WO2006019051A1

WO2006019051A1 - 使い捨てパンツ

Info

Publication number: WO2006019051A1
Application number: PCT/JP2005/014828
Authority: WO
Inventors: Masaru Fujioka
Original assignee: Livedo Corporation
Priority date: 2004-08-17
Filing date: 2005-08-12
Publication date: 2006-02-23
Also published as: JP4025321B2; CN1988866A; CN1988866B; EP1779827A1; EP1779827A4; US20080154223A1; DE602005019747D1; ATE459319T1; JP2006055199A; PT1779827E; EP1779827B1; ES2338901T3

Abstract

　本発明は、付着片を使用しないときに付着片が不所望に所定箇所以外の場所に付着するのを防止できる使い捨てパンツを提供する。そして、この使い捨てパンツ（１）は、パンツ及びおむつの両機能を併有するものであり、左右の破断部（１７ａ，１７ｂ）を破断することにより、左前腹部（２ａ）及び右前腹部（２ｂ）を左右に展開できる。左前腹部（２ａ）及び右前腹部（２ｂ）には、中前腹部（２ｃ）の付着部（２３）に着脱される付着片（２２ａ，２２ｂ）が設けられる。左右の付着片（２２ａ，２２ｂ）は、付着部（２３）と付着する付着部が設けられた張出し部（２５，２６）が折り目（２９）にて肌面側に折り畳まれ、仮付されている。付着片（２２ａ，２２ｂ）を使用する際には、仮付部を引き剥がし、付着片（２２ａ，２２ｂ）を展開する。

Description

明細書

使い捨てパンツ

技術分野

[0001] 本発明は、パンツとしてもおむつとしても利用可能な使い捨てパンツに関する。

背景技術

[0002] この種の従来の使い捨てパンツとしては、特開平 5— 317356号公報に記載の技術がある。この公報に記載のパンツでは、前身頃の左右両側に切断線を設け、その切断線の部分で前身頃を切り離し可能とするとともに、前身頃及び後身頃の左右の接合部に接合された付着片を設けている。そして、切断線により前身頃を切り離した際に、左右の付着片により前身頃と後身頃との締結を行うようになっている。

[0003] し力しながら、上述の従来技術では、付着片に設けられた付着部がパンツの所定の付着箇所以外の場所や、衣服等のパンツ以外の場所に付着してしまい、取り扱い難い場合がある。

発明の開示

[0004] 本発明は、上記のような問題点を解決し、付着片を使用しないときに付着片が不所望に所定箇所以外の場所に付着するのを防止できる使い捨てパンツを提供することを目的とする。

[0005] 本発明の第 1の態様では、略環状に連なる前腹部及び後背部と、その前腹部及び後背部間に連なって設けられる股部とを備え、前記股部に吸収体が設けられ、前記前腹部における前記股部が連なる部分の左右両側に前記前腹部を破断するための左右の破断部が設けられた使、捨てパンツにぉ、て、前記前腹部の外面側における前記左右の破断部の間に位置する中間領域内の少なくとも一部に設けられた第 1 付着部と、前記前腹部における前記左右の破断部よりも左右方向外方側の部分に接合された左右の付着片と、前記左右の付着片の肌面側に設けられ、前記第 1付着部に対して着脱される第 2付着部と、を備え、前記左右の付着片に、その前記第 2付着部が設けられた部分を肌面側に折り畳むための折り目をそれぞれ設けている。

[0006] また、本発明の第 2の態様では、前記第 1の態様において、前記左右の付着片には、前記折り目にて前記付着片を肌面側に折り畳んだ状態を保持するための仮付部をそれぞれ設けている。

[0007] また、本発明の第 3の態様では、前記第 2の態様において、前記仮付部は、前記折り目にて肌面側に折り畳まれた前記左右の付着片の部分を、引き剥がし可能な強度で接合する。

[0008] また、本発明の第 4の態様では、前記第 1ないし 3のいずれかに態様において、前記前腹部の前記中間領域以外の部分及び前記後背部の腰回りの部分に、弾性伸縮手段を設ける。

[0009] そして、前記第 1の態様によれば、左右の付着片を使用しないときには、その付着片の第 2付着部が設けられた部分を折り目部分で肌面側に折り畳むことができる。このため、付着片を使用しないときに、付着片が不所望に使い捨てパンツの所定箇所以外の場所に付着したり、衣服等に付着するのを防止することができ、取り扱いやすい。

