WO2006033350A1

WO2006033350A1 - 吸収性物品

Info

Publication number: WO2006033350A1
Application number: PCT/JP2005/017382
Authority: WO
Inventors: Kenji Kobayashi; Kenji Ando; Takuo Yanashima; Masanori Endo
Original assignee: Kao Corporation
Priority date: 2004-09-22
Filing date: 2005-09-21
Publication date: 2006-03-30
Also published as: EP1795163A4; EP2540271A1; EP1795163A1; US20080249493A1; EP1795163B1

Abstract

　液透過性の表面シート材１５と、液不透過性の防漏シート材と、液保持性の吸収体１６とを具備する吸収性本体１７と、背側部Ｂと腹側部Ａと股下部Ｃとを含む外層材１４とからなり、背側部Ｂの両側縁部１８ｂと腹側部Ａの両側縁部１８ａとをメカニカルファスナー１２により接合して、パンツ形状に形成される吸収性物品１０であって、オス材１９は、背側部Ｂの側縁部１８ｂの内側面に取り付けられ、メス材２０は、帯状シート材からなり、外側辺部２０ａを腹側部Ａの側縁部１８ａの内側面に接合して、外側辺部２０ａよりも内方に自由部分２０ｂを延設させて取り付けられ、オス材１９は、自由部分２０ｂにおいてメス材２０と係着して、背側部Ｂの両側縁部１８ｂと腹側部Ａの両側縁部１８ａとを接合している。

Description

明細書

吸収性物品

技術分野

[0001] 本発明は、吸収性物品及び吸収性物品の製造方法に関し、特に、液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体とを備え、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを各々接合すること〖こより、パンツ形状に形成される吸収性物品及び該吸収性物品の製造方法に関する。背景技術

[0002] 使、捨ておむつ、パンツ型おむつ等の吸収性物品は、例えば液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、液保持性の吸収体とを具備する実質的に縦長の吸収性本体と、背側部と腹側部と股下部とを含む外層材とからなるものであり、身体力の排出物等を吸収体に効果的に吸収できるようにすると共に、吸収した排出物を漏出させることなく強固に保持できるようにするための種々の工夫がなされている。

[0003] また、使、捨ておむつやパンツ型おむつ等は、子供や老人等の着用者の下腹部に沿った形状となるように、例えば吸収性本体を内側にして外層材を股下部で二つ折りに折り返すと共に、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合することによってパンツ形状に形成される。さらに、外層材にウェスト周り弾性部材、胴回り弾性部材、レッダ周り弾性部材等を配置することにより、装着時の肌合いやフィット感を向上させている。

[0004] 使、捨ておむつやパンツ型おむつをパンツ形状に形成するべく背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合する手段としては、これらの側縁部を重ね合わせてヒートシールする方法が一般的に採用されている力例えば廃棄時等において側縁部の接合部を剥離して折り畳んだり、一旦剥離した接合部を必要に応じて再接合したりすることを容易にする接合手段として、ォス材及びメス材カゝらなるメカ-カルファスナーを用いたものが知られている。メカ-カルファスナーによる接合手段の場合、図 16に示すように、対向する一対の側縁部 70a, 70bの内側面にォス材 71とメス材 72を各々配置してこれらを重ね合わせて接合するだけでは、着用時における弓 Iつ張り力が丁字方向の引っ張り力として負荷されることになるため接合強度が不足することになる。一方、図 17に示すように一方の側縁部 73aの外側面に他方の側縁部 73bの内側面を重ね合わせてォス材 74とメス材 75とを係止させることにより、着用時における引っ張り力がせん断方向の引っ張り力として負荷されるようにすることも考えられる力吸収性物品を連続的に製造する工程にぉ、て、一方の側縁部 73aの外側面に他方の側縁部 73bの内側面を重ね合わせる作業に多くの手間が力かることになる。特に、例えば吸収性本体を間欠的に取り付けた外層材のウェブ (連続体)を、製造される吸収性物品の幅方向に連続して送り出す、いわゆる横流れによる製造方法では、弾性部材は胴周囲方向に伸縮可能な状態となるように配置されており、製品を個々に分断した後は収縮した部分のハンドリングが必要となるため、一方の側縁部の外側面に他方の側縁部の内側面を重ね合わせた状態とする工程の難易度が高くなる。

[0005] これに対し、対向する一対の側縁部の内側面にォス材やメス材を各々配置してこれらを重ね合わせて接合した場合でも、着用時における引っ張り力がせん断方向の引つ張り力として負荷される接合部を有する吸収性物品及びその製造方法が開発されている（例えば、特許文献 1参照)。特許文献 1によれば、図 18に示すように、吸収性物品の製造時に、メカ-カルファスナーのメス材 76を扁平な C形に折り畳み、折り線部分 76cを外側に配置して一方の折り畳み片部 76aの外側面を一方の側縁部 77a の内側面に接合すると共に、他方の折り畳み片部 76bの外側面を、他方の側縁部 7 7bの内側面に設けたォス材 78と係止させるようにしたものである。

特許文献 1：特表 2003 - 533278号公報

発明の開示

[0006] 本発明は、液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシ一ト材の間に介在する液保持性の吸収体とを備え、吸収体の背側部と腹側部の側方に延出する外層材を有し、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、ォス材及びメス材カなるメカ-カルファスナーを介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収性物品であって、前記ォス材は、前記背側部又は腹側部の何れか一方の側縁部の内側面 (身体側の面）に取り付けられており、前記メス材は、シート材からなり、外側辺部の裏面 (外層材と対向する面)を、前記背側部又は腹側部の他方の側縁部の内側面 (身体側の面）に接合することにより、接合された前記外側辺部よりも内方部分を自由部分として延設させた状態で取り付けられており、前記ォス材は、前記自由部分において前記メス材と係止して、前記背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合して、る吸収性物品を提供するものである。

[0007] また、本発明は、上記吸収性物品を製造するための製造方法であって、前記吸収性物品を構成するウェブを連続的に横流れで送り出す工程と、送り出される前記ゥブを流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳んだ後に個々の吸収性物品に切り離す工程とを含み、前記ウェブを折り畳んで個々の吸収性物品に切り離す工程に先立って、前記ウェブの背側部、腹側部における切り離し予定線を挟んだ両側に、切り離して形成される各吸収性物品の両側縁部の内側面に配置して、前記ォス材又はメス材の何れか一方及び他方を各々取り付ける工程を備え、前記ウェブを二つ折りに折り畳んだ際に、前記ォス材を前記メス材の自由部分に係止させ、前記切り離し予定線で前記ウェブを個々に切り離して、前記背側部の両側縁部と前記腹側部の両側縁部がメカ-カルファスナーを介して各々接合された吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法を提供するものである。

[0008] さらに、本発明は、液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体とを備え、吸収体の背側部と腹側部の側方に延出する外層材を有し、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、ォス材及びメス材カもなるメカ-カルファスナーを介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収性物品であって、ォス材基材シートが、外側辺部の裏面を、前記背側部又は腹側部の何れか一方の側縁部の内側面に接合することにより、接合された前記外側辺部よりも内方部分を自由部分として延設させた状態で取り付けられ、該自由部分の表面に前記ォス材が配設されており、該ォス材は、前記背側部又は腹側部の他方の側縁部の内側面に設けられた前記メス材と係止して、前記背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合している吸収性物品を提供するものである。

[0009] さらにまた、本発明は、上記吸収性物品を製造するための製造方法であって、前記吸収性物品を構成するゥブを連続的に横流れで送り出す工程と、送り出される前記ウェブを流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳んだ後に個々の吸収性物品に切り離す工程とを含み、前記ウェブを折り畳んで個々の吸収性物品に切り離すェ程に先立って、前記ウェブの背側部又は腹側部の何れか一方における切り離し予定線を挟んだ両側に、切り離して形成される各吸収性物品の両側縁部の内側面に配置して、前記ォス材が配設されたォス材基材シートを、これの外側辺部の裏面を接合することにより取り付ける工程を備え、前記ウェブを二つ折りに折り畳んだ際に、前記ォス材を、前記ウェブの背側部又は腹側部の他方における切り離し予定線を挟んだ両側に設けられた前記メス材に係止させ、前記切り離し予定線で前記ウェブを個々に切り離して、前記背側部の両側縁部と前記腹側部の両側縁部がメカ-カルファスナーを介して各々接合された吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法を提供するものである。

