ポリ (3, 4ージアルコキシチォフェン) と ポリ陰イオンとの複合体の水分散体の製造方法 技術分野
本発明は、 ポリ (3, 4一'ジアルコキシチォフェン) とポリ陰イオンとの 明
複合体の水分散体の製造方法、 ならびに該方法により得られる水分散体に関 する。 、 書 背景技術
透明導電膜は、 液晶ディズプレイ、 エレク ト.口ルミネッセンスディスプレ ィ、 プラズマディスプレイ、 ^レク ト口クロミックディスプレイ、 太陽電池、 ダツチパネルなどの透明電極、 ならびに電磁波シールド材などの基材のコ一 チイングに用いられている。 最も広く応用されている透明導電膜は、 インジ ゥムースズの複合酸イ 物 (I T O) の蒸着膜であるが、 成膜に高温が必要で あり、 成膜コストが高いという問題点がある。 塗布成膜法による I T O膜も.、 成膜に高温が必要であり、 その導電性は I T Oの分散度に左右され、 ヘイズ 値も必ずしも低くない。 また、 I T Oなどの無機酸化物膜は、 基材の撓みに よりクラックが入りやすく、 そのため導電性の低下が起こりやすい。
また、 I T Oの原料であるインジウムは希少金属であり、 近年、 透明導電 膜としての需要も高まっていることから、 原料価格が高騰しているのが現状 である。
一方、 有機材料でなる透明導電膜として、 低温かつ低コストで成膜可能な 導電性ポリマーを用いたものが提案されている。 例えば、 特許第 2 6 3 6 9 6 8号公報には、 水分散性が良好なポリ (3, 4—ジアルコキシチォフエ
ン y とポリ陰イオンとの複合体の製造方法が示されている。 その水分散体を 含むコーティング用組成物を基材上に付与してなる 膜は、 帯電防止機能に ついては十分であるが、 透明性および導電性については不十分である。
特開平 8— 4 8 8 5 8号公報には、 上記の特許第 2 6 3 6 9 6 8号公報に 記載のポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェン) .とポリ陰イオンとの複合体 の水分散体に、 ジヒ ドロキシ基、 ポリヒ ドロキシ基、 アミ ド基、 およびラク タム基かちなる群より選択される基を有する化合物を添加することによって 得られたコーティング用組成物を基材上に付与してなる薄膜の導電性が向上 することが記載されている。 また、 特開 2 0 0 0— 1 5 3 2 2 9号公報には、 特許第 2 6 3 6 9 6 8号公報に記載のポリ (3, 4ージアルコキシチォフエ ン) とポリ陰イオンとの複合体の水分散体及び f ≥ 1 5の誘電率を有する非 プロトン性化合物を含むコーティング用組成物を基材に付与し、 1 0 0 °C未 満の温度で乾燥させてなる薄腠の導電性が向上することが記載されている。 これらの公報に記載のコーティング用組成物は、 いずれも上記特許第 2 6 3 6 9 6 8号公報に記載のポリ (3,. 4—ジアルコキシチォフェン) とポリ 陰イオンとの複合体の水分散体に特定の化合物を添加することにより、 その 性質を向上させたものであり、 導電性は比較的改良されている。 しかし、 使 用される導電性ポリマーを含む水分散体自体は同一であるため、 得られる水 分散体の透明性および導電性は必ずしも十分なものではない。
特開 2 0 0 4— 5 9 6 6 6号公報には、 3 , 4 —ジアルコキシチォフェン をポリ陰イオンの存在下で重合させる際に、 ペルォキソ二硫酸を酸化剤とし て用いること、 あるいは重合時に酸を添加して p Hを低下させることによつ て、 透明性および導電性に優れた薄膜を形成し得る複合体を含む水分散体が 得られることが開示されている。 これらの手法により比較的優れた透明性お よび導電性を有する薄膜が形成されるが、 さらに透明性および導電性に優れ た薄膜を形成し得る材料およびそれを製造する方法の開発が求められている。
発明の開示 .
