JP2004163303A - トルクセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トルクセンサ1は、入力軸2と出力軸3とを同軸上に連結するトーションバー4、入力軸2の端部に取り付けられるリング状の磁石5、出力軸3の端部に取り付けられる一組の磁気ヨーク6、及び磁気ヨーク6に生じる磁束密度を検出する磁気センサ7等より構成される。磁気ヨーク6は、磁石5のN極及びS極と同数(12個)の爪6aが全周に等間隔に設けられている。この磁気ヨーク6と磁石5は、トーションバー4に捩じれが生じていない状態で、磁気ヨーク6に設けられた爪6aの中心と磁石5のN極とS極との境界とが一致するように配置されている。磁気センサ7は、軸方向に対向する磁気ヨーク6Aと磁気ヨーク6Bとの間に設けられるギャップ内に挿入されて磁束密度を検出する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電動パワーステアリング装置等の回転動力を伝達する機構における軸トルクを検出するトルクセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
磁石と磁気センサを使った従来技術としては、磁石と磁気センサをトーションバーの両端に同定し、トルクが印加された際に、トーションバーが捩じれることによって磁石と磁気センサの位置関係が変化し、磁気センサからトルクに比例した出力を得るものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、磁石と磁気センサとトーションバーを使用する点で上記の特許文献1と同じであるが、トーションバーの捩じれをギヤを使って軸方向の運動に変える機構にして磁気センサをハウジングに固定させ、磁気センサヘの電力供給と信号の取り出しを行う電気的接触部を不要にしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−159887号公報
【特許文献2】
特開平6−281513号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の方式では、磁石と磁気センサがトーションバーに固定されているため、磁気センサヘの電力供給と信号の取り出しを行うために電気的な接触部が必要となり、具体的にはスリップリングとブラシを使用しているため、接触部の信頼性が懸念される。
【0006】
また、特許文献2の方式では、トーションバーの捩じれを軸方向の運動に変換するギヤ機構を有しているため、構造が複雑になり、且つギヤ機構のバックラッシやギヤの摩耗等により、誤差及び応答遅れ等が生じるため、性能面での懸念点がある。
【0007】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、構造がシンプルで電気的な接触部を持たないトルクセンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1では、第1の軸と第2の軸とを同軸上に連結し、第1の軸と第2の軸との間に捩じれトルクが入力されると、自身に捩じれを生じる弾性部材と、第1の軸に連結されて、周囲に磁界を形成する硬磁性体と、第2の軸に連結され、且つ硬磁性体により形成される磁界内に配置されて磁気回路を形成し、弾性部材の捩じれによって硬磁性体との相対位置が変化すると、磁気回路に発生する磁束密度が変化する構造を有する一組の軟磁性体と、軟磁性体と非接触に設置され、軟磁性体の磁気回路に発生する磁束密度を検出する磁気センサとを備え、硬磁性体は、周方向に着磁され、軟磁性体は、硬磁性体の外周に配置され、且つ軸方向にギャップを介して対向しており、磁石の極数と同数の爪が全周に等間隔に設けられ、且つ一方の軟磁性体に設けられる爪と他方の軟磁性体に設けられる爪とが周方向にずれて交互に配置され、爪は、根本部と先端部とを有し、根本部の周方向の幅が先端部の周方向の幅よりも大きい略台形形状であって、根本部の周方向の幅Aと、先端部の周方向の幅Bと、一方の軟磁性体から他方の軟磁性体までの軸方向の距離Fと、爪の根本部から先端部までの軸方向の長さLと、一方の軟磁性体の爪の根本部の周方向一端から隣り合う爪の根本部の周方向一端までの周方向の長さPとの間に以下の関係が成立することを特徴としている。
