復調装置、受信装置及び復調方法
技術分野
[0001] 本発明は、 1シンボル期間がガード期間と有効シンボル期間から構成され、ガード 期間には有効シンボル期間の後ろの一部が巡回的に複写される OFDM信号を受信 する OFDM受信装置に適した復調装置に関し、特にダイバーシチ構成の受信装置 におけるクロック再生技術と高速フーリエ変換窓位置再生技術に関するものである。 本発明はまた、上記の復調装置を備える受信装置、及び復調方法に関する。
背景技術
[0002] 従来のダイバーシチ構成の OFDM受信装置は、複数の復調モジュールの中にマ スタとなるモジュールが存在しており、そのモジュールでのみクロック再生や高速フー リエ変換窓位置再生を行 、、その結果を他の復調モジュールでも用いて 、たため、 マスタとなるモジュールにおける受信信号のレベルが低下するなどして、クロック再生 や高速フーリエ変換窓位置再生がうまくいかなくなると、他のモジュールもその影響 を受けてしまうため、復調性能が大きく劣化してしまうものであった。
この改善策として、全ての復調モジュールでクロック再生や高速フーリエ変換窓位 置再生に用いられる相関波形信号を生成し、各復調モジュールの前記相関波形信 号を合成あるいは選択し、その結果力 クロック再生や高速フーリエ変換窓位置再生 を行うことにより、 1つのモジュールに依存しない構成としている(例えば、特許文献 1 参照)。
また、各ブランチで受信した OFDM信号自体を合成し、その相関波形信号を生成 してクロック再生や高速フーリエ変換窓位置再生に用いることも考えられる力 このよ うな方法では、 OFDM信号を合成するのに各ブランチ間で位相を合わせる必要が 生じ、それには別途各ブランチで受信した OFDM信号間の位相差を検出する回路 と位相差を補正する回路が必要となってしまう。しかし、相関波形信号を合成する場 合には、各ブランチの信号間の位相差の検出と補正を必要としない構成とすることが 可能となる。
特許文献 1:特開 2001— 168833号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] し力しながら、各復調モジュール力 受信信号の大きさをあるレベルに調整する AG C (自動利得制御)手段をもち、前記 AGC手段によってゲイン調整された複素ベース バンド OFDM信号を用 ヽて相関波形を生成する場合、前記相関波形信号の合成あ るいは選択にぉ 、て、各復調モジュールの相関波形信号のピーク値に比例した値を 乗算して合成する構成やピーク値の大きなものを選択する構成 (特許文献 1参照)と すると、 AGCによるレベル調整の影響を受け、受信電力などが小さぐ雑音成分の割 合の大きい信号の相関波形のピーク値も大きくなつてしまう可能性があり、そのような 相関波形にピーク値を乗算し合成した合成相関波形、またはそのピーク値によって 選択された選択相関波形をクロック再生や高速フーリエ変換窓位置再生に用いると 、その性能を大きく劣化させてしまうことがあった。
課題を解決するための手段
[0004] 本発明は、それぞれ、 1シンボル期間がガード期間と有効シンボル期間から構成さ れる OFDM信号を受信し、 OFDM信号からシンボルデータを復調する複数個の復 調モジュールと、前記複数個の復調モジュールから出力される復調データを合成し て合成された復調データを生成する合成手段を備えた復調装置であって、前記復調 モジュールの各々力 受信信号の大きさを一定レベルに調整するため、 AGC制御 信号を生成する AGC手段と、前記 AGC手段によってゲイン調整された複素ベース バンド OFDM信号と前記複素ベースバンド OFDM信号を有効シンボル期間遅延し た信号との相関波形を検出する相関検出手段とを備え、前記復調モジュールの前記 相関検出手段力 出力される前記相関波形信号を合成して、合成相関信号を生成 する相関合成手段をさらに備え、前記相関合成手段は、前記復調モジュールの各々 の前記 AGC手段から出力される前記 AGC制御信号が表すゲインの値を基に算出 した係数をそれぞれの相関波形信号に乗算し、この乗算結果を加算して合成相関 信号を生成することを特徴とする復調装置を提供する。
発明の効果
[0005] 本発明によれば、受信信号電力が小さいなどで雑音成分の割合の大きい相関波 形の影響を抑圧でき、クロック再生や高速フーリエ変換窓位置再生をより正確に行う ことができると!/、う効果がある。
図面の簡単な説明
[0006] [図 1]この発明の実施の形態 1の復調装置を示すブロック図である。
[図 2]実施の形態 1で用いられる相関合成部の一例を示すブロック図である。
