WO2006137447A1 - シュードウリジン保護体の安定結晶 - Google Patents
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Abstract
本発明はRNAオリゴマーなどの原料として有用な下記構造式で示される安定で高純度のシュードウリジン保護体の結晶を提供する。
(式中、Mはトリチル基及びその誘導体を示す。)
また、エステル系溶媒及び/又はアルコール系溶媒を用いて、シュードウリジン保護体を含む溶液からシュードウリジン保護体を晶析することを特徴とする、上記結晶の製造法に関する。この方法は、シリカゲルカラム処理を必要としないため、操作が簡便であり、環境汚染の付加も少なく、かつ安価に目的とするシュードウリジン保護体を製造することができる。
Description
明 細 書
シユードウリジン保護体の安定結晶
技術分野
[0001] 本発明は、 RNAオリゴマーなどの原料として有用なシユードウリジン保護体の結晶 及びその製造法に関するものである。
背景技術
[0002] シユードウリジンのホスホロアミダイト体は、修飾ヌクレオシドを含む RNAオリゴマー の化学的自動合成時の原料として使用されている。例えば、 Biochimie, 77, 125 ( 1995)では、イーストの tRNA合成時にシユードウリジンのホスホロアミダイト体が原 料の 1つとして使用されている。
[0003] また、近年、遺伝子創薬 (アブタマ一、 RNA干渉等)が注目されており、このような オリゴマー合成時の原料の 1つとして、シユードウリジンのホスホロアミダイト体が用い られている。
[0004] シユードウリジンを含む RNAオリゴマーをィ匕学的に自動合成する際、 5,位および 2 ,位水酸基を適当な保護基で保護したシユードウリジンの 3 '—ホスホロアミダイト体が 通常用いられる。具体的には、上記の文献においては、 5'位を 4, 4'ージメトキシトリ チル(DMTr)基、 2 '位を t -ブチルジメチルシリル (TBDMS)基でそれぞれ保護し たシユードウリジンの 3, - (2—シァノエチル一 N, N—ジイソプロピル)ホスホロアミダ イト体が使用されている。
[0005] このようなホスホロアミダイト体は、シユードウリジンの 5,位を DMTr化し、続いて 2, 位を TBDMS化した後、 3'位をアミダイト化する方法で合成されており、第一工程の シユードウリジンの DMTr化は、ピリジン中、室温下、 4, 4,ージメトキシトリチルクロリ ド (DMTrCl)とシユードウリジンとを反応させ、分液処理後、シリカゲルカラムで精製 し、 目的の保護体を取得している。なお、上記文献ではシユードウリジンの 5 ' -DMTr 体の性状について記述されていない。しかし、 Helvetica Chimica Acta, 78, 17 05 (1995)においては、同様に合成されたシユードウリジンの 5, -DMTr体が無色泡 状物(colorless foam)として取得されたと記述されて 、る。
[0006] 非特許文献 l : Biochimie, 77, 125 (1995)
非特許文献 2 : HELVETICA CHIMICA ACTA, 78, 1705 (1995) 発明の開示
[0007] 上記 DMTr化反応において、シユードウリジンの 5'位の他にも 2'位及び Z又は 3' 位も DMTr化された保護体が副産物として生成し、次工程の 2'位 TBDMSィ匕にお いて、それら副産物による副反応により目的の保護体の収量が低下する等の問題が あった。このため、 DMTrィ匕反応後のシリカゲルカラムによる精製工程は必須の処理 工程と認識されている。
[0008] し力しながら、シリカゲルカラムを使用した精製処理は、操作が煩雑であると共に、 有機溶媒を大量に必要とするため、環境に悪影響を及ぼし、かつ目的化合物の製造 コストを上昇させる主要な原因となっていた。
[0009] また、従来法で得られる泡状の 5' -0- (4, 4'ージメトキシトリチル)シユードゥリジ ンは、非晶質 (アモルファス)であるため、安定性に欠け、品質にバラツキが生じやす V、等の問題点も有して 、た。
