明 細 書
アントラピリドンィ匕合物又はその塩、そのアントラピリドンィ匕合物を含有する マゼンタインク組成物及び着色体
技術分野
[0001] 本発明は新規なアントラピリドンィ匕合物、そのアントラピリドンィ匕合物を含有するマゼ ンタインク組成物及びこれを用いて得られる着色体に関する。
背景技術
[0002] 各種カラー記録法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによ る記録方法において、インクの各種吐出方式が開発されている力 いずれもインクの 小滴を発生させ、これを種々の被記録材料 (紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録 を行うというものである。これは、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発 生が殆どなく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易という特長の為、近年 急速に普及しつつあり、今後も大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水 溶性染料を水性媒体に溶解した水性インクが使用されており、これらの水溶性インク においてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶 性有機溶剤が添加されている。これらの従来のインクにおいては、十分な濃度の記 録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾 燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求され、また形 成される画像には、耐水性、耐光性、耐湿性等の堅牢性が求められる。
[0003] 一方、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェット プリンタによりカラーで記録するには、一般にはイェロー (Y)、マゼンタ (M)、シアン( C)、ブラック (K)の 4色のインクによる減法混色により表現される。 CRTディスプレー 等のレッド (R)、グリーン (G)、ブルー (B)による加法混色画像を減法混色画像で出 来るだけ忠実にそれらの色相を再現する為には、 Y、 M、 Cのそれぞれ力 出来るだ けそれぞれの標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。又、それに使 用されるインク組成物は長期の保存に対し安定であり、プリントした画像の濃度が高く
、しカゝも耐水性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢性に優れていることが求められる。
[0004] インクジェットプリンタの用途は、 OA用小型プリンタ乃至産業用の大型プリンタにま で拡大されてきており、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢性力これま で以上に求められている。耐水性ついては多孔質シリカ、カチオン系ポリマー、アル ミナゾル又は特殊セラミックなどインク中の色素を吸着し得る、有機又は無機の微粒 子を PVA榭脂などとともに紙の表面にコーティングすることにより、大幅に改良されて きて 、る。耐湿性とは着色された被記録材料を高湿度の雰囲気下に保存した際に被 記録材中の染料色素が滲んでくるという現象に対する耐性のことである。染料色素の 滲みがあると、特に写真調の高精細な画質を求められる画像においては著しく画像 品位が低下するため、できるだけこの様な滲みを少なくする事が重要である。耐光性 については大幅に改良する技術は未だ確立されておらず、特に Y, M, C、 Kの 4原 色のうちマゼンタの色素はもともと耐光性が弱いものが多ぐその改良が重要な課題 となっている。又、最近のデジタルカメラの浸透と共に家庭でも写真をプリントする機 会が増しており、得られたプリント物を保管する時に、空気中のオゾンガス、窒素酸化 物等の酸ィ匕性ガスによる画像の変色も問題視されている。酸ィ匕性ガスは、記録紙上 又は記録紙中で染料と反応し、印刷された画像を変退色させる性質を有して 、る。 酸ィ匕性ガスの中でも、オゾンガスはインクジェット記録画像の退色現象を促進させる 主要な原因物質とされて 、る。この変退色現象はインクジェット画像に特徴的なもの であるため、耐オゾンガス性の向上も耐光性の向上と同様重要な課題となって ヽる。
[0005] インクジェット記録用水溶性インクに用いられて 、るマゼンタ用色素の色素骨格とし ては、キサンテン系色素と H酸(1—アミノー 8—ヒドロキシ一ナフタレン一 3, 6—ジス ルホン酸)を用いたァゾ系色素が代表的である。しかし、キサンテン系については色 相及び鮮明性は非常に優れるが耐光性が非常に劣る。又、 H酸を用いたァゾ系色 素については色相及び耐水性の点では良いものがある力 耐光性、耐ガス性及び鮮 明性が劣る。このタイプでは鮮明性及び耐光性の優れたマゼンタ染料も開発されて いる力 銅フタロシアニン系色素に代表されるシアン染料やイェロー染料など他の色 相の染料に比べ耐光性が依然劣る水準である。
[0006] 鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ用色素の色素骨格としてはアントラピリドン系
色素 (例えば、特許文献 1〜8参照)があるが、色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐ガ ス性及び溶液安定性のすべてを満足させるものは未だ得られて 、な 、。
[0007] 特許文献 1:特開昭 59— 74173号公報( 1 3頁)
特許文献 2 :特開平 2— 16171号公報(1、 5— 7頁)
特許文献 3:特開 2000— 109464号公報( 1— 2頁、 8— 12頁)
特許文献 4:特開 2000— 169776号公報( 1— 2頁、 6— 9頁)
特許文献 5 :特開 2000— 191660号公報(1— 3頁、 11 14頁)
特許文献 6 :特開 2001— 72884号公報(1— 2頁、 8— 11頁)
特許文献 7 :特開 2001— 139836号公報(1— 2頁、 7— 12頁)
特許文献 8:特開 2003— 192930号公報(22頁、 36 - 37M)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は水に対する溶解性が高ぐインクジ ット記録に適する色相と鮮明性を有 し、且つ記録物の耐光、耐湿、耐ガス堅牢性に優れたマゼンタ用色素 (ィ匕合物)及び それを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明者等は前記課題を解決すベぐ鋭意検討の結果、特定の式で示されるアン トラピリドンィ匕合物が前記課題を解決するものであることを見出し本発明を完成させた ものである。
即ち、本発明は
(1)遊離酸の形で下記式(1)で表されるアントラピリドンィ匕合物
[0011] (式(1)中、 Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル
1
基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシァノ低級アルキル基を、 R は水
2 素原子、アルキル基、フエ-ル基、スルホフエ-ル基、フエノキシ基又はスルホフエノ キシ基を、 Rは水素原子又はメトキシ基を、 Xは(1)置換基として、スルホン酸基、力
3
ルポキシル基、メチル基、メトキシ基、ァ-リノ基及びフエノキシ基力 なる群力 選択 される基を有してもよいァ-リノ基;(2)カルボキシーヒドロキシァ二リノ基;(3)スルホ ン酸基で置換されていてもよいナフチルァミノ基;(4)置換基として、スルホン酸基、 カルボキシル基及び水酸基カゝらなる群カゝら選択される基を有してもょ ヽモノ若しくは ジアルキルアミノ基;(5)ァラルキルアミノ基;(6)シクロアルキルアミノ基;(7)置換基 として、スルホン酸基、カルボキシル基、ァセチルァミノ基、アミノ基、水酸基、フエノキ シ基及びフエ二ル基カもなる群力も選択される基を有してもょ 、フエノキシ基;(8)モ ノアルキルアミノアルキルアミノ基;(9)ジアルキルアミノアルキルアミノ基;(10)水酸 基;又は( 11)アミノ基を、 Yは塩素原子;水酸基;アミノ基;アルキル基上にスルホン 酸基、カルボキシル基および水酸基からなる群から選択される置換基を有してもよ ヽ モノ若しくはジアルキルアミノ基;又はモルホリノ基をそれぞれ表す)、
[0012] (2)遊離酸の形で下記式(2)で表される (1)に記載のアントラピリドンィ匕合物、
(式(3)中、 X及び Yは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)、
(4) Xは(1)置換基としてスルホン酸基、カルボキシル基、メチル基、メトキシ基、了二 リノ基及びフエノキシ基力 なる群力 選択される基を有してもょ 、ァ-リノ基;(2)力 ルボキシーヒドロキシァ二リノ基;(3)置換基としてスルホン酸基、カルボキシル基、ァ セチルァミノ基、アミノ基、水酸基、フ ノキシ基及びフ ニル基力 なる群力 選択さ れる基を有してもょ 、フエノキシ基、 Υが水酸基;アミノ基;モノ若しくはジアルキルアミ ノ基であり、アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシル基および水酸基からなる群 力も選択される置換基を有してもょ 、;又はモルホリノ基である(1)乃至(3)の 、ずれ か一項に記載のアントラピリドンィ匕合物、
