JP4296717B2 - 光学的情報記録媒体とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的に検出可能な記録層を具備した光学的情報記録媒体、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスク状やカード状をした基板上に金属薄膜や有機物薄膜で構成される記録材料薄膜層を形成し、これにサブミクロンオーダー径の微小光スポットに絞り込んだ高エネルギービームを照射することで記録材料層に局部的な変化を生じさせ、もって情報信号の蓄積を行う技術は既に広く知られている。とりわけ光磁気材料薄膜や相変化材料薄膜を記録層に用いた媒体では、信号の書換えが容易に行えることから盛んに研究開発がなされてきている。
【0003】
媒体の構成は、例えば図1に示すような多層膜構成をとるものが通常である。即ち、ポリカーボネートやPMMA(ポリメチルメタクリレート)の樹脂板、ガラス板等の基板1上に、誘電体材料からなる保護層2、4で挟み込まれた相変化材料や光磁気材料からなる光吸収性の記録層3、さらに記録層3での光吸収効率を向上させる働き、もしくは熱拡散層としての働きをするAuやAl合金で構成される金属性の反射層5を順次スパッタリングや真空蒸着等の方法で積層し、オーバコート層6を形成する構成がとられている。但し、レーザ光線は基板1側から入射させる。
【0004】
記録層3として相変化材料を用いる場合には、TeやSbをベースとするカルコゲナイド薄膜、例えばGe−Sb−Te系合金薄膜、Sb−Teの共晶組成をベースとしてGeを添加した系、Ge−Sn−Sb−Te系合金薄膜、In−Sb−Te系合金薄膜、Ag−In−Sb−Te系合金薄膜等がよく用いられる。このような相変化材料を用いた媒体では、レーザ光線の照射によって記録層を局所的に加熱し、比較的強いパワーで照射した部分を溶融後急冷過程でアモルファス化し、また比較的弱いパワーで照射した部分をアニール過程で結晶化するという変化を可逆的に生起させる書換え記録が行われている。
【0005】
誘電体材料からなる保護層2、4の働きは、例えば、
1)記録層を外部からの機械的なダメージから保護する働き
2)信号の書き換えを繰り返し行った場合に起きる基板表面の荒れ、記録層の破れや蒸発等の熱的なダメージを低減し繰返し回数を高める働き
3)多重反射による干渉効果を利用して光学的変化をエンハンスする働き
4)外気からの影響を遮断し化学的な変化を防止する働き
等であって、こういった目的を満たす保護層を構成する材料として、従来よりAl23、TiO2、SiO2等の酸化物、Si34やAlN等の窒化物、Si−O−N等の酸窒化物(例えば特開平3−104038号公報)、ZnS等の硫化物、SiC等の炭化物或いはこれらの間の混合物としてZnS−SiO2(特開平3−103453号公報)等の材料が提案されてきているが、実際に商品化されている相変化光ディスクに適用されている保護層材料は専らZnS−SiO2である。
【0006】
ZnS−SiO2が用いられてきた理由は、誘電体の中ではかなり熱伝導率の小さい部類に属し、レーザビーム等によって記録を行う際に生じる熱拡散を最低限に抑制できるので記録感度が高くなる、内部応力が小さいので厚い膜を形成しても割れが生じにくい、相変化材料層との接着性が高く、レーザ照射を繰り返しても剥がれにくい等である。本発明が開示しようとしているTe−O系材料またはTeOX系(1.2≦x≦2)材料や、これに添加物を行ったTe−M−O系材料を保護層に適用すべく開示した例はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、筆者らが開示したように(N. Yamada et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.37 (1998) pp.2104-2110)、ZnS−SiO2保護層にも課題がある。即ち、レーザー照射を繰り返し行うと、ZnS−SiO2保護層中に含まれる比較的弱い結合を持つS原子が放出されて記録層へと拡散侵入し、記録層の光学特性や相変化速度を変化させてしまうということである。この結果、記録性能が徐々に劣化し、繰り返し回数が制限されるという課題があった。筆者らは、上記課題を克服するためにTeをベースとする記録層とZnS−SiO2保護層との間にGe−Nに代表される窒化物界面層を形成することでS原子の拡散を抑制するという方法を提案した。確かに、この方法によればSの拡散が抑制され、書換性能が繰り返し性能を向上することが確認されている。但し、界面層の採用は全体の層数の増大を招き、その結果、製造上のコストが増大傾向になるという別の観点からの新たな課題が生じた。
【0008】
本発明は、上記課題を解決し、トータルの層数を増やさず、相変化光ディスクの繰り返し性能に優れた光学的情報記録媒体を構成することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決する手段として、情報記録層の何れか、望ましくは両側の面に接して、TeOXまたはTe−Oを主成分とする保護層を設ける。筆者らは、Te−O材料は,TeやSbをベースとする情報記録層との接着性が高いことを見いだした。しかもTe−Oは化学的に安定であって、ZnS−SiO2のように記録膜の内部にまで拡散進入するS原子を放出することもない。また、組成の制御が容易で、媒体に応じて適度な光学定数を実現できるという利点がある、また、添加物により、融点や屈折率を制御することも可能である
【0010】
また、添加元素Mによって様々な方向に特性を向上することが可能であり、添加元素Mとして、0族元素(Ar,Kr,Xe)、Ib族元素(Cu,Ag,Au),IIa族元素(Mg,Ca,Sr,Ba),IIb族元素(Zn、Cd)、IIIa族元素(Sc、Y)、IIIb族元素(B、Al,Ga,In)、IVa族元素(Ti,Zr,Hf)、IVb族元素(C,Si,Ge,Sn,Pb)、Va族元素(V,Nb,Ta)、Vb族元素(N,Sb,Bi)、VIa族元素(Cr,Mo,W)、VIIa族元素(Mn)、VIII族元素(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)、ランタノイド元素(La)、希土類元素(Dy,Eu,Gd,Tb)の中から選ばれる少なくとも1つを含むことができる。また、構成元素の1つとして、さらにNを含めることも可能であって、保護層の組成をTeabcd(a+b+c+d=100)、[a≧bかつc≧50at%かつd=0]または[a≧bかつc+d≧50at%かつc≧d>0]とすることができる。
