JP2021068574A - 耐屈曲絶縁電線 - Google Patents

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杉本 裕昭
Hiroaki Sugimoto
裕昭 杉本
毅安 中山
Takeyasu Nakayama
毅安 中山
田中 大介
Daisuke Tanaka
大介 田中
誠 宮下
Makoto Miyashita
誠 宮下
裕一 仲條
Yuichi Nakajo
裕一 仲條
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Abstract

【課題】屈曲性に優れるとともに軽量化が図られ、特に自動車用配線として好適な耐屈曲絶縁電線を提供する。【解決手段】繊維芯1と、繊維芯1の外周に設けられた複数本の金属素線3を撚ってなる撚線導体2と、撚線導体2の外周に設けられた絶縁体4とを有し、絶縁体4を、ショア硬さ(Dスケール)が55以上であるように構成して上記課題を解決する。絶縁体4は、ナイロン12、ポリエステルエラストマー、又は、ETFE、FEP若しくはPFA等のフッ素樹脂であることが好ましく、絶縁体4の厚さは撚線導体2の外径の10〜30%の範囲内であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、耐屈曲絶縁電線に関する。さらに詳しくは、本発明は、屈曲性に優れるとともに軽量化が図られ、特に自動車用配線として好適な耐屈曲絶縁電線に関する。
近年、自動車、産業ロボット、電気機器、熱機器等では、その高性能化とともに配線箇所が多くなっている。それらの配線に使用される電線に対しては、要求される信頼性も高まっている。さらに、省エネルギーとコンパクト化の要請から、電線自体の軽量化も要求されている。
こうした要求に対し、例えば特許文献1には、アラミド系繊維束又は紐を中心としてその周りに銅素線を配置した撚り線を圧縮加工し、熱処理を行ったハーネス用電線導体が提案されている。また、特許文献2には、架空送電線に関するものであるが、中心部にアラミド繊維、ガラス繊維などのテンションメンバーを配置し、その外側に複数本の軟銅素線の撚り合わせからなる撚線導体を設け、その外側に絶縁被覆を施した絶縁電線が提案されている。また、特許文献3には、最大伸びが10%以上に形成された銅又は銅合金からなる中心線の周囲に、その最大伸びが10%以上の有機繊維を複数本撚り合わせた構造を有し、銅又は銅合金に対する有機繊維の重量比と太さの断面積を規定したワイヤーハーネス用細径電線が提案されている。
特許文献4には、機械的強度、耐熱性、耐油性、柔軟性に優れるとともに、層間が良好に接着されている絶縁電線等が提案されている。この絶縁電線等は、フッ素ゴムと無機充填剤とが配合されたフッ素ゴム混和物からなる第一層と、放射線架橋性フッ素樹脂からなる第二層とからなり、上記無機充填剤が含水ケイ酸アルミニウム及び含水ケイ酸マグネシウムを含有し、上記第一層と上記第二層とが、接着処理を施されることなく接着しているとともに、上記第一層及び上記第二層がともに架橋されている。
特開2008−91214号公報 特開平4−138616号公報 特開2003−123542号公報 特開2011−18634号公報
上記従来技術の各電線は、中心に繊維を設け、その外周に金属素線を設け、さらにその外周に絶縁体を設けている。しかし、これら電線は、繊維の一部が金属素線の間からはみ出しやすく、電線の外観が悪くなりやすい。また、繊維には水分やオイルが付着することがあり、繊維に付着した水分等は、金属素線の外周に絶縁体を設ける際に絶縁体の発泡や肌荒れを引き起こす原因となる。電線の外観悪化、絶縁体の発泡や肌荒れは、局部的な不均一性を生じさせ、耐屈曲寿命が低下する原因となっていた。
また、特許文献1では、絶縁体を被覆する際に繊維芯が押出樹脂と接触するため、繊維芯が熱影響を受けてしまい、繊維芯としての機能を発揮できないことがある。こうした現象は、押出温度が高い場合に顕著に発生しやすく、耐屈曲寿命が低下する原因となる。
また、特許文献4では、フッ素ゴムと無機充填剤とが配合されたフッ素ゴム混和物からなる第一層が厚くなってしまい、絶縁電線の外径が太くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。その目的は、屈曲性に優れるとともに軽量化が図られ、特に自動車用配線として好適な耐屈曲絶縁電線を提供することにある。
