JP2001302435A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JP2001302435A
JP2001302435A JP2000129086A JP2000129086A JP2001302435A JP 2001302435 A JP2001302435 A JP 2001302435A JP 2000129086 A JP2000129086 A JP 2000129086A JP 2000129086 A JP2000129086 A JP 2000129086A JP 2001302435 A JP2001302435 A JP 2001302435A
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acid
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JP2000129086A
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English (en)
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Naoto Ogimoto
直人 扇本
Yoshiko Kajinami
淑子 梶並
Keiji Ikeda
恵二 池田
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ASABA KESHOHIN KK
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
ASABA KESHOHIN KK
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚への水分の浸透性に優れ、皮膚での優れ
た保湿性を示すとともにさっぱりとした使用感を与える
皮膚外用剤を提供する。 【解決手段】 トレハロース、ヒアルロン酸類及び水を
含んでなり、かつ、脂溶性成分を実質的に含有しない皮
膚外用剤を提供することにより解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は新規な皮膚外用
剤、詳細には、トレハロース及びヒアルロン酸類を含む
新規な皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】正常な皮膚の角質層は適度な水分を含
み、この水分により皮膚の弾力性と柔軟性が維持されて
いる。一方、年齢などの内的要因や乾燥などの外的要因
により水分が低下すると、皮膚はいわゆるドライスキン
と呼ばれる状態になり、弾力性を失って、種々のトラブ
ルの原因となる。
【0003】このような皮膚の乾燥を防ぐことを目的と
して、皮膚外用剤に利用できる保湿剤が現在までに種々
検討されてきた。例えば、ブチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリンなどは皮膚外用剤に現在比
較的よく利用されている保湿剤である。
【0004】一方、哺乳類などがその体内に本来的に含
有する、優れた保湿能を示す物質が発見されたことをき
っかけに、天然物指向の高まりとも相まって、これらの
物質の保湿剤としての皮膚外用剤への利用が近年注目を
集めている。斯かる天然保湿剤としては、例えば、ヒア
ルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン−4−硫
酸、コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4,
6−硫酸、ケラト硫酸、ヘパリン、ヘパリチン硫酸など
が挙げられる。しかしながらこれらの天然保湿剤は、皮
膚に適用すると保湿効果を発揮する反面、使用時ならび
に使用後にべたつき感を与えるという問題があることも
指摘されている。
【0005】本発明者等は、上記の天然保湿剤の皮膚外
用剤としての有効性を確認するために、一般的な処方の
皮膚外用剤に該天然保湿剤を配合した組成物を調製し、
皮膚に適用した際の保湿効果をはじめとする使用感を検
討した。その結果、該天然保湿剤を配合することにより
確かに保湿効果は確認されたものの、該天然保湿剤を配
合した組成物は、既に指摘されているような必ずしも好
ましくない使用感を顕著に与えることに加えて、皮膚へ
の水分の補給、すなわち、水分の浸透性の点においても
不十分であるという問題点があることを独自の知見とし
て見出した。
【0006】斯かる状況に鑑み、この発明の課題は、皮
膚への水分の浸透性に優れ、皮膚での優れた保湿性を示
すとともに、べたつき感のないさっぱりとした使用感を
与える皮膚外用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは、天然保湿剤ならびにその関連物質を
中心に、諸種の物質を配合してなる組成物につき、皮膚
への水分の浸透性や皮膚の保湿性を含めた使用感を鋭意
比較検討した。その結果、該天然保湿剤を通常の処方の
皮膚外用剤に配合した場合に顕著に現れるべたつきの問
題は、主として、該天然保湿剤と通常の皮膚外用剤にお
いて保湿剤や柔軟剤などとして汎用されている脂溶性成
分との共存によって惹き起こされていることが判明し
た。そしてこの問題点を克服すべくさらに鋭意研究した
ところ、保湿剤としてヒアルロン酸ないしはその誘導体
