WO2006030748A1

WO2006030748A1 - 冷凍機油組成物

Info

Publication number: WO2006030748A1
Application number: PCT/JP2005/016781
Authority: WO
Inventors: Masato Kaneko
Original assignee: Idemitsu Kosan Co., Ltd.
Priority date: 2004-09-14
Filing date: 2005-09-12
Publication date: 2006-03-23
Also published as: KR101216805B1; US8293130B2; US20070290164A1; KR20070051898A; CN101018845A; EP1818387A1; EP1818387B1; WO2006030489A1; EP1818387A4

Abstract

　本発明は、（Ａ）ポリビニルエーテルからなる基油、（Ｂ）硫黄の含有量が３５質量％以下の有機硫黄化合物及び（Ｃ）冷媒を含有する冷凍機油組成物であって、全硫黄の含有量が（Ａ）成分と（Ｂ）成分の合計量に対し０．０１～０．１質量％である冷凍機油組成物であり、オゾン層の破壊や地球温暖化などの環境問題がなく、長期間において潤滑性能を維持でき、かつ冷凍サイクル内のキャピラリーを閉塞させることがない新規な冷凍機油組成物を提供する。

Description

冷凍機油組成物

技術分野

[0001] 本発明は、新規な冷凍機油組成物に関し、特に、長期間において潤滑性能を維持でき、かつ冷凍サイクル内のキヤピラリーを閉塞させることがな、新規な冷凍機油組成物に関する。

背景技術

[0002] 一般に、冷凍機、例えば圧縮機，凝縮器，膨張弁，蒸発器からなる圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍サイクルは、冷媒と潤滑油との混合液体がこの密閉された系内を循環する構造となっている。このような圧縮型冷凍機には、冷媒として、従来ジクロロジフルォロメタン（R— 12)やクロロジフルォロメタン (R- 22)等のクロ口フルォロカーボンが用いられており、また、それと併用する多数の潤滑油が製造され使用されてきた。従来冷媒として使用されてきたこれらのフロンィ匕合物は、大気中に放出されたときに、成層圏に存在するオゾン層を破壊するなどの環境汚染をもたらすおそれがあることから、新しい冷媒として 1 , 1 , 1 , 2—テトラフルォロェタン (R— 134a)に代表されるハイド口フルォロカーボンやフルォロカーボンなどが使用されるようになってきた。

[0003] 一方、冷凍機油組成物には極圧剤として、トリクレジルホスフェート (TCP)に代表されるリン系の添加剤が使用されていた。しカゝしながら、リン系の極圧剤は熱分解やカロ水分解、さらには摩擦面におけるトライボケミカル反応等により変質し、スラッジ化するという問題があった。また、変質し、スラッジ化することにより、リン系添加剤は消耗するため、長期間にわたる潤滑性能を維持できず、焼付、摩耗に至る場合があった。

[0004] 基油としてポリ ocォレフィン等の合成油と鉱油を混合して用い、これに有機硫黄ィ匕合物を添加し、耐熱性、耐摩耗性に優れ、温度変化に対し粘度変化が少なぐフロン溶解性に優れた性能を有する硫黄含有潤滑油が提案されている (特許文献 1)。特許文献 1によれば、このような冷凍機用潤滑油組成物においては、有機硫黄化合物の含有量が重要であり、有機硫黄化合物は、例えば基油として鉱油を用いた場合には、鉱油中に天然に存在するものであってもよいとされている。しかしながら、基油として種々の優れた特性を有するポリビニルエーテルを用いた冷凍機用潤滑油組成物においては、硫黄含有量を制御することのみでは、十分な耐摩耗性、極圧性を付与することができな力つた。

[0005] 特許文献 1：特開昭 58— 103594号公報

発明の開示

[0006] 本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、長期間にわたって潤滑性能を維持でき、かつ冷凍サイクル内のキヤピラリーを閉塞させることのな、冷凍機用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。