本発明に係る耐屈曲絶縁電線は、繊維芯と、該繊維芯の外周に設けられた複数本の金属素線を撚ってなる撚線導体と、該撚線導体の外周に設けられた絶縁体とを有し、前記絶縁体は、ショア硬さ(Dスケール)が55以上である、ことを特徴とする。
撚線導体の表面の凹凸は絶縁体の表面に浮き出て、浮き出た凹凸が断線の起点となりやすい。この発明によれば、耐屈曲絶縁電線の表面がショア硬さ55以上の硬い絶縁体で構成されているので、絶縁体の表面への凹凸の浮き上がりを防止することができる。その結果、屈曲時に応力が加わっても、浮き出た凹凸を起点とした断線が引き起こされることを防ぐことができ、耐屈曲性の良い絶縁電線とすることができる。
本発明に係る耐屈曲絶縁電線において、前記絶縁体が、ナイロン12、ポリエステルエラストマー、又は、ETFE、FEP若しくはPFA等のフッ素樹脂である。
本発明に係る耐屈曲絶縁電線において、前記絶縁体の厚さが、前記撚線導体の外径の10〜30%の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る耐屈曲絶縁電線において、前記撚線導体の外径が、1.6mm以下であることが好ましい。
本発明によれば、屈曲性に優れるとともに軽量化が図られ、特に自動車用配線として好適な耐屈曲絶縁電線を提供することができる。特に、耐屈曲絶縁電線の表面がショア硬さ55以上の硬い絶縁体で構成されているので、絶縁体の表面への凹凸の浮き上がりを防止することができる。その結果、屈曲時に応力が加わっても、浮き出た凹凸を起点とした断線が引き起こされることを防ぐことができる。
本発明に係る耐屈曲絶縁電線の一例を示す模式的な説明図である。 耐屈曲絶縁電線を構成する各寸法の説明図である。 撚線導体の撚り状態の説明図である。 屈曲試験の態様を示す説明図である。
以下、本発明に係る耐屈曲絶縁電線について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。
[耐屈曲絶縁電線]
本発明に係る耐屈曲絶縁電線10(以下、「絶縁電線10」ともいう。)は、図1及び図2に示すように、繊維芯1と、繊維芯1の外周に設けられた複数本の金属素線3を撚ってなる撚線導体2と、撚線導体2の外周に設けられた絶縁体4とを有している。そして、絶縁体4は、ショア硬さ(Dスケール)が55以上であるように構成されている。なお、「有し」とは、本発明の効果を阻害しない範囲でそれ以外の構成が含まれていてもよいことを意味し、例えば、撚線導体2と絶縁体4との間に押さえ巻きフィルム、金属素線3の表面にめっきや絶縁被覆層、絶縁体4の外周に融着層等が設けられていてもよいことを意味している。
以下、耐屈曲絶縁電線の各構成要素を詳しく説明する。
(繊維芯)
繊維芯1は、耐屈曲絶縁電線10の略中央に位置する必須の構成であり、巻芯として機能する高張力体であることが好ましい。繊維芯1の例としては、複数の繊維を束ねた繊維糸が好ましく用いられる。繊維糸を構成する繊維としては、強度があり、耐熱性であればなおよい。例えば、繊維として、テトロン(登録商標)等のポリエステル繊維や、ケブラ(登録商標)等の全芳香族ポリアミド繊維や、ベクトラン(登録商標)等のポリアリレート繊維、ガラス繊維等を挙げることができる。また、繊維芯1は、異なる材質の繊維や、外径の異なる繊維糸を任意に複合させたものであってもよい。
繊維芯1は、繊維糸を集合線、撚り線又は編み込み線にして同心円状(真円形)又は略同心円状の断面になっている。このとき、繊維芯1をより同心円状又は略同心円状の断面にするためには、繊維糸を撚り線とすることがより好ましい。繊維芯1の外径は特に限定されないが、例えば0.1〜1.0mmの範囲を挙げることができる。繊維糸からなる繊維芯1は柔軟で変形し易いことから、繊維芯1の外径は、繊維芯1が真円形である場合はその外径とし、繊維芯1が扁平形である場合はその断面積から真円形の断面積に換算した外径として評価する。
繊維芯1は、通常、繊維糸を重量換算で示す繊度(dtex)で表示され、1dtexは、長さ10000mで1gである。本発明の繊維芯1のdtexの範囲は、110〜2000dtexであることが好ましい。こうした繊維芯1は、単一の繊維糸からなるものを用いてもよいし、2種以上の繊維糸からなるものを用いてもよい。2種以上の繊維糸からなるもので繊維芯1を構成した場合は、合計のdtexを上記範囲内とすればよい。110dtex未満では、耐久性不足となりやすい。一方、2000dtexを超えると、外径が大きくなり、作業性や加工性に影響が出やすい。
