WO2007040279A1

WO2007040279A1 - 便座装置

Info

Publication number: WO2007040279A1
Application number: PCT/JP2006/320123
Authority: WO
Inventors: Kaori Hayashi; Eiichi Tanaka; Hideho Shinoda; Toru Ueno; Noboru Taguri; Wataru Tometaka
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-10-06
Filing date: 2006-10-06
Publication date: 2007-04-12
Also published as: KR20140007024A; KR101441579B1; KR101442144B1; KR20080051156A

Abstract

　本発明の課題は、着座時の衝撃を吸収し、かつ着座状態の座り心地が良く、かつ長時間の着座の際においても人体への影響度が小さい便座装置を提供することを目的とすることである。本発明は、便座（７）の少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層（１２）を備え、前記弾性体層（１２）の下方に弾性を備えた補強材（１３）、便座下部部材（１４）の順に配設することにより、弾性体層（１２）と補強材（１３）で着座時の衝撃を吸収するとともに、弾性体層（１２）が臀部に沿って変形することにより座圧を均等化および分散化することができるので、長時間快適に着座できる便座とすることができる。

Description

明細書

便座装置

技術分野

[0001] 本発明は、便器上面に設けられ、使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座装置に関するものである。また、本発明は、使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を備えた便座におけるヒータの安全性に関するものである。また、本発明は、便器上面に載置した本体に、ヒンジ係合部を介して回動自在に枢着した便座の内部にヒータを備えた便座装置に関するものである。また、本発明は、弾性体層を有する便座と、洗浄水の噴出到達位置を制御する局部洗浄手段を有するトイレ装置に関するものである。また、本発明は、便器上面に設けられ、使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座装置に関し、特に、ヒータ内蔵構成に関するものである。

背景技術

[0002] 従来、この種の便座装置として、合成皮革の表皮材の裏面に紐状ヒータを配設し、それらの下方に低反発の発泡榭脂を設置し、低反発の発泡樹脂の下方には合成榭脂基材を設置した構成が提案されてヽる (例えば、特許文献 1参照)。

[0003] また、従来、便座装置の便座に使用される榭脂は一般的に硬質榭脂であるため、非常に座り心地が悪、ものであった。また座面の端面は皮膚を圧迫し血流の流れを阻害するため、長時間着座した場合は、痺れや痛みが生じてしまうこともあった。特に高齢者あるいは障害者の方の中には、便意が明確でなぐ用をたすまで 1時間以上便座に着座される方もいるため、このような着座感の悪さは性能上の課題となっていた。

[0004] 一方そのような不具合を解決するため、座面を、荷重がかかる際および荷重が開放される際に、変形する性質を有する低反発物質を用いる構成が提案されている。この場合、大変形が可能であるため、様々な形状の臀部に倣うことが可能である。このような性質を有する低反発物質は、着座時の衝撃を充分吸収することができる。低反発物質では、使用者の臀部を保持しながら変形するため、座位を安定させながら静かに着座状態に移行できる。着座状態では使用者の臀部の形状に倣って変形して、るため、効率的に座圧を分散させることができるため、局部的に圧迫される点が生じず、長時間座っても痺れ、痛み等を感じることがなぐし力も内蔵した発熱体により着座面を暖房できるため、非常に良好な座り心地を実現できるという利点を有している（例えば、特許文献 1、特許文献 2参照)。

[0005] 図 47は、特許文献 1に記載された従来の便座装置の断面を示すものである。図 47 に示すように、使用者の皮膚に接触する便座 101の表面から表皮材 102、紐状発熱体 103、クッション層 104、合成樹脂基材 105の順に構成されている。

[0006] 図 48は、特許文献 2に記載された従来のトイレ装置を示すものである。図 48に示すように、内部に制御装置や熱交換器や乾燥ユニットや洗浄ノズルなどを収納した本体ケース 201に便座 202や便蓋 203が回動自在に枢着されて、る。便座 202の表面部は、軟質榭脂層 204で構成されている。

[0007] また、従来、便座装置の暖房装置として、図 49に示すように、環状の便座 301の裏面に、この裏面の内周縁部にループ状に配置されたループ電極層 302aと、外周縁部にループ状に配置されたループ電極層 302bと、これら内外周のループ電極層からそれぞれ複数本ずつ交互にほぼ一定間隔で、対向するループ電極層に向けて枝状に突設された枝電極層 303と、これら内外周のループ電極層に囲まれた環状の領域に、少なくとも各枝電極層のほぼ全体と重ねて形成された面状発熱体層 304とが布設された便座ヒータが提案されている (例えば、特許文献 3参照)。

特許文献 1 :特開 2005— 102843号公報

特許文献 2 :特開 2005— 102809号公報

特許文献 3：特開平 10— 335051号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] し力しながら、特許文献 1に記載されるような従来の構成では、使用者の体重を柔軟に支えるクッションは、低反発の発泡樹脂で構成されたクッション層のみであるため、剛性不足になり使用者の体重を十分に支えきれない場合や、クッション層の厚さが不十分なために、特に着座時に底当たり状態になり、合成樹脂基材の感触が使用者の臀部に伝わり、不快感を感じることがある。また、便座ヒータが表皮材と軟質榭脂層の間に配置され、その便座ヒータの形状が紐状ヒータであるため、着座したときに便座に紐状ヒータのところだけ凸になった面が形成され、でこぼこ感が残るとともに、長く座って、ると臀部に凹凸の型が残ってしまうなどの課題を有して、た。

[0009] また、特許文献 1に記載されるような従来の構成では、硬質の榭脂で構成される便座とは異なり、座り心地を追求するために軟質の弾性体とヒータを有しているため、容易に弾性体に穴が開いたり破れることが想定される。弾性体の破損がヒータまで達した場合、使用者が感電する恐れが生じ、安全性における課題を有していた。

[0010] また、特許文献 1に記載されるような従来の便座装置においては、紐状ヒータの熱は表皮材を介して使用者の臀部に伝わる構成であるが、使用者の体重や着座姿勢の差により、表皮材および紐状ヒータに加わる圧力に差が生しるのが一般であり、し力も同一使用者においても便座の部位によって圧力が異なる。上記のように部位によって圧力が異なる場合、使用者は体感温度として、強い圧力が加わる部位は熱く感じ、弱い圧力が加わる部位は温度が低く感じるため、便座全体に温度斑があるように感じて不快感を感じる。また、使用者の体型などによって実際には使用者の皮膚に触れてヽな、部分の便座表面にぉヽても他の部分同様の均一な温度となるように通電を行っており、し力も紐状ヒータは表皮材の下面に配置しているため放熱しやす

V、構成となっており、省エネルギ一の観点にぉ、て効率が悪!ヽと、う課題を有してヽた。

[0011] また、特許文献 1に記載されるような従来の便座装置においては、紐状ヒータの熱は表皮材を介して使用者の臀部に伝わる構成であるが、使用者の体重や着座姿勢の差により、表皮材および紐状ヒータに加わる圧力に差が生しるのが一般であり、し力も同一使用者においても便座の部位によって圧力が異なる。上記のように部位によって圧力が異なる場合、使用者は体感温度として、強い圧力が加わる部位は熱く感じ、弱い圧力が加わる部位は温度が低く感じるため、便座全体に温度斑があるように感じて不快感を感じる。また、使用者の体型などによって実際には使用者の皮膚に触れてヽな、部分の便座表面にぉヽても他の部分同様の均一な温度となるように通電を行って、るため、省エネルギ一の観点にぉ、て効率が悪!ヽと、う課題を有していた。

[0012] また、特許文献 1に記載されるような従来の構成では、便座ヒータが表皮材と軟質榭脂層の間に配置され、その便座ヒータの形状が紐状ヒータである場合、着座したときに便座に紐状ヒータのところだけ凸になった面が形成され、でこぼこ感が残るとともに、長く座っていると臀部に凹凸の型が残ってしまうなど実用性に欠いていた。また、クッション材にて構成された便座部が柔らかすぎることで剛性不足となり、使用者の体重を十分に支えきれな、場合があるなどの課題を有してヽた。

[0013] また、特許文献 2に記載されるような従来の構成では、便座が軟質榭脂層によって構成され、荷重によって変形する性質を有する場合において、荷重値すなわち使用者の体重によって便座の変形量が異なり、使用者の臀部の上下方向の位置の沈み込み量が一定ではないことによって、従来のトイレ装置において洗浄水が到達することによって汚れを洗浄する対象である使用者の局部の存在しうる範囲が拡大してしまい、洗浄水がうまく局部に当たらない可能性が高くなるという課題を有していた。

[0014] また、特許文献 1で提案されているように着座時の衝撃を吸収するとともに、着座状態の座り心地のよい便座装置を提供する目的で、便座の着座面に低反発物質からなる弾性体層を配設した構成にあっては、暖房ヒータを内蔵したものはなぐ特許文献 3で提案されて、るように便座の裏面側に各種ヒータを取り付ける構成が一般的であった。そして、上記従来技術を組み合わせて、便座の裏面側にヒータを取り付け、着座面に弾性体層を配設した場合、ヒータからの熱は合成樹脂基材、弾性体層を介して着座面に伝達されることになるため、弾性体層が断熱効果を奏することになり、十分な熱が伝達されず、暖房効果を発揮することができな、と、う課題を有して、た

[0015] 本発明は、上記課題を解決するものであり、着座時の衝撃を吸収し、かつ着座状態の座り心地が良ぐかつ長時間の着座の際においても人体への影響度が小さい便座装置を提供することが可能である。

[0016] また、本発明は、上記課題を解決するものであり、着座時の衝撃を吸収し着座状態の座り心地が良ぐかつ万が一、弾性体が破損した場合においても感電しない安全性にお 1ヽて満足した便座装置を提供することを目的とする。 [0017] また、本発明は、上記課題を解決するものであり、着座時の衝撃を吸収し、かつ着座状態の座り心地が良ぐかつ長時間の着座の際においても人体への影響度が小さい便座を有し、かつ便座表面力人体の皮膚を暖める際に無駄な熱損失が少なぐ快適でエネルギー効率のよい便座装置を提供することを目的とする。

[0018] また、本発明は、上記課題を解決するものであり、着座時の衝撃を吸収し、かつ着座状態の座り心地が良ぐかつ長時間の着座の際においても人体への影響度が小さい便座を有し、かつ便座表面力人体の皮膚を暖める際に無駄な熱損失が少なぐ快適でエネルギー効率のよい便座装置を提供することを目的とする。

[0019] また、本発明は、上記課題を解決するものであり、着座時の衝撃を吸収し、かつ着座状態の座り心地が良ぐかつ長時間の着座の際においても人体への影響度が小さ V、暖房機能付きの便座装置を提供することを目的とするものである。

[0020] また、本発明は、上記課題を解決するものであり、着座時の衝撃を吸収し、かつ着座状態の座り心地が良ぐかつ長時間の着座の際においても人体への影響度が小さい便座を有し、かつ使用者の体重などの条件に影響されることなく安定して局部を洗浄することの可能なトイレ装置を提供することが可能である。

[0021] また、本発明は、上記課題を解決するものであり、着座時の衝撃を吸収し、かつ着座状態の座り心地が良ぐかつ長時間の着座の際においても人体への負担を軽減することができる。また軟質榭脂層の変形によるヒータへの影響を抑制し、ヒータの性能の安定と耐久性の向上を図ることが可能である。

課題を解決するための手段

[0022] 前記従来の課題を解決するために、本発明の便座装置は、便座の少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を備え、前記弾性体層の下方に弾性を備えた補強材、便座下部部材の順に配設したものである。

[0023] これによつて、弾性体層と補強材で着座時の衝撃を吸収するとともに、弾性体層が臀部に沿って変形することにより座圧を均等化および分散化することができるので、長時間快適に着座できる便座とすることができる。

[0024] また、本発明の便座装置は、弾性体層と、便座ヒータと、前記便座ヒータを覆う遮蔽層を備え、遮蔽層を便座ヒータの上方に位置する弾性体層の内部に設置してヽる。 [0025] これにより、使用者の体重や着座姿勢に関わらず着座状態の座り心地をよくし、かつ弾性体と接触させてヒータを設置しているにもかかわらず、弾性体層が破損した場合でも感電するおそれのなヽ安全性の高、便座装置となる。

[0026] また、本発明の便座装置は、少なくとも一部に弾性体層と、弾性体層を下方から保持する補強材と、補強材に設置した便座ヒータを備えたことを特徴として、る。

[0027] これにより、使用者の体重や着座姿勢に関わらず強度面に優れ、かつ便座温度の均一性やエネルギ効率の高、便座装置となる。

[0028] また、本発明の便座装置は、便器上に載置する本体と、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座と、前記弾性体層の形状変化量を感知するセンサ装置と、制御装置を備え、前記センサ装置力の弾性体層の形状変化の情報に応じて便座ヒタの通電を制御するものである。

[0029] これにより、使用者の体重や着座姿勢に関わらず、便座の温度斑による不快感を感じることがなぐし力も、無駄な通電を削減することができ、快適でエネルギ効率の高い便座装置となる。

[0030] また、本発明の便座装置は、便器上面に装着される便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を備え、便座内に面状便座ヒータを設置したものである。

[0031] これにより、便座を暖房する面状便座ヒータが使用者の臀部に違和感を与えることがなくなる。

[0032] また、本発明のトイレ装置は、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座と、前記弾性体層の形状変化量を感知するセンサ装置と、制御装置を備え、前記センサ装置からの弾性体層の形状変化量の情報に応じて洗浄水の噴出到達位置を制御することができるようにしたものである。

[0033] これにより、使用者の臀部の沈み込み量に合わせて洗浄水の噴出到達位置を移動することができ、洗浄水を局部に安定して当てることができる。

[0034] また、本発明の便座装置は、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層と、複数の PTCヒータと、 PTCヒータに電力を供給する電源電極を備え、電源電極の一方は便座の開口縁近傍に配設し、他方は便座の外周縁近傍に配設し、前記複数の PTCヒータを前記電源電極に接続した構成とした。

[0035] これにより、便座に着座時の人体への負担を軽減するとともに、弾性体層が変形しても PTCヒータが破損したり特性が変化することを抑制することができる。

[0036] また、本発明の暖房便座装置は、便器上に装着する便座において、弾性体層と該弾性体層を覆うシートで構成した着座部を形成し、着座部の内部に電極及び高分子抵抗体を印刷パターンで形成した PTC特性を有する面状発熱体を収納し、面状発熱体は、着座部の橈み変形に対して馴染むように変化する橈み変形吸収手段を有する構成としたものである。

[0037] 上記発明によれば、着座面に弾性体層を用いることで、着座時の衝撃を吸収しつつ、着座後の適度なクッション性を確保することができ、長時間座った場合でも臀部への負担を軽減することができる。併せて、印刷パターンで形成したシート状の面状発熱体を採用することで、着座面を形成する弾性体層表面とシートとの間に凹凸面を有することなぐフラットな状態で収納することができるため、良好な着座感を保って暖房用ヒータを内蔵することができるとともに、面状発熱体からの熱がシートを介して直に伝達され、かつ、弾性体層による断熱効果も相俟って、着座面を効率的に暖めることができる。さらに、面状発熱体に橈み変形吸収手段を設けた構成としているため、着座時に弾性体層が変形した場合でも、その変形に馴染むように面状発熱体が変化するため、パターン印刷された電極及び抵抗体に変形ストレスが印加されることがなく耐久性の向上を図ることができる。

発明の効果

[0038] 本発明の便座装置は、着座時の衝撃の吸収と座圧の均等化および分散化により、長時間快適に着座できる便座装置を提供することができる。

[0039] また、本発明の便座装置は、適度なクッション性をもった快適な便座を備え、かつ安全性の高!ヽ便座装置を提供することができる。

[0040] また、本発明の便座装置は、適度なクッション性をもった快適な便座を備え、使用者の体重や着座姿勢などの条件にかかわらずに便座全体の剛性、強度が高ぐつ便座表面の温度が均一で、エネルギー効率のよい便座装置を提供することができる。 [0041] また、本発明の便座装置は、適度なクッション性をもった快適な便座を備え、使用者の体重や着座姿勢などの条件にかかわらずに、温度斑がなぐ！¹夬適で、エネルギー効率のよ!ヽ便座装置を提供することができる。

