WO2005116463A1 - 防音有歯ケーブル - Google Patents

Abstract

　　【課題】　導管との間に発生する騒音が小さく、そして、その使用負荷が小さく、かつ、その製造が容易な防音有歯ケーブルを提供する。 　　【解決手段】　金属素線からなるコア１１とそのコア１１の外周面に形成される歯条１２とからなる有歯ケーブル１３と、その有歯ケーブル１３の外周に設けられたチューブ状の樹脂コート１４と構成されており、前記樹脂コートの凹部１８とコア１１との間に空間２０を有し、前記樹脂コートの凸部１９と歯条１２とが当接しており、歯条１２の間に位置する樹脂コートの凹部１８の凹み量が０．１～０．５ｍｍである防音有歯ケーブル１０。

Description

明 細 書

防音有歯ケーブル

技術分野

[0001] 本発明は防音有歯ケーブルに関する。

背景技術

[0002] 特許文献 1：特開昭 56— 105109号公報

特許文献 2：実公昭 58 - 29324号公報

特許文献 3：実開昭 55— 170519号公報

特許文献 4：実公昭 58 - 13169号公報

特許文献 5：実公昭 58— 13171号公報

[0003] 従来、コイルの周りに歯条が形成された有歯ケーブルは自動車用のウィンドレギュ レーターおよび自動車用のサンルーフ開閉装置などに用いられている。しかし、これ らの有歯ケーブルは導管との摺動の際、騒音を発生するため、使用時に起こる導管 との騒音が小さぐかつ、耐久性の高い防音有歯ケーブルが求められており、様々な ものが開発されている。

特許文献 1には、有歯ケーブルの外周に押出成形によって合成樹脂被覆した防音 有歯ケーブルが開示されている。またこのものは、合成樹脂被膜と有歯ケーブルとの 間を押出成形の際、部分的に真空にすることにより、合成樹脂被膜を有歯ケーブル に押圧させている。

特許文献 2にはコアの外周に軟質合成樹脂または軟質ゴムを被覆し、その上から 金属素線力 なる歯条を、被覆が歯条より外方に突出するように巻かれた防音有歯 ケーブルが開示されている。

特許文献 3には有歯ケーブルの外周面を適当に締め付ける軟質合成樹脂または 軟質ゴム力もなる弾性チューブが被せられた防音有歯ケーブルが開示されている。 また、この特許文献 3には、この弾性チューブを有歯ケーブルの歯条に接着又は融 着して固定してもよ ヽと記載されて 、る。

特許文献 4には、有歯ケーブルの歯条の間に、弾性部材が歯条の外側面より外方 に突出するように巻かれている防音有歯ケーブルを開示されており、特許文献 5には 、有歯ケーブルの歯条の間に、繊維部材が歯条の外側面より外方に突出するように 巻かれて!/ヽる防音有歯ケーブルを開示されて！ヽる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 本発明は使用者等のさらなる要望に応えるベぐ従来の防音有歯ケーブルより導管 との間に発生する騒音が小さぐそして、その使用負荷が小さぐかつ、その製造が 容易な防音有歯ケーブルを提供することを技術的課題とする。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明の防音有歯ケーブル (請求項 1)は、複数の金属素線力 なるコアとそのコ ァの外周面に金属素線を等間隔に螺旋巻きした歯条とからなる有歯ケーブルと、そ の有歯ケーブル外周に押出成形によって設けられた、凹凸を有するチューブ状の榭 脂コートとからなり、前記榭脂コートの凹部とコアとの間に空間を有し、前記榭脂コ一 トの凸部と歯条とが当接しており、前記歯条の間に位置する前記榭脂コートの凹部の 凹み量が 0. 1〜0. 5mmであることを特徴としている。

このような防音有歯ケーブルであって、前記榭脂コートの ASTM D790の曲げ弹 性率が 150〜 1300MPaであるものが好まし!/ヽ（請求項 2)。

本発明の防音有歯ケーブルの第 2の態様 (請求項 3)は、複数の金属素線からなる コアと、そのコアの外周面に金属素線を等間隔に螺旋巻きした歯条と、その周りに形 成された保護コートとからなる有歯ケーブルと、その有歯ケーブル外周に押出成形に よって設けられた、凹凸を有するチューブ状の榭脂コートとからなり、前記榭脂コート の凹部と保護コートとの間に空間を有し、前記榭脂コートの凸部と保護コートとが当 接して 、ることを特徴として!/、る。