繊維芯1が設けられているのは、耐屈曲絶縁電線10の断面の略中央である。「略中央」とは、繊維芯1の中心位置C1が耐屈曲絶縁電線10の断面の中心位置(詳しくは撚線導体2の断面の中心位置C2)には設けられておらず、繊維芯1の中心位置C1と撚線導体2の中心位置C2とがずれていて一致していないことを意味している。繊維芯1の中心位置C1とは、繊維芯1の断面の輪郭から算出した位置のことであり、いわゆる輪郭の重心位置の意味である。繊維芯1の中心位置C1と、後述する撚線導体2の断面の輪郭から算出した中心位置C2とのずれは、0.10〜0.30mmであることが好ましい。こうしたずれは、絶縁電線10に負荷が加わった際に絶縁電線10が扁平形状になりやすく、その扁平形状によって特定部位に応力集中が起こらず、絶縁電線10に加わった負荷応力が逃げ、屈曲特性を向上させることができる。なお、繊維芯1の断面形状は、その周りに後述の撚線導体2が設けられた後においては、撚線導体2から加わる加圧力により円形又は略円形を保持することが困難なことが多く、図1に示すように、略三角形や略四角形等に変形した形状になりやすい。
(撚線導体)
撚線導体2は、繊維芯1の外周に設けられた必須の構成であり、図3に示すように、多数本の金属素線3を撚ってなる撚り線である。多本数の金属素線3を撚って撚線導体2とすることにより、繊維芯1の中心位置C1と撚線導体2の中心位置C2とを一致させずにずらすことができるとともに、軽量化も実現させることができる。本数としては、例えば50〜150本とすることが好ましい。金属素線3が50本未満では、耐久性不足となることがある。一方、金属素線3が150本を超えると、柔軟性不足となることがある。さらに、下記外径範囲の細い金属素線3を上記範囲の本数で構成することにより、撚線導体2を設けた後の全体の外径を小さくでき、耐屈曲絶縁電線全体の細径化と軽量化を実現できる。
金属素線3の撚りピッチPと、撚線導体2の外径との関係は、「撚りピッチP(mm)」÷「撚線導体の外径(mm)」が5倍〜25倍の範囲であることが好ましい。この範囲内とすることにより、撚りがほどけることを抑制でき、屈曲特性のバラツキを小さくすることができ、さらに断面が丸くなりやすく、良好な外観と耐久性を得ることができる。この値が5倍未満では、金属素線3をきつめに巻くことになるので、撚線導体2の重なりが多くなり易く、金属素線3の浮きが発生することがある。その結果、断面が丸くならない場合があったり、堅くなって屈曲特性を満たさないか又はバラツキが生じたりすることがある。一方、この値が25倍を超えると、撚りがゆるくなって糸が飛び出してしまい、作業中にほどけるような挙動を示すことがある。その結果、断面が丸くならない場合もあり、屈曲特性にもバラツキが生じることがある。
金属素線3の外径は、0.02mm以上、0.2mm以下の範囲内であることが好ましい。こうすることにより、細い金属素線3を多本数撚り合わせて撚線導体2とするので、撚線導体2を細径化でき、絶縁電線全体の細径化と軽量化と柔軟化を実現できる。その結果、多本数の金属素線3で応力集中を低減して引張強度や屈曲特性を向上させることができる。金属素線3の外径が0.02mm未満では、金属素線自体が細径化して多くの本数が必要になるとともに単線強度の絶対値が小さくなる。一方、金属素線3の外径が0.2mmを超えると、表面凹凸が大きくなってしまう。
金属素線3は、良導電性金属であればその種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっき層が施されたものを好ましく挙げることができる。銅線、銅合金線が特に好ましい。めっき層としては、はんだめっき層、錫めっき層、金めっき層、銀めっき層、ニッケルめっき層等が好ましい。金属素線3の表面には、必要に応じて絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよい。絶縁皮膜の種類は特に限定されないが、一般的なエナメル皮膜を挙げることができ、例えば、ウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等を挙げることができる。その厚さは特に限定されないが、一般的な日本工業規格(JIS C 3202:2014)で1種、2種、3種の程度を挙げることができる。
