明細書
ベンゾフラン化合物、 およびそれを含有してなる医薬,組成物 技術分野
本発明は、 ロイコトリェン (特にロイコトリェン B 4 ) 阻害作用を有するベンゾフ ラン化合物およびその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグに関する。 また、 本発明はこのようなベンゾフラン化合物またはその医薬上許容される塩、 ある いはそれらのプロドラッグを含有してなる医薬糸且成物に関する。 さらに、 本発明は、 上記べンゾフラン化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラ ッグを含有してなるロイコトリエン阻害剤、 B L T 2拮抗阻害剤、 ァレルギ一予防 · 治療剤、 喘息予防■治療剤、 炎症予防■治療剤、 癌予防■治療剤等に関する。 背景技術
ロイコトリェン B 4 ( L T B 4、 L e u k o t r i e n e B 4 ) はァラキドン酸 代謝物の一種であり、 好中球ゃマク口ファージの最も強力な活性化物質の一つである (例えば、 Samuelssonら、 science, 1987, vol. 237, pp. 1171- 1176及び SMtnizu ら、 Journal of Neurochemi story, 1990, vol. 55, pp. 1-15参照) 。 L T B 4が好 中球ゃマク口ファージに作用すると、 血管内皮細胞への接着、 リソゾーム酵素の脱顆 粒、 活性酸素の産生、 炎症組織内への遊走等、 生体防御に重要な種々の反応を誘導す ることが知られている。 しかしながら、 L T B 4の過剰産生は乾癬 (例えば、
Iversenら、 Skin Pharmacology, 1997, vol. 10, pp. 169-177参照) 、 気管支喘息
(例えば、 Turnerら、 The Journal of Clinical Investigation^ 1996^ vol. 97, pp. 381- 387参照) 、 リゥマチ様関節炎 (例えば、 Griffithsら、 Proceedings of the National Academy of Science of the USA, 1995, vol. 92, vol. 517-521参照) 、 炎症 性腸疾患 (例えば、 Sharonら、 Gastroenterology, 1984, vol. 86, pp. 453-460参 照) 、 虚皿性腎不全 (例えば、 Noiriら、 Proceedings of the National Academy of Science of the USA, 2000, vol. 97, pp. 823-828参照) などの炎症、 ァレルギ一反 応を伴うような様々な疾患の形成、 増悪に深く関わっている。
そこでこれらの疾患の予防■治療をめざして、 様々な形で LTB4の産生、 作用を 選択的に阻害するような治療剤の開発が望まれている。 近年、 LTB4レセプターに は発現分布、 親和性の異なる 2種類のレセプター (BLT 1、 BLT2) が存在する ことが明らかとなり (例えば、 Yokomizoら、 Nature, 1997, vol. 387, pp.620-624 及び Yokomizoら、 The Journal of the Experimental Medicine, 2000, vol. 192, pp. 421-431参照) 、 これまで以上に L T B 4阻害剤の選択範囲を広げることが望まれて いる。
例えば、 LTB4レセプターアンタゴエストが、 慢性関節リゥマチの患者の治療に 有用であることが報告されている (例えば、 Altenら、 Annals of the Rheumatic Diseases, 2004, vol. 63, pp. 170 - 176参照) 。 し力、しな力 ら、 このアンタゴニスト 力 2種類の LTB 4レセプター (BLT 1、 B LT 2) のいずれのレセプターに主 に作用するのか、 また、 いずれのレセプターが、 慢性関節リウマチに主に関与してい るのかについては記載されていない。
さらに、 上記の疾患の他に、 LTB4は、 癌細胞の増殖を刺激することが示唆され ており、 LTB 4レセプターアンタゴニストが、 ヒト膝)!蔵癌の増殖を阻害し、 この癌 細胞のアポトーシスを誘導したという報告もある (例えば、 Tongら、 Clinical Cancer Research, 2002, vol. 8, pp. 3232-3242参照) 。 しかしながら、 このアンタ ゴ-ストが、 2種類の LTB 4レセプター (BLT1、 BLT2) のいずれに主に作 用するのか、 また、 いずれのレセプターが、 癌の増殖に主に関与しているのかについ ては記載されていない。
一方、 ロイコトリェン阻害作用を有するベンゾフラン誘導体が開示されているが (例えば、 特開昭 61-17579号公報、 特開平 5— 202040号公報及び特開 平 5— 317024号公報参照) 、 LTB 4への選択性は記載されていない。 発明の開示
本発明の目的は、 強力なロイコトリェン (特にロイコトリェン B4) 阻害作用、 特 に B L T 2拮抗阻害作用を有し且つ安全性の高い化合物を提供することにより、 ロイ コトリェン阻害剤、 BLT2拮抗阻害剤、 アレルギー予防'治療剤、 喘息予防 '治療
剤、 炎症予防'治療剤、 癌予防'治療剤に多様性を持たせ、 選択範囲を広げることで める。
本発明者らは、 上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、 ベンゾフラン構造 を有する化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグが、 強力なロイコトリェン (特にロイコトリェン B 4) 阻害作用を有し、 特に BLT2拮 抗阻害作用および B L T 2遮断作用に優れており、 且つ高い安全性を有することを見 出し、 本発明を完成するに至った。
即ち、 本発明は以下に関する。