[図 3]実施の形態 1で用いられる相関合成部の他の例を示すブロック図である。
[図 4]実施の形態 1で用いられる相関合成部のさらに他の例を示すブロック図である。
[図 5]この発明の実施の形態 2の復調装置を示すブロック図である。
[図 6]実施の形態 2で用いられる相関合成部の一例を示すブロック図である。
[図 7]実施の形態 2で用いられる相関合成部の他の例を示すブロック図である。
[図 8]実施の形態 2で用いられる相関合成部のさらに他の例を示すブロック図である。
[図 9]この発明の実施の形態 3の復調装置を示すブロック図である。
[図 10]実施の形態 3で用いられる相関合成部の一例を示すブロック図である。
符号の説明
[0007] 10、 20 復調モジュール、 11、 21 チューナ、 12、 22 AZD変換部、 13、 2 3 IQ復調部、 14、 24 FFT部、 15、 25 復調部、 16、 26 AGC部、 17、 27 相関検出部、 18、 28 CZN検出部、 19、 29 同期獲得判定部、 31 合成部 、 32 FFT窓位置再生部、 33 クロック誤差検出部、 34 クロック再生部、 35 、 36、 37 相関合成部、 101、 102、 111、 112、 121、 122、 131、 132、 141、 14 2、 151、 152、 161、 162 乗算部、 103、 104 逆数演算部、 105、 115、 125、 135、 145、 155、 165、 175 カロ算部、 113、 123、 143、 153、 163 係数決定部 、 133、 134 比例値算出部。
発明を実施するための最良の形態
[0008] 実施の形態 1.
図 1はこの発明の実施の形態 1の復調装置の構成を示すブロック図であって、 2つ
の復調モジュール(第 1の復調モジュールと第 2の復調モジュール) 10、 20によって ダイバーシチ受信を行う構成となっている。図 1において、受信信号は各復調モジュ ール 10、 20のチューナ 11、 12にそれぞれ並列に入力される。入力された信号はチ ユーナ 11、 21によって IF帯に周波数変換された後、 AZD変換部 12、 22に供給さ れる。 AZD変換部 12、 22は、後述のクロック再生部 34から供給されるクロック信号 に同期して出力信号を生成するものであり、チューナ 11、 12からの出力をデジタル 信号に変換を行い、その結果の値を IQ復調部 13、 23に供給する。 IQ復調部 13, 2 3において、入力されたデータは複素ベースバンド信号に変換され、高速フーリエ変 換 (FFT)部 14、 24に供給される。 FFT部 14、 24では、 FFT窓位置再生部 32から の窓位置信号をもとに窓位置ごとにデータを捕捉し、 OFDM信号の各サブキャリア のデータを復調する高速フーリエ変換を行い、その結果の値を復調部 15、 25に供 給する。各復調部 15、 25は、 FFT部 14、 24の出力力も各サブキャリアで伝送されて いるシンボルデータを復調し、受信データを生成し、各モジュールからの出力として 合成部 31に供給する。合成部 31では、各モジュールから供給された受信データが 合成され、最終的な受信データが出力される。
[0009] 本構成においては、この IQ復調部 13、 23で変換された複素ベースバンド信号は A GC (自動利得制御)部 16、 26にも供給され、 AGC部 16、 26にて、受信信号をある レベルに調整するためのゲインの値を表す AGC制御信号が算出され、チューナ 11 、 21【こ供給される。チューナ 11、 21【こお!ヽて ίま、 AGC咅 16、 26より供給された AG C制御信号により、チューナ 11、 21から出力される IF信号のレベルを調節する。この ような構成により、チューナ 11、 12以降の信号は AGCによるレベル調整をされた信 号となる。
[0010] また、 IQ復調部 13、 23で変換された複素ベースバンド信号は相関検出部 17、 27 にも供給され、相関検出部 17、 27では、複素ベースバンド信号 (IQ復調部 13、 23 の出力)と前記複素ベースバンド信号を有効シンボル期間遅延した信号との相関波 形 Cl、 C2を検出し、その結果 (検出された相関波形を表す信号)は相関合成部 35 に供給される。
[0011] 相関合成部 35には、相関検出部 17、 27から出力される相関波形 Cl、 C2のほか、
AGC部 16、 26で算出された AGC制御信号が供給される。
