JP2001345778A - ダイバーシティを用いたofdm受信信号同期装置 - Google Patents

ダイバーシティを用いたofdm受信信号同期装置

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JP2001345778A
JP2001345778A JP2000169035A JP2000169035A JP2001345778A JP 2001345778 A JP2001345778 A JP 2001345778A JP 2000169035 A JP2000169035 A JP 2000169035A JP 2000169035 A JP2000169035 A JP 2000169035A JP 2001345778 A JP2001345778 A JP 2001345778A
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Naohiko Iwakiri
直彦 岩切
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各受信系統のAGCを効率的に行うことがで
きるOFDMダイバーシティ合成受信装置を提供する。 【解決手段】 OFDM受信装置において複数の受信系
統で受信した到来波の相関検出情報とFFTウィンドウ
位置検出情報を基に到来波の伝送路特性、それぞれの到
来波の信号レベル変動と周波数偏差量を推定し、その推
定結果を用いて1つのVCOに対してフィードバックを
行い、複数の受信系統に対する共通の基準クロックを生
成する。さらに、該推定結果を用いて1つのAGC制御
情報を生成して、複数の受信系統のAGCを効率的に行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各キャリアがシン
ボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数
が設定されたOFDM(Orthogonal Frequency Divisio
n Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の受信信号
同期装置に係り、特に、信号間の相関が小さくなるよう
に配置された複数のアンテナで受信した信号を用いるダ
イバーシティ受信を行うOFDM方式受信信号同期装置
に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、複数の受信系統
の同期保持を行うOFDMダイバーシティ受信信号同期
装置に係り、特に、各受信系統のAGC(自動利得調
整)を効率的に行うOFDMダイバーシティ受信信号同
期装置に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、携帯電話や車載電話など移動通信
の普及と需要が目覚しく進展している。今や誰もが移動
通信機器を使用し、社会生活上の必需品として認知され
つつある。
【0004】移動伝搬環境で無線伝送を行う場合、フェ
ージングによる伝送品質の劣化が特に問題となる。
【0005】無線伝送の高速化・高品質化を実現する技
術として「OFDM(Orthogonal Frequency Division
Multiplexing:直交周波数分割多重)方式」が期待され
ている。OFDM方式とは、マルチキャリア(多重搬送
波)伝送方式の一種で、各キャリアがシンボル区間内で
相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されて
いる。情報伝送の一例は、シリアルで送られてきた情報
を情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/
パラレル変換して出力される複数のデータを各キャリア
に割り当ててキャリア毎に変調を行い、その複数キャリ
アについて逆FFTを行うことで周波数軸での各キャリ
アの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換して送信
する。例えば、各キャリアはBPSK(Binary Phase S
hift Keying)変調を行うとして情報伝送速度の256
分の1のシンボル周期でシリアル/パラレル変換すると
キャリア総数は256となり、逆FFTは256キャリ
アについて行うことになる。復調はこの逆の操作、すな
わちFFTを行なって時間軸の信号を周波数軸の信号に
変換して各キャリアについてそれぞれの変調方式に対応
した復調を行い、パラレル/シリアル変換して元のシリ
アル信号で送られた情報を再生するといったことで行な
われる。OFDM伝送方式は、遅延波があっても良好な
伝送特性を有することが実験で確かめられている。
【0006】OFDM方式による伝送は、同じ伝送容量
のシングルキャリア伝送方式に比べ、1シンボル周期が
長くなるので、到来波の遅延時間差が大きなマルチパス
・フェージングや選択性フェージングに対する耐フェー
ジング特性が強いという特徴がある。しかしながら、到
来波の遅延時間差が比較的小さなフラット・フェージン
グに対する耐フェージング特性は強いとは言い難い。
【0007】フラット・フェージングに対する有効な対
策としては、信号間の相関が小さくなるように配置され
た複数のアンテナで受信した信号を用いる「ダイバーシ
ティ(diversity)受信」が有効であることが知られて
いる。ダイバーシティ受信には、複数の受信信号のうち
最も信号電力が強い受信信号を選択的に使用する「選択
的ダイバーシティ」と、複数の受信信号をそれぞれ復調
してその最大比合成をとる「最大比合成ダイバーシテ
ィ」が挙げられる。
【0008】ところで、単一の受信機に複数の受信系統
を搭載する場合、同期の問題がある。すなわち、ダイバ
ーシティ受信を行う際、各受信系統毎に独立して到来波
を受信している場合の同期保持は、それぞれの到来波に
対して追従できるように各受信系統毎に独立してVCO
(電圧制御発振回路)を配置して、各受信系統毎に独立
して制御を行うことが好ましい。
【0009】しかしながら、1つの受信機に複数のVC
Oを備えることは、回路規模、不要輻射、信号制御など
の点から望ましくない。
【0010】また、複数の受信系統でそれぞれ独立して
到来波を受信している場合、各到来波の信号レベル、周
波数変動も異なるので、A/D変換部入力でそれぞれに
最適なダイナミック・レンジが得られるようにするに