(以下、ヒアルロン酸及びその誘導体を総称して「ヒア
ルロン酸類」という。)を用い、脂溶性成分を実質的に
使用せずに、トレハロースを配合した水溶液とするとき
には、斯かる組成物は優れた保湿性を示す上に、さっぱ
りとした使用感を与えるとともに皮膚への優れた水分浸
透性をも発揮することを独自の知見として見出した。こ
の発明は、本発明者らによる以上の知見にもとづき完成
されたものである。
【0008】すなわち、この発明は、トレハロース、ヒ
アルロン酸類及び水を含んでなり、かつ、脂溶性成分を
実質的に含まない皮膚外用剤を提供することにより上記
の課題を解決するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明はトレハロース及びヒア
ルロン酸類を含む新規な皮膚外用剤を提供するものであ
る。この発明でいうトレハロースとは、2分子のグルコ
ースが還元性基同士で結合してなる、α,α体、α,β
体又は、β,β体のトレハロース異性体のいずれかを意
味する。この発明で用いるトレハロースは、このように
定義される化合物であって、以下に詳述する当該皮膚外
用剤における他の成分と配合して皮膚に適用したときに
この発明の課題を解決する効果を発揮するものである限
り、異性体の種類、性状、純度、調製方法は特定のもの
に限定されない。
【0010】トレハロースは種々の方法で調製すること
ができる。α,α体を調製する場合、経済性を問題にす
るのであれば、例えば、特開平7−143876号公
報、特開平7−213283号公報、特開平7−322
883号公報、特開平7−298880号公報、特開平
8−66187号公報、特開平8−66188号公報、
特開平8−336388号公報及び特開平8−8458
6号公報のいずれかに開示された非還元性糖質生成酵素
及びトレハロース遊離酵素を澱粉部分加水分解物に作用
させる方法が好適である。この方法によるときには、廉
価な材料である澱粉から、α,α体が好収量で得られ
る。ちなみに、斯かる方法により調製されたα,α体の
市販品としては、含水結晶トレハロース(商品名『化粧
品用トレハロース』、固形分重量当りのα,α−トレハ
ロース含水結晶含量99%以上、株式会社林原商事販
売)があり、本品はこの発明に有利に利用できる。な
お、α,α体は、マルトースに、例えば、特開平7−1
70977号公報、特開平8−263号公報、特開平8
−149980号公報のいずれかに記載されたマルトー
ス・トレハロース変換酵素を作用させるか、あるいは、
公知のマルトース・ホスホリラーゼ及びトレハロース・
ホスホリラーゼを組合せて作用させることによっても得
ることができる。
【0011】α,β体のトレハロースを調製するには、
例えば、特開平4−144694号公報及び特開平4−
179490号公報に記載された方法にしたがって澱粉
部分加水分解物と乳糖との混合物にシクロマルトデキス
トリン・グルカノトランスフェラーゼとβ−ガラクトシ
ダーゼをこの順序で作用させればよい。また、β,β体
のトレハロースは公知の化学合成により得ることができ
る。以上のようなトレハロースはいずれもこの発明に有
利に利用できるけれども、これらのうち、α,α体は、
当該皮膚外用剤において、より顕著に所期の効果を発揮
するので、この発明の実施に特に有用である。
【0012】この発明でいうヒアルロン酸類とは、グル
クロン酸とN−アセチルグルコサミンとからなる二糖の
重合体である下記の化学式1で表されるヒアルロン酸
と、ヒアルロン酸の分子内の水素原子の1個又は2個以
上がそれぞれ独立に他の基で置換された化合物ならびに
該化合物及びヒアルロン酸の塩を含むヒアルロン酸誘導
体とを総称するものである。この発明で用いるヒアルロ
ン酸類は、このように定義される化合物であって、当該
皮膚外用剤における他の成分と配合して皮膚に適用した
ときに、この発明の課題を解決する効果を発揮するもの
である限り、その化学構造、性状、純度、調製方法は特
定のものに限定されない。
【0013】
【化1】
【0014】この発明で利用できるヒアルロン酸誘導体
としては、上記の化学式1で表されるヒアルロン酸にお
ける水素原子の1個又は2個以上ががそれぞれ独立に、
例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基な
どのハロゲン基、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ビニル基、1
−プロペニル基、アリル基、エチニル基などの脂肪族炭
化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロへキシル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基、ト
リル基、キシリル基などの芳香族炭化水素基、カルボキ
シ基などのカルボン酸基、ホルミル基、アセチル基、プ
ロピオニル基などのアシル基などで置換されたものが挙
げられ、これらの置換基はその内部にさらに別の置換基
を有していてもよい。この発明の実施においては、以上
のような誘導体のうち、ヒアルロン酸が本来有する保湿
性を実質的に消失していないものが望ましい。この発明
で利用できる塩の形態にあるヒアルロン酸誘導体として
は、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグ
ネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオン、
フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンなどのハ
ロゲン化物イオンのほか、有機酸における負イオン、有
機塩基における陽イオンなどを対イオンとする、上記に
示したヒアルロン酸ならびにその誘導体が挙げられる。
以上のように示されるヒアルロン酸類には、幾何異性
体、光学異性体、回転異性体などの異性体が存在する場
合があり、斯かる異性体も、所期の効果を発揮するかぎ
りこの発明に利用できる。以上のようなヒアルロン酸類
のうち、当該皮膚外用剤に配合して使用する際の効果の
レベルを相対的に比較すると、ヒアルロン酸及びその塩
が比較的望ましく、最も望ましいものの一つはヒアルロ
ン酸ナトリウムである。なお、以上に説明したようなヒ
アルロン酸類は、この発明の実施においては、皮膚外用
が許容される調製品を用いることが望ましいことはいう
までもない。例えば、化粧品種別配合成分基準(厚生省
薬務局審査課監修、『化粧品種別配合成分規格』、19
97年、薬事日報社発行、ならびに、厚生省医薬安全局
審査研究会監修、『化粧品種別配合成分規格 追補
I』、1998年、薬事日報社発行。以下、単に「粧配
規」という。)に示された規格を満たすヒアルロン酸ナ
トリウムの調製品はこの発明の実施に有用である。
【0015】以上のようなトレハロースとヒアルロン酸
類とともに水を含む組成物は、従来の皮膚外用剤におい
て通常用いられる脂溶性成分を実質的に配合しないとき
には、皮膚に適用したときに十分な保湿効果を発揮し、
その上、十分な皮膚への水分の浸透性を示し、さっぱり
とした使用感を与える。この発明は、この知見に基づい
て、トレハロース、ヒアルロン酸類及び水を含んでな
り、かつ、脂溶性成分を実質的に含有しない皮膚外用剤
を提供するものである。
【0016】この発明でいう脂溶性成分とは、水に対す
る場合と比較して、エタノール、エーテル又はクロロホ
ルムなどの有機溶剤に対してより高い溶解性を示す、皮
膚外用が通常許容されている物質を意味する。この発明
が対象とする脂溶性成分としては、具体的には、アボガ
ド油、ヤシ油などの植物油をはじめとする油脂、パラフ
ィン、ナフテン、スクワラン、スクワレンなどの高級炭
化水素、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸、ラウリルア
ルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコールなどの高級アルコール、ステアリン酸モノ
グリセライド、ジオレイン酸プロピレングリコール、モ
ノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタ
ン、ショ糖脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルオレイルエーテル、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油などの高級エーテル、プロピレング
リコール、ブチレングリコールなどの2価アルコールな
どが挙げられる。
【0017】この発明の皮膚外用剤は上記のような脂溶
性成分を実質的に含有しないことを特徴とする。ここで
いう「実質的に含有しない」とは、当該皮膚外用剤が、
通常の皮膚外用剤における脂溶性成分の一般的な含量を
明らかに下回る範囲でのみ含有しうることを意味する。
例えば、いわゆる化粧水は、化粧品分野で脂溶性成分の
含量が最も低い部類に分類され、総重量当り、通常、1
重量%ないしはそれ以上の脂溶性成分を含有する。この
発明の皮膚外用剤は、斯かる通常の脂溶性成分含量より
明らかに低い、通常、0.5重量%以下、望ましくは、
0.3重量%以下の範囲でのみ脂溶性成分を含有し、さ
らに望ましくは、配合成分としての脂溶性成分を含有し
ない。なお、この発明の皮膚外用剤で用いる成分の調製
品の中には、微量の脂溶性成分が含まれる場合がある。
したがって、斯かる脂溶性成分を微量に含む調製品を配
合することにより、結果として、当該皮膚外用剤に脂溶
性成分が含有される場合があるので、このようにして脂
溶性成分を含む皮膚外用剤も、上記の要件を満たす限
り、当然、この発明に包含される。
【0018】上記のとおり、この発明の皮膚外用剤は脂
溶性成分を実質的に含有しないことから、斯かる脂溶性
成分を水に溶解、懸濁若しくは分散などさせるために必
要な有機溶剤を実質的に含有しない形態で提供すること
ができる。この発明でいう有機溶剤とは、上記に示した
脂溶性成分が溶解し、水溶性を示すことのある、皮膚外
用が通常許容されている有機溶剤を意味し、具体的に
は、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノールなどの低級アルコールが挙げられる。
また、ここでいう「実質的に含有しない」とは、当該皮
膚外用剤が、通常の皮膚外用剤における一般的な有機溶
剤含量を明らかに下回る範囲でのみ有機溶剤を含有しう
ることを意味する。有機溶剤を含有する一般的な化粧品
においては、通常、20重量%ないしはそれ以上、少な
い場合でも、10重量%ないしはそれ以上の有機溶剤が
含まれる。この発明の皮膚外用剤は、斯かる通常の化粧
品における有機溶剤含量より明らかに低い、通常、5重
量%未満、望ましくは、3重量%以下でのみ有機溶剤を
含有し、さらに望ましくは、有機溶剤を含有しない。有
