明 細 書
緑色系発光蛍光体
技術分野
[0001] 本発明は、青色光線等の短波長領域の可視光線や紫外線を吸収し、緑色等のより 長波長の可視光を発する蛍光体に関し、さらに発光ダイオード (LED)やレーザーダ ィオード (LD)等の半導体発光素子と組み合わせることにより、演色性が改善された 白色発光素子を構成することができる蛍光体に関する。
背景技術
[0002] 青色光線等の短波長領域の可視光線や紫外線を吸収し、赤色や緑色等のより長 波長の可視光に波長変換をする蛍光体を用い、これを組み合わせることで白色等の 可視光を得ることは古くから知られて 、る。
特に、短波長領域の可視光線や紫外線の光源として、半導体発光素子、例えば窒 化ガリウム (GaN)系青色発光ダイオード等を用いて、波長変換材料としての蛍光体 とを組み合わせて構成し、白色等の可視光を発光する発光素子は、消費電力が小さ く長寿命であるという特徴があり、近年画像表示装置や照明装置の発光源として注 目されている。
この発光素子は、例えば変換材料としての蛍光体が、 GaN系青色発光ダイオード の発する青色領域の可視光を吸収して黄色光を発光し、さらに蛍光体に吸収されな 力つた発光ダイオードの青色光との混色により、白色の発光が得られるものである(例 えば、特許文献 1参照。)。
[0003] し力しながら、この黄色蛍光体は温度が上昇すると輝度低下が起こるという問題が ある。
また、この温度特性の良好である蛍光体としては、窒化物蛍光体や酸窒化物系の 蛍光体が提案されている(例えば特許文献 2及び 3参照。;)。このうち、例えば特許文 献 3には、アルカリ土類元素 (AE):ケィ素(Si):酸素(O):窒素 (N) = 1: 2: 2: 2の組 成の蛍光体が良好な特性を持つと記載されて 、る。
この物質の結晶構造は SiO四面体と SiN四面体の組合せで結晶骨格が構成され
ているが、この構造の蛍光体はまだ発光輝度が十分ではなぐ改良が求められてい た。
特許文献 1 :特開平 10— 242513号公報 (第 2頁)
特許文献 2 :特開 2004— 134805号公報 (第 2頁、第 6頁、第 8頁)
特許文献 3 :特開 2004— 277547号公報 (第 2頁、第 13頁)
発明の開示
[0004] 本発明は、前述の従来技術に鑑み、高輝度のアルカリ土類金属酸窒化物系蛍光 体を提供することを目的とする。
[0005] 本発明者等は、前記課題を解決すべく種々の実験を行なった結果、酸窒化物蛍光 体の母体の一部の酸素(O)をハロゲン元素に置換することにより、高輝度な蛍光体 が得られることを見出した。
第 1の発明に係る緑色系発光蛍光体は、一般式が M Si O X N :Euで
1 -a 2 2- l/2n n 2 a 表され、 Mはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及びカルシウム(Ca)の少なくとも 1つ 以上の元素であり、 Xは塩素(C1)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元素であり、 aは 0. 005≤a≤0. 15であり、 nは 0. 02≤n≤0. 2であることを特徴として!/、る。
[0006] そして、上記のように、母体中の酸素(O)の一部を、 Xで表される塩素(C1)及び臭 素(Br)の少なくとも 1つ以上のハロゲン元素で置換することによって、より高輝度な緑 色系発光蛍光体となる。
ここで、 Xで表されるハロゲン元素の量 nが 0. 2を超える場合では、置換量が大きす ぎるために目的である本発明の蛍光体の構造とならず、発光輝度が低下する。また n が 0. 02未満の場合では、置換量が不十分なため、従来タイプの蛍光体と変わらな い。
また、付活剤としてのユウ口ピウム (Eu)の量を表す aが 0. 15を超える場合では、濃 度消光により発光輝度が低下する。一方、 aが 0. 005未満の場合では、付活剤とし ての濃度が不十分なため、やはり発光輝度が低下する。
[0007] これらのこと力ら、 aを 0. 005≤a≤0. 15とし、 nを 0. 02≤n≤0. 2とすることで、高 輝度の緑色系発光蛍光体を得ることができる。
第 2の発明に係る緑色系発光蛍光体は、一般式が Sr Si O X N :Euで
1 -a 2 2- l/2n n 2 a
表され、 Xは塩素(CI)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元素であり、 aは 0. 005 ≤a≤0. 15であり、 nは 0. 02≤n≤0. 2であることを特徴として!/ヽる。
そして、上記のように、母体中の酸素(O)の一部を、 Xで表される塩素(C1)及び臭 素(Br)の少なくとも 1つ以上のハロゲン元素で置換することによって、より高輝度な緑 色系発光蛍光体となる。
[0008] ここで、 Xで表されるハロゲン元素の量 nが 0. 2を超える場合では、置換量が大きす ぎるために目的である本発明の蛍光体の構造とならず、発光輝度が低下する。また n が 0. 02未満の場合では、置換量が不十分なため、従来タイプの蛍光体と変わらな い。
