JPH11259907A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH11259907A
JPH11259907A JP10056957A JP5695798A JPH11259907A JP H11259907 A JPH11259907 A JP H11259907A JP 10056957 A JP10056957 A JP 10056957A JP 5695798 A JP5695798 A JP 5695798A JP H11259907 A JPH11259907 A JP H11259907A
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JP10056957A
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Inventor
Kazuhiro Nishimura
和浩 西村
Masato Terada
正人 寺田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録・消去特性(記録膜前後端でのジッタ値
が小さい)、繰り返し記録耐久性(多数回のオーバーラ
イトによっても記録特性が低下しない)に優れる、相変
化型の光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明な基板上に、第一保護層、Bi、S
b、Ge、及びBi−Sbからなる群から選択される単
体あるいは1種以上の合金から成り、膜厚が0.5nm
以上2nm以下である界面層、照射光の強度に応じて結
晶および非晶質間の相変化が可逆的になされる、少なく
ともGe、Sb、及びTeの3元素を含む材料と窒素か
ら成る記録層、第二保護層、反射層を順次積層して光情
報記録媒体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録および
消去が記録層の結晶と非晶質間の可逆的な相変化により
行われる相変化型光情報記録媒体に関し、特に、その繰
り返し記録・消去特性を向上させる技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】レーザ光等の光を利用して情報の記録再
生を行う技術は公知であり、種々の書き換え可能な光情
報記録媒体(以下、光ディスクともいう)の開発が盛ん
に進められている。その中でも、記録層材料にカルコゲ
ン化物を用いた相変化型の光ディスクが知られている。
【0003】このような相変化型の光ディスクは、記録
層が照射光の強度に応じて結晶と非晶質間で可逆的に相
変化することを利用して記録および消去を行い、結晶部
分と非晶質部分との反射率の差を利用して再生を行って
いる。すなわち、記録層にピークパワー(記録パワー)
のレーザ光を照射して融点以上に加熱した後急冷するこ
とによって、記録層材料が非晶質化されて記録信号に応
じた記録マークが形成され、バイアスパワー(消去パワ
ー)のレーザ光を照射して結晶化温度以上に加熱した後
徐冷することによって、記録層材料が結晶化されて記録
マーク(記録信号)が消去される。相変化型の光ディス
クは、レーザ光のパワーを変化させるだけで古い情報を
消去しながら、同時に新たな情報を記録する(以下、
「オーバーライト」と称する)ことができるという利点
を有していることから、有望視されている。
【0004】相変化型の光ディスクに用いられる記録層
の材料としては、例えば、特開昭62−53886号公
報にGe−Te−Sb合金が開示されている。一方、こ
れらカルコゲン合金を用いて実際に記録・消去を行う場
合は、記録・消去時の熱による基板の変形を防止した
り、記録層の酸化、案内溝に沿っての物質移動あるいは
変形を防止するために、通常該記録層の直下と直上のい
ずれか一方または双方に金属あるいは半金属の酸化物、
炭化物、フッ化物、硫化物、窒化物から選ばれた少なく
とも一種類からなる保護層を設けている。上記の案内溝
に沿っての物質移動は、詳細には以下の現象のことを指
す。
【0005】すなわち、特定の記録領域(同じ記録セク
タ)に、同じ信号パターンを繰り返し記録すると、記録
セクタの始端部と終端部で、記録層材料に破れあるいは
膜厚変化が生じたりすることで、再生波形が消失した
り、劣化したりする現象がある。この現象は、記録層溶