機溶剤を実質的に含有しないこの発明の皮膚外用剤は、
この発明の課題を解決する効果を良好に発揮することに
加えて、斯かる有機溶剤に起因する皮膚に対する刺激が
極めて低いという利点や、斯かる有機溶剤に起因する異
臭が極めて低いという利点がある。
【0019】この発明の皮膚外用剤に利用する水は、皮
膚外用が許容されるものである限り起源や調製方法は問
わない。例えば、化粧品原料基準(日本公定書協会編、
『化粧品原料基準 第二版注解 I』、1984年、薬
事日報社発行。以下、単に「粧原基」という。)に示さ
れる基準を満たす、常法により調製された精製水はこの
発明に有利に利用できる。また、例えば、水を物理的及
び/又は化学的処理などすることにより調製された、い
わゆる「機能水」と呼ばれる水であって、皮膚外用が許
容されるものも有利に利用できる。佐野洋、『農業低温
科学研究情報』、第4巻、第1号、7乃至8頁(199
7年)には、超音波処理、電気分解処理、ミネラル処
理、セラミック処理、遠赤外線処理、磁場処理、電場処
理等により調製された諸種の機能水が概説されている。
これらの機能水は、通常、当該皮膚外用剤の効果を妨げ
ず、また、当該皮膚外用剤に配合された場合にもそれぞ
れの特長を有効に発揮する場合があるので、当該皮膚外
用剤の利用分野や対象など目的に応じて適宜利用するこ
とができる。
【0020】以上のように構成されるこの発明の皮膚外
用剤におけるトレハロース及びヒアルロン酸類の含有量
は、両者を配合するとともに上記で述べたこの発明の皮
膚外用剤としての要件を満たす形態で皮膚に適用したと
きに所期の効果を発揮するものである限り特に制限はな
い。必要に応じてさらに配合する他の成分(後述)や、
当該皮膚外用剤の形態・利用分野などにもよるけれど
も、例えば、総重量あたり、トレハロースを、通常、
0.01重量%乃至10重量%、望ましくは、0.05
重量%乃至5重量%含有し、ヒアルロン酸類を、通常、
0.001重量%乃至10重量%、望ましくは、0.0
05重量%乃至5重量%含有し、脂溶性成分ならびに有
機溶剤を実質的に含まない水溶液(ローション)の形態
にある当該皮膚外用剤は、比較的幅広い対象に対して顕
著に所期の効果を発揮する特長がある。
【0021】この発明の皮膚外用剤に糖アルコール及び
/又はアミノ酸類をさらに含有させると、所期の効果が
一層顕著に発揮される場合があるので、この発明におい
ては、必要に応じて糖アルコール及び/又はアミノ酸類
をさらに利用することも有利に実施できる。
【0022】この発明でいう糖アルコールとは、単糖、
オリゴ糖及び多糖を含む糖類の還元体を意味する。この
発明で用いる糖アルコールは、このように定義される化
合物であって、当該皮膚外用剤に配合して皮膚に適用し
たときにこの発明の所期の効果を発揮するものである限
り、その化学構造、性状、純度、調製方法は特定のもの
に限定されない。この発明で利用できる糖アルコールと
しては、例えば、マルチトール、ソルビトール、マンニ
トール、キシリトール、アラビトールなどが挙げられ
る。これらの糖アルコールのうち、ソルビトール及びマ
ルチトールは、当該皮膚外用剤に配合して利用すると比
較的顕著に所期の効果を発揮する場合があるので特に有
用である。なお、以上のような糖アルコールは、この発
明の実施においては、皮膚外用が許容される形態で用い
ることが望ましいことはいうまでもない。例えば、粧原
基や粧配規を満たす糖アルコールの調製品はこの発明の
実施に有用である。
【0023】この発明でいうアミノ酸類とは、分子中に
少なくとも1個のアミノ基とカルボキシル基とを有する
有機化合物であるアミノ酸のほか、アミノ酸の塩をはじ
めとするアミノ酸誘導体とを総称するものである。この
発明で用いるアミノ酸類は、このように定義される化合
物であって、当該皮膚外用剤に配合して皮膚に適用した
ときにこの発明の課題を解決する効果を発揮するもので
ある限り、その化学構造、性状、純度、調製方法は特定
のものに限定されない。
【0024】アミノ酸は多種類のものが知られており、
これらはその物性によって分類することができる。例え
ば、アミノ酸は、1個のアミノ基及びカルボキシル基に
加えて、分子中にさらにアミノ基、イミノ基、カルボキ
シル基、カルボニル基、水酸基、メルカプト基、スルホ
ン酸基、スルフィン酸基、ハロゲン基などの、正電荷又
は負電荷を有することある極性基を含む場合がある。以
上のような極性基をさらに含むものは、酸性アミノ酸・
塩基性アミノ酸・中性アミノ酸を含めて一般に親水性ア
ミノ酸と分類される。この発明で利用できる親水性アミ
ノ酸としては、中性アミノ酸であるグリシン、セリン、
トレオニン、チロシン、システイン、シスチン、アスパ
ラギン、グルタミン、ピロリドンカルボン酸、ヒドロキ
シプロリン、ピペコリン酸、サルコシン、ホモシステイ
ン、ホモセリン及びシトルリン、酸性アミノ酸であるア
スパラギン酸、グルタミン酸、システインスルフィン酸
及びアルギニノコハク酸、塩基性アミノ酸であるアルギ
ニン、リジン、ヒスチジン及びオルニチンなどがある。
この発明で利用できる非親水性アミノ酸としては、アラ
ニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、
フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、β−ア
ラニン、タウリン、β−アミノ酪酸及びγ−アミノ酪酸