また、付活剤としてのユウ口ピウム (Eu)の量を表す aが 0. 15を超える場合では、濃 度消光により発光輝度が低下する。一方、 aが 0. 005未満の場合では、付活剤とし ての濃度が不十分なため、やはり発光輝度が低下する。
これらのこと力ら、 aを 0. 005≤a≤0. 15とし、11を0. 02≤n≤0. 2とすることで、高 輝度の緑色系発光蛍光体を得ることができる。
[0009] 第 3の発明に係る緑色系発光蛍光体は、一般式が(Sr Ba ) Si O X N
1 -b b 1 -a 2 2~ l/2n n 2
: Euで表され、 Xは塩素(CI)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元素であり、 aは a
0. 005≤a≤0. 15であり、 biま 0<b≤0. 761であり、 ηίま 0. 02≤η≤0. 2であるこ とを特徴としている。
そして、上記のように、母体中の酸素(Ο)の一部を、 Xで表される塩素(C1)及び臭 素(Br)の少なくとも 1つ以上のハロゲン元素で置換することによって、より高輝度な緑 色系発光蛍光体となる。
ここで、 Xで表されるハロゲン元素の量 nが 0. 2を超える場合では、置換量が大きす ぎるために目的である本発明の蛍光体の構造とならず、発光輝度が低下する。また n が 0. 02未満の場合では、置換量が不十分なため、従来タイプの蛍光体と変わらな い。
[0010] また、付活剤としてのユウ口ピウム (Eu)の量を表す aが 0. 15を超える場合では、濃 度消光により発光輝度が低下する。一方、 aが 0. 005未満の場合では、付活剤とし ての濃度が不十分なため、やはり発光輝度が低下する。
さらに、ストロンチウム(Sr)の一部をバリウム (Ba)で置換する割合を表す bを増加す ることにより、蛍光体の発光ピーク波長が長波長側に若干シフトし、色度 Xは増加、色 度 yは減少する。この性質により、 bを増加することで特に青色光線等を発光する発光 ダイオード等の半導体発光素子と組み合わせて白色系の光源を得る際に、発光色 の調整が可能となるので好ましい。しかし、 b力 . 761を超える場合、発光ピークが 2 つになり、短波長成分の色が混ざることにより視感輝度も低下するため好ましくない。
[0011] これらのこと力ら、 aを 0. 005≤a≤0. 15とし、 bを 0<b≤0. 761とし、 nを 0. 02≤ n≤0. 2とすることで、高輝度の緑色系発光蛍光体を得ることができる。
第 4の発明に係る緑色系発光蛍光体は、一般式が(Sr Ba Ca ) Si O
l -b— c b c 1 -a 2 2— 1/2
X N : Euで表され、 Xは塩素(CI)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元素であ n n 2 a
り、 aiま 0. 005≤a≤0. 15であり、 dま 0< c≤0. 109であり、(b + c) ίま 0< (b + c)≤ 0. 218であり、 nは 0. 02≤n≤0. 2であることを特徴として!/ヽる。
[0012] そして、上記のように、母体中の酸素(O)の一部を、 Xで表される塩素(C1)及び臭 素(Br)の少なくとも 1つ以上のハロゲン元素で置換することによって、より高輝度な緑 色系発光蛍光体となる。
ここで、 Xで表されるハロゲン元素の量 nが 0. 2を超える場合では、置換量が大きす ぎるために目的である本発明の蛍光体の構造とならず、発光輝度が低下する。また n が 0. 02未満の場合では、置換量が不十分なため、従来タイプの蛍光体と変わらな い。
また、付活剤としてのユウ口ピウム (Eu)の量を表す aが 0. 15を超える場合では、濃 度消光により発光輝度が低下する。一方、 aが 0. 005未満の場合では、付活剤とし ての濃度が不十分なため、やはり発光輝度が低下する。
[0013] さらに、ストロンチウム(Sr)の一部を少なくともカルシウム(Ca)又はカルシウム及び ノ リウム (Ba)で置換することにより、蛍光体の発光ピーク波長が若干シフトし、発光 色の調整が可能となるので好ましい。しかし、 cが 0. 109を超える場合、又は (b + c) が 0. 218を超える場合、発光輝度が低下するため好ましくない。
これらのこと力ら、 aを 0. 005≤a≤0. 15とし、 cを 0< c≤0. 109とし、(b + c)を 0 < (b + c)≤0. 218とし、 nを 0. 02≤n≤0. 2とすることで、高輝度の緑色系発光
光体を得ることができる。
[0014] 第 1の発明に係る緑色系発光蛍光体によれば、一般式が M Si O X N :E
1 -a 2 2- l/2n n 2 uで表され、 Mはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及びカルシウム(Ca)の少なくとも a