[1] 一般式 (IA)
{式中、 Raは、 水素原子、 C^ 6アルキル基、 あるいは置換されていてもよい
4ァリール基であり ;
Rbは、 置換されていてもよいアミノ基であり ;
Rcは、 水素原子、 C 6アルキル基、 あるいは置換されていてもよい C6— 147リー ル基であり ;
Rdは、 水素原子、 ハロゲン原子、 または-トロ基であり ;
Reは、 水素原子、 または— O— R4であり、 ここで、 R4は、 水素原子、 — 6アル キル基 〔該アルキル基は、 ハロゲン原子、 - COOA 1 k、 アミノ基 (該ァミノ基は、 C — 6アルキル基により一置換または二置換されていてもよい) 、 スルファ-ル基、 C 4ァリールスルファ-ノレ基 (該ァリールスルファ二ノレ基のァリールは、 1個ま たは 2個以上のハロゲン原子により置換されていてもよい) および C 6— 4ァリール 基 (該ァリール基は、 水酸基および アルコキシ基からなる群から選ばれる 1個 または 2個以上の置換基により置換されていてもよい) 力 なる群から選ばれる 1個 または 2個以上の置換基により置換されていてもよい〕 である }
で表される化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグ。
{式中、 R1は、 水素原子または C 6アルキル基であり ;
R2、 R3は、 同一または異なって、 水素原子、 アルキル基 (該アルキル基は 1 個または 2個以上の- COOA 1 kにより置換されていてもよい) であり ;
R4は、 水素原子、 C -6アルキル基 〔該アルキル基は、 ハロゲン原子、 - COOA 1 k、 アミノ基 (該ァミノ基は、 アルキル基により一置換または二置換されてい てもよい) 、 スルファニル基、 〇6_14ァリールスルファニル基 (該ァリ一ルスルフ ァェノレ基のァリールは、 1個または 2個以上のハ口ゲン原子により置換されていても よい) および C6— 14ァリール基 (該ァリール基は、 水酸基およぴ〇 6アルコキシ 基からなる群から選ばれる 1個または 2個以上の置換基により置換されていてもよ い) からなる群から選ばれる 1個または 2個以上の置換基により置換されていてもよ い〕 である }
で表される化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグ。
[3] (E) -3- [7- (1一フエエルエトキシ) 一ベンゾフラン一 2_ィル] ― ブター 2ーェン酸ジェチルアミドである、 [1]または [2]に記載の化合物またはその 医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグ。
[4] [1]〜[3]のいずれか 1つに記載の化合物またはその医薬上許容される塩、 あ るいはそれらのプロドラッグ、 および医薬上許容される担体を含有する、 医薬組成物。
[5] ロイコトリェン阻害剤である、 [4]記載の医薬組成物。
[6] BLT2拮抗阻害剤である、 [ 4 ]記載の医薬組成物。
[7] アレルギーの予防■治療剤である、 [4]記載の医薬組成物。
[8] 喘息の予防 ·治療剤である、 [4]記載の医薬組成物。
[9] 炎症の予防,治療剤である、 [4]記載の医薬組成物。
[10] 癌の予防'治療剤である、 [4]記載の医薬組成物。
[A] 哺乳動物に対して、 上記の化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいは それらのプロドラッグを有効量投与することを特徴とするロイコトリェン阻害方法。
[B] ロイコトリェン阻害剤を製造するための上記の化合物またはその医薬上許容 される塩、 あるいはそれらのプロドラッグの使用。
[C] アレルギーの予防 ·治療剤を製造するための上記の化合物またはその医薬上 許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグの使用。
[D] 喘息の予防 ·治療剤を製造するための上記の化合物またはその医薬上許容さ れる塩、 あるいはそれらのプロドラッグの使用。
[E] 炎症の予防■治療剤を製造するための上記の化合物またはその医薬上許容さ れる塩、 あるいはそのプロドラッグの使用。
本発明のベンゾフラン化合物およびその医薬上許容される塩、 ならびにそれらのプ ロドラッグは、 優れたロイコトリェン阻害作用、 BLT2拮抗阻害作用、 BLT2遮 断作用、 アレルギー予防 ·治療作用、 喘息予防 ·治療作用、 炎症予防 ·治療作用、 癌 予防 ·治療作用等を有し、 アレルギー疾患、 喘息、 炎症、 癌等の疾患および他の疾患 の予防■治療剤として有用である。 発明を実施するための最良の形態
本発明は、 ロイコトリェン (特にロイコトリェン B 4) 阻害作用を有する、 以下の 一般式 (IA) で表されるベンゾフラン化合物およびその医薬上許容される塩、 なら びにそれらのプロドラッグを提供する。
[式中、 Raは、 水素原子、 アルキル基、 あるいは置換されていてもよい C 6一 14ァリール基であり ;
Rbは、 置換されていてもよいアミノ基であり ;
Rcは、 水素原子、 6アルキル基、 あるいは置換されていてもよいじ6—14ァリー ル基であり ;
Rdは、 水素原子、 ハロゲン原子、 またはニトロ基であり ;
Reは、 水素原子、 または一 O— R4であり、
ここで、 R4は、 水素原子、 または置換されていてもよい C 6アルキル基であ る] 。
1つの好適な実施形態では、 本発明は、 ロイコトリェン (特にロイコトリェン B 4) 阻害作用を有する、 以下の一般式 (I) で表されるベンゾフラン化合物およびそ の医薬上許容される塩、 ならびにそれらのプロドラッグを提供する。
{式中、 R1は、 水素原子または アルキル基であり ;
