WO2005111564A1

WO2005111564A1 - トルク検出装置

Info

Publication number: WO2005111564A1
Application number: PCT/JP2005/008787
Authority: WO
Inventors: Yoshitomo Tokumoto; Toshiharu Ishihara; Naoki Nakane
Original assignee: Jtekt Corporation; Denso Corporation
Priority date: 2004-05-17
Filing date: 2005-05-13
Publication date: 2005-11-24
Also published as: US7415899B2; EP1764594A1; JP2005326368A; US20070186693A1

Abstract

　第１軸１と一体回転する円筒磁石４の周上に並ぶＮ極40，40…及びＳ極41，41…の並設数ｎを、第１軸１と第２軸２とを連結するトーションバー３の捩りばね定数ｋと、検出対象となるトルクの最大値Ｔmax とを含む次式、　２・ｎ・Ｔmax ／ｋ＜３６０を満たすように決定し、また円筒磁石４の両端面に、Ｎ極40，40…及びＳ極41，41…の対応部位が凸となる凹凸部42，42を設け、これらの凸位置に磁性を有する塵埃の付着を集中させる構成として、製品コストの上昇を伴わず、また磁性を有する塵埃の付着の影響を低減して、トルクの検出感度及び検出精度を高め得るトルク検出装置を提供する。

Description

明細書

トルク検出装置

技術分野

[0001] 本発明は、例えば、電動パワーステアリング装置において、操舵のために操舵部材に加えられる操舵トルクを検出すべく用いられるトルク検出装置に関する。

背景技術

[0002] ステアリングホイール等の操舵部材の回転操作に応じて操舵補助用のモータを駆動し、該モータの回転力を舵取機構に伝えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置においては、操舵補助用のモータの駆動制御に用いるべく操舵部材に加えられる操舵トルクを検出する必要があり、この検出のために従来から、操舵部材と舵取機構とを連絡するステアリング軸の中途にトルク検出装置が設けられて、る。

[0003] このトルク検出装置は、検出対象となるステアリング軸を、細径のトーシヨンバーを介して同軸上に連結された第 1軸と第 2軸とに分割し、操舵部材の回転操作によりステァリング軸に操舵トルクが加えられたとき、この操舵トルクの作用によるトーシヨンバーの捩れを伴って第 1,第 2軸間に相対角変位が生じるようになし、この相対角変位を媒介として前記操舵トルクを検出する構成としてある。

[0004] 第 1,第 2軸間の相対角変位の検出は、従来から種々の手段により実現されており、そのうちの一つとして、第 1軸と一体回転する円筒磁石と、第 2軸と一体回転する磁気ヨークとを備え、この円筒磁石と磁気ヨークとの間の磁気回路の変化を利用して前記相対角変位を検出するように構成されたトルク検出装置がある（例えば、特許文献 1参照)。

[0005] 第 2軸と一体回転する磁気ヨークは、リング形をなすヨーク本体の一側に軸方向に延びる磁極爪を周方向に複数並設して構成され、夫々の磁極爪を周方向に交互に位置させた 2個を一組として第 2軸に固定されている。また第 1軸と一体回転する円筒磁石は、磁気ヨークの磁極爪と同数組の磁極を周方向に並設してなる多極磁石として構成されており、一組の磁気ヨークの磁極爪力 N, S極の境界上に整合するように位置決めして第 1軸に固定されている。 [0006] 一組の磁気ヨークの外側には、これらに発生する磁束を集める集磁リング力夫々のヨーク本体の外側を近接して囲繞するように固定配置されている。これらの集磁リングの夫々は、周方向に対応する位置に突設され、わずかなエアギャップを隔てて対向する集磁突起を備えており、これらの集磁突起の間に、ホール素子等を用いてなる磁気センサが酉 Sしてある。

[0007] 以上の構成により第 1軸と第 2軸との間に相対角変位が生じた場合、一組の磁気ョークの磁極爪と円筒磁石の磁極との周方向の位置関係が互いに逆向きに変化し、この位置変化に応じた夫々の磁気ヨーク内の磁束変化により、前記集磁突起間のエアギャップに漏れ出す磁束の密度が増減して磁気センサの出力が変化するから、この出力変化を取り出すことにより第 1,第 2軸に加わるトルク (操舵トルク）を検出することができる。

