JPH11265521A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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Publication number
JPH11265521A
JPH11265521A JP10065563A JP6556398A JPH11265521A JP H11265521 A JPH11265521 A JP H11265521A JP 10065563 A JP10065563 A JP 10065563A JP 6556398 A JP6556398 A JP 6556398A JP H11265521 A JPH11265521 A JP H11265521A
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JP
Japan
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recording
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recording layer
recording medium
protective layer
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Withdrawn
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JP10065563A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Nishimura
和浩 西村
Minoru Hayashi
稔 林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録・消去特性(記録膜前後端でのジッタ値
が小さい)、繰り返し記録耐久性(多数回のオーバーラ
イトによっても記録特性が低下しない)に優れる、相変
化型の光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明な基板上に、第一保護層、照射光の
強度に応じて結晶および非晶質間の相変化が可逆的にな
される記録層、第二保護層、反射層を順次積層した光情
報記録媒体において、記録層を少なくともGe、Sb、
Te及びBiの4元素を含む材料と窒素で構成し、かつ
記録層の厚み方向にBiの傾斜組成をもたせ、記録層の
基板側界面の方のBi濃度を高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録および
消去が記録層の結晶と非晶質間の可逆的な相変化により
行われる相変化型光情報記録媒体に関し、特に、その繰
り返し記録・消去特性を向上させる技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】レーザ光等の光を利用して情報の記録再
生を行う技術は公知であり、種々の書き換え可能な光情
報記録媒体(以下、光ディスクともいう)の開発が盛ん
に進められている。その中でも、記録層材料にカルコゲ
ン化物を用いた相変化型の光ディスクが知られている。
【0003】このような相変化型の光ディスクは、記録
層が照射光の強度に応じて結晶と非晶質間で可逆的に相
変化することを利用して記録および消去を行い、結晶部
分と非晶質部分との反射率の差を利用して再生を行って
いる。すなわち、記録層にピークパワー(記録パワー)
のレーザ光を照射して融点以上に加熱した後急冷するこ
とによって、記録層材料が非晶質化されて記録信号に応
じた記録マークが形成され、バイアスパワー(消去パワ
ー)のレーザ光を照射して結晶化温度以上に加熱した後
徐冷することによって、記録層材料が結晶化されて記録
マーク(記録信号)が消去される。相変化型の光ディス
クは、レーザ光のパワーを変化させるだけで古い情報を
消去しながら、同時に新たな情報を記録する(以下、
「オーバーライト」と称する)ことができるという利点
を有していることから、有望視されている。
【0004】相変化型の光ディスクに用いられる記録層
の材料としては、例えば、特開昭62−53886号公
報にGe−Te−Sb合金が開示されている。一方、こ
れらカルコゲン合金を用いて実際に記録・消去を行う場
合は、記録・消去時の熱による基板の変形を防止した
