明 細 書
イミノキナゾリノン類の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、医薬及び農薬の製造原料又は有効成分として有用なイミノキナゾリノン 類の新規な製造方法に関する。
背景技術
[0002] 本発明に関わるイミノキナゾリノン類は相当するハロメチルフエ二ルカルバミン酸ェ ステル類を出発原料とし、ヒドラジンとの環化反応の後、アルデヒド類と反応させて製 造できることが知られている(例えば、特許文献 1参照)。また、ノ、ロメチルフエ二ルカ ルノ ミン酸エステル類はフヱ-ルカルノミン酸エステル類をハロゲン化することにより 製造できることが知られている(例えば、特許文献 2参照)。
[0003] 特許文献 1 :特開 2001— 342186号公報
特許文献 2 :特開平 10— 298156号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 本発明に関わるイミノキナゾリノン類の製造を公知の方法で実施すると出発原料と して高価なハロメチルフエ-ルカルバミン酸エステル類を使用する必要があり、工業 的に入手容易かつ安価な出発原料を用いて経済性に優れたイミノキナゾリノン類の 製造方法が求められていた。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、イミノキナゾリノン類 の製造において、工業的に入手容易かつ安価なァ-リン類を出発原料とすることを 特徴とする一連の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
[0006] 即ち、本発明は、下記一般式 (II)
(式中、 Rは同一又は異なっても良ぐハロゲン原子、シァノ基、ニトロ基、 C—Cァ
1 6 ルキル基、 c -cアルキルカルボニル基、カルボキシル基、 c -cアルコキシカル
1 6 1 6
ボニル基、ハロ C -Cアルキル基又はハロ C -Cアルコキシ基を示し、 nは 0〜4の
1 6 1 6
整数を示す。)で表されるァ-リン類と一般式 (III)
XCO R1 (III)
2
(式中、 Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、 R1は C -Cアルキル基又
1 6
はフエ-ル基を示す。)で表されるハロゲンィ匕ギ酸エステル類とを反応させ、一般式 (I V)
(式中、 R、 R1及び nは前記に同じ。)で表されるフエ-ルカルバミン酸エステル類とし 該フヱ二ルカルバミン酸エステル類を単離し又は単離せずしてラジカル開始剤の存 在下にハロゲン化剤と反応させ、一般式 (V)
(式中、 Yは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、 R、 R1及び nは前記に同じ。 )で表されるハロメチルフエ-ルカルバミン酸エステル類とし、該ハロメチルフエ-ルカ ルバミン酸エステル類を単離し又は単離せずしてヒドラジンと反応させ、一般式 (VI)
(式中、 R及び nは前記に同じ。)で表されるアミノキナゾリノン類とし、
該アミノキナゾリノン類を単離し又は単離せずして一般式 (VII)
R2CHO (VII)
(式中、 R2はフエニル基、同一又は異なっても良ぐハロゲン原子、シァノ基、ニトロ基 、 C— Cアルキル基、ハロ C— Cアルキル基、 C— Cアルコキシ基又はハロ C -
1 6 1 6 1 6 1
Cアルコキシ基から選択される一つ以上の置換基を有する置換フエニル基、 2—ピリ
6
ジル基、 3 ピリジル基、 4 ピリジル基、 2 フリル基、 3 フリル基、 2 チェ-ル基 又は 3—チェ-ル基を示す。 )で表されるアルデヒド類と反応させることを特徴とする 一般式 (I)
(式中、 R、 R2及び nは前記に同じ。)で表されるイミノキナゾリノン類の製造方法に関 するものである。
発明の効果
[0009] 本発明によれば、所望のイミノキナゾリノン類を簡便かつ安価に製造、供給すること ができる。
発明を実施するための最良の形態
[0010] 以下本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式 (I)で表されるイミノキナゾリノン類の定義において、「ハロゲン原子
」とは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子を示し、「c -cアルキル」と
1 6
は、例えばメチル、ェチル、 n—プロピル、 i—プロピル、 n—ブチル、 i—ブチル、 s— プチル、 t プチル、 n ペンチル、 n—へキシル等の直鎖又は分枝状の炭素原子数 1〜6個のアルキル基を示し、「ハロ C -Cアルキル」とは、例えばトリフルォロメチル
