JP2001526521A - 関節炎状態の処置、移植片許容性の誘導および免疫応答逆転のための方法および試薬 - Google Patents

関節炎状態の処置、移植片許容性の誘導および免疫応答逆転のための方法および試薬

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Abstract

(57)【要約】 関節病状の発生および維持、移植片許容性の誘導または免疫応答の逆転に関連するRNAを切断する酵素的核酸分子。特に、リボザイム配列は、B7−1、B7−2、B7−3、CD40および/またはストロメリシンをコードするmRNAに向けられる。また、4位および/または7位のウラシルが置換されているリボザイム、ならびに2’−アルキルヌクレオチド、2’−O−アルキルチオアルキル、または2’−アルキルチオアルキルヌクレオチドを合成する方法も提供される。本出願はさらに、水性エチルアミンでRNAを脱保護する方法、塩基性リボヌクレオシド模倣体を合成する方法、およびRNAポリメラーゼIIプロモーター、U6小核プロモーター、またはアデノウイルスVA1プロモーターシステムを含む転写ユニットを記載する。

Description

【発明の詳細な説明】 関節炎状態の処置、移植片許容性の誘導および 免疫応答逆転のための方法および試薬背景技術 以下は関連する技術の議論であるが、いずれも本発明の先行技術と認めらるも のではない。 一つの態様において、本発明は変形性関節症の抑制、特に、マトリックス金属 プロテイナーゼによる細胞外マトリックス消化の軽減および除去を導く遺伝子発 現の抑制に関している。 関節炎にはいくつかの型があるが、変形性関節症および慢性関節リウマチが主 たるものである。変形性関節症は軟骨下骨の増殖およびリモデリングを伴う関節 軟骨の変性により特徴付けられるゆっくりとした進行性の疾患である。痛み、変 形および関節運動の損失などの臨床像を示す。慢性関節リウマチは慢性で全身性 の炎症疾患である。慢性関節リウマチは軽度で再発性であるかまたは重度で進行 性であり、関節変形および無能力化を導く。 関節炎は老人集団の間での機能損傷に主に寄与している。それは廃疾の主たる 原因であり、老年者の入院および健康ケア費用の大部分を占めている。関節炎は 55才より年が上の約100万人の完全な無能力化の主だった原因と推定されて おり、約100万人以上に対して重要な寄与原因と考えられている。 関節炎の発生率を推定することはいくつかの理由により困難である。第一に、 骨関節炎はX線像を読みとることにより客観的に診断されるが、疾患のX線像的 証拠を示す多くの人には明らかな徴候が現れない。第二に、X線像のデータは具 合の悪いすべての関節に対して入手可能ではないので、罹患率の推定は臨床的評 価に基づいている。1989年のNHANESIサーベイでは、データは脊椎、 膝、股関節部および末梢関節の異常が気付かれた筋骨格評価ならびに他の特別の 診断に基づいている。これらの観察に基づくと、25から74才の間の米国の人 口の12%が変形性関節症を持っている。 慢性関節リウマチは世界中に分布しており、すべての人種および民族群が罹患 している。米国における正確な罹患率は知られていないが、0.5%から1.5 %の範囲と推定されている。慢性関節リウマチはすべての年齢レベルで起こり、 一般的に年齢が進むと罹患率が増加する。男性より女性の方が罹患率が2−3倍 高く、40−60才の年齢の間に発現率のピークがある。本疾患の潜在的病因の 役割を評価するため免疫学的因子に加えて、環境、職業および社会的心理因子が 研究されてきた。 多細胞生物体の細胞外マトリックスは組織の形成および維持に重要な役割を果 たしている。細胞外マトリックスの綱は常在性細胞により沈着され、細胞−細胞 伝達の透過性障壁だけではなく、細胞接着および移動の骨組みを提供している。 正常の増殖および発育または病的状態での結合組織の代謝回転は中性金属プロテ イナーゼの一群により媒介されていると考えられており、それらは完全な活性に カルシウムを必要とする亜鉛含有酵素である。金属プロテイナーゼの制御は細胞 型特異的に発現され、種により異なっている。 最もよく特性付けられたマトリックス金属プロテイナーゼ、間質性コラゲナー ゼ(MMP−1)はコラーゲンタイプI、IIおよびIIIに特異的である。MMP −1は三重ヘリックスの三つの鎖すべてを切断し、単一の点から開始して続いて 間質性コラーゲンの分解する。間質性コラゲナーゼ活性はリウマチ様滑膜細胞な らびに炎症性関節炎の患者の滑液に観察されている。ゼラチナーゼ(MMP−2 )は金属プロテイナーゼのサブグループであり、二つの遺伝子産物から成ってい る;70kDaゼラチナーゼはほとんどの結合組織細胞により発現され、92k Daゼラチナーゼは炎症性食細胞および腫瘍細胞により発現される。より大きな 酵素はマクロファージ、SV−40形質転換線維芽細胞および好中球により発現 される。より小さな酵素はH−ras形質転換肺上皮細胞および腫瘍細胞、並び に正常ヒト皮膚線維芽細胞により発現される。これらの酵素はゼラチン(変性コ ラーゲン)並びに天然のコラーゲンタイプXIを分解する。ストロメリシン(M MP−3)は細胞外マトリックスを形成する広い範囲の分子に作用する。プロテ オグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、タイプIVおよびIXコラーゲンおよび ゼラチンを消化し、プロコラーゲンからN−末端プロペプチド領域を除去するこ と ができる(すなわち、コラゲナーゼの活性化)。それはヒト軟骨抽出物、リウマ チ様滑膜細胞およびコラーゲン誘導関節炎ラット関節の滑膜および軟骨細胞に観 察されている。 変形性関節症および慢性関節リウマチの両方とも、これらの疾患に観察される 細胞外マトリックス破壊に関与するマトリックス金属プロテイナーゼ合成を誘導 するのサイトカインまたは増殖因子を阻害する化合物で主として処置される。現 在の臨床処置は種々の金属プロテイナーゼの強力な抑制剤であるデキサメタゾン およびレチノイド化合物に頼っている。処置細胞の遺伝子発現に対するデキサメ タゾンおよびレチノイド化合物の全体的な効果のため別の療法の開発が望まれて いる(特に長期間の処置に対して)。最近、ガンマ−インターフェロンが培養マ クロファージにおいてリポポリサッカライド誘導コラゲナーゼおよびストロメリ シン産生を抑制することが示された。また、組織増殖因子−β(TGF−β)は インビトロでストロメリシン合成の上皮増殖因子(EGF)誘導を阻止すること が示された。遺伝子治療法を含む実験プロトコールには金属プロテイナーゼ阻害 剤TIMP−1およびTIMP−2の制御された発現が含まれている。後ろの三 つの方法の内、γ−インターフェロン処置が現在臨床応用に実施できる。 SullivanおよびDraper、国際PCT出願第WO94/0259 5号およびDraperら、国際PCT出願第WO95/13380号は関節炎 を処置するためのリボザイムの使用を開示している。 第二の態様において、本発明は特に、B7−1、B7−2、B7−3およびC D40の阻害による移植片許容の誘導、自己免疫疾患の処置、炎症性障害および アレルギーのための方法に関している。 適応免疫応答はTリンパ球(T細胞)と称される一群の細胞の活性化、クロー ン拡大および分化を必要とする。T細胞活性化はT細胞および抗原提示細胞間の いくつかのシグナル伝達を必要とする多段階過程である。次の議論はT細胞およ び抗原提示B細胞間で交換されるシグナルの詳細である。同様の経路がT細胞お よび単球または濾胞性樹状細胞間で起こっていると考えられている。 T細胞活性化は、T細胞レセプター(TCR)が抗原提示細胞表面のMHC蛋 白質に付随する特定の抗原に結合した時に開始される。この第一の刺激がT細胞 を活性化し、T細胞表面上のCD40リガンド(CD40L)の発現を誘導する 。CD40Lは次にB細胞表面上に構造的に発現されているその同種のレセプタ ーCD40と相互作用する;CD40はB細胞の活性化を導くシグナルを導入す る。B細胞活性化の結果、B7−1、B7−2および/またはB7−3が発現さ れ、それらは順にT細胞表面上に構造的に発現されているCD28と相互作用す る。この相互作用はT細胞を完全に活性化するのに必要とされる二次的共刺激性 シグナルを発生する。T細胞レセプターおよびCD28を経た完全T細胞活性化 によりサイトカイン分泌、クローン拡大および分化が導かれる。もし、T細胞レ セプターにCD28により媒介される二次的共刺激が与えられなかったならば、 クローンアネルギー(特定の抗原に対する免疫系の非応答または反応性の低下) または特定クローン欠失(Jenkinsら、1987 Proc.Natl. Acad.Sci.USA 84,5409)によりT細胞は不活性化される。 従って、TCRに同時に起こる共刺激性シグナルを与えられないと、T細胞によ り認識される特異的抗原に対する許容状態が生じる。この共刺激シグナルは抗原 提示細胞に存在するB7−1−またはB7−2またはB7−3の、T細胞表面に 構造的に発現されるレセプターであるCD28への結合により媒介できる(Ma rshallら、1993 J Cli.Immun 13,165−174; Linsleyら、1991 J.Exp.Med.173,721;Koul ovaら、1991 J.Exp.Med.173,759;Hardingら 、1992 Nature 356,607)。 B7(現在B7−1として知られている;Cohen、1993 Scien ce 262,844)のいくつかの同族体が活性化B細胞で発現される(Fr eemanら、1993 Science 262,907;Lenschow ら、1993 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,110 54;Azumaら、1993 Nature 366,76;Hethcoc kら、1993 Science 262,905;Freemanら、199 3 Science 262,909)。B7−1およびB7−3はT細胞と接 触48時間後にB細胞のサブセットの表面にのみ発現される。対照的に、B7− 2mRNAは非刺激B細胞により構造的に発現されており、活性化4時間以内に 4倍に増加する(Freemanら、1993 Science 262,90 9;Boussiotisら、1993 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA 90,11059)。T細胞は最初のTCRシグナルの12−24 時間以内にアネルギーかまたは活性化経路のどちらかへ進むので、B7−2が最 初の共刺激シグナルに応答する分子であると考えられている。B7−1およびB 7−3はクローン拡大に必要な続いてのシグナルを提供するのであろう。B7− 2に対する抗体は、混合リンパ球反応においてT細胞増殖を完全に阻止し(Az umaら、1993 上記文献)、T細胞活性化におけるB7−2の中心的な役 割を支持している。これらの実験はB7−2の阻害(例えばリボザイムによる) はアネルギーを誘導するらしいことを示している。同様に、リボザイムによるC D40発現の阻害はB7−2の上方制御を防止し、特定の抗原に対する許容性を 誘導するであろう。 B7(B7−1)は通常、抗原提示細胞(APC)の表面に存在する60KD の修飾トランスメンブラン糖蛋白質である。B7は二つのリガンド(CD28お よびCTLA4)を持っている。B7とCD28および/またはCTLA4との 相互作用はT細胞応答の活性化を起こす(JanewayおよびBottoml y、1994 Cell 76,275)。 B7−2はAPCの表面上に観察される70KD(非修飾34KD)のトラン スメンブラン糖蛋白質である。B7−2は323のアミノ酸蛋白質をコードして おり、それはヒトB7−1蛋白質と26%相同である。B7−1同様、CD28 およびCTLA4はB7−2により選択的に結合される。B7−2はB7−1と 異なり非刺激B細胞の表面に発現される(Freemanら、1993 上記文 献)。 CD40は骨髄の後期前B細胞、成熟B細胞、骨髄由来樹状細胞および濾胞性 樹状細胞の表面に観察される45−50KDの表面糖蛋白質である(Clark およびLedbetter、1994 Nature 367,425)。 臓器移植を成功させるには現在の所移植片拒絶を防止および移植片機能を良好 に維持するために受容者の免疫系を抑制する必要がある。利用可能な療法にはシ クロスポリンA、FK506および種々のモノクローナル抗体が含まれるが、す べて重大な副作用を持っている(Caine、1992、Transplant ation Proceedinngs 24,1260;Fuleihanら 、J.Clin.Invest.93,1315;Van Goolら、199 4 Blood 83,176)。さらに、存在する療法は一般的に免疫を抑制 し、患者を種々の日和見感染にかかり易くしている。供与者組織に対する長期の 抗原特異性許容性状態を誘導する能力は臓器および組織移植の分野で革命を起こ すであろう。臓器移植片拒絶はT細胞エフェクター機能により媒介されるので、 最終目的は供与者抗原を認識するT細胞のサブセットの活性化を特異的に阻止す ることである。移植の分野における制限は供与臓器の供給である(Nowak、 1994 Science 266,1148)。供与者特異的許容を誘導する 能力は、同種移植、異種移植の成功の機会を増加させ、それにより供与者プール を非常に増加させる。 そのような移植術には個体の体から同一のまたは異なった個体内の異なった場 所への組織および/または臓器の移植(すなわち、組織および/または臓器の内 植または移植)が含まれる。移植術にはまた、体の一つの領域から別の領域への 組織および/または臓器の移植が含まれる。同一種の遺伝的に似ていない動物間 の組織および/または臓器の移植は同種移植術と呼ばれている。動物臓器のヒト への移植は異種移植術と呼ばれている(総説として、Nowak、1994 cience 266,1148を参照されたい)。 抗原特異的許容を誘導する類似の可能性を持つ現在開発されている一つの療法 はCTLA4−Ig融合蛋白質による処置である。”CTLA4”は高い親和性 でB7−1およびB7−2を結合するCD28の同族体である。遺伝子工学によ る可溶性の融合蛋白質、CTLA4−Ig、はB7−1を結合し、それによりC D28とのその相互作用を阻止する。動物研究によるCTLA4−Ig処置の結 果は混乱している。マウス骨髄移植モデルにおいて、CTLA4−Ig処置は有 意に生存率を延長させ、移植片対宿主疾患の症状を回復させた(Blazarら 、1994 Blood 83,3815)。ランゲルハンス島異種移植術にお いてCTLA4−Igは長期(>110日)の供与者特異的許容を誘導した(L enschowら、1992 Science 257,789)。反対に別の 研 究では、CTLA4−Igは心臓同種移植片拒絶を遅らせたが最終的に防止はし なかった(Turkaら、1992 Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89,11102)。CTLA4−Ig存在下、マウスをヒツジ赤血球 で免疫したが、一次免疫応答のマウントに失敗した(Linsleyら、199 2 Science 257,792)。しかしながら、二次免疫化はいくらか の応答を惹起し、許容が完全でないことを示している。興味あることに、一次免 疫化の2日後にCTLA4−Igが投与された場合は同一の結果が得られており 、著者らはCTLA4−Igは免疫応答の開始というより増幅を阻止していると 結論付けた。CTLA4−IgはB7−1と比較してB7−2からはより速く解 離することが示されているので、このことはこのモデルにおいて長期の許容性の 誘導に失敗していることを説明している(Linsleyら、1994 Imm unity 1,793)。 CTLA4−Igは最近ループスープローンマウスにおいて自発的自己免疫疾 患の症状を回復させることが示されている(Finckら、1994 Scie nce 265,1225)。 Linsleyら、WO92/00092、はT細胞上のCD28レセプター のリガンドとしてのB7抗原を記載している。出願は以下のように述べている: ”B7抗原またはその断片または誘導体はCD28陽性T細胞と相互作用し、他 の細胞とのT細胞相互作用を制御する....B7抗原またはCD28レセプタ ーはこれらの分子が付随する細胞の相互作用の阻害に使用され、それによりT細 胞応答を制御する。” De BoerおよびConroy、WO94/01547、は同種移植片移 植拒絶反応、移植片対宿主疾患および慢性関節リウマチを処置するための抗B7 および抗CD40抗体の使用を記載している。出願は以下のように述べている: ”...抗B7および抗CD40抗体...は患者における抗体媒介または免 疫系疾患の防止または処置に使用できる。” CD40を経るシグナル伝達はB−7の誘導を進行させるので、CD40−C D40L相互作用の阻止は許容性を生み出す可能性を持っているであろう。一つ の報告によると、CD40Lおよびヒツジ赤血球細胞に対する抗体でのマウスの 同時処置は、処置中止に続く3週間までは抗原特異性許容性を生み出した(Fo yら、1993 J.Exp.Med.178,1567)。抗CD40Lはま たランゲルハンス島移植モデルで抗原特異性許容性を生み出した(R.Noel le、私信)。B7に加えて標的化されたB細胞におけるCD40発現の阻害は T細胞の活性化に対する二重の保護を与えるようである。 移植された臓器の拒絶を防止するために使用される治療薬はすべて細胞毒性化 合物であるか、細胞媒介免疫系を抑制するように設計された抗体である。これら の薬剤の副作用は免疫抑制および感染である。最初に承認された薬剤はアザチオ プリン、コルチコステロイド、シクロスポリンであり;抗体は抗リンパ球および 抗胸線細胞グロブリンである。主および副組織適合性型分類により可能な限り供 与者とぴったり一致するような患者にこれらのすべてが与えられた。移植の主た る問題点は抗原性不一致および生じる細胞毒性治療の必要性であり、一般的な免 疫抑制を起こさずに局所的免疫応答を減少させる治療的改善は移植マーケットを 魅了するに違いない。 シクロスポリン:1070年代の終わりおよび1980年代の初期、シクロス ポリンの導入は移植分野に革命をもたらした。それは強力な免疫抑制剤であり、 免疫適格リンパ球を特異的および可逆的に阻害できた。作用の基本的機構はTヘ ルパー細胞によるインターロイキン−2の産生および放出の阻害であるようであ る。さらに、それはマクロファージによるインターロイキン−1の放出ならびに Bリンパ球の増殖を妨害する。1983年にFDAにより承認され、1989年 までにはほとんど世界中で移植患者に投与されていた。最初はシクロスポリンか らの毒性および副作用は最少であると信じられており、それは”特効薬”と歓呼 して迎えられた。リンパ腫の出現、特に胃腸管;急性および慢性腎毒性;高血圧 ;肝毒性;多毛症;貧血;神経毒性;内分泌および神経性合併症;および胃腸窮 迫を含む多くの副作用が次第に挙げられてきた。本薬剤の非特異的副作用のため 、その使用の際の注意および綿密なモニタリングが必要なことが現在広く認めら れている。シクロスポリンで処置した死体腎臓移植の1年生存率は80%であり 、薬剤を用いない50−60%の率よりも優れている。シクロスポリンを用い、 近親の供与者による移植の1年生存率はほとんど90%である。アザチオプリン:シクロスポリンに加えて、アザチオプリンが移植患者に使用 される。アザチオプリンはメルカプトプリン類の一つであり、核酸合成を阻害す る。患者は大体1mg/kgまたは未満の日用量に維持され、白血球数に従って 用量を調節する。本薬剤は骨髄要素の低下を起こし、黄痕を引き起こすであろう 。 コルチコステロイド:ほとんどすべての移植受容者に使用されるプレドニソン は通常アザチオプリンおよびシクロスポリンと共に与えられる。感染、クッシン グ様顔立の発生および高血圧のような合併症を防ぐため用量は注意深く制御され なければならない。通常、最初の維持プレドニソン用量は0.5mg/kg/d である。この用量は成人に対し約10mg/dの維持レベルまで外来患者診療で は通常さらに減少される。免疫応答に対するコルチコステロイドの正確な作用部 位は知られていない。 抗胸腺芽細胞または抗リンパ球グロブリン(ALG)および抗胸腺細胞グロブ リン(ATG) :これらは重要な補助的免疫抑制剤である。これらは特に免疫抑 制治療およびコルチコステロイド耐性拒絶の治療に有効である。ALGおよびA TGの両方ともウマ、ウサギまたはヒツジを免疫化することにより作製すること ができる;主としてウマである。ヒト末梢血、脾臓、リンパ節または胸腺からの リンパ球が免疫原として働く。 タクロリムス:1994年4月13日、米国食品医薬品局は臓器移植の拒絶を 防止する助けとなる別の薬品を認可した。薬品、タクロリムスは肝臓移植患者へ の使用のみ認可された。シクロスポリンの代替物、マクロライド免疫抑制タクロ リムスは強力で選択的な抗Tリンパ球薬であり、1984年に発見された。タク ロリムスは真菌ストレプトマイセス ツクバエンシスから単離され、シクロスポ リン類似の、しかしより強力な免疫抑制性を持っている。それは細胞媒介および 体液性免疫応答の両方を阻害する。シクロスポリンのように、タクロリムスはそ の薬物動態学的プロフィールにおいてかなりの個体間変異を示す。タクロリムス のほとんどの臨床研究は完全な形では報告されていず、また広範にはよく調べら れてはいない;また、報告されたタクロリムスに対するシクロスポリンの無作為 化調査の量も少ない(特に腎移植における)。これらの欠点にも関わらず、タク ロリムスはコルチコステロイドと組み合わされた場合、注目すべき救急または一 次免疫抑制療法での有効性を示した。タクロリムスによるコルチコステロイド療 法の縮小中止の可能性はシクロスポリンと比較すると明かな利点であるように思 える。この恩恵は何人かの研究者により報告されている感染性合併症、高血圧お よび高コレステロール血症発生率の減少により高められる。他の点では、タクロ リムスの許容性プロフィールはシクロスポリンのそれと広範囲に類似しているよ うである。 移植片許容性の誘導に加え、T細胞アネルギーは自己免疫疾患の逆転に使用で きる。自己免疫疾患は広い範疇の身体状態を示す。いくつかの例としてはインシ ュリン依存性糖尿病(IDDM)、多発性硬化症(MS)、全身性エリテマトー デス(SLE)、慢性関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)および乾癬 が挙げられる。表面上は共通点のないこれらの疾患はすべて特異的自己抗原への 不適切な免疫応答という共通の特色を共有している。Finckら、上記文献、 はSLEのマウスモデルにおいて、マウスのCTLA4−Ig処置が自己抗体の 産生を阻止したことを報告している。実際、この効果はCTLA4−Ig処置を 疾患が進んだ段階で開始しても観察されており、自己免疫応答が可逆的過程であ ったことを示唆している。 Chappel、WO94/11011、は細胞、組織および臓器に許容性を 誘導することによる自己免疫疾患の処置法を記載している。この出願は以下のよ うに述べている− ”許容性が誘導されるべき細胞、組織または臓器の多数の抗原をコードするD NAで細胞が遺伝子工学処理された。細胞にはB7抗原のような共刺激性抗原は 用いなかった。そのような細胞は、DNAによりコードされる蛋白質に対するT 細胞アレルギーを誘導して自己免疫疾患の開始を防止または処置するため、また は移植に先立って組織または臓器に許容性を与えるために患者に投与された。” アレルギー反応は環境抗原に対する即時の超過敏応答を表しており、典型的に はIgE抗体により媒介される。抗原特異的許容性を誘導する能力は、B7−1 、B7−2、B7−3またはCD40の下方制御と共に、抗原に暴露されること によるアレルギーを緩和する強力な手段を提供する。 T細胞活性化におけるB7−1、B7−2およびB7−3の特異的役割はまだ 決定されていない。いくつかの研究は、それらの機能は本質的には重複的である こと(Hathcockら、1994 J.Exp.Med.180,631) 、または発現の動態学で観察された相違は単に、B7−2が共刺激性シグナルの 開始に重要であり、一方B7−1はシグナルの増幅に役割を果たしているのを示 していることを示唆している。他の研究はより特異的機能を指摘している。例え ば、Kuchrooら、1995 Cell 80,707、はB7−1発現の 阻止ではTh2応答が起こり、一方B7−2発現の阻止はTh1応答を起こすこ とを報告している。これらの二つのヘルパーT細胞亜集団は免疫応答および炎症 性疾患において異なった役割を果たしている。Th1細胞自己免疫疾患と強く相 関している。アレルギー反応は典型的にはTh2応答により引き金が引かれる。 従って、B7−1、B7−2、CD40またはこれらの組み合わせを標的とする 決定は特定の疾患応用に依存するであろう。発明の要約 本出願人は関節滑膜中のコラゲナーゼおよびストロメリシン産生阻害がリボザ イムおよびアンチセンス分子により達成されることに注目した。リボザイム処置 は、前もって存在する組織の損傷に作用している免疫細胞を主とした標的とする 現在の処置のパートナーになり得る。コラゲナーゼおよびストロメリシン誘導損 傷を軽減する初期のリボザイムまたはアンチセンス処置では、必要に応じて続い ての抗炎症剤またはレチノイド処置を行なわなければならない。本様式ではプロ テイナーゼの発現は転写および翻訳の療法のレベルで制御できる。リボザイムお よびアンチセンス処置は、臨床徴候の発現に先だって、変形性関節症の放射線学 的徴候を示す患者に与えることができる。リボザイムおよびアンチセンス処置は 、レチノイドおよびデキサメタゾンによる処置に付随する遺伝子発現への非特異 的効果を導くことなく、ストロメリシン発現に強い影響を与えることができる。 ストロメリシンがプロコラゲナーゼを活性化することができることは、ストロメ リシン発現を減少させるリボザイムまたはアンチセンス分子は変形性関節症(主 としてストロメリシンに付随する病理である)および慢性関節リウマチ(主とし て高められたコラゲナーゼ活性に関連している)の両方の処置にも使用できるこ と を示している。 多くのサイトカインおよび増殖因子が傷治癒および前骨関節炎状態の組織損傷 間に金属プロテイナーゼ活性を誘導するが、これらの分子は治療的関与の好適な 標的ではない。ほとんどの人は処置に先立って放射線学的または臨床的徴候を示 すであろうので、第一位の重要性を細胞外マトリックスの破壊に関する分子を阻 害することに置いた。金属プロテイナーゼ(もし制御されていないと、本分子は 細胞外マトリックスに対して最大級の構造的損傷を与える)で最も融通のきくも のはストロメリシンである。さらに、この分子はプロコラゲナーゼを活性化でき 、それは順に細胞外マトリックスのコラーゲン主鎖へさらなる損傷を与える。正 常条件下、活性ストロメリシンへのプロストロメリシンの変換はTIMP(MM Pの組織阻害剤)と呼ばれている阻害剤の存在により制御されている。滑膜細胞 のTIMPレベルはプロストロメリシンのレベルを超えているので、非関節炎組 織の滑液には一般的にストロメリシン活性は存在せず、非標的細胞でのストロメ リシン活性の阻害による毒性効果は無視してもよい。 従って、本発明は、滑膜細胞におけるプロストロメリシン分子の合成を阻害す ることにより、または上記の他のマトリックス金属プロテイナーゼを阻害するこ とにより関節炎、特に変形性関節症を処置または予防する特異的リボザイム分子 の使用を特色とする。マクロファージ、好中球および滑膜細胞で発現される標的 とされたmRNA(ストロメリシンmRNA、ストロメリシン1、2および3、 およびコラゲナーゼを含む)の切断はストロメリシンの酵素前駆体形、プロスト ロメリシンの合成を抑制する。 リボザイムは、他の別個のRNA分子をヌクレオチド塩基配列特異的な様式で 反復的に切断しうる、酵素的活性を有するRNA分子である。このような酵素的 RNA分子は実質的にいかなるRNA転写産物をも標的とすることができるとい われており、インビトロで効果的な切断が達成されている。Kim et al .,84 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8788,198 7;Haseloff and Gerlach, 334 Nature 5 85,1988;Cech,260 JAMA 3030,1988;およびJ efferies,et al.,17 Nucleic Acid Rese arch 1371,1989。 現在のところ、天然に生ずる酵素的RNAの6個の基本的変種が知られている 。それぞれの酵素的RNAは、生理学的条件下で、トランスでRNAホスホジエ ステル結合の加水分解を触媒することができる(したがって、他のRNA分子を 切断しうる)。表1はこれらのリボザイムの性質のいくつかをまとめたものであ る。一般に、酵素的核酸は、まず標的RNAに結合することにより作用する。こ の結合は、標的RNAを切断させる作用をする分子の酵素的部分に近接して保持 された、酵素的核酸の標的結合部分により行われる。すなわち、酵素的核酸は、 まず標的RNAを認識し、次いで相補的塩基対形成により標的RNAに結合し、 適正な部位にいったん結合すると、酵素的に作用して標的RNAを切断する。そ のような標的RNAの戦略的切断は、それがコードする蛋白質の合成を指令する 能力を破壊するであろう。酵素的核酸はそのRNA標的に結合して切断させたの ち、そのRNAから離脱して他の標的を探し、新たな標的に反復的に結合して切 断することができる。 “酵素的RNA分子”とは、基質結合領域において特定のmRNA標的に対す る相補性を有し、かつそのmRNAを特異的に切断する作用をする酵素的活性を も有するRNA分子を意味する。すなわち、酵素的RNA分子はmRNAを分子 間切断し、このことにより標的mRNA分子を不活性化することができる。この 相補性は、切断を起こさせるのに十分なほど、標的RNAに酵素的RNA分子を ハイブリダイズさせる機能を有する。100%の相補性が好ましいが、50−7 5%程度の低い相補性も本発明において有用である。インビボ処置のためには、 30−45塩基の相補性が好ましいが、より小さい数もまた有用である。 ”相補性”とは、他のヌクレオチド配列と、伝統的なワトソン−クリックまた は他の非伝統的なタイプの塩基対相互作用(例えば、ホーグステン(Hoogs teen)タイプ)のいずれかにより水素結合を形成しうるヌクレオチド配列を 意味する。 リボザイムの酵素的性質は、他の手法、例えばアンチセンス法(この場合は核 酸分子が単に核酸標的に結合して、その翻訳を阻止するだけである)より有利で ある。これは、治療的処置を行うのに必要なリボザイムの濃度がアンチセンスオ リゴヌクレオチドのものより低いからである。この利点は、リボザイムが酵素的 に作用しうることを反映している。すなわち1個のリボザイム分子が多数の標的 RNA分子を切断することができる。さらに、リボザイムは特異性の高い阻害剤 であり、その阻害の特異性は標的RNAへの結合の塩基対形成のメカニズムのみ ならず、標的RNAの切断のメカニズムにも依存する。切断部位の近くにおける 1つのミスマッチまたは塩基置換は、リボザイムの触媒活性を完全に排除するこ とができる。アンチセンス分子における同様のミスマッチは、それらの作用を妨 害しない(Woolf,T.M.,et al., 1992,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA,89,7305−7309)。したがって、 リボザイムの作用の特異性は、同一のRNA部位に結合するアンチセンスオリゴ ヌクレオチドのものより大きい。 本発明の好ましい態様においては、酵素的核酸分子はハンマーヘッドまたはヘ アピンのモチーフで形成されるが、デルタ肝炎ウイルス、グループIイントロン 、またはRNaseP RNA(RNAガイド配列に伴う)またはNeuros pora VS RNAのモチーフで形成されてもよい。このようなハンマーヘ ッドモチーフの例は、Rossi et al, 1992,Aids Res earch and Human Retroviruses,8,183に記 載され;ヘアピンモチーフの例は、Hampel et al.,EPA036 0257,Hampel and Tritz,1989 Blochemis try 28,4929,およびHampel et al.,1990,Nu cleic Acids Res.18,299に記載され;デルタ肝炎ウイル スモ チーフの例は、Perrotta and Been,1992 Bioche mistry,31 16に記載され;RNasePモチーフの例は、Guer rier−Takada et al.,1983 Cell,35 849に 記載され;Neurospora VS RNAリボザイムモチーフは、Col lins(Seville and Collins,1990 Cell 6 1,685−696;Saville and Collins,1991 P roc.Natl.Acad.Sci.,USA 88,8826−8830;C ollins and Olive,1993 Biochemistry 3 2,2795−2799)により記載され;グループIイントロンの例は、Ce ch et al.,米国特許第4,987,071号により記載されている。 これらの特定のモチーフは本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の 酵素的核酸分子において重要なすべては、それが1または2以上の標的遺伝子R NΛ領域に対して相補的であり、かつその基質結合部位内またはその周囲にその 分子にRNA切断活性を付与するヌクレオチド配列を有することであることを認 識するであろう。 本発明は、所望の標的のRNAに対して高い特異性を示す一群の酵素的切断剤 を製造する方法を提供する。酵素的核酸分子は、好ましくは、1つまたはいくつ かの酵素的核酸により疾患または病状の特異的治療が与えられるように、標的ス トロメリシンをコードするmRNAの高度に保存された配列領域を標的とする。 このような酵素的核酸分子は、必要に応じて特定の細胞に外的に送達することが できる。あるいは、リボザイムは、特定の細胞に送達されるDNAまたはRNA ベクターから発現させることができる。 100ヌクレオチドを越える長さの核酸の合成は自動化された方法によっては 困難であり、そのような分子の療法経費は著しい。本発明においては、小型の酵 素的核酸モチーフ(例えばハンマーヘッドまたはヘアピン構造のもの)を外的送 達に用いる。これらの分子の構造が簡単であることは、酵素的核酸がmRNA構 造の標的領域内へ侵入する能力を高める。しかし、これらの触媒的RNA分子は 、細胞内で真核生物プロモーターから発現させることもできる(例えば、Sca nlon, et al., 1991,Proc.Natl.Acad. S ci., USA,88,10591−5;Kashani−Sabet,et al., 1992,Antisense Res.Dev.,2,3−15;Dropu lic,et al.,1992,J.Virol,66,1432−41;W eerasinghe,et al.,1991,J.Virol,65,55 31−4;Ojwang,et al.,1992,Proc.Natl.Ac ad.Sci.,USA,89,10802−6;Chen,et al.,1 992,Nucleic Acids Res.,20,4581−9;Sar ver,et al.,1990,Science,247,1222−122 5;Thompson et al.,1995,Nucleic Acids R es.,23,2259)。当業者は、適当なDNAベクターから、任意のリボ ザイムを真核生物細胞中で発現させうることを理解するであろう。このようなリ ボザイムの活性は、第2のリボザイムにより一次転写産物からそれらを放出させ ることにより増加させることができる(Draper et al.,PCT W O93/23569,およびSullivan et al.,PCT WO9 4/02595;Ohkawa,et al.,1992,Nuceleic Acids Symp.Ser.27,15−6;Taira,et al.1 991,Nucleic Acids Res.,19,5125−30;Ve ntura,et al.,1993,Nucleic Acids Res. ,21,3249−55;Chowrira et al.,1994 J.B iol.Chem.,269,25856)。 リボザイム療法は、その極めて高い特異性のため、疾患病理学に寄与する因子 をコードするmRNAを標的とするのに特に適している。すなわち、ストロメリ シンmRNAを切断するリボザイムは、喘息の治療の新規な療法でありうる。 したがって、第1の観点において、本発明はストロメリシン産生を阻害するリ ボザイムを特徴とする。これらの化学的または酵素的に合成されたRNA分子は 、その標的mRNAのアクセス可能な領域に結合する基質結合ドメインをも含む 。RNA分子はまた、RNAの切断を触媒するドメインを含む。RNA分子は、 好ましくはハンマーヘッドまたはヘアピンモチーフのリボザイムである。結合し た際に、リボザイムはストロメリシンをコードする標的mRNAを切断し、翻訳 お よびストロメリシン蛋白質の蓄積を防止する。標的遺伝子が発現されないため、 治療的効果が認められるであろう。 ”阻害”とは、ストロメリシンをコードするmRNAおよび蛋白質の活性また はレベルが、リボザイムの不在下で観察されるものよりも低く、好ましくはmR NAの同一の部位に結合しうるがそのRNAを切断できない非活性RNA分子の 存在下で観察されるレベルより低いことを意味する。 このようなリボザイムは、上述の疾患および病状、ならびに細胞もしくは組織 におけるストロメリシン活性のレベルに関連する他のいずれの疾患または病状の 予防にも有用である。”関連する”とは、ストロメリシンmRNAの阻害、した がってストロメリシン活性のレベルの減少が、疾患または病状の症状をある程度 軽減させるであろうことを意味する。 リボザイムは直接加えることもできるが、カチオン性脂質とともに複合させる か、リポソーム中に封入するか、または他の方法により標的細胞に送達すること ができる。RNAまたはRNA複合体は、バイオポリマーに取り込ませてまたは 取り込ませずに、注射、エアロゾル吸入、注入ポンプまたはステントを用いて関 連する組織にエクスビボまたはインビボで局所的に投与することができる。好ま しい態様においては、リボザイムは表AII、AIII、AIV、AVI、AV IIIおよびAIXに示される配列に相補的な結合アームを有する。このような リボザイムの例は、表AV、AVII、AVIIIおよびAIXに示される。こ のようなリボザイムの例は、本質的にこれらの表において定義される配列からな る。 ”本質的に・・からなる”とは、活性なリボザイムが、標的部位における切断 が生ずるように、例に示されるリボザイムと均等な酵素的中心およびmRNAに 結合しうる結合アームを含むことを意味する。そのような切断を妨害しない他の 配列が存在していてもよい。 本発明の関連する観点においては、標的分子を切断し、ストロメリシン活性を 阻害するリボザイムは、DNAまたはRNAベクター中に挿入された転写ユニッ トから発現される。組み換えベクターは、好ましくはDNAプラスミドまたはウ イルスベクターである。リボザイムを発現するウイルスベクターは、アデノ関連 ウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス主たはアルファウイルスを基に構築 することができるが、これらに限定されない。好ましくは、リボザイムを発現し うる組み換えベクターを上述のように送達し、標的細胞中に存在させる。あるい は、リボザイムを過渡的に発現させるウイルスベクターを用いることができる。 このようなベクターは、必要に応じて繰り返し投与することができる。いったん 発現すれば、リボザイムは標的mRNAを切断する。リボザイム発現ベクターの 送達は、全身投与(例えば静脈内または筋肉内投与)により、患者から外植した 標的細胞に投与した後に患者に再導入することにより、または所望の標的細胞に 導入するための他の任意の方法により、行うことができる。 ”ベクター”とは、所望の核酸を送達するために用いられる任意の核酸および /またはウイルスに基づく技術を意味する。 この種類の化学物質は、所望の標的mRNAの切断に関して高度の特異性を示 す。したがって、リボザイム剤はその特定の遺伝子を発現する細胞にのみ影響し 、正常組織に対して毒性を有しないであろう。 本発明を用いて、骨関節炎またはメタロプロテイナーゼ活性化により媒介され る他の病理学的状態を治療するかまたは防止(予防的に)することができる。好 ましい投与プロトコルは、ストロメリシン活性レベルを低下させるためのインビ ボ投与である。 すなわち、本発明は、関節病状の発達または維持に関連するmRNA、例えば 、ストロメリシンをコードするmRNA、および特に添付の表に開示されるmR NA標的(ハンマーヘッドおよびヘアピン標的部位の両方を含む)を切断する酵 素的RNA分子(またはリボザイム)を特徴とする。それぞれの場合において、 その部位は、本明細書に記載される方法および当該技術分野において知られてい る方法により、適当な基質結合アームを合成しうる領域によりフランクされてお り、酵素的活性を与えるために適当なハンマーヘッドまたはヘアピンモチーフを 加えることができる。例えば、図1を参照すると、アームIおよびIIIは特異 的基質結合アームであるように修飾されており、アームIIは本質的に示されて いるままで残っている。 ストロメリシンmRNAを切断するリボザイムは、骨関節炎等の関節疾患に対 する新規な治療方法である。本発明は、滑膜細胞におけるプロストロメリシン分 子の合成を阻害することにより、またはマトリックスメタロプロテイナーゼの阻 害により、骨関節炎の治療にリボザイムを用いることを特徴とする。本出願人は 、リボザイムがストロメリシンの分泌を阻害しうること、および、リボザイムの 触媒活性がその阻害的効果に必要であることを示す。当業者は、記載される例か ら、ストロメリシンをコードするmRNAを切断する他のリボザイムを容易に設 計することができ、これらも本発明の範囲内であることが明らかであることを見 いだすであろう。 他の関連する観点においては、本発明は、上述の酵素的RNA分子を含む哺乳 動物細胞を特徴とする。好ましくは、哺乳動物細胞はヒト細胞である。本発明は 、ベクター中に位置する、上述の酵素的RNA分子をコードする核酸を、例えば その酵素的RNA分子の哺乳動物細胞における発現を可能にする様式で含む発現 ベクターを特徴とする。または、患者に上述の酵素的RNA分子を投与すること により疾患または病状を治療する方法を特徴とする。 本発明は、関節病状の原因となるmRNAに対して高度の特異性を示す一群の 化学的切断剤を提供する。このような酵素的RNA分子は、感染細胞に外的にも しくは内的に送達することができる。好ましいハンマーヘッドモチーフにおいて は、分子のサイズが小さいため(40ヌクレオチドより少ない、好ましくは、3 2−36ヌクレオチドの長さ)、治療のコストを低下させることができる。 本発明の酵素的RNA分子を用いて、関節または前関節の病状を治療すること ができる。このような治療はまた、非ヒト霊長類の他の関連する遺伝子に拡張す ることができる。疾患を有する動物は、関節リスクの検出の時点で、または予防 的様式で処置することができる。この治療のタイミングは、さらなる関節傷害の 機会を減少させるであろう。 別の観点においては、本発明は、新規な核酸に基づく技術[例えば、酵素的核 酸分子(リボザイム)、アンチセンス核酸、2−5Aアンチセンスキメラ、トリ プレックスDNA、RNA切断化学基含有アンチセンス核酸(Cook et al.米国特許5,359,051)]およびそれらを用いて移植片耐性を誘導 し、狼癒、慢性関節リウマチ、多発性硬化症等の自己免疫疾患を治療し、アレル ギー を治療する方法を特徴とする。 1つの好ましい態様においては、本発明は、1つまたはそれ以上の核酸に基づ く技術を用いてB7−1、B7−2、B7−3およびCD40蛋白質の合成を阻 害することにより、移植片耐性を誘導することを特徴とする。 当業者は、他の潜在的標的、例えばICAM−1、VCAM−1、β1インテ グリン(VLA4)もまた、本発明において記載される核酸に基づく技術での治 療に適していることを認識するであろう。 ”阻害”とは、B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40の活性 、またはB7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40によりコードさ れるmRNAのレベルが、核酸の不在下で観察されるものより減少することを意 味する。1つの態様においては、リボザイムによる阻害は、好ましくは、mRN Aの同一の部位に結合しうるがそのRNAを切断できない酵素的に非活性のRN A分子の存在下で観察されるレベルより低いことを意味する。 B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40に”均等な”RNAと は、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、霊長類およびブタを含む種々の動物におい て移植片拒絶に関連する天然に生ずるRNA分子を含むことを意味する。 ”アンチセンス核酸”とは、RNA−RNAまたはRNA−DNAまたはRN A−PNA(蛋白質核酸;Egholm et al.,1993 Natur e 365,566)相互作用により他のRNA(標的RNA)に結合し、標的 RNAの活性を変更する非酵素的核酸分子を意味する(総説として、Stein and Cheng,1993 Science 261,1004を参照さ れたい)。 ”2−5Aアンチセンスキメラ”とは、5’リン酸化2’−5’−結合アデニ レート残基を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを意味する。これらのキメラ は、配列特異的様式で標的RNAに結合し、細胞性2−5A−依存性リボヌクレ アーゼを活性化し、これは次に標的RNAを切断する(Torrence et al.,1993 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90, 1300)。 ”トリプレックスDNA”とは、配列特異的様式で2本鎖DNAに結合して、 3本鎖ヘリックスを形成しうるオリゴヌクレオチドを意味する。トリプルヘリッ クス形成は、標的遺伝子の転写を阻害することが示されている(Duval−V alentin et al.,1992 Proc.Natl.Acad.S ci.USA 89,504)。 ”遺伝子”とは、RNAをコードする核酸を意味する。 B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40mRNA中の特定の部 位を切断するリボザイムは、移植片耐性を誘導し、自己免疫疾患、アレルギーお よび他の炎症性病状を治療する新規治療法である。本出願人は、リボザイムがB 7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40の活性を阻害しうること、 および、リボザイムの触媒活性がその阻害的効果に必要であることを示す。当業 者は、記載される例から、B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD4 0mRNA中のこれらの部位を切断する他のリボザイムを容易に設計することが でき、これらも本発明の範囲内であることが明らかであることを見いだずであろ う。 好ましい態様において、本発明は、所望の標的のRNAに対して高い特異性を 示す一群の酵素的切断剤を製造する方法を提供する。酵素的核酸分子は、好まし くは、1つまたはいくつかの酵素的核酸により疾患または病状の特異的治療が与 えられるように、B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40蛋白質 をコードする標的mRNAの高度に保存された配列領域を標的とする。このよう な酵素的核酸分子は、必要に応じて特定の細胞に外的に送達することができる。 あるいは、リボザイムは、特定の細胞に送達されるDNA/RNAベクターから 発現させることができる。 このようなリボザイムは、上述した疾患および病状、ならびに細胞または組織 におけるB7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40活性のレベルに 関連する任意の他の疾患および病状の予防に有用である。”関連する”とは、B 7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40mRNAの阻害、したがっ てそれぞれの蛋白質活性のレベルの低下が、疾患または病状の症状をある程度軽 減することを意味する。 リボザイムは直接加えることもできるが、カチオン性脂質とともに複合体化さ せるか、リポソーム中に封入するか、または他の方法により標的細胞に送達する ことができる。核酸または核酸複合体は、バイオポリマー中に取り込ませてまた は取り込ませずに、注射、注入ポンプまたはステントを用いて関連する組織にエ クスビボまたはインビボで局所的に投与することができる。好ましい態様におい ては、リボザイムは、表BII、BIV、BVI、BVIII、BX、BXII 、BXIV、BXV、BXVI、BXVII、BXVIIIおよびBXIXに示 される配列に相補的な結合アームを有する。このようなリボザイムの例は、表B III、BV、BVI、BVII、BIX、BXI、BXIII、BXIV、B XV、BXVI、BXVII、BXVIIIおよびBXIXに示される。このよ うなリボザイムの例は、本質的にこれらの表に表される配列からなる。 本発明の別の態様においては、標的分子を切断し、B7−1、B7−2、B7 −3および/またはCD40活性を阻害するリボザイムを、DNAまたはRNA ベクター中に挿入された転写ユニットから発現させる。組み換えベクターは、好 ましくはDNAプラスミドまたはウイルス性ベクターである。リボザイムを発現 するウイルス性ベクターは、アデノ関連ウイルス、レトロウイルス、アデノウイ ルスまたはアルファウイルスを基に構築することができるが、これらに限定され ない。好ましくは、リボザイムを発現しうる組み換えベクターを上述のように送 達し、標的細胞中に存在させる。あるいは、リボザイムを過渡的に発現させるウ イルス性ベクターを用いることができる。このようなベクターは、必要に応じて 繰り返し投与することができる。いったん発現すれば、リボザイムは標的mRN Aを切断する。リボザイムを発現するベクターの送達は、全身投与(例えば静脈 内または筋肉内投与)により、患者から外植した標的細胞に投与した後に患者に 再導入することにより、または所望の標的細胞に導入するための他の任意の方法 により、行うことができる。 本発明の他の特徴および利点は、以下の本発明の好ましい態様の記載および特 許請求の範囲から明らかであろう。好ましい態様の記載 最初に図面を簡単に説明する。図面 図1は、当該技術分野において知られているハンマーヘッドリボザイムドメイ ンの図解的描写である。ステムIIは2塩基対以上の長さでありうる。 図2(a)は、当該技術分野において知られているハンマーヘッドリボザイム ドメインの図解的描写であり;図2(b)は、Uhlenbeck(1987, Nature,327,596−600)により基質および酵素部分に分割され たハンマーヘッドリボザイムの図解的描写であり;図2(c)は、Haselo ffおよびGerlach(1988,Nature,334,585−591 )により2つの部分に分割されたハンマーヘッドを示す同様の図解的描写であり ;そして図2(d)はJeffriesおよびSymons(1989,Nuc l.Acids Res.,17,137T−1371)により2つの部分に分 割されたハンマーヘッドを示す同様の図解的描写である。 図3は、ヘアピンイボザイムの一般的構造の図解的描写である。ヘリックス2 (H2)は少なくとも4塩基対(すなわち、nは1、2、3または4)にて提供 され、ヘリックス5は任意に2以上の長さの塩基(好ましくは3−20塩基、す なわち、mは1−20またはそれ以上)にて提供されうる。ヘリックス2および ヘリックス5は1つまたはそれ以上の塩基により共有結合していてもよい(すな わち、rは1塩基以上)。また、ヘリックス1、4または5を2以上の塩基対に より延長することにより(例えば、4−20塩基対)リボザイム構造を安定化し てもよく、好ましくはこれは蛋白質結合部位である。各々の例においては、各N およびN’は独立にいずれかの通常の塩基または修飾塩基であり、そして各ダッ シュは潜在的塩基対相互作用を表す。これらのヌクレオチドは、糖、塩基または リン酸部分で修飾されていてもよい。完全な塩基対形成はヘリックス内において 必要ではないが、これが好ましい。ヘリックス1および4は、いくつかの塩基対 が維持される限り任意の大きさであってよい(すなわち、oおよびpは各々独立 に0から任意の数値、例えば20である)。必須塩基は構造中において特定の塩 基として示されるが、当業者は1つまたはそれ以上が顕著な影響なしに化学的に 修飾(脱塩基(abasic))、塩基、糖および/またはリン酸修飾)または 他の塩基により置換されていてもよいことを認識するであろう。ヘリックス4は 2つの別々の分子から、すなわち接続ループを用いずに形成することができる。 接続ループが存在する場合には、これは、塩基、糖またはリン酸が修飾されてい てもいなくてもよいリボヌクレオチドでありうる。「q」は2塩基以上である。 接続ループは非ヌクレオチドリンカー分子で置換されていてもよい。Hは塩基A 、U、またはCを意味する。Yはピリミジン塩基を意味する。”− ”は化学結 合を意味する。 図4は、当該技術分野において知られているデルタ肝炎ウイルスリボザイムド メインの一般的構造の描写である。 図5は、自己切断VS RNAリボザイムドメインの一般的構造の描写である 。 図6はRNaseHアクセス可能性アッセイの図解的描写である。詳しくは、 図6の左側は、標的RNA上のアクセス可能な部位に結合した相補的DNAオリ ゴヌクレオチドの図である。相補的DNAオリゴヌクレオチドは、A、Bおよび Cと表示された広い線により表される。標的RNAは細いねじれ線により表され る。図6の右側は、切断された標的RNAから未切断標的RNAをゲル分離する スキームである。標的RNAの検出は、ボディー標識T7転写産物のオートラジ オグラフィーによる。各々のレーンに共通のバンドは、未切断標的RNAを表す ;各々のレーンに独特のバンドは、切断された産物を表す。 図7は、HHリボザイムによるストロメリシンmRNAのインビトロ切断を示 す。 図8は、HS−27繊維芽細胞株における21HHリボザイムによるストロメ リシン発現の阻害を示す。 図9は、HS−27繊維芽細胞株における463HHリボザイムによるストロ メリシン発現の阻害を示す。 図10は、HS−27繊維芽細胞株における1049HHリボザイムによるス トロメリシン発現の阻害を示す。 図11は、HS−27繊維芽細胞株における1366HHリボザイムによるス トロメリシン発現の阻害を示す。 図12は、HS−27繊維芽細胞株における1410HHリボザイムによるス トロメリシン発現の阻害を示す。 図13は、HS−27繊維芽細胞株における1489HHリボザイムによるス トロメリシン発現の阻害を示す。 図14は、ウサギ膝におけるストロメリシンmRNAのレベルの1049HH リボザイム媒介性減少を示ず。 図15は、ウサギ膝におけるストロメリシンmRNAのレベルの1049HH リボザイム媒介性減少を示す。 図16は、ウサギ膝におけるストロメリシンmRNAのレベルの1049HH リボザイム媒介性減少を示す。 図17は、1049 2’−C−アリルHHリボザイムの触媒活性に及ぼずホ スホロチオエート置換の影響を示す。A)は、1049 ハンマーヘッドリボザ イムー基質複合体の図解的描写である。1049 U4−C−アリル P=Sリ ボザイムは、5つの位置においてリボース残基を含むハンマーヘッドを表す。残 りの31ヌクレオチド位置は2’−ヒドロキシル基置換を含み、ここで30ヌク レオチドは2’−O−メチル置換を含み、1つのヌクレオチド(U4)は2’− C−アリル置換を含む。さらに、リボザイム中の5つのヌクレオチドは、5’お よび3’末端においてホスホロチオエート置換を含む。B)は、図17Aに記載 されるリボザイムがウサギ膝においてストロメリシンRNAのレベルを減少させ る能力を示す。 図18は、ストロメリシンRNAを標的とする化学的に修飾されたリボザイム の図解的描写である。1049 2’−アミノ P=Sリボザイムは5つの位置 においてリボース残基を含むハンマーヘッドを表す。残りの31ヌクレオチド位 置は2’−ヒドロキシル基置換を含み、ここで29ヌクレオチドは2’−O−メ チル置換を含み、2つのヌクレオチド(U4およびU7)は2’−アミノ置換を含 む。さらに、このリボザイムの3’末端は3’−3’結合反転Tを含み、5’末 端の4つのヌクレオチドはホスホロチオエート置換を含む。矢印の先端はRNA 切断部位(部位1049)を示す。、1363 2’−アミノ P=S、ヒトお よびウサギ1366 2’−アミノ P=Sリボザイムは、これらがストロメリ シンRNA中の部位1363および1366を標的とすることを除き、1049 2’−アミノ P=Sリボザイムと同一である。 図19は、ウサギ膝におけるストロメリシンmRNAのレベルの1049 2 ’−アミノ P=Sリボザイム媒介性減少を示す。 図20は、ウサギ膝におけるストロメリシンmRNAのレベルの1363 2 ’−アミノ P=Sリボザイム媒介性減少を示す。 図21は、ウサギ膝におけるストロメリシンmRNAのレベルの1366 2 ’−アミノ P=Sリボザイム媒介性減少を示す。 図22a−dはそれぞれ、アデニン、グアニン、シトシンおよびウラシルに対 する塩基置換の非限定的例の図解的描写である。 図23は、位置の番号付けをしたハンマーヘッドリボザイム(Hertel et al.,Nucleic Acids Res.1992,20:325 2にしたがう)の図解的描写であり、触媒コアおよび基質結合アームにおける特 定の置換を示す。化合物4、9、13、17、22および23は図24に記載さ れる。 図24は、ハンマーヘッドリボザイムの触媒コア中において置換しうる種々の ヌクレオチドの図解的描写である。 図25は、リボチミジンホスホルアミダイトの合成の図解的描写である。 図26は、5−メチルシチジンホスホルアミダイトの合成の図解的描写である 。 図27は、5−ブロモウリジンホスホルアミダイトの合成の図解的描写である 。 図28は、6−アザウリジンホスホルアミダイトの合成の図解的描写である。 図29は、2,6−ジアミノプリンホスホルアミダイトの合成の図解的描写で ある。 図30は、6−メチルウリジンホスホルアミダイトの合成の図解的描写である 。 図31は、部位A(HH−A)を標的とするハンマーヘッドリボザイムの描写 である。6−メチルU置換の部位が示される。 図32は、6−メチルU−置換(6−メチル−U4)を含むHH−Aリボザイ ムにより触媒されるRNA切断反応を示す。U4は6−メチル−U置換を含まな いHH−Aリボザイムを表す。 図33は、部位B(HH−B)を標的とするハンマーヘッドリボザイムの描写 である。6−メチルU置換の部位が示される。 図34は、U4およびU7位において6−メチルU−置換を含むHH−Bリボ ザイム(6−メチル−U4)により触媒されるRNA切断反応を示す。U4は、 6−メチル−U置換を含まないHH−Bリボザイムを表す。 図35は、部位C(HH−C)を標的とするハンマーヘッドリボザイムの描写 である。6−メチルU置換の部位が示される。 図36は、U4およびU7位において6−メチルU−置換を含むHH−Cリボ ザイム(6−メチル−U4)により触媒されるRNA切断反応を示す。U4は、 6−メチル−U置換を含まないHH−Cリボザイムを表す。 図37は、ラット平滑筋細胞増殖の6−メチル−U−置換HH−Aリボザイム 媒介性阻害を示す。 図38は、ヒト滑液繊維芽細胞におけるストロメリシン蛋白質産生の6−メチ ル−U−置換HH−Cリボザイム媒介性阻害を示す。 図39は、ピリジン−2−オンヌクレオシドおよびピリジン−4−オンヌクレ オシドホスホルアミダイトの合成の図解的描写である。 図40は、2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル −3−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト) −1−デオキシ−1−フェニル−β−D−リボフラノースホスホルアミダイトの 合成の図解的描写である。 図41は、シュードウリジン、2,4,6−トリメトキシベンゼンヌクレオシ ドおよび3−メチルウリジンホスホルアミダイトの合成の図解的描写である。 図42は、ジヒドロウリジンホスホルアミダイトの合成の図解的描写である。 図43A)は、部位Bを標的とするハンマーヘッドリボザイムの図解的描写で ある。B)は、4位または7位において修飾塩基置換を有するハンマーヘッドリ ボザイムにより触媒されるRNA切断反応を示す。 図44は、HH−Bリボザイム(A);7位にピリジン−4−オン置換を有す るHH−B(B);および7位にフェニル置換を有するHH=B(C);により 触媒されるRNA切断反応の速度論的特性をさらに示す。 図45は、2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル −3−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト) −1−デオキシ−1−ナフチル−β−D−リボフラノースの合成の図解的描写で ある。 図46は、2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル −3−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト) −1−デオキシ−1−(p−アミノフェニル)−β−D−リボフラノースの合成 の図解的描写である。 図47は、位置の番号付けをしたハンマーヘッドリボザイム(Hertel et al.Nucleic Acids Res.1992,20,3252 にしたがう)の図解的描写であり、特定の置換を示す。 図48は、本発明の2’−アルキル修飾ヌクレオチドを例示する種々の2’− アルキル修飾ヌクレオチドの構造を示す。R基はアルキル基であり、Zは保護基 である。 図49は、2’−C−アリルウリジンおよびシチジンの合成の図解的描写であ る。 図50は、2’−C−メチレンおよび2’−C−ジフルオロメチレンウリジン の合成の図解的描写である。 図51は、2’−C−メチレンおよび2’−C−ジフルオロメチレンシチジン の合成の図解的描写である。 図52は、2’−C−メチレンおよび2’−C−ジフルオロメチレンアデノシ ンの合成の図解的描写である。 図53は、2’−C−カルボキシメチリジンウリジン、2’−C−メトキシカ ルボキシメチリジンウリジンおよびそれらの誘導化アミダイトの合成の図解的描 写である。Xは、CH3または上述のようにアルキルであるか、または他の置換 基である。 図54は、2’−C−アリルウリジンおよびシチジンホスホルアミダイトの合 成の図解的描写である。 図55は、2’−O−アルキルチオアルキルヌクレオシドまたは非ヌクレオシ ド、およびそれらのホスホルアミグイトの合成の図解的描写である。Rは、上で 定義したようにアルキルである。Bは任意の天然に生ずるまたは標準的なオリゴ ヌクレオチド合成に適した任意のN−保護基を有する修飾塩基であり(Usma n et al.,上掲;Scaringe et al.,上掲)、および/ または上述した文献に記載されるようにH(非ヌクレオチド)である。CEはシ アノエチルであり、DMTは標準的なブロッキング基である。他の略号は当該技 術分野において標準的なものである。 図56は、部位Bを標的とする、2’−O−メチルチオメチル置換を含むハン マーヘッドリボザイム(HH−B)の図解的描写である。 図57は、2’−O−メチルチオメチル置換リボザイムにより触媒されるRN A切断活性を示す。時間の関数として切断されたパーセントのプロットが示され る。反応は、40nMリボザイム、1nM基質および10mM MgCl2の存 在下で37℃で実施した。対照HH−Bリボザイムは以下の修飾を含有していた ;29の位置は2’−O−メチルで修飾され、U4およびU7位は2’−アミノ 基で修飾され、5つの位置は2’−0H基を含んでいた。対照リボザイムのこれ らの修飾は、リボザイムの活性に有意に影響を与えないことが示されている(U sman et al.,1994 Nucleic Acids Sympo sium Series 31,163)。 図58は、脱塩基デオキシリボースまたはリボース非ヌクレオチド模倣ホスホ ルアミダイトの合成の図解的描写である。 図59は、部位Bを標的とするハンマーヘッドリボザイム(HH−B)の図解 的描写である。矢印は切断部位を示す。 図60は、種々の位置において脱塩基置換を含むHH−Bリボザイム(HH− Ba)の図解的描写である。リボザイムは本明細書に記載されるようにして合成 した。”X”は脱塩基置換の位置を示す。脱塩基置換は、別々にまたは所定の組 み合わせで作成された。 図61は、HH−BおよびHH−BaリボザイムのインビトロRNA切断活性 を示す。全RNAは、脱塩基置換を含まないHHAリボザイムを表す。U4脱塩 基は、4位に単一の脱塩基(リボース)置換を有するHH−Baリボザイムを表 す。U7脱塩基は、7位に単一の脱塩基(リボース)置換を有するHH−Baリ ボザイムを表す。 図62は、HH−BおよびHH−BaリボザイムのインビトロRNA切断活性 を示す。脱塩基ステムIIループは、ステムIIのループ中に4つの脱塩基(リ ボース)置換を有するHH−Baリボザイムを表す。 図63は、HH−BおよびHH−BaリボザイムのインビトロRNA切断活性 を示す。3’−反転デオキシリボースは、その3’末端に反転デオキシリボース (脱塩基)置換を有するHH−Baリボザイムを表す。 図64は、部位Aを標的とするハンマーヘッドリボザイム(HH−A)の図解 的描写である。標的Aは哺乳動物平滑筋細胞の増殖に関与している。矢印は切断 の部位を示す。HH−Aの不活性なものは、リボザイムを触媒的に不活性にする 2塩基置換(G5UおよびA15.1U)を含む。 図65は、4位に脱塩基置換を有するHH−Aリボザイム(HH−Aa)の図 解的描写である。Xは、脱塩基置換の位置を示す。 図66は、ラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)の増殖のリボザイム媒介性 阻害を示す。HH−AおよびHH−Aaリボザイムのいずれも、培養RASMC の増殖を阻害することができる。触媒的に不活性なHH−Aリボザイムは、活性 なHH−AおよびHH−Aaリボザイムより有意に低い阻害を示す。 図67は、エチルアミン(EA)を用いる2ポット脱保護プロトコルの図式的 描写である。 図68は、2つの半リボザイムからハンマーヘッドリボザイムを合成するのに 用いられる方法を示す。XおよびYは、化学的に反応して共有結合を形成しうる 反応性部分を表す(実線曲線で表される)。 図69は、初期ループ領域中に配置されて共有結合を形成し、全長リボザイム を与えることができる種々の反応性部分の非限定的例を示す。CH2は上述の任 意の連結鎖であることができ、例えば、メチレン、エーテル、エチレングリコー ル、チオエーテル、二重結合、芳香族基および他のものである;それぞれのnは 独立して0から10の整数であり、同一であっても異なっていてもよい;それぞ れのRは独立して、プロトンまたはアルキル、アルケニルおよび他の官能基、ま たはコンジュゲートであり、例えばペプチド、ステロイド、ホルモン、脂質、核 酸配列、およびヌクレアーゼ耐性、改良された細胞結合、改良された細胞取り込 みまたは細胞内局在を与える他のものである。 図70は、形成されて全長リボザイムを与えることができる共有結合の非限定 的例を示す。モルホリノ基はジアルデヒドの還元反応から生じ、これは1つの半 リボザイムの3’末端のリボースのその半リボザイムの5’末端アミンによる酸 化的切断から生ずる。1つの半リボザイムの3’末端の酸を他方の半リボザイム の5’末端のアミンとカップリングさせるとアミド結合が生成する。 図71は、2つの半リボザイムのカップリング反応から合成された3つのリボ ザイムの非限定的例を示す。3つ全てはc−myb RNAの部位Aを標的とす るものであった(HH−A)。HH−A1は、2つのチオールを反応させてジス ルフィド連結リボザイムを得ることにより形成された。HH−A2およびHH− A3はモルホリノ反応を用いて形成された。HH−A2は、末端アミンを半リボ ザイムの5’末端に連結させる5原子スペーサーを含む。HH−A3は、末端ア ミンを半リボザイムの5’末端に連結させる6炭素スペーサーを含む。 図72は、共有結合していない5および6塩基対ステムII領域を含む半リボ ザイムの、全長リボザイムと比較した切断活性を示す。アッセイはリボザイム過 剰条件下で実施した。 図73は、共有結合していない7および8塩基対ステムII領域を含む半リボ ザイムの、全長リボザイムと比較した切断活性を示す。アッセイはリボザイム過 剰条件下で実施した。 図74は、架橋反応から形成されたHH−A1、HH−A2およびHH−A3 (図72を参照されたい)の、全長リボザイム対照と比較した切断アッセイを示 す。アッセイはリボザイム過剰条件下で実施した。 図75は、RNAポリメラーゼIIIプロモーター構造の図式的描写である。 矢印は、転写開始部位およびコーディング領域の方向を表す。A、BおよびCは 、コンセンサスA、BおよびCボックスプロモーター配列を表す。Iは、中間体 シス作用プロモーター配列を表す。PSEは、近位配列要素を表す。DSEは、 遠位配列要素を表す。ATFは活性化転写因子結合要素を表す。?は、完全に特 性決定されていないシス作用配列要素を表す。EBERはエプスタインバーウイ ル スコードRNAを表す。TATAは当該技術分野においてよく知られたボックス である。 図76は、本発明のpol III RNAの一般式である。 図77は、U6−S35キメラの図解的描写である。S35モチーフおよび所 望のRNAの挿入の部位が示される。このキメラRNA転写産物は、U6小核R NA(snRNA)プロモーターの制御下にある。 図78は、U6−S35−リボザイムキメラの図解的描写である。キメラは部 位1を標的とするハンマーヘッドリボザイム(HHI)を含む。 図79は、U6−S35−リボザイムキメラの図解的描写である。キメラは部 位IIを標的とするハンマーヘッドリボザイム(HHII)を含む。 図80は、合成ハンマーヘッドリボザイム(HHI)により、およびU6−S 35−HHIハンマーヘッドリボザイムのインビトロ転写産物により触媒される RNA切断反応を示す。 図81は、アクチノマイシンDアッセイにより測定された、293哺乳動物細 胞中におけるU6−S35−HHIIRNA転写産物の安定性を示す。 図82は、アデノウイルスVA1RNAの図解的描写である。RNA二次構造 中の種々のドメインが示される。 図83Aは、プロモーター要素AおよびBボックスを含むVA1−S35キメ ラRNAの二次構造モデルを示す。所望のRNAの挿入の部位およびS35モチ ーフが示される。転写ユニットはまたVA1RNAの中心ドメイン中に安定なス テム(S35様モチーフ)を含み、この位置において所望のRNAは独立したド メインとして主要転写産物から離れている。83Bは、VA1RNAの末端75 ntおよびそれに続くHHIリボザイムからなるVA1−キメラを示す。 図84は、アクチノマイシンDアッセイにより測定した、VA1−キメラRN AとVA1−S35−キメラRNAとの安定性の比較を示す。VA1−キメラは VA1RNAの末端75ntおよびそれに続くHHIリボザイムからなる。VA 1−S35−キメラ構造および配列は図83に示される。リボザイム 本発明の1つの観点においては、リボザイムは、ストロメリシン発現をある程 度遮断し、疾患の治療またはそのような疾患の診断に用いることができる。リボ ザイムは、培養細胞に、および骨関節炎の動物モデルの細胞または組織に送達す る(Hembry et al.,1993 Am.J.Pathol,143 ,628)。これらの系におけるストロメリシンをコードするmRNAのリボザ イム切断は、炎症性細胞機能を防止し、疾患症状を軽減することができる。 本発明の他のリボザイムは、B7−1、B7−2、B7−3および/またはC D40産生をある程度遮断し、疾患の治療またはそのような疾患の診断に用いる ことができる。リボザイムは、培養細胞に、および移植、自己免疫疾患および/ またはアレルギーの動物モデルの細胞または組織に、およびヒト細胞または組織 にエクスビボまたはインビボで送達する。これらの系におけるB7−1、B7− 2および/またはCD40をコードするmRNAのリボザイム切断は、疾患症状 を軽減することができる。標的部位 有用なリボザイムの標的はDraperら(上掲)、Sullivanら(上 掲)、ならびにDraperら(WO95/13380)およびStinchc ombら(WO95/23225)に開示されているようにして決定することが できる。本明細書ではこれらの文書で提供されているガイドラインを繰り返さず に、以下にこれらの方法の特定の例を提供するが、当業者を制限するものではな い。このような標的に対するリボザイムは、これらの出願において記載されてい るように設計し、そして記載されているように合成して、インビトロおよびイン ビボで試験する。このようなリボザイムは本明細書に記載されるように最適化し 、送達することもできる。マウス、ウサギおよび他の動物のRNAに対する特定 の例を提供するが、当業者は均等なヒトRNA標的を以下で記載するようにして 使用しうることを認識するであろう。すなわち、同一の標的を使用することがで きるが、リボザイム中にヒトRNA配列を標的とするのに適する結合アームが存 在する。このような標的も以下に記載するようにして選択することができる。 コンピューター折りたたみアルゴリズムを使用して、ヒトおよびウサギストロ メリシンmRNAの配列を、アクセス可能な部位についてスクリーニングした。 潜在的ハンマーヘッドまたはヘアピンリボザイム切断部位を同定した。これらの 部位は表AII、AIII、AIV、AVI、AVIIIおよびAIXに示され る(これらの表中、配列は全て5’から3’である)。ウサギおよびヒト配列を スクリーニングし、次にリボザイムを設計することができるが、ヒトを標的とす る配列が最も有用である。しかし、ウサギを標的とするリボザイムは、ヒトにお いて試験する前にリボザイムの作用の効力を試験するために有用であろう。表中 、ヌクレオチド塩基位置は、示されるタイプのリボザイムにより切断されるべき 部位として示される。 同様にして、コンピューター折りたたみアルゴリズムを使用して、ヒトおよび マウスB7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40mRNAの配列を 、最適リボザイム標的部位についてスクリーニングした。ハンマーヘッドまたは ヘアピンリボザイム切断部位を同定した。これらの部位は表BII、BIV、B VI、BVIII、BX、BXII、BXIV、BXV、BXVI、BXVII 、BXVIIIおよびBXIXに示される(これらの表中、配列は全て5’から 3’である)。表中、ヌクレオチド塩基位置は、示されるタイプのリボザイムに より切断されるべき部位として示される。マウスおよびヒト配列をスクリーニン グし、次にリボザイムを設計することができるが、ヒトを標的とする配列が最も 有用である。しかし、マウスを標的とするリボザイムは、ヒトにおいて試験する 前にリボザイムの作用の効力を試験するために有用であろう。表中、ヌクレオチ ド塩基位置は、示されるタイプのリボザイムにより切断されるべき部位として示 される。 ハンマーヘッドまたはヘアピンリボザイムをこれらが結合しうるように設計し 、コンピューター折りたたみ(Jaeger et al.,1989 Pro c.Natl.Acad.Sci.USA,86,7706−7710)により 別々に分析して、リボザイム配列が適切な二次構造に折りたたまれるかどうかを 評価した。結合アームと触媒コアとの間に好ましくない分子内相互作用を有する リボザイムは考慮から除外する。種々の結合アームの長さを選択して活性を最適 にすることができる。一般に、各アームの少なくとも5塩基が標的RNAと結合 しうるか、さもなくば標的RNAと相互作用することができる。 図6を参照すると、一般にDraper(WO93/23569)に記載され る方法によりmRNAをアクセス可能な切断部位についてスクリーニングする。 簡単には、潜在的ハンマーヘッドまたはヘアピンリボザイム切断部位を表すDN Aオリゴヌクレオチドを合成する。ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、ヒトまたは ウサギストロメリシンcDNAクローンからのT7 RNAポリメラーゼ転写の ための基質を生成する。2つのテンプレートから標識RNA転写産物をインビト ロで合成する。オリゴヌクレオチドおよび標識転写産物をアニーリングさせ、R NaseHを加え、混合物を37℃で指示された時間インキュベートする。反応 を停止させ、配列決定用ポリアクリルアミドゲルでRNAを分離する。切断され た基質のパーセンテージは、ホスファーイメージングシステムを用いてオートラ ジオグラフィー定量により判定する。これらのデータから、最もアクセス可能で あるものとしてハンマーヘッドリボザイム部位が選択された。 ハンマーヘッドまたはヘアピンモチーフのリボザイムを、mRNAメッセージ 中の種々の部位にアニーリングするように設計する。結合アームは上述の標的部 位配列に相補的である。リボザイムは化学的に合成する。用いた合成方法は、U sman et al.,1987 J.Am.Chem,Soc.,109, 7845−7854;Scaringe et al.,1990 Nucle ic Acids Res.,18,5433−5441;Wincott e t al.,1995 Nucleic Acids Res,23,2677 ,に記載される通常のRNA合成の方法にしたがい、慣用の核酸保護基およびカ ップリング基、例えば5’末端にジメトキシトリチル、および3’末端にホスホ ルアミダイトを用いる。平均段階カップリング収率は>98%であった。不活性 リボザイムは、G5の代わりにUをそしてA14の代わりにUを使用して合成した (番号は、Hertel,et al.,1992,Nucleic Acid s Res.,20,3252による)。ヘアピンリボザイムは2つの部分で合 成し、アニーリングして活性リボザイムを再構築した(Chowrira an d Burke,1992,Nucleic Acids Res.,20,2 835−2840)。リボザイムは全て、ヌクレアーゼ耐性基、例えば、2’− アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−Hで修 飾することにより安定性を高めるように広範囲に修飾した(総説については、U sman and Cedergren,1992,TIBS 17,34およ びBeig elman et al.,1995 J.Biol,Chem 270,25 702を参照されたい)。リボザイムは一般的な方法を使用してゲル電気泳動で 精製するか、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC;Stinchco mb et al.(上掲)を参照されたい)で精製し、そして水に再懸濁した 。 この研究に有用な、化学的に合成したリボザイムの配列は、表AV、AVII 、AVIIIおよびAIXならびに表BIII、BV、BVI、BVII、BI X、BXI、BXIII、BXIV、BXV、BXVI、BXVII、BXVI IIおよびBXIXに示される。当業者は、これらの配列が、活性に影響を及ぼ すためにリボザイムの酵素的部分(結合アームを除くすべて)が変更されている はるかに多くのそのような配列の代表例にすぎないことを理解するであろう。例 えば、表AVおよびAVIIに挙げられるハンマーヘッドリボザイムのステム− ループII配列(5’−GGCCGAAAGGCC−3’)は、最小で2つの塩基 対形成したステム構造を形成しうる限り、任意の配列を含むように変更(置換、 削除、および/または挿入)することができる。同様に、表AVIおよびAVI Iに挙げられるヘアピンリボザイムのステムーループIV配列(5’−CACGU UGUG−3’)は、最小で2つの塩基対形成したステム構造を形成しうる限り 、任意の配列を含むように変更(置換、削除、および/または挿入)することが できる。表AV、AVII、AVIIIおよびAIXに挙げられる配列は、リボ ヌクレオチドまたは他のヌクレオチドまたは非ヌクレオチドで形成することがで きる。そのようなリボザイムは、表に具体的に記載されるリボザイムと均等であ る。リボザイム活性の最適化 リボザイム活性はStinchcombら(上掲)に記載されているようにし て最適化することができる。ここでは詳細は述べないが、これらには、リボザイ ム結合アーム(ステムIおよびIII、図2cを参照されたい)の長さの変更、ま たは血清リボヌクレアーゼによる分解を防止する修飾を有するリボザイムの化学 的合成(例えば、Eckstein et al.,国際公開WO92/070 65;Perrault,et al.,1990,Nature 344,5 65;Pieken et al.,1991,Science 253,31 4;Usman and Cedergren,1992,Trends in B iochem.Sci.17,334;Usman,et al.,国際公開W O93/15187;およびRossi,et al.,国際公開WO91/0 3162,ならびにStinchcomb et al.,上掲;Sproat ,欧州特許出願92110298.4および米国特許5,334,711;Je nnings et al.,WO94/13688;およびBeigelma n et al.,上掲を参照されたい)が含まれる。これらは酵素的RNA分 子の糖部分に行うことができる種々の化学修飾、細胞におけるこれらの活性を増 強させる修飾およびステムII塩基の除去によるRNAの合成時間の短縮および化 学物質の必要性の減少を記載している。 Sullivanら(上掲)は、酵素的RNA分子の一般的な送達方法を記載 している。リボザイムは、当業者に知られている種々の方法によって細胞に投与 することができる。例えば、リポソーム中へのカプセル化、イオントホレシス、 またはヒドロゲル、シクロデキストリン、生物分解性ナノカプセルおよび生物接 着性微小球のような他のベヒクル中への取り込みが挙げられるが、これらに限定 されない。適応症によっては、リボザイムは、上述のベヒクルとともにもしくは ベヒクルなしで、エクスビボで直接細胞または組織に送達することができる。あ るいは、RNA/ベヒクルの組合せ物は、直接吸入、直接注射またはカテーテル 、注入ポンプもしくはステントの使用により局所的に送達される。別の送達経路 には、静脈内、筋肉内、皮下もしくは関節注射、エアゾール吸入、経口(錠剤ま たは丸剤形態)、局所、全身、眼、腹腔内および/または鞘内送達が含まれるが 、これらに限定されない。リボザイム送達および投与のさらに詳細な説明は、S ullivanら(上掲)およびDraperら(上掲)に提供されており、こ れらを本明細書の一部としてここに引用する。 別の好ましい態様においては、リボザイムは適当なリボソームベヒクル中でB 7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40発現(APC)の部位に投 与する。ドナー(例えば)から単離されたAPCをエクスビボでリボザイム調製 物(または他の核酸治療剤)で処理し、処理細胞をレシピエント中に注入する。 あるいは、細胞、組織または臓器を、レシピエントに移植する前に本発明の核酸 で直接処理する。 細胞内に高濃度のリボザイムを蓄積させるもう1つの手段は、リボザイムをコ ードする配列をDNA発現ベクター中に取り込ませることである。リボザイム配 列の転写は、真核細胞RNAポリメラーゼI(polI)、RNAポリメラーゼ II(polII)またはRNAポリメラーゼIII(polIII)のプロモーターから 行われる。polIIもしくはpolIIIプロモーターからの転写産物は、全ての 細胞で高レベルで発現されろであろう;あるタイプの細胞中のあるpolIIプロ モーターのレベルは、近くに存在する遺伝子制御配列(エンハンサー、サイレン サー等)の性質に依存するであろう。原核細胞RNAポリメラーゼ酵素が適当な 細胞内で発現する限り、原核細胞RNAポリメラーゼプロモーターも使用される (Elroy−Stein and Moss,1990,Proc.Natl .Acad.Sci.USA,87,6743−7;Gao and Huan g,1993,Nucleic Acids Res.,21,2867−72 ;Lieber,et al.,1993,Methods Enzymol. ,217,47−66;Zhou,et al.,1990 Mol.Cell .Biol.,10,4529−37)。数人の研究者は、このようなプロモー ターから発現されたリボザイムが哺乳動物細胞で機能しうることを示している( 例えば、Kashani−Sabet,et al.,1992,Antise nse Res.Dev.,2,3−15;Ojwang et al.,19 92,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,10802−6 ;Chen,et al.,1992 Nucleic Acids Res. ,20,4581−9;Yu et al.,1993 Proc.Natl. Acad.Sci.USA,90,6340−4;L’Huillier et al.,1992 EMBO J.11,4411−8;Lisziewic z et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S .A.,90,8000−4;Thompson et al(上掲))。上記 のリボザイム転写ユニットは、哺乳動物細胞中に導入するために、種々のベクタ ー中に組み込ませることができる。例えば、プラスミドDNAベクター、ウイル スDNAベクター(例えば、アデノウイルスまたはアデノ関連ウイルスベクター )またはウイルスRNAベクター(例えば、レトロウイルスまたはアルファウイ ルスベクター) が挙げられるが、これらに限定されない 本発明の好ましい態様においては、ストロメリシンRNAを切断するリボザイ ムを発現する転写ユニットを、プラスミドDNAベクターまたはアデノウイルス DNAウイルスもしくはアデノ関連ウイルス(AAV)ベクター中に挿入する。 いずれのウイルスベクターも遺伝子を肺に伝達するために用いられており、いず れのベクターも過渡的遺伝子発現をもたらした(Zabner,et al., 1993 Cell 75,207:Carter,1992 Curr.Op i.Biotech.3,533)。アデノウイルスベクターは組換えアデノウ イルス粒子として送達される。DNAは、RNAについて上記で説明したように 、単独でまたはベヒクルと複合体を形成させて送達することができる。組み換え アデノウイルスもしくはAAV粒子は、例えば、インビボでのインキュベーショ ンまたは吸入により、またはエクスビボで細胞もしくは組織に直接適用すること により、治療部位に局所的に投与される。 以下に、特に有用な修飾、最適化および合成の方法を記載する。塩基修飾 関連する技術に関する以下の記述は、図1に示されるダイアグラムにしたがい 、ここではハンマーヘッドリボザイム中の種々のヌクレオチドの番号付けが与え られる。 Odai et al,FEBS 1990,267:150は、ハンマーヘ ッドリボザイムの5位のグアノシン(G)をイノシンで置換すると触媒活性が著 しく減少すると述べており、”触媒活性に対するこのグアノシンの2−アミノ基 の重要性”を示唆する。 Fu and McLaughlin,Proc.Natl.Acad.Sc i.(USA)1992,89:3985は、ハンマーヘッドリボザイムの5位 におけるグアノシンの2−アミノ基の削除、または5位または8位のいずれかに おける2’−ヒドロキシル基の削除により、切断効率が減少したリボザイムが得 られると述べている。 Fu and McLaughlin,Biochemistry 1992 ,31:10941は、ハンマーヘッドリボザイム中のアデノシン残基を7−デ ア ザアデノシンで置換すると、切断効率の減少を引き起こしうることを述べている 。彼らは、”結果は、ハンマーヘッドリボザイム/基質複合体中の6位のアデノ シン(A)のN7−窒素が有効な切断活性に重要であることを示唆する”と述べ ている。彼らは、さらに、ハンマーヘッドリボザイムの4量体配列GAUG中に 位置する5つの重要な官能基が存在することを示している。 Slim and Gait,1992,BBRC 183,605は、ハン マーヘッドリボザイムのコア中の12位におけるグアノシンをイノシンで置換す ると、リボザイムが不活性化することを述べている。 Tuschl et al.,1993 Biochemistry 32, 11658は、ハンマーヘッドの触媒コア中の5、8及び12位のグアノシン残 基をイノシン、2−アミノプリン、キサントシン、イソグアノシンまたはデオキ シグアノシンで置換すると、ハンマーヘッドリボザイムの触媒効率が有意に減少 すると述べている。 Fu et al.,1993 Biochemistry 32,1062 9は、ハンマーヘッドリボザイムのコア中のグアニンN7、グアニンN2またはア デニンN6−窒素を削除すると、ハンマーヘッドリボザイムの触媒効率が有意に 減少すると述べている。 Grasby et al.,1993 Nucleic Acids Re s.21,4444は、ハンマーヘッドリボザイムのコア中の5、8および12 位のグアノシンをO6−メチルグアノシンで置換するとkcatが約75倍減少する と述べている。 Seela et al.,1993 Helvetica Chimica Acta 76,1809は、ハンマーヘッドリボザイムのコア中の13、1 4および15位におけるアデニンの7−デアザアデノシンでの置換は、ハンマー ヘッドリボザイムの触媒効率を有意に減少させないと述べている。 Adams et al.,1994 Tetrahedron Lette rs 35,765は、ハンマーヘッドリボザイム−基質複合体中の17位のウ ラシルを4−チオウリジンで置換すると、リボザイムの触媒効率が50%減少す ると述べている。 Ng et al.,1994 Biochemistry 33,1211 9は、ハンマーヘッドリボザイムの触媒コア中の6、9および13位のアデニン をイソグアノシンで置換すると、リボザイムの触媒活性が有意に減少すると述べ ている。 Jennings et al.,米国特許5,298,612は、”ミニザ イム(minizyme)”中のヌクレオチドを修飾しうることを記載する。彼 らは次のように述べている: ”ヌクレオチドは塩基、糖および一リン酸基を含む。したがって、ヌクレオチ ド誘導体または修飾は、塩基、糖または一リン酸基のレベルで行うことができる 塩基は、種々の基、例えばハロゲン、ヒドロキシ、アミン、アルキル、アジド、 ニトロ、フェニル等で置換することができる。” WO93/23569、WO95/06731、WO95/04818および WO95/133178は、リボザイム構造中に導入しうる種々の修飾を記載す る。 本発明は、ハンマーヘッド、ヘアピン、VSリボザイムまたはデルタ肝炎ウイ ルス由来のリボザイム等のリボザイムの基質結合部位において1つまたはそれ以 上の修飾ヌクレオチドを含むことにより、その標的核酸基質に対して増強された または減少した結合親和性および増強された酵素的活性を有する酵素的RNA分 子またはリボザイムの製造に関する。本出願人は、リボザイムと基質との間の塩 基対形成または水素結合のわずかに小さい程度の変化が、リボザイムのその基質 に対する酵素的活性に著しく影響しうることを認識した。