[0042] また、本発明の便座装置は、使用者の臀部に違和感を与えることがなく座り心地がよぐ長時間着座しても疲れない快適な便座装置を提供することができる。

[0043] また、本発明のトイレ装置は、弾力性のある弾性体層により座るときの衝撃を押さえ、長く座っている場合には適度なクッション性をもたせることにより臀部力従来の硬質榭脂の便座ほど変形せず臀部の血流を妨げることがなぐ疲れない便座とすることができるとともに、使用者の体重などの条件にかかわらずに、快適に局部の洗浄をすることができる。また、使用者の体重などの条件に影響されることなく安定して局部を洗净することができる。

[0044] また、本発明の暖房便座装置は、弾性体層を備えた暖房便座装置にぉヽて、弾性体層の変形による PTCヒータの損傷や特性の変化を抑制することにより、性能の安定と耐久性を向上することができる。

[0045] 本発明の暖房便座装置は、弾力性のある弾性体層により、着座時の衝撃を抑えつつ、着座後の適度なクッション性を確保することができ、長時間座った場合でも臀部への負担を軽減することができる。併せて、印刷パターンで形成したシート状の面状発熱体を採用することで、着座面を形成する弾性体層表面とシートとの間に凹凸面を有することなぐフラットな状態で収納することができるため、良好な着座感を保って暖房用ヒータを内蔵することができるとともに、面状発熱体からの熱がシートを介して直に伝達され、かつ、弾性体層による断熱効果も相俟って、着座面を効率的に暖めることができる。さらに、面状発熱体に橈み変形吸収手段を設けた構成としているため、着座時に弾性体層が変形した場合でも、その変形に馴染むように面状発熱体が変化するため、パターン印刷された電極及び抵抗体に変形ストレスが印加されることがなく耐久性の向上を図ることができる。そして、面状発熱体が PTC特性を有することで、所定温度まで急激に加熱し、その後、所定温度を維持するように自己制御を行うため、回路構成の簡素化と省エネルギ効果を確保することができる。

図面の簡単な説明圆 1]本発明の実施の形態 1における便座装置の斜視図

圆 2]本発明の実施の形態 1における便座の弾性強度を示す模式図

[図 3]本発明の実施の形態 1における便座の図 2に示す AA断面図

[図 4]本発明の実施の形態 1における便座の図 2に示す BB断面図

[図 5]本発明の実施の形態 1における便座の図 2に示す CC断面図圆 6]本発明の実施の形態 2における便座装置の斜視図

圆 7]本発明の実施の形態 2における便座の詳細断面図

圆 8]本発明の実施の形態 2における便座ヒータと遮蔽層を示す模式図圆 9]本発明の実施の形態 3における便座装置の斜視図

圆 10]本発明の実施の形態 3における便座の詳細断面図

圆 11]本発明の実施の形態 4における便座装置の斜視図

[図 12]本発明の実施の形態 4における便座装置の便座の断面図圆 13]本発明の実施の形態 4における便座装置の便座と制御装置の模式図圆 14]本発明の実施の形態 5における便座装置の斜視図

[図 15]本発明の実施の形態 5における便座の断面図

[図 16]本発明の実施の形態 5における PTCヒータの内部構成図

圆 17]本発明の実施の形態 5における便座の温度特性図

圆 18]本発明の実施の形態 5における伸縮性 PTC抵抗体の模式図

[図 19]従来の便座装置の橈み特性図

圆 20]本発明の実施の形態 5における便座装置の橈み特性図

圆 21]本発明の実施の形態 6におけるトイレ装置の斜視図

圆 22]本発明の実施の形態 6におけるトイレ装置の便座の断面図圆 23]本発明の実施の形態 6におけるトイレ装置の洗浄手段の側面図圆 24]本発明の実施の形態 6における洗浄水到達位置調整の模式図圆 25]本発明の実施の形態 6における洗浄水到達位置調整の模式図圆 26]本発明の実施の形態 6における洗浄水到達位置調整の模式図圆 27]本発明の実施の形態 6における洗浄水到達位置調整の模式図圆 28]本発明の実施の形態 6における洗浄水到達位置調整の模式図圆 29]本発明の実施の形態 7における便座装置の斜視図

[図 30]本発明の実施の形態 7における便座の断面図

[図 31]本発明の実施の形態 7における PTCヒータの構成図

[図 32] (a)本発明の実施の形態 7における伸縮性 PTC抵抗体の通常状態の模式図 ( b)変形した状態の模式図

[図 33]本発明の実施の形態 7における PTCヒータの印刷パターンの平面図圆 34]本発明の実施の形態 7における便座の温度特性図

[図 35]本発明の実施の形態 8における PTCヒータの印刷パターンの平面図

[図 36]本発明の実施の形態 9における PTCヒータの印刷パターンの平面図圆 37]本発明の実施の形態 10における便座装置の斜視図

[図 38]本発明の実施の形態 10における便座の断面図

[図 39]本発明の実施の形態 10における PTCヒータの内部構成図

[図 40]本発明の実施の形態 10における便座の温度特性図

圆 41]本発明の実施の形態 10における伸縮性 PTC抵抗体の模式図

[図 42]従来の便座装置の橈み特性図

圆 43]本発明の実施の形態 10における便座装置の橈み特性図

[図 44]本発明の実施の形態 10における PTCヒータの印刷パターンを示す図

[図 45]本発明の実施の形態 10における PTCヒータの印刷パターンを示す図

[図 46]本発明の実施の形態 11における PTCヒータの印刷パターンを示す図

[図 47]従来の便座装置の斜視図

[図 48]従来のトイレ装置の外観図

[図 49]従来の便座装置の暖房装置の概略構成図

符号の説明

6 便座

6a 外周部

6b 開口部

12 弾性体層

13 補強材 14 便座下部部材

1006 便座

1010 便器

1013 弾性体層

1014 便座ヒータ

1017 遮蔽層

2006 便座

2010 便器

2012 熱反射膜層

2013 弾性体層

2014 便座ヒータ

2015 補強材

3006 便座

3008 本体

3009 制御装置

3010 便器

3012 便座ヒータ

3013 弾性体層

3020 圧力センサ (センサ装置）

3021 歪みゲージ (センサ装置）

4006 便座

4010 便器

4012 PTCヒータ（面状便座ヒー

4013 弾性体層

4022 柔軟性フィルム

4023 伸縮性 PTC抵抗体

4024 電極

4025 柔軟性フィルム 5005 便座

5007 本体

5008 洗浄手段

5009 制御装置

5010 便器

5011 表皮材

5012 面状ヒータ

5013 弾性体層

5020 圧力センサ (センサ装置)

5021 歪みゲージ (センサ装置)

5022 局部

5023 洗浄水

6006 便座

6006a 開口縁

6006b 外周縁

6010 便器

6012、 6035 PTCヒータ

6013 弾性体層

6022、 6032 柔軟性フィルム

6023 PTC抵抗体

6024 電極

6028、 6028a, 6028b, 6034a, 6034b 電源電極 6029a, 6029b, 6036a, 6036b 主電極

6030a, 6030b, 6037a, 6037b 枝電極

7006 便座

7010 便器

7011 シート

7012 PTCヒータ（面状発熱体） 7013 弾性体層

7022 柔軟性フィルム

7023 伸縮性 PTC抵抗体 (高分子抵抗体）

7024 電極

7030 主電極

7031 枝電極

7032 スリット状切り込み部 (橈み変形吸収手段）

発明を実施するための最良の形態

[0048] 第 1の発明は、便器上面に装着する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を備え、前記弾性体層の下方に補強材と便座下部部材を順に配設し、前記補強材は弾性を備えたことを特徴とすることにより、使用者が着座するときの衝撃は弾性体層と弾性を備えた補強材で吸収し、着座状態では弾性体層が使用者の臀部に倣って変形することで座圧の均等化と分散化を行うことができるので、長時間着座しても痺れたり、痛さを感じることがなく快適な便座装置を提供することができる。

[0049] 第 2の発明は、特に、第 1の発明において、弾性体層の上方、下方または内部に便座ヒータを設置したことを特徴とするものである。

[0050] 第 3の発明は、特に、第 1または第 2の発明の補強材の弾性強度が、着座した使用者が便座に接触する身体の部位に対応して異なることにより、使用者の身体の突出部が接触し座圧が高くなり底当たり状態になりやすい部分は弾性強度を低くし、広い面で接触することにより座圧が低くなる部分は弾性強度を高くすることにより、全体の座圧を均等化と底当たりを解消することができるので、より快適な便座を提供できると共に、便座の周辺部の弾性強度を大きくすることで弾性体層の変形移動を防止することができる。

[0051] 第 4の発明は、特に、第 1〜第 3の発明の補強材の弾性強度が、便座の開口部近傍が外周部近傍に対して硬くすることにより、補強材の開口部近傍のひずみ量を小さくすることで、便座開口部の形状の安定させることとなり、使用者が着座したときに感じる便器内への落ち込みへの不安感を取り除くと共に、弾性体層が便器内側方向に移動変形することを防止することができる。

[0052] 第 5の発明は、特に、第 1〜4のいずれか 1つの発明において、補強材の上面の少なくとも一部を傾斜面で構成したことにより、使用者の臀部の形状に近い補強材とすることができ、座圧の均等化を図ることができるので、座っていてより快適な座り心地にすることができる。

[0053] 第 6の発明は、特に、第 5の発明の補強材の上面を便座の開口部側に向力つて低くなる傾斜を設けたことにより、弾性体層の厚さを開口部側を外周側より厚くすることが可能となり、柔らかさ^ [感に感じる内股に接触する部分の弾性強度を柔らかくすることができるとともに、弾性体層が体重により変形移動することを防止することができる。

[0054] 第 7の発明は、便器上面に装着する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層と、便座を加熱する便座ヒータと、前記便座ヒータを覆う遮蔽層を備え、前記便座ヒータは弾性体層の内部または下方に設置し、前記遮蔽層を便座ヒータの上方に位置する弾性体層の内部に設置したことによって、万が一弾性体に穴があく等の破損が生じたときにおいても、遮蔽板があることによって、破損がヒータまで達することを防止するとともに、人体が直接便座ヒータに接触しないため、感電等の危険性を最小限にする事が可能となり、座り心地がよぐかつ安全性の高、便座装置とすることができる。

[0055] 第 8の発明は、特に第 7の発明の遮蔽層を金属材質で形成することにより、便座ヒータで発熱した熱が熱伝導性の良、金属材質を介して便座表面に伝わるため、均一の表面温度とすることができる。また、金属製の遮蔽板を弾性体層の内部に設置することにより、人が座ったときの体重による橈み等の強度を強化することができ、安全性と耐久性を備えた便座装置とすることができる。

[0056] 第 9の発明は、特に第 7の発明において、遮蔽層をアース電位に接続可能な構成としたことにより、たとえ弾性体層の大幅な破損で遮蔽層が便座ヒータに接触した場合でも使用者は感電することがなくより安全性の高い便座装置を提供することができる。

[0057] 第 10の発明は、便器上に載置する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層と、前記弾性体層を下方カゝら保持する補強材と、便座を加熱する便座ヒータを備え、前記便座ヒータを前記補強材に設置したことにより、弾性体層は補強材で保持したことによって弾性体層は補強され、便座そのものの剛性を高めることができるため、使用者の体型などの条件にかかわらず弾性体層が備える適度なクッション性で使用者との臀部の血流を妨げることもなぐ長時間着座しても疲れない便座とすることができ、し力も便座ヒータは補強材に設置することにより便座内部に安定して設置することができ、かつ便座ヒータと便座表面との間に弾性体層が位置する構造としているため便座ヒータの熱が便座表面まで伝わる過程で温度の均一性が得られるため、快適に臀部の暖房し、しカゝも便座ヒータは弾性体層で覆われていることにより無駄な熱損失を抑えることのできる便座装置とすることができるものである。

[0058] 第 11の発明は、特に第 10の発明の弾性体層が蓄熱性能を備えることにより、便座ヒータで発生した熱は弾性体層で蓄熱されるため、従来の暖房便座に比較して便座表面からの放熱損失が少なく、エネルギ効率のょ、便座装置とすることができる。

[0059] 第 12の発明は、特に第 10または第 11の発明において、弾性体層の上部に熱反射膜層を設けることにより、弾性体層から便座の外側へ移動しょうとする熱を便座内部へと反射して封じこめる効果を有し、弾性体層の蓄熱効果をより高めることで、さらにエネルギ効率のょ、便座装置とすることができる。

[0060] 第 13の発明は、便器上に装着する本体と、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座と、便座内に配設した便座ヒータと、前記弾性体層の形状変化量を感知するセンサ装置と、制御装置を備え、前記センサ装置からの弾性体層の形状変化量の情報に応じて便座ヒータの通電状態を制御することにより

、弾性体層が備える適度なクッション性で使用者の臀部の血流を妨げることもなぐ長時間着座しても疲れなヽ便座とすることができる。さらに弾性体層の形状変化量の情報に応じて便座ヒターの通電状態を制御して!/、るため、便座の変形量すなわち使用者の臀部と便座表面の密着度に応じて、便座表面温度の高さおよび分布を自動調整する機能を備えているため、使用者の体型などの条件にかかわらず、快適に臀部の暖房をしながら無駄な熱損失を抑えることのできる便座装置とすることができる。 [0061] 第 14の発明は、特に、第 13の発明のセンサ装置として、圧力センサを使用することにより、使用者が便座に着座することにより弾性体層に加わる圧力のデータ基づいて、便座ヒータの通電状態を制御することとなり、使用者が快適な体感温度を感じる便座暖房を提供することができるものである。

[0062] 第 15の発明は、特に、第 13または第 14の発明のセンサ装置として、歪みゲージを使用することにより、特に、便座の表面部の変形量と使用者の臀部と便座ヒータとの近接距離の相関関係のデータ基づいて、便座ヒータの通電状態を制御することとなり、使用者がより快適な体感温度を感じる便座装置を提供することができるものである。

[0063] 第 16の発明は、特に、第 13〜15のいずれか 1つの発明の便座ヒ―タを複数に分割して構成し、分割した便座ヒータごとに異なった制御を行ヽ便座の温度および分布を自由に変化させることのできる構成とすることにより、センサ装置からの情報に応じて、便座ヒータの温度および分布を自由に変化させることのできることとなり、より快適な便座装置を提供することができるものである。

[0064] 第 17の発明は、特に、第 13〜16のいずれか 1つの発明の便座ヒータを面状ヒータとすることにより、便座の表面はほぼ全面にわたり温度斑を少なくして加熱することができるため、より快適な便座装置を提供することができるものである。

[0065] 第 18の発明は、特に、第 13〜17のいずれか 1つの発明の便座ヒータを正温度係数特性を有する PTCヒータとすることにより、正温度係数特性による抵抗値の変化によって、通電初期の温度の低いときはノ、ィパワーで短時間に昇温することができ、温度が高くなるとローパワーになる自己温度制御機能を有しているため、通電開始から短時間で快適に使用することができるとともに安全性の高い便座装置を提供することができる。

[0066] 第 19の発明は、便器上に装着される便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を備え、便座内に面状便座ヒータを設置したことにより、着座した使用者の臀部に沿って弾性体層が変形するため、臀部の血流を妨げることもなく、疲れない便座とすることができる。また便座面を暖房するためのヒータの形状が面状であるため、座面表面にでこぼこ感がなぐ長時間着座しても違和感を感じな、快適な便座装置とすることができる。 [0067] 第 20の発明は、特に、第 19の発明の面状便座ヒータを正特性係数を有する PTC ヒータとすることにより、非着座時は通電せず、着座する直前に通電を開始して暖房するだけで短時間に便座を昇温することができるので、無駄な電力を消費することがなく省エネ効果の高、便座装置とすることができる。

[0068] 第 21の発明は、特に、第 20の発明の PTCヒータを柔軟性フィルムに伸縮性 PTC 抵抗体と電極を印刷することにより、着座による弾性体層の変形に対応して PTCヒータ自体が柔軟に追随することができるため、面状便座ヒータによる違和感をより感じることがなぐより快適な便座装置となる。