図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、本発明の第 1施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつを示す正面図である。

[図 2]図 2は、本発明の第 1実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの両側縁部を接合する前の状態を示す正面図である。

[図 3]図 3は、本発明の第 1実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの要部を説明する略示斜視図である。

[図 4(a)]図 4 (a)は、本発明の第 1実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの要部を説明する部分斜視図である。

[図 4(b)]図 4 (b)は、図 4 (a)の D— Dに沿った断面図である。

[図 5]図 5は、本発明の第 1実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの製造工程を説明する略示斜視図である。

[図 6]図 6は、本発明の第 1実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの製造工程の要部を説明する平面図である。

[図 7]図 7は、本発明の第 1実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの他の形態の要部を説明する略示斜視図である。

[図 8]図 8は、本発明の第 2実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつを示す正面図である。

[図 9]図 9は、本発明の第 2実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの両側縁部を接合する前の状態を示す正面図である。

[図 10]図 10は、本発明の第 2実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの要部を説明する略示斜視図である。

[図 11]図 11は、本発明の第 2実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの要部を説明する断面図である。

[図 12]図 12は、本発明の第 2実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの製造工程の要部を説明する略示斜視図である。

[図 13]図 13は、本発明の他の実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの要部を示す断面図である。

[図 14]図 14は、本発明の第 2実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの製造工程の要部を説明する平面図である。

[図 15]図 15は、本発明の第 2実施形態に係る吸収性物品であるパンツ型おむつの他の形態の要部を説明する略示斜視図である。

[図 16]図 16は、従来のメカ-カルファスナーによる接合部の説明図である。

[図 17]図 17は、従来のメカ-カルファスナーによる接合部の説明図である。

[図 18]図 18は、従来のメカ-カルファスナーによる接合部の説明図である。

発明の詳細な説明

[0011] 上記特許文献 1に記載の吸収性物品によれば、背側部の側縁部 77bと腹側部の側縁部 77aとの接合部において、メス材 76は、 2重に折り畳むことが可能な 2倍の長さで設置されることになるため、材料の無駄が生じることになると共に、吸収性物品の製造工程においてメス材 76を 2重に折り畳む作業が必要になって製造工程が複雑ィ匕すること〖こなる。

[0012] 本発明は、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、これらの内側面同士を対向させた状態でォス材とメス材を配置して接合した場合でも、着用時における引っ張り力がせん断方向の引っ張り力として負荷されるようにしたメカ-カルファスナーによる接合部を、多くのメス材を用いることなく且つ簡易な製造工程で容易に形成することのできる吸収性物品及び該吸収性物品の製造方法を提供することを目的とする。

[0013] 本発明は、液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシ一ト材の間に介在する液保持性の吸収体とを備え、吸収体の背側部と腹側部の側方に延出する外層材を有し、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、ォス材及びメス材カなるメカ-カルファスナーを介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収性物品であって、前記ォス材は、前記背側部又は腹側部の何れか一方の側縁部の内側面 (身体側の面）に取り付けられており、前記メス材は、シート材からなり、外側辺部の裏面 (外層材と対向する面)を、前記背側部又は腹側部の他方の側縁部の内側面 (身体側の面）に接合することにより、接合された前記外側辺部よりも内方部分を自由部分として延設させた状態で取り付けられており、前記ォス材は、前記自由部分において前記メス材と係止して、前記背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合している吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。

[0014] また、本発明は、上記吸収性物品を製造するための製造方法であって、前記吸収性物品を構成するウェブを連続的に横流れで送り出す工程と、送り出される前記ゥブを流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳んだ後に個々の吸収性物品に切り離す工程とを含み、前記ウェブを折り畳んで個々の吸収性物品に切り離す工程に先立って、前記ウェブの背側部、腹側部における切り離し予定線を挟んだ両側に、切り離して形成される各吸収性物品の両側縁部の内側面に配置して、前記ォス材又はメス材の何れか一方及び他方を各々取り付ける工程を備え、前記ウェブを二つ折りに折り畳んだ際に、前記ォス材を前記メス材の自由部分に係止させ、前記切り離し予定線で前記ウェブを個々に切り離して、前記背側部の両側縁部と前記腹側部の両側縁部がメカ-カルファスナーを介して各々接合された吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。

[0015] さらに、本発明は、液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体とを備え、吸収体の背側部と腹側部の側方に延出する外層材を有し、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、ォス材及びメス材カもなるメカ-カルファスナーを介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収性物品であって、ォス材基材シートが、外側辺部の裏面を、前記背側部又は腹側部の何れか一方の側縁部の内側面に接合することにより、接合された前記外側辺部よりも内方部分を自由部分として延設させた状態で取り付けられ、該自由部分の表面に前記ォス材が配設されており、該ォス材は、前記背側部又は腹側部の他方の側縁部の内側面に設けられた前記メス材と係止して、前記背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合している吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。

[0016] さらにまた、本発明は、上記吸収性物品を製造するための製造方法であって、前記吸収性物品を構成するゥブを連続的に横流れで送り出す工程と、送り出される前記ウェブを流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳んだ後に個々の吸収性物品に切り離す工程とを含み、前記ウェブを折り畳んで個々の吸収性物品に切り離すェ程に先立って、前記ウェブの背側部又は腹側部の何れか一方における切り離し予定線を挟んだ両側に、切り離して形成される各吸収性物品の両側縁部の内側面に配置して、前記ォス材が配設されたォス材基材シートを、これの外側辺部の裏面を接合することにより取り付ける工程を備え、前記ウェブを二つ折りに折り畳んだ際に、前記ォス材を、前記ウェブの背側部又は腹側部の他方における切り離し予定線を挟んだ両側に設けられた前記メス材に係止させ、前記切り離し予定線で前記ウェブを個々に切り離して、前記背側部の両側縁部と前記腹側部の両側縁部がメカ-カルファスナーを介して各々接合された吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。

[0017] 本発明の好ましい第 1実施形態に係る吸収性物品は、例えば図 1及び図 2に示すようなパンツ型おむつ 10として製造されるものであり、このパンツ型おむつ 10は、基材シート 11に弾性部材 12a, 12b, 12cが伸長状態で配設された複合シート部材を切断して得られた外層材 14と、外層材 14の内側に取り付けられた、液透過性の表面シート材 15、液不透過性の防漏シート材（図示せず）、及びこれらのシートの間に介在する液保持性の吸収体 16からなる縦長の吸収性本体 17とによって構成されるものである。本実施形態のパンツ型おむつ 10は、吸収性本体 17と共に外層材 14を、これの股下部 Cの中央部分で折り返して腹側部 Aと背側部 Bとを重ね合わせるように二つ折りにすると共に、好ましくは背側部 Bの両側縁部 18bと腹側部 Aの両側縁部 1 8aとを、ォス材 19及びメス材 20からなるメカ-カルファスナー 13 (図 3及び図 4 (a) , ( b)参照）を介して各々接合することによってパンツ形状に形成されることになる。

[0018] そして、本第 1実施形態の吸収性物品としてのパンツ型おむつ 10は、例えば液透過性の表面シート材 15と、液不透過性の防漏シート材（図示せず）と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体 16とを具備する吸収性本体 17と、背側部 Bと腹側部 Aと股下部 Cとを含む外層材 14とからなり、図 3及び図 4 (a) , (b)に示すように、背側部 Bの両側縁部 18bと腹側部 Aの両側縁部 18aとを、ォス材 19及びメス材 2 0からなるメカ-カルファスナー 13を介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収性物品であって、ォス材 19は、背側部 Bの側縁部 18bの内側面 (身体側の面）に取り付けられており、メス材 20は、シート材からなり、外側辺部 20aの裏面（外層材 14と対向する面)を、腹側部 Aの側縁部 18aの内側面 (身体側の面）に接合することにより、接合された外側辺部 20aよりも内方部分を自由部分 20bとして延設させた状態で取り付けられており、ォス材 19は、自由部分 20bにおいてメス材 20と係止して、背側部 Bの両側縁部 18bと腹側部 Aの両側縁部 18aとを接合してヽる。