上述した!/、ずれか記載の防音有歯ケーブルであって、前記榭脂コートの外周面に シリコーン層が設けられて 、るものが好まし ヽ (請求項 4)。

本発明の防音有歯ケーブルの製造方法 (請求項 5)は、複数の金属素線からなるコ ァとそのコアの外周面に等間隔に螺旋巻きした金属素線力もなる歯条とからなる有 歯ケーブルを形成し、この有歯ケーブルを予備加熱し、その後、バキュームを行わず 押出成形によって、凹凸を有するチューブ状の榭脂コートを有歯ケーブルの外周に 形成することを特徴としている。そのときの歯条間にある榭脂コートの凹部の凹み量 が 0. 1〜0. 5mmとなるように形成するのが好ましい（請求項 6)。

本発明の防音有歯ケーブルの製造方法の第 2の態様 (請求項 7)は、複数の金属 素線力もなるコアとそのコアの外周面に等間隔に螺旋巻きした金属素線力もなる歯 条とからなる有歯ケーブルを形成し、この有歯ケーブルを予備加熱し、その後、バキ ユームを行いながら押出成形によって、凹凸を有する保護コートを有歯ケーブルの外 周に歯条に密接させるように形成し、その後、予備加熱しながらバキュームを行わず 押出成形によって凹凸を有する榭脂コートを保護コートの外周に形成することを特徴 とする。

上述した!/、ずれかの製法にお!、て、前記榭脂コートの外周にシリコーンを塗布して もよい (請求項 8)。

発明の効果

本発明の防音有歯ケーブル (請求項 1)は、歯条の間に位置する凹部の凹み量が 0 . 1〜0. 5mmである榭脂コートを有しているため、有歯ケーブルの歯条との密接性 力 ぐ金属パイプ、導管等との摩擦が小さく騒音が小さい。そしてこの榭脂コートは 押出成形によって設けられているため、凹み量および弾性率の均一なものを成形す ることができる。また形成が容易であり、防音有歯ケーブルの生産コストを抑えること ができる。さらに、凹凸を有する榭脂コートの凸部と歯条とが当接し、凹部と有歯ケー ブルのコアとの間に空間を残すようにして形成されているため、ピ-オン等の嚙合具 としつ力り嚙み合うことができ、動力のエネルギーを効率よく防音有歯ケーブルに伝 えることができる。

このような防音有歯ケーブルであって、前記榭脂コートの ASTM D790による曲 げ弾性率が 150〜1300MPaの場合、ケーブルとして柔軟性があり、防音性も優れ ており、また、榭脂コートの耐久性も優れている（請求項 2)。

本発明の防音有歯ケーブルの第 2の態様 (請求項 3)は、有歯ケーブルが保護コー トを備えているため、有歯ケーブルと榭脂コートとの間の密接性が高い。また、金属 素線は保護コートおよび榭脂コートによって覆われているため、防音有歯ケーブルと して耐久性が高い。

上述したいずれか記載の防音有歯ケーブルであって、その榭脂コートの外周面に シリコーン層が設けられている場合、金属パイプ、導管などとの摩擦がさらに小さくな り、騒音をより小さくすることができる（請求項 4)。

本発明の防音有歯ケーブルの製造方法 (請求項 5)は、有歯ケーブルを形成した 後、この有歯ケーブルを予備加熱するため、その後に形成される凹凸を有する榭脂 コートとの密着性を高めることができる。また、凹凸を有する榭脂コートはバキューム 無しの押出成形によって形成されるため、榭脂コートに肉厚を持たせることができ、さ らに、弾性または柔軟性のある榭脂コートを形成することができる。これにより、ピ-ォ ン等の嚙合具との嚙み合いを確保することができる。

前記ケーブルの予備加熱については電熱炉ゃ高周波加熱炉を通すことにより行え るが、その温度条件は、使用する榭脂材料及び榭脂コートの形成後に行う冷却温度 により最適条件は随時変わる。前記榭脂コートの凹部の凹み量が 0. 1〜0. 5mmと なるように形成する場合、榭脂コートの有歯ケーブルの密着性を高くしつつ、チュー ブ状に形成しやすい (請求項 6)。予備加熱が不十分で凹部の凹み量が 0. 1mmより 小さい場合、充分な密着性が得られない。また、予備加熱が高く凹部の凹み量が 0. 5mmより大きい場合は、金属パイプ、導管等との摺動音が高くなる。

