WO2005120330A1

WO2005120330A1 - 硬性電子内視鏡

Info

Publication number: WO2005120330A1
Application number: PCT/JP2005/010154
Authority: WO
Inventors: Kunio Ando
Original assignee: Nisco Co., Ltd.
Priority date: 2004-06-08
Filing date: 2005-06-02
Publication date: 2005-12-22

Abstract

（課題）従来の硬性鏡の視野は挿入部の挿入方向に対して前方に限定されているものが多く観察範囲が限定されていたが、対物レンズと固体撮像素子を含む撮像手段を挿入部の先端部内に設けた硬性電子内視鏡の視野を前方、後方に広げることで、体腔内部位の診断のための観察範囲の拡大を図る。（解決手段）硬性電子内視鏡の挿入部先端部２ａ内で対物レンズと固体撮像素子を含む撮像手段３０を操作部３に設けた撮像手段用回転ノブ４等を介して回転させ、撮像手段３０の視野方向を挿入部の軸方向と一致する撮像手段の第１の位置（前方視野位置）と挿入部の軸方向に対して９０度以上後方に傾斜する第２の位置（後方視野位置）に切り換えることで前方視と後方視を可能にし、診断のための体腔内部の観察範囲が拡大できる。

Description

明細書

硬性電子内視鏡

技術分野

[0001] 本発明は、体腔内の観察方向を内視鏡本体の挿入部の挿入方向前方と、挿入方向に対して 90度以上後方とに容易に切り替えることができる硬性電子内視鏡装置に関するものである。

背景技術

[0002] 体腔内を観察しうる硬性内視鏡は、種類も多く医療の分野で広く用いられて、る。

しかし従来の硬性内視鏡は、対物レンズ、リレーレンズ、接眼レンズ等で構成されているものが多ぐさらに硬性内視鏡の挿入方向前方の体腔内部分、あるいは挿入方向側方の体腔内部分を観察するものが主で、挿入方向後方の体腔内部分を観察することができな、のが現状である。

[0003] 近年、 CCDに代表される固体撮像素子（以下 CCDと表記する）の小型化が進み、硬性内視鏡でも対物レンズと CCDを含んだ撮像手段を挿入先端部に組み込んだ硬性電子内視鏡が実用可能になってきた。

[0004] 従来体腔内を観察する硬性内視鏡は、体腔内挿入部と該揷入部の他端に設けられた接眼部力なり、挿入部の先端部内に配置された対物レンズと接眼部内に配置された接眼レンズとの間には、対物レンズによって形成された光像を接眼部に導くリレ一レンズ群が配置されており、接眼レンズを介して光像を観察するように構成されている。更にこの硬性内視鏡にはライトガイドが配置され、照明光を内視鏡本体を介して挿入部の先端にまで導入して体腔内部を照明する構造を有している。このような硬性内視鏡を使用して体腔内部の像をテレビ画像として観察する場合は、接眼レンズ部に小型テレビカメラを接続してビデオ画像ィ匕するのが一般的である。

[0005] この様な従来の硬性内視鏡では、通常の視野方向が挿入部の挿入方向に対し前方方向又は 30度程度の斜め前方方向であるものが多い。特殊な例としては、先端部にプリズムを装着し前方と側方を観察できる様にした提案もあるが後方の観察は含まれていない。特許文献 1：特開平 9— 313435号公報

特許文献 2：特開平 9 - 248276号公報

特許文献 3 :特開平 7— 327916号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 上述したように、一般的には硬性内視鏡の視野は挿入部の挿入方向前方、または斜め前方に限定されたものが多いが、このような硬性内視鏡は体腔内を直接観察できるため、医療の広い分野で用いられてきた。し力しながら、視野が挿入部の挿入方向前方または斜め前方に限定されるため、体腔内の観察部位の形状によっては視野内に捕捉できない部分が生じるため、挿入部の挿入方向に対して後方の視野を持つた硬性内視鏡の要求があつたが実現できないできた。

たとえば、直腸内部や肛門内部近傍を観察する場合は、挿入部の挿入方向に対し前方視野と後方視野が得られる硬性内視鏡は医学的観察及び診断に極めて有用である。これまでの直腸'肛門鏡は体腔内部位の像を形成するための光学系を持たず、単に被観察部位に挿入して機械的に挿入部位を広げて観察を容易にするものが広く使われているに過ぎず、医学的観察及び診断を容易にするものはな力つた。

