JP4599710B2 - 局部洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体局部に向けて洗浄水を吐水孔から吐水して局部洗浄を行う局部洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の局部洗浄装置は、洗浄形態の多様化、広範囲の局部洗浄等を図るため、種々の技術が提案されている。例えば、従来は、吐水孔から洗浄水をただ単に吐水するだけであったが、ノズルに流体素子や可動体を組み込み、この流体素子や可動体により、吐水される洗浄水自体を拡散させつつ吐水する技術が提案されている。
【特許文献1】
特開2000−8453号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これら局部洗浄装置では、洗浄水の拡散吐水を通して洗浄範囲の広範化等をもたらすことができるものの、次のような問題点が指摘されるに至った。
【0004】
局部洗浄を欲する使用者が便座に着座する場合の着座位置は、常に一定とは限らないので、洗浄水の吐水孔に対する被洗浄部、例えばお尻の位置関係は着座の都度変化することがある。つまり、被洗浄部と吐水孔との離間距離が変化することがある。また、使用者の体格や性別、年齢によっても、吐水孔に対する位置関係は変化し、上記の離間距離は異なる。更には、ノズルを前後動させながら洗浄水を吐水するいわゆるムーブ洗浄では、吐水孔から吐水された洗浄水が着水する局部部分はノズルの前後動に伴い変化する。そして、ノズルは人体局部の湾曲に沿って移動するのではなく前後動するので、ノズルの前後位置によって、吐水孔と上記の局部部分(そのときの被洗浄部)との離間距離は相違する。
【0005】
上記の従来の局部洗浄装置では、洗浄水の拡散を起こしているので、吐水孔から離れるほど洗浄水は広がって着水する。しかし、上記した離間距離変化に対しての配慮がなされていないので、着座位置や体格の相違による被洗浄部のずれや、ムーブ洗浄時のノズル位置によっては、不用意に被洗浄部を濡らしすぎて不快感を与えたり、洗浄の違和感をもたらしていた。なお、ノズルを人体局部の湾曲に倣った湾曲軌跡に沿って駆動することもできるが、湾曲軌跡を人体に倣うよう幾通りも準備したり湾曲軌跡を可変とする等が必要となって構成が複雑化し、現実的な解決にはならない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、被洗浄部と吐水孔の位置関係に起因する不具合を解消することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の局部洗浄装置は、人体局部に向けて洗浄水を吐水孔から吐水して、局部洗浄を行う装置であって、前記吐水孔から吐水された洗浄水が拡散するように、前記吐水孔から洗浄水を吐水する吐水手段と、前記吐水孔と洗浄水が着水する被洗浄部との間の離間距離に応じて前記吐水手段を制御し、前記吐水孔からの吐水洗浄水の拡散程度を調整して前記被洗浄部に着水する洗浄面積を略一定にする拡散制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の局部洗浄装置では、吐水孔と洗浄水が着水する被洗浄部との間の離間距離が変化しても、その離間距離に応じた吐水手段の制御を通して吐水洗浄水の拡散程度を調整する。よって、着座位置や体格の相違によって吐水孔と被洗浄部の位置関係がずれて、例えば上記の離間距離が長くなっても、その離間距離に応じて拡散程度が調整されるので、例えば離間距離が長くなれば拡散程度が小さく調整されるので、被洗浄部では以前と同様の着水状況を呈するようにすることができる。このため、洗浄水の着水状況、例えば着水面積(洗浄面積)や洗浄水跳ね程度等の変化を抑制できるので、違和感や不快感を与えることがない。
【0009】
上記の構成を有する本発明の局部洗浄装置は、以下の種々の態様を採ることもできる。
即ち、前記吐水孔から前記被洗浄部に向けた吐水方向を変更することができる方向変更手段を備えるようにし、
前記拡散制御手段を、吐水方向の変更に伴う前記離間距離に応じて前記吐水手段を制御して吐水洗浄水の拡散程度を調整するものとすることができる。
こうすれば、次の利点がある。
便器への着座状態が変わったり等して被洗浄部がずれると、吐水孔と被洗浄部との間の離間距離は変化する。このずれた被洗浄部に向けて正しく洗浄水を着水させるには、吐水孔の向きを変えることで上記ずれた被洗浄部に洗浄水を吐水(拡散吐水)できる。こういった場合、何の対処もしなければ、上記したように離間距離が変化していることから被洗浄部を濡らしすぎて不快感を与えたり、洗浄の違和感をもたらしてしまう。しかし、このように吐水方向の変化により離間距離が変わっても、その離間距離に応じた拡散程度の調整を行うので、被洗浄部における着水状況には余り変化を起こさないようにでき、違和感や不快感を与えることがない。
【0010】
こうした拡散程度の調整を図る場合、離間距離が長くなるほど拡散程度を抑制するようにすれば、被洗浄部には不用意に拡がりすぎた状態で洗浄水を着水させないようにできる。よって、違和感や不快感をより確実に払拭できる。
しかも、離隔距離が長短変化したとしても、その長短変化に追従して拡散程度を広狭調整することで、違和感や不快感の払拭が可能となる。
【0011】
また、離間距離の長短変化が起きた場合に、被洗浄部に着水する洗浄面積が略一定となるように、その長短変化に追従して拡散程度を変更(広狭変更)するようにすることもできる。
こうすれば、洗浄面積に基づく洗浄感を維持でき、好ましい。
【0012】
また、前記吐水孔を有し、前記離間距離が変わるよう駆動可能とされたノズルと、
前記ノズルがその駆動可能範囲に含まれる基準位置を採る場合の前記離間距離に応じた前記拡散程度を基準拡散程度として規定する拡散規定手段とを備えるものとし、
前記拡散制御手段を、前記ノズルの駆動による前記基準位置からのノズル位置変位に応じて前記拡散程度を前記基準拡散程度から変更するものとすることもできる。
【0013】
こうすれば、ノズル駆動、例えば使用者の好みによるノズルの位置調整が行われたりすることで、或いは、ノズルの往復動によりノズル位置が変化して、これに伴い離間距離が変化しても、その離間距離変化に応じた拡散程度の調整を行うことができる。よって、こうしたノズル位置変化が起きても、被洗浄部における着水状況には余り変化を起こさないようにでき、違和感や不快感を与えることがない。特に、ノズルの往復動を伴うムーブ洗浄では、ノズル移動による洗浄水着水を受ける被洗浄部の洗浄範囲において略同一の洗浄面積とでき、この洗浄面積に基づく洗浄感を上記の洗浄範囲に亘って確保でき好ましい。つまり、ムーブ洗浄時の洗浄範囲のうち、ある洗浄箇所では洗浄面積が広く他の洗浄箇所では洗浄面積が狭くなると云った事態を起こさないようにできる。
【0014】
この場合、拡散規定手段が規定する前記基準拡散程度を変更設定するようにすることもできる。
こうすれば、被洗浄部における着水状況を、設定変更後の基準拡散程度に対応するものに種々調整できる。よって、例えばこの着水状況が狭い洗浄面積のものとなるよう基準拡散程度が変更されれば、この狭い洗浄面積のままでの洗浄感を維持できるので、違和感や不快感を与えることがない。ムーブ洗浄では、狭い洗浄面積のままで、ムーブ洗浄の洗浄範囲に亘って洗浄できる。着水状況が広い洗浄面積とされた場合も同様である。
【0015】
このように基準拡散程度を規定するに当たり、
前記ノズルを、異なる被洗浄部を個別に洗浄するよう駆動可能とされ、各被洗浄部に対して前記離間距離が変わるよう駆動可能なものとし、
前記拡散規定手段を、前記基準拡散程度を前記異なる被洗浄部ごとに有するものとすることができる。
こうすれば、異なる被洗浄部(例えば、お尻とビデ)ごとに、その被洗浄部における着水状況を基準拡散程度に対応するものに種々調整できる。例えば、お尻を被洗浄部とした場合は狭い洗浄面積での洗浄としたり、ビデ洗浄では広い洗浄面積の洗浄としたりできる。そして、それぞれの洗浄において離間距離が変わってもその洗浄について設定した洗浄面積を維持した状態で、お尻或いはビデ洗浄を実施できる。
【0016】
また、前記拡散制御手段を、前記吐水孔への洗浄水の給水状態に変化が起きると、その給水状態変化に追従して前記拡散程度が変化するように、前記吐水手段を制御するものとすることができる。
こうすれば、洗浄水給水系の一次側での不用意な給水量変化、或いは2次側における流量調整設定による給水量変化(流量変化)が起きても、被洗浄部における着水状況を種々調整できる。例えば、給水量変化が起きる以前のままに維持するよう拡散程度を調整できる。よって、給水量変化が起きても、それ以前の着水状況が狭い洗浄面積のものとなる拡散程度であれば、この狭い洗浄面積のままでの洗浄感を維持できる。このため、給水量変化に伴う違和感や不快感を抑制できる。
或いは、給水量が増大変化した場合には、着水状況が狭い洗浄面積のものとなるよう拡散程度を調整することもできる。こうすれば、被洗浄部に着水した洗浄水を不用意に広い範囲で跳ねないようにできるので、着水洗浄水の飛び跳ねやこれに伴う濡れ範囲の拡大を抑制できる。
【0017】
更に、被洗浄部に着水する洗浄水の水勢を設定する水勢設定手段を備えるものとし、
前記拡散制御手段を、前記水勢設定手段により水勢が設定変更されると、その設定水勢変化に追従して前記拡散程度が変化するように、前記吐水手段を制御するものとすることができる。
こうすれば、設定水勢の変化に伴って流量変化が起きても、被洗浄部における着水状況を種々調整できる。よって、水勢の増大設定により流量が増大変化した場合には、着水状況が狭い洗浄面積のものとなるよう拡散程度を調整することもできる。こうすれば、被洗浄部に着水した洗浄水を不用意に広い範囲で跳ねないようにできるので、着水洗浄水の飛び跳ねやこれに伴う濡れ範囲の拡大を抑制できる。
【0018】
【発明の他の態様】
本発明は、以下のような他の態様を採ることも可能である。即ち、上記した本発明或いは各態様の局部洗浄装置において、
吐水手段は、
前記吐水孔を前記被洗浄部に対して傾斜させる傾斜動作を繰り返すことで、前記吐水孔からの吐水洗浄水を拡散させる拡散吐水手段と、
繰り返される刺激を人体が刺激の繰り返しとして知覚できる繰り返し周波数領域を越える周波数で、前記傾斜動作を繰り返すよう拡散吐水手段を制御する繰り返し制御手段とを有する、ものとすることができる。
【0019】
こうすれば、次の利点がある。
被洗浄部では、吐水孔の傾斜動作の繰り返しにより、洗浄水の着水箇所が変化する。この洗浄水着水箇所の変化が知覚される場合は、使用者は、洗浄を欲する被洗浄部が着水箇所を変化させながら洗浄されているという感覚を覚え、被洗浄箇所が一律に洗われているという感覚を得ることができない。よって、局部洗浄に対する違和感を抱いたり、洗浄の充足感に欠けることがある。
【0020】
これに対し、上記の洗浄水着水箇所の変化が知覚されないように吐水孔の傾斜動作を繰り返して拡散吐水を図った場合には、使用者は、着水箇所変化が起きていることを知覚できない。よって、この使用者は、洗浄を欲する被洗浄部が拡散程度で定まる洗浄面積で継続的に洗浄されていると錯覚し、被洗浄箇所が一律に洗われているという感覚を得ることができる。このため、局部洗浄に対する違和感を抱くことがなく、洗浄の充足感を与えることができる。
【0021】
そして、このように着水箇所が変化していると知覚させないようにした上で、拡散制御手段により離間距離に応じて拡散程度が調整される。このため、この拡散程度調整後にあっても、着水箇所変化が起きているとは知覚させず、被洗浄部がそれまでの洗浄面積のまま継続的に洗浄されていると錯覚し、被洗浄箇所が一律に洗われているという感覚を抱いたままとすることができる。このため、拡散程度調整の前後において局部洗浄に対する違和感を抱くことがなく、洗浄の充足感を与えることができる。
ところが、吐水孔の傾斜動作の繰り返しによる洗浄水着水箇所の変化が知覚される場合は、拡散程度の調整前後にあっても、着水箇所が変化していることを知覚するので、被洗浄箇所が一律に洗われているという感覚を得ることができず、局部洗浄に対する違和感があったり、洗浄の充足感に欠けたままである。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る局部洗浄装置の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、便器に装着した状態の第1実施例の局部洗浄装置を表す概略斜視図、図2は、局部洗浄装置の概略構成を水路系を中心に表したブロック図、図3は、制御系の概略構成を表すブロック図である。
【0023】
図示するように、第1実施例の局部洗浄装置は、便器BTの後部上面に固定される本体部12と、洗浄動作や乾燥動作等を遠隔操作するための遠隔操作装置14とを有する。本体部12は、便器開口部側に、便座18並びに便蓋20を開閉自在に備える。また、この本体部は、便器の側方に袖部22を有すると共に、洗浄水を洗浄局部に吐水する洗浄ノズル24を有するノズル装置40(図4参照)の他、後述の種々の機能部品を収納している。
【0024】
遠隔操作装置14は、その前面に、排便時に常用される種々のボタンを備え、操作されたボタンに対応した信号(光信号)を発するようにされている。例えば、お尻洗浄が所望される際に操作されるお尻洗浄ボタン14aが操作されると、その旨の信号が発せられ、この信号は本体部12の側で受信される。そして、この信号を受けて、お尻洗浄が開始される。この遠隔操作装置14は、停止ボタン14bややわらか洗浄ボタン14c、ビデ洗浄ボタン14dの他、水勢を強弱設定する水勢設定ボタン14e、ノズル位置を前後設定するノズル位置前後調整ボタン14f、洗浄面積を広狭設定する面積設定ボタン14g、ノズルを前後動させながら吐水するムーブ洗浄ボタン14h等を有する。これらボタンのうち、水勢設定ボタン14eは、その操作に応じて水勢を強弱設定することから、本発明にいう「水勢設定手段」として機能する。