り、記録層の酸化、案内溝に沿っての物質移動あるいは
変形を防止するために、通常該記録層の直下と直上のい
ずれか一方または双方に金属あるいは半金属の酸化物、
炭化物、フッ化物、硫化物、窒化物から選ばれた少なく
とも一種類からなる保護層を設けている。上記の案内溝
に沿っての物質移動は、詳細には以下の現象のことを指
す。
【0005】すなわり、特定の記録領域(同じ記録セク
タ)に、同じ信号パターンを繰り返し記録すると、記録
セクタの始端部と終端部で、記録層材料に破れあるいは
膜厚変化が生じたりすることで、再生波形が消失した
り、劣化したりする現象である。これは、記録層溶融時
に、記録層物質が、ディスク半径方向、あるいは周方向
にわずかに移動し、繰り返し記録によって積算すること
に起因するものである。これは、一般的に「記録セクタ
の始終端部における波形つぶれ」と呼ばれている。
【0006】そして、カルコゲン合金からなる記録層と
直下及び/または直上に設けた保護層と、記録層の基板
側とは反対側に設けた冷却層(例えばAl合金)とから
なる三層または四層構造を透明基板上に備えたものが、
信号振幅を大きくでき、かつ繰り返し記録特性を向上で
きることから相変化型の光ディスクの主流となってい
る。
【0007】デジタル情報の記録方法としては、符号化
規則により記録情報から変換した符号列を、記録マーク
の長さを一定とし記録マークの中心に該符号列の1を対
応させて記録する方法(以下、マークポジション記録方
法と称する)と、記録マークの長さを可変とし、該記録
マークの前端部及び後端部の位置に該符号列の1を対応
させて記録する方法(以下、マークエッジ記録方法と称
する)とが提案されている。一つの記録マークに対応す
る情報量がマークポジション記録方法よりマークエッジ
記録が多いことから、原理的に、情報の記録密度として
はマークエッジ記録方法の方が高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マークエッジ記録方法
では、記録マークの両端(エッジ部)の位置により情報
の記録再生を行うため、デジタル特性を表すジッタ値
(再生信号の変換点と原信号の変換点との時間軸上での
位置の誤差)をある一定値以下にすることが必要であ
る。
【0009】しかしながら、前記従来技術でも、マーク
エッジ記録などの高密度化の際に、情報を正しく記録再
生できない、あるいは正しく記録できる記録パワー範囲
が狭い、即ち、ジッタ値が大きい、あるいはジッタ値を
小さく記録できる記録パワー範囲が狭い、さらに繰り返
し記録耐久性が不十分であるなどの問題があった。本発
明は、このような点に着目してなされてものであり、相
変化型の光情報記録媒体の記録・消去特性を改善し(記
録膜前後端でのジッタ値を小さくし)、さらには繰り返
し記録耐久性を前記従来技術より大きく向上させる(多
数回のオーバーライトによっても記録特性が大きく低下
しないようにする)ことを課題とする。
【0010】マークエッジ記録の場合、ジッタ値(標準
偏差σ)のTw(ウィンドウ幅)に対する割合(σ/T
w)で示すのが一般的である。このσ/Twの値が大き
かったり、あるいはσ/Twがある閾値以下になる記録
パワーの範囲が狭いと、実ドライブを用いてデータある
いはファイルを記録消去する場合、エラーを生じやすく
なる。さらに、同じ記録セクタに、同じ信号パターンを
繰り返し記録すると、繰り返し記録回数とともにσ/T
wが大きくなる傾向にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を見出し
た。すなわち、本願の請求項1に係わる発明は、 (1)透明な基板上に、第一保護層、照射光の強度に応
じて結晶および非晶質間の相変化が可逆的になされる記
録層、第二保護層、反射層を順次積層した光情報記録媒
体において、記録層が少なくともGe、Sb、Te及び
Biの4元素を含む材料と窒素から成り、かつその中の
Biが記録層の厚み方向に傾斜組成をもち、記録層の基
板側界面の方がBi濃度が高いことを特徴とする光情報
記録媒体を提供する。
【0012】また、本願はさらに以下の請求項2の発明
を提供する。 (2)記録層の基板側界面の組成が、以下の式を満足す
るものであることを特徴とする請求項1記載の光情報記
録媒体。 Bix (Ge−Te−Sb)1-x (x≧0.8) 以下、本発明を図面に基づき具体的に説明する。
【0013】図1は、本発明の相変化型の光情報記録媒