[0007] 一方、直腸および肛門近辺に挿入してその内部を観察する直腸'肛門鏡の挿入部は、他の体腔内を観察する硬性鏡の挿入部に比べ、比較的に大きな直径 (外径）にすることが可能である。

本発明は、このような直腸'肛門鏡のような硬性内視鏡の特殊性に注目し、対物レンズと CCDを含む撮像手段を挿入部の先端部に組み込み、内視鏡の視野を前方と後方に切り替えて使用でき、体腔内の光像をテレビ画像として観察可能とする硬性電子内視鏡を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0008] 上記目的を達成するために、請求項 1に関わる発明は、体腔内に挿入される挿入部と操作部を有する内視鏡本体の挿入部先端内部に対物レンズと固体撮像素子を含む撮像手段を設けた硬性電子内視鏡にお!ヽて、撮像光軸が前記挿入部の挿入軸方向と一致する第 1の位置と前記挿入部の挿入軸方向に対して 90度以上の角を成す第 2の位置とをとりうるように前記先端部内で回転可能に構成された撮像手段と、前記第 1の位置及び前記第 2の位置のそれぞれの位置における前記撮像手段の撮像光軸と交差するように前記挿入部に設けられた開口を気密封止する光透過性カバ一部材と、前記操作部に設けられ前記撮像手段を前記第 1の位置と前記第 2の位置との間で回転させる回転操作手段とを設けたことを特徴とする。

[0009] さらに詳しく説明すると、対物レンズと固体撮像素子 (CCD)を組み合わせた撮像手段の光軸方向長さ、すなわち対物レンズの先端力 CCDの後端までの長さを限定して構成し挿入部先端部内に回転可能に設けることによって、操作部に設けた回転操作ノブ等を介して、この撮像手段をその光軸が挿入部の挿入軸方向とほぼ一致する前方視野位置と挿入部の軸方向に対し後方に傾斜した後方視野位置をとりうるように回転させることができるように構成した。すなわち、撮像手段の撮像光軸が挿入部の軸方向と一致する前方視野位置を第 1の位置とし、撮像手段の撮像光軸が挿入部の軸方向に対して 90度以上後方に傾斜した後方視野位置を第 2の位置とし、第 1の位置及び前記第 2の位置のそれぞれの位置における撮像手段の撮像光軸とほぼ直交して交差するように挿入部先端に設けられた開口を光透過性カバー部材によって気密封止された先端部内で、操作部に設けられ回転操作手段によって撮像手段を第 1の位置と第 2の位置との間で回転させることにより内視鏡の視野を前方視野と後方視野との間で選択的切り換えができるものである。本発明の硬性電子内視鏡は単一の撮像手段を使って、るので、前方及び後方への視野の切り換えが比較的簡単な切り換え機構で実現でき、さらに異なる使用位置 (前方視野位置と後方視野位置）においてもほぼ同等の画質を得ることが出来る。

[0010] 請求項 2に関わる発明は、前記第 2の位置の前記撮像手段の撮像光軸と交差する前記開口を気密封止する光透過性カバー部材は、前記撮像手段の前記第 2の位置における合焦点が前記第 1の位置における合焦点に比べ近点となる様に凸レンズ系で構成したことを特徴とする。

さらに詳しく説明すると、挿入部先端部に設けられ、撮像手段の第 1の位置に比べ第 2の位置において対物レンズから近点に焦点が合う様に、第 2の位置に撮像手段の撮像光軸とほぼ直交して交差するように挿入部に設けられた開口を気密封止する光透過性カバー部材を凸レンズ系で構成し、焦点調節機構等の付帯機構を併設することなく後方視野位置においては近接した被観察部位に焦点が合うように構成した。

[0011] 撮像手段のとり得る第 2の位置を第 1の位置に対して例えば 120度位後方に設定した場合には、後方視野内で観察できる被観察部位は撮像手段の対物レンズに力なり接近して位置する場合が想定される。このような場合、撮像手段の焦点位置を前方視野内で観察される被観察部位 (後方視野の場合に比較して対物レンズから遠方にある）に合わせた場合、対物レンズの焦点深度が十分に深くないと後方視野内の被観察部位の焦点がぼける可能性がある。この様な場合は、撮像手段に焦点調節機構を併設するのが一般的であるが、挿入部の先端部内で撮像手段を回転して視野方向を切りかえるような場合に焦点調節機構を設けることは、硬性内視鏡の構造を複雑なものとし好ましくないので、挿入部先端部に設けられ、撮像手段の第 1の位置に比べ第 2の位置において対物レンズから近点に焦点が合う様に、第 2の位置に撮像手段の撮像光軸とほぼ直交して交差するように挿入部に設けられた開口を気密封止する光透過性カバー部材を凸レンズ系で構成し、焦点調節機構等の付帯機構を併設することなく後方視野位置においては近接した被観察部位に焦点が合うように構成した。