特許文献 1 :特開 2003— 149062号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] さて、以上の如く構成されたトルク検出装置においては、トルクの検出感度が磁気センサの出力変化の大きさに依存するため、従来から、磁気ヨークと円筒磁石及び集磁リングとの間のエアギャップ、並びに集磁突起間のエアギャップを可及的に小さくし、また、円筒磁石、磁気ヨーク及び集磁リングの材料を適正に選定して、磁気センサにより検出される磁束密度自体を高め、更には、高出力が得られる磁気センサを採用する等の対策により検出感度の向上を図るようにして、る。

[0009] し力しながら、エアギャップを小さくするには、円筒磁石、磁気ヨーク及び集磁リングの形状精度を高め、またこれらの位置決めを伴う組立精度を高めることが必要であり、製造工数の増加、及び製品コストの上昇を伴うという問題がある。また、円筒磁石、磁気ヨーク及び集磁リングの材料の適正化、並びに高出力の磁気センサの採用も製品コストの上昇を伴うという問題がある。

[0010] また、前述の如く構成されたトルク検出装置において、トルクの検出感度を低下させる一因として、円筒磁石に付着する磁性を有する塵埃 (鉄粉等)の存在があり、この種の塵埃が、円筒磁石の磁極間に付着した場合、また円筒磁石と磁気ヨークとの間に介在した場合、夫々の付着部に磁気的な短絡が生じ、磁気センサの出力に影響を及ぼし、トルクの検出感度を悪ィ匕させ、またトルクの検出精度の低下を招くこととなる。

[0011] 本発明は斯カゝる事情に鑑みてなされたものであり、円筒磁石の磁極数及び形状を適正に選定することにより、製品コストの上昇を伴わずにトルクの検出感度を高め、また磁性を有する塵埃の付着の影響を低減して、高、検出感度を得ると共に検出精度の向上を図り得るトルク検出装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0012] 本発明の第 1発明に係るトルク検出装置は、トーシヨンバーを介して同軸上に連結された第 1軸及び第 2軸と、周方向に並設された複数の磁極を有し、前記第 1軸と一体回転する円筒磁石と、該円筒磁石が形成する磁界内に配してあり、前記第 2軸と一体回転する一組の磁気ヨークと、これらの磁気ヨーク夫々の外側を囲繞して固定配置された一組の集磁リングと、これらの集磁リングの一部に突設され、所定のエアギヤップを隔てて対向する集磁突起の間に配された磁気センサとを備え、該磁気センサが検出する前記集磁突起間の磁束密度に基づいて前記第 1軸及び第 2軸に加わるトルクを検出するトルク検出装置において、前記円筒磁石の磁極数 n力検出対象となるトルクの最大値 T (Nm)及び前記トーシヨンバーの捩りばね定数 k (Nm/deg max

)を含む次式を満足する最大の整数となるように決定してあることを特徴とする。

2·η·Τ /k< 360

max

[0013] 本発明においては、円筒磁石の磁極数を上記の式を満足するように設定し、検出対象となる最大のトルクが作用したとき、第 1軸と一体回転する円筒磁石と第 2軸と一体回転する磁気ヨークとの間の相対角変位によって磁気センサに望ましい範囲内での最大限の出力変化が生じるようになり、高い検出感度を実現する。

[0014] また第 2発明に係るトルク検出装置は、第 1発明における円筒磁石が、前記磁気ョ一クの軸長方向両側への突出部を有し、この突出部の端面に前記磁極の夫々の対応部位を凸として設けられた凹凸部を備えることを特徴とする。

[0015] この発明においては、磁気ヨークの両側に突出する円筒磁石の両端面に、各磁極の対応部位を凸とした凹凸部を設け、使用環境下にて生じる磁性を有する塵埃の付着を、磁気ヨークとの対向部位力外れて位置する前記凹凸部の凸位置に集中させて、この付着の影響によるトルクの検出感度及び検出精度の低下を軽減する。

[0016] 更に第 3発明に係るトルク検出装置は、第 2発明における凹凸部が、夫々が三角形状をなす凸部及び凹部を周方向に並べて構成してあることを特徴とする。

[0017] この発明においては、夫々の磁極の対応部に位置する三角形状をなす凸部の頂点位置に磁束を集中させ、使用環境下にて存在する磁性を有する塵埃を、磁気ヨークとの対向部位カゝら最も離れ、相隣する磁極からも離れて位置する前記頂点位置に集中して付着させ、付着塵埃の影響によるトルクの検出感度及び検出精度の低下を軽減する。