本発明の課題は、 上記従来の問題点を解決することにあり、 その目的とす るところは、 透明性および導電性に優れた導電性薄膜を形成することの可能 な、 導電性ポリマー成分を含む水分散体の製造方法、 および該方法により得 られる水分散体を提供することにある。
本発明者らは、 上記課題を解決するため、 3, 4—ジアルコキシチォフエ ンをポリ陰イオンの存在下で酸化剤を用いて重合させる際の重合条件につい て種々の検討を行い、 本発明を完成するに至った。
本発明のポリ (3, 4ージアルコキシチォフェン) とポリ陰イオンとの複 合体の水分散体の第 1の製造方法は、 以下の式 (1 ) で表される 3, 4ージ アルコキシチォフェン
(式中、 R 1および R 2は相互に独立して水素または C のアルキル基であ るか、 あるいは一緒になつて C i _ 4のアルキレン基を形成し、 該アルキレン 基は任意に置換されてもよい) を、 ポリ陰イオンの存在下で、 酸化剤を用い て、 水系溶媒中で重合させる工程を含み、 該重合工程において、 該酸化剤は、 該酸化剤を含有する溶液または分散液を反応液中に滴下することにより添カロ される。
本発明のポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェン) とポリ陰イオンとの複 合体の水分散体の第 2の製造方法は、 以下の式 (1 ) で表される 3, 4ージ ァノレコキシチォフェン
(式中、 R 1および R 2は相互に独立して水素または C _ 4めアルキル基であ るか、 あるいは一緒になつて. C - 4のアルキレン基を形成し、 該アルキレン 基は任意に.置換されてもよい) を、 ポリ陰イオンの存在下で、 酸化剤を用い て、. 水系溶媒中で重合させる工程を含み、 該重合工程において反応液中のァ ルカリ金属イオン濃度が 4 0 O p p m以下に保持される。
本発明のポリ (3, 4ージアルコキシチォフェン) とポリ陰イオンとの複 合体の水分散体の第 3の製造方法は、 以下の式 (1 ) で表ざれる 3, 4ージ ァノレコキシチォフェン
(式中、 R 1および R 2は相互に独立して水素または C 4のアルキル基であ るか、 あるいは一緒になつてじ のアルキレン基を形成し、 該アルキレン 基は任意に置換されてもよい).を、 ポリ陰イオンの存在下で、 酸化剤を用い て、 水系溶媒中で重合させる工程を含み、 該酸化剤は、 該酸化剤を含有する 溶液または分散液を反応液中に滴下することにより添加され、 かつ該重合ェ 程において反応液中のアルカリ金属イオン濃度が 4 0 0 p p m以下に保持さ れる。
本発明は、 上記いずれかの方法により得られる、 ポリ (3, 4ージアルコ キシチオフヱン) とポリ陰イオンとの複合体の水分散体を包含する。
本発明の方法により、 ポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェン) とポリ陰 イオンとの複合体の水分散体が容易に製造される。 この水分散体を用レ、ると ゥエツトプロセスにより低温条件下においても基材上に薄膜を容易に形成す ることが可能である。 得られた薄膜は可撓性を有し、 かつ透明性および導電 性に極めて優れる。 発明を実施するための最良の形態
本発明のポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェン) とポリ陰イオンとの複 合体の水分散 の製造方法は、 以下の式 (1 ) で表される 3, 4ージアルコ キシチォフェン
(式中、 R 1および R 2は相互に独立して水素または C i _ 4のアルキル基であ るか、 あるいは一緒になつて C卜4のアルキレン基を形成し、 該アルキレン 基は任意に置換されてもよい) を、 ポリ陰イオンの存在下で、 酸化剤を用い て水系溶媒中で重合させる工程を包含する。
本発明の第 1の方法においては、 上記酸化剤は、 該酸化剤を含有する溶液 または分散液 (以下、 該酸化剤を含有する溶液または分散液を酸化剤含有液 という場合がある) を反応液中に滴下することにより添加される。 第 2の方 法においては、 重合工程における反応液中のアルカリ金属イオン濃度が 4 0 0 p p m以下に保持される。 第 3の方法においては、 上記酸化剤が、 該酸化 剤を含有する溶液または分散液を反応液中に滴下することにより添加され、 かつ重合工程において反応液中のアルカリ金属イオン濃度が 4 0 0 p p m以 下に保持される。
以下にこれらの方法について、 順次説明する。
( I ) 第 1の方法 .