1 6
基、ペンタフルォロェチル基、 1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル) ェチル基、 2, 2, 2—トリフルォロ— 1— (トリフルォロメチル)ェチル基等の同一又は 異なっても良い 1以上のハロゲン原子により置換された直鎖又は分枝状の炭素原子 数 1〜6個のアルキル基を示す。
[0011] 本発明の置^ミノキナゾリノン類の製造方法を図式的に示すと、以下の通り表さ れる。
ハロゲン化剤
ラジカル閱始剤
(式中、 Y、 R、
R
2及び nは前記に同じ。 )
即ち、一般式 (II)で表されるァ-リン類と一般式 (III)で表されるハロゲンィ匕ギ酸エス テル類とを塩基の存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下に反応させることによ り、一般式(IV)で表されるフヱ-ルカルノ ミン酸エステル類とし、該フヱ-ルカルバミ ン酸エステル類を単離し又は単離せずして、不活性溶媒中、ラジカル開始剤の存在 下にハロゲン化剤と反応させることにより、一般式 (V)で表されるハロメチルフエニル 力ルバミン酸エステル類とし、該ハロメチルフエ-ルカルバミン酸エステル類を単離し 又は単離せずして、不活性溶媒の存在下又は不存在下にヒドラジンと反応させること により、一般式 (VI)で表されるアミノキナゾリン類とし、該ァミノキナゾリン類を単離し 又は単離せずして、不活性溶媒の存在下又は不存在下に一般式 (VII)で表されるァ ルデヒド類と反応させることにより、一般式 (I)で表されるイミノキナゾリノン類を製造す ることがでさる。
一般式 (II)→ 一般式 (IV)
一般式 (III)で表されるハロゲン化ギ酸エステル類としては、クロ口ギ酸メチル、クロ口 ギ酸ェチル、クロロギ酸フエ-ル、ブロモギ酸メチル、ブロモギ酸ェチル等が例示でき る。その使用量は、一般式 (II)で表されるァ-リン類に対して 0. 5当量から過剰量を 使用することができるが、好ましくは 1当量〜 3当量程度であり、より好ましくは 1当量 〜1. 5当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリ ゥム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、トリェチルァミン、ジェチルァ- リン、ピリジン等の有機塩基類が例示でき、これらの塩基は単独で又は二種以上を混 合して使用しても良い。又、これら塩基はそのまま使用しても、水溶液として使用して
も良い。塩基の使用量は、一般式 (II)で表されるァ-リン類に対して 1当量〜 10当量 程度であり、好ましくは 1当量〜 3当量程度であり、より好ましくは 1当量〜 2当量程度 である。
[0013] 本反応で使用する不活性溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであ れば良ぐ特に制限はないが、ジォキサン、テトラヒドロフラン (THF)、ターシャリーブ チルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルァ セトアミド(DMAC)、 N—メチルピロリドン等のアミド系溶媒、トルエン、キシレン、クロ 口ベンゼン等の芳香族系溶媒、酢酸ェチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、メチ ルェチルケトン、シクロへキサノン等のケトン系溶媒、クロ口ホルム、ジクロロメタン等の ハロゲンィ匕炭化水素系溶媒、水等が使用できる。これらの溶媒は単独で又は二種以 上を混合して使用することもできる。
[0014] 本反応の反応温度は 0°C〜溶媒の沸点の範囲で実施することができるが、好ましく は約 10°C〜約 200°C、より好ましくは約 10°C〜約 100°Cの範囲である。反応時間は 反応規模、反応温度によって一定しないが、 1分間〜 24時間の範囲で適宜選択す れば良い。反応終了後、 目的物を含む反応系から常法に従って単離すれば良ぐ必 要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造す ることができる。又、必要に応じて濃縮、抽出、洗浄、分液等の操作で精製することに より、単離することなく次工程へ供することができる。
[0015] 一般式 (IV)→ —般式 (V)
