JP3087454B2 - 光学的情報記録媒体およびその構造設計方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体およびその構造設計方法

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JP3087454B2
JP3087454B2 JP04157730A JP15773092A JP3087454B2 JP 3087454 B2 JP3087454 B2 JP 3087454B2 JP 04157730 A JP04157730 A JP 04157730A JP 15773092 A JP15773092 A JP 15773092A JP 3087454 B2 JP3087454 B2 JP 3087454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に形成された相
変化材料薄膜にレ−ザ−ビーム等の高エネルギービーム
を照射することにより信号品質の高い情報信号をオーバ
ライトすることのできる書換え可能な光学的情報記録媒
体の構成ならびにその構成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に形成したカルコゲナイド薄膜に
レーザ光線を照射して局所的な加熱を行い、微小部分の
光学的な特性(屈折率)を変化させ得ることは光誘引性
の相変化現象として既に知られている。即ち、レーザ光
線の照射条件を適当に選べば照射部を原子結合状態が比
較的乱れた状態(アモルファス相)から比較的整った状
態(結晶相)、また反対に結晶相からアモルファス相へ
と高速に相変化させることが可能であり、高密度情報記
録を行う方法の一つとして応用開発が行われてきた。
【0003】相変化記録のメリットの1つは、記録手段
として単一のレーザビームのみを用い、情報信号をオー
バライトできる点にある。すなわち、レーザー出力を記
録レベルと消去レベルの2レベル間で情報信号に応じて
変調し記録済みの情報トラック上に照射すると、既存の
情報信号を消去しつつ新しい信号を記録することが可能
である(特開昭56−145530号公報)。この方法
は光磁気記録のように磁気回路部品が不要なことからヘ
ッドが簡素化できる点、消去動作を必要としないため書
換え時間を短縮することできる点が映像や音声信号の記
録に有利と考えられ記録媒体の開発研究が進められてい
る(例えばK.Nishiuchi他:Jpn.J.Appl.Phys.Vol.31(19
92)pp.653-658)。
【0004】この間、オーバライトに特有の課題につい
ても抽出が行われ、その解決策の提案がなされてきてい
る。例えばオーバライト時の消去率が消去動作のみを行
った場合の消去率に比べて低くなるという課題があっ
た。この課題に対して我々は特開平1−149238号
公報において、アモルファス状態である記録マーク部に
おける光吸収率と結晶状態である未記録部における光吸
収率を同等にした記録媒体、及び結晶状態部での光吸収
率をアモルファス状態部での光吸収率よりも大きくした
記録媒体を提案した。即ち、図1に示すように表面の平
滑な基板1の上に誘電体3でサンドイッチした記録層2
を形成した媒体、及び誘電体3の上にさらに光反射層4
を設け、保護板5を付けた構成の媒体において、主とし
て誘電体層各層の厚さを適当に選ぶことで上記光吸収率
に関する条件を満足する光記録媒体を形成し、この媒体
ではオーバライト時の消去率が改善されることを開示し
た。
【0005】しかしながら、この従来例における実施例
の媒体の場合には反射率変化が十分大きいとは言えなか
った。例えば従来例明細書の3頁の実施例第2表におい
て、アモルファス状態の吸収率が結晶状態の吸収よりも
大きな媒体No.1、No.4がそれぞれ19.1%、
16.4%という大きい反射率変化を示すのに対して、
結晶状態の方がアモルファス状態よりも吸収率の大きい
媒体No.3、No.6はそれぞれ9.7%、11.2
%と小さな反射率変化しか示さなかった。特に記録膜が
40nmの場合には半分以下の値しか示していない。
【0006】図2は、特開平1−149238号公報中
に記載の実施例の結果をグラフ化したものであって、結
晶部での光吸収率をA(cry)、アモルファス部での光吸
収率をA(amo)とし、記録前後の2つの状態における光
吸収率の差ΔA(=A(cry)−A(amo))とC/Nならび
に消去率の関係を示したものである。これによれば光吸
収率の差ΔAが正方向に増加するに従って消去率が改善
されていること、それに対してC/Nはわずかづつでは
あるが徐々に低下していることが分かる。この場合のC
/N低下の原因は、図3によって明らかである。
【0007】図3は、図2と同じく特開平1−1492