[0010] 本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、全く意外にも、 5' -0- (4, 4 ,ージメトキシトリチル)シユードウリジン力 エステル系及び Z又はアルコール系の有 機溶媒を用いる晶析処理で結晶として取得することができ、かつシリカゲルカラムに よる精製処理を必要とせず、得られた結晶も高純度で安定であることを見出し、この 知見を発展させ、本発明を完成した。。
[0011] すなわち、本発明は下記の構造式で示されるシユードウリジン保護体の結晶を提供 するものである。
(式中、 Mはトリチル基及びその誘導体を示す。 )
このような本発明の一形態においては、式中の Mはジメトキシトリチル基、モノメトキ
シトリチル基又はトリチル基のいずれかとすることができ、一例として式中の Mは 4, 4 '—ジメトキシトリチル基とすることができる。
[0013] また、本発明に力かる製造法は、前記構造式のシユードウリジン保護体の結晶を製 造する製造法であって、エステル系溶媒及び Z又はアルコール系溶媒を用いて、シ ユードウリジン保護体を含む溶液力ゝらシユードウリジン保護体を晶析することを特徴と する。
[0014] 本発明の製造法の好適な一実施形態によれば、前記エステル系溶媒は、酢酸ェ チル、酢酸メチル、酢酸 n—ブチル等の酢酸エステル類とすることができ、前記アルコ ール系溶媒は、エタノール、メタノール、イソプロパノール等の炭素数 7以下の直鎖又 は分岐を有するアルコール類であるとすることができる。また、本発明においては、ェ ステル系溶媒で粗結晶を得た後、アルコール系溶媒でその粗結晶を再結晶すること も可能である。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]図 1は、 5,一O— (4, 4,ージメトキシトリチル)シユードウリジン結晶の粉末 X線 回折パターンを示したものである。
[図 2]図 2は、 5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)シユードウリジン結晶の TGZDT Aカーブを示したものである。
[図 3]図 3は、 5'—O—トリチルシユードウリジン結晶の粉末 X線回折パターンを示した ものである。
[図 4]図 4は、 5,一O—(4ーメトキシトリチル)シユードウリジン結晶の粉末 X線回折パ ターンを示したものである。
発明を実施するための最良の形態
[0016] [本発明の結晶]
(式中、 Mはトリチル基及びその誘導体を示す。 )
[0018] 式中、 Mで表されるトリチル基の誘導体としては、ジメトキシトリチル基、モノメトキシト リチル基を例示することができ、特に 4, 4'—ジメトキシトリチル基が好適な保護基とし て挙げることができる。
[0019] このようなシユードウリジン保護体の結晶は、シリカゲルカラムによる精製処理を行 わずとも、 HPLC分析で、 目的とするシユードウリジン保護体の結晶を 95% (wZw) 以上、好ましくは 98%以上含み、その他の類縁ィ匕合物は 5%以下、好ましくは 2%以 下の純度を有する。
[0020] なお、その他の類縁ィ匕合物としては、たとえば 2' , 5' O ジ(トリチル又はその誘 導体)シユードウリジン、 3' , 5,一 O ジ(トリチル又はその誘導体)シユードウリジンな どのシユードウリジンのジトリチル体を意味する。
[0021] 本発明のシユードウリジン保護体の結晶は、粉末 X線分析において特徴的なピーク を有し、たとえば 5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)シユードウリジン結晶を Cu—K α線を用いた粉末 X線回折装置で分析すると、後述実施例に示すように、回折角(2 0 )力 4. 6, 8. 0, 9. 3, 12. 3, 12. 9, 14. 5, 16. 6, 17. 3, 18. 6, 19. 1, 20 . 3, 21. 4, 21. 8, 23. 7, 24. 7および 26. 1 (。 ;)付近に特徴的ピークを示す(図 1 参照)。
[0022] また、 5'—Ο トリチルシユードウリジン結晶の場合には、回折角(2 Θ )が 4. 60,9.