[0010] また、前記第 2の態様に記載の発明によれば、付着片を使用しないときには、仮付部により左右の付着片を折り目にて肌面側に折り畳んだ状態に確実に保持できる。

[0011] また、前記第 3の態様によれば、付着片を使用するときには、仮付部を容易に引き剥がして付着片を展開することができる。

[0012] また、前記第 4の態様によれば、使い捨てパンツの腰回りの部分を容易に伸縮させることができるため、左右の付着片を第 1付着片に付着させたまま状態で、使い捨てパンツの上げ下げを容易に行うことができる。

[0013] この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによつて、より明白となる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]本発明の一実施形態に係る使い捨てパンツの正面図である。

[図 2]図 1の使い捨てパンツの右付着片を破断した図である。

[図 3]図 1の使い捨てパンツの右破断部を破断して右前腹部を展開した状態を示す図である。

[図 4]図 3の使い捨てパンツの左破断部を破断して左前腹部を展開した状態を示す図である。

[図 5]図 4の使い捨てパンツの股部を展開した状態を示す図である。

[図 6]図 5の使い捨てパンツを図 5の反対側から見た図である。

[図 7]図 1の使い捨てパンツの C1— C1線に沿った部分の断面図である。

[図 8]図 7の一部を拡大した図である。

[図 9]図 5の使い捨てパンツの C2— C2線に沿った部分の断面図である。

[図 10]左右の付着片を中前腹部に付着させた状態を示す図である。

[図 11]左右の付着片を仮止めする仮付部の変形例を示す図である。

[図 12]左右の付着片の変形例を示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0015] く概略説明 >

図 1な、し図 10を参照して、本発明の一実施形態に係る使!、捨てパンツ 1につヽて説明する。この使い捨てパンツ 1は、図 1ないし図 10に示すように、略環状に連なる前腹部 2及び後背部 3と、その前腹部 2及び後背部 3間に連なって設けられる股部 4 とを備えて構成され、パンツとしてもおむつとしても利用可能となっている。なお、この使!ヽ捨てパンツ 1の説明にお!/ヽて、左及び右とは着用者から見て左手側及び右手側を指すものとする。

[0016] 前腹部 2及び後背部 3とは、この使い捨てパンツ 1における主に着用者の前腹部及び後背部に面する部分を指す。前腹部 2の左右の縁部と後背部 3の左右の縁部とは互いに接合され、これによつて前腹部 2と後背部 3とは略環状に連なっている。このため、使い捨てパンツ 1の左右の縁部には、前腹部 2の左右の縁部と後背部 3の左右の縁部とを接合する左サイド接合部 1 la及び右サイド接合部 1 lbが形成されて、る。このサイド接合部 11a, l ibでの接合は、接着剤、例えばホットメルト接着剤による接着と超音波溶着 (あるいは、加熱溶着）とのいずれか一方、又はその両方の併用により行われる。

[0017] 股部 4とは、この使い捨てパンツ 1における主に着用者の股部に面する部分を指し、その前股部 4a及び後股部 4bがそれぞれ前腹部 2及び後背部 3にそれぞれ連なつている。本実施形態では、股部 4の前股部 4a及び後股部 4bが前腹部 2及び後背部 3に接着剤、例えばホットメルト接着剤により接合されている。なお、変形例として、股部 4を前腹部 2及び後背部 3の一方又は両方と連続した部材により一体に形成してもよい。

[0018] このように略環状に連なった前腹部 2及び後背部 3の上縁部 12, 13によりウェスト開口部 Qが形成されている。前腹部 2の左前腹部 2aの下縁部 14a、後背部 3の左斜め下の傾斜状の縁部 15a、及び股部 4の左縁部 16aにより左脚開口部 Raが形成されている。前腹部 2の右前腹部 2bの下縁部 14b、後背部 3の右斜め下の傾斜状の縁部 15b、及び股部 4の右縁部 16bにより右脚開口部 Rbが形成されている。