(5) Xはァ-リノ基であり、スルホン酸基、カルボキシル基力 なる群力 選択される置 換基を有してもよい;メチルースルホア-リノ基;カルボキシースルホア-リノ基;カル
ボキシル基で置換されていてもよいフエノキシ基、 Yが水酸基、アミノ基である(1)乃 至(3)の 、ずれか一項に記載のアントラピリドン化合物、
(6)遊離酸の形で下記式 (4)で表されるアントラピリドンィ匕合物、
(8) (1)乃至(7)の 、ずれか一項に記載のアントラピリドンィ匕合物を含有することを特 徴とするインク組成物、
(9)水及び水溶性有機溶剤を含有する(8)に記載のインク組成物。
(10)インクジェット用である(9)に記載のインク組成物、
(11) (1)乃至(7)のいずれか一項に記載のアントラピリドンィ匕合物中の無機物の含 有量が 1重量%以下である(8)乃至(10)のいずれか一項に記載のインク組成物、
(12) (1)乃至(7)のいずれか一項に記載のアントラピリドンィ匕合物の含有量が 0. 1 〜20重量%である(8)乃至(11)の 、ずれか一項に記載のインク組成物、
(13)インクの小滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジヱ ット記録方法において、インクとして (8)乃至(12)のいずれか一項に記載のインク組
成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法、
(14)被記録材が情報伝達用シートである(13)に記載のインクジェット記録方法、
(15)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有するもので ある(14)に記載のインクジェット記録方法、
( 16) (8)乃至( 12)の 、ずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物で着 色された着色体、
(17)着色力インクジェットプリンタによりなされた(16)に記載の着色体、
( 18) (8)乃至( 12)の ヽずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填された インクジェットプリンタ、
(19) R がスルホフエ-ル基である請求項 1に記載のアントラピリドンィ匕合物、
2
(20)下記式(7a)
(式(7a)中、 Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル
1
基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシァノ低級アルキル基を、 Rは水
3 素原子、又はメトキシ基をそれぞれ表す)
で表されるアントラピリドンィヒ合物、
に関する。
発明の効果
本発明の式(1)のアントラピリドンィ匕合物は、インクジェット記録紙上で非常に鮮明 性、明度の高い色相を示し、水溶解性に優れ、インク組成物製造過程でのメンブラン フィルターに対するろ過性が良好という特徴を有する。又、この化合物を使用した本 発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなぐ貯蔵
安定性が良好である。そして本発明のアントラピリドンィ匕合物をインクジェット記録用 のマゼンタインクとして使用した印刷物は被記録材 (紙、フィルム等)を選択することな く理想的なマゼンタの色相である。また、本発明のマゼンタインク組成物は、写真調 のカラー画像の色相を紙の上に忠実に再現させることが可能である。更に該組成物 を用いて、写真画質用インクジェット専用紙 (フィルム)のような無機微粒子を表面に 塗工した被記録材に記録した場合にも、記録物の各種堅牢性、すなわち耐光性、耐 オゾンガス性、耐湿性などが良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性に優 れている。従って、式(1)のアントラピリドン化合物はインクジェット記録用のインク色 素として極めて有用である。
発明を実施するための最良の形態
本発明を詳細に説明する。尚、本発明において特に断りが無いかぎりスルホン酸基 及びカルボキシル基は遊離酸の形で表す。これら遊離酸の形で表される基は塩の形 になって!/、てもよく、本発明にお!/、てはそれらをも含むものである。
本発明のインク用色素は遊離酸の形で前記式(1)で表される。
また、本発明における低級アルキル基としては、上記アルキル基の中、炭素数 1〜 6、好ましくは炭素数 1〜4のものを挙げることができ、より好ましくはメチル基、ェチル 基又はプロピル基を挙げることができる。本発明にお 、て低級アルキル基以外のもの 、例えば低級アルコールなどにおいて「低級」といった場合も同様とする。また、例え ば、置換基としてスルホン酸基、カルボキシル基、メチル基、メトキシ基、ァ-リノ基及 びフエノキシ基力もなる群力も選択される基を有してもよ 、ァ-リノ基と 、つた場合、 置換基は 1つでもまた複数でもよぐ複数の場合、同じであっても異なってもよい。他 の同様な表現又は同様な趣旨の表現の場合も同じである。また、スルホア-リノ基及 びカルボキシァ-リノ基等の表現にお!、ても、スルホン酸基又はカルボキシル基は 1 つでも複数でもよい。また、カルボキシースルホア-リノ基等の表現においては、原則 としてカルボキシル基とスルホ基 (スルホン酸基)がそれぞれ 1つずっァ-リノ基のベ ンゼン環上に置換して 、るものを表し、他の同様な表現にぉ 、ても同じである。 式(1)において、 Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへ
1
キシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシァノ低級アルキル基を表
す。本発明におけるアルキル基としては、例えばメチル基、ェチル基、 n—プロピル 基、 iso—プロピル基、 n—ブチル基、 tert—ブチル基、 n キシル基、 n—ォクチ ル基等の炭素数 1 8のアルキル基等があげられる。
また、 Rにおけるヒドロキシ低級アルキル基としては、例えばヒドロキシェチル基、ヒ
1
ドロキシプロピル基等があげられ、モノアルキルアミノアルキル基としては、例えばメチ ルァミノプロピル基、ェチルァミノプロピル基等があげられ、ジアルキルアミノアルキル 基としては、例えばジメチルァミノプロピル基、ジェチルアミノエチル基等があげられ、 シァノ低級アルキル基としては、例えばシァノエチル基、シァノプロピル基等が挙げら れる。好ましい Rとしては水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基が
1
挙げられ、水素原子、低級アルキル基 (好ましくはメチル基)がより好ましぐ水素原子 が特に好ましい。
式(1)において、 Rは水素、アルキル基、フエ-ル基、スルホフエ-ル基、フエノキ
2
シ基又はスルホフエノキシ基を表す。
Rがスルホフヱ-ル基およびスルホフヱノキシ基の場合、スルホ基の置換位置は式
2
(1)における Rの置換位置に対してパラ位またはオルト位が好ましぐパラ位の場合
2
力 り好ましい。例えば o—若しくは p—スルホフエ-ル、又は o—若しくは p—スルホフ エノキシ等が挙げられ、 p—スルホフエニルがより好まし 、。
また R におけるアルキル基としては、例えばメチル基、 tert—ブチル基、 tert—アミ
2
ル基等が挙げられる。
好ましい R としてはアルキル基、スルホフエ-ル基又はスルホフエノキシ基が挙げら
2
れ、より好ましくはスルホフエ-ル基又はスルホフエノキシ基で有り、スルホフエ-ル基 が最も好ましぐスルホフエ-ル基の中では、モノスルホフエ-ル基が好ましぐモノス ルホフヱ-ル基の中では p—スルホフヱ-ルが好ましい。
R としては水素原子又はメトキシ基であり、水素原子が好ましい。
3
式(1)の Xにおける置換基としてスルホン酸基、カルボキシル基、メチル基、メトキシ 基、ァ-リノ基、フエノキシ基力もなる群力も選択される基を有してもよいァ-リノ基の 具体例としては、例えばァ-リ入アルキルァ-リノ基例えば 2—メチルァ-リ入 2, 6 ージメチルァユリ入 2, 6—ジェチルァユリ入 2, 6—ジイソプロピルァニリノ又は 2, 4
, 6 トリメチルァ-リノ等、スルホア-リノ基例えば 2—スルホア-リ入 3—スルホア- リ入 4—スルホア-リノ又は 2, 5 ジスルホア-リノ等、メトキシースルホア-リノ基例 えば 4ーメトキシー 2—スルホア-リノ等、メチルースルホア-リノ基例えば 4 メチル —2—スルホア-リノ又は 2—メチル 4—スルホア-リノ等、カルボキシァ-リノ基例 えば 2 カルボキシァユリ入 4 カルボキシァ二リノ又は 3, 5-ジカルボキシァ-リノ 等、カルボキシースルホア-リノ基例えば 2 カルボキシー5—スルホア-リノ又は 2 —カルボキシ一 4—スルホア-リノ等、ァ-リノ一スルホア-リノ基例えば 4—ァ-リノ 3—スルホア-リノ等、カルボキシーヒドロキシァ二リノ基例えば 3—カルボキシー4 ーヒドロキシァ二リノ等、及び 4 フエノキシァ-リノ等が挙げられ、スルホン酸基で置 換されていてもよいナフチルァミノ基の具体例としては、例えば 1 ナフチルアミ入 4 ースルホー 1 ナフチルアミ入 5—スルホー 1 ナフチルアミ入 5—スルホー 2 ナ フチルァミノ、 6—スルホー 1 ナフチルアミ入 7—スルホー 1 ナフチルアミ入 4, 8 ジスルホー 2 ナフチルアミ入 3, 8 ジスルホー 1 ナフチルアミ入 3, 6 ジス ルホ— 1—ナフチルァミノ、 3, 6, 8 トリスルホ—2 ナフチルァミノ、 4, 6, 8 トリス ルホ— 2 ナフチルァミノ又は 3, 6, 8 トリスルホ—1—ナフチルァミノ等が挙げられ 、置換基としてスルホン酸基、カルボキシル基又は水酸基力 なる群力 選択される 基を有してもよいモノアルキルアミノ基の具体例としては、例えばメチルアミ入ェチル アミ入プロピルアミ入ブチルァミノ、 2—ェチルへキシルアミ入 2—スルホェチルアミ ノ、 2 カルボキシェチルァミノ、 1, 2 ジカルボキシェチルァミノ、 1, 3 ジカルボキ シプロピルアミ入 2—ヒドロキシェチルアミ入シクロへキシルァミノ等が挙げられ、置 換基としてスルホン酸基、カルボキシル基及び水酸基からなる群から選択される基を 有してもよいジアルキルァミノ基の具体例としては、例えばジメチルアミ入ジェチルァ ミ入ジプロピルアミ入ジブチルアミ入ビス(カルボキシメチル)アミ入ビス(2—ヒドロ キエチル)ァミノ等が挙げられ、ァラルキルァミノ基の具体例としては、例えばべンジ ルァミノが挙げられ、シクロアルキルアミノ基の具体例としては、例えばシクロへキシル ァミノが挙げられ、置換基としてスルホン酸基、カルボキシル基、ァセチルァミノ基、ァ ミノ基、水酸基、フエノキシ基及びフエニル基力 なる群力 選択される基を有しても よいフエノキシ基の具体例としては、例えばフエノキシ、 4ースルホフエノキシ、 4一力