本発明者は、前記の特性を有する冷凍機用潤滑油組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルエーテル (PVE)を基油として用い、これに特定の有機硫黄ィ匕合物を含有させた冷凍機油力ハイド口フルォロカーボンやフルォロカーボン、炭酸ガス、アンモニア、炭化水素などの自然系冷媒を用いた場合に、長期間にわたつて潤滑性能を維持でき、かつ冷凍サイクル内のキヤピラリーを閉塞させることがなヽことを見出した。本発明は、力かる知見に基づいて完成したものである。

すなわち、本発明は、（A)ポリビニルエーテル力もなる基油、（B)硫黄の含有量が 3 5質量％以下の有機硫黄化合物及び (C)冷媒を含有する冷凍機油組成物であって、全硫黄の含有量が (A)成分と (B)成分の合計量に対し 0. 01〜0. 1質量％である冷凍機油組成物を提供するものである。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]キヤビラリ一詰まり試験機を示す図である。

符号の説明

[0008] 1.キヤビラリ一詰まり試験機

2.圧縮機

2A.圧縮機入口

2B.圧縮機出口

3.キヤビラリ一管

3A.キヤビラリ一管入口

3B.キヤビラリ一管出口 4.高温側流路

5.低温側流路

6.熱交換器

7.吐出側圧力計

8.吸入側圧力計

9.真空ポンプ接続用バルブ

10.模擬循環系

発明を実施するための最良の形態

[0009] 本発明の潤滑油組成物は、基油として (A)ポリビュルエーテルを用いる。ポリビ- ルエーテルィ匕合物としては、例えば一般式 (I)

[0010] [化 1]

R¹ R³

I I

一 (c-c) ― · · · (I)

I I

R² O (R⁴0) _kR⁵

[0011] (式中、 R¹, R²及び R³はそれぞれ水素原子又は炭素数 1〜8の炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよぐ R⁴は炭素数 1〜： LOの二価の炭化水素基、 R⁵は炭素数 1〜20の炭化水素基、 kはその平均値が 0〜10の数を示し、 Ri〜R⁵ は構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよぐまた R⁴0が複数ある場合には、複数の R⁴0は同一でも異なっていてもよい。）で表される構成単位を有するポリビニルエーテルィ匕合物が挙げられる。また、上記一般式 (I)で表される構成単位と、一般式 (Π)

[0012] [化 2] R ⁶ R ⁸

I I

一 ( c - c) 一 · · · (II)

I I

R ⁷ R ⁹

[0013] (式中、 R⁶〜R⁹は、それぞれ水素原子又は炭素数 1〜20の炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよぐまた R⁶〜R⁹は構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なって、てもよ、。 )で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体力もなるポリビニルエーテルィ匕合物も使用することができる。上記一般式 (I )における， R²及び R³はそれぞれ水素原子又は炭素数 1〜8、好ましくは 1〜4の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。ここで炭化水素基とは、具体的にはメチル基，ェチル基， n—プロピル基，イソプロピル基， n—ブチル基，イソブチル基， sec—ブチル基， tert—ブチル基，各種ペンチル基，各種へキシル基，各種へプチル基，各種ォクチル基などのアルキル基、シクロペンチル基，シクロへキシル基，各種メチルシクロへキシル基，各種ェチルシクロへキシル基，各種ジメチルシクロへキシル基などのシクロアルキル基、フエ-ル基，各種メチルフエ-ル基，各種ェチルフエニル基，各種ジメチルフヱ-ル基などのァリール基、ベンジル基 ,各種フエ-ルェチル基，各種メチルベンジル基などのァリールアルキル基を示す。なお、これらの R¹, R²及び R³としては、特に水素原子が好ましい。