【0009】
0.6×F<L<1.2×F
B<0.15×P
A<0.5×P
本発明のトルクセンサは、第1の軸と第2の軸との間に捩じれトルクが入力されて弾性部材に捩じれが生じると、硬磁性体と軟磁性体との相対位置が変化することで、軟磁性体の磁気回路に発生する磁束密度が変化する。この磁束密度の変化を磁気センサで検出することにより、第1の軸と第2の軸との間に印加される捩じれトルクを求めることができる。この構成によれば、硬磁性体から発生する磁束を直接磁気センサで検出する必要がないので、非接触式の磁気センサを定位置に固定して使用することができる。その結果、磁気センサに対し電気的な接触部を設ける必要がないので、信頼性の高いトルクセンサを提供できる。
【0010】
さらに、根本部の周方向の幅Aと、先端部の周方向の幅Bと、一方の軟磁性体から他方の軟磁性体までの軸方向の距離Fと、爪の根本部から先端部までの軸方向の長さLと、一方の軟磁性体の爪の根本部の周方向一端から隣り合う爪の根本部の周方向一端までの周方向の長さPとの間に上記の関係式が全て成立することで、一方の軟磁性体の爪の先端部と他方の軟磁性体との間隔及び一方の軟磁性体の爪と、隣り合う爪との間隔を設定できるため、軟磁性体で発生する磁束密度を大きくすることができる。これにより、磁束密度を磁気センサが感度良く検出することができる。
【0011】
また、請求項2では、第1の軸と第2の軸とを同軸上に連結し、第1の軸と第2の軸との間に捩じれトルクが入力されると、自身に捩じれを生じる弾性部材と、第1の軸に連結されて、周囲に磁界を形成する硬磁性体と、第2の軸に連結され、且つ硬磁性体により形成される磁界内に配置されて磁気回路を形成し、弾性部材の捩じれによって硬磁性体との相対位置が変化すると、磁気回路に発生する磁束密度が変化する構造を有する一組の軟磁性体と、軟磁性体に近接して配置され、軟磁性体から磁束を導くと共に、磁束を集める集磁部を有する補助軟磁性体と、集磁部を介して補助軟磁性体に生じる磁束密度を検出する磁気センサとを備え、硬磁性体は、周方向に着磁され、軟磁性体は、硬磁性体の外周に配置され、且つ軸方向にギャップを介して対向しており、磁石の極数と同数の爪が全周に等間隔に設けられ、且つ一方の軟磁性体に設けられる爪と他方の軟磁性体に設けられる爪とが周方向にずれて交互に配置され、爪は、根本部と先端部とを有し、根本部の周方向の幅が先端部の周方向の幅よりも大きい略台形形状であって、根本部の周方向の幅Aと、先端部の周方向の幅Bと、一方の軟磁性体から他方の軟磁性体までの軸方向の距離Fと、爪の根本部から先端部までの軸方向の長さLと、一方の軟磁性体の爪の根本部の周方向一端から隣り合う爪の根本部の周方向一端までの周方向の長さPとの間に以下の関係が成立することを特徴としている。
【0012】
0.6×F<L<1.2×F
B<0.15×P
A<0.5×P
本発明のトルクセンサは、第1の軸と第2の軸との間に捩じれトルクが入力されて弾性部材に捩じれが生じると、硬磁性体と軟磁性体との相対位置が変化することで、軟磁性体の磁気回路に発生する磁束密度が変化する。さらに、軟磁性体に発生する磁束が補助軟磁性体に導かれて、その補助軟磁性体に設けられた集磁部に集められる。従って、集磁部を介して補助軟磁性体に生じる磁束密度を磁気センサで検出することにより、第1の軸と第2の軸との間に印加される捩じれトルクを求めることができる。この構成によれば、硬磁性体から発生する磁束を直接磁気センサで検出する必要がないので、非接触式の磁気センサを定位置に固定して使用することができる。その結果、磁気センサに対し電気的な接触郡を設ける必要がないので、信頼性の高いトルクセンサを提供できる。また、補助軟磁性体に生じる磁束を集磁部に集めることにより、軟磁性体の全周で発生する磁束密度の平均を磁気センサで検出することができる。これにより、磁気回路を構成する部品の製造ばらつきや組付け精度、センタずれ等による検出誤差を小さくできる。