すなわち、本出願人は 、リボザイムの基質結合アームに沿った水素結合の微妙な程度の変更を用いて、 そのような変更ヌクレオチドを含まない未変更リボザイムと比較してリボザイム 活性を改良しうることを認識した。すなわち、例えば、グアノシン塩基をイノシ ンで置き換えてリボザイムとその基質とのより弱い相互作用を生成すること、ま たはウラシルをブロモウラシル(BrU)で置き換えてアデノシンとの水素結合 相互作用を増強させることができる。4つの標準的リボヌクレオチド塩基の変更 の他の例は図22a−dに示され、それぞれの図ではより弱いまたはより強い水 素結合能が示される。 さらに、本出願人は、いくつかの触媒コアヌクレオチド中の塩基修飾が、未修 飾分子と比較して酵素的活性を維持または増強することを見いだした。このよう なヌクレオチドは図23に示される。特に、図23を参照すると、ハンマーヘッ ドリボザイムの触媒コアの5’から3’方向の好ましい配列は、CUG ANG AG・C GAA A(式中、Nは任意の塩基であることができ、または塩基 を欠失していてもよい(脱塩基);G・Cは塩基対である。塩基対形成したステ ムII(図1、2および23)およびステムIおよびIIIの認識アームの性質 は可変である。本発明においては、これらの領域におけるハンマーヘッドリボザ イムの触媒活性および/またはヌクレアーゼ耐性を維持または増強する塩基修飾 ヌクレオチドの使用が記載される。(修飾することができる塩基には、大文字で 示されるものが含まれる)。 本発明において有用な塩基置換の例は、図22、24−30、39−43、4 5−46に示される。好ましい態様においては、シチジン残基が5−アルキルシ チジン(例えば、5−メチルシチジン、図24、R=CH3,9)で置換されて おり、ウリジン残基が5−アルキルウリジン(例えばリボチミジン(図24、R =CH3,4)または5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン、図24 、X=Br,13)または6−アザピリミジン(図24,17)または6−アル キルウリジン(図30))で置換されている。グアノシンまたはアデノシン残基 は、コアまたはステムのいずれかにおいて、ジアミノプリン残基で置き換えられ ていてもよい(図24,22)。官能基がマグネシウムの錯体形成またはリボザ イムの他の機能に重要ではない塩基においては、これらはプリンリボヌクレオシ ド(図24,23)で置き換えられてもよく、これはプリン核の化学的取り込み の間に塩基保護基が必要でないため、リボザイムの化学合成の複雑性を著しく減 少させる。さらに、上述したように、塩基修飾ヌクレオチドを用いて同様の修飾 を有する認識アームの結合の特異性または強度を増強することができる。塩基修 飾ヌクレオチドは一般に、これらが取り込まれる触媒的核酸のヌクレアーゼ耐性 を増強するためにも用いることができる。ハンマーヘッドリボザイムモチーフ中 のこのような修飾は非限定的例を意味する。当業者は、同様の修飾を有する他の リボザイムモチーフを容易に合成することができ、これらが本発明の範囲内であ ること を認識するであろう。 上述に引用した技術文献に記載される糖部分の置換は、触媒活性および/また はヌクレアーゼ安定性を増強するために行うこともできる。 本発明は、インビトロおよびインビボで、標準的速度論アッセイで測定しうる ような増加した酵素的活性を有するリボザイムを提供する。すなわち、リボザイ ムの速度論的性質は、基質結合アーム中において適当な修飾塩基を選択すること により増強される。本出願人は、リボザイムによる基質に対する強い結合は特異 性を増強させるが、これはまた切断された基質からのリボザイムの分離を妨害す ることを認識している。すなわち、本出願人は、塩基対形成の最適化を達成する ことができる手段を提供する。具体的には、本発明は、修飾された塩基を有し、 少なくとも1.5倍(好ましくは、2または3倍)または対応する未修飾リボザ イムより高い酵素的活性を有するリボザイムを特徴とする。本発明はまた、修飾 された塩基をリボザイム中に取り込ませ、これらをより高い酵素的活性について スクリーニングすることにより、リボザイムの速度論的活性を最適化する方法を 特徴とする。このような選択は、インビトロまたはインビボで行うことができる 。増強された活性とは、インビボで測定された活性を含むことを意味し、ここで 活性は、触媒活性およびリボザイムの安定性の両方を反映する。本発明において は、これらの性質のインビボでの積は、全RNAリボザイムと比較して増加して いるかまたは有意に減少していない(10倍より低い)。 ”酵素的部分”とは、RNA基質の切断に必須のリボザイムの部分を意味する 。 ”基質結合アーム”とは、その基質のある部分と相補的である(すなわち、そ れと塩基対形成しうる)リボザイムの部分を意味する。一般に、そのような相補 性は100%であるが、所望の場合にはより低くてもよい。例えば、14塩基中 10塩基程度の低さでも塩基対形成しうる。このようなアームは、一般に図1− 3に示され、以下に議論される。すなわち、これらのアームは、相補的塩基対形 成相互作用を介してリボザイムと標的RNAとを一緒にすることが意図されるリ ボザイム中の配列である;例えば、標準的ハンマーヘッドリボザイムのステム1 およびIII中のリボザイム配列は基質結合ドメインを形成する(図1を参照さ れたい)。 ”未修飾ヌクレオチド塩基”とは、β−D−リボフラノースの1’炭素に連結 した塩基(アデニン、シトシン、グアノシン、ウラシル)の一つを意味する。糖 はまた、5’炭素にリン酸結合を有する。これらのヌクレオチドは、1つのヌク レオチドの3’炭素と次のヌクレオチドの5’炭素との間のホスホジエステルに より結合してRNAを形成する。 ”修飾されたヌクレオチド塩基”とは、未修飾ヌクレオチド塩基の化学的構造 中に、水素結合の強度を増加させることにより、またはそれを減少させることに より、その塩基が正常な相補塩基と水素結合する能力に影響を及ぼす修飾を含む 任意のヌクレオチド塩基(例えば、上でイノシンおよびブロモウラシルについて 例示したように)を意味する。修飾された塩基の他の例としては、図22a−d に示されるもの、および複素環誘導体および同様のもの等の当該技術分野におい てよく知られている他の修飾が含まれる。 好ましい態様においては、修飾されたリボザイムは、ハンマーヘッド、ヘアピ ン、VSリボザイムまたはデルタ肝炎ウイルスに由来するリボザイムであり、ハ ンマーヘッドリボザイムは32−40ヌクレオチド塩基を含む。修飾された塩基 の選択は、最も好ましくは、選択されたリボザイムの酵素的活性(切断の速度論 を測定するよう設計された標準的速度論的アッセイにおいて観察される)を増強 するように、すなわち、同一のヌクレオチド塩基配列を有し、修飾塩基を有して いないリボザイムと比較して、リボザイムによる基質の切断の速度または程度を 増強させるように選択される。 ”速度論的アッセイ”または”切断の速度論”とは、標的RNAの切断の速度 を決定する実験を意味する。しばしば、切断速度に及ぼすそのパラメーターの影 響を決定するため、1つのアッセイから次のアッセイにリボザイムまたは基質の いずれかの濃度を変化させた一連のアッセイが実施される。 ”切断の速度”とは、切断された標的RNAの量を時間の関数として測定した ものを意味する。 ハンマーヘッドコンフィギュレーションおよび修飾された塩基を有し、酵素的 活性を維持または増強する酵素的核酸が提供される。このような核酸はまた、一 般に未修飾核酸よりヌクレアーゼに対して耐性である。この観点における”修飾 された塩基”とは、図22A−Dおよび24、30、および42Bに示されるも の、またはその同等物を意味し、このような塩基は酵素の触媒コア中で、ならび に基質結合領域中で用いることができる。特に、本発明は、ピリジン−4−オン 、ピリジン−2−オン、フェニル、シュードウラシル、2,4,6−トリメトキ シベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウラシル、ナフチル、6−メチル− ウラシルおよびアミノフェニルより選択される塩基置換を有する修飾リボザイム を特徴とする。上述したように、コア中における置換はインビトロ活性を減少さ せるかもしれないが安定性を増大させる。すなわち、インビボでは、活性は有意 に低下しない。本明細書に例示されるように、このようなリボザイムは、総合的 な活性が10倍低下したとしてもインビボで有用である。本明細書ではこのよう なリボザイムは全RNAリボザイムの酵素的活性を”維持する”と称される。 小スケール合成は、394 Applied Biosystems,Inc .合成機で、アルキルシリル保護ヌクレオチドについては5分間のカップリング 段階で、および2’−O−メチル化ヌクレオチドについては2.5分間のカップ リング段階で、改変した2.5μmolスケールプロトコルを用いて実施した。 表CIIは、合成サイクルにおいて用いられる試薬の量および接触時間の概要を 示す。ポリマー結合5’−ヒドロキシルに対して6.5倍過剰(0.1Mを16 3μL=16.3μmol)のホスホルアミダイトおよび24倍過剰のS−エチ ルテトラゾール(0.25Mを238μL=59.5μmol)をそれぞれのカ ップリングサイクルにおいて用いた。トリチル画分の比色定量により判定した3 94 Applied Biosystems,Inc.合成機での平均カップ リング収率は97.5−99%であった。394 Applied Blosy stems,Inc.合成機用の他のオリゴヌクレオチド合成試薬は:脱トリチ ル化溶液は塩化メチレン中2%TCA(ABI)であった;キャピングはTHF 中16%N−メチルイミダゾール(ABI)およびTHF中10%無水酢酸/10 %2,6−ルチジン(ABI)を用いて行った;酸化溶液は16.9mM I2 、49mMピリジン、THF中9%水(Millipore)であった。B&J 合成等級アセトニトリルは試薬ボトルから直接用いた。S−エチルテトラゾール 溶液(アセトニトリル中0.25M)は、American Internat i onal Chemical,Inc.から得た固体から調製した。 RNAの脱保護は次のように実施した。ポリマー結合オリゴリボヌクレオチド (トリチルオフ)を合成カラムから4mLガラスねじ蓋バイアルに移し、メチル アミン(MA)の溶液に65℃で10分間懸濁した。−20℃に冷却した後、上 清をポリマー支持体から除去した。支持体を1.0mLのEtOH:MeCN: H2O/3:1:1で3回洗浄し、ボルテックスし、次に上清を最初の上清に加 えた。オリゴリボヌクレオチドを含む合わせた上清を乾燥して白色粉末とした。 塩基脱保護オリゴリボヌクレオチドを無水TEA−HF/NMP溶液(1.5 mL N=メチルピロリジノンの溶液250μL、750μL TEAおよび1 .0mL TEA−3HFによりHF濃度1.4Mを与える)に再懸濁し、65 ℃で1.5時間加熱した。得られた完全脱保護オリゴマーを50mM TEAB (9mL)で急冷し、次にアニオン交換脱塩を行った。 脱保護オリゴマーのアニオン交換脱塩のためには、TEAB溶液を、5OmM TEAB(1OmL)で予め洗浄したQ1agen5OO(登録商標)アニオン 交換カートリッジ(Qiagen Inc.)に負荷した。負荷したカートリッ ジを5OmM TEAB(1OmL)で洗浄した後、RNAを2M TEAB( 10mL)で溶出し、乾燥して白色粉末とした。 不活性ハンマーヘッドリボザイムは、G5をUで、A14をUで置き換えること により合成した(番号づけは、Hertel,K.J.,et al.,199 2,Nucleic Acids Res.,20,3252にしたがう)。 平均の段階的カップリング収率は>98%であった(Wincott eta l.,1995 Nucleic Acids Res.23,2677−26 84)。 ヘアピンリボザイムは1つの部分として合成するか、または2つの部分として 合成し、アニーリングさせて活性リボザイムを再構築する(Chowrira and Burke,1992 Nucleic Acids Res.,20 ,2835−2840)。 リボザイムは、一般的方法を用いてゲル電気泳動で精製するかまたは高速液体 クロマトグラフィー(HPLC;Stinchcomb et al.,国際公 開WO95/23225を参照されたい)により精製し、水に再懸濁する。 リボザイム構造に対する種々の修飾を実施して、リボザイムの有用性を増強す ることができる。このような修飾は、保存期間、インビトロでの半減期、安定性 、およびそのようなリボザイムの標的部位への導入の容易性を増強する。例えば 、細胞膜への侵入を増強し、標的とする細胞を認識して結合する能力を与える。 そのようなリボザイムの例は、Usman et al.,WO95/133 78および以下に提供される。2’デオキシ−2’−ヌクレオチド Eckstein et al.,国際公開WO92/07065;Perr ault et al.,1990 Nature 344,565;Piek en et al.,1991 Science 253,314;Usman a nd Cedergren,1992 Trends in Biochem. Sci.17,334;Usman et al.,国際公開WO93/151 87;およびRossi et al.,国際公開WO91/03162,なら びにStinchcomb et al.,上掲,Sproat,欧州特許出願 92110298.4および米国特許5,334,711;Jennings et al.,WO94/13688およびBeigelman et al, 上掲は、酵素的RNA分子の糖部分に行いうる種々の化学的修飾を記載する。U sman et al.はまた、リボザイム中で必要な種々のリボヌクレオチド 、およびこのようなヌクレオチドを特定する方法を記載する。DeMesmae ker et al.Syn.Lett.1993,677−680(本発明に 対する従来技術であると認めるものではない)は、ある種の2’−C−アルキル ウリジンおよびチミジン誘導体の合成を記載する。彼らは、”アンチセンス方法 論におけるこれらの使用は、非常に限られているようである。”と結論づけてい る。本発明は、RNAまたは一本鎖DNAの酵素的切断に、およびアンチャンス オリゴヌクレオチドとして特に有用な、オリゴヌクレオチドにおける2’−デオ キシ−2’−アルキルヌクレオチドの使用に関する。本明細書において用いる場 合、2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド含有酵素的核酸とは、二本鎖 ステム、一本鎖”触媒コア”配列、一本鎖ループまたは一本鎖認識配列(これら に限 定されない)を置き換える2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド成分を 含む触媒的核酸分子を意味する。これらの分子は、ヌクレオチド塩基配列特異的 様式で別のRNAまたはDNA分子を切断(好ましくは、繰り返し切断)するこ とができる。このような触媒的核酸はまた、所望の場合には分子内的に切断する ように作用することができる。このような酵素的分子は、実質的に任意のRNA 転写産物を標的とすることができる。 また本発明の範囲内に含まれるものは、酵素的核酸に、あるいはアンチセンス オリゴヌクレオチドにおいても存在することができる2’−デオキシ−2’−ア ルキルヌクレオチドである。DeMesmaekerらの発見とは逆に、本出願 人は、このようなヌクレオチドはアンチャンスまたは酵素的分子の安定性を増強 させるため有用であり、分子の所望の活性に影響を及ぼさない位置において用い ることができることを見いだした。すなわち、2’−アルキル基の存在はこの修 飾を含むオリゴヌクレオチドの結合親和性を減少させるかもしれないが、その部 分が必須の塩基対形成領域中になければ、それが分子に与える増強された安定性 は有利である。さらに、減少した結合は酵素的活性を減少させるかもしれないが 、増強された安定性は活性の喪失の重要性をより低くするであろう。すなわち、 例えば、2’−デオキシ−2’−アルキル含有分子が未修飾分子の10%の活性 を有しているが、インビボで10倍高い安定性を有していれば、これは本発明に おいて有用性を有する。同一の分析がそのような修飾を含むアンチセンスオリゴ ヌクレオチドについてもあてはまる。本発明はまた、そのようなヌクレオチドお よびオリゴヌクレオチドの合成において有用な新規中間体(この例は、図48− 54に示される)、およびその合成の方法に関する。 すなわち、本発明は、2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド、すなわ ち糖分子の2’位にアルキル部分を有するヌクレオチド塩基を特徴とし、好まし い態様においては、ヌクレオチドがウリジンまたはチミジンではないものを特徴 とする。すなわち、本発明は好ましくは、酵素的核酸またはアンチャンス分子を 製造するのに有用であり、上述の技術文献に記載されていないすべてのヌクレオ チドを特徴とする。 本発明において有用な種々のアルキル基の例は図48に示されており、ここで それぞれのR基は任意のアルキルである。これらの例は、本発明において限定的 なものではない。特に、”アルキル”基は、飽和脂肪族炭化水素を表し、直鎖、 分枝鎖および環状アルキル基を含む。好ましくは、アルキル基は1から12個の 炭素を含む。より好ましくは、これは1から7個の炭素、より好ましくは1から 4個の炭素の低級アルキルである。アルキル基は、置換されていても置換されて いなくてもよい。置換されている場合には、置換基は、好ましくは、ヒドロキシ ル、シアノ、アルコキシ、=O、=S、NO2またはN(CH32、アミノ、ま たはSHである。この用語はまた、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む 、直鎖、分枝鎖および環状の不飽和炭化水素基であるアルケニル基を含む。好ま しくは、アルケニル基は1から12個の炭素を含む。より好ましくは、これは1 から7個の炭素、より好ましくは、1から4個の炭素の低級アルケニルである。 アルケニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている 場合には、置換基は、好ましくは、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、=O、 =S、NO2、ハロゲン、N(CH32、アミノ、またはSHである。用語”ア ルキル”はまた、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、直鎖、分枝鎖お よび環状の不飽和炭化水素基であるアルキニル基を含む。好ましくは、アルキニ ル基は1から12個の炭素を含む。より好ましくは、これは1から7個の炭素、 より好ましくは、1から4個の炭素の低級アルキニルである。アルキニル基は、 置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合には、置換基 は、好ましくは、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、=O、=S、NO2また はN(CH32、アミノまたはSHである。用語”アルキル”は”−O−アルキ ル”基を有するアルコキシ基を含まない(ここで”アルキル”は上で定義したと おりであり、Oは糖分子の2’位に隣接している)。 このようなアルキル基はまた、アリール、アルキルアリール、炭素環式アリー ル、複素環アリール、アミドおよびエステル基を含んでいてもよい。”アリール ”基は、コンジュゲートされたパイ電子系を含む少なくとも1つの環原子を有す る芳香族基を表し、これには炭素環式アリール、複素環アリールおよびビアリー ル基が含まれ、これらは全て任意に置換されていてもよい。アリール基の好まし い置換某は、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシル、SH、OH、シアノ、 ア ルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアミノ基である。”アル キルアリール”基は、アリール基(上述の)に共有結合したアルキル基(上述の )を表す。炭素環式アリール基は、芳香族環上の環原子がすべて炭素原子である 基である。炭素原子は任意に置換されていてもよい。複素環アリール基は、1か ら3個の複素原子を芳香族環中の環原子として有し、残りの環原子が炭素原子で ある基である。適当な複素原子には、酸素、イオウおよび窒素が含まれ、フラニ ル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−低級アルキルピロロ、ピリミジル、ビ ラジニル、イミダゾリル、および同様のものが挙げられ、すべて任意に置換され ていてもよい。”アミド”は、−C(O)−NH−R(式中、Rはアルキル、ア リール、アルキルアリールまたは水素のいずれかである)を表す。”エステル” は、−C(O)−OR’(式中、Rはアルキル、アリール、アルキルアリールま たは水素のいずれかである)を表す。、 上述した観点にも関連する他の観点においては、本発明は1つまたはそれ以上 の2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド(好ましくは、2’−アルキル −ウリジンまたはチミジンではない)を有するオリゴヌクレオチド;例えば2’ −デオキシ−2’−アルキルヌクレオチドを有する酵素的核酸;およびその2’ 位にアルキル基を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む酵素的分子を形成 することにより、RNAまたは一本鎖DNA分子を切断する増強された活性を有 する酵素的核酸分子を製造する方法を特徴とする。他の関連する観点においては 、本発明は、2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド三リン酸を特徴とす る。これらの三リン酸を標準的プロトコルにおいて用いて、本発明の有用なオリ ゴヌクレオチドを形成することができる。 本発明の2’−アルキル誘導体は、これらを含有するオリゴヌクレオチドに増 強された安定性を与える。これらはまたインビトロアッセイにおいて絶対的活性 を減少させるかもしれないが、インビボでは増強された総合的活性を与えるであ ろう。以下に、このような分子が有用であることを判定するアッセイを記載する 。当業者は、同等のアッセイを容易に案出しうることを認識するであろう。 別の観点においては、本発明は、図47に示す位置、5、6、8、12、およ び15.1においてリボヌクレオチドを含み、コア中の、および所望ならば基質 結合アームの他の位置において置換リボヌクレオチドを含み、酵素的活性を有す るハンマーヘッドモチーフを特徴とする。(”コア”との用語は、図47におけ る塩基3と14との間の位置を表し、結合アームは、3’末端から塩基15.1 、および5’末端から塩基2の塩基に対応する)。本出願人は、コア中のこれら の5つの位置におけるリボヌクレオチドの使用が、モチーフ中の他の部位に修飾 ヌクレオチドが存在する場合においても、十分な酵素的活性を有する分子を与え ることを見いだした。他のこのような有用なリボヌクレオチドの組み合わせは、 Usman et al.(上掲)において議論されるようにして決定すること ができる。2’−O−アルキルチオアルキルおよび2’−C−アルキルチオアルキル含有核 Medina et al.,1988 Tetrahedron Lett ers 29,3773は、アルコールをメチルチオメチルエーテルに転換する 方法を記載する。 Matteucci et al.,1990 Tetrahedron L etters, 31,2385は、メチルチオメチル前駆体を介する3’−5 ’−メチレン結合の合成を報告している。 Veeneman et al.,1990 Recl.Trav.Chim .Pays−Bas 109,449は、3’−5’−メチレン結合含有ダイマ ーの合成の間の3’−O−メチルチオメチルデオキシヌクレオシドの合成を報告 している。 Jones et al.,1993 J.Org.Chem.58,298 3は、3’−O−メチルチオメチルデオキシヌクレオシドを用いる3’−チオホ ルムアセタールヌクレオシド間結合含有ダイマーの合成を報告している。この文 献はまた、DNA合成用のホスホルアミダイトを合成する方法を記載する。 Zavgorodny et al.,1991 Tetrahedron L etters 32,7593は、メチルチオメチル修飾を含むヌクレオシドを 合成する方法を記載する。 本発明は、RNAまたは一本鎖DNAの酵素的切断に、およびアンチセンスオ リゴヌクレオチドとして特に有用な、2’−O−アルキルチオアルキルおよび/ または2’−C−アルキルチオアルキルヌクレオチドもしくは非ヌクレオチドの 核酸中への取り込みに関する。 本明細書で用いられる用語として、2’−O−アルキルチオアルキルおよび/ または2’−C−アルキルチオアルキルヌクレオチドもしくは非ヌクレオチド含 有酵素的核酸は、1つまたはそれ以上の塩基または領域(二本鎖ステム、一本鎖 ”触媒コア”配列、一本鎖ループまたは一本鎖認識配列の塩基を含むが、これら に限定されない)を置き換える2’−O−アルキルチオアルキルおよび/または 2’−C−アルキルチオアルキルヌクレオチドもしくは非ヌクレオチド成分を含 む触媒的核酸分子であり、これらの分子は別のRNAまたはDNA分子をヌクレ オチド塩基配列特異的様式で切断(好ましくは、繰り返し切断)することができ る。このような触媒的核酸はまた、所望の場合には、分子内的に切断するように 作用することができる。このような酵素的分子は実質的に任意のRNA転写産物 を標的とすることができる。 また本発明の範囲内に含まれるものは、酵素的核酸中にまたはアンチセンスオ リゴヌクレオチドもしくは2−5Aアンチセンスキメラ中に存在することができ る2’−O−アルキルチオアルキルおよび/または2’−C−アルキルチオアル キルヌクレオチドもしくは非ヌクレオチドである。このようなヌクレオチドもし くは非ヌクレオチドは、アンチセンスまたは酵素的分子の活性を増強させるため 、有用である。本発明はまた、このようなヌクレオチドもしくは非ヌクレオチド およびオリゴヌクレオチドの合成に有用な新規中間体(この例は図に示される) 、およびその合成の方法に関する。 すなわち、本発明は、糖分子の2’位に2’−O−アルキルチオアルキル部分 を有するヌクレオシドもしくは非ヌクレオシドである、2’−O−アルキルチオ アルキルヌクレオシドもしくは非ヌクレオシドを特徴とする。関連する態様にお いては、本発明はまた2’−O−アルキルチオアルキルヌクレオチドもしくは非 ヌクレオチドを特徴とする。すなわち、本発明は、好ましくは、上述の技術文献 には記載されていない、酵素的核酸またはアンチセンス分子を作成するのに有用 な、上述した2’置換を有するヌクレオチドもしくは非ヌクレオチドを含む。 非ヌクレオチドとの用語は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドユニットのか わりに核酸鎖中に取り込ませることができ、糖および/またはホスフェート置換 のいずれかを含み、残りの塩基がその酵素的活性を示すことができるような、任 意の基または化合物を表す。基または化合物は、一般に認識されるヌクレオチド 塩基、例えばアデニン、グアニン、シトシン、ウラシルまたはチミンを含まない 脱塩基である。これは、当該技術分野で記載されているように、2’または3’ HまたはOHのかわりの置換を有していてもよい。Eckstein et a l.およびUsman et al.,(上掲)を参照されたい。 ヌクレオチドとの用語は、通常のヌクレオチド(A、U、G、TおよびC)お よび修飾されたヌクレオチド、例えば6−メチルU、イノシン、5−メチルCお よび他の物を表す。特に、用語”ヌクレオチド”は、当該技術分野において認識 されるように、天然塩基および当該技術分野においてよく知られた修飾された塩 基を含む。このような塩基は、一般に、糖部分の1’位に存在する。本明細書中 において使用する用語”非ヌクレオチド”は、塩基を欠失した、または塩基のか わりに1’位に他の化学基を有する糖部分を意図する。そのような分子は一般に 次の一般式を有する: [式中、R1は、2’−O−アルキルチオアルキルまたは2’−C−アルキル チオアルキルを表し;Xは、塩基またはHを表し;Yはリン含有基を表し;そし てR2はH、DMTまたはリン含有基を表す(図55)。 リン含有基は、一般に、ホスフェート、チオホスフェート、H−ホスホネート 、メチルホスホネート、ホスホルアミダイトまたは当該技術分野において知られ た 他の修飾基である。 別の観点においては、本発明は、糖分子の2’位に2’−C−アルキルチオア ルキル部分を有するヌクレオチドもしくは非ヌクレオチド残基である、2’−C −アルキルチオアルキルヌクレオシドもしくは非ヌクレオシドを特徴とする。関 連する観点においては、本発明はまた、2’−C−アルキルチオアルキルヌクレ オチドまたは非ヌクレオチドを特徴とする。すなわち、本発明は、好ましくは、 上述の技術文献により記載されていない、上述の酵素的核酸またはアンチセンス 分子を作成するのに有用な、すべての2’修飾ヌクレオチドもしくは非ヌクレオ チドを含む。 特に、”アルキル”基は、この用語が2’−O−アルキル部分を含むことを除 き、上で定義したとおりである。 上述した観点と関連する別の観点においては、本発明は、1つまたはそれ以上 の2’−O−アルキルチオアルキルおよび/または2’−C−アルキルチオアル キルヌクレオチドもしくは非ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;例えば 2’−O−メチルチオメチルおよび/または2’−C−アルキルチオアルキルヌ クレオチドもしくは非ヌクレオチドを有する酵素的核酸;およびその2’位に2 ’−O−アルキルチオアルキルおよび/または2’−C−アルキルチオアルキル 基を有する少なくとも1つのヌクレオチドもしくは非ヌクレオチド部分を含む酵 素的分子を形成することにより、RNAまたは一本鎖DNA分子を切断する増強 された活性を有する酵素的核酸分子を製造する方法を特徴とする。 別の関連する観点においては、本発明は、2’−O−アルキルチオアルキルお よび/または2’−C−アルキルチオアルキルヌクレオチド三リン酸を特徴とす る。これらの三リン酸を標準的プロトコルにおいて用いて、本発明の有用なオリ ゴヌクレオチドを製造することができる。 本発明の2’−O−アルキルチオアルキルおよび/または2’−C−アルキル チオアルキル誘導体は、これらを含むオリゴヌクレオチドに増強された活性およ び安定性を与える。 さらに別の好ましい態様においては、本発明は、1つまたはそれ以上の2’− O−アルキルチオアルキルおよび/または2’−C−アルキルチオアルキル脱塩 基(非ヌクレオチド)部分を有するオリゴヌクレオチドを特徴とする。例えば、 2’−O−アルキルチオアルキルおよび/または2’−C−アルキルチオアルキ ル脱塩基部分を有する酵素的核酸;および、その2’位に2’−O−アルキルチ オアルキルまたは2’−C−アルキルチオアルキル基を有する少なくとも1つの 位置を有する酵素的分子を形成することにより、RNAまたは一本鎖DNA分子 を切断する増強された活性を有する酵素的核酸分子を製造する方法を特徴とする 。 関連する態様においては、本発明は、リボザイムの触媒活性を有意に減少させ ない限り、1つまたはそれ以上の2’−O−アルキルチオアルキルおよび/また は2’−C−アルキルチオアルキル置換を、酵素的部分、基質結合部分またはそ の両方に含む酵素的核酸を特徴とする。 さらに別の好ましい態様においては、本発明は、核峠合成中のリボフラノース の2’−ヒドロキシル位置のための保護基としての2’−O−アルキルチオアル キル部分の使用を特徴とする。 本発明はすべてのオリゴヌクレオチドに応用可能であるが、本発明の修飾分子 は酵素的RNA分子に特に有用であることが発見された。従って、以下にそのよ うな分子の例が提供される。当業者は、均等な方法がそのような酵素活性のない 他の分子の作成に使用できることを認識するであろう。特に、図1はハンマーヘ ッドモチーフの塩基の番号付けが示されており、ハンマーヘッドリボザイム中の 種々の塩基の番号付けがなされている。 図1を参照すると、触媒コア中の5’から3’方向でのハンマーヘッドリボザ イムの好適な配列はCUGANGAG[塩基対]CGAAAである。本発明にお いては、ハンマーヘッドリボザイムの触媒活性および/またはヌクレアーゼ耐性 を維持または促進する2’−O−アルキルチオアルキルおよび/または2’−C −アルキルチオアルキル置換ヌクレオチドまたは非ヌクレオチドの使用が記載さ れている。前に議論した任意の修飾ヌクレオチドまたは非ヌクレオチドによるヌ クレオチドの置換は可能である。Usmanら(上記文献)およびSporat ら(上記文献)並びにその他の文献は有名なリボザイムモチーフ中に置換できる これらの塩基を示している。当業者は、本明細書に記載したように酵素活性およ び安定性を有益に保持したままこれらの塩基を置換することを決定できる。非ヌクレオチド Usmanら、WO93/15187はリボザイム中の修飾構造の議論におい て以下のように述べている: ”ポリマー鎖の構築ユニット間の結合はインビトロまたはインビボの両方で ユニットをお互いに架橋できる結合であろうことを理解しなければならない。例 えば、結合はリン含有結合(例えば、ホスジエステルまたはホスホチオエート) でもよいし、または窒素含有結合(例えば、アミド)でもよい。さらに、キメラ ポリマーは他のヌクレオチドまたは類似のユニットと共に非ヌクレオチドスペー サー分子を含んでいるであろうことも理解しなければならない。使用されるであ ろうスペーサー分子の例はNielsenら、Science,254:149 7−1500(1991)に記載されている。” Jenningsら、WO94/13688は通常のステムII塩基対形成領域 を欠くハンマーヘッドリボザイムの議論において以下のように述べている: ”基(X)m[ステムΠ]の一つまたはそれ以上のリボヌクレオチドおよび /またはデオキシヌクレオチドは例えば、随意に置換されたポリホスホジエステ ル(ポリ(1−ホスホ−3−プロパノール)のような)、随意に置換されたアル キル、随意に置換されたポリアミド、随意に置換されたグリコールから選択され るリンカーで置き換えられているであろう。随意の置換は本分野ではよく知られ ており、アルコキシ(メトキシ、エトキシおよびプロポキシのような)、直鎖ま たは分岐鎖低級アルキル(C1−C5アルキルのような)、アミン、アミノアルキ ル(アミノC1−C5アルキルのような)、ハロゲン(F、ClおよびBrのよう な)などを含んでいる。生じるエンドヌクレアーゼが基質を切断できる限り、随 意の置換基の性質は重要ではない。 さらに、適したリンカーにはフェニルまたはシクロヘキシル環を含むような 多環式分子が含まれる。リンカー(L)はポリホスホプロパンジオール、ポリエ チレングリコールのようなポリエーテル、二機能性ペンタレン、インデン、ナフ タレン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、アシムインダセン、シムインダ セン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセ ン、フルオランセン、アセフェナトリレン、アセアントリセン、トリフェニレン 、ピレン、クリセン、ナフタセン、チアントレン、イソベンゾフラン、クロメン 、キサンテン、フェノキサンチン、インドリジン、3−H−インドール、インド ール、1−H−インダゾール、4−H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、 フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジ ン、4−αH−カルバゾール、カルバゾール、B−カルボリン、フェナントリジ ン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン 、フェノキサジンのような二機能性多環式分子(多環式分子は置換または修飾さ れていてもよい)、またはポリエーテルおよび多環式分子の組み合わせであろう 。 多環式分子はC1−C5アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ハロアル キル基のハロゲンまたはO−AまたはCH2−O−A、式中AはHまたは式CO NR’R”(式中R’およびR”は同じでも異なっていてもよく、水素または置 換または非置換C1−C6アルキル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロ環式 基である)であるか;またはAは式−M−NR’R”(式中R’およびR”は同 じ でも異なっていてもよく、水素、またはC1−C5アルキル、アルケニル、ヒドロ キシアルキルまたはハロアルキル基、ここでハロ原子はフッ素、塩素、臭素また はヨウ素原子であり;−M−は1から10の炭素原子を持つ有機残基であり、分 岐鎖または直鎖アルキル、アリールまたはシクロアルキル基である)である。 一つの態様において、リンカーはテトラホスホプロパンジオールまたはペンタ ホスホプロパンジオールである。多環式分子の場合、18またはそれ以上の原子 が核酸を架橋していることが好適である。より好適には、30から50原子の架 橋である(実施例5参照)。別の態様において、リンカーは二機能性カルバゾー ルまたは一つまたはそれ以上のポリホスホロプロパンジオールに結合された二機 能性カルバゾールである。 そのような化合物もまたヌクレオチド上の反応性基を通しての結合を可能にす る適した官能基を含んでいるであろう。” 本発明は二本鎖核酸(例えば、RNAまたはDNA)ステム(デュープレック スステム)の、またはより好適には、一本鎖領域、触媒コア、ループまたは酵素 的核酸の認識アーム中の核酸でのスペーサー要素としての非ヌクレオチド分子の 使用に関している。デュープレックスステムは酵素的RNA分子に遍在する構造 要素である。通常一本鎖ヌクレオチド鎖を通して結合されているそのようなステ ムの合成を容易にするため、塩基または塩基対模倣物が使用され、そのような分 子の合成におけるヌクレオチド要求性を減少させ、ヌクレアーゼ耐性を与える( それらは非核酸成分であるため)。これはリボザイムの触媒コアおよび認識アー ムに両方にも応用される。特別の不能性ヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチド 塩基を欠くが、糖およびリン酸部分を持つ残基)は、例えば、図1に示したよう なハンマーヘッド構造のU4またはN7でリボザイムのコア内安定性を提供する のに使用できる。 従って、本発明は一つまたはそれ以上の非ヌクレオチド残基を持ち、RNAま たはDNAを切断する酵素活性を持つ酵素的核酸分子を特色とする。 そのような非ヌクレオチド模倣物は図58に示されており、ハンマーヘッドリ ボザイム内へのそれらの取り込みは図60に示されている。これらの非ヌクレオ チドリンカーはポリエーテル、ポリアミンまたはポリ炭化水素であろう。特別の 例にはSeelaおよびKaiser,Nucleic Acids Res. 1990,18:6353およびNucleic Acids Res.198 7,15:3113;CloadおよびSchepartz,J.Am.Che m.Soc .1991,113:6324;RichardsonおよびSch epartz,J.Am.Chem.Soc.1991,113:5109;M aら,Nucleic Acids Res.1993,21:2585およびBiochemistry 1993,32:1751;Durandら,Nu cleic Acids Res .1990,18,6353;MuCurdy ら,Nucleosides & Nucleitides 1991,10: 287;Jaschkeら,Tetrahedron Lett.1993, :301:Onoら,Biochemistr 1991,30:9941; Amoldら,”ヌクレオチドプローブのための非ヌクレオチド連結剤”と題し た国際特許出願第WO89/02439号;およびFerentzおよびVer dine,J.Am.Chem.Soc.1991,113:4000に記載さ れているものが含まれ、これらはすべて本明細書において援用される。 好適な態様において、酵素的核酸は非ヌクレオチド残基に連結され、分子の酵 素活性を供給する一つまたはそれ以上のRNAの延伸物を含んでいる。 好適な態様において、酵素的核酸は非ヌクレオチド残基に連結され、分子の酵 素活性を供給する一つまたはそれ以上のRNAの延伸物を含んでいる。必要なリ ボヌクレオチド成分は本分野では既知である、例えば、Usman(上記文献) およびUsmanら、Nucl.Acid.Sym.Genes 31:163 ,1994を参照されたい。 本明細書において使用される限りにおいて用語、非ヌクレオチド含有酵素的核 酸とはリボザイムの一部(例えば、二本鎖ステム、一本鎖”触媒コア”配列、一 本鎖ループまたは一本鎖認識配列、しかしこれらに制限されるわけではない)に 取って代わる少なくとも一つの非ヌクレオチド成分を含む核酸分子を意味してい る。これらの分子はヌクレオチド塩基配列中の別々のRNAまたはDNA分子を 特定の様式で切断(好適には、繰り返し切断)できる。そのような分子はまた、 もし望むなら分子内で切断するようにも作用することができる。そのような酵素 的分子は実質的に任意のRNA転写体を標的にできる。そのような分子はまた、 エキソヌクレアーゼ切断を防止するためのキャッピング基として有用な、3’ま たは5’非ヌクレオチドを持つ核酸分子を含むこともできる。 本発明で有用な非ヌクレオチド模倣物は一般的に上記部分およびUsmanら のWO95/06731に記載されている。当業者はこれらの模倣物を酵素的分 子の所望の位置に常法により取り込ませることができることを認識するであろう 。最適な位置を決定するための標準的実験により、適した選択を行うことができ る(例えば、分子の合成およびその酵素活性の試験により)。最適の分子は酵素 活性に必要とされる既知のリボヌクレオチドを含んでいるであろうし、可能な最 小の様式で分子構造を変化させる非ヌクレオチドを持っているであろう。酵素的 分子合成における合成工程を少なくするため、およびRNAまたはDNAさえと も比較して分子の促進された安定性を提供するために、いくつかのヌクレオチド を一つの非ヌクレオチドに置換することが望まれている。合成 本発明は、高い生物学的活性を持つミリグラムからキログラムの量の酵素的R NAまたは修飾酵素的RNAの合成、脱保護および精製に関している。そのよう な合成は一般的にStinchcombらによるWO95/23225に詳述さ れている。 本発明は、高い生物学的活性を持つミリグラムからキログラムの量の酵素的R NAまたは修飾酵素的RNAの合成、脱保護および精製に関している。 一般的に、RNAは:RNAアミダイトを活性化するためのテトラゾール、環 外アミノ保護基を除去するためのNH4OH、2’−OHアルキルシリル保護基 を除去するためのテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、お よびゲル精製および脱保護RNAの分析に基づいた方法論により合成および精製 される。特にこの方法論はある種のRNA分子の部類、リボザイムに応用される が、それに制限されるわけではない。化学合成、脱保護、精製および分析法はU smanら、1987 J.American Chem.Soc.,109, 7845、Scaringeら、Nucleic Acids Res.199 0,18,5433−5341、Perrealtら、Biochemistr 1991,19,1183−1188により提供されている。Odaiら、FE BS Lett .1990,267,150−152、はリボザイムの形成に使 用されたRNA断片の逆相クロマトグラフィー精製を記載している。上に示した すべての参照文献はすべて本明細書において援用される。 上記の化学合成、脱保護、精製および分析法は時間がかかり(10−15分の 結合時間)、テトラゾールによるRNAアミダイトの非効率的な活性化の影響も 受け、およびNH4OHによる環外アミノ保護基の除去は時間がかかり(6−2 4時間)かつ不完全であり、アルキルシリル保護基のTBAF触媒除去の脱塩は 時間をくい(6−24時間)、不完全でおよび困難であり、ゲル電気泳動による RNAの精製は時間がかかりかつ処理能力が悪く、およびゲル電気泳動によるR NAの精製は低分解能の分析である。 ImazawaおよびEckstein、1979 J.Org.Chem. ,12,2039、は2’−アミノ−2’−デオキシリボフラノシルプリンの合 成を記載している。彼らは”2’−アミノ機能を保護するために、容易に除去す ることができるトリフルオルアセチル基を選択した”と述べている。化学結合 Jenningsら、米国特許第5,298,612号、はステムII部分を欠 くハンマーヘッドリボザイムの組立に非ヌクレオチドの使用を記載している。 Draperら、WO93/23569(PCT/US/04020)、は合 成過程の助けとなる二つの部分に分けたリボザイムの合成を記載している(例え ば、40ページ参照)。 Usmanら、WO95/06731、はその構造内に非ヌクレオチドを持つ 酵素的核酸分子を記載している。そのような非ヌクレオチドは酵素的核酸の形成 を可能にするためにヌクレオチドの代わりに使用できる。 本発明は酵素的核酸および、特に、ハンマーヘッドおよびヘアピンモチーフリ ボザイム合成の改良法に関している。本発明は、最終的なリボザイムの収率を著 しく高くできるので、リボザイムの反復化学合成に有利である。例えば、37m erハンマーヘッドリボザイムを合成するよりも、二つの部分的リボザイム部分 (例えば、20merおよび17mer)は著しく高収率で合成でき、二つをお 互いに反応させて所望の酵素的核酸を形成させる。 図68を参照すると、ハンマーヘッドリボザイムのための方法を示されており 、ここで、各々のnまたはn’は独立して所望のヌクレオチドまたは非ヌクレオ チドであり、各々の黒丸は塩基または他の因子間の対形成を表しており、および 実線は共有結合を表している。