JP2021190172A - 高屈曲ヒータ線及び発熱体 - Google Patents

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毅安 中山
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Abstract

【課題】自動車等に用いられ、高い屈曲耐久性を有する低コストのヒータ線、及びそれを装着した発熱体を提供する。【解決手段】繊維芯と、繊維芯の外周に設けられた複数本の発熱線2を螺旋状に巻き付けてなる発熱部と、その発熱部の外周に設けられた絶縁外被とを有している。そして、発熱線2は、金属素線2aとその金属素線2a上に設けられた絶縁被膜2bとを有し、絶縁被膜2b上には滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cが設けられているように構成し、滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cの厚さは0.1〜3μmの範囲内であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等に用いられ、高い屈曲耐久性を有する低コストのヒータ線、及びそれを装着した発熱体に関する。
ヒータ線は、電気カーペット、電気毛布等の暖房製品や、座席用ヒータ、ステアリングヒータ等の車両用暖房部材の発熱源として利用され、それぞれの用途に応じた形態が提案されている。自動車の座席用のヒータ線として、例えば特許文献1には、引張強度や折り曲げに強い発熱線が提案され、具体的には、a)複数本の発熱体素線を撚り合わせて発熱体を構成し、その発熱体の上に絶縁外皮を設けたもの、b)リボン状の発熱体素線をポリエステル等の芯体に螺旋状に巻き付け、その上に絶縁外皮を設けたもの、c)複数本の発熱体素線を撚り合わせた発熱体をポリエステル等の芯体に螺旋状に巻き付け、その上に絶縁外皮を設けたもの、d)絶縁被覆した1本又は複数本の発熱体素線で構成した発熱体をポリエステル等の芯体に螺旋状に巻き付け、その上に絶縁外皮を設けたもの、が記載されている。
ヒータ線を自動車の座席に装着した場合、ヒータ線が着座時に異物感を与えたり、座席の表皮面への浮き出しが指摘されたりして、ヒータ線により可撓性や柔軟性を持たせる必要があった。この要求に対し、異物感を与えないためパット材を厚くして、このパット材を介して発熱体を装着することが提案されていた。しかし、パット材が断熱材となって、座席の表皮面を素早く暖める速熱性を阻害することがあり、逆に速熱性を向上しようとすれば発熱体の消費電力を大きくする必要があり、車両のバッテリー容量等による制約が生じた。
こうした問題に対し、例えば特許文献2には、着座感に優れ、かつ耐久性、信頼性の高い発熱線を用いた発熱体が提案されている。この発熱体は、可撓性を有する支持体に配設される発熱線を、複数本の金属繊維強化を利用した銀入り銅合金線の素線に個別に絶縁被覆を施して撚り線状に構成し、かつ発熱線の外側には被覆を施さないように構成している。これにより、外径が小さいために着座時の違和感が無く、かつ金属繊維強化で個別に絶縁を施した素線を用いたために、耐久性、信頼性をより向上することができるとされている。
特開昭61−47087号公報 特開2007−134341号公報
近年、自動車の座席用等に使用されるヒータ線は、即暖(速やかに暖まる)に対応するために狭ピッチでの配線が要請され、それゆえ細径化が要求されている。こうしたヒータ線は、製造時、配線時及び装着時にそれぞれ負荷が加わるので、高い屈曲耐久性が要求されている。屈曲耐久性が不十分では、各工程時に断線が発生することがあり、工程停止や追加作業が発生し、コストアップになる。