[0012] 請求項 3にかかわる発明は、請求項 1及び請求項 2記載の電子内視鏡において、挿入部を構成する先端部と操作部の間には、少なくとも第 2の撮像位置の開口部を含む空間部を設けた構造を有することを特徴とする。

さらに詳しく説明すると、後方視を行う場合は後方視の視野を確保するためには、挿入部を構成する先端部と操作部の間には、第 2の撮像位置の開口部を含み第 1の光軸と第 2の光軸を含む面にほぼ垂直に交わる面を含めた空間部即ち凹部形状を有する空間部を設けた構造を有するように構成したことを特徴とする。

[0013] 請求項 4にかかわる発明は、請求項 1、請求項 2及び請求項 3記載の電子内視鏡において、前記撮像手段が第 1の位置及び第 2の位置にあることを検出する手段と、撮像手段が第 1の位置と第 2の位置で画像の表示を上下に反転させる手段を設けた構造を有することを特徴とする。

[0014] 請求項 5にかかわる発明は、請求項 1、請求項 2及び請求項 3記載の電子内視鏡において、前記回転可能に構成された撮像手段及び、第 1と第 2の開口を有する先端部と操作部を連結する挿入部の一部を屈曲可能な可撓性部材で構成したことを特徴とする。

[0015] 請求項 6にかかわる発明は、請求項 1,請求項 2及び請求項 3記載の電子内視鏡において、前記撮像手段を回転させる回転操作手段を電動装置で構成し、回転操作手段の電気操作部を操作部の外部に設けたことを特徴とする。

発明の効果

[0016] 本発明による硬性電子内視鏡では、内視鏡挿入部の先端部に組み込まれた撮像手段の視野は、挿入部の長さ方向と一致する前方視野と挿入部の長さ方向に対して 9 0度以上後方に傾斜した後方視野の異なる二方向に設定できる構造を持っており、撮像手段の持つ視野角との相乗作用により、前方力側方を含め後方までの非常に広い視野を持つ内視鏡が得られるので、医学的観察/診断上有用な機能を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0017] 本発明による硬性電子内視鏡では、内視鏡挿入部の先端部に組み込まれた撮像手段の視野は、挿入部の長さ方向と一致する前方視野と挿入部の長さ方向に対して 9 0度以上後方に傾斜した後方視野の異なる二方向に設定できる構造を持たせ、後方視野を確保するための空間部を設けた。また操作性を向上させるために前方視野から後方視野に視野を切替えた場合、モニター等の表示装置の画像を上下反転させる機能を持たせることが可能である。

さらに第 1と第 2の開口を有する先端部と操作部を連結する挿入部の一部を屈曲可能な可撓性部材で構成することで、患者と術者の位置関係の自由度を増すことが出来る。さらに前記撮像手段を回転させる回転操作手段をモーター等の電動装置で構成することで、回転ノブの代わりに電気操作部、たとえばスィッチのオン、オフ操作で視野方向が切替えることで操作性を向上させることが出来る。また前記電気操作部を操作部の外部に設けることで足踏みスィッチ等が使用でき全体の操作性を向上させることが可能になる。以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。以下の説明においては硬性電子内視鏡を内視鏡と簡略ィ匕して記述する。実施例 1

[0018] 図 1は本発明の実施の形態を示す内視鏡装置の概略外観図である。図中 1は内視鏡本体部を示し、内視鏡本体部 1は体腔内に挿入される挿入部 2と操作部 3から構成されている。挿入部 2の先端部 2aの内部には後述する対物レンズと CCD等の固体撮像素子とよりなる撮像手段 30 (図 2参照）が組み込まれている。この撮像手段はその光軸上近傍の一点を通り紙面に垂直な直線を回転軸（図 4の符号 37参照）として回転可能であり、操作部 3に設けられた回転ノブ 4等の回転操作手段によって、撮像手段の撮像光軸が挿入部 2の軸方向 (符号 11で示す)と一致する第 1の位置、即ち前方視野位置と、挿入部 2の軸方向に対して後方 90度以上の角を成す方向（符号 12で示す)である第 2の位置、即ち後方視野位置との間で切り替えられる。なお、 CCDからの映像信号はケーブル 5で信号処理装置 6に伝送され、所定の信号処理を行、モニター 7上に画像として表示される。符号 8は被観察部位を照明するための光源であり、この光源 8で発生された光はライトガイド 9によって内視鏡先端部に導かれ、ほぼ撮像手段の撮像光軸に沿って視野内の披観察部位観察部位を照明して、る。なお図面には表示していないが光源 8には送気装置も組み込まれており、ライトガイド 9と同一のケーブル内に組み込まれた送気チューブによって内視鏡本体の揷入部先端に設けられた送気口に空気が送られる。図中 10は送気を開閉するスィッチを示している。