[0012] 相関合成部 35では、それぞれのモジュールの AGC部 16、 26から供給された AG C制御信号が表すゲインの値に反比例する値を算出し、その値をそれぞれのモジュ ールの相関検出部 17、 27から供給された相関波形 Cl、 C2に乗算し、その乗算の 結果として得られた相関波形を加算することによって、相関波形の合成を行う。
[0013] 相関合成部 35は、例えば、図 2に示すように、第 1及び第 2の乗算部 101及び 102 と、第 1及び第 2の逆数算出部 103及び 104と、加算部 105とを有する。第 1の逆数 算出部 103は、 AGC部 16から供給された AGC制御信号が表すゲインの値に反比 例する値を算出する。第 2の逆数算出部 104は、 AGC部 26から供給された AGC制 御信号が表すゲインの値に反比例する値を算出する。第 1の乗算部 101は、第 1の 逆数算出部 103で算出された値を、相関検出部 17から供給された相関波形 C1に乗 算する。第 2の乗算部 102は、第 2の逆数算出部 104で算出された値を、相関検出 部 27から供給された相関波形 C2に乗算する。加算部 105は、第 1及び第 2の乗算 部 103及び 104の乗算結果を加算する。
[0014] 相関合成部 35によって合成された相関波形は、クロック誤差検出部 33と FFT窓位 置再生部 32に供給される。クロック誤差検出部 33においては、相関合成部 35から 供給された合成相関波形から、クロックの周波数誤差や位相誤差を検出し、その誤 差を表す誤差信号をクロック再生部 34に供給する。クロック再生部 34では、その誤 差信号を用いて、その誤差がより小さくなるように周波数や位相を制御したクロックを 出力し、 AZD変換部 12、 22やクロック信号を必要とする他の部分に供給する。
[0015] クロック再生部 34は、例えば発振器を内蔵し、クロック誤差検出部 33からの誤差信 号に基づいて該内蔵発振器の発振周波数を変更するものであってもよぐ図示しな い外部のクロック信号供給手段力もクロックを受け、そのノルスエッジを間引くなどし て周波数を調整した後出力するものであっても良い。
[0016] 上記のクロック誤差検出部 33と、クロック再生部 34とで、 AZD変換部 12、 22など に供給されるクロック信号を生成するクロック生成手段が構成されている。
[0017] FFT窓位置再生部 32ではまた、供給された合成相関波形力も FFT窓位置 (複数 の復調モジュールで共通の窓位置)を検出し、窓位置信号を FFT部 14、 24に供給
することによって FFT窓位置の制御を行う。
[0018] 本実施の形態は、 OFDM信号の相関波形を用い、クロックの再生を行う構成であり 、複数の復調モジュールの各々における相関波形を用いてクロックの再生を行うので はなぐ複数の復調モジュールの相関波形を合成し、合成した相関波形を用いて、 複数の復調モジュールで共通のクロック再生手段の制御を行っている。
[0019] なお、上記の例では、復調モジュール(10、 20)が 2個設けられている力 復調モジ ユールの数は 3以上であっても良い。その場合も、相関合成部 35は、上記と同様に 構成することができる。一般ィ匕して言えば、復調モジュールが n個(nは 2以上の整数) 設けられている場合、相関合成部 35は、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃 至第 nの乗算部と、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃至第 nの逆数算出部 と、加算部とを有し、第 1乃至第 nの逆数算出部が、それぞれ対応する復調モジユー ルの AGC部から供給された AGC制御信号が表すゲインの値に反比例する値を算 出し、第 1乃至第 nの乗算部が、それぞれ対応する逆数算出部で算出された値を、そ れぞれ対応する復調モジュールの相関検出部力 供給された相関波形に乗算し、 加算部が第 1乃至第 nの乗算部の出力の総和を求め、この総和を合成相関波形とし て出力する。
[0020] また、上記の相関合成部 35の代わりに、各モジュールの AGC部 16、 26から供給さ れた AGC制御信号が表すゲインの値の中で最も小さ 、値を出力した復調モジユー ルの相関波形に対する係数を「1」に設定し、他の復調モジュール力 の相関波形に 対する係数を「0」に設定し、その値 (設定された係数)をそれぞれのモジュールの相 関検出部 17、 27から供給された相関波形に Cl、 C2に乗算し、その乗算の結果とし て得られた相関波形を加算することによって、相関波形の合成を行う相関合成部 35 を用いても良い。