ルボキシフエノキシ、 3, 5-ジカルボキシフエノキシ、 4ーァセチルアミノフエノキシ、 4 アミノフエノキシ、 4ーヒドロキシフエノキシ、 4ーフエノキシフエノキシ、 4一(4 カル ボキシフエノキシ)フエノキシ、 4—フエ-ルフエノキシ等が挙げられ、モノアルキルアミ ノアルキルアミノ基の具体例としては、例えば 2— (N—メチルァミノ)一ェチルァミノ、 3— (N—メチルァミノ)—プロピルアミノ又は 3—ェチルアミノープロピルアミノ等が挙 げられ、ジアルキルアミノアルキルアミノ基の具体例としては、例えば 3— (N, N ジ ェチルァミノ)プロピルアミノ又は 2— (N, N ジェチルァミノ)ェチルァミノ等が挙げ られる。好ましい Xとしてはスルホア-リノ基(より具体的には 2—スルホア-リノ又は 2 , 5—ジスルホア-リノ)、低級アルキルースルホア-リノ基(より具体的には 4 メチル 2—スルホア-リノ又は 2—メチルー 4ースルホア-リノ)、低級アルコキシースルホ ァ-リノ基(より具体的には 4—メトキシ— 2—スルホア-リノ)、カルボキシ—スルホア 二リノ基(より具体的には 2—カルボキシ— 5—スルホア-リノ又は 2—カルボキシ— 4 —スルホア-リノ)、カルボキシァ-リノ基(より具体的には 2—カルボキシァ-リノ又は 3, 5—ジカルボキシァ-リノ)又はカルボキシフエノキシ基(より具体的には 3, 5—ジ カルボキシフエノキシ)が好ましぐ更に好ましい Xとしてはスルホア-リノ基 (より具体 的には 2—スルホア-リノ又は 2, 5 ジスルホア-リノ)、カルボキシースルホア-リノ 基(より具体的には 2—カルボキシ— 5—スルホア-リノ又は 2—カルボキシ— 4—ス ルホア-リノ)、カルボキシァ-リノ基(より具体的には 2—カルボキシァ-リノ又は 3, 5 —ジカルボキシァ-リノ)又はカルボキシフエノキシ基(より具体的には 3, 5—ジカル ボキシフエノキシ)があげられ、特に好ましい Xとしては 2—スルホア-リ入 2—カルボ キシァ-リノ、 3, 5—ジカルボキシァユリ入 3, 5—ジカルボキシフエノキシが挙げられ る。
式(1)における Yとしては、クロル、ヒドロキシ、アミ入 2—スルホェチルアミ入 2—力 ルボキシェチルァミノ、カルボキシメチルァミノ、 1, 2—ジカルボキシェチルァミノ、 1, 3 ジカルボキシプロピルアミ入 2 ヒドロキシェチルアミ入 3—(N, N—ジェチルァ ミノ)プロピルアミ入 2— (N, N ジェチルァミノ)ェチルアミ入ビス(カルボキシメチ ル)アミ入モルホリノ等が挙げられ、ヒドロキシ、アミ入 2—スルホェチルアミ入 2—力 ルボキシェチルアミ入カルボキシメチルアミ入 3— (N, N ジェチルァミノ)プロピ
ルァミノ、 2— (N, N ジェチルァミノ)ェチルアミ入ビス(カルボキシメチル)ァミノが 好ましぐより好ましくはクロル原子、ヒドロキシ、ァミノであり、更に好ましくはヒドロキシ 又はァミノであり、特にヒドロキシが好ましい。
R、 R、 R、 X及び Yの好ましい組み合わせとしては、例えば、 R が水素原子、低
1 2 3 1
級アルキル基又はヒドロキシ置換低級アルキル基、好ましくは水素原子、 R がスルホ
2 フエ-ル基、スルホフヱノキシ基又は C1〜C6アルキル基、好ましくはモノスルホフエ -ル基、更に好ましくは ρ—スルホフヱ-ル、 Rが水素原子又は低級アルコキシ基、
3
好ましくは水素原子、 Xがァ-リノ、スルホア-リノ基 (好ましくはモノ又はジスルホア- リノ基、より好ましくはモノスルホア-リノ基)、カルボキシァ-リノ基 (好ましくはモノ又 はジカルボキシァ-リノ基)、カルボキシースルホア-リノ基、低級アルコキシァ-リノ 基、低級アルキルァ-リノ基、ベンジルァミノ、シクロへキシルアミ入低級アルキルァ ミノ基、 N, N ジ低級アルキルアミノ低級アルキルアミノ基、スルホナフチルァミノ基 又はカルボキシフエノキシ基 (好ましくはモノ又はジカルボキシフエノキシ基)、より好 まし!/、Xとしてはスルホア-リノ基 (好ましくはモノ又はジスルホア-リノ基、より好ましく はモノスルホア-リノ基)、カルボキシァ-リノ基 (好ましくはモノ又はジカルボキシァ- リノ基)又はカルボキシフエノキシ基 (好ましくはジカルボキシフエノキシ基)及び Yが 水酸基、アミノ基、カルボキシ又はスルホ低級アルキルアミノ基、モノ又はジアルカノ ールァミノ基、 N, N ジ低級アルキルアミノ低級アルキルアミノ基、又はモルホリノ、 好ましくは水酸基である。好まし 、基同士若しくは好ま 、基とより好まし 、基の組み 合わせはより好ましい。
より具体的な好ましい基の組み合わせとしては、 Rが水素原子又はメチル基、 R2が スルホフエ-ル基、 Rが水素原子、 Xがァ-リ入 2—スルホア-リノ、 2, 5 ジスルホ
3
ァニリノ、 4ーメトキシー 2—スノレホア二リノ、 2—力ノレボキシ 5—スノレホア二リノ、 2— カルボキシァ二リノ、 4-カルボキシァニリ入 3, 5—ジカルボキシァ二リノ又は 3, 5— ジカルボキシフエノキシ、より好ましくは 2—スルホア-リ入 2 カルボキシァ -リ入 3 , 5—ジカルボキシァ-リノ又は 3, 5—ジカルボキシフエノキシ、 Yが水酸基又はアミノ 基、より好ましくは水酸基である。
上記組み合わせの内、特に好ましいものは、 Rが水素原子、 R力 一(4ースルホ)
フエ-ル基、 Rが水素原子、 Xがァ-リ入 2—スルホア-リノ、 2, 5 ジスルホア-リ
3
ノ、 4ーメトキシ 2—スノレホア二リノ、 2—力ノレボキシー5—スノレホア二リノ、 2—力ノレボ キシァ二リノ、 4-カルボキシァユリ入 3, 5—ジカルボキシァユリ入 3, 5—ジカルボキ シフエノキシ、 Yが水酸基又はアミノ基、より好ましくは水酸基である。
式(1)で表される化合物のうち、好ましいものの具体例としては、例えば次のものが 挙げられる。
[0024] 式(1)の化合物の塩としては、アルカリ金属塩、アンモニゥム塩、 4級アンモ-ゥム 塩などが挙げられる。
アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが好ましい。
4級アンモ-ゥム塩を形成する場合のカウンタ一力チオンの例としては、下記式(24 )で表されるものが挙げられる。
Ζ4—「Ζ2 (24)
^3
[0025] (式(24)中、 Ζ1〜Ζ4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル 基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わす。)
式( 24)の Ζ 1〜Ζ4におけるアルキル基の例としてはメチル基又はェチル基等があ げられ、ヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル基、 2—ヒドロキシェチル 基、 3—ヒドロキシプロピル基、 2—ヒドロキシプロピル基、 4ーヒドロキシブチル基、 3— ヒドロキシブチル基又は 2—ヒドロキシブチル基等があげられ、更にヒドロキシアルコキ シアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル基、 2—ヒドロキシエトキシェチル 基、 3—(ヒドロキシエトキシ)プロピル基、 3—(ヒドロキシエトキシ)ブチル基又は 2— ( ヒドロキシエトキシ)ブチル基等があげられる。
[0026] これらの塩のうち好ましいものとしては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、モノエ タノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノー ルァミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩、アンモ-ゥム 塩等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム、アンモ-ゥムおよび ナトリウムの塩である。
[0027] 上記の塩は、例えば以下の方法により調製することができる。
式(1)の化合物を含む反応液 (例えば本明細書で後述する実施例 1 (7)で得られる 反応液)に、あるいは式(1)の遊離酸を含むケーキ若しくは乾燥品を水に溶解したも のに食塩をカ卩えて、塩析、濾過することによって対応する式(1)のナトリウム塩をゥェ ットケーキとして得ることができる。又、そのウエットケーキを再び水に溶解後、塩酸を