構造内の各々のnまたはn’はリボヌクレオチド 、2’−メトキシ−置換ヌクレオチドまたは最終生成物の所望の酵素活性には有 意に影響しない他の型のヌクレオチド(Uamanら、上記文献参照)であろう 。示された特定の態様において(それは本発明を制限するものではない)、五つ のリボヌクレオチドがrG5、rA6、rG8、rG12およびrA15.1に 提供される。U4およびU7は不能性(すなわち、ウリジン残基を欠く)である かまたはリボヌクレオチド(2’−メトキシ置換ヌクレオチド)であるか、また はその他のそのようなヌクレオチドであろう。a9、a13およびa14は好適 には2’−メトキシであるかまたは他の置換基を持っているであろう。このハン マーヘッドリボザイムの合成は図68の下の部分に示したように3’および5’ 部分を合成することにより実施される。5’および3’部分は各々、化学反応性 基XおよびYを持っている。そのような化学反応基の例は図69に提供されてい るが、それらに制限されるわけではない。これらの基は化学反応を起こし、図6 9に示した結合を提供する。従って、XおよびYは種々の組み合わせで本発明で 使用され、二つのリボザイム部分間の化学結合を形成する。 従って、本発明は各々独立して化学反応基を各々の5’および3’部分に持つ 核酸の3’および5’部分を提供することによる酵素的に活性な核酸(Drap er、上記文献、により定義されたような)の合成法を特色とする。これらの化 学反応基により3’および5’部分間に共有結合が形成されるような条件下で反 応が実施される。形成される結合はジスルフィド、モルホリニ、アミド、エーテ ル、チオエーテル、アミン、二重結合、スルホンアミド、カーボネート、ヒドロ ゾンまたはエステル結合で有り得るが、それらに制限されるわけではない。結合 は、オリゴヌクレオチドの通常の合成時の5’リン酸基および3’ヒドロキシル 基間に形成される天然の結合ではない。別の態様では、二つ以上の部分がリボザ イムの適切な形成を可能にするXおよびY基の対を用いてお互いに結合できる (図69参照)。 ”化学反応基”とは別の基と反応できて所望の結合を形成する基を単純に意味 している。これらの結合は生じる酵素的核酸の構造に有意に影響を及ぼさない条 件下で形成される。当業者は適した保護基をリボザイム部分に提供できることを 認識するであろう。 好適な態様において、核酸はハンマーヘッドモチーフを持ち、3’および5’ 部分は各々化学反応基をステムII領域にすぐ隣接して持っている(図1参照)。 a9およびrG12と名付けられた塩基間のステムII領域は図1に明らかである 。このステム内のCおよびGはステムII領域の末端を規定している。従って、ス テムII領域内の任意のnまたはn’残基は化学反応基を持つように提供できる。 この構造から明らかなように、化学反応基は実線部分に提供する必要はなく、任 意のnまたはn’に提供できる。この方法では、5’および3’部分の各々の長 さはいくつかの塩基分変化できる(図70)。 別の好適な態様において、化学反応基は(CH2nSH;(CH2nNHR; (CH2nX;リボース;COOH;(CH2nPPh3;(CH2nSO2Cl ;(CH2nCOR;(CH2nRNHまたは(CH2nOHであろうが、これ らに制限されるわけではない、ここでCH2は、CH2に限定されるわけではなく メチレン、エーテル、エチレングリコール、チオエーテル、二重結合、芳香族基 およびその他の基(一般的には最大20のそのような原子、最も好適には5−1 0原子のみ、およびさらにより好適には3−5原子のみが連結基に提供される) からなる種々の原子を含む連結鎖を形成する別の基(末端化学反応基を妨害しな い)で置き換えることができ;各々のnは独立して0から10までの整数であり 、同じでも異なっていてもよく;各々のRは独立してプロトンまたはアルキル、 アルケニル(上記のような)およびヌクレアーゼ耐性、改良された細胞会合、改 良された細胞取り込みまたは細胞内局在化を与えるペプチド、ステロイド、ホル モン、脂質、核酸配列およびその他のような機能性基または複合体である。Xは ハロゲンであり、Phはフェニル環を表している。 さらに別の好適な態様において、条件にはリボースと接触するNaIO4の準 備、および続いてのNaBH4またはNaCNBH3のような還元剤の準備が含ま れ; または条件にはカップリング剤の準備が含まれる。 第二の関連する態様において、本発明は上記のような3’および5’化学反応 基を持つ酵素的に活性な核酸の5’および3’部分の混合物を特色としている。 実施例では半分のリボザイムが提供されるが、三つまたはそれ以上の部分とし てリボザイムを提供することができることを当業者は認識するであろう。例えば 、ヘアピンリボザイムはヘリックスIVおよび核酸の酵素的活性には重要ではない 他のヘリックス中に化学反応基を含ませることにより合成される。PolIIIに基づくベクター 本発明はインビボまたはインビトロにおける細胞での治療的RNAの発現のた めのRNAポリメラーゼIIIに基づいた方法およびシステムに関している。 RNAポリメラーゼIII(polIII)プロモーターは、5S、U6、アデノウ イルスVA1、ボールト(Vault)、テロメラーゼRNA、tRNA遺伝子 などをコードしているDNA中に見られるもので、RNAポリメラーゼIIIによ り転写される(総説としてGeiduschekおよびTocchini−Ve lentini、1988 Annu.Rev.Biochem.57,873 −914;Willis、1993 Eur.J.Biochem.212,1 −11を参照されたい)。タイプ1polIIIプロモーターは転写開始部位下流 の三つのシス作用性配列要素a)5’配列要素(Aブロック);b)中間配列要 素(Iブロック);c)3’配列要素(Cブロック)から成っている。5Sリボ ソームRNA遺伝子はタイプ1polIIIプロモーターを用いて転写される(S pechtら、1991 Nucleic Acids Res.19,218 9−2191)。 タイプ2polIIIプロモーターは転写開始部位下流の二つのシス作用性配列 要素の存在により特徴付けられる。トランスファーRNA(tRNA)、アデノ ウイルスVA RNAおよびボールトRNA(Kikhoeferら、1993J.Biol.Chem .268,7868−7873)遺伝子はこのプロモー ターを用いて転写される(GeiduschekおよびTocchini−Ve lentini、1988 上記文献;Willis、1993 上記文献)。 配列組成および二つのシス作用性配列要素の配向−Aボックス(5’配列要素) およびBボックス(3’配列要素)はRNAポリメラーゼIIIの最適な転写に必 須である。 タイプ3polIIIプロモーターは転写開始部位上流にシス作用性プロモータ ー配列要素のすべてを含んでいる。上流配列要素には伝統的なTATAボックス (Mattajら、1988 Cell 55,435−442)、近位配列要 素(PSE)および遠位配列要素(DSE;GuptaおよびReddy、19 91 Nucleic Acids Res.19,2073−2075)が含 まれる。タイプ3polIIIプロモーター制御下の遺伝子の例はU6核内低分子 RNA(U6snRNA)およびテロメラーゼRNA遺伝子である。 上記の三つの主な型のpolIIIプロモーターに加えて、いくつかの他の型の polIIIプロモーター要素が報告されている(Willis、1993 上記 文献)(図76参照)。エプスタインーバールーウイルスがコードされているR NA(EBER)、ゼノパス セレノーシステインtRNAおよびヒト7SL RNAは前記のタイプのプロモーターと異なるpolIIIプロモーターの制御下 にある遺伝子の例である。EBER遺伝子は機能性AおよびBボックス(タイプ 2polIIIプロモーターに類似している)を含んでいる。さらに、それらはE BER特異性TATAボックスおよびATF転写因子のための結合部位も必要と する(HoweおよびShu、1989 Cell 57,825−834)。 セレノーシステインtRNA遺伝子はTATAボックス、PSEおよびDSE( タイプ3polIIIプロモーターに類似している)を含んでいる。ほとんどのt RNA遺伝子と異なり、セレノーシステインtRNA遺伝子は機能性Aボックス 配列要素が欠けている。それは機能性Bボックス(Leeら、1989 J.B iolChem.264,9696−9702)を必要とする。ヒト7SL RNA遺伝子は転写開始部位の下流に独特の配列要素を含んでいる。さらに転写 開始部位の上流に、7SL遺伝子は転写因子のATFクラスのための結合部位お よびDSEを含んでいる(Bredowら、1989 Gene 86,217 −225)。 GilboaによるWO89/11539およびGilboaおよびSull engerによるWO90/1364TはpolIIIプロモーター制御下のDN A による真核細胞の形質転換を記載している。彼らは以下のように述べている: ”安定な遺伝子転移プロトコールを用いるアンチセンスRNA合成の改良の試 みにおいて、アンチセンスRNAの発現を駆動するためにpolIIIプロモータ ーの使用を考慮することができる。polIIIブロモーター使用の基礎をなす理 論的根拠は、それらがpolIIプロモーターと比較して細胞中で実質的により高 いレベルのRNA転写体を発生ずることができるということである。例えば、真 核細胞において約6x107tRNA分子および7x105mRNA分子であると 推定されている(すなわち全polII転写体よりも約100倍以上のこのクラス のpolIII転写体)。細胞当たり約100の活性tRNA遺伝子が存在するの で、各々のrRNA遺伝子は全polII転写体と等しい数の平均RNA転写体を 発生するであろう。豊富なpolII遺伝子転写体は全mRNAの約1%に相当し 、平均polII転写体は全mRNAの0.01%に相当するので、tRNA(p olIII)に基づいた転写ユニットはpolIIに基づいた転写ユニットより10 0倍から10,000倍以上のRNAを発生できるであろう。いくつかの報告は 真核細胞においてRNAを発現するためのpolIIIプロモーターの使用を記載 している。LewisおよびManleyおよびSisodiaはアデノウイル スVA−1プロモーターと種々のDNA配列(ヘルペスTK遺伝子、グロブリン およびチューブリン)を融合させ、生じたDNA構築物を焙養細胞内へ転移させ るためのトランスフェクションプロトコールを使用して、導入された細胞内での RNAの一時的合成を得ている。De la PeneおよびZasloffは カエル卵母細胞内へのマイクロインジェクションによりtRNA−ヘルペスTK 融合DNA構築物を発現させた。JenningsおよびMolloyはVA− 1遺伝子プロモーターをSV40に基づくベクターから誘導されたDNA断片へ 融合させることによりアンチセンスRNA鋳型を構築し、それはアンチセンスR NAの一時的発現および標的遺伝子の制限された阻害を得た”(引用文献省略) 。 著者らはキメラtRNAの融合生成物およびRNA生成物を記載している(W O90/13641の図1C参照)。特に、彼らはヒトtRNAi met誘導体3− 5について記載している。3−5はクローン化ヒトtRNA遺伝子から遺伝子3 ’末端の19のヌクレオチドの欠失により誘導された。著者らは端が切り取られ た遺伝子は終止信号が与えられたならば転写できること、およびRNA転写体の 3’末端のプロセシングが起こらないことを示している。 Adeniyi−Jonesら、1984 Nucleic Acids R es .12,1101−1115、は”遺伝子工学による遺伝子構築で’持ち運 びのできるプロモーター’としてtRNA遺伝子を利用するための基礎となるで あろう”ある種の構築物を記載している。著者らは成熟tRNAi met配列の3’ 末端の11のヌクレオチドがプラスミド配列に置き換えられ、成熟tRNAを発 生するようにプロセシングされない、いわゆるΔ3’−5の生成を記載している 。著者らは以下のように述べている: ”本研究で説明されたtRNAi met3’欠失プラスミドの性質はある種の遺伝 子工学による遺伝子構築での使用の可能性を示唆している。tRNA遺伝子は遺 伝子の3’境界へ融合した任意のDNA配列の転写の促進に理論的に使用でき、 ヒトtRNAi met遺伝子の効率的ポリメラーゼIIIプロモーターを利用するであ ろう融合遺伝子を発生する。DNA配列のΔ3’−4のようなtRNAi met欠失 突然変異体へのような融合により、長い読み通し転写体がインビボで発生される であろう(もちろん、有効なRNAポリメラーゼIII終止配列の不在に依存して )。DNA配列のΔ3’−5のようなtRNAi met欠失突然変異体への融合は共 転写体の発生を導き、融合転写体の5’部分のtRNAリーダーの続いてのプロ セシングは阻害されるであろう。真核生物において5’リーダーとしてtRNA 配列を持つmRNA種の特性で示唆されているように、プロセシングの制御は遺 伝子工学による構築におけるいくつかの生物学的使用ができるであろう。そのよ うな”二部分からなる転写体”はEF−Tuのようないくつかの主細菌蛋白質を コードし、インビボで分解から転写体を安定化させる手段としてtRNAリーダ ーを使用するであろう。真核生物系において”プロモーターリーダー”としてt RNAi met遺伝子を使用する可能性は最近我々の実験室で実現された。プロモー ターを持たないヘルペス単純ウイルスタイプIチミジンキナーゼ遺伝子の前のプ ラスミドΔ3’−4およびΔ3’−5上に含まれている欠失tRNAi met配列を 含む融合遺伝子からX.ラエビス卵母細胞および体細胞の両方でRNAポリメラ ーゼIII依存性転写によりウイルス特異的酵素が得られる。”[参照文献省略] 。 Sullengerら、1990 Cell 63,601−619、は二重 コピー(DC)マウスレトロウイルスベクター中のキメラtRNAi met−TAR 転写ユニットを用いてTAR含有配列の過剰発現を記載している。 Sullengerら、1990 Molecular and Cellu lar Bio .10,6512、はキメラtRNA駆動アンチセンス転写体の 発現を記載している。以下のことが示されている: ”tRNA駆動アンチセンスRNA転写系を好結果で使用できるかは、キメラ tRNA遺伝子がウイルスLTRに挿入されたレトロウイルスベクターの特定の 型、二重コピー(DC)の使用に依存している。細胞中の異質のRNA配列を高 レベルで安定して発現するためのRNApolIIIに基づく転写系の使用には、 別の重要な応用がある。最も重要なこととしては、アンチセンスRNA(リボザ イム)または配列特異性結合因子の競合剤が使用されるにしろ、遺伝子の発現お よび機能の研究ために、真核生物細胞における外因性遺伝子を阻害する能力を著 しく改良することであろう。tRNA駆動転写系は生殖系列内への”突然変異” の導入に特に有用であろう(すなわち、トランスジェニック動物またはトランス ジェニック植物の発生)。tRNAはすべての細胞型において至るところに発現 されるので、キメラtRNA遺伝子は動物のすべての組織で適切に発現されるで あろうが、対照的にRNApolIIに基づいた転写ユニットはより特異質の振る 舞いを行う。相同的組換えはよりエレガントであるが、現在の所、生殖系内への 突然変異の導入のためには非常に扱いにくい方法である。どちらの場合にしても 、決められた突然変異を運ぶトランスジェニック動物または植物を発生させる能 力は、進化の前後関係における遺伝子機能の研究、およびヒト遺伝子障害のため の動物モデルの発生に対して非常に価値のある実験道具であろう。さらに、tR NA駆動遺伝子発現法は病原体耐性の家畜および植物の作製にも有用であろう。 ”[参照文献省略]。 CottenおよびBirnsteil、1989 EMBO Jrnl.8 ,3861、はリボザイムの細胞内レベルを増加させるためのtRNA遺伝子の 使用を記載している。著者はリボザイムコード配列をゼノパス tRNAmet遺 伝子のAおよびBボックス内部プロモーター配列間に置いたことを指摘している 。彼 らはまた、標的とされたハンマーヘッドリボザイムがインビボで活性であったこ とも指摘している。 Yuら、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90, 5340、はヘアピンリボザイムを発現するためのVAIプロモーターの使用を 記載している。得られた転写体はVAI RNAの最初の104ヌクレオチド、 続いてのリボザイム配列およびターミネーター配列から成っていた。 LieberおよびStauss、1995 Mol.Cellular B io .15,540、はハンマーヘッドリボザイム配列をVAI RNAの中心 領域に挿入した。 polIIIに基づいたベクターはStinchcombら、WO95/232 25に記載されている。別の実施例は以下に提供される。実施例1:ストロメリシン ハンマーヘッドリボザイム リボザイムモチーフを工学処理することにより、ストロメリシンmRNA配列 に向けられたいくつかのリボザイムが設計された。これらのリボザイムはそのヌ クレアーゼ耐性を改良するように修飾して合成された。インビトロでストロメリ シン標的配列を切断するリボザイムの能力が評価された。 リボザイムはストロメリシン発現レベルを分析することによりインビボでの機 能が試験された。リボザイムはリポソームに包含して、陽イオン性脂質と複合さ せて、マイクロインジェクションによりおよび/またはDNA/RNAベクター からの発現により細胞へ送達された。ストロメリシン発現は生物学的アッセイ( ELISA)により、間接的免疫蛍光により、および/またはFACS分析によ りモニターされた。ストロメリシンmRNAレベルはノーザン分析、RNAse 保護、プライマー伸長分析および/または定量的RT−PCRにより評価された 。50%以上のストロメリシン活性および/またはストロメリシンmRNAの誘 導を阻止するリボザイムが同定された。 RNAの翻訳を好適に阻害する様式で標的RNAを切断するため、関節炎疾患 に関係するmRNAの選択された領域を標的とするリボザイムが選ばれた。翻訳 の阻害が好適に細胞複製を阻害するであろうように(例えば、必要な蛋白質の産 生を阻害することにより、または望まれない蛋白質(例えば、ストロメリシン) の産生を妨げることにより)遺伝子が選択される。RNAのこれらのきわどい領 域内の有効な標的部位の選択は、種々のオリゴヌクレオチドプローブとのハイブ リダイゼーションに対する標的RNAの接触性の試験を必然的に伴うであろう。 これらの研究はRNAまたはDNAプローブを用いて実施でき、RNアーゼHで ハイブリッド分子を切断することにより接触性がアッセイされる(下記参照)。 もしくは、そのような研究はmRNAの二次構造予測から設計されたリボザイム プローブを使用でき、切断されたおよび切断されていない分子の存在を検出する ためポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により切断生成物をアッセイ する。 さらに、ウサギストロメリシンmRNA配列(1795ヌクレオチド)内に潜 在的リボザイム標的部位が位置しており、ヒト標的部位と整列させた。ウサギス トロメリシンmRNA配列はヒト配列と84%の配列同一性を持っているので、 多くのリボザイム標的部位もまた相同的であった。従って、ヒトストロメリシン を標的とし、しかしその上にウサギストロメリシンmRNA上に相同的またはほ とんど相同的な切断部位(表AII−AVI、AVIII&AIX)を持つリボザイムを試 験するためには、ウサギは適当な動物としての可能性を持っている。ウサギ配列 中の316UH部位の内30は、潜在的リボザイム切断部位を取り囲む少なくと も14のヌクレオチドに関してはヒト配列の対応する部位と同一であった。切断 部位にすぐ隣接する(5’)RNA基質のヌクレオチドはリボザイムー基質複合 体(図1参照)で不対化され、その結果としてヒトおよびウサギ潜在的リボザイ ム部位の比較には含まれていない。続いての試験のためにヒトリボザイム標的部 位を選ぶに際しては、ウサギ配列中の同一またはほとんど同一な部位の存在が考 慮された。実施例2:優れた部位 潜在的リボザイム標的部位は、1)標的部位が実質的に一本鎖であり、および そのためリボザイムとの相互作用に利用可能であると予測されるかどうか、2) 部位がステムIIを形成するように予測され、しかし一般的に他の分子内塩基対形 成を欠くようにリボザイムが設計されているかどうか、および3)可能性のある リボザイムおよび切断部位の両側に隣接する配列が一緒になって正しく相互作用 をするように予測されるかどうかを決定するため、コンピューター折りたたみプ ログラム(下記のプログラムのMulfoldまたはMacintosh版、L RNA(Zucker(1989)Science 244:48)を用いてさ らに分析された。ステムIIの配列は、その位置にステムを維持するが、しかしリ ボザイム基質結合アームとの分子内塩基対生成を最少にするように変更できる。 これらの最小限の判断基準に基づいて、およびヒトおよびウサギストロメリシン mRNA配列で同一であるすべての部位を含ませて、続いての分析のための66 の潜在的な優れたリボザイム標的部位が選ばれた(ラウンド1の標的群)。これ らは配列ID番号:34、35、37、47、54、57、61、63、64、 66、76、77、79、87、88、96、97、98、99、100、10 7、110、121、126、128、129、133、140、146、14 8、151、162、170、179、188、192、194、196、19 9、202、203、207、208、218、220、223、224、22 5、227、230、232、236、240、245、246、256、25 9、260、269、280、281、290、302、328、335および 353である(表AIII参照)。実施例3:近づきやすい部位 これらの潜在的に優れた部位のどれかまたはすべてが、その部位へ方向付けら れたリボザイムへ近づきやすいかどうかを決定するため、RNAse Hアッセ イが実施された。このアッセイを用いると、DNAオリゴヌクレオチドプローブ への潜在的リボザイム標的部位の接触性が、その特定の部位へのリボザイムを合 成することなく評価できる。もし、相補的DNAオリゴヌクレオチドが潜在的リ ボザイム標的部位へハイブリダイズできたら、次にRNAse H(DNA/R NAハイブリッドのRNAを切断する能力を持っている)は標的RNAを特定の 部位で切断できるであろう。RNAse Hによる標的RNAの特異的切断は、 部位がオリゴヌクレオチド結合に対して”開いている”または”近づきやすい” ことの指標であり、従って、その部位はリボザイム結合に対しても開いているで あろうことが予想される。各々のDNAオリゴヌクレオチド/部位に対して発生 した特異的RNAse H切断生成物の相対量を比較することにより、潜在的リ ボザイム部位が接触性に従って順位付けできる。 RNAse Hアッセイを用いて標的部位を分析するため、潜在的標的部位に 相補的であるDNAオリゴヌクレオチド(一般的に13−15ヌクレオチドの長 さ)が合成される。本体標識基質RNA(完全長かまたは全RNAの約500− 600ヌクレオチドのサブフラグメント)は32P標識ヌクレオチドの存在下、イ ンビトロ転写により製造された。G−50セファデックスカラムによるスピンク ロマトグラフィーにより32P標識基質RNAから取り込まれていないヌクレオチ ドを除去し、さらに精製することなく使用された。アッセイを実施するには、2 0mMトリス−HCl、pH7.9、100mM KCl、10mM MgCl2 、0.1mM EDTA、0.1mM DTT中、37℃で5分間32P標識基 質RNAを特異的DNAオリゴヌクレオチド(1μMおよび0.1μM最終濃度 )と前もってインキュベートする。過剰のRNAse H(0.8単位/10μ l反応液)を加え、インキュベーションをさらに10分間続ける。等量の95% ホルムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブルーおよび 0.05%キシレンサイアノールFFの添加により反応を停止させ、その後試料 は95℃で2分間加熱し、急速に冷却して変性ポリアクリルアミドゲルに加える 。RNAse H切断RNA生成物は変性ポリアクリルアミドゲル上、非切断R NAから分離され、オートラジオグラフィーにより可視化し、切断生成物の量を 定量する。 66の潜在的リボザイム部位(ラウンド1)のRNAse H分析が実施され 、最も大きなRNAse H切断を支持するDNAオリゴヌクレオチド/部位が 決定された。これらのアッセイは基質として完全長ヒトおよびウサギストロメリ シンRNAを使用して実施された。ヒトストロメリシンRNAで決定された結果 は66部位の内の23が高レベルのRNAse H切断を支持し、さらに13が 中レベルのRNAse H切断を支持したことを示した。これら二つの群の中の 22の部位が続けての研究のために選ばれた。この選択をするのに使用された二 つの判断基準は1)ヒトストロメリシンRNAにおいて少なくとも中程度のRN Ase H切断を支持した特定の部位およびウサギおよびヒトストロメリシン配 列間に二つまたはそれ以下のヌクレオチド相違しか持たない部位である。ウサギ ス トロメリシンRNAへのRNAse Hの接触性が決定されたが、これらの選択 のための特定の判断基準としては用いられなかった。多分、不適正はDNAオリ ゴヌクレオチドの不適正RNA基質へのハイブリダイゼーションの効率を悪くし 、そのためにより少ないRNAse K切断が観察されるのでウサギ配列に完全 には相補的でないDNAオリゴヌクレオチドはRNAse H切断相対量のよい 指標ではないであろう。実施例4:リボザイムの分析 次に、RNAse Hアッセイで判断され、近づきやすいと予言された22の 部位(表AV)に対してリボザイムが合成された。これら22の部位の11が対 応するウサギ部位と同一であった。22の部位は配列ID番号:34、35、5 7、125、126、127、128、129、140、162、170、17 9、188、223、224、236、245、246、256、259、26 0、281である。最も正しく折りたたむためにコンピューター折りたたみプロ グラム(Mulfold)によりリボザイム単独およびリボザイムー基質組み合 わせのどちらかが予言されたかに依存して、7ヌクレオチドかまたは8ヌクレオ チドの認識アームを持つ22のリボザイムが化学的に合成された。合成後、リボ ザイムはHPLCかまたはゲル精製により精製された。 これらの22のリボザイムは次に、ヒトおよびウサギ完全長ストロメリシンR NAの両方を切断するそれらの能力が試験された。完全長、本体標識ストロメリ シンRNAは[α−32P]CTP存在下でのインビトロ転写により合成され、ス ピンクロマトグラフィーによりG50セファデックスカラムを通過させ、さらに 精製することなく基質RNAとして使用された。アッセイは、2X濃度の精製リ ボザイムを含むリボザイム切断緩衝液(50mMトリス−HCl、pH7.5、 37℃、10mM MgCl2)を前もって暖め、この2Xリボザイム混合物を 同様に切断緩衝液中に前もって暖めてある等量の基質RNA(最大1−5nM) に加えることにより切断反応を開始させた。最初のスクリーニングとして、1μ Mおよび0.1μMリボザイムの最終濃度(すなわちリボザイム過剰)を用いて 37℃で1時間アッセイを実施した。等量の95%ホルムアミド、20mM E DTA、0.05%ブロモフェノールブルーおよび0.05%キシレンサイアノ ー ルFFの添加により反応を停止させ、その後試料は95℃で2分間加熱し、急速 に冷却して変性ポリアクリルアミドゲルに加える。完全長基質RNAおよびリボ ザイム切断により発生した特異的RNA生成物はゲルのオートラジオグラフ上で 可視化した。 試験した22のリボザイムの内、21はインビトロでヒトおよびウサギ基質R NAを部位特異的様式で切断することができた。すべての場合、適当な長さのR NA切断生成物が可視化された。RNAの大きさは、ゲルの隣接するレーンで電 気泳動された分子量標品と比較することにより判断した。リボザイム反応中に切 断された基質RNAの分画はインビトロでのそのリボザイムの活性の評価として 使用できる。完全長基質RNAに対するこれら22のリボザイムの活性は、上記 のように1μMのリボザイムを用いるリボザイム切断アッセイにおいて、切断さ れた基質RNAが約10%から95%を超える範囲にわたった。これらのリボザ イムの7つのサブセットが続いての研究に選択された。これら7つのリボザイム (表AVに示されている)はヒトおよびウサギストロメリシンRNAの両方に対 し、22のリボザイムの中で最も高い活性を持つものであった。これら7つの部 位の内の5つは、切断部位に隣接する両方向の最低7つのヌクレオチドに関して ヒトおよびウサギストロメリシンRNA間で同一の配列を持っていた。これらの 部位は883、947、1132、1221および1410であり、リボザイム は配列ID番号:368、369、370、371、372、373および37 4である。実施例5:アーム長試験 特定の部位でのリボザイムの切断活性に対するアーム長変化の影響をインビト ロで試験するため、結合アーム長に変化を持つこれら7つの部位へのリボザイム が設計された。各々の部位に対し、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレ オチド、10ヌクレオチドおよび12ヌクレオチドの結合アームを持つリボザイ ムからなるリボザイムの完全な組が合成された(すなわち、各々の部位に対して 5つのリボザイム)。これらのリボザイムは合成後ゲル精製され、上記のように リボザイム切断アッセイで試験された。 35のリボザイム(7つの部位の各々に対して5つの変化したアーム長を持つ リボザイム)の分析後、2つのリボザイムがインビトロで最も活性であることが 明らかになった。これら2つのリボザイムはヌクレオチド617およびヌクレオ チド820のヒト配列切断部位に向かう7つのヌクレオチドアームを持っていた 。これらはRZ617H7/7およびRZ820H7/7と称され、ヒト(H) 配列切断部位(612または820)およびリボザイム分子の5’および3’側 のアーム長を意味している。実施例6:細胞培養におけるリボザイムの効率試験 次に、インビトロで2つの最も活性なリボザイム(RZ617H7/7および RZ820H7/7)の細胞中でのストロメリシンmRNA切断能力が試験され た。ヒトまたはウサギ滑膜線維芽細胞の初代培養物がこれらの試験に使用された 。これらの効力試験に対し、7ヌクレオチドアームを持ち、分子の5’末端の5 つのヌクレオチドおよび分子の3’末端の5つのヌクレオチドが2’−O−メチ ル修飾を受けているリボザイムが合成された。比較のため、12ヌクレオチドア ームを持ち、結合アームの両端の5つの位置で2’Oメチル修飾を受けた同一の 部位へのリボザイム(RZ617H12/12およびRZ820H12/12) もまた合成された。触媒コア領域に2つのヌクレオチド変化を含む不活性リボザ イムもまた対照として使用するために製造された。不活性リボザイム中の触媒コ アは活性リボザイムのCUAUGAGGCCGAAAGGCCGAに対して CUAUGAGGCCGAAAGGCCGAである。不活性化リボザイムは 、完全長RNAに対し1μM濃度で1時間の典型的リボザイム切断アッセイで測 定した場合インビトロで切断活性を示さなかった。 一般的なアッセイは以下のようである:ストロメリシンを産生する線維芽細胞 は一夜血清飢餓状態で培養し、次の日にリボザイムまたは対照を細胞に与えた。 細胞は無血清培地で維持した。リボザイムは遊離のリボザイムとして、または陽 イオン性脂質(トランスフェクタムTM、リポフェクチンTMおよびリポフェクタミ ンTMを含む)、伝統的なリポソーム、非リン脂質リポソームまたは生分解性ポリ マーのような種々の送達媒介体と会合させて細胞に応用できる。リボザイム添加 時、または3時間後、ストロメリシン発現を大きく増加させるためにインターロ イキン−1α(典型的には20単位/ml)が添加されるであろう。ストロメリ シン産生は通常24時間までの時間変化がモニターされるであろう。 もしリボザイムが細胞内でストロメリシンmRNAの切断に有効であれば、ス トロメリシンmRNA量は減少するかなくなるであろう。細胞性ストロメリシン mRNAレベルの減少、ならびに完全長ストロメリシンmRNAのリボザイム切 断により発生したRNAの出現は、ノーザンブロット分析、RNAse保護アッ セイおよび/またはプライマー伸長アッセイにより分析できる。ストロメリシン 蛋白質産生に対する細胞性ストロメリシンmRNAのリボザイム切断の影響も多 くのアッセイにより測定できる。これらには以下に記載するようなELISA( 酵素結合免疫吸着アッセイ)および免疫蛍光アッセイが含まれる。さらに、一次 基質(プロテオグリカン)の分解を測定することによりストロメリシンの酵素活 性をモニターする機能性アッセイも報告されている。実施例7:ストロメリシン蛋白質の分析 インターロイキン−1α誘導ヒト滑膜線維芽細胞の培地内への分泌されたスト ロメリシンは、ヒトストロメリシンを認識する抗体を用いてELISAにより測 定された。インターロイキン−1αで誘導する3時間前、2−4x105の血清 を除いた細胞にトランスフェクタムTM−リボザイム複合体(0.15μMのリボ ザイム最終濃度)が与えられた。トランスフェクタムTMは、1:1(w/w)ジ オレオイル ポスファチジルエタノールアミンが含まれていろことを除いて使用 説明書(Promega Corp.)に従って調製された。トランスフェクタ ムTM−リボザイム複合体は5:1の電荷比で調製された。インターロイキン−1 αの添加24時間後に培地を採取した。対照(NO RZ)はトランスフェクタ ムTM単独を細胞に応用した。7ヌクレオチドアームまたは12ヌクレオチドアー ムを持つ不活性酵素は、上記のように触媒コアに2つの不活性化変化を持ってい る。細胞試料は二重に調製され、各々の試料からの順化培地をいくつかに希釈し てアッセイが実施された。ELISAの結果は100%にセットされた対照(N ORZ)に対するストロメリシン存在のパーセントとして次に示されている。 RZ標的部位 処置 617H 820H RZ7/7 06.83 07.05 RZ12/12 18.47 33.90 不活性RZ7/7 100 100 不活性RZ12/12 100 100 NO RZ対照 100 100 上記の結果は明らかに、活性リボザイム(RZ617H7/7およびRZ82 0H7/7)での処理は細胞により分泌されるストロメリシンの量に劇的な影響 を与えた。非処置(対照細胞または不活性リボザイムで処置した細胞)と比較し た場合、ストロメリシンレベルは約93%減少した。12ヌクレオチド結合アー ムを持つように合成された同一部位へのリボザイムもまた効果的であり、対照の 約66から約81%のストロメリシンの減少を起こした。前のインビトロリボザ イム切断アッセイにおいて、RZ617H7/7およびRZ820H7/7は同 一の部位へ向かう12ヌクレオチドアームを持つリボザイム(617H12/1 2およびRZ820H12/12)よりも完全長RNA基質に対してはより優れ た切断活性を持っていた。実施例8:免疫蛍光アッセイ ストロメリシン検出の別の方法は免疫蛍光により細胞中のストロメリシン蛋白 質を可視化することである。このアッセイのためには、細胞からの蛋白質分泌を 防止するために細胞はモネンシンで処理される。モネンシン添加後細胞に保持さ れているストロメリシンは通常のまたは共焦点顕微鏡を用いる免疫蛍光により可 視化できる。一般的に、細胞は血清を除いて一夜培養され、次の日にリボザイム で数時間処理される。次にモネンシンを加え、約5−6時間後、モネンシン処理 細胞は常法により固定しおよび透過性を上げ、ヒトストロメリシン認識抗体とイ ンキュベートした。蛍光発色団へ結合された第二抗体とさらにインキュベーショ ンした後、細胞を顕微鏡で観察した。不活性リボザイムまたは培地単独で処理し た細胞に比較して減少したリボザイム処理細胞中の蛍光は、リボザイム処理によ り減少したストロメリシン蛋白質のレベルを示している。 上記の免疫蛍光技術により可視化されたように、RZ617H7/7またはR Z820H7/7(1.5μMの遊離リボザイムまたは0.15μMのトランス フェクタムTMと複合させたリボザイムの最終濃度で)でのヒト滑膜線維芽細胞の 処理により、対照と比較した場合に蛍光、すなわちストロメリシン蛋白質の著し い減少が生じた。対照は培地またはトランスフェクタムTM単独での処置であった 。2つの不活性化変化を触媒コアに持つ対応する不活性リボザイムによる細胞の 処理は、リボザイム処理をしない対照と同様な免疫蛍光の結果であった。 ウサギ滑膜線維芽細胞もまたRZ617H7/7またはRZ820H7/7、 ならびにウサギ標的配列へ完全に相補的であるようにするため適切な1つの塩基 が変更されている2つの対応するリボザイム(RZ617R7/7またはRZ8 29R7/7)で処理された。リボザイム処理されていない対照と比べ、インタ ーロイキン−1α誘導ウサギ滑膜線維芽細胞では免疫蛍光はこれら4つのリボザ イム(ウサギまたはヒトmRNA配列に特異的にかかわらず)での処理により目 に見えるほど減少した。ウサギ滑膜線維芽細胞における免疫蛍光研究においては 、ヒトストロメリシンに対する抗体が使用された。実施例9:細胞性RNAのリボザイム切断 本実施例においては下記の方法が使用された。プライマー伸長アッセイ 完全長RNA、ならびに問題とするRNAの3’リボザイム切断生成物を検出 するためにプライマー伸長反応が使用された。本方法には推定リボザイム切断部 位の下流(3’)にあるRNA上の位置にハイブリダイズできるDNAプライマ ー(一般的には約20ヌクレオチドの長さ)の合成が含まれる。使用前に、プラ イマーはT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて32P[ATP]で5’末端が標 識され、ゲルから精製される。標識プライマーは次に標準法により細胞溶解物か ら単離された核酸の集団とインキュベートされた。反応緩衝液は50mMトリス −HCl、pH8.3、3mM MgCl2、20mM KClおよび10mM DTTであった。30分の伸長反応が行われ、そこではRNAにハイブリダイズ したすべてのDNAプライマーが、RNAを鋳型として用いてDNAプライマー の3’末端にヌクレオチドを加えるであろう酵素、逆転写酵素の基質であった。 逆転写酵素はLife Technologiesから入手され、本質的に使用 解説書従って使用される。最良には、逆転写酵素はRNA基質がなくなるまでc DNAを形成しながらDNAプライマーを伸長する。従って、リボザイム切断R NA基質としては、cDNA生成物は得られる完全長または非切断RNA基質の cDNA生成物より短いであろう。伸長により生成された32P−標識cDNAの 大きさの相違は変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により区別でき、オートラ ジオグラフィーにより可視化される。 しかしながら、RNA基質中の強い二次構造は逆転写酵素による早期停止を導 くことができる。より短いcDNAのこの遠因は、これらの早期に停止した生成 物の一つが問題とするリボザイム切断生成物の期待される位置へ電気泳動されな ければ一般的には問題とならない。従って3’切断生成物は、その期待されるサ イズおよびそれらが対照のレーンには存在しないことに基づいて容易に同定され る。しかしながら、RNA中の二次構造による強い停止は、存在する総完全長お よび切断RNAを定量する場合は問題となる。この理由のため、切断の相対量の みが容易に決定できる。 プライマー伸長アッセイはトランスフェクタムTM−複合RZ617H7/7、 RZ820H7/7、RZ617H12/12およびRZ820H12/12で 処理された細胞から単離されたRNAに対して実施された。対照細胞はトランス フェクタムTM単独で処理されていた。これら4つのリボザイムの不活性体のトラ ンスフェクタムTM複合体で処理された細胞からのRNAに対するプライマー伸長 物もまた調製された。20ヌクレオチドプライマー配列は5’AATGAAAA CGAGGTCCTTGC3’であり、それはリボザイム部位820の約285 ヌクレオチド下流の領域と相補的である。部位617へのリボザイムに対し、3 ’切断生成物のためのcDNA長は488ヌクレオチドであり、820に対して 、cDNA生成物は285ヌクレオチドである。完全長cDNAは1105ヌク レオチドの長さであろう。1mlの0.15μMリボザイムが約2−3x105 の血清飢餓状態のヒト滑膜線維芽細胞に与えられた。3時間後、20単位/ml のインターロイキン−1αが細胞に加えられ、インキュベーションを24時間続 けた。 3’生成物に対して正しいサイズの32P−標識cDNAが、部位617および 820に活性なリボザイムで処理されている細胞からのRNAを含むレーンで明 瞭に見られた。観察できる3’切断生成物の相対量を比較することにより、7ヌ クレオチドアームを持つリボザイムは12ヌクレオチドアームを持つリボザイム よりも活性であると判断された。これはこれらの試料からの順化培地のELIS A分析により得られたデータとよく相関している。さらに、不活性リボザイムで 細胞を処理しても、3’切断生成物に対応するcDNAは観察されなかった。 RNA基質のリボザイム切断は細胞RNAの調製の間にまたはプライマー伸長 反応自身の間に起こっていないことを保証するため、いくつかの対照実験が実施 された。一つの対照実験では、インビトロ転写により製造された本体標識ストロ メリシンを細胞溶解物に加えられた。この溶解物は次に、典型的なRNA調製が 行われ、非放射性プライマーが使用されたプライマー伸長分析が行われた。もし 、細胞溶解時に細胞中に存在するリボザイムが続いての分析の条件下で活性であ るならば、加えた本体標識ストロメリシンRNAは切断されるであろう。しかし ながら、今回はその場合ではなかった。完全長RNAのみがゲル分析で観察され 、リボザイム切断生成物は存在しなかった。リボザイム処理細胞からのRNAで 検出された切断生成物は細胞中のリボザイム切断により生じ、続いての分析の間 に生じてはいないことは明らかである。実施例10:RNAse保護アッセイ RNAse保護分析により、細胞中で基質RNAのリボザイム切断により発生 した3’および5’生成物の両方が同定できる。RNAse保護アッセイは溶解 物リボヌクレアーゼ保護キット(United State Biochemi cal Corp.)で提供されるプロトコールに記載されているように本質的 には実施される。RNAse保護のためのプローブはリボザイム切断部位を取り 囲む配列と相補的であるRNAである。この”アンチセンス”プローブRNAは 、5’プライマーがT7プロモーター配列を含むDNAオリゴヌクレオチドであ るポリメラーゼ連鎖反応により作製された鋳型からインビトロで転写された。プ ローブRNAは反応に32P[CTP]を含ませることにより転写の間に本体が標 識され、G−50セファデックスでのクロマトグラフィーにより取り込まれなか ったヌクレオチド三リン酸から分離精製される。プローブRNA(100,00 0 から250,000cpm)は細胞溶解物からのRNAまたは細胞溶解物から精 製されたRNAと37℃で一夜ハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション 後、RNAse T1およびRNAse Aを加えてすべての一本鎖RNAを分 解させ、得られた生成物はゲル電気泳動およびオートラジオグラフィーにより分 析する。この分析により、完全長、非切断標的RNAは完全長プローブを保護す るであろう。リボザイム切断標的RNAについては、切断はプローブが結合する 領域で起こっているのでRNAse消化からプローブの一部のみが保護されるで あろう。このことから二つの保護プローブ断片が生じ、そのサイズはリボザイム 切断が起こった位置を反映し、そのサイズは合計すると完全長保護ブローブのサ イズになる。 RNAse保護分析は活性または不活性リボザイムで処理されているウサギ滑 膜線維芽細胞から単離された細胞RNAに対して実施された。試験されたリボザ イムはウサギ配列に特異的な7ヌクレオチドアームを持っていたが、ヒトリボザ イム部位617および820に対応している(すなわち、RZ617R7/7、 RZ820R7/7)。同一の部位への不活性リボザイムもまた7ヌクレオチド アームを持ち、上記のように2つの不活性化変化を含んでいた。不活性リボザイ ムは、1μMの濃度での典型的なインビトロでの1時間リボザイム切断反応にお いて、完全長ウサギストロメリシンRNAに対しては活性ではなかった。すべて の試料に対して、1mlの0.15μMリボザイムがトランスフェクタムTM複合 体として血清飢餓状態にした細胞へ投与された。3時間後にインターロイキン− 1αを添加し、細胞は24時間後に採取した。活性なリボザイムで処理された細 胞からの試料に対し、リボザイム切断を示している適当なサイズのプローブ断片 が観察できた。部位617に対しては125および297ヌクレオチドに対応す る2つの断片が存在し、部位820に対しては、2つの断片は328および94 ヌクレオチドの長さであった。リボザイムで処理されていないまたは不活性リボ ザイムを受け取った細胞からのRNA試料にはRNA切断生成物を表しているプ ローブ断片は観察されなかった。しかしながら、完全長保護プローブ(422ヌ クレオチドの長さ)は観察でき、これらの試料中に完全長、非切断ストロメリシ ンRNAが存在していることを示している。線維芽細胞への遊離およびトランスフェクタム複合化リボザイムの送達 リボザイムは陽イオン性脂質に複合させてまたは遊離型で線維芽細胞に送達で きる。遊離リボザイムを送達するためには、貯蔵リボザイムの適当な希釈(最終 濃度は通常1.5μM)が無血清培地で行われる:もし放射活性トレーサーを使 用しなければならないなら(すなわち32P)、リボザイムの比活性は800−1 200cpm/pmolに調節される。陽イオン性脂質トランスフェクタムと複 合させてリボザイムを送達するには、脂質は最初に1/1(w/w)ジオレオイ ルホスファチジルコリン(DOPE)を含む貯蔵溶液として調製される。リボザ イムはトランスフェクタム/DOPEと1/5(RZ/TF)電荷比で混合され ;36−merリボザイムに対しては、これは45倍モル過剰のトランスフェク タムである(トランスフェクタムは分子当たり4つの陽電荷を持っている)。