[0069] 第 22の発明は、便器上に装着する本体と、使用者の局部を洗浄する洗浄手段と、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座と、前記弾性体層の形状変化量を感知するセンサ装置と、制御装置を備え、前記センサ装置力の弾性体層の形状変化量の情報に応じて洗浄水の噴出到達位置を制御することにより、臀部の血流を妨げることもなぐ長時間着座しても疲れない便座とすることができ、さらに便座の変形量すなわち使用者の臀部の沈み込み量に応じて洗浄水の到達位置を自動調整する機能を備えて、るため、使用者の体重などの条件にかかわらず、快適に局部の洗浄をすることのできる。

[0070] 第 23の発明は、特に、第 22の発明のセンサ装置として、圧力センサを使用することにより、使用者の体重による臀部の沈み込み量と、使用者が便座に着座することにより弾性体層に加わる圧力との相関関係のデータ基づ、て、洗浄水の噴出到達位置を制御することにより、使用者の局部に適切に洗浄水を当てることができるものである

[0071] 第 24の発明は、特に、第 22または第 23の発明のセンサ装置として、歪みゲージを使用することにより、使用者の体重による臀部の沈み込み量と、使用者が便座に着座することにより便座表面部の変形量との相関関係のデータ基づいて、洗浄水の噴出到達位置を制御することにより、使用者の局部に適切に洗浄水を当てることができるものである。

[0072] 第 25の発明は、特に、第 22〜24のいずれか 1つの発明において、センサ装置からの情報に応じて、洗浄手段を上下方向に移動させて、洗浄水の噴出到達位置を制御することにより、使用者の臀部の沈み込み量に応じて洗浄手段を上下に移動して、使用者の局部に最適な条件で洗浄水を当てることが可能となり、快適で効果的な局部洗浄を提供することができるものである。

[0073] 第 26の発明は、特に、第 22〜25のいずれか 1つの発明において、センサ装置からの情報に応じて、洗浄手段を前後方向に移動させて、洗浄水の到達位置を制御することにより、使用者の臀部の沈み込み量と体格に応じて洗浄手段を前後に移動して、使用者の局部に最適な条件で洗浄水を当てることが可能となり、快適で効果的な局部洗浄を提供することができるものである。

[0074] 第 27の発明は、特に、第 22〜26のいずれか 1つの発明において、センサ装置からの情報に応じて、洗浄水の噴出強さを変化させて、洗浄水の到達位置を制御することにより、使用者の臀部の沈み込み量による洗浄手段と局部との距離の変化に応じて洗浄水の噴出強さを変化して、使用者の局部に最適な強さの洗浄水を当てることが可能となり、快適で効果的な局部洗浄を提供することができるものである。

[0075] 第 28の発明は、特に、第 22〜27のいずれか 1つの発明において、便座の表面部の少なくとも一部に表皮材を配設し、前記表皮材の下方に弾性体層を設置し、表皮材と弾性体層間または弾性体層内の少なくとも一部に面状ヒータを設置したことにより、着座面である表皮材の直下に加熱手段となる面状ヒータを設置したこととなり、着座面を短時間に効果的に昇温することができるため、省エネルギで使い勝手の良いトイレ装置を提供することができる。

[0076] 第 29の発明は、便器上に装着する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層と、正温度係数特性を有する複数の PTCヒータと、前記 PTCヒータに電力を供給する電源電極を備え、前記電源電極は極性の異なる一対の電極で構成し、電源電極の一方は便座の開口縁近傍に配設し、他方は便座の外周縁近傍に配設し、前記複数の PTCヒータを前記電源電極に接続した構成とすることにより、複数の PTCヒータを電源電極に並列に接続することとなり、一部の PTCヒータが故障した場合でも前座全体の暖房が停止することはなぐ対応力の高い便座装置を提供することが可能となる。

[0077] また、 PTCヒータを複数に分割して便座に配設することにより、便座表面にしわができにくくなり、使用者が着座面カゝら受ける負担を軽減し、座り心地の良い便座を提供することができる。

[0078] 第 30の発明は、特に、第 29の発明の電源電極を環状に形成したことにより、仮に電源電極が 1箇所切断されてもすべての PTCヒータに給電することが可能となるため

、故障が発生しに《耐久性の高い便座装置を提供することができる。

[0079] 第 31の発明は、特に第 29または第 30の発明の PTCヒータは柔軟性フィルムに PT C電極と PTC抵抗体とを印刷して形成し、前記 PTC電極は、対向して配設した一対の主電極と、前記対向する主電極より交互に相対する主電極に向力つて導出した複数の枝電極とを備え、前記枝電極を便座の開口縁に対し略平行となる方向に配設したことにより、便座に使用者が着座したときに弾性体層は、主電極と略同方向の便座の開口部の開口縁に対し略垂直方向に主として橈むこととなり、この橈みの方向に対して略直角方向に枝電極を配設したことで、枝電極は弾性体層の橈みの影響をほとんど受けることがなぐ枝電極の破損を抑制することができ、 PTCヒータの伸びに対する対抗力が弱い方向である枝電極の方向を変形の少ない方向とすることができることとなり、 PTCヒータが損傷したり特性が変化することを抑制することができる。

[0080] 第 32の発明は、特に、第 29〜31のいずれか 1つの発明において、便座の部位により、枝電極を異なる間隔で配設したことにより、枝電極の間隔が広い部位は抵抗値が高くなるため発熱量が少なくなり、枝電極の間隔が狭い部位は抵抗値が低くなり発熱量を多くすることができるため、着座して人体が接触する部位の枝電極の間隔を狭くし、人体が接触しない周辺部等は枝電極の間隔を広くすることにより、人体が接触する部位では人体には十分な熱が伝わり快適な暖房となり、人体が接触しない周辺部には無駄な熱の供給を行わないため省エネ性を高めることができる。

[0081] 第 33の発明は、特に、第 29〜32のいずれか 1つの発明において、 PTC抵抗体はカーボンと榭脂を含有する構成とし、カーボンと榭脂の配合比率を便座の部位により異なる配合比率としたことにより、カーボンの配合比率を少なくした部位は抵抗値が高くなるため発熱量が少なくなり、カーボンの配合比率を多くした部位は抵抗値が低くなり発熱量を多くすることができるため、着座して人体が接触する部位の配合比率を多くし、人体が接触しない周辺部等はカーボンの配合比率を少なくすることにより、人体が接触する部位では人体には十分な熱が伝わり快適な暖房となり、人体が接触しな、周辺部には無駄な熱の供給を行わな、ため省エネ性を高めることができる。

[0082] 第 34の発明は、便器上に装着する便座において、弾性体層と該弾性体層を覆うシートで構成した着座部を形成し、前記着座部の内部に電極及び高分子抵抗体を印刷パターンで形成した面状発熱体を収納し、前記面状発熱体は、着座部の橈み変形に対して馴染むように変化する橈み変形吸収手段を有する構成としたことを特徴とするものである。

[0083] そして、着座部に弾性体層を用いることで、着座時の衝撃を吸収しつつ、着座後の適度なクッション性を確保することができ、長時間座った場合でも臀部への負担を軽減することができる。併せて、印刷パターンで形成したシート状の面状発熱体を採用することで、着座面を形成する弾性体層とシートとの間に凹凸面を有することなぐフラットな状態で収納することができるため、良好な着座感を保って暖房用ヒータを内蔵することができるとともに、面状発熱体からの熱がシートを介して直に伝達され、かつ、弾性体層による断熱効果も相俟って、着座面を効率的に暖めることができる。さらに、面状発熱体に橈み変形吸収手段を設けた構成としているため、着座時に弾性体層が変形した場合でも、その変形に馴染むように面状発熱体が変化するため、パターン印刷された電極及び抵抗体に変形ストレスが印加されることがなく耐久性の向上を図ることができる。また、面状発熱体が PTC特性を有することで、所定温度まで急激に加熱し、その後、所定温度を維持するように自己制御を行うため、回路構成の簡素化と省エネルギ効果を確保することができる。

[0084] 第 35の発明は、特に、第 34の発明において、面状発熱体を薄肉の電気絶縁基板上に電極と高分子抵抗体を所定のパターンに印刷して発熱部を形成し、該発熱部を挟むようにポリエステル不織布よりなる被覆材を貼り合わせてシート状に構成したことを特徴とするものである。

[0085] そして、ポリエステル不織布で電極と抵抗体が印刷された電気絶縁基板の両面を覆うように貼り合わせてシート状に構成することで、凹凸面のないフラットな面状発熱体とすることができ、弾性を有する着座部の内面に装着した場合でも良好な着座感を保って均一な暖房感を提供することができるとともに、便座特有の形状に対応した装着構成を確保することができる。

[0086] 第 36の発明は、特に、第 34または第 35の発明において、電極を対向した一対の主電極と、該主電極より導出し対向する電極に向力つて交互に配列した複数の枝電極で構成し、枝電極は、着座時の橈み方向に対して略直角方向に延設したことを特徴とするちのである。

[0087] そして、複数の枝電極により給電する構成とすることで、着座面を均一に暖めることができ、かつ、枝電極の方向を着座時の橈み方向に対して略直角方向とすることで、橈み変形に対しての影響度を少なくすることができ、抵抗値変化等パターン印刷の信頼性を向上することができる。

[0088] 第 37の発明は、特に、第 36の発明において、着座における人体との接触度合いが少な!/、部位ほど枝電極の間隔を広げるようにしたことを特徴とするものである。

[0089] そして、着座時に臀部があまり接触しない部分は枝電極の間隔を広げて温度を低くすることにより省エネを図るようにしたものである。

[0090] 第 38の発明は、特に、第 34または第 35の発明において、橈み変形吸収手段の具体的構成として、面状発熱体の適所にスリット状の切り込みを入れ、一方端を開放して自由端とする構成としたことを特徴とするものである。

[0091] そして、面状発熱体に一方を開放したスリット状の切り込みを入れることで、該切り込み部で外力に対して柔軟性を持たせることができるとともに、柔らかなシート状の面状発熱体と相俟って、変形具合に馴染んだ形状に変化させることができ、着座時に弾性体層が変形した場合でも、その変形に馴染むように面状発熱体が変化するため、ノターン印刷された電極及び抵抗体に変形ストレスが印加されることがなく耐久性の向上を図ることができ、かつ、着座感の向上を図ることができる。

[0092] 第 39の発明は、特に、第 34または第 35の発明において、橈み変形吸収手段は、着座時の橈み方向と略同一方向にシート状の面状発熱体の端部力スリット状の切り込みを入れ、一方端を開放して自由端とする構成としたことを特徴とするものである

[0093] そして、面状発熱体に橈み方向と略同一方向に端部力スリット状の切り込みを入れることで、着座時に弾性体層が変形した場合でも、その変形に馴染むように面状発熱体が変化するため、パターン印刷された電極及び抵抗体に変形ストレスが印加されることがなく耐久性の向上を図ることができ、かつ、着座感の向上を図ることができる。

[0094] 第 40の発明は、特に、第 34または第 35の発明において、橈み変形吸収手段は、着座時の橈み方向と略同一方向にシート状の面状発熱体の端部から交互にスリット状の切り込みを入れ、一方端を開放して自由端とする構成としたことを特徴とするものである。

[0095] そして、面状発熱体に端部から交互にスリット状の切り込みを入れることで、着座時に弾性体層が変形した場合でも、その変形に馴染むように面状発熱体が変化するため、パターン印刷された電極及び抵抗体に変形ストレスが印加されることがなぐ耐久性の向上を図ることができ、かつ、着座感の向上を図ることができる。

[0096] 第 41の発明は、特に、第 34または第 35の発明において、高分子抵抗体は、カーボン等の導電性物質に結晶性榭脂を混入して PTC特性を持たせ、着座時に人体との接触度合ヽが多、部位ほどカーボンを少なく配合したインクにより印刷を施すようにしたことを特徴とするものである。

[0097] そして、着座時に臀部との接触度合いが多い部分にカーボン量を少なくして抵抗値を小さくしたインクを印刷することで、温度の立ち上がりを速ぐかつ温度を高くして、暖房感を高めるようにしたものである。

[0098] 第 42の発明は、特に、第 34または第 35の発明において、着座時に人体との接触度合、が多!、部位ほど面状発熱体を多層に重ねる構成としたことを特徴とするものである。そして、着座時に臀部との接触度合いが多い部分に面状発熱体を多層に重ね、温度の立ち上がりを速ぐかつ温度を高くして、暖房感を高めるようにしたものである。

[0099] 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

[0100] (実施の形態 1)

図 1は本発明の実施の形態 1における便座装置の外観図、図 2は便座の弾性強度の分布を示す模式図であり、図 3は図 2の AA断面図を示し、図 4は図 2の BB断面図示し、図 5は図 2の CC断面図を示すものである。

[0101] 図 1に示す本発明の第 1の実施の形態を説明すると、便座装置は、温水洗浄便座であって、便座 6と便蓋 7と、本体 8で構成され、本体 8の内部には、熱交換タンクや洗浄手段、電磁弁、乾燥ユニット、脱臭ユニット、制御装置等が内蔵されており（図示せず）、使用者は洗浄手段の洗浄ノズルから吐水される温水を臀部に当てることにより、用便による汚れを洗い流すことができるものである。この便座装置は、便器 9の上面に便座 6及び本体 8の下面が接するように載置される。便器 9の上面には、本体 8と係合するベースプレート固定用穴が 2箇所穿設されており、ゴムブッシュ及びボルトによりベースプレートは固定される（図示せず)。

[0102] 次に、便座 6の構成について図を用いて説明する。図 2は便座の弾性強度の分布を示す模式図であり、図のハッチングの部分は他の部分より弾性強度が高くなつていることを表してヽる。

[0103] 図 3は便座 6の側部後方に対応する AA断面図であり、この部分は着座した使用者の臀部のほぼ中心に対応する部分であり、上面が使用者の皮膚と接触する面である。便座 6は上面には柔軟性を有する表皮材 10が便座 6のほぼ全面に配置してあり、表皮材 10の下方には柔軟性を備えた面状の便座ヒータ 11と軟質樹脂からなる弾性体層 12が設置してあり、前記便座ヒータ 11は弾性体層 12の上部に配設してある。

[0104] 弾性体層 12の下方には弾性体層 12に当接して弾性を有する榭脂の成型品からなる補強材 13が設置してあり、補強材 13は両側端を便座の基材である便座下部部材 14で保持され、補強材 13の中央部と便座下部部材 14との間は空洞部を形成しており、補強材 13は下方に橈むことが可能な構成となっている。

[0105] 補強材 13は上面は中央部が凹陥した傾斜面となっており、下面は略水平面で構成することにより、便座 6の外周部 6a近傍と開口部 6bの近傍に対応する部分は肉厚が厚くなつており、外周部 6a近傍と開口部 6bの近傍は中央部より弾性強度が高くなつている。

[0106] また、図 3に示すように、弾性体層 12は便座 6の外周部 6aから中央部までは厚さが厚ぐそれより開口部 6b側は順次厚さが薄くなるように構成してある。

[0107] 図 4は便座 6の側方に対応する BB断面を示すものであり、この部分は着座した使用者の太ももに対応する部分である。 AA断面と異なる点は、補強材 13の上面は便座 6の開口部 6b側が低くなる傾斜面となっており、下面は中央部より開口部 6bに向力つて順次肉厚が厚くなつており、開口部 6b側の弾性強度が高くなつた構成となつている。また、弾性体層 12は便座 6の外周部 6a側と開口部 6b側はほぼ同等の厚みを有している。

[0108] 図 5は便座 6の後方に対応する CC断面を示すものであり、この部分は着座した使用者の臀部後方に対応する部分で身体とあまり接触することがなぐ荷重もあまり掛力もない部分である。 AA断面と異なる点は、補強材 13の上面と下面はともに便座 6 の開口部 6b側が低くなる傾斜面となっており、補強材の肉厚はほぼ一定の厚みとなつており、外周部 6a側と開口部 6b側はほぼ同等の弾性強度となっている。また、弹性体層 12は便座 6の外周部 6a側と開口部 6b側はほぼ同等の厚みを有して、る。