加えて pHを適宜調整して得られる析出物を濾過分離すれば遊離酸を、ある ヽは遊 離酸とナトリウム塩の混合物を、固体またはウエットケーキなどの形で、必要に応じて 得ることができる。また、得られた式(1)の遊離酸などのゥヱットケーキ等を水と共に撹 拌しながら、例えば、水酸ィ匕カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水、式(24)の 4級 アンモ-ゥムなどを添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム 塩、アンモニゥム塩、 4級アンモニゥム塩が得られる。
[0028] 本発明の式 (2)に示されるアントラピリドン化合物の具体例を表 1に示す。
表 1中、(s)はスルホン酸基を、 (s) 2はジスルホン酸基を、 (k)はカルボキシル基を それぞれ意味する。例えば 2, 5—(s) 2—ァ-リノと表記した場合、 2及び 5位にスル ホン酸基が置換したァ-リノを表す。
なお表 1中の Rがスルホフエ-ルの場合、スルホフエ-ルのスルホ基は Rの結合位
2 2 置に対してパラ位に置換したものを示す。また OMeはメトキシ基を示す。
[0029] [表 1]
化合物 R, R2 R3 X Y
1 H 4-スル木フニル H 2~(s)~7:リノ OH
2 H 4-スル本フ iニル H 2,5- (β) -7: / OH
3 H 4ースルホフェニル H 4~(sトァニリノ OH
4 H 4ースルホフヱニル H "(sトァ:リノ OH
5 H 4ースル φフニル H 2-(s)-7-g NH2
6 H 4—スル *フニル H 2"(s) "ァニリノ カル キシメチルァミノ
7 H 4ースル *フニル H カル; キシェチルァミノ
8 H 4ースル *7ιニル H 0Η
9 H 4—スル *フ ニル H トァニリノ 0Η
10 H 4 -スル *フエニル H a*ァ:リノ 」 0Η
1 H 4-スル木フ ニル H (10 ァ:リノ 0Η
12 H 4-スルホフ ニル H 3,5- (10 フエノキシ 0Η
13 H 4-スルホフ ニル H 7二リノ 0Η
14 H 4 -スル术フ ニル H ンシ 'ルァミノ 0Η
15 H 4-スルホフ ニル H シクロべキシルアミ/ 0Η
16 H 4-スルホフ ル H π -ブチルァミノ 0Η
17 H 4-スルホフ :ル H Ν,Ν-シ'ェチルアミノフ'口ビルァミノ 0Η
18 H 4 -スルホフ!:ニル H 4-メトキ' ~2~(s)-ァ:リノ 0Η
19 H 4-スルホフ: ル H 2-(k)~5"CsHr二リノ 0Η
20 H 4-スルホフ ル H 2普 4-(s) "ァニリノ 0Η
21 H 4-ス Λ フ ル H 4-(s)"ナフチル-ト^アミノ 0Η
22 H 4-スルホフ;!:ニル H 2-(s ァ:リノ モノエタノールァミノ
23 H 4-スル木フ::ル H 2-is -7-V シ'エタノールァミノ
24 H 4-スルォ、フ! ^ル H 2- ( ァ二リノ スルホェチルァミノ
25 H 4 -スル *フ ϋル H 2-( )-7-V Ν,Ν-シ 'ェチルァミノプロビル Πゾ
26 H 4-スルホフ ル H 2-(s)-7-y/ モル*リゾ
27 トキシ 4 -スルホフ ル H 2~(s) "ァニリノ 0Η
28 H 4"tert-7'チル H 2" )~ァニリ / 0Η
29 H 4-メチル H 2~(s)~ァニリ / 0Η
30 H 6 -メチル H 2-(s)~7ニリ / ΟΗ
31 H 4"tert-アミ H 0Η
32 H 2—スル本フ ニル H 2-(s) "ァ:リノ 0Η
33 H 4-スル *フ ノキシ H 0Η
化合物 Ri R2 R3 X Y
No.
34 4-スル *フエニル H 2 ァ:リノ 0H
35 ェチル 4ースルホフ::ニル H 2"(s)"7二リノ 0H
36 2-tト 'αキシェチル 4-スルホフ:!::ル H 0H
37 H 4一スル木フエニル H 2 -メチルァ:リノ 0H
38 H 4 -スル本フ I:ル H 2'6-シ ·メチルァニリノ 0H
39 H 4一スル木フエ二 ίレ H 2,6-シ' Iチルァ二リノ OH
40 H 4-スルホフ工ニル H 2,6-シ'イソブロビルァニ 0H
リノ
41 H 4 -スルホフェニル H 2,4,3-トリメチルァ:リノ 0H
[0030] 本発明のアントラピリドン化合物は、例えば次の方法により製造される。即ち、下記式
[0032] (式中、 R 、 R及び Rは前記式(1)におけると同じ意味を表す。 )
1 2 3
の化合物 1モルと 2, 4, 6—トリクロ口一 1, 3, 5—トリァジン(シァヌルクロライド) 1〜1 . 3モルとを水中で、 pH2〜7、 5〜35°C、 2〜8時間反応させて下記式(7)
[0033]
[0034] (式中、 R、 R及び Rは前記と同じ意味を表す)
1 2 3
で表される化合物(1次縮合物)を得る。
この化合物に、式(1)における Xに対応するァミン類及びフエノール類 1モルを、 pH 4〜9、 5〜90°C、 10分〜 5時間反応させることにより、式(8)
(式中、 R、 R、 R及び Xは前記式(1)におけると同じ意味を表す)
1 2 3
の化合物(式(1)の Yがクロル原子である化合物)を得る(2次縮合物)。
次いで、 pH9〜12、 50〜100°C、 10分〜 5時間加水分解するか、又はアンモニア や、 Yに対応するァミン類を、 pH8〜10、 50〜100°C、 10分〜 8時間反応させること により、式(9)
[0037] (式中、 R、 R、 R及び Xは前記と同じ意味を示し、 Y'は式(1)の Yにおけるクロル原
1 2 3
子以外の基を表す)
の化合物(3次縮合物)を得る。
なお、縮合の順序は各種ィヒ合物の反応性に応じ、適宜定められ、上記に限定されな い
なお、式 (6)で表されるアントラピリドンィ匕合物は、例えば次のようにして得られる c 即ち、下記式(10)
(式(10)中、 Rは前記と同じ意味を表す)
1
で表されるアントラキノンィ匕合物 1モルに
(式(11)中、 Rは前記と同じ意味を表す)
2
で表されるフエノール類 1〜2モルを N, N—ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極 性有機溶媒中、 100〜150°C、 1〜8時間反応を行って、
下記式(12)
(式(12)中、 R及び Rは前記と同じ意味を表す。 )
1 2
で表される化合物を得る。
次いで、式(12)で表される化合物 1モルに炭酸カリウム等の塩基の存在下、下記 式(13)
(式(13)中、 Rは前記と同じ意味を表す)
3
で表される置換又は無置換のベンゾィル酢酸ェチルエステル 1. 1〜3モルをキシレ ン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、 130〜180°C、 5〜 15時間反応を行い、下記式(14)
(式(14)中、 R、 R及び Rは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。
1 2 3
次いで得られた化合物に、メタ—アミノアセトァ -リド 1〜5モルを、 N, N—ジメチルホ ルムアミド、 N—メチルピロリドン等の非プロトン性極性有機溶媒中、またはイソブチル アルコール等のアルコール溶媒中あるいはこれらの混合溶媒中、炭酸ナトリウム、炭 酸カリウムのような塩基及び酢酸銅、塩化銅のような銅触媒の存在下、 110〜150°C 、 2〜 15時間ウルマン反応をおこなって縮合し、下記式(15)
[0041]
[0042] (式(15)中、 R、 R及び Rは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。
1 2 3
[0043] 次いで式(15)で表される化合物を 8〜15重量%発煙硫酸中で、 50〜120°Cでス ルホンィ匕及びァセチルァミノ基の加水分解を行う事により、下記式 (6)
[0045] (式 (6)中、 R、 R及び Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアントラピリドン化合
1 2 3
物を得る。
[0046] 本発明の化合物はインク用マゼンタ色素として、天然及び合成繊維材料又は混紡 品の染色に適しており、さらにこれらの化合物は、筆記用インクおよびインクジェット 記録用インク組成物の製造に適して 、る。
上記式(1)で表される化合物は、色素原体中に含有される金属陽イオンの塩ィ匕物 、硫酸塩等の無機物量の少ないものを用いるのが好ましぐその含有量の目安は例 えば 1重量%以下程度である。無機物の少ない色素原体を製造するには、例えば本 発明のアントラピリドン化合物のウエットケーキ若しくは乾燥品を、メタノール中、若し くはメタノール—水混合溶媒中で、必要に応じて、 50〜70°C程度に加熱撹拌後濾 過、分取し、必要に応じて、更にメタノール洗浄を行い、乾燥等するか、又は逆浸透
膜による方法等通常の方法で脱塩処理すればょ ヽ。