38号公報中に記載の実施例の結果をグラフ化したもの
であって、結晶部での光吸収率をA(cry)、反射率をR
(cry)、アモルファス部での光吸収率をA(amo)、反射率
をR(amo)とし、記録前後の2つの状態における光吸収
率の差ΔA(=A(cry)−A(amo))と反射率変化量ΔR
(=R(cry)−R(amo))の関係を示したものである。こ
れによれば、従来例の記録媒体では光吸収率の差ΔAが
増加するにしたがって反射率変化量ΔRは一方向的に減
少することが示されており、オーバライト時の消去率と
信号振幅とは相反する関係にあったことが分かる。
【0008】別の従来例である特開平3−113844
号公報は、反射層を有さない媒体構造で、かつ記録膜が
80nmと厚い構成の媒体を開示している(第1表)。
しかしながら、この場合には大きなΔAを得る条件が開
示されていない。つまり、アモルファス部の吸収率が結
晶部よりも10%以上大きい構成の開示はあるが、結晶
部の吸収率がアモルファス部より大きい媒体では、その
吸収率差は高々2.1%であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】アモルファス状態であ
る記録マーク部と結晶状態である非記録マーク部の両部
における光吸収率差ΔAに留意した上記従来例(特開平
1−149238号公報)に開示された記録媒体ではオ
ーバライトモード記録における消去率の向上が実現され
たが、その一方では図3に示されたように、記録前後の
反射率変化量ΔRが小さくなる傾向があった。反射率変
化量ΔRは信号の大きさを決定する大きな要因であるか
ら、基本的にはΔRが小さくなればそれにしたがってC
/Nも低下する。従来例で比較的大きなC/Nが得られ
ているが、これは記録マークピッチが2μm以上(線速
度15m/s,記録周波数7MHzから計算可能)とい
った記録条件においての結果であることに注意すべきで
ある。この条件では記録マークのサイズ(高々1μm
長)はレーザスポットのサイズ(半値幅で直径0.9μ
m)に比較して十分大きくなり、積分値として大きな光
量変化がディテクター上に検出されるからである。 し
かしながら最近のようにマークピッチをもっと詰めて記
録密度を高めようという場合には同様ではない。この場
合には、記録マークの大きさ(本願実施例は直径0.6
5μmのデータ)がレーザスポットの大きさ(半値幅で
直径0.9μm)と同等およびそれ以下に小さくなるか
ら、ΔRが小さければ、それだけ小さな反射光量変化し
か得られなくなり、ΔR低下の影響がそのままC/Nの
大きな低下となって現れることになる。即ち、従来の媒
体では高密度な記録を行うことが限界に来ていた。すな
わち、高密度記録を行うという前提ではオーバライト時
におけるC/Nと消去率とを同時に満足できる記録媒体
は未だ実現されていなかったと言える。
【0010】我々は、特願平4−97606号で反射層
として膜厚15nm以下のAu反射層を用いて本願と同
様の目的を達成できることを開示した。しかしながら、
通常、金属反射層はヒートシンク層としての役割もまた
担っているから、反射層厚の上限が定まってしまうこと
は好ましくない。
【0011】別の課題は、従来相変化記録媒体に用いら
れてきたマーク位置記録(あるいはPPM記録)方式を
マークエッジ記録(あるいはPWM記録)方式に置き換
え、さらに記録密度を高くするためにはより高い消去率
が必要になるということである。マーク位置記録では記
録マークの形状が多少歪んでいてもピーク位置さえ検出
できればエラーにならないが、マーク位置記録ではマー
クの始終端を検出するため形状の歪がそのままエラーに
なる。この場合にはさらに歪の生じにくい媒体、記録方
法が必要である。
【0012】本発明の目的は、記録マーク長がレーザス
ポットの大きさに近い高密度信号のオーバライト記録を
行っても、C/N及び消去率がともに大きくとれる光記
録媒体、あるいはマークエッジ記録に適合する歪の生じ
にくい光記録媒体を目指し、上記ΔA,ΔRがいずれも
十分大きく、少なくともΔA≧3%、ΔR≧15%を同
時に満足する記録媒体を厚さ制限の小さい金属反射層を
用いて構成することならびにその具体的構成方法を提供
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の書換可能な光学
情報記録媒体は基板上に少なくとも第1の誘電体薄膜
層、波長λのレーザ光線を照射することにより結晶状態
とアモルファス状態との間で光学的特性が可逆的に変化
する相変化物質薄膜からなる記録層、第2の誘電体薄膜
層および光反射層を積層して成る光学的情報記録媒体に
おいて、上記反射層をこの場合にはAlまたはAlを主
成分とする合金薄膜で構成する。各層の膜厚は記録層の