室 温で10分間インキュベーションした後、混合物は希釈され、一般的に0.15 μMのリボザイム濃度で応用される。32P実験では、リボザイムの比活性は遊離 リボザイム実験の比活性と同じである。 24時間後、与えたトランスフェクタム−リボザイムcpmの約30%が細胞 に付随している(ヌクレアーゼ耐性様式で)。cpmの約10−15%が無損傷 のリボザイムを意味している;これは細胞当たり約2000−2500万のリボ ザイムである。遊離リボザイムについては、与えた量の約0.6%が24時間後 に細胞に付随している。この内、約10−15%が無損傷である;これは細胞当 たり約60−80万のリボザイムである。実施例11:HHリボザイムによるストロメリシンmRNAのインビトロ切断 さらなるHHリボザイム切断部位をスクリーニングするため、実施例2および 表3に掲げたいくつかの部位を標的とするリボザイムが合成された。これらのリ ボザイムは広範囲に修飾された:5’ヌクレオチドはホスホロチオエート置換を 含んでいる;触媒コアの5つのリボース残基を除いて、すべての他のリボザイム 内の2’−ヒドロキシル基は2’−O−メチル基かまたは2’−C−アリル修飾 で置換されている。前記の修飾は制限を意味する修飾ではない。当業者はその他 の態様を本分野で既知の技術により容易に生じさせることができることを認識す るであろう。 インビトロでRNAを切断する能力でこれらのリボザイムが試験された。図7 を参照すると、部位21、463、1049、1366、1403、1410お よび1489(各々配列ID番号:35、98、202、263、279、28 1および292)を標的とするHHリボザイムによりインビトロでのRNA切断 が37℃でアッセイされた。基質RNAは[γ−32P]ATPおよびT4ポリヌ クレオチドキナーゼ酵素を用いて5’末端標識された。”リボザイム過剰”条件 下の標準切断反応において、約1nMの基質および40nMのリボザイムは90 ℃で2分間加熱し、続いて氷上で10分間急いで冷却することにより別々に変性 させた。基質およびリボザイム反応混合物は50mMトリス−HCl、pH17 .5、および10mM MgCl2を含む緩衝液中、37℃で10分間復元させ た。切断反応はリボザイムおよび基質を混合し、37℃でインキュベートするこ とにより開始させた。一定の時間間隔で5μlを採り、反応は等容量のホルムア ミド停止混合液を混合することにより停止させた。試料は20%ポリアクリルア ミド/尿素ゲルで分離された。 時間の関数として切断されたRNA基質のパーセントをプロットしたものが図 7に示されている。プロットは6つすべてのリボザイムが標的RNAを効率よく 切断することを示している。しかしながら、いくつかのHHリボザイムは他のも のより効率的であった(例えば、1049は1366HHよりも速く切断した)培養HS−27細胞におけるリボザイム効力アッセイ(以下の実施例で使用され た) ; ヒト包皮線維芽細胞(HS−27)細胞株または初代ヒト滑膜線維芽細胞(H SF)でリボザイムがアッセイされた。すべての細胞はアッセイ前日に10%ウ シ胎児血清を含む24ウェルプレートに5x104細胞/ウェルの密度で播種さ れた。播種24時間後、培地をウェルから除き単層をダルベッコリン酸緩衝液( PBS)で洗浄した。24時間細胞を0.5%ウシ胎児血清(FBS;1ml/ ウェル)を含む培地でインキュベートして細胞を血清飢餓状態にした。リボザイ ム/脂質複合体は以下のように調製された:リボザイムおよびリポフェクタミン を別々に無血清DMEMに20mMへペス、pH7.3加えた培地で2Xの最終 濃度まで希釈し、次に等量を混合し、激しくかき混ぜて37℃で15分インキュ ベ ートした。リポフェクタミン:リボザイムの電荷比は3:1であった。細胞はC a2+およびMg2+を含むPBSで二度洗浄した。細胞は次にリボザイム/脂質複 合体で処理し、37℃で1.5時間インキュベートした。次にFBSが10%の 最終濃度まで添加された。FBSを添加して2時間後、リボザイム含有溶液を除 去し、50u/ml IL−1、10%FBS、20mMへペスpH7.3を加 えた。IL−1で誘導して16時間後に上清液を採取し、ELISAによりスト ロメリシン発現をアッセイした。ストロメリシン発現を測定するため、マトリッ クス金属プロテイナーゼ3に対するポリクローナル抗体(Biogenesis ,NH)が検出抗体として使用され、抗ストロメリシンモノクローナル抗体がサ ンドイッチELISAにおける捕捉抗体として使用された。実施例12:ヒト線維芽細胞におけるストロメリシン発現のリボザイム媒介阻害 図8から13を参照すると、ヒトストロメリシン−1mRNA内の部位21、 463、1049、1366、1403、1410および1489を標的とする HHリボザイムが上記のようにHS−27線維芽細胞またはHSF細胞株内へト ランスフェクトされた。触媒コア領域に2ヌクレオチド変化を含む触媒的に不活 性なリボザイムもまた合成され、対照として使用された。不活性リボザイム中の 触媒コアは、活性なリボザイムではCUAUGAGGCCGAAAGGCCG Aであるのに対しCUUAUGAGGCCGAAAGGCCGAUであった。 不活性リボザイムは、完全長RNAに対して1μM濃度で1時間の典型的リボザ イム切断アッセイで測定した場合、インビトロで切断活性を示さなかった。スト ロメリシン蛋白質のレベルは上記の鋭敏なELISAプロトコールを用いて測定 された。図中、+IL−1はストロメリシン発現を誘導するため細胞がIL−1 で処理されたことを意味している。−IL−1は細胞が処理されなかったことを 意味している。図8から13は活性HHリボザイムでトランスフェクトされた細 胞で発現されたストロメリシン蛋白質のレベルの劇的な減少を示している。スト ロメリシン産生レベルのこの減少は、触媒的に不活性なリボザイムでトランスフ ェクトされた細胞で観察されたいくらかの非特異的阻害を上回っている。不活性 リボザイムでトランスフェクトされた対照細胞と比較した場合、ストロメリシン 産生において平均して50%を超える阻害(活性HHリボザイムでトランスフェ クトされた細胞において)である。これらの結果は、HS−27細胞におけるス トロメリシン産生の減少は触媒的に活性なHHリボザイムによるヒトストロメリ シン−1 mRNAの配列特異的切断により媒介されることを示唆している。触 媒的に不活性なリボザイムでトランスフェクトした細胞でのストロメリシン蛋白 質産生の減少は、不活性リボザイムの標的RNAへの結合により起こされるいく らかの”アンチセンス効果”によるものであり、物理的に翻訳を阻害しているの であろう。実施例13:ウサギ膝関節におけるストロメリシン発現のリボザイム媒介阻害 細胞ばいようにおけるリボザイム効力を拡張するため、ウサギストロメリシン 蛋白質発現のリボザイム媒介阻害を研究する合理的な動物モデルとしてウサギ膝 関節への使用が選択された。動物研究のためには、ヒトストロメリシン−1 m RNA内の部位1049を標的とするHHリボザイム(1049HH)が選択さ れた;部位1049はウサギストロメリシンmRNA内の部位1060と100 %同一であるため(表AIIIおよびAIV)。このことはヒトならびにウサギ系に おいて同一のリボザイムの効力を比較することを可能にする。 オスニュージーランドホワイトラビット(3−4kg)をケタミン−HCl/ キシラジンで麻酔し、両方の膝の動脈内へ(I.T.)100μgのリボザイム (例えば、配列ID番号:202)を含む0.5mlのリン酸緩衝液(PBS) またはPBSのみ(対照)を注射した。IL−1(ヒト組換え体IL−1α、2 5ng)をリボザイム投与24時間後にI.T.で投与した。各々のウサギは一 つの膝にIL−1を他の膝はPBSのみを受けた。IL−1注入後6時間で滑膜 を採取し、液体窒素で急速に凍結させて−80℃で保存した。全RNAはTRI zol試薬(GIBCO BRL,Gaithersburg,MD)で抽出さ れ、ノーザンブロット分析および/またはRNase保護アッセイで分析された 。簡単に記すと、0.5μgの細胞RNAは1.0%アガロース/ホルムアルデ ヒドゲルで分離され、約16時間のキャピラリー輸送によりZeta−Prob e GTナイロン膜(Bio−Rad,Hercules,CA)へ移された。 ブロットは2時間焼き固め、次に10mlのチャーチハイブリダイゼーション緩 衝液(7%SDS、500mMリン酸、1mM EDTA、1%ウシ血清アルブ ミ ン)中、65℃で2時間前ハイブリダイズされた。ブロットは65℃で約16時 間、ウサギストロメリシンmRNAに対する106cpm/mlの完全長32P− 標識相補的RNA(cRNA)プローブとハイブリダイズされた(cRNAは前 ハイブリダイゼーション緩衝液へ100μlの10mg/mlサケ精子DNAと 一緒に加えられた。ブロットは5%SDS、25mMリン酸、1mM EDTA および0.5%BSAで10分間室温で洗浄された。続いて同一の緩衝液で65 ℃で2回洗浄し(各々の洗浄は10分)、続いて1%SDS、25mMリン酸お よび1mM EDTAで2回洗浄した(各々の洗浄は10分)。ブロットはオー トラジオグラフィーにかけられた。ブロットは上記のように18S rRNAに 対する100nt cRNAで再探査された。オートラジオグラフィー後、スト ロメリシン発現は走査型デンシトメーターで定量化され、18S rRNAバン ド強度でデータを標準化した。 図14−16に示したように、触媒的に活性な1049HHリボザイムはウサ ギ膝関節におけるストロメリシン発現の減少を媒介した。阻害は配列特異的であ るようで、50−70%の範囲である。実施例14:ホスホロチオエート置換リボザイムはウサギ膝関節のストロメリシ ン発現を阻害する 5’末端に4つのホスホロチオエート結合を含むリボザイムは哺乳類細胞にお いてリボザイム効力を促進する。図17を参照して、ストロメリシンmRNA内 の部位1049を標的とするハンマーヘッドリボザイムが設計および合成され、 ここでリボザイムはその5’および3’末端に5つのホスホロチオエート結合を 含んでいる。さらに、これらのリボザイムは30ヌクレオチド位に2’−O−メ チル置換、U4位に2’−C−アリル置換および5つの位置に2’−OHを含ん でいる(図17A)。上記のように、これらのリボザイムはリボザイム効力を試 験するためにウサギ膝関節に投与された。1049 U4−C−アリルP=S活 性リボザイムはウサギ膝関節においてストロメリシンRNAレベルの50%以上 の減少を示した。1049 U4−C−アリルP=Sリボザイムの不活性化体は ストロメリシンRNAレベルの約30%の減少を示した。 図18を参照して、ストロメリシンmRNA内の3つの独特な部位を標的とす るハンマーヘッドリボザイムが設計および合成され、ここでリボザイムはその5 ’末端に4つのホスホロチオエート結合を含んでいる。さらに、これらのリボザ イムは29ヌクレオチド位に2’−O−メチル置換、U4およびU7位に2’− アミノ置換および5つの位置に2’−OHを含んでいる。上記のように、これら のリボザイムはリボザイム効力を試験するためにウサギ膝関節に投与された。図 18−21に示したように、部位1049、1363および1366を標的とす るリボザイムはすべてウサギ膝関節において効果的である。3つすべてのリボザ イムがウサギ膝関節において約50%ストロメリシンRNAレベルを減少させた 。 図17および18に記載した配列および化学修飾はそれらに制限することを意 味してはいない。当業者は他のリボザイムおよび他の化学修飾を含む類似の実施 態様を本分野で既知の技術を用いて容易に発生できることを認識するであろうし 、それらは本発明の範囲内である。 リボザイムの触媒活性に有意に影響することなくリボザイム内のある種の位置 (例えば、U4およびU7位)が6−メチルUおよび不能性(塩基を含まないヌ クレオチド)残基で置換できるような化学修飾が示された。同様に、リボザイム の活性に影響することなく、逆転Tの代わりに3’−3’結合不能性逆転リボー ス残基をリボザイム3’末端の保護に使用できる。 B7−1、B7−2、B7−3およびCD40はいくつかの判断基準において 魅力的なリボザイム標的である。T細胞活性化の分子機構は確立されている。明 確なおよび予報的な動物モデルで効力が試験できる。移植片拒絶の臨床的最終点 は明白である。送達は生体外であろうので、正しい細胞集団の処置が保証される であろう。最後に、疾患状態は重度であり、現在の治療は不適当である。蛋白質 に基づく治療は処置期間の数週間に遭遇するすべての抗原に対するアネルギーを 誘導するが、生体外リボザイム療法は真に供与者特異性アネルギーに対する直接 的およびエレガントな方法を提供する。 同様に、自己抗原に対する免疫応答の破壊的過程を逆転させることにより自己 免疫疾患およびアレルギーが予防または処置できる。特に、本発明の核酸は天然 に存在する抗原への応答を鈍らせることができる。実施例15:B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40ハンマーヘ ッドリボザイム リボザイムモチーフを工学処理することにより、B7−1、B7−2、B7− 3および/またはCD40がコードされたmRNA配列に向かういくつかのリボ ザイムを設計した。これらのリボザイムはそのヌクレアーゼ耐性を改良するよう に修飾して合成された。インビトロで標的配列を切断するリボザイムの能力が評 価された。 外因性B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40の発現を誘導で きるいくつかの共通ヒト細胞株が入手可能である。もしくは、マウス脾臓細胞が 単離でき、IL−4または組換え体CD40リガンドでB7−1またはB7−2 を発現するように誘導できる。B7−1およびB7−2はモノクローナル抗体で 容易に検出できる。適当な蛍光性試薬および蛍光活性化細胞分類(FACS)の 使用は細胞ごとに基づく表面B7−1またはB7−2の直接定量化を可能にする であろう。活性リボザイムはB7−1またはB7−2の発現を直接的に減少させ ることが期待される。CD40を標的とするリボザイムはCD40リガンドによ るB7−2の誘導を防止するであろう。 移植のいくつかの動物モデルが入手可能である−マウス、ラット、ブタモデル (Fodorら、1994 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91,11153);またはヒヒ(Noeak、1994 Science 2 66,1148に、による総説)。B7−1、B7−2、B7−3および/また はCD40蛋白質レベルはFACS分析により臨床的にまたは実験的に測定可能 である。B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40がコードされた mRNAレベルはノーザン分析、RNase保護、プライマー伸長分析および/ または定量的RT−PCRにより評価されるであろう。B7−1、B7−2、B 7−3および/またはCD40活性および/またはB7−1、B7−2、B7− 3および/またはCD40蛋白質をコードしているmRNAの誘導をインビトロ で20%以上阻止するリボザイムが同定されるであろう。 自己免疫疾患のいくつかの動物モデルが入手可能である−アレルギー性脳脊髄 炎(EAE)を持つLewisラット(Carlsonら、1993 Ann. N.Y.Acad.Sci .685,86);多発性硬化症の動物モデル(We kerleら、1994 Ann.Neurol.36,s47)および慢性関 節リウマチ(van Laarら、1994 Chem.Immunol.58 ,206)。 アレルギーのいくつかの動物モデルが入手可能であり、KemenyおよびD iaz−Sanchez、1990 Clin.Exp.Immunol.82 ,423、およびPretolaniら、1994 Ann.N.Y.Acad .Sci .725,247、により総説が報告されている。 それらをコードしているRNAリボザイムおよび/または遺伝子は遊離送達、 リポソーム送達、陽イオン性脂質送達、アデノ付随ウイルスベクター送達、アデ ノウイルスベクター送達、レトロウイルスベクター送達またはプラスミドベクタ ー送達によりこれらの動物モデル実験(前記参照)において送達されるであろう 。 供与者APCへのリボザイムを構造的に発現するリボザイムベクターの1回の 投与、または安定な抗B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40リ ボザイムまたは一時的に発現するリボザイムベクターの一回またはそれ以上の投 与、続いての受容個体への注入は移植片拒絶の発生を減少させるであろう。もし くは、移植片組織を移植前に上記のように処理してもよい。実施例16:6−メチル−ウリジンホスホルアミダイトの合成 図30を参照すると、ヘキサメチルジシラザン(50mL)および乾燥ピリジ ン(50mL)の混合物中の6−メチル−ウラシル(2.77g,21.96m mol)の懸濁液を3時間還流した。得られた6−メチルウラシルのトリメチル シリル誘導体の透明溶液を蒸発乾固させ、乾燥トルエンとともに2回共蒸発させ て痕跡量のピリジンを除去した。得られた透明油状物の乾燥アセトニトリル中の 溶液に、1−O−アセチル−2’,3’,5’ートリ−O−ベンゾイル−β−D −リボース(10.1g,20mmol)を加え、反応混合物を0℃に冷却した 。上述の撹拌溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(4. 35mL,24mmol)を滴加し、反応混合物を0℃で1.5時間、次に室温 で1時間撹拌した。その後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水 素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を蒸発させ、残渣をシリカゲル 上で酢酸エチル−ヘキサン(2:1)混合物を溶出液として用いるフラッシュク ロマトグラフィーにより精製して、9.5g(83%)の化合物2および0.8 gの対応するN1,N3−ビス−誘導体を得た。 ピリジン(60mL)およびメタノール(10mL)の混合物中の化合物(4 .2g,7.36mmol)の冷却(−10℃)溶液に、定常的に撹拌しながら 水酸化ナトリウム(16mL)の氷冷2M水性溶液を加えた。反応混合物を−1 0℃でさらに30分間撹拌し、次にDowex50(Py+)で中和してpH7 とした。樹脂を濾別し、H2O−ピリジン(4:1)の混合物200mLで洗浄 した。合わせた”母液”と洗浄液を蒸発乾固させ、乾燥ピリジンと多数回共蒸発 させることにより乾燥した。残渣を乾燥ピリジンに再溶解し、次に塩化ジメトキ シトリチル(2.99g,8.03mmol)と混合した。反応混合物を室温で 一夜放置した。反応をメタノール(25mL)で急冷し、混合物を蒸発させた。 残渣をジクロロメタンに溶解し、飽和水性炭酸水素ナトリウムおよびブラインで 洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲル 上でCH2Cl2中のMeOHの直線勾配(2%から5%)を溶出液として用いる フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3.4g(83%)の化合物6 を得た。実施例17:6−メチル−シチジンホスホルアミダイトの合成 トリエチルアミン(13.4ml,100mmol)を、50mlの無水アセ トニトリル中の1,2,4−トリアゾール(6.22g,90mmol)および オキシ塩化リン(1.89ml,20mmol)の撹拌氷冷混合物に滴加した。 得られた懸濁液に、30mlのアセトニトリル中の2’,3’,5’−トリ−O −ベンゾイル−6−メチルウリジン(5.7g,10mmol)の溶液を滴加し 、反応混合物を室温で4時間撹拌した。次に、これを真空下で濃縮して最小容量 とした(乾固させない)。残渣をクロロホルムに溶解し、水、飽和水性炭酸水素 ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒 を真空下で除去した。残渣を100mlの1,4−ジオキサンに溶解し、50m Lの29%水性NH4OHで一夜処理した。溶媒を真空下で除去した。残渣をピ リジン(60mL)およびメタノール(10mL)の混合物に溶解し、−15℃ に冷却し、水酸化ナトリウムの氷冷2M水性溶液を撹拌しながら加えた。反応混 合物を−10から−15℃でさらに30分間撹拌し、次にDowex50(Py+ )で中和してpH7とした。樹脂を濾別し、H2O−Py(4:1)の混合物2 00mLで洗浄した。合わせた母液および洗浄液を蒸発乾固させた。残渣を水性 メタノールから結晶化させて、1.6g(62%)の6−メチルシチジンを得た 。乾燥ピリジン中の6−メチルシチジン(1.4g,5.44mmol)の溶液 に、3.11mLのトリメチルクロロシランを加え、反応混合物を室温で2時間 撹拌した。次に、無水酢酸(0.51mL,5.44mmol)を加え、反応混 合物を室温でさらに3時間撹拌した。TLCが出発物質の消失を示した後、反応 をMeOH(20mL)で急冷し、氷冷し、水で処理した(20mL,1時間) 。溶媒を真空下で除去し、乾燥ピリジンとともに4回共蒸発させることにより残 渣を乾燥した。最後に、これを乾燥ピリジンに溶解し、塩化ジメトキシトリチル (2.2g,6.52mmol)を加えた。反応混合物を室温で一夜撹拌し、M eOH(20mL)で急冷した。溶媒を真空下で除去した。残留油状物を塩化メ チレンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を 分離し、蒸発させ、残渣をシリカゲル上で塩化メチレン中MeOH勾配(3%か ら5%)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2.4g(7 4%)の化合物(4)を得た。実施例18:6−アザ−ウリジンおよび6−アザ−シチジンの合成 乾燥ピリジン中の6−アザウリジン(5g,20.39mmol)の溶液に塩 化ジメトキシトリチル(8.29g,24.47mmol)を加え、反応混合物 を室温で一夜放置した。次に、これをメタノール(50mL)で急冷し、溶媒を 真空下で除去した。残留油状物を塩化メチレンに溶解し、飽和水性炭酸水素ナト リウムおよびブラインで洗浄した。有機層を分離し、蒸発乾固させた。残渣を乾 燥ピリジンと多数回共蒸発させることによりさらに乾燥させ、最後に乾燥ピリジ ンに溶解した。無水酢酸(4.43mL,46.7mmol)を上述の溶液に加 え、反応混合物を室温で3時間放置した。次に、これをメタノールで急冷し、上 述のように後処理した。残渣をシリカゲル上で塩化メチレン中2%MeOHの混 合物を溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、9. 6g(75%)の化合物を得た。 トリエチルアミン(23.7ml,170.4mmol)を、100mlの無 水アセトニトリル中の1,2,4−トリアゾール(10.6g,153.36m mol)およびオキシ塩化リン(3.22ml,34.08mmol)の撹拌氷 冷混合物に滴加した。得られた懸濁液に、40mlのアセトニトリル中の2’, 3’−ジ−O−アセチル−5’−O−ジメトキシトリチル−6−アザウリジン( 7.13g,11.36mmol)の溶液を滴加し、反応混合物を室温で6時間 撹拌した。次に、これを真空下で濃縮して最小容量とした(乾固させない)。残 渣をクロロホルムに溶解し、水、飽和水性炭酸水素ナトリウムおよびブラインで 洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空下で除去した。残渣を 150mlの1,4−ジオキサンに溶解し、50mLの29%水性NH4OHで 室温で20時間処理した。溶媒を真空下で除去した。残渣をシリカゲル上で塩化 メチレン中のMeOH直線勾配(4%から10%)を溶出液として用いるフラッ シュクロマトグラフィーにより精製して、3.1g(50%)のアザシチジンを 得た。 無水ピリジン中の5’−O−ジメトキシトリチル−6−アザシチジン(3g, 5.53mmol)の撹拌溶液に、トリメチルクロロシラン(2.41mL,1 9mmol)を加え、反応混合物を室温で4時間放置した。次に、無水酢酸(0 .63mL,6.64mmol)を加え、反応混合物を室温でさらに3時間撹拌 し た。その後、これをMeOH(15mL)で急冷し、溶媒を真空下で除去した。 残渣をTHF中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液で処理し(20℃ ,30min)、蒸発乾固させた。残留油状物を塩化メチレンに溶解し、飽和水 性炭酸水素ナトリウムおよび水で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで 乾燥し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲル上で塩化メチレン中4%MeOHを 溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2.9g( 89.8%)の化合物を得た。 TBDMS基の導入の一般的方法:50mLの乾燥THFおよびピリジン(4 eq)中の保護ヌクレオシドの撹拌溶液に、AgNO3(2.4eq)を加えた 。10分後、塩化tert−ブチルジメチルシリル(1.5eq)を加え、反応 混合物を室温で12時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し100mLの5%水 性NaHCO3中に入れた。溶液をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し た。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発させた。残 渣をシリカゲル上でヘキサン−酢酸エチル(3:2)混合物を溶出液として用い るフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。 ホスフィチル化の一般的方法:乾燥ジクロロメタン(20mL)中の保護ヌク レオシド(1mmol)の氷冷撹拌溶液に、ジクロロメタン(3mL)中のN, N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5eq)および2−シアノエチルN’N −ジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(1.2eq)の予め混合した溶液 をアルゴンブランケット下でシリンジを用いて滴加した。同時に、別のシリンジ で、N−メチルイミダゾール(1eq)を加え、室温で2時間撹拌を続けた。そ の後、反応混合物を再び氷冷し、15mlの乾燥メタノールで急冷した。5分間 撹拌した後、混合物を真空下で(<40℃)濃縮し、シリカゲル上で1%トリエ チルアミンを含むヘキサン−酢酸エチル混合物を溶出液として用いるフラッシュ クロマトグラフィーにより精製して、対応するホスホルアミダイトを白色泡状物 として得た。実施例19:6−メチル−ウリジンで置換したHHAリボザイムのRNA切断活 部位Aを標的とするハンマーヘッドリボザイム(図31を参照されたい)を上 述のように固相合成を用いて合成した。U4位を6−メチル−ウリジンで修飾し た。インビトロRNA切断アッセイ 基質RNAは、[γ−32P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(U S Biochemicals)を用いて5’末端標識した。切断反応は、リボ び40nMの未標識リボザイムを、90℃で2分間加熱し、氷上で10−15分 間スナップ冷却することにより、別々に変性させ再生させた。リボザイムおよび 基質を、50mM Tris−HClおよび10mM MgCl2を含む緩衝液 中で37℃で10分間別々にインキュベートした。反応は、リボザイムと基質溶 液とを混合して37℃でインキュベートすることにより開始した。5μlのアリ コートを一定の時間間隔で取り出し、等量の2×ホルムアミド停止ミックスと混 合することにより反応を急冷した。試料は20%変性ポリアクリルアミドゲルで 分離した。結果を定量し、切断された標的RNAのパーセンテージを時間の関数 としてプロットした。 図32を参照すると、U4位に6−メチル−ウリジン修飾を含むハンマーヘッ ドリボザイムは標的RNAを効率よく切断する。実施例20:6−メチル−ウリジンで置換したHHB−リボザイムのRNA切断 活性 部位Bを標的とするハンマーヘッドリボザイム(図33を参照されたい)を上 述のように固相合成を用いて合成した。U4およびU7位を6−メチル−ウリジ ンで修飾した。 RNA切断反応は上述のように実施した。図34を参照すると、U4およびU 7位に6−メチル−ウリジン修飾を含むハンマーヘッドリボザイムは、標的RN Aを効率よく切断する。実施例21:6−メチル−ウリジンで置換したHHCリボザイムのRNA切断活 部位Cを標的とするハンマーヘッドリボザイム(図35を参照されたい)を上 述のように固相合成を用いて合成した。U4およびU7位を6−メチル−ウリジ ンで修飾した。 RNA切断反応は上述のように実施した。図36を参照すると、U4位に6− メチル−ウリジン修飾を含むハンマーヘッドリボザイムは、標的RNAを効率よ く切断する。 図23、31、33、35および他のものに掲げられる配列およびこれらの図 に記載される修飾は、非限定的例を意味する。当業者は、アミノ酸、ペブチドお よびコレステロール等の(これらに限定されない)他の2’−ヒドロキシル基修 飾を含むリボザイムおよびRNAの変異体(塩基置換、削除、挿入、突然変異、 化学的修飾)を、当該技術分野において知られた技術を用いて容易に生成しうる こと、およびこれらも本発明の範囲に含まれることを理解するであろう。実施例22:6−メチル−U−置換リボザイムHHAによるラット平滑筋細胞増 殖の阻害 ハンマーヘッドリボザイム(HHA)は、c−myb mRNA中のユニーク 部位(部位A)を標的とする。c−myb蛋白質の発現は、ラット平滑筋細胞の 増殖に必須であることが示されている(Brown et al.,1992 J .Biol.Chem.267,4625)。 上述のc−mybRNA中の部位Aを切断したリボザイムを、その平滑筋細胞 増殖に及ぼす影響についてアッセイした。Stinchcomb et al. ,(上掲)に記載されるように、ラット血管平滑筋細胞を単離し、培養した。H HAリボザイムを脂質と複合体形成させ、ラット平滑筋細胞中に送達した。血清 飢餓細胞をStinchcomb et al.,(上掲)に記載されるように 刺激した。簡単には、血清飢餓平滑筋細胞をPBSで2回洗浄し、RNA/脂質 複合体を加えた。プレートを37℃で4時間インキュベートした。次に培養液を 除去し、10%FBS、添加物および10μMブロモデオキシウリジン(Brd U)を含むDMEMを加えた。いくつかのウエルにおいては、FBSを除いて非 刺激増殖のベースラインを決定した。プレートを37℃で20−24時間インキ ュベートし、100%メタノール中の0.3%H22で固定し、標準的方法によ りBrdU取り込みについて染色した。この方法においては、増殖してBrdU を取り込んだ細胞は茶色に染色され;非増殖細胞は淡紫色に対染色される。Br dU 陽性細胞およびBrdU陰性細胞の両方を顕微鏡下で計数した。ウエルあたり合 計300−600個の細胞を計数した。続く実験においては、BrdUを取り込 んだ全細胞のパーセンテージ(%細胞増殖)を示す。誤差は、二重ウエルの範囲 を表す。次に、%細胞増殖値から以下のようにして阻害のパーセントを計算する :%阻害=100−100(リボザイム−0%血清)/(対照−0%血清)。 図37を参照すると、HHAの4位で6−メチル−Uで置換された活性リボザ イムは、ラット平滑筋細胞増殖を首尾よく阻害した。コア中に2つの塩基置換を 有する触媒的に不活性なリボザイム(不活性HHA)(これらの突然変異はハン マーヘッドリボザイムを不活性化する;Stinchcomb et al., 上掲)は、ラット平滑筋細胞増殖を有意に阻害しない。実施例23:6−メチル−U置換リボザイムHHCによるヒト滑液繊維芽細胞に おけるストロメリシン生成の阻害 ハンマーヘッドリボザイム(HHC)は、ストロメリシンmRNA中のユニー ク部位(部位C)を標的とする。 一般的アッセイは、Draper et al.,(上掲)に記載のように行 った。簡単には、ストロメリシンを産生する繊維芽細胞を一夜血清飢餓とし、翌 日リボザイムまたは対照を細胞に与えた。細胞を無血清培地で維持した。リボザ イムを、遊離リボザイムとして、またはカチオン性脂質(トランスフェクタム(商 標)、リポフェクチン(商標)およびリポフェクタミン(商標)を含む)、慣用の リポソーム、非リン脂質リポソームまたは生分解性ポリマー等の種々の送達ベヒ クルと組み合わせて細胞に適用した。リボザイム添加のときに、または3時間後 までに、インターロイキン−1α(典型的には20ユニット/ml)を細胞に加 えて、ストロメリシン発現の大きな増加を誘導することができる。次に、ストロ メリシンの生成を経時的に、通常は24時間まで監視することができる。 IL−1誘導の16時間後に上清を回収し、ELISAによりストロメリシン 発現についてアッセイした。サンドイッチELISA(Maniatis et al.,上掲)において、マトリックスメタロプロテイナーゼ3に対するポリク ローナル抗体(Biogenesis,NH)を検出抗体として用い、抗ストロ メリシンモノクローナル抗体を捕捉抗体として用いて、ストロメリシン発現を測 定した。 図38を参照すると、6−メチル−U修飾を含むHHCリボザイムは、ストロ メリシン蛋白質生成のレベルの有意な減少をもたらした。触媒的に不活性なHH Cは、蛋白質レベルに対して有意な影響を及ぼさなかった。実施例24:ピリジン−2(4)−オン ヌクレオシド 3’−ホスホルアミダ イトの合成 1−(2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−D−リボフラノシル)−2(4 )−ピリドン(3)および(9)の製造の一般的方法 図39を参照すると、2−または4−ヒドロキシピリジン(1)または(8) (2.09g,22mmol)、1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベ ンゾイル−β−D−リボフラノース(2)(10.08g,20mmol)およ びBSA(5.5ml,22mmol)を70℃(油浴)でアルゴン下で乾燥ア セトニトリル(100ml)に溶解し、混合物を10分間撹拌した。トリメチル シリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSTfl)(5.5ml,28. 5mmol)を加え、混合物をさらに、1については1時間、8については4時 間撹拌した。次に、混合物を室温(RT)に冷却し、CHCl3(200ml) で希釈し、飽和水性NaHCO3溶液で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、 乾燥し(Na2SO4)、真空下で蒸発乾固させた。残渣はシリカゲルカラム上で クロマトグラフィーを行った。3の精製にはジクロロメタン中の1−5%メタノ ール勾配(収率98%)を、9の精製にはジクロロメタン中の2−10%メタノ ール勾配(収率84%)を用いた。1−(β−D−リボフラノシル)−2(4)−ピリドン(4)および(10) 3または9(18mmol)を0.3M NaOCH3(150ml)に溶解 し、溶液を室温で1時間撹拌した。次に、混合物をDowex 50WX8(P y+)で中和し、イオン交換剤を濾別し、濾液を真空下で濃縮してシロップとし た。残渣を水(100ml)に溶解し、溶液をクロロホルム(2×50ml)お よびエーテル(2×50ml)で洗浄した。水性層を蒸発乾固させ、次に残渣を 酢酸エチルから結晶化し(3.9g,91%4;Niedballa et a l.,Nucleic Acid Chemistry,Part 1,Tow nsend,L.B.and Tipson,R.S.,Ed.;J.Wile y & Sons,Inc.;New York,1978,p481−484 );10はエタノールから結晶化した(3.6g,84%)(Niedball a a 8−3671)。1−(2−O−TBDMSi−5−O−DMT−β−D−リボフラノシル)−2 (4)−ピリドン 標準的方法(Oligonucleotide Synthesis:A P ractical Approach,M.J.Gait Ed.;IRL P ress,Oxford,1984,p27を参照されたい)にしたがって4ま たは10を5’−O−ジメトキシトリチル化し、シリカゲルカラムクロマトグラ フィー(ジクロロメタン中0.5−10%メタノールの勾配)を行った後、5を 収率76%で、ピリジン−4−オン誘導体を収率67%で黄色泡状物として得た 。これらの化合物を、Hakimelahi et al.,Can.J.Ch em.1982,60,1106−1113に記載の条件下で塩化t−ブチルジ メチルシリルで処理し、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ キサン中20−50%酢酸エチルの勾配)により精製して、より速く移動する2 ’−O−TBDMSi異性体(それぞれ68.5%および55%)を無色泡状物 として得た。1−[2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル−3− O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト]−2( 4)−ピリドン(7)および(11) 1−(2−O−TBDMS−5−O−DMT−β−D−リボフラノシル)−2 (4)−ピリドンを、Tuschl et al.,Biochemistry 1993,32,11658−11668に記載された条件下でホスフィチル化 し、7についてはヘキサン中15−50%酢酸エチルの勾配(1%Et3N)を (収率89%)、11についてはジクロロメタン(1%Et3N)を用いて、生 成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離した(収率94%)。 ホスホルアミダイト7および11を、先に記載された(wincott et al.,1995,上掲)合成、脱保護、精製および試験方法を用いて、リボザ イムおよび基質中に取り込ませた。平均段階カップリング収率は約98%であっ た。実施例25:2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル −3−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト) −1−デオキシ−1−フェニル−β−D−リボフラノース(8)ホスホルアミダ イトの合成 5−O−t−ブチルジフェニルシリル−2,3−O−イソプロビリデン−1−デ オキシ−1−フェニル−β−D−リボフラノース(3) 図40を参照すると、Czemecki and Ville,J.Org. Chem.1989,54,610−612により記載された方法と同様の方法 を用いて化合物3を製造した。彼らの結果とは逆に、我々は、t−ブチルジメチ ルシリルのかわりに酸により耐性のt−ブチルジフェニルシリル基を5−O−保 護に用いることにより、表題化合物を得ることに成功した。1−デオキシ−1−フェニル−β−D−リボフラノース(5) 化合物3(1g,2.05mmol)をTHF(20ml)に溶解し、溶液を THF中の1M TBAF(3ml,3mmol)と混合した。反応混合物を室 温で30分間撹拌し、次に蒸発させてシロップとした。残渣をシリカゲルカラム に負荷し、ヘキサン、続いてヘキサン中5−70%酢酸エチルの勾配で溶出した 。5−O−脱シリル化生成物を無色泡状物として得た(0.62g,収率88% )。この物質を70%酢酸に溶解し、100℃(湯浴)で30分間加熱した。減 圧下で蒸発乾固させ、残留シロップをトルエンから結晶化させて、5を得た(0 .49g,収率94%)、mp12O−121℃。2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル−1−デオキ シ−1−フェニル−β−D−リボフラノース(7) 化合物5(770mg,3.66mmol)を標準的方法(Oligonuc leotide Synthesis:A Practical Approa ch,M.J.Gait Ed.;IRL Press,Oxford,198 4,p27)にしたがって5−O−ジメトキシトリチル化して、1.4g(収率 75%)の5−O−ジメトキシトリチル誘導体を黄色泡状物として得、続いてシ リカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0.5−2%メタノール の勾配)を行った。この物質をHakimelahi et al.,Can. J.Chem.1982,60,1106−1113に記載される条件下で塩化 t−ブチルジメチルシリルで処理し、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー(ヘキサン中2−10%酢酸エチルの勾配)により精製して、より遅く 移動する2’−O−TBDMSi異性体7(0.6g,収率35%)を無色泡状 物として得た。より速く移動する3’−O−TBDMSi異性体6もまた単離し た(0.55g,収率32%)。2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−( 2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト)−1−デオキ シ−1−フェニル−β−D−リボフラノース(8) 化合物7(0.87g,1.39mmol)を、Tuschl et al. ,上掲に記載される条件下でホスフィチル化し、溶出にトルエン中0.5%酢酸 エチル(1%Et3N)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより生 成物を単離した(0.85g,収率74%)。実施例26:シュードウリジン、3−メチルウリジンおよび2,4,6−トリメ トキシベンゼンヌクレオシドホスホルアミダイトの合成 ホスホルアミダイトは、シュードウリジン、3−メチルウリジンまたは2,4 ,6−トリメトキシベンゼンヌクレオシド(Gasparutto et al .,Nucleic Acids Res.1992 20,5159−516 6;Kalvoda and Farkas,Nucleic Acid Ch emistry,Part 1,Townsend,L.B.and Tips on,R.S.,Ed.;J.Wiley&Sons,Inc.;New Yo rk,1978,p481−484)から出発して、以下に記載する標準的プロ トコルにより製造することができる(図41)。 TBDMS基の導入の一般的方法:50mLの乾燥THFおよびピリジン(4 eq)中の保護ヌクレオシドの撹拌溶液に、AgNO3(2.4eq)を加えた 。10分後、塩化tert−ブチルジメチルシリル(1.5eq)を加え、反応 混 合物を室温で12時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過して100mLの5%水 性NaHCO3中に入れた。溶液をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し た。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発させた。残 渣をシリカゲル上でヘキサン−酢酸エチル(3:2)混合物を溶出液として用い るフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。 ホスフィチル化の一般的方法:乾燥ジクロロメタン(20mL)中の保護ヌク レオシド(1mmol)の氷冷撹拌溶液に、ジクロロメタン(3mL)中のN, N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5eq)および2−シアノエチルN’N −ジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(1.2eq)の予め混合した溶液 をアルゴンブランケット下でシリンジを用いて滴加した。 同時に、別のシリンジで、N−メチルイミダゾール(1eq)を加え、室温で 2時間撹拌を続けた。その後、反応混合物を再び氷冷し、15mlの乾燥メタノ ールで急冷した。5分間撹拌した後、混合物を真空下で(<40℃)濃縮し、シ リカゲル上で1%トリエチルアミンを含むヘキサン−酢酸エチル混合物を溶出液 として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するホスホル アミダイトを白色泡状物として得た。 シュードウリジン、3−メチルウリジンまたは2,4,6−トリメトキシベン ゼンホスホルアミダイトは、Wincott et al,1995上掲に記載 のように、固相合成を用いてリボザイム中に取り込ませた。リボザイムは、シュ ードウリジンを有するリボザイムを除き、上述の標準的プロトコルを用いて脱保 護した。シュードウリジン修飾リボザイムは、エタノール性アンモニア(3:1 )の混合物中で、55℃、24時間のかわりに、まず室温でインキュベーション することにより脱保護した。実施例27:ジヒドロウリジンホスホルアミダイトの合成 図42を参照すると、ジヒドロウリジンホスホルアミダイトを、Chaix et al,1989 Nucleic Acid Res.17,7381− 7393に記載される方法に基づいて、所定の改良を加えて合成した。 i.ウリジン(1;10g,41mmol)を200mlの蒸留水に溶解し、 この溶液に2gのRh(アルミナ上10%)を加えた。スラリーを水素60ps iとし、水素化を16時間続けた。UV吸収物質の消失により反応を監視した。 出発物質はすべてジヒドロウリジン(DHU)およびテトラヒドロウリジン(N MRに基づいて2:1)に転換された。テトラヒドロウリジンはこの段階では除 去しなかった。 ii.