WO2007018124A1 - コラーゲン産生増強剤とその用途 - Google Patents

Abstract

　コラーゲン産生を増強する作用を持続して発揮する手段を提供することを課題とし、α，α－トレハロース及び／又はα，α－トレハロースの糖質誘導体を有効成分として含有するコラーゲン産生の増強剤、或いは、このコラーゲン産生の増強剤を配合してなるコラーゲン産生の増強用の組成物により解決する。

Description

明 細 書

コラーゲン産生増強剤とその用途

技術分野

[0001] 本発明は、新規なコラーゲン産生増強剤及びコラーゲン産生増強用の組成物、詳 細には、 a , α—トレハロース及び/又は α , α—トレハロースの糖質誘導体を含ん でなるコラーゲン産生増強剤及び当該コラーゲン産生増強剤を含有するコラーゲン 産生増強用の糸且成物に関する。

背景技術

[0002] 今日、高齢化社会を迎え、世の中の多くの中高年齢者、とりわけ、女性にとって、老 化に伴う皮膚の厚みの減少、新陳代謝の低下などの変化や骨密度の低下は、悩み の種であり、特に、顕著に感じられる、顔面のコジヮ'シヮ、弛みの発生、張りの消失、 皮膚の弾力の減少などにともなう容貌の変化は、その代表的なものである。これまで にも、皮膚の保湿性を確保するためにコラーゲンや、ヒアルロン酸などのムコ多糖を 配合した化粧品が、老化防止用の化粧品として開発されてきたものの、それだけでは 、皮膚の老化防止に充分な効果は得られていない。近年、老化に関する研究が進ん だことにより、真皮を形成するコラーゲン線維の顕著な減少が、皮膚の老化の主要な 原因となっていることが明らかになつてきた。そして、顔面のコジヮやシヮの発生、張り の消失、弛みの発生、皮膚の弾力の低下などの容貌の変化の原因は、コラーゲン線 維の減少と関係していることが示唆されてきており、皮膚の老化の原因には様々なも のがあるものの、結局は、真皮に存在する線維芽細胞のコラーゲン産生能の低下や 、線維芽細胞自身の増殖性の低下により、コラーゲンの代謝が低下することに帰結 する。

[0003] また、線維芽細胞におけるコラーゲンの産生量の低下は、単に皮膚の老化を進行 させるのみでなぐ皮膚の重要な機能の一つである生体防御能の低下や、さらには、 骨や血管をはじめとするコラーゲンによりその構造が維持されている体内の組織、臓 器の脆弱化を引き起こし、健康に支障をきたす原因となる。しかしながら、コラーゲン は蛋白質であり、経口摂取や皮膚表面に塗布しただけでは、直接体内に吸収されに くいし、まして、線維芽細胞のコラーゲン産生活性を増強することはできないので、皮 膚の老化の根本的な予防 ·治療とはなり得ない。そこで、皮膚、血管、骨をはじめとす る組織の老化防止や健康の維持 ·増進などを目的として、真皮や骨、血管をはじめと する組織'臓器の主要な構成成分であるコラーゲンの産生を持続して、健常レベル に増強することが可能で、且つ、安全なコラーゲン産生増強剤の開発が望まれており 、例えば、 Lーァスコルビン酸の誘導体やローヤルゼリーを配合したコラーゲン産生 増強剤が提案されている（特開 2003— 171290号公報参照)。また、グルコースなど の糖質がコラーゲンの産生を増強することも報告されている（例えば、ハン ディー シー（Han D. C. )ら ジャーナノレ ォブ ジ アメリカンソサイァティー ォブ ネフ 口ロン■ ~" (Journal of the American Society of Nepnrology)、 ¾¾10 、弟

9号、第 1891— 1899頁（1999年）参照）。しかしながら、これらの成分も、組成物の 配合処方や使用条件などによっては、安定性などの点で問題となる場合があり、新 規コラーゲン産生増強剤の開発が望まれている。

[0004] 一方、 α , α—トレハロースは、 2分子のグルコースが還元性基同士で結合してなる 二糖類であり、その糖質誘導体は分子内に当該 ex , a トレハロース構造を有する 3 個以上のグルコース力 なる非還元性の糖質で、これらの糖質は何れも、食品、化粧 品、医薬部外品或いは医薬品などの分野において、蔗糖などに代わる糖質として、 保湿作用、澱粉の老化防止、脂質の劣化抑制、蛋白質の変性抑制などの特性を利 用した飲食品や皮膚外用剤用の需要が急速に伸びつつある。

[0005] a , α トレハロース及びこの α , α トレハロースの糖質誘導体は公知の物質で あり、例えば、同じ出願人により、これら糖質の製造方法やその用途に関する特許も 多数出願されている（例えば、特開平 7— 143876号公報、特開平 7— 213283号公 報、特開 2000— 228980号公報、国際公開 WO 2004/056216号明細書参照） 。また、 a , α—トレハロースは、コラーゲン産生増強剤の賦形剤としての使用も開示 されている（例えば、特開 2003— 171290号公報参照)ものの、これらの文献には、 a , α—トレハロース及び Z又は α , α—トレハロースの糖質誘導体が、 L ァスコ ルビン酸類によるコラーゲン産生に顕著な増強作用を発揮することについての記載 はなぐまた、示唆もされておらず、これまで、 ex , a トレハロース及び Z又は ex , a —トレハロースの糖質誘導体が、コラーゲン産生を増強する点に着目したものはない 発明の開示

[0006] 本発明は、 Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生を効果的に増強する手段を 提供することを課題とする。

[0007] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、 ex , α—トレ ハロース及び Ζ又は ex , a トレハロースの糖質誘導体力 Lーァスコルビン酸類に よるコラーゲン産生を極めて効率よく増強するという予想外の知見を見出し、本発明 を完成した。

[0008] 本発明は、 α , a -トレハロース及び Z又は α , α トレハロースの糖質誘導体が 、ヒトを含む動物に対して、 L ァスコルビン酸類によるコラーゲン産生を顕著に増強 する作用を示すという知見に基づくものである。また、 α , α トレハロース及び Ζ又 は α , α トレハロースの糖質誘導体は、安定で、かつ、安全で、重篤な副作用の懸 念もないので、長期連用が可能であり、ヒトを含む動物類が簡便かつ快適に、皮膚の 老化防止、美容と健康の維持'増進、骨や血管の強化等のために利用することがで きる。

発明を実施するための最良の形態

[0009] 本発明で使用する α , α—トレハロース及び Ζ又は α , α トレハロースの糖質誘 導体はヒトを含む動物にお 、て L ァスコルビン酸類によるコラーゲン産生を増強す る作用を発揮するので、いずれもこの発明において有利に用いることができる。した がって、本発明のコラーゲン産生増強剤においては、これらの a , a トレハロース 及び a , a—トレハロースの糖質誘導体の 1種又は 2種以上が全体として有効量含ま れてさえいればよい。

[0010] 本発明で使用する α , α—トレハロース及び α , α トレハロースの糖質誘導体は 、発酵法、酵素法、合成法など種々の方法で調製することができ、これらを含有する シラップ、マスキット、非晶質粉末、含密結晶粉末、結晶などが有利に利用できる。こ の α , α トレハロース及び α , a トレハロースの糖質誘導体は、必ずしも高度に 精製されておらずともよぐ調製の過程で共存する他の糖質との未分離組成物として の形態、それらを部分精製、或いは、高度に精製したものであってもよぐ或いは、製 造工程で共存する還元性糖を水素添加して糖アルコールに変換したものであっても よぐヒトを含む哺乳類において L ァスコルビン酸類によるコラーゲン産生増強作用 を実質的に妨げない他の適宜の成分との混合物の形態であってもよい。なお、本発 明は、 α , α トレハロースやその誘導体の調製に関するものではないので詳細な 説明は略するけれども、経済性を問題にするのであれば、例えば、特開平 7—1438 76号公報、特開平 7— 213283号公報、特開 2000— 228980号公報、国際公開 W O 2004Z056216号明細書などに開示された非還元性糖質生成酵素及びトレハ ロース遊離酵素を澱粉部分加水分解物に作用させる方法が好適である。この方法に よると、廉価な材料である澱粉から、 a , α—トレハロースゃ α , α—トレハロース含 有糖質が高収率で得られる。ちなみに、斯カゝる方法により調製されたひ， a—トレハ ロースの市販品としては、含水結晶トレハロースを固形物換算で 98質量％以上含有 する食品級の ex , a トレハロース粉末 (株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」） がある。また、 a , a—トレハロースの糖質誘導体を含有する糖質としては、例えば、 a マルトシル a , a トレハロースを無水物換算で 50質量％以上含有し、その他 の α , α—トレハロースの糖質誘導体を無水物換算で約 7質量％含有する市販のシ ラップ (株式会社林原商事販売、商品名「ハローデッタス」）や、これを水素添加して 共存する還元性糖質をその糖アルコールに変換した、 α—マルトシル a , a—トレハ ロースを無水物換算で 50質量％以上含有し、その他の (X , a トレハロースの糖質 誘導体を無水物換算で約 10質量％含有するシラップ (株式会社林原生物化学研究 所販売、商品名「トルナーレ」）がある。

[0011] 本発明で使用する a , a—トレハロースの糖質誘導体は、 L ァスコルビン酸類に よるコラーゲン産生を増強できるものであれば、特に制限はない。具体的には、分子 内にトレハロース構造を有する 3個以上のグルコース力 なる非還元性オリゴ糖から 選ばれる 1種又は 2種以上の糖質であれば、いずれでもよい。より具体的には、 a , a トレハロース分子の少なくとも一方のグルコースに、モノーグルコース、ジーグル コース、トリ—グルコース及びテトラ—グルコース力 選ばれる何れかが結合したもの などをいう。