は、A/D変換前の信号レベルに対して適切なAGC
(Automatic Gain Control:自動利得調整)を行う必要
がある。
【0011】しかしながら、ダイバーシティ合成を行う
際、複数の受信系統がそれぞれ独立してAGCを行う
と、アンテナ端での到来波の受信信号レベル比が変わっ
てしまう。すなわち、各受信系統毎にAGCを行うこと
は好ましくない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各キ
ャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャ
リアの周波数が設定されたOFDM方式の優れた受信信
号同期装置を提供することにある。
【0013】本発明の更なる目的は、信号間の相関が小
さくなるように配置された複数のアンテナからの受信信
号を用いるダイバーシティ受信を行う優れたOFDM方
式受信信号同期装置を提供することにある。
【0014】本発明の更なる目的は、複数の受信系統の
同期保持を好適に行うことができる、優れたOFDMダ
イバーシティ受信信号同期装置を提供することにある。
【0015】本発明の更なる目的は、各受信系統のAG
C(自動利得調整)を効率的に行うことができる、優れ
たOFDMダイバーシティ受信信号同期装置を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を参
酌してなされたものであり、複数のOFDM(直交周波
数多重分割)信号を受信するダイバーシティを使用する
OFDM受信信号同期装置であって、受信アンテナと、
該受信アンテナを介して受信した信号をRF周波数帯か
らベースバンド信号にダウンコンバートするRF部と、
該ダウンコンバートされたアナログ・ベースバンド信号
の信号レベルを制御するAGC(自動利得調整)部と、
基準クロックを基にアナログ信号をA/D変換するディ
ジタル変換部と、A/D変換されたディジタル信号を複
素ディジタル信号に変換する直交復調部と、FFTウィ
ンドウ・タイミングに従ってOFDMシンボル1周期分
のフーリエ変換を行ってOFDMサブキャリア毎の複素
ディジタル信号を求めるFFT部とをそれぞれ含む複数
の受信系統と、各受信系統からの複素ディジタル信号に
ついて、ガード・インターバル部分の信号を使用して相
関計算を行い、相関電力の測定を行い、FFTウィンド
ウ・タイミングと相関検出情報の検出を行うマルチチャ
ンネル相関検出部と、各受信系統についてのフーリエ変
換されたOFDMサブキャリア毎の複素ディジタル信号
の復調と、ダイバーシティ合成と、検波情報の検出を行
う復調合成部と、基準クロックを発生して、各受信系統
のA/D変換部に対して共通の基準クロックを供給する
クロック発振部と、前記マルチチャンネル相関検出部か
ら供給される相関検出情報と前記復調合成部から供給さ
れる検波情報を基にクロック発振制御情報とAGC制御
情報を決定して前記クロック発振部及び前記AGC部の
各々に出力する帰還制御部と、を具備することを特徴と
するダイバーシティを用いたOFDM受信信号同期装置
である。
【0017】前記帰還制御部は、前記マルチチャンネル
相関検出部から供給される相関検出情報と前記復調合成
部から供給される検波情報を基に、あらかじめ設定され
た閾値との比較を随時行い、該比較結果を基に各受信系
統において受信した信号の伝送路状況と同期安定性の推
定を行うようにしてもよい。このような場合、安定した
受信系統があると判断したときは該受信系統を基準にフ
ィードバック情報を生成して、安定した受信系統がない
と判断したときは安定した受信系統が出現するまでフィ
ードバック・ループのループ・ゲインが下がるようにフ
ィードバック情報を生成することができる。
【0018】また、前記復調合成部は、OFDMサブキ
ャリアの検波が同期検波の場合には、対応する再生搬送
波から求めた電力を検波情報として遅延検波を行ってい
るときはOFDMサブキャリア毎の信号電力を検波情報
として随時切り替えるように出力するようにしてもよ
い。
【0019】また、前記帰還制御部は、マルチチャンネ
ル相関検出部から供給される相関検出情報と前記復調合
成部から供給される検波情報を基に、あらかじめ設定さ
れた閾値との比較を随時行い、推定した各受信系統の伝
送路状況と同期安定性から伝送路状況を決定して伝送路
情報として出力するようにしてもよい。
【0020】
【作用】本発明に係るOFDM受信信号同期装置は、複
数の受信アンテナすなわち複数の受信系統を備えてい
る。各受信系統は、受信アンテナの受信信号をRF周波
数帯からベースバンド信号にダウンコンバートするRF
部と、ダウンコンバートされたアナログ受信信号の信号
レベルを制御するAGC部と、アナログ信号をディジタ
ル信号にA/D変換するディジタル変換部と、A/D変
換された信号を複素ディジタル信号に変換する直交復調
部とで構成される。
【0021】マルチチャンネル相関検出部は、各受信系
統からの複素ディジタル信号について、ガード・インタ
ーバル部分の信号を使用して相関計算を行い、相関電力
の測定を行い、FFTウィンドウ・タイミングと相関検
出情報の検出を行う。
【0022】各受信系統毎に配置されたFFT部は、F
FTウィンドウ・タイミングに従って、ofdmシンボ
ル1周期分の複素ディジタル信号についてフーリエ変換
を行い、OFDMサブキャリア毎の複素シンボルを生成
する。
【0023】復調合成部は、フーリエ変換されたOFD
Mサブキャリア毎の複素ディジタル信号の復調と、ダイ
バーシティ合成と、検波情報の検出を行う。
【0024】帰還制御部は、マルチチャンネル相関検出
部から供給される相関検出情報と復調合成部から供給さ
れる検波情報を基に、VCO制御情報とAGC制御情報
を決定して、VCO並びにAGC部のそれぞれに出力す
る。VCOは、VCO制御情報に従って基準クロックを
発生する。
【0025】各受信系統において、RF部は、受信アン
テナで受信された信号をアナログのベースバンド信号に
変換し、AGC部は帰還制御部から供給される共通のA
GC制御情報に従ってアナログのベースバンド信号レベ
ルの増幅を行う。また、ディジタル変換部は、VCOか
ら供給される共通の基準クロックを基にアナログのベー
スバンド信号をディジタル信号に変換し、直交復調部
は、ベースバンド複素ディジタル信号を生成する。
【0026】マルチチャンネル相関検出部は、ベースバ
ンド複素ディジタル信号の相関検出を行って、FFTウ
