JP3159500B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP3159500B2
JP3159500B2 JP02106692A JP2106692A JP3159500B2 JP 3159500 B2 JP3159500 B2 JP 3159500B2 JP 02106692 A JP02106692 A JP 02106692A JP 2106692 A JP2106692 A JP 2106692A JP 3159500 B2 JP3159500 B2 JP 3159500B2
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報の記録再生に用い
られる光ディスクのような情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】情報の記録再生に用いられる情報記録媒
体としての光ディスクとして、情報の再生専用のCD−
ROM、情報の記録再生が可能な光磁気ディスク、相変
化型光ディスクなどが知られており、これらの情報記録
媒体は各種コンピュータの記憶装置に適用可能になって
いる。
【0003】ここで、特に最近脚光を浴びつつある相変
化型光ディスク(以下相変化光ディスクと称する)で
は、情報の記録再生のために用いられる記録層(相変化
記録層)としては、カルコゲナイド系材料から構成され
ており、このカルコゲナイド系記録層の結晶層,非結晶
層の相変化を利用して情報の記録再生が行われる。この
ような相変化光ディスクは、1989年5月20日、株
式会社工業調査会から発行された奥田昌宏著「書換え可
能光ディスク材料」に詳細に説明されている。
【0004】図3は従来の相変化光ディスクの構成を示
す断面図で、光ディスク基板11上に第1の誘電体保護
層12、相変化記録層13、第2の誘電体保護層14、
金属または合金からなる反射層15及び第3の保護層1
6が順次積層されて形成されている。
【0005】ここで、光ディスク基板11は透明で経時
変化が少ない材料、例えばポリメチルメタクリレート
(PMMA)のようなアクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、またはガラスなど
で構成される。これには記録フォーマットに応じて連続
溝、サンプルサーボマーク、プリフォーマットマークな
どが形成される。
【0006】記録層13は光ビームが照射されることに
より状態が変化する相変化型材料で構成されている。こ
のような相変化型材料としては、例えばGeTe系,T
eSe系,GeSbSe系,TeOx系,InSe系,
GeSbTe系などのカルコゲナイド系アモルファス半
導体材料やInSb系,GaSb系,InSbTe系な
どの化合物半導体材料などを用いて、真空蒸着法やスパ
ッタリング法などで形成することができる。この記録層
13の層厚としては、実用上数nm乃至数μmの範囲が
用いられる。
【0007】第1及び第2の保護層12,14は記録層
13を挟むように配置されており、記録ビームの照射に
より記録層13が飛散したり、穴があいてしまうことを
防止する役割を有している。また記録のときの記録層1
3の加熱,冷却の熱拡散を制御する役割もある。この第
1及び第2の保護層12,14としては、例えばSiO
2 ,SiO,AlN,Al2 3 ,ZrO2 ,Ti
2 ,Ta2 3 ,ZnS,Si、またはGeなどを用
いて、真空蒸着法やスパッタリング法などで形成するこ
とができる。これら保護層12,14の層厚は実用上数
nm乃至数μmが用いられる。
【0008】反射層15は、記録層13の光学的変化を
光学的にエンハンスして(強めて)再生信号を増大させ
たり記録層13の冷却を行う役割を有している。この反
射層15としては、例えばAu,Al,Cu,Ni−C
r合金などの金属または合金を用いて、真空蒸着法やス
パッタリング法などで形成することができる。反射層1
5の層厚は、実用上数nm乃至数μmが用いられる。
【0009】第3の保護層16は、相変化光ディスクを
取り扱う上での傷,ほこりなどを防止するために配置さ