[0019] 本第 1実施形態によれば、パンツ型おむつ 10は、後述する工程と共に、従来のパンッ型おむっと略同様の製造工程によって製造されることになる。すなわち、例えば図 5に示すように、原反ロールから連続的に供給される外層不織布を基材シート 11として、この基材シート 11に対して、例えばホットメルト型接着剤を連続的に塗工すると共に、ウェスト周り弾性部材 12a、レッダ周り弾性部材 12b、及び胴周り部弾性部材 1 2cを所定の伸長率に伸長させた状態で各々複数本配設する。また各弾性部材 12a , 12b, 12cが配設された基材シート 11を覆うようにして、例えば原反ロール力も連続的に供給される帯状の内層不織布 11aを接合することにより、基材シート 11と弾性部材 12a, 12b, 12cと内層不織布 11aとが一体となった複合シート部材を、外層材 14 の連続体であるウェブ 21として形成する。

[0020] さらに、形成されるパンツ型おむつ 10の幅方向に連続して、横流れで送り出されれる外層材 14のウェブ 21に、表面シート材 15と防漏シート材と吸収体 16とからなる吸収性本体 17を間欠的に取り付けると共に、さらに送り出されるウェブ 21に、例えばレッグホールカッター装置を用いてレッダホール 22を開口形成する。しかる後に、外層材 14のウェブ 21を、吸収性本体 17を内側にして流れ方向と平行な二つ折り線に沿つて折り畳み、吸収性本体 17を取り付けたウェブ 21を切り離して、個々の製品に分割することにより、パンツ型おむつ 10が形成されることになる。

[0021] そして、本第 1実施形態のパンツ型おむつ 10は、図 3及び図 4 (a) , (b)に示すように、ォス材 19及びメス材 20からなるメカ-カルファスナー 13を介して背側部 Bの両側縁部 18bと腹側部 Aの両側縁部 18aとが各々接合されるものであり、メカ-カルファスナー 13のォス材 19としては、例えば基材の一面に多数の鈎状、キノコ状、 T字状、 Y 字状等のフックを起立してなる公知の各種のメカ-カルファスナーのォス材を用いることができる。また、本第 1実施形態によれば、ォス材 19は、例えば幅 3〜40mm程度の帯状に形成され、背側部 Bの両サイドの側縁部 18bに沿って、上下の端部に非設置部分を残しつつ、略全長にわたって、当該側縁部 18bの内側面に、例えばヒートシールや超音波等による熱融着の方法や、ホットメルト等の接合手段を介して貼り付けられて、相当の接合強度を発現するように取り付けられている。なお、上下の端部の非設置部分は、パンツ型おむつ 10を着用者力も取り外す際のきっかけとなるつまみしろとして機能すると共に、突起部のあるォス材 19の表面や裏面、或いは角部が着用者の肌に直接触れな、ようにするために残置される部分である。非設置部分の寸法は、好ましくは l〜30mmであり、特に好ましくは 5〜20mmである。

[0022] ここで、本第 1実施形態によれば、ォス材 19が背側部 Bの両側縁部 18bの内側面に取り付けられていることにより、例えばパンツ型おむつ 10を使用後に廃棄する際に、腹側部 Aを内側に丸め込むようにしつつ外側を背側部 Bで覆った状態で、ォス材 1 9を用いて背側部 Bの両側縁部 18bを丸め込んだパンツ型おむつ 10の外周部分に固定することにより、廃棄テープ等を別途に用いることなぐ使用後のパンツ型おむつ 10をコンパクトにまとめることが可能になり、ごみを小さくしたり、排泄物の臭いを漏れ難くすることができ、これによつてパンツ型おむつ 10の廃棄性を向上させることが可能になる。また、ォス材 19は、背側部 Bの側縁部 18bにおいて、外側縁から 30m m以上離れることなく取り付けられていることが好ましい。これによつて、ォス材 19の外側に延出する自由部分 20bを過度に長くする必要がなくなると共に、おむつの胴回りの内寸を形成するために材料が有効に使われることとなり、これらによって材料の無駄が生じるのを効果的に回避することが可能になる。

[0023] メカ-カルファスナー 13のメス材 20としては、機能の面からいうと、製品として出荷される際、ォス材 19と係止されて必要強度を発現し、製品を使い終わる間際まで強度を保つことを可能にする素材であればよい。そのため、その材料はォス材 19の選択〖こよっても変わることとなる。再係止を念頭において設計するかどうかも、メス材 20 を選択する上で重要な基準となる。また、もうひとつの大切な機能として、外層材 14と接合されたときにその接合強度を保ち、着用中の負荷に対して自らが破断することのない材料強度を有していることが好ましい。メス材 20としては、例えば基材シート上に多数の繊維をループ状又はアーチ状に編み込んでなる編み物の他、所定の坪量や繊維の維度を備える不織布等の、公知の各種のメカ-カルファスナーのメス材を用いることができる。もちろん、所望の物性を満たすものであれば、外層材 14に用いている材料と同じ材料をそのまま転用することもできる。またおむつ内の環境を改善するためには、通気性のある素材が望まれる。本第 1実施形態によれば、メス材 20として、好ましくは熱融着性に優れ、伸縮可能な不織布を用いることができる。メス材 20として熱融着性に優れた不織布を用いることは、メス材 20と外層材 14の接合強度を確保しつつ、生産性を高める上で非常に重要である。またメス材 20として伸縮可能な不織布を用いることにより、メス材 20にも伸縮性を持たせることとなり、パンツ型ォムッ 10の着用者へのフィット性を高めることが可能になる。

[0024] 本第 1実施形態によれば、メス材 20は、例えば片側につき幅 5〜50mm程度の帯状シート材料からなり、例えば幅 l〜20mm程度、好ましくは 3〜： LOmm程度の外側辺部 20aの裏面を、例えばホットメルト型接着剤や熱融着シール等の接合手段を介して腹側部 Aの両サイドの側縁部 18aの内側面に接合することにより、当該側縁部 1 8bの略全長にわたって取り付けられている。メス材 20と側縁部 18aとの接合については、その使われ方や、接合後の材料の物性等を考慮して、適宜設計することができる。例えば、接合箇所の接合面積は、素材のやわらかさを損なわないようにしたり、接合部分の剛性を抑えるために、極力小さくしておくことが好ましい。できれば、連続した面での接合ではなぐ部分接合となるポイントシールをすることが好ましい。ポイントシールとしては、円形、楕円形、矩形、ひし形、線状などの形状をもったシール面を、間隔を置いて配置することが好ましい。またメス材 20は、外側辺部 20aを側縁部 18 の側縁に近接させて取り付けることが好ましい。これによつて、パンツ型ォムッの胴回りの内寸を形成する材料を有効に使うことができるとともに、ォス材 19の略全域を効果的にメス材 20に係止させることが可能になる。さらに、メス材 20は、メス材 20とォス材 19とを接合した際に、メス材 20の自由部分 20bの自由端が、ォス材 19の内側縁を越える長さで延設するように設けることが好ましい。これによつて、内側に向いたォス材 19をメス材 20の自由端を越えてはみ出させることなくメス材 20によって確実に覆つて、ォス材 19のフックが肌に直接触れて違和感を生じさせるのを効果的に回避することが可能になる。

[0025] なお、本第 1実施形態によれば、メス材 20の外側辺部 20aの、腹側部 Aの側縁部 1 8aの内側面に対する接合強度は、 3NZ30mm以上であることが好ましぐさらに好ましくは 5NZmm以上、特に好ましくは 8NZ30mm以上である。パンツ型おむつ 10 の着用時においては、ォス材 19とメス材 20によるメカ-カルファスナー 13の接合部とは異なり、メス材 20の外側辺部 20aと側縁部 18aの内側面との接合部には、 T字方向の引つ張り力が負荷されることになるが、力かる接合部の接合強度を 3NZ30mm 以上とすることにより、負荷される T字方向の引っ張り力に効果的に抵抗することが可會になる。