[0019] <前腹部 >

前腹部 2は、図 1に示すように、全体形状としては平面視略横長矩形状であり、左前腹部 2a、右前腹部 2b、及びそれらの中間に位置する中前腹部 2cを備えている。中前腹部 2cは本発明の中間領域に相当している。左前腹部 2aと中前腹部 2cとの間には、前腹部 2を上下に縦断する左破断部 17aが形成され、右前腹部 2bと中前腹部 2cとの間には、前腹部 2を上下に縦断する右破断部 17bが形成されている。中前腹部 2cには、図 7に示すように、股部 4の前股部 4aとの接合部分 18が形成される。接合部分 18での接合は、接着剤、例えばホットメルト接着剤を用いて行われる。破断部 17a, 17bは、図 2に示すように、ミシン目により形成される。この破断部 17a, 17bを破断することにより、図 3ないし図 6に示すように、前腹部 2を破断部 17a, 17bの部分で切り離せるようになつている。ここで、破断部 17a, 17bは、図 2に示すように直線状に形成してもよ!/、し、必要に応じて曲線状に形成してもよ!/ヽ。

[0020] 左前腹部 2a及び右前腹部 2bの上縁部 12a, 12bには、ウェスト用弾性部材 19a, 19bが左右方向に伸張された状態で取り付けられている。左前腹部 2a及び右前腹部 2bの下縁部 14a, 14bには脚用弾性部材 20a, 20bが左右方向に伸張された状態で取り付けられている。左前腹部 2a及び右前腹部 2bの上縁部 12a, 12bと下縁部 14a, 14bとの間の部分には、ボディ用弾性部材 21a, 21bが左右方向に伸張された状態で取り付けられている。これらの弹'性咅材 19a, 19b, 20a, 20b, 21a, 21bの収縮，伸張により前腹部 2 (特に、左前腹部 2a及び右前腹部 2b)が着用者の腹部に沿うように柔ら力べフィットすることができる。 [0021] このような前腹部 2は、図 7に示すように、肌面側の内層シート 57と、外側の外層シート 58との間に弾性部材 19a, 19b, 20a, 20b, 21a, 2 lbを挟み込んで構成されている。

[0022] 左前腹部 2a及び右前腹部 2bの外面側における中前腹部 2c側の端部には、略シート状の左付着片 22a及び右付着片 22bが接着剤、例えばホットメルト接着剤により接合されている。この付着片 22a, 22bは、破断部 17a, 17bを破断した際に、このパンッ 1の止着のために用いられるものであり、前腹部 2の外面側において、左右の破断部 17a, 17bを跨ぐように設けられている。中前腹部 2cの外面側には、付着片 22a , 22bを付着させるための第 1付着部に相当する付着部 23が設けられている。この付着部 23は、所定の形成領域 A1内に連続的に面状に形成されている。この形成領域 A1の横幅 W1は、図 4に示すように、左右の破断部 17a, 17b間の間隔 D (すなわち、中前腹部 2cの横寸法)以下に設定され、その縦幅 W2は、付着片 22a, 22bの縦寸法 L1とほぼ等しく設定されている。

[0023] 付着片 22a, 22bは、図 4に示すように、略縦長帯状の本体部 24と、その本体部 24 力上下に二股に分かれてその自由端側に向けて延設された 2個の張出し部 25, 2 6とをそれぞれ有している。本体部 24の左右方向外方側端部は、図 7に示すように、接着剤 66、例えばホットメルト接着剤により、左前腹部 2a及び右前腹部 2bにおける破断部 17a, 17b側の端部に接合されている。

[0024] 付着片 22a, 22bの各張出し部 25, 26の中前腹部 2cに面する側の面 (肌面側）には、付着部 27, 28がそれぞれ設けられている。これらの付着部 27, 28は、第 2付着部に相当する。そして、この付着部 27, 28が中前腹部 2cに設けられた付着部 23に対して着脱自在に付着するようになって!/、る。

[0025] 付着部 23の具体例としては、表面に微細なループ構造が密に形成された不織布、織布、編み物等を有するループ材が考えられる。付着部 27, 28の具体例としては、そのループ材に着脱自在に係合する微細なフック構造が表面に密に形成されたフック材が考えられる。さらに具体的には、付着部 23としては、例えば、面ファスナーのループ材として好適に用いられる不織布、織布等を表面に有するプラスチックフィルム複合材が用いられる。付着部 27, 28としては、面ファスナーのフック材として好適に用いられる表面に密に形成されたピンを有するプラスチックフィルムが用いられる。あるいは、ループ材を別部材として中前腹部 2cに貼着するのではなぐ中前腹部 2c の外面側を表面処理してループ材 (付着部 23)として機能させるようにしてもよ!ヽ。