本発明のインク組成物は、式(1)で表される化合物を水又は水性溶媒 (後記する水 溶性有機溶剤を含有する水)に溶解したものであるが、本発明の式(1)で表される化 合物を含む反応液 (例えば後述する実施例 1 (7)において、食塩 70部を添加する前 の反応液など)は、インク組成物の製造に直接使用する事も出来る。又、上記反応液 力も目的物を単離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、次にインク組成物にカ卩ェする こともできる。本発明の記録用インク組成物は、本発明の化合物を通常 0. 1〜20重 量%、より好ましくは 1〜15重量%、更に好ましくは 2〜: LO重量%含有する。本発明 のインク組成物には、水溶性有機溶剤 0〜30重量%、インク調製剤 0〜10、好ましく は 1〜7、場合により 0〜5重量%をそれぞれ含有しても良い。残部は水である。 本発明で使用しうる水溶性有機溶剤の具体例としては、例えばメタノール、エタノー ル、 n—プロパノール、イソプロパノール、 n—ブタノール、イソブタノール、第二ブタノ ール、第三ブタノール等の C1〜C4アル力ノール、 N, N—ジメチルホルムアミド又は N, N ジメチルァセトアミド等のカルボン酸アミド、 2—ピロリドン、 N—メチル—2—ピ 口リドン等のラタタム、 1, 3 ジメチルイミダゾリジン 2 オン又は 1, 3 ジメチルへ キサヒドロピリミド— 2—オン等の環式尿素類、アセトン、メチルェチルケトン、 2—メチ ルー 2 ヒドロキシペンタンー4 オン等のケトン又はケトアルコール、テトラヒドロフラ ン、ジォキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、 1, 2 又は 1, 3 プロピレ ングリコール、 1, 2 又は 1, 4ーブチレングリコール、 1, 6 へキシレングリコール、 ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレンダリコール、ジプロピレ ングリコール、チォジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等 の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマー又はポリアルキレングリコ ール又はチォグリコール、グリセリン、へキサン 1, 2, 6 トリオール等のポリオール (トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエ チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモ ノエチルエーテル、ブチルカルビトール又はトリエチレングリコールモノメチルエーテ ル又はトリエチレングリコールモノェチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4) アルキルエーテル、 Ύ一ブチロラタトン又はジメチルスルホキシド等があげられる。こ
れらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
これらのうち好ましいものは 2—ピロリドン、 N—メチルー 2—ピロリドン、モ入ジ又は トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール又はブチルカルビトールであり、より好 ましくは 2—ピロリドン、 N—メチルー 2—ピロリドン、ジエチレングリコール又はブチル カルビトールである。
[0048] 以下発明のインク組成物を調製するに当たり使用しうるインク調製剤について説明 する。インク調製剤の具体例としては、例えば防腐防黴剤、 pH調整剤、キレート試薬 、防鲭剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤 などが挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハ ロアリルスルホン系、ョードプロパギル系、 N ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾー ル系、二トリル系、ピリジン系、 8—ォキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系 、ピリジンォキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フエノール系、第 4アンモ-ゥム 塩系、トリアジン系、チアジアジン系、ァ -リド系、ァダマンタン系、ジチォカーバメイト 系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙 げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフエノールナトリウムが 挙げられ、ピリジンォキシド系化合物としては、例えば 2—ピリジンチオール 1ーォ キサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが 挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば 1, 2 べンズイソチアゾリン 3 —オン、 2— n—ォクチル一 4—イソチアゾリン一 3—オン、 5 クロ口一 2—メチル 4 —イソチアゾリン一 3 オン、 5 クロ口 2—メチル 4—イソチアゾリン一 3 オンマ グネシゥムクロライド、 5 クロ口一 2—メチル 4 イソチアゾリン一 3 オンカルシゥ ムクロライド、 2 メチル 4 イソチアゾリン一 3 オンカルシウムクロライド等が挙げ られる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ安息香酸ナトリウム等があげられ る。
[0049] pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクの pHを 8. 0〜 11. 0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば 、ジエタノールァミン、トリエタノールァミンなどのアルカノールァミン、水酸化リチウム
、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウムなどのアルカリ金属の水酸ィ匕物、水酸化アンモニ ゥム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸 塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジァミン四酢酸ナトリウム、二トリ口三酢酸ナト リウム、ヒドロキシェチルエチレンジァミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢 酸ナトリウム、ゥラシルニ酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防鲭剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チォ硫酸ナトリウム、チォグリコール酸ァ ンモ-ゥム、ジイソプロピルアンモ-ゥムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジ シクロへキシルアンモ -ゥムナイトライトなどがあげられる。
[0050] 水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホンィ匕されたべンゾフエノン又はスルホ ン化されたベンゾトリアゾール等があげられる。
水溶性高分子化合物としては、例えばポリビュルアルコール、セルロース誘導体、 ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、 ε一力プロラタタム、エチレンカーボネート等が あげられる。
[0051] 界面活性剤としては、例えばァニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界 面活性剤、ノ-オン界面活性剤などがあげられる。ァ-オン界面活'性剤としてはァノレ キルスルホカルボン酸塩、 α—ォレフインスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル エーテル酢酸塩、 Ν—ァシルアミノ酸およびその塩、 Ν—ァシルメチルタウリン塩、口 ジン酸石鹼、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキ ルフヱノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルァリルスルホン酸 塩、ジェチルスルホ琥珀酸塩、ジェチルへキルシルスルホ琥珀酸、ジォクチルスルホ 琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては 2—ビュルピリジン誘導体 、ポリ— 4—ビニルピリジン誘導体などがある。両性界面活性剤としてはラウリルジメチ ルァミノ酢酸べタイン、 2 -アルキル -Ν-カルボキシメチル -Ν-ヒドロキシェチル イミダゾリ-ゥムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルァミノ酢酸べタイン、ポ リオクチルポリアミノェチルグリシンなどや、その他イミダゾリン誘導体などがある。ノ- オン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノ-ルフエ-ルエーテル、ポリオキシェ
チレンォクチルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポ リオキシエチレンォクチルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンォレイルエーテル、 ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのェ 一テル系、ポリオキシエチレンォレイン酸、ポリオキシエチレンォレイン酸エステル、 ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステ アレート、ソルビタンモノォレエート、ソルビタンセスキォレート、ポリオキシエチレンモ ノォレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、 2, 4, 7, 9ーテトラ メチルー 5—デシン—4, 7—ジオール、 3, 6—ジメチルー 4ーォクチン—3, 6—ジォ ール、 3, 5—ジメチルー 1一へキシンー3オールなどのアセチレングリコール系(例え ば、 日信化学社製サ一フィノール 104、 82、 465、オルフイン STGなど)、などが挙げ られる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