[0026] また、本第 1実施形態によれば、パンツ型おむつ 10の背側部 Bの両側縁部 18bと腹側部 Aの両側縁部 18aには、ウェスト周り弾性部材 12a、レッダ周り弾性部材 12b、及び胴回り弾性部材 12cが配設されており、ォス材 19及びメス材 20の取り付け箇所において、弾性部材 12a, 12b, 12cの少なくとも一部力、弾性による収縮機能が実質的に発現されないようになっている。収縮機能を発現させない方法としては、弾性部材 12a, 12b, 12cの分断や、熱シールによる非機能化等を挙げることができる。

[0027] ここで、ウェスト周り弾性部材 12a、レッダ周り弾性部材 12b、及び胴回り弾性部材 1 2cを収縮機能が発現されないようにする手段としては、例えば特開 2002— 253605 号公報に記載の複合伸縮部材の製造方法に用いる弾性部材分断部と略同様の構成を備えるものを採用することがきる。すなわち、この弾性部材分断部は、弾性部材切断用の多数の凸部を有する加圧部を周面に備えたカットロールと、カットロールに対向配置された表面平滑なアンビルロールと力なり、これらのロールの間に、基材シート 11に弾性部材 12a, 12b, 12cを伸長状態で配設した外層材 14のウェブ 21を通過させると共に、ォス材 19及びメス材 20の取り付け箇所に加圧部から加圧力をカロえることにより、加圧部に設けられた多数の凸部を介して、各弾性部材 12a, 12b, 1 2cを、ウェブ 21の損傷を実質的に抑制しつつ、当該取り付け箇所において連続しないように、各々複数に分断するものである。（以後、この手段を「プレカット」と記す。 ) また多数の凸部をカッター刃としたプレカットカッターによるプレカット手段を採用することちでさる。

[0028] なお、ウェスト周り弾性部材 12a、レッダ周り弾性部材 12b、胴回り弾性部材 12cをプレカットして、ォス材 19及びメス材 20の取り付け箇所で収縮機能が発現されな、ようにすることにより、パンツ型おむつ 10の製造工程において、切り離し予定線 23 (図 6参照）でウェブ 21を切り離して、個々の製品に分割する際に、ォス材 19やメス材 20 の取り付け箇所が、各弾性部材がテンションフリーになることで開放されて収縮'カールし、外観や使い易さが損なわれるのを効果的に回避することが可能になる。

[0029] また、ウェスト周り弾性部材 12a、レッダ周り弾性部材 12b、胴回り弾性部材 12cを分断して非機能化した部分に隣接する箇所には、例えばホットメルト型接着剤等による、弾性部材 12a, 12b, 12cの抜けを防止するための固定手段を追加的に設けることが好ましい。その際、弾性部材 12a, 12b, 12cに直接塗布する方法は、接着強度の向上に効果的である。

[0030] そして、背側部 Bの両側縁部 18bと腹側部 Aの両側縁部 18aの内側面同士を対向配置させて、これらをォス材 19及びメス材 20力もなるメカ-カルファスナー 13を介して各々接合してなる本第 1実施形態のパンツ型おむつ 10によれば、接合部において多くのメス材 20を用いることなぐ着用時における引っ張り力がせん断方向の引っ張り力として負荷されるようにすることが可能になって、十分な接合強度を容易且つ効率良く得ることができる。すなわち、本第 1実施形態によれば、図 3及び図 4 (a) , (b) に示すように、ォス材 19は、背側部 Bの側縁部 18bの内側面に取り付けられており、メス材 20は、外側辺部 20aの裏面を腹側部 Aの側縁部 18aの内側面に接合することにより、外側辺部 20aよりも内方部分を自由部分 20bとして延設させた状態で取り付けられており、且つォス材 19は、自由部分 20bにおいてメス材 20と係止しているので、パンツ型おむつ 10の装着時に、ォス材 19と係止したメス材 20の自由部分 20bを背側部 Bの側に開力せて、着用者の腰回り部に沿って周方向に延設させることが可能になり、これによつて、 C形に折り畳まれる 2倍の長さのメス材を用いることなぐ効率良く且つ効果的に、着用時における引っ張り力がせん断方向の引っ張り力として負荷されるようすることが可會〖こなる。

[0031] また、上述の構成を有する本第 1実施形態のパンツ型おむつ 10は、図 5及び図 6 に示すように、簡易な製造方法によって容易に形成することができる。すなわち、本第 1実施形態によれば、上述のように、従来の製造工程と同様に、液透過性の表面シート材 15 (図 2参照）と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体 16 (図 2参照）とを具備する吸収性本体 17を間欠的に取り付けた外層材 14のウェブ 21を、連続的に横流れで送り出す工程と、送り出されるゥエブ 21を、吸収性本体 17を内側にして流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳んだ後に、ウェブ 21を個々のパンツ型おむつ 10として切り離す工程とを含んでいる。

[0032] 一方、本第 1実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21を折り畳んで個々のパンツ型おむつ 10に切り離す工程に先立って、ウェブ 21の背側部 Bにおける切り離し予定線 23を挟んだ両側に、切り離して形成される各パンツ型おむつ 10の背側部 Bの両側縁部 18bの内側面に配置して、ォス材 19を例えばホットメルトを介して取り付けると共に、ウェブ 21の腹側部 Aにおける切り離し予定線 23を挟んだ両側に、切り離して形成される各パンツ型おむつ 10の腹側部 Aの両側縁部 18aの内側面に配置して、外側辺部 20aを例えばポイントシールを介して接合することにより、自由部分 20を延設させた状態で、メス材 20を取り付ける工程を備えている。なお、メス材 20とォス材 1 9とを一体ィ匕した後に、背側部 Bまたは腹側部 Aに供給することもできる。

[0033] そして、ウェブ 21を二つ折りに折り畳んだ際に、ォス材 19をメス材 20の自由部分 2 Obに係止させ、切り離し予定線 23でウェブ 21を個々に切り離すことにより、背側部 B の両側縁部 18bと腹側部 Aの両側縁部 18aがメカ-カルファスナー 13を介して各々接合された、本第 1実施形態の吸収性物品としてのパンツ型おむつ 10力例えばメス材を 2重に折り畳む複雑な工程を要することなぐ従来の横流れの製造工程と略同様の簡易な工程によって、容易に形成されることになる。付け加えて言うならば、ゥヱブ 21を二つ折りに折り畳んだ際、ォス材 19とメス材 20の自由部分を係止させるわけであるが、その係止力を高めるために追加的な加圧手段を設けることが好ましい。追加的な加圧手段において、一対のロール間を通して加圧する場合、係止領域のみ部分的に加圧し、一対のロールのそれぞれに若干の速度差を設け、せん断方向の力を与えながら加圧することもでき、これによつて係止力の向上を図ることができる。

[0034] また、本第 1実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21の背側部 Bにおける各切り離し予定線 23を挟んだ両側に、ォス材 19をツーピースの部材として各々取り付ける一方で、ウェブ 21の腹側部 Aには、メス材 20を、各切り離し予定線 23を挟んだ両側に跨って連続する一部材として取り付けておき、切り離し予定線 23でウェブ 21が切断される際に、各パンツ型おむつ 10の腹側部 Aの両側縁部 18aにメス材 20が各々取り付けられるようにすることが好ましい。ォス材 19をツーピースとすることで、背側部 Bの両側縁に隣接するォス材 (しばしばこのォス材は着用者に違和感与える）をなくすことができるとともに、単価の高いォス材の使用量を削減することでコストを抑えることができる。また、メス材 20を連続する一部材として取り付けることで、自由端を形成する必要のあるメス材 20のハンドリングを容易にし、各切り離し予定線 23を挟んだ両側にメス材 20を各々取り付ける作業の簡略ィ匕を図ることが可能になる。このとき、メス材 20 と外層材 24との接合部分は、切り離し予定線 23に重なって配置されていてもよいが、好ましくは切り離し予定線 23を外した両側にて接合することが好ましい。そうすることによって、切り離し予定線 23の接合部分の硬さを抑えることができ、着用者に優しい設計とすることができる。