体の一実施形態を示す概略断面図である。本発明に用い
られる透明基板(1)としては、従来光ディスクの基板
として慣用されているものを用いることができるが、透
明であり、光学的特性が良好で機械的強度が大きく、か
つ寸法安定性に優れるポリカーボネート樹脂、ガラス等
が最適である。
【0014】本発明に用いられる第一保護層(2)およ
び第二保護層(4)としては、融点が高く、記録材料と
相固溶しない材料であることが望ましい。そのような材
料としては、例えば、ZnSとSiO2の混合物、Si
2、Al23、Ta25、ZrO2、AlN、Si
34、ZrN等が挙げられる。これらの保護層は、記録
・消去の際に生じる熱により基板が変形することを防止
したり、記録層の酸化や変形を防止したりする。これら
の保護層は、記録層との密着性が要求されるため、Zn
Sを主成分とした保護層が好ましく、例えばZnSにS
iO2等の材料を混合させたものを用いるのが好まし
い。
【0015】第一保護層(2)は、膜厚を変化させるこ
とにより、記録媒体の反射率を周期的に変化させること
ができる。ディスクの反射率や基板の耐熱性、生産性を
考慮すると50nm以上400nm以下が好ましい。本
発明においては、ZnS−SiO2 20mol%を用
いたが、屈折率(波長650nm使用時、n=2.0
2)の場合、膜厚70nm〜100nmにすることによ
り、反射率15%〜20%が得られる。
【0016】第二保護層(4)の膜厚は、主に記録感度
に影響する。膜厚が薄いと記録層で発生した熱が反射層
に逃げやすくなるため、記録感度が低下する。用いるド
ライブシステムの記録パワーにも依るが、1nm以上1
00nm以下が良く、さらに5nm以上30nm以下が
好ましい。光ディスクの信頼性を高めるために、特願平
9−149098号には、第二保護層(4)に金属ある
いは半金属の酸化物、炭化物、フッ化物、硫化物、及び
窒化物からなる群より選ばれる一種以上の物質からなる
耐熱性材料、及びO2、H2及びN2の混合ガスを用いた
成膜法で形成された部材を用いることが開示されてい
る。本発明においても、高い信頼性を得るために、上記
ガスを添加することが好ましい。信頼性向上及び繰り返
し記録耐久性を満足させるためには、第二保護層(4)
を形成する際に添加するガスの量を、分圧にして、O2
が5x10-6〜70x10-6Torr、H2が5x10-6
70x10-6Torr、N2が5x10-6〜50x10-6Tor
rの範囲にすることが望ましい。
【0017】本発明に用いられる照射光の強度に応じて
結晶および非晶質間の相変化が可逆的になされる記録層
(3)としては、一般的には、In−Se合金、In−
Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ge−
Sb−Te合金が知られている。これらの中でも、Ge
−Te−Sb合金もしくはGe−Te−Sb合金をベ−
スとして第4元素を添加した合金系は、その組成により
種々の結晶化速度を持つため、広い範囲のディスク線速
度をカバーするので、記録層(3)として使用するのに
好適である。
【0018】本発明においては、少なくともGe、S
b、Te及びBiの4元素を含む材料と窒素から成り、
かつその中のBiが記録層の厚み方向に傾斜組成をも
ち、記録層の基板側界面の方がBi濃度が高い記録層を
用いる。また、本発明で規定する記録層には、反射層側
にGe、SbおよびTeの3元素を含む記録層、基板側
にGe、Sb、Te及びBiの4元素を含む材料と窒素
から成り、かつその中のBiが記録層の厚み方向に傾斜
組成をもち、記録層の基板側界面の方がBi濃度が高い
記録層を設けた2層構成の記録層も含まれる。
【0019】本発明において、記録層の厚み方向にBi
の傾斜組成を持たせる方法としては、例えば、Ge−T
e−SbターゲットとBiターゲットの2元共スパッタ
法がある。2元共スパッタ法では、これらのターゲット
に加える印加電圧を調整することにより、Ge−Te−
Sb組成とBi組成の比を自由に変えることが出来る。
Biが記録層の厚み方向傾斜組成を持ち、記録層の基板
側界面の方がBi濃度が高い記録層を作成するには、反
射層側界面に比べて、基板側界面におけるBiターゲッ
ト印加電圧/Ge−Te−Sb印加電圧の比を大きく
し、その比を成膜時間とともに変化させればよい。ここ
で、記録層の基板側界面の組成 Bix (Ge−Te−