[0109] 以上のように構成された便座装置について、以下その動作、作用を説明する。

[0110] 便座ヒータ 11であらカゝじめ暖められた便座 6に使用者が着座すると、着座時は便座 6に使用者の体重による荷重が衝撃的に加えられる。このとき、使用者の臀部の中央部に対応する便座の側部後方では、まず弾性体層 12が完全に変形し、底当たり状態となるが、この部分の補強材 13は中央部の肉厚が薄くなつているため、補強材が橈み、この衝撃を吸収することにより、使用者はあまり衝撃を感じることがなく快適に着座することができる。

[0111] 着座した状態では、便座の側部後方に使用者の臀部の中央部が載り、便座 6の側方部に使用者の太ももが載った状態になるが、便座 6の側方部は図 4に示すように便座 6の開口部 6bに向力つた傾斜面となっているので、太ももの内側が圧迫されることがなぐ使用者の血流を阻害することが少ない。

[0112] また、便座 6の側部後方及び側方部ともに開口部 6b側の補強材 13の弾性強度を高くしており、この部分で使用者の体重を確実に支持するとともに、弾性体層 8が変形して開口部 6bに流出することを防止する作用を備えている。

[0113] また、便座後部においては、補強材 13、弾性体層 12とも開口部 6bに向力つて傾斜を設けることにより、使用者の臀部後方の体形に沿って容易に変形しやす、ようになつている。 [0114] 以上のように、本実施の形態においては、着座する使用者の臀部の部位に対応して、補強材の弾性強度と傾斜を変えるとともに、弾性体層を配置することにより、着座時の衝撃を吸収するとともに、着座状態では座圧を分散及び均一化すすることにより

、使用者が長時間快適に着座できる便座装置を提供することができる。

[0115] なお、本実施の形態においては、便座ヒータを弾性体層の上部に配設した力これに限るものではなぐ表皮材の内部あるいは表皮材と弾性体層の間に配設することにより、便座暖房の速暖性を高めることが可能となり、補強材の上面あるいは補強材の内部に配設した場合は、非使用時の保温性を高めることができ、省エネルギの効果を得ることができる。

[0116] また、本実施の形態においては、便座ヒータとして、面状のヒータを使用した力これに限るものではなぐコードヒータや板状のヒータ等の使用が考えられる。また、面状のヒータにおいても、正温度係数特性を有する PTCヒータを採用することにより、安全性の高!ヽ便座装置を提供することが可能となる。

[0117] また、本実施の形態においては、補強材は榭脂成型品を採用したが、これに限るものではなぐ各種の金属で形成したものや、金属と榭脂の複合の材料で構成してもよい。

[0118] (実施の形態 2)

図 6に示すように、本発明の第 2の実施の形態における便座装置は着座面を暖房する暖房便座であって、便座 1006と、便蓋 1007と、本体 1008を主要構成部材としている。

[0119] 本体 1008の内部には、洗浄用の温水を作り貯湯する熱交換タンク（図示せず）、局部を洗浄する洗浄手段 1009、洗浄水の噴出を制御する電磁弁（図示せず)、洗浄後の局部を乾燥する乾燥ユニット（図示せず)、排便の臭気を脱臭する脱臭ュニット（図示せず)、便座装置の各機能を制御する制御装置（図示せず)等が内蔵されており、使用者は洗浄手段 1009から噴出される温水を局部に当てることにより、用便による汚れを洗い流すことができるものである。この便座装置は、便器 1010の上面に載置した本体 1008をゴムブッシュ及びボルトを介して便器 1010に固定し、便座 100 6と便蓋 1007は本体 1008に回動自在に枢支して!/、る。 [0120] 図 7に示すように、便座 1006は上面から、使用者の皮膚と接触する面であり変形自在な軟質で使用者の臀部になじむシート状の表皮材 1011、便座内部からの熱を反射して便座外部への無駄な放出を抑制する熱反射膜層 1012、弾性を備えた軟質榭脂材カゝらなる弾性体層 1013、便座ヒータ 1014、硬質榭脂成型品からなる補強材 1015、硬質榭脂成型品からなる便座下部部材 1016の主要部材の順で構成されている。また、表皮材 1011と便座ヒータ 1014との中間に位置する弾性体層 1013の内部には板状の金属で形成した遮蔽層 1017を設けてある。

[0121] また、図 8に示すように遮蔽層 1017にはアースリード線 1022が接続してあり、別途設けたアース端子（図示せず）に接続する構成となっている。

補強材 1015と便座下部部材 1016はビス 1018で螺合してあり、補強材 1016は中央部分をビス止めのために平面部 1019とし、両側はそれぞれ凸部 1020として強度を上げて!/、る。そして端部 1021には便座下部部材 1017の端部と嵌合するように長手方向に一定間隔で爪を設けてある。

[0122] 表皮材 1011の材質としては、 TPU (熱可塑性ポリウレタン）シートを使用している。

表皮材 1011としては 0. 1〜0. 3mm程度の薄いフィルムで構成され、耐薬品性のある、かつ熱容量の少ないものであれば他の材質によるものでも力まわない。

[0123] また弾性体層 1013の材質としては、高反発発泡ポリウレタンを使用している。弾性体層 1013の発泡ポリウレタンは、主として内部の気泡がつながつていない独立気泡構造をとり、ガスの出入りをなくし、空気によるクッション性を持たせている力適度なクッション性を有するものであれば連続気泡構造のものでもよい。また、弾性体層 10 13は補強材 1015の周りを覆うように形成してあり、着座したときも臀部が直接、補強材 1015に接しないようにしてある。

[0124] 熱反射膜層 1013としては榭脂フィルムにアルミを蒸着したものを使用している。本実施の形態においては熱反射膜層 1013として独立した部材を表皮材 1011と弾性体層 1014の間に介在させた構成としている力表皮材 1011としてあらかじめ片面に反射膜層をコ一ティングした榭脂フィルム材料を用いるカゝ、表皮材 1011を弾性体層 1014であるポリウレタンと一体発泡成形する前に、表皮材裏面に反射膜層を塗装しておくか、その他の加工方法によるものであっても力まわな、。 [0125] 補強材 1015は便座 1007に弾性体層 1014を設けることにより、便座 1007全体の剛性不足で体重を支えきれないことを想定して設けたものである。通常、従来までの便座は上下榭脂部材を上下とも U字型にして上下の U字部分と逆 U字部分の開放面を合わせ面として一体に構成して構造体とすることにより体重を支えるようにしてヽる力本実施の形態では上部の構成部材は軟質榭脂からなる弾性体層 1013であるため硬質榭脂同士の合わせで支えることができないことに対する対策として、便座下部部材 1016と補強材 1015で体重を支えるように構成したものである。

[0126] 便座ヒータ 1014は補強材 1015の上面に配置してあり、本実施の形態で使用した便座ヒータ 1014は柔軟性フィルムに伸縮性 PTC抵抗体と電極を印刷して別の柔軟性フィルムとでサンドイッチした構成の面状の PTCヒータを使用しており、面状の PT Cヒータは通電初期のヒータ温度が低いときは抵抗値が小さく大容量の電流が流れ、ヒータ温度が高くなると抵抗値が大きくなり、電流容量小さくなる正温度係数特性を備えており、温度上昇が早ぐかつ自己温度制御機能を備えているため省エネルギと安全性が高!、と!、う特徴を持ったものである。

[0127] ヒ一タカも発生した熱は弾性体層 1013を介して便座表面へと伝達した後、使用者の皮膚へ伝わる。この過程において便座ヒータ 1014で発生した熱は遮蔽層 1017を介して弾性体層 1013の内部で拡散し、便座表面にお、ては均一な温度分布となる

[0128] 本実施の形態で使用した面状の PTCヒータ以外の、均一な発熱分布特性を有して Vヽなヽチュビングヒータのような構成のヒータを使用した場合であったとしても、弹性体層の表面にぉ、ては温度分布が均一化し、結果として温度均一性に優れた暖房便座とすることができる。

[0129] また、本実施の形態においては、表皮材 1011と弾性体層 1013の間に熱反射膜層 1012を設けたことにより、便座ヒータ 1014で発生した熱は弾性体層 1013および表皮材 1011を介して便座表面側へと放熱しょうとするが、熱反射膜層 1012を追カロすることによって熱が便座内部へと封じ込まれる効果が生まれるため、弾性体層 101 3による蓄熱効果を備えている。

[0130] しかも、本実施の形態では、表皮材 1011と便座ヒータ 1014の間に遮蔽層 1017を設けた構成としているため、万が一、表皮材 1011や弾性体層 1013が破れたり、穴があく等の破損が生じた場合においても便座ヒータ 1014まで達しないため、直接人間と便座ヒータ 1014が接することがなく感電する恐れがなぐさらにアースリード線 1 021を介してアースに落としていることにより、遮蔽層 1017は便座ヒータ 1014に接触した場合でも感電する恐れがな、ため、安全性を高めることが可能となる。

[0131] なお、本実施の形態においては、便座ヒータ 1014は補強材 1015の上面、すなわち弾性体層 1013の下面に接して設置してある力便座ヒータ 1014の設置位置はこれに限るものではなぐ弾性体層 1013の内部に設置し、その上方に遮蔽層 1017を配置した構成でもよい。

[0132] (実施の形態 3)

図 9は本発明の実施の形態 3における便座装置全体の外観を示す斜視図、図 10 は便座の詳細断面図である。

[0133] 図 9に示すように、本発明の第 3の実施の形態における便座装置は着座面を暖房する暖房便座であって、便座 2006と、便蓋 2007と、本体 2008を主要構成部材としている。

[0134] 本体 2008の内部には、洗浄用の温水を作り貯湯する熱交換タンク（図示せず）、局部を洗浄する洗浄手段 2009、洗浄水の噴出を制御する電磁弁（図示せず)、洗浄後の局部を乾燥する乾燥ユニット（図示せず)、排便の臭気を脱臭する脱臭ュニット（図示せず)、便座装置の各機能を制御する制御装置（図示せず)等が内蔵されており、使用者は洗浄手段 2009から噴出される温水を局部に当てることにより、用便による汚れを洗い流すことができるものである。この便座装置は、便器 2010の上面に載置した本体 2008をゴムブッシュ及びボルトを介して便器 2010に固定し、便座 200 6と便蓋 2007は本体 2008に回動自在に枢支して!/、る。

[0135] 図 10に示すように、便座 2006は上面から、使用者の皮膚と接触する面であり変形自在な軟質で使用者の臀部になじむシート状の表皮材 2011、便座内部からの熱を反射して便座外部への無駄な放出を抑制する熱反射膜層 2012、弾性を備えた軟質榭脂材カゝらなる弾性体層 2013、便座ヒータ 2014、硬質榭脂成型品からなる補強材 2015、硬質榭脂成型品からなる便座下部部材 2016の主要部材の順で構成されている。補強材 2015と便座下部部材 2016はビス 2017で螺合してあり、補強材 201 5は中央部分をビス止めのために平面部 2018とし、両側はそれぞれ凸部 2019として強度を上げている。そして端部 2020には便座下部部材 2016の端部と嵌合するように長手方向に一定間隔で爪を設けてある。

[0136] 表皮材 2011の材質としては、 TPU (熱可塑性ポリウレタン）シートを使用している。

表皮材 2011としては 0. 1〜0. 3mm程度の薄いフィルムで構成され、耐薬品性のある、かつ熱容量の少ないものであれば他の材質によるものでも力まわない。

[0137] 熱反射膜層 2012としては榭脂フィルムにアルミを蒸着したものを使用している。本実施の形態においては熱反射膜層 2012として独立した部材を表皮材 2011と弾性体層 2013の間に介在させた構成としている力表皮材 2011としてあらかじめ片面に反射膜層をコティングした榭脂フィルム材料を用いるか、表皮材 2011を弾性体層 2013であるポリウレタンと一体発泡成形する前に、表皮材裏面に反射膜層を塗装しておくか、その他の加工方法によるものであっても力まわな、。

[0138] 弾性体層 2013の材質としては、高反発発泡ポリウレタンを使用している。弾性体層 2013の発泡ポリウレタンは、主として内部の気泡がつながつていない独立気泡構造をとり、ガスの出入りをなくし、空気によるクッション性を持たせてある。また、着座時の使用者の体重を支え、し力も適度の蓄熱性能を持たせるために適度な発泡率で形成してある。適度なクッション性と蓄熱性能を有するものであれば連続気泡構造のものでもよい。

[0139] また、弾性体層 2013は補強材 2015の周りを覆うように形成してあり、着座したときも臀部が直接、補強材 2015に接しないようにしてある。補強材 2015は便座 2007に弾性体層 2013を設けることにより、便座 2007全体の剛性不足で体重を支えきれないことを想定して設けたものである。通常、従来までの便座は上下榭脂部材を上下とも U字型にして上下の U字部分と逆 U字部分の開放面を合わせ面として一体に構成して構造体とすることにより体重を支えるようにしている力本実施の形態では上部の構成部材は軟質樹脂からなる弾性体層 2013であるため硬質榭脂同士の合わせで支えることができないことに対する対策として、便座下部部材 2016と補強材 2015で体重を支えるように構成したものである。 [0140] 便座ヒータ 2014は補強材 2015の上面に配置してあり、本実施の形態で使用した便座ヒータ 2014は柔軟性フィルムに伸縮性 PTC抵抗体と電極を印刷して別の柔軟性フィルムとでサンドイッチした構成の面状の PTCヒータを使用しており、面状の PT Cヒータは通電初期のヒータ温度が低いときは抵抗値が小さく大容量の電流が流れ、ヒータ温度が高くなると抵抗値が大きくなり、電流容量小さくなる正温度係数特性を備えており、温度上昇が早ぐかつ自己温度制御機能を備えているため省エネルギと安全性が高!、と!、う特徴を持ったものである。

[0141] ヒ一タカも発生した熱は弾性体層 2013を介して便座表面へと伝達した後、使用者の皮膚へ伝わる。この過程において便座ヒータ 2014で発生した熱は弾性体層 2013 の内部で拡散し、便座表面においては均一な温度分布となる。

[0142] 本実施の形態で使用した面状の PTCヒータ以外の、均一な発熱分布特性を有して Vヽなヽチュビングヒータのような構成のヒータを使用した場合であったとしても、弹性体層の表面にぉ、ては温度分布が均一化し、結果として温度均一性に優れた暖房便座とすることができる。

[0143] また便座ヒータ 2014を補強材 2015の上面に配置することで、加工上はまず便座ヒータ 2014を補強材 2015に貼付け、その状態のまま弾性体層 2013であるポリウレタンの発泡成形工程でインサート成形することが可能であるため、製造工程上の作りやすさが向上すると!/、う利点を有して、る。

[0144] また本実施の形態においては弾性体層 2013が蓄熱性能を有する構成とすることにより、暖房便座を使用する際に、初期的に便座ヒータ 2014からの熱が弾性体層 2 013全体に蓄熱されるまで時間を要するものの、ー且蓄熱が完了すればその後、便座ヒータ 2014への通電率を下げても便座の表面温度は一定に保持できるため、従来の暖房便座に比べてエネルギ効率のよいものとすることができる。

[0145] また、本実施の形態においては、表皮材 2011と弾性体層 2013の間に熱反射膜層 2012を設けたことにより、便座ヒータ 2014で発生した熱は弾性体層 2013および表皮材 2011を介して便座表面側へと放熱しょうとするが、熱反射膜層 2012を追カロすることによって熱が便座内部へと封じ込まれる効果が生まれるため、弾性体層 201 3による蓄熱効果をさらに高めることが可能となる。この熱反射膜層 2012は、表皮材 2011としてあら力じめ片面に反射膜層をコティングした榭脂フィルム材料を用 V、る力表皮材 2011を弾性体層 2013であるポリウレタンと一体発泡成形する前に、表皮材裏面に反射膜層を塗装しておくか、その他の加工方法によるものであっても力まわない。

[0146] (実施の形態 4)