[0035] さらに、本第 1実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21の腹側部 Aにおける各切り離し予定線 23を挟んだ両側に取り付けられるメス材 20の自由部分 20bを仮着する工程を含めることができる。仮着というのは、メス材 20の自由部分は本来ウェブ 21に対して接合されてはならないが、加工中に開いてめくれることによって問題が発生しないようにするために、使用時には簡単に剥がすことができる程度にウェブ 21に対してメス材 20の自由部分を接着しておくというものである。仮着を行う手段としては、ホットメルト型接着剤や、熱融着シール、圧着などの公知の手段を採用することができる。材破を伴わない程度にウェブ 21と仮着することが好ましい。これによつて、パンツ型おむつ 10の製造中における自由部分 20bのめくれを効果的に回避することが可會になる。

[0036] さらにまた、本第 1実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21の各切り離し予定線 23 を挟んだ両側にォス材 19やメス材 20を各々取り付ける工程に先立って、上述のように、これらの取り付け箇所における弾性部材 12a, 12b, 12cを、予めプレカットして収縮機能が発現されなヽようにする工程を含めることが好まヽ。特にォス材 19と重なる部分の外層材 14においては、メス材 20の自由部分との係着を考えても、収縮機能が発現されな、ようにされて!、ることが好ま、。

[0037] なお、本発明は上記第 1実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。

例えば、本発明はパンツ型おむつに限定されることなぐその他のパンツ形状を備える種々の吸収性物品に適用することができる。上述した第 1実施形態においては、吸収性本体と外層体とからなるパンツ型おむつにっ、て詳述したが、吸収性本体を備えていない形のパンツ型おむつにも適用することが可能である。また、本発明の吸収性物品は、上記第 1実施形態の製造方法によって製造されるものに限定されることなぐその他の製造方法によって製造することもでき、横流れの製造方法のみならず、縦流れの製造法によって製造されたものであっても良い。さらに、ォス材を腹側部の側縁部に取り付け、メス材を背側部の側縁部に取り付けて、メカ-カルファスナーによる接合部を構成しても良い。さらにまた、使用後のパンツ型おむつを着用者力ゝら取り外す際には、メカ-カルファスナーに剥離方向の力をかければ、係止されたサイド部分を容易に剥がすことができるが、その際にォス材を小さく適用して上側の部分をつまみとすることが好ましいことは、上述した。それとは違った形で、例えば図 7に示すように、腹側部 Aの側縁部 18aに凹状に切り欠、た摘み部 24を設けて背側部 Bの側縁部 18bを摘みやすくすることにより、メカ-カルファスナーによる接合部の弓 Iき剥力 Sしゃすさを向上することができる。また、仮に再接合を行う場合であっても、再接合を容易にすることもできる。さらに、本発明の吸収性物品は、上述の構成のォス材及びメス材カゝらなるメカ-カルファスナーによって背側部の両側縁部と腹側部の両側縁部とを接合したものの他、背側部の片側の側縁部と腹側部の片側の側縁部のみを上述のメカ-カルファスナーによって接合したものであっても良い。

[0038] 本発明の好ましい第 2実施形態に係る吸収性物品は、例えば図 8及び図 9に示すようなパンツ型おむつ 10'として製造されるものであり、このパンツ型おむつ 10'は、基材シート 11 'に弾性部材 12a'， 12b' , 12c'が伸長状態で配設された複合シート部材を切断して得られた外層材 14'と、外層材 14'の内側に取り付けられた、液透過性の表面シート材 15'、液不透過性の防漏シート材（図示せず）、及びこれらのシートの間に介在する液保持性の吸収体 16，カゝらなる縦長の吸収性本体 17，とによって構成されるものである。本第 2実施形態のパンツ型おむつ 10'は、吸収性本体 17'と共に外層材 14'を、これの股下部 C'の中央部分で折り返して腹側部 A'と背側部 B'とを重ね合わせるように二つ折りにすると共に、好ましくは背側部 B'の両側縁部 18b' と腹側部 A，の両側縁部 18a，とを、ォス材 19，及びメス材 20，力もなるメカ-カルファスナー 13 ' (図 10及び図 11参照）を介して各々接合することによってパンツ形状に形成されること〖こなる。

[0039] そして、本第 2実施形態の吸収性物品としてのパンツ型おむつ 10'は、液透過性の表面シート材 15'と、液不透過性の防漏シート材（図示せず）と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体 16'とを具備する吸収性本体 17'と、背側部 B'と腹側部 A'と股下部 C'とを含む外層材 14'とからなり、図 10及び図 11に示すように、吸収体 16 'の両側に延出する外層材 14'による背側部 B'の両側縁部 18b'と腹側部 A ，の両側縁部 18a，とを、ォス材 19，及びメス材 20，力もなるメカ-カルファスナー 13，を介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収性物品であって、帯状のォス材基材シート 25'が、外側辺部 25a'の裏面 (外層材 14'と対向する面)を背側部 B'の側縁部 18b'の内側面 (身体側の面）に接合することにより、接合された外側辺部 25a'よりも内方部分を自由部分 25b'として延設させた状態で取り付けられ、この自由部分 20b'の表面にォス材 19 'が配設されており、ォス材 19'は、腹側部 A' の側縁部 18a'の内側面 (身体側の面）に設けられたメス材 20'と係止して、背側部 B 'の両側縁部 18b，と腹側部 A，の両側縁部 18a，とを接合している。

[0040] また、本第 2実施形態のパンツ型おむつ 10'によれば、外層材 14'の構成材料である基材シート 11 '又は内層不織布 1 la'を、そのままメス材 20'として用いて、る。 [0041] 本第 2実施形態によれば、パンツ型おむつ 10'は、後述する工程と共に、従来のパンッ型おむっと略同様の製造工程によって製造されることになる。すなわち、例えば図 12に示すように、原反ロールから連続的に供給される帯状の外層不織布を基材シート 11 'として、この基材シート 11 'に対して、例えばホットメルト型接着剤を連続的に塗工すると共に、ウェスト周り弾性部材 12a '、レッダ周り弾性部材 12b'、及び胴周り部弾性部材 12c'を所定の伸長率に伸長させた状態で各々複数本配設する。また各弾性部材 12a，， 12b' , 12c，が配設された基材シート 11，を覆うようにして、例えば原反ロールから連続的に供給される帯状の内層不織布 11a'を接合することにより、基材シート 11 'と弾性部材 12a' , 12b' , 12c'と内層不織布 11a'とが一体となった複合シート部材を、外層材 14'の連続体であるウェブ 21 'として形成する。

[0042] さらに、形成されるパンツ型おむつ 10'の幅方向に連続して、横流れで送り出されれる外層材 14'のウェブ 21に、表面シート材 15'と防漏シート材と吸収体 16'とからなる吸収性本体 17'を間欠的に取り付けると共に、さらに送り出されるウェブ 21 'に、例えばレッダホールカッター装置を用いてレッダホール 22'を開口形成する。しかる後に、外層材 14'のウェブ 21 'を、吸収性本体 17'を内側にして流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳み、吸収性本体 17'を取り付けたウェブ 21 'を切り離して、個々の製品に分割することにより、パンツ型おむつ 10'が形成されることになる。

[0043] そして、本第 2実施形態のパンツ型おむつ 10'は、図 10及び図 11に示すように、ォス材 19 '及びメス材 20，力もなるメカ-カルファスナー 13，を介して背側部 B，の両側縁部 18b'と腹側部 A'の両側縁部 18a'とが各々接合されるものであり、メカ-カノレファスナ一 13，のォス材 19，としては、例えば基材の一面に多数の鈎状、キノコ状、丁字状、 Y字状等のフックを起立してなる公知の各種のメカ-カルファスナーのォス材を用いることができる。また、本第 2実施形態によれば、ォス材 19'は、例えば幅 3〜40 mm程度の帯状に形成され、例えば不織布等力もなる幅 5〜50mm程度の帯状のォス材基材シート 25'の好ましくは自由部分 25b'に、例えばヒートシールや超音波等による熱融着の方法や、ホットメルト等の接合手段を介して相当の接合強度を発現するように一体として貼り付けられている。さらに、ォス材 19 'が貼り付けられたォス材基材シート 25'の、例えば幅 l〜30mm程度、好ましくは 3〜 10mm程度の外側辺部 2 5a'の裏面を、例えばホットメルト型接着剤や熱融着シール等の接合手段を介して背側部 B'の側縁部 18b'の内側面に接合することにより、ォス材 19'が、当該側縁部 1 8b'の略全長にわたって取り付けられる。ォス材 19'は、その上下の端部に非設置部分を残して取り付けられることが好ましい。上下の端部の非設置部分は、パンツ型おむつ 10'を着用者から取り外す際のきっかけとなるつまみしろとして機能すると共に、突起部のあるォス材 19'の表面や裏面、或いは角部が着用者の肌に直接触れないようにするために残置される部分である。非設置部分の寸法は、好ましくは l〜30m mであり、特に好ましくは 5〜20mmである。