本反応で使用するハロゲン化剤としては、塩素、臭素、ヨウ素、塩化スルフリル、臭 化スルフリル、 N—クロロサクシミド、 N—ブロモサクシミド、 N—ョードサクシミド、 1, 3 ージクロロー 5, 5—ジメチルヒダントイン、 1, 3—ジブ口モー 5, 5—ジメチルヒダントイ ン、 1, 3—ジョードー 5, 5—ジメチルヒダントイン等が例示できる。ハロゲン化剤の使 用量は、一般式 (IV)で表されるフエ二ルカルバミン酸エステル類に対して、通常 0. 5 当量〜 3当量程度であり、好ましくは 0. 8当量〜 1. 5当量である。
[0016] 本反応で使用するラジカル開始剤としては、 2, 2'—ァゾビスイソブチ口-トリル (AI BN)、 2, 2'—ァゾビス(4—メトキシ一 2, 4—ジメチルバレ口-トリル)(AMVN)、 2, 2,—ァゾビス(2, 4—ジメチルバレ口-トリル)(ADVN)等のァゾビス系化合物、過酸
化ベンゾィル等の過酸系ラジカル開始剤、光等が例示できる。光以外のラジカル開 始剤の使用量は、一般式 (IV)で表されるフエ-ルカルバミン酸エステル類に対して、 通常 0. 002当量〜 2当量程度を用いることができ、好ましくは 0. 01当量〜 0. 05当 量程度である。これらのラジカル開始剤は単独で又は二種以上を混合して使用する ことちでさる。
[0017] 本反応で使用する不活性溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであ れば良ぐ例えば塩化メチレン、クロ口ホルム、ジクロロェタン等のハロゲン化炭化水 素系溶媒、クロ口ベンゼン、フルォロベンゼン等のハロゲンィ匕芳香族系溶媒を使用で きる。これらの溶媒は単独で又は二種以上を混合して使用することもできる。
本反応の反応温度は o°c〜溶媒の沸点の範囲で実施することができるが、好ましく は約 20°C〜約 200°C、より好ましくは約 20°C〜約 70°Cの範囲である。反応時間は 反応規模、反応温度によって一定しないが、 1分間〜 24時間の範囲で適宜選択す れば良い。反応終了後、 目的物を含む反応系から常法に従って単離すれば良ぐ必 要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造す ることができる。又、必要に応じて濃縮、抽出、洗浄、分液等で精製することにより、単 離することなく次工程へ供することができる。
[0018] 一般式 (V)→ —般式 (VI)
本反応で使用するヒドラジンとしては、無水ヒドラジン、抱水ヒドラジン、ヒドラジン塩 酸塩、ヒドラジン硫酸塩等が例示でき、無水ヒドラジン、抱水ヒドラジンはそのまま又は 水等の不活性溶媒で希釈して使用することができる。又、ヒドラジン塩酸塩、ヒドラジ ン硫酸塩等の塩はトリエチルァミン等の有機塩基類、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ ゥム、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム等の無機塩基類を加えて遊離のヒドラジンとし て使用すれば良い。ヒドラジンの使用量は、一般式 (V)で表されるハロメチルフエ- ルカルバミン酸エステル類に対して、通常 1当量〜 10当量程度を用いることができ、 好ましくは 1当量〜 5当量である。
本反応で使用する溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しな!ヽものであれば良 ぐ特に制限はないが、ジォキサン、テトラヒドロフラン (THF)、ターシャリーブチルメ チルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルァセトァ
ミド(DMAC)、 N—メチルピロリドン等のアミド系溶媒、トルエン、キシレン、クロ口ベン ゼン、フルォロベンゼン等の芳香族系溶媒、酢酸ェチル、酢酸ブチル等のエステル 系溶媒、メチルェチルケトン、シクロへキサノン等のケトン系溶媒、クロ口ホルム、ジク ロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、 2 プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が使用できる。これらの溶 媒は単独で又は二種以上を混合して使用することもできる。
[0019] 本反応の反応温度は室温力 溶媒の沸点の範囲で実施することができる力 好ま しくは約 20°C〜約 200°C、より好ましくは約 20°C〜100°Cの間である。反応時間は 反応規模、反応温度によって一定しないが、 1分間〜 24時間の範囲で適宜選択す れば良い。反応終了後、 目的物を含む反応系から常法に従って単離すれば良ぐ必 要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造す ることができる。又は、必要に応じて濃縮、抽出、洗浄、分液等で精製することにより、 単離することなく次工程へ供することができる。