[0026] また、付着部 23の他の具体例としては、粘着剤との繰り返し剥離性を有するように表面処理、例えばピーロイルカ卩ェされたプラスチックフィルム等が考えられる。付着部 27, 28の他の具体例としては、繰り返し利用可能な接着剤などが考えられる。

[0027] なお、前記の付着部 23及び付着部 27, 28の前記 2つの具体例において、付着部 23側の構成と付着部 27, 28側の構成を入れ替えてもよ、。

[0028] また、本実施形態では、付着片 22a, 22bに、図 7及び図 8に示すように、その付着部 27, 28が設けられた部分 (具体的には、張出し部 25, 26)を肌面側に折り畳むための折り目 29が設けられている。そして、そのように折り畳まれた状態で、付着片 22a , 22bの折り目 29よりも自由端側の部分 (具体的には、張出し部 25, 26)の外面側が、仮付部 30によって前腹部 2 (具体的には中前腹部 2c)の外面側に仮止めされている。すなわち、張出し部 25, 26が肌面側に折り畳まれた状態で、展開したときに外面側を向く張出し部 25, 26の外面側表面と、中前腹部 2cの外面側表面とが、仮付部 3 0によって仮止めされて!、る。

[0029] この使い捨てパンツ 1は、このように張出し部 25, 26が折り畳まれて仮止めされた状態で工場から出荷されるようになって、る。

[0030] 仮付部 30としては、熱溶着、超音波溶着、又は接着剤 (例えば、ホットメルト接着剤 )による接着等の手段が用いられ、付着片 22a, 22bと中前腹部 2cとを引き剥がし可能な強度で接合する。また、仮付部 30は上下方向に沿った複数の点状接合部を形成するようにしてもよぐあるいは、上下方向に沿ったライン状の接合部を形成するようにしてもよい。また、本実施形態では、各張出し部 25, 26ごとに上下方向に延びる 2列の仮付部 30を形成してヽるが、 1列の仮付部 30を設けるようにしてもょ、。

[0031] また、付着片 22a, 22bの各張出し部 25, 26の先端部は、付着片 22a, 22bをつまみやすくするために、つまみ部 31 (図 4参照）となっている。このつまみ部 31には、付着部 27, 28は設けられていない。

[0032] このような構成により、右側の付着片 22bの折り目 29の部分をつまんで付着片 22b の仮付部 30を引き剥がし、右方向外方に引っ張ると、図 3に示すように、右破断部 1 7bが破れて、右前腹部 2bが付着片 22bと一体となって右側に展開する。この図 3〖こ示す状態では、付着片 22bの張出し部 25, 26は折り畳まれた状態であり、展開すると図 4に示す状態となる。

[0033] 同様に、左側の付着片 22aの折り目 29の部分をつまんで付着片 22aの仮付部 30 を引き剥がし、左方向外方に引っ張ると、図 4に示すように、左破断部 17aが破れて、左前腹部 2aが付着片 22aと一体となって左側に展開する。このとき、中前腹部 2cは股部 4と接合された状態に保たれ、前股部 4aの外側に残ることになる。また、図 4に示す状態では、付着片 22a, 22bの張出し部 25, 26が完全に展開されている。

[0034] このように、この使い捨てパンツ 1は、図 1に示すように、破断部 17a, 17bを破断する前の製品出荷時の状態では、前腹部 2と股部 4とが接合部分 18によって固定されている。このため、パンツとして機能し、付着片 22a, 22b等の開閉手段のない通常の使ヽ捨てパンツと同様に容易に上げ下げできるようになって!/、る。

[0035] また、この使い捨てパンツ 1がパンツ状態で着用させている場合において、後述する吸収体 43が排泄物を吸収、保持した場合には、付着片 22a, 22bの仮付部 30を引き剥がし、破断部 17a, 17bを破断して展開して、パンツ 1を着用者力も容易に取り除くことができる。この場合、着用者の衣服を脱がさなくとも、パンツ 1の取外しができる。