[0012] 上記の a , a トレハロースの糖質誘導体のなかでも、 —ダルコシル a , a—ト レノヽロース、 α マノレトシノレ a , a トレノヽロース、 a マノレトトリオシノレ a , a トレ ハロース及び _a マルトテトラオシル , a トレハロースなど、分子の末端にトレハ ロース構造を持つ糖質が、 Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生の増強作用が 強ぐ本発明に有利に利用できる。とりわけ、国際公開 WO 2004Z056216号明細 書などに開示された a マルトシル a , a トレハロースを主成分として含有し、他 に、 a グノレコシノレ a , a—トレノヽロース、 a マノレトトリオシノレ a , a—トレノヽロース 、これら以外の a—グリコシル a グルコース力 選ばれる 1種又は 2種以上を含有 する糖質が望ましい。この場合、全糖質に対して、 a—マルトシル a , a—トレハロー スを、無水物換算で、約 5質量％以上、望ましくは約 10質量％以上、さらに望ましく は約 30質量％以上含有する糖質が望ま 、。

[0013] 本発明のコラーゲン産生増強剤には、そのコラーゲン産生増強作用を妨げない範 囲で、ブドウ糖、果糖、ダルコサミン、ラタトース、蔗糖、 a , β—トレハロース、 β , β —トレハロース、ラタトスクロース、マルトオリゴ糖、水飴などの糖類、サイクロデキストリ ンゃ同じ出願人による国際公開 WO 02Z10361号明細書などに記載のサイクロ { →6) - a—D—ダルコピラノシル一 (1→3) - a—D—ダルコピラノシル一（1→6) - a—D—ダルコピラノシル一 (1→3) - a—D—ダルコピラノシル一（1→}の構造を 有する環状四糖、或いは、特開平 2005— 95148号公報（特願 2004— 174880号 明細書）などに記載のサイクロ {→6)— a D ダルコビラノシルー (1→4) - a -D —ダルコピラノシル一 (1→6) - a—D—ダルコピラノシル一 (1→4) - a— D グル コピラノシルー（1→}の構造を有する環状四糖などの環状の糖類、エリスリトール、マ ン-トール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、還元水飴などの糖アルコール 類、アスパルテーム、ステビア抽出物、スクラロース、アセスルファム Kなどの高甘味 度甘味料、プルラン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖体やその塩類 、天然ガム類、キチン、キトサン、カルボキシメチルセルロースをはじめとする合成高 分子ポリマー、コラーゲン、ゼラチンなどの増粘剤の何れか 1種又は 2種以上を添カロ することができる。

[0014] また、本発明のコラーゲン産生増強剤には、 a , a トレハロース及び a , α—トレ ハロースの糖質誘導体以外のもの、例えば、特開平 10— 203952号公報に開示さ れて 、るブナ科ブナ属の木の芽からの抽出物などの α , α トレハロース及び α , a—トレハロースの糖質誘導体以外のコラーゲン産生増強作用を持つ成分も、必要 に応じて配合することができる。さらに必要に応じて、海洋深層水、牡蠣殻カルシウム などのミネラル類、乳化剤、香料、香辛料、色素、例えば、ビタミン B、ビタミン B、ビ

1 2 タミン B、ビタミン B 、 L ァスコノレビン酸、ビタミン E、ノレチン ·ヘスべリジン 'ナリンジ

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ンなどのビタミン P類或いは、これらビタミン類の誘導体などのビタミン類や、アミノ酸 類、 CoQ 10 (コェンザィム Q 10)、アデノシンやその誘導体、それらのモノフォスフエ イト、ジフォスフェイト或 、はトリフォスフェイトなどの塩基類などの成分を 1種又は 2種 以上を含有させることも有利に実施できる。なかでも、コンドロイチン硫酸などのムコ 多糖類、 CoQ 10 (コェンザィム Q 10)、アデノシンやその誘導体、それらのモノフォス フェイト、ジフォスフェイト或いはトリフォスフェイトなどの塩基類を併用すると、 a , a トレハロース及び Z又は α , α トレハロースの糖質誘導体のコラーゲン産生増強 作用をさら〖こ増強することもできる。これらの成分の選択基準は、通常、本発明のコラ 一ゲン産生増強剤の各々の利用分野の必要性に応じて適宜選択される。

[0015] 本発明でいう Lーァスコルビン酸類とは、 Lーァスコルビン酸及びその誘導体を意 味し、そのままで、或いは、酵素などにより分解や修飾されるなどして、線維芽細胞の コラーゲン産生を誘発する作用を発揮できる物質を意味する。具体的には、 L ァス コルビン酸、 Lーァスコルビン酸 2—ダルコシドなどの Lーァスコルビン酸配糖体、 L— ァスコルビン酸配糖体のァシル化誘導体、 L ァスコルビン酸のリン酸エステルゃ硫 酸エステルやこれらの塩類などがある。通常、ヒトを含む動物の生体内には、線維芽 細胞のコラーゲン産生に必要な量の Lーァスコルビン酸が存在するので、本発明の コラーゲン産生増強剤に、 Lーァスコルビン酸類を加える必要は無いが、生体内の L -ァスコルビン酸量の不足によりコラーゲン産生が低下して 、る場合には、 L ァス コルビン酸類を併用することが望ましい。その場合の L ァスコルビン酸類の使用量 の基準は、ヒトを含む動物のコラーゲン産生に必要とされる量を、本発明のコラーゲ ン産生増強剤の各々の利用分野に応じて適宜選択すればよい。

[0016] 本発明のコラーゲン産生増強剤の使用方法について、ヒトの場合を例にとって説明 すると、本発明のコラーゲン産生増強剤は経口的に使用しても非経口的に使用して もコラーゲン産生増強作用を発揮する。また、本発明のコラーゲン産生増強剤は、上 述のような作用故に、経口的及び非経口的使用のいずれの場合にも、コラーゲン産 生の増強に有効である。使用目的にもよるが、通常、食品又は液剤、シロップ剤、散 剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの形態で経口的或いは経管的 (経胃、経腸など） に摂取するか、皮膚外用剤として経皮的に投与してもよぐ場合によっては、点眼剤 、注射液、輸液、腹腔や胸腔の灌流液、臓器 ·傷口 *眼*鼻腔 ·火傷、炎症部位など の洗浄液 '消毒液、腹膜透析液、組織や臓器の保存液などの形態で非経口的に使 用することで、対象部位のコラーゲン産生を増強し、組織や臓器の強化や傷口'火傷 •炎症部位の治癒の促進などにも有利に利用できる。なお、本発明でいう皮膚外用 剤は、 α , α—トレハロース及び Ζ又は α , α—トレハロースの糖質誘導体を配合し た組成物が直接皮膚に接触するものであれば、何れでもよぐ化粧品、医薬部外品、 医薬品だけでなぐ洗剤などの雑貨類なども含む。

本発明のコラーゲン産生増強剤は、ヒトを含む動物類に、経口的、経皮的、或いは 注射 (腹腔内等の灌流を含む)の 、ずれの経路で投与した場合にも、その有効成分 が速やかに生体内に吸収されて、真皮、組織、骨、臓器などに存在する線維芽細胞 における Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生を増強するので、ヒトを含む動物 類が当該コラーゲン産生増強剤を摂取すると、コラーゲンの産生が安定的に増強さ れて、加齢に伴う老化、透析、炎症を伴う疾患や手術などにより発生する組織の障害 や、紫外線をはじめとする因子によりダメージを受けた皮膚などでのコラーゲン産生 能の低下を回復し、皮膚に張りや潤いを与え、コジヮ 'シヮを除去し、皮膚の弾力を 回復したり、骨や血管をはじめとする各種糸且織、臓器を強化したり、創傷を治癒する 効果を奏することができる。また、特に、経皮投与にあっては、 a , a—トレハロース 及び/又は a , a—トレハロースの糖質誘導体力 L—ァスコルビン酸類によるコラ 一ゲン産生を持続して増強して、その皮膚の真皮や角化層を、強化して生体防御能 を増強すると共に、肌の荒れを抑制'改善することから、加齢に伴う老化や、紫外線 や有害微生物などをはじめとする因子によりダメージを受けた皮膚のコラーゲン産生 能の低下を速やかに回復し、皮膚に張りや潤いを与え、コジヮ 'シヮを除去し、肌の 荒れや皮膚の弾力を回復したり、頭皮を含む皮膚に適用する化粧品として利用する 場合にも、上記の作用効果による皮膚疾患の予防ならびに当該疾患に対する治療 効果の改善や発育毛'育毛などに奏効する。さらに、本発明のコラーゲン産生増強 剤及び Z又はそれを含有する組成物を化粧品などとして皮膚に直接塗布する場合 は、必要に応じて、例えば、同じ出願人による国際公開 WO 01Z60388号明細書 などに開示されたイオン導入具を用いることによって、皮膚への浸透を促進してもよ い。従って、本発明のコラーゲン産生増強剤は、シヮゃコジヮの発生の抑制剤ゃ改 善剤、発毛'育毛剤、組織の強化剤などとしても利用することができる。しかも、本発 明のコラーゲン産生増強剤は、ヒトを含む動物が簡便に利用できて、健康の維持'増 進にも利用でき、例えば、強壮剤や、健康食品、健康補助食品、特別用途食品、保 健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、雑貨などの 形態で利用することもできる。