[0020] 一般式 (VI)→ —般式 (I)
本反応で使用する一般式 (VII)で表されるアルデヒド類の使用量は、一般式 (VI)で 表されるアミノキナゾリノン類に対して、 0. 5当量〜 10当量用いることができ、好ましく は 0. 8当量〜 3当量である。
本反応で用いる溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであれば良く 、特に制限はないが、メタノール、エタノール、 2—プロパノール、プロパノール、ブタ ノール等のアルコール系溶媒、ジォキサン、テトラヒドロフラン (THF)、ターシャリー ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル ァセトアミド(DMAC)、 N—メチルピロリドン等のアミド系溶媒、トルエン、キシレン、ク ロロベンゼン、フルォロベンゼン等の芳香族系溶媒、酢酸ェチル、酢酸ブチル等の エステル系溶媒、メチルェチルケトン、シクロへキサノン等のケトン系溶媒、クロ口ホル ム、ジクロロメタン等のハロゲンィ匕炭化水素系溶媒、水等が使用できる。これらの溶媒 は単独で又は二種以上を混合して使用することもできる。
[0021] 反応温度は— 50°C〜使用する溶媒の沸点域で行えば良いが、好ましくは 0°C〜1 00°Cである。反応時間は反応規模、反応温度によって一定しないが、 1分間〜 24時
間の範囲で適宜選択すれば良い。反応終了後、 目的物である一般式 (I)の化合物を 単離するには、反応混合物より結晶化した後、濾過、洗浄すれば良ぐ 目的物である 一般式 (I)で表されるイミノキナゾリノン類が得られる。そのままでも十分な品質である こともあるが、必要ならば前記反応溶媒を用いて、洗浄又は再結晶等の手段で精製 することちでさる。
実施例
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ れるものではない。
実施例 1. 3—(3 ピリジノレメチリデンァミノ)ー 3, 4 ジヒドロ一 6 ペンタフノレォロ ェチルー 2 (1H)キナゾリノンの製造 (各中間体を単離せずに製造した例)
2—メチル—4 ペンタフルォロェチルァ-リン 4. 80g (21. 3ミリモル)、炭酸水素 ナトリウム 2. 52g (30. 0ミリモル)、テトラヒドロフラン 8ml及び水 2mlの混合物に室温 でクロロギ酸メチル 2. 35g (27. 8ミリモル)を攪拌しながら 3時間かけて滴下した。室 温で更に 1時間撹拌した後、酢酸ェチル 26ml及び水 10mlを加え、分液した。有機 層にクロ口ベンゼン 50mlを加え、常圧下で加温し、酢酸ェチル及びクロ口ベンゼン の混合物を約 35ml留去した。得られた 2—メチルー 4 ペンタフルォロェチルフエ- ルカルバミン酸メチルの溶液を室温まで冷却後、その溶液に 2, 2'—ァゾビス (4—メ 卜キシ— 2, 4 ジメチルバレ口-卜リル) 0. 27g (0. 88ミリモル)を加えた。 40。Cで塩 ィ匕スルフリル 3. 40g (25. 2ミリモル)を攪拌しながら滴下し、滴下終了後 40°Cで更に 1時間撹拌した。炭酸水素ナトリウム 0. 7gを水 12. 6mlに溶解した溶液を室温でカロ えた後、分液した。有機層を減圧下で濃縮し、クロ口ベンゼンを約 15ml留去して、 2 クロロメチル 4 ペンタフルォロェチルフエ-ルカルバミン酸メチルの溶液を得た 。得られた 2 クロロメチル 4 ペンタフルォロェチルフエ-ルカルバミン酸メチル の溶液を、抱水ヒドラジン 3. 12g (62. 4ミリモル)と 2 プロパノール 5mlから調整し た溶液に攪拌しながら 80°Cで滴下した。 80°Cで更に 1時間撹拌し、温水 12mlで洗 浄後、分液し、 3 アミノー 3, 4 ジヒドロ 6 ペンタフルォロェチル—2 (1H)—キ ナゾリノンの溶液を得た。得られた 3—アミノー 3, 4—ジヒドロー 6—ペンタフルォロェ チルー 2 (1H)—キナゾリノンの溶液に 2 プロパノール lmlをカ卩え、続いて 50°Cで
ニコチンアルデヒド 6. 45g (60. 2ミリモル)を攪拌しながら滴下した。 50°Cで更に 5時 間撹拌した後、析出した結晶をろ集した。得られた結晶を水 20ml及びクロ口べンゼ ン 20mlで順次洗浄して、 50°Cで乾燥し、 目的物である 3— (3 ピリジルメチリデンァ ミノ) 3, 4 ジヒドロ一 6 ペンタフルォロェチル 2 (1H)キナゾリノン 5. 92gを得 た。