融時に、記録層物質が、ディスク半径方向、あるいは周
方向にわずかに移動し、繰り返し記録によって積算する
ことに起因するものである。これは、一般的に「記録セ
クタの始終端部における波形つぶれ」と呼ばれている。
【0006】そして、カルコゲン合金からなる記録層と
直下及び/または直上に設けた保護層と、記録層の基板
側とは反対側に設けた冷却層(例えばAl合金)とから
なる三層または四層構造を透明基板上に備えたものが、
信号振幅を大きくできかつ繰り返し記録特性を向上でき
ることから相変化型の光ディスクの主流となっている。
【0007】デジタル情報の記録方法としては、符号化
規則により記録情報から変換した符号列を、記録マーク
の長さを一定とし記録マークの中心に該符号列の1を対
応させて記録する方法(以下、マークポジション記録方
法と称する)と、記録マークの長さを可変とし、該記録
マークの前端部及び後端部の位置に該符号列の1を対応
させて記録する方法(以下、マークエッジ記録方法と称
する)とが提案されている。一つの記録マークに対応す
る情報量がマークポジション記録方法よりマークエッジ
記録が多いことから、情報の記録密度としては、原理的
に、マークポジション記録方法よりもマークエッジ記録
方法の方が高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マークエッジ記録方法
では、記録マークの両端(エッジ部)の位置により情報
の記録再生を行うため、デジタル特性を表すジッタ値
(再生信号の変換点と原信号の変換点との時間軸上での
位置の誤差)をある一定値以下にすることが必要であ
る。
【0009】しかしながら、前記従来技術では、マーク
エッジ記録などの高密度化の際に、情報を正しく記録再
生できない、あるいは正しく記録できる記録パワー範囲
が狭い、即ち、ジッタ値が大きい、あるいはジッタ値を
小さく記録できる記録パワー範囲が狭い、さらに繰り返
し記録耐久性が不十分であるなどの問題があった。本発
明は、このような点に着目してなされてものであり、相
変化型の光ディスクの記録・消去特性を改善し(記録膜
前後端でのジッタ値を小さくし)、さらには繰り返し記
録耐久性を前記従来技術より大きく向上させる(多数回
のオーバーライトによっても記録特性が大きく低下しな
いようにする)ことを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を見出し
た。すなわち、本願発明は、透明な基板上に、第一保護
層、界面層、照射光の強度に応じて結晶および非晶質間
の相変化が可逆的になされる記録層、第二保護層、反射
層を順次積層した光情報記録媒体において、記録層が少
なくともGe、Sb、及びTeの3元素を含む材料と窒
素から成り、界面層がBi、Sb、Ge、及びBi−S
bからなる群から選択される単体あるいは1種以上の合
金から成り、かつその膜厚が0.5nm以上2nm以下
であることを特徴とする光情報記録媒体を提供する。
【0011】相変化型の光ディスクにおいて、マークエ
ッジ記録の場合、ジッタ値(標準偏差σ)のTw(ウィ
ンドウ幅)に対する割合(σ/Tw)で示すのが一般的
である。このσ/Twの値が大きかったり、あるいはσ
/Twがある閾値以下になる記録パワーの範囲が狭い
と、実ドライブを用いてデータあるいはファイルを記録
消去する場合、エラーを生じやすくなる。さらに、同じ
記録セクタに、同じ信号パターンを繰り返し記録する
と、繰り返し記録回数とともにσ/Twが大きくなる傾
向にある。
【0012】以下、図面に基づき本発明を詳細に説明す
る。図1は、本発明の相変化型光ディスクの一実施形態
を示す概略断面図である。本発明に用いられる透明基板
(1)としては、従来の光ディスクの基板として慣用さ
れているものを用いることができるが、透明であり、光
学的特性が良好で機械的強度が大きく、かつ寸法安定性
に優れるポリカーボネート樹脂、ガラス等が最適であ
る。
【0013】本発明に用いられる第一保護層(2)およ
び第二保護層(5)としては、融点が高く、記録材料と
相固溶しない材料であることが望ましい。そのような材
料としては、例えば、ZnSとSiO2の混合物、Si
2、Al23、Ta25、ZrO2、AlN、Si
34、ZrN等が挙げられる。これらの保護層は、記録
・消去の際に生じる熱により基板が変形することを防止