具体的には、従来のヒータ線は、発熱線の表面に、ポリウレタン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等の硬質焼付け材料が絶縁被膜として設けられている。しかし、これらの絶縁被膜は表面の滑りがあまりよくないため、ヒータ線に曲げ応力が加わった場合に、発熱線とその外周に設けられた絶縁外被との間に摩擦が生じて発熱線に応力が加わり、繰り返しの屈曲により断線が生じやすいおそれがある。また、発熱線の滑り性が乏しいと、芯材に発熱線をらせん状に巻く製造工程において、発熱線が複数の滑車を通過する際の繰り返し応力を受けたり、巻き線時に発熱線が重なったりして断線するケースが発生する。これらの課題に対し、絶縁被膜の表面に流動パラフィンを塗布して滑り性を向上させる手段も用いることができる、流動パラフィンは、絶縁外被の押出し時の熱で揮発しやすく、その揮発ガスの影響でヒータ線の外観に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、自動車等に用いられ、高い屈曲耐久性を有する低コストのヒータ線、及びそれを装着した発熱体を提供することにある。
本発明に係るヒータ線は、繊維芯と、該繊維芯の外周に複数本の発熱線を螺旋状に巻き付けてなる発熱部と、該発熱部の外周に設けられた絶縁外被とを有し、前記発熱線は、金属素線と該金属素線上に設けられた絶縁被膜とを有し、該絶縁被膜上には滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミドが設けられている。
この発明によれば、発熱線を構成する絶縁被膜上に滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミドが設けられているので、発熱線の表面に滑性が生じ、製造時、配線時及び装着時にそれぞれ負荷が加わって屈曲が繰り返されても断線しにくく、コストアップを抑制できる。特に、滑り性があまりよくない硬質焼付け材料が絶縁被膜として設けられている場合であっても、ヒータ線に曲げ応力が加わったときに発熱線とその外周の絶縁外被との間に摩擦が生じにくく、繰り返しの屈曲が生じても断線が生じにくい。また、発熱線の滑り性がよいので、ヒータ線の製造工程時に発熱線が複数の滑車を通過する際の繰り返し応力を受けにくく、巻き線時に発熱線が重なったりしにくくなり、それに基づく断線の発生を抑制できる。また、流動パラフィンを用いる場合のような揮発の問題も生じない。
本発明に係るヒータ線において、前記滑性ナイロン又は前記滑性ポリアミドイミドの厚さが、0.1〜3μmの範囲内である。
本発明に係るヒータ線において、前記絶縁被膜が、耐熱性を有するポリウレタン、ポリエステルイミド、ポリイミド及びポリアミドイミドから選ばれる。
本発明に係るヒータ線において、前記発熱線の線径が、0.05〜0.24mmの範囲内である。
本発明に係る発熱体は、上記本発明に係るヒータ線が装着されていることを特徴とする。
本発明によれば、自動車等に用いられ、高い屈曲耐久性を有する低コストのヒータ線、及びそれを装着した発熱体を提供することができる。
本発明に係るヒータ線の一例を示す模式的な説明図である。 発熱線の説明図である。 屈曲試験の態様を示す説明図である。
以下、本発明に係るヒータ線及び発熱体について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。
[ヒータ線]
本発明に係るヒータ線10は、図1及び図2に示すように、繊維芯1と、繊維芯1の外周に設けられた複数本の発熱線2を螺旋状に巻き付けてなる発熱部と、その発熱部の外周に設けられた絶縁外被3とを有している。そして、発熱線2は、金属素線2aとその金属素線2a上に設けられた絶縁被膜2bとを有し、絶縁被膜2b上には滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cが設けられている、ことに特徴がある。なお、「有し」とは、本発明の効果を阻害しない範囲でそれ以外の構成が含まれていてもよいことを意味し、例えば、金属素線2aの表面にめっき(図示しない)が設けられていたり、絶縁外被3の外周に融着層等が設けられたりしてもよいことを意味している。
このヒータ線10は、発熱線2を構成する絶縁被膜2b上に滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cが設けられているので、発熱線2の表面に滑性が生じ、製造時、配線時及び装着時にそれぞれ負荷が加わって屈曲が繰り返されても断線しにくく、コストアップを抑制できる。特に、滑り性があまりよくない硬質焼付け材料が絶縁被膜2bとして設けられている場合であっても、ヒータ線10に曲げ応力が加わったときに発熱線2とその外周の絶縁外被3との間に摩擦が生じにくく、繰り返しの屈曲が生じても断線が生じにくい。また、発熱線2の滑り性がよいので、ヒータ線10の製造工程時に発熱線2が複数の滑車を通過する際の繰り返し応力を受けにくく、巻き線時に発熱線2が重なったりしにくくなり、それに基づく断線の発生を抑制できる。また、流動パラフィンを用いる場合のような揮発の問題も生じない。