【0025】
袖部22は、その上面に、本局部洗浄装置の動作状況等を表示する表示部22aと、開閉自在なカバー22bとを有する。なお、この表示部には、上記の遠隔操作装置14から発せられた光信号を受光する受光部が組み込まれている。また、このカバー22bの一部は、着座人体を検出するための着座センサSS10(図3参照)からの光を選択的に透過させるよう着色された光透過窓22cとされている。また、この袖部22のカバー下方には、局部洗浄に必要な最低限のボタンが設けられており、遠隔操作装置14が電池切れ等で操作不能なときでも袖部のボタン操作で局部洗浄を行うことができるようにされている。
【0026】
本実施例の局部洗浄装置10は、上記のボタンに応じた洗浄動作・乾燥動作等を行うため、下の水路系構成並びに制御系構成を有する。図2に示すように、本局部洗浄装置の水路系は、図示しない外部の給水源側から、入水側弁ユニット50と熱交換ユニット60と流調ポンプ65とを備える。そして、洗浄水は、ギヤポンプ等で構成されるこの流調ポンプ65からノズル装置40の流路切換弁71を経て洗浄ノズル24に案内され、当該ノズルから後述のように洗浄水が吐水される。
【0027】
上流側給水管路51は、本局部洗浄装置に給水源(水道管)から洗浄水(水道水)を直接給水すべく入水側弁ユニット50に配管されている。この上流側給水管路51に導かれた洗浄水は、入水側弁ユニット50のストレーナ52でのごみ等の捕捉を経て、逆止弁53、定流量弁54に流れ込む。そして、定流量弁54下流の電磁弁55にて管路が開かれると、洗浄水は、定流量弁54で所定流量とされた状態で、瞬間加熱方式の熱交換ユニット60に流入する。このように流調を受けて流入する洗浄水流量は、約300〜600cc/min程度となるようにされている。なお、上流側給水管路51を、便器洗浄用の洗浄水を貯留する洗浄水タンク(図示省略)から分岐して入水側弁ユニット50に配管することもできる。
【0028】
この入水側弁ユニット50から熱交換ユニット60に至る間の上流側給水管路51には、リリーフ弁56を介在させた第1洗浄水導出管路56aが配設されている。この第1洗浄水導出管路56aは、リリーフ弁上流側の管路圧力が何らかの原因で上昇してリリーフ弁56により管路が開かれると、上流側給水管路51内の洗浄水を外部に導出する。また、低流量での使用時も流調ポンプ65と同期してリリーフ弁56を開き供給水の一部排水する。
【0029】
上記した入水側弁ユニット下流の熱交換ユニット60は、ヒータ61を内蔵する熱交換部62を備える。このヒータ61またはその近傍には、図示しないバイメタルスイッチや温度ヒューズが装着されており、熱交換ユニット60の異常加熱回避が図られている。
【0030】
この熱交換ユニット60は、熱交換部62へ流入する洗浄水の温度と熱交換部62から流出する洗浄水の温度を入水温センサSS16aと出水温センサSS16bで検出しつつ、ヒータ61で洗浄水を設定温度の洗浄水に温水化する。そして、このようにして温水化された洗浄水は、流調ポンプ65により流量調整を受けた上で、洗浄ノズル24に流入する。
【0031】
また、この熱交換ユニット60は、熱交換部内水位を検出するフロートスイッチSS18を備え、その信号により、空焚きが回避されるようになっている。また、熱交換ユニット60は、バキュームブレーカ63を備え、このバキュームブレーカ63により、熱交換部下流側からの洗浄水逆流を防止するようになっている。
【0032】
洗浄ノズル上流の流路切換弁71は、洗浄水の給水先を、洗浄ノズル24に至るお尻洗浄用流路、やわらか洗浄用流路、ビデ洗浄用流路のいずれかに切り換える。よって、熱交換ユニット60での温水化と流調ポンプ65による流量調整を受けた洗浄水は、流路切換弁71で切り換えられた給水先から吐水される。
【0033】
本実施例の局部洗浄装置10の制御系は、図3に示すように、マイクロコンピュータを主要機器とする電子制御装置80を中心に構成されている。この電子制御装置80は、上記した着座センサ、入水出水温センサ等の各種センサやフロートスイッチ、転倒検知センサSS30、洗浄水量センサSS14からの信号の他、遠隔操作装置14や袖部22における洗浄ボタン等の種々の操作ボタン並びにツマミの操作状況を、入力回路を介して有線もしくは無線(光信号)で入力する。この場合、洗浄水量センサは、流調ポンプ65以降の下流側給水管路において洗浄水量を検出し、その検出結果を電子制御装置80に出力する。転倒検知センサSS30は、本局部洗浄装置の傾き状態を検知してその結果を電子制御装置80に出力する。
【0034】
この電子制御装置80は、入力した上記信号に基づいて、入水側弁ユニット50の電磁弁開閉弁制御、熱交換ユニット60のヒータ通電制御、流調ポンプ制御、本体袖部表示部の表示制御、局部乾燥用の乾燥ヒータやファンモータ等を含む乾燥部79の通電制御、臭気除去用のオゾナイザーや吸引ファンモータ等を含む脱臭部(図示省略)および室内暖房用のヒータやファンモータ等を含む暖房部(図示省略)の通電制御を実行する他、上記信号に基づいて、後述のノズル装置40のノズル駆動モータ制御、ノズルヘッド25の揺動コイル群通電制御を実行する。
【0035】
次に、本実施例の局部洗浄装置が有するノズル装置40について説明する。図4は、ノズル装置40を表す概略斜視図である。
【0036】
図示するように、ノズル装置40は、局部洗浄装置10の本体部12(図1参照)に収納設置される。このノズル装置40は、本体部12に固定設置されるベース41と、このベース上面の架台41aに組み込み配設されたノズル駆動モータ42と、このモータの正逆回転を前後動に変換して洗浄ノズル24に伝達する伝達機構43と、ベース上面に立設され洗浄ノズル24を便器ボール部側で摺動自在に保持するノズル保持部41bと、洗浄ノズル24を後述のノズル進退軌道に沿って案内する案内レール部44とを有する。
【0037】
伝達機構43は、ノズル駆動モータ42の回転軸に固定された駆動プーリ43aと、上記のノズル進退軌道に沿った前後の従動プーリ43bと、これらプーリに掛け渡されたタイミングベルト43cと、当該ベルトにテンションを与えるテンションローラ43dとを有する。タイミングベルト43cは、洗浄ノズル24の筒状部24aから延びたベルト把持体24bを介して、当該ノズルと係合・固定されている。よって、この洗浄ノズル24は、タイミングベルト43cの正逆回転に応じて前後に進退駆動する。
【0038】
案内レール部44は、傾斜状の直線軌道を形成し、洗浄ノズル24の下方に設置されている。そして、この案内レール部44は、洗浄ノズル24の後端側下方の図示しない軌道把持体を介して当該ノズルと係合されており、洗浄ノズル24を直線軌道に沿って斜めに案内する。
【0039】
また、ノズル先端側のノズル保持部41bは、洗浄ノズル24を摺動自在に保持する。よって、洗浄ノズル24は、タイミングベルト43cにより前後に進退駆動する際、案内レール部44に沿って前後に傾斜して進退駆動する。これにより、洗浄ノズル24は、本体部内に引き込んだ待機位置HP(図10、図12参照)と便器ボール部内の洗浄位置(お尻洗浄位置AWP、ビデ洗浄位置VWP)との間を前後に進退駆動する。
【0040】
次に、洗浄ノズル24について説明する。図5は、洗浄ノズル先端のノズルヘッド25の拡大概略斜視図である。
【0041】
図4、図5に示すように、洗浄ノズル24は、直管状の筒状部24aの先端のノズルヘッド25を有する。この筒状部24aは、その内部が長手方向に沿って分割されている。そして、この筒状部24aは、ノズルヘッド内の後述のコイル群への電力供給等のためのフラットケーブル(図示省略)や、お尻洗浄・やわらか洗浄・ビデ洗浄の時の洗浄水給水用の流路を収納する。これら流路は、流路切換弁71(図2、図4参照)と接続されているので、この切換弁が洗浄水の給水先をお尻洗浄・やわらか洗浄・ビデ洗浄のいずれかに切り換えると、洗浄水は、その切り換えられた流路を経てノズルヘッド25に流れ込み、後述の各吐水孔から吐水される。
【0042】
ノズルヘッド25は、流れ込んだ洗浄水を局部に向けて吐水すべく、以下の構成を備える。このノズルヘッド25は、ノズルヘッドベース25aにヘッドカバー25bを装着して構成される。このヘッドカバー25bは、通常のお尻洗浄に用いるお尻吐水孔25cとお尻のやわらか洗浄に用いるやわらか吐水孔25dを有するお尻用可動体26と、ビデ洗浄に用いるビデ吐水孔25eを有するビデ用可動体27とを、カバー上面に前後に備える。なお、このヘッドカバー25bは交換可能とされている。
【0043】
ここで、上記の可動体について、お尻用可動体26を例に採り説明する。なお、ビデ用可動体27は、吐水孔をビデ洗浄用に一つ有するほかは、お尻用可動体26と同一の構成を有する。図6は、図5におけるお尻用可動体26のお尻吐水孔25c付近でノズルヘッドを断面視した概略拡大断面図、図7は、お尻用可動体26をこれを揺動させるための電磁コイルと共に表す概略斜視図である。
【0044】
これら図面に示すように、お尻用可動体26は、ヘッドカバー25bの上面に固定されるフランジ部28とその中央の円筒部29と、この円筒部をその中央において貫通しお尻吐水孔25cとやわらか吐水孔25dが離れて空けられた吐水駒30と、この吐水駒下端の磁気駆動体31とを有する。フランジ部28並びに円筒部29は、変形復元性を発揮する弾性材料から一体成形されており、その製造には、例えば、ゴムやエラストマーをはじめ、バネ特性を有する金属や軟質プラスチック等のほか、シリコンなどが用いられる。
【0045】
吐水駒30は、樹脂成型品であり、この吐水駒30のお尻吐水孔下端側は、大径でテーパ状の吐水案内孔32とされている。磁気駆動体31は、耐水性・防錆性を有する磁性材料、例えば電磁ステンレス鋼鈑のプレス成型品であり、インサート成型法等により吐水駒30と一体成型される。この磁気駆動体31の材料は、一般に、高透磁率材料である軟質磁性材料であれば良く、ケイ素鋼、フェライト、純鉄等を例示でき、無電解Niメッキ等の表面処理を施して防錆を図ると好ましい。この吐水駒は上記の円筒部の中央貫通孔に嵌合固定されることから、お尻用可動体26は上記各部材からなるサブアッシー品である。
【0046】
そして、このお尻用可動体26は、フランジ部28の周縁部にて、接着剤、溶着、ネジ止め等の適宜手法によりヘッドカバー25bに固定される。このため、お尻用可動体26は、フランジ部28で支持されて釣り下げられた状態のまま、このフランジ部28と円筒部29との繋ぎ部分の変形・復元により、図7に示すように左右に首振り揺動可能であり、このように揺動可能に保持されている。このフランジ部28並びに円筒部29は、上記のように変形復元性を有することから、可動体が左右いずれかの方向に揺動変位すると、その変位程度、詳しくは傾斜程度に応じた力(復元力)を生成してこの力を可動体に及ぼす。この場合、フランジ部28並びに円筒部29をシリコンで製造すると、このフランジ部28並びに円筒部29は、シリコンの有する高い反発弾性力を発揮する。よって、このフランジ部28並びに円筒部29は、その振動振幅の減衰を抑制しつつ上記の復元力を可動体に作用してその揺動状態を長期に亘って維持する。
【0047】
磁気駆動体31は、左右の磁気作用部31a、31bを有する。よって、各磁気作用部に磁力による吸引力がその下方から作用すれば、該当する磁気作用部が下方に移動する。このため、お尻吐水孔25cとやわらか吐水孔25dの両吐水孔は、この磁気作用部の下方移動に応じて傾斜する。そして、各磁気作用部下方には、これら磁気作用部とは非接触の状態で、即ち、磁気作用部下端との間に所定の間隙KDを確保した状態で、電磁コイル33a、33bが左右に配設されている。よって、この左右の電磁コイル33a、33bを順次通電して励磁すれば、通電状態の電磁コイルに吸引される左右の磁気作用部31a、31bが順次切り換わるので、それに応じてお尻用可動体26並びに上記両吐水孔も左右に揺動移動する。この吐水孔の左右振れ角(吐水振れ角α;図7参照)は、上記のコイル吸引力の強さを調整すること、即ち、電磁コイルの通電電圧の電圧値(即ち電流値)を調整すること、通電電圧のデューティ比を調整すること等により、変更可能である。また、上記のフランジ繋ぎ部分に変形を起こすだけの吸引力を作用させればよいので、お尻用可動体26は容易に揺動する。ビデ用可動体27でも同様である。
【0048】
上記したお尻用可動体26についての左右の電磁コイル33a、33bとビデ用可動体27についての左右の電磁コイルは、図示しないプリント配線基板にその電源ラインと共に設置されている。そして、これら電磁コイルは、基板ごとノズルヘッド25に組み込まれており、電子制御装置80により励磁制御される。
【0049】
ここで、電磁コイルの構成について詳しく説明する。図8は、お尻用可動体26についての電磁コイル33aを説明するための概略分解斜視図である。なお、この可動体の他の電磁コイル33b、およびビデ用可動体27についての両電磁コイルもこの電磁コイル33aと同一である。
【0050】
この図8に示すように、電磁コイル33aは、プレート35にH字状のコイル鉄心体36を立設して備える。コイル鉄心体36は、対向する吸着部36aとこれを連結する鉄心部36bを有し、この鉄心部36bにコイル36cを巻回して有する。この電磁コイルの製造に際しては、まず、鉄心部36bにコイル36cを巻線形成し、その後、各吸着部36aの嵌合軸部36dをプレート35の嵌合孔35aに嵌合させる。そして、カシメ等の固定手法で吸着部36aとプレート35を一体化させる。嵌合孔への軸部の嵌合で強度不足がなければ、カシメ等の固定手法を省略できる。なお、プレートを省略して、両吸着部36aと鉄心部36bおよびコイル36cで電磁コイルとすることもできる。なお、この他の鉄芯の製造方法としては、異型挽き抜き材を旋削加工等に処し、一体型構造のものとして製造することもできる。また、棒状部材の両端を曲げて端部部分を吸着部とし、曲げ端部間の部分を鉄心として、棒状部材から一体型構造で製造することもできる。