[0044] ここで、ォス材 19'は、これの側縁とォス材基材シート 25'の自由部分 25b'の自由端との間に lmm以上、特に好ましくは 3mm以上の間隔を保持すると共に、上下の端縁とォス材基材シート 25'の上下の端縁との間に lmm以上、特に好ましくは 3mm 以上の間隔を保持した状態でォス材基材シート 25'に貼り付けられていることが好ましい。これによつて、パンツ型おむつ 10'の着用時に、ォス材 19'の全体をォス材基材シート 25'によって内側力も確実に覆って、ォス材 19'が着用者の肌に直接触れて違和感を生じさせるのを効果的に回避することが可能になる。またォス材基材シート 25'は、これの外側辺部 25'を背側部 B'の側縁部 18b'の側縁に近接させて取り付けることが好ましい。さらに、ォス材 19'は、背側部 B'の側縁部 18b'において、これの側縁から 40mm以上離れることなく取り付けられていることが好ましい。これによつて、ォス材 19'とメス材 20'との係止が側縁部に近づくこととなり、おむつの胴回りの内寸を形成するために材料を有効に使うことが可能になる。さらに、ォス材 19'が背側部 B'の両側縁部 18b'に取り付けられていることにより、例えばパンツ型おむつ 10 'を使用後に廃棄する際に、腹側部 A'を内側に丸め込むようにしつつ外側を背側部 B'で覆った状態で、ォス材 19'を用いて背側部 B'の両側縁部 18b'を丸め込んだパンッ型おむつ 10'の外周部分に固定することにより、廃棄テープ等を別途に用いることなぐ使用後のパンツ型おむつ 10'をコンパクトにまとめることが可能になり、ごみを小さくしたり、排泄物の臭いを漏れ難くすることができ、これによつてパンツ型おむつ 1 0'の廃棄性を向上させることが可能になる。

[0045] なお、本第 2実施形態によれば、ォス材基材シート 25，の外側辺部 25a'の、背側部 B'の側縁部 18b'の内側面に対する接合強度は、 3NZ30mm以上であることが好ましい。パンツ型おむつ 10'の着用時においては、ォス材 19'とメス材 20'によるメ力-カルファスナー 13，の接合部とは異なり、ォス材基材シート 25，の外側辺部 25a，と側縁部 18b'内側面との接合部には、 T字方向の引っ張り力が負荷されることになる力力かる接合部の接合強度を 3N/30mm以上とすることにより、負荷される丁字方向の引っ張り力に効果的に抵抗することが可能になる。また、ォス材基材シート 25 'としては、機能の面からいうと、製品として出荷される際に外層材 14'との間で必要な接合強度を発現し、製品を使い終わる間際まで接合強度を保ち、着用中の負荷に対して自らが破断することのな！/、材料強度を有して、るものを用いることが好まし!/、。そうした意味で、好ましくは熱融着時に強度が確保でき、また生産性を高めるために熱融着性に優れている材料を使用することが好ましい。パンツ型おむつ 10'内の環境を改善するためには、通気性のある素材のものを用いることが好ましい。また伸縮可能な不織布を用いることもできる。ォス材基材シート 25'として伸縮可能な不織布を用いることにより、ォス材基材シート 25'にも伸縮性を持たせることが可能になり、パンッ型ォムッの着用者へのフィット性をさらに高めることが可能になる。

[0046] メカ-カルファスナー 13'のメス材 20'としては、機能の面からいうと、製品として出荷される際、ォス材と係止されて必要強度を発現し、製品を使い終わる間際まで強度を保つことを可能にする素材であればよい。そのため、その材料はォス材の選択によつても変わることとなる。再係止を念頭において設計するかどうかも、メス材を選択する上で重要な基準となる。メス材 20'としては、例えば基材シート上に多数の繊維をループ状又はアーチ状に編み込んでなる編み物の他、所定の坪量や繊維の維度を備える不織布等の、公知の各種のメカ-カルファスナーのメス材を用いることができる。本第 2実施形態によれば、メス材 20'として、外層材 14'の基材シート 11 'や内層不織布 11a'をそのまま用いて所望の係止強度を発現するように設計されているので、メス材 20'の材料の軽減と、メス材 20'を取り付けるための製造工程の簡略ィ匕を容易に図ることが可能になる。

[0047] なお、本発明の他の実施形態として、例えば図 13に示すように、外層材 14'の構成材料をそのままメス材 20'として用いることなぐ腹側部 A'の側縁部 18a'の内側面に、編み物ゃ不織布等力もなるメス部材 20a'を追カ卩的に取り付けておき、このメス材としてのメス部材 20a'に、ォス材基材シート 25 'の自由部分 25b'に取り付けたォス材 19 'を係止することにより、背側部 B'の両側縁部 18b 'と腹側部 A'の両側縁部 18 a，とを接合しても良い。そのようにする場合、メス部材 20a，として材料に特徴のあるものを使用することができ、再係着を容易にしたり、係着強度を高めた設計とすることができる。

[0048] また、本第 2実施形態によれば、パンツ型おむつ 10'の背側部 B'の両側縁部 18b ' と腹側部 A'の両側縁部 18a'には、ウェスト周り弾性部材 12a '、レッダ周り弾性部材 12b'、及び胴回り弾性部材 12c'が配設されており、ォス材 19 'やメス材 20'が設けられる箇所において、弾性部材 12a' , 12b ' , 12c 'の少なくとも一部力、弾性による収縮機能が実質的に発現されな、ようになって!/、る。収縮機能を発現させな、方法としては、弾性部材 12a' , 12b ' , 12c 'の分断や、熱シールによる非機能化等を挙げることができる。

[0049] ここで、ウェスト周り弾性部材 12a，、レッダ周り弾性部材 12b，、及び胴回り弾性部材 12c'を収縮機能が発現されないようにする手段としては、上記第 1実施形態と同様に、例えば特開 2002— 253605号公報に記載の複合伸縮部材の製造方法に用いる弾性部材分断部と略同様の構成を備えるものを採用することがきる。すなわち、この弾性部材分断部は、弾性部材切断用の多数の凸部を有する加圧部を周面に備えたカットロールと、カットロールに対向配置された表面平滑なアンビルロールとからなり、これらのロールの間に、基材シート 11 'に弾性部材 12a' , 12b ' , 12c 'を伸長状態で配設した外層材 14'のウェブ 21 'を通過させると共に、ォス材 19 'やメス材 20 'が設けられる配設箇所に加圧部から加圧力を加えることにより、加圧部に設けられた多数の凸部を介して、各弾性部材 12a'， 12b ' , 12c 'を、ウェブ 21 'の損傷を実質的に抑制しつつ、当該配設箇所において連続しないように、各々複数に分断するものである。（以後、この手段を「プレカット」と記す。）また多数の凸部をカッター刃としたプレカットカッターによるプレカット手段を採用することもできる。

[0050] なお、ウェスト周り弾性部材 12a'、レッダ周り弾性部材 12b '、胴回り弾性部材 12c ' をプレカットして、ォス材 19 'やメス材 20 'が設けられる箇所で収縮機能が発現されないようにすることにより、パンツ型おむつ 10，の製造工程において、切り離し予定線 2 3 ' (図 14参照）でウェブ 21 'を切り離して、個々の製品に分割する際に、ォス材 19，やメス材 20'の配設箇所が、各弾性部材がテンションフリーになることで開放されて収縮'カールし、外観や使い易さが損なわれるのを効果的に回避することが可能になる。

[0051] また、ウェスト周り弾性部材 12a'、レッダ周り弾性部材 12b'、胴回り弾性部材 12c' を分断して非機能化した部分に隣接する箇所には、例えばホットメルト型接着剤等による、弾性部材 12a'， 12b' , 12c'の抜けを防止するための固定手段を追カ卩的に設けることが好ましい。その際、弾性部材 12a' , 12b' , 12c'に直接塗布する方法は、接着強度の向上に効果的である。