[0052] 本発明の水性インク組成物は、式(1)で表される化合物を水又は上記水性溶媒( 水溶性有機溶剤を含有する水)に、上記インク調製剤などと共に溶解させることによ つて製造でさる。
[0053] 上記製造法において、各成分を溶解させる順序には特に制限はない。あらかじめ水 又は上記水性溶媒に色素を溶解させ、インク調製剤を添加して溶解させてもょ ヽし、 色素を水に溶解させたのち、水性溶媒、インク調製剤を添加して溶解させてもよい。 またこれと順序が異なって 、てもよ 、し、色素の反応液又は逆浸透膜による脱塩処 理を行った液に、水性溶媒、インク調製剤を添加してインク組成物を製造してもよい。 インク組成物を調製するにあたり、用いられる水はイオン交換水又は蒸留水など不純 物が少ない物が好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密 濾過を行って夾雑物を除いてもよぐ更にインクジェットプリンタ用のインクとして使用 する場合は精密濾過を行うことが好まし 、。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常 1ミクロン〜 0. 1ミクロン、好ましくは、 0. 8ミクロン〜 0. 2ミクロンである。
[0054] 本発明の水溶性のアントラピリドンィ匕合物を含有するマゼンタインク組成物は、印捺 、複写、マーキング、筆記、製図、スタンビング、又は記録用、特にインクジェット記録 用に適する。この場合、水、 日光、オゾンおよび摩擦に対する良好な耐性を有する高 品質のマゼンタ印捺物が得られる。また、本発明の化合物に、さらにイェロー、マゼン
タ等の染料を配合することによって、オレンジ色調、又は、赤色調を好みのものにす ることもできる。また、他色、特にブラック用の調色に用いることもできる。
[0055] 本発明の着色体は前記の本発明の化合物で着色されたものである。着色されるべ きものとしては、特に制限は無ぐ例えば紙、繊維や布 (セルロース、ナイロン、羊毛 等)、皮革、カラーフィルター用基材等があげられるがこれらに限定されない。着色法 としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェットプリンタ による方法等があげられる力 インクジェットプリンタによる方法が好ましい。
[0056] 本発明のインクジェット記録方法を適用しうる被記録材 (メディア)としては例えば紙
、フィルム等の情報伝達用シート、繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シート については、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材にインク受容層を設けた ものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸ある いは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等インク 中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビュルアルコールやポリビュルピロリ ドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このよ うなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙 (フィルム)あるいは光沢紙 (フィルム)と呼ばれ、例えばピクトリコ(旭硝子株式会社製)、プロフェッショナルフォト ペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー、(いずれもキャノン株式会 社製)、写真用紙〈光沢〉、フォトマット紙、スーパーファイン専用光沢フィルム (いずれ もエプソン株式会社製)、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト 用紙 ( 、ずれも日本ヒュ レットパッカード株式会社製)フォトライク QP (コ-力株式会 社製)等がある。なお、普通紙にも利用できることはもちろんである。
[0057] これらのうち、特に多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録した画像 のオゾンガスによる変退色が特に大きくなることが知られている力 本発明の水性マ ゼンタインク組成物はガス耐性が優れて ヽるため、このような被記録材への記録の際 に特に効果を発揮する。
[0058] このような目的で使用される多孔性白色無機物としては、炭酸カルシウム、カオリン 、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、 珪酸カルシウム、水酸ィ匕アルミニウム、アルミナ、リトボン、ゼォライト、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等である。
[0059] 本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のイン ク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法 で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、イエローイ ンク組成物、シアンインク組成物に加えて、グリーンインク組成物、オレンジインク糸且 成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物及び本発明のマゼンタインク組成物、 必要に応じてブラックインク組成物等と併用しうる。各色のインク組成物は、それぞれ の容器に注入され、これらの注入された容器は、本発明のインクジェット記録用水性 マゼンタインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置に セット (装填)され、記録用に使用される。インクジェットプリンタとしては、例えば機械 的振動を利用したピエゾ方式のプリンタゃ加熱により生ずる泡を利用したパブルジェ ット (登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
[0060] 本発明の水性マゼンタインク組成物は、鮮明なマゼンタ色であり、特にインクジエツ ト光沢紙において高い鮮明な色相を有し、記録画像の堅牢性も高い。又、人に対す る安全性も高い。
[0061] 本発明によるインク組成物は貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明に よるインクをインクジェット記録にぉ 、て使用した場合、噴射器 (インクヘッド)を閉塞 することもない。本発明によるインクは連続式インクジェットプリンタによる比較的長い 時間一定の再循環下又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用 においても、物理的性質の変化を起こさない。
実施例
[0062] 以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」と あるのは、特別に記載のない限りそれぞれ重量基準である。
質量分析は LC Massを使用して測定した。使用機器ならびに分析条件は以下の 通りである。
装置 LCT (マイクロマス社製)
イオン化法 ESI法
検出法 Nega
HPLC
装置 HP 1100 (HP社製)
カラム YMC- Pack ODS- A(5 μ m) 3.0 X 150mm (YMC社製)
カラム温度 40°C
移動相 A: 5mM AcONH4, B:CH3CN
グラジェント B cone: 5%-(30min)-50%
流量 0.25ml/min
サンプノレ濃度 lOOOppm
注入量 5 μ 1
実施例 1
(1) Ν, Ν—ジメチルホルムアミド 375. 0部に、攪拌しながら、前記式(10)の化合物( R =Η) 381. 0部、前記式(11)の化合物(R =4—フエ-ル)(4-ヒドロキシビフエ-
1 2
ル) 44. 6部及び粉砕(100メッシュ)炭酸カリウム 19. 0部を順次加え、昇温した。 13 0〜140°Cの温度で 3時間反応を行った。得られた反応液を水冷してそこにメタノー ル 450部を添加し、 30分攪拌後、反応生成物を濾過、分取し、メタノール 700部及 び約 80°Cの温水 300部で順次洗浄後、乾燥して前記式(12)の化合物 (R =H、R
1 2
=4—フエニル) 65. 9部を褐黄色結晶として得た。
(2)キシレン 120部に、攪拌しながら、式(12)の化合物 (R =H、 R =4—フエ-ル)
1 2
の化合物 65. 8部、炭酸カリウム 1. 4部、ベンゾィル酢酸ェチルエステル(式(13)の 化合物: R =H) 67. 2部を順次カ卩え、昇温した。 142〜144°Cの温度で 4時間反応
3
を行い、その間、反応で生成するエタノールと水を、キシレンとの共沸で系外へ留去 し、反応を完結させた。次いで、反応液を冷却し、 30°Cにてそこにメタノール 180部 を添加して 30分攪拌後、反応生成物を濾過、分取し、メタノール 300部で洗浄後、 乾燥して、前記式(14)の化合物 (R =H、R =4—フエ-ル、 R =H) 65. 3部を淡