R2、 R3は、 同一または異なって、 水素原子、 C^ 6アルキル基 (該アルキル基は、 1個または 2個以上の- COOA 1 kにより置換されていてもよい) であり ; R4は、 水素原子、 アルキル基 〔該アルキル基は、 ハロゲン原子、 - COOA 1 k、 アミノ基 (該ァミノ基は、 C 6アルキル基により一置換または二置換されてい てもよい) 、 スルファニル基、 C6_147リールスルファニル基 (該ァリールスルフ ァニル基のァリールは、 1個または 2個以上のハ口ゲン原子により置換されていても よい) および 6_14ァリール基 (該ァリール基は、 水酸基および Ci— sアルコキシ 基からなる群から選ばれる 1個または 2個以上の置換基により置換されていてもよ い) からなる群から選ばれる 1個または 2個以上の置換基により置換されていてもよ い〕 である)。
本発明におけるロイコトリェン阻害作用とは、 例えば、 ロイコトリェン受容体への ロイコトリェンの結合を阻害する作用 (例えば、 拮抗阻害作用等) 、 ロイコトリェン の産生を阻害する作用、 ロイコトリエンの代謝を阻害する作用、 ロイコトリェンを作 用させたことに起因する反応を阻害する作用などである。 ロイコトリェン阻害作用は、 好ましくは、 ロイコトリェン受容体へのロイコトリェンの結合を阻害する作用または ロイコトリェンを作用させたことに起因する反応を阻害する作用などであり、 より好 ましくは、 ロイコトリェン受容体へのロイコトリェンの結合を阻害する作用である。 また、 該阻害作用は、 分子単位における阻害作用、 細胞単位における阻害作用、 耝 織単位における阻害作用または個体単位における阻害作用のいずれであつてもよい。 また、 本発明におけるロイコトリェンとは、 例えば、 ロイコトリェン A4 (LTA 4) 、 ロイコトリェン B4 (LTB4) 、 ロイコトリェン C4 (LTC4) 、 ロイコ トリェン D4 (LTD4) およびその代翁す産物などであり、 ロイコトリェン受容体に 結合できる化合物 (ロイコトリェン受容体リガンド) は全て含まれる。 ロイコトリエ ンは、 好ましくは、 ロイコトリェン B 4である。
ロイコトリェン B 4受容体としては、 BLT 1、 BLT2等が挙げられ、 特に限定 されないが、 ロイコトリェン B 4受容体は、 好ましくは、 BLT2である。
即ち、 本発明の化合物は、 B LT 2への LTB 4の結合を阻害する作用 (BLT2 拮抗阻害作用) あるいは LTB4を BLT2を介して作用させたことに起因する反応 を阻害する作用 (BLT2遮断作用) に優れている。
上記 BLT 2拮抗阻害作用が BLT 2特異的であるとは、 61^丁2への1^丁 4の 結合を阻害する作用が、 他の LTB4レセプター (例えば、 BLT 1) への LTB4 の結合を阻害する作用よりも強力であることをいう。
また、 BLT2遮断作用が BLT2特異的であるとは、 LTB4を BLT2を介し て作用させたことに起因する反応を阻害する作用が、 他の LTB4レセプター (例え ば、 BLT1) を介して作用させたことに起因する反応を阻害する作用よりも強力で あることをいう。
本明細書中に用いられる各記号について、 以下に説明する。
本明細書中で用いられる場合、 特に記載の無い限り、 ハロゲン原子としては、 フッ 素原子、 塩素原子、 臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
本明細書中で用いられる場合、 特に記載の無い限り、 「〇 6アルキル基」 として は、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 s e cーブチル、 t e r tーブチノレ、 ペンチノレ、 イソペンチノレ、 ネオペンチル、 へキシノレ などが挙げられる。
本明細書中で用いられる場合、 特に記載の無い限り、 「- COOA l k」 の 「A 1 k」 は、 水素原子または Cwアルキル基を意味する。
本明細書中で用いられる場合、 特に記載の無い限り、 「C6_14ァリール基」 とし ては、 例えば、 フエ二ノレ、 ナフチル、 アントリル、 フエナントリル、 ァセナフチレ二 ル、 ビフエ二リルなどが挙げられる。 .
本明細書中で用いられる場合、 特に記載の無い限り、 「。^6ァノレコキシ基」 とし ては、 例えば、 メ トキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 イソプロポキシ、 ブトキシ、 イソ ブトキシ、 sec-ブトキシ、 ペンチルォキシ、 へキシルォキシなどが挙げらる。
R aで示される C i _ 6アルキル基としては、 メチルが好ましい。
Raで示される 「置換されていてもよい C6_14ァリール基」 の 「C6一 14ァリール 基」 としては、 フエニルが好ましい。 また、 R aで示される 「置換されていてもよい
C 6— i 4ァリール基」 は、 例えば、
(1) ハロゲン原子;
(2) Ci— 6アルキル基;
(3) ヒドロキシ基; '
(4) C — 6ァノレコキシ基;
(5) ヒドロキシ一 — 6アルキル基;
(6) C^ 6アルキル一カルボ-ル基;
(7) 力ルポキシ基;
(8) Ci— sアルコキシ一力ルポニル基;
(9) シァノ基;
(10) カノレバモイル基;
(1 1) スルファモイノレ基;
(12) ニトロ基;
(1 3) アミノ基;
(14) — 6アルキル一カルボ-ルァミノ基;
(15) — 6アルコキシ一カルボニルァミノ基;および
(16) — 6アルキルスルホ -ルァミノ基
力 ら選択される 1ないし 5個の、 同一または異なった置換基を、 置換しうる任意の位 置に有していてもよい。
Raで示される 「置換されていてもよい C6— 14ァリール基」 としては、 ハロゲン原 子 (好ましくは塩素原子) および Ci-6アルコキシ基 (好ましくはメトキシ基) から 選択される 1または 2個の置換基により置換されていてもよいフエニル基が好ましい。
Rbで示される 「置換されていてもよいアミノ基」 は、 その置換可能な位置に 1ま たは 2個の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、 例えば、
