光ディスク
では、高線速条件になると消去比が減少し、消去特性の
劣化が見られた。
【0061】次に、記録再生線速10m/秒、ユーザー
データ転送レート35Mbpsなる条件で、(1,7)
変調によるランダム信号を100回オーバーライトした
ときのジッター値を測定した。
【0062】その結果、実施例1の光ディスクでは、ジ
ッター値は11%以下であった。一方、比較例1の光デ
ィスクの場合は、ジッター値が15%以上であり、良好
な信号再生が困難であった。
【0063】以上の説明からも明らかなように、本発明
によれば、スポットサイズの微小化や記録線速の向上に
よる高記録密度、高転送レートに対応可能であり、良好
なダイレクトオーバーライトが実現可能な光記録媒体を
提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ディスクの基本的な構成例
を示す要部概略断面図である。
【図2】多層膜における反射率、透過率、吸収率を定義
するための模式図である。
【図3】第1,第2の誘電体層を設けた光ディスクの一
構成例を示す要部概略断面図である。
【図4】第3の誘電体層を設けた光ディスクの一構成例
を示す要部概略断面図である。
【図5】反射層を2層構成とした光ディスクの一構成例
を示す要部概略断面図である。
【図6】反射層を2層構成とし、その間に第3の誘電体
層を設けた光ディスクの一構成例を示す要部概略断面図
である。
【図7】吸収率制御層を設けた光ディスクの一構成例を
示す要部概略断面図である。
【図8】吸収率制御層を誘電体層の多層膜とした光ディ
スクの一構成例を示す要部概略断面図である。
【図9】吸収率制御層と光透過保護層の間に誘電体層を
設けた光ディスクの一構成例を示す要部概略断面図であ
る。
【図10】消去比と記録再生線速の関係を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
1 透明基板、2 反射層、3 記録層、4 光透過保
護層、5,6,7 誘電体層、8 吸収率制御層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に反射層、記録層がこの順に積層
    形成されるとともに、記録層上に厚さ0.3mm以下の
    光透過層が形成され、上記光透過層側から記録再生光が
    照射される光記録媒体において、 上記記録層が結晶状態にあるときの吸収率Acとアモル
    ファス状態にあるときの吸収率Aaの比Ac/Aaが
    1.1以上であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記光透過層と記録層の間に第1の誘電
    体層を設けるとともに、記録層と反射層の間に第2の誘
    電体層を設けたことを特徴とする請求項1記載の光記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 上記基板と反射層の間に第3の誘電体層
    を設けたことを特徴とする請求項2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記反射層に半導体レーザ波長域に吸収
    能を有し且つ透過率が3%以上である透過型反射膜を用
    いたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記反射層にSiを用い、その厚さdを
    0nm<d<100nmとしたことを特徴とする請求項
    4記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記反射膜にAuを用い、その厚さdを
    0nm<d<30nmとしたことを特徴とする請求項4
    記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記光透過層と第1の誘電体層の間に半
    導体レーザ波長域に吸収能を有し且つ透過率が3%以上
    である吸収率制御層を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記吸収率制御層にSiを用い、その厚
    さdを0nm<d<100nmとしたことを特徴とする
    請求項7記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記吸収率制御層にAuを用い、その厚
    さdを0nm<d<30nmとしたことを特徴とする請
    求項7記載の光記録媒体。
JP11035090A 1998-02-24 1999-02-12 光記録媒体 Withdrawn JP2000187882A (ja)

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