第 1の方法で用いられる、 上記式 (1 ) で示される 3 , 4ージアルコキシ チォフェンにおいて、 R 1および R 2の C 4のアルキル基としては、 好適に は、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基などが挙げられる。 R 1および R 2 が一緒になつて形成される d _ 4のアルキレン基としては、 1 , 2—アルキ レン基、 1 , 3 _アルキレン基などが挙げられ、 好適には、 メチレン基、 1 , 2—エチレン基、 1 , 3—プロピレン基などが挙げられる。'このうち、 1 , 2—エチレン基が特に好適である。 また、 C —4のアルキレン基は置換され' ていてもよく、 置換基としては、 C ^ のアルキル基、 フエニル基などが 挙げられる。 置換された のアルキレン基としては、 1 , 2—シクロへ キシレン基、 2 , 3—プチレン基などが挙げられる。 このようなアルキレン 基の代表例として、 R 1および R 2が一緒になつて形成される。 い のアル キル基で置換された 1 , 2—アルキレン基は、 ェテン、 プロペン、 人キセン、 ォクテン、 デ'セン、 ドデセン、 スチレンなどの α—ォレフィン類を臭素化し て得られる 1 , 2—ジブ口モアルカン類から誘導される。
上記方法においては、 上述のようにポリ陰イオンの存在下で重合反応が進 行する。 このポリ陰イオンを形成し得る化合物 下、 ポリ陰イオン化合物 という場合がある) としては、 ポリアクリル酸、 ポリメタクリル酸、 ポリマ レイン酸などのポリカルボン酸類;ポリスチレンスルホン酸、 ポリビニルス ルホン酸などのポリスルホン酸類などが挙げられる。 これらの中で、 ポリス チレンスルホン酸が特に好適である。 ポリ陰イオン化合物の分子量は特に限 定されないが、 通常、 重量平均分子量が 1 , 0 0 0から 2 , 0 0 0, 0 0 0 の範囲であり、 好ましくは、 2 , 0 0 0から 1 , 0 0 0 , 0 0 0の範囲であ り、 より好ましくは、 1 0 , 0 0 0から 5 0 0 , 0 0 0の範囲である。 特に、 上記分子量範囲のポリスチレンスルホン酸が好適である。 ポリスチレンスル
ホン酸のスルホン化率は特に限定されないが、 好ましぐは 8 0から 1 0 0 %、 さらに好ましくは S 5 %から 9 5 %の範囲である。 ここで 「スルホン化率」 とは、 ポリスチレンスルホン酸において、 分子中のスルホン酸基を有するス チレン単位およびスルホン酸基を有していないスチレン単位の合計に対する、 スルホン酸基を有するスチレン単位の割合 (%) を指して言う。
上記ポリ陰イオン化合物の使用量は、 上記 3 , 4—ジアルコキシチォフエ ン 1 0 0質量部に対して、 5 ,0から 3, 0 0 0質量部の範囲が好ましく、 よ り好ましくは 1 0 0から 1, 0 0 0質量部の範囲であり、 特に好ましくは、 1 .5 0から 5 0 0質量部の範囲である。 ' 第 1の方法において用いられる酸化剤としては、 以下の化合物が挙げられ るが、 これらに限定されない:ペルォキソ二硫酸、 ペルォキソ二硫酸ナトリ ゥム、 ペルォキソ二硫酸カリウム、 ペルォキソ二硫酸アンモニゥム、 無機酸 化第二鉄塩、:有機酸化第二鉄塩、 過酸化水素、 過マンガン酸カリゥム、 ニク ロム酸カリウム、 過ホウ酸アルカリ塩、 銅埠など。 これらめうち、 ペルォキ ソニ硫酸、 ペルォキソ二硫酸ナトリウム、 ペルォキソ二硫酸力リウム、 およ びペルォキソ二硫酸アンモニゥムが特に好適である。 さらに、 酸化触媒とし て、 必要に応じて触媒量の遷移金属イオン (例えば、 鉄、 コバルト、 ニッケ ル、 モリブデン、 バナジウムイオンなど) を形成し得る化合物.を添加しても 良い。 酸化剤の使用量は、 上記チォフェン 1モル当たり、 1から 5当量の範 囲が好ましく、 より好ましくは、 2から 4当量の範囲である。
第 1の方法においては、 用いられる溶媒は水系溶媒であり、 特に好ましく は水である。 メタノール、 エタノール、 2 _プロパノール、 1一プロパノー ルなどのアルコール;ァセトン、 ァセトニトリルなどの水溶性の溶媒を水に 添加して用いてもよい。
第 1の方法に従い、 ポリ (3, 4ージアルコキシチォフェン) とポリ陰ィ オンとの複合体の水分散体を製造するには、 上記 3, 4ージアルコキシチォ
フェンおよびポリ陰イオンを上記溶媒中に含有する混合物中に、 上記酸化剤 を含有する溶液または分散液 (酸化剤含有液) を滴下する。 ここで、 「酸化 剤を含有する溶液または分散液を滴下する」 とは、 酸化剤含有液を少量ずつ 断続的または連続的に添加することを意味し; -例えば、 反応液中に該酸化剤 含有液を微量ずつ連続して注入するような形態をも包含する。