(1) 1個または 2個以上の- COOA 1 kにより置換されていてもよい Ci— eアル キル基;
(2) 置換されていてもよい C6— 14ァリール基;および
(3) 置換されていてもよい C6— 14ァリール— C^ 6アルキル基;
が挙げられる。 置換基が 2個である場合、 各置換基は同一でも異なっていてもよい。 上記 「1個または 2個以上の -COOA 1 kにより置換されていてもよい 6ァ ルキル基」 における好ましい - COOA 1 kとしては、 - COOH、 _COOCH3、 - COOC2H5などが挙げられ、 より好ましくは、 -COOC2H5である。 また、 置換 基の数は、 好ましくは、 0~1個である。 ここで置換基の数が 0個とは、 〇 6アル キル基が無置換であることを意味する。
上記の置換基または置換基中の 「置換されていてもよい〇6—14ァリール」 は、 Ra で示される 「置換されていてもよい C 6一 14アリ^ "ル基」 と同義である。
Rbで示される 「置換されていてもよいアミノ基」 としては、 〇 4アルキル基、 置換されていてもよいフエ二ノレ基、 および置換されていてもよいフエエルーじ ァ ルキル基から選択される置換基により置換されていてもよいアミノ基が好ましく、 さ らに、 「0^4アルキル基」 としては、 メチル基またはェチル基が好ましく、 「置換 されていてもよいフエ-ル基」 としては、 1個または 2個の — 6アルコキシ基 (よ り好ましくは、 メ トキシ基) で置換されていてもよいフエ二ノレ基が好ましい。
あるいは、 上記のアミノ基を構成する窒素原子が 2個の置換基で置換されている場 合、 これらの置換基は、 隣接する窒素原子とともに、 含窒素複素環を形成していても よい。 該 「含窒素複素環」 としては、 例えば、 環構成原子として炭素原子以外に少な くとも 1個の窒素原子を含み、 さらに酸素原子、 硫黄原子及び窒素原子から選ばれる 1ないし 2個のへテロ原子を含有していてもよい 3ないし 8員の含窒素複素環が挙げ られる。 該含窒素複素環の好適な例としては、 酸素原子を含んでいてもよい 5または 6員の環状アミノ (例えば、 1—ピロリジニル基、 ピペリジニル、 1—ピぺラジュル、 モルホリニル) が挙げられる。
式 (IA) において、 Rcは、 ベンゾフラン環の 2位または 3位に置換され得る基 を表す。
Rcで示される 「置換されていてもよい C6_14ァリール基」 は、 Raで示される 「置換されていてもよい C 6— 14ァリール基」 と同義であり、 好ましくは、 フエ二ノレ 基である。
Rdで示されるハロゲン原子としては、 塩素原子または臭素原子が好ましい。
Reがー O— R4である場合の R4の定義は、 後述の通りである。
R1の アルキル基としては、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロ ピノレ、 プチノレ、 イソプチノレ、 s e c _プチノレ、 t e r t—プチノレ、 ペンチノレ、 イソぺ ンチル、 ネオペンチル、 へキシルなどが挙げられ、 好ましくは、 メチル、 ェチルであ り、 より好ましくは、 メチルである。
R2、 R3の アルキル基としては、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソ プロピノレ、 プチル、 イソプチノレ、 s e cーブチル、 t e r tーブチル、 ペンチル、 ィ ソペンチル、 ネオペンチル、 へキシルなどが挙げられ、 好ましくは、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピルであり、 より好ましくは、 ェチルである。
上記 アルキル基は、 1個または 2個以上の- COOA 1 kにより置換されて いてもよく、 好ましい一 COOA 1 kとしては、 — COOH、 _COOCH3、 —COO C2H5などが挙げられ、 より好ましくは、 - COOC2H5である。 また、 置換基の数 は、 好ましくは、 0〜1個である。 ここで置換基の数が 0個とは、 R2、 R3が、 無 置換の C — 6アルキル基であることを意味する。
R4の Ci— 6アルキル基としては、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロ ピル、 プチル、 ィソブチノレ、 s e c—ブチル、 t e r tーブチル、 ペンチル、 イソぺ ンチル、 ネオペンチル、 へキシルなどが挙げられ、 好ましくは、 メチル、 ェチル、 プ 口ピル、 イソプロピルである。
該アルキル基は、 ハロゲン原子、 - COOA 1 k、 アミノ基、 スルファエル基、 C 6 _ i 4ァリ一ルスルファ二ノレ基おょぴ C 6— i 4ァリ一ノレ基からなる群から選ばれる 1個 または 2個以上の置換基により置換されていてもよい。 該アルキル基に置換していて もよいハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子が挙げ られ、 好ましくは、 塩素原子である。
該アルキル基に置換していてもよい好ましい - COOA 1 kとしては、 - COO H、 - COOCH3、 -COOC2H5などが挙げられる。
該アルキル基に置換していてもよいアミノ基は、 C 6アルキル基により一置換ま たは二置換されていてもよい。 該ァミノ基に置換していてもよい〇 6アルキル基と しては、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 イソプチル、 s e cーブチノレ、 t e r t一プチノレ、 ペンチノレ、 イソペンチノレ、 ネオペンチノレ、 へキ シルなどが挙げられ、 好ましくは、 メチルまたはェチルである。 例えば、 ァミノ基と しては、 — NH2、 -NH (CH3) 、 -N (CH3) 2、 _N (C2H5) 2等が好ましい。