【0051】
こうして構成された電磁コイル33aは、コイル36cへの通電により励磁して、図中二点鎖線で示すように、鉄心部36b、対向する吸着部36aの上部部分および当該吸着部上方の磁気作用部31a(図6、図7参照)をループする磁束を形成する。そして、この電磁コイル33aは、コイル通電に応じた磁力に基づく吸引力を、対向する磁気作用部31aに及ぼす。つまり、電磁コイル33aが励磁されると、対向する磁気作用部内を通る磁束が形成されて磁気作用部31aには各吸着部36aに対応して逆の極、つまりN極の吸着部36aには磁気作用部31aにS極が、またS極の吸着部36aには磁気作用部31aにN極が形成されるので、作用部はそれぞれの吸着部36aに同時に吸引される。流す電流の方向を変えても、極性がNとSに逆転するだけで吸引力は、同じように作用する。しかも、この磁力による吸引力の強さは、コイルへの通電制御を通して制御可能である。本実施例では、上記の吸着部36aおよび鉄心部36bを強磁性体材料とされているので、上記の磁極形成が顕著となり、強力な磁力に基づく吸引力を磁気作用部31aに及ぼすことができる。
【0052】
次に、各可動体への洗浄水給水を図るための構成について説明する。図6に示すように、お尻吐水孔25cに対応する左右の電磁コイル間には、吐水用突出部34が形成されており、この突出部に貫通形成されたヘッド内お尻吐水孔34aにベース内お尻流路34bから洗浄水が給水される。可動体のやわらか、ビデの各吐水孔についても個別にヘッド内吐水孔が同様に形成されており、これらヘッド内吐水孔は、お尻用可動体26やビデ用可動体27のお尻吐水孔25c、やわらか吐水孔25d、ビデ吐水孔25eに空隙を空けて対向する。よって、流路切換弁71(図2参照)が洗浄水の給水先をその下流のお尻洗浄用流路、やわらか洗浄用流路、ビデ洗浄用流路のいずれかに切り換えると、洗浄水は、その切り換えられた流路を経て上記の各ヘッド内吐水孔を通過して可動体に給水され、各可動体の上記各吐水孔から吐水される。
【0053】
この場合、各可動体の吐水孔は、その下端がテーパ状とされている。このため、可動体が揺動して吐水孔が傾いても、対応するヘッド内お尻吐水孔34a等の各吐水孔から洗浄水を可動体側に給水できる。
【0054】
可動体の各吐水孔に洗浄水を給水しつつ電磁コイルの上記した順次励磁を行えば、可動体吐水孔が上記したように吐水振れ角αで揺動することから、吐水孔からの洗浄水もこの吐水振れ角αで揺動しつつお尻等の洗浄対象(被洗浄部)に吐水される。そして、この吐水振れ角αを電磁コイルの通電制御により制御することで、異なる吐水振れ角で洗浄水を吐水したり、ある振れ角での吐水を違う角度の振れ角の吐水に変更したりすることができる。吐水振れ角αを変更すべく電磁コイルの通電制御を行うには、コイルに印加する電圧や電流を電子制御装置80により可変制御すればよい。例えば、コイルON・OFFのデューティ比を可変制御するデューティ制御等を行ったり、電圧値を可変制御したりすればよい。
【0055】
次に、電磁コイルに通電して磁気作用部を吸引し、可動体を揺動させた場合の電磁コイルと可動体、詳しくは磁気作用部との関係について説明する。図9は、可動体揺動時の電磁コイル33a、33bとお尻用可動体26、詳しくは磁気作用部31a、31bとの関係を説明する説明図、図10は、お尻・ビデの各洗浄位置と揺動吐水による洗浄範囲の関係を説明するための説明図、図11は、お尻・ビデの各洗浄位置における電磁コイルと磁気作用部との関係を説明する説明図である。
【0056】
上記したコイル通電制御が行われ電磁コイル33a、33bが交互に順次励磁すると、可動体(お尻用可動体26)は、図9に示すように、励磁状態にある電磁コイル(例えば、電磁コイル33a)に磁気作用部31aが吸引されるので、電磁コイル33aの側に吐水振れ角αで傾斜する。これが次に励磁する電磁コイル33bについても起きるので、お尻用可動体26は、吐水振れ角αで揺動し、これに伴なって洗浄水は揺動吐水される。このような揺動吐水では、吐水孔以降で洗浄水が拡散するようになるので、洗浄水着水個所(即ち、被洗浄部)では、吐水振れ角が同じであっても、着水洗浄幅SHは、ノズルからの離間距離SLが大きくなるほど広くなる。また、吐水振れ角αの広狭により、吐水洗浄水の拡散の程度は定まる。このように揺動吐水を通して洗浄水の拡散を起こすことから、揺動吐水のための可動体やこれを支持するフランジ等の他、上記の電磁コイルおよびこれを励磁制御する電子制御装置80は、本発明にいう「吐水手段」として機能する。しかも、電子制御装置80は、コイル励磁を通して上記の吐水振れ角を後述のように離間距離SLに応じて調整することから、本発明にいう「拡散制御手段」としても機能する。
【0057】
本実施例の局部洗浄装置では、お尻・ビデの洗浄位置は便器前後方向で異なり、図10に示すように、洗浄ノズル24のノズルヘッド25が斜め下方に傾斜して進退するので、各洗浄位置で上記の離間距離SLは相違する。本実施例では、お尻ではSL=約50mm、ビデでは約100mmである。この異なる洗浄対象個所に上記の揺動吐水を行う場合、図11に示すように、離間距離SLが異なるお尻・ビデの各洗浄においてお尻洗浄の着水洗浄幅SHaをビデ洗浄の着水洗浄幅SHvより狭くした。そして、離間距離SLa(=50mm)、SLv(=100mm)を考慮して各洗浄ごとの着水洗浄幅SHa、SHvが得られるよう、お尻洗浄の吐水振れ角αaとビデ洗浄の吐水振れ角αvが予め規定されている。
【0058】
これら吐水振れ角αa、αvは、それぞれの上記離間距離(50mm、100mm)と合わせて、バックアップRAMに記憶されている。つまり、後述のお尻洗浄ボタンが操作されれば、洗浄ノズル24は、本体内の待機位置HPから所定距離だけ前進して停止してノズルヘッド25をお尻洗浄位置AWPに置く。そして、洗浄ノズル24は、この位置を基準位置として、上記の吐水振れ角αa(基準振れ角)でお尻用可動体26を繰り返し揺動させながら、洗浄水をそのお尻吐水孔25cから吐水させる。これにより、被洗浄部であるお尻では、規定の着水洗浄幅SHaを持った洗浄が行われる。ビデ洗浄についても同様である。
【0059】
なお、お尻洗浄とビデ洗浄とで上記の吐水振れ角αを同じとしても、離間距離SLの長短により、お尻洗浄の着水洗浄幅SHaをビデ洗浄の着水洗浄幅SHvより狭くできる。また、離間距離SLが異なるお尻・ビデの各洗浄において着水洗浄幅SHを同じとすることもできる。この場合は、お尻洗浄の吐水振れ角αaをビデ洗浄の吐水振れ角αvより大きくすればよい。
【0060】
上記のように磁気作用部の吸引を起こす力(吸引力)は、電磁コイルの励磁により生じる。一般的に、磁気作用部に及ぶこの吸引力の大きさは、電磁コイル(詳しくは、吸着部36a上端)と磁気作用部が非接触である都合上、その距離の2乗に反比例し、両者の間隙KD(図6、図7参照)が狭いほど大きくなる。本実施例では、離間距離SLが約50mmのお尻洗浄において、約10mmの着水洗浄幅SHaを確保できるよう可動体を傾斜できるようにした。また、ビデ洗浄の場合は、離間距離SLvが約100mmのとき約30mmの着水洗浄幅SHvが確保できるよう可動体を傾斜できるようにした。
【0061】
本実施例では、お尻用可動体26の繰り返し揺動を起こす際の電磁コイル33a、33bの繰り返し励磁を、励磁周波数fで起こすことにし、この励磁周波数fを、以下の不感帯周波数に含まれるものとした。
【0062】
一般に、人体表皮の同一箇所に感知可能な刺激を繰り返し加えた場合、この繰り返し間隔が長く繰り返し周波数が低いと、人は、この繰り返された刺激を振動刺激としてその都度感知する。その一方、繰り返し間隔が短く繰り返し周波数が高いと、人は、この意図的に繰り返された刺激を振動刺激とは感知できず、連続的な刺激として感知する。つまり、人体表皮への繰り返し刺激に対しては、振動刺激としては感知できない不感帯周波数がある。
【0063】
ここで、局部およびその周辺の洗浄において、刺激を受ける人体表皮から見て洗浄水の流量または流速の大小を繰り返し吐水(以下、繰り返し吐水という)したと仮定すると、吐水からの刺激の大小が繰り返されることになるので、この繰り返し吐水は洗浄箇所表皮に振動刺激として現れる。これが約5Hz以上の繰り返し周波数であると、この意図的な繰り返し吐水に基づく振動に知覚が追従できなくなる。このため、意図的な繰り返し吐水であるという吐水態様(本実施例での揺動繰り返し吐水)を意識できなくなり、無用な振動による不快感が減少される。繰り返し吐水の繰り返し周波数が高まるほど、意図的な繰り返し吐水に基づく振動に対しての知覚の追従が困難となるので、この繰り返し周波数が約10Hz以上の繰り返し周波数になると、通常の知覚を有する大多数の人では意図的な繰り返し吐水に基づく振動に対して知覚がほとんど追従できなくなる。よって、意図的な繰り返し吐水であるという吐水態様の認識が困難となり、無用な振動による不快感もより減少される。
【0064】
また、約15Hz以上の繰り返し周波数では、人体表皮の平均的な部位であっても振動認識周波数を超えるので、通常の知覚を有する大多数の人において不快感が感じられなくなる。さらに、約20Hz以上の繰り返し周波数では、人体表皮の敏感な部位であっても振動認識周波数を超えるので、通常の知覚を有する大多数の人において連続的で良好な洗浄感を確実に感じることができる。その上、約30Hz以上の繰り返し周波数では、人体表皮の神経が特に集中した敏感な部位であっても、振動認識周波数を超えるので、通常の知覚を有する大多数の人においてソフトな洗浄感を得ることができる。そして、繰り返し周波数を商用周波数と一致させる(商用周波数50Hz地域では50Hz、商用周波数60Hz地域では60Hz)と、駆動が容易となるという効果も加わる。
【0065】
この不感帯周波数の観点から、本実施例では、各電磁コイル33a、33bの繰り返し励磁周波数fが約5Hz以上の範囲となるようにし、着水洗浄幅の各箇所において人体局部への刺激が連続的な刺激として感知されるようにした。つまり、図10に示す着水洗浄幅SHaにおいて、その幅領域の一端の側から他端の側に着水箇所が移動していくが、使用者は、この着水箇所の移動を知覚できず、お尻ではこの着水洗浄幅SHaに亘って一律に着水を受けてお尻洗浄が継続されているという感覚を持つ。つまり、使用者には、上記した着水洗浄幅SHaに亘って一律で連続的な洗浄水の吐水を受けているような洗浄感を与えることができる。このため、お尻・ビデの局部洗浄に対する違和感を当たえることがないと共に、洗浄の充足感を与えることができる。
なお、着水洗浄幅で着水箇所が移動していることが知覚できてもよい場合には、コイルの励磁周波数fを上記の不感帯周波数から外れるように設定して、コイル励磁を行えばよい。
【0066】
こうように離間距離に応じて拡散程度を調整するに当たり、ノズル軸方向に対して左右揺動可能な上記の可動体の組み込みのみならず、ノズル軸方向に対して左右に揺動させて洗浄水を吐水するよう、流体素子をノズルヘッド25に組み込むようにすることもできる。そして、この流体素子から吐水(拡散吐水)された洗浄水の着水洗浄幅において、着水箇所が移動していることを使用者に知覚させないようにするには、流体素子による吐水の左右揺動の周波数が既述した不感帯周波数領域となるように、流体素子への流量を調整すればよい。また、着水箇所が移動していることを使用者に知覚させてもいい場合には、流体素子による吐水の左右揺動の周波数が既述した不感帯周波数領域から外れた低周波数となるように、流体素子への流量を調整すればよい。
【0067】
次に、離間距離に応じた揺動吐水の調整について説明する。図12は、着座位置が変わったり体格が変わったりして被洗浄部(お尻洗浄部)が前後した場合の揺動吐水調整の様子を説明するための説明図である。
【0068】
図示するように、便座18に対する着座位置が前後した場合、その使用者が洗浄を所望するお尻洗浄部AHも前後する。例えば、便座の前よりに着座すると、お尻洗浄部AHは前回のお尻洗浄部AH0から今回のお尻洗浄部AH1に変化する。このように洗浄部が変化しても、洗浄ノズル24がノズルヘッド25を位置させるお尻洗浄位置AWPが前回のお尻洗浄位置AWP0のままであると、所望するお尻洗浄部AH1には洗浄水(揺動吐水洗浄水)は着水しない。よって、この場合は、使用者は、遠隔操作装置14のノズル位置前後調整ボタン14fを前進操作して、ノズルヘッド25を前方のお尻洗浄位置AWP1に前進させる。この位置で揺動吐水を行えば、所望するお尻洗浄部AH1に洗浄水(揺動吐水洗浄水)を着水できる。
【0069】
このような場合、本実施例では、ノズルヘッド25がお尻洗浄位置AWP0からその前方のお尻洗浄位置AWP1に変わったことで起きる離間距離変化、離間距離SL0から離間距離SL1の変化に応じて、吐水振れ角αaを調整することとした。即ち、電子制御装置80は、ノズルヘッド25が基準となるお尻洗浄位置AWP0にある時の吐水振れ角αaを、離間距離SL0とSL1との差分に応じて狭小調整し、この狭小調整した吐水振れ角αa1でお尻洗浄位置AWP1において吐水孔を繰り返し揺動させる。ノズルヘッド25が基準となるお尻洗浄位置AWP0にある時の吐水振れ角αaは電子制御装置80で規定されており、吐水振れ角は既述したように吐水の拡散程度を定めるので、この電子制御装置80は、本発明にいう「拡散規定手段」としても機能する。
【0070】
これにより、お尻洗浄部AHが図示するAH0からAH1に前方に移動した場合であっても、この新たなお尻洗浄部AH1において、前回と同じ着水面積幅SHaのままお尻を洗浄できる。また、設定水勢が同じであれば、着水面積同一であることから、このお尻洗浄部に着水して飛び跳ねる洗浄水の跳ね程度も大きく変化させることはなく、不用意な範囲まで吐水洗浄水で濡らすことがない。よって、洗浄時の違和感や不快感を与えることがなく、好ましい。なお、使用者の好みによりノズル位置が前後調整された場合であっても、上記したような離間距離変化に応じた吐水振れ角調整を通して着水状況を維持でき、違和感や不快感を与えないようにできる。