などがある。この発明で利用できるアミノ酸誘導体とし
ては、皮膚外用が許容される、上記のようなアミノ酸の
塩、詳細には、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイ
オン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの金
属イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオ
ンなどのハロゲン化物イオンのほか、有機酸における負
イオン、有機塩基における陽イオンなどを対イオンとす
るアミノ酸塩や、以上のようなアミノ酸及びアミノ酸塩
における水素原子が脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素
基、芳香族炭化水素基、アシル基、エーテル基、エステ
ル基などの他の基で置換された化合物が挙げられる。な
お、以上のように示されるアミノ酸類には、幾何異性
体、光学異性体、回転異性体などの異性体が存在する場
合があり、斯かる異性体もこの発明に利用できる。
【0025】上記に例示されるようなアミノ酸類はいず
れもこの発明に利用できるけれども、当該皮膚外用剤に
配合して使用する際の効果のレベルを相対的に比較する
と、これらのうち、親水性アミノ酸に分類されるアミノ
酸ならびにその誘導体が望ましく、さらに望ましいもの
は、中性アミノ酸又は酸性アミノ酸に分類されるアミノ
酸ならびにその誘導体である。なお、以上に説明したよ
うなアミノ酸類は、この発明の実施においては、皮膚外
用が許容される形態で用いることが望ましいことはいう
までもない。例えば、粧原基や粧配規には、アミノ酸な
らびにその誘導体の調製品の、化粧品成分としての基準
ないしは規格が示されており、これらの基準又は規格を
満たすものはこの発明の実施に有用である。
【0026】この発明で用いる糖アルコールならびにア
ミノ酸類の当該皮膚外用剤当りの含有量は、当該皮膚外
用剤に配合して皮膚に適用したときに所期の効果を発揮
するものである限り特に制限はない。当該皮膚外用剤の
利用対象や利用分野などによるけれども、例えば、比較
的幅広い対象に適用しできる化粧品として利用するに
は、糖アルコールを利用する場合には、通常、0.00
1重量%乃至10重量%、望ましくは、0.005重量
%乃至5重量%の範囲内が好適であり、アミノ酸類を利
用する場合には、通常、0.0001重量%乃至1重量
%、望ましくは、0.001重量%乃至0.5重量の範
囲内が好適である。
【0027】この発明の皮膚外用剤には、さらに必要に
応じて、皮膚外用が通常許容される、植物抽出物、植物
搾汁、酸化防止剤、防腐剤、ビタミン類、消炎剤、紫外
線吸収剤、pH調製剤、既に示した以外の保湿剤、さら
には、溶剤、乳化剤、界面活性剤、着色料、着香料など
の成分を添加して所望の機能を当該皮膚外用剤に付与す
ることも随意である。なお、必要に応じて添加するこれ
らの成分は、当該皮膚外用剤による効果を妨げない範囲
で用いるのが望ましいことはいうまでもなく、例えば、
斯かる添加成分が脂溶性である場合には、その総量が当
該皮膚外用剤としての上述の要件を満たす範囲で用いる
のが望ましい。
【0028】この発明でいう植物抽出物とは、植物体の
一部又は全部ないしはそのいずれかの発酵物からの、
水、水溶性溶剤及び/又は水不溶性溶剤による、乾燥さ
れた形態を含む抽出物であって、皮膚外用が通常許容さ
れるものを意味する。具体的には、例えば、カミツレ抽
出物、セージ抽出物、アロエ抽出物、サルビア抽出物、
アシタバ抽出物、アボガド抽出物、アーモンド抽出物、
イラクサ抽出物、ウイキョウ抽出物、ウーロン茶抽出
物、ウワウルシ抽出物、オウバク抽出物、オオムギ抽出
物、オオムギ発酵抽出物、オクラ抽出物、オトギリソウ
抽出物、オドリコソウ抽出物、オーリス抽出物、海藻抽
出物、カリン抽出物、カンゾウ抽出物、クインスシード
抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、クララ抽出
物、ケイヒ抽出物、紅茶抽出物、コムギ抽出物、コメヌ
カ抽出物、コメヌカ発酵抽出物、シコン抽出物、シラカ
バ抽出物、スギナ抽出物、ステビア抽出物、セロリ抽出
物、センブリ抽出物、ダイズ抽出物、タイム抽出物、茶
抽出物、チョウジ抽出物、チンピ抽出物、ツバキ抽出
物、トウキ抽出物、トウモロコシ抽出物、納豆抽出物、
ニンジン抽出物、ハマナス抽出物、ヒノキ抽出物、ビャ
クダン抽出物、ブドウ抽出物、ヘチマ抽出物、ベニバナ
抽出物、マツ抽出物、モモ抽出物、モヤシ抽出物、ヤグ
ルマギク抽出物、ユーカリ抽出物、ユキノシタ抽出物、
ユズ抽出物、ユリ抽出物、ヨクイニン抽出物、ヨモギ抽
出物、ラベンダー抽出物、藍藻抽出物、リンゴ抽出物、
レイシ抽出物、レタス抽出物、ローズマリー抽出物など
が挙げられる。この発明でいう植物搾汁とは、植物体の
一部又は全部の搾汁ないしはその乾燥物であって、皮膚
外用が通常許容されるものを意味する。具体的には、例
えば、アロエ搾汁、アンズ搾汁、イチゴ搾汁、モモ搾
汁、ライム搾汁、リンゴ搾汁、レモン搾汁などが挙げら
れる。以上に示したうち、植物抽出物としては、植物か
らの水による抽出物、とりわけ、カミツレ、セージ、サ
ルビア又はモモからの水による抽出物が、また、植物搾
汁としてはアロエ搾汁が、当該皮膚外用剤に配合したと
きに所期の効果が比較的顕著に発揮されることに加え