本発明の防音有歯ケーブルの製造方法の第 2の態様 (請求項 7)、複数の金属素 線力もなるコアとそのコアの外周面に等間隔に螺旋巻きした金属素線力もなる歯条と 力 なる有歯ケーブルを形成し、この有歯ケーブルを予備加熱し、その後、バキュー ムを行いながら押出成形によって、凹凸を有する保護コートを有歯ケーブルの外周 に歯条に密接させるように形成し、その後、予備加熱しながらバキュームを行わず押 出成形によって凹凸を有する榭脂コートを保護コートの外周に形成するため、導管と の間に発生する摺動音が小さぐ耐久性に優れているインナーケーブルを比較的容 易に製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

次に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図 laは本発明の防音有歯ケ 一ブルの一実施形態を示す断面側面図、図 lbは図 laの X—X線断面図、図 2aは本 発明の防音有歯ケーブルの他の実施形態を示す断面側面図、図 2bは図 2aの X— X 線断面図、図 3aは本発明の防音有歯ケーブルのさらに他の実施形態を示す断面側 面図、図 3bは図 3aの X— X線断面図、図 4は本発明の防音有歯ケーブルのさらに他 の実施形態を示す断面側面図、図 5は本発明の防音有歯ケーブルの騒音の測定法 を示す概略図である。

[0008] 図 1の防音有歯ケーブル 10は、金属素線からなるコア 11とそのコア 11の外周面に 形成される歯条 12とからなる有歯ケーブル 13と、その有歯ケーブル 13の外周に設 けられたチューブ状の榭脂コート 14とで構成されている。

コア 11は、 1本の金属素線力 なる心線 15と、その周囲に 4本の金属素線を螺旋 巻きにして形成する第 1巻き線層 16と、さらに、その周隨こ 6本の金属素線を逆向き に螺旋巻きにして形成する第 2巻き線層 17とからなり、そして、その径が 2. 5〜2. 7 mmとなるように形成されて!ヽる（図 lb参照）。

歯条 12は、金属素線をコアの外周に 2. 4〜2. 6mmの隙間をあけるように螺旋卷 きすることによって形成されている。これにより外径が 4. 5〜4. 8mmの有歯ケーブル を形成している。

榭脂コート 14は、歯条 12に沿って凹凸を有するチューブであり、その肉厚は 0. 1 〜0. 3mmであり、その凹部 18の凹み量は 0. 1〜0. 5mmである（符号 Z参照）。ま た、榭脂コート 14の凸部 19は歯条 12と当接し、榭脂コート 14の凹部 18とコア 11との 間には空間 20が設けられている。このような榭脂コート 14の材料として、ナイロン榭 脂、ポリエステル榭脂、ポリウレタン榭脂、ポリオレフイン榭脂等の柔軟性または弾性 を有する摩擦係数の小さい合成樹脂が挙げられ、その中でもポリエステル系のエラス トマ一が好ましい。また、ナイロン榭脂などは可塑剤を配合し、さらに柔軟性を増して ちょい。

[0009] このような防音有歯ケーブル 10は次のようにして製造される。有歯ケーブル 13を撚 り合わせた後、有歯ケーブル 13を 50〜150°Cまで予備加熱する。この後、バキュー ムを行うことなく押出成形 (チュービング成形)を行うことにより合成樹脂材料を有歯ケ 一ブル 13の外周にチューブ状に形成する。

ここで押出成形の前に有歯ケーブル 13を予備加熱することにより、有歯ケーブル（ 歯条 12)と榭脂コート 14との間の密着性を高める。予備加熱が小さい場合、有歯ケ 一ブルと榭脂コートとの間の密着性を十分確保できず、予備加熱が大きい場合、押 出成形によるチュービングがうまくいかない。これらの温度は特に限定されるものでは なぐ榭脂コートの材料によって温度を適宜決められる。

また、この押出成形のときにバキュームを行わないことにより、榭脂コート 14の肉厚 を確保することができ、有歯ケーブルのコアと榭脂コートの間の空間 20を設けること ができる。さらに、柔軟性または弾性のある榭脂コート 14を形成することができる。