本発明のコラーゲン産生増強剤の摂取量又は投与量は、対象とするヒトをはじめと する動物やペットなどの種類、齢、性別などによって異なるものの、無水物換算で α トレハロース及び Z又は ex , a トレハロースの糖質誘導体を、体重 lkgあたり 、通常、 0. OOlg乃至 2g、望ましくは、 0. Olg乃至 lgを経口的 (経管投与を含む)或 いは経皮投与以外の非経口的に、 1日 1回又は数回に分けて、効果に応じて、連日 又は 1日以上の間隔をおいて摂取するか、或いは、投与すればよい。経口的に投与 される強壮剤、健康食品、健康補助食品、特別用途食品、保健機能食品、医薬部外 品、医薬品、飼料、餌料、ペットフードなどでは、例えば、液剤、錠剤、粉末剤、顆粒 剤、ペースト剤、シラップ剤、カプセル剤など、各々の用途に応じた形態のものを用い ることができる。この場合、通常、 α , α—トレハロース及び Ζ又は α , α—トレハロー スの糖質誘導体を、無水物換算で 0. 1質量％以上、望ましくは、 1質量％以上含有 する。また、本発明のコラーゲン産生増強剤を、化粧品などとして皮膚に直接接触さ せる皮膚外用剤の場合には、当該コラーゲン産生増強剤に使用される α , α—トレ ハロース及び Ζ又は a , a トレハロースの糖質誘導体は、無水物換算で、皮膚外 用剤全量中、 0. 1質量％乃至 20質量％、好ましくは、 1質量％乃至 20質量％であり 、安定した効果を得るには 2質量％乃至 20質量％が特に望ましぐ 1日 1回又は数回 に分けて、効果に応じて、連日又は 1日以上の間隔をおいて皮膚に噴霧や塗布など の方法で接触させればよい。 20質量％よりさらに増量しても効果に差が無いだけで なぐ皮膚外用剤の形態によっては、物性面や使用感等で配合処方上の問題が発 生する場合があるので、これを配合量の上限とした。なお、皮膚外用剤の物性面や 使用感等で好ましくない場合以外は、 a , α トレハロース及び Z又は α , α トレ ノ、ロースの糖質誘導体の皮膚外用剤への配合量に上限はない。また、 _α , ひ—トレ ノ、ロースの誘導体を配合した皮膚外用剤にベタ付き感が認められる場合には、ポリ アクリル酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウム、スクレログルカン、タインズシードェ キス、プルランなどの水溶性多糖類等の増粘剤やエタノールを併用する力、ブチレン グリコールとグリセロールとを、質量比で 1 : 20乃至 20対 1の割合で配合すればよい。

[0019] 本発明のコラーゲン産生増強剤は、上記で述べたようにそれ自体で有用である一 方、他の成分に配合してなる組成物の形態としても有利に利用できる。本発明のコラ 一ゲン産生増強剤を含有する組成物を製造するには、対象とする動物類やその摂 取方法又は投与方法などに応じて選ばれる適宜の組成にしたがって、 a , a トレ ハロース及び/又は _a , _a トレハロースの糖質誘導体と、以上に示したような飲食 品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフードの分野の何れかにおい て使用することのできる 1種又は 2種以上の成分とを、個々の含量に基づいて、目的 に応じて混合するなどの工程を適宜実施し、 a , a—トレハロース及び/又は a , a トレハロースの糖質誘導体を含有する組成物を調製し、必要に応じて所望の形状 に成形すればょ ヽ。本発明のコラーゲン産生増強剤或いはこれを含有せしめた組成 物の調製は、その各成分を、原料の段階力 製品の段階に至るまでの適宜の工程、 或いは、既存の製品に対して、例えば、希釈、濃縮、乾燥、濾過、遠心分離、混和、 混捏、溶解、融解、分散、懸濁、乳化、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴霧、注入、 晶出、固ィ匕、逆ミセルイ匕などの方法の 1種又は 2種以上を適宜組み合わせて、実施 することができる。なお、上記医薬品などのように、経口'経腸摂取や皮膚への適用 以外の方法による生体内への投与目的の製剤などは、菌及びパイロジェンを除去し ておくのが望ましい。

[0020] 本発明で用いる、ヒトを含む動物への経口的又は経皮的適用ないしは皮膚外用に 許容される成分としては、上記或いは上記以外の、本発明の組成物の個々の利用分 野で通常使用される、例えば、水、アルコール、澱粉質、蛋白質、アミノ酸、線維質、 糖質、脂質、脂肪酸、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、香辛料 、防腐剤、酸化防止剤、乳化剤、界面活性剤、粉体などを挙げることができる。

本発明のコラーゲン産生増強剤或いはこれを配合した組成物は、コラーゲン産生 を増強できる旨の表示をして、コラーゲン産生増強の目的に使用することができる。 本発明のコラーゲン産生増強剤を配合した組成物の形態には特に制限はない。望 ましい皮膚外用剤の形態としては、例えば、国際公開 WO 2004Z056216号明細 書などに開示されたようなローション、乳液、クリーム、固型、粉末、ゼリー、ムース、パ ック、フェイスマスク、フィルムなどの形態の基礎ィ匕粧品、洗浄用化粧品、入浴用化粧 品、口腔化粧品、日焼け ·日焼け止め化粧品、メークアップ化粧品、頭髪ィ匕粧品 (発 毛剤、育毛剤など)や、台所用洗剤のように肌に直接影響を及ぼす雑貨類などが挙 げられる。医薬品としては、皮内、皮下、血管内投与用の注射、腹腔内灌流液 '洗浄 液、腹膜透析などの透析液、外傷の洗浄液'消毒液、点眼剤、点鼻剤、外用剤など を挙げることができる。食品の場合は、例えば、コラーゲン産生増強のために用いら れるものである旨の表示をしたアイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベットなどの 氷菓、氷蜜などのシロップ、バタークリーム、カスタードクリーム、フラワーペースト、ピ 一ナッツペースト、フルーツペーストなどのスプレッド及びペースト、チョコレート、ゼリ 一、キャンディー、グミゼリー、キャラメル、チューインガム、プリン、シュークリーム'ス ポンジケーキをはじめとする焼き菓子などの洋菓子、ジャム、マーマレード、シロップ 漬、糖菓などの加工果実ないしは加工野菜、まんじゅう、ういろう、あん、羊羹、水羊 羹、カステラ、飴玉、米菓などの和菓子、麵類、求肥、米飯、総菜、乾燥食品、レトル ト食品、冷凍食品、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、マヨネーズ、ドレッシング、食 酢、三杯酢、みりん、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなどの調味料などが挙げら れる。望ましい飲料の形態としては、例えば、合成酒 '醸造酒'発泡酒 '果実酒'洋酒 などの酒類、ジュース ·ミネラル飲料 ·炭酸飲料 ·乳酸飲料 ·乳酸菌飲料 ·スポーツドリ ンク ·栄養ドリンク剤、緑茶 ·紅茶 ·ウーロン茶などの茶飲料 'コーヒー 'ココアなどの清 涼飲料などとすることができる。以上のような本発明の組成物は、本発明のコラーゲ ン産生増強剤を、製品質量あたり、通常、 0. 01質量％乃至 20質量％、望ましくは、 0. 1質量％乃至 10質量％含有する。

[0022] 以下、実験に基づいてより詳細に本発明を説明する。

[0023] <実験 1 : Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生に及ぼす α , _α トレハロース の影響 >

a , a トレハロースの Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生に及ぼす影響を 調べる実験を、正常ヒト新生児包皮皮膚線維芽細胞 (Fibrocell NHDF、倉敷紡績 株式会社販売）（以下、「NHDF細胞」と略記する。）を使用して、「バイオサイエンス、 ノィォテクノロジー、アンド ノ ィオケミストリー」 (Bioscience, Biotechnology, a nd Biochemistry)、第 68卷、第 4号、第 767— 773頁（2004年）に記載された方 法に基づいて行った。以下、その方法を略記する。

<試験溶液 >

10% (v/v)牛胎児血清及び抗生物質を含むダルベッコの MEM培地（以下、「D MEM培地」と略記する。 )に、 Lーァスコルビン酸 2—ダルコシド (株式会社林原生 物化学研究所販売、試薬級）（以下、「AA— 2GJと略記することがある。）と α , α ~ トレハロース (株式会社林原生物化学研究所販売、試薬級)とを、 AA— 2Gの最終濃 度が 50 Μ、 a , α トレハロースの最終濃度が 7. 5mg/mU 15mgZml或いは 30mgZmlとなるように溶解して試験液を調製した。

< NHDF細胞におけるコラーゲン産生量の定量方法 >

D MEM培地を用 、て継代培養した NHDF細胞を回収し、 D— MEM培地に再 懸濁し、 96ウェルマイク口プレートに、 2. 5 X 10⁴細胞 Z200/z lZゥエルで播種して 24時間培養した。その後、培養液を吸引除去し、試験液の何れかを 200 /z lZゥェ ル添加して、 5日間培養を行った。対照として、 D— MEM培地、 a , a—トレハロー スを 30mg/ml含有する D— MEM培地或いは 50 μ Μの AA—2G含有 D—MEM 培地の何れかを、 200 1Zゥエル添加して、 5日間培養を行った。その後、培養液を 吸引除去し、各々のゥエルに lmg/mlペプシン含有 1M酢酸を、 50 /z lZゥエルカロ えて、 4時間振盪して細胞表面に付着したコラーゲンを可溶ィ匕し、細胞中に蓄積され たコラーゲン量を、シリコン（Sircol)コラーゲン定量キット（バイオカラー社（Biocolor

Ltd)販売）で測定した。実験は、対照或いは試験液について、各々 3ゥエルを使用 して行い、各ゥエル当たりのコラーゲン量の平均を求めてコラーゲン産生量とした。 t お、 NHDF細胞の培養は何れの場合も 5容量％炭酸ガス培養装置を使用した。結 果は、 AA— 2G含有 D— MEMで培養した場合の NHDF細胞のコラーゲン産生量 を 100とする相対値を求め、表 1に示す。

[表 1]