厚さd0、反射層の厚さd3及び上記第1および第2の誘
電体薄膜層の厚さd1,d2をそれぞれパラメータにし
て、マトリクス法等により上記記録膜がアモルファス状
態にある場合および結晶状態にある場合の媒体としての
反射率、記録層における吸収率をそれぞれ算出し、予め
定めた条件を満たすか否かを判定し、実施可能なd0、
d1、d2、d3の組合せの中から上記条件を満たす組合
せを選び、その条件で記録媒体を構成するものである。
この記録媒体を搭載する記録装置には波長λの記録再生
光源を備えるものとする。
【0014】
【作用】上記4層構成の光学的情報記録媒体においては
入射光Iの行方は記録層で吸収されて熱に変わる部分
(A)、反射層に吸収されて熱に変わる部分(L)、媒
体表面で反射される部分(R)、媒体を通過してしまう
部分(T)の4つにおおよそ分けて考えることができ
る。記録層に吸収される光量は記録層がアモルファス状
態である時と結晶状態である時とでは異なり、各々A(a
mo)=I−[L(amo)+R(amo)+T(amo)]、A(cry)=
I−[L(cry)+R(cry)+T(cry)]である。つまりア
モルファス部と結晶部の間の光吸収率差は、ΔA=A(c
ry)−A(amo)=[R(amo)−R(cry)]+[L(amo)−L
(cry)]+[T(amo)−T(cry)]、即ちΔA=ΔL+Δ
T−ΔR(ΔL=L(amo)−L(cry)、ΔT=T(amo)−
T(cry)、ΔR=R(cry)−R(amo))と表わされる。従
って、例えばΔR≧15%を確保し、なおかつΔA≧3
%を確保するためには右辺第1項(反射層での吸収率
差)と第2項(透過率差)の合計で18%以上の差を確
保すればよいことになる。
【0015】Al反射層またはAlを主成分とする合金
はAuに比較すると半導体レーザ光源の波長(可視光−
近赤外光)に対しての反射率が小さく、吸収率が大き
い。記録膜がアモルファス状態で光を多く通過させる場
合には反射層での光吸収率は30%前後にもなり、記録
膜が結晶状態であまり光を通過させない場合には光吸収
率は10%前後である。従って、これらを反射層として
用いれば、その厚さによらず20%前後のΔLを得るこ
とができ、上記ΔA≧3%かつΔR≧15%を同時に満
足する前提が満たされる。
【0016】上記条件を有する光記録媒体では、アモル
ファス部においては結晶部においてよりも吸収率が小さ
いため両部に同じ光量の光を照射してもアモルファス部
の方がやや昇温が遅れる。しかし、融点に至るとアモル
ファス部では融解潜熱のやりとりなく昇温が継続するの
に対して結晶部では潜熱を吸収する間昇温が中断され、
アモルファス部との間の温度差が小さくなる。融解後は
両者間の状態差は解消され、等しい光吸収が得られる。
従って、前記吸収差を予め適当に設定することで両部の
到達温度をほぼ同等にすることが可能となるわけであ
る。両者の到達温度が等しければ記録される信号マーク
は記録前の状態に影響を受けず、常に同じ大きさで形成
されるから記録前の履歴(消去残り)が残らない。すな
わち歪の少ない記録マークが得られることになる。
【0017】
【実施例】本発明の代表的な光学情報記録媒体は、図4
に示すように基板6の上に第1の誘電体薄膜層7、波長
λのレーザ光線の照射により上記波長λでの光学定数
(屈折率n、消衰係数k)が相対的に大である結晶状態
と相対的に小であるアモルファス状態との間で光学的特
性を可逆的に変化する相変化物質薄膜からなる記録層
8、第2の誘電体薄膜層9、AlまたはAlを主成分と
する合金から成る光反射層10を順次積層して形成し、
基板側から記録再生のためのレーザ光線11を入射させ
る。図4ではホットメルトタイプの接着層12を介して
上下対称になるように2枚が張り合わせた構成になって
いるが、図5のように第2の誘電体薄膜層の上にUV樹
脂等の保護層13を形成した単板構造も可能である。図
6のように基板の上に光反射層10、第2の誘電体層
9、記録層8、第1の誘電体層7を積層し、第1の誘電
体層側から光を入射させることも可能である。
【0018】基板6に用いる材料としては通常光ディス
ク等に用いられているPMMA、ポリカーボネイト、ア
モルファスポリオレフィン等の透明樹脂板、ガラス板、
Al,Cu等の金属板あるいはこれらをベースにした合
金板を用いる。不透明な基板を用いる場合には図6の構
成に準じる必要がある。また、光ディスクの用途では記
録再生に用いるレーザ光線を導くために表面にはサブミ
クロンサイズの幅、深さを持った同芯円またはスパイラ
ル状の連続溝、あるいはピット列が凹凸で刻まれている
のが通常である。
【0019】上下2層の誘電体層7,9は樹脂基板を用
いる場合には基板6の表面の熱ダメージを抑える働きと
ともに相変化材料層8を挟み込むことで膜の変形、蒸発