[0036] また、付着片 22a, 22bの仮付部 30を引き剥がして破断部 17a, 17bを破断し、前腹部 2を展開して、パンツ 1の内部の汚染状況を確認した後、付着片 22a, 22bを付着部 23に係合させて、パンツ 1を元のパンツ状態に戻すことができる。また、このパンッ 1と尿取りパット等の補助パットとを併用しているときにも、付着片 22a, 22bを着脱して補助パットの交換等を容易に行うことができる。

[0037] また、着用させる前に、パンツ 1を図 5に示す状態に展開しておいて着用者の臀部にあてがって、図 4、図 3、図 10の順に閉じてゆくことにより、このパンツ 1を通常の使い捨ておむつのように利用することもできる。この場合、着用者の衣服を脱がさなくとも、パンツ 1の着用及び取り外しができる。

[0038] <股部> 股部 4は、図 5に示すように、全体形状としては展開すると前後方向に延びる略帯状の形態を有している。この股部 4は、前股部 4a、後股部 4b、及びそれらの中間に位置する中股部 4cを備え、主に中股部 4cを中心として着用者の股間部にあてがわれる。前股部 4aは、図 5ないし図 7、及び図 9に示すように、中前腹部 2cの内面側に重ね合わされた状態で接合部分 18によって中前腹部 2cと接合されている。後股部 4 bは、図 5に示すように、後背部 3の内面側に重ね合わされた状態で後背部 3と接着固定されている。このような股部 4の左縁部 16a及び右縁部 16bには、脚用弾性部材 40a, 40bが縁部 16a, 16bの延設方向に伸張された状態で取り付けられている。

[0039] 股部 4は、透液性のトップシート 41と不透液性のバックシート 42との間に、吸収体 4 3を挟み込んで構成されている。吸収体 43は、所定の横幅を有し、中股部 4cを中心にして前後方向に帯状に広がっている。股部 4の内面側における吸収体 43の左右両側には、股部 4の延設方向に沿って延びる起立部 44a, 44bが設けられている。

[0040] 例えば、トップシート 41は透液性の不織布等により構成され、ノックシート 42は撥水性不織布等により構成される。また、吸収体 43は、例えば、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維集合層に粒状の高分子吸収体を混合した塊をテイツシュペーパーなどの紙シート又は透液性不織布シート等の被覆シートで包み、所定形状に成形されたものである。

[0041] トップシート 41及びバックシート 42の吸収体 43と重ならない部分は、互いに対向する面同士が接着剤、例えばホットメルト接着剤によって互いに接合されている。より好ましくは、図 9に示すように、トップシート 41の横幅は、吸収体 43の肌面側を覆い、かつバックシート 42の横幅よりも若干狭く設定され、トップシート 41の吸収体 43を超えて前後左右に張り出した部分力接着剤、例えばホットメルト接着剤によりバックシート 42と接合されている。ノックシート 42におけるトップシート 41の左右両側に張り出した部分の肌面側には、起立部 44a, 44bを構成する左右のサイドシート 45a, 45b力 S 接着剤、例えばホットメルト接着剤によって接合されている。

[0042] また、サイドシート 45a, 45bの前後方向の両端縁は、股部 4の前後方向の両端縁に接着剤 60、例えばホットメルト接着剤により接合されている。サイドシート 45a, 45b の左右方向内方側縁部は、前後方向に伸びる弾性部材 46を包み込むようにして、封止部 47にて熱溶着 (又は超音波溶着)等により固定されている。起立部 44a, 44b は、弾性部材 46の収縮力によりその左右方向内方側縁部が縮められ、これによつて図 9に示すように着用者の肌に押し付けられる方向に起立する。

[0043] また、本実施形態では、図 5に示すように、股部 4における前腹部 2及び後背部 3の腰回り部 3aと重なる重複部分において、左右の縁部を傾斜辺 48a, 48b, 49a, 49b とし、その横幅を前後方向の端縁側に向けて徐々に減少させている。

[0044] この傾斜辺 48a, 48bにより、使い捨てパンツ 1を上げ下げする際に、前股部 2aが引っ掛力つてめくれたり、折れ曲がったり、着用者の肌に影響を及ぼすのを防止し、スムーズに上げ下げすることができる。