[0010] このように製造された防音有歯ケーブル 10は次のように用いられる。モータなどに 取り付けられているピ-オンまたはラックの歯と防音有歯ケーブルの歯条とが嚙み合 い、ピ-オンの回転に応じて防音有歯ケーブルはその軸方向に移動する。また、防 音有歯ケーブルは、ウィンドレギユレータまたはサンルーフ開閉装置に用いられるとき は導管に挿入されて使用される。

そして防音有歯ケーブル 10は、有歯ケーブル 13と榭脂コ一ト 14との間の空間 20 に設けられるように柔軟性または弾性を有した榭脂コート 14を形成することにより、ピ 二オン等の歯と防音有歯ケーブル 10の凹凸 18、 19 (または歯条 12)とがしつかり嚙 み合う。また、有歯ケーブル 13と榭脂コート 14との間の密着性が榭脂コートの凸部 1 9において高いため、榭脂コート 14が有歯ケーブル 13から脱落したり、ずれたり、破 れたりするおそれが小さぐ耐久性が高い。さらに、榭脂コート 14を設けているため、 導管との摩擦が小さぐ摺動抵抗が小さぐ騒音が小さい。つまり、動力のエネルギー を効率よく防音有歯ケーブル 10に変換することができる。

[0011] 図 2に示す防音有歯ケーブル 30は図 1の防音有歯ケーブル 10の外周にシリコーン 層 31を設けたものである。これにより、この防音有歯ケーブル 30の外周面と金属パイ プ、導管などの内周面との摩擦を一層小さくすることができ、防音有歯ケーブルの作 動に伴なう騒音を一層小さくすることができる。

このようなシリコーン層 31は、図 1の防音有歯ケーブル 10の外周にシリコーンエマ ルジョンを塗布し、乾燥させることにより得ることができる。シリコーンェマルジヨンとし ては、低重合度シリコーンェマルジヨンゃァミノ変性シリコーンェマルジヨン等が挙げ られる。 [0012] 図 3に示す防音有歯ケーブル 40は、コア 41が 7本の金属素線力 なる 1 X 7構造の 芯ストランドの周りに、さらに 12本の金属素線を平行撚りに撚り合わせることによって 形成されるウォーリントン型の W (19)構造のものである。他の構成は図 1と同じもので あり、この心線の外周に歯条 12を巻き、榭脂コート 14を形成したものである。このコア 41を用いることにより、より強度が高い防音有歯ケーブルを得ることができる。

実施の形態ではコアの構成として 2種類のものを開示した力 本発明におけるコア の構造はこれらに限定されるものではなぐ金属素線による撚り線であれば構わない

[0013] 図 4に示す防音有歯ケーブル 50は、有歯ケーブル 51が保護コート 52を備えたもの であり、この有歯ケーブル 51の外周面上に榭脂コート 53を形成したものである。他の 構成は図 1の防音有歯ケーブル 10と実質的に同じものである。

保護コート 52は、有歯ケーブル 51と密接している。また、この保護コート 52と榭脂 コート 53とは榭脂コートの凸部 55で融着しており、凹部 54で分かれている。また、凹 部 54の凹み量は 0. 1〜0. 5mmである。これにより、図 1の防音有歯ケーブル 10と 同様に保護コート 52と榭脂コート 53との間に空間 56が形成される。このような保護コ ート 52の材質は特に、限定されないが榭脂コート 53と同じ材質にすることにより、保 護コート 52と榭脂コート 53との融着による密着性を一層高めることができる。

[0014] このような防音有歯ケーブル 50は、次のように製造することができる。図 1の防音有 歯ケーブルのように金属素線を撚り合わせ有歯ケーブルを形成する。この有歯ケー ブルに予熱を与え、その有歯ケーブルの外周に保護コート 52をバキュームしながら 押出成形により形成する。これにより、保護コートが密接した有歯ケーブル 51が得ら れる。その後、この保護コートを備えた有歯ケーブル 51を保護コート材料の融点付近 の温度まで予熱しながら、榭脂コートの押出成形をバキュームせずに行い防音有歯 ケーブル 50を得る。この方法により得られた防音有歯ケーブルは、その歯条と歯条 の間の凹部 54では保護コート 52と榭脂コート 53との間が分かれており、空間 56が形 成される。そして、歯条の凸部 55では保護コート 52と榭脂コート 53とが融着する。 防音有歯ケーブル 50では、榭脂コートと保護コートとを歯条部位において融着させ たが、密接させるだけでもよい。この場合も、保護コートと榭脂コートとの材質をそれ ぞれの間の摩擦力が大きくなるように選択することにより、保護コートと榭脂コートの 密着性を高めることができる。上述の防音有歯ケーブルは、ウィンドレギュレーター、 サンルーフの開閉装置あるいは天井窓やサイドウィンドウ用のサンシェードの開閉装 置に用いられる。