[0019] 図 2ないし図 5は挿入部の先端部の内部構造を示すもので、図 2は先端部の分解斜視図、図 3は先端部の外観斜視図、図 4及び図 5はそれぞれ撮像手段の第 1の位置（前方視野位置)及び第 2の位置 (後方視野位置)を示した図 1の挿入部先端部の垂直断面図を示して!/、る。図 2は本発明による内視鏡本体の挿入部先端部構造を前方より見た図で、図 3は同じ挿入部先端部構造を後方より見た図である。なお図 2ないし図 5は本発明の内視鏡の構造を容易に理解するために同じ部分が表現を変えて書かれているので、この中で使われる符号はすべて同じ表記にしてある。

[0020] 図 2に示すように、内視鏡本体の挿入部 2の先端部 2aは、円筒状の硬性筒よりなる主構造体 20とこの主構造体 20に接続される先端開口 22が形成された先端キャップ 21とより構成される。先端キャップ 21の先端開口 22は窓ガラス 23等の光透過性部材によって気密封止されている。また先端キャップ 21には窓ガラス 23の両側に少開口 24a、 24bが形成され、該少開口 24a、 24bにはライトガイド 9から分岐したライトガイド 25a、 25bの先端部が気密状態で組み込まれている。この先端部キャップ 21は図 4に示すように主構造体 20の先端に嵌合し、気密状態で接続される構造となっている。なお、図 2で示すように、 CCDの信号を伝達する可撓性のケーブル 36が後述する撮像手段 30を構成する CCD31の後部に接続されており、このケーブル 36は撮像手段 30の回転に追従できるように余裕を持たせてある。

[0021] なお、図面が煩雑になるのを避けるために省略してある力先端部には空気を送気するチューブが設けられ図 1の送気開閉スィッチ 10によって体腔内に空気を送れる構造を有している。

[0022] 内視鏡の先端部 2aに組み込まれる撮像手段 30は、対物レンズ 32と CCD31より構成されて!/、る。この撮像手段 30の構造は図 4及び図 5に詳細に示されて、るように、対物レンズ 32と CCD31の間には、 IRカットフィルター 33が配置されている。 CCD3 1としては 6分の 1インチ等の小型のものを使うことで撮像手段 30を外径が略 18ないし 20mmの先端部 2a内で容易に回転させることができる大きさに構成することが出来る。なお図中 34は CCD31に接合されたカバーガラスを示し、 35は CCD31の撮像面を示している。

[0023] この撮像手段 30は、図 2で示すように、先端部主構造体 20内部に固定された撮像手段保持部材 40及び 41に設けられた軸穴 42及び 43にそれぞれ装着された回転軸 44及び 45を介して、撮像手段に設けられた軸受け 37 (撮像手段の両側に設けられている）を中心に回転自在に取り付けられている。撮像手段 30は、その片側に内視鏡の操作部 3 (図 1参照）に設けられた回転ノブ 4とワイヤー 46等で連結された回転ホィール 47が固定ネジ 48a及び 48bによって一体的に取り付けられおり、操作部 3の回転ノブ 4を操作することによって回転軸 44及び 45の中心線を回転中心として図 2 中矢印 49の方向に回転することができる。

[0024] さらに詳しくは、撮像手段 30は図 4中実線で示す第 1の位置、即ち前方視野位置と同図中点線で示す第二の位置 30a、即ち後方視野位置との間で回転可能である。第一の位置である前方視野位置においては、撮像手段 30の撮像光軸 11が挿入部 2の挿入軸方向を取り、第二の位置である後方視野位置においては、撮像手段 30の撮像光軸 12は挿入部 2の挿入軸方向に対して 90度以上の後方角度を取るよう設定されている。