[0045] また、通常、後背部 3と股部 4とが重なる領域については、後背部 3の収縮力が弱まる傾向にある。しかし、前記傾斜辺 49a, 49bによるトリム領域を形成することにより、後背部 3の伸縮部分の面積が後背部 3の上側に向けて徐々に増えてゆき、これによつて後背部 3が着用者の後背部にフィットしやすくなる。

[0046] なお、股部 4の構成の変形例として、吸収体 43をシート 41, 42の間に挟み込むのではなぐ吸収体 43をシート 42の肌面側に貼着し、シート 41を省略する構成としてもよい。あるいは、吸収体 43の前後の端部にシートを接合したものを股部 4として用いるようにしてもよく、大型の吸収体 43を用いてその吸収体 43を股部 4として用い、シート 41, 42を省略するようにしてもよい。

[0047] <後背部 >

後背部 3は、図 3ないし図 6に示すように、展開すると略矩形の左右下側の角を略斜めに切り落としたような形態を有している。この後背部 3は、着用者の背面側の腰回り部から臀部にかけた部分にあてがわれる。このため、この後背部 3は、着用者の背面側の腰回り部に主に位置する平面視略横長帯状の腰回り部 3aと、その腰回り部 3aの下側に連なり着用者の臀部に主に位置する平面視略台形状の臀部 3bとを備えている。腰回り部 3aの上縁部 13には、ウェスト用弾性部材 51が左右方向に伸張された状態で取り付けられている。腰回り部 3aのそれ以外の領域には、ボディ用弾性部材 52が左右方向に伸張された状態で取り付けられている。後背部 3の左斜め下の傾斜状の縁部 15aには、脚用弾性部材 53aが縁部 15aに沿って伸張された状態で取り付けられている。後背部 3の右斜め下の傾斜状の縁部 15bには、脚用弾性部材 53b が縁部 15bに沿って伸張された状態で取り付けられている。これらの弾性部材 51, 5 2, 53a, 53bの収縮、伸張により後背部 3が着用者の後背部及び臀部にフィットしゃすくなっている。

[0048] 特に、後背部 3の臀部 3bは、下側に向けて横幅が徐々に狭くなる構成とされているとともに、その左右の傾斜状の縁部 15a, 15bに脚用弾性部材 53a, 53bが設けられている。このため、脚用弾性部材 53a, 53bの収縮力により縁部 15a, 15bが縮められると、臀部 3bが着用者の臀部にフィットしやすくなつている。

[0049] なお、脚用弾性部材 53a, 53bは、臀部 3bの左右の傾斜状の縁部 15a, 15b及び下縁部 15cに沿って連続的に臀部 3bに取り付けられた後、少なくとも股部 4の吸収体 43と重なる部分 54 (図 6参照）について、弱化処理が施されている。弱化処理とは、その部分 54の弾性部材を切断したり、収縮力を弱める処理を行う等により、ノーテンシヨン状態とすることである。これによつて、脚用弾性部材 53a, 53bの収縮力によつて吸収体 43に不所望な歪み等が生じ、その吸収機能が低下するのが防止される。

[0050] <その他の構成及び各部の材料等 >

なお、前腹部 2に設ける左右の弾性部材 19a, 19b、弾性部材 20a, 20b及び弾性部材 21a, 21bについては、前記脚用弾性部材 53a, 53bの場合と同様に、弾性部材 20a, 20b, 21a, 21bを中前腹部 2cを介して左右方向に連続的に前腹部 2に設けた後、弾性部材 20a, 20b, 21a, 21bの中前腹部 2cに位置する部分について、弱化処理を施すのが好まヽ。

[0051] また、付着片 22a, 22bの材料構成としては、不織布、織布、編布、プラスチップ材力も適宜選択できる。中でも、スパンボンド法、エアースルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法及びエアレイド法のうちの 1つ又は複数の製法の組み合わせによって製造される不織布が好ましい。さらに、目付 30〜： LOOgZm²で、スパンボンド法若しくは、スパンボンド法とメルトブロー法とを組み合わせた SMS法により製造された不織布が強度の点から好ましい。最も好ましいのは、目付 50〜85gZm²でスパンボンド法により製造された不織布である。材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、パルプ、絹等の天然繊維カゝら適宜選択できるが、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルといった合成繊維が利用でき、中でもポリプロピレン、ポリエステル繊維を主成分とするものは強度があり、好適である。最も好ましいのは、ポリエステル繊維である。