【0013】
さらに、根本部の周方向の幅Aと、先端部の周方向の幅Bと、一方の軟磁性体から他方の軟磁性体までの軸方向の距離Fと、爪の根本部から先端部までの軸方向の長さLと、一方の軟磁性体の爪の根本部の周方向一端から隣り合う爪の根本部の周方向一端までの周方向の長さPとの間に上記の関係式が全て成立することで、請求項1と同様に磁束密度を磁気センサが感度良く検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態について説明する。
【0015】
図1は、トルクセンサ1の分解斜視図である。図2は、トルクセンサ1の軸方向断面図である。図3は、磁石5と一組の磁気ヨーク6との位置関係を示す軸方向平面図(a)と側面図(b)である。図4は、トーションバー4の捩じれ角(磁石5と磁気ヨーク6とのずれ角)と磁気ヨーク6に生じる磁束密度との関係を表すグラフである。図5は、一組の磁気ヨーク6の側面図である。図6は、トーションバー4の捩じれ角(磁石5と磁気ヨーク6とのずれ角)と磁気ヨーク6に生じる磁束密度との関係を表わすグラフである。
【0016】
本実施形態のトルクセンサ1は、例えば車両の電動式パワーステアリング装置に用いられるもので、ステアリングシャフトを構成する入力軸2(第1の軸)と出力軸3(第2の軸)との間に設けられ、ステアリングシャフトに加わる操舵トルクを検出している。
【0017】
そのトルクセンサ1は、入力軸2と出力軸3とを同軸上に連結するトーションバー4(弾性部材)、入力軸2の端部(またはトーションバー4の一端側)に取り付けられる磁石5(硬磁性体)、出力軸3の端部(またはトーションバー4の他端側)に取り付けられる一組の磁気ヨーク6(軟磁性体)、及びこの一組の磁気ヨーク6間に生じる磁束密度を検出する磁気センサ7等より構成される。
【0018】
トーションバー4は、両端がそれぞれピン8により入力軸2と出力軸3とに固定され、目的に応じた捩じれ/トルク特性を持たせてある。従って、入力軸2と出力軸3は、トーションバー4が捩じれを生じることで相対的に回動することができる。
【0019】
磁石5は、リング状に設けられて周方向にS極とN極とが交互に着磁され、例えば24極に形成されている。
【0020】
一組の磁気ヨーク6(6A、6B)は、図1に示す様に、磁石5の外周に近接して配置される環状体で、それぞれ磁石5のN極及びS極と同数(12個)の爪6aが全周に等間隔に設けられている。この一組の磁気ヨーク6は、互いの爪6aが周方向にずれて交互に配置される様に、固定部9(図2参照)により位置決めされている。
【0021】
また、一組の磁気ヨーク6と磁石5は、トーションバー4に捩じれが生じていない状態(入力軸2と出力軸3との間に捩じれトルクが加わっていない時)で、各磁気ヨーク6に設けられた爪6aの中心と磁石5のN極とS極との境界とが一致するように配置されている(図3参照)。
【0022】
磁気センサ7は、図3に示す様に、軸方向に対向する一方の磁気ヨーク6Aと他方の磁気ヨーク6Bとの間に設けられるギャップG内に挿入され、両磁気ヨーク6間に生じる磁束密度を検出する。但し、この磁気センサ7は、磁気ヨーク6と接触することなく、図示しないハウジング等に固定されて、定位置に設けられている。
【0023】
磁気センサ7としては、例えばホール素子、ホールIC、磁気抵抗素子等を使用することができ、検出した磁束密度を電気信号(例えば電圧信号)に変換して出力する。
【0024】
次に、本実施形態の作動を説明する。
【0025】