【0011】
この際、情報記録層は相変化形の材料層からなることが好ましく、基板上に、Te−Oを主成分とする第1の保護層、情報記録層、第2のTe−Oを主成分とする保護層を含む3つの層、または、上記3つの層にさらに金属性反射層(または放熱層)を加えた4つの層を含む多層膜を積層してなることが、より好ましい。
【0013】
この際、Te−O膜へ添加物Mを添加する方法としては、やはりスパッタ法を用いる。スパッタターゲットとしては、Te−M合金またはTe−M混合粉末ターゲットまたはTeとTeO2とMとM酸化物(またはM窒化物、またはM窒酸化物)の混合粉末を固めて形成したTe−M−O−(N)ターゲットを用いる。この際、Te−M合金またはTe−M混合粉末ターゲットを用いる場合には、不活性ガスと酸素ガスの混合ガスまたは不活性ガスと酸素ガスおよび窒素ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタ法により、またTe−M−O−(N)ターゲットを用いる場合には、組成に応じて不活性ガスを用いた通常スパッタ法、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス、または不活性ガスと酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタ法の何れかによる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の光学的情報記録媒体の1実施形態を図2に示す。この実施形態において、基板1は厚さ0.6mm、直径120mmのディスク状のポリカーボネート樹脂基板である。基板に用いる材料としては、ポリカーボネートが吸湿性が低い点やコストが低い点等総合的に優れているが、これ以外にもガラス、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニール等も用いることができる。金属も用いられるが、この場合には基板を通じて記録光線を入射できないため、膜を形成した側から光を入射するべく、媒体の構造設計を行わなければならない。いずれにせよ、基板の種類は、本発明を限定するものではない。
【0015】
基板表面は光学的に十分平滑であると共に、多層膜が形成される面にはスパイラル状の溝トラック7として、例えば深さ60nm、溝部の幅0.615μm、ランド部の幅0.615μmがほぼ全面に形成されていて、情報信号を記録再生するためのレーザビームは、この溝の凹凸形状を案内としてディスク上の任意の位置へと移動できる。レーザビームの案内方法には、このスパイラル状の溝、或いは同心円状に形成された溝を用いる連続サーボ方式や、周期的に並べられた信号ピット列を追跡するサンプルサーボ方式が知られ、当該レーザビームの案内方式に応じて基板1に適宜溝等が形成されるが、これも本発明の本質とは関係しない。
【0016】
基板1の溝トラック7が形成された面上には、順にTe30Zn1060保護層(130nm)、Ge2Sb2Te5記録層(10nm)、Te30Zn1060保護層(30nm)、Al反射層(100nm)の4層が、この順にスパッタ法によって形成され、紫外線硬化樹脂を接着層9として、基板1と同じ樹脂板が保護板10として張り合わせられている。従来、保護層材料としては専らZnS−SiO2が用いられてきた。この理由は、
i) ZnS−SiO2は誘電体の中では、かなり熱伝導率の小さい部類に属し、レーザビーム等によって記録を行う際に生じる熱拡散を最低限
に抑制できるので記録感度が高くなる、
ii) 内部応力が小さいので厚い膜を形成しても割れが生じにくい、
iii)相変化材料層との接着性が高く、レーザ照射を繰り返し行っても剥がれにくい、
等、幾つかあることは既に述べた通りであるが、とりわけ、iii)の性能に優れた材料がほとんどなかったという点が決定的であったといえる。しかしながら、その後の筆者らの研究によれば、レーザ照射を繰り返すと、ZnS−SiO2層から原子が遊離して情報記録層中へと拡散し、そのことが強固な接着性を生むもとになっていたと考えられる。即ち、従来の材料では接着性向上と引き替えに繰り返し性能を落としていた。
【0017】
これに対してTe−O材料が情報記録層と優れた接着性を示す理由は、まだ明確になっていないが、記録層との間で大きな原子拡散が生じているというような現象は観測されていない。また、Te−O系ではたとえTeが記録層中に拡散したとしても、Teは記録層の主成分である場合が多く、問題の生じる可能性が小さいメリットがある。Te−O薄膜は通常、アモルファス状態で膜が形成されるが、この際、その平均組成によって、屈折率や吸収係数が連続的にしかも容易に制御可能という大きな特徴がある。即ち、Te成分が増大するにしたがって屈折率や吸収係数が連続的に増大するので、必要に応じて組成を最適化することができる。
【0018】
例えば、構造柔軟性を高めたい場合、融点を下げたい場合、少し吸収を持たせたい場合にはTe濃度を高める。逆に、やや堅い膜が欲しい場合、融点を上げたい場合、完全に透明化したい場合にはO濃度を向上させる。Te−O系では、Te濃度が一定濃度以上に大きくなると結晶化が生じやすくなり、記録材料としても用いられる場合があるが(Takenaga et al. J. Appl. Phys. Vol. 54(9), pp.5376-5380,1983)、ここでは結晶化が生じないようにO濃度を十分大きく設定する。即ち、Te−O膜を保護層として用いるためには、膜厚方向の平均的な組成をTeOX(1.2≦x≦2.0)に選ぶ。より透明な膜を得るためにはTeOX(1.5≦x≦2.0)であることが好ましい。
【0019】
Te−O膜には、添加元素Mを添加することが可能である。これによって様々に特性を向上することが可能である。添加物濃度は、一般的に、Te原子の濃度を超えることはTe−Oの優れた性能が低下することにつながり好ましくない。また、通常はTe濃度の1/10以上で効果が顕著となる。
【0020】
添加元素Mとしては、以下に述べるような様々なものがある。まず、化合物を形成しにくい希ガスとしてAr,Kr,Xe等がある。希ガスは、これをスパッタガスとしてスパッタ法で薄膜を形成する際に、必然的に膜に含まれるものであるが、通常、光学定数(屈折率、消衰係数)を小さくする方向に寄与する。この場合、好ましい特性を与える酸素濃度は添加物のない場合に準ずる。
【0021】