図 11は本発明の実施の形態 4における便座装置全体の外観図、図 12は便座の断面図、図 13は便座装置の便座ヒータと制御装置の模式図である。

[0147] 図に示すように、本発明の第 4の実施の形態における便座装置は着座面を暖房する暖房便座であって、便座 3006と、便蓋 3007と、本体 3008を主要構成部材としている。

[0148] 本体 3008の内部には、洗浄用の温水を作り貯湯する熱交換タンク（図示せず）、局部を洗浄する洗浄手段（図示せず)、洗浄水の噴出を制御する電磁弁（図示せず) 、洗浄後の局部を乾燥する乾燥ユニット（図示せず)、排便の臭気を脱臭する脱臭ュニット（図示せず)、便座装置の各機能を制御する制御装置 3009等が内蔵されており、使用者は洗浄手段から吐水される温水を局部に当てることにより、用便による汚れを洗、流すことができるものである。

[0149] この便座装置は、便器 3010の上面に載置した本体 3008をゴムブッシュ及びボル卜を介して便器 3010に固定し、便座 3006と便蓋 3007は本体 3008に回動自在に枢支している。

[0150] 図 12に示すように、便座 3006は使用者の皮膚と接触する面であり変形自在な軟質で使用者の臀部になじむシート状の表皮材 3011、屈曲変形自在な面状の便座ヒータ 3012、弾性を備えた軟質榭脂材カゝらなる弾性体層 3013、硬質榭脂成型品からなる補強材 3014、硬質榭脂成型品からなる便座下部部材 3015を主構成部材として構成している。

[0151] 補強材 3014と便座下部部材 3015はビス 3016で螺合してあり、補強材 3014は中央部分をビス止めのために平面形状 3017とし、両側はそれぞれ凸部 3018として強度を上げている。そして端部 3019には便座下部部材 3015の端部と嵌合するように長手方向に一定間隔で爪を設けてある。 [0152] 本実施の形態では、表皮材 3011として PPフィルムを使用している。表皮材 3011としては 0. 3mm以下の薄いフィルムで構成され、耐薬品性のある、かつ熱容量の少な！、ものであれば他の材質によるフィルムでもかまわな！/、。

[0153] 伸縮性を備えた屈曲変形自在な便座ヒータ 3012は表皮材 3011に近、弾性体層 3013の上部に配置してあり、使用者の皮膚表面との距離が小さいため、便座ヒータ 3012で発生した熱が他の部分に逃げる余地が少なぐ使用者の皮膚へ効率的に伝わる。そのために便座部の材質に厚さ 3mm程度のポリプロピレンなどの硬質榭脂を用いて!/、た従来の暖房便座に比べ、少な、通電率で同様の便座表面温度を得ることが可能となる。また、下面は発泡ポリウレタンの弾性体層 3013が断熱材の機能を発揮するため、周囲に無駄な熱を放出することが少ない構成となっている。

[0154] 便座ヒータ 3012は、通電初期のヒータ温度が低いときは抵抗値が小さく大容量の電流が流れ、ヒータ温度が高くなると抵抗値が大きくなり、電流容量小さくなる正温度係数特性を有する PTCヒータを使用しており、温度上昇が早ぐかつ自己温度制御機能を備えているため省エネと安全性を確保することができる。

[0155] 弾性体層 3013としては高反発発泡ポリウレタンを使用している。弾性体層 3013の発泡ポリウレタンは、主として内部の気泡がつながった独立気泡構造をとり、ガスの出入りをなくし、空気によるクッション性を持たせている力適度なクッション性を有するものであれば連続気泡構造のものでもよい。また、弾性体層 3013は補強材 3014の周りを覆うように形成してあり、着座したときも臀部が直接、補強材 3014に接しないようにしてある。

[0156] 補強材 3014は便座 3007に弾性体層 3013を設けることにより、便座 3007全体の剛性不足で体重を支えきれないことを想定して設けたものである。通常、従来までの便座は上下榭脂部材を上下とも U字型にして上下の U字部分と逆 U字部分の開放面を合わせ面として一体に構成して構造体とすることにより体重を支えるようにしてヽる力本実施の形態では上部の構成部材は軟質榭脂からなる弾性体層 3013であるため硬質榭脂同士の合わせで支えることができないことに対する対策として、便座下部部材 3015と補強材 3014で体重を支えるように構成したものである。

[0157] 弾性体層 3013内の複数箇所に圧力センサ 3020が配設してあり、便座 3007に使用者が座ることで発生する荷重に応じて変化する圧力値を検知することが可能である。

[0158] また、表皮材 3011の裏面の複数箇所に歪みゲージ 3021が取り付けてあり、便座に使用者が座ることで発生する便座表面の歪み量を検知することが可能である。

[0159] 圧力センサ 3020および歪みゲージ 3021は制御装置 3009と電気的に接続してあり、それらの検知した情報を制御装置 3009にて、あら力じめ測定しておいた測定数値と照らし合わせることにより、使用者が便座に座った場合に、便座のどの部分に皮膚が触れている力を間接的に推定することが可能な構成である。

[0160] 図 13は便座 3007に配設した便座ヒータ 3012と制御装置 3009の模式図でであり、便座ヒ―タ 3012は左右それぞれ 3個づっ合計 6個の部分に分割した状態で構成しておりそれぞれの便座ヒータ 3012aゝ 3012bゝ 3012cゝ 3012d、 3012eゝ 3012fは制御装置 3009に並列接続してあり、それぞれの便座ヒータに流れる電流値を制御装置 3009によって、それぞれに調整することが可能である。

[0161] 上記圧力センサ 3020と歪みゲージ 3021の検知データによって推定した使用者の皮膚が触れている便座表面の範囲と強さに応じて、分割された便座ヒ一タ 3012a、 3 012b, 3012c, 3012d、 3012e、 3012fの通電状態をそれぞれに調整することで、使用者が座って触れて、るところだけを暖め、触れて、な、部分の通電をカットしたり弱めたりすることで全体の通電率を下げても、使用者の暖房感を損なうことがなぐ快適に臀部の暖房をしながら無駄な熱損失を抑えることのできる省エネルギの便座装置とすることができる。

[0162] なお、本実施の形態においては便座ヒ一タ 3012は 6個の部分に分割して配設した力分割数はこれに限るものではなぐより細力べ分割することにより、きめ細かい温度分布の制御が可能となる。

[0163] また、本実施の形態においては便座ヒータとして正温度係数特性を有する PTCヒータを使用したがこれに限るものではなぐ金属材料による面状ヒータやコードヒータ等の軟質性を備えたヒータを同様に使用することが可能である。

[0164] また、本実施の形態においてはセンサ装置として圧力センサと歪みゲージを併用したがこれに限るものではなぐ圧力センサまたは歪みゲージの単独使用でも本実施の形態に近い作用効果を得ることができる。また、上記 2種類以外のセンサを使用してもよい。

[0165] (実施の形態 5)

図 14は本発明の実施の形態 5における便座装置の斜視図を示し、図 15は同便座の断面図を示し、図 16は面状便座ヒータである PTCヒータの内部構成図を示し、図 17は便座の温度特性のグラフを示し、図 18は伸縮性 PTC抵抗体の模式図を示すものである。

[0166] 図に示すように、本発明の第 1の実施の形態における便座装置は、着座面を暖房する暖房便座であって、便座 4006と、便蓋 4007と、本体 4008を主構成部材として構成している。

[0167] 本体 4008の内部には、洗浄用の温水を作り貯湯する熱交換タンク（図示せず）、局部を洗浄する洗浄手段（図示せず)、洗浄水の噴出を制御する電磁弁（図示せず) 、洗浄後の局部を乾燥する乾燥乾燥ユニット (図示せず)、排便の臭気を脱臭する脱臭ユニット（図示せず)、便座装置の各機能を制御する制御装置 4009等が内蔵されており、使用者は洗浄手段の洗浄ノズルから吐水される温水を局部に当てることにより、用便による汚れを洗い流すことができるものである。

[0168] この便座装置は、便器 4010の上面に戴置した本体 4008ゴムブッシュ及びボルトを介して便器 4010に固定し、便座 4006と便蓋 4007は本体 4008に回動自在に枢支している。

図 15に示すように、便座 4006は使用者の皮膚と接触する面であり変形自在な軟質で使用者の臀部になじむシート状の表皮材 4011と、屈曲変形自在な面状の PTCヒータ 4012と、弾性を備えた軟質榭脂材力もなる弾性体層 4013、硬質榭脂成型品からなる補強材 4014、硬質榭脂成型品からなる便座下部部材 4015の主要部材で構成し、面状の PTCヒータ 4012は弾性体層 4013の上部に配置してある。

[0169] 補強材 4014と便座下部部材 4015はビス 4016で螺合してあり、補強材 4014は中央部分をビス止めのために平面形状 4017とし、両側はそれぞれ凸部 4018として強度を上げている。そして端部 4019には便座下部部材 4015の端部と嵌合するように長手方向に一定間隔で爪を設けてある。補強材 4014は便座下部部材 4015だけでは剛性不足で体重を支えきれな、ことを想定して設けたものである。従来の便座は上下の榭脂部材を上下とも U字型にして上下の U字部分と逆 U字部分の開放面を合わせ面として一体に構成して構造体とすることにより体重を支えるようにして!/、る。し力しながら本実施の形態では上部の部材は軟質榭脂である弾性体層であるため硬質榭脂部材を組み合わせて支えることができな、ことに対する対策として、便座下部部材 4015と補強材 4014で体重を支えるように構成したものである。

[0170] また、補強材 4014を金属とすることにより一つの便座下部部材 4015だけでは体重を支えきれないところを、金属の平板、あるいはプレスカ卩ェによって構造強化した補強材 4014を追加することにより便座下部部材 4015の橈みを防止して着座時の便座 4006の変形を防止することが可能である。

[0171] トイレ（図示せず)のドアを開けたところの対面には、人体の温度を検出したり、反射光を検出したりして人がトイレに入ってきたことを検知する人体検知手段 4020が設置してあり、人体検知手段 4020からの信号を受信する受信手段 4021は本体 4008の袖部に配置してあり制御装置 4009と電気的に繋がっている。人体検知手段 4020が人体を検知してヽな、状態にぉ、て便座 4006は通常通電しな、か、極端に室温が低い場合に 10W前後の通電を行うことによって、便座表面温度を 15°Cから 20°C程度に保ってある。

[0172] 本実施の形態では、表皮材 4011として PPフィルムを使用している。表皮材 4011としては 0. 1mm以下の薄いフィルムで構成され、耐薬品性のある、かつ熱容量の少な！、ものであれば他の材質によるフィルムでもかまわな！/、。

[0173] 面状の PTCヒータ 4012は、図 16に示すように柔軟性フィルム 4022に伸縮性 PTC 抵抗体 4023と、電極 4024を印刷して別の柔軟性フィルム 4025とでサンドイッチした構成としてある。

[0174] 伸縮性 PTC抵抗体は図 18に示すように榭脂とカーボンを混合した粒子 4026をェラストマー 4027の中に配合することで、伸縮させた場合においても組成が破壊しない特性を備えている。

[0175] 上記構成の PTCヒータ 4012は 200Wから 500W©度のヒータ容量をもち、 AC30 V以下または DC45V以下の電圧で加熱するようにしている。 PTCヒータ 4012は温度が低!、ときは、伝導性粒子 (ここではカーボン)の連鎖が重なって!/、て電流が通りやすぐ温度が高くなると伝導性粒子の連鎖を断ち切り電流を流しにくくするという P TC特性 (正温度係数特性)を有している。すなわち、通電直後の立ち上がり時など温度が低いときはハイパワーで発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになる t ヽぅヒータ特性 (自動温度制御特性)を有して!/ヽる。従って熱容量の少な、薄、表皮材 4011を介して使、始めにすぐに温度があがると、う速熱性を有して、る。面状の PTCヒータ 4012は通電を制御する制御装置 4009と電気的に接続してある。

[0176] 弾性体層 4013は発泡ポリウレタンを使用しており、主として内部の気泡がつながつた独立気泡構造をとり、ガスの出入りをなくし、空気によるクッション性を持たせている力適度なクッション性を有するものであれば連続気泡構造のものでもよい。また弹性体層 4013は補強材 4014の周りを覆うように形成してあり、着座したときも臀部が直接、補強材 4014に接しないようにしてある。

[0177] 以上のように構成された便座装置について、以下その動作、作用を説明する。

[0178] まず、人が用を足すためにトイレに入室すると、人体検知手段 4020が人体を検知し、その信号を本 4008に設けてある受信手段 4021に送信する。受信手段 4021で受信した信号により制御装置 4009は面状の PTCヒータ 4012の通電率を上げて急激なの立ち上げを行う。 PTCヒータ 4012は立ち上がり時など温度が低いときはハイノ^ーで発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになるという P_TC特性（自動温度制御特性)を有して、る。従って熱容量の少な、薄、表皮材 4011を介して使ヽ始めにすぐに温度があがると!、う速熱性を有して!/、る。

[0179] 図 17は便座 4006の温度特性をしめすものであり、横軸に時間、縦軸に便座表面温度を示しており、便座 4006の表面温度は 10秒以内で 35°C前後の温度になることがわかる。便座 4006の通常温度設定は 35°C力も 40°C程度に設定してあるため便座 4006に座って冷たいということはない。一般的に PTCヒータが 35°C程度に暖まるまでに要する時間と人が服を脱いで便座に座る時間は、ほぼ同程度の数秒から 10 秒くら!/ヽであり、座るときには冷たくな!/ヽ温度となって!/、る。

[0180] 使用者が上記の状態の便座に座ると、クッション性のある弾性体層 4013と屈曲自在な PTCヒータ 4012は使用者の臀部沿って変形することにより、衝撃を受けないで着座することができる。

[0181] 本実施の形態の PTCヒ一タ 4012は、図 18に示すように榭脂とカーボンを混合した粒子 4022をエラストマ一 4023の中に配合することで、伸縮させた場合においても組成が破壊しな、ことを特徴とした伸縮性 PTC抵抗体として、る。このようにフレキシブル性に富んだ伸縮性のある構成をしているため、 5— 10%程度の伸びに関しては抵抗体の破壊は起こらない。

[0182] 図 19に従来の便座装置の橈み特性、図 20に本実施の形態の便座装置の橈み特性を示す。図 19、図 20のグラフは横軸に荷重量、縦軸に橈み量を示し、橈み量についてはマイナス方向に示している。図 19、 20ともに荷重量が増えれば橈み量が増える構成として、る。本実施の形態の便座装置は弾性体層 4013を設置したことで少しの荷重の差で橈み量が大きく変化する特徴を有している。前記特徴は図 20に示す橈み量のグラフの傾き力図 19の橈み量の傾きに比べて大きい事力も読み取れる。これらの測定データより、便座装置の橈み量は PTCヒータの伸び量の許容範囲内に入っていることがわ力る。

[0183] 使用者が着座して力は、所定の設定温度まで便座温度が上がり、その後は一定の温度に保つ。このとき、特に便座面と臀部または大腿部が接触しているところは人体により断熱されているため温度が上がりやすいが、 PTCヒータ 4012は温度が高くなると伝導性粒子の連鎖を断ち切り電流を流しにくくするという性質を有しているため、無駄に便座温度を上げすぎることがなぐ省エネルギ効果が高いという利点を有している。

[0184] 以上のように、本実施の形態においては、表皮材の下方に弾性体層を設置し、弹性体層の上部に屈曲自在な PTCヒータを配設することにより、使用者は着座時の衝撃や冷たさを感じることが少なぐ長時間着座しても臀部の血流を妨げることもなぐ違和感や疲れを感じない快適な便座装置とすることができる。

[0185] また、 PTCヒータの自動温度制御特性により、速熱性と昇温後の自己温度制御機能により、無駄な電力の使用を抑え、省エネ効果の高い便座装置を提供することができる。

[0186] なお、本実施の形態にぉヽては、面状便座ヒータとして伸縮性 PTC抵抗体を使用した PTCヒータを使用した力これに限るものではなぐ面状の金属製のヒータや伸縮特性を持たなヽ PTCヒータ等で面状の構成が可能なヒータであれば、本実施の形態と近似の効果を得ることができる。