したり、記録層の酸化や変形を防止したりする。これら
の保護層は、記録層との密着性が要求されるため、Zn
Sを主成分とした保護層が好ましく、例えばZnSにS
iO2等の材料を混合させたものを用いるのが好まし
い。
【0014】第一保護層(2)は、膜厚を変化させるこ
とにより、記録媒体の反射率を周期的に変化させること
ができる。ディスクの反射率や基板の耐熱性、生産性を
考慮すると50nm以上400nm以下が好ましい。本
発明においては、ZnS−SiO2、20mol%を用
いたが、屈折率(波長650nm使用時)がn=2.0
2の場合、膜厚70nm〜100nmにすることによ
り、反射率15%〜20%が得られる。
【0015】第二保護層(5)の膜厚は、主に記録感度
に影響する。膜厚が薄いと記録層で発生した熱が反射層
に逃げやすくなるため、記録感度が低下する。用いるド
ライブシステムの記録パワーにも依るが、第二保護層
(5)の膜厚は、1nm以上100nm以下が良く、さ
らに5nm以上30nm以下が好ましい。光ディスクの
信頼性を高めるために、特願平9−149098号に
は、第二保護層(5)に金属あるいは半金属の酸化物、
炭化物、フッ化物、硫化物、及び窒化物からなる群より
選ばれる一種以上の物質からなる耐熱性材料、及び
2、H2及びN2の混合ガスを用いた成膜法で形成され
た部材を用いることが開示されている。本発明において
も、高い信頼性を得るために、上記ガスを添加すること
が好ましい。信頼性向上及び繰り返し記録耐久性を満足
させるためには、第二保護層(5)を形成する際に添加
するガスの量を、分圧にして、O2が5x10-6〜70
x10-6Torr、H2が5x10-6〜70x10-6Torr、
2が5x10-6〜50x10-6Torrの範囲にすること
が望ましい。
【0016】本発明に用いられる界面層(3)として
は、Bi、Sb、Ge、Bi−Sbからなる群から選択
される単体あるいは1種以上の合金を用い、この界面層
の膜厚としては、0.5nm以上2nm以下である。こ
の膜厚が0.5nm未満だと界面層の効果が小さく、ジ
ッタ値の低減および繰り返し記録耐久性の改善効果が少
ない。また、その膜厚が2nmを越えると、記録セクタ
の始終端部における波形つぶれが大きくなる。この膜厚
範囲の理由については、実施例にて詳細に述べる。 本
発明に用いられる、照射光の強度に応じて結晶および非
晶質間の相変化が可逆的になされる記録層(4)として
は、一般的には、In−Se合金、In−Sb−Te合
金、Ag−In−Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合
金が知られている。これらの中でも、Ge−Te−Sb
合金もしくはGe−Te−Sb合金をベ−スとして第4
元素を添加した合金系は、その組成により種々の結晶化
速度を持つため、広い範囲のディスク線速度をカバーで
きるので、記録層(4)として使用するのに好適であ
る。本発明においては、少なくともGe、Sb、及びT
eの3元素を含む材料と窒素から成る記録材料を用い
る。
【0017】この記録層のスパッタ時における、窒素と
アルゴンの流量比は、窒素/アルゴンで1%以上10%
以下が好ましい。記録層(4)の組成は、記録層材料の
結晶化速度を変化させるものであり、記録の際の線速度
(例えば6m/s)との関係において決まるものである
が、下記で示される範囲の組成が好ましい。
【0018】Ge x Te y Sb z 但し、x、y、zは、Ge、Te、Sbの3元素の原子
数比で、以下の式 x+y+z=1 の関係を満たし、かつ、下記のA、B、C、Dの4点で
囲まれる範囲内にあるものとする。
【0019】 A:(x、y、z)=(0.10、0.57、0.3
3) B:(x、y、z)=(0.30、0.53、0.1
7) C:(x、y、z)=(0.10、0.53、0.3
7) D:(x、y、z)=(0.30、0.49、0.2
1) 記録層(4)の膜厚は、光ディスクに要求される反射
率、コントラスト△Rや記録感度に応じて決めればよ
く、15nm以上35nm以下が好ましい。この膜厚が
15nm未満では、コントラストが小さくなり、35n
mを越えると記録感度が悪くなる。
【0020】本発明に用いられる反射層(6)として
は、Al、Au、Ni、Ti、Cr等の金属元素単体あ