10, 13.02,14.58, 16.68, 17.92, 19.14,20.78, 21.36および 24. 76に特徴的なピ ークが認められ(図 3参照)、 5' -0- (4 モノメトキシトリチル)シユードウリジン結晶 の場合には、回折角(2 0 )が 4.60,9.76, 12.20,12.94,16.60,17.84, 18.52,19.0 4,20.66,21.24,21.70および 24. 60に特徴的なピークが認められる(図 4参照)。
[0023] 一般に、粉末 X線回折における回折角(2 Θ )は、 5%未満の誤差範囲を含む場合
があることから、粉末 X線回折におけるピークの回折角が完全に一致する結晶のほか 、ピークの回折角が 5%未満の誤差で一致する結晶も本発明のシユードウリジン保護 体の結晶に包含される。
[0024] [本発明結晶の製造法]
本発明の結晶は、エステル系溶媒及び Z又はアルコール系溶媒を用いて、シユー ドウリジン保護体を含む溶液力 シユードウリジン保護体を晶析することにより調製す ることがでさる。
[0025] エステル系溶媒としては、酢酸ェチル、酢酸メチル、酢酸 n—ブチル等の酢酸エス テル類を用いることができ、アルコール系溶媒としては、エタノール、メタノール、イソ プロパノール等の炭素数 7以下の直鎖もしくは分岐を有するアルコール類を用いるこ とができる。このような溶媒の中でも、酢酸ェチルとエタノールが特に好ましい。
[0026] シユードウリジン保護体の晶析法は、特に限定されるものではな 、が、エステル系 溶媒で粗結晶を得、次にアルコール系溶媒でさらに再結晶するという手順が、高純 度の結晶を取得する点では好まし 、。
[0027] 具体的に、最初に、有機溶媒中、シユードウリジンと保護基の塩ィ匕物とを室温下数 時間反応させる。反応後、反応液を水とエステル系溶媒とで分液し、有機層を減圧 下濃縮した後、残渣をエステル系溶媒で共沸し、シユードウリジン保護体をエステル 系溶媒に加熱溶解する。
[0028] 加熱溶解後、シユードウリジン保護体含有液を室温 (23〜27°C)下で放置してシュ 一ドウリジン保護体の粗結晶を得、次ぎに得られた粗結晶をアルコール系化合物で 共沸後、アルコール系溶媒に加熱溶解し、室温下で放置し、析出した結晶をろ取す ることで、シユードウリジン保護体の高純度の結晶を取得することができる。なお、結 晶の取得収率が低い場合には、上記結晶のろ液から、上記した晶析処理を実施する ことで、 2番結晶を回収してもよい。
[0029] 力べして得た結晶は、室温〜 100°C、好ましくは 60〜90°C下、 3〜6時間減圧乾燥 させ製品とする。
[実施例]
[0030] 以下、実施例、試験例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施
例よつて限定されないことは明らかである。
[0031] [実施例 1]
5,— O— (4, 4,—ジメトキシトリチル)シユードウリジン結晶の製造
モレキュラシ一ブス 4Aで乾燥したピリジン(36ml)でシユードウリジン(4. 77g, 18. 3mmol)を 2回共沸脱水した後、ピリジン(72ml)に懸濁した。室温撹拌下、 4, 4' - ジメトキシトリチルクロリド(7. 45g, 22mmol)をカ卩え、すり栓で蓋をして同温度で 2時 間撹拌した。
[0032] 反応液に室温下、水(7ml)をカ卩え、減圧下濃縮し、残渣に酢酸ェチル(110ml)を 加え、水(30ml)で 2回、飽和重曹水(30ml)で 1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで 乾燥した後、減圧下濃縮し、残渣を酢酸ェチル(55ml)で 3回共沸し、酢酸ェチル(5 5ml)を残渣にカ卩えて加熱溶解し、 25°C下で 22時間放置し、析出した結晶をグラス フィルターでろ取した。
[0033] ろ取した結晶を酢酸ェチルで 1回洗浄した後、酢酸ェチル(93ml)を加え加熱懸濁 後、 25°C下で 1時間放置し、析出した結晶をグラスフィルターでろ取した。ろ取した結 晶を酢酸ェチルで 1回洗浄した後、エタノール(74ml)で 3回共沸し、エタノール(74 ml)に加熱溶解後、 25°C下で 21時間放置し、析出した結晶を桐山ロートでろ取した
[0034] 結晶を酢酸ェチルで 1回洗浄し、 90°C下 3時間 5mmHgにて減圧乾燥し、白色針 状晶(1番晶)を 4. 21g (42%)得た。さらに、 1番晶を分離したろ液を、減圧下濃縮し 、残渣をエタノール(18ml)で 1回共沸し、エタノール(18ml)に加熱溶解した後、 1 番晶の一部を種晶(3mg)として添加し、 25°C下で 3日間放置し、 1番晶と同様にろ 取、乾燥を実施し、白色針状晶を 1. 62g (16%)得た (2番晶)。