実施例

[実施例 1]

図 1を参照して、外径 0. 73mmの金属鋼線からなる心線 15と、その周囲に外径 0. 36mm金属鋼線 4本を螺旋巻きにして形成する第 1巻き線層 16と、さらにその周囲 に外径 0. 6mmの金属鋼線 6本を逆向きに螺旋巻きにして形成する第 2巻き線層 17 と力もなるコア 11を外径が 2. 6mmとなるように形成した。次に外径 1. 2mmの金属 鋼線を 2. 54mmの隙間があくように螺旋状に巻いて歯条 12を形成し、外径が 4. 65 mmとなるように有歯ケーブルを形成した。この有歯ケーブルを予熱しながら、外周に ASTM D790による曲げ弾性率が 340MPaである PA12系エラストマ一の合成榭 脂コート 14を押出成形により凹部 18の凹み量が 0. 1mmとなるように形成して、径が 5. Ommである実施例 1の防音有歯ケーブルを得た。

[実施例 2]

実施例 1で得られた有歯ケーブルを予熱しながら、外周に曲げ弾性率が 880MPa の可塑剤入りナイロン 11の合成樹脂コート 14を押出成形により凹部 18の凹み量が 0 . 2mmとなるように形成して、その後、シリコーンェマルジヨンを塗布し、径が 5. Omm である実施例 2の防音有歯ケーブルを得た。

[実施例 3]

合成樹脂コート 14を曲げ弾性率力 94MPaの TPEEに変更し、凹部 18の凹み量 が 0. 2mmとなるようにした以外は実施例 1と同じ方法により径が 5. Ommである実施 例 3の防音有歯ケーブルを得た。

[実施例 4]

合成樹脂コート 14を曲げ弾性率が 60MPaのォレフイン系エラストマ一に変更し、 凹部 18の凹み量が 0. 2となるようにした以外は実施例 1と同じ方法により径が 5. Om mである実施例 4の防音有歯ケーブルを得た。 [0016] [比較例 1]

実施例 1と同じ方法で有歯ケーブルを形成し、その外周に接着剤をデイツビングに より塗布した上で、静電植毛により植毛し、比較例 1の防音有歯ケーブルを得た。

[比較例 2]

実施例 1と同じ方法で有歯ケーブルを形成し、歯条の間に曲げ弾性率が 1200MP aの PA12力らなる外径 1. 35mm,内径 1. 05mmのナイロンチューブを卷いて、比 較例 2の防音有歯ケーブルを得た。

[比較例 3]

有歯ケーブルに与える予熱を大きくし、榭脂コートの凹み量が 0. 55mmとなるよう に大きくした以外は実施例 3と同じ方法により比較例 3の防音有歯ケーブルを得た。

[0017] 実施例 1、 2、 3、 4および比較例 1、 2、 3で得られた防音有歯ケーブルを図 5に示す ように配索した。防音有歯ケーブル 61の一端をルーフリツド 60と固定する。そして、 他端側をモータ 63のピ-オン（図示せず）と嚙み合わせた。ルーフリツド 60とモータ 6 3との間において、防音有歯ケーブル 61は、パイプ (導管） 62によって支持されてい る。また、パイプ 62の内径は 5. 3mmである。この防音有歯ケーブル 61をモータ 63 を用いて左右に移動させる。これによりルーフリツド 60は矢印 Yに沿って移動する。ま た、モータ直下 300mmと L側コーナー直下 300mmの位置に騒音計 64を設置し、 サンルーフリツド 60の移動に伴う騒音およびその作動電流を測定した。またその状態 で図 5に示す条件で耐久試験を行った。また、モータ 63には常時エア冷房によりク 一リングが行われている。なお、符号 65はデータレコーダである。その結果を表 1に 示す。