R4の C^ 6アルキル基に置換していてもよい。6_14ァリールスルファニル基の C 6— 14ァリール部分としては、 例えば、 フエニル、 ナフチルなどが挙げられ、 好まし くは、 フエ-ノレである。 該ァリールは、 1個または 2個以上のハロゲン原子により置 換されていてもよい。 ハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ョ ゥ素原子などが挙げられ、 好ましくは、 塩素原子である。 該ァリールに置換するハロ ゲン原子の数は、 特に限定されないが、 例えば、 0〜3個が例示され、 好ましくは、 0〜1個である。 ごこで、 置換基の数が 0個とは、 R 4の C^ 6アルキル基に置換し ていてもよい C6_14ァリ一ルスルファニル基の C 6_14ァリール部分が無置換である ことを意味する。
R4の Ci_6アルキル基に置換していてもよい C6_14ァリール基としては、 例えば、 フエ二ノレ、 ナフチルなどが挙げられ、 好ましくは、 フエニルである。 前記 C6— 14ァ リ一ル基は水酸基および C _ 6アルコキシ基からなる群から選ばれる 1個または 2個
以上の置換基により置換されていてもよく、 前記 C ^ 6アルコキシ基とは、 直鎖状ま たは分岐鎖状のアルコキシ基であり、 メ トキシ、 エトキシ、 プロポキシのように酸素 数が 1個であっても、 メチレンジォキシのように酸素数が 2個であってもよく、 好ま しくは、 メトキシである。 また、 該ァリール基の置換基の数は 0〜 3個が例示され、 好ましくは、 0〜1個である。 ここで、 置換基の数が 0個とは、 前記 C 6 1 4ァリー ル基が無置換であることを意味する。
R 4の C i- 6アルキル基の置換基の数は 0〜3個が例示され、 好ましくは、 0〜2 個である。 ここで、 置換基の数が 0個とは、 R 1が無置換のアルキル基であることを 意味する。
本究明のベンゾフラン化合物は、 上記一般式 (I A) 中、 ベンゾフラン環の 2位ま たは 3位に、 下式に示す置換基:
(式中、 各記号は、 上記の定義と同じである) を有し、 好ましくは、 ベンゾフラン環 の 2位に置換基を有する。
1つの好適な実施形態では、 本発明のベンゾフラン化合物は、 上記一般式 (I ) 中、 ベンゾフラン環の 2位または 3位に、 下式に示す置換基:
— R2
(式中、 R 1は、 上記の定義と同じであり、 より好ましくは、 R 1は、 メチルである。 R 2および R 3は、 上記の定義と同じであり、 より好ましくは、 R 2および R 3は、 ェ チルである) を有し、 好ましくは、 ベンゾフラン環の 2位に置換基を有する。 式
( I ) の他の記号は、 上記の定義と同じである。
ベンゾフラン環の 2位または 3位の炭素一炭素二重結合は、 上記の置換基に含まれ る 2つの二重結合と共に、 共役トリェン系を形成する。
この共役トリェン系は、 通常の炭素一炭素二重結合の共役トリェン系とは異なり、 アミド結合の半不飽和性二重結合を含むものであるので、 強力なロイコトリェン阻害 活性を達成するか、 または強力な B L T 2拮抗阻害活性および/または B L T 2遮断 作用を達成するのに好適である。
本発明のベンゾフラン化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプ 口ドラッグの好適な具体例としては、 以下に構造を示す、 (E) — 3— [ 7— (1— フエニノレエトキシ) 一べンゾフラン一 2—ィル] —プター 2—ェン酸ジェチノレアミ ド またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグが挙げられる:
なお、 一般式 (I A) および (I ) 中の、 ベンゾフラン環の 2位または 3位におけ る上記置換基中の二重結合部に起因して立体異性体 (シス体およびトランス体または Z体および E体) が存在するが、 いずれの異性体とも本発明に包含される。
また、 本発明の化合物中の二重結合部に起因して立体異性体 (シス体およびトラン ス体または Z体おょぴ E体) が存在する場合は、 特にことわりのない限りいずれの異 性体とも本発明に包含される。
本発明の一般式 (I A) および (I ) で表されるベンゾフラン化合物 (本明細書中、 「本発明のベンゾフラン化合物」 または 「本発明の化合物」 ともいう) は、 医薬上許 容される塩を形成していてもよい。 本発明のベンゾフラン化合物が塩基性の基を有す
る場合は、 酸付加塩を形成することができるが、 このような酸付加塩を形成するため の酸としては、 塩基性部分と塩を形成し得、 力 医薬上許容される酸であれば特に制 限はない。 このような酸としては、 塩酸、 硫酸、 リン酸、 硝酸などの無機酸、 シユウ 酸、 フマル酸、 マレイン酸、 クェン酸、 酒石酸、 メタンスルホン酸、 トルエンスルホ ン酸などの有機酸が挙げられる。
また、 本発明のベンゾフラン化合物がカルボキシル基などの酸性の基を有する場合 は、 例えば、 アルカリ金属塩 (例えば、 ナトリウム塩、 カリウム塩など) 、 アルカリ 土類金属塩 (例えば、 カルシウム塩、 マグネシウム塩など) 、 有機塩基塩 (例えば、 トリェチルァミン塩、 ジシク口へキシルァミン塩、 ピリジン塩、 t e r t—ブチルァ ミン塩など) を形成することができる。
本発明の化合物またはその医薬上許容される塩は、 プロドラッグとして用いてもよ く、 このようなプロドラッグとしては、 生体内における生理条件下で、 酵素や胃酸等 による反応によって、 本発明の化合物に変換する化合物、 すなわち、 酵素的に酸化、 還元、 加水分解等を起こして本発明の化合物に変化する化合物、 胃酸等により加水分 解などを起こして本発明の化合物に変化する化合物をいう。