酸化剤含有液に用いられる溶媒は、 上記と同様の水系溶媒、 好ましくは水 が用いられる。 酸化剤の濃度、 滴下速度、 および滴下に要する時間は、 添加 する酸化剤の種類おょぴ量、 ポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェン) およ びポリ陰ィオシ化合物の種類および量、 反応液の量などの種々の要件に応じ ' て適宜決定される。 通常、 滴下時間は、 1分以上、 好ましくは、 5分〜 3 0 時間、 さらに好ましくは、 3 0分〜 1 8時間とされる。
上記重合時における反応液の p Hは比較的低いことが好ましく、 p Hは 1 . 5以下であることが好ましい。 反応液の p Hは、 必要に応じて酸を加えるこ . とにより調整される。 例えばペルォキソ二硫酸水溶液を滴下する場合には、 滴下に従って反応液の p Hが低下し、 通常、 滴下終了時には P Hが 1 . 5以 下となるので好適である。 一
上記重合時に添加され得る酸としては、 水溶性の無機酸および有機酸から なる群より選択される酸が使用される。 無機酸としては、 塩酸.、 硫酸、 硝酸、 リン酸、 過塩素酸などが挙げられる。 有機酸としては、 p— トルエンスルホ ン酸、 ベンゼンスルホン酸、 メタンスルホン酸、 トリフルォロメタンスノレホ ン酸などが挙げられる。
第 1の方法においては、 重合を行う際の反応混合液の温度は、 0〜1 0 0 °Cであり、 副反応を抑制する観点から、 好ましくは 0〜5 0 °C、 さらに好 ましくは 0〜3 0 °Cである。
第 1の方法においては、 重合反応を行う時間は、 添加する酸化剤の種類お よび量、 酸化剤含有液の滴下速度、 重合温度、 反応液の p Hなどに依存して
適宜決定される。 反応時間は、 例えば、 5〜1 0 0時間、 通常 1 0〜4 0時 間である。 ノ '
第 1の方法においては、 反応液中のアルカリ金属イオン濃度は特に限定さ れない。 "
上記酸化剤含有液を滴下により添加することにより、 反応液中の酸化剤の 濃度が徐々に上昇する。 そのことにより、 反応を穏やかに進行させることが でき、 かつ副反応を抑えるこ,とができる。 このような方法により、 生成する ポリ (3, 4—ジアル キシチォフェン) とポリ陰イオンとの複合体は、 .分 子量分布が狭く、 均質となり得る。
( I I ) 第 2の方法
第 2の方法で用いられる 3, 4—ジアルコキシチォフェンは、 上記第 1の 方法で用いられる 3, 4—ジアルコキシチォ ェンと同様である。 ポリ陰ィ オンあるいはポリ陰イオン化合物についても、 上記第 1の方法と同様のもの が用いられ得る。
第 2の方法においては、 3, 4—ジアルコキシチォフェンをポリ陰イオン の存在下で、 酸化剤を用いて重合させる際の反応液中のアルカリ.金属イオン 濃度が、 4 0 0 p p m以下に保挎される。 アル力リ.金属イオン濃度は、 好適. には 3 0 0 p p m以下、 さらに好適には 2 0 0 p p m以下に保持される。 そ のためには、 例えば、 上記酸化剤がアルカリ金属イオンを含有しないことが 好ましい。 あるいは酸化剤含有液中にアルカリ金属イオンが含有されないか、 アル力リ金属イオン濃度が低いことが望ましい。
アルカリ金属イオンを含有しない酸化剤としては、 以下の化合物が挙げら れるが、 これらに限定されない:ペルォキソ二硫酸、 ペルォキソ二硫酸アン モニゥム、 無機酸の第二鉄塩、 有機酸の第二鉄塩、 過酸化水素、 銅塩など。 これらのうち、 無機酸の第二鉄塩としては、 硫酸第二鉄、 塩化第二鉄、 硝酸 第二鉄などが、 有機酸の第二鉄塩としては、 クェン酸第二鉄、 クェン酸アン
モニゥム鉄 (1 1 1 ) 、 p— トルエンスルホン酸第二鉄、 ジイソプロピルナ. フタレンスルホン酸第二鉄などが挙げられる。 銅塩.としては、 酸化銅 (I ) 、 酸化銅 ( I I ) 、 塩化銅 ( I ) 、' 塩化銅 ( 1 1 ) 、 臭化銅 ( I ) 、 臭化銅 ( 1 1 ) 、 酢酸銅 (I I ) 、 ァセチルアセトン酸銅 ( I I ) 、 塩基性炭酸銅 ( 1 1 ) 、 硫酸銅 ( I I ) などが挙げられる。 これらのうちペルォキソニ硫 酸およびペルォキソニ硫酸アンモニゥムが特に好適である。
上記酸化剤のうち、 ペルォキソ二硫酸は、 それ自身は非常に不安定な化合 物であり、 単独であるいは水溶液の状態で放置すると徐々に分解する。 その ため、 例えば: 使用する直前に、 ペルォキソ二硫酸塩 (例えば、 ペルォキソ 二硫酸ナトリゥム塩) 溶液を陽イオン交換樹脂によるイオン交換反応に供し、 ペルォキソ二硫酸溶液とする。 このとき、 イオン交換の度合いを適切に調整 することにより、 もとのペルォキソ二硫酸塩 由来する対イオン (例えば、 ナトリゥムイオン) の濃度が所望の値に制御された酸化剤溶液が得られる。 上記酸化剤に加え、 酸化触媒として、 必要に応じて触媒量の遷移金属ィォ ン (例えば、 鉄、 コバルト、 ニッケル、 モリブデン、 バナジウムイオ^/な ど) を形成し得る化合物を添加しても良い。 酸化剤の使用量は、 上記チオフ ェン 1モル当たり、 1から 5当量の範囲が好ましく、 より好ましくは、 2力、 ら 4当量の範囲である。