次にTeよりも酸化物を形成しにくい元素として、Teよりも酸化物の標準生成エネルギーが小さく、Teよりも酸化傾向の小さな元素がある。例えば、Ag,Cu,Au,Pd,Pt等の貴金属元素である。これらの元素は、膜中でも非酸化物として存在する可能性が大きく、通常、光学定数(屈折率、消衰係数)を大きくする方向に寄与する。この場合、膜中ではTeが優先的に酸化されるので、好ましい特性を与える酸素濃度はおおよそ添加物のない場合や希ガスの場合に準ずる。この場合、全体の酸素濃度は50%を切らないことが好ましい。
【0022】
望ましい組成は、保護層材料組成Te−M−Oの組成比を示す図3の三角組成図で、TeO2を示す組成点A(33.3,0,66.7)、TeO1.2を示す組成点C(45.5,0,54.5)、組成点Mを示す点cとAを結んだ直線cAがTeOを示す組成点jと組成点MOを示す点dを結んだ直線idと交差する組成点F(25,25,50)、組成点Mを示す点cとCを結んだ直線cCが直線jdと交差する組成点D(41.5,8.5,50)の4つの組成点に囲まれた組成範囲A−C−D−F内にあることが望ましい。
【0023】
ここで、組成線jdよりもO濃度が小さい組成では、光吸収が大きくなって保護層としては光学的ロスが大きくなる。この意味では、組成点cとTeO1.5を示す組成点B(40,0,60)とを結んだ直線cBが前記直線jdと交差する組成点E(33,17,50)を定義して、4つの組成点A−B−E−F内であることがより透明な膜が得られるので、光学設計上好ましい。組成cCよりもTeリッチな組成では熱的安定性が低下する。
【0024】
また、組成線cAよりもOリッチな領域では膜中に未結合のO原子が存在するため、記録層が酸化されることになり好ましくない。また、添加物効果が顕著になるのは、添加物濃度がTeの1/9以上(Te−M中の10%以上)からであって、Te9010を示す組成点aとOを示す組成点iを結ぶ組成線aiと組成線cAおよび組成線cCとの交点、A1(32.5,3.5,65)および、C1(43,5,48)を定義して、組成領域A1−C1−D−Fで表される。
【0025】
次にTeよりも酸化物の標準生成エネルギーが小さく、Teよりも酸化傾向の大きな元素がある。Teは比較的酸化しにくい元素に属するので、こういった種類の元素は非常に多い。これらは、酸化物としてTe−Oと混合物や複合酸化物を形成し、Te−Oの特性を修飾することができる。例えば、TeO2の融点は733℃であるが、これよりも融点の高い酸化物を形成する元素を添加すれば系全体の融点を高めることができる。
【0026】
例えば、Al,Bi,Cr,Dy,Eu,Fe,Gd,Ge,Hf,Ho,In,La,Mg,Mn,Mo,Nb,Ni,Pb,Sc,Si,Sr,Ta,Tb,Ti,V,Y,Zn,Zrが有力である。これによって、保護層としての耐熱性を高めることができる。とりわけ、Al,Dy,Gd,Mg,Nb,Sc,Si,Sr,Ta,Tb,Ti,Y,Zn,Zrは透明性が高い酸化物を形成するので添加物として適している。融点があまり高くなりすぎると、内部応力が緩和しにくくクラックが入りやすくなるので、添加物濃度は適当に選ぶ必要がある。一般的に、Te原子の濃度を超えることはTe−Oの優れた性能が低下することにつながり好ましくない。また、通常はTe濃度の1/9以上程度から効果が顕著となる。
【0027】
反対に、融点の低い酸化物を形成する元素を添加すれば、系全体の融点を低下させることができる。例えば、Sbが有力である。一般的にいって、保護層の融点は記録材料層の融点よりも高いことが望ましいが、記録材料層の融点を近づけることで記録時に生じる記録層の変形に追従しやすいというメリットが生じる場合がある。一般に、TeやSbをベースとする相変化記録材料の融点は500℃から700℃くらいであるから、材料系にあわせて、Te−O系の融点をTeO2の733℃よりも下げることが好ましい場合もある。この際も、添加物の濃度はTe原子の濃度を超えないことが望ましい。
【0028】
全体としての望ましい組成は、添加元素が固有に生成する化学量論的な酸化物の形により異なる。例えば、生成される酸化物の形がMOである場合には、好ましい組成は、図4に示した、三角組成図で、組成線dAおよびdCが、組成Te5050を示す組成点bと組成Oを示す組成点iを結ぶ組成線biとそれぞれ交差する点、G(24,24、52)およびI(20,20,60)を定義し、組成領域A−C−G−I内にあることが好ましい。組成線aiと組成線dBが交差する組成点H(22,22,56)を定義して、4つの組成点A−B−H−I内では、より透明な膜が得られるので、光学設計上好ましい。
【0029】
組成線dCの右側では光学的透過率が低下するので光学設計上好ましくない。組成線biの下側では、Te−O膜の特徴である接着性能が低下するので好ましくない。組成線dAの左側では、膜中に未結合のO原子が存在するため、記録層が酸化されることになり好ましくない。さらに、組成線aiと組成線dAおよびdBとの交差点A2(31,3.5,65.5)、C2(41.5,4.5,54)を定義すると、組成域A2−C2−G−Iでは、より添加物Mの効果が顕著になる。MOを生成するMとしては、Zn,Mg、Sr、Nbが良い性能を示した。
【0030】
以下、図4の場合と同様に、図5、図6、図7、図8の各図において、添加物Mの生成する酸化物の形がM23、MO2、M25、MO3である場合の適正な保護層組成の範囲を示した。即ち、MがM23を生成する場合には、図5において、A(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),J(21.5,21.5,57),L(18,18,64)で囲まれた組成域にあることが好ましく、A(33.3,0,66.7),B(40,0,60),K(20,20,60),L(18,18,64)で囲まれた組成域にあることがより好ましい。また、A3(30.5,3.5,66),C3(40.5,4.5,55),J(21.5,21.5,57),L(18,18,64)で囲まれた組成域が添加物効果が顕著である。Mとしては、Al、Bi、Cr、Dy,Eu,Gd,Ho,La,Sb,Tb,Ti,Yが好ましい性能を示した。
【0031】
MがMO2を生成する場合には、図6において、A(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),M(24,24、52),O(16.7,16.7,66.6)で囲まれた組成域にあることが好ましく、A(33.3,0,66.7),B(40,0,60),N(23,23,54),O(16.7,16.7,66.6)で囲まれた組成域にあることがより好ましい。また、A4(30,3.3,66.7),C4(39.5,4.5,56),M(24,24、52),O(16.7,16.7,66.6)で囲まれた組成域が添加物効果が顕著である。MとしてはSi、Ge、Mn,Sn、Ti,Zrが好ましい性能を示した。