収率: 75%
物性:融点 298— 300°C
実施例 2. 3— (3 ピリジルメチリデンァミノ)一 3, 4 ジヒドロ一 6 トリフルォロメト キシー 2 (1H)キナゾリノンの製造 (各中間体を単離せずに製造した例)
2—メチル—4 トリフルォロメトキシァ-リン 5. 10g (26. 7ミリモル)、炭酸水素ナト リウム 3. 31g (39. 4ミリモル)、テトラヒドロフラン 10ml及び水 4mlの混合物に室温で クロロギ酸メチル 3. OOg (31. 7ミリモル)を攪拌しながら 3時間かけて滴下した。室温 で更に 1時間撹拌した後、酢酸ェチル 40ml及び水 20mlを加え、分液した。有機層 にクロ口ベンゼン 70mlをカ卩え、常圧下で加温し、酢酸ェチル及びクロ口ベンゼンの 混合物を約 50ml留去した。得られた 2—メチルー 4 トリフルォロメトキシフエ-ルカ ルバミン酸メチルの溶液を室温まで冷却後、その溶液に 2, 2'—ァゾビス (4—メトキ シ— 2, 4 ジメチルバレ口-卜リル) 0. 28g (0. 91ミリモル)を加えた。 40。Cで塩ィ匕ス ルフリル 3. 25g(24. 1ミリモル)を攪拌しながら滴下し、滴下終了後 40°Cで更に 1時 間撹拌した。炭酸水素ナトリウム 1. lgを水 14. 3mlに溶解した溶液を室温で加えた 後、分液した。有機層を減圧下で濃縮し、クロ口ベンゼンを約 15ml留去し、 2 クロ口 メチルー 4 トリフルォロメトキシフヱ-ルカルバミン酸メチルの溶液を得た。得られた 2 クロロメチル 4 トリフルォロメトキシフエ-ルカルバミン酸メチルの溶液を、抱水 ヒドラジン 3. 51g(70. 2ミリモル)と 2 プロパノール 6mlから調整した溶液に 80°Cで 攪拌しながら滴下した。 80°Cで更に 1時間撹拌し、温水 15mlで洗浄後、分液し、 3 —ァミノ一 3, 4 ジヒドロ一 6 トリフルォロメトキシ一 2 (1H)—キナゾリノンの溶液を 得た。得られた 3 ァミノ一 3, 4 ジヒドロ一 6 トリフルォロメトキシ一 2 (1H)—キナ ゾリノンの溶液に 2 プロパノール lmlを加え、続いて 50°Cでニコチンアルデヒド 7. 1 2g (66. 5ミリモル)を攪拌しながら滴下した。 50°Cで更に 5時間撹拌した後、析出し
た結晶をろ集した。得られた結晶を水 30ml及びクロ口ベンゼン 20mlで順次洗浄して 、 50°Cで乾燥し、 目的物である 3— (3 ピリジルメチリデンァミノ)— 3, 4 ジヒドロ— 6 トリフルォロメトキシ一 2 (1H)キナゾリノン 6. 81gを得た。
収率: 76%
物性:融点 264— 266°C
[0024] 実施例 3. 2—メチノレ一 4— [1, 2, 2, 2—テトラフノレオロー 1— (トリフノレオロメチノレ) ェチル]フエ-ルカルバミン酸メチルの製造
2—メチルー 4 [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル]ァ -リン 275. Og (l. 00モル)、炭酸水素ナトリウム 101. Og (l. 20モル)、テトラヒドロ フラン 300ml及び水 300mlの混合物に、冷却下 10°Cでクロロギ酸メチル 104. Og (l . 10モル)を攪拌しながら 1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で更に 3時間撹 拌した。有機層を分液し、水層を酢酸ェチル 300mlで抽出した。有機層を合わせて 、飽和食塩水で洗浄後、減圧下で濃縮した。得られた白色結晶を n—へキサン 200 mlで洗浄して目的物 303. 2gを得た。
収率: 91%
物性:融点 68〜70°C
[0025] 実施例 4. 2 クロロメチルー 4 [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメ チル)ェチル]フエ-ルカルバミン酸メチルの製造
2—メチルー 4 [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル]フ ェ-ルカルバミン酸メチル 20. 0g (60. 0ミリモル)をクロ口ベンゼン 100mlに溶解し 3 5°Cまで昇温した。 2, 2, 一ァゾビス(4—メトキシ一 2, 4 ジメチルバレ口-トリル) 0. 7g (2. 3ミリモル)をカ卩えて 5分間撹拌した後、塩化スルフリル 9. 7g (71. 9ミリモル) を攪拌しながら 1時間力 4ナて滴下した。滴下終了後 35°Cで更に 1時間撹拌した。反 応液を水 100mlで洗浄し、次に飽和重曹水 100mlで 2回洗浄した。有機層を無水 硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去した。濃縮残渣を酢酸ェチル Zn 一へキサン混合溶媒で再結晶して目的物 17. 9gを得た。