[0014] 一方、一般式 (I)中の R⁴は、炭素数 1〜10、好ましくは 2〜： L0の二価の炭化水素基を示すが、ここで炭素数 1〜10の二価の炭化水素基とは、具体的にはメチレン基;ェチレン基；フエ-ルエチレン基； 1, 2—プロピレン基； 2—フエ-ルー 1, 2—プロピレン基； 1 , 3—プロピレン基；各種ブチレン基；各種ペンチレン基；各種へキシレン基；各種へプチレン基；各種オタチレン基；各種ノ-レン基；各種デシレン基の二価の脂肪族基、シクロへキサン；メチルシクロへキサン；ェチルシクロへキサン；ジメチルシクロへキサン;プロビルシクロへキサンなどの脂環式炭化水素に 2個の結合部位を有する脂環式基、各種フエ-レン基；各種メチルフヱ-レン基；各種ェチルフヱ-レン基；各種ジメチルフヱ-レン基;各種ナフチレン基などの二価の芳香族炭化水素基、トルェン；キシレン；ェチルベンゼンなどのアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有するアルキル芳香族基、キシレン；ジェチルベンゼンなどのポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族基などがある。これらの中で炭素数 2から 4の脂肪族基が特に好ましい。

[0015] なお、一般式 (I)における kは R⁴0の繰り返し数を示し、その平均値力^〜 10、好ましくは 0〜5の範囲の数である。 R⁴が複数ある場合には、複数の R⁴は同一でも異なつていてもよい。さらに、一般式 (I)における R⁵は炭素数 1〜20、好ましくは 1〜10の炭化水素基を示すが、この炭化水素基とは、具体的にはメチル基，ェチル基， n—プロピル基，イソプロピル基， n—ブチル基，イソブチル基， sec—ブチル基， tert—ブチル基，各種ペンチル基，各種へキシル基，各種へプチル基，各種ォクチル基，各種ノ-ル基，各種デシル基などのアルキル基、シクロペンチル基，シクロへキシル基，各種メチルシクロへキシル基，各種ェチルシクロへキシル基，各種プロビルシクロへキシル基，各種ジメチルシクロへキシル基などのシクロアルキル基、フエ-ル基，各種メチルフエ-ル基，各種ェチルフエ-ル基，各種ジメチルフエ-ル基，各種プロピルフエ-ル基，各種トリメチルフエ-ル基，各種ブチルフエニル基，各種ナフチル基などのァリール基、ベンジル基，各種フエ-ルェチル基，各種メチルベンジル基，各種フェ-ルプロピル基，各種フエ-ルブチル基などのァリールアルキル基などを示す。なお、該〜は構成単位毎に同一であっても異なっていてもよい。上記一般式（ I)で表されるポリビュルエーテルィ匕合物は、その炭素 Z酸素モル比が 4. 2〜7. 0の範囲にあるものが好ましい。このモル比が 4. 2以上であると吸湿性が低ぐまた 7. 0 以下であると冷媒との十分な相溶性が得られる。

[0016] 上記一般式 (II)において、 R⁶〜R⁹は、それぞれ水素原子又は炭素数 1〜20の炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、炭素数 1〜2 0の炭化水素基としては、上記一般式 (I)における R⁵の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。なお、 R⁶〜R⁹は構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよい。 [0017] 該一般式 (I)で表される構成単位と一般式 (II)で表される構成単位とを有するプロック又はランダム共重合体力なるポリビュルエーテルィ匕合物は、その炭素 Z酸素モル比が 4. 2〜7. 0の範囲にあるものが好ましく用いられる。このモル比が 4. 2以上であると吸湿性が低ぐ 7. 0以下であると冷媒との十分な相溶性が得られる。

[0018] 本発明で用いられる (A)基油としては、上記のものが好適に用いられる力これらは 1種単独で、又は 2種以上を混合して使用することができる。また、本発明で用いる (A)基油は 40°Cにおける動粘度力 3〜： L000mm²/sであることが好ましい。 3mm² Zs以上であると十分な潤滑性能が得られ、 1000mm²Zs以下であると過度の負荷がかからずに、エネルギー効率が高くなる。以上の観点から、基油の 40°Cにおける動粘度は、 5〜500mm²Zsの範囲であることが好ましぐさらには 5〜150mm²Zsの範囲であることが好ましい。