【0032】
MがM25を生成する場合には、図7において、A(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),P(17.5,17.5,65),R(15.5,15.5,69)で囲まれた組成域にあることが好ましく、A(33.3,0,66.7),B(40,0,60),Q(16.5,16.5,67),R(15.5,15.5,69)で囲まれた組成域にあることがより好ましい。また、A5(29.5,3.5,67),C5(38.5,4.5,57),P(17.5,17.5,65),R(15.5,15.5,69)で囲まれた組成域が添加物効果が顕著である。MとしてはNb、Sb、Taが好ましい性能を示した。
【0033】
MがMO3を生成する場合には、図8において、A(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),S(16.5,16.5,67),U(14.5,14.5,71)で囲まれた組成域にあることが好ましく、A(33.3,0,66.7),B(40,0,60),T(15.5,15.5,69),U(14.5,14.5,71)で囲まれた組成域にあることがより好ましい。また、A6(29,3,68),C6(38,4,58),S(16.5,16.5,67),U(14.5,14.5,71)で囲まれた組成域が添加物効果が顕著である。MとしてはScが好ましい性能を示した。
【0034】
添加する元素が窒化物を形成しやすい場合には、一部を窒化し窒酸化物として膜中に含有させることも有力になる。例えばAl、Si,Ti,Nb,Zr,Taのような元素である。一般に窒化物は酸化物よりも融点が高い、構造柔軟性が低い、光吸収性が高い等の特性があって、あまり多くなると割れが生じやすくなったり、光学的な効率を落としたりする。本発明のTe−Oを基本とする保護層中では窒素濃度は酸素濃度を超えないことが望ましい。材料系の組成式は、窒素を含む場合と、含まない場合に分けて、Teabcd(a+b+c+d=100)[a≧bかつc≧50at%かつd=0]または[a≧bかつc+d≧50at%かつc≧d>0]のように表すことができる。添加元素を族別に整理すれば以下のようになる。
【0035】
0族元素(Ar,Kr,Xe)、Ib族元素(Cu,Ag,Au),IIa族元素(Mg,Ca,Sr,Ba),IIb族元素(Zn、Cd)、IIIa族元素(Sc、Y)、IIIb族元素(B、Al,Ga,In),IVa族元素(Ti,Zr,Hf)、IVb族元素(C,Si,Ge,Sn,Pb)、Va族元素(V,Nb,Ta),Vb族元素(N,Sb,Bi),VIa族元素(Cr,Mo,W),VIIa族元素(Mn)VIII族元素(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)ランタノイド元素(La)希土類元素(Dy,Eu,Gd,Tb)の中から選ばれる少なくと1つを含むことができる。
【0036】
記録層3を形成する材料は、レーザ光線等のエネルギービームの照射を受けて可逆的な状態変化を生じる相変化材料であって、とりわけレーザ光線の照射でアモルファス−結晶間の可逆的相変化を生じるものが好ましい。代表的にはGe2Sb2Te5に変えて、Ge−Sb−Te、Ge−Sn−Sb−Te、Ge−Te、In−Sb−Te、Sb−Te、Ge−Sb−Te−Pd、Ag−Sb−In−Te、Ge−Bi−Sb−Te、Ge−Bi−Te、Ge−Sn−Te、Ge−Sb−Te−Se、Ge−Bi−Te−Se、Ge−Te−Sn−Au、Ge−Sb−Te−Cr、In−Se、In−Se−Co、 Ge−In−Sb−Te、Ge−Ag−In−Sb−Te等を主成分とする系、或いはこれらの系に酸素、窒素等の添加物を加えた種々の材料系を用いることができる。
【0037】
これらの薄膜は、通常成膜された時はアモルファス状態であるが、レーザ照射によって結晶化することや、再度アモルファス化することが可能であり、その際に生じる光学的特性の変化を利用して情報の記録再生を行うことができる。記録膜に短パルス光を照射して局部を溶融−クェンチすることでアモルファス化することができる。また、アモルファス化の場合と同等以上の長さで、結晶化温度以上に加熱することでアニールし結晶化することができる。
【0038】
反射層5は、金属材料層または誘電体膜を組み合わせた多層膜から構成される。Al以外にも、Au,Ag,Pd,Ni,Cr,Ta、Ti,Si等を単体またはこれらをベースとした合金として用いることができる。例えばAu−Cr,Au−Co,Al−Ta,Al−Ti,Al−Cr、Ag−Pd−Cu、Ag−Cr,Ni−Cr,Au−Pd等の合金が好ましい。反射層は必須ではないが、熱放散効率や光学的設計の自由度を高めるためには用いることが好ましい。
【0039】
なお、図2では、最上層にオーバコート層6を設けた構成を示しているが、オーバコート層6は光学的情報記録媒体の保護層及び記録層を水分、ほこり等の影響を抑制するために設けられるだけであり、図9に示すように、例えば接着層8を介してダミー基板(カバー板、カバー層)9を貼り合わせる構成、オーバコート層面を内側にして接着剤を用いて2枚を貼り合わせる構成等、常法に従い適宜用いられる。貼り合わせには、ホットメルト接着剤または紫外線硬化樹脂等の接着剤が適用される。
【0040】
媒体構成としては、図10に示すように、前記基板上に多層膜を従来とは反対の順に形成し、この上に従来よりも薄い0.1mm程度の厚さのカバー層10を設け、このカバー層側からレーザ照射を行うという方式もあるが、本発明のTe−Oを主成分とする材料層を同様に適用することができる。カバー層はシートを貼り合わせる方法も、樹脂層をスピンコートする方法もどちらでも使うことができる。
【0041】
次に、上記光学的情報記録媒体の製造方法についての説明を行う。本発明の記録媒体を構成する多層膜は、真空蒸着、スパッタリング、レーザースパッタリング、イオンプレーティング、CVD等の気相堆積法により形成することができるが、光ディスクのように基板に樹脂基板を用いるデバイスではダストが出にくい、基板の温度が上がりにくい等の理由でスパッタ法を用いることが好ましい。本発明の光学的情報記録媒体のTe−O層以外の層は、これまでの通常の方法で成膜することができる。本発明のTe−O系材料の場合には、添加物に応じて酸化物ターゲットを用いる場合と、合金ターゲットを用いる場合がある。例えば、Te−Oターゲットを用いてArやXe等の不活性ガスを用いてスパッタを行うことも可能であるし、この際、不活性ガス中に適度な濃度でOやNを混合させてスパッタすることでTeの酸化度、窒酸化度を制御することができる。