[0025] 表 1から明らかなように、 AA— 2G無添加の D— MEM培地及びこれにひ， α トレ ハロースを添加した培地で培養した場合の NHDF細胞のコラーゲン産生量は、各々 43或いは 41となり、 α， α—トレハロース単独では、 AA—2Gに見られるコラーゲン 産生増強作用は認められなかった。これに対して、 50 _iu MのAA—2G含有D— ME Μ培地に α , α—トレハロースを 7. 5mgZml、 15mg/ml或いは 30mg/ml添カロ した培地で培養した NHDF細胞の場合には、コラーゲン産生量は、各々、 150、 21 7、 264となり、 ひ， ひ 一トレハロースの添カ卩量に依存した AA—2Gによるコラーゲン 産生の増強が認められた。

[0026] <実験 2 :L ァスコルビン酸類によるコラーゲン産生に及ぼす糖質の影響〉

NHDF細胞を使用して、コラーゲン産生に及ぼす、 a , α トレハロース及びマル トースの影響を調べる実験を以下のようにして行った。

<試験液>

D— MEM培地に、 AA— 2Gと、含水結晶 α , a トレハロース (株式会社林原生 物化学研究所販売、試薬級)又は含水結晶マルトース (株式会社林原生物化学研究 所販売、試薬級）の何れかとを、 AA— 2Gの最終濃度が 50 Μ、 α、 _α トレハロー ス或いはマルトースの最終濃度が 0. 6mgZml、 1. 7mg/ml, 5. OmgZml或いは 15. OmgZmlとなるように溶解し、試験液を調製した。

< NHDF細胞におけるコラーゲン産生量の定量方法 >

NHDF細胞の培養及びコラーゲン産生量の定量方法については実験 1と同様に 行った。また、 NHDF細胞の培養上清を回収して、その上清中に放出されたコラー ゲン量についても、シリコンコラーゲン定量キットを用いて測定した。対照として、 50 Mの AA— 2G含有 D— MEM培地を使用した。実験は、対照或いは試験液につ いて、各々 3ゥエルを使用して行い、その平均を求めてコラーゲン産生量とした。結 果は、細胞表面への沈着、培養上清中或いはこれらの合計のコラーゲン産生量につ いて、 50 μ Μの ΑΑ— 2G含有 D— MEM培地を使用した時の NHDF細胞の細胞表 面への沈着、培養上清中或いはこれらの合計コラーゲン産生量を 100とする相対値 を求め、表 2に示す。

[表 2]

表 2から明らかなように、 a , α—トレハロースを添カ卩した 50 Mの AA— 2G含有 D MEM培地で培養した場合には、細胞表面への沈着及び培養上清中の何れにお いても、 α , α トレハロースの添カ卩量に依存した AA—2Gによるコラーゲン産生の 増強が認められた。一方、マルトースを添加した場合には、培養上清中のコラーゲン 量の増強は認められたものの、細胞表面への沈着のコラーゲン及び細胞表面への 沈着と上清中のコラーゲンの合計量は、マルトースの添加量の増加に伴い、抑制さ れることが確認された。

[0029] <実験 3 : L ァスコルビン酸類によるコラーゲン産生に及ぼす、 α , _α トレハロー ス< α , α トレハロースの糖質誘導体の影響 >

a , a トレハロースが Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生を増強する作用 を有することが確認されたので、 α , α—トレハロースの糖質誘導体についても同様 の作用効果があるかどうかを確認する実験を以下のようにして行った。

<試験液>

D— MEM培地に、 AA— 2Gと、含水結晶 α , a トレハロース（株式会社林原生 物化学研究所販売、試薬級）、 a マルトシル a , a -トレハロース (株式会社林原 生物化学研究所製造、純度 98%以上）、 α , α トレハロースの糖質誘導体含有シ ラップ (株式会社林原商事販売、商品名「ハローデッタス」、無水物換算で、 OC マル トシル α , a トレハロースを約 53%、その他の α , a トレハロースの糖質誘導体 を合計で約 5%含有、固形分濃度約 75%)の何れかの糖質とを、 AA— 2Gの最終濃 度が M、糖質の最終濃度が 15. OmgZmlとなるように溶解し、試験液を調製し た。また、対照として、 D— MEM培地に、含水結晶 a , a トレハロース、 a マル トシル α , α トレハロース、 a , α トレハロースの糖質誘導体含有シラップの何れ かの糖質を、最終濃度が 15. OmgZmlとなるように溶解した試験液を調製した。な お、 ex , α—トレハロースの糖質誘導体含有シラップを添加した培地は、これに含ま れる α , α—トレハロースの糖質誘導体として 15. Omg/mlとなるように調製した。

< NHDF細胞におけるコラーゲン産生量の定量方法 >

NHDF細胞の培養及びコラーゲン産生量の定量方法、については実験 1と同様に 行った。また、結果も、実験 1と同様に、 AA— 2G含有 D— MEM培地で培養した場 合の NHDF細胞のコラーゲン産生量を 100とする相対値を求め、表 3に示す。

[0030] [表 3] 培地へ添加した糖質の 培地への ΑΑ— 2G

コラーゲン産生量

種類 添加の有無

― 42

無添加

+ 100

― 40

a , α—卜レノ、ロース

+ 227

α—マルトシル a , a ― 39

一卜レハロース + 182

, α—トレハロースの ― 45

糖質誘導体含有シラッ

プ + 163

+ :培地への添加有り、 一：培地への添加無し

[0031] 表 3から明らかなように、 AA— 2G無添加の D— MEM培地、及び、これに a , a - トレノヽロース、 α マノレトシノレ α , α—トレノヽロース、 α , α トレノヽロースの糖質誘 導体含有シラップの何れかの糖質を添加した培地で培養した場合の NHDF細胞の コラーゲン産生量は、 39乃至 45となり、何れの糖質も単独では、 AA—2Gに見られ るコラーゲン産生増強作用は認められなかった。これに対して、 50 _iu MのAA—2G 含有 D MEM培地に α , α—トレハロース、 α—マルトシル α , α—トレハロース、 a , a—トレハロースの糖質誘導体含有シラップの何れかを添加した培地で培養し た場合の NHDF細胞のコラーゲン産生量は、各々、 227、 182、 163となり、何れの 糖質を添加した場合にも、 AA—2Gによるコラーゲン産生の増強が認められた。

[0032] <実験 4 : Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生に及ぼす、 α , _α トレハロー ス又は a , a—トレハロースの糖質誘導体、或いは、これらの糖質とヒアルロン酸及 び Z又はコンドロイチン硫酸併用の影響 >

Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生に及ぼす、 _α , α—トレハロース又は α トレハロースの糖質誘導体、或いは、これらの糖質とヒアルロン酸及び/又はコ ンドロイチン硫酸併用の影響を調べる実験を以下のように行った。

<試験液>

D— MEM培地に、 AA— 2Gと、含水結晶 α , a トレハロース（株式会社林原生 物化学研究所販売、試薬級）、 a マルトシル a , a -トレハロース (株式会社林原 生物化学研究所製造、純度 98%以上)又は α , a -トレハロースの糖質誘導体含 有シラップ (株式会社林原商事販売、商品名「ハローデッタス」）を、 AA— 2Gの最終 濃度が 50 M、糖質の最終濃度が 15. OmgZmlとなるように溶解した。また、これら の溶液に、ヒアルロン酸を lmgZml、コンドロイチン硫酸を lmgZml、或いはヒアル ロン酸とコンドロイチン硫酸を各々 0. 5mgZmlとなるように溶解した試験溶液を調製 した。なお、 ex , α—トレハロースの糖質誘導体含有シラップ (無水物換算で、 ex , a -トレハロースの糖質誘導を約 59%含有)を添加した培地は、これに含まれる a , a -トレハロースの糖質誘導体として 15. Omg/mlとなるように調製した。

< NHDF細胞におけるコラーゲン産生量の定量方法 >

NHDF細胞の培養及びコラーゲン産生量の定量方法、については実験 1と同様に 行った。また、結果も、実験 1と同様に、 AA— 2G含有 D— MEM培地で培養した場 合の NHDF細胞のコラーゲン産生量を 100とする相対値を求め、表 4に示す。

[表 4]

培地へ添加した物質

培地へ添加した糖質 コラーゲン の種類 ヒアルロン酸

AA- 2G コンドロイチン硫酸 産生量 ナトリウム

― ― ― 42

+ ― ― 100 無添加 + + ― 98

+ ― + 97

+ + + 101

― ― ― 42

+ ― ― 203 a , α—トレノ\口一ス + + ― 276

+ ― + 256

+ + + 344

― ― ― 39

+ ― ― 158 ひ一マルトシル ひ

一卜レハ口一ス + + ― 199

+ ― + 188

+ + + 276

― ― ― 42 a , α—トレ/ \ロース + ― ― 154 の糖質誘導体含有シ + + ― 192

ラップ + ― + 180

+ + + 256

+ :培地への添加有り、 一：培地への添加無し 表 4から明らかなように、 ΑΑ— 2G無添加の D— MEM培地、及び、これに α , α— トレノヽロース、 α—マノレトシノレ α , α—トレノヽロース、 ひ， α—トレノヽロースの糖質誘 導体含有シラップの何れかを添加した培地で培養した場合の NHDF細胞のコラー ゲン産生量は、 39乃至 42となり、何れの糖質も単独では、 ΑΑ— 2Gに見られるコラ 一ゲン産生増強作用は認められなかった。また、 50 _iu MのAA—2G含有D— MEM 培地に α , α—トレハロース、 α—マノレトシノレ α , ひ一トレハロース、又は α , α—ト レハロースの糖質誘導体含有シラップの何れかの糖質を添加した培地で培養した場 合の NHDF細胞のコラーゲン産生量は、各々、 203、 158、 154となり、何れの糖質 を添加した場合にも、実験 3と同様に、 AA—2Gによるコラーゲン産生の増強が認め られた。これらに対して、 a , α—トレノヽロース、 α マノレトシノレ α , α—トレノヽロース 、又は α , a—トレハロースの糖質誘導体含有シラップとヒアルロン酸をカ卩えた培地 で培養した場合 NHDF細胞のコラーゲン産生量は、各々、 276、 199、 192となり、 前記 3種の糖質の何れカゝとコンドロイチン硫酸を添加した培地で、培養した場合には ゝ各々、 256、 188、 180となった。また、前記 3種の糖質の何れ力と、ヒアノレロン酸及 びコンドロイチン硫酸とを添カ卩した培地で培養した場合の NHDF細胞のコラーゲン 産生量は、各々、 344、 276、 256となった。これらの結果は、ヒアルロン酸又はコンド ロイチン硫酸は、 α , α—トレハロースやその糖質誘導体による AA—2Gによるコラ 一ゲン産生を、さらに増強する作用を有していることを示している。また、ヒアルロン酸 とコンドロイチン硫酸を併用した場合の方が、そのどちらか一方を添加した場合よりも