ジヒドロウリジン(2;10g,41mmol)を400mlの乾燥ピ リジンに溶解した。ジメチルアミノピリジン(0.244g,2mmol)、ト リエチルアミン(7.93ml,56mmol)、および塩化ジメトキシトリチ ル(16.3g,48mmol)を加え、アルゴン下で一夜撹拌した。反応を5 0mlのメタノールで急冷し、400mの15%炭酸水素ナトリウムで、次に4 00mlのブラインで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次 に乾燥して泡状物とした。5’−DMT−DHU(3)は、シリカゲルクロマト グラフィー(ジクロロメタン中0.5−5%メタノール勾配)により精製した。 最終収量=9g;16.4mmol。 iii.5’−DMT−DHU(3;9.0g,16.4mmol)を150 mlの乾燥THFに溶解した。ピリジン(4.9ml,60mmol)および硝 酸銀(3.35g,19.7mmol)を室温で加え、アルゴン下で10分間撹 拌し、次に塩化tert−ブチルジメチルシリル(tBDMS−Cl;3.0g ,19.7mmol)を加え、スラリーをアルゴン下で一夜撹拌した。反応溶液 をセライトを通して濾過して500mlの水性5%炭酸水素ナトリウム中に入れ 、次に200mlのクロロホルムで抽出した。有機相を250mlのブラインで 洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次に蒸発させて黄色泡状物とした。2’−t BDMS,5’−DMT−DHU(5)は、シリカゲルクロマトグラフィーによ り3’−tBDMS,5’−DMT−DHU(4)から精製し(ヘキサン中10 −50%エーテルの勾配)、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次に乾燥して白 色粉末とした。最終収量=5.1g;7.7mmol。生成物を高真空下に48 時間保持した。 iv.5’−DMT,2’−tBDMS−DHU(5;2.10g,3.17 mmol)を40ml無水ジクロロメタンに溶解した。N,N−ジメチルアミノ ピリジン(2.21ml,12.7mmol)、N−メチルイミダゾール(1. 27ml,1.59mmol)、およびクロロ−ジイソプロピルシアノエチルホ スホルアミダイト(1.2ml,5.22mmol)を加え、反応溶液をアルゴ ン下で3時間撹拌した。反応を4mlの無水メタノールで急冷し、次に蒸発させ て油状物とした。最終生成物(6)は、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロ ロメタン中0−1%エタノール;1%トリエチルアミン)により精製した。最終 収量=2.2g;2.5mmol。 ジヒドロウリジンは、Wincott et al.,1995(上掲)に記 載されるようにして、改良を加えて、固相合成を用いてリボザイム中に取り込ま せた。すなわち、ヌクレオシドオキサリルポリスチレン誘導化支持体(Alul et.al.,Nucleic Acids Res.,1991,19,15 27−1532)を用いた。ジヒドロウリジン置換を含むリボザイムを、無水エ タノール中30%メチルアミンを用いて室温で15分間脱保護し、次に無水TH F中のフッ化tert−ブチル−アンモニウムで室温で24時間処理した。実施例28:2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル −3−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト) −1−デオキシ−1−ナフチル−β−D−リボフラノース(7)ホスホルアミダ イトの合成 1−デオキシ−1−ナフチル−β−D−リボフラノース(4) 図45を参照すると、表題化合物は、Ohrui et al.,Agr.B iol.Chem.1972,36,1651−1653の方法にしたがって、 ナフタレン1およびテトラ−O−アセチル−β−D−リボフラノース2から合成 した。2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−( 2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト)−1−デオキ シ−1−ナフチル−β−D−リボフラノース(7) 7は、4から3段階で合成した:a)4,4’−ジメトキシトリチルトリフレ ートを用いる5’−O−ジメトキシトリチル化、続いてクロマトグラフィーによ るαおよびβアノマーそれぞれの分離;b)2’−O−シリル化はHakime lahi et al.,1982(上掲)に記載のように実施した(収率32%) ; c)3’−O−ホスフィチル化は、本質的にTuschl et al.,19 93(上掲)に記載のように実施した(収率85%)。 このホスホルアミダイトは、Wincott et al.,1995(上掲 )に記載のように、固相合成を用いてリボザイム中に取り込ませる。ナフチル置 換を含むリボザイムを上述の標準的プロトコルを用いて脱保護した。実施例29:2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル −3−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト) −1−デオキシ−1−(p−アミノフェニル)−β−D−リボフラノースホスホ ルアミダイトの合成 5−O−t−ブチルジフェニルシリル−2,3−O−イソプロピリデン−1−デ オキシ−1−(p−ブロモフェニル)−β−D−リボフラノース(3) 図46を参照すると、3は、4−ブロモ−1−リチオベンゼンおよびt−ブチ ルジフェニルシリル−2,3−O−イソプロピリデン−D−リボノ−1,4−ラ クトンから、Czernecki and Ville,J.Org.Chem .1989,54,610−612に記載の方法と同様の方法を用いて製造した 。彼らの結果とは逆に、我々は、5−O−保護にt−ブチルジメチルシリルのか わりに酸により耐性のt−ブチルジフェニルシリル基を用いることにより、表題 化合物を得ることに成功した。5−O−t−ブチルジフェニルシリル−2,3−O−イソプロピリデン−1−デ オキシ−1−(p−アミノフェニル)−β−D−リボフラノース(5) 化合物3は、Piccirilli et al.Helv.Chim.Ac ta 1991,74,397−406に記載のように、液体アンモニアおよび Culを用いてアミノ化して、表題化合物を収率63%で得た。5−O−t−ブチルジフェニルシリル−2,3−O−イソプロピリデン−1−デ オキシ−1−[p−(N−TFA)アミノフェニル]−β−D−リボフラノース (6) 乾燥ピリジン(20ml)中の5(1.2g,2.88mmol)を無水トリ フルオロ酢酸(0.5ml,3.6mmol)で0℃で1時間処理した。次に、 反応混合物をメタノール(5ml)で急冷し、蒸発させてシロップとした。シロ ップを5%水性NaHCO3とジクロロメタンとの間に分配し、有機層を乾燥し (Na2SO4)、減圧下で蒸発乾固させた。この物質をさらに精製することなく 次の段階で用いた。1−デオキシ−1−[p−(N−TFA)アミノフェニル]−β−D−リボフラ ノース(7) 表題化合物は、脱保護フェニル類似体の合成と同一の方法により6から製造し た(5’−O−脱シリル化および2’,3’−O−イソプロピリデン基の切断に ついての総収率82%)。2−O−t−ブチルジメチルシリル−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−( 2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト)−1−デオキ シ−1−[p−(N−TFA)アミノフェニル]−β−D−リボフラノース(1 0) フェニル類似体の場合と同一の3段階の順番を用いて、7から10を総収率3 2%で得た。 このホスホルアミダイトは、Wincott et al.,1995(上掲 )に記載されるように、固相合成を用いてリボザイム中に取り込ませた。アミノ フェニル置換を含むリボザイムは、上述の標準的プロトコルを用いて脱保護した 。実施例30:修飾塩基で置換されたHH−Bにより触媒されるRNA切断反応 部位Bを標的とするハンマーヘッドリボザイム(図43Aを参照されたい)を 上述のように固相合成を用いて合成した。U4およびU7位を図43Bに示され る種々の塩基修飾で置換した。 RNA切断反応は上述のように実施した。図43Bを参照すると、4位および 7位に塩基修飾を含むハンマーヘッドリボザイムは、様々な程度の効率で標的R NAを切断した。7位における塩基修飾のあるものは、その位置における標準的 塩基と比較して、ハンマーヘッドリボザイムの触媒効率を増強するようである( 図43B,ピリジン−4−オン、フェニルおよび3−メチルU修飾を参照された い)。 7位にピリジン−4−オン置換またはフェニル置換のいずれかを有するHH− Bリボザイムをさらに特徴づけした(図44)。7位にピリジン−4−オン修飾 を有するHH−Bリボザイムは、7位にUを有するリボザイムと比較して、10 倍高いkcatでRNAを切断するようである(図44Aと44Bを比較されたい) 。7位にフェニル基を有するHH−Bリボザイムは、7位にUを有するハンマー ヘッドリボザイムより3倍高いkcatでRNAを切断する(図44Cを参照され たい)。 図23、31、33、35、43に掲げられる配列およびこれらの図に記載さ れる修飾は、非限定的例を意味する。当業者は、アミノ酸、ペプチドおよびコレ ステロール等の(これらに限定されない)他の2’−ヒドロキシル基修飾を含む リボザイムおよびRNAの変異体(塩基置換、削除、挿入、突然変異、化学的修 飾)が、当該技術分野において知られた技術を用いて容易に生成しうること、お よびこれらも本発明の範囲内であることを認識するであろう。実施例31:2’デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド 表D2は、短い基質に対するインビトロでの特定の触媒パラメーター(tAおよ びtS)および示される修飾触媒的核酸のヒト血清中における安定性の概要であ る。U4およびU7は、図1に示されるウラシル塩基を表す。2’位における修 飾が表に示される。 図47は、ハンマーヘッドモチーフの塩基の番号づけを示し、ここではハンマ ーヘッドリボザイム中の種々のヌクレオチドの番号づけが与えられる。図47を 参照すると、ハンマーヘッドリボザイムの触媒コアの5’−から3’−方向の好 ましい配列はCUGANGAG CGAAA[と塩基対形成]である。本発明に おいては、ハンマーヘッドリボザイムの触媒活性および/またはヌクレアーゼ耐 性を維持または増強する2’−C−アルキル置換ヌクレオチドの使用が記載され る。任意のヌクレオチドを図48に示される任意の修飾ヌクレオチドで置換する ことが可能であるが、そしてこれらは実際に合成されたが、主として選択された 置換を有する2’−O−Meヌクレオチドからなる基本構造が、最大の触媒活性 を維持するために(Yang et al.Biochemistry 199 2,31,5005−5009およびPaolella et al.EMBO J.1992,11,1913−1919)、および合成の容易さのために選択 された。しかし、これらは本発明を限定するものではない。 図47および表D2からのリボザイムを合成し、触媒活性およびヌクレアーゼ 耐性についてアッセイした。8および17を除き、全ての修飾リボザイムは、野 生型の触媒活性の少なくとも1/10を維持していた。表D2から、すべての2 ’修飾リボザイムは、ヒト血清(示されている)および以下に示される他の体液( 実施例3、データは示されていない)において、安定性の非常に大きくかつ有意 の増加を示した。最も強いヌクレアーゼ活性の順番は、ウシ胎児血清>ヒト血清 >ヒト血漿>ヒト滑液であった。これらの2’−置換の安定性および活性に及ぼ す影響の総合的な測定として、比βを計算した(表D2)。このβ値は、試験し た全ての修飾リボザイムが総合的な安定性および活性について有意な(100倍 より高い−1700倍より高い)増加を有することを示した。このようなβの増 加は、これらの修飾リボザイムのインビボでの寿命が有意に増加し、このことに よりより強い生物学的効果がもたらされるであろうことを示す。 図48からの2’−修飾ヌクレオチドのより一般的な置換もまた、得られた修 飾リボザイムのt1/2を増加させた。しかし、これらのリボザイムの触媒活性は 10倍より大きく低下した。 図53においては、化合物37は誘導化2’−C−アルキルホスホルアミダイ トを製造するための一般的中間体として用いることができる(式中、XはCH3 またはアルキル、または上述した他の基である)。 以下は、2’−C−アルキル置換ホスホルアミダイトを用いる核酸の合成、ア ミダイトの合成、およびこれらの酵素的活性およびヌクレアーゼ耐性についての 試験を示す別の非限定的例である。これらの例は、図48−54に図解される。実施例32:2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチドおよび他の2’修飾 ヌクレオチドを含むハンマーヘッドリボザイムの合成 用いた合成方法は、一般に、Usman,N.;Ogilvie,K.K.; Jiang,M.−Y.;Cedergren,R.J.,J.Am.Chem .Soc.1987,109,7845−7854およびScaringe,S .A.;Franklyn,C.;Usman,N.,Nucleic Aci ds Res.1990,18,5433−5441に記載される通常のRNA 合成の方法にしたがい、慣用の核酸保護基およびカップリング基、例えば5’末 端にジメトキシトリチル、および3’末端にホスホルアミダイトを用いた(化合 物10、12、17、22、31、18、26、32、36および38)。他の 2’修飾ホスホルアミダイトは、次のものにしたがって製造した。3および4: Eckstein et al.国際公開WO92/07065;および5:K ois et al.Nucleosides & Nucleotides 1993,12,1093−1109。平均段階カップリング収率は約98%で あった。図5に示されるように、2’−置換ホスホルアミダイトをハンマーヘッ ドリボザイム中に取り込ませた。しかし、これらの2’−アルキル置換ホスホル アミダイトは、ハンマーヘッドリボザイムのみならず、ヘアピン、デルタ肝炎ウ イルス、グループIまたはグループIIイントロンの触媒的核酸に、またはアン チセンスオリゴヌクレオチドに取り込ませることができる。したがって、これら は、任意の核酸構造において一般的に使用しうる。実施例33:リボザイム活性アッセイ 精製5’末端標識RNA基質(15−25mer)および精製5’末端標識リ ボザイム(〜36mer)を別々にいずれも95℃に加熱し、氷上で急冷し、3 7℃で平衡化した。リボザイム保存溶液は、1mM、200nM、40nMまた は8nMであり、最終基質RNA濃度は、約1nMであった。総反応容量は50 mLであった。アッセイ緩衝液は、50mM Tris−Cl、pH7.5およ び10mM MgCl2であった。反応は基質とリボザイム溶液とをt=0にお いて混合することにより開始した。1、5、15、30、60および120分の 時点において5mLのアリコートを取り除いた。それぞれの時点のアリコートを ホルムアミド負荷緩衝液中で急冷し、分析のために15%変性ポリアクリルアミ ドゲルに負荷した。定量的分析は、ホスファーイメージャー(Molecula r Dynamics)を用いて実施した。実施例34:安定性アッセイ 500pmolのゲル精製5’末端標識リボザイムをエタノール中で沈殿させ 、遠心分離によりペレット化した。それぞれのペレットを、室温で20秒間ボル テックスすることにより、20mLの適当な液体(ヒト血清、ヒト血漿、ヒト滑 液またはウシ胎児血清)中に懸濁させた。試料を37℃のインキュベーター中に 置き、0、15、30、45、60、120、240および480分のインキュ ベート後に、2mLのアリコートを回収した。95%ホルムアミドおよび0.5 ×TBE(50mM Tris、50mMホウ酸、1mM EDTA)を含む2 0mLの溶液にアリコートを加えて、さらなるヌクレアーゼ活性を急冷し、ゲル に負荷するまで試料を凍結した。リボザイムは、20%アクリルアミド/8M尿 素ゲル中で電気泳動によりサイズ分画した。ホスファーイメージャー(Mole cular Dynamics)でバンドをスキャンすることによりそれぞれの 時点における無傷のリボザイムの量を定量し、無傷のリボザイムのパーセンテー ジをインキュベーション時間に対してプロットし、グラフを外挿することにより 、それぞれのリボザイムの半減期を決定した。実施例35:3’,5’−O−(テトライソプロピル−ジシロキサン−1,3− ジイル)−2’−O−フェノキシチオカルボニル−ウリジン(7) 3’,5’−O−(テトライソプロピル−ジシロキサン−1,3−ジイル)− ウリジン、6(15.1g,31mmol,Nucleic Acid Che mistry,ed.Leroy Townsend,1986 pp.229 −231にしたがって合成)およびジメチルアミノピリジン(7.57g,62 mmol)の撹拌溶液に、50mLのアセトニトリル中のフェニルクロロチオノ ホルメート(5.15mL,37.2mmol)の溶液を滴加し、反応溶液を8 時間撹拌した。TLC(EtOAc:ヘキサン/1:1)は出発物質の消失を示 した。反応混合物を蒸発させ、残渣をクロロホルムに溶解し、水およびブライン で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、蒸発乾固させた。残渣 をシリカゲル上でEtOAc:ヘキサン/2:1を溶出液として用いるフラッシ ュクロマトグラフィーにより精製して、16.44g(85%)の7を得た。実施例36:3’,5’−O−(テトライソプロピル−ジシロキサン−1.3− ジイル)−2’−C−アリル−ウリジン(8) 乾燥トルエン中の3’,5’−O−(テトライソプロピル−ジシロキサン−1 ,3−ジイル)−2’−O−フェノキシチオカルボニル−ウリジン、7(5g, 8.03mmol)およびアリルトリブチルチン(12.3mL,40.15m mol)のアルゴン下で還流している溶液に、過酸化ベンゾイル(0.5g)を 1時間かけて少しずつ加えた。得られた混合物をアルゴン下でさらに7−8時間 還流させた。次に反応溶液を蒸発させ、生成物8をシリカゲル上でEtOAc: ヘキサン/1:3を溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精 製した。収量2.82g(68.7%)。実施例37:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−ウリジン(9 10mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中の8(1.25g,2.45 mmol)の溶液を、THF中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液(3 .7mL)で室温で10分間処理した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリ カゲルカラムに負荷し、ILのクロロホルムで洗浄し、所望の脱保護化合物をク ロロホルム:メタノール/9:1で溶出した。適当な画分を合わせ、溶媒を蒸発 により除去し、残渣を乾燥ピリジンと共蒸発させることにより乾燥させた。油状 残渣を乾燥ピリジンに再溶解し、塩化ジメトキシトリチル(1.2eq)を加え 、反応混合物を無水状態に一夜放置した。反応をメタノール(20mL)により 急冷し、蒸発させ、クロロホルムに溶解し、5%水性炭酸水素ナトリウムおよび ブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をシ リカゲル上で、EtOAc:ヘキサン/1:1を溶出液として用いるフラッシュ ク ロマトグラフィーにより精製して、0.85g(57%)の9を白色泡状物とし て得た。実施例38:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−ウリジン−3 ’−(2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト)(10) 5’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−ウリジン(0.64g, 1.12mmol)を乾燥アルゴン下で乾燥ジクロロメタンに溶解した。N,N −ジイソプロピルエチルアミン(0.39mL,2.24mmol)を加え、溶 液を氷冷した。2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホルアミダ イト(0.35mL,1.57mmol)を撹拌した反応溶液に滴加し、室温で 撹拌を2時間続けた。次に反応混合物を氷冷し、12mLの乾燥メタノールで急 冷した。5分間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮し(40℃)、シリカゲル上 で1%トリエチルアミンを含むヘキサン中10−60%EtOAc勾配の混合物 を溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:0 .78g(90%)、白色泡状物。実施例39:3’,5’−O−(テトライソプロピル−ジシロキサン−1,3− ジイル)−2’−C−アリル−N4−アセチル−シチジン(11) トリエチルアミン(6.35mL,45.55mmol)を50mLの無水ア セトニトリル中の1,2,4−トリアゾール(5.66g,81.99mmol )およびオキシ塩化リン(0.86mL,9.11mmol)の撹拌氷冷混合物 に滴加した。得られた懸濁液に、30mLのアセトニトリル中の3’,5’−O −(テトライソプロピル−ジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−C−アリル ウリジン(2.32g,4.55mmol)の溶液を滴加し、反応混合物を室温 で4時間撹拌した。反応溶液を真空下で最小容量まで濃縮した(乾固させない) 。残渣をクロロホルムに溶解し、水、飽和水性炭酸水素ナトリウムおよびブライ ンで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空下で除去した。得 られた泡状物を50mLの1,4−ジオキサンに溶解し、29%水性NH4OH で室温で一夜処理した。TLC(クロロホルム:メタノール/9:1)は、出発 物質の完全な転換を示した。溶液を蒸発させ、無水ピリジンと共蒸発させること により乾燥し、ピリジン中の無水酢酸(0.52mL,5.46mmol)で一 夜 アセチル化した。反応混合物をメタノールで急冷し、蒸発させ、残渣をクロロホ ルムに溶解し、炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナ トリウムで乾燥し、蒸発乾固させ、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィ ー(クロロホルム中3%MeOH)により精製した。収量2.3g(90%)、 白色泡状物。実施例40:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−N4−アセチ ルシチジン この化合物は、ウリジン誘導体9と同様にして、収率55%で得られた。実施例41:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−N4−アセチ ル−シチジン3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミ ダイト)(12) 2’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−N4−アセチルシチジン (0.8g,1.31mmol)をアルゴン下で乾燥ジクロロメタンに溶解した 。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.46mL,2.62mmol)を 加え、溶液を氷冷した。2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホ ルアミダイト(0.38mL,1.7mmol)を撹拌反応溶液に滴加し、室温 で2時間撹拌を続けた。次に反応混合物を氷冷し、12mLの乾燥メタノールで 急冷した。5分間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮し(40℃)、シリカゲル 上で2%トリエチルアミンを含むクロロホルム:エタノール/98:2の混合物 を溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:0 .91g(85%)、白色泡状物。実施例42:2’−デオキシ−2’−メチレン−ウリジン THF(20mL)に溶解した2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’ −O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン14( Hansske,F.;Madej,D.;Robins,M.J.Tetra hedron 1984,40,125およびMatsuda,A.;Take nuki,K.;Tanaka,S.;Sasaki,T.;Ueda,T.J .Med.Chem.1991,34,812)(2.2g,4.55mmol )をTHF(10mL)中の1M TBAFで20分間処理し、真空下で濃縮し た。 残渣を石油エーテル中で砕き、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行っ た。2’−デオキシ−2’−メチレン−ウリジン(1.0g,3.3mmol, 72.5%)は、CH2Cl2中の20%MeOHで溶出された。実施例43:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メチレン−ウリジン( 15) 2’−デオキシ−2’−メチレン−ウリジン(0.91g,3.79mmol )をピリジン(10mL)に溶解し、ピリジン(10mL)中のDMT−Clの 溶液を15分間かけて滴加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、Me OH(2mL)を加えて反応を急冷した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をCH2 Cl2(100mL)中に取り、飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄し た。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、EtOAc:ヘキサン を溶出液として用いてシリカゲルカラムにより精製して、15(0.43g,0 .79mmol,22%)を得た。実施例44:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メチレン−ウリジン3 ’−(2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト)(17) 乾燥CH2Cl2(15mL)中に溶解した1−(2’−デオキシ−2’−メチ レン−5’−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)−ウラシル( 0.43g,0.8mmol)をアルゴン下で丸底フラスコ中に入れた。ジイソ プロピルエチルアミン(0.28mL,1.6mmol)を加え、続いて2−シ アノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(0.25mL, 1.12mmol)を滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、エタノール (1mL)で急冷した。10分後混合物を真空下で(40℃)蒸発させてシロッ プとした。生成物(0.3g,0.4mmol,50%)はシリカゲル上で1% トリエチルアミンを含むヘキサン中25−70%EtOAc勾配を溶出液として 用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。Rf 0.42( CH2Cl2:MeOH 15:1)。実施例45:2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−3’,5’−O−( テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン 2’−ケト−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3− ジイル)ウリジン14(1.92g,12.6mmol)およびトリフェニルホ スフィン(2.5g,9.25mmol)をジグリム(20mL)に溶解し、1 60℃の湯浴温度に加熱した。ジグリム(50mL)中のクロロジフルオロ酢酸 ナトリウムの温溶液(60℃)を約1時間かけて加えた(平衡滴下ロートから滴 加)。得られた混合物をさらに2時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をCH2 Cl2に溶解し、シリカゲル上でクロマトグラフィーを行った。2’−デオキシ −2’−ジフルオロメチレン−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキ サン−1,3−ジイル)−ウリジン(3.1g,5.9mmol,70%)は、 EtOAc中25%ヘキサンにより溶出された。実施例46:2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−ウリジン THF(20mL)に溶解した2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’ −O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン(3. 1g,5.9mmol)をTHF(10mL)中の1M TBAFで20分間処 理し、真空下で濃縮した。残渣を石油エーテル中で砕き、シリカゲルカラム上で クロマトグラフィーを行った。2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−ウ リジン(1.1g,4.0mmol,68%)は、CH2Cl2中20%MeOH で溶出された。実施例47:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン− ウリジン(16) 2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−ウリジン(1.1g,4.0m mol)をピリジン(10mL)に溶解し、ピリジン(10mL)中のDMT− Cl(1.42g,4.18mmol)の溶液を15分間かけて滴加した。得ら れた混合物を室温で12時間撹拌し、MeOH(2mL)を加えて反応を急冷し た。混合物を真空下で濃縮し、残渣をCH2Cl2(100mL)中に取り、飽和 NaHCO3、水およびブラインで洗浄した。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、 真空下で濃縮し、シリカゲルカラム上で40%EtOAc:ヘキサンを溶出液と して用いて精製し、5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチ レン−ウリジン16(1.05g,1.8mmol,45%)を得た。実施例48:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン− ウリジン3’−(2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト )(18) 乾燥CH2Cl2(15mL)中に溶解した1−(2’−デオキシ−2’−ジフ ルオロメチレン−5’−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)ウ ラシル(0.577g,1mmol)をアルゴン下で丸底フラスコに入れた。ジ イソプロピルエチルアミン(0.36mL,2mmol)を加え、続いて2−シ アノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(0.44mL, 1.4mmol)を滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、エタノール( 1mL)で急冷した。10分後、混合物を真空下で(40℃)蒸発させてシロッ プとした。生成物(0.404g,0.52mmol,52%)は、シリカゲル 上で1%トリエチルアミンを含むヘキサン中20−50%EtOAc勾配を溶出 液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。Rf 0.48 (CH2Cl2:MeOH/15:1)。実施例49:2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’−O−(テトライソ プロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−4−N−アセチル−シチジン(20 トリエチルアミン(4.8mL,34mmol)を、0℃において、アセトニ トリル(20mL)中のPOCl3(0.65mL,6.8mmol)および1 ,2,4−トリアゾール(2.1g,30.6mmol)の溶液に加えた。アセ トニトリル(20mL)中の2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’−O −(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ウリジン19(1.6 5g,3.4mmol)の溶液を上述の反応混合物に滴加し、室温で4時間撹拌 した。混合物を真空下で濃縮し、CH2Cl2(2×100mL)に溶解し、5% NaHCO3(1×100mL)で洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し 、真空下で濃縮し、ジオキサン(10mL)および水性アンモニア(20mL) に溶解した。混合物を12時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣を無水ピリジン (2×20mL)と共沸させた。ピリジンに溶解した残渣に無水酢酸(3mL) を加え、室温で4時間撹拌し、飽和NaHCO3(5mL)で急冷した。混合物 を真空下で濃縮し、CH2Cl2(2×100mL)に溶解し、5%NaHCO3 (1×100mL)で洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、真空下で濃 縮し、 残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った。2’−デオキシ−2’−メ チレン−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル )−4−N−アセチルシチジン20(1.3g,2.5mmol,73%)はヘ キサン中20%EtOAcで溶出された。実施例50:1−(2’−デオキシ−2’−メチレン−5’−O−ジメトキシト リチル−β−D−リボフラノシル)−4−N−アセチル−シトシン(21) THF(20mL)に溶解した2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’ −O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−4−N−アセチ ル−シチジン20(1.3g,2.5mmol)をTHF(3mL)中の1M TBAFで20分間処理し、真空下で濃縮した。残渣を石油エーデル中で砕き、 シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行った。2’−デオキシ−2’−メ チレン−4−N−アセチル−シチジン(0.56g,1.99mmol,80% )は、CH2Cl2中10%MeOHで溶出された。2’−デオキシ−2’−メ チレン−4−N−アセチル−シチジン(0.56g,1.99mmol)をピリ ジン(10mL)に溶解し、ピリジン(10mL)中のDMT−Cl(0.81 g,2.4mmol)の溶液を15分間かけて滴加した。得られた混合物を室温 で12時間撹拌し、MeOH(2mL)を加えて反応を急冷した。混合物を真空 下で濃縮し、残渣をCH2Cl2(100mL)中に取り、飽和NaHCO3(5 0mL)、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機抽出物 をMgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルカラム上でEtOAc:ヘ キサン/60:40を溶出液として用いて精製して、21(0.88g,1.5 mmol,75%)を得た。実施例51:1−(2’−デオキシ−2’−メチレン−5’−O−ジメトキシト リチル−β−D−リボフラノシル)−4−N−アセチル−シトシン3’−(2− シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト(21) 乾燥CH2Cl2(10mL)中に溶解した1−(2’−デオキシ−2’−メチ レン−5’−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)−4−N−ア セチル−シトシン21(0.88g,1.5mmol)をアルゴン下で丸底フラ スコ中に入れた。ジイソプロピルエチルアミン(0.8mL,4.5mmol) を加え、続いて2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホルアミダ イト(0.4mL,1.8mmol)を滴加した。反応混合物を室温で2時間撹 拌し、エタノール(1mL)で急冷した。10分後、混合物を真空下で(40℃ )蒸発させてシロップとした。生成物22(0.82g,1.04mmol,6 9%)をシリカゲル上で1%トリエチルアミンを含むヘキサン中50−70%E tOAc勾配を溶出液として用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し た。Rf 0.36(CH2Cl2:MeOH/20:1)。実施例52:2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−3’,5’−O−( テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−4−N−アセチル−シチ ジン(24) Et3N(6.9mL,50mmol)を、0℃において、アセトニトリル( 20mL)中のPOCl3(0.94mL,10mmol)および1,2,4− トリアゾール(3.1g,45mmol)の溶液に加えた。アセトニトリル(2 0mL)中の2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−3’,5’−O−( テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ウリジン23([実施例4 5に記載]2.6g,5mmol)の溶液を上述の反応混合物に滴加し、室温で 4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、CH2Cl2(2×100mL)に溶 解し、5%NaHCO3(1×100mL)で洗浄した。有機抽出物をNa2SO4 で乾燥し、真空下で濃縮し、ジオキサン(20mL)および水性アンモニア( 30mL)に溶解した。混合物を12時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣を無 水ピリジン(2×20mL)と共沸させた。ピリジンに溶解した残渣に無水酢酸 (5mL)を加え、室温で4時間撹拌し、飽和NaHCO3(5mL)で急冷し た。混合物を真空下で濃縮し、CH2Cl2(2×100mL)に溶解し、5%N aHCO3(1×100mL)で洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、 真空下で濃縮し、残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った。2’−デ オキシ−2’−ジフルオロメチレン−3’,5’−O−(テトライソプロピルジ シロキサン−1,3−ジイル)−4−N−アセチル−シチジン24(2.2g, 3.9mmol,78%)は、ヘキサン中20%EtOAcで溶出された。実施例53:1−(2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−5’−O−ジ メトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)−4−N−アセチル−シトシン( 25) THF(20mL)に溶解した2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン− 3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−4− N−アセチル−シチジン24(2.2g,3.9mmol)を、THF(3mL )中の1M TBAFで20分間処理し、真空下で濃縮した。残渣を石油エーテ ル中で砕き、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行った。2’−デオキ シ−2’−ジフルオロメチレン−4−N−アセチル−シチジン(0.89g,2 .8mmol,72%)はCH2Cl2中10%MeOHで溶出された。2’−デ オキシ−2’−ジフルオロメチレン−4−N−アセチル−シチジン(0.89g ,2.8mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、ピリジン(10mL)中 のDMT−Cl(1.03g,3.1mmol)の溶液を15分間かけて滴加し た。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、MeOH(2mL)を加えて反応 を急冷した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をCH2Cl2(100mL)中に取 り、飽和NaHCO3(50mL)、水(50mL)およびブライン(50mL )で洗浄した。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲル カラム上でEtOAc:ヘキサン/60:40を溶出液として用いて精製して、 25(1.2g,1.9mmol,68%)を得た。実施例54:1−(2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−5’−O−ジ メトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)−4−N−アセチルシトシン3’ −(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト)(26) 乾燥CH2Cl2(10mL)に溶解した1−(2’−デオキシ−2’−ジフル オロメチレン−5’−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)−4 −N−アセチルシトシン25(0.6g,0.97mmol)をアルゴン下で丸 底フラスコ中に入れた。ジイソプロピルエチルアミン(0.5mL,2.9mm ol)を加え、続いて2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホル アミダイト(0.4mL,1.8mmol)を滴加した。反応混合物を室温で2 時間撹拌し、エタノール(1mL)で急冷した。10分後、混合物を真空下で( 40℃)蒸発させてシロップとした。白色泡状物の生成物26(0.52g,0 . 63mmol,65%)は、シリカゲル上で1%トリエチルアミンを含むヘキサ ン中30−70%EtOAc勾配を溶出液として用いてフラッシュクロマトグラ フィーにより精製した。Rf 0.48(CH2Cl2:MeOH/20:1)。実施例55:2’−ケト−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン −1,3−ジイル)−6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデノシン(2 8) 無水酢酸(4.6mL)を、DMSO(37mL)中の3’,5’−O−(テ トライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−6−N−(4−t−ブチル ベンゾイル)−アデノシン(Brown,J.;Christodolou,C .;Jones,S.;Modak,A.:Reese,C.;Sibanda ,S.;Ubasawa,A.J.Chem Soc.Perkin Tran s.1989,1735)(6.2g,9.2mmol)の溶液に加え、得られ た混合物を室温で24時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をEtO Ac中に取り、水で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、真空下で濃縮した 。残渣をシリカゲルカラムで精製して、2’−ケト−3’,5’−O−(テトラ イソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−6−N−(4−t−ブチルベン ゾイル)アデノシン28(4.8g,7.2mmol,78%)を得た。