1つ以上の元素であり、 Xは塩素(C1)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元素であ り、 aを 0. 005≤a≤0. 15とし、 nを 0. 02≤n≤0. 2としたことで、発光輝度の高 ヽ優 れた緑色系発光蛍光体を得ることができる。
第 2の発明に係る緑色系発光蛍光体によれば、一般式が Sr Si O X N :E
1 -a 2 2- l/2n n 2 uで表され、 Xは塩素(CI)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元素であり、 aを 0. a
005≤a≤0. 15とし、nを 0. 02≤n≤0. 2としたことで、発光輝度の高!ヽ優れた緑色 系発光蛍光体を得ることができる。
[0015] 第 3の発明に係る緑色系発光蛍光体によれば、一般式が(Sr Ba ) Si O
l -b b 1 -a 2 2—1/2
X N: Euで表され、 Xは塩素(CI)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元素であ n n 2 a
り、 aを 0. 005≤a≤0. 15とし、 bを 0<b≤0. 761とし、 nを 0. 02≤n≤0. 2としたこ とで、発光輝度の高 、優れた緑色系発光蛍光体を得ることができる。
第 4の発明に係る緑色系発光蛍光体によれば、一般式が(Sr Ba Ca ) Si l -b— c b c 1 -a 2
O X N: Euで表され、 Xは塩素(CI)及び臭素(Br)の少なくとも 1つ以上の元
2- l/2n n 2 a
素であり、 aを 0. 005≤a≤0. 15とし、 cを 0< c≤0. 109とし、(b + c)を 0< (b + c) ≤0. 218とし、 nを 0. 02≤n≤0. 2としたことで、発光輝度の高い優れた緑色系発 光蛍光体を得ることができる。
図面の簡単な説明
[0016] [図 1]本発明の一実施の形態の緑色系発光蛍光体及び従来の緑色系発光蛍光体の 、 465nm励起時の発光スペクトルを表すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
[0017] 以下、本発明の一実施の形態における蛍光体を製造する工程を説明する。本発明 に係る蛍光体は、成分元素を含む化合物を所定の比率になるように混合し、得られ た混合物を所定の条件下で焼成することにより得られる。
出発原料には、 Sr, Ca, Ba, Si及び Eu (以下、これらを「陽イオン元素」という。)を 含む炭酸塩、酸化物、窒化物、フッ化物等の化合物を用いることができる。出発原料
には、 1種類の陽イオン元素を含む単純ィ匕合物を用いても良ぐあるいは、 2種以上 の陽イオン元素を含む複合ィ匕合物を用いても良 、。
出発原料の種類及び混合比率は、作成しょうとする蛍光体の組成に応じて選択す る。
混合された出発原料は、所定の条件下で焼成する。焼成時の雰囲気は、水素と窒 素混合ガス雰囲気が好まし 、。水素ガス濃度は 1%から 5%の範囲が好まし 、。
[0018] 焼成温度は、 1200°C以上 1600°C以下が好ましい。焼成温度が 1200°C未満であ ると、出発原料の固相反応の反応速度が遅くなるので好ましくない。一方、焼成温度 が 1600°Cを越えると、焼結溶融が著しくなり好ましくない。焼成温度は、さらに好まし くは、 1300°C以上 1500°C以下である。
焼成時間は、 0. 5時間以上が好ましい。焼成時間が 0. 5時間未満であると、固相 反応が不十分となり、良好な蛍光体粒子が得られないので好ましくない。焼成時間は 、さらに好ましくは、 1時間以上である。
このような条件下で焼成すると、固相反応によって、目的の酸窒化物蛍光体が得ら れる。焼成直後は、通常、粉末が凝集した状態となっているので、これを LED用の蛍 光体として用いるためには、合成された粉末状蛍光体を分散工程、洗浄処理工程、 篩別工程を通して所定の粒度となるように製品化する。
[0019] 次に、上記一実施の形態の実施例として、本発明の緑色系発光蛍光体とその特性 について説明する。
[0020] (実施例 1)
はじめに、組成中のハロゲン元素として、塩素(C1)の置換量 nを変化させたときの 蛍光体の特性について説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO )を 141. Og (Srと
3
して 0. 955モル)、ユウ口ピウム(Eu)の原料として酸化ユウ口ピウム(Eu O )を 7. Og
2 3
(Euとして 0. 04モル)、ケィ素(Si)の原料として二酸化ケイ素(SiO )を 30. lg (Siと
2
して 0. 5モル)、ケィ素と窒素(N)の原料として窒化ケィ素(Si N )を 70. 2g (Siとし
3 4
て 1. 5モル、 Nとして 2モル)、ストロンチウムと塩素 (C1)の原料として塩化ストロンチウ ム(SrCl )を 0. 79g (Srとして 0. 005モノレ、 C1として 0. 01モノレ)を十分よく混合する