第 2の方法においては、 用いられる溶媒は、 上記第 1の方法で用いられる 溶媒と同様である。 重合時における好適な p Hは、 上記第 1の方法と同様で あり、 第 1の方法と同様に酸により p Hが調整され得る。 重合時の反応混合 液の温度、 時間などについても、 上記第 1の方法と同様である。
この第 2の方法においては、 酸化剤の添加方法は特に限定されない。 反応 系に一度に加えられても、 徐々に加えられても、 さらに上記第 1の方法と同 様に酸化剤含有液を滴下することにより加えられてもよい。
この方法により、 反応液中のアルカリ金属イオン濃度を低く維持すること
により、 アルカリ金属イオンがポリ陰イオンと結合する,ことを防ぐことがで き、 副反応を抑え、 より反応を効率的に行うことが出来る。 このような方法 により、 生成するポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェン) とポリ陰イオン との複合体は、 分子量分布が狭く、 均質となり得る。
( I I I ) 第 3の方法
第 3の方法で用いられる 3, 4—ジアルコキシチォフェンは、 上記第 1の 方法で用いられる 3, 4ージアルコキシチォフェンと同 1¾である。 ポリ陰ィ オン( リ韋ィオン化合物)および酸化剤についても、 上記第 1の方法と同様 のものが用いられ得る。
この第 3の方法においては、 上記第 1の方法と同様に、 3, 4ージアルコ キシチォフェンおよびポリ陰イオンを溶媒中に含有する混合物中に、 上記酸 化剤含有液を滴下する。 さらに、 .上記第 2の方法と同様に、 重合時の反応液 中のアルカリ金属イオン濃度が 4 0 0 p p m以下に保持される。
反応に用いられる溶媒、 酸化剤含有液の滴下の丰法、 および反応液の p H を 4 0 0 p p m以下に保持する手法は、 上記第 1およぴ第 2の方法と同様で ある。 反応時の好適な p H、 P Hを調整するための酸の使用、 反応温度、 反 応時間などの条件についても上記第 1および第 2の方法と同様である。
本発明の第 3の方法においても、 第 1の方法と同様に反応液の酸化剤の濃 度が徐々に上昇する。 そのことにより、 反応を穏やかに進行させることがで き、 かつ副反応を抑えることができる。 しかもアルカリ金属イオン濃度を低 く維持することにより、 アル力リ金属イオンがポリ陰ィオンと結合すること を防ぐことができ、 副反応を抑え、 より反応を効率的に行うことが出来る。 その結果、 生成する複合体は、 さらに分子量分布が狭く、 均質となり得る。 上記第 1〜第 3の方法における重合反応により、 いずれもポリ (3, 4 - ジアルコキシチオフヱン) が生成する。 このポリ (3, 4—ジアルコキシチ ォフェン) は、 ポリ陰イオンがドープした状態であると考えられ、 本明細書
では、 これを 「ポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェ ) とポリ陰イオンと の複合体」 、 あるいは単に 「複合体」 と記載する。 .
上記複合体の水分散体は、 基材上に薄膜を形成するのに利用される。 上記 方法で得られる水分散体に含有される複合体は、 上述のように優れた性質を 有する。 そのため、 得られた基材表面の薄膜は、 これまでのポリチオフヱン 系導電性ポリマーによる薄膜に比べて、 飛躍的に向上しだ透明性と導電性を 有する。 特に、 上記第 3の方法により得られる複合体を含む水分散体を用い て得られた薄膜は極めて透明性および導電性に優れる。 さらに、 これらの薄 膜は可撓性を するため、 広い分野で利用可能である。 実施例
以下、 実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、 本発 明はこの実施例に限定されるものではない。 なお、 以下の実施例および比較 例において 「部」 は 「質量部」 を示す。
1. 使用材料 - 実施例または比較例において、 ポリ (3, 4—ジアルコキシチォフェン) とポリ陰イオンとの複合体の水分散体のィオン交換処理には、 陽イオン交換 樹脂として、 B AYER社製 L e w a t i t S 100 Hを、 陰イオン交換 樹脂として、 8八丫£! 社製乙 6 3 1 i t MP 62を用いた。
2. ポリスチレンスルホン酸の精製
各実施例および比較例で使用するポリスチレンスルホン酸の精製において、 限外濾過には、 限外濾過膜 (ミリポア社製 B i oma X — 1 00) を用いた。 限外濾過により低分子量物を除去した後、 L ewa t i t S 100Hを充 填したカラムを用いた陽イオン交換処理を行った。
3. アルカリ金属イオン濃度測定
各実施例および比較例における反応液中のアルカリ金属イオン濃度測定に
•おいては、 原子吸光法 (島津製作所製 AA— 6600 F) を用いた。
4. ペルォキソ二硫酸水溶液の調製 .