て、皮膚への刺激性が比較的低いので、この発明の実施
に特に有利である。
【0029】この発明で利用できる酸化防止剤として
は、例えば、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン
酸ステアリン酸エステル及び糖転移アスコルビン酸をは
じめとするアスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸及び
その塩、クエン酸及びその塩、酢酸トコフェロール、ジ
ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、パルミチ
ン酸及びその塩、パルミチン酸アスコルビル、ピロ亜硫
酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、1,3−
ブチレングリコール、没食子酸プロピルなどが挙げられ
る。防腐剤としては、例えば、安息香酸及びその塩、パ
ラオキシ安息香酸メチルなどの安息香酸誘導体、エデト
酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、ソルビン酸及び
その塩などが挙げられる。ビタミン類としては、例え
ば、酸化防止剤として上記に示したビタミンC(アスコ
ルビン酸又はアスコルビン酸誘導体及びそれらの塩)や
ビタミンE(トコフェロール)のほか、ビタミンB群に
属する化合物及びその誘導体、より詳細には、パントテ
ニルアルコールやアセチルパントテニルエチルエーテル
などのパントテン酸誘導体及びリボフラビン、ビタミン
A群に属する化合物などが挙げられる。消炎剤として
は、例えば、既に示した成分のうちで抗炎症作用を示す
もののほか、グリチルリチン酸及びその塩やグリチルレ
チン酸などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、既に
示した成分で紫外線吸収作用を示すもののほか、パラメ
トキシ桂皮酸エチルヘキシルエステルなどの桂皮酸誘導
体、オキシベンゾンなどのベンゾフェノン系誘導体、ウ
ロカニン酸及びその誘導体、シノキサート、2−(2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
などが挙げられる。pH調節剤としては、既に示した成
分でpH調節作用を示すもののほか、アジピン酸及びそ
の塩、アンモニア水、炭酸ナトリウム、グルコン酸及び
その塩、酢酸及びその塩、酒石酸及びその塩、乳酸及び
その塩、リン酸及びその塩、フマル酸及びその塩、水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。こ
の発明で利用できる保湿剤としては、既に示した成分で
保湿作用を示すもののほか、グリセリン、ポリエチレン
グリコール、スクロース、マルトース、フラクトース、
ラクトース、水飴、コラーゲンなどが挙げられる。
【0030】以上のような成分を含むこの発明の皮膚外
用剤は、皮膚に適用する化粧品などとして有利に利用で
きる。当該皮膚外用剤の形状は、所期の効果を発揮する
限り特に制限はなく、皮膚外用剤分野で一般的に利用さ
れる溶液系、可溶化系、ゲル、乳化系、固形分分散物
系、油分分散系、油分・固形分分散系などはいずれも利
用しうるけれども、水を主たる溶剤として溶液系の形状
にするときには、とりわけ顕著に所期の効果を発揮す
る。当該皮膚外用剤の用途としては、化粧品分野におい
ては、例えば、ローション、基礎化粧品、洗浄用化粧
品、入浴用化粧品、頭髪化粧品、日焼け・日焼け止め化
粧品、メイクアップ化粧品、発毛剤、育毛剤などが挙げ
られる。また、当該皮膚外用剤は、適宜の織布又は不織
布に含有せしめて、例えば、パック剤として利用するこ
とも、さらには、必要に応じて噴霧剤とともに噴霧容器
に封入してスプレーとして利用することも随意である。
以上のように化粧品などとして有用なこの発明の皮膚外
用剤を皮膚に適用すると、速やかに水分が皮膚に浸透
し、皮膚を効果的に保湿するので、適用した皮膚組織に
おける角質層を軟化し、該組織の新陳代謝を促し、該組
織が本来有する保湿能の活性化にも奏効する。また、本
発明の皮膚外用剤が、ビタミン類や消炎剤等の薬理効果
を有する成分をさらに含むときには、当該皮膚外用剤が
皮膚への浸透性に優れていることから、斯かる成分が極
めて効果的にその本来の機能を発揮することとなる。
【0031】以下、実験及び実施例に基づいてこの発明
をより詳細に説明する。
【0032】
【実験】〈パネルテスト〉下記の表1に示す、粧原基又
は粧配規を満たす成分を、表1に示す配合にしたがい常
法により混合し、6種類の試験剤と対照を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】上記の対照及び試験剤の組成に関する情報
を一切与えていない、化粧水の使用経験の豊富な、皮膚
疾患のない健康な女性20名(25乃至38歳)を対象
に、対照及び試験剤1乃至5を用いてパネルテストをし
た。テスト第1日、第3日、第5日、第7日、第9日、
第11日に対照を皮膚に適用させ、対照を適用させたそ
れぞれの翌日に、無作為に選んだ試験剤のいずれかを適
用させ、テスト第12日に全ての試験剤の適用を終え
た。各試験剤の適用を終えた時点で、皮膚の保湿性、べ
たつきの観点からみた使用感、皮膚への水分の浸透性の
3項目について、前日の対照を適用した場合との比較に
基づいて、「−−」(対照より明らかに劣る)、「−」