発明の効果

[0018] 本発明の第 1発明に係るトルク検出装置においては、円筒磁石の周上に並設される磁極の数を適正化する簡易な手段により、検出手段として用いた磁気センサの出力を可及的に大きくすることができ、製品コストの上昇を伴わずにトルクの検出感度を高め、また検出精度の向上を図ることが可能となる。

[0019] また本発明の第 2発明に係るトルク検出装置においては、円筒磁石の両端面に磁極の対応部位を凸とした凹凸部を設け、磁気ヨークの両側に突出させてあるから、磁性を有する塵埃の付着が凹凸部の凸位置に集中し、付着塵埃の作用による円筒磁石の磁極間の短絡、及び円筒磁石と磁気ヨークとの間の短絡の発生の虞れを軽減することができ、検出感度の低下を防止し、高精度でのトルク検出が可能となる。

[0020] 更に本発明の第 3発明に係るトルク検出装置においては、円筒磁石の両端面に設けられる凹凸部を三角形状をなす凸部及び凹部を並べて構成したから、磁性を有する塵埃の付着が三角形状をなす凸部の頂点位置により集中し、付着塵埃の影響による検出感度の低下を確実に防止し、高精度でのトルク検出が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0021] [図 1]本発明に係るトルク検出装置の分解斜視図である。

[図 2]本発明に係るトルク検出装置の組立て状態を示す縦断面図である。

[図 3]円筒磁石の両端の凹凸部の形態例を示す説明図である。圆 4]磁気ヨークと円筒磁石との周方向の位置関係を示す説明図である。

符号の説明

1 第 1軸

2 第 2軸

3 トーシヨンバ、

4 円筒磁石

5 磁気ヨーク

6 集磁リング

7 磁気センサ

40 N極（磁極)

41 S極（磁極）

42 凹凸部

60 集磁突起

発明を実施するための最良の形態

[0023] 以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図 1は、本発明に係るトルク検出装置の分解斜視図、図 2は、組立て状態を示す縦断面図である。

[0024] 本発明に係るトルク検出装置は、トーシヨンバー 3を介して同軸上に連結された第 1 軸 1及び第 2軸 2に加わるトルクを検出対象とし、第 1軸 1と一体回転する円筒磁石 4と、第 2軸 2と一体回転する 2個一組の磁気ヨーク 5, 5とを備え、磁気ヨーク 5, 5の外側を各別に囲繞するように固定配置され、夫々の磁気ヨーク 5, 5内に生じる磁束を集める集磁リング 6, 6と、これらの集磁リング 6, 6間に後述の如く配設された磁気センサ 7とを備えて構成されて、る。

[0025] トーシヨンバー 3は、細径の丸棒の両端に、第 1軸 1及び第 2軸 2との連結のための太径短寸の連結部 30, 30を連設して構成されている。第 1軸 1及び第 2軸 2は、前記連結部 30, 30の内嵌が可能な連結孔 10, 20を夫々の軸心部に備えており、第 1軸 1と第 2軸 2とのトーシヨンバー 3による連結は、第 1軸 1、第 2軸 2の連結孔 10, 20にトーシヨンバー 3両端の連結部 30, 30を嵌め込み、各別の連結ピン 11, 21の打設により一体化せしめて実現されて!ヽる。 [0026] このように連結された第 1軸 1と第 2軸とに回転トルクが加えられた場合、この回転トルクの作用によりトーシヨンバー 3が捩れ変形し、第 1軸 1と第 2軸 2との間には、トーシヨンバー 3の捩れ角度に応じた相対角変位が生じる。この相対角変位の大きさは、捩りばねとして作用するトーシヨンバー 3の捩りばね定数 k (Nm/deg)によって一義的に決定され、この捩りばね定数 kは、トーシヨンバー 3の材料、長さ及び直径を用いて精度良く求めることができる。

[0027] 第 1軸 1と一体回転する円筒磁石 4は、図 1に示す如ぐ周方向に複数の磁極 (各複数の N極 40, 40…及び S極 41, 41· ··)を並設してなる多極磁石として構成されている。本発明に係るトルク検出装置の特徴は、この円筒磁石 4の構成にあり、具体的には、周方向に並ぶ N極 40, 40…及び S極 41, 41…の並設数が後述の如く設定されており、また、図 1に示す如ぐ軸長方向両側の端面に、夫々の N極 40, 40…及び S極 41, 41…の中央部を凸とし、 N極 40と S極 41との境界部を凹とした凹凸部 42, 42が、周方向の全長に亘つて設けられている。このように構成された円筒磁石 4は、凹凸部 42, 42を備える端面及び内面を適宜の厚さを有するモールド榭脂 43により覆い、該モールド榭脂 43を介して第 1軸 1に同軸的に嵌合固定されている。