【0071】
上記したように吐水振れ角の調整、即ち洗浄水の拡散調整を図るには、ノズル位置の差分に基づき吐水振れ角演算を行うほか、種々の手法を採ることができる。
即ち、洗浄ノズル24(詳しくはノズルヘッド25)の洗浄位置と吐水振れ角とを、採り得る洗浄位置ごとに対応させたマップ状のデータとしてバックアップRAMに記憶しておき、使用者がノズル位置を変更するごとにマップデータから吐水振れ角を読み出すようにすることもできる。
【0072】
この場合、面積設定ボタン14gの操作により洗浄面積が広狭設定されれば、例えば図12に示すように洗浄面積(着水洗浄幅)がSHaからSHaLに広くされれば、その設定された洗浄面積(着水洗浄幅SHaL)に応じた吐水振れ角に拡大調整する。そして、ノズル位置が変更されれば、その調整後の吐水振れ角を、ノズル位置の差分に応じて既述したように広狭調整するようにすることもできる。
こうすれば、設定変更された洗浄面積(着水洗浄幅SHaL)のままでの洗浄を継続実施できるので、洗浄面積の相違による洗浄感の多様化を図ることができると共に、汎用性が高まる。
このように面積設定ボタン14gは、ノズルヘッド25が基準となるお尻洗浄位置AWP0にある時の吐水振れ角αa(拡散程度)を、その操作により広狭設定するので、本発明にいう「変更手段」として機能する。
【0073】
なお、設定変更後の洗浄面積(着水洗浄幅SHa)に対応した吐水振れ角をバックアップRAM44に記憶し、次回の洗浄時には、この記憶済みの吐水振れ角を用いて前回設定済みの着水洗浄幅SHaでの局部洗浄を行うようにすることもできる。しかも、この洗浄面積(着水洗浄幅SHa)と吐水振れ角の対応を使用者ごとに個別に記憶し、各使用者が使用する都度に、記憶済みの吐水振れ角を用いて前回設定済みの着水洗浄幅SHaでの局部洗浄を行うようにすることもできる。或いは、設定変更後のものは洗浄終了の都度破棄し、新たな洗浄の際には、基準として記憶しておいた吐水振れ角を用いるようにすることもできる。なお、洗浄面積(着水洗浄幅SHa)と吐水振れ角の対応を使用者ごとに記憶するに当たっては、パーソナルキーを使用者ごとに設けて当該キー操作で記憶すればよい。また、洗浄開始時にこのパーソナルキーが押されれば、記憶済みの吐水振れ角を用いて局部洗浄を行えばよい。
【0074】
また、本実施例では、水勢設定ボタン14eにより吐水洗浄水(揺動吐水洗浄水)の水勢を強弱設定することができる。よって、設定水勢に応じて、次のように吐水振れ角を調整するようにすることもできる。図13は、水勢設定がなされた場合の吐水振れ角(着水洗浄幅)の調整の様子を説明するための説明図である。なお、以下の説明に際しては、ノズル位置は同じとする。
【0075】
設定水勢として常用される水勢レベル3の時、着水洗浄幅SHをSHa3とする。この時、お尻洗浄部では、水勢レベルに応じた着水洗浄水の跳ね返りが起き、着水洗浄幅SHa3の周囲を領域SMa3に亘って濡らす。
水勢がレベル4、5に高まれば、着水洗浄水の跳ね返りは増し、レベルが下がれば跳ね返りは少なくなる。よって、図示するように、設定水勢の高低変化に応じて着水洗浄幅SHを広狭変更し、つまり、吐水振れ角αaを図中に示すように広狭調整し、各水勢レベルでこの着水洗浄幅をもたらすよう吐水振れ角を調整する。
【0076】
ところで、本実施例では、この吐水振れ角調整は電磁コイルの励磁制御にのみ依存し、設定水勢とは無関係に或いは設定水勢とは独立に実行できる。このため、上記のように各水勢レベルごとの吐水振れ角調整が可能となる。
従って、上記のような水勢に応じた吐水振れ角調整により、水勢が増大設定されても、着水洗浄幅SHを狭くすることで洗浄水の跳ね返りによる周囲の濡れ領域を不用意に広くしないようにできる。よって、洗浄部周囲の濡れに起因する不快感を抑制できる。
また、本実施例では、上記のように拡散程度の広狭調整に当たり、ノズル自体の揺動駆動を要しない。よって、ノズルの揺動駆動のためのモータや支持機構が不要となるので、ノズル装置、延いては装置全体の小型化が可能である。更に、ノズルヘッド内の可動体26、27を駆動すれば足り、この可動体は小型且つ軽量であることから、その駆動を伴う洗浄時において静寂性を確保できる。加えて、駆動対象が小さくて軽量であることから、駆動物重量(質量)を考慮したモータ制御も不要となり、制御の簡略化も実現できる。
【0077】
なお、設定水勢が一定のままでも、洗浄水の給水源(例えば水道管)の給水状態の変動により、吐水孔に給水される給水量が変化したり、水路系の流量調整弁により流量自体が水勢とは別に変更される場合がある。こういった場合でも、給水量や流量の変動を適宜なセンサ(例えば、洗浄水量センサSS14)で検出し、その検出結果に応じて吐水振れ角を広狭調整するようにすることもできる。この場合でも、給水量や流量の増大変動が起きた場合に吐水振れ角を狭小調整すれば、飛び跳ねによる濡れに基づく不快感を抑制できる。
【0078】
本実施例では、お尻洗浄を行うに当たり、お尻吐水孔25cを用いた通常のお尻洗浄と、やわらか吐水孔25dを用いたソフトなお尻洗浄を行うようにした。
つまり、同じお尻洗浄部であっても、図5に示すように、異なる位置に設けた吐水孔を使い分けている。このため、お尻吐水孔25cを用いた場合とやわらか吐水孔25dを用いた場合では、次のようにしている。
【0079】
やわらか吐水孔25dはお尻吐水孔25cより前方にあるので、やわらか洗浄ボタン14cが操作された場合は、やわらか吐水孔25dとお尻吐水孔25cの距離だけ控えて洗浄ノズル24をお尻洗浄位置AWPに向けて前進させる。こうすれば、やわらか洗浄時のやわらか吐水孔25dの孔位置と通常洗浄時のお尻吐水孔25cを同じ位置に位置させることができる。よって、両洗浄時にあっても同じ吐水振れ角とすればよく、やわらか・通常の各洗浄時で上記のように洗浄部のずれが起きた場合には、既述したようにそれぞれ吐水振れ角を広狭調整する。
【0080】
なお、可動体26を用いたお尻洗浄について説明したが、上記の吐水振れ角調整は、ビデ吐水孔25eを有する可動体27を用いたビデ洗浄についても適用できる。
【0081】
次に、ムーブ洗浄について説明する。図14は、ムーブ洗浄時におけるノズル位置と吐水振れ角(着水洗浄幅)の調整の様子を説明するための説明図である。
図示するように、ムーブ洗浄では、洗浄水の着水箇所はノズル前後動範囲(ムーブ洗浄範囲MH)において推移し、その着水箇所たるお尻洗浄部AHもムーブ中央位置AWPMに対応するお尻洗浄部AHMからムーブ前端位置AWPFに対応するお尻洗浄部AHF、ムーブ後端位置AWPBに対応するお尻洗浄部AHBと推移する。そして、このムーブ洗浄範囲MHはお尻に倣って湾曲しているのに対し、洗浄ノズル24は傾斜状に直線軌跡に沿って上記各位置に亘り往復動する。このため、上記のムーブ洗浄範囲MHにおけるお尻洗浄部までの離間距離SLは、ノズル位置に応じて長短変化する。より詳しくは、ムーブ後端位置AWPBの側ほど離間距離SLBは短く、これより前方のムーブ中央位置AWPM、ムーブ前端位置AWPFに行くほど離間距離SLM、SLFは長くなる。
【0082】
この場合、洗浄ノズル24の移動軌跡は局部洗浄装置の設計寸法から算出でき、ノズル往復動によるムーブ洗浄範囲長並びに各ノズル位置での離間距離SLは、人体の統計学的な体型解析から予め算出できる。また、ノズル往復動のノズル移動速度は一定とされているので、経過時間ごとのノズル位置は算出できる。よって、以下のようにして、ムーブ洗浄を行う。
【0083】
まず、ムーブ中央位置AWPMにおける着水洗浄幅SHaを定め、これに対応する吐水振れ角αaMを規定し、このムーブ中央位置AWPMからムーブ洗浄を開始するとする。こうすれば、ムーブ洗浄開始後からの経過時間ごとに、ノズル位置が演算でき、このノズル位置における離間距離SLも演算できる。しかも、経過時間ごとの離間距離SLに応じて吐水振れ角を演算する。この場合、経過時間ことの離間距離差分を演算し、これに応じて吐水振れ角を補正演算してもよい。そして、洗浄ノズル24を往復動させながら、演算吐水振れ角で吐水孔を繰り返し揺動させつつ吐水する。つまり、洗浄ノズル24が前進するほど離間距離が長くなるので吐水振れ角αaMを狭小調整し(αaM→αaF(<αaM))、後退時にはその逆に吐水振れ角αaMを広角調整する(αaM→αaB(<αaM))。
【0084】
この場合、ムーブ洗浄実行時における洗浄ノズル24の移動状況は、その移動軌跡が予め定まった直線軌跡であること、基準となるノズル位置(ムーブ中央位置AWPM)、使用目的、使用者の指示等によって、電子制御装置80においてその都度把握可能であり、各ノズル位置での離間距離SLは、人体の統計学的な体型解析から予め算出できる。よって、以下のようにして、ムーブ洗浄を行うようにすることもできる。
【0085】
まず、ムーブ中央位置AWPMにおける着水洗浄幅SHaを定め、これに対応する吐水振れ角αaMを規定する。そして、ムーブ洗浄実行時のノズル位置毎の離間距離SLを演算し、その離間距離SLに応じて吐水振れ角を演算する。吐水振れ角を演算するためのノズル位置は、ノズルの移動速度、ムーブ開始位置(例えば、ムーブ中央位置AWPM)、ムーブモータ移動反転動作等から算出することも可能であり、ステッピングモーターを用いた場合には、指示されたパルス数によっても算出することができる。こうした演算を行いつつ、洗浄ノズル24を往復動させながら、設定された軌跡(ノズル位置)に応じた演算吐水振れ角で吐水孔を繰り返し揺動させつつ吐水する。つまり、洗浄ノズル24が前進するほど離間距離が長くなるので吐水振れ角αaMを狭小調整し(αaM→αaF(<αaM))、後退時にはその逆に吐水振れ角αaMを広角調整する(αaM→αaB(<αaM))。この場合、使用目的によって洗浄位置ごとに着水洗浄幅を変更し、離間距離差分を演算し、これに応じて吐水振れ角を補正演算してもよい。
【0086】
こうすれば、図示するように、ムーブ洗浄範囲MHにおいてほぼ同じ着水洗浄幅SHaとしたまま、ムーブ洗浄を実行でき、ムーブ洗浄範囲のある洗浄箇所では着水洗浄幅SHaが広く、他の洗浄箇所では着水洗浄幅SHaが狭くなると云った事態を起こさないようにできる。具体的には、着水洗浄幅SHaを、ムーブ前端位置AWPFの側で着水洗浄幅SHaFのように広く、ムーブ後端位置AWPBの側で着水洗浄幅SHaBのように狭くしたりしない。よって、この着水洗浄幅SHaに基づく洗浄感を上記のムーブ洗浄範囲MHに亘って確保でき好ましい。
【0087】
こうしたムーブ洗浄の過程において、面積設定ボタン14gにより洗浄面積(着水洗浄幅SHa)が広狭設定されれば、次のようにする。つまり、当該ボタンで設定された着水洗浄幅SHaと設定前の着水洗浄幅SHaとを比較し、その差に応じて各ノズル位置での吐水振れ角を改めて調整すればよい。或いは、各ノズル位置での離間距離に応じた吐水振れ角を再演算するようにすることもできる。なお、洗浄面積の設定変更がなされた場合の吐水振れ角については、既述したように記憶して次回のムーブ洗浄に用いたり、これを破棄して基準となる吐水振れ角に基づく洗浄面積(着水洗浄幅SHa)での洗浄を繰り返してもよい。
【0088】
この図14で説明したようなムーブ洗浄において、その洗浄対象がビデ洗浄であれば、図10に示したように、お尻洗浄時の着水洗浄幅SHaより広い着水洗浄幅SHvとし、この着水洗浄幅SHvに対応する吐水振れ角αvMを採用する。そして、ビデのムーブ洗浄では、ムーブ中央位置AWPMではこの吐水振れ角αvMとし、ムーブ前端位置AWPFの側ではこの吐水振れ角αvMより狭い吐水振れ角αvFとし、ムーブ後端位置AWPBでは吐水振れ角αvMより広い吐水振れ角αvBのように、ノズル往復動に合わせて振れ角調整(拡張調整)を行うようにすることもできる。
【0089】
こうすれば、ムーブ洗浄範囲に亘って広い着水洗浄幅SHvのままビデ洗浄を行うことができる。このため、生理等により汚れ範囲が広い場合でも、汚れの洗い残しを少なくでき、洗浄感の向上、清潔感の向上等を図ることができ好ましい。この場合、ビデのムーブ洗浄においては、上記のような吐水振れ角調整に加え、水勢の自動増大変更・流量の自動増大変更を併用するようにすることもできる。こうすれば、着水水量の増加により汚れの洗浄力を高めることができるので、上記した洗い残しをより少なくでき好ましい。
【0090】
ところで、吐水孔への洗浄水給水を、流速が上下に繰り返し変動する脈動流の状態で行うようにすると、先に吐水孔から吐水された洗浄水は、飛散中に後から吐水されてその流速の早い洗浄水に追い着かれるので、洗浄水の合一現象を起こす。この合一現象は、特開2000−220194号公報に示されているように、合一程度により着水部(被洗浄部、例えばお尻)への着水水量の変化をもたらし、脈動周波数の調整(詳しくは、脈動を生じさせる機器のデューティ比制御)により、合一現象の発現調整、延いては水勢調整も可能である。よって、脈動流での洗浄水給水を行うノズル装置を、上記した各実施例と同様に離間距離に応じて拡散程度を調整するものに組み込めば、次のような利点がある。
【0091】
即ち、お尻洗浄等の場合における水勢調整については、脈動流生成機器のデューティ比制御を行うことでこの水勢調整を図り、その上で、離間距離に応じた吐水振れ幅の狭小制御により着水洗浄幅を狭くする。こうすれば、水勢調整(例えば、水勢増大制御)と着水洗浄幅の狭小調整との並行実施により、洗浄水着水による被洗浄部(お尻)の濡れ面積をほぼ一定としたまま、着水洗浄水による刺激感を大きくするようなこともでき、好ましい。
【0092】
また、ビデのムーブ洗浄において、次のようにすることもできる。