れるものであり、通常紫外線硬化樹脂などにより形成さ
れる。この保護層16は、例えば紫外線硬化樹脂をスピ
ンコート法により反射層15の表面に塗布し、紫外線を
照射して硬化させて形成される。この保護層16の層厚
としては、実用上数μm乃至数百μmの範囲が用いられ
る。
【0010】このような従来の相変化光ディスクの動作
は次のように行われている。
【0011】(1) 真空蒸着法やスパッタリング法などで
形成された前記記録層13は非晶質であるので、加熱ア
ニール処理または光ビーム照射などで結晶相にする。こ
れを初期(結晶)化という。
【0012】(2) 短パルス,高パワーの記録パルスを結
晶相の記録層に加えてこれを溶融,急冷し非晶質化して
記録マークとする。
【0013】(3) 長パルス,低パワーの消去パルスを非
晶質相の記録マークに加えてこれを結晶化し、記録マー
クを消去する。
【0014】また、消去パワーに記録パワーを重畳させ
て、オーバーライトを行うことも検討されている。ここ
でコンピュータの補助記憶装置としてこの相変化光ディ
スクを使用することを考えると、オーバーライトの繰り
返し回数、すなわち情報の記録消去特性は100万回以
上が可能であることが、信頼性を確保する上で必要とさ
れている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の相変化
光ディスクでは、保護層と反射層との付着性が良くな
く、また保護層の機械的強度が十分でないため、オーバ
ーライトの記録消去の繰り返しで保護層と反射層の剥離
や保護膜の破壊が生じ易いので、オーバーライトの繰り
返し回数は1千回から1万回程度が限界であるという問
題がある。
【0016】すなわち、相変化光ディスクの繰り返しオ
ーバーライトを行うと、保護層と金属または合金からな
る反射層との境界で剥離を生じ、このため繰り返し特性
が劣化することになる。これは保護層と反射層との付着
性が良くないことに起因しており、また保護層に最もヒ
ートストレスが掛かるため機械的強度も低下してくる。
【0017】本発明は以上のような問題に対処してなさ
れたもので、保護層と反射層との付着性を改善すると共
に保護層の機械的強度を向上してオーバーライトの繰り
返し回数を増加するようにした情報記録媒体を提供する
ことを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、情報の記録再生が可能な記録層及びこの記
録層の光学的変化を強める反射層とを少なくとも有する
情報記録媒体であって、前記記録層に隣接して少なくと
も、ZnS−SiO2の混合層にY23を含有する誘電
体からなる保護層を設けており、前記ZnS−SiO 2
の混合層に対する前記Y 2 3 の混合率を20mol%以
下とするとともに、前記ZnS−SiO 2 の混合層は、
SiO 2 が20mol以下の比率を有していることを特
徴とするものである。
【0019】
【作用】記録層に隣接した誘電体としてZnS−SiO
2混合層及びY23からなる保護層を設け、ZnS−S
iO2の混合層に対するY 2 3 の混合率を20mol%
以下とするとともに、ZnS−SiO 2 の混合層は、S
iO 2 が20mol%以下の比率に設定したことによ
り、ZnS−SiO 2 の混合層をY 2 3 との屈折率を近
付けることができるため、混合膜(保護層)全体の屈折
率の変化を小さく抑えることができ、光学的性質を変化
させずに機械的強度の向上を図ることができる。
【0020】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0021】図1は本発明の情報記録媒体としての相変
化光ディスクの実施例を示すもので、本実施例相変化光
ディスクは光ディスク基板1上に第1の誘電体保護層
2、相変化記録層3、第2の誘電体保護層4、金属また
は合金からなる反射層5及び第3の保護層15が順次積
層されて形成されており、特に前記第2及び第3の保護
層2,4は後述するようにZnS,SiO2 及びY2
3 の混合誘電体層からなっている。
【0022】前記光ディスク基板1は透明で経時変化が