(対照よりやや劣る)、「±」(対照と同等)、「+」
(対照よりやや優れている)、「++」(対照より明ら
かに優れている)の5段階で判定させた。テスト終了
後、全てのパネラーの判定結果を集計し、集計結果に基
づいて各試験剤を評価した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2に見られるとおり、保湿性の点では試
験剤の全てが対照と同等以上の評価を得た。この結果
は、ヒアルロン酸には本来優れた保湿作用があることを
裏づけている。各試験剤間で比較すると、ヒアルロン酸
類をトレハロースとを併用し、脂溶性成分を含まない試
験剤4は、脂溶性成分とヒアルロン酸類とを併用した試
験剤1ならびに、脂溶性成分、ヒアルロン酸類及びトレ
ハロースを併用した試験剤3に匹敵する高い評価を得
た。このことは、ヒアルロン酸類とトレハロースとを併
用するときには、脂溶性成分を利用しなくとも十分な保
湿性が発揮されることを示している。
【0037】べたつきの観点からみた使用感について
は、脂溶性成分とヒアルロン酸類を併用した試験剤1が
特に劣り、ヒアルロン酸を含み、トレハロースを含まな
い試験剤2、5、6がやや劣っていた。一方、試験剤1
と試験剤3の評価の差に見られるとおり、試験剤1の組
成に加えてトレハロースを配合した場合(試験剤3)に
は顕著な使用感の改善が認められた。そして、試験剤3
の組成から脂溶性成分を除いた場合(試験剤4)には、
べたつきの極めて少ない優れた使用感が達成された。こ
の結果は、ヒアルロン酸類はべたつきという好ましくな
い使用感を本来与え、この使用感の悪さは、脂溶性成分
との併用によりさらに増強する一方、ヒアルロン酸にト
レハロースを配合することでこの使用感の悪さは改善さ
れ、そして、脂溶性成分を含まない条件下でヒアルロン
酸類とトレハロースとを併用するときには極めて良好な
使用感が達成されることを示している。
【0038】皮膚への水分の浸透性については、脂溶性
成分を含まない条件下でヒアルロン酸とトレハロースを
配合した試験剤4以外は、程度の差はあるものの、いず
れも対照に比べて劣っていた。この結果は、ヒアルロン
酸類は水分の浸透性に関しては本来難点がある一方、脂
溶性成分を含まない条件下でヒアルロン酸類とトレハロ
ースとを併用するとこの難点は解消され、極めて良好な
水分浸透性を発揮することを示している。
【0039】以上のパネルテストを通しての試験剤4、
試験剤5及び試験剤6の評価の違いに見られるとおり、
試験剤4におけるトレハロースに代えてマルトース又は
スクロースを配合した試験剤5ならびに試験剤6は、試
験剤4のような良好な評価を得なかった。このことは、
トレハロースが、ヒアルロン酸類と組み合わせてこの発
明による処方にしたがって使用したときに、保湿性、使
用感、浸透性の点で、他の糖質を利用する場合には見ら
れない優れた効果を発揮することを示している。なお、
ヒアルロン酸ナトリウムに代えてコンドロイチン硫酸ナ
トリウムを用いたこと以外は本実験と同様にしてパネル
テストを行ったところ、上記の試験剤4に見られた程の
良好な結果は得られなかった。この結果は、ヒアルロン
酸類が、トレハロースと組み合わせてこの発明による処
方にしたがって使用したときに、保湿性、使用感、浸透
性を満足する、とりわけ顕著な効果を発揮することを示
している。
【0040】
【実施例1】〈ローション〉粧原基又は粧配規を満たす
以下の成分を、以下の配合にしたがって混合し、ローシ
ョンを製造した。 ヒアルロン酸ナトリウム液(1重量%、粧配規) 20重量部 トレハロース(粧配規) 1.0重量部 ソルビット液(60重量%、粧原基) 2.1重量部 カモミラエキス(1)(粧配規) 0.05重量部 セージエキス(粧配規) 1.0重量部 アロエ液汁末(2)(粧配規) 0.001重量部 クエン酸(粧原基) 0.02重量部 クエン酸ナトリウム(粧原基) 0.18重量部 パラオキシ安息香酸メチル(粧原基) 0.05重量部 精製水(粧原基) 残余 合計 100重量部
【0041】本ローションは、皮膚への水分の浸透性に
優れ、皮膚での保湿性に優れる上、さっぱりとした使用
感を与える基礎化粧品として有用である。
【0042】
【実施例2】〈ローション〉粧原基又は粧配規を満たす
以下の成分を、以下の配合にしたがって常法により混合
し、ローションを製造した。 ヒアルロン酸ナトリウム液(1重量%、粧配規) 18重量部 トレハロース(粧配規) 0.8重量部 DL−セリン(粧原基) 0.05重量部 マルチトール(粧配規) 0.25重量部 グリセリン(粧原基) 2重量部 パラオキシ安息香酸メチル(粧原基) 0.05重量部 水酸化カリウム 0.01重量部 ポリオキシエチレン(15モル付加)オレイルエーテル(粧原基) 0.3重量部 エタノール(粧原基) 3重量部 香料 適量 精製水(粧原基) 残余 合計 100重量部
【0043】本ローションは、皮膚への水分の浸透性に
優れ、皮膚での保湿性に優れる上、さっぱりとした使用
感を与える基礎化粧品として有用である。また、本ロー
ションは皮膚の角質層を軟化する作用をも比較的顕著に
発揮するので、寒冷季に利用する化粧品や、中高年層を
対象とする化粧品としても有用である。
【0044】
【実施例3】〈スプレー〉粧原基又は粧配規を満たす以
下の成分を、以下の配合にしたがって常法により混合