ムーブ前端位置AWPFの側は、両股の付け根にも近くなる。よって、このムーブ前端位置AWPFの側でも広いままの着水洗浄幅SHvであると、その周囲における着水洗浄水の飛び跳ねにより、股の内側まで濡らしてしまう虞がある。よって、ムーブ前端位置AWPFの側では、ムーブ中央位置AWPMにおける吐水振れ角αvMに基づく着水洗浄幅SHvよりやや狭い着水洗浄幅SHとなるような吐水振れ角とする。こうすれば、股内側を濡らしてしまうようなことを抑制でき、不快感を抑えることができる。この場合、こうした振れ角調整に加え、水勢や流量がムーブ前端位置AWPFの側でやや少なくなるよう自動的に減少変更するようにすれば、着水水量の減少により飛び跳ねをより抑制できるので、一層好ましい。
【0093】
本実施例では、既述したように着座位置ずれ等により被洗浄部までの離間距離が変わると、その離間距離に応じて拡散程度(吐水振れ角)を調整するのであるが、使用者の局部洗浄に対する好みは多岐に亘るため、次のようにすることもできる。
例えば、上記したようにムーブ洗浄時のムーブ位置に応じた着水洗浄幅とするよう吐水振れ角を調整する他、痔疾患のために局部(お尻)をやや広い範囲で洗いたいという要望に添うために、吐水振れ角を広角調整することもできる。また、洗浄水を肛門内まで導いて便意を促進させる浣腸効果を得たいという要望に添うために、吐水振れ角を狭小調整することもできる。或いは、生理や下痢のために局部周囲を広い範囲で洗いたいという要望に添うために、吐水振れ角を広角調整することもできる。つまり、所望される洗浄形態の目的に合うよう洗浄範囲(吐水振れ角)を調整するようにし、この際にも離間距離を考慮に入れるようにする。具体例をもって説明すると、次のようになる。
【0094】
離間距離を考慮に入れないとすれば、浣腸効果を得るためには、ただ単に吐水振れ角を通常洗浄時のものから狭小調整して、着水洗浄幅を狭くすれば済む。しかし、着座位置のずれが起きると、通常洗浄時においてそのままの吐水振れ角では、既述したように着水洗浄幅が相違して違和感等を与えるので、着座位置ずれした状態において浣腸効果を得るために吐水振れ角を狭小調整しても、やはり、意図した狭さの着水洗浄幅とはならない。
しかしながら、通常の洗浄時において離間距離を考慮して吐水振れ角を調整し、その調整後の吐水振れ角を、浣腸効果を得たい場合に狭小調整すれば、意図した狭さの着水洗浄幅の洗浄水着水を得られ、適切な浣腸効果を得ることができる。つまり、種々の洗浄目的や意図等に適った着水洗浄幅を実現するため、離間距離を考慮したうえで吐水振れ角を広狭制御するようにすることもできる。なお、これら目的や意図に適うようにする場合には、浣腸ボタン、痔洗浄ボタン、生理・下痢ボタン等と云った目的や意図を反映したボタンを設け、これらボタンが操作された場合に、離間距離とこれら洗浄目的等に応じて吐水振れ角を広狭制御すればよい。
【0095】
本実施例では、お尻用とビデ用で異なる可動体を用いたが、お尻洗浄とビデ洗浄で可動体を共通とするよう変形できる。図15は、変形例の洗浄ノズル先端のノズルヘッド125の拡大概略斜視図である。図示するように、この変形例では、共通可動体26aにお尻吐水孔25cとビデ吐水孔25eを有する。つまり、先に説明したやわらか吐水孔をビデ吐水孔としたものである。
【0096】
この変形例では、お尻洗浄・ビデ洗浄を共通の可動体揺動で行い、この揺動のために、左右の電磁コイルを洗浄ノズルのノズルヘッド125に組み込めばよい。これにより、組み込み部品数の低減により、洗浄ノズルの小型化を図ることもできる。
【0097】
次に、他の実施例について説明する。この場合、以下の実施例は、上記の第1実施例と同様に吐水孔以降で洗浄水が拡散するよう洗浄水吐水を行うものの、この洗浄水拡散を起こす構成において第1実施例と相違する。
【0098】
図16は、第2実施例の局部洗浄装置300の概略構成を表すブロック図、図17は、この局部洗浄装置300が有する洗浄ノズルのノズルヘッド170を説明するため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【0099】
図16に示すように、第2実施例の局部洗浄装置300は、外部の給水源側から、給水ユニット302と熱交換ユニット304と流調弁306とを備える。そして、この流調弁306で流量調整された洗浄水を洗浄ノズル308に送り込み、当該ノズルから洗浄水を後述のように吐水する。この洗浄ノズル308は、ノズル駆動モータ310により、装置本体内の待機位置HPからお尻又はビデの各洗浄位置(AWP、VWP;図10参照)まで進退するよう構成されている。局部洗浄装置300は、電子制御装置312を備え、図示しない洗浄ボタン等の操作に応じて、この電子制御装置312により、ノズル進退駆動、洗浄水給水並びに止水、洗浄水の温水化、流調弁制御等を行う。
【0100】
給水源(水道管)から送られた洗浄水(水道水)は、給水ユニット302に導かれ、このユニットの有するストレーナでのごみ等の捕捉を経て、下流の熱交換ユニット304に至る。なお、給水ユニット302は、その管路に図示しない逆止弁、調圧のための調圧弁並びに管路開閉のための電磁弁を備える。よって、電磁弁による回路開放時を受けて、洗浄水は、調圧弁により所定圧力(1次圧:約0.098MPa{約1.0kgf/cm2 })に調圧された状態で、瞬間加熱方式の熱交換ユニット304に流入する。なお、給水ユニット302から熱交換ユニット304に至る間の管路には、リリーフ弁(図示省略)が配設されており、不用意な管路内圧力の上昇回避が図られている。
【0101】
熱交換ユニット304は、内蔵ヒータへの通電を介して通過洗浄水を瞬間的に温水化するよう構成されている。なお、内蔵ヒータまたはその近傍に、その異常加熱を機械的に遮断する図示しないバイメタルスイッチや温度ヒューズが装着されている。
【0102】
この場合、熱交換ユニット304は、流入・流出洗浄水の温度を図示しない水温センサで検出しつつ、内蔵ヒータで洗浄水を設定温度の洗浄水に温水化する。そして、このようにして温水化された洗浄水は、流調弁306により流量調整を受けた上で、洗浄ノズル308に送られる。なお、熱交換ユニット304には、空焚き防止のためのフロートスイッチや、洗浄ノズル側からの洗浄水逆流を防止するためのバキュームブレーカが設置されている。なお、この熱交換ユニット304を、温水化した洗浄水を貯留するタンク式とすることもできる。
【0103】
次に、洗浄ノズル308について説明する。図17に示すように、洗浄ノズル308は、流調弁306からの洗浄水が通過するヘッド流路134をノズルヘッド170部分にまで有する。このノズルヘッド170は、吐水孔131の直下に、当該吐水孔と小径連通路163を介して連通する洗浄水渦室171を有する。なお、小径連通路163を設けることなく、吐水孔131と洗浄水渦室171を直接連通するようにすることもできる。また、小径連通路163を吐水孔131とする、即ち、吐水孔131を略同一の円筒形状とすることもできる。
【0104】
洗浄水渦室171は、底部ほど大径とされ小径連通路163の側に行くほど傾斜した内周壁を有する中空室とされている。そして、この洗浄水渦室171には、ヘッド流路134が図示するように偏心して接続されている。よって、この洗浄水渦室171の内部にヘッド流路134から流入した洗浄水は、図中矢印SYで示すように上記の大径部内周壁および傾斜内周壁に沿って旋回する。そして、このようにして洗浄水渦室171にて旋回した洗浄水は、小径連通路163を通過し吐水孔131から吐水される。
【0105】
このようにして吐水された洗浄水は、この洗浄水自体が有する旋回力の影響を受け、図中に模式的に示すように螺旋状(コーン状)に旋回しつつ拡散した旋回吐水形態を採る。つまり、こうした洗浄水の旋回吐水形態は、中空の図示するコーン形状KSが吐水洗浄水で形成されているものとなる。
【0106】
本実施例では、洗浄水渦室171で洗浄水に旋回力を付与し、螺旋状(コーン状)の旋回吐水形態で洗浄水を吐水して、洗浄範囲の拡大並びに吐水洗浄水の拡散を図っている。そして、この洗浄範囲の拡大・洗浄水拡散に際し、吐水孔131は勿論のことこの吐水孔131を有する洗浄ノズル308の移動を要しない。
【0107】
上記の洗浄水の旋回力は洗浄水渦室171への洗浄水の流入速度(洗浄水速度)で定まり、この流入速度は洗浄水渦室171における洗浄水の旋回程度を規定する。よって、洗浄水渦室171への洗浄水流入速度(洗浄水速度)を調整することで、本実施例では流調弁306により流量調整を行うことで、螺旋状の旋回吐水形態での螺旋の広がり程度、即ち吐水洗浄水の拡散程度を種々調整できる。しかも、ヘッド流路134から洗浄水渦室171に偏心させて洗浄水を流入させるだけで、上記したように旋回吐水形態を採ることができ、この際に、モータ等の特別な電気機器を要しない。よって、省エネルギー化に有益であると共に、ノズル装置、延いては装置全体の小型化やコスト低減を図ることもできる。
【0108】
本実施例によれば、被洗浄部(お尻・ビデ)における着水形状を略円形とでき、洗浄水の拡散程度は洗浄面積を左右することから、その際の洗浄面積を、上記した流量調整により種々調整できる。よって、第1実施例と同様に、この第2実施例にあっても、吐水孔と被洗浄部の離間距離に応じて拡散程度(洗浄水の旋回程度)を調整することができる。そして、こうすることで、第1実施例とほぼ同様に、お尻洗浄部AHが着座の度にずれたり等しても、新たなお尻洗浄部AH1において、前回と同じ洗浄面積のままお尻を洗浄できる等の効果を奏することができる。また、ムーブ洗浄時における離間距離変化に応じた洗浄水の旋回程度の調整も可能であることから、この点についても第1実施例と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施例では、上記したように着水形状を略円形とするので、第1実施例において説明した図9ないし図14の着水洗浄幅SHaは、略円形の着水面となる。
以上説明したように、第2実施例にあっては、洗浄水渦室171にヘッド流路134により洗浄水を偏心流入させることで拡散吐水を実現することから、この洗浄水渦室171とヘッド流路134は、本発明にいう「吐水手段」として機能する。そして、偏心流入させる洗浄水の流量調整を離間距離に応じて行うことで離間距離に応じた吐水の拡散程度を調整することから、流調弁306とこれを制御する制御装置は、本発明にいう「拡散制御手段」として機能する。
【0109】
次に、旋回吐水される洗浄水に空気混入を図る実施例(第3実施例)について説明する。図18は、この第3実施例のノズルヘッド170Aを説明するため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【0110】
図18に示すように、この第3実施例のノズルヘッド170Aは、上記のノズルヘッド170と同様、ヘッド流路134が偏心して接続された洗浄水渦室171を備える。このノズルヘッド170Aは、小径連通路163を洗浄水渦室171と吐水孔131を繋ぐオリフィス163Aとして備え、その上流に外気巻き込み室162とこれに連通する外気導入通路164を備える。つまり、ノズルヘッド170Aは、外気巻き込み室162を挟んでオリフィス163Aと吐水孔131とを対向配置させ、外気導入通路164から外気巻き込み室162に外気導入するよう構成する。これにより、このノズルヘッド170Aでは、オリフィス163Aの通過洗浄水が駆動流体となり、外気導入通路164からの空気が被駆動流体となる。このため、ノズルヘッド170Aは、吐水孔131をスロートとするいわゆるジェットポンプを構成することになる。なお、洗浄水渦室171の形状等は、ノズルヘッド170で説明した通りである。
【0111】
このノズルヘッド170Aであっても、洗浄水渦室171にヘッド流路134から偏心して流入した洗浄水は、図中矢印SYで示すように上記の傾斜した内周壁に沿って旋回する。そして、このように旋回した洗浄水は、オリフィス163Aを通過し外気巻き込み室162を経てスロート(吐水孔131)から吐水する際に多量の空気を巻き込んだ状態で吐水される。
【0112】
このようにして吐水された洗浄水は、ノズルヘッド170の場合と同様に、旋回力の影響を受けて螺旋状に拡散した旋回吐水形態を採る。そして、この旋回吐水形態を採る洗浄水は、図示するように空気を自然吸気により混入した状態で吐水される。既述したように、洗浄水速度は、洗浄水の旋回程度を規定し、空気混入程度をも規定する。よって、洗浄水渦室171への洗浄水流入速度(洗浄水速度)を調整することで、離間距離に応じた拡散程度の調整のみならず空気混入程度をも種々調整できる。このため、第3実施例によれば、離間距離に応じた拡散程度の調整を経た吐水や多様な空気混入量の吐水が可能であり、より心地よい洗浄感・柔らか感等を付与することができる。
なお、この第3実施例では、上記した第2実施例と同様、洗浄水渦室171とヘッド流路134が本発明にいう「吐水手段」として機能し、流調弁306とこれを制御する制御装置が本発明にいう「拡散制御手段」として機能する。
【0113】
なお、このノズルヘッド170Aに、空気ポンプ等を用いて強制的に空気を混入するようにすることもできる。例えば、オリフィス163Aを、多孔質の筒状体で構成し、この筒状体オリフィスにその外側から内部通路に強制的に空気を混入する。こうすれば、空気混入量が増大するので、より一層の柔らか感をもたらすことができる。
【0114】
また、強制的な空気混入を図る空気ポンプを次のように利用することもできる。まず、多孔質の筒状体をヘッド流路134の一部流路、好ましくは洗浄水渦室171近傍の一部流路として組み込み、この多孔質筒状体部分を多孔質流路部分とする。そして、この多孔質流路部分に上記したように空気ポンプ等を用いて強制的に空気を混入し、この際の空気混入量を調整する。こうすれば、空気混入調整を経て、ヘッド流路134における多孔質流路部分での水の実質流路の広狭を図り、これに伴い多孔質流路部分を通過する水の流速を可変調整できる。このように、ヘッド流路134の洗浄水流速を可変できれば、既述したように洗浄水渦室171での旋回程度、延いては吐水の拡散程度を調整できる。また、このように多孔質流路部分とすれば、ヘッド流路134を通過する洗浄水自体を空気混入済み洗浄水とできるので、外気導入通路164による外気導入は不要となる。