ィンドウ・タイミング位置をFFTウィンドウ情報とし
てFFT部に出力するとともに、相関信号のピーク本
数、そのピーク電力、FFTウィンドウ・タイミング位
置やウィンドウ位置変更量といった相関検出情報を帰還
制御部に出力する。
【0027】各FFT部では、マルチチャンネル相関検
出部から供給されるFFTウィンドウ情報に従って、O
FDMシンボル1周期分の複素ディジタル信号について
フーリエ変換を行って、OFDMサブキャリア毎の複素
シンボルを出力する。
【0028】復調合成部では、OFDMサブキャリア毎
の複素シンボルの検波とダイバーシティ合成を行って、
サブキャリア毎の信号電力といった検波情報を帰還制御
部に出力する。
【0029】帰還制御部では、相関検出情報と検波情報
を基に、相関信号のピーク本数、ピーク電力と、サブキ
ャリア毎の電力、ウィンドウ位置の変更について、あら
かじめ設定された閾値との比較を随時行う。そして、該
比較結果を基に、各受信系統において受信した信号の伝
送路状況と同期安定性の推定を行い、すべての受信系統
に共通のAGC制御情報とVCO制御といったフィード
バック情報の設定を行う。
【0030】本発明に係るOFDM受信信号同期装置で
は、受信装置に配置された単一のVCOが、フィードバ
ック情報として受け取ったVCO制御情報に従って基準
クロックを発生して、各受信系統毎に配置されたディジ
タル変換部に共通の基準クロックを供給するようになっ
ている。また、各受信系統毎に配置されたAGC部は、
共通のAGC制御情報に従ってダウンコンバートされた
アナログ受信信号の信号レベルを制御するようになって
いる。
【0031】したがって、本発明に係るOFDM受信信
号同期装置によれば、単一のVCOを複数の受信系統に
おける基準クロックとしてフィードバック・ループを確
立することができるので、各受信系統におけるAGC部
を共通のAGC制御情報を以って制御することができ、
各受信信号間の相関関係を保持したままダイバーシティ
合成を行うことができるようになり、単一のVCOが発
生する共通のクロックで同期保持を実現することができ
る。
【0032】また、帰還制御部は、マルチチャンネル相
関検出部から供給される相関検出情報と復調合成部から
供給される検波情報を基に、あらかじめ設定された閾値
との比較を随時行うようになっている。該比較結果を基
に伝送路状況と同期安定性の推定を行っている間、安定
した受信系統があると判断したときは該受信系統を基準
にフィードバック情報を生成して、安定した受信系統が
ないと判断したときは安定した受信系統が出現するまで
フィードバック・ループのループ・ゲインが下がるよう
にフィードバック情報を生成するようにしてもよい。こ
のような場合、複数の受信系統のうち、受信状態の悪い
信号はフィードバック情報に反映されないようになり、
また、すべての受信系統の受信状態が悪い場合には、フ
ィードバック・ループの外乱による誤差を低減すること
ができる。
【0033】また、復調合成部では、OFDMサブキャ
リアの検波が同期検波の場合には、対応する再生搬送波
から求めた電力を検波情報として遅延検波を行っている
ときはOFDMサブキャリア毎の信号電力を検波情報と
して随時切り替えるように出力することで、信号フォー
マットで変調方式が変更された場合に容易に対処するこ
とができる。
【0034】また、帰還制御部は、マルチチャンネル相
関検出部から供給される相関検出情報と復調合成部から
供給される検波情報を基に、あらかじめ設定された閾値
との比較を随時行い、推定した各受信系統の伝送路状況
と同期安定性から伝送路状況を決定して伝送路情報とし
て出力し、同期の安定度情報や復調データの信頼度情報
としてモニタすることができる。
【0035】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳
細な説明によって明らかになるであろう。
【0036】
【発明の実施の形態】本実施例に係る選択ダイバーシテ
ィを用いたOFDM受信装置の説明を行う前に、OFD
M信号を送信するOFDM送信装置100の概略構成に
ついて、図1を参照しながら説明しておく。
【0037】図1に示すように、OFDM送信装置10
0は、変調部101と、パイロット・シンボル挿入部1
02と、シリアル/パラレル変換部103と、IFFT
104と、ガード区間挿入部105と、アナログ変換部
106と、送信RF部107と、送信アンテナ108
と、送信制御部109とで構成される。
【0038】変調部101は、送信制御部109から供
給される変調情報及びタイミングに従って入力データを
変調処理して、変調シンボルをシリアルに出力する。
【0039】パイロット・シンボルを挿入する場合、パ
イロット・シンボル挿入部102は、送信制御部109
から供給されるパイロット・シンボル挿入パターン及び
タイミングに従って、既知のデータ系列をパイロット・
シンボルとして変調シンボル系列に挿入する。
【0040】シリアル/パラレル変換部103は、送信
制御部109から供給されるFFT(高速フーリエ変
換)サイズ及びタイミングに従って、入力されたシリア
ル・データをFFTサイズ分だけパラレル・データに変
換して、IFFT部104に出力する。
【0041】IFFT部104は、送信制御部109か
ら供給されるFFTサイズ及びタイミングに従って、F
FTサイズ分の逆FFTを行う。
【0042】ガード区間挿入部105は、送信制御部1
09から供給されるガード・インターバル・サイズ、ガ
ード・バンド・サイズ、及びタイミングに従って、ガー
ド・インターバルやガード・バンドなどのガード信号を
挿入する。ガード・インターバル(信号の一部を繰り返
し伝送する区間)は、ガード・インターバル・サイズ以
下のマルチパス伝搬を吸収して、受信品質の致命的な劣
化を防止する。
【0043】ガード信号が挿入されたディジタル送信信
号は、アナログ変換部106において直交変調並びにD
/A変換が施され、送信RF部107においてアップコ
ンバートされて、送信アンテナ108から当該送信装置
100外部に送信される。
【0044】本実施例に係るOFDMダイバーシティ受
信信号同期装置は、例えば、図1に示すようなOFDM
送信装置から送信されるOFDM信号を受信する際の同
期を確立することができる。以下では、2本の受信アン
テナすなわち2つの受信系統を備えるOFDMダイバー
シティ受信信号同期装置を例にとって説明する。