【0042】
ターゲットの組成は添加物によっても変えることができる。例えば、IIa族元素の場合には単体として取り扱うことが難しいので、酸化物として扱うことが好ましく、例えばMg−OとTe−Oの混合物ターゲットまたはMg−OとTeとの混合物ターゲットを用いる。また、酸化しやすい元素を添加する場合には、酸化物として扱う方が便利である。例えばTb,Gd,Dy,Eu等の希土類元素、La等のランタノイド元素、Sc、YのようなIIIa族元素、Ti,Zr,Hf等のIVa族元素、V,Nb,Ta等のVa族元素、Cr,Mo,WのようなVIa族元素、MnのようなVIIa族元素は融点が酸化しやすいことに加えて、融点が高いことから酸化物として扱う方が便利である。但し、これらは単体として扱うこともできる。ここでは、ArやXe等の不活性ガスを用いてスパッタを行うが、この際、不活性ガス中にNやOを混合させてスパッタすることで、Teや添加物であるMgの酸化度や窒酸化度を制御することができる。
【0043】
同じII族でもIIb族元素の場合には、ZnTeやCdTe等のように、Teとの合金を容易に形成することができる。例えばZnを加える場合には、必要なZn濃度に応じてTeとZnとの混合比を最適化し、例えばTe80Zn20、Te70Zn30のような合金ターゲットからスパッタすることができる。スパッタガスとしては、ArやXe等の不活性ガス中にOを混合し、反応性スパッタ法によりTe酸化物とZn酸化物の複合酸化物膜を得ることができる。この際、スパッタ条件としてガス圧力や分圧比やスパッタ速度を変化させることで、酸素濃度を制御することができる。また、さらにNを混合してスパッタすることで、窒酸化物を形成することができる。本実施形態では、Te75Zn25ターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス35%、O2ガス65%の混合ガスを用い、0.4Paの真空度で100WのDCスパッタ法で形成した。
【0044】
比較的融点の低い金属元素や酸化傾向の低い元素、例えばIIIb族元素(B、Al,Ga,In),IVb族元素(Si,Ge,Sn,Pb)、Vb族元素(Sb,Bi)はZnとTeの場合と同様に合金化する方が簡単であるが、Te−O中に単体として混ぜることもできるし、酸化物M−OとしてTeやTe−Oと混合することでターゲットを作ることもできる。但し、Cはスパッタガスに炭化水素として含ませるか、別元素の炭化物、例えばSiCやWCとして混ぜるかの方法を用いる。Teに対して酸化しやすいかどうかを知る手がかりとして、酸化物を生成するギブツの標準生成自由エネルギーがある。エネルギー大きいほど、酸化物を形成しやすいので、Te酸化物を形成する自由エネルギー(−270.3KJ/mol)と比較し、その絶対値が大きければTeよりも酸化物を生成しやすいといえる。日本化学会編の化学便覧改訂第III版基礎編II中(P305〜)に記載されている。
【0045】
貴金属元素Au,Pt,Pd,Rh等は酸化物を作るのが容易ではないので、Teと合金化するか、Te−O中に単体として混合する。またVIII族元素(Fe,Co,Ni)等はいずれも可能である。
【0046】
貼り合わせまで行った記録媒体は、予め記録層を結晶化しておく作業(初期化)を行った。初期化は、以下に示すようにレーザ照射により行った。ディスク媒体を線速5m/sの等速度回転させ、波長780nmのレーザ光線をディスク面上で1μm×100μm(半値幅)の長円形スポットになるように成形し、その長い方向が半径方向になるように配置し、30μm/回転のピッチでディスク外周部から内周部へと順次結晶化作業を行った。
【0047】
以上、本願発明の1実施形態の光学的情報記録媒体の製造方法を示した。以上に述べた方法は、構成する多層膜の層数やそれぞれの膜厚が変化しても本質的に同じである。次に、上記のようにして形成した光学的情報記録媒体上に信号を記録し、再生する方法について説明する。
【0048】
図11に示すように、記録特性の評価には、波長660nmの半導体レーザ光源11と、開口数0.6の対物レンズ12とを登載した光ヘッド13と、光ヘッドを記録媒体の任意の位置に導くための移送手段としてリニアーモーター14と、位置制御するためのトラッキング・サーボ機構及び回路(図示省略)と光ヘッドの姿勢を制御し、レーザースポットを記録膜面に照射するためのフォーカッシング・サーボ機構及び回路(図示省略)と、レーザのパワーを変調するためのレーザードライブ回路と、再生信号のジッター値を測定するためのタイムインターバルアナライザー(図示省略)と、光ディスクを回転させるための回転制御機構としてモーター15とを備えたデッキを用いたが、レーザ波長がさらに短くなって400nm以下になっても本発明は適用することができる。NAによらないことも原理からして自明である。
【0049】
信号の記録またはオーバライトに際しては、まずディスク16を所定の回転速度で回転し、リニアーモーターを働かせ光ヘッドを任意のトラック位置まで動かし、次にフォーカスサーボ機構を働かせレーザー光17を記録膜面にフォーカスさせ、次にトラッキングサーボ機構を働かせレーザービームを任意のトラックにトラッキングさせる。次に、レーザドライブ回路を働かせ、レーザ出力を図12に示すように、情報信号に応じて、相対的に照射エネルギーの大きなパワーレベルを有するアモルファス化パルス部と、相対的にエネルギーの小さいパワーレベルを有する結晶化パルス部との間でパワー変調を施し、前記光学的情報記録媒体に照射することにより、アモルファス状態の部分と結晶状態の部分が交互に存在する状態を形成する。
【0050】
なお、ピークパルス部は、さらに狭いパルス列で形成された通常マルチパルスと呼ばれる構成とすることもできる。アモルファス化パルス部で照射された部分は瞬時、溶融した後、急冷却されてアモルファス状態となり、結晶化パルス部で照射された部分は、アニールされて結晶状態となる。
【0051】