収率: 81%
物性:融点 89°C
[0026] 実施例 5. 3 アミノー 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1— (トリ フルォロメチル)ェチル] 2 (1H)キナゾリンの製造
包水ヒドラジン 291. 5g (5. 83モノレ)を 2 プロノノーノレ 400mlにカロえ、 80°Cまで 昇温した。次に 2 クロロメチル一 4— [1, 2, 2, 2—テトラフルォ口一 1— (トリフルォ ロメチル)ェチル]フエ-ルカルバミン酸メチル 613. 7g (l. 67モル)のクロ口ベンゼン 1200ml溶液を攪拌しながら 4時間かけて滴下した。滴下終了後、 80°Cで更に 1時 間撹拌し、水 1200mlを加えた。 80°Cで更に 30分間撹拌した後、分液した。有機層 を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣に n—へキ サン 500mlをカ卩ぇ析出した結晶をろ集して目的物 530. 6gをアモルファス状固体とし て得た。
収率: 96%
物性:1 H— NMR(400MHz,溶媒 DMSO— d6, δ値)
4. 5 (s, 2H) , 4. 7 (s, 2H) , 6. 9 (d, 1H) ,
7. 4 (m, 2H) , 9. 7 (s, 1H)
[0027] 実施例 6. 3— (3 ピリジノレメチリデンァミノ)ー 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2— テトラフルォロ 1 (トリフルォロメチル)ェチル] 2 (1H)キナゾリノンの製造
3 ァミノ一 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2—テトラフルォ口一 1— (トリフルォロメ チル)ェチル] 2 (1H)キナゾリン 50. Og (151ミリモル)をテトラヒドロフラン 500mlに 溶解し、次に 40°Cでニコチンアルデヒド 19. 4g (181ミリモル)を攪拌しながら 1時間 かけて滴下した。滴下終了後、 50°Cで更に 3時間撹拌し、室温まで冷却した。析出し た結晶をろ集し、 50mlのテトラヒドロフランで洗浄して目的物 61. 5gを得た。
収率: 96. 9%
物性:融点 > 300°C
[0028] 実施例 7. 3 フエ-ルメチリデンァミノ一 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2—テトラ フルォロ 1 (トリフルォロメチル)ェチル] 2 (1H)キナゾリノンの製造
3 ァミノ一 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2—テトラフルォ口一 1— (トリフルォロメ チル)ェチル ]—2 (1H)キナゾリノン 20. 0g (60. 4ミリモル)をテトラヒドロフラン 100 mlに溶解し、次に 40°Cでべンズアルデヒド 7. 6g (71. 7ミリモル)を攪拌しながら 1時
間かけて滴下した。滴下終了後、 50°Cで更に 3時間撹拌し、室温まで冷却した。溶 媒を減圧下で留去し、残渣を n—へキサンで洗浄して目的物 20. 7gを得た。
収率: 94%
物性:1 H— NMR(400MHz,溶媒 DMSO— d6, δ値)
5. 2 (s, 2H) , 7. l (d, 1H) , 7. 4 (m, 4H) ,
7. 5 (m, 2H) , 7. 6 (m, 2H) , 7. 9 (s, 1H)
実施例 8. 3— (3 ピリジノレメチリデンァミノ)一 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2— テトラフルォロ 1— (トリフルォロメチル)ェチル]— 2 (1H)キナゾリノンの製造 (各中 間体を単離せずに製造した例)
2—メチルー 4 [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル]ァ 二リン 5. 79g (21. 0ミリモル)、炭酸水素ナトリウム 2. 20g (26. 2ミリモル)、酢酸ェチ ル 8ml及び水 2mlの混合物に室温でクロロギ酸メチル 2. 46g (26. 0ミリモル)を攪拌 しながら 3時間かけて滴下した。室温で更に 1時間撹拌した後、酢酸ェチル 6ml及び 水 10mlをカ卩え、分液した。有機層にクロ口ベンゼン 30mlをカ卩え、常圧下で加温し、 酢酸ェチル及びクロ口ベンゼンの混合物を約 20ml留去した。得られた 2—メチルー 4