撚線導体2の外径D2は、1.6mm以下であることが好ましい。こうすることにより、上記外径D2の撚線導体2は、耐屈曲性に優れた絶縁電線10の細径化を実現でき、軽量化を図ることができる。なお、撚線導体2の外径の下限は特に限定されないが、上記した繊維芯1の外径、金属素線3の外径と本数により、0.12mmとすることができる。
(絶縁体)
絶縁体4は、撚線導体2を覆うように設けられている。例えば、撚線導体2を設けた後に、その外周を覆うように樹脂押出等で形成することができる。絶縁体4の構成材料としては、絶縁性があり、耐熱性のある樹脂材料であればよいが、本発明では、絶縁体4は、ショア硬さ(Dスケール)が55以上である。絶縁体4をショア硬さ55以上の硬い樹脂で構成することにより、絶縁体4の表面への凹凸の浮き上がりを防止することができる。その結果、屈曲時に応力が加わっても、浮き出た凹凸を起点とした断線が引き起こされることを防ぐことができ、耐屈曲性の良い絶縁電線10とすることができる。ショア硬さが55未満では、従来のように、撚線導体2の表面の凹凸は絶縁体4の表面に浮き出てきてしまい、屈曲時に応力が加わると、浮き出た凹凸を起点とした断線が起きやすい。
ショア硬さが55以上の絶縁体4としては、ナイロン12(ショアD78)、ポリエステルエラストマー(ショアD75)、ETFE(ショアD67)、FEP(ショアD55)、PFA(ショアD62)を好ましく挙げることができる。後述の比較例で用いたPVCのショア硬さは40〜50である。なお、ショア硬さ(Dスケール)は、ISO 868により測定される値である。
絶縁体4の厚さは、上記した撚線導体2の外径の10〜30%の範囲内であることが好ましい。すなわち、「絶縁体4の厚さ(mm)」÷「撚線導体の外径(mm)」が10〜30%であることが好ましい。この値が10%未満では、絶縁体の厚さが不十分となり、絶縁性能や耐久性不足となることがある。一方、この値が30%を超えると、絶縁体が厚くなりすぎてしまい、屈曲性や柔軟性不足となることがある。絶縁体4の厚さは、0.05〜1.0mm程度であればよいが、屈曲特性向上のためには厚い方がよく、例えば0.1〜0.3mm程度が好ましい。
絶縁体4の厚さは均等であることが好ましい。ただし、絶縁体4は主に樹脂押出で形成されることから、樹脂押出し前の段階である撚線導体2が設けられた後の表面は、金属素線3に基づいた表面凹凸が小さい。したがって、その外周に絶縁体4を樹脂押出で形成した後の外径も表面凹凸が小さくなり、かつ絶縁体4の厚さも各部で均一になる。さらに、本発明では、多数本の金属素線3を撚り合わせてなる撚線導体2が繊維芯1を覆うように設けているので、50本未満の少ない本数からなる撚線導体に比べて、絶縁体4の表面の凹凸が小さくなっている。しかも、絶縁体4のショア硬さが55以上であり、しかもその厚さが撚線導体2の外径の10〜30%の範囲内であるので、硬い材質の絶縁体4が所定の厚さで設けられている。その結果、絶縁体4の表面への凹凸の浮き上がりを極力防止することができ、屈曲時に応力が加わっても、浮き出た凹凸を起点とした断線が引き起こされることを防ぐことができ、耐屈曲性の良い絶縁電線10とすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
繊維芯1として、アラミド(ポリアミド)繊維からなる繊維糸(660dtex、外径約0.245mm)を用いた。この繊維芯1上に、外径0.08mmの軟銅線を100本用い、撚りピッチ15mmで撚り合わせて外径0.97mmの撚線導体2とした。次に、溶融押出しによって、ショア硬さ(Dスケール)55のFEP樹脂を絶縁体4として厚さ0.2mmで形成し、外径1.4mmの絶縁電線10を作製した。この絶縁電線10は、「絶縁体4の厚さ(mm)」÷「撚線導体の外径(mm)」は0.21である。
[実施例2]
ショア硬さ(Dスケール)78のナイロン12を絶縁体4とした他は、実施例1と同様にして耐屈曲絶縁電線10を作製した。
[実施例3]
ショア硬さ(Dスケール)67のETFEを絶縁体4とした他は、実施例1と同様にして耐屈曲絶縁電線10を作製した。
[実施例4]