[0052] そして、背側部 B'の両側縁部 18b 'と腹側部 A'の両側縁部 18a'の内側面同士を対向配置させて、これらをォス材 19 '及びメス材 20 '力なるメカ-カルファスナー 13 ，を介して各々接合してなる本第 2実施形態のパンツ型おむつ 10'によれば、接合部において多くのメス材 20 'を用いることなぐ着用時における引っ張り力がせん断方向の引っ張り力として負荷されるようにすることが可能になって、十分な接合強度を容易且つ効率良く得ることができる。すなわち、本第 2実施形態によれば、図 10及び図 11 に示すように、帯状のォス材基材シート 25 'が、外側辺部 25a'の裏面を背側部 B'の側縁部 18b'の内側面に接合することにより、外側辺部 25a'よりも内方部分を自由部分 25b'として延設させた状態で取り付けられ、この自由部分 15b 'の表面にォス材 1 9 'が配設されており、このォス材 19 'は、腹側部 A'の側縁部 18a'の内側面に設けられたメス材 20'と係止しているので、パンツ型おむつ 10 'の装着時に、ォス材 19 'が取り付けられたォス材基材シート 25 'を、これの自由部分 25b 'を腹側部 A'の側に開かせて、着用者の腰回り部に沿って周方向に延設させることが可能になり、これによつて、 C形に折り畳まれる 2倍の長さのメス材を用いることなぐ効率良く且つ効果的に、着用時における引っ張り力がせん断方向の引っ張り力として負荷されるようすることが可能になる。

[0053] また、上述の構成を有する本第 2実施形態のパンツ型おむつ 10'は、図 12及び図 14に示すように、簡易な製造方法によって容易に形成することができる。すなわち、本第 2実施形態によれば、上述のように、従来の製造工程と同様に、液透過性の表面シート材 15' (図 9参照）と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体 16' (図 9参照）とを具備する吸収性本体 17'を間欠的に取り付けた外層材 14'のウェブ 21 'を、連続的に横流れで送り出す工程と、送り出されるウェブ 21 'を、吸収性本体 17'を内側にして流れ方向と平行な二つ折り線に沿つて折り畳んだ後に、ウェブ 21 'を個々のパンツ型おむつ 10'として切り離す工程とを含んでいる。

[0054] 一方、本第 2実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21 'を折り畳んで個々のパンツ型おむつ 10'に切り離す工程に先立って、ウェブ 21 'の背側部 B'における切り離し予定線 23 'を挟んだ両側に、切り離して形成される各パンツ型おむつ 10'の背側部 B'の両側縁部 18b'の内側面に配置して、ォス材 19'が配設されたォス材基材シート 25'を、これの外側辺部 20a'の裏面を例えばポイントシールを介して接合することにより取り付ける工程を備えている。なお、ォス材 19'とォス材基材シート 25'は別々の工程で、ウェブ 21 'の背側部 B'に供給することもできるが、一体化した後に供給することは、ォス材 19'とォス材基材シート 25'の加工精度を高めることができ、極めて効果的な方法である。

[0055] そして、ウェブ 21 'を二つ折りに折り畳んだ際に、ォス材 19'を、ウェブ 21 'の腹側部 A'における切り離し予定線 23'を挟んだ両側に設けられた、基材シート 11 'や内層不織布 11a' (図 12参照）によるメス材 20'に係止させ、切り離し予定線 23'でゥェブ 21 'を個々に切り離すことにより、背側部 B'の両側縁部 18b'と腹側部 A'の両側縁部 18a 'がメカ-カルファスナー 13，を介して各々接合された、本第 2実施形態の吸収性物品としてのパンツ型おむつ 10'が、例えばメス材を 2重に折り畳む複雑なェ程を要することなぐ従来の横流れの製造工程と略同様の簡易な工程によって、容易に形成されることになる。付けカ卩えて言うならば、ウェブ 21 'を二つ折りに折り畳んだ際、ォス材 19'とメス材 20'またはメス材 20'に相当する部分を係止させるわけである 1S その係止力を高めるために追加的な加圧手段を設けることが好ましい。追加的な加圧手段において、一対のロール間を通して加圧する場合、係止領域のみに部分的に加圧し、一対のロールのそれぞれに若干の速度差を設け、せん断方向の力を与えながら加圧することもでき、係止力の向上を図ることができる。

[0056] また、本第 2実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21 'の背側部 B'における各切り離し予定線 23，を挟んだ両側に、個々のォス材 19，を貼り付けたォス材基材シート 2 5'を、当該切り離し予定線 23'に跨って連続する一部材として取り付けておき、切り離し予定線 23'でウェブ 21 'が切断される際に、各パンツ型おむつ 10'の背側部 B' の両側縁部 18b'にォス材基材シート 25'が各々取り付けられるようにすることが好ましい。ォス材基材シート 25'にォス材 19'をツーピース貼り付けることで、背側部 B'の両側縁 18b'に隣接するォス材 (しばしばこのォス材は着用者に違和感与える）をなくすことができるとともに、単価の高いォス材の使用量を削減することでコストを抑えることができる。また、ォス材基材シート 25'を連続する一部材として取り付けることで、自由端を形成する必要のあるォス材基材シート 25'のハンドリングを容易にし、各切り離し予定線 23'を挟んだ両側にォス材 19'を各々取り付ける作業の簡略ィ匕を図ることが可能になる。このとき、ォス材基材シート 25'と外層材 14'との接合部分は、切り離し予定線 23'に重なって配置されていてもよいが、好ましくは切り離し予定線 23 'を外した両側にて接合することが好ましい。そうすることによって、切り離し予定線 23' の接合部分の硬さを抑えることができ、着用者に優し、設計とすることができる。

[0057] さらに、本第 2実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21 'の背側部 B'における各切り離し予定線 23'を挟んだ両側に取り付けられるォス材基材シート 25'の自由部分 2 5b'を仮着する工程を含めることができる。仮着というのは、ォス材基材シート 25'のォス材 19'が取り付けられた自由部分は本来ウェブ 21 'に対して接合されてはならないが、加工中に開いてめくれることによって問題を発生しないようにするために、使用時には簡単に剥がすことができる程度にウェブ 21 'に対してォス材基材シート 25 'の自由部分 25b'を接着しておくというものである。仮着を行う手段としては、ホットメルト型接着剤や、熱融着シール、圧着などの公知の手段を採用することができる。材破を伴わない程度にウェブ 21 'と仮着することが好ましい。これによつて、パンツ型おむつ 10'の製造中におけるォス材基材シート 25'の自由部分 25b'のめくれを効果的に回避することが可能になる。

[0058] なお、外層材 14'の構成材料をそのままメス材 20'として用いることなぐ編み物や不織布等力もなるメス部材 20a'を追カ卩的に取り付けてメス材とする場合には、ウェブ

21，の腹側部 A'における各切り離し予定線 23 'を挟んだ両側に、メス部材 20a'を各々取り付ける工程を含めることもできる。

[0059] また、ウェブ 21 'の背側部 B'における各切り離し予定線 23'を挟んだ両側に、前もつてォス材基材シート 25 'を取り付けた後に、これらに対して各々ォス材 19 'を後から貼り付ける工程を含めることもできる。

[0060] さらに、吸収性本体 17'を内側にして二つ折り線に沿って折り畳んだ後に、ウェブ 2

1 'を個々のパンツ型おむつ 10'として切り離す工程の前に、追加的な加圧工程を設けて、ォス材 19，とメス材 20，によるメカ-カルファスナー 13，の係着をより強固なものとすることちでさる。

[0061] さらにまた、本第 2実施形態の製造方法によれば、ウェブ 21 'の各切り離し予定線 2 3 'を挟んだ両側にォス材 19 'を各々取り付ける工程に先立って、上述のように、ォス材 19 'やメス材 20'が設けられる箇所における弾性部材 12a' , 12b' , 12c'を、予めプレカットして収縮機能が発現されな、ようにする工程を含めることが好ま、。特にメス材 20'と重なる部分、またはメス材 20'と一致する部分の外層材 14'においては、ォス材 19 'との係止を考えても、収縮機能が発現されないようにされていることが好ましい。