【0045】図2には、本実施例に係るOFDM受信信
号同期装置200の概略構成を示している。以下、同図
を参照しながら説明する。該受信信号同期装置200
は、アンテナから復調まで行う受信部を2系統備え、各
受信系統独立にパイロット・シンボルから搬送波を再生
して同期検波を行ない、それぞれの受信系統の復調シン
ボルについて等しいサブキャリア位相を持った復調シン
ボルについて最大比合成を行うといった最大比合成ダイ
バーシティOFDM受信信号に関する同期を行う装置で
ある。
【0046】各RF部203及び204は、それぞれ受
信アンテナ201及び202において受信した信号をR
F周波数帯からベースバンド信号にダウンコンバートす
る。
【0047】各AGC(Auto Gain Control:自動利得
調整)部205及び206は、アナログ・ベースバンド
のゲインが後続の各A/D変換部207及び208の入
力として適性値になるように信号レベルの制御を行う。
【0048】各A/D変換部207及び208は、各A
GC部205及び206から入力するアナログ・ベース
バンド信号をVCO218から供給される基準クロック
でサンプリングしてディジタル信号に変換する。
【0049】各直交復調部209及び210は、A/D
変換されたディジタル信号をIch,Qchの複素ディ
ジタル信号に変換する。
【0050】マルチチャンネル相関検出部211は、各
直交復調部209及び210から出力される複素ディジ
タル信号について、相関検出制御情報に従って相関検出
を行い、適切なFFTウィンドウ・タイミング並びに相
関検出情報を検出する。
【0051】各FFT部212及び213は、それぞれ
の直交復調部209及び210から出力される複素ディ
ジタル信号について、OFDMシンボル1周期分の逆フ
ーリエ変換された信号のフーリエ変換を行う。
【0052】復調合成部216は、2つの受信系統から
入力するOFDMサブキャリア毎に振幅と位相の補正と
いった検波を行い、それぞれのサブキャリアの電力を測
定し検波情報として出力し、さらにそれぞれのサブキャ
リア毎の電力比に応じた受信信号重み係数を決定して、
それぞれ検波された軟判定復調シンボルとの乗算を行
い、重み付けされたそれぞれの軟判定復調シンボルの最
大比合成を行って、復調データを出力する。
【0053】帰還制御部217は、マルチチャンネル相
関検出部211から供給される相関検出情報と、復調合
成部216から供給される検波情報を基に、伝送路の推
定を行い、伝送路状況に応じて同期保持時のVCO制御
信号とAGC制御信号を決定して、VCO(電圧制御発
振器)218、並びに各AGC部205及び206にそ
れぞれ出力する。
【0054】VCO218は、帰還制御部217から供
給されるVCO制御情報に従ってクロック誤差量を算出
して、各A/D変換部207及び208の基準クロック
を発生する。
【0055】次いで、このOFDM受信信号同期装置2
00の動作特性について説明する。
【0056】各受信アンテナ201及び202において
受信された信号は、それぞれRF部203及び204に
入力されてアナログのベースバンド信号に変換され、各
AGC部205及び206に入力される。
【0057】各AGC部205及び206は、帰還制御
部217から供給されるAGC制御情報に従って、アナ
ログ・ベースバンド信号の増幅を行う。各A/D変換部
207及び208は、各AGC部205及び206から
入力するアナログ・ベースバンド信号をVCO218か
ら供給される基準クロックでサンプリングしてディジタ
ル信号に変換する。各直交復調部209及び210は、
ベースバンド複素ディジタル信号を生成して、マルチチ
ャンネル相関検出部211並びにFFT部212及び2
13にそれぞれ出力する。
【0058】マルチチャンネル相関検出部211は、各
直交復調部209及び210から出力されるそれぞれの
ベースバンド複素ディジタル信号について相関検出を行
って、それぞれのFFTウィンドウ・タイミング位置を
FFTウィンドウ情報として各FFT部212及び21
3に出力する。また、相関信号のピーク本数、該ピーク
電力、FFTウィンドウ・タイミング位置やウィンドウ
位置変更量といった検出結果を基に相関検出情報を検出
して、帰還制御部217に出力する。
【0059】各FFT部212及び213は、マルチチ
ャンネル相関制御部211から供給されるそれぞれのF
FTウィンドウ情報に従って、OFDMシンボル1周期
分のフーリエ変換を行って、OFDMサブキャリア毎の
複素シンボルを求めて、復調合成部216に出力する。
【0060】復調合成部216は、2つの受信系統から
同じサブキャリア番号のOFDMサブキャリア毎に入力
する複素シンボルについて、各受信系統独立にパイロッ
ト・シンボルから搬送波を再生して同期検波を行ない、
軟判定シンボルを生成する。また、それぞれの受信系統
についてサブキャリア毎に再生搬送波電力を求めた後、
各受信系統で等しいサブキャリア位相を持つシンボルに
対応するサブキャリア毎の再生搬送波信号電力比を求め
て、それぞれの受信信号重み係数とする計算を行う。さ
らに、2つの受信系統の軟判定シンボルと対応する受信
信号重み係数をそれぞれ乗算した後、加算して最大比合
成を行い、この最大比合成複素ディジタル信号について
軟判定復調を行って、復調データとして出力する。
【0061】上述したようなデータ復調に関する信号処
理を行っている間、帰還制御部217は、マルチチャン
ネル相関検出部211から供給される相関検出情報と、
復調合成部216から供給される検波情報とから、マル
チパス(多重反射電波伝搬)の本数とサブキャリア毎の
電力について、あらかじめ設定された閾値との比較を行
う。比較結果に従って、2つの受信系統でそれぞれ受信
した信号の伝送路状況の推定とFFTウィンドウ先頭位
置の変更情報を基に、同期安定性の推定を行って、これ
らの情報を基に送受信クロックの誤差量といったVCO
制御情報の設定と、2つの受信系統のおけるそれぞれの
アナログ・ベースバンド信号について有効なダイバーシ
ティ合成が行えるようなゲインといったAGC制御情報
の設定を行い、AGC部205及び206、並びに、V
CO218にフィードバックする。
【0062】図3には、マルチチャンネル相関検出部2
11の概略的な構成を示している。以下、同図を参照し
ながら説明する。
【0063】各遅延部301及び302は、相関検出制
御部310から供給されるタイミング信号に従って、入
力される複素ディジタル信号をそれぞれ遅延させて、適