Sb)1-x におけるxが0.8未満だと、ジッタ値の低
減および繰り返し記録耐久性の改善効果が少ない。ま
た、スパッタ時における、窒素とアルゴンの流量比は、
窒素/アルゴンで1%以上10%以下が好ましい。
【0020】記録層(3)のGe−Te−Sb3元の組
成は、記録層材料の結晶化速度を変化させるものであ
り、記録の際の線速度(例えば6m/s)との関係にお
いて決まるものであるが、下記で示される範囲の組成が
好ましい。 Ge x Te y Sb z 但し、x、y、zは、Ge、Te、Sbの3元素の原子
数比で、以下の式 x+y+z=1 の関係を満たし、かつ、下記のA、B、C、Dの4点で
囲まれる範囲内にあるものとする。
【0021】 A:(x、y、z)=(0.10、0.57、0.33) B:(x、y、z)=(0.30、0.53、0.17) C:(x、y、z)=(0.10、0.53、0.37) D:(x、y、z)=(0.30、0.49、0.21) 記録層(3)の膜厚は、ディスクに要求される反射率、
コントラスト△Rや記録感度に応じて決めればよく、1
5nm以上35nm以下が好ましい。この膜厚が15n
m未満では、コントラストが小さくなり、35nmを越
えると記録感度が悪くなる。
【0022】本発明に用いられる反射層(5)として
は、Al、Au、Ni、Ti、Cr等の金属元素単体あ
るいは合金が用いられる。このような反射層(5)は、
熱伝導性がよく、記録層(3)で発生した熱を効率よく
逃がしたり、あるいは光学的コントラスト(結晶部分と
非晶質部分との反射率の差)を高めたりする。中でも、
Al及びAuをベ−スにした合金系が好ましく、特にA
lにCr、Ti、Zr、Hf、Si、Cu等を0.5a
t%以上10at%以下の割合で加えた合金系が、耐食
性及びコストの観点から好ましい。
【0023】反射層(5)の膜厚は、記録膜で発生した
熱を効率よく逃がしつつ、コントラストないしC/N
を、光学的にエンハンスする効果が得られる範囲であれ
ばよく、一般的には、30nm以上300nm以下が好
ましい。この膜厚が30nm未満では、光学的にエンハ
ンス効果が低下し、300nmを超えると、記録層
(3)を加熱するのに必要なレーザパワーが大きくなり
好ましくない。
【0024】反射層の上に膜の保護と強化のために、有
機材料を塗布することが好ましい。この材料としてUV
硬化樹脂(ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポ
キシアクリレート系、アクリル系、シリコン系、ポリエ
ステル系)またはホットメルト系の接着剤等を用いるこ
とができる。これらの樹脂膜の膜厚は、使用方法例え
ば、ディスク単板で使用するか、あるいは貼り合わせた
状態で使用するかによっても異なるが、5μm以上50
μm以下が好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的な実施形
態である実施例を示す。
【0026】
【実施例1、比較例1】図1に示す層構造の相変化型の
光情報記録媒体を以下のようにして作製した。基板
(1)として、中心穴を有する直径120mm、厚さ
0.6mmの円板状のポリカーボネート樹脂からなり、
あらかじめ1.48μm(Land/Grooveのピッチで0.
74μm)ピッチの溝が設けられているものを用い、こ
の透明基板(1)上に、ZnSとSiO2との混合物
(SiO2の含有率20mol%)からなるターゲット
を用いて、RFスパッタ法により、厚さ90nmの第一
保護層(2)を形成した。
【0027】次に第一保護層(2)の上に、Biからな
るターゲットとGe−Te−Sb合金からなるターゲッ
トを用い、共スパッタ法によりBiが記録層厚み方向に
傾斜組成をもち、基板側界面の方がBi濃度が高い記録
層(3)を形成した。窒素とアルゴン混合雰囲気中でD
Cスパッタ法により、膜厚25nmの記録層(3)を形
成した。この際、窒素とアルゴンの流量比は、窒素/ア
ルゴン=7%とした。BiターゲットにかけるDCパワ
ーと、Ge−Te−SbターゲットにかけるDCパワー
を時間とともに線形的に変えることで、膜厚方向にBi
濃度傾斜をつけた。基板側界面でBi100at%に
し、反射層界面でBi0at%とし、その間のBi濃度
勾配は線形とした。Ge−Te−Sbの組成は、Ge2
3.0Te51.8Sb25.2at%とした。
【0028】この記録層(3)の上に、ZnSとSiO
2との混合物(SiO2の含有率30mol%)からなる