[0187] また、本実施の形態では弾性体層の内部に PTCヒータを配置した力本実施の形態で使用した柔軟性を備えた PTCヒータであれば表皮材の裏面に直接配置することも可能であり、その場合本実施の形態にぉ、ては表皮材と PTCヒータは別部材で構成した力表皮材を PTCヒータの柔軟性フィルムで兼ねることも可能である。

[0188] (実施の形態 6)

図 21は本発明の実施の形態 6におけるトイレ装置全体の外観図、図 22は便座の断面図、図 23は洗浄手段の側面図である。

[0189] 図に示すように、本発明の第 6の実施の形態におけるトイレ装置は温水で局部を洗浄する温水洗浄便座であって、便座 5005と便蓋 5006と本体 5007を主要構成部材として構成されている。

[0190] 本体 5007の内部には、洗浄用の温水を作り貯湯する熱交換タンク（図示せず）、局部を洗浄する洗浄手段 5008、洗浄水の噴出を制御する流量制御弁（図示せず）、洗浄後の局部を乾燥する乾燥ユニット（図示せず)、排便の臭気を脱臭する脱臭ュニット（図示せず)、トイレ装置の各機能を制御する制御装置 5009等が内蔵されており、使用者は洗浄手段 5008から吐水される温水を局部に当てることにより、用便による汚れを洗ヽ流すことができるものである。

[0191] このトイレ装置は、便器 5010の上面に載置した本体 5007をゴムブッシュ及びボルトを介して便器 5010に固定し、便座 5005と便蓋 5006は本体 5007に回動自在に枢支している。

[0192] 次に、便座 5005の構成について図 22を用いて説明する。便座 25は変形自在な軟質で使用者の臀部になじむシート状の表皮材 5011、屈曲変形自在な面状の便座ヒータ 5012、弾性を備えた軟質榭脂材力もなる弾性体層 5013、硬質榭脂成型品からなる補強材 5014、硬質榭脂成型品からなる便座下部部材 5015を主構成部材として構成してヽる。前記面状の便座ヒータは弾性体層 5013上部の表皮材 5011に近い部分に設置してある。 [0193] 補強材 5014と便座下部部材 5015はビス 5016で螺合してあり、補強材 5014は中央部分をビス止めのために平面形状部 5017とし、両側はそれぞれ凸部 5018として強度を上げている。そして端部 5019には便座下部部材 5015の端部と嵌合するように長手方向に一定間隔で爪を設けてある。

[0194] 本実施の形態では、表皮材 5011として PPフィルム、弾性体層 5013として高反発発泡ポリウレタンを使用している。表皮材 5011としては 0. 3mm以下の薄いフィルムで構成され、耐薬品性のある、かつ熱容量の少ないものであれば他の材質によるフィルムでもかまわない。

[0195] 弾性体層 5013は発泡ポリウレタンを使用しており、主として内部の気泡がつながつた独立気泡構造をとり、ガスの出入りをなくし、空気によるクッション性を持たせている力適度なクッション性を有するものであれば連続気泡構造のものでもよい。また弹性体層 5013は補強材 5014の周りを覆うように形成してあり、着座したときも臀部が直接、補強材 5014に接しないようにしてある。

[0196] 補強材 5014は便座 5005に弾性体層 5013を設けることにより、便座 5005全体の剛性不足で体重を支えきれないことを想定して設けたものである。通常、従来までの便座は上下榭脂部材を上下とも U字型にして上下の U字部分と逆 U字部分の開放面を合わせ面として一体に構成して構造体とすることにより体重を支えるようにしてヽるが、本実施の形態の便座では上部の構成部材は軟質樹脂からなる弾性体層 501 3であるため硬質榭脂同士の合わせで支えることができないことに対する対策として、便座下部部材 5015と補強材 5014で体重を支えるように構成したものである。

[0197] 弾性体層 5013内の複数箇所に圧力センサ 5020が配設してあり、便座 5005に使用者が座ることで発生する荷重に応じて変化する圧力値を検知することが可能である。

[0198] また、表皮材 5011の裏面の複数箇所に歪みゲージ 5021が取り付けてあり、便座に使用者が座ることで発生する便座表面の歪み量を検知することが可能である。

[0199] 圧力センサ 5020および歪みゲージ 5021は制御装置 5009と電気的に接続してあり、それらの検知した情報を制御装置 5009にて、あら力じめ測定しておいた測定数値と照らし合わせることにより、使用者が便座に座った場合に、弾性体層 5013の効果によって使用者の臀部および局部の上下方向の沈み込み量を間接的に推定することが可能である。

[0200] また、圧力センサ 5020および歪みゲージ 5021を便座 5005の任意の位置に複数個設置し、それらから得られる複数の情報力使用者が便座表面における前後および左右方向の、どの位置に座っているかを推定することが可能な構成である。

[0201] 次に、洗浄手段 5008の構成について図 23を用いて説明する。図 23は洗浄手段 5 008の側面図であり、人体の局部 5022を洗浄するための洗浄水 5023は洗浄ノズル 5024力ら噴出される。洗净ノズノレ 5024はノス、ノレマウント 5025にノス、ノレ,駆動機構 50 26を介して摺動自在の支持してあり、洗浄ノズル 5024は本体 5007内の収納位置より便座 5005の前方斜め下方に向かって進出する構成となっており、進出量を制御することにより、洗浄ノズル 5024の先端部の位置を前後方向および高さを調節することが可能である。

[0202] また、ノズルマウント 5025と本体 5007は、ノズルマウント 5025の上下方向の位置を変化させることのできるノズルマウント昇降機構 5027を介して昇降自在に支持してある。

[0203] また、洗浄水 5023は洗浄ノズル 5024の上流に設置した流量制御弁（図示せず）により噴出強度を調節できる構成となっている。

[0204] 図 23におけるノズル駆動機構 5026はギア、ラック、ピ-オンを用いたものを示しているが、ベルト駆動、および水圧を用いた駆動方式などでも力まわず、その方式を限定するものではない。

[0205] 以上のように構成されたトイレ装置について、以下その動作、作用を説明する。

[0206] 使用者が便座 5010に着座すると、使用者の体重により弾性体層 5013に圧力が加わり、弾性体層 5013が変形する。このとき使用者の体重や体形あるいは着座位置により洗浄対象である局部 5022は上下および前後に偏在する。

[0207] 一方、複数箇所に配設した圧力センサ 5020と歪みゲージ 5021は変化量を検知し、検知データを制御装置 5009に送り、制御装置 5009は予め記憶してある測定数値と照らし合わせること〖こより、使用者の局部の位置を推定し、洗浄ノズル 5024を最適位置に移動し洗浄水 5023を噴射して局部 5022を洗浄する。 [0208] 例えば、使用者の体重が重ぐ便座の沈み込みが大きぐ局部 5022の位置が低くなった場合は、図 24に示すようにノズル駆動機構 5026によってノズル位置を前方に移動させる力、もしくは図 25に示すようにノズルマウント昇降機構 5027によってノズルマウント 5025の上下位置を低くする力、図 26に示すように流量制御弁（図示せず )を調節することにより、洗浄水 5024の噴出強度を弱めることにより、洗浄水 5023を局部 5022に最適な強度で確実に当てることができる。

[0209] 使用者が変わり局部の位置が変わった場合は、前記同様に圧力センサ 5020と歪みゲージ 5021の検知データにより、使用者の局部 5022の位置に合わせて最適な洗净水の噴出を行う。

[0210] また、ノズル駆動機構 5026による前後方向の移動機能と、ノズルマウント昇降機構 5027による上下方向の移動機能と、流量制御弁による噴出強度の調節機能は、局部の位置により、どれか 1つの機能のみを使用する場合と、複数の機能を組み合わせる場合があり、それらの選択は予め制御装置に設定してある。

[0211] また、図 27、図 28に示すように使用者が便座のやや前方に着座した場合は、図 27 に示すようにノズル駆動機構 5026によってノズル位置を前方に移動させる力、もしくは図 28に示すようにノズルマウント昇降機構 5027によってノズルマウント 5019の上下位置を低くすることにより洗浄水 5023を局部 5022に的中することができ、この場合においても、流量制御弁により噴出量を調節することにより、より的中の精度を向上することができる。また、使用者が便座のやや後方に着座した場合には前述の逆の調整をすればよい。

[0212] 以上のように、本実施の形態においては便座の弾性体層に圧力センサと歪みゲージを配設し、ノズル駆動機構とノズルマウント昇降機構と流量制御弁により洗浄ノズルの洗浄水の噴出を制御することにより、使用者の局部の上下方向の沈み込み量あるいは前後方向の移動量に応じて、洗浄水の到達位置を自動調整することにより、軟質榭脂材からなる弾性体層によって構成される便座の変形量が使用者の体重によつて変化しても、常に局部へ洗浄水が的中して快適な洗浄をすることができる。

[0213] なお、本実施の形態においてはセンサ装置として圧力センサと歪みゲージを併用したがこれに限るものではなぐ圧力センサまたは歪みゲージの単独使用でも本実施の形態に近い作用効果を得ることができる。また、上記 2種類の以外センサを使用してもよい。

[0214] (実施の形態 7)

図 29は本発明の実施の形態 7における便座装置の斜視図を示し、図 30は同便座の断面図を示し、図 31は面状便座ヒータである PTCヒータの内部構成図を示し、図 32 (a) , (b)は伸縮性 PTC抵抗体の模式図を示し、図 33は電源電極と PTCヒータの印刷パターンを示す平面図を示し、図 34は便座の温度特性のグラフを示すものである。

[0215] 図に示すように、本発明の第 7の実施の形態における便座装置は着座面を暖房する暖房便座であって、便座 6006と、便蓋 6007と、本体 6008を主構成部材として構成している。

[0216] 本体 6008の内部には、洗浄温水を作り貯湯する熱交換タンク（図示せず）、局部を洗浄する洗浄装置（図示せず)、洗浄水の噴出を制御する電磁弁（図示せず)、洗浄後の局部を乾燥する乾燥ユニット (図示せず)、排便の臭気を脱臭する脱臭ユニット ( 図示せず)、便座装置の各機能を制御する制御装置 6009等が内蔵されており、使用者は洗浄装置の洗浄ノズルから吐水される温水を局部に当てることにより、用便による汚れを洗ヽ流すことができるものである。

[0217] この便座装置は、便器 6010の上面に戴置した本体 6008はゴムブッシュ及びボル卜を介して便器 6010に固定し、便座 6006と便蓋 6007は本体 6008に回動自在に枢支している。

[0218] 図 30に示すように、便座 6006は上面から、使用者の皮膚と接触する面であり変形自在な軟質で使用者の臀部になじむシート状用の表皮材 6011、屈曲変形自在な面状の PTCヒータ 6012、弾性を備えた軟質榭脂材力もなる弾性体層 6013、弾性を備えた硬質榭脂成型品からなる補強材 6014、硬質榭脂成型品からなる便座下部部材 6015の主要部材で構成して、る。

[0219] 補強材 6014と便座下部部材 6015はビス 6016で螺合してあり、補強材 6014は中央部分をビス止めのために平面部 6017とし、両側はそれぞれ凸部 6018として強度を上げている。そして端部 6019には便座下部部材 6015の端部と嵌合するように長手方向に一定間隔で爪を設けてある。

[0220] 補強材 6014は便座下部部材 6015だけでは剛性不足で体重を支えきれないことを想定して設けたものである。従来の便座は上下の榭脂部材を上下とも U字型にして上下の U字部分と逆 U字部分の開放面を合わせ面として一体に構成して構造体とすることにより体重を支えるようにしている。し力しながら本実施の形態では上部の部材は軟質榭脂である弾性体層であるため硬質榭脂部材を組み合わせて支えることができないことに対する対策として、便座下部部材 6015と補強材 6014で体重を支えるように構成したものである。

[0221] トイレ（図示せず)のドアを開けたところの対面には、人体の温度を検出したり、反射光を検出したりして人がトイレに入ってきたことを検知する人体検知手段 6020が設置してあり、人体検知手段 6020からの信号を受信する受信手段 6021は本体 6008の袖部に配置してあり制御装置 6009と電気的に繋がっている。人体検知手段 6020が人体を検知して、な、状態にぉ、て便座 6006は通常通電しな、か、極端に室温が低い場合に 10W前後の通電を行うことによって、便座表面温度を 15°Cから 20°C程度に保ってある。

[0222] 本実施の形態では、表皮材 6011として PPフィルムを使用している。表皮材 6011としては 0. 1mm以下の薄いフィルムで構成され、耐薬品性のある、かつ熱容量の少な！、ものであれば他の材質によるフィルムでもかまわな！/、。

[0223] 面状の PTCヒータ 6012の構成は、図 33に示すように便座 6006と略相似形の柔軟性フィルム 6022に伸縮性の PTC抵抗体 6023を印刷し、 PTC抵抗体 6023に重層するように銀ペーストを主体とする電極 6024を印刷して、別の柔軟性フィルム 6025 で挟み込んだ構成としてある。

[0224] 伸縮性の PTC抵抗体 6023は、図 32 (a)、 (b)に示すように榭脂とカーボンを混合した粒子 6026をエラストマ一 6027の中に配合することで、伸縮させた場合にお!、ても組成が破壊しない特性を備えている。図 32 (a)は PTCヒータ 6023に応力が加えられていない状態の粒子 6026の状態を示す模式図であり、 (b)は便座 6007に使用者が着座した場合等で PTCヒータに応力が加わり変形した状態を示す模式図である [0225] また、 PTC抵抗体 6023は榭脂とカーボンの配合比率を変化させることで抵抗値を変化させることができ、最高温度や温度の立ち上がりのスピードを変えることができる。カーボンを少なくすると抵抗値が高くなり最高温度は低くなるため、人体との接触頻度の低い便座の周辺部に対応する PTC抵抗体 6023のカーボンの配合を減らすことにより温度は低くなり省エネを図る事が可能となる。

[0226] 図 33は PTC抵抗体 6023と電極 6024の印刷パターンの詳細を示すものである。

本実施の形態においては、電源電極 6028と PTCヒータ 6012を 1枚の柔軟性フィルム 6022に同一工程で形成することにより生産の効率ィ匕を図っている。図 33に示すように便座 6006と略ネ目似形の柔軟'性フイノレム 6022の開口縁 6022aと外周縁 6022b の近傍に幅の広、環状の電源電極 6028a、 6028bを対向するように配置してある。電源電極 6028a、 6028bは PTCヒータ 6012に電力を供給するために設けたものである。また、 PTCヒータ 6012を便座 6006に組み込んだ状態では、電源電極 6028a 、 6028bは便座 6006の開口縁 6006aと外周縁 6006bの近傍に酉己設される。

[0227] 電源電極 6028a、 6028bからそれぞれ対向するように PTCヒータ 6012の主電極 6 029a, 6029bを酉己設し、さらに、それぞれの主電極 6029a、 6029b力ら略直角方向に交互に相手側の主電極に向かって複数の枝電極 6030a、 6030bを導出して櫛状の電極を構成してある。なお、主電極 6029a、 6029bは柔軟'性フイノレム 6022の開口縁 6022a対し略垂直の方向に配設することにより、枝電極 6030a、 6030bは開口縁 6022aに対して略平行となり、 PTCヒータ 6012便座 6006に組み込んだ状態において【ま、枝電極 6030a、 6030biま便座 6006の開 P縁 6006a【こ対し略平行【こ酉己設される。

[0228] 電源電極 6028aと主電極 6029aと枝電極 6030a、また電源電極 6028bと主電極 6 029bと枝電極 6030bは電気的に接続した構成となっており、開口縁 6022a側の電源電極 6028aをプラス電極、外周縁 6022b側の電源電極 6028bをマイナス電極としている。

[0229] そして、枝電極 6030a、 6030bを配設した範囲全体に重層するように PTC特性を有する PTC抵抗体 6023が印刷してある。

[0230] 主電極 6029a、 6029bと枝電極 6030a、 6030bと PTC抵抗体 6023で 1つの PTC ヒータ 6012を形成しており、電源電極 6028a、 6028bの全周【こ亘りま ίま、均等 [¾隔で