[0035] 得られた結晶(1番晶)を粉末 X線回折で分析したところ、回折角(2 Θ )が 4. 62, 8 . 00, 9. 26, 12. 26, 12. 92, 14. 52, 16. 62, 17. 34, 18. 62, 19. 06, 20. 32, 21. 38, 21. 76, 23. 72, 24. 72および 26. 06に特徴的なピーク力 S認められ た (図 1参照)。
[0036] また、熱重量測定 Z示差熱分析 (TG/DTA)装置 (昇温速度 5°CZ分)で分析し たところ、約 123. 6°C付近に特徴的吸熱ピークを示した(図 2参照)。
[0037] さらに、 NMRの分析結果は以下の通りであった。なお、 2番晶の機器分析結果も、 1番晶と同じ結果であった。 1H— NMR: (DMSO— d6) 10. 9— 11. 2 (br d, 2
H, NH)、 7. 18- 7. 42 (m, 10H, Ar— H and H— 6) , 6. 88 (d, J = 8. 8Hz, 4H, Ar-H) , 4. 99 (br s, 1H, OH) , 4. 76 (d, J = 5. 7Hz, 1H, OH) , 4. 53 ( d, J = 3. 8Hz, 1H, H— 1 ' )、 3. 81— 3. 95 (m, 3H, H— 2' , 3' and4' )、 3. 74 ( s, 6H, OMe) , 3. 12 (d, J= l. 5, 10. 2Hz, 1H, H— 5,)、 3. 07 (d, J = 5. 1, 1
I. 2Hz, 1H, H— 5,)
[0038] [実施例 2]
5,—O—トリチルシユードウリジン結晶の製造
モレキュラシ一ブス 4Aで乾燥したピリジン(5ml)でシユードウリジン(0. 61g, 2. 5 mmol)を 2回共沸脱水した後、ピリジン(9. 8ml)に懸濁した。室温撹拌下、トリチル クロリド (0. 836g, 3mmol)を加え、すり栓で蓋をして同温度で 1日間撹拌した。
[0039] 反応液に室温下、水(lml)をカ卩え、減圧下濃縮し、残渣に酢酸ェチル(15ml)を 加え、水(4ml)で 2回、飽和重曹水(4ml)で 1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾 燥した後、減圧下濃縮し、残渣を酢酸ェチル(7. 7ml)で 2回共沸し、エタノール(24 ml)を残渣に加えて加熱溶解し、 25°C下で 2日間放置し、析出した結晶を桐山ロート でろ取した。
[0040] 結晶を酢酸ェチルで 1回洗浄し、 90°C下 3時間 5mmHgにて減圧乾燥し、白色結 晶(1番晶)を 0. 595g (49%)得た。さらに、 1番晶を分離したろ液を、減圧下濃縮し 、残渣をエタノール(6ml)で 1回共沸し、エタノール(6ml)に加熱溶解した後、 25°C 下で 2日間放置し、 1番晶と同様にろ取、乾燥を実施し、白色結晶を 0. 211g (17%) 得た (2番晶)。
[0041] 得られた結晶(1番晶)を粉末 X線回折で分析したところ、回折角(2 Θ )が 4. 60,9.
10, 13.02,14.58, 16.68, 17.92, 19.14,20.78, 21.36および 24. 76に特徴的なピ ークが認められた(図 3参照)。
[0042] [実施例 3]
5,— O— (4—モノメトキシトリチル)シユードウリジン結晶の製造
モレキュラシ一ブス 4Aで乾燥したピリジン(5ml)でシユードウリジン(0. 61g, 2. 5
mmol)を 2回共沸脱水した後、ピリジン(9. 8ml)に懸濁した。
室温撹拌下、 4—メトキシトリチルクロリド (0. 926g, 3mmol)を加え、すり栓で蓋を して同温度で 15時間撹拌した。
[0043] 反応液に室温下、水(1ml)を加え、減圧下濃縮し、残渣に酢酸ェチル(15ml)を 加え、水(4ml)で 2回、飽和重曹水(4ml)で 1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾 燥した後、減圧下濃縮し、残渣を酢酸ェチル(7. 7ml)で 1回共沸し、酢酸ェチル(1 5ml)を残渣に加えて加熱溶解し、 25°C下で 2時間放置し、析出した結晶をグラスフ ィルターでろ取した。
[0044] ろ取した結晶を酢酸ェチルで 1回洗浄した後、エタノール(10. 4ml)で 1回共沸し 、エタノール(10. 4ml)に加熱溶解後、 25°C下で 18時間放置し、析出した結晶を桐 山ロートでろ取した。