次に、信号の再生に際しては、前記レーザビームの照射パワーを、前記光学的情報記録媒体にさらなる変化を付加しない程度の結晶化で用いたパワーレベルよりも低い再生パワーレベルとして、前記光学的な変化を生じた部分に走査し、反射光または透過光が前記アモルファス状態か結晶状態かの状態の差に応じて呈する強度の変化を検出器で受け取って検出した。なお、パルスの波形は図12に示したものに限定されるわけではなく、例えば、図13に示すように、(A)アモルファス化パルスをアモルファス化パワーレベルと再生パワー以下のレベルとの間で変調する、(B)先頭パルスと最終パルスのみを中間部よりも相対的に長くする、(C)アモルファス化パルス幅を均等にする、または(D)アモルファス化時にパルス変調せずに照射する、(E)アモルファス化パルスの前後の両方または、何れかでは必ず再生パワーレベル以下にする期間を設ける、またこれらを組み合わせる等、各種の記録・再生・消去方式が適用できる。
【0052】
ここでは、DVD−RAM規格Ver.2.0に基づいた評価を行った。信号方式は8−15変調で、最短記録マーク長は0.42μm、最短ビット長は0.28μmである。ディスクをターンテーブルに固定して線速度8.2m/sで回転させ、溝トラックにマーク長を3T〜11Tの範囲でランダムに記録するランダム信号のオーバライトを繰り返し行い、信号振幅の変化、ジッター値(3T〜11Tの各信号マークのジッター値の標準偏差σの和σsumのウィンドウ幅Twに対する割合σsum/Twであって、12.8%以下であれば良いとしている)の変化を調べた。
【0053】
比較のために、実施形態の構成のディスク(A)に加え、(A)でTe−O系保護層を下側だけ従来のZnS−SiO2(SiO2:20mol%)に変えたディスク(B)、上側だけ従来のZnS−SiO2(SiO2:20mol%)に変えたディスク(C)、上下とも変えた従来のZnS−SiO2(SiO2:20mol%)に変えたディスク(D)、上下ともZnを含まないTe−O系保護層(Te3565=TeO1.85)を準備、繰り返し性能を比較した。
【0054】
評価項目の第1は、10万回の繰り返し記録を行った後でのジッター値(マーク前端・前端間のジッターとマーク後端・後端間のジッターを独立に測定する方法によった)で、マーク前端・前端間のジッターとマーク後端・後端間のジッターの双方ともが基準値以下で、ほとんど変化が見られない場合に◎、変化はするがジッターそのものの値が基準値以下にとどまっている場合を○、10万回で基準を若干でもオーバーする場合を△、1万回で既に基準をオーバーする場合を×で表した。評価パワーは、初期のジッター値が12.8%以下を満足する下限ジッター値よりも10%程度高く設定している。
【0055】
評価項目の第2は、上の試験トラックで10万回の繰り返しを行った後での振幅を観察した結果であって、ほとんど変化がみられない場合を◎、10%程度以下の変化がみられたものが○、20%程度の変化が見られたものを△、それ以上に大きく低下したものを×とした。
【0056】
評価項目の第3は、耐候性である。試作したディスクを90℃、80%RHの高温高湿度環境に200時間及び400時間放置した後で、顕微鏡による観察を行った。400時間でも全く異常が見られなかった場合を◎、200時間以降にわずかにはがれ等が見られた場合を○、200時間でわずかな剥がれが観察された場合を△、200時間までに大きな剥がれの見られた場合を×とした。
【0057】
以上の結果を(表1)に示す。(表1)より、本願発明の構成では繰り返し特性、耐候性共に優れた特性が得られることが分かった。またTeO2へのZn添加も効果があることが分かった。
【0058】
【表1】
Figure 0004296717
【0059】
以下、より詳細な具体例によって、本発明を詳しく説明する。
【0060】
(具体例1)
Te100100-x(x=2,5,10,20,25,33,40,50,60,70)の形でMをAl,Nb,Si,Ta,Ti,Zn,Zr,Dy,SbとしたTe−M合金ターゲットを準備し、スパッタ法によりTe−M−O膜を形成した。膜中のTe−M元素比はターゲット組成とおおよそ一致することをICP法により確かめた。スパッタ条件は、ArガスとO2ガスの混合ガスを用い、いずれも0.4Paの真空度で100Wの反応性スパッタ法である。いずれもO2ガスの濃度を変化して、膜中のO濃度を変えた。得られた膜中の酸素濃度は標準試料を用いてSIMS(2次イオン質量分析法)により決定した。各条件の膜を、前述の実施形態と同様に評価し、いずれもxが10〜50%の時に繰り返し性能の向上に効果があることが分かった。5%以下では、ほとんど効果が無く、50%を越えると耐候性(記録層との接着性能)が低下した。また、膜中の酸素濃度が50%を下回ると、繰り返し性能が低下した。
【0061】
(具体例2)
具体例1でスパッタガスとして、Ar、O2に加えてN2ガスをO2ガスの1/2混合して保護層を形成したところ、Znを除くAl,Nb,Si,Ta,Ti,Zrの元素では繰り返し回数がわずかではあるが20%程度伸びることが分かった。N2濃度はO2濃度の10%程度でも効果がある。いずれの元素も酸化の方が窒化よりも優先的に進むので、N2はかなり多くまで入れることができた。O2濃度の10%から10倍程度の範囲で選ぶことが好ましかった。O2濃度の10倍を越えると膜の窒化度が進みすぎ、その結果として記録層との接着性が低下するという課題が生じた。
【0062】
(具体例3)
具体例2で記録膜の組成をGe2.5Sn1.5SbTe7および(Sb0.70.Te0.395Ge5として同様の効果が確かめられた。
【0063】
(具体例4)
Te−O系およびTe−Ti−O系で、Ge6Sb2Te9膜との接着性を調べた。Te−O系の場合酸素濃度が増大してTeO2に近づくと、記録層との接着性能が僅かに低下傾向を示すが、実用的には組成によらず優れた接着性を示した。またTe−Ti−O系の場合も同様の傾向であって、酸素濃度が増大してTeO2−TiO2に近づくと、Ti濃度によらず接着性能が僅かに低下する傾向を示した。TiはTeよりも酸化傾向が高いので、膜中ではTiが優先的に酸化されることになり、酸素濃度の高い膜中ではTi原子は全て酸化されているが、Te原子の一部が未結合で残っていることになる。即ち、いずれの場合も、わずかにTeが酸化せずに余っていることが望ましいという結果が得られた。但し残存する未結合Teが余りすぎると、光学的濃度が大きくなる傾向も確かめられた。
【0064】
(具体例5)
具体例4で保護層の組成をTe−Zn−O,Te−Mg−O,Te−Si−O,Te−Zr−O,Te−Al−O,Te−Bi−O,Te−Nb−O,Te−Ta−O,Te−Sc−Oとして、様々な組成のディスクを作り、実施形態および具体例1に準じた評価を行った。この結果、MOという化学量論的酸化物を形成する添加物を用いたTe−Zn−O,Te−Mg−Oは図4に示した領域内において優れた繰り返し性能、接着性能を示した。例えば、(表2)に示すように、No.1からNo.8までのTe−Zn−O試料は(表2)に示すような結果を示した。