[0028] なお、図 1に示す凹凸部 42, 42は、夫々が三角形状をなす凸部及び凹部を周方向に並べて構成されている力凹凸部 42, 42は、前述の如ぐ各磁極の中央部が凸、磁極間の境界部が凹となる条件下において適宜の形態にて構成することができる。

[0029] 図 3は、凹凸部の形態例を示す説明図であり、円筒磁石 4の一側の凹凸部 42を直線展開して示してある。図 3 (a)には、図 1に示す凹凸部 42が示されており、図 3 (b) においては、矩形形状をなす凸部及び凹部を周方向に並べて凹凸部 42が形成されており、また図 3 (c)においては、台形形状をなす凸部及び凹部を周方向に並べて凹凸部 42が形成されている。

[0030] 第 2軸 2と一体回転する 2個一組の磁気ヨーク 5, 5は、図 1に示す如ぐリング形をなすヨーク本体 50に、軸方向に延びる複数の磁極爪 51, 51…を周方向に等配して構成された磁性材料製の部材である。これらの磁気ヨーク 5, 5は、夫々の磁極爪 51, 51· ·· の突設側を対向させ、周方向に交互に並べた状態で位置決めし、円筒形に成形されたモールド榭脂 52により外側を覆って一体化されており、該モールド榭脂 52を一側に延長して形成されたボス部 53を介して第 2軸 2の軸端部に同軸的に嵌合固定されている。

[0031] 以上の如く構成された磁気ヨーク 5, 5は、トーシヨンバー 3による第 1軸 1と第 2軸 2との前述した連結により、図 2に示す如ぐ磁極爪 51, 51· ··を備える夫々のヨーク 5の内面が第 1軸 1に嵌合固定された円筒磁石 4の外周面にわずかなエアギャップを隔てて対向するように位置決めして組み付けられている。なお、円筒磁石 4の軸方向長さは、磁気ヨーク 5, 5の軸方向長さよりも長くしてあり、前記凹凸部 42, 42が設けられた円筒磁石 4の両端部は、図 2に示す如ぐ磁気ヨーク 5, 5の軸長方向両側に適長突出するようになしてある。

[0032] 図 4は、夫々の磁気ヨーク 5, 5の磁極爪 51, 51· ··と円筒磁石 4の N極 40, 40…及び S極 41, 41· ··との周方向の位置関係を示す説明図である。図 4 (b)には、組み付け時の位置関係が示されており、本図に示す如く磁気ヨーク 5, 5と円筒磁石 4とは、夫々の磁極爪 51, 51· ··が円筒磁石 4の周上に並ぶ N極 40と S極 41との境界と一致するように周方向に位置決めされて、る。

[0033] このような組み付け時の位置関係において、 2個の磁気ヨーク 5, 5の磁極爪 51, 51 …は、円筒磁石 4の周上において互いに相隣する N極 40と S極 41との間に形成される磁界内に同一の条件下にて位置するため、これらの磁極爪 51, 51…に出入りする磁力線が略同数となり、夫々の磁極爪 51, 51…の基部を連絡するヨーク本体 50, 50 に生じる磁束は同一となる。

[0034] このように実現された磁気ヨーク 5, 5と円筒磁石 4との位置関係は、円筒磁石 4が固定された第 1軸 1と磁気ヨーク 5, 5が固定された第 2軸 2との間にトーシヨンバー 3の捩れを伴って生じる相対角変位に応じて、図 4 (a)又は図 4 (c)に示す如く変化し、 2個の磁気ヨーク 5, 5夫々の磁極爪 51, 51· ··と円筒磁石 4の N極 40と S極 41との境界との位置関係が互いに逆向きに変化して、一方の磁気ヨーク 5の磁極爪 51, 51…と、他方の磁気ヨーク 5の磁極爪 51, 51· ··とには、夫々逆の極性を有する磁力線が増加し、一方のヨーク本体 50と他方のヨーク本体 50とに正負の磁束が発生することとなる。

[0035] このとき、ヨーク本体 50, 50に発生する磁束の正負は、円筒磁石 4と磁気ヨーク 5, 5 との間、即ち、第 1軸 1と第 2軸 2との間に生じる相対角変位の向きに応じて定まり、正負の磁束の密度は、前記相対角変位の大きさに対応する。