、 a , α—トレハロースやその糖質誘導体による AA—2Gによるコラーゲン産生量が 多いことから、ヒアルロン酸とコンドロイチン硫酸は、相乗的に、 α , _α—トレハロース やその糖質誘導体による ΑΑ— 2Gによるコラーゲン産生を増強することが確認され た。

<実験 5 :皮膚に及ぼす α , α トレハロース又は α , α トレハロースの糖質誘導 体と、ヒアルロン酸及び/又はコンドロイチン硫酸併用の影響 >

皮膚に及ぼす α , α トレハロース又は α , α トレハロースの糖質誘導体、及び 、ヒアルロン酸ナトリウム及び Ζ又はコンドロイチン硫酸の影響を調べる実験を以下の ように行った。すなわち、生体内には、一定量の Lーァスコルビン酸が存在するので、 Lーァスコルビン酸によるコラーゲン産生は恒常的に行われている。そこで、下記化 粧水の基本処方に、下記表 5に示す組み合わせ、配合量で、ヒアルロン酸ナトリウム 、コンドロイチン硫酸、含水結晶 oc , a トレハロース (株式会社林原生物化学研究 所販売、化粧品用）、 α , α トレハロースの糖質誘導体としてこれを含有するシラッ プ (株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」、無水物換算で、 (X マルトシル α , a—トレハロースを約 53%、その他の α , a—トレハロースの糖質誘 導体を合計で約 5%含有、固形分濃度約 75%)を加え、精製水を適量加えて 100質 量部の化粧水を調製した。なお、表 5に示す各糖質の添加量は無水物換算で示す。 なお、 a , α—トレハロースの糖質誘導体含有シラップは、 a , α—トレハロースの糖 質誘導体が、表 5に示す配合割合となるように添加した。

<化粧水の基本処方 >

グリセリン 5質量部

1, 3 ブチレングジコール 6. 5質量部

ポリオキシエチレン（20Ε. Ο. )ソルビタン

モノラウリル酸エステル 1. 2質量部

ェチノレアノレコーノレ 8質量部

乳酸 0. 05質量部

乳酸ナトリウム 0. 1質量部

パラメトキシケィ皮酸 2—ェチルへキシル 0. 1質量部

防腐剤 適 量

香料 適 量

<化粧水の皮膚のシヮ、コジヮや弛みに対する効果の評価 >

表 5に示す何れかの配合処方の化粧水を、皮膚のシヮ、コジヮや弛みに悩む女性 11人を被験者として、毎日 3回 4ヶ月間顔面に使用してもらい、使用前と比較した皮 膚の状態を自己申告により評価した。評価は、皮膚のシヮ、コジヮや弛みについての 変化を、皮膚に張りがあり、シヮゃコジヮの深さが浅くなり、その数も少くなくなった (著 効）、皮膚に張りがあり、シヮゃコジヮの深さが浅くなつた数も少くなくなった (有効）、 皮膚の弛みは改善したものの、シヮゃコジヮの深さや数には変化がなかった（やや有 効）、変化なし (無効)の 4段階とし、それぞれの評価をした被験者の人数を表 5に示 す。

[表 5] ヒアルロン酸ナトリウム及び/又はコ 効果の評価

添加量 ンドロイチン硫酸の添加置 (質量部） (人数） 添加した糖 s 糖質

の種類

(質置部）

ヒアルロン酸 コンドロイチン やや

著効 有効 無効 ナトリウム 硫酸 有効

0 0 0 0 1 10

0.5 0 0 0 2 9 無添加 0

0 0.5 0 0 1 10

0.25 0.25 0 0 3 8

0.05 0 0 0 0 3 8

0.1 0 0 0 2 5 4

1 Ό 0 2 2 6 1

2 0 0 2 4 4 1 a , α—トレノヽロース 10 0 0 3 3 5 0

20 0 0 3 3 5 0

0.5 0 3 4 3 1

2 0 0.5 3 5 3 0

0.25 0.25 6 3 2 0

0.05 0 0 0 0 3 8

0.1 0 0 0 1 6 4

1 0 0 1 3 6 1

2 0 0 2 3 6 0 α , α—卜レノ \ロース

の糖質誘導体 10 0 0 2 3 6 0

20 0 0 3 2 6 0

0.5 0 4 4 2 1

2 0 0.5 4 3 4 0

0.25 0.25 6 3 2 0 表 5から明らかなように、基本処方の化粧水に、 2質量部乃至 20質量部の α , α— トレハロースを添加した化粧水を使用した場合には、何れも 11人中 6人が有効以上と 評価し、 2質量部乃至 20質量部の α , a—トレハロースの糖質誘導体を添カ卩したィ匕 粧水を使用した場合には、何れも 11人中 5人が有効以上と評価し、 a , ひ—トレハロ ース又は a , a 一トレハロースの糖質誘導体に皮膚の弛み、シヮゃコジヮに対する改 善効果'抑制効果があることが確認された。さらに、 0. 1質量部のひ， α 一トレハロー ス或いは α , a 一トレハロースの糖質誘導体を添加した場合には、何れも有効例が 認められ、 1質量部添加した場合には、何れも著効例が認められた。これらの結果は 、 a , α —トレハロースやその糖質誘導体には、皮膚のシヮゃコジヮの改善効果'抑 制効果のあることを示している。また、基本処方の化粧水に、ヒアルロン酸ナトリウム 及び/又はコンドロィチン硫酸と、 2質量部の a , a 一トレハロース又は α , ひ一トレ ノ、ロースの糖質誘導体とを添加したィ匕粧水を使用した場合には、 2質量部の a , a —トレハロース又は _a , _a—トレハロースの糖質誘導体を単独で使用した場合に比し て、皮膚の弛み、シヮゃコジヮに対する強い改善効果が認められた。このヒアルロン 酸ナトリウム及び Z又はコンドロイチン硫酸による ex , a トレハロース又は α , α— トレハロースの糖質誘導体の皮膚の弛み、シヮゃコジヮの改善効果の増強は、ヒアル ロン酸ナトリウム又はコンドロイチン硫酸を単独で配合した場合よりも、両者を併用し た場合の方が強いことが確認された。基本処方の化粧水、或いは、これにヒアルロン 酸ナトリウム及び Ζ又はコンドロイチン硫酸を、表 5に示す量添加した化粧水を使用し た場合には、これらの化粧水を、著効や有効と評価した被験者はいな力つた。

[0038] <実験 6 :皮膚に及ぼす α , α トレハロース又は α , α トレハロースの糖質誘導 体と、ヒアルロン酸ナトリウム及び Ζ又はコンドロイチン硫酸とに、さらに、アデノシンモ ノフォスフェイト及び/又はコェンザィム Q 10とを併用した場合の影響〉

皮膚に及ぼす α , α トレハロース又は α , α トレハロースの糖質誘導体と、ヒア ルロン酸ナトリウム及び Ζ又はコンドロイチン硫酸とに、さらに、アデノシンモノフォスフ ヱイト（以下、「ΑΜΡ」と略記する場合がある）及び Ζ又はコェンザィム Q 10 (以下、「 CoQ IOjと略記する場合がある）とを併用した場合の影響を調べる実験を以下のよう に行った。すなわち、実験 5で使用したもの同じィ匕粧水の基本処方に、下記表 6に示 す組み合わせ、配合量で、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、含水結晶 , «—トレハロース (株式会社林原生物化学研究所販売、化粧品用）、 α , α—トレ ハロースの糖質誘導体としてこれを含有するシラップ (株式会社林原生物化学研究 所販売、商品名「トルナーレ」）に、さらに AMP、 CoQIOをカ卩え、これに精製水を適 量加えて 100質量部の化粧水を調製した。なお、表 6に示す各糖質の添加量は、無 水物換算で示す。また、 _a , _a—トレハロースの糖質誘導体含有シラップは、表 a , a—トレハロースの糖質誘導体力 表 6に示す配合割合となるように添加した。この配 合の何れかの化粧水を、実験 5と同様に皮膚のシヮ、コジヮや弛みに悩む女性 11人 を被験者として、毎日 3回 3ヶ月間顔面に使用してもらい、実験 5と同じ方法で、皮膚 のシヮ、コジヮや弛みに対する効果を評価した結果を表 6に示す。

[0039] [表 6] ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、 AMP 効果の評価 添加した糖質とその添 及び/又は CoQ10の添加 S (莨置部） (人数）