入力軸2と出力軸3との間に捩じれトルクが印加されていない状態、つまりトーションバー4が捩じれていない中立位置では、図4(b)に示す様に、磁気ヨーク6に設けられた爪6aの中心と磁石5のN極とS極との境界とが一致している。この場合、各磁気ヨーク6の爪6aには、磁石5のN極とS極から同数の磁力線が出入りするため、一方の磁気ヨーク6Aと他方の磁気ヨーク6Bの内部でそれぞれ磁力線が閉じている。従って、磁気ヨーク6Aと磁気ヨーク6Bとの間(ギャップG)に磁束が洩れることはなく、磁気センサ7で検出する磁束密度は0となる(図4参照)。
【0026】
入力軸2と出力軸3との間に捩じれトルクが印加されて、トーションバー4に捩じれが生じると、入力軸2に固定された磁石5と出力軸3に固定された一組の磁気ヨーク6との相対位置が周方向に変化する。これにより、図4(a)または(c)に示す様に、磁気ヨーク6に設けられた爪6aの中心と磁石5のN極とS極との境界とが一致しなくなるため、各磁気ヨーク6には、NまたはSの極性を有する磁力線が増加する。
【0027】
この時、一方の磁気ヨーク6Aと他方の磁気ヨーク6Bは、それぞれ逆の極性を有する磁力線が増加するので、一方の磁気ヨーク6Aと他方の磁気ヨーク6Bとの間(ギャップG)に磁束密度が発生する。この磁束密度は、図4に示す様に、トーションバー4の捩じれ量に略比例し、且つトーションバー4の捩じれ方向に応じて極性が反転する。この磁束密度を磁気センサ7で検出し、電圧信号として取り出すことができる。
【0028】
本実施形態のトルクセンサ1は、トーションバー4に捩じれが生じて、磁石5と一組の磁気ヨーク6との相対位置が周方向に変化すると、一組の磁気ヨーク6間の全周で磁束密度が変化する。即ち、一組の磁気ヨーク6間の全周で同一強度の磁束密度を検出できる。従って、一方の磁気ヨーク6Aと他方の磁気ヨーク6Bとが対向するギャップG内に磁気センサ7を挿入することで、磁気ヨーク6に接触することなく、磁気ヨーク6間の磁束密度を検出することができる。これにより、磁気センサ7に対し電気的な接触部(例えばスリップリングとブラシ)を設ける必要がないので、信頼性の高いトルクセンサ1を提供できる。
【0029】
また、磁気センサ7の検出トルク範囲において、磁気ヨーク6で発生する磁束密度を向上させるための磁気ヨーク6の形状の求め方について実験データに基づいて以下に説明する。
【0030】
爪6aは、図5に示すように、根本部6a1と先端部6a2とを有し、根本部6a1の周方向の幅Aが先端部6a2の周方向の幅Bよりも大きく、周方向の中心に沿って対称である略台形形状を呈している。
【0031】
そして、磁石5の極数nを24極、磁気ヨーク6の内径rを31mm、一方の磁気ヨーク6Aから他方の磁気ヨーク6Bまでの軸方向の距離Fを8mmとし、表1に示すように、根本部6a1の周方向の幅A、先端部6a2の周方向の幅B及び根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLの組み合わせを変えて第1から第5実験値の値に設定した。そして、磁気ヨーク6を磁石5との中立位置から周方向に2.5度回転させた場合の磁気ヨーク6で発生する磁束密度をそれぞれ測定した。
【0032】
【表1】
【0033】
表1より、第1実験値と第5実験値とを比較すると、爪6aの根本部6a1の周方向の幅Aの値によって磁気ヨーク6の磁束密度が大きく影響することがわかる。また、第1実験値と第2実験値とを比較すると、根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLの値によって磁気ヨーク6の磁束密度が大きく影響することがわかる。このことから、爪6aの根本部6a1の周方向の幅Aと根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLとが磁気ヨーク6の磁束密度に大きく影響を与えることがわかる。
【0034】
そこで、表2に示すように、根本部6a1の周方向の幅Aを第1から第3実験値の値に、根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLを第1から第4実験値の値にそれぞれ設定した。そして、磁気ヨーク6を磁石5との中立位置から周方向に2.5度回転させた場合の磁気ヨーク6で発生する磁束密度をそれぞれ測定した。