[0019] 次に、本発明では (B)成分として、硫黄の含有量が 35質量％以下である有機硫黄化合物を含有することを特徴とする。硫黄の含有量が 35質量％を超えると、変質'スラッジ化が生じる場合がある。具体的には、 1分子中に硫黄が 3個以上含有するような、ポリスルフイドはこのような危険がある。また、硫黄の含有量は 5質量％より多いことが（B)成分の添加量を低減できる点で好まヽ。

本発明で好ましく用いられる (B)有機硫黄化合物としては、脂肪族硫黄化合物、複素環式硫黄化合物、芳香族硫黄化合物等が挙げられる。

脂肪族硫黄化合物としては、炭素数が 12以上であることが好ましぐさらには 14以上、特には 18以上であることが好ましい。具体的には、ジォクチルスルフイド、ジドデシルスルフイド、ジテトラデシルスルフイド等が挙げられる。

[0020] 複素環式硫黄ィ匕合物としては、炭素数が 8以上であることが好ましぐさらには 10以上であることが好ましぐ特には炭素数が 12以上であることがより好ましい。具体的には、ベンゾチォフェン、ジベンゾチォフェン、フエノチアジン、ベンゾチアピラン、チアピラン、チアントレン、ジベンゾチアピラン、ジフエ-レンジスルフイド、及びこれらのァルキル誘導体が挙げられる。

[0021] 芳香族硫黄化合物としては、炭素数が 12以上であることが好ましぐさらに 16以上であることが好ましい。具体的には、 4, 4'ーチォビス（3—メチルー 6— tーブチルフェノール）、ジフエ-ルスルフイド、ジォクチルジフエ-ルスルフイド、ジアルキルジフエ二レンスルフイドなどが挙げられる。

[0022] その他、炭素数が 8以上である脂肪族硫黄化合物、複素環式硫黄化合物、及び芳香族硫黄ィ匕合物以外の有機硫黄ィ匕合物を用いることもでき、例えば、炭素数が 8以上、好ましくは炭素数が 10以上で、分子内に S原子を 1個以上含有する有機硫黄ィ匕合物が挙げられ、具体的には、スルフォラン、ジフエ-ルスルホキシド、ジフエニルスルフォン、チアゾール、チアゾール誘導体、チアァダマンタン、 2—チェ-ルカルピノール、チォフェン酢酸等が挙げられる。

以上の有機硫黄化合物のうち、ジフエ-レンジスルフイド、フエノチアジン、ジアルキルジフヱ-レンスルフイドが好ましく用いられる。

[0023] 本発明の冷凍機油組成物中での硫黄含有量は、 (A)成分と (B)成分の合計量を基準として、 0. 01〜0. 1質量％であることを必須とする。該硫黄含有量が 0. 01質量％以上であれば、十分な潤滑性能を達成することができ、 0. 1質量％以下であれば、変質等によるスラッジの発生を十分抑制することができる。以上の観点から、硫黄含有量は、 0. 02〜0. 05質量⁰ /₀の範囲であること力子ましく、さらには 0. 025-0. 035質量％の範囲であることが好ましい。

[0024] また、本発明の潤滑油組成物には、通常冷凍機油組成物で用いられる添加剤を配合することができ、特に、酸化防止剤、酸補足剤及び消泡剤を添加することが好ましい。

酸ィ匕防止剤としては特に制限はなぐ例えばフエノール系酸ィ匕防止剤、アミン系酸化防止剤などを使用することができる。酸捕捉剤は、冷凍機油組成物において、カロ水分解安定性を目的として配合されるもので、例えば、フエ-ルグリシジルエーテル，アルキルグリシジルエーテル，アルキレングリコールグリシジルエーテル，シクロへキセンオキサイド， aーォレフインオキサイド，エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物を挙げることができる。中でも相溶性の点でフエ-ルグリシジルエーテル，アルキルグリシジルエーテル，アルキレングリコールグリシジルエーテル，シクロへキセンォキサイド， aーォレフインオキサイドが好ましい。消泡剤としては、シリコーン油ゃフッ化シリコーン油などを挙げることができる。また、本発明の目的を阻害しない範囲で他の添加剤、例えば、ベンゾトリアゾールやその誘導体などの銅不活性化剤等を添加することができる。これらの添加剤は、それぞれ通常 0. 005〜5重量％の範囲で添カ卩される。