少ない材料、例えばポリメチルメタクリレート(PMM
A)のようなアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ樹脂、スチレン樹脂、またはガラスなどで構成さ
れる。これには記録フォーマットに応じて連続溝、サン
プルサーボマーク、プリフォーマットマークなどが形成
される。
【0023】記録層3は光ビームが照射されることによ
り状態が変化する相変化型材料で構成されている。この
ような相変化型材料としては、例えばGeTe系,Te
Se系,GeSbSe系,TeOx系,InSe系,G
eSbTe型などのカルコナイド系アモルファス半導体
材料やInSb系,GaSb系,InSbTe系などの
化合物半導体材料などを用いて、真空蒸着法やスパッタ
リング法などで形成することができる。この記録層3の
層厚としては、実用上数nm乃至数μmの範囲であるこ
とが好ましい。
【0024】第1及び第2の保護層2,4は記録層3を
挟むように配置されており、記録ビームの照射により記
録層3が飛散したり、穴があいてしまうことを防止する
役割を有している。また記録のときの記録層3の加熱,
冷却の熱拡散を制御する役割もある。この保護層2,4
としては、例えばZnSとSiO2 及びY2 3 からな
る混合誘導体を真空蒸着法やスパッタリング法などで形
成することができる。保護層2,4の層厚は実用上数n
m乃至数μmであることが好ましい。
【0025】反射層5は、記録層3の光学的変化を光学
的にエンハンスして(強めて)再生信号を増大させたり
記録層3の冷却を行う役割を有している。この反射層5
としては、例えばAu,Al,Cu,Ni−Cr合金、
Al−Ti合金などの金属または合金を用いて、真空蒸
着法やスパッタリング法などで形成することができる。
反射層5の層厚は、実用上数nm乃至数μmであること
が好ましい。
【0026】第3の保護層6は、相変化光ディスクを取
り扱う上での傷,ほこりなどを防止するために配置され
るものであり、通常紫外線硬化樹脂などにより形成され
る。この保護層6は、例えば紫外線硬化樹脂をスピンコ
ート法により反射層5の表面に塗布し、紫外線を照射し
て硬化させて形成される。この保護層6の層厚として
は、実用上数μm乃至数百μmの範囲であることが好ま
しい。
【0027】次に本実施例によって得られた相変化光デ
ィスクと従来例による相変化光ディスクとの実験結果に
ついて説明する。
【0028】本実施例による相変化光ディスクとして、
ポリカーボネート基板(光ディスク基板1)上にスパッ
タリング法によりZnS−SiO2 −Y2 3 保護層
(第1の保護層2)を180nm、GeSbTe記録層
(記録層3)を20nm、ZnS−SiO2 −Y2 3
保護層(第2の保護層4)を20nm、Al合金反射層
(反射層5)を150nmに順次積層することにより形
成した。
【0029】同様に、従来例による相変化光ディスクと
して、ポリカーボーネート基板(光ディスク基板11)
上にスパッタリング法によりZnS−SiO2 保護層
(第1の保護層12)を180nm、GeSbTe記録
層(記録層13)を20nm、ZeS−SiO2 保護層
(第2の保護層14)を20nm、Al合金反射層(反
射層15)を150nmに順次積層することにより形成
した。なお、いずれの光ディスクの場合も各反射層5,
15上に紫外線硬化樹脂をスピンコート後、紫外線を照
射することにより硬化させて第3の保護層6,16を形
成した。
【0030】前記2種類の相変化光ディスクの初期結晶
化したトラックに、線速8m/s,記録パルス60n
s,記録ピークパワー22mW,記録バイアスパワー1
1mWとして、記録周波数5.23MHzと2.00M
Hzを交互にオーバーライトし、繰り返してバーストの
発生状況を調べた。
【0031】この結果、従来の相変化光ディスクでは、
10万回の繰り返しで多数のバーストが発生した。一
方、本実施例による相変化光ディスクでは100万回の
繰り返しでもバーストの発生は少ないことが認められ
た。また、前記第1及び第2の保護層2,4であるZn
S−SiOx−Y2 3 におけるxの範囲を、X=1.