実施例56:2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’−O−(テトライソ プロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−6−N−(4−t−ブチルベンゾイ ル)−アデノシン(29) アルゴン加圧下、ヘキサン(11.2mL,14.6mmol)中のsec− ブチルリチウムを、−78℃に冷却したTHF(25mL)中のヨウ化トリフェ ニルメチルホスホニウム(7.07g,17.5mmol)の懸濁液に加えた。 均一なオレンジ色の溶液を−30℃に暖め、THF(25mL)中の2’−ケト −3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−6 −N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデノシン28(4.87g,7.3m mol)の溶液をアルゴン加圧下でこの混合物に移した。室温に暖めた後、24 時間撹拌を続けた。THFを蒸発させ、CH2Cl2(250mL)で置き換え、 水(20mL)を加え、溶液を2%HClの冷却溶液で中和した。有機層をH2 O(20mL)、5%水性NaHCO3(20mL)、中性とするためにH2O、 およびブライン(10mL)で洗浄した。乾燥(Na2SO4)後、溶媒を真空下 で蒸発させて、粗化合物を得、これをシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー を行った。軽石油エーテル:EtOAc/7:3による溶出により、純粋な2’ −デオキシ−2’−メチレン−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキ サン−1,3−ジイル)−6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデノシン 29(3.86g,5.8mmol,79%)を得た。実施例57:2’−デオキシ−2’−メチレン−6−N−(4−t−ブチルベン ゾイル)−アデノシン THF(30mL)に溶解した2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’ −O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−6−N−(4− t−ブチルベンゾイル)−アデノシン(3.86g,5.8mmol)をTHF (15mL)中の1M TBAFで20分間処理し、真空下で濃縮した。残渣を 石油エーテル中で砕き、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行った。2 ’−デオキシ−2’−メチレン−6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデ ノシン(1.8g,4.3mmol,74%)は、CH2Cl2中10%MeOH により溶出された。実施例58:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メチレン−6−N−( 4−t−ブチルベンゾイル)アデノシン(29) 2’−デオキシ−2’−メチレン−6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)− アデノシン(0.75g,1.77mmol)をピリジン(10mL)に溶解し 、ピリジン(10mL)中のDMT−Cl(0.66g,1.98mmol)の 溶液を15分間かけて滴加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、Me OH(2mL)を加えて反応を急冷した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をCH2 Cl2(100mL)中に取り、飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄し た。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、50%EtOAc:ヘ キサンを溶出液として用いてシリカゲルカラムで精製して、29(0.81g, 1.1mmol,62%)を得た。実施例59:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メチレン−6−N−( −t−ブチルベンゾイル)−アデノシン3’−(2−シアノエチルN,N−ジイ ソプロピルホスホルアミダイト)(31) 乾燥CH2Cl2(15mL)に溶解した1−(2’−デオキシ−2’−メチレ ン−5’−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)−6−N−(4 −t−ブチルベンゾイル)−アデニン29をアルゴン下で丸底フラスコ中に入れ た。ジイソプロピルエチルアミンを加え、続いて2−シアノエチルN,N−ジイ ソプロピルクロロホスホルアミダイトを滴加した。反応混合物を室温で2時間撹 拌し、エタノール(1mL)で急冷した。10分後、混合物を真空下で(40℃ )蒸発させてシロップとした。生成物をシリカゲル上で1%トリエチルアミンを 含むヘキサン中の30−50%EtOAc勾配を用いてフラッシュクロマトグラ フィーにより精製した(0.7g,0.76mmol,68%)。Rf 0.4 5(CH2Cl2:MeOH/20:1)実施例60:2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−3’,5’−O−( テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−6−N−(4−t−ブチ ルベンゾイル)−アデノシン 2’−ケト−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3− ジイル)−6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)アデノシン28(6.7g, 10mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.9g,11mmol)をジ グリム(20mL)に溶解し、160℃の湯浴温度に加熱した。ジグリム(50 mL)中のクロロジフルオロ酢酸ナトリウム(2.3g,15mmol)の温溶 液(60℃)を約1時間かけて加えた(平衡滴下ロートから滴加)。得られた混 合物をさらに2時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をCH2Cl2に溶解し、シ リカゲル上でクロマトグラフィーを行った。.2’−デオキシ−2’−ジフルオ ロメチレン−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ イル)−6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデノシン(4.1g,6. 4mmol,64%)は、EtOAc中15%ヘキサンで溶出された。実施例61:2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−6−N−(4−t− ブチルベンゾイル)−アデノシン THF(20mL)に溶解した2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン− 3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−6− N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデノシン(4.1g,6.4mmol) をTHF(10mL)中の1M TBAFで20分間処理し、真空下で濃縮した 。残渣を石油エーテル中で砕き、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行 った。2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−6−N−(4−t−ブチル ベンゾイル)アデノシン(2.3g,4.9mmol,77%)は、CH2Cl2 中20%MeOHで溶出された。実施例62:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン− 6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデノシン(30) 2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−6−N−(4−t−ブチルベン ゾイル)−アデノシン(2.3g,4.9mmol)をピリジン(10mL)に 溶解し、ピリジン(10mL)中のDMT−Clの溶液を15分間かけて滴加し た。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、MeOH(2mL)を加えて反応 を急冷した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をCH2Cl2(100mL)中に取 り、飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄した。有機抽出物をMgSO4で 乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルカラム上で50%EtOAc:ヘキサンを 溶出液として用いて精製して、30(2.6g,3.41mmol,69%)を 得た。実施例63:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン− 6−N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデノシン3’−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト)(32) 乾燥CH2Cl2(25mL)に溶解した1−(2’−デオキシ−2’−ジフル オロメチレン−5’−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)−6 −N−(4−t−ブチルベンゾイル)−アデニン30(2.6g,3.4mmo l)をアルゴン下で丸底フラスコに入れた。ジイソプロピルエチルアミン(1. 2mL,6.8mmol)を加え、続いて2−シアノエチルN,N−ジイソプロ ピルクロロホスホルアミダイト(1.06mL,4.76mmol)を滴加した 。反応混合物を室温で2時間撹拌し、エタノール(1mL)で急冷した。、10 分後、混合物を真空下で(40℃)蒸発させてシロップとした。32(2.3g ,2. 4mmol,70%)は、シリカゲル上で1%トリエチルアミンを含むヘキサン 中20−50%EtOAc勾配を溶出液として用いてフラッシュカラムクロマト グラフィーにより精製した。Rf 0.52(CH2Cl2:MeOH/15:1 )。実施例64:2’−デオキシ−2’−メトキシカルボニルメチリジン−3’,5 ’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン(3 3) メチル(トリフェニルホスホルアニリジン)アセテート(5.4g,16mm ol)をアルゴン下でCH2Cl2中の2’−ケト−3’,5’−O−(テトライ ソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン14の溶液に加えた。混 合物を室温で30時間撹拌した。CH2Cl2(100mL)および水(20mL )を加え、溶液を2%HClの冷却溶液で中和した。有機層をH2O(20mL )、5%水性NaHCO3(20mL)、中性とするためにH2O、およびブライ ン(10mL)で洗浄した。乾燥(Na2SO4)後、溶媒を真空下で蒸発させて 粗生成物を得、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行った。軽石油エー テル:EtOAc/7:3による溶出により、純粋な2’−デオキシ−2’−メ トキシカルボニルメチリジン−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキ サン−1,3−ジイル)−ウリジン33(5.8g,10.8mmol,67. 5%)を得た。実施例65:2’−デオキシ−2’−メトキシカルボニルメチリジン−ウリジン (34) Et3N・3HF(3mL)をCH2Cl2(20mL)およびEt3N(15m L)に溶解した2’−デオキシ−2’−メトキシカルボキシメチリジン−3’, 5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン3 3(5g,9.3mmol)の溶液に加えた。1時間後に、得られた混合物を真 空下で蒸発させ、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行い、2’−デオ キシ−2’−メトキシカルボニルメチリジン−ウリジン34(2.4g,8mm ol,86%)をTHF:CH2Cl2/4:1で溶出した。実施例66:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メトキシカルボニルメ チリジン−ウリジン(35) 2’−デオキシ−2’−メトキシカルボニルメチリジン−ウリジン34(1. 2g,4.02mmol)をピリジン(20mL)に溶解した。ピリジン(10 mL)中のDMT−Cl(1.5g,4.42mmol)の溶液を15分間かけ て滴加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、MeOH(2mL)を加 えて反応を急冷した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をCH2Cl2(100mL )中に取り、飽和NaHCO3、水およびブラインで洗浄した。有機抽出物をM gSO4で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルカラム上でCH2Cl2中2−5 %MeOHを溶出液として用いて精製して、5’−O−DMT−2’−デオキシ −2’−メトキシカルボニルメチリジン−ウリジン35(2.03g,3.46 mmol,86%)を得た。実施例67:5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メトキシカルボニルメ チリジン−ウリジン3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホ ルアミダイト)(36) 乾燥CH2Cl2(10mL)に溶解した1−(2’−デオキシ−2’−2’− メトキシカルボニルメチリジン−5’−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボ フラノシル)−ウリジン35(2.0g,3.4mmol)をアルゴン下で丸底 フラスコに入れた。ジイソプロピルエチルアミン(1.2mL,6.8mmol )を加え、続いて2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホルアミ ダイト(0.91mL,4.08mmol)を滴加した。反応混合物を室温で2 時間撹拌し、エタノール(1mL)で急冷した。10分後、混合物を真空下で( 40℃)蒸発させてシロップとした。5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’ −メトキシカルボニルメチリジン−ウリジン3’−(2−シアノエチル−N,N −ジイソプロピルホスホルアミダイト)36(1.8g,2.3mmol,67 %)は、シリカゲル上で1%トリエチルアミンを含むヘキサン中30−60%E tOAc勾配を溶出液として用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより 精製した。Rf 0.44(CH2Cl2:MeOH/9.5:0.5)。実施例68:2’−デオキシ−2’−カルボキシメチリジン−3’,5’−O− (テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン(37) 2’−デオキシ−2’−メトキシカルボニルメチリジン−3’,5’−O−( テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン33(5.0g , 10.8mmol)をMeOH(50mL)に溶解し、1N NaOH溶液(5 0mL)を室温で撹拌溶液に加えた。混合物を2時間撹拌し、MeOHを真空下 で除去した。1NHCl溶液で水性層のpHを4.5に調節し、EtOAc(2 x100mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下で濃 縮して、粗生成物を得た。2’−デオキシ−2’−カルボキシメチリジン−3’ ,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−ウリジン 37(4.2g,7.8mmol,73%)は、CH2Cl2中10−15%Me OH勾配を用いてシリカゲルカラムで精製した。実施例69:5’−O−DMT−3’−O−TBDMS−ウリジンからの2’− C−アリル−Uホスホルアミダイトの合成 図54を参照すると、ホスホルアミダイト5および8の合成スキームを簡単に するために、主要中間体4の合成における出発物質として、5’−O−DMT− 3’−O−TBDMS−ウリジン10(標準的RNAモノマーの製造における副 生成物)の可能性も調べた。Robins(Robins,M.J.,Wils on J.S.and Hansske,F.(1983),J.Am.Che m.Soc.,105,4059)にしたがう出発シントン10のフェノキシチ オカルボニル化は、驚くべきことに、TBDMS基の注目すべき移動なしにチオ エステル11(91%)を生成した(Scaringe,S.A.,Franc lyn,C.& Usman,N.(1990) Nucleic Acids R es.,18,5433−5441)。化合物10および11についての1H NMRデータの比較分析は、11のH−2’の共鳴シグナルは出発化合物10と 比較して2.0ppm(6.06から4.13)の高磁場へのシフトを示し、同 時にH−3’およびH−1’の化学シフトはわずかに変化したのみであった:1 1では4.83ppm(H−3’)および6.48ppm(H−1’)であり、 10では4.36ppm(H−3’)および5.93ppm(H−1’)であり 、H−4’の化学シフトは実質的に変化せず、C−2−OHにおけるアシル化を 示した。中間体11の2−2’−アゾビス−(2−メチルプロピオニトリル)で のヘック(Heck)アリル化(他の基は標準的な方法により導入することがで きる)により、2’−C−アリル誘導体12(70%)および関連する2’−デ オ キシ副生成物(15%)が形成された。続く12の脱シリル化により、チオエス テル2から合成したものと同一の5’−O−DMT誘導体4が得られた。この経 路のための出発物質は商業的に入手可能であるため、このことは主要シントン4 ならびに他の2’一修飾モノマーへのより労力の少ない方法である。この方法論 は、化合物11(または他の塩基についてのその均等物)を中間体として用いて 他の2’−C−アリル基を導入するために用いることができる。実施例70:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−フェノキシチオカルボ ニル−3’−O−t−ブチルジメチルシリル−ウリジン(11)の合成 100mlの乾燥アセトニトリル中の5’−O−ジメトキシトリチル−3’− O−t−ブチルジメチルシリルウリジン(Chem Genes Corpor ationから商業的に入手可能)(5.0g,7.57mmol)およびジメ チルアミノピリジン(1.8g,15mmol)の撹拌溶液に、25mlのアセ トニトリル中のフェニルクロロチオホルメート(1.26ml,9.1mmol )の溶液を滴加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。TLC(酢酸エチル− ヘキサン1:1)は、出発物質の消失を示した。反応混合物を真空下で濃縮した 。残渣をシリカゲル上でCH2Cl2を溶出液としてフラッシュクロマトグラフィ ーにより精製して、5.51g(91.3%)の生成物を得た。 実施例71:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−3’−O−t −ブチルジメチルシリル−ウリジン(12)の合成 乾燥トルエン(150ml)中の5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O− フェノキシチオカルボニル−3’−O−t−ブチルジメチルシリル−ウリジン( 5.5g,6.9mmol)およびアリルトリブチルチン(10.7m1,34 .5mmol)のアルゴン下還流溶液に、50mlの乾燥トルエン中の2,2’ −ア ゾビス−(2−メチルプロピオニトリル)(0.28g,1.72mmol)の 溶液を1時間かけて滴加した。得られた混合物をアルゴン下でさらに2時間還流 した。その後、これを真空下で濃縮し、シリカゲル上でヘキサン中の酢酸エチル の勾配(0−30%)を溶出液として用いて、フラッシュクロマトグラフィーに より精製した。収量3.38g(70.0%)。 実施例72:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−C−アリル−3’−O−t −ブチルジメチル−シリル−ウリジン(12)からの5’−O−ジメトキシトリ チル−2’−C−アリルウリジン(4)の合成 一般的方法Aを用いるTBDMS誘導体12の標準的脱保護により、2’−C −アリル誘導体3から製造した化合物と同一の生成物4(収率80%)を得た。用途 酵素的切断またはアンチセンス状況における使用について上述したように、本 発明のアルキル置換ヌクレオチドを用いて、安定なオリゴヌクレオチドを形成す ることができる。このようなオリゴヌクレオチドは、三リン酸形態を用いて標準 的方法により酵素的に形成することができる。このようなオリゴヌクレオチドの 投与は標準的方法による。Sullivan et al.PCT WO94/ 02595を参照されたい。 以下は、2’−O−メチルチオアルキル−置換ホスホルアミダイトを用いる核 酸の合成およびアミダイトの合成を示す非限定的例である。実施例73:2’−O−アルキルチオアルキルヌクレオチドおよび他の修飾ヌク レオチド含有ハンマーヘッドリボザイムの合成 合成の方法は、Usman,N.;Ogilvie,K.K.;Jiang, M.Y.,Cedergren,R.,J.J.Am.Chem.Soc.19 87,109,7845−7854およびScaringe,S.A.;Fra nklyn,C.;Usman,N.,Nucleic Acids Res. 1990,18,5433−5441に記載される通常のRNA合成の方法にし たがい、慣用の核酸保護基およびカップリング基、例えば5’末端にジメトキシ トリチル、3’末端にホスホルアミダイトを用いる。これらの2’−O−アルキ ルチオアルキル置換ホスホルアミダイトは、ハンマーヘッドリボザイムのみなら ず、ヘアピン、デルタ肝炎ウイルス、グループIまたはグループIIイントロン触 媒的核酸に、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドに取り込ませることができ る。したがって、これらは任意の核酸構造において一般に用いられる。実施例74:塩基保護3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1 ,3−ジイル)ヌクレオシド(2)の合成 図55を参照すると、”Oligonucleotides and Ana logues.A Practical Approach”,ed.F.Ec kstein,IRL Press,1991にしたがう”マーキーヴィクス( Markiewicz)”保護基の塩基保護ヌクレオシドへの標準的取り込みに より、保護されたヌクレオシド(2)が収率85−100%で得られた。簡単に は、非限定的例において、ウリジン(20g,81.9mmol)を無水ピリジ ンと2回共蒸発させることにより乾燥し、無水ピリジンに再溶解した。上述の溶 液を冷却(0℃)し、30mLの無水ジクロロエタン中の1,3−ジクロロ−1 ,1,3,3−テトライソプロピルシロキサン(28.82mL,90.09m mol)の溶液を撹拌しながら滴加した。添加が完了した後、反応混合物を室温 まで暖め、さらに2時間撹拌した。次に、これをMeOH(25mL)で急冷し 、蒸発乾固させた。残渣を塩化メチレンに溶解し、飽和NaHCO3およびブラ インで洗浄した。有機層を蒸発乾固させ、次にトルエンと共蒸発させて痕跡量の ピリジンを除去して、39g(98%)の化合物2(B=Ura)を得、これを さらに精製することなく用いた。 他の3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル) −ヌクレオシドは、上述のプロトコルを用いて、塩基保護ヌクレオシドから出発 し、必要な場合には生成物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行 うことにより最終的に精製して、収率75−90%で得られた。実施例75:2’−O−メチルチオメチルヌクレオシド(3)の合成の一般的方 図55を参照すると、塩化メチレン(100mL)または塩化メチレン−アセ トニトリル(1:1)混合物中の、塩基保護3’,5’−O−(テトライソプロ ピルジシロキサン−1,3−ジイル)ヌクレオシド(2)(7mmol)、メチ ルジスルフィド(70mmol)、2,6−ルチジン(7mmol)の混合物の 撹拌氷冷溶液に、アルゴン加圧下で、塩化メチレン中の過酸化ベンゾイル(28 mmol)の溶液を1時間かけて滴加した。完全に添加した後、反応混合物をア ルゴン下で0℃でさらに1時間撹拌した。溶液を室温まで暖め、塩化メチレン( 100mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3およびブラインで2回洗浄した。 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残渣をシリカ上で塩化メ チレン中1−2%メタノールを溶出液として用いてフラッシュクロマトグラフィ ーにより精製して、対応するメチルチオメチルヌクレオシドを収率55−70% で得た。実施例76:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチルチオメチル−ヌ クレオシド(6) 方法A.10mlの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中の塩基保護3’,5 ’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−メ チルチオメチルヌクレオシド(3)(2.00mmol)の溶液を、THF(3 .0ml)中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液で室温で10−15 分間処理した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムに負荷し、 1Lのクロロホルムで洗浄し、所望の脱保護化合物をジクロロメタン中5−10 %メタノールで溶出した。適当な画分を合わせ、溶媒を蒸発により除去し、残渣 を乾燥ピリジンと共蒸発させることにより乾燥した。油状残渣を乾燥ピリジンに 溶解し、塩化ジメトキシトリチル(1.2eq)を加え、反応混合物を無水状態 に一夜放置した。反応をメタノール(20ml)で急冷し、蒸発させ、クロロホ ルムに溶解し、飽和水性炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層 を 硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上でフラッシュクロマ トグラフィーにより精製して、5’−O−ジメトキシトリチル誘導体を収率70 −80%で得た。 方法B.あるいは、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチルチオメ チル−ヌクレオシド(6)は、5’−O−ジメトキシトリチル−3’−O−t− ブチルジメチルシリルヌクレオシド(4)を出発物質として用いて合成すること ができる。化合物4は、RNAホスホルアミダイト合成の副生成物として商業的 に入手可能である。実施例3に記載のように、化合物4を3’−O−t−ブチル ジメチルシリル−2’−O−メチルチオメチルヌクレオシド5に転換する。10 mlの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中の塩基保護3’−O−t−ブチルジ メチルシリル−2’−O−メチルチオメチルヌクレオシド5(2.00mmol )の溶液をTHF(3.0ml)中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶 液で室温で10−15分間処理した。得られた混合物を蒸発させ、フラッシュシ リカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ヌクレオシド6を収率90%で得 た。実施例77:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチルチオメチル−ヌ クレオシド−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミ ダイト)(7) Scaringe,S.A.;Franklyn,C.;Usman,N., Nucleic Acids Res.1990,18,5433−5441に したがうヌクレオシド6の標準的ホスフィチル化によりホスホルアミダイトを収 率70−85%収量で得た。実施例78:2’−O−メチルチオフェニルヌクレオシドの合成の一般的方法 アセトニトリル(100mL)中の塩基保護3’,5’−O−(テトライソプ ロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ヌクレオシド(14.7mmol)、チ オアニソール(147mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(58.8 mmol)の混合物の撹拌氷冷溶液に、アルゴン加圧下で過酸化ベンゾイル(3 6.75mmol)を3時間かけて少しずつ加えた。添加が完了した後、反応混 合物を室温まで暖め、アルゴン下でさらに1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去 し、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和水性NaHCO3およびブラインで2回洗 浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。残渣をシリカ上で EtOAc−ヘキサン(1:1)の混合物を溶出液として用いてフラッシュクロ マトグラフィーにより精製して、対応するメチルチオフェニルヌクレオシドを収 率55−65%で得た。実施例79:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチルチオフェニル− ヌクレオシド これらの化合物は、上述の実施例76および76にしたがって合成した。実施例80:5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチルチオフェニル− ヌクレオシド−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルア ミダイト) Scaringe,S.A.;Franklyn,C.;Usman,N., Nucleic Acids Res.1990,18,5433−5441に したがう標準的ホスフィチル化により、ホスホルアミダイトを収率70−85% で得た。実施例81:2’−O−メチルチオメチル置換含有リボザイム 非限定的例において、2’−O−メチルチオアルキル置換をハンマーヘッドリ ボザイムモチーフ中の種々の位置に行った(図56、U4およびU7位を含む) 。この非限定的例においては、ハンマーヘッドリボザイムは標的部位Bを標的と した。 ハンマーヘッドリボザイム(図56を参照されたい)は、上述のように固相合 成を用いて合成した。いくつかの位置を別々にまたは組み合わせて、2’−O− メチルチオメチル基で修飾した。インビトロRNA切断アッセイ: 基質RNAは、[γ−32P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(U S Biochemicals)を用いて5’末端標識した。切断反応は、リボ び40nM未標識リボザイムを、90℃で2分間加熱し、氷上で10−15分間 スナップ冷却することにより、別々に変性し再生した。リボザイムおよび基質は 、50mM Tris−HClおよび10mM MgCl2を含む緩衝液中で、 3 7℃で10分間別々にインキュベートした。反応は、リボザイムおよび基質溶液 を混合し、37℃でインキュベートすることにより開始した。一定の時間間隔で 5μlのアリコートを取り出し、等量の2×ホルムアミド停止ミックスと混合す ることにより反応を急冷した。試料を20%変性ポリアクリルアミドゲルで分離 した。結果を定量し、切断された標的RNAのパーセンテージを時間の関数とし てプロットした。 図57を参照すると、種々の位置において2’−O−メチルチオメチル修飾を 含むハンマーヘッドリボザイムは、標的RNAを効率的に切断した。驚くべきこ とに、すべての2’−O−メチルチオメチル置換リボザイムは対照ハンマーヘッ ドリボザイムより高い効率で標的RNAを切断した。 図56に挙げられる配列および図56および57に記載される修飾は、非限定 的例を意味する。当業者は、他の2’−ヒドロキシル基修飾の組み合わせを含む リボザイムおよびRNAの変異体(塩基置換、削除、挿入、突然変異、化学的修 飾)を、当該技術分野において知られた技術を用いて容易に生成することができ 、これらも本発明の範囲内であることを認識するであろう。 以下は、非ヌクレオチドホスホルアミダイトを用いる非ヌクレオチド模倣体含 有触媒的核酸の合成を示す非限定的例である。 このような非ヌクレオチドは、ハンマーヘッドタイプリボザイムの結合アーム 、コアまたはループ隣接ステムII中に位置させることができる。当業者は、本 明細書の教示にしたがって、これらの領域中の最適な位置を決定することができ る。驚くべきことに、脱塩基部分をこのようなリボザイムのコア中に位置させる ことができる。実施例82:脱塩基ヌクレオチドの合成 1−デオキシ−D−リボフラノースホスホルアミダイト9の合成は図58に示 される。我々の最初の努力は、”1ポット”方法によりD−リボースから製造さ れたシントン1の脱酸素化に集中した。ロビンス(Robins)条件下でのア セトニド1のフェノキシチオカルボニル化により、β−アノマ−2(J1,2=1 .2Hz)が中程度の収量(45−55%)で得られた。Bu3SnH/AIB Nを用いるラジカル脱酸素化により、リビトール誘導体3が収率50%で形成さ れ た。続いて90%CF3COOH(10m)で脱保護し、ジメトキシトリチル基 を導入することにより、主要中間体4が収率40%で得られた(Yang et al.,Biochemistry 1992,31,5005−5009;P erreault et al.,Biochemistry 1991,30 ,4020−4025;Paolella et al.,EMBO J.19 92,11,1913−1919;Peiken et al.,Science 1991,253,314−317)。 この経路の総収量が低いため、我々は4に到達するための異なる方法を早急に 調べた(図58)。フェニルチオグリコシド(Keck反応において首尾よく用 いられた)が別法であるようであった。しかし、関与するアシル基による対応す る臭化グリコシルのC2−位におけるフリーラジカル還元は、2−アシル基をC 1位に移動させうることが知られている(Bu3SnH濃度に依存する)。した がって、我々は、フェニルチオグリコシド5をBz22(2eq)の存在下でB u3SnH(6.1eq)によりラジカル還元し、トリベンゾエート6を収率6 3%で単離した(図9B)。続く脱ベンゾイル化およびジメトキシトリチル化に より、シントン4を収率70%で得た。標準的条件を用いてTBDMS基を導入 したところ、4:1比で2−および3−異性体8および7が形成された。2つの 位置異性体をシリカゲルクロマトグラフィーにより分離した。2−O−t−ブチ ルジメチルシリル誘導体8をホスフィチル化して、ホスホルアミダイト9を収率 82%で得た。実施例83:インビトロRNA切断アッセイ リボザイムおよび基質RNAは、上述のように合成した。[γ−32P]ATP およびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(US Biochemicals)を用 いて基質RNAを5’末端標識した。切断反応は、リボザイム”過剰”条件下で ザイムを、90℃で2分間加熱し、氷上で10−15分間スナップ冷却すること により、別々に変性させ再生させた。リボザイムおよび基質を50mM Tri s−HClおよび10mM MgCl2を含む緩衝液中で37℃で10分間別々 にインキュベートした。反応は、リボザイムと基質溶液とを混合して37℃でイ ンキュベートすることにより開始した。一定の時間間隔で5μlのアリコートを 取り出し、等量の2×ホルムアミド停止ミックスと混合することにより反応を急 冷した。試料は20%変性ポリアクリルアミドゲルで分離した。結果を定量し、 切断された標的RNAのパーセンテージを時間の関数としてプロットした。 図59を参照すると、部位Bを標的とするハンマーヘッドリボザイム(HH− B)の一般構造が種々の塩基番号とともに示される。HH−B中のヌクレオチド 位置のいくつかにおいて種々の置換を作成した。特に、図60を参照すると、置 換は、X4およびX7とマークされたU4位およびU7位、およびループII内 のXとマークされた位置に作成された。これらの置換リボザイムのRNA切断活 性は、続く図に示される。特に、図61は、脱塩基置換U4および脱塩基置換U 7による切断を示す。認識されるように、U4またはU7における脱塩基置換は 、切断活性に有意に影響を及ぼさない。さらに、図62に示されるように、ステ ムIIループにすべて脱塩基部分を含むことは、酵素的活性を有意に減少させな い。さらに、図63に示されるように、3’反転デオキシリボースを含むことは 、RNA切断活性を不活性化させない。実施例84:平滑筋細胞増殖アッセイ ハンマーヘッドリボザイム(HH−A)は、c−myb mRNA中のユニー ク部位(部位A)を標的とする。c−myb蛋白質の発現は、ラット平滑筋細胞 の増殖に必須であることが示されている(Brown et al.,1992 J.Biol.Chem.267,4625)。 c−myb RNA中の部位Aを切断した上述のリボザイムを、その平滑筋細 胞増殖に及ぼす影響についてアッセイした。記載されたように(Stnchco mb ea l.,上掲)、ラット血管平滑筋細胞を単離し培養した。これらの 初代ラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)を24−ウエルプレートに播種し(5 ×103細胞/ウエル)、ダルベッコ最小必須培地(DMEM)および10%血清 の存在下で37℃で約16時間インキュベートした。 これらの細胞を、DMEM(0.5%血清を含む)中で37℃で48−72時 間血清飢餓状態とした。血清飢餓処理の後、細胞をリポフェクタミン(LFA) −複合体化リボザイム(100nMのリボザイムをLFA:リボザイム装填比が 4:1であるようにLFAと複合体化させた)で処理した。 リボザイム:LFA複合体を血清飢餓処理RASMC細胞とともに37℃で4 時間インキュベートした。リボザイム:LFA複合体を細胞から除去した後(4 時間後)、10%血清を加えて平滑筋細胞増殖を刺激した。ブロモデオキシウリ ジン(BrdU)を加えて細胞を染色した。細胞を血清で37℃で24時間刺激 した。 血清刺激の後、RASMC細胞を過酸化水素(メタノール中0.3%H22) で4℃で30分間急冷した。次に細胞を0.5mlの2N HClで室温で20 分間変性した。馬血清(0.5ml)を用いて細胞を4℃で30分間から16時 間以内でブロックした。 RASMC細胞を、まず細胞を抗−BrdU(一次)抗体で室温で60分間処 理することにより染色した。細胞をリン酸緩衝化食塩水(PBS)で洗浄し、ビ オチニル化アフィニティー精製抗マウスIgM(Pierce,USA)二次抗 体で染色した。細胞をアビジンビオチニル化酵素複合体(ABC)キット(Pi erce,USA)を用いて対染色した。 増殖:非増殖細胞の比は、顕微鏡下で染色細胞を計数することにより判定した 。増殖しつつあるRASMCはBrdUを取り込み、茶色に染色される。非増殖 細胞はBrdUを取り込まず、紫色に染色される。 図64を参照すると、部位Aを切断する、HH−Aと称されるリボザイムが示 される。図65に示される、U4を脱塩基部分で置換すると、上述のラット大動 脈平滑筋細胞増殖アッセイを用いて、図66に示されるように、活性リボザイム が得られる。 本発明の方法は概してリボザイムのHPLC精製を特徴とする。そのような精 製の一例が以下に与えられ、ここでは固相上で製造された合成リボザイムをブロ ックする。次にメタノール性アンモニアでの処理、続くフッ化テトラブチルアン モニウムでの処理によりこの物質を固相から離脱させ、逆相HPLCで精製して 、部分的にブロックされたリボザイムを”失敗”配列から除去する。そのような ”失敗”配列は、所望の酵素的RNA分子より所望の塩基の1つまたはそれ以上 ランダムな様式で短いヌクレオチド塩基配列を有し、および遊離末端5’−ヒド ロ キシル基を有するRNA分子である。適正な配列を有するリボザイム中のこの末 端5’−ヒドロキシルは、依然として親油性ジメトキシトリチル基により保護さ れている。そのような部分的にブロックされた酵素的RNAを精製した後、これ を標準的方法により脱保護して、同一のまたは同様のHPLC逆相カラムを通し て、他のRNA分子もしくはヌクレオチドまたは脱ブロックおよび合成方法にお いて生成した他の分子等の他の混入成分を除去する。得られる分子は、高度に精 製された形の天然型の酵素的に活性なリボザイムである。 以下は、そのような方法の例を提供する。これらの例は容易にスケールアップ して、グラムまたはキログラムの量のリボザイムを製造および精製することがで きる。実施例85:HPLC精製、逆相 この例においては、リボザイムの合成に固相ホスホルアミダイト化学を用いた 。用いたモノマーは、ウリジン、N−ベンゾイル−シトシン、N−フェノキシア セチルアデノシン、およびグアノシンの2’−t−ブチルージメチルシリルシア ノエチルホスホルアミダイト(Glen Research,Sterling ,VA)であった。 固相合成は、ABI394または380B DNA/RNA合成機のいずれか において、それぞれの機械について提供される標準的プロトコルを用いて実施し た。唯一の例外は、カップリング段階を10から12分間に増加させたことであ った。ホスホルアミダイト濃度は0.1Mであった。合成は、1μmolスケー ルで、1μmol RNA反応カラム(Glen Research)を用いて 実施した。平均カップリング効率は、離脱したトリチルカチオンの熱測定により 判定して、394モデルについては97%と98%との間、380Bモデルにつ いては97%と99%との間であった。最終的5’−DMT基は除去しなかった 。 合成後、リボザイムをCPG支持体から切断し、塩基およびホスホトリエステ ル部分を無菌バイアル中で乾燥エタノール性アンモニア(2mL)中で55℃で 16時間インキュベーションすることにより除去した。反応混合物をドライアイ ス上で冷却した。後に、冷液体を無菌ねじ蓋バイアル中に移し、凍結乾燥した。 2’−t−ブチルジメチルシリル基をリボザイムから除去するために、得られ た残渣を乾燥THF(TBAF)中の1Mフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウ ム中に、各シリル基について20倍過剰の試薬を用いて、周囲温度で16時間懸 濁した。等量の無菌1M酢酸トリエチルアミン、pH6.5を加えることにより 反応を急冷した。試料を冷却し、スピードバックで最初の容量の半量に濃縮した 。 リボザイムは、C4 300Å 5μm Delta Pakカラムでアセト ニトリル勾配を用いるHPLCにより2段階で精製した。 第1段階、または”トリチルオン”段階は、5’−DMT−保護リボザイムの 5’−DMT基を欠失している失敗配列からの分離である。この段階において用 いた溶媒は、A(0.1M酢酸トリエチルアンモニウム、pH6.8)およびB (アセトニトリル)であった。溶出プロファイルは、20%B、10分間、次に 20%Bから50%Bの直線勾配、50分間、50%B、10分間、50%Bか ら100%Bの直線勾配、10分間、および100%Bから0%Bの直線勾配、 10分間であった。 第2段階は、C4 300Å 5μm Delta Pakカラムでのアセト ニトリル勾配を用いる、完全に脱保護された、すなわち2%トリフルオロ酢酸ま たは80%酢酸酸での処理による5’−DMT基の除去に続く、リボザイムの精 製である。この第2段階に用いた溶媒は:A(0.1M酢酸トリエチルアンモニ ウム、pH6.8)およびB(80%アセトニトリル、0.1M酢酸トリエチル アンモニウム、pH6.8)であった。溶出プロファイルは、5%B、5分間、 5%Bから15%Bの直線勾配、60分間、15%B、10分間、および15% Bから0%Bの直線勾配、10分間であった。 トリエチルアンモニウム塩型のリボザイムを含む画分を冷却し、スピードバッ クで凍結乾燥した。