。この粉末混合物を、アルミナ容器内に充填して、 3%H + 97%N雰囲気において
2 2
1400°Cで 1時間焼成する。焼成後、分散処理及び洗浄処理を経て、さらに 420メッ シュの篩を通過させ、得られた蛍光体を試料 1— (1)とした。
[0021] この試料 1一(1)の蛍光体は、一般式: Sr Si O CI N: Eu で表される
0. 96 2 1. 995 0. 01 2 0. 04 同様にして、炭酸ストロンチウムに置換して添加する塩化ストロンチウムの量を、表 1 に示すように塩素(C1)の量 nとして 0. 02, 0. 05, 0. 1, 0. 15, 0. 2, 0. 25となるよ うに変化させたほかは試料 1— (1)と同一の条件で蛍光体を作成し、これを試料 1— ( 2)乃至試料 1— (7)とした。
また、比較用として、塩化ストロンチウムを全く添加しないほかは上記試料 1— (1)と 同様の条件で蛍光体を作成し、これを比較例 1とした。この比較例 1は、 Sr Si O
0. 96 2 2
N : Eu で表される。
2 0. 04
[0022] [表 1]
次に、得られた試料 1— (1)乃至試料 1— (7)及び比較例 1の発光特性を測定した 発光特性として、まず発光スペクトルを分光蛍光光度計 (型式: F— 4500 日立製 作所製)を用いて測定した。各々の試料を石英ガラス窓付きの粉末用試料セルに入 れ、励起波長として 465nmの青色領域の光を照射して、発光スペクトルを測定した。 このうち、比較例 1及び試料 1一(4)の発光スペクトルを図 1に示す。この図 1より、
従来タイプの酸窒化物蛍光体である比較例 1と、本発明の試料 1一(4)とを比較する と、ほぼ同様の発光スペクトルを持つことがわかる。
[0023] さらに、これら発光スペクトルから、以下の方法により輝度を算出した。すなわち、各 波長 λにおける発光強度を Ρ ( λ )で表すとすると、本発明の蛍光体の輝度 Βは、次 の数式 1を用いて算出した。
[0024] [数 1]
ここで、数式 1中の V( λ )は標準比視感度を表し、波長 λの積分範囲は 470nmか ら 700nmの範囲とした。こうして得られた輝度 Bを、比較例 1の輝度を 100とした場合 の相対輝度として表 2に示した。
なお、試料 1— (4)の発光スペクトルから、色度 x、色度 yも同様にそれぞれ算出し た。その結果、色度 Xは 0. 382、色度 yは 0. 589であった。
[0025] [表 2]
ロゲンと して 試料 一般式 の CIの量 n 相対輝度 比較例 1 ¾ro.96Sl202J 2
:Euo.04 0 1 0 0 試料 1-(1) ¾ro.96 l20l.995^1o.OlN2-Lao,04 0. 0 1 1 0 5 試料 1-(2) ¾Γθ d.96 ΐ2θΐ Ι0.Ο Ν -ii Uo.04 0. 0 2 1 1 0 試料 1-(3) ΰΓθ.960ΐ2θΐ
0. 0 5 1 3 1 試料 1-(4) 〇 0. 1 1 58 試料 1-(5) ¾ro.96 l20l.925Clo.l5N2
:Euo,04 0. 1 5 1 6 2 試料 1-(6) k>ro.96 l20l.9 Clo.2 N
:EU0.04 0. 2 1 2 9 試料 1-(7) Sro.6Si 0l.875Clo.25N2
:Euo.04 0. 2 5 1 0 6 これら表 2に示した結果から明らかなように、塩素(C1)の量 nが 0.02以上 0.2以下 である試料 1— (2)乃至試料 1— (6)では、相対輝度が比較例 1より向上しており好ま しいことがわかり、さらに塩素(C1)の量 nが 0.1以上 0.15以下の範囲において、より 好ましいことがわかる。
し力し、塩素(C1)の量 nが 0.02未満の 0.01である試料 1— (1)では、その相対輝 度は n = 0すなわち塩素を全く使用しな 、従来タイプの蛍光体である比較例 1と大差 なぐ効果がほとんどない。また、塩素(C1)の量 nが 0.2を超えた 0.25である試料 1 一(7)では、輝度が低下する傾向が見られ、やはり好ましくない。
[0026] 以上のことから、ハロゲン元素としての塩素(C1)の量 nは 0.02以上 0.2以下の範 囲が好ましぐ 0. 1以上 0.15以下の範囲がより好ましいことがわかる。
[0027] (実施例 2)
次に、付活剤としてのユウ口ピウム (Eu)の量 aを変化させた場合における本発明の 蛍光体の特性について説明する。
表 3に示すように炭酸ストロンチウムと酸ィ匕ユウ口ピウムの量を、ユウ口ピウムの量 aと して 0.002力ら 0.2に変化させたほかは、実施例 1の試料 1一(5)の製造方法と同 様にして蛍光体を作成し、これを試料 2— (1)乃至試料 2— (7)とした。
[0028] [表 3]
SrCOs Eu203 Si02 Si3N4 SrCl2 式料