ターゲットから、RFスパッタ法により厚さ12nmの
第二保護層(4)を形成した。第二保護層(4)を形成
する際に、O2ガス、H2ガス及びN2ガスの分圧はそれ
ぞれ50x10-6Torr、50x10-6Torr、10x10
-6Torrとした。Arガスは、3種のガスを添加後、全圧
で5x10-3Torrとなるように流量を調節した。
【0029】第二保護層(4)の上にAl−Ti(Ti
の含有率1.1at%)からなる厚さ約150nmの反
射層(5)を形成した。次に、この反射層(5)の上
に、紫外線硬化樹脂をスピンコートで厚さ10μmとな
るように塗布し、紫外線をあてて硬化させることにより
保護コート層(6)を設けた。
【0030】一方、比較例1として、記録層(3)がG
e−Te−Sbのみから成る以外は、実施例1と同じ光
ディスクを作製した。このようにして得られた相変化型
の光情報記録媒体の基板に出力1Wの半導体レーザ光を
照射し、ディスクの使用部分を初期化した。それぞれの
ディスクを2枚ずつ用意し、片方のディスク基板は薄膜
形成面を内側にして、カチオン重合紫外線硬化型接着剤
を用いて貼り合わせ、全面接着構造の光ディスクとし
た。
【0031】このようにして用意されたディスクを、駆
動装置(対物レンズの開口数0.60、レーザ波長65
0nm)にかけて、線速度6m/sで回転させ、同一ト
ラックに8/16変調のランダムパターンの信号を、1
0回オーバーライトした。このオーバーライトされた信
号を再生し、その再生信号(再生時のパワーは、通常
1.0mWである)のジッタ(時間方向のずれ)をジッ
タアナライザにより解析し、標準偏差σを得た。この値
を用いて、ジッタ値のTw(ウィンドウ幅:ここでは3
4.2nsec)に対する割合(σ/Tw)を求めた。
【0032】各サンプルについて、σ/Twのバイアス
パワー(消去パワー)依存性とピークパワー(記録パワ
ー)依存性を測定した。その結果をそれぞれ、図3、図
4に示す。バイスアパワー依存性は、ピークパワーを一
定にし、バイアスパワーを変化させたときのσ/Twで
ある。ピークパワー依存性は、バイアスパワーを一定に
したときの、ピークパワーを変化させたときのσ/Tw
である。前記割合σ/Twが、8.5%以下であること
が、DVD-RAM Specification Ver.1.0に記載されてい
る。表1に各サンプルのσ/Twの最小値と、σ/Tw
≦8.5%となるピークパワーの範囲を示す。
【0033】
【表1】
【0034】図3、図4、表1から分かるように、σ/
Twの最小値が、界面層(3)を有する本発明の実施例
1では6.7%で、比較例1は7.5%である。実施例
1は、比較例1に比べて良質な再生信号を得ることがで
きた。さらにσ/Tw≦8.5%であるピークパワーの
範囲は、実施例1が8.77mW〜(12.5mW)
で、比較例1が9.73mW〜(12.0mW)であ
る。実施例1は比較例1に比べると良質な再生信号が得
られるピークパワー範囲が広い(特に低ピークパワー領
域)ことがわかる。
【0035】次に、光ディスクの繰り返し記録耐久性を
調べた。σ/Twが13%となるピークパワーを各サン
プルについて求め、そのパワーを1.2倍したピークパ
ワーを繰り返し記録時のピークパワーとした。実施例1
では、10万回オーバーライト後のσ/Twが、9.9
%であるのに対し、比較例1では、17.3%とかなり
大きくなった。10万回オーバーライト後の記録セクタ
始端部における波形つぶれ量は、実施例1では8バイト
で、比較例1は25バイトであった。実施例1は、比較
例1に比べて、かなり繰り返し記録耐久性が改善されて
いることがわかる。
【0036】さらに、光ディスクの再生光に対する耐久
性を調べた。100回オーバーライトした信号を再生パ
ワーを通常の1.2倍(即ち、1.2mW)にし、10
00万回連続再生した後、σ/Twを測定した。実施例
1の9.2%に対し、比較例1の16.3%であった。
【0037】
【実施例2】記録層(3)において、基板側界面でBi
95at%(Ge−Te−Sb)5at%にし、反射層界面でB
i 0at%とし、その間のBi濃度勾配は線形とした。G
e−Te−Sbの組成は、Ge23.0Te51.8Sb25.2 a
t%とした。記録層(3)以外は、実施例1と同様にし
て、図1の層構造の光ディスクを作製した。
【0038】得られたサンプルについて実施例1と同じ
く、10回オーバーライトしたときのσ/Twのバイア