るいは合金が用いられる。このような反射層(6)は、
熱伝導性がよく、記録層(4)で発生した熱を効率よく
逃がしたり、あるいは光学的コントラスト(結晶部分と
非晶質部分との反射率の差)を高めたりする。中でも、
Al及びAuをベ−スにした合金系が好ましく、特にA
lにCr、Ti、Zr、Hf、Si、Cu等を0.5a
t%以上10at%以下の割合で加えた合金系が、耐食
性及びコストの観点から好ましい。
【0021】反射層(6)の膜厚は、記録膜で発生した
熱を効率よく逃がしつつ、コントラストないしC/N
を、光学的にエンハンスする効果が得られる範囲であれ
ばよく、一般的には、30nm以上300nm以下が好
ましい。この膜厚が30nm未満では、光学的にエンハ
ンス効果が低下し、300nmを超えると、記録層
(4)を加熱するのに必要なレーザパワーが大きくなり
好ましくない。
【0022】この反射層の上に膜の保護と強化のため
に、有機材料を塗布することが好ましい。この材料とし
てUV硬化樹脂(ウレタン系、ウレタンアクリレート
系、エポキシアクリレート系、アクリル系、シリコン
系、ポリエステル系)またはホットメルト系の接着剤等
を用いることができる。これらの樹脂膜の膜厚は、使用
方法例えば、ディスク単板で使用するか、あるいは貼り
合わせた状態で使用するかによっても異なるが、5μm
以上50μm以下が好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的実施形態
として実施例を示す。
【0024】
【実施例1】図1に示す層構造の相変化型光ディスクを
以下のようにして作製した。基板(1)として、中心穴
を有する直径120mm、厚さ0.6mmの円板状のポ
リカーボネート樹脂からなり、あらかじめ1.48μm
(Land/Grooveのピッチで0.74μm)ピッチの溝が
設けられているものを用い、この透明基板(1)上に、
ZnSとSiO2との混合物(SiO2の含有率20mo
l%)からなるターゲットを用いて、RFスパッタ法に
より、厚さ90nmの第一保護層(2)を形成した。
【0025】次に第一保護層(2)の上に、Biからな
るターゲットを用い、RFスパッタ法により、1nmの
界面層(3)を形成した。次に、Ge−Te−Sb合金
からなるターゲットを用い、窒素とアルゴン混合雰囲気
中でDCスパッタ法により、膜厚25nmの記録層
(4)を形成した。窒素とアルゴンの流量比は、窒素/
アルゴン=7%とした。記録層(4)の組成は、Ge2
3.0Te52.2Sb24.8 at%とした。
【0026】この記録層(4)の上に、ZnSとSiO
2との混合物(SiO2の含有率30mol%)からなる
ターゲットを用い、RFスパッタ法により厚さ12nm
の第二保護層(5)を形成した。第二保護層(5)を形
成する際に、O2ガス、H2ガス及びN2ガスの分圧はそ
れぞれ50x10-6Torr、50x10-6Torr、10x1
-6Torrとした。Arガスは、3種のガスを添加後、全
圧で5x10-3Torrとなるように流量を調節した。
【0027】第二保護層(5)の上にAl−Ti(Ti
の含有率1.1at%)からなる厚さ約150nmの反
射層(6)を形成した。次に、この反射層(6)の上
に、紫外線硬化樹脂をスピンコートで厚さ10μmとな
るように塗布し、紫外線をあてて硬化させることにより
保護コート層(7)を設けた。
【0028】一方、比較例1として、図2に示す、基板
(1)、第一保護層(2)、記録層(4)、第二保護層
(5)、反射層(6)からなる層構成の相変化型の光デ
ィスクを作製した。基板(1)および各層の形成方法は
前記実施例1の場合と同様であり、同様の材料で同じ膜
厚に作製し、反射層(6)の上に保護コート層(7)を
形成した。
【0029】このようにして得られた相変化型光ディス
クの基板に出力1Wの半導体レーザ光を照射し、光ディ
スクの使用部分を初期化した。それぞれの光ディスクを
2枚ずつ用意し、片方の光ディスク基板は薄膜形成面を
内側にして、カチオン重合紫外線硬化型接着剤を用いて
貼り合わせ、全面接着構造の光ディスクとした。このよ
うにして用意された光ディスクを、駆動装置(対物レン
ズの開口数0.60、レーザ波長650nm)にかけ
て、線速度6m/sで回転させ、同一トラックに8/1
6変調のランダムパターンの信号を、10回オーバーラ
イトした。このオーバーライトされた信号を再生し、そ