Si(mol) N(mol) Cl(mol) 試料 2-(1) 0.923 0.002 0.5 1.5 2 0.075 0.15 試料 2 -(2) 0.92 0.005 0.5 1.5 2 0.075 0.15 試料 2 -(3) 0.915 0.01 0.5 1.5 2 0.075 0.15 試料 1-(5) 0.885 。一 0.04 0.5 1.5 2 0.075 0.15 試料 2 -(4) 0.845 0.08 0.5 1.5 2 0.075 0.15 試料 2 -(5) 0.825 0.1 0.5 1.5 2 0.075 0.15 試料 2 -(6) 0.775 0.15 0.5 1.5 2 0.075 0.15 試料 2 -(7) 0.725 0.2 0. J5 1.5 2 0.075 0.15 こうして得られた試料 2—(1)乃至試料 2— (7)について、実施例 1と同一の方法で 輝度を測定し、その結果を比較例 1に対する相対輝度として試料 1 (5)とともに表 4 に示す。
[表 4]
J
これら、表 4に示した結果から、ユウ口ピウムの量 aが 0. 005以上 0. 15以下である 試料 2—(2)乃至試料 2—(6)及び試料 1一(5)では、比較例 1と比べて相対輝度が 向上しており好ましいことがわかる。さらに、ユウ口ピウムの量 aが 0. 04以上 0. 1以下 である試料 2— (4)、試料 2— (5)及び試料 1— (5)では、相対輝度が 150以上と、よ
り優れた好ま 、蛍光体となることがわかる。
し力し、ユウ口ピウムの量 aが 0. 005未満の 0. 002である試料 2—(1)では、付活 剤としてのユウ口ピウム濃度が不十分なため相対輝度が低下し、ユウ口ピウムの量 aが 0. 15を超える 0. 2である試料 2—(7)では、濃度消光により、やはり相対輝度が低 下している。
[0030] これらのことから、ユウ口ピウム(Eu)の量 aが 0. 005以上 0. 15以下の範囲が好まし ぐ 0. 04以上 0. 1以下の範囲がより好ましいことがわかる。
[0031] (実施例 3)
次に、ストロンチウム(Sr)の一部をバリウム (Ba)で置換した場合における本発明の 蛍光体の特性について説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO )を 111. 19g (Sr
3
として 0. 7532モル)、ノリウム(Ba)の原料として炭酸バリウム(BaCO )を 18. 12g (
3
Baとして 0. 0918モル)、ストロンチウムと塩素(C1)の原料として塩化ストロンチウム( SrCl )を 10. 59g (Srとして 0. 0668モノレ、 C1として 0. 1336モノレ)、ノリウムと塩素
2
の原料として塩化バリウム(BaCl )を 1. 71g (Baとして 0. 0082モル、 C1として 0. 01
2
64モル)、ユウ口ピウム(Eu)の原料として酸化ユウ口ピウム(Eu O )を 14. lg (Euと
2 3
して 0. 08モル)、ケィ素(Si)の原料として二酸化ケイ素(SiO )を 30. lg (Siとして 0
2
. 5モル)、ケィ素と窒素(N)の原料として窒化ケィ素(Si N )を 70· 2g (Siとして 1 · 5
3 4
モル、 Nとして 2モル)を十分よく混合する。この粉末混合物を、アルミナ容器内に充 填して、 3%H + 97%N雰囲気において 1400°Cで 1時間焼成する。焼成後、分散
2 2
処理及び洗浄処理を経て、さらに 420メッシュの篩を通過させ、得られた蛍光体を試 料 3—(1)とした。
[0032] この試料 3—(1)の蛍光体は、 Sr Ba Si O CI N: Eu で表される。
0. 82 0. 1 2 1. 925 0. 15 2 0. 08
また、比較対象として、塩化ストロンチウム及び塩化バリウムを用いずに、その分炭 酸ストロンチウム及び炭酸バリウムで補ったほかは、試料 3— (1)と同様の条件で蛍 光体を作成した。この試料 3— (1)に対応する比較対象の蛍光体は、 Sr Ba Si
0. 82 0. 1 2
O N : Eu で表される。
2 2 0. 08
同様にして、ストロンチウム及びバリウムの量を、表 5に示すように変化させたほかは
試料 3— (1)と同一の条件で蛍光体を作成し、これを試料 3— (2)乃至試料 3— (7)と した。これら試料 3— (2)乃至試料 3— (7)についても、試料 3— (1)と同様に比較対 象となる蛍光体を各々作成した。
[0033] [表 5]
こうして得られた試料 3—(1)乃至試料 3—(7)及び各々の比較対象となる蛍光体 について、実施例 1と同一の方法で輝度を測定し、その結果を各々の比較対象とな る蛍光体に対する相対輝度として表 6に示す。なお、得られた発光スペクトルから、色 度 x、色度 y、発光ピーク波長もそれぞれ算出し、あわせて表 6に示した。なおここで、 ノ リウムの割合 bは、ストロンチウムとバリウムのモル数の合計に対するバリウムのモル 数の割合、すなわち b = BaZ (Sr + Ba)を表して 、る。