PTCヒータが配設してある。

[0231] 電源電極 6028a、 6028bはリード線 6031を介して制御装置 6009に接続してあり

、制御装置 6009力も供給した電流は電源電極 6028a、 6028b,主電極 6029a、 60

29b,枝電極 6030a、 6030bを介して PTC抵抗体 6023に給電される。

[0232] 給電された PTC抵抗体 6023は立ち上がり時など温度が低いときはハイパワーで発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになるという自己温度制御により、所定の温度に帘 U御される。 PTC抵抗体 6023と主電極 6029a、 6029bと枝電極 6030a、

6030bを着座面に均一に配置することにより着座時の臀部に対して均一な暖房感が得られる構成となっている。

[0233] また、枝電極 6030a、 6030bは便座の円周方向と略平行となるため、座った時に着座部が橈む方向に対して略直角方向となり、 PTC抵抗体 6023が破壊されることなく耐久性に優れる。

[0234] 上記構成の PTCヒータ 6012は 200Wから 500W©度のヒータ容量をもち、 AC30 V以下または DC45V以下の電圧で加熱するようにしている。 PTCヒータ 6012は温度が低いときは、カーボンの連鎖が重なっていて電流が通りやすぐ温度が高くなると伝導性粒子の連鎖を断ち切り電流を流しにくくするという PTC特性 (正温度係数特性)を有している。すなわち、通電直後の立ち上がり時など温度が低いときはハイパヮ一で発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになるという自動温度制御特性を有している。

[0235] 弾性体層 6013は発泡ポリウレタンを使用しており、主として内部の気泡がつながつていない独立気泡構造をとり、ガスの出入りをなくし、空気によるクッション性を持たせているが、適度なクッション性を有するものであれば連続気泡構造のものでもよい。また弾性体層 6013は補強材 6014の周りを覆うように形成してあり、着座したときも臀部が直接、補強材 6014に接しないようにしてある。

[0236] 以上のように構成された便座装置について、以下その動作、作用を説明する。

[0237] まず、人が用を足すためにトイレに入室すると、人体検知手段 6020が人体を検知し、その信号を本体 6008に設けてある受信手段 6021に送信する。受信手段 6021 で受信した信号により制御装置 6009は面状の PTCヒータ 6012に通電して急激な立ち上げを行う。 PTCヒータ 6012は立ち上がり時など温度が低いときはハイパワーで発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになる。従って熱容量の少ない薄い表皮材 6011を介して使、始めにすぐに温度があがると、う速熱性を有して、る。

[0238] 図 34は本実施の形態における便座 6006の温度特性を示すものであり、横軸に時間、縦軸に便座表面温度を示しており、便座 6006の表面温度は 10秒以内で 35°C 前後の温度になることがわかる。便座 6006の快適な表面温度は 35°C力も 40°C程度である。 PTCヒータ 6012が 35°C程度に暖まるまでに要する時間は、人が服を脱いで便座に着座する時間とほぼ同程度の数秒から 10秒くらいであり、座るときには冷たくない温度となっている。

[0239] 使用者が上記構成の便座に着座した状態では、クッション性のある弾性体層 6013 と屈曲自在な PTCヒータ 6012は使用者の臀部沿って変形する、また着座時の衝撃により弾性体層 6013は大きく変形し底当たり状態となるが、補強材 6012が弾性を備えることにより、使用者は衝撃を受けないで着座することができる。

[0240] 本実施の形態の PTCヒータ 6012は、図 32 (a)、 (b)に示すように榭脂とカーボンを混合した粒子 6026をエラストマ一 6027の中に配合することで、伸縮させた場合にお Vヽても組成が破壊しな！、ことを特徴として！/、る。このようにフレキシブル性に富んだ伸縮性のある構成をしているため、 5〜10%程度の伸びに関しては PTC抵抗体 6023 の破壊は起こらない。

[0241] 使用者が着座した状態において、便座の橈みは、便座 6006の周方向には少なぐ主に開口縁 6006aから外周縁 6006bに向力略垂直方向が大きくなる。本実施の形態の枝電極 6030a、 6030bは開口縁 6006aある!/、は外周縁 6006bと略並行に酉己設することにより、伸縮性の PTC抵抗体 6023と特性を活かし， PTCヒータ 6012の破損や特性の変化を最小限に抑えて、る。

[0242] また、電源電極 6028a、 6028bは便座の開口縁 6006aと外周縁 6006bと略ネ目似形の環状としているため、たとえ 1箇所が異常な変形等により切断された場合でも全ての主電極との接続を維持することができるため、耐久性を確保することができる。

[0243] 以上のように、本実施の形態においては、電源電極は便座の開口縁と外周縁と略相似形の環状とし、開口縁に対し略平行となる方向に枝電極を配設する PTCヒータを、使用者の体形に沿うように変形する弾性体層内に配設することにより、使用者は着座時の衝撃や冷たさを感じることが少なぐ長時間着座しても臀部の血流を妨げることもなく、快適な暖房便座装置とすることができる。

[0244] また、 PTCヒータの PTC特性 (自動温度制御特性）により、速熱性と昇温後の自己温度制御機能により、無駄な電力の使用を抑え、省エネ効果の高い便座装置を提供することができる。

[0245] し力も、着座による便座の変形による PTCヒータへの影響を最小限に抑える印刷パターンを採用することにより、電極や PTC抵抗体の破損や特性の変化を抑制し耐久性の高!ヽ便座装置を提供することができる。

[0246] また、本実施の形態においては PTCヒータ 6012の PTC抵抗体は、榭脂とカーボンの配合比率が同一のものを全ての PTCヒータに使用した力 PTCヒータの配設位置によって配合比率の異なる PTC抵抗体を使用しても良い、例えば便座 6006の両側部に配設する PTCヒータはカーボンの配合比率の多いものを使用し、便座の前部と後部に配設する PTCヒータはカーボンの配合比率の少ないものを使用することにより、便座に着座した使用者の臀部が多く密着する両側部は発熱量が多く暖房効果が高ぐ臀部が密着することが少ない前部と後部は発熱量が少なく無駄な電力を使用することなぐより快適で省エネ性を高めることができる。

[0247] また、前記では PTCヒータ毎に樹脂とカーボンの配合比率の異なる PTC抵抗体を使用する構成とした力 1つの PTCヒータの部位によって配合比率を変えても良い。例えば、便座の開口縁に近い部位はカーボンの配合比率を多くし、便座の外周縁に近い部位はカーボンの配合比率を少なくすることにより、便座に着座した使用者の臀部が多く密着する開口縁近傍は発熱量が多く暖房効果が高ぐ臀部が密着することが少ない外周縁近傍は発熱量が少なく無駄な電力を使用することなぐ前記と同様に快適で省エネ性を高めることができる。

[0248] なお、本実施の形態にぉヽては、 PTCヒータとして伸縮性 PTC抵抗体を使用した PTCヒータを採用した力これに限るものではなぐ伸縮特性を持たない PTCヒータ等で面状の構成が可能なヒータであれば、本実施の形態と近似の効果を得ることができる。また、本実施の形態では表皮材と PTCヒータは別部材で構成したが、表皮材を PTCヒータの柔軟性フィルムで兼ねることも可能である。

[0249] また、本実施の形態では PTCヒータを弾性体層の内部に設置する構成とした力 P TCヒータの設置場所としては、表皮材と弾性体層の間に介在させたり、補強材の上面に設置することも可能であり、特に、屈曲性の低い PTCヒータの場合は、弾性体層の下方となる補強材の上面に設置することにより、着座した状態で PTCヒータの存在を感じることが少なく快適性を高めることができる。

[0250] また、本実施の形態では補強材を榭脂成型品で構成して、るがこれに限るものではなぐ弾性を有する金属で形成してもよぐまた榭脂、金属、セラミック等の複数の材料を組み合わせて構成したものでもよい。また、補強材が備える弾性の強度は全ての部位で同一の弾性を備えるのではなぐ例えば臀部に対応する部分は弾性の強度を弱くすることで、着座時の衝撃を吸収しやすくできるし、太ももに対応する部分は弾性の強度を強くすることで、着座して、るときの体重を安定して保持することができ、より快適な便座を提供することができる。

[0251] また、本実施の形態においては、電源電極を PTCヒータと同一に柔軟性フィルムに印刷して形成した力これに限るものではなぐ別の柔軟性フィルムに印刷したものを重層して接続する構成でもよぐまた、薄い金属板で形成した電源電極を PTCヒータの主電極に重層して接続する構成等が考えられる。

[0252] (実施の形態 8)

図 35は本発明の実施の形態 8における、電源電極と PTCヒータの印刷パターンを示すものである。

[0253] 本実施の形態が実施の形態 7と異なる点は、図 35に示すように柔軟性フィルム 603 2の外周及と内周に開放した切り込み 6033a、 6033bを交互に設け、電源電極 603 4a、 6034bを切り込みにゝつて環状に設け、電源電極 6034a、 6034bと PTC抵抗体 6023挟み込む別の柔軟性フィルムも同様に切り込みを設けた点である。

[0254] 切り込み 6033a、 6033bを設けたことにより、 PTCヒータ 6012は弾'性体層 6013の撓みの一部を切り込み 603 la、 6032aで吸収することで、 PTCヒータ 6012の変形を少なくする変形吸収手段とすることができるため、 PTCヒータ 6012が損傷したり、特性が変化することをより確実に抑制することができる。

[0255] なお、図 35に示す PTCヒータ 6012は柔軟性フィルム 6032の外周と内周の両方に開放する切り込みを交互に設けた力外周あるいは内周の一方にのみ開放する切り込み、あるいは外周と内周に開放しない切り込みを設けても、一定の効果を得ることができる。

[0256] (実施の形態 9)

図 36は本発明の実施の形態 9における、電源電極と PTCヒータの印刷パターンを示すものである。

[0257] 本実施の形態が実施の形態 7と異なる点は、 PTCヒータの電極の印刷パターンが異なっており、他の構成は実施の形態 7と同じである。

[0258] 図 36に示すように、本実施の形態における PTCヒータ 6035は、主電極 6036a、 6 036b力ら交互に酉己設した枝電極 6037a、 6037bの間隔を便座 6006の後方と、後方の外側コーナ部と、前方に対応する部位を他の部位より広くしている。

[0259] 枝電極 6037a、 6037bの間隔を広くすることにより、その間の PTC抵抗体 6023は抵抗値が高くなるため、温度が上がりにくくなる。

[0260] 使用者が便座に着座した場合、使用者の臀部あるいは大腿部は便座の側部に主に接触し、前部、後部、後方の外側コーナ部にはあまり接触しない。また、着座直後は臀部や大腿部が接触した部位は人体が熱を奪うことにより温度が低下する。そのため、人体が接触する部位は他の部位より熱量を多く供給する必要がある。それ以外の部位は使用者の人体と接触することは少なぐその場所を接触する場所と同じだけ暖める必要はなぐ枝電極の幅を広げることで発熱量を低くすることにより省エネ性の向上を図ることができる。

[0261] (実施の形態 10)

図 37は本発明の実施の形態 10における便座装置の斜視図、図 38は同便座装置の便座の断面図、図 39は面状発熱体である PTCヒータの内部構成図、図 40は同便座装置の便座の温度特性を示すグラフ、図 41は伸縮性 PTC抵抗体の模式図を示すものである。図に示すように、本発明の第 10の実施の形態における便座装置は、着座面を暖房する暖房便座であって、便座 7006と、便蓋 7007と、本体 7008を主構成部材として構成している。

[0262] 本体 7008の内部には、洗浄温水を作り貯湯する熱交換タンク（図示せず）、局部を洗浄する洗浄装置（図示せず)、洗浄水の噴出を制御する電磁弁（図示せず)、洗浄後の局部を乾燥する乾燥乾燥ユニット (図示せず)、排便の臭気を脱臭する脱臭ュニット（図示せず)、便座装置の各機能を制御する制御装置 7009等が内蔵されており、使用者は洗浄装置の洗浄ノズルから吐水される温水を局部に当てることにより、用便による汚れを洗、流すことができるものである。

[0263] この便座装置は、便器 7010の上面に戴置した本体 7008をゴムブッシュ及びボルトを介して便器 7010に着脱自在に固定し、便座 7006と便蓋 7007は本体 7008に回動自在に枢支している。

[0264] 図 38に示すように、便座 7006は上面から、使用者の皮膚と接触する面であり変形自在な軟質で使用者の臀部に馴染むシート状の表皮材 7011、屈曲変形自在な面状の PTCヒータよりなる面状発熱体 7012、弾性を備えた軟質榭脂材カゝらなる弾性体層 7013、硬質榭脂成型品からなる補強材 7014、硬質榭脂成型品からなる便座下部部材 7015の主要部材で構成され、表皮材 7011と弾性体層 7013の間に面状発熱体 7012を装着し着座部を構成してヽる。

[0265] 補強材 7014と便座下部部材 7015はビス 7016で螺合してあり、補強材 7014は中央部分をビス止めのために平面形状 7017とし、両側はそれぞれ凸部 7018として強度を上げている。そして端部 7019には便座下部部材 7015の端部と嵌合するように長手方向に一定間隔で爪を設けてある。補強材 7014は便座下部部材 7015だけでは剛性不足で体重を支えきれな、ことを想定して設けたものである。従来の便座は上下の榭脂部材を上下とも U字型にして上下の U字部分と逆 U字部分の開放面を合わせ面として一体に構成して構造体とすることにより体重を支えるようにして!/、る。

[0266] し力しながら本実施の形態では上部の部材は軟質榭脂である弾性体層 7013であるため硬質榭脂部材を組み合わせて支えることができな、ことに対応したもので、便座下部部材 7015と補強材 7014で体重を支えるように構成したものである。

[0267] また、補強材 7014を金属とすることにより一つの便座下部部材 7015だけでは体重を支えきれないところを、金属の平板、あるいはプレスカ卩ェによって構造強化した補強材 7014を追加することにより、便座下部部材 7015の橈みを防止して着座時の便座 7006の変形を防止することが可能である。

[0268] また、一般的な使用形態において、トイレ（図示せず)のドアを開けたところの対面には、人体の温度を検出したり、反射光を検出したりして人がトイレに入ってきたことを検知する人体検知手段 7020が設置してあり、人体検知手段 7020からの信号を受信する受信手段 7021は本体 7008の袖部に配置し制御装置 7009と電気的に繋がつて、る。人体検知手段 7020が人体を検知して!/、な!/、状態にぉ、て便座 7006に配設された面状発熱体 7012は通常通電しないか、極端に室温が低い場合に 10W 前後の通電を行うことによって、便座表面温度を 15°Cから 20°C程度に保ってある。本実施の形態では、表皮材 7011として PPフィルムを使用している。表皮材 7011としては 0. 1mm以下の薄いフィルムで構成され、耐薬品性のある、かつ熱容量の少な！、ものであれば他の材質によるフィルムでもかまわな！/、。

[0269] 面状の PTCヒータよりなる面状発熱体 7012は、図 39に示すように薄肉の電気絶縁性基材である柔軟性フィルム 7022に銀ペーストの印刷'乾燥により形成した一対の電極 7024と、電極 7024に重なるように高分子抵抗体インクを印刷'乾燥により形成した伸縮性 PTC抵抗体 7023を形成している。そして、電気絶縁性基材 7022に印刷された電極 7024、伸縮性 PTC抵抗体 7023を覆うように接着性を有するアクリル系接着剤等の接着性榭脂層を形成したポリエステルフィルム等の薄肉の電気絶縁性オーバコート材 7025を接着し、その両面をポリエステル不織布（図示せず)でサンドイッチ状に貼り合わせて柔軟性を有したシート状に構成してヽる。この柔軟性を有したシート状に構成することで、着座面を形成する表皮材 7011と弾性体層 7013との間に凹凸面を有することなぐフラットな状態で収納することができ、良好な着座感を保って暖房用ヒータを内蔵することができるとともに、面状発熱体 7012からの熱が表皮材 7011を介して直に伝達され、かつ、弾性体層 7013による断熱効果も相俟って、着座面を効率的に暖めることができる。