[0036] このような磁気ヨーク 5, 5のヨーク本体 50, 50の外側には、夫々を囲繞するように各別の集磁リング 6, 6が配してある。図 1に示す如く集磁リング 6は、ヨーク本体 50の外径よりもやや大きい内径を有する磁性材料製の円環であり、周方向の一か所にて軸長方向に延び、先端部を径方向外向きに屈曲成形してなる集磁突起 60を備えている。

[0037] 集磁リング 6は、磁気ヨーク 5, 5と対応する 2個を一組とし、夫々の集磁突起 60, 60 の先端の屈曲部が所定の間隔を隔てて対面するように同軸上に位置決めし、この状態を保ってモールド榭脂 61により一体化させてあり、該モールド榭脂 61を介して、図 2 に一部を示すノ、ウジング 8に内嵌固定され、夫々の内周面を対応する磁気ヨーク 5, 5のヨーク本体 50, 50の外周面に近接対向せしめて組み付けられている。

[0038] 集磁リング 6, 6の集磁突起 60, 60の間には、ホール素子等の磁気感知素子を用いてなる磁気センサ 7が介装されている。この磁気センサ 7は、電源回路、出力処理回路等の周辺回路が形成された回路基板 70と共に前記モールド榭脂 61に一体に保持されており、集磁突起 60, 60の間に確保されたエアギャップ内に位置決めされている

[0039] 以上の構成により集磁リング 6, 6には、夫々に近接して回転するヨーク本体 50, 50 に発生する磁束が誘導され、この磁束は、夫々の集磁突起 60, 60の先端に集束されて、両者間に確保されたエアギャップに漏れ出す。このとき磁気センサ 7は、前記ェァギャップ間の漏洩磁束に感応し、この漏洩磁束の磁束密度に対応する出力を発し、この出力が、回路基板 7を経て外部に取り出される。

[0040] ここで集磁突起 60, 60間の磁束密度は、夫々の集磁リング 6, 6に対応するヨーク本体 50, 50に生じる磁束によって変化し、ヨーク本体 50, 50における磁束の変化は、円筒磁石 4に対する夫々の相対変位、即ち、第 1軸 1と第 2軸 2との間の相対角変位に応じて生じる。従って磁気センサ 7の出力は、第 1軸 1及び第 2軸に加えられ、前記相対角変位を生じさせる回転トルクの方向及び大きさに対応するものとなり、磁気センサ 7の出力変化に基づいて第 1軸 1、第 2軸 2に加わる回転トルクを検出することができる。 [0041] 以上の如く構成された本発明に係るトルク検出装置において、円筒磁石 4の周方向に並ぶ N極 40, 40…及び S極 41 , 41 · · ·の並設数が以下の如く設定され、第 1軸 1と第 2軸 2との間の相対角変位に応じて生じる磁気センサ 7の出力変化を可及的に大きくし、この出力変化に基づくトルク検出感度を高めて、高精度のトルク検出が行えるようにしてある。

[0042] 前述の如く磁気センサ 7の出力は、円筒磁石 4と磁気ヨーク 5, 5と力図 4 (b)に示す組み付け時の位置関係にあるときに 0であり、この位置から両側への変位に応じて正側又は負側に変化する。この変化は、円筒磁石 4と磁気ヨーク 5, 5とが、図 4 (a)又は図 4 (c)に示す位置関係となるとき、即ち、一方の磁気ヨーク 5の磁極爪 51 , 51…が円筒磁石 4の周上に並ぶ N極 40, 40…の中央に位置し、また他方の磁気ヨーク 5の磁極爪 51 , 51…が円筒磁石 4の周上に並ぶ S極 41 , 41 · · ·の中央に位置するまでの間は比例的に生じる。

[0043] 即ち、磁気センサ 7の出力変化を大きくするためには、検出対象として想定されたトルクの最大値 T (Nm)が第 1軸 1及び第 2軸 2に加えられたとき、第 1軸 1と一体回転する円筒磁石 4と、第 2軸 2と一体回転する磁気ヨーク 5, 5とが、図 4 (a)又は図 4 (c )に示す相対位置となるようにすればよい。ここで、回転トルクの作用下での第 1軸 1と第 2軸 2との間の相対角変位 a (deg)は、両軸 1 , 2を連結するトーシヨンバー 3の捩りばね定数 k (NmZdeg)のみに依存し、前記 T の作用下での相対角変位 a (de g)は、次式により求めることができる。