[0034] [表 6]
CI無しに
発光ピーク
試料 Sr の a Baの w b 対する 色度 X 色度 y
波_¾ (nm/
相対輝度
試料 3-(1) 0.82 0.1 0. 109 丄 9 丄 0.402 0.573 549
試料 3 -(2) 0.72 0.2 0.217 1 6 6 0.410 0.567 550
試料 3 -(3) 0.62 0.3 0.326 丄 7 8 0.420 0.560 555
試料 3 -(4) 0.42 0.5 0.543 1 8 3 0.464 0.523 570
試料 3 -(5) 0.22 0.7 0.761 2 丄 5 0.500 0.492 582
試料 3 -(6) 0.07 0.85 0.924 1 9 8 0.451 0.491 497;582
試料 3-(7) 0 0.92 1 丄 3 5 0.366 0.491 498;588 これら、表 6に示した結果から、バリウムの割合 bが 0. 109から 1である試料 3— (1) 乃至試料 3— (7)は、いずれも各々の比較対象となる塩素を含まない蛍光体と比べ て相対輝度が向上しており好ましいことがわかる。さらに、ノ リウムの割合 bが 0. 109 以上 0. 761以下である試料 3—(1)乃至試料 3—(5)では、発光ピークが 1つであり 、かつ色度 x、色度 y、発光ピーク波長及び図示しない発光スペクトルから、?見感輝度 の高 、、より優れた好まし 、蛍光体であることがわかる。
し力し、ノ リウムの割合 bが 0. 761を超える 0. 924である試料 3—(6)や 1である試 料 3—(7)では、発光ピークが 2つに分離している上に、短波長側に新たに発光ピー クができているため、視感輝度が低下してしまう傾向にあり、上記試料 3—(1)乃至試 料 3— (5)と比較すると好ましくない。
[0035] なお、この他バリウムの割合 bが 0. 109未満の蛍光体についても同様に確認したと ころ、同様に塩素による相対輝度向上の効果が確認された。
これらのことから、ノ リウムを添加する場合、ストロンチウムとバリウムのモル数の合計 に対するバリウムの割合 bは 0. 761以下であることが好ましいことがわかる。
[0036] (実施例 4)
次に、ストロンチウム(Sr)の一部をカルシウム(Ca)で置換した場合並びにカルシゥ ム(Ca)及びバリウム (Ba)で置換した場合における本発明の蛍光体の特性について 説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO )を 110. Og (Srと
3
して 0. 745モル)、カルシウム(Ca)の原料として炭酸カルシウム(CaCO )を 5. 0g (
3
Caとして 0. 05モル)、バリウム(Ba)の原料として炭酸バリウム(BaCO )を 9. 87g (B
aとして 0. 05モル)、ユウ口ピウム(Eu)の原料として酸化ユウ口ピウム(Eu O )を 14.
2 3 lg (Euとして 0. 08モル)、ケィ素(Si)の原料として二酸化ケイ素(SiO )を 30. lg (S
2
iとして 0. 5モル)、ケィ素と窒素(N)の原料として窒化ケィ素(Si N )を 70. 2g (Siと
3 4
して 1. 5モル、 Nとして 2モル)、ストロンチウムと塩素(C1)の原料として塩化ストロンチ ゥム(SrCl )を 11. 9g (Srとして 0. 075モノレ、 C1として 0. 15モノレ)を十分よく混合す
2
る。この粉末混合物を、アルミナ容器内に充填して、 3%H + 97%N雰囲気におい
2 2
て 1400°Cで 1時間焼成する。焼成後、分散処理及び洗浄処理を経て、さらに 420メ ッシュの篩を通過させ、得られた蛍光体を試料 4 (3)とした。
[0037] この試料 4一(3)の蛍光体は、一般式: Sr Ba Ca Si O CI N : Eu で
08 表される c
同様にして、ストロンチウムに置換して添加するバリウムの量、カルシウムの量を、表
5に示すように変化させたほかは試料 4— (3)と同一の条件で蛍光体を作成し、これ を試料 4— (1)、試料 4— (2)、試料 4— (4)乃至試料 4— (7)とした。
[0038] [表 7]
Eu203: Eu=0.08mol
共通条件
Si02: Si=0.5mol / Si3N4: Si=1.5mol,N=2mol
こうして得られた試料 4一(1)乃至試料 4 (7)について、実施例 1と同一の方法で 輝度を測定し、その結果を比較例 1に対する相対輝度として表 8に示す。なおここで 、ノリウムの割合 bは、ストロンチウムとバリウムとカルシウムのモル数の合計に対する バリウムのモル数の割合、すなわち b = BaZ (Sr + Ba + Ca)を表しており、カルシゥ
ムの割合 cは、同様に c = CaZ (Sr + Ba + Ca)を表して!/、る。
[0039] [表 8]