加量

ヒアルロン酸 コンドロイチ やや

AMP CoQl O 著効 有効 無効 ナトリウム ン硫酸 有効

0 0 0 0 1 2 6 2

0 0 0.2 0 2 2 6 1

0 0 0 0.2 1 3 6 1 a , α _卜レハロース 0 0 0.1 0.1 2 3 5 1

(1質量部）

0.1 0.1 0 0 2 4 4 1

0.1 0.1 0.2 0 3 4 4 0

0.1 0.1 0 0.2 4 3 4 0

0.1 0.1 0.1 0.1 5 5 1 0

0 0 0 0 1 1 6 3

0 0 0.2 0 1 2 6 2

0 0 0 0.2 1 2 5 3 a , α;—卜レノ、ロース 0 0 0.1 0.1 2 2 5 2 の糖質誘導体

(1質量部） 0.1 0.1 0 0 2 3 5 1

0.1 0.1 0.2 0 3 3 5 0

0.1 0.1 0 0.2 3 4 4 0

0.1 0.1 0.1 0.1 5 4 2 0

表 6から明らかなように、基本処方の化粧水に、 α , a トレハロース又は α， ひ トレハロースの糖質誘導体と、 AMP及び/又は CoQ 10を添カ卩した化粧水を使用し た場合には、 a , α—トレハロース又は α , α—トレハロースの糖質誘導体を単独で 使用した場合に比して、皮膚の弛み、シヮゃコジヮに対する強い改善効果が認めら れた。この AMP及び Ζ又は CoQlOによる α， α トレハロース又は α， α トレハ ロースの糖質誘導体による皮膚の弛み、シヮゃコジヮの改善効果の増強は、 AMP又 は CoQlOを単独でィ匕粧水に配合した場合よりも、両者を併用した場合の方が強いこ とが確認された。また、基本処方の化粧水に、 a , a トレハロース又は a , ひ一トレ ハロースの糖質誘導体、 0. 1質量部のヒアルロン酸、 0. 1質量部のコンドロイチン硫 酸を添カ卩し、これにさらに、 AMP及び Z又は CoQlOを添カ卩したィ匕粧水を使用した 場合には、 oc , α トレハロース又は α , α トレハロースの糖質誘体と 0. 1質量部 のヒアルロン酸ナトリウム及び 0. 1質量部のコンドロイチン硫酸を添カ卩したィ匕粧水を使 用した場合に比して、皮膚の弛み、シヮゃコジヮに対する強い改善効果が認められ た。この AMP及び Ζ又は CoQIOによる α , α トレハロース又は a , —トレハロ ースの糖質誘導体とヒアルロン酸ナトリウム及びコンドロイチン硫酸を添加したィ匕粧水 による皮膚の弛み、シヮゃコジヮの改善効果の増強は、 AMP又は CoQIOを単独で 配合した場合よりも、両者を併用した場合の方が強いことが確認された。

[0041] これらの実験結果は、 a , a トレハロース及びその糖質誘導体が L ァスコルビ ン酸類によるコラーゲン産生を増強する顕著な作用を有することを示すものであり、 a , a トレハロースやその誘導体を含んでなる組成物力 Lーァスコルビン酸類に よるコラーゲン産生の増強剤、皮膚の緩みの改善剤 ·抑制剤、シヮゃコジヮの改善剤 •抑制剤として利用できることを物語っている。また、ヒアルロン酸ナトリウム及び Z又 はコンドロイチン硫酸や、さらには、 AMP及び Z又は CoQ IOが、 α , ひ一トレハロー スやその糖質誘導体による AA— 2Gによるコラーゲン産生をさらに増強する作用を 有することは、 a , a—トレハロースやその糖質誘導体を含んでなる組成物に、ヒア ルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、 AMP及び CoQIOから選ばれる何れ力 1以 上を配合した組成物力 a , a—レハロースやその糖質誘導体を含んでなる組成物 よりも、 L ァスコルビン酸類によるコラーゲン産生の増強剤、皮膚の緩みの改善剤' 抑制剤、シヮゃコジヮの改善剤'抑制剤として、さらに有利に利用できることを物語つ ている。

[0042] 以下、本発明を実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に 限定されるものではない。

実施例 1

[0043] <コラーゲン産生増強剤 >

以下の成分を以下の配合で均一に混合して、コラーゲン産生増強剤を調製した。 含水結晶 a , a トレハロース (株式会社林原商事

販売、商品名「トレハ」） 49質量部

L ァスコルビン酸 2—ダルコシド（株式会社林原 生物化学研究所販売、商品名「AA2G」 ) 1質量部

[0044] 本品は、コラーゲン産生を増強する作用を示し、皮膚にうるおいを与え、皮膚の老 化防止に奏効する、簡便に利用できかつ著効を示すコラーゲン産生増強剤である。 また、本品は、適度な酸味により良好な呈味を示すので、コラーゲン産生増強のため に用いられる旨の表示を付して、コラーゲン産生の増強のための健康補助食品とし て、このまま経口的に摂取することも、又、水やその他の飲料などに溶解して摂取す ることも自由である。さらには、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品 、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、雑貨などに配合して、これらにコラーゲン増強 作用を付与することも自由である。

[0045] 本品を lgずつ打錠して錠菓を調製した。本品はコラーゲン産生を増強する旨を表 示して販売することができる。

実施例 2

[0046] <健康補助食品 >

以下の成分を以下の配合で均一に混合して、粉末状のコラーゲン産生増強用の健 康補助食品を調製した。本品を、上記実験 1で使用したものと同じ D— MEM培地で 希釈し、実験 1に準じて、本品のコラーゲン産生の増強活性を測定し、当該活性が発 揮されて!ヽることを確認した。

Lーァスコルビン酸 5質量部

鹿角霊芝 (株式会社林原生物化学研究所販売） 1. 5質量部

藍 (株式会社林原生物化学研究所販売） 1. 5質量部

a , a -トレハロースの糖質含有シラップ (株式会

社林原商事販売、商品名「ハローデッタス」） 25質量部

含水結晶 α , α—トレハロース (株式会社林原商事

販売、商品名「トレハ」） 10質量部

[0047] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強に使用することのできる健康補助食品として利用することができる。また、本品は 、皮膚組織の正常化と老化防止に優れた効果を有し、まろや力な甘味と適度な酸味 により良好な呈味を示す、日常的に利用する健康補助食品として好適である。また、 本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は経管投与用 組成物として、或いは、魚、ェビ、力-などの養殖動物用にも直接或いは餌に混合す るなどして有利に利用できる。

[0048] また、このコラーゲン産生増強用の健康補助食品に、 1質量％となるようにショ糖脂 肪酸エステルを添加し、打錠機を用いて 1錠あたり約 300mgの錠剤に成形した。本 品は、持続してコラーゲン産生増強作用を示す、長期間安定な、携帯にも便利で、 かつ、経口摂取の容易な、著効を示すコラーゲン産生増強用の健康補助食品である 。また、本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲ ン産生増強に使用することのできる健康補助食品として利用することができる。

実施例 3

[0049] <健康補助食品 >

以下の成分を以下の配合で均一に混合して、粉末状のコラーゲン産生増強用の健 康補助食品を調製した。調製後、当該コラーゲン産生増強剤が安定してコラーゲン 産生増強作用を示すことを確認した。

含水結晶 α , α トレハロース (株式会社林原商事

販売、商品名「トレハ」） 5. 5質量部

L ァスコルビン酸 2—ダルコシド（株式会社林原

商事販売、商品名「ァスコフレッシュ」） 1. 5質量部

コンドロイチン硫酸ナトリウム 1質量部

キトサン 1質量部

糖転移ルチン (株式会社林原商事販売、商品名「 _α

Gルチン」 1質量部

アデノシンモノフォスフェイト 0. 1質量部

コェンザィム Q10 0. 05質量部

[0050] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強に使用することのできる健康補助食品として利用することができる。また、本品は 、皮膚組織の正常化と老化防止に優れた効果を有し、まろや力な甘味と適度な酸味 により良好な呈味を示す、日常的に利用する健康補助食品として好適である。 実施例 4

[0051] <健康補助飲料 >

粉末マルチトール 500質量部

実施例 1の方法で調製したコラーゲン産生増強剤 100質』

粉末卵黄 190質量部

脱脂粉乳 200質量部

塩化ナトリウム 4. 4質量部

塩化カリウム 1. 85質量部

硫酸マグネシウム 4質量部

コンドロイチン硫酸 0. 1質量部

チアミン 0. 01質量部

ビタミン Εアセテート 0. 6質量部

ニコチン酸アミド 0. 04質量部

(東洋精糖株式会社販売、商品

名「 at Gヘスペリジン PS」 ) 0. 02質量部

上記配合組成からなる配合物を調製した。この配合物 25質量部を精製水 150質量 部に均一に分散 ·溶解させ、 200gずつ褐色ガラス瓶に封入した。

[0052] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強に使用することのできる健康補助飲料である。また、本品は、コラーゲン産生増 強作用を持続させる上に、栄養源が補足されており、し力も、これらの成分に由来す る異味ゃ異臭の低減された美味しい飲料で、美容や健康などの目的で有利に利用 できる。なお、本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又 は経管投与用組成物としても有利に利用できる。また、本品は糖転移ヘスペリジンを 含んでいるので、血中脂質や血中コレステロールなどの血中脂質の低減のために用 V、られる旨を標榜することも随意である。

実施例 5

[0053] <健康補助食品 >

粉末マルチトール 25質量部 含水結晶 α , α トレハロース (株式会社林原商事

販売、商品名「トレハ」） 67質量部

滑沢剤 3質量部

ダルコサミン 2. 5質量部

コンドロイチン硫酸ナトリウム 1. 5質量部

ヒアルロン酸 1質量部

上記配合処方に基づき、これらの成分を均質になるまで攪拌混合し、常法により、 0. 5gずつ打錠して、錠剤を調製した。

[0054] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強に使用することのできる健康補助食品である。また、本品は、コラーゲン産生増 強作用を持続させる上に、ダルコサミン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸を含有して いるので、特に、骨組織の強化作用、関節の強化作用に優れている。本品は、ダル コサミン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸由来の異味ゃ異臭も抑制された美味しい 健康食品で、美容や健康などの目的でも有利に利用できる。なお、本品は、ヒトのみ ならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は経管投与用組成物としても有 利に利用できる。