繊維芯1として、アラミド(ポリアミド)繊維からなる繊維糸(660dtex、外径約0.245mm)を用いた。この繊維芯1上に、外径0.08mmの軟銅線を100本用い、撚りピッチ15mmで撚り合わせて外径0.97mmの撚線導体2とした。次に、溶融押出しによって、ショア硬さ(Dスケール)55のFEP樹脂を絶縁体4として厚さ0.25mmで形成し、外径1.5mmの絶縁電線10を作製した。この絶縁電線10は、「絶縁体4の厚さ(mm)」÷「撚線導体の外径(mm)」は0.26である。
[実施例5]
繊維芯1として、アラミド(ポリアミド)繊維からなる繊維糸(660dtex、外径約0.245mm)を用いた。この繊維芯1上に、外径0.11mmの軟銅線を50本用い、撚りピッチ11mmで撚り合わせて外径0.94mmの撚線導体2とした。次に、溶融押出しによって、ショア硬さ(Dスケール)55のFEP樹脂を絶縁体4として厚さ0.20mmで形成し、外径1.3mmの絶縁電線10を作製した。この絶縁電線10は、「絶縁体4の厚さ(mm)」÷「撚線導体の外径(mm)」は0.21である。
[実施例6]
繊維芯1として、アラミド(ポリアミド)繊維からなる繊維糸(660dtex、外径約0.245mm)を用いた。この繊維芯1上に、外径0.05mmの軟銅線を150本用い、撚りピッチ11mmで撚り合わせて外径0.76mmの撚線導体2とした。次に、溶融押出しによって、ショア硬さ(Dスケール)55のFEP樹脂を絶縁体4として厚さ0.2mmで形成し、外径1.2mmの絶縁電線10を作製した。この絶縁電線10は、「絶縁体4の厚さ(mm)」÷「撚線導体の外径(mm)」は0.26である。
[比較例1]
ショア硬さ(Dスケール)40のPVCを絶縁体4とした他は、実施例1と同様にして絶縁電線10を作製した。
[表面凹凸の観察]
実施例1〜7,比較例1及び参考例1〜3について、得られた耐屈曲絶縁電線10の表面を光学顕微鏡で目視観察し、評価した。評価は、凹凸が目立つものを「▲」とし、やや目立たないもの「△」とし、目立たないものを「○」とした。
[屈曲試験]
各実施例と比較例について屈曲試験を図4に示す方法で行った。屈曲試験は、図4に示すように、半径5mmのマンドレル42,42の間に各実施例と比較例で作製した長さ1000mmの絶縁電線10を挟み、絶縁電線10の下方端部に荷重41を取り付け、マンドレル42と垂直方向に毎分30回の速度で両側90度ずつの屈曲を1回として屈曲回数を測定した。屈曲回数の評価は、絶縁電線10の抵抗値が10%上昇するまでの回数とした。試験に供した絶縁電線は、いずれも屈曲回数2万回を超えたので、評価を「○」とし、超えた時点で測定は終了した。一方、比較例1は、屈曲回数が2万回まで到達しなかったので、評価を「△」とした。
[中心位置のずれ]
得られた耐屈曲絶縁電線10を樹脂中に硬化させて断面を切り出し、研磨して顕微鏡で観察した、繊維芯1の中心位置C1と撚線導体2の中心位置C2との距離Lを測定した。
Figure 2021068574
1 繊維芯
1a 第1繊維糸
1b 第2繊維糸
2 撚線導体
3 金属素線
4 絶縁体
10 耐屈曲絶縁電線
D1 繊維芯の外径
D2 撚線導体の外径
D3 耐屈曲絶縁電線の外径
d 金属素線の外径
C1 繊維芯の中心位置
C2 撚線導体の中心位置
L C1とC2との距離
P 撚線導体の撚りピッチ
T 絶縁体の厚さ


Claims (4)

  1. 繊維芯と、該繊維芯の外周に設けられた複数本の金属素線を撚ってなる撚線導体と、該撚線導体の外周に設けられた絶縁体とを有し、前記絶縁体は、ショア硬さ(Dスケール)が55以上である、ことを特徴とする耐屈曲絶縁電線。
  2. 前記絶縁体が、ナイロン12、ポリエステルエラストマー、又は、ETFE、FEP若しくはPFA等のフッ素樹脂である、請求項1に記載の耐屈曲絶縁電線。
  3. 前記絶縁体の厚さが、前記撚線導体の外径の10〜30%の範囲内である、請求項1又は2に記載の耐屈曲絶縁電線。
  4. 前記撚線導体の外径が、1.6mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐屈曲絶縁電線。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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