これら、表 8に示した結果から、試料 4一(1)乃至試料 4一 (6)は、いずれも比較例 1 と比べて相対輝度が向上しており好ましいことがわかる。ここで、試料 4— ( 1)乃至試 料 4 (6)は、いずれもバリウムの割合 b、カルシウムの割合 cの合計を表す (b + c)が 0. 054以上 0. 218以下であり、カルシウムの割合 c力 . 054以上 0. 109以下であ ることがわかる。さらに、(b + c)が 0. 108以下である試料 4— ( 1)乃至試料 4— (3)で は、より優れた好まし 、蛍光体となることがわかる。
しかし、(b + c)が 0. 218を超える 0. 272である試料 4一(7)では、相対輝度が低 下している。
[0040] これらのことから、本発明の蛍光体がカルシウムを含む場合は、カルシウムの割合 b 、ノリウムの割合 cの合計を表す (b + c)が 0を超え 0. 218以下の範囲であり、かつ力 ルシゥムの割合 cが 0を超え 0. 109以下である範囲が好ましぐさらに(b + c)が 0. 1 09以下の範囲がより好ましいことがわかる。
なお、上記 0く(b + c)≤0. 218及び 0< c≤0. 109より、 bの好適な範囲は、 0≤b < 0. 218であることが導き出される。
[0041] (実施例 5)
次に、ハロゲン元素として用いる塩素(C1)の一部及び全てを臭素(Br)で置換した 場合における本発明の蛍光体の特性について説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO )を 124. 75g (Sr
3
として 0. 845モル)、ストロンチウムと塩素(C1)の原料として塩化ストロンチウム(SrCl )を 7. 93g (Srとして 0. 05モル、 C1として 0. 1モル)、ストロンチウムと臭素(Br)の原
2
料として臭化ストロンチウム(SrBr )を 6. 19g (Srとして 0. 025モル、 Brとして 0. 05
2
モル)、ユウ口ピウム(Eu)の原料として酸化ユウ口ピウム(Eu O )を 14. lg (Euとして
2 3
0. 08モル)、ケィ素(Si)の原料として二酸化ケイ素(SiO )を 30. lg (Siとして 0. 5
2
モル)、ケィ素と窒素(N)の原料として窒化ケィ素(Si N )を 70. 2g (Siとして 1. 5モ
3 4
ル、 Nとして 2モル)を十分よく混合する。この粉末混合物を、アルミナ容器内に充填 して、 3%H + 97%N雰囲気において 1400°Cで 1時間焼成する。焼成後、分散処
2 2
理及び洗浄処理を経て、さらに 420メッシュの篩を通過させ、得られた蛍光体を試料 5—(2)とした。
[0042] この試料 5— (2)の蛍光体は、 Sr Si O CI Br N: Eu で表される。こ
0. 92 2 1. 925 0. 1 0. 05 2 0. 08
こで、塩素及び臭素の合計であるハロゲン元素の量 nは 0. 15である。
同様にして、ハロゲン元素の量 nを 0. 15とし、塩素及び臭素の量を表 9に示すよう に変化させたほかは試料 5— (2)と同一の条件で蛍光体を作成し、これを試料 5— (1
)、試料 5— (3)及び試料 5— (4)とした。
また、比較のため、ハロゲン元素を全く使用しないほかは、試料 5—(2)と同様に蛍 光体を作成し、これを比較例 2とした。この比較例 2の蛍光体は、 Sr Si O N: Eu
0. 92 2 2 2 で
0. 08 表される。
[0043] さらに、ストロンチウムとバリウムを用いた場合においても、同様に確認した。このとき 、臭素の材料として臭ィ匕ストロンチウム(SrBr )及び臭化バリウム (BaBr )を用い、そ
2 2
のほかは試料 5—(2)らと同様に、塩素及び臭素の量を表 9に示すように作成した。こ れを試料 5—(5)及び試料 5— (6)とした。例えば試料 5— (5)の蛍光体は、 Sr Ba
0. 42
Si O CI Br N : Eu で表される。
0. 5 2 1. 925 0. 1 0. 05 2 0. 08
なお、この場合の比較のために、ハロゲン元素を用いない試料を比較例 3として作 成した。この比較例 3の蛍光体は、 Sr Ba Si O N: Eu で表される。
[0044] [表 9]
Eu203: Eu=0.08mol
共通条件
SiOa: Si=0.5mol / Si3N : Si= 1.5mol,N=2mol
SrCOa BaCOs SrCla SrBi BaCla BaBi'a 試料
(mol) (mol) (mol) (mol)
比較例 2 0.92 0 0
試料 5-(1) 0.845 0.07 0.005
試料 5 -(2) 0.845 0.05 0.025
試料 5-(3) m
0.845 0.025 0.05
試料 5 -(4) 0.845 0 0.075
比較例 3 0.42 0.5 0 0 0 0
試料 5-(5) 0.3825 0.4625 0.025 0.0125 0.025 0.0125