[0025] 図 3、図 4に示された様に、挿入部 2の先端部 2aには、撮像手段 30が第二の位置 30 aに在るときの撮像光軸 12とほぼ直交して交差する開口 26を有する傾斜面 38が形成されており、この開口 26は窓ガラス 27等の光透過性部材によって気密封止されている。後方視野を確保するためには、挿入部を構成する先端部と操作部の間には、少なくとも第 2の撮像位置の開口 26を含む空間部を設ける必要があるが、さらに後方視の広い視野を確保するためには、挿入部を構成する先端部と操作部の間には、第 2の撮像位置の開口 26を含み第 1の光軸と第 2の光軸を含む面にほぼ垂直に交わる面 39を含めた空間部、即ち凹部形状を有する空間部を設けた構造を持たすことが有効である。

[0026] 更にこの傾斜面 38には図 3で示す窓ガラス 27の両側に少開口 28a、 28bが形成され、該少開口 28a、 28bには後述する様にライトガイド 9から分岐したライトガイドの先端部 29a、 29bが気密状態で組み込まれている。

図 2及び図 3から明らかなように、ライトガイド 9は少なくとも挿入部 2の先端部内において前方視野照明用と後方視野照明用に分岐しており、各分岐ライトガイドは更にその先端部分において各窓ガラスの両側に分岐されて配置されているが、構造上は各窓ガラスの片側のみでも十分に機能を発揮出来る。

[0027] 以上説明したように、本発明によれば直腸'肛門用等の比較的直径の大きな挿入部を有する内視鏡の挿入部先端部内に小型の撮像手段を組み込み、この内視鏡の視野方向を挿入部の挿入軸方向に対して前方と後方とに切り換ることで体腔内の観察範囲が飛躍的に拡大されることで観察、診断への有用性を著しく増すことができる

[0028] なおこの様に視野方向を挿入部の挿入軸方向に対して前方と後方とに切り換る場合、対物レンズと CCDを含んだ撮像手段の上下が逆転するので、観察用のモニター 7で見た場合不自然に感じる場合がある。この場合、撮像手段の第 1の位置と第 2の位置をマイクロスィッチ又は光電スィッチ等で検出する手段を組み込み、信号処理装置 6内に撮像手段の第 1の位置と第 2の位置に対応して切り替わる画像の上下反転回路を組み込んでおくことで、画像信号を上下反転させて見ることができる。

[0029] 一般に硬性鏡は挿入部と操作部が直線上にあるため、患者と術者の相対的な位置が制約されるので、観察部位によっては術者に負担を強いることが多い。本発明のような電子硬性内視鏡では、先端部と操作部はケーブル等可撓性部材で連結出来るので挿入部と操作部の方向を任意に変えることが可能になり、患者と術者の相対的な位置を自由に変えることも可能になり患者と術者の負担を軽減することが可能になる。たとえば内視鏡先端部と操作部の間を、図 1の挿入部 2の破断線で示された近傍を屈曲可能な可撓性部材で構成することで内視鏡の操作性の自由度を増すことができ内視鏡の操作性をよくすることが出来る。

実施例 2

[0030] 実施例 1で説明したように、本発明による内視鏡はその視野方向を挿入部の挿入軸方向に対して前方と後方とに切り換ることができる。内視鏡を肛門より直腸方向に挿入した場合、後方視野方向で観察される被観察部位の位置は、前方視野で観察される被観察部位の位置よりも撮像手段の対物レンズに近い場所にある場合が多ぐ対物レンズの被写界深度が浅い場合には、前方視野内と後方視野内の被観察部位を共に焦点の合った鮮明な像として観察することが困難な場合が多い。この様な場合には、対物レンズの焦点位置調整を行うのが一般的であるが、本発明による内視鏡のように、内視鏡の先端部内で対物レンズと CCDを含む撮像手段を回転させる構造の場合、このような焦点調節機構を組み込むのは構造が複雑になり好ましくない。

[0031] 第 2の実施例では、この様に異なる 2つの方向に視野を切り換えて使用できる内視鏡において、撮像手段のそれぞれの視野方向位置において焦点位置を変更する構造を提示するものである。