以下、ヒータ線の各構成要素を詳しく説明する。
(繊維芯)
繊維芯1は、ヒータ線10を断面視した際の中央に芯材として位置する必須の構成であり、巻芯として機能する高張力体であることが好ましい。断面視した際の中央とは、断面視した際において、繊維芯1の中心位置とヒータ線10の断面の中心位置とが一致又はほぼ一致した位置のことである。繊維芯1の例としては、複数の繊維を束ねた繊維糸が好ましく用いられる。繊維糸を構成する繊維としては、強度があり、耐熱性であればなおよい。例えば、繊維として、テトロン(登録商標)等のポリエステル繊維や、ケブラ(登録商標)等の全芳香族ポリアミド繊維や、ベクトラン(登録商標)等のポリアリレート繊維、ガラス繊維等を挙げることができる。また、繊維芯1は、異なる材質の繊維や、外径の異なる繊維糸を任意に複合させたものであってもよい。
繊維芯1は、繊維糸を集合線、撚り線又は編み込み線にして同心円状(真円形)又は略同心円状の断面になっている。このとき、繊維芯1を同心円状又は略同心円状の断面にするためには、繊維糸を撚り線とすることがより好ましい。繊維芯1の外径は特に限定されないが、例えば0.1〜1.0mmの範囲を挙げることができる。繊維糸からなる繊維芯1は柔軟で変形し易いことから、繊維芯1の外径は、繊維芯1が真円形である場合はその外径とし、繊維芯1が扁平形である場合はその断面積から真円形の断面積に換算した外径として評価する。
繊維芯1は、通常、繊維糸を重量換算で示す繊度(dtex)で表示され、1dtexは、長さ10000mで1gである。繊維芯1のdtexの範囲は、110〜2000dtexであることが好ましい。こうした繊維芯1は、単一の繊維糸からなるものを用いてもよいし、2種以上の繊維糸からなるものを用いてもよい。2種以上の繊維糸からなるもので繊維芯1を構成した場合は、合計のdtexを上記範囲内とすればよい。110dtex未満では、耐久性不足となりやすい。一方、2000dtexを超えると、外径が大きくなり、作業性や加工性に影響が出やすい。
(発熱部)
発熱部は、繊維芯1の外周に複数本の発熱線2を螺旋状に横巻きしてなる必須の構成部分である。発熱線2は、電流によって発熱する抵抗線であり、発熱仕様により所定の抵抗値となる抵抗線及びその本数を任意に選択して用いることができる。螺旋状に巻き付けるとは、例えば後述の実施例のように、6本の発熱線2を同時に螺旋状に巻くことにより、6本毎に単層に巻かれた形態のことである。なお、ヒータ線10の最終外径が太くならないように通常は単層であるが、2層であってもよい。
発熱線2は、図2に示すように、金属素線2aと、金属素線2a上に設けられた絶縁被膜2bと、絶縁被膜2b上に最外層として設けられた滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cとで少なくとも構成されている。発熱線2の線径は、0.05〜0.24mmの範囲内とすることができる。細い発熱線2を螺旋状に巻きつけた場合は、ヒータ線全体の細径化と軽量化と柔軟化を実現できる。複数本とは、図1に示すような螺旋状に巻きつけることができる本数の範囲であり、後述の実施例では6本としているが、例えば1〜10本を好ましく挙げることができる。なお、螺旋状に巻きつけるときのピッチは、繊維芯1の径や発熱線2の本数及び直径によって異なるので一概に言えないが、例えば0.2〜2.5mmのピッチで巻かれていることが好ましい。
金属素線2aとしては、直径が0.04mm以上、0.2mm以下の銅線や銅合金線等を挙げることができる。銅合金線としては、CuAg合金、CuSn合金、CuNi合金等を挙げることができる。金属素線2aの表面にはめっき層が施されていてもよい。めっき層としては、はんだめっき層、錫めっき層、金めっき層、銀めっき層、ニッケルめっき層等が好ましい。