固体残渣を最小容量のエタノールに溶解し、アセトン中の過 塩素酸ナトリウムを加えることにより、ナトリウム塩形のリボザイムを析出させ た(K+またはMg2+塩は、同等の様式で製造することができる)。リボザイム を遠心分離により回収し、アセトンで3回洗浄し、凍結乾燥した。実施例86:RNAおよびリボザイムの、エチルアミン(EA)を用いる環外ア ミノ保護基の脱保護 ポリマー結合オリゴヌクレオチド(トリチルオンまたはトリチルオフのいずれ か)をエチルアミン(EA)の溶液に25−55℃で10−30分間懸濁して、 環外アミノ保護基を除去した(図67を参照されたい)。上清をポリマー支持体 から除去した。支持体を1.0mLのEtOH:MeCN:H2O/3:1:1 で洗浄し、ボルテックスし、次に上清を最初の上清に加えた。オリゴリボヌクレ オチドを含む合わせた上清を乾燥させて、白色粉末とした。 表EVIIは、塩基脱保護について本明細書に概要を記載した改良を用いて得 られた結果をまとめたものである。このデータから、55℃で10分間または4 0℃で10分間のEAが有効であることが明らかである。HPLCピーク構造は 、これらのスキームの間でほぼ同一であり、エチルアミン脱保護オリゴの収量は 、実際にはメチルアミンよりわずかに高い。 RNA分子の脱保護の第2段階は、TBAFを8−24時間用いる2’−ヒド ロキシルアルキルシリル保護基の除去により実施することができる(Usman et al.J.Am.Chem.Soc.1987,109,7845−78 54)。本出願人は、N−メチルピロリドン(NMP)中で55−65℃で無水 TEA・HFを0.5−1.5時間用いることが、同等のまたはよりよい結果を 与えることを見いだした。 以下は、本発明の好ましい態様の例である。当業者は、これらが限定的例では なく、当業者を本発明の完全な意味に導くために提供されるものであることを認 識するであろう。日常的な方法を用いて、以下に例示されない他のカップリング 領域を利用することができる。 リボザイムを2つの部分で合成し、ライゲートせずに触媒活性について試験し た。図72を参照すると、5から8塩基対のステムIIを含む半リボザイムの切 断活性は、40nMで1回の回転条件で、図73および74に示されるように、 全長オリゴマーの活性に匹敵した。同一の半リボザイムを初期ステムIIループ に架橋させるのに適当な修飾を含むように合成した。半リボザイムを精製し、種 々の架橋方法を用いて化学的にライゲートさせた。得られた全長リボザイム(図 71を参照されたい)は、図74に示されるように、直線的に合成した全長オリ ゴマーと同様の切断活性を示した。実施例87 図70を参照すると、ハンマーヘッドリボザイムの5’側半分をリボース基を 含むように用意した。これをNaIO4で酸化的に切断して、還元条件下でアミ ノ基を有するリボザイムの3’側半分と反応させた。得られたリボザイムはモル ホリノ基により連結した2つの半リボザイムからなるものであった。 3’OHを有する5’半分ハンマーヘッド1等量(200μg)および5’C 5−NH2を有する3’半分ハンマーヘッド5等量(1000μg)(すべてH H−Aを有する)をこの反応に用いた。限定されたオリゴヌクレオチドをまず3 .6等量の過ヨウ化ナトリウムでDEPC水中で氷上で60分間酸化し、7.2 等量のエチレングリコールで氷上で30分間急冷し、5等量のアミノオリゴを加 えた。0.5モルのトリシン緩衝液、pH9を加えて最終トリシン濃度20mM とし、氷上に30分間放置した。次に50等量の水素化シアノホウ素ナトリウム を加え、酢酸でpHを6.5に下げ、反応溶液を氷上で60分間放置した。、次 に得られた全長リボザイムをその後の分析用に精製した。実施例88:アミド結合 再び図70および71を参照すると、リボザイムの5’半分はその2’位にお いてカルボキシル基を有しており、これを3’アミン含有半リボザイムとカップ リングさせる。カップリング試薬を提供することにより、アミド結合を有する全 長リボザイムが得られる。実施例89:ジスルフィド結合 図70および71を参照すると、250μgのRPI3881および250μ gのRPI3636半リボザイムをジチオスレイトールで37℃で一夜別々に脱 保護した。これらを100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8)中で1:1モ ル比で一緒に混合し、4M硫酸銅および0.8mM 1,10−フェナントロリ ン(最終濃度)を室温(20−25℃)で2時間加え、得られた混合物をゲル精 製した。全長リボザイムの総精製収量は30%であった。 トランスリボザイム切断反応用の内部標識基質RNAを作成するために、増幅 される配列の上流にT7RNAプロモーターを配置するプライマーを用いるPC Rにより、1.8KB領域(部位Aを含む)を合成した。T7RNAポリメラー ゼを用いて、標準的転写緩衝液中で[α−32P]CTPの存在下で標的RNAを 転写させた。反応混合物を15ユニットのリボヌクレアーゼフリーDNasel で処理し、フェノール、続いてクロロホルム:イソアミルアルコール(25:1 )で抽出し、イソプロパノールで沈殿させ、70%エタノールで洗浄した。乾燥 ペレットを20μlのDEPC処理水に再懸濁し、−20℃で保存した。 未標識リボザイム(200nM)および内部標識1.8KB基質RNA(<1 0nM)を、標準的切断緩衝液(50mM Tris−HCl,pH7.5およ び10mM MgCl2を含む)中で、90℃に2分間加熱し37℃まで10分 間でゆっくり冷却することにより、別々に変性し再生した。反応は、リボザイム と基質混合物とを混合し37℃でインキュベートすることにより開始した。一定 の時間間隔で5μlのアリコートを取り出し、等量の2×ホルムアミドゲル負荷 緩衝液を加えることにより急冷し、ドライアイス上で凍結した。試料を5%ポリ アクリルアミド配列決定用ゲルで分離し、ホスファーイメージャー(Molec ular Dynamics,Sunnyvale,CA)を用いるゲルの放射 性分析イメージングにより結果を定量的に分析した。 確立されたウイルス感染を効果的に阻害する抗ウイルス剤治療はほとんど利用 可能ではない。したがって、予防的免疫がウイルス病原体に対する保護の選択方 法になっている。しかし、異なるウイルス、例えば慣用の風邪をもたらすもの、 およびHIV(AIDSの病因)のための効果的なワクチンは実施可能ではない 。したがって、ウイルス感染と戦うための新規の抗ウイルス方法が開発されつつ ある。 遺伝子治療は、潜在的別法である。ここでは、抗ウイルス遺伝子を感受性細胞 中に安定的にトランスフェクトする。このような遺伝子治療方法は、抗ウイルス 遺伝子を発現する細胞が、ウイルス感染に対して免疫となるため、”細胞内免疫 感作”と称されている(Baltimore,1988 Nature 335 ,395−396)。多くの形の抗ウイルス遺伝子が開発されており、これには 、蛋白質に基づく抗ウイルス剤、例えばトランスドミナント阻害性蛋白質(Ma lim et al.,1993 J.Exp.Med.,Bevec et al.,1992 P.N.A.S.(USA)89,9870−9874;B ahner et al.,1993 J.Virol.67,3199−32 0 7)およびウイルス活性化自殺遺伝子(Ashorn et al.,1990 P.N.A.S.(USA)87,8889−8893)が含まれる。蛋白質に 基づく抗ウイルス剤は組織培養においては効果的であるが、インビボでは免疫原 性である可能性を有する。したがって、そのような外来抗ウイルス蛋白質を発現 する処理細胞は、正常な免疫機能により根絶されるであろうと考えられる。蛋白 質に基づく抗ウイルスの代替は、RNAに基づく分子、例えばアンチセンスRN A、デコイRNA、アゴニストRNA、アンタゴニストRNA、治療的編集(e diting)RNAおよびリボザイムである。RNAは免疫原性ではない。し たがって、そのような治療的RNAを発現する細胞は免疫根絶に感受性ではない 。実施例90:U6−S35キメラの設計および構築 U6−S35と称される転写ユニットを、S35モチーフの特徴的な分子内ス テムを含むように設計した(図76を参照されたい)。図77、78および79 に示されるように、所望のRNA(例えばリボザイム)をU6−S35キメラの 指示された領域中に挿入することができる。この構築物はタイプ3polIIIプ ロモーター、例えば哺乳動物U6小核RNA(snRNA)プロモーターの制御 下にある(図75を参照されたい)。U6−S35−HHIおよびU6−S35 −HHIIはU6−S35キメラの非限定的例である。 非限定的例として、本出願人は、真核生物U6プロモーターに由来する安定な 活性リボザイムRNAを構築した(図78)。安定性のために、本出願人は、図 76および図77に記載されるように、S35モチーフを取り込ませた。リボザ イムが非構造スペーサー配列によりS35モチーフから分離されるように、リボ ザイム配列をステムの頂点に取り込ませた(図77、78、79)。スペーサー 配列は、それぞれの所望のRNA配列についてあつらえることができる。U6− S35キメラは非限定的例を意味し、当業者は、既知の任意のRNAポリメラー ゼプロモーターから図77、78および79に開示される構造を導くことが可能 であること、およびそれらが本発明の範囲内であることを認識するであろう。必 要なすべては、転写産物の5’領域がその3’領域と相互作用して安定な分子内 構造(S35モチーフ)を形成すること、およびS35モチーフが所望のRNA から非構造スペーサー配列のストレッチにより分離されていることである。スペ ーサー配列は、所望のRNAの効率を高めるようである。 ”非構造”とは、二次および三次構造を有しないこと、例えば配列それ自体中 に、好ましくは、結合しているRNA中の他の配列とも安定な塩基対形成構造を 有しないことを意味する。 ”スペーサー配列”とは、S35ドメインを所望のRNAから分離する任意の 非構造RNA配列を意味する。スペーサー配列は、1ヌクレオチドまたはそれ以 上でありうる。U6−S35−リボザイムキメラのインビトロ触媒活性 U6−S35−HHIリボザイムRNAは、T7RNAポリメラーゼを用いて 合成した。HHI RNAはRNAホスホルアミダイト化学を用いて、Winc ott et al.,1995 Nucleic Acids Resに記載 のようにして化学的に合成した。リボザイムRNAをゲル精製し、精製リボザイ ムRNAを55℃で5分間加熱した。用いた標的RNAは、約650ヌクレオチ ド長さのものであった。内部32P標識した標的RNAは上述のようにして調製し た。標的RNAを50mM Tris−HCl、10mM MgCl2中で37 ℃に予熱し、次に時間0においてリボザイムRNAと混合した(200nMのリ ボザイム最終濃度を与える)。適当な時間において、アリコートを除き、95% ホルムアミド中で希釈することにより反応を停止した。試料を変性尿素ポリアク リルアミドゲルで分離し、生成物をホスホイメージャー(登録商標)で定量した 。 図80に示されるように、U6−S35−HHIリボザイムキメラは、化学的 に合成したHHIリボザイムと同様に効率よくその標的RNAを切断した。実際 、U6−S35−HHIリボザイムキメラは合成リボザイムより効率が高いよう であった。U6−S35−リボザイム転写産物の蓄積 アクチノマイシンDアッセイを用いて、哺乳動物細胞における転写産物の蓄積 を測定した。適当な転写ユニットをコードするプラスミド(2μg DNA/ウ エル、6ウエルプレート)で、リン酸カルシウム沈殿法(Maniatis e t al.,1982 Molecular Cloning Cold Sp ring Harbor Laboratory Press,NY)を用いて 細胞を一夜トランスフェクトした。一夜トランスフェクションした後、培地を置 き換え、細胞をさらに24時間インキュベートした。次に、5μg/mlアクチ ノマイシンDを含む培地中で細胞をインキュベートした。指示された時間に、細 胞をグアニジウムイソチオシアネート中で溶解させ、Chomczynski and Sacchi,1987 Anal.Biochem.,162,15 6に記載されるように、全RNAをフェノール/クロロホルム抽出およびイソプ ロパノール沈殿により精製した。RNAは、ノザンブロット分析により分析し、 特定のRNAのレベルをホスホイメージャー(登録商標)で放射性分析により定 量した。時間0におけるRNAのレベルを100%とした。 図81に示されるように、図79に示されるU6−S35−HHIIリボザイ ムは、293哺乳動物細胞中でかなり安定であり、約2時間の半減期を有してい る。実施例91:VA1−S35キメラの設計および構築 図83Aを参照すると、VA1プロモーターからリボザイムを発現させるため に、本出願人は、2つの修飾を有する野生型VA1配列からなる転写ユニットを 構築した:中心ドメイン中のループから延びる”S35様”モチーフ(図82) ;3’末端は、転写産物の5’領域と3’領域との間により完全な相互作用があ るように変更されている(特に、”A−C”バルジが”A−U”塩基対に変更さ れており、停止配列はS35モチーフのステムの一部である)。VA1−S35−リボザイム転写産物の蓄積 上述のように、アクチノマイシンDアッセイを用いて哺乳動物細胞における転 写産物の蓄積を測定した。図84に示されるように、VA1−S35−キメラ( 図83Aに示される)は、293哺乳動物細胞において、分子内S35モチーフ を欠失したVA1−キメラ(図25Bに示される)と比較して約10倍高い安定 性を有する。 リボザイムの他に、アンチセンス等の所望のRNA、治療的編集RNAおよび デコイを指示されたU6−S35またはVA1−S35キメラ中に容易に挿入し て、哺乳動物細胞におけるRNA発現の治療的レベルを達成することができる。 図に掲げられた配列は非限定的例を意味する。当業者は、当該技術分野におい て知られた技術を用いて上述の例の変異体(突然変異、挿入および削除)を容易 に生成しうること、およびこれらも本発明の範囲内であることを認識するであろ う。診断用途 本発明のリボザイムは、診断道具として用いて、疾患細胞内の遺伝的浮動およ び突然変異を試験するか、またはストロメリシン、B7−1、B7−2、B7− 3および/またはCD40または他のRNAの細胞内における存在を検出するこ とができる。リボザイム活性と標的RNAの構造との間の密接な関係により、標 的RNAの塩基対形成および三次構造を変化させる分子の任意の領域における突 然変異の検出が可能となる。本発明に記載される多重リボザイムを用いることに より、RNA構造およびインビトロでのならびに細胞および組織における機能に 重要なヌクレオチド変化を位置づけることができる。リボザイムによる標的RN Aの切断を用いて、遺伝子発現を阻害し、疾患の進行における特定の遺伝子産物 の役割(本質的な)を特定することができる。このようにして、疾患の重要な媒 介物として他の遺伝的標的を特定することができる。このような実験は、コンビ ナトリアル治療(例えば、異なる遺伝子を標的とする多重リボザイム、既知の小 分子阻害剤と結合させたリボザイム、またはリボザイムおよび/または他の化学 的もしくは生物学的分子の組合せによる断続的治療)の可能性を与えることによ り、疾患進行のよりよい治療をもたらすであろう。本発明のリボザイムの他のイ ンビトロの用途は当該技術分野においてよく知られており、これにはB7−1、 B7−2、B7−3および/またはCD40または他のRNA関連状態に関連す るmRNAの存在の検出が含まれる。このようなRNAは、標準的な方法論を用 いてリボザイムで処置した後の切断生成物の存在を判定することにより検出され る。 特定の例においては、野生型または突然変異型の標的RNAのみを切断しうる リボザイムをアッセイに用いる。第1のリボザイムを用いて試料中に存在する野 生型RNAを同定し、第2のリボザイムを用いて試料中の変異型RNAを同定す る。反応対照として、野生型および変異型RNAの両方の合成基質を両方のリボ ザイムで切断して、反応における相対的なリボザイム効率および”非標的”RN A種の切断がないことを示すことができる。合成基質からの切断生成物はまた、 試料集団中の野生型および変異型RNAの分析のためのサイズマーカーを生成す るためにも役立つ。すなわち、それぞれの分析は、2つのリボザイム、2つの基 質および1つの未知試料を必要とし、これらを組み合わせて6つの反応とする。 切断生成物の存在は、RNAse保護アッセイを用いて判定し、それぞれのRN Aの全長および切断フラグメントをポリアクリルアミドゲルの1つのレーンで分 析することができる。標的細胞における変異型RNAの発現および所望の表現型 の変化の推定上の危険性を見抜くためには、結果を定量することが絶対的に必要 というわけではない。その蛋白質生成物が表現型(すなわち、B7−1、B7− 2、B7−3および/またはCD40)の発現に関与すると示唆されるmRNA の発現は危険性の確立に適切である。類似した比活性のプローブを両方の転写産 物用に用いる場合には、RNAレベルの質的比較が適切であり、初期診断費用を 軽減するであろう。RNAレベルを質的に比較しようと量的に比較しようと、突 然変異型対野生型の比がより高いことは危険性がより高いことと相関関係があろ う。 他の態様は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。表1 リボザイムの特徴 グループIイントロン サイズ:約200から>1000ヌクレオチド 標的配列中、切断部位のすぐ5’側にUを必要とする。 切断部位の5’側で4−6ヌクレオチドに結合する。 このクラスには75個を越えるメンバーが知られている。Tetorahyme na thermophila rRNA、真菌ミトコンドリア、クロロプラス ト、T4ファージ、らん藻類、および他のものに見いだされている。 RNaseP RNA (M1 RNA) サイズ:約290から400ヌクレオチド リボヌクレオ蛋白質酵素のRNA部分。tRNA前駆体を切断して、成熟tRN Aを形成する。 このグループには約10個のメンバーが知られており、すべて細菌由来のもので ある。 ハンマーヘッドリボザイム サイズ:約13から40ヌクレオチド 切断部位のすぐ5’側に標的配列UHを必要とする。 切断部位の両側で可変数のヌクレオチドに結合する。 このクラスには14個のメンバーが知られている。感染剤としてRNAを用いる 多くの植物病原体(ウイルソイド)において見いだされている(図1)。 ヘアピンリボザイム サイズ:約50ヌクレオチド 切断部位のすぐ3’側に標的配列GUCを必要とする。 切断部位の5’側の4−6ヌクレオチドおよび3’側の可変数のヌクレオチドに 結合する。 このクラスには3個のメンバーのみが知られている。感染剤としてRNAを用い る3つの植物病原体(タバコリングスポットウイルスのサテライトRNA、アラ ビスモザイクウイルスおよびチコリイエローモットルウイルス)において見いだ されている(図3)。 デルタ肝炎ウイルス(HDV)リボザイム サイズ:50−60ヌクレオチド(現在のところ) 最近、標的RNAの切断が示された。 配列要件は完全には決定されていない。 結合部位および構造的要件は完全には決定されていないが、切断部位の5’側の 配列は必要ではない。 このクラスには1個のメンバーのみが知られている。ヒトHDVにおいて見いだ されている(図4)。 Neurospora VS RNAリボザイム サイズ:約144ヌクレオチド(現在のところ) 最近、標的RNAの切断が示された。 配列要件は完全には決定されていない。 結合部位および構造的要件は完全には決定されていない。 このクラスには1個のメンバーのみが知られている。Neurospora V S RNAにおいて見いだされている(図5)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA 9/16 5/00 B (31)優先権主張番号 08/363,254 (32)優先日 平成6年12月23日(1994.12.23) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/390,850 (32)優先日 平成7年2月17日(1995.2.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/426,124 (32)優先日 平成7年4月20日(1995.4.20) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/432,874 (32)優先日 平成7年5月2日(1995.5.2) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/434,509 (32)優先日 平成7年5月4日(1995.5.4) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/000,951 (32)優先日 平成7年7月7日(1995.7.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/000,974 (32)優先日 平成7年7月7日(1995.7.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/541,365 (32)優先日 平成7年10月5日(1995.10.5) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,MX (72)発明者 ジャーヴィス,セール アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,グレンウッド・ドライブ 2925,ナ ンバー 301 (72)発明者 ドレイパー,ケネス アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,クラウド・コート 4619 (72)発明者 パヴコ,パメラ アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,クラウド・コート 4619 (72)発明者 マクスウィゲン,ジェームズ アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,フランクリン・ドライブ 4866 (72)発明者 グスタフソン,ジョン アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,フランクリン・ドライブ 4866 (72)発明者 アスマン,ナシム アメリカ合衆国コロラド州80304,ボウル ダー,カルミア 2954,ナンバー 37 (72)発明者 ウィンコット,フランシーヌ アメリカ合衆国コロラド州80501,ロング モント,ノース・ナインティフィフス・ス トリート 7920 (72)発明者 マトゥリック−アダミック,ジャセンカ アメリカ合衆国コロラド州80303,ボウル ダー,サウス・フォーティセカンド・スト リート 760 (72)発明者 カーペイスキー,アレクサンダー アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,ウィリアムズ・フォーク・トレイル 5121,ナンバー 209 (72)発明者 トンプソン,ジェームズ・ディー アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,グレンウッド・ドライブ 2925,ナ ンバー 301 (72)発明者 モダック,アニル アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,ホープトマン・コート 3855 (72)発明者 バーギン,アレックス アメリカ合衆国コロラド州80301,ボウル ダー,ギャトリング・レーン 3115

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ハンマーヘッドモチーフを有する酵素的核酸であって、前記核酸は少なく とも5個のリボース残基を含み、かつ、前記核酸は前記核酸の位置番号4におい て2’−C−アリル修飾を含み、かつ前記核酸は、少なくとも10個の2’−O −メチル修飾を含み、かつ前記核酸は3’末端修飾を含むことを特徴とする酵素 的核酸。 2. 前記核酸が前記3’末端において3’−3’連結反転リボース部分を有す る、請求項1記載の酵素的核酸。 3. ハンマーヘッドモチーフを有する酵素的核酸であって、前記核酸は少なく とも5個のリボース残基を含み、かつ前記核酸は前記核酸の位置番号4および/ または位置番号7において2’−アミノ修飾を含み、かつ前記核酸は少なくとも 10個の2’−O−メチル修飾を含み、かつ前記核酸はその3’末端において3 ’−3’連結反転リボースまたはチミジン部分を含むことを特徴とする酵素的核 酸。 4. ハンマーヘッドモチーフを有する酵素的核酸であって、前記核酸は少なく とも5個のリボース残基を含み、かつ前記核酸は前記核酸分子の位置番号4およ び/または位置番号7において非ヌクレオチド置換を含み、、かつ前記核酸は少 なくとも10個の2’−O−メチル修飾を含み、かつ前記核酸はその3’末端に おいて3’−3’連結反転リボースまたはチミジン部分を有することを特徴とす る酵素的核酸。 5. 配列番号34、35、57、125、126、127、128、129、 140、162、170、179、188、223、224、236、245、 246、256、259、260、および281から選択される配列を有する標 的mRNAを切断する酵素的核酸であって、前記核酸は少なくとも5個のリボー ス残基を含み、かつ前記核酸は前記核酸分子の位置番号4および/または位置番 号7において6−メチルウリジン置換を含み、かつ前記核酸は少なくとも10個 の2’−O−メチル修飾を含み、かつ前記核酸はその3’末端において3’−3 ’連結反転リボースまたはチミジン部分を含むことを特徴とする酵素的核酸。 6. 配列番号34、35、57、125、126、127、128、129、 140、162、170、179、188、223、224、236、245、 246、256、259、260、および281から選択される配列を有する標 的mRNAを切断する酵素的核酸であって、ここで、前記核酸は、少なくとも5 個のリボース残基を含み、かつ前記核酸は前記核酸の位置番号4において2’− C−アリル修飾を含み、かつ前記核酸は少なくとも10個の2’−O−メチル修 飾を含み、かつ前記核酸はその3’末端において2’−3’連結反転リボースま たはチミジン部分を含むことを特徴とする酵素的核酸。 7. 前記核酸が7個の5’末端ヌクレオチドのうち少なくとも3個においてホ スホロチオエート連結を含む、請求項1−6のいずれかに記載の酵素的核酸。 8. B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40をコードするmR NAの合成および/または発現をブロックする核酸分子。 9. 前記分子が酵素的核酸分子である、請求項8記載の核酸。 10. 前記酵素的核酸の結合アームが表BII、BIV、BVI、BVIII 、BX、BXII、BXIV、BXV、BXVI、BXVII、BXVIIIお よびBXIXのいずれかのヌクレオチド塩基配列に相補的な配列を含む、請求項 9記載の核酸分子。 11. 前記核酸分子がハンマーヘッドモチーフのものである、請求項9または 10に記載の核酸分子。 12. 前記核酸分子がヘアピン、デルタ肝炎ウイルス、グループIイントロン 、VS核酸またはRNaseP核酸モチーフのものである、請求項9または10 記載の酵素的核酸分子。 13. 前記リボザイムが前記領域のRNAに相補的な12−100塩基を含む 、請求項9または10記載の酵素的核酸分子。 14. 前記リボザイムが前記領域のRNAに相補的な14−24塩基を含む、 請求項13記載の酵素的核酸。 15. 本質的に表BIII、BV、BVI、BVII、BIX、BXI、BX III、BXIV、BXV、BXVI、BXVIIおよびBXVIIIに示され る配列から選択されるいずれかのリボザイム配列からなる酵素的核酸分子。 16. 請求項8または9記載の酵素的核酸分子を含む哺乳動物細胞。 17. 前記細胞がヒト細胞である、請求項16記載の細胞。 18. 請求項9または10に記載の酵素的核酸分子をコードする核酸を、哺乳 動物細胞中でその酵素的RNA分子を発現および/または送達しうる様式で含む 発現ベクター。 19. 請求項18記載の発現ベクターを含む哺乳動物細胞。 20. 前記細胞がヒト細胞である、請求項19記載の細胞。 21. B7−1、B7−2、B7−3および/またはCD40のレベルに関連 する状態を有する患者を治療する方法であって、患者、組織ドナーまたは対応す る細胞集団に、治療的有効量の、請求項8、9または10に記載の酵素的核酸分 子を投与することを含む方法。 22. 患者に請求項21記載の発現ベクターを投与することによる、B7−1 、B7−2、B7−3および/またはCD40活性のレベルに関連する状態を治 療する方法。 23. 前記患者がヒトである、請求項21または22に記載の方法。 24. レシピエントにドナーのアロ抗体に対する許容性を誘導する方法であっ て、ドナーからの抗原提示細胞を請求項8または9記載の核酸で処理し、前記処 理された抗原提示細胞を前記レシピエントに注入することを含む方法。 25. 移植片許容性を増強する方法であって、移植前に請求項8または9に記 載の核酸を前記移植片の細胞と接触させることを含む方法。 26. 自己免疫疾患を治療する方法であって、患者の抗原提示細胞を請求項8 または9に記載の核酸と接触させることを含む方法。 27. 前記細胞をエクスビボで前記核酸と接触させる、請求項26記載の方法 。 28. 前記細胞を前記疾患に特徴的な自己抗体と接触させる、請求項26記載 の方法。 29. 前記細胞が前記患者に再注入される、請求項28記載の方法 30. 少なくとも1つの修飾塩基置換を有する酵素的核酸であって、前記塩基 置換は、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、シュードウラシ ル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウラシ ル、ナフチル、6−メチル−ウラシルおよびアミノフェニルからなる群より選択 されることを特徴とする酵素的核酸。 31. 前記核酸がハンマーヘッドモチーフを有する、請求項30記載の酵素的 核酸。 32. 請求項30または31に記載の酵素的核酸分子を含む哺乳動物細胞。 33. 前記核酸が4位または7位において前記修飾塩基置換を含む、請求項3 1記載の酵素的核酸。 34. 前記置換が6−メチルウラシルである、請求項33記載のリボザイム。 35. 前記置換がピリジン−4−オンである、請求項33記載のリボザイム。 36. 前記置換がフェニルである、請求項33記載のリボザイム。 37. 前記置換がピリジン−2−オンである、請求項33記載のリボザイム。 38. 前記置換がシュードウラシルである、請求項33記載のリボザイム。 39. 前記置換が2,4,6−トリメトキシベンゼンである、請求項33記載 のリボザイム。 40. 前記置換がジヒドロウラシルである、請求項33記載のリボザイム。 41. 前記置換が3−メチルウラシルである、請求項33記載のリボザイム。 42. 前記置換がナフチルである、請求項33記載のリボザイム。 43. 前記置換がアミノフェニルである、請求項33記載のリボザイム。 44. 2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオシド。 45. 2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド。 46. 1つまたはそれ以上の2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチドを 含むオリゴヌクレオチド。 47. 2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチドを含む酵素的核酸。 48. RNAまたは一本鎖DNA分子を切断する増強された活性をを有する酵 素的核酸分子製造する方法であって、その2’位にアルキル基を有する少なくと も1つのヌクレオチドを有する前記酵素的分子を形成する工程を含む方法。 49. 2’−デオキシ−2’−アルキルヌクレオチド三リン酸。 50. 5’−O−DMT−3’−O−TBDMS−塩基から2’−C−アリル 誘導体を合成する方法であって、 (a) 2’ヒドロキシル基をフェノキシチオカルボニル基で置換して5’−O −DMT−3’−O−TBDMS−塩基をフェノキシチオカルボニル化してチオ エステルを得、そして (b) 前記チオエステルをヘックアシル化して2’−C−アリル誘導体を形成 し、ここで前記2’−フェノキシチオカルボニル基は前記2’−C−アルキル基 で置換されており、前記2’−C−アリル誘導体を得る、 の各工程を含む方法。 51. 次の式: [式中、R1は2’−O−アルキルチオアルキルまたは2’−C−アルキルチオ アルキルを表し、Xは、塩基またはHを表し、Yはリン含有基を表し、R2はO 、DMTまたはリン含有基を表す] を有する化合物。 52. 請求項51記載の1つまたはそれ以上の化合物を含むオリゴヌクレオチ ド。 53. 請求項51記載の化合物を含む酵素的核酸。 54. 前記化合物が三リン酸の形態である、請求項51記載の化合物。 55. 前記核酸がハンマーヘッドモチーフのものである、請求項53記載の酵 素的核酸。 56. 前記核酸がヘアピン、デルタ肝炎ウイルス、グループIイントロン、V S RNAまたはRNaseP RNAモチーフのものである、請求項53記載 の酵素的核酸。 57 前記ハンマーヘッドリボザイムが4位および/または7位において2’− O−メチルチオメチルで置換されている、請求項55記載の酵素的核酸。 58. 前記ハンマーヘッドのステムII中の1つのモノマーが少なくとも1つ の2’−O−メチルチオメチルで置換されている、請求項55または57に記載 の酵素的核酸。 59. 前記核酸が1つまたはそれ以上の位置において2’−O−メチルチオフ ェニルで置換されている、請求項55または56記載の酵素的核酸。 60. 請求項51−59のいずれかに記載の化合物を含む哺乳動物細胞。 61. 前記細胞がヒト細胞である、請求項60記載の細胞。 62. RNAまたは一本鎖DNA分子を切断する活性を有する酵素的核酸分子 を製造する方法であって、その2’位において2’−O−アルキルチオアルキル および/または2’−C−アルキルチオアルキル基を有する少なくとも1つの位 置を有する前記酵素的分子を形成する工程を含む方法。 64. 触媒コア中の4位および7位における通常生ずるウラシルからなる群よ り選択される部位中に非ヌクレオチドを有するハンマーヘッドリボザイム。 65. ステムIIおよびループIIを有するハンマーヘッドリボザイムであっ て、前記ループIIが非ヌクレオチドを含むリボザイム。 66. その3’末端において非ヌクレオチドを有するハンマーヘッドリボザイ ム。 67. 請求項64−67のいずれかに記載の酵素的核酸分子を含む哺乳動物細 胞。 68. 前記細胞がヒト細胞である、請求項67記載の細胞。 69. 図58に記載される、脱塩基リボヌクレオシド模倣体の合成方法。 70. RNAの脱保護の方法であって、 水性エチルアミン(EA)を25℃−60℃で5−30分間提供して、保護RN Aから環外アミノ保護基を除去する工程を含む方法。 71. 前記エチルアミンが40℃で10分間提供される、請求項70記載の方 法。 72. 前記エチルアミンが55℃で10分間提供される、請求項70記載の方 法。 73. 前記基を無水トリエチルアミン・フッ化水素(aHF・TEA)トリメ チルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンと60℃−70℃で0.25−2 4時間接触させることを含む、さらにRNAアルキルシリル保護基の脱保護を含 む請求項70記載の方法。 74. 前記RNAが酵素的RNAである、請求項70−73のいずれかに記載 の方法。 75. 酵素的核酸を合成する方法であって、 独立した化学的反応性基をそれぞれ5’および3’位に有する前記酵素的核酸の 3’部分および5’部分を、前記3’および5’位の間に前記化学的反応性基に より共有結合が形成される条件下で用意し、前記結合は、ジスルフィド、モルホ リノ、アミド、エーテル、チオエーテル、アミン、二重結合、スルホンアミド、 エステル、カーボネート、ヒドラゾンからなる群より選択され、前記結合は5’ ホスフェート基と3’ヒドロキシル基との間に形成される天然の結合ではない、 の工程を含む方法。 76. 前記核酸がハンマーヘッドモチーフを有し、前記3’および5’位がそ れぞれステムII領域中またはこれに隣接して前記化学的反応性基を有する、請 求項75記載の方法。 77. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nSHであり、化学的反応性基の 他方が(CH2nSHであり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の整数 であり、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 78. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nNH2であり、化学的反応性基 の他方がリボースであり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の整数であ り、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 79. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nNH2であり、化学的反応性基 の他方がCOOHであり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の整数であ り、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 80. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nXであり、化学的反応性基の他 方が(CH2nOHまたは(CH2nSHであり、ここでそれぞれのnは独立し て0から10の整数であり、同一または異なっていてもよく、Xはハロゲンであ る、請求項75記載の方法。 81. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nNH2であり、化学的反応性基 の他方がCHOであり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の整数であり 、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 82. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nPPh3であり、化学的反応性 基の他方がCHOであり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の整数であ り、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 83. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nNH2であり、化学的反応性基 の他方が(CH2nSO2Clであり、ここでそれぞれのnは独立して0から1 0の整数であり、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 84. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nOHであり、化学的反応性基の 他方がCOOHであり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の整数であり 、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 85. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nCOHであり、化学的反応性基 の他方が(CH2nNH2であり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の 整数であり、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 86. 前記化学的反応性基の一方が(CH2nCOXであり、化学的反応性基 の他方が(CH2nOHであり、ここでそれぞれのnは独立して0から10の整 数であり、同一または異なっていてもよい、請求項75記載の方法。 87. 前記条件が、NaIO4を前記リボースと接触させ、つづいてNaBH4 またはNaCNBH3を提供することを含む、請求項78記載の方法。 88. 前記条件がカップリング試薬を提供することを含む、請求項79記載の 方法。 89. (CH2nSH、(CH2nNH2、リボース、COOH、(CH2n X、(CH2nPPh3、CHO、(CH2nSO2Cl、(CH2nCOX、( CH2nX、(CH2nOH、(CH2nCOH、および(CH2nSH(式中 、それぞれのnは独立して0から10の整数であり、同一または異なっていても よく、Xはハロゲンである)からなる群よりそれぞれ選択される3’および5’ 化学的反応性基を有する酵素的核酸の5’部分および3’部分を含む混合物。 90. 前記化学的反応性基の一方が連結基−SHであり、化学的反応性基の他 方が連結基−SHであり、ここでそれぞれの連結基は同一であっても異なってい てもよい、請求項75記載の方法。 91. 前記化学的反応性基の一方が連結基−NH2であり、化学的反応性基の 他方がリボースである、請求項75記載の方法。 92. 前記化学的反応性基の一方が連結基−NH2であり、化学的反応性基の 他方がCOOHである、請求項75記載の方法。 93. 前記化学的反応性基の一方が連結基−Xであり、化学的反応性基の他方 が連結基−OHまたは連結基−SHであり、ここでそれぞれの連結基は同一であ っても異なっていてもよく、Xはハロゲンである、請求項75記載の方法。 94. 前記化学的反応性基の一方が連結基−NH2であり、化学的反応性基の 他方がCHOである、請求項75記載の方法。 95. 前記化学的反応性基の一方が連結基−PPh3であり、化学的反応性基 の他方がCHOである、請求項75記載の方法。 96. 前記化学的反応性基の一方が連結基−NH2であり、化学的反応性基の 他方が連結基−SO2Clであり、ここでそれぞれの連結基は同一であっても異 なっていてもよい、請求項75記載の方法。 97. 前記化学的反応性基の一方が連結基−OHであり、化学的反応性基の他 方がCOOHである、請求項75記載の方法。 98. 前記化学的反応性基の一方が連結基−COHであり、化学的反応性基の 他方が連結基−NH2であり、ここでそれぞれの連結基は同一であっても異なっ ていてもよい、請求項75記載の方法。 99. 前記化学的反応性基の一方が連結基−COXであり、化学的反応性基の 他方が連結基−OHであり、ここでそれぞれの連結基は同一であっても異なって いてもよい、請求項75記載の方法。 100. 前記条件が、NaOI4を前記リボースと接触させること、および続 いてNaBH4またはNaCNBH3を提供することを含む、請求項91記載の方 法。 101. 前記条件がカップリング試薬を提供することを含む、請求項100記 載の方法。 102. 連結基−SH、連結基−NH2、リボース、COOH、連結基−X、 連結基−PPh3、CHO、連結基−SO2Cl、連結基−COX、連結基−X、 連結基−OH、連結基−COH、および連結基−SH(式中、それぞれの連結基 は同一または異なり、Xはハロゲンである)からなる群よりそれぞれ選択される 3’および5’化学的反応性基を有する酵素的核酸の5’部分および3’部分を 含む混合物。 103. 所望の治療的RNA部分を含む転写された天然に生じないRNA分子 であって、前記分子は前記RNA中の3’領域と5’相補的ヌクレオチドとの間 の塩基対形成相互作用により形成された分子内ステムを含み、前記ステムは少な くとも8塩基対を含み、前記分子はRNAポリメラーゼIIプロモーターシステ ムから転写されることを特徴とするRNA分子。 104. 所望の治療的RNA部分を含む転写された天然に生じないRNA分子 であって、前記分子は前記RNA中の3’領域と5’相補的ヌクレオチドとの間 の塩基対形成相互作用により形成された分子内ステムを含み、前記ステムは少な くとも8塩基対を含み、前記分子はU6小核RNAプロモーターシステムから転 写されることを特徴とするRNA分子。 105. 所望の治療的RNA部分を含む転写された天然に生じないRNA分子 であって、前記分子は前記RNA中の3’領域と5’相補的ヌクレオチドとの間 の塩基対形成相互作用により形成された分子内ステムを含み、前記ステムは少な くとも8塩基対を含み、前記分子はアデノウイルスVA1 RNAプロモーター システムから転写されることを特徴とするRNA分子。 106. 所望の治療的RNA部分を含む転写された天然に生じないRNA分子 であって、前記分子は前記RNA中の3’領域と5’相補的ヌクレオチドとの間 の塩基対形成相互作用により形成された分子内ステムを含み、前記ステムは少な くとも8塩基対を含み、前記分子はキメラアデノウイルスVA1RNAであるこ とを特徴とするRNA分子。 107. 所望の治療的RNA部分を含む転写された天然に生じないRNA分子 であって、前記分子は前記RNA中の3’領域と5’相補的ヌクレオチドとの間 の塩基対形成相互作用により形成された分子内ステムを含み、前記ステムは少な くとも8塩基対を含み、前記分子内ステムはスペーサー配列により前記所望のR NAから分離されていることを特徴とするRNA分子。 108. 前記スペーサー配列が約5−50ヌクレオチドである、請求項107 記載のRNA分子。
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