本発明の化合物のプロドラッグとしては、 本発明の化合物のァミノ基が、 ァシル化、 アルキル化、 リン酸化された化合物 (例えば、 本発明の化合物のァミノ基が、 エイコ サノィル化、 ァラ-ル化、 ペンチルァミノ力ルポ-ノレ化、 (5—メチルー 2—ォキソ —1, 3—ジォキソレン一 4ーィノレ) メ トキシカ ボ二/レ化、 テトラヒドロブラニル 化、 ピロリジルメチル化、 ビバ口ィルォキシメチル化、 t e r t _ブチゾレイ匕されたィ匕 合物など) ;本発明の化合物の水酸基が、 ァシル化、 アルキル化、 リン酸化、 ホウ酸 化された化合物 (例えば、 本発明の化合物の水酸基が、 ァセチル化、 パルミ トイル化、 プロパノィノレ化、 ビバロイノレ化、 サクシ二ル化、 フマリノレ化、 ァラニル化、 ジメチル アミノメチルカルポエル化された化合物など) ;本発明の化合物のカルボキシル基力 エステル化、 アミド化された化合物 (例えば、 本発明の化合物のカルボキシル基が、 ェチルエステル化、 フエ二ノレエステル化、 カルポキシメチルエステノレ化、 ジメチルァ ミノメチルエステル化、 ビバロイルォキシメチルエステル化、 エトキシカルポニルォ キシェチルエステル化、 フタリジルエステノレ化、 (5—メチルー 2—ォキソ一 1 , 3
一ジォキソレン一 4ーィノレ) メチルエステル化、 シク口へキシルォキシカルボニルェ チノレエステル化、 メチルァミド化された化合物など) ;等が挙げられる。
これらの化合物は自体公知の方法によつて本発明の化合物から製造することができ る。 また、 本発明の化合物のプロドラッグは、 広川書店 1990年刊 「医薬品の開 発」 第 7巻分子設計 163頁から 198頁に記載されているような、 生理的条件で本 発明の化合物に変化するものであってもよい。
また、 本発明の化合物は同位元素 (例えば、 3H、 14C、 35 S、 125 Iなど) など で標識されていてもよい。
本発明の化合物は、 当該分野で公知の有機合成法を利用して製造することができる。 具体例として、 本発明のベンゾフランィ匕合物 (I) は、 一般式 (I I)
,1
(式中、 Z1は、 ハロゲン原子、 または
o
― G-R1
であり ; I 1、 R4は、 上記で定義した通りである)
を有する化合物 (化合物 (I I) ) 等から、 以下の製法のいずれかの方法、 あるいは これらに準じた方法を用いることにより製造することができる。
一般式 (I I) 中、 Ζ1のハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原 子、 ヨウ素原子などが挙げられ、 好ましくは、 臭素原子である。
(製法 1 )
〔式中、 I 1、 R2、 R3、 R4は、 上記で定義した通りであり、 Z1は、 ハロゲン原 子 (フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子等) を示す。 〕
製法 1は、 一般式 (I I) 中、 Z1がハロゲン原子である一般式 (I I a) を有す る化合物 (化合物 (I I a) ) と、 一般式 (I I I) を有する化合物 (化合物 (I I I) ) とを反応させて、 一般式 (l a) を有する化合物 (化合物 (l a) ) を製造す る方法である。
本製法は一般にへック反応 (オーガ二ックリアクションズ、 第 27巻、 345ぺー ジ、 1982年) で例示される反応に付すことによって行われる。 反応は通常、 溶媒 中、 パラジウム触媒存在下にて行われる。
製法 1において使用される溶媒としては、 反応を阻害しない溶媒であれば特に限定 はなく、 例えば、 トリェチルァミン、 ァセトニトリル、 ジメチルホノレムァミ ド (DM F) など;およびこれらの混合物などが挙げられる。
製法 1における化合物 (I I I) の使用量は、 特に限定はなく、 化合物 (I I a) 1モルに対して、 通常、 1〜5モル、 好ましくは、 1〜 3モルである。
製法 1におけるパラジウム触媒としては、 例えば、 酢酸パラジウム、 パラジウム力 一ボン、 パラジウムァノレミナ、 パラジウムゼォライト、 パラジウムシリカ、 酸^ [匕パラ ジゥムなどが挙げられる。 触媒の使用量は、 化合物 (I I a) 1モルに対して、 通常、 0. 001〜0. 5モル、 好ましくは、 0. 001〜0. 1モルである。
製法 1において、 触媒活性を維持する目的でホスフィン配位子を添加することもで き、 ホスフィン配位子としては、 例えば、 トリ _ o—トリルホスフィンなどが挙げら れる。 ホスフィン配位子の使用量はパラジウム触媒 1モルに対して、 通常、 1〜5モ ル、 好ましくは、 1〜 3モルである。
製法 1における反応温度や反応時間などの反応条件は、 用いられる反応試薬、 反応 溶媒などによって異なるが、 通常、 一30〜150°C、 30分から 24時間である。 また、 必要に応じて封管を使用し、 閉鎖系にて反応させる場合もある。
なお、 化合物 (I I a) は以下のいずれかの方法により製造することができる。 (製法 a— 1 )
{式中、 R
4は上記で定義した通りであり、
ハロゲン原子 (フッ 素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ョゥ素原子等) を示す。 }
製法 a— 1の反応は、 通常、 溶媒中、 塩基の存在下で行われる。
製法 a— 1において使用される溶媒としては、 反応を阻害しない溶媒であれば特に 限定はなく、 例えば、 アセトン、 ジォキサン、 ァセトニトリル、 テトラヒドロフラン、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 塩化エチレン、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 酢酸 ェチル、 N, N—ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシドなど;およびこれら の混合物などが挙げられる。