0,1.5,2.0と選択しても、同様な安定した結果
が得られることが確かめられた。
【0032】すなわち、ZnS−SiO2 混合層にY2
3 を加えたことにより、Y2 3がZnSとSiO2
のバインダーとして働くことにより各保護層2,4と反
射層5との付着性が良くなり、また各保護層2,4の機
械的強度を十分なものとすることができる。
【0033】なお、各保護層2,4において、ZnSの
みを用いただけでは結晶化し易いために耐久性に欠ける
ようになるので、これにSiO2 を混合したものが用い
られる。しかしSiO2 をほぼ20mol%以上混合す
ると、ZnSの結晶化は防止できるが、保護層の機械的
強度は十分とはならないので、通常はSiO2 を20m
ol%以下混合した例えば(ZnS)80(SiO2 20
molの混合膜からなるものが保護膜として用いられ
る。
【0034】ここで、Y2 3 は他の成分に混合すると
その複合酸化物を形成して、混合膜の機械的強度を向上
できるという性質を有している。
【0035】本発明はこの性質に着目してなされたもの
であり、Zn−S−Si−Oの成分にY−Oを混合する
ことにより、Zn−S−Si−Y−Oの誘電体膜を形成
して保護膜として利用するようにしたものである。
【0036】保護膜として混合膜を用いる場合はその屈
折率が問題となるが、前記(ZnS)80(SiO2 20
molの混合膜の屈折率は2.18である。一方、Y2
3の屈折率は1.92である。従って両者の値は近接
しているので、ZnS−SiO2 にY2 3 を少量混合
しても、得られる混合膜の屈折率の変化を小さく抑える
ことができ、ZnS−SiO2 の混合膜の光学的性質を
大きく変化させずに、機械的強度を向上させることがで
きる。
【0037】図2は、Y2 3 の混合率を変化した場合
の前記(ZnS−SiO2 −Y2 3 )混合膜の屈折率
の変化を示すものである。Y2 3 の混合率を20mo
l%以下に抑えることにより、屈折率の変化をほぼ0.
05%以下程度に抑えることができるので、従って20
mol%以下に選択するのが望ましい。Y2 3 の混合
率を20mol%以上に選択した場合には、その物理的
性質が変化してクラックが入り易くなるので、望ましく
なくなる。
【0038】このようにY2 3 を20mol%以下混
合すると、Y2 3 がバインダーとして作用し、充分な
機械的強度が得られる。また、境界面もより平坦となる
ので、反射層5との付着性も改善される。
【0039】なお、本実施例の構造に限らず、各保護層
2,4は反射層5の上側、あるいは両側に配置しても良
い。さらに、保護層4,6は場合によっては不要にする
ことができる。また、記録層2のある面を内側にして光
ディスクを2枚貼り合わせて両面使用できるようにする
ことも可能である。
【0040】さらにまた、相変化光ディスクに限ること
なく、光磁気ディスクやCD−ROMなどに対しても同
様に適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、保護
層としてZnS−SiO2混合層とY23を含有する特
定成分からなるものを用いることとし、 2 3 の混合比
率を20mol%以下とするとともにZnS−SiO2
混合層は、SiO2 を20mol%以下の比率に設定す
ることにより、保護層と反射層との付着性を改善すると
共に保護層の機械的強度を向上するようにしたので、オ
ーバーライトの繰り返し回数を増加できるようにした情
報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体としての相変化光ディス
クの実施例を示す断面図である。
【図2】本実施例に用いられるY2 3 を含む保護膜の
屈折率の変化を示す特性である。
【図3】従来の相変化光ディスクを示す断面図でる。
【符号の説明】
1 光ディスク基板 2,4,6 保護層 3 記録層 5 反射層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報の記録再生が可能な記録層及びこの
    記録層の光学的変化を強める反射層とを少なくとも有す
    る情報記録媒体であって、前記記録層に隣接して少なく
    とも、ZnS−SiO2の混合層にY23を含有する誘
    電体からなる保護層を設けており、前記ZnS−SiO
    2 の混合層に対する前記Y 2 3 の混合率を20mol%
    以下とするとともに、前記ZnS−SiO 2 の混合層
    は、SiO 2 が20mol以下の比率を有していること
    を特徴とする情報記録媒体。
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