【0065】
【表2】
Figure 0004296717
【0066】
また、M23という化学量論的酸化物を形成する添加物を用いたTe−Al−O,Te−Bi−Oは図5に示した領域内において優れた繰り返し性能、接着性能を示した。例えば、No.1からNo.8までのTe−Al−O保護層試料は(表3)に示すような結果を示した。
【0067】
【表3】
Figure 0004296717
【0068】
また、MO2という化学量論的酸化物を形成する添加物を用いたTe−Si−O,Te−Zr−Oは図6に示した領域内において優れた繰り返し性能、接着性能を示した。例えば、No.1からNo.8までのTe−Si−O保護層試料は(表4)に示すような結果を示した。
【0069】
【表4】
Figure 0004296717
【0070】
また、M25という化学量論的酸化物を形成する添加物を用いたTe−Ta−O,Te−Nb−Oは図7に示した領域内において優れた繰り返し性能、接着性能を示した。例えば、No.1からNo.8までのTe−Nb−O保護層試料は(表5)に示すような結果を示した。
【0071】
【表5】
Figure 0004296717
【0072】
また、MO3という化学量論的酸化物を形成する添加物を用いたTe−Sc−O,Te−W−Oは図8に示した領域内において優れた繰り返し性能、接着性能を示した。例えば、No.1からNo.8までのTe−Nb−O保護層試料は(表6)に示すような結果を示した。
【0073】
【表6】
Figure 0004296717
【0074】
【発明の効果】
本発明によって、記録再生の繰り返しによる記録特性や再生特性の変動が小さく、かつ耐候性にも優れた光学的情報記録媒体が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の相変化光記録媒体の構成を示す断面図
【図2】本発明の光学的情報記録媒体の一構成例を示す断面図
【図3】本発明の光学的情報記録媒体に用いる保護層組成を示す第1の三角組成図
【図4】本発明の光学的情報記録媒体に用いる保護層組成を示す第2の三角組成図
【図5】本発明の光学的情報記録媒体に用いる保護層組成を示す第3の三角組成図
【図6】本発明の光学的情報記録媒体に用いる保護層組成を示す第4の三角組成図
【図7】本発明の光学的情報記録媒体に用いる保護層組成を示す第5の三角組成図
【図8】本発明の光学的情報記録媒体に用いる保護層組成を示す第6の三角組成図
【図9】本発明の光学的情報記録媒体の別の構成例を示す断面図
【図10】本発明の光学的情報記録媒体のまた別の構成例を示す断面図
【図11】本発明の光学的情報記録媒体への信号を記録再生する評価系の図
【図12】本発明の光学的情報記録媒体への信号を記録再生するレーザ波形の図
【図13】本発明の光学的情報記録媒体への信号を記録再生する、別のレーザ波形の図
【符号の説明】
1 基板
2,4 保護層
3 情報記録層
5 反射層
6 オーバコート層
7 溝トラック
8 接着層
9 ダミー基板(カバー基板)
10 薄型カバー層(薄型カバー板)
11 レーザ光源
12 対物レンズ
13 光ヘッド
14 移送機構(リニアモーター)
15 回転制御機構(モーター)
16 ディスク
17 レーザ光

Claims (24)

  1. 基板上に情報記録層と保護層を含む多層膜を備え、これにレーザビームを照射して情報の記録・再生を行う光学的情報記録媒体であって、情報記録層に接して少なくとも何れかの面にTe−Oを主成分とする保護層を設け、
    前記Te−Oを主成分とする保護層が、添加元素Mとして、
    0族元素(Ar,Kr,Xe)、
    Ib族元素(Cu,Ag,Au)、
    IIa族元素(Mg,Ca,Sr,Ba)、IIb族元素(Zn、Cd)、
    IIIa族元素(Sc、Y)、IIIb族元素(B、Al,Ga,In)、
    IVa族元素(Ti,Zr,Hf)、IVb族元素(C,Si,Ge,Sn,Pb)、
    Va族元素(V,Nb,Ta)、Vb族元素(N,Sb,Bi)、
    VIa族元素(Cr,Mo,W)、
    VIIIa族元素(Mn)
    VIII族元素(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)
    ランタノイド元素(La)
    希土類元素(Dy,Eu,Gd,Tb)
    の中から選ばれる少なくとも1つを含み、さらに条件に応じてはNを含んでなり、
    Te a b c d (a+b+c+d=100)
    [a≧bかつc≧50at%かつd=0]または
    [a≧bかつc+d≧50at%かつc≧d>0]
    の組成式で表される光学的情報記録媒体。
  2. 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生成エネルギーの小さな元素であるとき、保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),D(41.5,8.5,50),F(25,25,50)で囲まれた組成域にある請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  3. 保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(40,0,60),E(33,17,50),F(25,25,50)で囲まれた組成域にある請求項2記載の光学的情報記録媒体。
  4. MがAg,Au,Pt,Pd,Cuの何れかである請求項2または3に記載の光学的情報記録媒体。
  5. 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的組成がMOで表されるとき、保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),C(40,0,60),G(24,24、52),I(20,20,60)で囲まれた組成域にある請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  6. 保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(40,0,60),H(22,22,56),I(20,20,60)で囲まれた組成域にある請求項5記載の光学的情報記録媒体。
  7. MがZn、Mg、Sr、Nbの何れかである請求項5または6に記載の光学的情報記録媒体。