製法 a— 1において使用される塩基としては特に限定はなく、 アル力リ金属炭酸塩 (例えば、 炭酸ナトリゥム、 炭酸水素ナトリゥム、 炭酸力リゥム、 炭酸水素力リゥム など) 、 水酸化アルカリ金属塩 (例えば、 水酸ィ匕ナトリウム、 水酸化カリウムなど) 、 水素化金属化合物 (例えば、 水素化ナトリゥム、 水素化力リゥム、 水素化カルシウム など) などの無機塩基;アルカリ金属アルコキシド (例えば、 ナトリウムメ トキシド、 ナトリウムエトキシド、 カリウム— t—ブトキシドなど) 、 ァミン類 (例えば、 トリ ェチルァミン、 ジィソプロピルェチルァミンなど) などの有機塩基が挙げられる。 製法 a— 1における化合物 (V— 1 ) の使用量は、 特に限定はなく、 化合物 ( I V a - 1 ) 1モルに対して、 通常、 1〜5モル、 好ましくは、 1〜 3モルである。
製法 a— 1における反応温度や反応時間などの反応条件は、 用いられる反応試薬、 反応溶媒などによつて異なるが、 通常、 一 3 0〜 1 5 0 °Cで、 3 0分から 2 4時間で ある。
また、 化合物 ( I V a - 1 ) は製法 bに示す方法により製造することができる。
{式中、 z1は、 ハロゲン原子 (フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子等) を示す。 }
製法 bにおいては化合物 (V I a— 1) のべンゾフラン環の置換可能な位置 (例え ば、 2位または 3位) をく 自体公知の方法でハロゲンィ匕することにより、 化合物 (I Va-1) を製造できる。
)
(式中、 I 1、 R R3、 R4は、 上記で定義した通りであり、 R 15および R 16は 同一または異なって、 C^ 6アルキル基、 C6— 14ァリール基等を示す。 )
製法 2は、 一般式 (I I) 中、 Z1が
0
一 C-R1
である一般式 (I I a-2) を有する化合物 (化合物 (I I a— 2) ) と、 一般式 (V I I) を有する化合物 (化合物 (VI I) ) とを反応させて、 一般式 (I a— 2) を有する化合物 (化合物 (I a— 2) ) を製造する方法である。
本製法は一般にウィティヒ—ホーナ^ "一エモンズ反応 (ケミストリーレビュー、 第 74卷、 87ページ、 1 974年) で例示される反応に付すことによって行われ得る。 反応は、 通常、 溶媒中にて行われる。
製法 2において使用される溶媒としては、 反応を阻害しない溶媒であれば特に限定 はなく、 例えば、 ジォキサン、 ァセトニトリル、 テトラヒドロフラン、 クロ口ホルム、
塩化メチレン、 塩化エチレン、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 酢酸ェチル、 ジメチ ノレスルホキシドなど;およびこれらの混合物などが挙げられる。
製法 2における化合物 (V I I ) の使用量は、 特に限定はなく、 化合物 (I I a— 2 ) が 1モルに対して、 通常、 1〜 5モル、 好ましくは、 1〜 3モルである。
製法 2における反応温度や反応時間などの反応条件は、 用いられる反応試薬、 反応 溶媒などによつて異なるが、 通常、 一 3 0〜 1 5 0でで、 3 0分から 2 4時間である。 なお、 化合物 (I I a— 2 ) は (製法 1 ) 中の (製法 a— 1 ) に準じて製造するこ とができる。
上記製法で得られたベンゾフラン化合物 ( I ) は、 常法により単離することができ、 必要に応じて常法、 例えば、 再結晶法、 分取用薄層クロマトグラフィー、 カラムクロ マトグラフィーなどによって精製することができる。
また、 式 ( I A) で表される化合物 (ベンゾフラン化合物 ( I A) ) は、 上記ベン ゾフラン化合物 ( I ) の製法に準ずる方法により製造することができる。
ベンゾフラン化合物 (I ) およびべンゾフラン化合物 ( I A) は、 自体公知の方法 によって、 その医薬上許容される塩にすることができる。
本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグを 含有してなる医薬組成物には、 添加剤などを配合することができる。 添加剤としては、 例えば、 賦形剤 (例えば、 デンプン、 アラビアゴム、 カルボキシメチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 結晶セルロースなど) 、 滑沢剤 (例えば、 ステアリ ン酸マグネシウム、 タルクなど) 、 崩壌剤 (例えば、 カルボキシメチルセルロース力 ルシゥム、 タルクなど) などが挙げられる。
上記諸成分を混合した後、 混合物を自体公知の手段に従い、 例えば、 カプセル剤、 錠剤、 細粒剤、 顆粒剤、 ドライシロップなどの経口投与用または注射剤、 坐剤などの 非経口投与用の製剤とすることができる。
本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグの 投与量は、 投与対象、 症状、 その他の要因によって異なるが、 例えば、 アレルギー、 喘息、 炎症、 癌の患者に対して、 成人に経口投与する場合、 1回量 0 . 0 1〜5 0 0 m g程度を 1日 1〜 3回程度与える。
本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプロドラッグは、 哺乳動物 (ヒト、 ゥマ、 ゥシ、 ィヌ、 ネコ、 ラット、 マウス、 ハムスターなど) に対 して、 優れたロイコトリエン阻害作用、 B L T 2拮抗阻害作用、 B L T 2遮断作用、 アレルギー予防 ·治療作用、 喘息予防■治療作用、 炎症予防 ·治療作用、 癌予防 ·治 療作用を示し、 アレルギー疾患 (例えば、 アレルギー性皮膚炎、 アレルギー性鼻炎な ど) 、 アトピー性皮膚炎、 喘息、 慢性閉塞性肺疾患 (C O P D) 、 炎症、 炎症性眼疾 患、 炎症性肺疾患 (例えば、 慢性肺炎、 珪肺、 肺サノレコィドーシス、 肺結核など) 、 関節炎 (例えば、 慢性関節リウマチ、 変形性関節症、 リウマチ様脊椎炎、 通風性関節 炎、 滑膜炎など) 、 炎症性腸疾患 (例えば、 クローン病、 潰瘍性大腸炎など) 、 乾せ ん、 リウマチ、 髄膜炎、 肝炎、 虚血性腎不全、 腎炎、 アジソン病、 全身性エリテマト 一デス、 骨粗鬆症、 毒血症、 悪液質、 中枢神経障害 (例えば、 脳出血および脳梗塞等 の脳血管障害、 頭部外傷、 脊髄損傷、 脳浮腫など) 、 動脈硬化症、 頭部、 頸部、 眼球、 口、 咽喉、 食道、 胸部、 骨、 肺、 結腸、 直腸、 胃、 前立腺、 ? L房、 卵巣、 腎臓、 肝臓、 膝臓、 脳等の癌および Zまたは腫瘍等の予防 ·治療、 ロイコトリェン関連疾患の予 防■治療、 B L T 2関連疾患の予防治療等に有用である。