の再生信号(再生時のパワーは、通常1.0mWであ
る)のジッタ(時間方向のずれ)をジッタアナライザに
より解析し、標準偏差σを得た。この値を用いて、ジッ
タ値のTw(ウィンドウ幅 ここでは34.2nse
c)に対する割合(σ/Tw)を求めた。
【0030】各サンプルについて、σ/Twのバイアス
パワー(消去パワー)依存性とピークパワー(記録パワ
ー)依存性を測定した。その結果をそれぞれ、図3、図
4に示す。バイスアパワー依存性は、ピークパワーを一
定にし、バイアスパワーを変化させたときのσ/Twで
ある。ピークパワー依存性は、バイアスパワーを一定に
したときの、ピークパワーを変化させたときのσ/Tw
である。前記割合σ/Twが、8.5%以下であること
が、DVD-RAM Specification Ver.1.0に記載されてい
る。表1に各サンプルのσ/Twの最小値と、σ/Tw
≦8.5%となるピークパワーの範囲を示す。
【0031】
【表1】
【0032】図3、図4、表1から分かるように、σ/
Twの最小値が、界面層(3)を有する本発明の実施例
1では6.8%で、比較例1では7.5%である。この
ように実施例1では、比較例1に比べて良質な再生信号
を得ることができた。さらにσ/Tw≦8.5%である
ピークパワーの範囲は、実施例1が8.69mW〜(1
2.5mW)で、比較例1が9.73mW〜(12.0
mW)である。従って、実施例1では比較例1に比べる
と良質な再生信号が得られるピークパワー範囲が広い
(特に低ピークパワー領域)ことがわかる。
【0033】次に、光ディスクの繰り返し記録耐久性を
調べた。σ/Twが13%となるピークパワーを各サン
プルについてもとめ、そのパワーを1.25倍したピー
クパワーを繰り返し記録時のピークパワーとした。実施
例1では、10万回オーバーライト後のσ/Twが、1
1.5%であるのに対し、比較例1では、17.3%と
かなり大きくなった。10万回オーバーライト後の記録
セクタ始端部における波形つぶれ量は、実施例1では1
0バイトで、比較例1は25バイトであった。このよう
に実施例1では、比較例1に比べて、かなり繰り返し記
録耐久性が改善されていることがわかる。
【0034】さらに、光ディスクの再生光に対する耐久
性を調べた。100回オーバーライトした信号を再生パ
ワーを通常の1.2倍(即ち、1.2mW)にし、10
00万回連続再生した後、各サンプルのσ/Twを測定
した。この値は、実施例1では9.2%であるのに対
し、比較例1では16.3%であった。
【0035】
【実施例2】界面層(3)をSbにした以外は、実施例
1と同様にして、図1の層構造の光ディスクを作製し
た。得られたサンプルについて実施例1と同じく、10
回オーバーライトしたときのσ/Twのバイアスパワー
依存性、ピークパワー依存性を調べた。得られた結果
を、それぞれ図5、図6に示す。表2に各サンプルのσ
/Twの最小値と、σ/Tw≦8.5%となるピークパ
ワーの範囲を示す。
【0036】
【表2】
【0037】図5、図6、表2から分かるように、σ/
Twの最小値は、実施例2でも7.0%と小さかった。
さらにσ/Tw≦8.5%であるピークパワーの範囲
も、実施例1と同様に、8.73mW〜(12.5m
W)と、比較例1に比べると低ピークパワー領域が広か
った。次に、光ディスクの繰り返し記録耐久性を調べ
た。実施例1と同様にして繰り返し記録時のピークパワ
ーを求めた。実施例2では、10万回オーバーライト後
のσ/Twが、12.2%であった。10万回オーバー
ライト後の記録セクタ始端部における波形つぶれ量は、
実施例2では12バイトであった。
【0038】さらに、光ディスクの再生光に対する耐久
性を調べた。100回オーバーライトした信号を再生パ
ワーを通常の1.2倍(即ち、1.2mW)にし、10
00万回連続再生した後、σ/Twを測定した。この値
は、実施例2では9.7%であった。このように界面層
(3)にSbを用いた場合でも、記録・消去特性を改善
し、さらには繰り返し記録耐久性も大きく向上させるこ
とができることが確認できた。
【0039】
【実施例3】記録層(4)の組成をGe27.0Te51.4S
b21.6 at%にした以外は、実施例1と同様にして、図1
の層構造の光ディスクを作製した。得られたサンプルに
ついて実施例1と同じく、10回オーバーライトしたと