[0044] a =T /k

[0045] 一方、図 4 (b)に示す状態から図 4 (a)又は図 4 (c)に示す状態までの間の相対角変位量は、円筒磁石 4の N極 40又は S極 41の半幅に相当する中心角度 Θであり、この中心角度 0 (deg)は、円筒磁石 4の周上に並ぶ磁極数（N極 40, 40· · ·及び S極 41 , 41…の総数)を nとした場合、次式により表される。

[0046] θ = 360/2n - - - (2)

[0047] 従って、前述した条件を満たすためには、 a = Θ、即ち、

max

[0048] T /k= 360/2n · ' · (3)

[0049] であればよぐ磁極数 nは整数であることから、円筒磁石 4の磁極数 nを、次式を満足する最大の整数となるように決定することにより、磁気センサ 7の出力変化を可及的に大きくし、トルク検出感度を高めて、高精度のトルク検出を行わせることが可能となる。

[0050] 2·η·Τ /k< 360 …（

max

[0051] また一方以上の如きトルク検出の過程においては、第 1軸 1と一体回転する円筒磁石 4に、使用環境下に浮遊する磁性を有する塵埃 (鉄粉等)が付着することがあり、この種の塵埃の付着力、 N極 40と S極 41との境界部に両者を磁気短絡するように生じた場合、又は円筒磁石 4と磁気ヨーク 5, 5との間のエアギャップを塞ぐように生じた場合、磁気センサ 7の出力に影響を及ぼし、トルク検出感度の低下と共に、トルク検出精度の低下を招くこととなる。

[0052] 本発明に係るトルク検出装置においては、前述の如ぐ円筒磁石 4の端面に凹凸部 42, 42が設けてあり、また円筒磁石 4の軸方向長さを磁気ヨーク 5, 5の軸方向長さよりも長くして、凹凸部 42, 42が設けられた円筒磁石 4の両端部を磁気ヨーク 5, 5の軸長方向両側に適長突出させて組み付けがなされている。

[0053] これにより磁性を有する塵埃の付着は、磁気ヨーク 5, 5との対向部を外れて位置する円筒磁石 4の両端部に集中して生じ、磁気ヨーク 5, 5との間のエアギャップを塞ぐような塵埃の付着を有効に防止することができる。また、両端に設けられた凹凸部 42 , 42において、 N極 40及び S極 41の中央の凸位置に磁束が集中するから、この部分に磁性を有する塵埃の付着が集中し、 N極 40と S極 41とを短絡するような塵埃の付着を有効に防止することができる。従って、磁性を有する塵埃の付着の影響による前述した不具合を有効に回避することが可能となる。

[0054] なお、以上の如き作用をなす凹凸部 42, 42は、図 3に示す形態に限らず、種々の形態にて設けることができる力磁束の集中効果を高めるためには、図 3 (a)及び図 1に示す如ぐ三角形状をなす凸部及び凹部を並設した形態とするのが望ましぐ少なくとも角を有する凸部とする必要がある。

Claims

請求の範囲

[1] トーシヨンバーを介して同軸上に連結された第 1軸及び第 2軸と、周方向に複数の磁極を並設してあり、前記第 1軸と一体回転する円筒磁石と、該円筒磁石が形成する磁界内に配してあり、前記第 2軸と一体回転する一組の磁気ヨークと、これらの磁気ョーク夫々の外側を囲繞して固定配置された一組の集磁リングと、これらの集磁リングの一部に突設され、所定のエアギャップを隔てて対向する集磁突起の間に配された磁気センサとを備え、該磁気センサが検出する前記集磁突起間の磁束密度に基づいて前記第 1軸及び第 2軸に加わるトルクを検出するトルク検出装置において、前記円筒磁石の磁極数 nが、検出対象となるトルクの最大値 T (Nm)及び前記ト max

ーシヨンバーの捩りばね定数 k (Nm/deg)を含む次式を満足する最大の整数となるように決定してあることを特徴とするトルク検出装置。

2·η·Τ /k< 360

max

[2] 前記円筒磁石は、前記磁気ヨークの軸長方向両側への突出部を有し、この突出部の端面に前記磁極の夫々の対応部位を凸として設けられた凹凸部を備える請求項 1 記載のトルク検出装置。

[3] 前記凹凸部は、夫々が三角形状をなす凸部及び凹部を周方向に並べて構成してある請求項 2記載のトルク検出装置。