試料 5 -(6) 0.3825 0.4625 0 0.0375 0 0.0375 こうして得られた試料 5—(1)乃至試料 5— (6)について、実施例 1と同一の方法で 輝度を測定し、その結果を試料 5—(1)乃至試料 5—(4)については比較例 2に対す る相対輝度として、試料 5—(5)及び試料 5— (6)については比較例 3に対する相対 輝度として表 10に示す。
[表 10] 口ゲン無し 試料 Srの量 Baの量 b C1の量 Brの量 対する
相対輝度 比較例 2 0 0 試料 5-(1) 0.14 0.01 5 4 試料 5-(2) 0.92 0.05 2 δ 試料 5-(3) 0.05 2 6 試料 5 -(4) 0.15 3 丄 比較例 3 0 0 試料 5-(5) 0.42 0.5 0.543 0.1 0.05 8 丄 試料 5-(6) 0 0.15 7 9 これら、表 10に示した結果から、ハロゲン元素として、塩素の一部及び全部を臭素 置換した試料 5—(1)乃至試料 5— (6)について、いずれも各々の比較例 2又は比較 例 3と比べて相対輝度が向上しており好ましいことがわかる。
これらのことから、用いるハロゲン元素として、塩素の一部及び全部を臭素で置換し
たとしても、好ましいことがわかる。
[0046] (実施例 6)
次に、ハロゲン元素としての塩素(C1)あるいは臭素(Br)の他に、他のハロゲン元 素であるフッ素 (F)、ヨウ素 (I)が含まれる場合における本発明の蛍光体の特性につ いて説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO )を 130. 65g (Sr
3
として 0. 885モル)、ストロンチウムと塩素(C1)の原料として塩化ストロンチウム(SrCl )を 10. 7g (Srとして 0. 0675モノレ、 C1として 0. 135モノレ)、ストロンチウムとフッ素(F
2
)の原料としてフッ化ストロンチウム(SrF )を 0. 94g (Srとして 0. 0075モル、 Fとして
2
0. 015モル)、ユウ口ピウム(Eu)の原料として酸化ユウ口ピウム(Eu O )を 7. 0g (E
2 3
uとして 0. 04モル)、ケィ素(Si)の原料として二酸化ケイ素(SiO )を 30. lg (Siとし
2
て 0· 5モル)、ケィ素と窒素(N)の原料として窒化ケィ素(Si N )を 70· 2g (Siとして
3 4
1. 5モル、 Nとして 2モル)を十分よく混合する。この粉末混合物を、アルミナ容器内 に充填して、 3%H + 97%N雰囲気において 1400°Cで 1時間焼成する。焼成後、
2 2
分散処理及び洗浄処理を経て、さらに 420メッシュの篩を通過させ、得られた蛍光体 を試料 6— (1)とした。
[0047] この試料 6—(1)の蛍光体は、 Sr Si O CI F N: Eu で表される。
0. 96 2 1. 925 0. 135 0. 015 2 0. 04
同様にして、塩素あるいは臭素の他に、他のハロゲン元素であるフッ素あるいはヨウ 素をカ卩える量を表 11に示すように変化させたほかは試料 6— (1)と同一の条件で蛍 光体を作成し、これを試料 6— (2)乃至試料 6— (5)とした。
[0048] [表 11]
こうして得られた試料 6—(1)乃至試料 6— (5)について、実施例 1と同一の方法で 輝度を測定し、その結果を比較例 1に対する相対輝度として表 12に示す。
[表 12]
これら、表 12に示した結果から、試料 6—(1)乃至試料 6—(4)はいずれも比較例 1 と比べて相対輝度が向上しており好ましいことがわかる。ここで、試料 6— (1)はフッ 素 (F)が全ハロゲン元素に対するモル比で 0. 1、試料 6—(2)及び試料 6— (3)はョ ゥ素 (I)が全ハロゲン元素に対するモル比で 0. 2以下である。また試料 6—(4)は、フ ッ素とヨウ素の合計が全ノヽロゲン元素に対するモル比で 0. 127である。
一方、フッ素とヨウ素の合計が全ハロゲン元素に対するモル比で 0. 187である試料 6— (5)については比較例 1に対して相対輝度の向上がみられない。
これらのことから、本発明の蛍光体に、塩素あるいは臭素以外のハロゲン元素が若
干量含まれる場合であってもよ ヽことがわかる。フッ素単独又はヨウ素単独であれば 全ノヽロゲン元素に対するモル比で 0. 2程度までは問題ないが、フッ素とヨウ素が両 方含まれる場合は全ハロゲン元素に対するモル比で 0. 13程度であるのが望ましい ことがわ力ゝる。
産業上の利用可能性
本発明の緑色系発光蛍光体は、青色光線等の短波長領域の可視光線等を発光 する発光素子と組み合わせることにより、蛍光体から発する長波長側の可視光線との 混色により、白色系の発光素子を構成することができる。さらに、発光素子として発光 ダイオードやレーザーダイオード等を用いることで、より高輝度な優れた白色系の発 光素子を構成できる。
これら白色系の可視光発光素子は、消費電力が小さく長寿命であるという特徴を活 かして画像表示装置や照明装置の発光源として広く利用できる。