  8. 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的組成がM23で表されるとき、保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),J(21.5,21.5,57),L(18,18,64)で囲まれた組成域にある請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  9. 保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(40,0,60),K(20,20,60),L(18,18,64)で囲まれた組成域にある請求項8記載の光学的情報記録媒体。
  10. MがAl、Bi、Cr、Dy,Eu,Gd,Ho,La,Sb,Tb,Ti,Yの何れかである請求項5または6に記載の光学的情報記録媒体。
  11. 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的組成がMO2で表されるとき、保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),M(24,24、52),O(16.7,16.7,66.6)で囲まれた組成域にある請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  12. 保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(40,0,60),N(23,23,54),O(16.7,16.7,66.6)で囲まれた組成域にある請求項11記載の光学的情報記録媒体。
  13. MがSi、Ge、Mn,Sn、Ti,Zrの何れかである請求項11または12に記載の光学的情報記録媒体。
  14. 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的組成がM25で表されるとき、保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),P(17.5,17.5,65),R(15.5,15.5,69)で囲まれた組成域にある請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  15. 保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(40,0,60),Q(16.5,16.5,67),R(15.5,15.5,69)で囲まれた組成域にある請求項14記載の光学的情報記録媒体。
  16. MがNb、Sb、Taの何れかである請求項14または15に記載の光学的情報記録媒体。
  17. 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的組成がMO3で表されるとき、保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),S(16.5,16.5,67),U(14.5,14.5,71)で囲まれた組成域にある請求項1の光学的情報記録媒体。
  18. 保護層の組成がTe−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(40,0,60),T(15.5,15.5,69),U(14.5,14.5,71)で囲まれた組成域にある請求項17記載の光学的情報記録媒体。
  19. MがScまたはWの何れかである請求項17または18に記載の光学的情報記録媒体。
  20. 情報記録層が相変化形の材料層からなり、レーザ照射に応じて光学的に検出可能な複数の状態間を相変化する請求項1〜19の何れかに記載の光学的情報記録媒体。
  21. 基板上に、Te−Oを主成分とする第1の保護層、情報記録層、第2のTe−Oを主成分とする保護層を含む3つの層、または、上記3つの層にさらに金属性反射層(または放熱層)を加えた4つの層を含む多層膜を積層してなる請求項1〜20の何れかに記載の光学的情報記録媒体。
  22. 情報記録層がTeまたはSbを含む合金薄膜である請求項20または21に記載の光学的情報記録媒体。
  23. 基板上にTeまたはSbを含む情報記録層と、前記情報記録層の少なくとも何れかの面に接してTe−Oを主成分とし添加元素Mを含む保護層を設けた層構成を含んでなる光学的情報記録媒体の製造方法であって、Te−Oを主成分としMを含む保護層は、Te−M合金またはTe−M混合粉末ターゲットまたはTeとTeO2とMとM酸化物(またはM窒化物、またはM窒酸化物)の混合粉末を固めて形成したTe−M−O−(N)ターゲットを用い形成し、この際、Te−M合金またはTe−M混合粉末ターゲットを用いる場合には、不活性ガスと酸素ガスの混合ガスまたは不活性ガスと酸素ガスおよび窒素ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタ法により、またTe−M−O−(N)ターゲットを用いる場合には、組成に応じて不活性ガスを用いた通常スパッタ法、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス、または不活性ガスと酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタ法の何れかによる光学的情報記録媒体の製造方法。
  24. 添加物Mが、
    0族元素(Ar,Kr,Xe),
    Ib族元素(Cu,Ag,Au),
    IIa族元素(Mg,Ca,Sr,Ba),IIb族元素(Zn、Cd),
    IIIa族元素(Sc、Y),IIIb族元素(B、Al,Ga,In),
    IVa族元素(Ti,Zr,Hf),IVb族元素(C,Si,Ge,Sn,Pb),
    Va族元素(V,Nb,Ta),Vb族元素(N,Sb,Bi),
    VIa族元素(Cr,Mo,W),
    VIIa族元素(Mn)
    VIII族元素(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)
    ランタノイド元素(La)
    希土類元素(Dy,Eu,Gd,Tb)
    の中から選ばれる少なくとも1つである請求項23に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
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