を抑える等の働きをなすものであって樹脂基板材料、記
録膜材料と比較して融点の高いこと、記録再生に用いる
レーザ光線に対して透明であること、硬度が大きくて傷
がつきにくいこと等の性質を有することが必要である。
例えば、SiO2,ZrO2、TiO2,Ta25等の酸
化物、BN、Si34,AlN,TiN等の窒化物、Z
nS,PbS等の硫化物、SiC等の炭化物、CaF2
等のフッ化物、ZnSe等のセレン化物及びこれらの混
合物としてZnS−SiO2、SiNO等、あるいはダ
イヤモンド薄膜、ダイヤモンドライクカーボン等を用い
ることができる。
【0020】本発明で記録層8に用いる材料は相変化物
質薄膜の中でもレーザ光線の照射でアモルファス−結晶
間の可逆的相変態を生じるものであって、結晶状態では
アモルファス状態よりも大きな屈折率、消衰係数を示す
ものを用いる。代表的にはGe−Sb−Te,Ge−T
e,In−Sb−Te,Sb−Te,Ge−Sb−Te
−Pd,Ag−Sb−In−Te,Ge−Bi−Sb−
Te,Ge−Bi−Te,Ge−Sn−Te、Ge−S
b−Te−Se,Ge−Bi−Te−Se、Ge−Te
−Sn−Au等の系、あるいはこれらの系に酸素、窒素
等の添加物を加えた系を用いることができる。本発明
は、その性質上記録層の組成に縛られるものではない。
従って、ある代表的組成が本発明に適用できればその組
成に多少の添加物を加えた組成物もまた適用可能であ
る。
【0021】これらの薄膜は通常成膜された時はアモル
ファス状態であるが、レーザ光線等の照射によって結晶
化すると光学的濃度が高くなる(光学定数が大きくな
る)。記録媒体として用いる場合には記録膜面の全体を
予め結晶化し、これを未記録状態として、その上にレー
ザ光線を細く絞って照射し、照射部をアモルファス化し
て光学定数を小さくさせることで記録を行う。上記変化
を再生する時は、上記記録膜にさらに変化を付け加えな
い程度に弱くしたレーザ光線を照射し、記録媒体からの
反射光の強度変化、媒体を通過する透過光の強度変化を
検出することで情報を再生する。
【0022】記録層8の厚さd0は、記録層8が結晶化
され光学的濃度の高い状態にある時であっても、入射光
線の一部が記録層8を十分検出可能な強度で透過可能な
厚さdmax以下に選ぶ。例えば上記相変化材料膜(結晶
相)を誘電体薄膜層7,9と同じ材質の誘電体層(上下
とも厚さは無限と仮定)に挟まれた時の透過率を考え
て、その値が少なくとも1%程度以上、好ましくは2〜
3%程度以上あること、またその値は上記相変化材料膜
がアモルファス相である場合に比較して10%程度以上
であることが望ましく、そうなるべく各膜厚を選ぶこと
が重要である。反射層10で反射されて記録層8中に再
入射する成分が無くなると光の干渉効果が小さくなり、
第2の誘電体薄膜層9ならびに反射層10の膜厚d3を
多少変化させても媒体全体の反射率変化を大きく確保で
きなくなる。
【0023】図7は代表的な記録膜組成としてGe2
2Te5をZnS−SiO2混合物(SiO2:20モル
%)膜で挟んだ時の膜厚と透過率(波長780nm)の
関係を示したものである。図から結晶状態の場合、膜厚
が60nm以下で有れば1%以上、50nm以下であれ
ば2%以上、40nm以下であれば3%以上の透過率が
あることが分かる。即ち、この場合には記録層の最大膜
厚dmaxは60nmである。
【0024】反射層10に用いる金属薄膜としてはAl
単体金属以外にもAlに添加物を加えた合金を用いるこ
とができる。添加物としてはAu,Cr,Cu,Ge,
Co,Ni,Ag,Pt,Pd,Co,Ta,Ti,B
i,Sb、Mo等の材料群から選ばれる少なくとも1種
を用いて化学的な安定性、熱伝導率、光学定数等の特性
を微調整することができる。例えばCrやTaを加える
と反射率はやや低下するが耐湿特性が向上する。添加物
が少ない場合(例えば10%以下)にはその合金の光学
定数はAl単体と大差ない。従って、AlまたはAl合
金の1つで得られた結果は直ちに他の合金にも適用可能
である。
【0025】本発明の記録媒体を構成する第1及び第2
の誘電体薄膜層7,9の膜厚は以下のように決定され
た。まず、誘電体層、記録層、反射層、基板等を構成す
る物質の複素屈折率を求めた。薄膜の複素屈折率は、通
常ガラス板上に薄膜を形成し、その膜厚を段差計で求
め、測定したい波長での反射率、透過率を分光光度計を
用いて測定し、これらの測定値を満足する複素屈折率を
算出する方法がとられる。本発明ではこの方法によった
が、エリプソメーターを使っても測定できる。次に、記
録層8および反射層10の厚さをある値に固定した上
で、第1及び第2の誘電体薄膜層7、9の膜厚をパラメ
ータとしてマトリクス法(例えば久保田広著「波動光
学」岩波書店、1971年、第3章を参照)によって媒