【0115】
次に、第4実施例について説明する。この第4実施例は、旋回を伴う洗浄水の拡散程度の調整を2系統の洗浄水供給で行う点に特徴がある。図19は、第4実施例のノズルヘッド220を説明するため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【0116】
図示するように、ノズルヘッド220は、上記のノズルヘッド170Aと同様、外気巻き込み室162、オリフィス163A、スロートとしての吐水孔221並びに外気導入通路164で構成されたジェットポンプを有し、オリフィス163Aの下方に洗浄水渦室171を有する。そして、洗浄水のノズル給水経路として、洗浄水渦室171に偏心して接続された偏心経路222と、当該渦室にその軸心を指向して接続された軸心指向経路223とを有する。また、この両経路に独立して洗浄水を給水する図示しない洗浄水給水ユニットを有する。この洗浄水給水ユニットは、軸心指向経路223のみへの洗浄水給水、軸心指向経路223と偏心経路222の両経路への洗浄水同時給水が可能であり、その給水の際には各経路ごとの流量Q1、Q2の流量調整を行うよう構成されている。なお、洗浄水給水ユニットを偏心経路222にのみ給水するようにすれば、既述したノズルヘッド170Aと同一となる。
【0117】
ここで、上記したノズルヘッド220から洗浄水を吐水した際の拡散程度の調整の様子について説明する。
【0118】
軸心指向経路223の流量Q1と偏心経路222の流量Q2とを調整しつつこれら両経路に洗浄水を同時に給水すると、拡散状態の洗浄水吐水を実現できる。
流量Q1と流量Q2をQ2>>Q1の関係で調整すると、偏心経路222から給水された流量大の洗浄水が渦室内挙動を決定するので、両経路から渦室内に流入した洗浄水は、図中矢印SYで示すように渦室内で旋回する。
よって、▲1▼この旋回により、外気巻き込み室162での空気巻き込み量は多くなる。
▲2▼洗浄水は旋回によりコーン状KSとされて拡散しつつ吐水される。そして、上記流量の関係から、拡散程度は広くなって、図19に示すように広い洗浄面積SMcの吐水とできる。
【0119】
そして、流量Q1と流量Q2を、Q2がQ1に近づくよう調整した場合は、渦室内挙動に及ぼす偏心経路222からの洗浄水の影響が小さくなる。よって、このように流量調整をした場合は、両経路から渦室内に流入した洗浄水は、図中矢印SYで示すように渦室内で旋回するものの、旋回程度が小さくなり、次のようになる。
【0120】
▲1▼この旋回程度が小さくなる分、外気巻き込み室162での空気巻き込み量は減少する。
▲2▼吐水形態はコーン状KSであるものの、旋回程度、即ち拡散程度は小さくなり、図19に示すように洗浄面積SMb、SMaのように狭くなる。
【0121】
従って、このノズルヘッド220によっても、離間距離に応じて上記の流量Q1、Q2を調整すれば、上記の実施例と同様に、離間距離に応じた拡散程度の調整に伴う効果を奏することができる。この実施例では、上記▲2▼のような拡散程度の調整のみならず、空気混入程度をも種々調整できる。
【0122】
以上説明したように、第4実施例にあっては、洗浄水渦室171とこの渦室への洗浄水流入を図る偏心経路222と軸心指向経路223により拡散吐水を実現することから、この洗浄水渦室171並びに偏心経路222と軸心指向経路223は、本発明にいう「吐水手段」として機能する。そして、各流路からの流量Q1、Q2を調整する洗浄水給水ユニット(図示略)は、両流量調整を離間距離に応じて行うことで離間距離に応じた吐水の拡散程度を調整することから、本発明にいう「拡散制御手段」として機能する。
【0123】
次に、第5実施例について説明する。この第5実施例は、吐水孔を有するノズル自体を繰り返し揺動して、吐水孔からの洗浄水を拡散させる点に特徴がある。図20は、第5実施例のノズルユニット500を示し、図20(a)はこのノズルユニット500の概略構成図、図20(b)は当該ユニットが有する洗浄ノズル502から洗浄水をその吐水方向を左右へ繰り返し揺動させつつ吐水している状態を説明する説明図、図20(c)は洗浄水を吐水方向を前後へ繰り返し揺動させつつ吐水している状態を説明する説明図である。洗浄ノズル502は、左右および前後の繰り返し揺動を組み合わせて行うことで、洗浄水を螺旋状に旋回させつつ拡散して吐水する。
【0124】
前後偏向モータ504は、洗浄ノズル支持体(図示せず)に固定され、その回転シャフト506がノズルガイド508に連結されている。また、左右偏向モータ510は、ノズルガイド508に固定され、その回転シャフト512が洗浄ノズル502に連結されている。洗浄ノズル502は、ノズルガイド508により左右方向へ回転するように支持されており、制御部514により制御される。この制御部514は、洗浄水の瞬間吐出水量調節を流量調節バルブ516の駆動制御を介して行うと共に、前後偏向モータ504と左右偏向モータ510の駆動制御を行なう。
【0125】
洗浄ノズル502は、制御部514による左右偏向モータ510の正逆回転の切り換え制御により、図20(b)に示すように、ノズル自体を左右に繰り返し揺動させ、このノズル揺動に伴って、洗浄水を左右に繰り返し揺動させながら拡散吐水する。また、洗浄ノズル502は、制御部514による前後偏向モータ504の正逆回転の切り換え制御により、図20(c)に示すように、ノズル自体を前後に繰り返し揺動させ、このノズル揺動に伴って、洗浄水を前後に繰り返し揺動させながら拡散吐水する。
【0126】
よって、洗浄ノズル502は、前後偏向モータ504と左右偏向モータ510の同期駆動により、前後揺動と左右揺動が合成された形態の洗浄水吐水を実行する。よって、このノズルユニット500によれば、洗浄水を螺旋状状に拡散させつつ吐水する。
なお、このノズルユニット500は、図示しない前後動モータによりユニットごと前後退可能とされており、洗浄ノズル502をお尻・ビデの各洗浄位置に進退させたり、前後往復動させてムーブ洗浄を実行する。
【0127】
この第5実施例では、前後偏向モータ504或いは左右偏向モータ510の正逆回転の駆動量を大小調整することで、洗浄水を螺旋状で拡散吐水する際の拡散程度を広狭調整できる。そして、こうした拡散程度の調整を、第1実施例と同様にして被洗浄部との離間距離或いはその変化に応じて実行できる。よって、この第5実施例によっても、既述した実施例と同様に、お尻洗浄部AHが着座の度にずれたり等しても(図12参照)、新たなお尻洗浄部AH1において、前回と同じ洗浄面積のままお尻を洗浄できる等の効果を奏することができる。このように、第5実施例においては、前後偏向モータ504と左右偏向モータ510並びに両モータを駆動制御する制御部514は、拡散吐水をもたらすことから本発明にいう「吐水手段」として機能する。しかも、制御部514は、離間距離に応じたモータ制御を通して吐水の拡散程度を調整することから、本発明にいう「拡散制御手段」としても機能する。
また、ムーブ洗浄時における離間距離変化に応じた洗浄水の旋回程度の調整も可能であることから、この点についても第1実施例と同様の効果を奏することができる。
なお、この実施例でも着水形状を略円形とするので、第1実施例において説明した図9ないし図14の着水洗浄幅SHaは、略円形の着水面となる。
【0128】
また、この第5実施例では、上記の各モータの正逆回転制御を流量調節バルブ516による流量調整から独立して、或いはモータ制御と流量制御を協調して実行できる。このため、第1実施例と同様に、設定水勢や流量に応じたモータ制御を通して、着水面積を種々調整したりでる(図13参照)。
【0129】
また、前後偏向モータ504と左右偏向モータ510を、その回転方向が反転する反転周波数を既述した不感帯周波数領域として、駆動制御可能である。よって、使用者には、円形の着水面の洗浄面積に亘って一律で連続的な洗浄水の吐水を受けているような洗浄感を与えることができる点でも、第1実施例と同一の効果を奏することができる。このように各モータを反転制御する場合、モータ反転時に吐水洗浄水には遠心力と加速度が加わり、その大きさは反転周波数に応じて変化する。反転周波数が大きければ、大きな遠心力と加速度が加わり、拡散程度も大きくなるが、反転角度を周波数に合わせて小さくすることにより着水洗浄幅を一定に保つこともできる。よって、こうした遠心力や加速度の変化も考慮して、モータの反転制御を行うことが好ましい。
【0130】
お尻洗浄とビデ洗浄で洗浄面積を変えるようにするには、各洗浄で、前後偏向モータ504および左右偏向モータ510の回転角度を変更すればよい。また、洗浄途中での洗浄面積設定が有った場合には、モータの回転角度を制御すればよい。
【0131】
この第5実施例において、前後偏向モータ504を省略したノズルユニット500とすることもできる。こうすれば、ノズルユニット500は、洗浄水を左右に繰り返し揺動させて拡散吐水するので、第1実施例とまったく同じ効果を奏することができる。この場合でも、上記したように遠心力や加速度の変化も考慮して、モータの反転制御を行うことが好ましい。
【0132】
次に、第6実施例について説明する。この第6実施例は、洗浄水の拡散吐水を、第1実施例と同様にしてコイル励磁により行うと共に、洗浄水を螺旋状に旋回させつつ拡散吐水する点に特徴がある。図21は、第6実施例のノズルヘッド600に組み込まれたお尻用可動体626を概略的に表した概略斜視図、図22は、この可動体を駆動するための電磁コイルの配置を説明するための説明図である。
【0133】
このお尻用可動体626は、第1実施例のお尻用可動体26と同様に構成され、4つの磁気作用部31a〜31dを等間隔に備える。そして、お尻用可動体626は、各磁気作用部が図22に示す電磁コイル33a〜33dと上下に離間して重なるようにノズルヘッド600に組み込まれ、それぞれの磁気作用部がその下方の電磁コイルに磁気的に吸引されることで、お尻用可動体26と同様、お尻吐水孔25cを傾斜させる。本実施例では、上記の磁気作用部は磁気作用部31a〜31dの順に順次吸引され、これが繰り返される。このため、ノズルヘッド600は、お尻吐水孔25cが傾斜した位置をコイルの並びに沿って移動させるので、この吐水孔の挙動は、吐水孔が傾斜したまま回転する挙動となる(以下、この挙動を揺動回転という)。よって、このお尻吐水孔25cから吐水された洗浄水は、図示するように螺旋状に回転しつつ拡散して被洗浄部(お尻洗浄部)に進み、円形形状となるように被洗浄部に着水する。
【0134】
この第6実施例では、第1実施例と比して洗浄水の拡散形態が螺旋状の拡散である点で相違するに過ぎず、コイル励磁による吸引力調整により、吐水孔の傾斜程度、即ち拡散程度を広狭調整できる。そして、こうした拡散程度の調整を、第1実施例と同様にして被洗浄部との離間距離或いはその変化に応じて実行できる。よって、この第6実施例によっても、既述した実施例と同様に、お尻洗浄部AHが着座の度にずれたり等しても、新たなお尻洗浄部AH1において、前回と同じ洗浄面積のままお尻を洗浄できる等の効果を奏することができる。このように、第6実施例においては、拡散吐水をコイル励磁により実現していることから、上記の電磁コイルとその制御装置は本発明にいう「吐水手段」として機能し、この制御装置は、第1実施例の電子制御装置80と同様、離間距離に応じた拡散程度を調整するものと言え、本発明にいう「拡散制御手段」としても機能する。
また、ムーブ洗浄時における離間距離変化に応じた洗浄水の旋回程度の調整も可能であることから、この点についても第1実施例と同様の効果を奏することができる。
なお、この実施例でも着水形状を略円形とするので、第1実施例において説明した図9ないし図14の着水洗浄幅SHaは、略円形の着水面となる。
【0135】
また、この第6実施例では、第1実施例と同様に、電磁コイルの励磁制御を水勢や流量の調整から独立して、或いは励磁制御と流量制御を協調して実行できる。このため、第1実施例と同様に、設定水勢や流量に応じたコイル励磁制御を通して、着水面積を種々調整したりできる(図13参照)。
【0136】
また、第1実施例と同様に、コイル励磁の励磁周波数を既述した不感帯周波数領域として、各電磁コイルを励磁制御可能である。よって、使用者には、円形の着水面の洗浄面積に亘って一律で連続的な洗浄水の吐水を受けているような洗浄感を与えることができる点でも、第1実施例と同一の効果を奏することができる。
【0137】
お尻洗浄とビデ洗浄で洗浄面積を変えるようにするには、各洗浄で、電磁コイルの励磁力を変更すればよい。また、洗浄途中での洗浄面積設定が有った場合には、励磁制御を通してコイルの励磁力を大小制御して、上記した吐水孔の傾斜程度を調整すればよい。
【0138】
また、この第6実施例にあっても、既述した第1実施例と同様に、拡散程度の広狭調整に当たり、ノズル自体の揺動駆動を要しない。よって、第1実施例と同様、装置の小型化や静寂性の確保、制御の簡略化を図ることができる。
【0139】
次に、この第6実施例の変形例について説明する。図23は、上記の第6実施例のノズルヘッド600を用いた変形例の洗浄動作を説明するための説明図、図24は、この変形例の洗浄動作による洗浄水吐水の様子を模式的に説明するための説明図である。
【0140】
この変形例では、各電磁コイルの順次励磁に当たって、ノズルの前後方向に位置する電磁コイル33a、33cの一方を除く残りの3つの電磁コイル、或いは、ノズルの左右方向に位置する電磁コイル33b、33dの一方を除く残りの3つの電磁コイルを順次励磁する。まず、第1の手法では、図23(a)に示すように、電磁コイル33c以外の電磁コイルを、33b→33a→33d→33a→33b→33a…の順に順次励磁する。第2の手法では、図23(b)に示すように、33a→33b→33d→33a→33b→33d…の順に順次励磁する。第3の手法では、図23(c)に示すように、33b→33c→33d→33c→33b→33c…の順に順次励磁する。第4の手法では、図23(d)に示すように、33b→33c→33d→33b→33c→33d…の順に順次励磁する。