絶縁被膜2bとしては、耐熱性を有するポリウレタン(PU)、ポリエステルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等を挙げることができる。絶縁被膜2bの厚さは、一般的な日本工業規格(JIS C 3202:2014)で1種、2種、3種の程度であり、その中から任意の厚さに選択することができる。絶縁被膜2bは、焼付け工程により任意の厚さに成膜される。これらの絶縁被膜2bは、滑り性があまりよくない硬質焼付け被膜であるが、後述の滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cをその上に設けることで、ヒータ線10に応力が加わったときに発熱線2とその外周の絶縁外被3との間に摩擦が生じにくく、繰り返しの屈曲が生じても断線が生じにくい。
滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cは、絶縁被膜2bの焼付け装置において、絶縁被膜2bを形成した後に例えばワンパス(1回塗布した後に加熱処理)してオーバーコートされる。滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミドの厚さは、0.1〜3μmの範囲内とすることが好ましい。滑性ナイロンとしては、例えば、ナイロン66等を挙げることができる。滑性ポリアミドイミドとしては、ポリアミドイミドに添加物質(例えばポリエチレン等)を添加して滑性を向上させてなるものを挙げることができる。こうした滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cは発熱線2の表面に滑性を生じさせ、製造時(例えば複数の滑車を通過する際に加わる応力、巻き線時に発熱線が重なることに基づいた応力集中等)、配線時(曲げて配置する際に加わる応力等)及び装着時(座席用ヒータ線として用いる場合の着座時の繰り返し応力等)にそれぞれ負荷が加わって屈曲が繰り返されても断線しにくく、コストアップを抑制できる。なお、滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド2cは、流動パラフィン等の揮発性が小さいので、揮発の問題も生じない。なお、シリコーンオイルも滑性ナイロンや滑性ポリアミドイミドと同様の作用効果を奏するので、使用可能である。
(絶縁外被)
絶縁外被3は、発熱線2を覆うように設けられている。例えば、発熱線2を設けた後に、その外周を覆うように樹脂押出等で形成することができる。絶縁外被3の構成材料としては、絶縁性があり、耐熱性のある樹脂材料であればよいが、本発明では、絶縁外被3は、PVC(ポリ塩化ビニル)、ナイロン、ポリエステルエラストマー、ETFE、FEP、PFAのフッ素系樹脂を好ましく挙げることができる。また、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルであってもよい。
絶縁外被3の厚さは、発熱部の外径寸法や最終的なヒータ線の外径によっても異なるが、0.05〜1.0mm程度とすることが好ましく、0.10〜0.30mmであることがより好ましい。
絶縁外被3は樹脂押出で形成されることが望ましい。押出形成した後の絶縁外被3は、一定の厚さになりやすく、その表面も凹凸が小さくすることができる。こうした押出形成した絶縁外被3を最外層として設けることにより、狭ピッチでの配線のために細径化した場合であっても局部的な屈曲が起きにくいという効果も兼ね備える。その結果、着座時に違和感がない程度の細径化を実現して発熱体とする場合の狭ピッチ配線を行うことができるとともに、屈曲耐久性を高めることができる。
[発熱体]
本発明に係る発熱体は、本発明に係るヒータ線10を装着している。こうした発熱体は、高い屈曲耐久性を有する低コストのヒータ線10を用いて形成されるので、発熱体を構成するシート基材等の対象物へのヒータ線10の縫い付けを配線性よく行うことが容易になる。
発熱体としては、各種の用途に用いるものを挙げることができ、例えば、電気カーペット、電気毛布等の暖房製品や、シートヒータ、ステアリングヒータ等の車両用暖房部材を挙げることができ、好ましくは自動車用のシートに装着することができる。自動車用暖房部材としての発熱体では、ヒータ線はシート基材等の対象物に縫い込んで配設されている。