体からの反射率、記録層での吸収率、反射層での吸収率
を算出した。具体的には、多層膜構造の表面を含む全て
の界面に対してエネルギー保存則に基づき光エネルギー
の収支を計算した。多層媒体での各界面についてこのエ
ネルギー収支の方程式をたて、得られた連立方程式を解
くことで、入射光に対する透過光の強度、反射光の強度
ならびに各層での吸収量を求めることができる。本発明
では記録膜が結晶状態にある時とアモルファス状態にあ
る時の両方の場合について上記計算を行い、記録前後の
反射率変化ΔRが15%よりも大きく、かつΔAが3%
よりも大きくなる(結晶状態の記録層における光吸収率
がアモルファス状態の記録層における光吸収率よりも3
%以上大きい吸収を示す)ような誘電体薄膜層7、9の
膜厚条件を選び出した。記録層、反射層の膜厚を変えて
上記作業を行い、実施可能な膜厚範囲で全ての可能性を
検討した。屈折率nの誘電体層7,9の膜厚を変化させ
る時、多層膜構成としての光学的な特性は、所定の光波
長λに対して、λ/(2n)の厚さを単位として繰り返
されるから、計算はこの単位厚さの範囲で行えばよい。
なお、この設計方法が当然使用材料の種類に依存するこ
とのない普遍的な方法であることは言うまでもない。
【0026】本発明の書換え可能な光学的情報記録媒体
は通常の光学薄膜を形成する場合と同様に真空蒸着、マ
グネトロンスパッタリング、DCスパッタリング、イオ
ンビームスパッタリング、イオンプレーティング等の方
法で各層を順次積み重ねて行く方法で形成することがで
きる。記録媒体が設計通りにできているかどうかはでき
あがった媒体の反射率、透過率をスペクトルメーターを
用いて測定し、予め計算した値と比較することで検証す
ることができる。この場合、記録膜での吸収と、反射層
での吸収を直接測定することはできないが、2またはそ
れ以上の波長で同じ比較を行うことで精度を高めること
ができる。
【0027】また、できあがった媒体が本発明の範囲に
あるか否かは、媒体の層構成(厚さ、光学定数)を調
べ、各層の膜厚および光学定数を元に計算した媒体の反
射率、記録層での吸収率が本願の範囲にあるかどうかを
知ることで確かめられる。また媒体の反射率、透過率は
容易に実測できるので、それらの値を上記計算で求めた
媒体の透過率ならびに反射率と比較することも傍証とな
る。実測作業を2つ以上の波長で実施すればさらに厳密
な検証をすることができる。
【0028】本発明の光学情報記録媒体を適用する記録
装置の1実施例を図8に示す。実施例の記録装置は光源
として波長がλの半導体レーザを用いる場合を示してい
る。ディスク14は誘電体薄膜層でサンドイッチされた
相変化物質薄膜からなる記録層と、Al−Cr合金薄膜
から成る反射層を備えたものであって、波長λの光源を
用いてオーバライト記録を行った場合に高いC/Nと高
い消去率とが実現されるべく構成されている。ディスク
14はモーター16を回転駆動手段として一定の回転数
で回転させられる。当然、一定の線速度になるよう回転
することも可能である。光ヘッド20は移送機構17に
よって上記ディスク14の任意の位置に動くことができ
る。光ヘッド20には波長λの半導体レーザ光源15と
レーザ光線を集光し、ディスク上に絞り込むための光学
系(図示省略)が備えられている。半導体レーザ15か
ら放出されたレーザ光19は対物レンズ18を介して上
記ディスク14上に照射される。図では省略している
が、通常の光記録装置で必要な電気回路、例えばレーザ
を駆動するための回路、レーザ光線がディスク上の最適
な位置にくるように制御するためのフォーカス用電気回
路、トラッキング用電気回路、サーボ回路、メカニズム
等が必要なことは言うまでもない。半導体レーザはレー
ザ駆動回路に接続され、情報信号に応じて変調される。
この装置においては単一のレーザビームを用いて信号を
オーバライトすることを前提としている。従って、レー
ザ出力は記録層をアモルファス化するに足る比較的高い
パワーレベル(ピークパワーレベル)と結晶化するに足
る比較的低いパワーレベル(バイアスパワーレベル)の
2値間でパワー変調されることになる。
【0029】以下、具体例をもって本発明をさらに詳し
く説明する。 (実施例1)1つの真空チャンバー中に直径100mm
ターゲットを4つ備えたスパッタ装置を用いて本発明の
記録媒体を試作した。記録媒体の構造を設計するため
に、まず各層の光学定数を定めた。Ge2Sb2Te5
薄膜、ならびにZnS−SiO2(SiO2:20mo
l%)薄膜、Al−Cr(Cr:3mol%)合金薄膜
をパイレックスガラス板上に形成し、波長780nmで
の反射率、透過率を分光光度計で測定した。記録膜はア
モルファス状態で測定した後、Ar雰囲気中で結晶化さ
せ再度反射率、透過率の測定を行った。さらに各膜厚を