各実施例および比較例において、 ペルォキソ二硫酸水溶液は、 ペルォキソ 二硫酸ナトリウムの水溶液を、 陽イオン交換樹脂 (8八丫£1¾製し 6 3 t i t S 10 OH;以下、 S 10 OHと記载) を用いイオン交換処理を行うこ とにより調製した。
5. コーティング剤の塗布および乾燥方法
基材としてガラス板 ( J I S R 3202) を用いた。 実施例または比較 例で得られるコーティング剤を固形分 0. 90 %となるよう希釈し、 ワイヤ 一バー [No. 8 (形成される乾燥膜厚 0. 1 1 /im) ] で塗布し、 1 0 0 °Cで 3分間送風することにより塗膜を乾燥させて、 薄膜を有する被膜基材 を得た。
6. 基材表面の薄胰の評価
.6. 1 表面抵抗率は、 J I S K69 1 1に従い 「三菱化学 (株) 製口 レスター G P (MC Ρ— Τ 600) を用いて測定した。
6. 2 全光線透過率およびヘイズ値は、 J I S K71 50に従い、 ス ガ試験機 (株) 製ヘイズコンピュータ HGM— 2 Βを用いて測定した。 なお、 未処理のガラス板 (J I S R_ 3202) の全^;線透過率は 90. 6%で あり、 ヘイズ値は 0. 1%である。
(実施例 1. 1)
日本ェヌエスシー (株) のポリスチレンスルホン酸 9 X 401を、 ミリポ ァ社製 B i oma X - 100を用いて限外濾過した後、 陽イオン交換を行い、 脱塩水で希釈することにより、 ポリスチレンスルホン酸 (重量平均分子量 2 53, 000 ; スルホン化率 90%) 24. 7部を含む 1, 887部の水溶 液を得た。 この水溶液に、 49部の 1%硫酸鉄 (I I I ) 水溶液、 30部の
濃硝酸、 および 8· 8部の 3, 4 _エチレンジォキシチ.オフヱンを加えて攪 拌し、 反応系内の温度を 10°Cに保ったまま、 1 2 1部の 1 0. 9%のペル ォキソ二硫酸水溶液 (ペルォキソ二硫酸ナトリウムの 1 5%水溶液と、 1. 2質量倍の S 100Hを混合し、 ろ過を行うことにより得られた) を 6時間 かけて滴下した。 ペルォキソ二硫酸水溶液添加後の反応液中のナトリゥムィ オン濃度は 430 p pmであった。 滴下終了後、 10°Cで 23時間攪拌した。 次いで、 この反応液に、 1 5.4部の陽イオン交換樹脂および 232部の陰ィ オン交 樹脂を加えて、 2時間.攪拌した後、 イオン交換樹脂をろ別して、 ポ リ (3, 4—エチレンジォキシチォフェン) とポリスチレンスルホン酸との ' 複合体の水分散体 ( 2, 033部:固形分 1. 30%) を得た。
(実施例 1. 2)
日本ェヌエスシー (株) のポリスチレンスルホン酸 9 X 401を、 ミリポ ァ社製 B i oma X - 100を用いて限外滹過した後、 陽イオン交換を行い、 脱;^水で希釈することにより、 ポリスチレンスルホン酸 (重量平均分子量 2 53, 000 ; スルホン化率 90%) 24. 7部を含む 1, 887部の水溶 液を得た。 この水溶液に、 49部の 1%硫酸鉄 ( I I I) 水溶液、 30部の 濃硝酸、 および 8. 8部の 3, 4—エチレンジォキシチォフェンを加え攪拌 し、 反応系内の温度を 1 0°Cに保ったまま、 1 21部の 10. 9%のペルォ キソニ硫酸水溶液 (ペルォキソ二硫酸ナトリウムの 1 5。/0水溶液を、 4. 0 質量倍の S 100Hを詰めたカラムに通すことにより得られた) を 1 8時間 かけて滴下した。 ペルォキソ二硫酸水溶液添加後の反応液中のナトリゥムィ オン濃度は 1 p pmであった。 滴下終了後、 10°Cで 1 1時間攪拌した。 次 いで、 この反応液に、 1 54部の陽イオン交換樹脂および 232部の陰ィォ ン交換樹脂を加えて、 2時間攪拌した後、 イオン交換樹脂をろ別して、 ポリ (3, 4—エチレンジォキシチォフェン) とポリスチレンスルホン酸との複
合体の水分散体 (2., 03'3部:固形分 1. 30%) を得た。 (実施例 1. 3)
日本ェヌエスシー (株) の VERS A— TL 1 25を、 ミリポア社製 B i oma X— 100を用いて限外濾過した後、 陽イオン交換を行い、 脱塩水で 希釈することにより、 ポリスチレンスルホン酸 (重量平均分子量 1 25, 0 00 ; スルホン化率 100%) 24. 7部を含む 1, 887部の水溶液を得 た。 この水溶液に、 49部の 1%硫酸鉄 (I I ) .水溶液、 30部の濃硝酸、 および 8. 8部の 3, 4 _エチレンジォキシチォフェンを加えて攪拌し、 さ らに、 1 2.1部の 10. 9%のペルォキソ二硫酸水溶液 (ペルォキソ二硫酸 ナトリウムの 1 5%水溶液を、 2. 0質量倍の S 100Hを詰めたカラムに 通すことにより得られた) を 度に加え攪拌した。 'ペルォキソ二硫酸水溶液 添加後の反応液中のナトリウムィ才ン濃度は 13 p pmであり、 その他のァ ルカリ金属イオンは検出されなかった。 反応系内の温度を 1 8°Cに保ったま ま 1 7時間攪拌した。 次いで、 この反応液に、 1 54部の陽イオン交換樹脂 および 232部の陰イオン交換樹脂を加えて、 2時間攪拌した後、 イオン交 換樹脂をろ別して、 ポリ (3, 4一エチレンジォキシチォフェン) .とポリス チレンスルホン酸との複合体の水分散体 (2, 0 3 3部: 固形分 1. 3 0%) を得た。