[0021] そのような相関合成部の具体例が、図 3に示されている。図 3に示される相関合成 部は、それぞれ復調モジュール 10、 20に対応する乗算部 111、 112と、係数決定部 113と、カロ算咅 115とを有する。
乗算部 111、 112は、それぞれ対応する復調モジュール 10、 20の相関検出部 17、 27から相関波形 Cl、 C2を受け、これらに係数決定部 113から供給される係数を乗
算する。係数決定部 113は復調モジュール 10、 20の AGC部 16、 26から AGC制御 信号 Gl、 G2を受けて、それらが表すゲインの値の中で最も小さい値を出力した AG C部を含む復調モジュールの相関検出部の出力を受けて 、る乗算部( 111、 112の うちのいずれか)で乗算に用いる係数を「1」に設定し、他の乗算部(111、 112のうち の他方)で乗算に用いられる係数を「0」に設定する。乗算部 111、 112は、係数決定 部 113で設定された係数を用いて乗算を行う。加算部 115は、乗算部 111、 112の 出力を加算して、加算結果を合成された関波形として出力する。以上の処理は、複 数の復調モジュール力もの相関波形の中から一つを選択するのと等価である。
[0022] なお、上記の例では、復調モジュール(10、 20)が 2個設けられている力 復調モジ ユールの数は 3以上であっても良い。その場合も、相関合成部 35は、上記と同様に 構成することができる。一般ィ匕して言えば、復調モジュールが n個(nは 2以上の整数) 設けられている場合、相関合成部 35は、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃 至第 nの乗算部と、係数決定部と、加算部とを有し、第 1乃至第 nの乗算部は、それ ぞれ対応する復調モジュールの相関検出部力 相関波形を受け、これらに係数決定 部から供給される係数を乗算する。係数決定部は復調モジュールの AGC部から AG C制御信号を受けて、それらが表すゲインの値の中で最も小さい値を出力した AGC 部を含む復調モジュールの相関検出部の出力を受けている乗算部で乗算に用いる 係数を「1」に設定し、他の乗算部で乗算に用いられる係数を「0」に設定する。第 1乃 至第 nの乗算部はそれぞれ、係数決定部で設定された係数を用いて乗算を行う。加 算部は、第 1乃至第 nの乗算部の出力の総和を求め、この総和を合成相関波形とし て出力する。
[0023] さらにまた、上記の相関合成部 35の代わりに、各モジュールの AGC部 16、 26から 供給された AGC制御信号が表すゲインの値の中である閾値以下の値を出力した復 調モジュールの相関波形に対する係数を「1Z (上記の閾値以下の値を出力したモ ジュールの数)」に設定し、上記の閾値より大きい値を出力した他の復調モジュール 力 の相関波形に対する係数を「0」に設定し、また、すべての復調モジュールで上 記の閾値より大きい値が出力されたときは、すべての復調モジュールの相関波形に 対する係数を「1Z (すべての復調モジュールの数)」に設定し、その値をそれぞれの
モジュールの相関検出部 17、 27から供給された相関波形に乗算し、その乗算の結 果として得られた相関波形の加算することにより、相関波形の合成を行う相関合成部 35を用いても良い。
[0024] そのような相関合成部 35の具体例が図 4に示されている。図 4に示す相関合成部 3 5は、それぞれ復調モジュール 10、 20に対応する乗算部 121、 122と、係数決定部 123と、加算部 125とを有する。
乗算部 121、 122は、それぞれ対応する復調モジュール 10、 20の相関検出部 17、 27から相関波形 Cl、 C2を受け、これらに係数決定部 123から供給される係数を乗 算する。係数決定部 123は復調モジュール 10、 20の AGC部 16、 26から AGC制御 信号 Gl、 G2を受けて、 AGC制御信号 Gl、 G2が表すゲインの値が所定の閾値以 下かどうかの判定を行い、 AGC制御信号 Gl、 G2が表すゲインの値がともに上記閾 値以下であれば、乗算器 121、 122で用いる係数をともに 1Z2とし、 AGC制御信号 Gl、 G2が表すゲインの値のうち、一方 (例えば G1が表すゲインの値)が上記閾値以 下であり、他方が上記閾値よりも大きければ、上記一方の AGC制御信号を出力した AGC部に対応する乗算器( 121 )で用 、る係数を「 1」に設定し、他方の乗算器(122 )で用いる係数を「0」に設定し、 AGC制御信号 Gl、 G2が表すゲインの値がともに上 記閾値よりも大きければ、乗算器 121、 122で用いる係数をともに 1Z2に設定する。 乗算部 121、 122は、係数決定部 123で設定された係数を用いて乗算を行う。カロ 算部 125は、乗算部 121、 122の出力を加算して、加算結果を合成された相関波形 として出力する。