実施例 6

[0055] <健康補助食品 >

精製マルトース (株式会社林原商事販売、商品名

「サンマルト S」） 25質量部

含水結晶 α , α トレハロース (株式会社林原商事

販売、商品名「トレハ」） 54. 2質量部

滑沢剤 5質量部

牡蠣殻カルシウム 2質量部

ヒアルロン酸 0. 2質量部

L ァスコルビン酸 2—ダルコシド（株式会社

林原商事販売、商品名「ァスコフレッシュ」） 10質量部

糖転移ルチン (東洋精糖株式会社販売、商品名 「 a Gルチン P」 ) 0. 5質量部

酸味料 (有機酸類） 適 量

レモン及びライムのフレーバー 適 量

全量を 100質量部とし、これらの成分を均質になるまで攪拌混合し、常法により、 0 . 5gずつ打錠して、錠剤を調製した。

[0056] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強に使用することのできる健康補助食品である。また、本品は、コラーゲン産生増 強作用を持続させる上に、ヒアルロン酸を含有しているので、特に、肌の弛みの改善 作用、骨組織の強化作用、関節の強化作用や関節痛の改善効果に優れている。本 品は、美味しい健康食品で、美容や健康などの目的でも有利に利用できる。なお、 本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は経管投与用 組成物としても有利に利用できる。

実施例 7

[0057] くアイスクリーム >

生クリーム (油脂含量約 46質量％) 18質 - R

脱脂粉乳 7質量部

全乳 51質量部

砂糖 13質量部

プルラン 2質量部

グァガム 1質量部

上記配合の組成の混合物を溶解し、 70°Cで 30分間保持して殺菌した後、ホモゲナ ィザ一で乳化分散させ、次いで、 3乃至 4°Cにまで急冷し、これに、さらに、 α , α—ト レハロースの糖質誘導体含有シラップ (株式会社林原商事販売、商品名「ハローデッ タス」） 5質量部を加えて混合し、一夜熟成した後、フリーザーで凍結させてアイスタリ ームを得た。

[0058] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強用に使用することができる。本品は、皮膚に潤いを与え、皮膚の老化防止に奏 効するアイスクリームである。 実施例 8

[0059] <フルーツゼリ一 >

砂糖 14質量部

含水結晶 α , α トレハロース (株式会社林原商事

販売、商品名「トレハ」） 4質量部

ゼラチン 2. 5質量部

グレープフノレーッジュース 34質量部

水 45. 5質量部

上記配合組成に基づき、砂糖、 α , a—トレハロース、ゼラチン、水をカ卩えて、 95°C に加熱し溶解後、グレープフルーツジュースをカ卩えて混合し、さらに、 80°Cで 30分殺 菌を行った後、冷却して、フルーツゼリーを調製した。

[0060] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強用に使用することができる。本品は適度な甘味となめらかなテクスチャーを示す 、皮膚の老化を防止し、美容と健康の維持'増進に奏効するフルーツゼリーである。 実施例 9

[0061] <茶飲料 >

液体飲料用にブレンドした緑茶 50gを、 65°Cのイオン交換水 1500gで 5分間抽出 し、続いて濾紙で濾過することにより茶葉を除去して、 1320gの緑茶抽出液 (pH6. 0 )を得た。この緑茶抽出液を希釈して飲用濃度となるようにイオン交換水で約 5倍に 希釈し、 L-ァスコルビン酸 300ppmとなるように添カ卩した後、炭酸水素ナトリウムで p H6. 0に調整し、調合液を得た。この調合液に、含水結晶 a , a トレハロース (株 式会社林原商事販売、商品名「トレハ」）を 0. 75%、糖転移ヘスペリジン (株式会社 林原製造、糖転移ヘスペリジン純度 95%以上）を 1%となるように、それぞれ添加し た。これらの調合液を耐熱性透明ガラス容器に 300gずつ充填'密封し、レトルト殺菌 処理（121°C、 7分間）を行って緑茶飲料とした。

[0062] 本品は、コラーゲン産生増強のために用いられる旨の表示を付してコラーゲン産生 増強用に使用することができる。本品は、皮膚の老化を防止し、美容と健康の維持 · 増進に奏効する茶飲料である。また、本品は、糖転移ヘスペリジンを含んでいるので 、血中中性脂肪や血中コレステロールなどの血中脂質の低減ために用いられる旨を 標榜することも随意である。

実施例 10

<皮膚外用クリーム >

下記に述べる配合物 Aに、配合物 Bを常法に従って添加'混合し、 30°C以下にま で冷却した後に、水酸化カリウムで、 pHを弱酸性に調製し、ホモゲナイザーにより乳 化して、皮膚外用クリームを製造した。

<配合物 A>

モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン

自己乳化型モノステアリン酸グリセリン

ベへ-ン酸エイコサ-ノレ 量部

流動パラフィン 1 t部

トリオクタン酸トリメチロールプロパン 10質量部

<配合物 B>

1, 3 ブチレングリコール 4質量部

a , a -トレハロース (株式会社林原生物化学研究

所販売、試薬級） 3質量部

a , a -トレハロースの糖質誘導体含有糖質 (株式

林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」） 1質量部

乳酸ナトリウム液 10質量部

L ァスコルビン酸 2—ダルコシド（株式会社林原

生物化学研究所販売、商品名「AA2G」 ) 2質量部

アマモエキス 0. 5質量部

ダイズエキス 0. 5質量部

アロエべラエキス 0. 5質量部

ノ ラオキシ安息香酸メチル 0. 1質量部

コンドロイチン硫酸ナトリウム 0. 1質量部

甘草エキス 0. 5質量部 精製水 62. 4質量部

なお、本クリームは、さらに、必要に応じて、水酸ィ匕カリウムをカ卩えて弱アルカリ性の クリームとしてもよい。

[0064] 本品は、皮膚のコラーゲン産生を増強、持続させるので、皮膚の弛みが改善され、 コジヮ 'シヮにも有効で、老化の防止効果に優れている。また、本品は、優れた保湿 性を示すので、基礎ィ匕粧品として有用である。

実施例 11

[0065] <ローション >

以下に示す配合処方に基づき、常法により、ローションを調製した。

a , a -トレハロースの糖質誘導体含有糖質 (株式

林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」） 10質量部

L ァスコルビン酸 2—ダルコシド（株式会社林原

生物化学研究所販売、商品名「AA2G」 ) 2質量部

グリチルリチン酸ジカリウム 0. 05質量部

エタノール 10質量部

1, 3 ブチレングリコール 5質量部

糖転移ヘスペリジン (株式会社林原生物化学研

究所販売、商品名「アルファダルコシルヘス

ペリジン」） 1質量部

藍草水抽出エキス 1質量部

アデノシンモノフォスフェイト 0. 5質量部

コェンザィム Q10 0. 5質量部

ヒアルロン酸ナトリウム 0. 1質量部

感光素 201号 0. 005質量部

ポリオキシエチレン（60)硬化ひまし油 1質量部

精製水を適量カ卩えて、全量を 100質量部とする。

[0066] 本ローションは、皮膚のコラーゲン産生を増強、持続させるので、皮膚のみずみず しさを保ち、弛みが改善され、コジヮ 'シヮにも有効で、老化の防止効果に優れ、また 、藍草水抽出エキス及びグリチルリチン酸ジカリウムが優れた抗炎症作用や美白作 用を示すので、基礎ィ匕粧品、美白化粧品として有用である。

実施例 12

<ローション >

下記に述べる配合物 Aを精製水に溶解して水溶液を調製する。配合物 Bを秤量し て、加熱溶解し、これに配合物 Cをカ卩えてゲルを生成させたものを、配合物 Aの水溶 液に加えて均一になるまで攪拌し、常法により、ローションを調製した。

<配合物 A>

1, 3—ブチレングリコール 5質量部

a , a -トレハロースの糖質誘導体含有糖質 (株式

会社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」 ) 3質量部

スクレオチウムガム液 (1% β ~グルカン含有液） 3質量部

クェン酸 0. 01質量部

タエン酸ナトリム 0. 04質量部

ノ ラオキシ安息香酸プロピル 0. 2質量部

精製水 85. 65質量咅

<配合物 Β >

ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0. 04質量部

トリ 2—ェチルへキサン酸グリセリル 0. 24質量部

イソステアリルアルコール 0. 12質量部

スクヮラン 0. 18質量部

ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0. 69質量部

ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0. 46質量部

ノラオキシ安息香酸プロピル 0. 1質量部

グリセリン 1. 13質量部

<配合物 C >

精製水 0. 14質量部

本品は、少量の油分を安定に配合したマイクロエマルシヨンで、皮膚のコラーゲン 産生を増強、持続させる作用を有しているので、皮膚のみずみずしさを保ち、弛みが 改善され、コジヮ'シヮにも有効で、老化の防止効果に優れている。また、本品は、水 溶性多糖類のスクレログルカンを含有していることから、 , α—トレハロースの糖質 誘導体を含有する皮膚外用剤の使用感がさらに向上しており、持続性のあるしっとり 感が得られ、保湿生にも優れている。

実施例 13 下記に述べる配合物 Αを秤量し、加温し溶解させる。これに、配合物 Bを秤量して 加温し溶解したものをカ卩えて、乳化し、ホモミキサーを用いて室温まで攪拌冷却して 、常法によりエッセンスを調製した。