(実施例 4)
日本ェヌエスシー (株) の VER S A— TL 1 25を、 ミ リポア社製 B i oma X — 100を用いて限外濾過した後、 陽イオン交換を行い、 脱塩水で 希釈することにより、 ポリスチレンスルホン酸 (重量平均分子量 1 25, 0 00 ; スルホン化率 100%) 24. 7部を含む 1, 887部の水溶液を得 た。 この水溶液に、 49部の 1%硫酸鉄 (I I I) 水溶液、 30部の濃硝酸、
および 8. 8部の 3, 4—エチレンジォキシチォフェンを加えて攪拌し、 反 応系内の温度を 18°Cに保ったまま、 121部の 10. 9%のペルォキソ二 硫酸水溶液 (ペルォキソ二硫酸ナトリ ウムの 15%水溶液を、 1. 2質量倍 の S 100Hを詰めたカラムに通すことにより得られた) を 6時間かけて滴 下した。 ペルォキソ二硫酸水溶液添加後の反応液中のナトリゥムイオン濃度 は 169 p pmであり、 その他のアルカリ金属イオンは検出されなかった。 滴下終了後、 18°Cで 1 7時間攪拌した。 次いで、 この反応液に、 154部 の陽ィォン交換樹脂および 23.2部の陰ィォン ^換樹脂を加えて、 2時間攪 拌した後、 イオン交換樹脂をろ別して、 ポリ (3, 4—エチレンジォキシチ' ォフェン) とポリスチレンスルホン酸との複合体の水分散体 (2, 033 部:固形分 1. 30%) を得た。
(比較例 1. 1)
日本ェヌエスシー (株) のポリスチレンスルホン酸 9 X 401を: ミリポ ァ社製 B i oma X — 100を用いて限外濾過した後、 陽イオン交換を行い、 脱塩水で希釈することにより、 ポリスチレンスルホン酸 (重量平均分子量 2 53, 000 ; スルホン化率 90%) 24. 7部を含む 1, 887部の水溶 液を得た。 この水溶液に、 49部の 1%硫酸鉄 (I I I) 水溶液、 30部の 濃硝酸、 および 8. 8部の 3, 4 _エチレンジォキシチォフェンを加え、 さ らに、 121部の 10. 9%のペルォキソ二硫酸水溶液 (ペルォキソ二硫酸 ナトリウムの 15%水溶液と、 0. 7質量倍の S 100Hを混合し、 ろ過を 行うことにより得られた) を一度に加え攪拌した。 反応液中のナトリウムィ オン濃度は 802 p pmであり、 その他のアルカリ金属イオンは検出されな かった。 反応系中を 10°Cに保ったまま 29時間攪拌した。 次いで、 この反 応液に、 154部の陽イオン交換樹脂および 232部の陰イオン交換樹脂を 加えて、 2時間攪拌した後、 イオン交換樹脂をろ別して、 ポリ (3, 4—ェ
チレンジォキシチォフェン) とポリスチレンスルホン酸との複合体の水分散 体 ( 2, 033部:固形分 1. 30 %) を得た。 (比較例 1. 2)
' 日本ェヌエスシー (株) の VERS A— TL 1 25を、 ミ リポア社製 B i oma x- 100を用いて限外濾過した後、 陽ィオン交換を行い、 脱塩水で 希釈することにより、 ポリスチレンスルホン酸 (重量平均分子量 1 25, 0 00 ; スルホン化率 100%) 24. 7部を含む 1, 887部の水溶液を得 た。 この水溶 ¾に、 49部の 1%硫酸鉄 (I I I) 水溶液、 30部の濃硝酸、 および 8. .8部の 3, 4—エチレンジォキシチォフェンを加え、 さらに、 1 21部の 10. 9%のペルォキソ二硫酸水溶液 (ペルォキソ二硫酸ナトリウ ムの 1 5%水溶液と、 1. 2質量倍の S 100Hを混合し、 ろ過を行うこと により得られた) を一度に加え攪拌した。 反応液中のナトリウムイオン濃度 は 448 p pmであり、 その他のアルカリ金属イオンは検出されなかった。 反応系内の温度を 18°Cに保ったまま 23畤間攪拌した。 次いで; この反応 液に、 1 54部の陽イオン交換樹脂および 232部の陰イオン交換樹脂を加 えて、 2時間攪拌した後、 イオン交換樹脂をろ別して、 ポリ (3, 4ーェチ レンジォキシチオフヱン) とポリスチレンスルホン酸との複合体の水分散体 (2, 033部:固形分 1. 30%) を得た。
(実施例 2. 1)
実施例 1で得られた複合体の水分散体 100部に、 25部の変性エタ ノールおよび 25部の脱塩水を加え、 10分間攪拌して、 1 50部のコーテ イング剤を得た。 得られたコーティング剤を、 乾燥膜厚 0. 1 1 /xmとなる ようガラス板に塗布し、 次いで、 それを乾燥させて薄膜被覆基材を得た。 得 られた基材表面の薄膜の全光線透過率、 ヘイズ値、 および表面抵抗率を測定
した。 その結果を表 1に示す。 後述の実施例 2, 2〜2,. 4および比較例 1. :!〜 1. 2の結果も併せて表 1に示す。 , .