[0025] なお、上記の例では、復調モジュール(10、 20)が 2個設けられている力 復調モジ ユールの数は 3以上であっても良い。その場合も、相関合成部 35は、上記と同様に 構成することができる。一般ィ匕して言えば、復調モジュールが n個(nは 2以上の整数) 設けられている場合、相関合成部 35は、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃 至第 nの乗算部と、係数決定部と、加算部とを有し、第 1乃至第 nの乗算部は、それ ぞれ対応する復調モジュールの相関検出部力 相関波形を受け、これらに係数決定 部から供給される係数を乗算する。係数決定部は復調モジュールの AGC部から AG C制御信号を受けて、それらが表すゲインの値が所定の閾値以下かどうかの判定を
行 、、 AGC制御信号が表すゲインの値が上記閾値以下の復調モジュールの数 mを 求め、 mが 1以上であれば、 AGC制御信号が表すゲインの値が上記閾値以下の復 調モジュールに対応する乗算器で用いる係数を lZmに設定し、 AGC制御信号が 表すゲインの値が上記閾値よりも大き 、復調モジュールに対応する乗算器で用いる 係数を「0」に設定し、 m力 SOであれば、第 1乃至第 n乗算器で用いる係数をすベて 1 Znに設定する。
第 1乃至第 nの乗算部は、それぞれ係数決定部で設定された係数を用いて乗算を 行う。加算部は、第 1乃至第 n乗算部の出力の総和を求め、この総和を合成された相 関波形として出力する。
[0026] なお、上記の例では、 AGC制御信号が表すゲインの値がある閾値以下かどうかの 判定を行っている力 上記以外の条件を満たしているかどうかの判定を行い、判定結 果に基づいて係数を定めることとしても良い。また、乗算器で用いる係数を、 Γΐ/mj や「lZn」以外の 0より大きい値に設定しても良い。
[0027] 実施の形態 2.
図 5はこの発明の実施の形態 2の復調装置の構成を示すブロック図であって、実施 の形態 1と同様に 2つの復調モジュール 10、 20によってダイバーシチ受信を行う構 成となっている。
[0028] 図 5に示す復調装置の構成は、図 1に示す復調装置の構成と概して同じであるが、 各モジュールにおいて、実際に復調された結果の信号と、実際に復調された結果の 信号と本来復調された結果として想定される信号との誤差の電力の比である CZN ( 信号電力対誤差信号電力比)値を検出する CZN検出部 18、 28を備えており、相関 合成部 36には、相関検出部 17、 27で検出された相関波形 Cl、 C2と CZN検出部 1 8、 28で算出された CZN値 Fl、 F2が供給される。
[0029] 相関合成部 36では、それぞれのモジュールの CZN検出部 18、 28から供給された CZN値 Fl、 F2に比例する値を算出し、その値をそれぞれのモジュールの相関検 出部 17、 27から供給された相関波形 Cl、 C2に乗算し、その乗算の結果として得ら れた相関波形を加算することによって、相関波形の合成を行い、合成された相関波 形を誤差検出部 33と FFT窓位置再生部 32に供給し、 FFT窓位置再生やクロック再
生を行う。
[0030] 相関合成部 36は、例えば、図 6に示すように、第 1及び第 2の乗算部 131及び 132 と、第 1及び第 2の比例値算出部 133及び 134と、加算部 135とを有する。第 1の比 例値算出部 133は、 CZN検出部 18から供給された CZN値 F1に比例する値を算 出する。第 2の比例値算出部 134は、 CZN検出部 28から供給された CZN値 F2に 比例する値を算出する。第 1の乗算部 131は、第 1の比例値算出部 133で算出され た値を、相関検出部 17から供給された相関波形 C1に乗算する。第 2の乗算部 132 は、第 2の比例値算出部 134で算出された値を、相関検出部 27から供給された相関 波形 C2に乗算する。加算部 135は、第 1及び第 2の乗算部 131及び 132の乗算結 果を加算する。