[0045] 結晶を酢酸ェチルで 1回洗浄し、 90°C下 3時間 5mmHgにて減圧乾燥し、白色結 晶(1番晶)を 0. 582g (45%)得た。さらに、 1番晶を分離したろ液を、減圧下濃縮し 、残渣をエタノール(5ml)で 1回共沸し、エタノール(5ml)に加熱溶解した後、 25°C 下で 1日間放置し、 1番晶と同様にろ取、乾燥を実施し、白色結晶を 0. 169g (13%) 得た (2番晶)。
[0046] 得られた結晶(1番晶)を粉末 X線回折で分析したところ、回折角(2 Θ )が 4.60,9.7 6, 12.20,12.94,16.60,17.84,18.52,19.04,20.66, 21.24,21.70および 24. 60 に特徴的なピークが認められた(図 4参照)。
[0047] [試験例 1]
純度検定試験
実施例 1で得た 5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)シユードウリジンの結晶純度 を、高速液体クロマトグラフィー法にて分析した。その結果を表 1に示す。なお、高速 液体クロマトグラフィーは、以下の条件で行った。
[0048] カラム: YMC— Pack ODS— A A— 312 (6. 0x150mm, 5 /z m) 移動相: 70 %CH3CN- 50mMTEAA
流速: 0. 5ml/ min
UV: 260nm
温度:室温
[0049] [表 1]
[0050] 類縁ィ匕合物 1及び同 2 :未同定ではある力 2' , 5'—Ο—ジ (4, 4'ージメトキシトリ チル)シユードウリジンまたは 3' , 5'—0—ジ(4, 4'ージメトキシトリチル)シユードゥリ ジンと推定される。
[0051] [試験例 2]
水分測定試験
カールフィッシャー法 (電量滴定法、気化温度 130°C)により測定した結果、乾燥の 程度により水分含量は変動するものの、実施例 1で得た 5' -0- (4, 4'ージメトキシ トリチル)シユードウリジンの結晶の水分 (wZw)は「1. 3% (1番晶)」、「1. 7% (2番 晶)」であった。
[0052] [試験例 3]
安定性試験 (1)
実施例 1で得た 5,— O— (4, 4,ージメトキシトリチノレ)シユードウリジンの結晶につ V、て気密容器中 60°C、相対湿度 30%下での残存率を高速液体クロマトグラフィーで 測定し、別途調製した非晶質と比較することでその安定性を評価した。その結果を表 2に示す。結晶が熱に対してより安定であることを確認した。
[0053] [表 2]
[0054] [試験例 4]
安定性試験 (2)
実施例 1で得た 5, -0- (4, 4'ージメトキシトリチノレ)シユードウリジンの結晶につ いてデシケーター中 25± 2°C、相対湿度 33%、 57%、 75%下での残存率を高速液 体クロマトグラフィーで測定し (14日放置後測定)、別途調製した非晶質と比較するこ とでその安定性を評価した。その結果を表 3に示す。相対湿度 75%下で顕著な差が 生じ、結晶が湿気に対してより安定であることを確認した。
[0055] [表 3]
産業上の利用可能性
[0056] 本発明により、安定で高純度のシユードウリジン保護体の結晶を初めて提供できる ようになった。また、本発明の方法は、シリカゲルカラム処理を必要としないため、操 作が簡便であり、環境汚染の付加も少なぐかつ安価に目的とするシユードウリジン保 護体を製造することができる。
Claims
[化 1]
(式中、 Mはトリチル基及びその誘導体を示す。 )
[2] Mがジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基又はトリチル基のいずれかである、請 求項 1記載の結晶。
[3] Mが 4, 4'ージメトキシトリチル基である、請求項 1記載の結晶。
[4] 98% (w/w)以上の純度を有する請求項 1記載の結晶。
[5] エステル系溶媒及び Z又はアルコール系溶媒を用いて、シユードウリジン保護体を 含む溶液カもシユードウリジン保護体を晶析することを特徴とする、請求項 1記載の 結晶の製造法。
[6] エステル系溶媒力 酢酸ェチル、酢酸メチル、酢酸 n—ブチル等の酢酸エステル類 である、請求項 5記載の製造法。
[7] アルコール系溶媒力 エタノール、メタノール、イソプロパノール等の炭素数 7以下の 直鎖又は分岐を有するアルコール類である、請求項 5記載の製造法。
[8] エステル系溶媒が酢酸ェチルであり、アルコール系溶媒がエタノールである、請求項
5記載の製造法。
[9] エステル系溶媒で粗結晶を得た後、アルコール系溶媒でその粗結晶を再結晶する 請求項 5記載の製造法。
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