(実施例 2. 2〜 2. 4 )
実施例 1で得られた水分散体の代わりに、 それぞれ実施例 1. 2〜: I . 4で得られた水分散体を用いたこと以外は、 実施例 2. 1と同様に行ってそ れぞれ 1 50部のコーティング剤を得た。 このコーティング剤を用いて実施 例 2. 1と同様に薄膜を形成し、 同様の測定を行った。
(比較例.2. :!〜 2. 2)
実施例 1. 1で得られた水分散体の代わりに、 それぞれ比較例 1. 1〜1. 2で得られた水分散体を用いたこと以外は、 実施例 2. 1と同様に行ってそ れぞれ 1 50部のコーティング剤を得た。 このコーティング剤を用いて実施 例 2. 1と同様に薄膜を形成し、 同様の測定を行った。 表
表 1の実施例 2. 1、 2. 2および 2. 4と、 比較例 2. 1および 2. 2 との結果を比較すると、 酸化剤溶液を滴下し、 重合反応を行って得られた複
合体を含有する水分散体に由来する薄膜の表面抵抗率は、 酸化剤を一度に添 加して得られた複合体の水分散体に由来する薄膜に比べて、 低い値を示す。 このように、 酸化剤溶液を滴下により添加することにより得られた水分散体 を用いると、 高い導電性を有する薄膜が得られることがわかる。
' さらに、 全光線透過率おょぴヘイズ値についても、 前者の方が全光線透過 率の値が高く、 ヘイズ値が低い値となっている。 従って、 上記方法により得 られる水分散体を用いると、 透明性および導電性に優れた薄膜を得られるこ と力 sわ力 る.。
表 1の実施例 2 . 3と、 比較例 2 . 1および 2 . 2との結果を参照すると、' 反応液中のアルカリ金属イオン濃度を 4 0 O p p m以下とした場合に得られ る複合体の水分散体に由来する薄膜の表面抵抗率は、 アル力リ金属ィオン濃 度が 4 0 0 p p mを超える場合に得られる複合体の水分散体に由来する薄膜 の表面抵抗率と比較レて、 低い値を示す。 このように、 反応液中のアルカリ 金属イオン濃度が低いほど、 得られる水分散体を用いた場合に、 高い導電性 を有する薄膜を調製することが可能である。
さらに、 全光線透過率およびヘイズ値についても、 前者の方が全光線透過 率の値が高く、 ヘイズ値が低い値となっており、 この方法により、 透明性お よび導電性に優れた薄膜が得られることがわかる。 産業上の利用可能性
本発明の方法により、 ポリ (3, 4ージアルコキシチォフェン) とポリ陰 イオンとの複合体の水分散体が容易に製造される。 得られた複合体を含む水 分散体は、 各種基材上に薄膜を形成するのに好適に用いられる。 得られる薄 膜は、 透明性と導電性とに優れるため、 エレク ト口ルミネッセンスパネルの 表面電極、 液晶ディスプレイの画素電極、 コンデンサーの電極、 タツチパネ ルの透明電極、 メンブレンスイッチの透明電極、 電子ペーパーの透明電極な
どの各種透明電極、 ブラウン管ディスプレイの電磁遮蔽、 液晶ディスプレイ やパチンコ台などのノイズカットのための電磁波シールド、 調光ガラス、 有 機 T F Tの電極などに好適に用いられる。 得られる薄膜は可撓性を有するこ とから、 プラスチックフィルム用の透明導電膜として特に有用である。