測定し、これらの値を満たす各材料の光学定数が(表
1)のように求められた。
【0030】
【表1】
【0031】次に上記各光学定数を元にマトリクス法を
用いて各層の厚さをパラメータとして媒体の反射率、記
録層での波長780nmでの吸収率を計算し、結晶部と
アモルファス部間の吸収差ΔAが段階的に異なる7枚の
記録媒体を試作した。基板はディスク上のポリカーボネ
イト(屈折率n=1.58)で、サイズは外径300m
m、内径35mm、厚さ1.2mmとした。基板の表面
はピッチ1.3μm、深さ60nm、幅0.6μmの連
続溝で覆われている。この溝のある面に上記スパッタ装
置によって誘電体膜は500WのRFスパッタ、相変化
記録膜と反射層膜は100WのDCスパッタで形成し
た。スパッタガスはいずれもArを用い、いずれも3×
10-3mmHgのガス圧とした。
【0032】表2に示したように、各媒体は第2の誘電
体層の厚さ以外はほぼ同様な構成をしている。第1の誘
電体層は厚さ82nmのZnS−SiO2(SiO2:2
0モル%)混合物膜、記録層は厚さ30nmのGe2
2Te5膜、反射層は厚さ10nmのAl−Cr合金膜
である。第2の誘電体層はZnS−SiO2(SiO2
20モル%)混合物膜であり、厚さは151nm、16
2nm、168nm、174nm、180nm、186
nm、197nmとした。それぞれの吸収率差ΔAおよ
び反射率差ΔRは(表2)に掲げた通りである。各値は
計算によって求めた。
【0033】
【表2】
【0034】(表3)は上記7種類の媒体について、そ
の反射率と透過率を分光光度計によって実測した結果を
計算値と比べたものである。記録層が結晶層である場合
と、アモルファス相である場合の両方について調べたと
ころ、いずれの場合においても計算値と実測値とはよく
一致していることが示された。また、上側の表の反射率
から下側の表の反射率を引いた反射率差ΔRの値は実測
値と計算値とでよく一致しており、試作した記録媒体は
ほぼ設計通りの光学特性を有していることが確かめられ
た。これより、7枚の媒体の内でNo.3、No.4、
No.5は設計値通り、本発明の範囲内の記録媒体と見
なせることが確かめられた。
【0035】
【表3】
【0036】(実施例2)実施例1のディスクを各2枚
用意し、膜のついた面を内側にしてホットメルト接着剤
を用いて張り合わせた。図8の装置を用いて各ディスク
を毎分1800回転で回転し、最外周部(線速度27m
/s)でのオーバライト特性を評価した。従来よりも高
密度な記録を行うために、マークピッチが1.3μmに
なるように21MH(f1)および8MH(f2)の単
一周波数で交互に記録を行った。半導体レーザ光線の波
長は780nm、対物レンズはN.A.が0.55のも
のを用いた。
【0037】測定手順は、まずf1を記録してCN比を
測定した後、f2をオーバライトしてf1成分の減衰比
を測定し消去率を測定する方法によった。(表4)はC
N比が50dBに到達するピークパワー(装置の測定限
界30mW)、CN比の飽和値、消去率の最大値及び消
去率が26dBを越えるバイアスパワー域を示したもの
である。この(表4)と(表2)から以下のことが分か
った。
【0038】即ち、(表2)のΔR、ΔAは(表4)の
CN比、消去率およびバイアスパワーマージンとそれぞ
れ強い相関性を有しており、ΔAが5.9%では十分大
きな消去率が得られるが、ΔAが1.9%程度では消去
率26dBを越えるバイアスパワー領域が全くないこと
が示された。
【0039】さらに消去率とΔAとの関係を詳しく調べ
たところ、消去率26dBを得るためにはΔAが少なく
とも3%以上、望ましくは5%以上必要であることが分
かった。これは結晶部とアモルファス部で同等の昇温を
実現するためには、結晶部ではアモルファス部よりも融
解潜熱に相当する分だけより大きなエネルギーを必要と
するということであって、それがΔAの3%程度に相当
することを示すのであろう。またCN比で50dB以上
を得るためにはΔRが15%以上は必要であることが示
された。
【0040】以前に反射層としてAuを用いて試みた場
合には(特願平4−97006号)、 ΔAとして5%
以上必要であったが、この場合にはやや小さくても良い
ことが示された。これはAl−Crの熱伝導率がAuに
比べて小さいことに起因すると考えているが定かではな
い。いずれにせよ、本発明の範囲内にある記録媒体(N
o.3、4および5)は50dBを越えるCN比と消去
率26dBを越える広いパワー域を有することが示され
た。
【0041】
【表4】
【0042】(実施例3)実施例1のディスクを毎分3
600回転の速度で回転させ、外周部(線速度56m/
s)において実施例2と同様に1.3μmのマークピッ
チで記録を行った。この時、ディスクNo.3とNo.