以下、 実施例により本発明をより具体的に説明する力 これらの実施例は本発明の 単なる例示を示すものにすぎず、 本発明の範囲を何ら限定するものではない。 実施例
(実施例 1 )
(E) 一 3— [ 7 - ( 1一フエニルエトキシ) 一ベンゾフラン一 2—^ ル] —ブタ 一 2—ェン酸ジェチルァミ ドの合成
窒素置換下、 無水 THF (2 OmL) 中に NaH (0. 1 3 g、 0. 0054mo 1) を懸濁し、 0°Cで N, N—ジェチルホスホノアセトアミド (1. 36 g、 0. 0 054mo 1 ) /無水 THF (l OmL) を滴下した。 続いて、 2—ァセチルー 7— (1一フエニルェトキシ) ベンゾ [b] フラン (1. O g、 0. 0036mo 1 ) / 無水 THF (2 OmL) を滴下した。 室温に戻しながら 6 h撹拌後、 原料消失を TL Cにより確認した。 反応液を飽和 NH
4C 1水溶液に注ぎ攪拌後、 THFを減圧留去 した。 残渣を酢酸ェチルで抽出し、 b r i n eで水洗し、 無水硫酸マグネシウムで乾 燥し、 減圧留去後、 淡黄色オイルを得た。 得られたオイルをカラムクロマトグラフィ 一で精製して、 表題化合物を淡黄色オイルとして得た。 (0. 75 g, 55. 6%) Rf=0.46 (CHC1
3 : AcOEt = 20 : 1)
¾-NMR(CHCl3, 500MHz)
61.20-1.27 (6Η, m, NCH2CH3X2) , δ 1.72 (3H, d, 0CHCH3, J=6.5 Hz) , 52.31 (3H, d, C(CH3)=CH, J=0.9 Hz) , δ 3.43-3.51 (4H, m, NCH2CH3X2) , δ 5.58 (1H, q, 0CHCH3, J=6.4 Hz) , δ 6.74 (IH, dd, 4- H or 6-H, J=8.2 and 1.1 Hz) , δ 6.91 (IH, d, C(CH3)=CH, J=0.9 Hz), δ 6.99 (IH, dd, 5-H, J=7.7 Hz) , 57.10 (1H, dd, 4- H or 6-H, J=7.8 and 1.4 Hz) , δ 7.23-7.45 (5H, m, phenyl- H)
EIMS (70eV)m/z (rel. , int. , %) 377 (M+, 10.29), 273(100), 201(61.41)
HREIMSm/z 377.1992 (calcd for C24H27N03377.1991) 実施例 1に準ずる方法により、 以下の表 Aに示す化合物を合成した。
fZ
[v挲] C9TZ0/S00Zdf/X3d C6.17S0/900Z OAV
表 Aつづき
(実験例 1)
ヒト BLT1またはヒト BLT 2をコードする遺伝子を導入し、 該レセプターを機 能的に発現している CHO細胞を 4 X 104個 Z穴で 96穴プレートに播種し、 3 7°Cで 60分間培養した。 培養上清を除去し、 4μΜ F 1 u 0 - 3 (Do j i n d 0社製) 、 0. 04% P l uo r o n i c a c i d (S i gma社製) および 1 %血清を含有する口一ディングバッファーを 100 // 1添カ卩し、 37 °Cで 30分間 培養することにより、 F l uo— 3を細胞内へ導入した。 培養後細胞を緩衝液で洗浄 し、 (最終濃度) の実施例 1の化合物を含有する緩衝液を加えた後に、 10 OnM (最終濃度) のロイコトリェン B 4 (LTB4) を加え、 F 1 e x s t a t i o n (モレキュラーデバイス社製) により、 細胞内カルシウムイオン濃度変化を、 蛍 光強度の上昇 (10分間測定における蛍光強度の経時的グラフの曲線下面積) として
測定した。 B LT 1および B LT 2のアンタゴニストのポジティブコントロールとし ては、 公知の LTB4阻害剤である ZK158252を用いた。
ZK 158252によって、 B LT 1を導入した CHO細胞および B L T 2を導入 した CHO細胞の LTB 4刺激による細胞内カルシウムイオン濃度上昇は、 同程度に 有意に抑制された。
実施例 1の化合物によって、 B LT 2を導入した CHO細胞の該細胞内カルシウム イオン濃度上昇は、 ZK158252による抑制とほぼ同等かそれ以上の強度で抑制 された。 一方、 B LT 1を導入した CHO細胞の LTB 4刺激による細胞内カルシゥ ムィオン濃度上昇に対する実施例 1の化合物の抑制効果は、 BLT2に対する効果と 比較すると低かった。
以上の結果より、 本発明の化合物は、 優れたロイコトリェン B 4阻害作用を有する ことが示された。 さらに、 本発明の化合物は、 BLT 1よりも、 BLT2に特異的な 抑制効果を有していたこと力 ら、 優れた B L T 2拮抗阻害活性を有することが示され た。 産業上の利用可能'性
本発明のベンゾフラン化合物およびその医薬上許容される塩、 あるいはそれらのプ ロドラッグは、 優れたロイコトリェン阻害作用、 BLT2拮抗阻害作用、 B L T 2遮 断作用、 アレルギー予防 ·治療作用、 喘息予防 ·治療作用、 炎症予防 ·治療作用、 癌 予防'治療作用等を有し、 アレルギー疾患、 喘息、 炎症、 癌等の疾患および他の疾患 の予防■治療剤として有用である。 本出願は、 日本特許出願、 特願 2004— 335793を基礎としており、 その内 容は全て本明細書に包含される。