[1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル]フエ-ルカルバミ ン酸メチルの溶液を室温まで冷却後、その溶液に 2, 2'ーァゾビス (4ーメトキシ 2, 4 ジメチルバレ口-トリル) 0. 25g (0. 81ミリモル)を加えた。 40°Cで塩化スルフリル 3. 18g (23. 6ミリモル)を攪拌しながら滴下し、滴下終了後 40°Cで更に 1時間撹拌 した。炭酸水素ナトリウム 0. 6gを水 11. 6mlに溶解した溶液を室温で加えた後、分 液した。有機層を減圧下で濃縮し、クロ口ベンゼンを約 10ml留去し、 2 クロロメチル 4 [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル]フエ-ルカル ノ ミン酸メチルの溶液を得た。得られた 2 クロロメチルー 4 [1, 2, 2, 2—テトラフ ルォロ 1 (トリフルォロメチル)ェチル]フエ-ルカルバミン酸メチルの溶液を抱水 ヒドラジン 2. 92g (58. 4ミリモル)と 2 プロパノール 4mlから調整した溶液に 80°Cで 攪拌しながら滴下した。 80°Cで更に 1時間撹拌し、温水 12mlで洗浄後、分液し、 3 —アミノー 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1— (トリフルォロメチ ル)ェチル ]—2 (1Η)—キナゾリノンの溶液を得た。得られた 3 アミノー 3, 4 ジヒド
ロー 6—[1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル ]—2 (1Η)— キナゾリノンの溶液に 2 プロパノール(lml)を加え、続いて 50°Cでニコチンアルデ ヒド 2. 09g (19. 5ミリモル)を攪拌しながら滴下した。 50°Cで更に 5時間撹拌した後、 析出した結晶をろ集し、水 20ml及びクロ口ベンゼン 20mlで順次洗浄して、 50°Cで 乾燥し、 目的物である 3— (3 ピリジルメチリデンァミノ)— 3, 4 ジヒドロ 6— [1, 2 , 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル ]—2 (1Η)キナゾリノン 6. 5 5gを得た。
収率: 78%
物性:融点 > 300°C
尚、本発明の製造方法で製造できる一般式 (I)で表されるイミノキナゾリン類は特開 2001— 342186号公報記載の殺虫剤の合成中間体として有用であり、キナゾリノン 環 1位をァセチルイ匕した後、イミンを還元することによって特開 2001— 342186号公 報記載の殺虫剤を製造することができる。
参考例 1. 1—ァセチルー 3— (3 ピリジルメチルァミノ) - 3, 4 ジヒドロ 6— [1 , 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル ]—2 (1Η)キナゾリノン の製造
3— (3 ピリジノレメチリデンァミノ)一 3, 4 ジヒドロ一 6— [1, 2, 2, 2—テトラフノレ オロー 1— (トリフルォロメチル)ェチル ]—2 (1H)キナゾリノン 10. 5g (25. 0ミリモル) 、水素化ナトリウム 1. 4g (35. 0ミリモル)及びジメチルァセトアミド 60mlを加え、室温 で 2時間撹拌した。無水酢酸 3. 6g (35. 0ミリモル)を室温で滴下し、更に 2時間攪拌 した。酢酸 0. 75g (12. 5ミリモル)を室温下で滴下した後、更に 10分間撹拌した。濃 硫酸 2. 3g (24. 0ミリモル)を室温下で滴下した後、更に 10分間撹拌した。次に 5% — Pd炭素 0. 23g (0. 06ミリモル)及びヨウィ匕カリウム 0. 04g (0. 24ミリモル)を加え、 室温で常圧水素下にて 4時間撹拌した。得られた反応液を 7%—炭酸水素ナトリウム 水溶液 64ml中に注ぎ込み析出した結晶をろ過した後、得られた結晶を n—ヘプタン 50mlで洗浄し 1—ァセチルー 3— (3 ピリジルメチルァミノ)—3, 4 ジヒドロ 6— [1, 2, 2, 2—テトラフルオロー 1 (トリフルォロメチル)ェチル ]—2 (1Η)キナゾリノ ン 9. 9gを得た。
収率: 94%
物性:融点 138〜139°C