[0025] また、本発明の潤滑油組成物で用いられる冷媒としては、ハイド口フルォロカーボン、フルォロカーボン、炭酸ガス、炭化水素及びアンモニア力選ばれる少なくとも 1種が通常用いられる。ここで炭化水素とは通常冷媒として用いられるもので、例えばプ口パン、ブタン、これらの混合物等が挙げられる。本発明の潤滑油組成物では、特に冷媒として炭酸ガス、炭化水素及びアンモニア力選ばれる少なくとも 1種を用いることが好ましい。

冷凍機油組成物中での、これらの冷媒の含有量は通常 10〜99質量％の範囲である。 10質量％以上であれば、十分な冷凍能力を発揮することができ、 99質量％以下であると、十分な量の潤滑油が存在して、焼付や摩耗の問題がない。以上の観点から、 30〜95質量％の範囲がさらに好ましい。

[0026] 本発明の冷凍機油組成物は、種々の用途に用いることができ、例えば、空調用、冷蔵庫用、ガスヒートポンプ (GHP)用、自動販売機，ショーケースの冷凍用、カーエアコン用、給湯用、床暖房用などとして使用することができる。

実施例

[0027] 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する力本発明は、これらの例によつてなんら限定されるものではな!/、。

(評価方法）

1.シールドチューブ試験 (熱安定性）

内容積 10mlのガラスチューブに、各実施例及び比較例に記載の方法で調製した冷凍機油組成物を入れ、銅、アルミニウム、鉄の金属触媒を加えた。ガラスチューブを密閉し 175°C、 30日間保持後、冷凍機油組成物の外観、銅の外観、スラッジの有無について評価した。

2.密閉ファレックス試験 (潤滑性）

密閉式ファレックス摩擦試験機を用いて ASTM D2670に準拠して摩耗量 (mg) を求めた。なお、試験条件は、荷重 1335N、回転数 300rpm、温度 80°C、試験時間 1時間、用いたピン力 SAISIC1137、ブロックが SAE3135であった。

3.キヤビラリ一詰まり試験

図 1に示す試験機を用い、 1000時間後のキヤビラリ一流量の低下率で評価した。この試験装置 1は、特開平 11— 183334に開示されるもので、圧縮機 2と、温圧減少手段であるキヤビラリ一管 3と、圧縮機 2の吐出口 2Aおよびキヤビラリ一管 3の入口 3 Aを連通させる高温側流路 4と、キヤビラリ一管 3の出口 3Bおよび圧縮機 2の吸入口 2Bを連通させる低温側流路 5と、高温側流路 4および低温側流路 5の途中に設けられて各流路 4, 5間で冷媒同士の熱交換を行う熱交換器 6とを備え、高温側流路 4上において、圧縮機 2と熱交翻 6との間には吐出側圧力計 7が設けられ、低温側流路 5上において、熱交翻 6と圧縮機 2との間には吸入側圧力計 8が設けられ、その下流側には真空ポンプ接続用のバルブ 9が設けられている。そして、以上の構成部品により、冷凍機油を含んだ冷媒を循環させる模擬循環系 10が構成されている。試験条件としては、吸入側圧力（Ps)を 0. 4MPa、吐出側圧力（Pd)を 3. 3MPa、熱交 m«入口温度 (Td)を 110°C、熱交出口温度 (Ts)を 30°Cとした。冷媒としてはイソブタン (R600a)を用い、試料油（ (A)成分と (B)成分の合計量）と冷媒の量を 400gずつ混合して試験を実施した。

実施例 1〜8、比較例 1〜6

第 1表に示す (A)基油と (B)特定の有機化合物からなる冷凍機油を調製し、上記評価方法にて評価した。結果を第 1表に示す。

なお、ここで用いられる (A)成分及び (B)成分を示す記号は以下のものを示す。 A— 1；ポリェチルビ-ルエーテルポリイソブチルビ-ルエーテル共重合体（ポリェチルビニルエーテル：ポリイソブチルビニルエーテルのモル比；1 : 9、 40°C粘度； 68m