[0031] なお、上記の例では、復調モジュール(10、 20)が 2個設けられている力 復調モジ ユールの数は 3以上であっても良い。その場合も、相関合成部 36は、上記と同様に 構成することができる。一般ィ匕して言えば、復調モジュールが n個(nは 2以上の整数) 設けられている場合、相関合成部 36は、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃 至第 nの乗算部と、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃至第 nの比例値算出 部と、加算部とを有し、第 1乃至第 nの比例値算出部が、それぞれ対応する復調モジ ユールの CZN検出部から供給された CZN値に比例する値を算出し、第 1乃至第 n の乗算部が、それぞれ対応する比例値算出部で算出された値を、それぞれ対応する 復調モジュールの相関検出部から供給された相関波形に乗算し、加算部が第 1乃至 第 nの乗算部の出力の総和を求め、この総和を合成相関波形として出力する。
[0032] 相関合成部 36の他の例においては、各モジュールの CZN検出部 18、 28から供 給された CZN値の中で最も大きい値を出力した復調モジュールの相関波形に対す る係数を「1」に設定し、他の復調モジュール力 の相関波形に対する係数を「0」に 設定し、その値をそれぞれのモジュールの相関検出部 17、 27から供給された相関 波形に乗算し、その乗算の結果として得られた相関波形を加算することによって、相 関波形の合成を行う。このような動作は、各復調モジュール力 の相関波形の選択を 行うことと等価である。
[0033] そのような相関合成部の具体例が、図 7に示されている。図 7に示される相関合成
部は、それぞれ復調モジュール 10、 20に対応する乗算部 141、 142と、係数決定部 143と、加算部 145とを有する。
[0034] 乗算部 141、 142は、それぞれ対応する復調モジュール 10、 20の相関検出部 17、 27から相関波形 Cl、 C2を受け、これらに係数決定部 143から供給される係数を乗 算する。係数決定部 143は復調モジュール 10、 20の CZN検出部 18、 28から CZ N検出信号 Fl、 F2を受けて、それらが表す CZN値の中で最も大きい値を出力した CZN検出部を含む復調モジュールの相関検出部の出力を受けている乗算部(141 、 142のうちのいずれ力 )で乗算に用いる係数を「1」に設定し、他の乗算部(141、 1 42うちの他方)で乗算に用いられる係数を「0」に設定する。乗算部 141、 142は、係 数決定部 143で設定された係数を用いて乗算を行う。加算部 145は、乗算部 141、 1 42の出力を加算して、加算結果を合成された関波形として出力する。以上の処理は 、複数の復調モジュールからの相関波形の中から一つを選択するのと等価である。
[0035] なお、上記の例では、復調モジュール(10、 20)が 2個設けられている力 復調モジ ユールの数は 3以上であっても良い。その場合も、相関合成部 36は、上記と同様に 構成することができる。一般ィ匕して言えば、復調モジュールが n個(nは 2以上の整数) 設けられている場合、相関合成部 36は、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃 至第 nの乗算部と、係数決定部と、加算部とを有し、第 1乃至第 nの乗算部は、それ ぞれ対応する復調モジュールの CZN検出部力 CZN値を受け、これらに係数決 定部から供給される係数を乗算する。係数決定部は復調モジュールの CZN検出部 力 CZN検出信号を受けて、それらの中で最も大きい値を出力した CZN検出部を 含む復調モジュールの相関検出部の出力を受けて 、る乗算部で乗算に用 、る係数 を「1」に設定し、他の乗算部で乗算に用いられる係数を「0」に設定する。第 1乃至第 nの乗算部はそれぞれ、係数決定部で設定された係数を用いて乗算を行う。加算部 は、第 1乃至第 nの乗算部の出力の総和を求め、この総和を合成相関波形として出 力する。
[0036] 相関合成部 36のさらに他の例においては、各モジュールの CZN検出部 18、 28か ら供給された CZN値の中である閾値以上の値を出力した復調モジュールの相関波 形に対する係数を「1Z (上記の閾値以上の値を出力したモジュールの数)」に設定し
、上記の閾値未満の値を出力した他の復調モジュール力 の相関波形に対する係 数を「0」に設定し、また、すべての復調モジュールで上記の閾値未満の値が出力さ れたときは、すべての復調モジュールの相関波形に対する係数を「iZ (すべての復 調モジュールの数)」に設定し、その値をそれぞれのモジュールの相関検出部 17、 2 7から供給された相関波形に乗算し、その乗算の結果として得られた相関波形の加 算することにより、相関波形の合成を行う。
[0037] そのような相関合成部 36の具体例が図 8に示されている。図 8に示す相関合成部 3 6は、それぞれ復調モジュール 10、 20に対応する乗算部 151、 152と、係数決定部 153と、加算部 155とを有する。