【0141】
上記の第1の手法で励磁した場合は、図24(a)に図中矢印Haで示すように、吐水孔はノズルヘッド前方側において円弧状の軌跡で揺動回転するので、洗浄水はこの吐水孔の軌跡に倣ってノズルヘッドの前方側に向いて前向きに円弧状に吐水する。第2の手法で励磁した場合は、図24(b)に図中矢印Hbで示すように、吐水孔はノズルヘッド前方側において半円軌跡で揺動回転するので、洗浄水はこの吐水孔の軌跡に倣ってノズルヘッド前方側で吐水し、その際の洗浄面積は、半円形状となる。この両手法での洗浄水吐水は、図24(c)に示すように、ノズルヘッド前方に向けた前向きの吐水形態を採る。
【0142】
一方、第3の手法で励磁した場合は、図24(d)に図中矢印Hdで示すように、吐水孔はノズルヘッド後方側において円弧状の軌跡で揺動回転し、洗浄水はノズルヘッド後方側に向いて後ろ向きに円弧状に吐水する。第4の手法で励磁した場合は、図24(e)に図中矢印Heで示すように、吐水孔はノズルヘッド後方側において半円軌跡で揺動回転し、洗浄面積が半円形状となるよう、洗浄水はノズルヘッド後方側で吐水する。この両手法での洗浄水吐水は、図24(f)に示すように、ノズルヘッド後方に向けた後ろ向きの吐水形態を採る。
【0143】
そして、こうした軌跡で吐水された洗浄水は、吐水孔の傾斜によるものであることから、既述した第1、第6実施例と同様に、拡散して吐水される。
【0144】
また、上記各手法の励磁順序で各電磁コイルを励磁するに際して、ヘッド前方の電磁コイル33a或いはヘッド後方の電磁コイル33cのデューティ比Dtを増減制御する。こうすることで、図24に示す前向き拡散吐水の場合の吐水振れ程度αFや後ろ向き拡散吐水の吐水振れ程度αBを変更し、前向き・後向き吐水の吐水角度を変更する。
【0145】
更に、前向き・後向きの拡散吐水を行う際、この吐水の前後向きに影響しない電磁コイル、即ちノズルの左右方向に配置された両電磁コイルを、その励磁力を可変に制御することができる。こうすれば、ノズル前後方向の電磁コイル励磁で定まる前向き或いは後ろ向きの吐水角度で吐水される拡散吐水の拡散程度を、ノズル左右の両電磁コイルの励磁制御により、広狭調整できる。
【0146】
このように、前向き・後向きの拡散吐水の際に、その吐水角度を変更可能であることから、着座位置が変わったり洗浄箇所を変更したような場合には、次のようにした。図25は、ノズルヘッド600を用いた変形例のお尻洗浄時における洗浄動作を説明する説明図である。
【0147】
ノズルヘッド600が所定のお尻洗浄位置AWPまで前進し、その位置を採る場合、初期状態では、上記の4つの電磁コイルの総てを既述したように順次励磁する。これにより、この時のお尻洗浄部AHMには、図21に示したような拡散形態で洗浄水が着水する。この場合、洗浄水は、お尻洗浄部AHMに斜め後方から着水し、お尻洗浄部AHMとの離間距離はSLMである。
【0148】
今、着座位置が変わったり洗浄箇所を変更したりしてお尻洗浄部AHMが前方のお尻洗浄部AHFや後方のお尻洗浄部AHBとなったとする。例えば、お尻洗浄部AHFの場合では、図24(a)〜(c)に示すように、その時の拡散吐水を前向き吐水とする。そして、この前向き吐水の吐水角度αFがお尻洗浄部のずれ程度(位置変更程度)に応じたものとなるように、ヘッド前方の電磁コイルを励磁制御する。こうすれば、変更後のお尻洗浄部AHFに拡散洗浄水を着水できる。
このように、第6実施例の変形例にあっては、ノズル前後位置の電磁コイルの励磁に基づく前向き或いは後ろ向き吐水角度の広狭により、吐水孔からお尻・ビデの被洗浄部に向けた吐水方向を変更する。よって、ノズルヘッドにおける可動体やノズル前後位置の電磁コイルとこれを励磁制御する電子制御装置は、本発明にいう「方向変更手段」として機能する。また、ノズル左右の電磁コイルのコイル励磁に基づく吐水振れ角αの広狭により吐水洗浄水の拡散程度を調整できることから、可動体やノズル左右位置の電磁コイルとこれを励磁制御する電子制御装置は、本発明にいう「吐水手段」として機能する。しかも、電子制御装置は、コイル励磁を通して上記の吐水振れ角を、吐水方向の変更に伴う離間距離SLに応じて調整することから、本発明にいう「拡散制御手段」としても機能する。
【0149】
ところで、お尻洗浄部AHMが前方のお尻洗浄部AHFに変わると、ノズルヘッド600はお尻洗浄位置AWPに止まったままなので、図示するようにこのお尻洗浄部AHFまでの離間距離SLFはお尻洗浄部AHMの場合より長くなる。
よって、前向き吐水角度αFで左右の電磁コイルにより拡散程度を調整しつつ吐水するに当たり、この離間距離SLFに応じて拡散程度を調整する。詳しくは、離間距離SLFに応じてノズルヘッド左右の両電磁コイルを励磁制御する。
この場合、お尻洗浄部AHMが前方のお尻洗浄部AHFとした場合の離間距離SLFは、既述したように統計学的に解析した体格形状や洗浄位置の変更量の他、便器本体に対するお尻洗浄位置AWPの座標やノズルの移動軌跡等から演算できる。よって、上記のように洗浄位置変更がなされた場合は、上記演算で求めた新たな離間距離SLFに応じて、或いは、離間距離変化に応じた拡散程度に、コイル励磁制御を通して調整する。
【0150】
このような離間距離に応じた拡散程度調整(左右両コイルの励磁制御)を行わないとすると、拡散吐水を採る都合上、離間距離が長くなるほど、着水洗浄面積は広くなる。しかも、上記のように前向き吐水の場合は、お尻洗浄部AHFが前方に離れる分、その洗浄部に向けた洗浄水の着水向きがより傾斜の緩いものとなる。よって、このように着水向き傾斜が緩くなる分、図25中に記したように、お尻洗浄部AHFの洗浄面形状は、前方に延びると共にその面積も拡大するので、お尻洗浄部AHMとお尻洗浄部AHFでは、着水洗浄面形状のみならずその面積も相違し、違和感や周辺の濡れによる不快感を与えやすい。
【0151】
しかし、この変形例では、離間距離に応じた拡散程度調整(左右両コイルの励磁制御)を行うので、お尻洗浄部AHFの洗浄面形状の左右幅(図における上下幅)の調整が可能である。また、左右両コイルの励磁タイミングを前方或いは後方のコイルの励磁タイミングと調整することで、お尻洗浄部AHFの洗浄面形状の前後幅(図における左右幅)の調整も可能である。この結果、お尻洗浄部AHFの着水洗浄面形状のみならずその着水洗浄面積SHSFを、図中点線で示すようにお尻洗浄部AHMの場合のものとほぼ同等なものとできる。よって、違和感や周辺の濡れによる不快感を与えにくくなり、好ましい。後ろ向き拡散吐水の場合も同様であり、この場合は、離間距離SLBが短くなる分、既述したように拡散程度を拡張調整して、お尻洗浄部AHBの着水洗浄面形状のみならずその着水洗浄面積SHSBを、お尻洗浄部AHMの場合のものとほぼ同等なものとできる。
【0152】
次に、第7実施例について説明する。この第7実施例は、第1実施例のように電磁コイルを用いて吐水孔可動体を傾斜させ、その傾斜状態での吐水孔からの吐水を第2実施例のように洗浄水拡散を洗浄水渦室171で行う点に特徴がある。
図26は、第7実施例のノズルヘッド700を説明するため内部構造を一部破断して概略的に表した説明図である。
【0153】
図示するように、ノズルヘッド700は、お尻用可動体26をノズルヘッド前端に有するものの、この可動体を揺動させる電磁コイル33a、33bをノズル前後方向に有する。ノズルヘッド700は、この両コイルの一方を励磁することで、上記した変形例と同様に、お尻用可動体26を前向き或いは後ろ向きに傾斜させる。そして、コイルの励磁状態を維持することで、お尻用可動体26を傾斜姿勢のまま保持する。このように、お尻用可動体26を傾斜保持する際の傾斜角αKは、上記の変形例の場合と同様、洗浄部(お尻洗浄部AH)が前後にずれたり変更された場合に、そのずれ程度・変更程度に応じて決定される。なお、各電磁コイルとお尻用可動体26の配置関係については、両電磁コイルをノズル前後に配置したことの他は、第2実施例と同様である。
【0154】
ノズルヘッド700は、両電磁コイル間の吐水用突出部34に、第2実施例と同様に、吐水孔131と洗浄水渦室171とを連結して有する。この洗浄水渦室171には、偏心してヘッド流路134が接続されており、当該流路から洗浄水渦室171に洗浄水を流入させる。そして、この洗浄水流入に際しては、第2実施例と同様に、その流速を調整することで、洗浄水渦室171において洗浄水自体に旋回力を付与し、吐水孔131からは、この旋回に基づいた拡散を起こして洗浄水を吐水する。この場合、この拡散吐水洗浄水は、吐水孔131と対向するお尻用可動体26の吐水案内孔32に入り込み、お尻吐水孔25cから洗浄部に向けて吐水される。こうしてお尻吐水孔25cから吐水された洗浄水にあっても、洗浄水渦室171で付与された旋回力を維持しているので、お尻吐水孔25c以降では拡散しつつ吐水される。
【0155】
お尻用可動体26が電磁コイル33a、33bのいずれのコイルにも吸引されていない場合、或いは、両コイルに同時に吸引されている場合は、吐水孔131とお尻吐水孔25cはほぼ真っ直ぐに連続する。よって、この場合、ノズルヘッド700は、洗浄水をその吐水方向を曲げることなくまっすぐに拡散吐水する。しかし、電磁コイル33a、33bのいずれかのコイル励磁によりお尻用可動体26が前向き或いは後ろ向きに傾斜角αKで保持された場合は、洗浄水の吐水方向は可動体傾斜に倣って矯正され、矯正後の吐水方向に沿って洗浄水が拡散吐水される。この場合、洗浄水拡散は、洗浄水渦室171によるものであることから、それぞれの傾斜角αKで吐水した拡散洗浄水の着水形状は、図26に示すようにほぼ円形となる。
【0156】
この第7実施例では、既述したように、前向き・後向きの拡散吐水の際に、お尻用可動体26の傾斜角αKを変更可能である。しかも、拡散吐水の際の拡散程度も、洗浄水渦室171への流入洗浄水の流速調整により調整可能である。よって、この第7実施例にあっても、図25で説明した第6実施例の変形例のように、着座位置が変わったり洗浄箇所を変更したような場合には(図12、図14参照)、お尻洗浄部との離間距離(SL0〜SL1;図12参照,SLM、SLF、SLB;図14参照)に応じて或いは離間距離変化に応じて拡散程度を調整できる。具体的には、お尻洗浄部AHMが前方のお尻洗浄部AHFに変わって離間距離SLFが長くなれば、拡散程度が狭くなるよう流速を調整する。このため、この第7実施例によっても、第6実施例の変形例と同様の効果を奏することができる。しかも、この第7実施例では、着水形状を円形とできるので、洗浄部(お尻洗浄部AH)を円形形状範囲に亘ってほぼ同時に洗浄でき、洗浄の充足感を与えることができる。
【0157】
また、次のような利点もある。
この第7実施例では、コイル励磁をノズル前後位置の二つの電磁コイルについて行うだけでよく、拡散吐水については、コイル励磁によらず洗浄水渦室171への洗浄水の偏心流入によって起こす。よって、拡散吐水を起こすに当たってのコイル励磁制御が不要となり、その分、制御を簡略化できると共に、コイル組み込みの構成が簡便となり、コスト低減を図ることもできる。
【0158】
以上説明したように、第7実施例にあっては、第6実施例と同様、ノズル前後位置の電磁コイルの励磁に基づく前向き或いは後ろ向き吐水角度の広狭により、吐水孔からお尻・ビデの被洗浄部に向けた吐水方向を変更する。よって、ノズルヘッドにおける可動体やノズル前後位置の電磁コイルとこれを励磁制御する電子制御装置は、本発明にいう「方向変更手段」として機能する。また、この第7実施例では、上記した第2、第3実施例と同様、洗浄水渦室171とヘッド流路134が本発明にいう「吐水手段」として機能し、この流路における流量(流速)調整を行う流調機器とこれを制御する制御装置が本発明にいう「拡散制御手段」として機能する。
【0159】
次に、第8実施例について説明する。この第8実施例は、第1実施例のように電磁コイルの繰り返し揺動を介した吐水拡散と、第4実施例のように洗浄水渦室171と2経路を用いた洗浄水拡散を併用した点に特徴がある。そして、この第8実施例は、広範囲洗浄を目的としたビデ洗浄に適用すると有用である。図27は、第8実施例のノズルヘッド800を説明するためノズルヘッドをノズル左右方向から一部破断してその内部構造を概略的に表した断面図である。
【0160】
図示するように、ノズルヘッド800は、ビデ用可動体27をノズルヘッド前端に有し、第1実施例と同様、可動体揺動のための電磁コイル33a、33bをノズル左右方向に有する。そして、ノズルヘッド800は、この両コイルを第1実施例と同様にして不感帯周波数領域で繰り返し励磁する。これにより、可動体の繰り返し揺動を起こし、ノズル左右方向について吐水を拡散し、コイル励磁制御を通した左右の吐水振れ角αvの調整により、拡散程度の調整が可能である。
【0161】
また、ノズルヘッド800は、両電磁コイル間の吐水用突出部34、吐水孔131並びに洗浄水渦室171を備え、この洗浄水渦室171には、第4実施例と同様、偏心経路222と軸心指向経路223を接続させている。この両経路は、図27の紙面に交差する方向に沿うようノズル軸方向に配設されており、洗浄水渦室171に洗浄水をそれぞれ流入させる。この洗浄水流入に際しては、第4実施例と同様に、軸心指向経路223の流量Q1と偏心経路222の流量Q2とを調整しつつこれら両経路に洗浄水を同時に給水することで、洗浄水渦室171において洗浄水自体に旋回力を付与して拡散を起こし、ビデ吐水孔25eから洗浄水を拡散吐水する。
【0162】