2 / ヽ

A— 2；ポリェチルビ-ルエーテルポリメチルビ-ルエーテル共重合体（ポリェチルビ -ルエーテル：ポリメチルビ-ルエーテルのモル比；1 : 1、 40°C粘度； 100mm²Zs) A— 3；ポリイソブチルビ-ルエーテル（40°C粘度； 10mm²Zs)

A— 4；ポリェチルビ-ルエーテル（40°C粘度； 430mm²Zs)

B— 1 ;ベンゾチォフェン (硫黄含有量 23. 9質量⁰ /₀) B ジベンゾチォフェン (硫黄含有量 17. 4質量⁰ /₀)

B ジフヱ二レンジスルフイド (硫黄含有量 29. 6質量⁰ /₀)

B- フヱノチアジン (硫黄含有量 16. 1質量⁰ /₀)

B- ジフエニルスルフイド (硫黄含有量 17. 2質量⁰ /o)

B- ジォクチルジフエニルスルフイド (硫黄含有量 7. 8質量⁰ /₀) B- ジォクチルポリスルフイド (硫黄含有量 39質量⁰ /₀) B- トリクレジルホスフェート

B- ジフニニルスルホン (硫黄含有量 14質量⁰ /₀)

[0029] [表 1] 第 1表一

[0030] [表 2] 第 1表— 2

3]

第 1表一 3

4]

第 1表一 4

産業上の利用可能性

本発明の新規な冷凍機油組成物は、オゾン層の破壊などの環境問題がなく、長期間にわたって潤滑性能を維持でき、かつ冷凍サイクル内のキヤピラリーを閉塞させることがない。従って、空調用、冷蔵庫用、ガスヒートポンプ (GHP)用、自動販売機，ショーケースなどの冷凍用、カーエアコン用、給湯用、床暖房用などとして好適に使用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] (A)ポリビュルエーテル力なる基油、（B)硫黄の含有量が 35質量％以下の有機硫黄化合物及び (C)冷媒を含有する冷凍機油組成物であって、全硫黄の含有量が (A)成分と (B)成分の合計量に対し 0. 01〜0. 1質量％である冷凍機油組成物。

[2] (A)基油の 40°Cにおける粘度が 3〜： LOOOmm²Zsである請求項 1に記載の冷凍機油組成物。

[3] (B)有機硫黄化合物が脂肪族硫黄化合物、複素環式硫黄化合物及び芳香族硫黄ィ匕合物から選ばれる少なくとも 1種である請求項 1又は 2に記載の冷凍機油組成物

[4] (B)有機硫黄化合物が少なくとも炭素数 12以上の脂肪族硫黄化合物を含む請求項 3に記載の冷凍機油組成物。

[5] (B)有機硫黄化合物が少なくとも炭素数 8以上の複素環式硫黄化合物を含む請求項 3に記載の冷凍機油組成物。

[6] (B)有機硫黄ィ匕合物が少なくとも炭素数 12以上の芳香族硫黄ィ匕合物を含む請求項 3に記載の冷凍機油組成物。

[7] (B)有機硫黄化合物が少なくとも炭素数 8以上である脂肪族硫黄化合物、複素環式硫黄化合物、及び芳香族硫黄化合物以外の有機硫黄化合物を含む請求項 1又は 2に記載の冷凍機油組成物。

[8] さらに、酸化防止剤、酸捕捉剤及び消泡剤を含有する請求項 1〜7のいずれかに記載の冷凍機油組成物。

[9] リン系極圧剤を含有しな、請求項 1〜8の、ずれか〖こ記載の冷凍機油組成物。

[10] 冷媒が炭酸ガス、炭化水素及びアンモニア力選ばれる少なくとも 1種である請求項 1〜9のいずれかに記載の冷凍機油組成物。