乗算部 151、 152は、それぞれ対応する復調モジュール 10、 20の相関検出部 17, 27から相関波形 Cl、 C2を受け、これらに係数決定部 153から供給される係数を乗 算する。係数決定部 153は復調モジュール 10、 20の CZN検出部 18、 28から CZ N検出値 Fl、 F2を受けて、 CZN検出値 Fl、 F2が所定の閾値以上かどうかの判定 を行い、 C/N検出値 Fl、 F2がともに上記閾値以上であれば、乗算器 151、 152で 用いる係数をともに 1Z2とし、 CZN検出値 Fl、 F2のうち、一方 (例えば F1)が上記 閾値以上であり、他方が上記閾値未満であれば、上記一方の CZN検出器に対応 する乗算器( 151 )で用 、る係数を「 1」に設定し、他方の乗算器( 152)で用 、る係数 を「0」に設定し、 CZN検出値 Fl、 F2がともに上記閾値未満であれば、乗算器 151 、 152で用いる係数をともに 1Z2に設定する。
乗算部 151、 152は、係数決定部 153で設定された係数を用いて乗算を行う。カロ 算部 155は、乗算部 151、 152の出力を加算して、加算結果を合成された相関波形 として出力する。
[0038] なお、上記の例では、復調モジュール(10、 20)が 2個設けられている力 復調モジ ユールの数は 3以上であっても良い。その場合も、相関合成部 36は、上記と同様に 構成することができる。一般ィ匕して言えば、復調モジュールが n個(nは 2以上の整数) 設けられている場合、相関合成部 36は、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃 至第 nの乗算部と、係数決定部と、加算部とを有し、第 1乃至第 nの乗算部は、それ ぞれ対応する復調モジュールの相関検出部力 相関波形を受け、これらに係数決定
部から供給される係数を乗算する。係数決定部は復調モジュールの CZN検出部か ら CZN検出値を受けて、それらが所定の閾値以上力どうかの判定を行い、 CZN検 出値が上記閾値以上の復調モジュールの数 mを求め、 mが 1以上であれば、 C/N 値が上記閾値以上の復調モジュールに対応する乗算器で用いる係数を lZmに設 定し、 CZN値が上記閾値未満の復調モジュールに対応する乗算器で用いる係数を 「0」に設定し、 m力 SOであれば、第 1乃至第 n乗算器で用いる係数をすベて lZnに設 定する。
第 1乃至第 nの乗算部は、それぞれ係数決定部で設定された係数を用いて乗算を 行う。加算部は、第 1乃至第 n乗算部の出力の総和を求め、この総和を合成相関波 形として出力する。
[0039] なお、上記の例では、 CZN値がある閾値以下かどうかの判定を行っている力 上 記以外の条件を満たして 、るかどうかの判定を行 、、判定結果に基づ!/、て係数を定 めることとしても良い。また、乗算器で用いる係数を、「lZm」や「lZn」以外の 0より 大きい値に設定しても良い。
[0040] 実施の形態 3.
図 9はこの発明の実施の形態 3の復調装置の構成を示すブロック図であって、実施 の形態 1、 2と同様に 2つの復調モジュール 10、 20によってダイバーシチ受信を行う 構成となっている。
[0041] 図 9に示す復調装置の構成は、図 1、図 5に示す復調装置の構成と概して同じであ る力 伝送される OFDM信号に既知の同期信号が含まれていることが想定されてお り、各モジュールにおいて、この既知の同期信号を正しく復調できるか否かで、 OFD M信号の同期獲得が成功して!/、る力否かの判定を行 、、その結果として同期獲得判 定値 Al、 A2を出力する同期獲得判定部 19、 29を備えており、相関合成部 37には 、相関検出部 17、 27で検出された相関波形と同期獲得判定部 19、 29から出力され る同期獲得判定値が供給される。
[0042] 相関合成部 37では、同期獲得判定部 19、 29から供給される同期獲得判定値 Al、 A2の中で同期獲得に成功していることを示す値を出力した復調モジュールの相関 波形に対する係数を「1Z (同期獲得に成功していることを示す値を出力したモジュ
ールの数)」に設定し、同期獲得に成功して 、な 、ことを示す値を出力した復調モジ ユールからの相関波形に対する係数を「0」に設定し、また、すべての復調モジュール で同期獲得に成功していないことを示す値が出力されたときは、すべての復調モジュ ールの相関波形に対する係数を「iZ (すべての復調モジュールの数)」に設定して、 各モジュール力 供給された相関波形に乗算し、その乗算の結果として得られた相 関波形を加算することによって合成相関信号を生成し、合成された相関波形を誤差 検出部 33と FFT窓位置再生部 32に供給し、 FFT窓位置再生やクロック再生を行う。