また、伸縮性 PTC抵抗体 7023は、図 41に示すように榭脂とカーボンを混合した粒子 7026をエラストマ一 7027の中に配合することで、伸縮させた場合においても組成が破壊しな、特'性を備えて、る。 [0270] 上記構成の PTCヒータからなる面状発熱体 7012は 200Wから 500W程度のヒータ容量をもち、 AC30V以下または DC45V以下の電圧で加熱するようにしている。 PT Cヒータ力もなる面状発熱体 7012は温度が低いときは、伝導性粒子 (ここではカーボン）の連鎖が重なっていて電流が通りやすぐ温度が高くなると伝導性粒子の連鎖を断ち切り電流を流しに《するという PTC特性 (正温度係数特性)を有している。すなわち、通電直後の立ち上がり時など温度が低いときはハイパワーで発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになるという自己温度制御特性を有している。従って、熱容量の少な!/、薄、表皮材 7011を介して使、始めにすぐに温度が上がると、う速熱性を有しているとともに、所定温度に上昇した後は、その温度を保持するように電流を制限する省エネ性を有している。なお、 PTCヒータ力もなる面状発熱体 7012は通電を制御する制御装置 7009と電気的に接続してある。

[0271] 着座時に衝撃を吸収する弾性体層 7013は発泡ポリウレタンを使用しており、主として内部の気泡が繋がった独立気泡構造をとり、ガスの出入りをなくし、空気によるタツシヨン性を持たせて、るが、適度なクッション性を有するものであれば連続気泡構造のものでもよ、。また弾性体層 7013は補強材 7014の周りを覆うように形成してあり、着座したときも臀部が直接、補強材 7014に接しないようにしてある。

[0272] 以上のように構成された便座装置について、以下その動作、作用を説明する。

[0273] まず、人が用を足すためにトイレに入室すると、人体検知手段 7020が人体を検知し、その信号を本体 7008に設けてある受信手段 7021に送信する。受信手段 7021 で受信した信号により制御装置 7009は面状の PTCヒータ 7012の通電率を上げて急激な立ち上げを行う。 PTCヒータ力もなる面状発熱体 7012は立ち上がり時など温度が低いときはハイパワーで発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになるという自己温度制御特性を有している。従って熱容量の少ない薄い表皮材 7011を介して使、始めにすぐに温度が上がると、う速熱性を有して、る。

[0274] 図 40は便座 7006の温度特性を示すものであり、横軸に時間、縦軸に便座表面温度を示しており、便座 7006の表面温度は 10秒以内で 35°C前後の温度になることがわかる。便座 7006の通常温度設定は 35°Cから 40°C程度に設定してあるため便座 7 006に座って冷たいということはない。一般的に PTCヒータが 35°C程度に暖まるまでに要する時間と人が服を脱いで便座に座る時間は、ほぼ同程度の数秒から 10秒くら Vヽであり、座るときには冷たくなヽ温度となってヽる。

[0275] また、使用者が上記の状態の便座に座ると、クッション性のある弾性体層 7013と屈曲自在な PTCヒータ 7012は使用者の臀部に沿って変形することにより、衝撃を受けな、で着座することができる。

[0276] 本実施の形態の PTCヒ―タ 7012からなる面状発熱体は、図 41に示すように榭脂とカーボンを混合した粒子 7022をエラストマ一 7023の中に配合することで、伸縮させた場合にぉヽても組成が破壊しな、ことを特徴とした伸縮性 PTCヒータとして、る。このようにフレキシブル性に富んだ伸縮性のある構成をしているため、 5— 10%程度の伸びに関しては抵抗体の破壊は起こらない。

[0277] 図 42に従来の便座装置の橈み特性、図 43に本実施の形態の便座装置の橈み特性を示す。図 42、図 43のグラフは横軸に荷重量、縦軸に橈み量を示し、橈み量についてはマイナス方向に示している。図 42、 43ともに荷重量が増えれば橈み量が増える構成として、る。本実施の形態の便座装置は弾性体層 7013を設置したことで少しの荷重の差で橈み量が大きく変化する特徴を有している。前記特徴は図 43に示す橈み量のグラフの傾き力図 42の橈み量の傾きに比べて大きい事力読み取れる。これらの測定データより、便座装置の橈み量は PTCヒータ力なる面状発熱体の伸び量の許容範囲内に入っていることがわ力る。

[0278] 使用者が着座して力は、所定の設定温度まで便座温度が上がり、その後は一定の温度に保つ。このとき、特に便座面と臀部または大腿部が接触しているところは人体により断熱されているため温度が上がりやすいが、 PTCヒ一タカなる面状発熱体 7012は温度が高くなると伝導性粒子の連鎖を断ち切り電流を流しに《するという性質を有しているため、無駄に便座温度を上げすぎることがなぐ省エネルギ効果が高いという利点を有している。

[0279] 以上のように、本実施の形態においては、表皮材の裏面に屈曲自在な PTCヒータからなる面状発熱体を配設し、その下に弾性体層を設置する構成とすることにより、使用者は着座時の衝撃や冷たさを感じることが少なぐ長時間着座しても臀部の血流を妨げることもなぐ違和感や疲れを感じない快適な便座装置とすることができる。 [0280] また、 PTCヒータの自己温度制御特性により、速熱性と昇温後の自己温度制御機能により、無駄な電力の使用を抑え、省エネ効果の高い便座装置を提供することができる。

[0281] なお、本実施の形態にぉヽては、面状便座ヒータとして伸縮性 PTC抵抗体を使用した PTCヒータを使用した力これに限るものではなぐ面状の金属製のヒータや伸縮特性を持たなヽ PTCヒータ等で面状の構成が可能なヒータであれば、本実施の形態と近似の効果を得ることができる。

[0282] また、本実施の形態では表皮材と PTCヒータは別部材で構成した力表皮材を PT Cヒータの柔軟性フィルムで兼ねることも可能である。

[0283] また、本実施の形態では PTCヒータを表皮材と弾性体層の間に介在する構成としたが、面状ヒータの設置場所としては、弾性体層の内部に設置することも可能であり、特に、屈曲性の低い面状ヒータの場合は、弾性体層の内部に設置することにより、着座した状態で面状ヒータの存在を感じることが少なく快適性を高めることができる。

[0284] 次ぎ、上記構成に示すように着座部に収納された面状発熱体の構成について、具体的な実施形態における PTCヒータ力なる面状発熱体の印刷パターンについて説明する。

[0285] 軟質素材を用い弾性を有する便座に人が座った場合、便座が大きく橈む事から、電極の構成として図 44に示すように、電源 7028に接続された幅広の電源路 7029a 、 7029bを着座面の両佃】に対向するように酉己置し、この電源路 7029a、 7029b力ら相対向するように幅の広い一対の主電極 7030a、 7030bを配設し、さらに、それぞれの主電極 7030a、 7030bから交互に相手側の主電極に向力つて複数の枝電極 7 031a, 703 lbを導出して櫛状の電極を構成する。そして、この枝電極 7031a、 703 lbに重なるように PTC特性を有する高分子抵抗体 7023を印刷し、多数の枝電極 7 031a, 703 lbより給電することで、高分子抵抗体 7023に電流が流れ、上記した如く、立ち上がり時など温度が低いときはハイパワーで発熱し、温度が高くなると自動的にローパワーになるという自己温度制御により、所定の温度に制御される。この主電極 7030a、 7030bと枝電極 7031a、 703 lbで構成した電極 7024を着座面に均一に配置することにより着座時の臀部に対して均一な暖房感を提供することができる。 [0286] また、枝電極 7031a、 7031bを座った時に着座部が橈む方向に対して略直角方向に延設した配設構成とすることにより、抵抗素子が破壊されることなく耐久性に優れる

[0287] さらに、本実施の形態のように弾性を有する着座部に面状発熱体 7012を装着した場合、着座時に人体による荷重が力かった時に変形し、荷重が力からなくなると復元するため、面状発熱体 7012も着座部の変形に対応して相似の変形をすることが望ましい。

[0288] そこで、本実施の形態では面状発熱体 7012が上記荷重により変形する形状に馴染むように変化させる橈み変形吸収手段を設けることで、薄肉の電気絶縁基板 7022 上に電極 7024と高分子抵抗体 7023を所定のパターンに印刷して形成した発熱部にストレスが力からな、ようにしたものである。

[0289] その具体的手段として図 45に示すように、主電極 7030a、 7030bと枝電極 703 la 、 7031bで構成した電極 7024間の柔軟性フィルム 7022に内側と外側力スリット状の切り込み 7032を入れた構成とし、このスリット状の切り込み 7032〖こより弾性体 701 3が着座時に不均一に橈んだ場合でもその橈み形状に馴染んで柔軟性フィルム 70 22が変形することで、印刷面へのストレス印加を抑制するようにしている。また、スリツト状の切り込み 7032は、着座時の橈み方向と略同一方向にシート状の面状発熱体 7 012の端部力スリット状の切り込みを入れ、一方端を開放して自由端とすることにより、弾性体 7013の変形に対して印刷面へのストレスを印加させることなぐ馴染ませることが可能となり、より柔軟性を持たせることができる。なお、スリット状の切り込み 70 32は、着座時の橈み方向と略同一方向にシート状の面状発熱体 7012の端部から交互にスリット状の切り込みを入れる方が印刷面へのストレス印加をより低減し、より柔軟性を持たせることができる。

[0290] 以上の構成により、便座に人の体重が加えられた時の橈みによる、 PTCヒータからなる面状発熱体への影響も少なぐまた便座の柔軟性も損なわれることがなぐ使用者が便座に座った時のヒータによる違和感を解消することができる。

[0291] 主電極につヽては、便座の外側と内側にそれぞれ設け、例えば、内側をプラス電極、外側をマイナス電極とすることにより、設計しやすくなる。 [0292] (実施の形態 11)

図 46は本発明の第 11の実施の形態における便差装置の電極構成を示す図である。

[0293] 第 11の実施の形態は、着座における人体との接触度合、が少な!/、部位ほど枝電極の間隔 Aを広げるようにしたものであり、便座に人が座っている時、接触頻度が少ない場所には、軟質樹脂の便座のため温度は低めに設定していても表面が暖まっていると冷たいと感じないため温度は下げることが可能となる。そこで、便座の温度の下げる方法として、図 46のように、着座時に臀部との接触頻度が少ない後方の外周部において枝電極 7031a、 7031bの間隔 Aを広く設定することで、この部分の温度を下げることができ、省エネ効果を高めることができる。

[0294] また、 PTCヒータの特徴として、 PTC特性 (正温度係数特性)を有する高分子抵抗体インクの配合を変化させることにより、最高温度、また温度の立ち上がりを変えることができる。高分子抵抗体は榭脂とカーボンカゝら配合され、カーボンを減らすことにより温度は低くなるため、接触頻度の低い場所における高分子抵抗体インクのカーボンの配合を減らすことにより温度は低くなり、省エネ効果を図ることが可能となる。

[0295] また、 PTCヒータの特徴として、 PTCは重ねれば重ねるほど温度は上がることにより、特に接触頻度が多い所には、 PTCヒータを重ねて立ち上がりをよくすることが可能となる。

[0296] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

本出願は、 2005年 10月 6日出願の日本特許出願 ·出願番号 2005-293584、 2005年 1 0月 6日出願の日本特許出願'出願番号 2005-293585、 2005年 10月 11日出願の日本特許出願 ·出願番号 2005-296295、 2005年 11月 15日出願の日本特許出願 ·出願番号 2005-329664、 2006年 1月 16日出願の日本特許出願 ·出願番号 2006-007077、 200 6年 4月 24日出願の日本特許出願'出願番号 2006-118906、 2006年 4月 24日出願の日本特許出願 ·出願番号 2006-118907、 2006年 5月 10日出願の日本特許出願 ·出願番号 2006-131351に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。産業上の利用可能性

[0297] 以上のように、本発明にかかわる便座装置は、着座時に衝撃を与えず、長時間快適に着座することが可能となるので、特に高齢者あるいは障害者用の着座装置等の用途にも適用できる。

[0298] また、本発明に関わる便座装置は、部材の破損による使用者の感電を防止し、高い安全性を確保することが可能となるため、人体に直接接触して使用する他の暖房装置の用途にも適用できる。

[0299] また、本発明に関わる便座装置は、便座からの放熱損失を抑えて保温することで、エネルギー損失の少ない暖房を行うことが可能となるため、人体に直接接触して使用する他の暖房装置の用途にも適用できる。

[0300] また、本発明に関わる便座装置は、使用者の皮膚が触れて、る部分のみ暖房することで、エネルギー損失の少ない暖房を行うことが可能となるので、人体に直接接触して使用する他の暖房装置の用途にも適用できる。

[0301] また、本発明に力かる便座装置は、着座時の快適性と暖房機能の省エネ性の効果を備えたものであるので、椅子や座布団等の着座機器の暖房機能などの用途にも適用できる。

[0302] また、本発明に関わるトイレ装置は、体重の異なる複数の使用者に対し、身体の目的部位に洗浄を的中することが可能となるので、介護用の洗浄装置を初め各種洗浄装置や乾燥装置の用途にも適用できる。

Claims

請求の範囲

[I] 便器上に装着する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を備え、前記弾性体層の下方に補強材と便座下部部材を順に配設し、前記補強材は弾性を備えたことを特徴とした便座装置。

[2] 弾性体層の上方、下方または内部に便座ヒータを設置したことを特徴とする請求項 1 に記載の便座装置。

[3] 補強材の弾性強度が、着座した使用者が便座に接触する身体の部位に対応して異なることを特徴とした請求項 1または 2に記載の便座装置。

[4] 便器上に装着する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層と、便座を加熱する便座ヒータと、前記便座ヒータを覆う遮蔽層を備え、前記便座ヒータは弾性体層の内部または下方に設置し、前記遮蔽層を便座ヒータの上方に位置する弾性体層の内部に設置した便座装置。

[5] 便器上に装着する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層と、前記弾性体層を下方から保持する補強材と、便座を加熱する便座ヒータを備え、前記便座ヒータを前記補強材に設置した便座装置。

[6] 弾性体層が蓄熱性能を備えたことを特徴とする請求項 5に記載の便座装置。

[7] 便器上に装着する本体と、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座と、便座内に配設した便座ヒータと、前記弾性体層の形状変化量を感知するセンサ装置と、制御装置を備え、前記センサ装置からの弾性体層の形状変化量の情報に応じて便座ヒータの通電状態を制御する便座装置。

[8] 便座ヒ一タは複数に分割して構成し、センサ装置力もの情報に応じて、分割した便座ヒータごとに異なった制御を行、便座の温度および分布を自由に変化させることのできる構成の請求項 7に記載の便座装置。

[9] 便器上に装着する便座において、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を備え、便座内に面状便座ヒータを設置した便座装置。

[10] 面状便座ヒータは正温度係数特性を有する PTCヒータであることを特徴とする請求項 9記載の便座装置。

[I I] PTCヒータは柔軟性フィルムに伸縮性 PTC抵抗体と電極を印刷した請求項 10記載の便座装置。

[12] 便器上に装着する本体と、使用者の局部を洗浄する洗浄手段と、少なくとも一部に使用者の体形に沿うように変形する弾性体層を有する便座と、前記弾性体層の形状変化量を感知するセンサ装置と、制御装置を備え、前記センサ装置からの弾性体層の形状変化量の情報に応じて洗浄水の噴出到達位置を制御するトイレ装置。

[13] センサ装置力の情報に応じて、洗浄手段を上下方向に移動させて、洗浄水の噴出到達位置を制御することを特徴とした請求項 12に記載のトイレ装置。

[14] センサ装置力の情報に応じて、洗浄手段を前後方向に移動させて、洗浄水の噴出到達位置を制御することを特徴とした請求項 12または 13に記載のトイレ装置。

[15] センサ装置力の情報に応じて、洗浄水の噴出強さを変化させて、洗浄水の噴出到達位置を制御することを特徴とした請求項 12〜14のいずれか 1項に記載のトイレ装置。

[16] 便器上に装着する便座において、弾性体層と該弾性体層を覆うシートで構成した着座部を形成し、前記着座部の内部に電極及び高分子抵抗体を印刷パターンで形成した面状発熱体を収納し、前記面状発熱体は、着座部の橈み変形に対して馴染むように変化する橈み変形吸収手段を有する構成とした暖房便座装置。