きのσ/Twのバイアスパワー依存性、ピークパワー依
存性を調べた。この結果、σ/Twの最小値及びσ/T
w≦8.5%となるピークパワーの範囲は実施例1と同
様に改善できることを確認した。
【0040】次に、光ディスクの繰り返し記録耐久性を
調べた。実施例1と同様にして繰り返し記録時のピーク
パワーをもとめた。実施例3では、10万回オーバーラ
イト後のσ/Twが、11.6%であった。10万回オ
ーバーライト後の記録セクタ始端部における波形つぶれ
量は、実施例3では8バイトであった。さらに、光ディ
スクの再生光に対する耐久性を調べた。100回オーバ
ーライトした信号を再生パワーを通常の1.2倍(即
ち、1.2mW)にし、1000万回連続再生した後、
σ/Twを測定した。この値は、実施例3では9.1%
であった。
【0041】
【比較例2】界面層(3)の膜厚を0.3nmにした以
外は、実施例1と同様にして、図1の層構造の光ディス
クを作製した。得られたサンプルについて実施例1と同
じく、10回オーバーライトしたときのσ/Twのバイ
アスパワー依存性、ピークパワー依存性を調べた。表3
にσ/Twの最小値と、σ/Tw≦8.5%となるピー
クパワーの範囲を示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から分かるように、σ/Twの最小値
は、比較例2では7.3%であった。さらに、σ/Tw
≦8.5%であるピークパワーの範囲は、9.32mW
〜(12.5mW)であった。比較例1に比べると改善
効果はみられるものの、実施例1、実施例2に比べると
改善効果は小さかった。次に、光ディスクの繰り返し記
録耐久性を調べた。実施例1と同様にして繰り返し記録
時のピークパワーを求めた。比較例2では、10万回オ
ーバーライト後のσ/Twは、15.1%であり、実施
例1、実施例2に対して繰り返し記録耐久性の改善が少
ないことがわかった。
【0044】
【比較例3】界面層(3)の膜厚を3nmにした以外
は、実施例1と同様にして、図1の層構造の光ディスク
を作製した。得られたサンプルについて、繰り返し記録
耐久性を調べた。実施例1と同様にして繰り返し記録時
のピークパワーを求めた。比較例3では、10万回オー
バーライト後のσ/Twが、11.2%であった。この
値は、実施例1と差はないが、10万回オーバーライト
後の記録セクタ始端部における波形つぶれ量は、21バ
イトであり、実施例1に比べると大きかった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、記録・消去特性(記録膜
前後端でのジッタ値が小さい)、繰り返し記録耐久性
(多数回のオーバーライトによっても記録特性が低下し
ない)に優れた光情報記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の層構成を示す図。
【図2】比較例1の光情報記録媒体の層構成を示す図。
【図3】実施例1におけるσ/Twのバイアスパワー依
存性を示す図。
【図4】実施例1におけるσ/Twのピークパワー依存
性を示す図。
【図5】実施例2におけるσ/Twのバイアスパワー依
存性を示す図。
【図6】実施例2におけるσ/Twのピークパワー依存
性を示す図。
【符号の説明】
1 透明基板 2 第一保護層 3 界面層 4 記録層 5 第二保護層 6 反射層 7 保護コート層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板上に、第一保護層、界面層、
    照射光の強度に応じて結晶および非晶質間の相変化が可
    逆的になされる記録層、第二保護層、反射層を順次積層
    した光情報記録媒体において、記録層が少なくともG
    e、Sb、及びTeの3元素を含む材料と窒素から成
    り、界面層がBi、Sb、Ge、及びBi−Sbからな
    る群から選択される単体あるいは1種以上の合金から成
    り、かつその膜厚が0.5nm以上2nm以下であるこ
    とを特徴とする光情報記録媒体。
JP10056957A 1998-03-09 1998-03-09 光情報記録媒体 Pending JPH11259907A (ja)

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