[0043] そのような相関合成部 37の具体例が図 10に示されている。図 10に示す相関合成 部 37は、それぞれ復調モジュール 10、 20に対応する乗算部 161、 162、係数決定 部 163と、加算部 165とを有する。
乗算部 161、 162は、それぞれ対応する復調モジュール 10、 20の相関検出部 17、 27の相関波形 Cl、 C2を受け、これらに係数決定部 163から供給される係数を乗算 する。係数決定部 163は復調モジュール 10、 20の同期獲得判定部 19, 29から同期 獲得判定値 Al、 A2を受けて、同期獲得判定値 Al、 A2がともに同期獲得に成功し ていることを示す値のものであれば、乗算器 161、 162で用いる係数をともに 1Z2と し、同期獲得判定値 Al、 A2ののうち、一方 (例えば A1)が同期獲得に成功している ことを示し、他方が同期獲得に成功していることを示さなければ、対応する乗算器(1 61 )で用 、る係数を「 1」に設定し、他方の乗算器( 162)で用 、る係数を「0」に設定 し、同期獲得判定値 Al, A2がともに同期獲得に成功していることを示さなければ、 乗算器 161、 162で用いる係数をともに 1Z2に設定する。
乗算部 161、 162は、係数決定部 163で設定された係数を用いて乗算を行う。カロ 算部 165は、乗算部 161、 162の出力を加算して、加算結果を合成された相関波形 として出力する。
[0044] なお、上記の例では、復調モジュール(10、 20)が 2個設けられて!/、るが、復調モジ ユールの数は 3以上であっても良い。その場合も、相関合成部 37は、上記と同様に 構成することができる。一般ィ匕して言えば、復調モジュールが n個(nは 2以上の整数) 設けられている場合、相関合成部 37は、それぞれ復調モジュールに対応する第 1乃 至第 nの乗算部と、係数決定部と、加算部とを有し、第 1乃至第 nの乗算部は、それ
ぞれ対応する復調モジュールの相関検出部力 相関波形を受け、これらに係数決定 部から供給される係数を乗算する。係数決定部は復調モジュールの同期獲得判定 部から同期獲得判定値を受けて、それらが同期獲得に成功していることを示す値の ものかどうかの判定を行 ヽ、同期獲得判定値が同期獲得に成功して ヽることを示す 復調モジュールの数 mを求め、 mが 1以上であれば、同期獲得判定値が同期獲得に 成功して!/、ることを示す復調モジュールに対応する乗算器で用いる係数を lZmに 設定し、同期獲得判定値が同期獲得に成功していることを示さない復調モジュール に対応する乗算器で用いる係数を「0」に設定し、 mが 0であれば、第 1乃至第 n乗算 器で用いる係数をすベて 1 Znに設定する。
第 1乃至第 nの乗算部は、それぞれ係数決定部で設定された係数を用いて乗算を 行う。加算部は、第 1乃至第 n乗算部の出力の総和を求め、この総和を合成された相 関波形として出力する。
[0045] なお、上記の例では、同期獲得判定値が同期獲得に成功していることを示す力どう かの判定を行っている力 上記以外の条件を満たしているかどうかの判定を行い、判 定結果に基づいて係数を定めることとしても良い。また、乗算器で用いる係数を、「1 Zm」や「 lZn」以外の 0より大き 、値に設定しても良!、。
[0046] さらに、実施の形態 1では、図 1に示す AGC部 16、 26から供給された AGC制御信 号が表すゲインの値を基に相関波形の合成を行う形態を、実施の形態 2では、図 5に 示す CZN検出部 18、 28から供給された CZN値を基に相関波形の合成を行う形態 を、実施の形態 3では、図 9に示す同期獲得判定部 19、 29から供給された同期獲得 判定値を基に相関波形の合成を行う形態について個別に説明したが、 AGC部、 C ZN検出部、同期獲得判定部のすべてを備えるなどして、 AGC制御信号が表すゲ インの値、 CZN値、同期獲得判定値を組み合わせた情報を基に相関波形の合成を 行う形態としてもよい。
[0047] 以上復調装置について説明したが、上記の復調装置をその一部とする受信装置に は、上記したのと同様の効果が得られ、そのような受信装置もまた、本発明の一部を 成す。さらに上記の復調装置について説明した復調方法もまた本発明の一部を成す
産業上の利用可能性
本発明の活用例として、地上デジタル放送や無線 LANの受信装置に適用できる。