切なタイミングで出力する。
【0064】各相関計算部303及び304は、相関検
出制御部310から供給される相関タイミングに従っ
て、各遅延部301及び302からそれぞれ出力される
受信信号について相関電力を計算する。
【0065】各閾値比較部305及び306は、各相関
計算部303及び304の相関計算結果と相関検出制御
部310から供給される閾値との比較を行う。
【0066】各相関判定部307及び308は、相関検
出制御部310から供給されるタイミング信号に従っ
て、閾値比較部405及び406からそれぞれ入力する
閾値比較結果とこれまでに記憶された閾値比較結果を基
に、FFTウィンドウ・タイミングの検出を行って、そ
れぞれのFFTウィンドウ検出成否と各ウィンドウ・タ
イミング情報と相関検出結果を出力する。
【0067】相関検出情報生成部309は、それぞれの
受信系統における相関検出結果から相関信号のピーク本
数と、それぞれの相関ピーク電力の比較結果とウィンド
ウ検出情報、FFTウィンドウ・オフセット量を決定し
て、相関検出情報として出力する。
【0068】相関検出制御部310は、初期同期並びに
同期獲得後それぞれの過程における各ブロックのタイミ
ング制御信号を生成する。
【0069】次いで、図3のように構成されたマルチチ
ャンネル相関検出部211の動作を、図4及び図5の各
々に示す相関検出タイミング例に従って説明する。
【0070】本実施例では、OFDM信号は、OFDM
シンボルDnと、OFDMシンボルの後半部分をガード
区間として割り当てられた長さ分についてコピーしたガ
ード・インターバルGnで構成され、Gn,Dnの順で
伝送されるものとする(但し、n=1,2,…)。ま
た、この例では、送受信間のクロック誤差、周波数オフ
セットはないものとする。
【0071】図4には、到来波が直接波のみ又はフラッ
ト・フェージングの場合の相関検出例を示している。同
図に示すように、直接波のみを受信する場合、各遅延部
301及び302において既知のシンボル周期Tsだけ
遅延させる。
【0072】各相関計算部303及び304は、相関検
出制御部310から供給されるそれぞれの相関積算回数
及び相関計算タイミングに従って、遅延されたそれぞれ
の複素ディジタル信号と現時刻の複素ディジタル信号の
相関をとり、それぞれの相関データを計算する。
【0073】各閾値比較部305及び306は、それぞ
れの相関計算部303及び304から出力される相関デ
ータを、相関検出制御情報に合わせてあらかじめ設定し
た閾値と比較して、それぞれの相関閾値比較データを求
め、それぞれの相関検出結果から相関信号のピーク本
数、相関電力のピーク電力の比較結果とFFTウィンド
ウ検出情報取った相関検出情報を検出する。FFTウィ
ンドウ情報はFFT部212及び213に出力される。
また、相関検出情報生成部では、それぞれの相関検出情
報を統合して、相関検出情報として帰還制御部217に
出力する。
【0074】[a−2]は、相関積分回数がTgに相当
する時間を設定したときに受信信号の同期がとれた場合
の相関検出信号のタイミングを示している。一度相関の
データのピークが検出されると、相関積分回数、相関計
算タイミングを変更しない限り、OFDM信号1周期、
すなわちTg+Tsの周期で相関ピークが検出されるこ
とを示している。
【0075】[a−3]は、OFDM1周期で電力測定
を行う場合の積分ダンプ・タイミングを示している。初
期同期時の同期獲得情報、雑音や伝搬環境の変化などに
よる相関ピーク位置のずれ情報が相関判定情報になる。
【0076】また、図5には、マルチパス又は選択性フ
ェージングの場合の相関検出タイミング例を示してい
る。但し、受信信号が直接波(D波)と遅延波(U波)
からなる2波モデルとする。
【0077】この場合、上述の相関検出タイミング例に
従うと、相関検出結果は、[b−2]に示すようなD波
に対応する成分と、[b−4]に示すようにU波に対応
する成分を含み、[b−5]に示すようにこれら各成分
を加算した形の相関検出信号が出力されることになる。
【0078】[b−6]は、D/U=3dBの場合にお
けるOFDM信号1周期で電力測定を行う場合の積分ダ
ンプ・タイミングを示している。OFDM信号周期の先
頭はD波とU波のうち相関検出信号の大きい方を基準に
設定されることから、積分ダンプ・タイミングの先頭も
このタイミングと一致させている。
【0079】図6には、復調合成部216の構成を概略
的に示している。同図に示すように、復調合成部216
は、検波部401及び402と、重み係数計算部403
と、乗算部404及び405と、加算部406と、軟判
定復調部407と、最大比合成軟判定復調制御部408
とで構成される。
【0080】各検波部401及び402は、各FFT部
212及び213の出力であるそれぞれのOFDMサブ
キャリア毎の複素シンボルから、あらかじめ決まった位
置に挿入されたパイロット・シンボルを抜き出して、O
FDMサブキャリア毎の伝送路の振幅と位相誤差を推定
して基準搬送波信号を生成し、情報データの送られたO
FDMサブキャリアの同期検波を行い、軟判定復調シン
ボルを生成する。
【0081】重み係数計算部403は、各検波部401
及び402から出力されるそれぞれのOFDMサブキャ
リア毎の基準搬送波信号をサブキャリア毎に比較して電
力比を求めて、それぞれの受信信号重み係数とする計算
を行う。
【0082】乗算部404及び405は、それぞれの軟
判定復調シンボルと重み係数計算部403から供給され
る受信信号重み係数による乗算を、最大比合成軟判定復
調制御部408から供給されるタイミングに従ってOF
DMサブキャリア毎に行う。
【0083】加算部406は、各乗算部404及び40
5の出力である重み付けされた2つの受信系統のOFD
Mサブキャリア毎の軟判定復調シンボルについて、サブ
キャリア位相を合わせて加算を行う。
【0084】軟判定復調部407は、加算された最大比
合成複素ディジタル信号の軟判定復調をOFDMサブキ
ャリア毎に行い、復調データとして出力する。
【0085】最大比合成軟判定復調制御部408は、重
み係数計算、最大比合成、並びに軟判定復調の各々に必
要なタイミング制御信号を生成する。
【0086】図7には、帰還制御部217の概略的な構
成を示している。同図に示すように、帰還制御部217
は、伝送路推定部501と、VCO制御情報設定部50
2と、AGC制御情報設定部503と、帰還情報制御部
504とで構成される。