[0062] なお、本発明は上記第 2実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。

例えば、本発明はパンツ型おむつに限定されることなぐその他のパンツ形状を備える種々の吸収性物品に適用することができる。上述した第 2実施形態においては、吸収性本体と外層材とからなるパンツ型おむつにっ、て詳述したが、吸収性本体を備えていない形のパンツ型おむつにも適用することが可能である。また、本発明の吸収性物品は、上記第 2実施形態の製造方法によって製造されるものに限定されることなぐその他の製造方法によって製造することもでき、横流れの製造方法のみならず、縦流れの製造法によって製造されたものであっても良い。さらに、ォス材を取り付けたォス材基材シートを腹側部の側縁部に取り付け、メス材を背側部の側縁部に設けて、メカ-カルファスナーによる接合部を構成しても良い。さらにまた、使用後のパンツ型おむつを着用者から取り外す際には、メカ-カルファスナーに剥離方向の力をかければ、係止されたサイド部分を容易に剥がすことができる力その際にォス材を小さく適用して上側の部分をつまみとすることが好ましいことは、上述した。それとは違った形で、例えば図 15に示すように、腹側部 A'の側縁部 18a'に凹状に切り欠いた摘み部 24'を設けて背側部 B'の側縁部 18b'を摘みやすくすることにより、メカ-カルファスナ一による接合部の引き剥がしゃすさを向上することができる。また、仮に再接合を行う場合であっても、再接合を容易にすることもできる。さらに、本発明の吸収性物品は、上述の構成のォス材及びメス材カもなるメカ-カルファスナーによって背側部の両側縁部と腹側部の両側縁部とを接合したものの他、背側部の片側の側縁部と腹側部の片側の側縁部のみを上述のメカ-カルファスナーによって接合したものであつても良い。

産業上の利用可能性

本発明の吸収性物品及び該吸収性物品の製造方法によれば、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、これらの内側面同士を対向させた状態でォス材とメス材を配置して接合した場合でも、着用時における引っ張り力がせん断方向の引っ張り力として負荷されるようにしたメカ-カルファスナーによる接合部を、多くのメス材を用いることなく且つ簡易な製造工程で容易に形成することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体とを備え、吸収体の背側部と腹側部の側方に延出する外層材を有し、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、ォス材及びメス材カゝらなるメカ-カルファスナーを介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収

'性物品であって、

前記ォス材は、前記背側部又は腹側部の何れか一方の側縁部の内側面に取り付けられており、

前記メス材は、シート材からなり、外側辺部の裏面を、前記背側部又は腹側部の他方の側縁部の内側面に接合することにより、接合された前記外側辺部よりも内方部分を自由部分として延設させた状態で取り付けられており、

前記ォス材は、前記自由部分において前記メス材と係止して、前記背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合している吸収性物品。

[2] 前記ォス材は前記背側部の側縁部に取り付けられ、前記メス材は前記腹側部の側縁部に取り付けられる請求の範囲第 1項記載の吸収性物品。

[3] ウェスト周り弾性部材及び胴回り弾性部材を有しており、該ウェスト周り弾性部材及び月同回り弾性部材は、前記ォス材及び Zまたは前記メス材の取り付け箇所にぉ、て収縮機能が発現されないようになっている請求の範囲第 1項又は第 2項記載の吸収性物品。

[4] 請求項 1記載の吸収性物品を製造するための製造方法であって、前記吸収性物品を構成するウェブを連続的に横流れで送り出す工程と、送り出される前記ウェブを流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳んだ後に個々の吸収性物品に切り離すェ程とを含み、

前記ウェブを折り畳んで個々の吸収性物品に切り離す工程に先立って、前記ゥブの背側部、腹側部における切り離し予定線を挟んだ両側に、切り離して形成される各吸収性物品の両側縁部の内側面に配置して、前記ォス材又はメス材の何れか一方及び他方を各々取り付ける工程を備え、

前記ウェブを二つ折りに折り畳んだ際に、前記ォス材を前記メス材の自由部分に係止させ、前記切り離し予定線で前記ウェブを個々に切り離して、前記背側部の両側縁部と前記腹側部の両側縁部がメカ-カルファスナーを介して各々接合された吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法。

[5] 前記メス材は、前記切り離し予定線を挟んだ両側に跨って連続する一部材として取り付けられ、前記切り離し予定線で前記ウェブが切断される以前または切断されると同時に、各吸収性物品の前記背側部又は腹側部の両側縁部に各々取り付けられる請求の範囲第 4項記載の吸収性物品の製造方法。

[6] 前記切り離し予定線を挟んだ両側に取り付けられる前記メス材の自由部分を仮着する工程を含む請求の範囲第 4項又は第 5項記載の吸収性物品の製造方法。

[7] 液透過性の表面シート材と、液不透過性の防漏シート材と、これらのシート材の間に介在する液保持性の吸収体とを備え、吸収体の背側部と腹側部の側方に延出する外層材を有し、背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを、ォス材及びメス材カゝらなるメカ-カルファスナーを介して各々接合することにより、パンツ形状に形成される吸収

'性物品であって、

ォス材基材シートが、外側辺部の裏面を、前記背側部又は腹側部の何れか一方の側縁部の内側面に接合することにより、接合された前記外側辺部よりも内方部分を自由部分として延設させた状態で取り付けられ、該自由部分の表面に前記ォス材が配設されており、

該ォス材は、前記背側部又は腹側部の他方の側縁部の内側面に設けられた前記メス材と係止して、前記背側部の側縁部と腹側部の側縁部とを接合して!/ヽる吸収性物品。

[8] 前記ォス材が配設されたォス材基材シートは前記背側部の側縁部に取り付けられ、前記メス材は前記腹側部の側縁部に設けられる請求の範囲第 7項記載の吸収性物品。

[9] 前記メス材は、前記外層材の構成材料をそのまま用いたものである請求の範囲第 7 項又は第 8項記載の吸収性物品。

[10] ウェスト周り弾性部材及び胴回り弾性部材を有しており、該ウェスト周り弾性部材及び月同回り弾性部材は、前記ォス材及び Zまたは前記メス材が設けられる箇所にぉヽて収縮機能が発現されな、ようになって、る請求の範囲第 7項〜第 9項の、ずれかに記載の吸収性物品。

[11] 請求項 7記載の吸収性物品を製造するための製造方法であって、前記吸収性物品を構成するウェブを連続的に横流れで送り出す工程と、送り出される前記ウェブを流れ方向と平行な二つ折り線に沿って折り畳んだ後に個々の吸収性物品に切り離すェ程とを含み、

前記ウェブを折り畳んで個々の吸収性物品に切り離す工程に先立って、前記ゥブの背側部又は腹側部の何れか一方における切り離し予定線を挟んだ両側に、切り離して形成される各吸収性物品の両側縁部の内側面に配置して、前記ォス材が配設されたォス材基材シートを、これの外側辺部の裏面を接合することにより取り付ける工程を備え、

前記ウェブを二つ折りに折り畳んだ際に、前記ォス材を、前記ウェブの背側部又は腹側部の他方における切り離し予定線を挟んだ両側に設けられた前記メス材に係止させ、前記切り離し予定線で前記ウェブを個々に切り離して、前記背側部の両側縁部と前記腹側部の両側縁部がメカ-カルファスナーを介して各々接合された吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法。

[12] 前記ォス材基材シートは、前記切り離し予定線を挟んだ両側に連続する一部材として取り付けられ、前記切り離し予定線で前記ウェブが切断される以前または切断されると同時に、各吸収性物品の背側部又は腹側部の両側縁部に各々取り付けられる請求の範囲第 11項記載の吸収性物品の製造方法。

[13] 前記切り離し予定線を挟んだ両側に取り付けられる前記ォス材基材シートの自由部分を仮着する工程を含む請求の範囲第 11項又は第 12項記載の吸収性物品の製造方法。

[14] 前記ウェブの背側部又は腹側部の他方における前記切り離し予定線を挟んだ両側に、前記メス材を取り付ける工程を含む請求の範囲第 11項〜第 13項のいずれかに記載の吸収性物品の製造方法。