4のディスクは50dB以上のC/Nと26dB以上の
消去率を示したが、No.5のディスクは消去率が26
dBに到達しなかった。50m/sを越える高速条件で
は、ΔAが10%以上であることが必要との結果が示さ
れた。
【0043】(実施例4)実施例1、2と同様にポリカ
ーボネイト基板、ZnS−SiO2混合物薄膜、Ge2
2Te5薄膜を用いて波長780nmを前提に各種記録
媒体を試作し、その特性を評価した。記録膜の厚さは2
0nmから80nm、反射層の膜厚を3nmから200
nmまで振った。(表5)は設計試作した記録媒体につ
いての特性評価結果を示す。表中、○印はΔR≧15%
かつΔA≧3%を満足する上下2層の誘電体層の膜厚条
件がおよそ±3%以上の広い膜厚マージンを持って存在
すること、△印はΔR≧15%かつΔA≧3%を満足す
る誘電体層膜厚の条件が得られること、×印は上記条件
を満たす膜厚条件がないことを示す。
【0044】
【表5】
【0045】この評価から、Al合金反射層の膜厚によ
らず記録層の厚さを40nm以下に選べば本発明の目的
とする記録媒体を構成できることが示された。また、A
l合金反射層が200nmと厚い場合にも、本発明の範
囲内にある記録媒体を構成できることが示された。厚い
反射層はヒートシンクとしての働きを十分果たすもので
ある。
【0046】(実施例5)記録層として実施例1の材
料、誘電体層としてZnS−SiO2およびSiO2、反
射層とてAl−Tiを選んで実施例4と同様の実験を行
った。その結果、記録膜の厚さが25nm以下である場
合に、反射層の厚さを15nm以下の選べばいずれの誘
電体材料を用いても本願発明の目的を達成したまま第2
の誘電体層の膜厚を記録層の厚さと同等に薄くできるこ
と(高々25nm)が確かめられた。すなわち急冷構造
でΔA,ΔRに関する本発明の条件を満足できることが
確かめられた。(表6)は誘電体層にZnS−SiO2
を用いた例である。このディスクでは線速度の遅い領域
で特に歪の少ないオーバライト記録の行えることが分か
った。
【0047】
【表6】
【0048】(実施例6)実施例1、2、3と同様のこ
とをガラス基板でも行い、同様の結果を得た。
【0049】(実施例7)実施例2において同様の評価
をディスクの内周部(線速度10m/s)でも行った。
周波数は7.8MHz(f1)と3MHz(f2)とし
た。その結果、外周部と同様No.3、No.4ならび
にNo.5のディスクが50dB以上のCN比と26d
Bを越える広いパワー幅を示した。また、この場合には
No.6の媒体も50dB以上のCN比と26dBを越
える消去率を示した。但し、上記条件を満たすパワー範
囲がNo.3−5のディスクに比べて狭かった。
【0050】(実施例8)Ge−Sb−Te3元合金の
組成をGe−Sb−Teの3角組成座標上でGe 2Sb2
Te5組成とGeSb4Te7組成とSb単体組成を結ぶ
範囲で様々に変化して光学定数を調べ、これに基づいて
計算及び試作評価を行ったがSb濃度が40%以下の組
成では上記Ge2Sb2Te5を用いた場合とほぼ同様の
領域で本発明の記録媒体が構成可能であることが分かっ
た。
【0051】(実施例9)反射層の材料として、Al−
Crに代えて、Ta,Auを5%添加したAl−Ta,
Al−Au等を用いて上記実施例1−7を行い、同様の
結果を得た。Al成分が90%以上の合金では、光学定
数がAlと大きく変化しないので、同様の効果が得られ
るものであろう。
【0052】
【発明の効果】本発明によって、大きなCN比、高い消
去率ならびにその広いパワー許容幅(マージン)を有す
る記録媒体ならびにその設計方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の相変化光記録媒体の構成を示す断面図
【図2】従来例の実施例中に記載されている記録媒体の
有するCN比および消去率と光吸収率差ΔAとの関係を
グラフ化した図
【図3】従来例の実施例中に記載されている記録媒体の
有する反射率変化量ΔRと光吸収率差ΔAとの関係をグ
ラフ化した図
【図4】本発明の光学情報記録媒体の1実施例の構成を
示す図
【図5】本発明の光学情報記録媒体の1実施例の構成を
示す図
【図6】本発明の光学情報記録媒体の1実施例の構成を
示す図
【図7】本発明の1実施例において、記録媒体を構成す
る記録層の厚さと透過率の関係を示す図
【図8】本発明の記録媒体を搭載した記録装置の1実施
例を示す図
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 誘電体層 4 光反射層 5 保護板 6 基板 7 第1の誘電体層 8 記録層 9 第2の誘電体層 10 反射層 11 レーザ光線 12 接着層 13 保護層 14 ディスク 15 半導体レーザ 16 モーター 17 移送機構 18 レンズ 19 レーザ光 20 光ヘッド
フロントページの続き (72)発明者 古川 惠昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 大野 鋭二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 西内 健一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 G11B 7/26