し、スプレー剤を製造した。 ヒアルロン酸ナトリウム液(1重量%、粧配規) 15重量部 トレハロース(粧配規) 0.5重量部 L−シスチン(粧原基) 0.05重量部 セージエキス(粧配規) 1.0重量部 モモ葉エキス(粧配規) 0.5重量部 ポリオキシエチレン(20)ポリオキシポリプロピレン(8)セチルエーテル (粧原基) 0.3重量部 精製水(粧原基) 残余 合計 100重量部
【0045】本品を100ml容噴霧容器に充填し、ス
プレーを得た。本スプレーは、皮膚への水分の浸透性に
優れ、皮膚での保湿性に優れる上、さっぱりとした使用
感を与える基礎化粧品として有用である。また、本スプ
レーは、穏やかな清浄作用を示すことから、低刺激性の
清浄用スプレーとしても有用である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明は、トレ
ハロース、ヒアルロン酸類及び水を含んでなり、脂溶性
成分を実質的に含有しない組成物が、皮膚への水分の浸
透性に優れ、皮膚の保湿性に優れる上、さっぱりとした
使用感を与えるという、全く独自の知見に基づくもので
ある。斯かる特長を有する本発明による皮膚外用剤は、
基礎化粧品などの化粧品分野に限らず、皮膚外用薬など
の医薬品分野においても有利に利用できる。この発明の
皮膚外用剤を皮膚に適用すると、速やかに水分が皮膚に
浸透し、皮膚を効果的に保湿するので、適用した皮膚組
織における角質層を軟化し、新陳代謝を促すとともに、
該組織が本来有する保湿能の活性化に奏効する。また、
本発明の皮膚外用剤が、ビタミン類や消炎剤等の薬理効
果を有する成分を含むときには、当該皮膚外用剤が皮膚
への浸透性に優れていることから、斯かる成分が極めて
効果的にその本来の機能を発揮する。
【0047】この発明は、斯くも顕著な作用効果を奏す
る発明であり、斯界に貢献すること誠に多大な意義のあ
る発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 S 7/48 7/48 (72)発明者 池田 恵二 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰本町1003番地 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB032 AC011 AC071 AC101 AC102 AC122 AC131 AC132 AC171 AC182 AC241 AC302 AC351 AC482 AC581 AC582 AD211 AD212 AD331 AD332 BB11 CC02 CC04 DD08 DD23 EE12

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレハロース、ヒアルロン酸類及び水を
    含んでなり、かつ、脂溶性成分を実質的に含有しない皮
    膚外用剤。
  2. 【請求項2】 脂溶性成分が油脂、高級炭化水素、高級
    脂肪酸、高級アルコール、高級エーテル及び高級脂肪酸
    エステルから選ばれる1種又は2種以上である請求項1
    に記載の皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】 総重量当りの全脂溶性成分の含有量が
    0.5重量%以下である請求項1又は2に記載の皮膚外
    用剤。
  4. 【請求項4】 有機溶剤を実質的に含有しない請求項
    1、2又は3に記載の皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 有機溶剤がエタノール、プロパノール及
    びブタノールから選ばれる1種又は2種以上である請求
    項4に記載の皮膚外用剤。
  6. 【請求項6】 トレハロースを0.01重量%乃至10
    重量%、ヒアルロン酸類を0.001重量%乃至10重
    量%含む請求項1乃至5のいずれかに記載の皮膚外用
    剤。
  7. 【請求項7】 トレハロースがα,α−トレハロースで
    ある請求項1乃至6のいずれかに記載の皮膚外用剤。
  8. 【請求項8】 ヒアルロン酸類がヒアルロン酸ナトリウ
    ムである請求項1乃至7のいずれかに記載の皮膚外用
    剤。
  9. 【請求項9】 糖アルコール及び/又はアミノ酸類をさ
    らに含む請求項1乃至8のいずれかに記載の皮膚外用
    剤。
  10. 【請求項10】 糖アルコールがソルビトール、マルチ
    トール、マンニトール及びキシリトールから選ばれる1
    種又は2種以上である請求項9に記載の皮膚外用剤。
  11. 【請求項11】 アミノ酸類が親水性アミノ酸から選ば
    れる1種又は2種以上である請求項9又は10に記載の
    皮膚外用剤。
  12. 【請求項12】 植物抽出物及び/又は植物搾汁をさら
    に含む請求項1乃至11のいずれかに記載の皮膚外用
    剤。
  13. 【請求項13】 植物抽出物が植物の水による抽出物で
    ある請求項12に記載の皮膚外用剤。
  14. 【請求項14】 ローションとしての請求項1乃至13
    のいずれかに記載の皮膚外用剤。
  15. 【請求項15】 化粧品としての請求項1乃至14のい
    ずれかに記載の皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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