従って、このノズルヘッド800では、左右の吐水振れ角制御に基づく拡散吐水と洗浄水渦室171への2経路からの洗浄水の流量制御に基づく拡散吐水とを併用できる。しかも、洗浄水渦室171による拡散吐水を行いつつ、この拡散吐水を左右の吐水振れ角制御を通して左右に展開(拡散)することができる。よって、ビデ吐水孔25e以降では、図27に示すように幅広の着水洗浄幅SHとでき、この幅方向の拡散程度を洗浄水渦室171への2経路からの洗浄水の流量制御に基づき引き起こし、着水洗浄幅SHの長さ方向の拡散程度を左右の吐水振れ角制御に基づき引き起こす。そして、こうした幅方向の拡散程度と長さ方向の拡散程度の両者を、或いは一方を、着座位置が変わったり洗浄箇所を変更したような場合には(図12、図14参照)、お尻洗浄部との離間距離(SL0〜SL1;図12参照,SLM、SLF、SLB;図14参照)に応じて或いは離間距離変化に応じて調整できる。具体的には、ビデ洗浄部VHM(図14のお尻洗浄部AHMに対応)が前方のビデ洗浄部VHFに変わって離間距離SLFが長くなれば、幅方向の拡散程度が狭くなるよう2経路からの洗浄水の流量Q1、Q2を調整したり、長さ方向の拡散程度が狭くなるよう吐水振れ角を調整したりする。例えば、流量Q1を増やしてその分だけ流量Q2を減らすといった流量調整により、流量Q1と流量Q2の総量を変更することなく拡散程度を調整するようにすることができる。このため、この第8実施例によっても、第1実施例もしくは第6実施例の変形例、第7実施例と同様の効果を奏することができる。しかも、この第8実施例では、拡散程度の調整を着水洗浄幅SHの幅方向と長さ方向で個別に或いは強調して制御できるので、着座洗浄幅SHに起因する洗浄感の多様化を図ることができる。
【0163】
また、この第8実施例では、コイル励磁を電磁コイルについて行うことで第7実施例と共通することから、コイル組み込みの構成の簡便化並びにコスト低減を図ることもできる。
【0164】
このように、第8実施例にあっては、着水洗浄幅SHについての長さ方向拡散をもたらす可動体やノズル左右位置の電磁コイルとこれを励磁制御する電子制御装置は、並びに、着水洗浄幅SHについての幅方向拡散をもたらす洗浄水渦室171と偏心経路222と軸心指向経路223が本発明にいう「吐水手段」として機能する。また、コイルの励磁制御を通して着水洗浄幅SHの長さ方向の拡散程度を調整する電子制御装置と、偏心経路222と軸心指向経路223における流量調整を行う流調機器とこれを制御する制御装置が本発明にいう「拡散制御手段」として機能する。
【0165】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0166】
例えば、お尻用可動体26を繰り返し揺動させたり、洗浄水渦室171を用いたり、或いは洗浄ノズル502自体を繰り返し揺動させて、吐水洗浄水に拡散現象を起こすほか、次のようにして洗浄水を拡散吐水する構成を採ることもできる。
【0167】
即ち、特開2000−220194号公報に示されているように、吐水孔への洗浄水給水を、流速が上下に繰り返し変動する脈動流の状態で行うようにする。
こうすると、既述したように洗浄水の合一現象を起こし、この合一現象は、既述した水勢調整のみならず、洗浄水の拡散をもたらし、脈動周波数の調整により、合一現象の発現調整、延いては拡散調整も可能である。よって、脈動流での洗浄水給水を行うノズル装置を、上記した各実施例と同様に離間距離に応じて拡散程度を調整するものとして適用することもできる。
【0168】
また、着座位置ずれ等が起きた場合の既述した拡散程度調整を、使用者によるズル位置前後調整ボタン14fの操作を待って行うようにしたが、次のようにすることもできる。
【0169】
お尻洗浄部AHは、その周辺の人体表皮より温度が高い。よって、便器ボール内に赤外線温度センサ等の熱センサを設けることで、便座に対するお尻洗浄部AHの位置を着座の都度に検出する。そして、ノズルを基準となるお尻洗浄位置AWPに進出させて洗浄水を吐水した場合の着水位置と、検出結果から得られた洗浄部(お尻洗浄部AH)とのずれを演算し、その結果から、上記したように離間距離を求め、この離間距離に応じて洗浄水の拡散程度を調整する。こうすれば、使用者のボタン操作を待つ必要がないので、着座後に洗浄ボタンが操作されれば、その後、速やかに上記の拡散程度調整を経た洗浄水吐水を実行できる。
この場合、反射式の超音波センサ等の距離測定センサを併用して、離間距離を直接測定し、その結果に応じて拡散程度を調整するようにすることもできる。
また、ボール内に光電変換素子を用いたCCDカメラにより局部を映像処理し、その結果から、上記のずれや離間距離を求めるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】便器に装着した状態の第1実施例の局部洗浄装置を表す概略斜視図である。
【図2】局部洗浄装置の概略構成を水路系を中心に表したブロック図である。
【図3】制御系の概略構成を表すブロック図である。
【図4】ノズル装置40を表す概略斜視図である。
【図5】洗浄ノズル先端のノズルヘッド25の拡大概略斜視図である。
【図6】図5におけるお尻用可動体26のお尻吐水孔25c付近でノズルヘッドを断面視した概略拡大断面図である。
【図7】お尻用可動体26をこれを揺動させるための電磁コイルと共に表す概略斜視図である。
【図8】お尻用可動体26についての電磁コイル33aを説明するための概略分解斜視図である。
【図9】可動体揺動時の電磁コイル33a、33bとお尻用可動体26、詳しくは磁気作用部31a、31bとの関係を説明する説明図である。
【図10】お尻・ビデの各洗浄位置と揺動吐水による洗浄範囲の関係を説明するための説明図である。
【図11】お尻・ビデの各洗浄位置における電磁コイルと磁気作用部との関係を説明する説明図である。
【図12】着座位置が変わったり体格が変わったりして被洗浄部(お尻洗浄部)が前後した場合の揺動吐水調整の様子を説明するための説明図である。
【図13】水勢設定がなされた場合の吐水振れ角(着水洗浄幅)の調整の様子を説明するための説明図である。
【図14】ムーブ洗浄時におけるノズル位置と吐水振れ角(着水洗浄幅)の調整の様子を説明するための説明図である。
【図15】変形例の洗浄ノズル先端のノズルヘッド125の拡大概略斜視図である。
【図16】第2実施例の局部洗浄装置300の概略構成を表すブロック図である。
【図17】この局部洗浄装置300が有する洗浄ノズルのノズルヘッド170を説明するため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【図18】第3実施例のノズルヘッド170Aを説明するため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【図19】第4実施例のノズルヘッド220を説明するため内部構造を透視して概略的に表した概略斜視図である。
【図20】第5実施例のノズルユニット500を示し図20(a)はこのノズルユニット500の概略構成図である。
【図21】第6実施例のノズルヘッド600に組み込まれたお尻用可動体626を概略的に表した概略斜視図である。
【図22】この可動体を駆動するための電磁コイルの配置を説明するための説明図である。
【図23】上記の第6実施例のノズルヘッド600を用いた変形例の洗浄動作を説明するための説明図である。
【図24】この変形例の洗浄動作による洗浄水吐水の様子を模式的に説明するための説明図である。
【図25】ノズルヘッド600を用いた変形例のお尻洗浄時における洗浄動作を説明する説明図である。
【図26】第7実施例のノズルヘッド700を説明するため内部構造を一部破断して概略的に表した説明図である。
【図27】第8実施例のノズルヘッド800を説明するためノズルヘッドをノズル左右方向から一部破断してその内部構造を概略的に表した断面図である。
【符号の説明】
10…局部洗浄装置
12…本体部
14…遠隔操作装置
14a…お尻洗浄ボタン
14b…停止ボタン
14c…やわらか洗浄ボタン
14d…ビデ洗浄ボタン
14e…水勢設定ボタン
14f…ノズル位置前後調整ボタン
14g…面積設定ボタン
14h…ムーブ洗浄ボタン
18…便座
20…便蓋
22…袖部
22a…表示部
22b…カバー
22c…光透過窓
24…洗浄ノズル
24a…筒状部
24b…ベルト把持体
25…ノズルヘッド
25a…ノズルヘッドベース
25b…ヘッドカバー
25c…お尻吐水孔
25d…やわらか吐水孔
25e…ビデ吐水孔
26…お尻用可動体
26a…共通可動体
27…ビデ用可動体
28…フランジ部
29…円筒部
30…吐水駒
31…磁気駆動体
31a〜31d…磁気作用部
32…吐水案内孔
33a〜33d…電磁コイル
34…吐水用突出部
34a…お尻吐水孔
34b…お尻流路
35…プレート
35a…嵌合孔
36…コイル鉄心体
36a…吸着部
36b…鉄心部
36c…コイル
36d…嵌合軸部
40…ノズル装置
41…ベース
41a…架台
41b…ノズル保持部
42…ノズル駆動モータ
43…伝達機構
43a…駆動プーリ
43b…従動プーリ
43c…タイミングベルト
43d…テンションローラ
44…案内レール部
50…入水側弁ユニット
51…上流側給水管路
52…ストレーナ
53…逆止弁
54…定流量弁
55…電磁弁
56…リリーフ弁
56a…第1洗浄水導出管路
60…熱交換ユニット
61…ヒータ
62…熱交換部
63…バキュームブレーカ
65…流調ポンプ
71…流路切換弁
300…局部洗浄装置
302…給水ユニット
304…熱交換ユニット
306…流調弁
308…洗浄ノズル
310…ノズル駆動モータ
312…電子制御装置
72…下流側給水管路
79…乾燥部
80…電子制御装置
125…ノズルヘッド
131…吐水孔
134…ヘッド流路
162…外気巻き込み室
163…小径連通路
163A…オリフィス
164…外気導入通路
170…ノズルヘッド
170A…ノズルヘッド
171…洗浄水渦室
220…ノズルヘッド
222…偏心経路
223…軸心指向経路
500…ノズルユニット
502…洗浄ノズル
504…前後偏向モータ
506…回転シャフト
508…ノズルガイド
510…左右偏向モータ
512…回転シャフト
514…制御部
516…流量調節バルブ
600…ノズルヘッド
626…お尻用可動体
700…ノズルヘッド
AWPM…ムーブ中央位置
AWPF…ムーブ前端位置
AWPB…ムーブ後端位置
BT…便器
HP…待機位置
SS14…洗浄水量センサ
SS16a…入水温センサ
SS16b…出水温センサ
SS18…フロートスイッチ
SS30…転倒検知センサ

Claims (11)

  1. 人体局部に向けて洗浄水を吐水孔から吐水して、局部洗浄を行う装置であって、
    前記吐水孔から吐水された洗浄水が拡散するように、前記吐水孔から洗浄水を吐水する吐水手段と、
    前記吐水孔と洗浄水が着水する被洗浄部との間の離間距離に応じて前記吐水手段を制御し、前記吐水孔からの吐水洗浄水の拡散程度を調整して前記被洗浄部に着水する洗浄面積を略一定にする拡散制御手段とを備えることを特徴とする局部洗浄装置。
  2. 請求項1記載の局部洗浄装置であって、
    前記吐水孔から前記被洗浄部に向けた吐水方向を変更する方向変更手段を備え、
    前記拡散制御手段は、
    前記方向変更手段による吐水方向の変更に伴う前記離間距離に応じて前記吐水手段を制御し、前記吐水洗浄水の拡散程度を調整する、局部洗浄装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の局部洗浄装置であって、
    前記拡散制御手段は、
    前記離間距離が長くなるほど前記拡散程度が抑制されるように、前記吐水手段を制御する、局部洗浄装置。
  4. 請求項3記載の局部洗浄装置であって、
    前記拡散制御手段は、
    前記離間距離の長短変化に追従して前記拡散程度が変化するように、前記吐水手段を制御する、局部洗浄装置。
  5. 請求項4記載の局部洗浄装置であって、
    前記拡散制御手段は、
    前記離間距離の長短変化が起きた場合に、前記被洗浄部に着水する洗浄面積が略一定となるように、前記長短変化に追従して前記拡散程度を変更する、局部洗浄装置。
  6. 請求項1または請求項2記載の局部洗浄装置であって、
    前記吐水孔を有し、前記離間距離が変わるよう駆動可能とされたノズルと、
    前記ノズルがその駆動可能範囲に含まれる基準位置を採る場合の前記離間距離に応じた前記拡散程度を基準拡散程度として規定する拡散規定手段とを備え、
    前記拡散制御手段は、
    前記ノズルの駆動による前記基準位置からのノズル位置変位に応じて前記拡散程度を前記基準拡散程度から変更する、局部洗浄装置。
  7. 請求項6記載の局部洗浄装置であって、
    前記拡散規定手段が規定する前記基準拡散程度を変更設定する変更手段を有する、局部洗浄装置。
  8. 請求項6または請求項7記載の局部洗浄装置であって、
    前記ノズルは、異なる被洗浄部を個別に洗浄するよう駆動可能とされ、各被洗浄部に対して前記離間距離が変わるよう駆動可能であり、
    前記拡散規定手段は、前記基準拡散程度を前記異なる被洗浄部ごとに有する、局部洗浄装置。
  9. 請求項1ないし請求項8いずれか1項に記載の局部洗浄装置であって、
    前記拡散制御手段は、
    前記吐水孔への洗浄水の給水状態に変化が起きると、その給水状態変化に追従して前記拡散程度が変化するように、前記吐水手段を制御する、局部洗浄装置。
  10. 請求項1ないし請求項8いずれか1項に記載の局部洗浄装置であって、
    被洗浄部に着水する洗浄水の水勢を設定する水勢設定手段を備え、
    前記拡散制御手段は、
    前記水勢設定手段により水勢が設定変更されると、その設定水勢変化に追従して前記拡散程度が変化するように、前記吐水手段を制御する、局部洗浄装置。
  11. 請求項9または請求項10記載の局部洗浄装置であって、
    前記拡散制御手段は、
    洗浄水の給水増或いは設定水勢増が起きると、前記拡散程度を抑制変化させるように前記吐水手段を制御する、局部洗浄装置。
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