[0032] 図 5は、図 4で示した挿入部 2の先端部 2aの傾斜面 38に形成された開口 26を気密封止する窓ガラス 27等の光透過性部材を正のパワーを持つ凸レンズ系 27aで構成したものである。対物レンズの前に凸レンズを配置すると、凸レンズは近接撮影の機能を持つので複雑な機構を持たずに、容易に近ヽ位置にある被観察部位を焦点の合った鮮明な像として観察することができる。 [0033] 以上述べた実施例では、いずれの場合も挿入部の挿入方向に対して後方を観察する場合、撮像手段の第 2の位置に対応する開口は先端部の外径より内部になければならない。即ち挿入部を構成する先端部と操作部の間には、第 2の撮像位置の開口部を含み第 1の光軸と第 2の光軸を含む平面にほぼ垂直に交わる面を含めた空間部（図 2参照)を設けた構造を持たせることが重要である。従来の内視鏡では、先端部と操作部の間にこの様な空間を持たせる発想が無力たため、前方視と後方視を切替えて見るものが無力つた。

[0034] 上記実施例では撮像手段 30を回転駆動する手段を機械的な回転伝達機構として説明したが、先端部又は操作部内に小型モーター等の電気的な駆動手段を組み込み操作部から電気的な信号を送り撮像手段を回転させることもできる。

このように電気的な駆動手段を用いた場合は、回転操作手段の電気操作部を操作部の外部に設けることはきわめて容易で内視鏡の機能が拡張できる。

[0035] さらに本発明は、例えば 1/10インチサイズの CCDを用いるといったように、超小型撮像素子と超小型対物レンズを用いた撮像部を用いることで先端部は細くすることが可能になり、一般の内視鏡用途にも拡張できる。

図面の簡単な説明

[0036] [図 1]本発明の硬性電子内視鏡装置の全体構成を示す概略説明図である。

[図 2]本発明の一実施例の形態に係わる硬性電子内視鏡の挿入部の先端部内構造を示す斜視図である。

[図 3]図 2に示す先端部を後方より見た斜視図である。

[図 4]図 2に示す挿入部の先端内部構造を示す断面図である。

[図 5]本発明の他の実施例の形態に係わる硬性電子内視鏡の挿入部の先端部内構造を示す断面図である。

符号の説明

[0037] 1 内視鏡本体部

2 挿入部

2a 先端部

3 操作部回転ノブ信号処理装置モニター光源ライトガイド、主構造体先端キャップ窓ガラス窓ガラス撮像手段 CCD

対物レンズワイヤー回転ホイ一ノレ

Claims

請求の範囲

[1] 体腔内に挿入される挿入部と操作部を有する内視鏡本体の挿入部先端内部に対物レンズと固体撮像素子を含む撮像手段を設けた硬性電子内視鏡にお!ヽて、撮像光軸が前記挿入部の挿入軸方向と一致する第 1の位置と前記挿入部の挿入軸方向に対して 90度以上の角を成す第 2の位置とをとりうるように前記先端部内で回転可能に構成された撮像手段と、前記第 1の位置及び前記第 2の位置のそれぞれの位置における前記撮像手段の撮像光軸と交差するように前記挿入部に設けられた開口を気密封止する光透過性カバー部材と、前記操作部に設けられ前記撮像手段を前記第 1 の位置と前記第 2の位置との間で回転させる回転操作手段とを設けたことを特徴とした硬性電子内視鏡。

[2] 前記第 2の位置の前記撮像手段の撮像光軸と交差する前記開口を気密封止する光透過性カバー部材は、前記撮像手段の前記第 2の位置における合焦点が前記第 1 の位置における合焦点に比べ近点となる様に凸レンズ系で構成したことを特徴とする請求項 1記載の硬性電子内視鏡。

[3] 挿入部を構成する先端部と操作部の間には、少なくとも第 2の撮像位置の開口部を含む空間部を設けた構造を有することを特徴とする請求項 1及び請求項 2記載の硬性電子内視鏡。

[4] 前記撮像手段が第 1の位置及び第 2の位置にあることを検出する手段と、撮像手段が第 1の位置と第 2の位置で画像の表示を上下に反転させる手段を設けた構造を有することを特徴とする請求項 1及び 2記載の硬性電子内視鏡。

[5] 前記回転可能に構成された撮像手段及び、第 1と第 2の開口を有する先端部と操作部を連結する挿入部の一部を屈曲可能な可撓性部材で構成したことを特徴とする請求項 1、請求項 2、請求項 3及び請求項 4記載の硬性電子内視鏡。

[6] 前記撮像手段を回転させる回転操作手段を電動装置で構成し、回転操作手段の電気操作部を操作部の外部に設けたことを特徴とした請求項 1,請求項 2、請求項 3, 請求項 4及び請求項 5記載の硬性電子内視鏡。