1 2 3
黄色針状結晶として得た。
(3)次に、 N, N—ジメチルホルムアミド 160. 0部に、攪拌しながら、式(14)の化合 物(R =H、R =4—フエ-ル、 R =H) 59. 8部、メタ一アミノアセトァ -リド 45. 0部
1 2 3
、酢酸銅 1水和物 12. 0部及び炭酸ナトリウム 15. 9部を順次仕込み、昇温した。 120
〜130°Cで 5時間反応を行う。約 50°Cに冷却した。メタノール 150部を添カ卩し、 30分 攪拌後、反応生成物を濾過、分取し、メタノール 500部及び 80°Cの温水 400部で順 次洗浄、乾燥して前記式(15)の化合物 (R =H、R =4—フエ-ル、 R =H)51. 7
1 2 3
部を明るい赤色結晶として得た。
[0064] (4)次に 96. 0%硫酸 161. 5部に、攪拌下、水冷しながら 32. 6%発煙硫酸 198. 5 部を添加して、 10%発煙硫酸 360部を調製した。そこに、水冷下、式(15)の化合物 (R =H、 R =4—フエ-ル、 R =H)51. 4部を 50°C以下で添カ卩した後、昇温し、 8
1 2 3
5〜90°Cにて 4時間反応を行い、式(15)の化合物をスルホン化した。次に、氷水 60 0部に、得られた反応液を添加した。その間反応液と共に適宜氷をそこに加えること により、液温を 50°C以下に保持した。次いでそこに水をカ卩えて液量を 1000部とし、 濾過して、不溶解分を除去した。次に、母液に水をカ卩えて 1250部とし、室温にて食 塩 250部を添加して 3時間攪拌し、析出した結晶を濾過、分取し、 20%食塩水溶液 300部で洗浄し、下記式(16)
の化合物 55. 7部を含むウエットケーキ 115. 0部を赤色結晶として得た。
この化合物のジァゾ分析法による純度は 48. 4%だった。以下、他の化合物に付い ても、純度はこのジァゾ分析法により測定した。
IH— NMR(CD30D、 300MHz、内部標準物質テトラメチルシラン): δ 7. 23 (1H , s)、 7. 32(1H, d)、 7. 51 (IH, t)、 7. 57(1H, s)、 7. 59(1H, t)、 7. 67(1H, t)、 7. 71 (2H, d)、 7. 81 (IH, dd)、 7. 91 (2H, d)、 7. 94 (IH, d)、 8. 08 (2H , dd)、 8. 29(1H, d)、 8. 31 (IH, s)、 8. 47(1H, s)、 8. 54(1H, d)。
[0065] (5)水 100部に上記 (4)で得た式(16)の化合物のウエットケーキ(純度 48. 4%) 10
6. 7部を添加し、次いで 25%苛性ソーダ 24部を添加して攪拌し、更に 25%苛性ソ ーダをカ卩えて pHを 3〜4に調整しながら、該ウエットケーキを溶解させ、式(16)の化 合物を含む溶液を得た。
一方、氷水 60部にリバール OH (商品名、ァ-オン界面活性剤、ライオン株式会社製 ) 0. 4部を加え、溶解後シァヌルクロライド 4. 4部を添加し 30分攪拌した。得られた 懸濁液を、上記で得た式(16)の化合物を含む溶液中に添加し、次いで、 10%苛性 ソーダ水溶液を滴下しながら、 pHを 2. 7〜3. 0に保ち、 25〜30°Cで 3時間 1次縮合 反応を行い、
下記式(17)
(6)上記(5)の操作で式(17)の化合物を含有する反応液中に、オルタニル酸 3. 8 部(純度 98. 89%)、水 20部、 25%苛性ソーダ水溶液 3. 5部力もなる溶液を添加し 、更に、水をカ卩えて液量を 150部とし、昇温した。得られた混合物を 60〜70°Cの温 度で、 10%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、 pHを 6. 0〜6. 5に保ち、 1時間反応 させ、 2次縮合反応を行い、
下記式(18)
の化合物を含む反応液を得た。
(7)上記(6)の操作で式(18)の化合物を含む反応液中に 25%苛性ソーダ水溶液を 適宜カ卩えて pHを 10. 5-11. 0に保ちながら、 85〜90°Cの温度で、 3時間反応させ た。反応後、反応液に水を加えて液量を 350部に調整した後、濾過して不溶解物を 除去した。
得られた反応液を約 35°Cに保ちながら、そこに食塩 70部を添加し、次いで濃塩酸を 加えて pHを 0. 0に調整した後、 1時間攪拌し、析出した結晶をろ別し、 20%食塩水 溶液 200部で洗浄して、
下記式 (4)
の化合物を赤色ウエットケーキとして 60部を得た。
(8)上記(7)の操作で得られたウエットケーキを、メタノール 400部中に加え、 60〜6 5°Cにて 1時間加熱後、室温まで冷却し結晶を濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、式( 4)で表される化合物(表 1における No. 1の化合物) 19. 2部を赤色結晶(ナトリウム 塩とフリーの混合物)として得た。無機塩含量は C1—及び SO 2_の各イオンをイオンク
口マトグラフ法で測定し、 NaCl及び Na SOの重量に換算し、含量を算出した結果 1
2 4
%以下であった。
最大吸収波長( max) : 538nm (水溶液中)
LC-Mass :m/z= 1290[M-H + ]
実施例 2
(1)実施例 1の(1)〜(5)の操作を行うことにより式(17)で表される化合物を含有す る反応液を得た。該反応液中に、アンスラニル酸 3. 2部、 25%苛性ソーダ水溶液 3. 7部及び水 15部力もなる水溶液を添カ卩し、 27〜30°Cの温度で、 25%苛性ソーダ水 溶液を滴下しながら、 pHを 4. 8〜5. 2に保ち、 30分反応させ 2次縮合反応を行い、 下記式(19)
の化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)の操作で式(19)の化合物を含む反応液中に、 25%苛性ソーダ水溶液 を適宜カ卩えて pHを 10. 8-11. 2に保ちながら、 90〜95°Cの温度で 2時間反応させ た。反応後、該反応液に水を加えて液量を 350部に調整し、濾過して不溶解物を除 去した。得られた反応液中に、室温にて食塩 70部を添加し、次いで塩酸を加えて p Hを 0. 1に調整した。室温にて 1時間攪拌し、析出した結晶を濾過、分取し、 20%食 塩水溶液 100部で洗浄し、下記式(5)
の化合物を赤色ウエットケーキとして 65部を得た。
(3)上記(2)の操作で得られたウエットケーキを、メタノール 300部中にカ卩え、室温に て 1時間攪拌し、得られた結晶を濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、式(5)で表される 化合物(表 1における No. 8の化合物) 15. 0部を赤色結晶(ナトリウム塩とフリーの混 合物)として得た。実施例 1と同様にして測定した結果、無機塩含量は 1%以下であ つた o
最大吸収波長( max) : 535nm (水溶液中)
実施例 3
(1)実施例 1の(1)〜(5)の操作を行うことにより式(17)で表される化合物を含有す る反応液を得た。該反応液中に、 5—アミノーイソフタール酸 4. 4部、 25%苛性ソー ダ水溶液 7. 7部及び水 15部からなる水溶液を添カ卩し、 50〜60°Cの温度で、 25% 苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、 PHを 5. 8〜6. 2に保ち、 30分間反応させ 2次縮 合反応を行い、下記式 (20)
の化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)の操作で得られた式(20)の化合物を含む反応液中に、 25%苛性ソー ダ水溶液を適宜カ卩えて ρΗを 10. 8〜: L 1. 2に保ちながら、 90〜95°Cの温度で 2時 間反応させた。反応後、該反応液に水を加えて液量を 250部に調整し、濾過して不 溶解物を除去した。得られた反応液中に、 30〜40°Cにて塩酸をカ卩えて pHを 3とし、 食塩 37. 5部を添カ卩し、次いで塩酸をカ卩えて pHを 2. 0に調整した。 30〜40°Cにて 1 時間攪拌し、析出した結晶を濾過、分取し、 15%食塩水溶液 200部で洗浄し、下記 式(21)
の化合物を赤色ウエットケーキとして 35部を得た。
(3)上記(2)の操作でウエットケーキを、メタノール 200部中に加え、 60°Cにて 1時間 攪拌し、得られた結晶を濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、式(21)で表される化合物 (表 1における No. 11の化合物) 13. 0部を明赤色結晶(ナトリウム塩とフリーの混合 物)として得た。実施例 1と同様にして測定した結果、無機塩含量は 1%以下であった 最大吸収波長( max) : 530nm (水溶液中)
実施例 4
(1)実施例 1の(1)〜(5)の操作を行うことにより式(17)で表される化合物を含有す る反応液を得た。その中に、氷を加えて 5°Cとし、次いで 25%苛性ソーダをカ卩えて p Hを 9. 0とした。そこに、 5—ヒドロキシイソフタール酸 4. 8部、 25%苛性ソーダ水溶 液 8. 4部及び水 18部力もなる水溶液を、 25%苛性ソーダで pHを 8. 8〜9. 2に保ち ながら、 5〜10°Cで滴下した。滴下完了後加熱し、 27〜30°Cの温度で、苛性ソーダ 水溶液を滴下しながら pHを 8. 8〜9. 2に保ち、 1時間反応させ 2次縮合反応を行い
、下記式(22)