【0087】伝送路推定部501は、マルチチャンネル
相関検出部211から供給される相関検出情報と、復調
合成部216から供給される検波情報とから、マルチパ
スの本数とサブキャリア毎の電力についてあらかじめ設
定された閾値との比較を行い、2つの受信系統でそれぞ
れ受信した信号の伝送路状況がWGN(Wide Gaussian
Noise),フラット・フェージング、選択性フェージン
グ、マルチパスいずれの伝送路に相当するかを推定した
り、さらに、FFTウィンドウ先頭位置の周期変更情報
を基に、同期安定性の推定を行う。
【0088】VCO制御情報設定部502は、伝送路推
定部501で推定された伝送路状況と同期安定性とか
ら、送受信クロックの誤差量といったVCO制御情報の
設定を行う。
【0089】AGC制御情報設定部503は、伝送路推
定部501で推定された伝送路状況を基に、2つの受信
系統におけるそれぞれのA/D変換部への入力信号のゲ
インを最適にするようなAGC制御情報の設定を行う。
【0090】以下では、図2に示すOFDM受信信号同
期装置のタイミング制御について、図8〜図10に示す
FFTウィンドウ・タイミングを参照しながら説明す
る。
【0091】図8には、一方の受信アンテナ201で受
信した受信系統のFFT部1(212)と、他方の受信
アンテナ202で受信した受信系統のFFT部2(21
3)それぞれのウィンドウ・タイミングが等しい場合の
例を示している。
【0092】[a−1]に示すように、FFT部212
及び213の各々に入力するベースバンド複素ディジタ
ル信号のウィンドウ・タイミングは等しい。また、OF
DM信号周期は、データ・シンボル長にガード・シンボ
ル長を加えた値でTとしている。
【0093】[a−2]は、マルチチャンネル相関検出
部211で検出されたウィンドウ・タイミングを示して
いる。各FFT212及び213は、各ウィンドウc
1,c2,…の先頭のタイミングからデータ・シンボル
・サイズに相当するFFTサイズTs時間分のベースバ
ンド複素ディジタル信号についてフーリエ変換を行う。
【0094】図9には、一方の受信アンテナ201で受
信した受信系統のFFT部1(212)と、他方の受信
アンテナ202で受信した受信系統のFFT部2(21
3)それぞれのウィンドウ・タイミングが異なる場合の
例を示している。但し、同図に示す例では、FFTウィ
ンドウ先頭位置の変更はないものとする。
【0095】図8を参照しながら既に説明したのと同様
に、FFT部212に関するベースバンド複素ディジタ
ル信号並びにFFTウィンドウ・タイミングはそれぞれ
[b−1]並びに[b−2]に示す通りである。また、
FFT部213に関するベースバンド複素ディジタル信
号並びにFFTウィンドウ・タイミングはそれぞれ[b
−3]並びに[b−4]に示す通りである。
【0096】[b−2]と[b−4]を比較して判るよ
うに、各受信系統では、FFTウィンドウの先頭タイミ
ングが相違する。
【0097】また、図10には、一方の受信アンテナ2
01で受信した受信系統のFFT部1(212)と、他
方の受信アンテナ202で受信した受信系統のFFT部
2(213)それぞれのウィンドウ・タイミングが異な
るとともにウィンドウ先頭位置の変更がある場合の例を
示している。
【0098】図9を参照しながら既に説明したのと同様
に、FFT部212に関するベースバンド複素ディジタ
ル信号並びにFFTウィンドウ・タイミングはそれぞれ
[c−1]並びに[c−2]に示す通りである。また、
FFT部213に関するベースバンド複素ディジタル信
号並びにFFTウィンドウ・タイミングはそれぞれ[c
−3]並びに[c−4]に示す通りである。
【0099】図10において、FFT部212では、4
番目のOFDM信号のガード・シンボルすなわちGa4
においてFFTウィンドウ位置がこれまでの位置に比べ
てΔtaだけ遅れたことを示している。また、FFT部
213は5番目のOFDM信号のガード・シンボルすな
わちGa5においてFFTウィンドウ位置がこれまでの
位置に比べてΔtbだけ遅れたことを示している。
【0100】図9に示す例の場合、各受信系統はそれぞ
れ異なる到来波を受信していることになる。また、図1
0に示す例では、各受信系統はそれぞれ異なる到来波を
受信しているとともに、各到来波の周波数変動が異なる
ことを示している。したがって、図10に示す例に対し
ては、単一のVCOのみで適切なフィードバックを実現
するためには、VCO制御情報の最適化が必要となる。
また、図9及び図10の場合、各受信系統で受信してい
る到来波の信号レベル変動も異なるが、最適なダイバー
シティ合成を行うには共通のAGC制御情報により最適
化を図る必要がある。
【0101】図11には、図8〜図10に示したような
FFTウィンドウ・タイミング例に基づき、複数の受信
系統に対して1つのVCOで基準クロックを生成し、1
つのAGC制御情報で各受信系統のAGCの制御を行う
ために帰還制御部217が行う制御手順をフローチャー
トの形式で示している。
【0102】図11に示す制御手順では、まず、マルチ
チャンネル相関検出部211から相関検出情報として供
給されるFFTウィンドウ毎の相関検出位置数から、伝
搬環境がWGN(Wide Gaussian Noise)又はフラット
・フェージングの場合と、マルチパス又は選択性フェー
ジングの場合に分類する。ここでの分類は、一般的に、
前者の方が後者に比べてダイバーシティ利得が大きく、
遅延時間差の小さい到来波のみを受信しているため周波
数偏差が小さいという仮定に基づいている。さらに、サ
ブキャリア毎のディップの位置とディップ数を推定して
より詳細な分類を行い、VCO制御情報とAGC制御情
報を求めることも実現可能である。
【0103】以下、図11に示すフローチャートに従っ
て説明する。
【0104】初期同期を獲得した後、まず、マルチチャ
ンネル相関検出部216で各受信信号についてOFDM
信号周期で相関検出情報を求め、これを帰還制御部21
7にに出力する(ステップS1)。
【0105】帰還情報制御部504は相関検出情報と電
力閾値比較結果を受け取り(ステップS2)、一方の受
信系統における受信信号1の相関検出位置数が1に等し
いか否かをチェックする(ステップS3)。
【0106】受信信号1の相関検出位置数が1でない場
合には、さらに、もう一方の受信系統における受信信号
2の相関検出位置数が1に等しいか否かをチェックする
(ステップS4)。