<配合物 A>

大豆リゾリン脂質液 (25%) 1質量部

a , a -トレハロースの糖質誘導体含有糖質 (株式

会社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」 ) 4質』

1, 3—ブチレングリコーノレ t部

スクレログノレカン液 ( 1 %) 10質量部

タインズシードエキス（2%) 10質量部

ノラオキシ安息香酸メチル 0. 2質量部

精製水 54. 9質量部

<配合物 Β>

モノステアリン酸ソルビタン 0. 5質量部

自己乳化型モノステアリン酸グリセリン

セタノーノレ 1質量部

ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0. 3質量部

Ν—ラウロイル一 L—グルタミン酸ジ（フイトステ

リル— 2—オタチルドデシル） 0. 5質量部

スクヮラン 部

パルミチン酸ォクチル t部 トリ 2—ェチルへキサン酸グリセリル t部

パラォキシ安息香酸プロピル 0. 1質量部

メチノレポリシロキサン 0. 5質量部

[0070] 本品は、皮膚のコラーゲン産生を増強、持続させる作用を有しているので、皮膚の みずみずしさを保ち、弛みが改善され、コジヮ 'シヮにも有効で、老化の防止効果に 優れている。また、本品は、スクレログルカンやタインズシードエキスなどの水溶性多 糖類を含有していることから、 a , α—トレハロースの糖質誘導体を含有する皮膚外 用剤の使用感がさらに向上しており、持続性のあるしっとり感が得られ、保湿生にも 優れている。

実施例 14

[0071] < D相調製物 >

下記に述べる配合物 Aを加熱溶解し、これに、配合物 B加熱溶解したものを均質に なるよう攪拌溶解し、さらに、精製水をゆっくり加えながら攪拌'混合し、室温まで冷却 して、常法により、 D相調製物を調製した。

<配合物 A>

ステアリン酸ポリグリセリル 10 1. 75質量部

ミリスチン酸ポリグリセリル 10 5. 2質量部

a , a -トレハロースの糖質誘導体含有糖質 (株式

林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」） 16. 4質 J I 含水結晶 α , α トレハロース (株式会社林原生物

化学研究所販売、化粧品用） 1質量部

グリセリン 8. 7質量部

メチルパラベン 0. 13質量部

<配合物 Β>

トリオクタノイン 52. 22質量部

トコフェローノレ 0. 05質量部

プロピルバラベン 0. 05質量部

精製水を加えて全量を 100質量部とする。 本品は、皮膚のコラーゲン産生を増強、持続させるので、皮膚のみずみずしさを保 ち、弛みが改善され、コジヮ'シヮにも有効なので、基礎ィ匕粧品に有利に使用できる。 また、本品は、 a , α—トレハロースの糖質誘導体を使用しているので、表面張力が 低下し、従来の多価アルコールを使用した D相調製物に比べて、微細で、かつ、そ の状態が安定な乳化液滴状となるという特徴を有しており、 ェル、化粧 水、クリーム、入浴剤などへ配合して使用できる。

実施例 15

<パック剤（ゼリー状ピールオフタイプ） >

下記に述べる配合処方を用いて、常法によりパック剤を調製した。

ポリビュルアルコール 7質量部

プルラン 7質量部

1, 3ブチレングリコール 3質量部

グリセロール 15質量部

a , a -トレハロースの糖質誘導体含有糖質 (株式

会社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」） 12質

エタノーノレ 8質量部

L ァスコルビン酸 2—ダルコシド（株式会社林原

生物化学研究所販売、商品名「AA2G」 ) 1質量部

POEォレイルアルコ

海洋深層水

香料

緩衝剤

精製水 15質量部

本品は、皮膚のコラーゲン産生を増強、持続させるので、皮膚のみずみずしさを保 ち、弛みが改善され、コジヮ'シヮにも有効で、老化の防止効果、保湿効果に優れて いる。また、本品は、使用感に優れ、し力も、半乾燥後、或いは、乾燥後の皮膚から の拭き取りや剥離が容易で、皮膚表面や毛穴の清浄効果にも優れて!、る。

実施例 16 <歯磨き >

以下に示す構成処方に基づき、常法により歯磨きを調製した。本品は、 ひ， ひート レハロース及びその糖質誘導体を含有して ヽるので、歯茎の細胞のコラーゲン産生 を増強できることから、老化や歯肉炎などによる歯茎の減少を抑制することができ、し 力も、泡立ちがよぐすっきりした洗浄後感で、歯垢もきれいに除去することのできる 歯磨きである。また、本品は、 a , a トレハロース及び α , a トレハロースの糖質 誘導体が、虫歯菌（ストレプトコッカス ミュータンス）のグルカノトランスフェラーゼによ るショ糖からの付着性不溶性グルカンの生成を効果的に抑制することから、抗ぅ触性 にも優れている。

β グリチルレチン酸 0. 4質量部

塩ィ匕セチルピリジゥム 0. 2質量部

酢酸トコフエロール 0. 1質量部

含水結晶 α , α トレハロース (株式会社林原生

物化学研究所販売、化粧品用） 6質量部

濃グリセリン 10質量部

a , a -トレハロースの糖質誘導体含有糖質 (株式

会社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナ一

レ」） 9質量部

精製水 23. 5質量部

エタノール 3質量部

プロポリスエキス 1質量部

藍草水抽出エキス 1質量部

L ァスコルビン酸 2—ダルコシド（株式会社林原

生物化学研究所販売、試薬級） 2質量部

ヒアルロン酸ナトリウム 0. 1質量部

カラギーナン 0. 3質量部

カルボキシメチルセルロースナトリウム 0. 3質量部

第 2リン酸カルシウム 20質量部 ハイドロキシアパタイト 3. 5質量部

炭酸カルシウム 1質量部

酸化チタン 0. 4質量部

無水ケィ酸 0. 1質量部

ラウリル硫酸ナトリウム 1質量部

ラウロイルサルコシンナトリウム 0. 5質量部

実施例 17

[0076] く腹膜透析液〉

a マルトシル a , a -トレハロース含有シラップ (株式会社林原生物化学研究所 製造、純度 98. 5%、固形分含量 75%) 6g、 Lーァスコルビン酸 2—ダルコシド (株式 会社林原生物化学研究所製造、純度 99. 5% J 2. lg、塩化ナトリウム

0. 567g、孚 L酸ナトリウム 3. 92g、塩ィ匕カノレシゥム 0. 294g、塩ィ匕マグネ、シゥム 0. 1 03gを蒸留水に溶解し、水酸ィ匕ナトリウム 0. 294gを用いて pHを約 7. 5に調整した 後、蒸留水で全量を 1000mlとした。上記の溶液を 0. 2 mのメンブランフィルター で濾過後、ポリ塩ィ匕ビニル榭脂 (PVC)製バッグに充填し、 121°Cで 20分間、高圧蒸 気滅菌を行った。なお、本品の調製には、微生物及びパイロジェンを予め除去した 原料を使用した。また、本品は、上記乳酸ナトリウムに換えて、他の緩衝剤 (重炭酸ナ トリウム等）を使用しても良い。

[0077] 本品は、腹腔内の臓器や腹腔壁のコラーゲンの産生を増強し、腹腔内の組織や臓 器を強化することができる腹膜透析液である。また、本品は、保存安定性もよぐ生体 適合性に優れており、血液透析用の透析液、傷口や臓器の洗浄液、腹腔内や胸腔 内の灌流液、組織や臓器の保存液などとしても利用することができる。

産業上の利用可能性

[0078] 以上説明したように、本発明は、 α , α トレハロース及び Ζ又は α , α トレハロ ースの糖質誘導体を含んでなるコラーゲン産生増強剤が、ヒトを含む動物に対して、 顕著な Lーァスコルビン酸類によるコラーゲン産生を効果的に増強する作用を示すと いう全く独自の知見に基づくものである。また、当該コラーゲン産生増強剤は、重篤 な副作用の懸念がなぐヒトを含む動物類が簡便かつ快適に、皮膚の老化防止、美 容と健康の維持 '増進のために利用することができる。また、以上のような特長を有す る本発明のコラーゲン産生増強剤は、他の成分と配合することにより、食品、飲料、 特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフ ード、雑貨などの各種組成物として利用することも有利に実施できる。本発明は、斯く も顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に多大の貢献をする、誠に意義のある 発明である。

Claims

請求の範囲

[1] 有効成分として α , α—トレハロース及び Ζ又は α , α—トレハロースの糖質誘導体 を含んでなるコラーゲン産生増強剤。

[2] さらに、 Lーァスコルビン酸類を含んでなる請求の範囲第 1項に記載のコラーゲン産 生増強剤。

[3] さらに、ダルコサミン及び Ζ又はムコ多糖類を含んでなる請求の範囲第 1項又は第 2 項に記載のコラーゲン産生増強剤。

[4] さらに、アデノシンやその誘導体、それらのモノフォスフェイト、ジフォスフェイト或いは トリフォスフェイトなどの塩基類の 1種以上又は 2種以上及び Ζ又はコェンザィム Q 10 を含んでなる請求の範囲第 3項に記載のコラーゲン産生増強剤。

[5] L -ァスコルビン酸類が L -ァスコルビン酸 2 -ダルコシドであることを特徴とする請 求の範囲第 2項乃至第 4項の何れかに記載のコラーゲン産生増強剤。

[6] a , α—トレハロース及び Z又は α , α—トレハロースの糖質誘導体を、無水物換算 で、合計で 1質量％以上含有することを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 5項の何 れかに記載のコラーゲン産生増強剤。

[7] 請求の範囲第 1項乃至第 6項の何れかに記載のコラーゲン産生増強剤を含有し、コ ラーゲンの産生を増強する旨を表示したコラーゲン産生増強の目的で使用する糸且成 物。

[8] 皮膚の弛み、シヮゃコジヮの発生抑制及び Z又は改善剤としての請求の範囲第 1項 乃至第 6項の何れかに記載のコラーゲン産生増強剤。