【0035】
【表2】
【0036】
表2より、根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLが第2実験値(7.0mm)、根本部6a1の周方向の幅Aが第2実験値(3.7mm)である場合に磁気ヨーク6で発生する磁束密度を最も大きくすることができることがわかる。
【0037】
以上の実験結果をまとめると、根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLは、表2より7mmが最適であると考えられる。
【0038】
そこで、磁気ヨーク6で発生する磁束密度を向上させるための理論を以下に説明する。
【0039】
根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLと一方の磁気ヨーク6Aから他方の磁気ヨーク6Bまでの軸方向の距離Fとが比例的に変化することで、磁石5と磁気ヨーク6との間を流れる磁束の経路及び磁束の量が変わらない。
【0040】
表1より、根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLが5mmである場合と9mmである場合とを比較すると、9mmの方が磁気ヨーク6の磁束密度を大きくできることがわかる。また、本実施形態では、一方の磁気ヨーク6Aから他方の磁気ヨーク6Bまでの軸方向の距離Fを8mmと固定させている。そのため、根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLを一方の磁気ヨーク6Aから他方の磁気ヨーク6Bまでの軸方向の距離F(8mm)で割ることで、根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLと一方の磁気ヨーク6Aから他方の磁気ヨーク6Bまでの軸方向の距離Fとの比例定数を求めることができる(関係式▲1▼、▲2▼参照)。
【0041】
L(5mm)/F(8mm)=0.625・・・・・・・・・・・・・▲1▼
L(9mm)/F(8mm)=1.125・・・・・・・・・・・・・▲2▼
次に、他方の磁気ヨーク6Bの爪6aは、図5に示すように、周方向に隣り合う第1の爪61と第2の爪62とを有しており、根本部6a1の周方向の幅Aと第1の爪61の根本部6a1の周方向一端(周方向右側一端)から第2の爪62の根本部6a1の周方向一端(周方向右側一端)までの周方向の距離Pとが変化することで、第1の爪61と第2の爪62との周方向の間隔が変化し、磁石5と磁気ヨーク6との間を出入りする磁束の量が変化する。
【0042】
第1の爪61の根本部6a1の周方向一端から第2の爪62の根本部6a1の周方向一端までの周方向の距離Pは、一方の磁気ヨーク6Aと他方の磁気ヨーク6Bとのそれぞれの爪6aの極数nが12極数であることから、以下の関係式▲3▼で求められる。
【0043】
P[mm]=π×r(31mm)/n(12)≒8.11・・・・・・・▲3▼
また、表2より根本部6a1から先端部6a2までの軸方向の長さLが第2実験値(7.0mm)、根本部6a1の周方向の幅Aが第2実験値(3.7mm)の時に、磁気ヨーク6で発生する磁束密度を最も大きくすることができると共に、図6に示す実線の波形になり、且つ根本部6a1の周方向の幅Aが第3実験値(4.2mm)の時に、図6に示す正弦波である点線の波形になることがわかった。
【0044】
このことから、本発明では、第3実験値(4.2mm)を根本部6a1の周方向の幅Aの閾値とした。また、本実施形態では、第1の爪61の根本部6a1の周方向一端から第2の爪62の根本部6a1の周方向一端までの周方向の距離Pを固定させている。そのため、根本部6a1の周方向の幅Aを上述の関係式▲4▼で求めた距離Pで割ることで、根本部6a1の周方向の幅Aと第1の爪61の根本部6a1の周方向一端から第2の爪62の根本部6a1の周方向一端までの周方向の距離Pとの比例定数を求めることができる(関係式▲4▼参照)。