【0107】いずれの受信信号も相関検出位置数が1で
ない場合、各受信信号の伝搬環境はともにマルチパス、
選択性フェージングと推定される(ステップS5)。こ
の場合には、双方の受信信号で計算したVCO誤差量及
びAGC誤差量を電力比とウィンドウ先頭位置変更回数
で重み付けして、VCO制御情報とAGC制御情報を求
める(ステップS6)。
【0108】また、受信信号1の相関検出位置数は1で
ないが受信信号2の相関検出位置数が1である場合、あ
るいは、受信信号2の相関検出位置数は1でないが受信
信号1の相関検出位置数が1である場合には、各受信信
号の伝搬環境は、一方がWGN又はフラット・フェージ
ングであり、他方がマルチパス、選択性フェージングと
推定される(ステップS7)。このような場合、さら
に、各受信信号の相関検出位置が等しいか否かをチェッ
クする(ステップS8)。
【0109】両受信信号の相関検出位置が等しくない場
合には、各受信信号のOFDMサブキャリア電力の総和
をとって、電力の大きい方を選択して基準受信信号と
し、VCO制御情報とAGC制御情報を求める(ステッ
プS9)。
【0110】また、両受信信号の相関検出位置が等しい
場合には、各受信信号のOFDMサブキャリア電力の総
和をとり、WGN又はフラット・フェージングである受
信信号の方の電力が大きければ基準受信信号としてVC
O制御情報とAGC制御情報を求める。また、そうでな
ければ、双方の受信信号で計算したVCO誤差量、AG
C誤差量を電力比とウィンドウ先頭位置変更回数で重み
付けして、VCO制御情報とAGC制御情報を求める
(ステップS10)。
【0111】また、各受信信号の相関検出位置がいずれ
も1である場合には(ステップS11)、各受信信号の
伝搬環境はともにWGN又はフラット・フェージングと
推定される(ステップS12)。このような場合、各受
信信号のOFDMサブキャリア電力の総和をとり、電力
の大きい方を選択して基準受信信号とし、VCO制御情
報とAGC制御情報を求める(ステップS13)。
【0112】[追補]以上、特定の実施例を参照しなが
ら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や
代用を成し得ることは自明である。
【0113】本明細書中では2本の受信アンテナを用い
たOFDM選択ダイバーシティ合成受信装置を例に挙げ
て説明したが、3本以上の受信アンテナを用いた場合で
あっても、2本の受信アンテナによる電力測定タイミン
グを拡張して実現することができる。すなわち、図2に
示す受信アンテナ、RF部、AGC部、ディジタル変換
部、直交復調部、FFT部、復調合成部内の検波部と乗
算部、マルチチャンネル相関検出部の相関検出ブロック
の各々を、受信アンテナに相当する数だけ備えるととも
に、帰還制御部では2系統の場合におけるVCO制御量
及びAGC制御量を決定するための処理手順(図11を
参照のこと)を3本以上の場合に拡張して、相関検出情
報とそれぞれの検波情報からVCO制御情報とAGC制
御情報の適性値を求めることにより、単一のVCO制
御、並びに、単一のAGC制御信号により、複数の受信
系統のAGCを制御することで、本発明を実現すること
ができる。
【0114】さらに、本実施例で説明したパイロット・
シンボルを用いた同期検波だけでなく、差動符号を用い
た遅延検波を用いた場合でも、重み係数の計算にサブキ
ャリア毎の再生搬送波信号の代わりに検波時にOFDM
サブキャリア毎の複素ディジタル信号の電力を測定して
検波情報として用いることで、本発明を実現することが
できる。
【0115】また、選択ダイバーシティ合成を行う場合
であっても、復調後に受信信号の選択を行う場合は、最
大比合成と同様に、相関検出情報と検波情報を用いるこ
とにより、本発明を実現することができる。また、復調
前に受信信号の選択を行う場合には、相関検出情報のみ
を用いることにより、精度は低下するか、単一のVCO
制御並びに単一のAGC制御信号により複数の受信系統
におけるAGCの制御を行うことが可能になる。
【0116】要するに、例示という形態で本発明を開示
してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。
本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許
請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0117】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各
キャリアの周波数が設定されたOFDM方式の優れた受
信信号同期装置を提供することができる。
【0118】また、本発明によれば、信号間の相関が小
さくなるように配置された複数のアンテナからの受信信
号を用いるダイバーシティ受信を行う優れたOFDM方
式受信信号同期装置を提供することができる。
【0119】また、本発明によれば、複数の受信系統の
同期保持を好適に行うことができる、優れたOFDMダ
イバーシティ受信信号同期装置を提供することができ
る。
【0120】また、本発明によれば、各受信系統のAG
C(自動利得調整)を効率的に行うことができる、優れ
たOFDMダイバーシティ受信信号同期装置を提供する
ことができる。
【0121】本発明に係るOFDM受信信号同期装置に
よれば、複数の受信系統で受信した到来波の相関検出情
報とFFTウィンドウ位置検出情報を基に到来波の伝送
路特性、それぞれの到来波の信号レベル変動と周波数偏
差量を推定し、その推定結果を用いて1つのVCOに対
してフィードバックを行い、複数の受信系統に対する共
通の基準クロックを生成することができる。さらに、該
推定結果を用いて1つのAGC制御情報を生成して、複
数の受信系統のAGCを効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】OFDM信号を送信するOFDM送信装置10
0の概略構成を示した図である。
【図2】本実施例に係るOFDM受信信号同期装置20
0の概略構成を示した図である。
【図3】マルチチャンル相関検出部211の概略構成を
示した図である。
【図4】図3のように構成されたマルチチャンネル相関
検出部211の動作を示した相関検出タイミング例であ
り、より具体的には、直接波のみ又はフラット・フェー
ジングの場合の相関検出タイミングを示した図である。