スパワー依存性、ピークパワー依存性を調べた。得られ
た結果を、それぞれ図5、図6に示す。表2に各サンプ
ルのσ/Twの最小値と、σ/Tw≦8.5%となるピ
ークパワーの範囲を示す。
【0039】
【表2】
【0040】図5、図6、表2から分かるように、σ/
Twの最小値は、実施例2でも6.8%と小さかった。
さらにσ/Tw≦8.5%であるピークパワーの範囲
も、実施例1と同様に、8.95mW〜(12.5m
W)と、比較例1に比べると低ピークパワー領域が広か
った。次に、光ディスクの繰り返し記録耐久性を調べ
た。実施例1と同様にして繰り返し記録時のピークパワ
ーをもとめた。実施例2では、10万回オーバーライト
後のσ/Twが、10.1%であった。10万回オーバ
ーライト後の記録セクタ始端部における波形つぶれ量
は、実施例2で10バイトであった。
【0041】さらに、光ディスクの再生光に対する耐久
性を調べた。100回オーバーライトした信号を再生パ
ワーを通常の1.2倍(即ち、1.2mW)にし、10
00万回連続再生した後、σ/Twを測定した。実施例
2は9.6%であった。
【0042】
【実施例3】記録層(3)の組成をGe27.0Te51.0S
b22.0 at%にした以外は、実施例1と同様にして、図1
の層構造の光ディスクを作製した。得られたサンプルに
ついて実施例1と同じく、10回オーバーライトしたと
きのσ/Twのバイアスパワー依存性、ピークパワー依
存性を調べた。σ/Twの最小値及びσ/Tw≦8.5
%となるピークパワーの範囲は実施例1と同様に改善で
きることを確認した。
【0043】次に、光ディスクの繰り返し記録耐久性を
調べた。実施例1と同様にして繰り返し記録時のピーク
パワーをもとめた。実施例3では、10万回オーバーラ
イト後のσ/Twが、9.8%であった。10万回オー
バーライト後の記録セクタ始端部における波形つぶれ量
は、実施例3で7バイトであった。さらに、光ディスク
の再生光に対する耐久性を調べた。100回オーバーラ
イトした信号を再生パワーを通常の1.2倍(即ち、
1.2mW)にし、1000万回連続再生した後、σ/
Twを測定した。実施例3は9.0%であった。
【0044】
【発明の効果】本発明により、記録・消去特性(記録膜
前後端でのジッタ値が小さい)、繰り返し記録耐久性
(多数回のオーバーライトによっても記録特性が低下し
ない)に優れた光情報記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の層構成を示す図。
【図2】実施例1におけるσ/Twのバイアスパワー依
存性を示す図。
【図3】実施例1におけるσ/Twのピークパワー依存
性を示す図。
【図4】実施例2におけるσ/Twのバイアスパワー依
存性を示す図。
【図5】実施例2におけるσ/Twのピークパワー依存
性を示す図。
【符号の説明】
1 透明基板 2 第一保護層 3 記録層 4 第二保護層 5 反射層 6 保護コート層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板上に、第一保護層、照射光の
    強度に応じて結晶および非晶質間の相変化が可逆的にな
    される記録層、第二保護層、反射層を順次積層した光情
    報記録媒体において、記録層が少なくともGe、Sb、
    Te及びBiの4元素を含む材料と窒素から成り、かつ
    その中のBiが記録層の厚み方向に傾斜組成をもち、記
    録層の基板側界面の方がBi濃度が高いことを特徴とす
    る光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録層の基板側界面の組成が、以下の式
    を満足するものであることを特徴とする請求項1記載の
    光情報記録媒体。 Bix (Ge−Te−Sb)1-x (x≧0.8)
JP10065563A 1998-03-16 1998-03-16 光記録媒体 Withdrawn JPH11265521A (ja)

Priority Applications (1)

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JP10065563A JPH11265521A (ja) 1998-03-16 1998-03-16 光記録媒体

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