シート基材へのヒータ線10の縫い付けは、ヒータ線10の外観が揮発ガスの影響による悪化せず、発熱線2と絶縁外被3との間の摩擦が生じにくいので、配線性よく縫い込むことができる。ヒータ線10を配線して縫い込む際に、ヒータ線10に応力が加わるが、本発明に係るヒータ線10は、そうした応力に対する耐性が高いので、着座時に違和感がない程度の細径化を実現した上で、発熱体とする場合の狭ピッチ配線も可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
繊維芯1として、ポリアリレート繊維を束ねて外径約0.17mmにしたものを用いた。この繊維芯1上に、6本の発熱線2を6本同時に単層になるようにピッチ1.5mmで螺旋状に横巻きした。発熱線2は、線径0.10mmの銅合金線(錫を0.3質量%含有する銅合金からなる金属素線2a)と、その上に焼き付けコーティングした厚さ0.01mmのポリエステルイミド樹脂層(絶縁被膜2b)と、その上に最表面層として塗布形成した厚さ0.5μmのナイロン66(滑性ナイロン)とで構成した。螺旋巻きした発熱線2を覆う絶縁外被3として、PVCを厚さ0.24mmとなるように溶融押出して絶縁外被3を形成した。こうして総外径0.9mmのヒータ線10を作製した。
[実施例2]
ポリエステルイミド樹脂層に代えてポリウレタン樹脂層を同じ厚さで設けた。それ以外は実施例1と同様にして、総外径0.9mmのヒータ線10を作製した。
[実施例3]
滑性ナイロンの厚さを3μmに変更した。それ以外は実施例1と同様にして、総外径0.9mmのヒータ線10を作製した。
[実施例4]
滑性ナイロンに代えて厚さ0.5μmの滑性ポリアミドイミド(ポリエチレン含有ポリアミドイミド)を絶縁被膜2b上に設けた。それ以外は実施例1と同様にして、総外径0.9mmのヒータ線10を作製した。
[実施例5]
PVCに代えて厚さ0.24μmのナイロンを絶縁外被3として設けた。それ以外は実施例1と同様にして、総外径0.9mmのヒータ線10を作製した。
[比較例1]
実施例1において、滑性ナイロンを設けなかった。それ以外は実施例1と同様にして、総外径0.9mmのヒータ線を作製した。
[比較例2]
実施例2において、滑性ナイロンを設けなかった。それ以外は実施例1と同様にして、総外径0.9mmのヒータ線を作製した。
[特性評価]
屈曲耐久性試験は、図5に示すように、半径5mmのマンドレル42,42の間に各実施例と比較例で作製した長さ1000mmのヒータ線10を挟み、ヒータ線10の下方端部に荷重41を取り付け、マンドレル42と垂直方向に毎分30回の速度で両側90度ずつの屈曲を1回として屈曲回数を測定した。屈曲回数の評価は、ヒータ線10の抵抗値が10%上昇するまでの回数とした。実施例1〜5のヒータ線10は、いずれも屈曲回数50,000回を超えた。一方、比較例1,2は、屈曲回数が30,000回まで到達しなかった。
1 繊維芯
2 発熱線
2a 金属素線
2b 絶縁被膜
2c 滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミド
3 絶縁外被
10 ヒータ線
41 荷重
42 マンドレル
43 ガイド

Claims (5)

  1. 繊維芯と、該繊維芯の外周に複数本の発熱線を螺旋状に巻き付けてなる発熱部と、該発熱部の外周に設けられた絶縁外被とを有し、前記発熱線は、金属素線と該金属素線上に設けられた絶縁被膜とを有し、該絶縁被膜上には滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミドが設けられている、ことを特徴とするヒータ線。
  2. 前記滑性ナイロン又は滑性ポリアミドイミドの厚さが、0.1〜3μmの範囲内である、請求項1に記載のヒータ線。
  3. 前記絶縁被膜が、耐熱性を有するポリウレタン、ポリエステルイミド、ポリイミド及びポリアミドイミドから選ばれる、請求項1又は2に記載のヒータ線。
  4. 前記発熱線の線径が、0.05〜0.24mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒータ線。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒータ線が装着されている、ことを特徴とする発熱体。



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