【図5】図3のように構成されたマルチチャンネル相関
検出部211の動作を示した相関検出タイミング例であ
り、より具体的には、マルチパス(2波モデルD/U=
3dB)の場合の相関検出タイミングを示した図であ
る。
【図6】復調合成部216の概略構成を示した図であ
る。
【図7】帰還制御部217の概略構成を示した図であ
る。
【図8】図2に示すOFDM受信信号同期装置における
FFTウィンドウ・タイミング例を示した図であり、よ
り具体的には、一方の受信アンテナ201で受信した受
信系統のFFT部1(212)と、他方の受信アンテナ
202で受信した受信系統のFFT部2(213)それ
ぞれのウィンドウ・タイミングが等しい場合の例を示し
た図である。
【図9】図2に示すOFDM受信信号同期装置における
FFTウィンドウ・タイミング例を示した図であり、よ
り具体的には、一方の受信アンテナ201で受信した受
信系統のFFT部1(212)と、他方の受信アンテナ
202で受信した受信系統のFFT部2(213)それ
ぞれのウィンドウ・タイミングが異なる場合の例を示し
た図である(但し、同図に示す例では、FFTウィンド
ウ先頭位置の変更はない)。
【図10】図2に示すOFDM受信信号同期装置におけ
るFFTウィンドウ・タイミング例を示した図であり、
より具体的には、一方の受信アンテナ201で受信した
受信系統のFFT部1(212)と、他方の受信アンテ
ナ202で受信した受信系統のFFT部2(213)そ
れぞれのウィンドウ・タイミングが異なるとともにウィ
ンドウ先頭位置の変更がある場合の例を示した図であ
る。
【図11】複数の受信系統に対して1つのVCOで基準
クロックを生成し、1つのAGC制御情報で各受信系統
のAGCの制御を行うために帰還制御部217が行う制
御手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
201,202…受信アンテナ 203,204…RF部 205,206…AGC(自動利得調整)部 207,208…A/D変換部 209,210…直交復調部 211…マルチチャンネル創刊検出部 212,213…FFT部 216…復調合成部 217…帰還制御部 218…VCO(電圧制御発振器) 301,302…遅延部 303,304…相関計算部 305,306…閾値比較部 307,308…相関判定部 309…相関検出情報生成部 310…相関検出制御部 401,402…検波部 403…重み係数計算部 404,405…乗算部 406…加算部 407…軟判定復調部 408…最大比合成軟判定復調制御部 501…伝送路推定部 502…VCO制御情報設定部 503…AGC制御情報設定部 504…帰還情報制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のOFDM(直交周波数多重分割)信
    号を受信するダイバーシティを使用するOFDM受信信
    号同期装置であって、 受信アンテナと、該受信アンテナを介して受信した信号
    をRF周波数帯からベースバンド信号にダウンコンバー
    トするRF部と、該ダウンコンバートされたアナログ・
    ベースバンド信号の信号レベルを制御するAGC(自動
    利得調整)部と、基準クロックを基にアナログ信号をA
    /D変換するディジタル変換部と、A/D変換されたデ
    ィジタル信号を複素ディジタル信号に変換する直交復調
    部と、FFTウィンドウ・タイミングに従ってOFDM
    シンボル1周期分のフーリエ変換を行ってOFDMサブ
    キャリア毎の複素ディジタル信号を求めるFFT部とを
    それぞれ含む複数の受信系統と、 各受信系統からの複素ディジタル信号について、ガード
    ・インターバル部分の信号を使用して相関計算を行い、
    相関電力の測定を行い、FFTウィンドウ・タイミング
    と相関検出情報の検出を行うマルチチャンネル相関検出
    部と、 各受信系統についてのフーリエ変換されたOFDMサブ
    キャリア毎の複素ディジタル信号の復調と、ダイバーシ
    ティ合成と、検波情報の検出を行う復調合成部と、 基準クロックを発生して、各受信系統のA/D変換部に
    対して共通の基準クロックを供給するクロック発振部
    と、 前記マルチチャンネル相関検出部から供給される相関検
    出情報と前記復調合成部から供給される検波情報を基に
    クロック発振制御情報とAGC制御情報を決定して前記
    クロック発振部及び前記AGC部の各々に出力する帰還
    制御部と、を具備することを特徴とするダイバーシティ
    を用いたOFDM受信信号同期装置。
  2. 【請求項2】前記帰還制御部は、前記マルチチャンネル
    相関検出部から供給される相関検出情報と前記復調合成
    部から供給される検波情報を基に、あらかじめ設定され
    た閾値との比較を随時行い、該比較結果を基に各受信系
    統において受信した信号の伝送路状況と同期安定性の推
    定を行い、安定した受信系統があると判断したときは該
    受信系統を基準にフィードバック情報を生成して、安定
    した受信系統がないと判断したときは安定した受信系統
    が出現するまでフィードバック・ループのループ・ゲイ
    ンが下がるようにフィードバック情報を生成することを
    特徴とする請求項1に記載のダイバーシティを用いたO
    FDM受信信号同期装置。
  3. 【請求項3】前記復調合成部は、OFDMサブキャリア
    の検波が同期検波の場合には、対応する再生搬送波から
    求めた電力を検波情報として遅延検波を行っているとき
    はOFDMサブキャリア毎の信号電力を検波情報として
    随時切り替えるように出力することを特徴とする請求項
    1に記載のダイバーシティを用いたOFDM受信信号同
    期装置。
  4. 【請求項4】前記帰還制御部は、マルチチャンネル相関
    検出部から供給される相関検出情報と前記復調合成部か
    ら供給される検波情報を基に、あらかじめ設定された閾
    値との比較を随時行い、推定した各受信系統の伝送路状
    況と同期安定性から伝送路状況を決定して伝送路情報と
    して出力することを特徴とする請求項1に記載のダイバ
    ーシティを用いたOFDM受信信号同期装置。
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