[0018] [表 1] 凹み盘 曲げ弾性率 作動音 作動' ¾流 耐久結果

0 . 1 ni m 3 4 0 M P a 5 4 d b 3 . 0 A c

【) . 2 m m 8 8 0 M 1^J a 5 8 d b 2 . O A

施例 ϋ . 2 m m 4 9 4 M P a 5 9 d b 2 . 0 A 〇

実施例 4 0 · 2 m 6 0 P a 6 0 d b 3 . 0 Λ X

比校例 1 6 1 d b 2 . 5 Λ O

比救例 2 1 2 0 M P 6 3 d b 3 . 5 A

比較例 3 0 . 5 5 m m 4 4 P a 6 1 d b 3 . O A 〇

〇:作動に異常なし

Δ：作動はするが性能低下著 、

X：コートが剥がれにより作動停止

[0019] 表 1に示すように実施例 1〜4は、その作動電流を 3. OA以下に抑え、かつ、作動 音を 60db以下に抑えることができた。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]図 laは本発明の防音有歯ケーブルの一実施形態を示す断面側面図であり、 図 lbは図 laの X— X線断面図である。

[図 2]図 2aは本発明の防音有歯ケーブルの他の実施形態を示す断面側面図であり、 図 2bは図 2aの X— X線断面図である。

[図 3]図 3aは本発明の防音有歯ケーブルのさらに他の実施形態を示す断面側面図 であり、図 3bは図 3aの X— X線断面図である。

[図 4]本発明の防音有歯ケーブルのさらに他の実施形態を示す断面側面図である。

[図 5]本発明の防音有歯ケーブルの騒音の測定法を示す概略図である。

符号の説明

[0021] 10 防音有歯ケーブル

11 コア

12 歯条

13 有歯ケーブル 榭脂コート 心線

第 1巻き線層 第 2巻き線層 榭脂コートの凹部 榭脂コートの凸部 空間

防音有歯ケーブル シリコーン層 防音有歯ケーブル コア

防音有歯ケーブル 有歯ケーブル 保護コート 榭脂コート 榭脂コートの凹部 榭脂コートの凸部 空間

ルーフリツド 防音有歯ケーブル パイプ

モータ

騒曰 B†

データレコーダ

Claims

請求の範囲

[1] 複数の金属素線力 なるコアとそのコアの外周面に金属素線を等間隔に螺旋巻きし た歯条とからなる有歯ケーブルと、

その有歯ケーブル外周に押出成形によって設けられた、凹凸を有するチューブ状の 榭脂コートとからなり、

前記榭脂コートの凹部とコアとの間に空間を有し、

前記榭脂コートの凸部と歯条とが当接しており、

前記歯条の間に位置する前記榭脂コートの凹部の凹み量が 0. 1〜0. 5mmである 防音有歯ケーブル。

[2] 前記榭脂コートの ASTM D790による曲げ弾性率が 150〜1300MPaである請求 項 1記載の防音有歯ケーブル。

[3] 複数の金属素線力 なるコアと、そのコアの外周面に金属素線を等間隔に螺旋巻き した歯条と、その周りに形成された保護コートとからなる有歯ケーブルと、 その有歯ケーブル外周に押出成形によって設けられた、凹凸を有するチューブ状の 榭脂コートとからなり、

前記榭脂コートの凹部と保護コートとの間に空間を有し、

前記榭脂コートの凸部と保護コートとが当接している防音有歯ケーブル。

[4] 前記榭脂コートの外周面にシリコーン層が設けられた請求項 1または 3記載の防音有 困ケープノレ。

[5] 複数の金属素線力もなるコアとそのコアの外周面に等間隔に螺旋巻きした金属素線 からなる歯条とからなる有歯ケーブルを形成し、

この有歯ケーブルを予備加熱し、

その後、バキュームを行わず押出成形によって、凹凸を有するチューブ状の榭脂コ 一トを有歯ケーブルの外周に形成する防音有歯ケーブルの製法。

[6] 歯条の間に位置する前記榭脂コートの凹部の凹み量が 0. 1〜0. 5mmとなるように 形成する請求項 5記載の製法。

[7] 複数の金属素線力もなるコアとそのコアの外周面に等間隔に螺旋巻きした金属素線 からなる歯条とからなる有歯ケーブルを形成し、 この有歯ケーブルを予備加熱し、

その後、バキュームを行いながら押出成形によって、凹凸を有する保護コートを有歯 ケーブルの外周に歯条に密接させるように形成し、

その後、予備加熱しながらバキュームを行わず押出成形によって凹凸を有する榭脂 コートを保護コートの外周に形成する防音有歯ケーブルの製法。

前記榭脂コートの外周にシリコーンを塗布する請求項 6または 7記載の製法。