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長λの記録再生レーザを用いる光記録装
    置に適用される書換可能な光学情報記録媒体であって、
    基板上に少なくとも第1の誘電体薄膜層、波長λのレー
    ザ光線の照射により結晶相とアモルファス相との間で光
    学的特性が可逆的に変化する相変化物質薄膜からなる記
    録層、第2の誘電体薄膜層、Al(アルミニウム)また
    はAlを主成分とする合金薄膜層から成る反射層を備え
    ており前記波長λの照射レーザ光線に対する前記記録
    層の吸収率ならびに前記記録媒体の反射率を、前記記録
    層がアモルファス相である場合にはそれぞれA(amo)お
    よびR(amo)、また前記記録層が結晶である場合には
    それぞれA(cry)およびR(cry)として、前記記録層のア
    モルファス相と結晶相との間における前記吸収率の差Δ
    A(=A(cry)−A(amo))および前記反射率の差ΔR
    (=R(cry)−R(amo))がΔA≧3%およびΔR≧15
    であることを特徴とする書換可能な光学的情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】前記反射層の膜厚が15nm以下である請
    求項1記載光学的情報記録媒体。
  3. 【請求項3】前記反射層がAlを主成分としAu,C
    r,Cu,Ge,Co,Ni,Mo,Ag,Pt,P
    d,Co,Ta,Ti,Bi,Sbからなる材料群から
    選ばれる少なくとも1種を含む合金であることを特徴と
    する請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  4. 【請求項4】前記ΔAが10%以上である請求項1記載
    の光学的情報記録媒体。
  5. 【請求項5】波長λの記録再生レーザを用いる光記録装
    置に適用される書換可能な光学情報記録媒体であって、
    基板上に少なくとも第1の誘電体薄膜層、波長λのレー
    ザ光線の照射により結晶相とアモルファス相との間で光
    学的特性が可逆的に変化する相変化物質薄膜からなる記
    録層、その厚さが高々30nmである第2の誘電体薄膜
    層、金属薄膜層から成る反射層を備えており、波長λの
    照射レーザ光線に対する前記記録層の吸収率ならびに前
    記記録媒体の反射率を、前記記録層がアモルファス相で
    ある場合にはそれぞれA(amo)およびR(amo)、また前記
    記録層が結晶である場合にはそれぞれA(cry)および
    R(cry)として、前記記録層 のアモルファス相と結晶相
    との間での前記吸収率の差ΔA(=A(cry)−A(amo))
    および前記反射率の差ΔR(=R(cry)−R(amo))がΔ
    A≧3%およびΔR≧15%であることを特徴とする
    冷構成の書換可能な光学的情報記録媒体。
  6. 【請求項6】前記誘電体薄膜層がZnS−SiO2混合
    から成り、前記記録層が厚さ40nm以下のGe−S
    b−Te3元合金から成る請求項1記載の光学的情報記
    録媒体。
  7. 【請求項7】波長λの記録再生光源を用いる装置に適用
    される書換可能な光学情報記録媒体の設計方法であっ
    て、基板上に、少なくとも第1の誘電体薄膜層、波長λ
    の光線の照射により結晶相とアモルファス相との間で光
    学的特性が可逆的に変化する相変化物質薄膜からなる記
    録層、第2の誘電体薄膜層、金属薄膜層からなる反射層
    を備えた書換え可能な光学的情報記録媒体を構成するに
    あたり、少なくとも前記各層の光学定数を決定するステ
    ップ1と、前記記録層の厚さd0の最大値dmaxを決定す
    るステップ2と、前記記録層の厚さd0、前記第1及び
    第2の誘電体層の厚さd1、d2ならびに前記反射層の厚
    さd3をパラメータとし、入射光の内で前記相変化物質
    薄膜層に吸収される割合(以後吸収率Aと呼ぶ)ならび
    前記光学的情報記録媒体から反射される割合(以後反
    射率Rと呼ぶ)を計算により求めるステップ3と、前記
    相変化物質薄膜がアモルファス状態である場合の光吸収
    率A(amo)ならびに反射率R(amo)と、結晶状態である場
    合の光吸収率A(cry)ならびに反射率R(cry)とを比較
    し、アモルファス状態と結晶状態との間での吸収率の差
    ΔA(=A(cry)−A(amo))が所定の値と同等以上であ
    り、かつ反射率の差ΔR(=R(cry)−R(amo))もまた
    所定の値と同等以上となるd0、d1、d2、d3の組合せ
    条件を選び出すステップ4とを含む書換え可能な光学的
    情報記録媒体の設計方法。
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