の化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)の操作で得られた式(22)の化合物を含む反応液中に、 25%苛性ソー ダ水溶液を適宜カ卩えて、 pHを 10. 8〜: L 1. 2に保ちながら 90〜95°Cの温度で 2時 間反応させた。反応後、そこに、水を加えて液量を 400部に調整し、濾過して不溶解 物を除去した。得られた反応液中に、室温にて食塩 80部を添加し、次いで塩酸をカロ えて pHを 0. 0に調整した。該反応液を室温にて 3時間攪拌し、析出した結晶を濾過 、分取して、 20%食塩水溶液 100部で洗浄し、下記式(23)
の化合物を赤色ウエットケーキとして 50部を得た。
(3)上記(2)の操作で得られたウエットケーキを、メタノール 300部及び水 15部の液 中に加え、 60°Cに加熱して、 1時間攪拌し、得られた結晶を濾過、分取し、メタノール で洗浄、乾燥し、式(23)で表される化合物 13. 7部を赤色結晶(ナトリウム塩とフリー の混合物)として得た。実施例 1と同様にして測定した結果、無機塩含量は 1%以下 であった。
最大吸収波長( max) : 531nm (水溶液中)
[0069] 実施例 5〜8
(A)インクの調製
上記実施例 1で得られた化合物 (ィ匕合物例 No. 1)を用いて下記表 2に示した組成 の溶液を調製し、 0. 45 mのメンブランフィルターで濾過する事により不溶物を除き 、各インクジェット記録用水性インク組成物を得た。また水はイオン交換水を使用した 。尚、インク組成物の pHが pH = 8〜: L0となるように 25%苛性ソーダ水溶液で調製し 、総量 100部になるようにさらに水をカ卩えた。実施例 1で得られたィ匕合物を用いた試 験を実施例 5とする。
実施例 2〜4で得られた化合物を用いて、同様にインク組成物を得た。実施例 2〜4 で得られたィ匕合物を用いた試験をそれぞれ実施例 6〜8とする。
[0070] 表 2 (インク組成物)
実施例 1の化合物 (化合物例 No. 1) 6. 0部
グリセリン 5. 0部
尿素 5. 0部
N—メチル 2 ピロリドン 4. 0部
イソプロピノレアノレコーノレ 3. 0
ブチノレカノレビトーノレ 2. 0部
サーフィノール 104PG50 (ノ-オン界面活性剤、日信化学社製)
0. 1部
25%NaOH水 +水 74. 9部
計 100. 0咅
[0071] 比較例 1
比較対象として、特許文献 3の実施例 2の化合物(特許文献 3における化合物 No. 4)を用い、表 2で示したインク組成物と同様なインク組成物を作成し、インクジェット記 録を行 、、記録画像の各種評価を行った。比較例 1に使用したィ匕合物を下記式(25 )に示した。
[0072] (B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(キャノン社製、商品名: Pixus 8601)を用いて、多孔性白色 無機物を含有したインク受像層を有する光沢紙 (キャノン社製、商品名:プロフェツシ ョナルフォトペーパー PR— 101)とエプソン社製写真用紙 (光沢)〖こインクジェット記 録を行った。インクジェット記録の際、印刷濃度が数段階の諧調が得られるように画 像パターンを作り印字物を作成した。
(C)記録画像の評価
1.色相評価
1 - 1.光沢紙での色相評価
記録画像の色相、鮮明性は、印字した記録紙を測色システム(商品名: GRETAG SPM50 : GRETAG社製)を用いて測色し、 L*、 a*、 b*値を算出し、鮮明性を示す 彩度 (C*)は色度 (a*、 b*)力 C* = ( (a* ) 2+ (b* ) 2) 2/1を算出した。 JPMA (社団 法人 日本印刷産業機械工業会)のジャパンカラー CFNC)標準マゼンタサンプルと の比較で色相評価を行った。
実施例 5〜7の色相の結果を表 3に示す。尚、ジャパンカラー標準マゼンタの使用 紙は Japan Color Standard Paperで & >。。
[0073] 表 3
明度 色度 彩度
L* a* b* C*
_JNC標準マゼンタ 46. 3 74. 4 —4. 8 74. 6
キャノン社製光沢紙
実施例 5 (No.1) 57.8 88.2 -2.9 88.2
実施例 6 (No.8) 55.4 82. 1 0.5
実施例 7 (No.11)54.8 78. 7 1.0 78.6
実施例 8 (No.12)53.2 82. 9 1.4
エプソン社製光沢紙
実施例 5 (No.1) 56.1 82. 3 1.7
実施例 6 (No.8) 56.1 80. 6 -2.2 80.5
実施例 7 (No.11)57.2 77. 4 -2.6
実施例 8 (No.12)51.9 83. 2 -7.2
比較例 1 49.5 79. .9 9.5 80.4
表 3より明らかなように、色度 a*値の比較において 00000卜 0
00、キャノン社製光沢紙を用いた場 合に実施例 5 8が 78.7 88.2、比較例 1が 81.0、エ 〇
COプソン社製光沢紙を用いた 場合でも実施例 5 8が 77.4 83.2、比較例 1が 79.9であり、両者はほぼ同等の 値を示し、 JNC標準マゼンタの 74.4と近い値であった。
色度 b*値の比較においても、キャノン社製光沢紙を用いた場合に実施例 5 8が -2.9 1.0、比較例 1がー 6.7、エプソン社製光沢紙を用いた場合でも実施例 5 8がー 7.2 1.7、比較例 1がー 9.5であり、両者間でそれほど大きな違いは見 られず、 JNC標準マゼンタの— 4.8と近い値であった。
鮮明性を示す彩度 C*値の比較にぉ ヽて、キャノン社製光沢紙を用いた場合に実 施例 5 8が 78.6 88.2、比較例 1が 81.3、エプソン社製光沢紙を用いた場合に 実施例 5 8が 77.6 83.5、比較例 1が 80.4であり、いずれも JNC標準マゼンタ の C*値である 74.6よりは高値を示す力 実施例 5 8と比較例 1との比較において は明確な差は認められな ヽ。
し力しながら明度 L*値の比較においては、キャノン社製光沢紙を用いた場合に実 施例 5 8が 53.2-57.8、比較例 1が 49.8、エプソン社製光沢紙を用いた場合で も実施例 5 8が 51.9 57.2、比較例 1が 49.5、さらに JNC標準マゼンタが 46.3 であり、比較例 1および JNC標準マゼンタよりも本発明の色素を用いたインク組成物
の記録画像は明らかに高値を示し、明度が非常に高いことがわ力る。
以上の結果より明らかなように、本発明の色素を用いたインク組成物の記録画像は 、色相においては比較例 1と同等である力 彩度において JNC標準マゼンタより鮮ゃ かであり、また明度においては比較例 1および JNC標準マゼンタよりも非常に優れる という特徴を有することがわかる。従って本発明のアントラピリドン化合物は、インクジ エツト用マゼンタ色素として好適であると言える。
[0075] 以下に各種堅牢性の評価にっ 、て記載する。堅牢性につ!、ては耐光性、耐オゾン ガス性、耐湿性の 3種の試験を行って評価した。
(D)記録画像のキセノン耐光性試験
キャノン社製光沢紙とエプソン社製光沢紙にプリントした試験片に空気層と 2mm厚 のガラス板を設置して、キセノンゥェザォメータ Ci4000 ( ATLAS社製)を用い、 0. 3 6WZ平方メートル照度で、湿度 60%RH、温度 24°Cの環境下、 50時間照射し、試 験前後の色差(Δ Ε)を測定し、 3段階で評価した。
Δ Ε≤10 〇
10< Δ Ε≤20 Δ
Δ Ε> 20 X
結果を表 4に示す。
[0076] (Ε)記録画像の耐オゾンガス性試験
キャノン社製光沢紙とエプソン光沢紙にプリントした試験片をオゾンウエザーメーター (スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度 12ppm、湿度 60%RH、温度 24°Cの環境下 に 3時間放置し、試験前後の色差(Δ Ε)を測定し、 3段階で評価を行った。
Δ Ε≤10 〇
10< Δ Ε≤20 Δ
Δ Ε> 20 X
結果を表 4に示す。
[0077] (F)記録画像の耐湿性試験
キャノン社製光沢紙とエプソン光沢紙にプリントした試験片を恒温恒湿器 (応用技研 産業社製)を用いて 30°C、 85%RHで 168時間放置し、試験前後のブリード性を目
視にて判定し、 3段階で評価した。
〇:ブリードが認められない
△:わずかブリードが認められる
X:大きくブリードが認められる
結果を表 4に示す。
表 4
キャノン社製光沢紙
耐光性 耐オゾンガス性
実施例 5 (No. 1) 〇 〇 〇
実施例 6 (No. 8) 〇 〇 〇
実施例 Ί (No. 11) 〇 〇 〇
実施例 8 (No. 12) 〇 〇 〇
比較例 1 Δ X 〇
エプソン社製光沢紙
耐光性 耐オゾンガス性 耐湿性
実施例 5 (No. 1) 〇 〇 〇
実施例 6 (No. 8) 〇 〇 〇
実施例 Ί (No. 11) 〇 〇 〇
実施例 8 (No. 12) 〇 〇 〇
比較例 1 Δ X 〇
表 4より明らかなように、キャノン社製およびエプソン社製いずれの光沢紙を用いた 場合でも、比較例 1の記録画像は耐光性に問題があり、耐オゾンガス性において難 点のあることが明白である。これと比較し本発明のアントラピリドンィ匕合物を含むインク 組成物を用いた記録画像は、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性のいずれの試験にお いても高い安定性を示した。
これにより本発明のアントラピリドンィ匕合物は堅牢性をも有する画像を与える色素で あることが明らかであり、この点にお ヽてもインクジェット用マゼンタ色素として極めて 優れたものであると言える。
Z6SSTC/900Zdf/X3d IP S .T810/.00Z OAV