[0052] また、弾性部材 19a, 19b, 20a, 20b, 21a, 21b, 40a, 40b, 46, 53a, 53bとしては、通常使い捨てパンツに用いられる弾性伸縮材料 (ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等)が用いられ、伸張状態でホットメルト接着剤、熱溶着、超音波溶着などの貼着手段によりパンツ 1の所定部位に貼着される。

[0053] 以上のように、本実施形態に係る使い捨てパンツ 1は、ノンッ、おむつの両機能を併有しているため、着用時の上げ下げが容易である。

[0054] また、左右の付着片 22a, 22bを使用しないときには、その付着片 22a, 22bの張出し部 25, 26を折り畳んだ工場出荷時の状態に保持しておくことにより、付着片 22a, 22bを使用しないときに、付着片 22a, 22bの付着部 27, 28が不所望に使い捨てパンッ 1の所定箇所以外の場所に付着したり、衣服等に付着するのを防止することができ、取り扱いやすい。

[0055] また、付着片 22a, 22bを使用しないときには、仮付部 30により付着片 22a, 22bを折り目 29にて肌面側に折り畳んだ状態に確実に保持できる。

[0056] また、付着片 22a, 22bを使用するときには、仮付部 30を容易に引き剥がして付着片 22a, 22bを展開することができる。

[0057] <変形例>

本実施形態の変形例として、図 11、図 12に示すものが考えられる。

[0058] 図 11に示す変形例では、仮付部 30が、付着片 22a, 22bの張出し部 25, 26の肌面側と、本体部 24の肌面側とを仮止めし、これによつて、張出し部 25, 26の折り畳み状態が保持されている。

[0059] また、図 12に示す変形例では、張出し部 25, 26を有さない付着片 22a, 22bを開示している。なお、図 12には左側の付着片 22aのみしか示されていないが、右側の付着片 22bは左側の付着片 22aと左右対称な形態を有している。この図 12の構成の場合、付着片 22a, 22bの折り目 29よりも自由端側における肌面側に付着部 27が設けられており、その付着部 27よりも先端側の部分はつまみ部 31となっている。そして、工場出荷時には、付着片 22a, 22bが折り目 29で肌面側に折り畳まれ、図 8又は図 11に示す構成とほぼ同様にして、仮付部 30によりその折り畳み状態が保持されている。

Claims

請求の範囲

[1] 略環状に連なる前腹部及び後背部と、その前腹部及び後背部間に連なって設けられる股部とを備え、前記股部に吸収体が設けられ、前記前腹部における前記股部が連なる部分の左右両側に前記前腹部を破断するための左右の破断部が設けられた使い捨てパンツであって、

前記前腹部の外面側における前記左右の破断部の間に位置する中間領域内の少なくとも一部に設けられた第 1付着部と、

前記前腹部における前記左右の破断部よりも左右方向外方側の部分に接合された左右の付着片と、

前記左右の付着片の肌面側に設けられ、前記第 1付着部に対して着脱される第 2 付着部と、

を備え、

前記左右の付着片に、その前記第 2付着部が設けられた部分を肌面側に折り畳むための折り目をそれぞれ設けていることを特徴とする使い捨てパンツ。

[2] 請求項 1に記載の使、捨てパンツにぉ、て、

前記左右の付着片には、前記折り目にて前記付着片を肌面側に折り畳んだ状態を保持するための仮付部をそれぞれ設けて、ることを特徴とする使、捨てパンツ。

[3] 請求項 2に記載の使い捨てパンツにおいて、

前記仮付部は、前記折り目にて肌面側に折り畳まれた前記左右の付着片の部分を、引き剥がし可能な強度で接合することを特徴とする使い捨てパンツ。

[4] 請求項 1な!、し 3の!、ずれかに記載の使!、捨てパンツにお!ヽて、

前記前腹部の前記中間領域以外の部分及び前記後背部の腰回りの部分に、弾性伸縮手段を設けることを特徴とする使ヽ捨てパンツ。