【0045】
A(4.2mm)/P(8.11mm)≒0.517・・・・・・・・▲4▼
次に、図5に示すように、先端部6a2の周方向の幅Bと第1の爪61の根本部6a1の周方向一端から第2の爪62の根本部6a1の周方向一端までの周方向の距離Pとが変化することで、第1の爪61と第2の爪62との周方向の間隔が変化し、磁石5と磁気ヨーク6との間を出入りする磁束の量が変化する。
【0046】
表1より、先端部6a2の周方向の幅Bを1.2mmよりも大きくすると、磁気ヨーク6で発生する磁束密度が低減することから、本発明では、1.2mmを先端部6a2の周方向の幅Bの閾値とした。また、本実施形態では、第1の爪61の根本部6a1の周方向一端から第2の爪62の根本部6a1の周方向一端までの周方向の距離Pを固定させている。そのため、先端部6a2の周方向の幅Bを上述の関係式▲4▼で求めた距離Pで割ることで、先端部6a2の周方向の幅Bと第1の爪61の根本部6a1の周方向一端から第2の爪62の根本部6a1の周方向一端までの周方向の距離Pとの比例定数を求めることができる(関係式▲5▼参照)。
【0047】
B(1.2mm)/P(8.11mm)≒0.15・・・・・・・・・▲5▼
以上説明したように、上記の関係式▲1▼、▲2▼から数値Lを以下の関係式▲6▼の範囲、関係式▲4▼から数値Aを以下の関係式▲7▼の範囲及び関係式▲5▼から数値Bを以下の関係式▲8▼の範囲にそれぞれ設定することによって、磁気ヨーク6で発生する磁束密度は、図6の実線の波形のように、磁束密度の変化が少ない不感帯領域を生じ、磁気センサ7の検出トルク範囲において、正弦波である点線の波形の磁束密度よりも大きくなる。そのため、磁気センサ7が検出する磁束密度の感度を向上させることができる。なお、実験データに若干の誤差があることを考慮して比例定数を決定した。
【0048】
0.6×F<L<1.2×F・・・・・・・・・・・・・・・・・・・▲6▼
A<0.5×P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・▲7▼
B<0.15×P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・▲8▼
また、本実施形態では、磁気ヨーク6もしくは磁石5の極数nを24極、磁気ヨーク6の内径rを31mm、一方の磁気ヨーク6Aから他方の磁気ヨーク6Bまでの軸方向の距離Fを8mmとしているが、磁気ヨーク6の大きさが変化して極数n、内径r、距離Fの値が比例的に変わったとしても、磁石5と磁気ヨーク6との間を流れる磁束の量及び磁束の経路が変わらないため、数値Lと数値Aと数値Bとが上述の関係式▲3▼、▲6▼、▲8▼をそれぞれ満たすことで、図6に示す実線の波形のように、検出トルク範囲において、磁気ヨーク6の磁束密度を点線の波形よりも大きくできる。
【0049】
なお、本実施形態では、例えば根本部6a1の周方向の幅Aが3.7mmである場合に、最も磁気センサ6の磁束密度が大きくできると説明したが、3.7mm付近の値でさらに磁気センサ6の磁束密度を大きくできる値があることも考えられる。
【0050】
なお、本実施形態では、図9に示すように、磁気ヨーク6A、6Bの外周に近接してリング状の集磁リング10(補助軟磁性体)が設けられていてもよい。この集磁リング10は、磁気ヨーク6A,6Bと同じ軟磁性体であって、周方向の一箇所に平板状の集磁部10aが設けられ、互いの集磁部10a同士が軸方向に対向して配置される。但し、集磁部10aは、集磁リング10の他の部位より軸方向に接近して設けられる。さらに、軸方向に対向する集磁部10a同士の間に磁気センサ7が挿入され、その両集磁部10a間に発生する磁束密度を検出する。
【0051】
この構成によれば、集磁リング10が磁気回路の一部を形成するため、磁石5から発生した磁束が磁気ヨーク6を通って集磁リング10に導かれ、その集磁リング10に設けられた集磁部10aに優先的に集まる。この集磁部10a間に発生する磁束密度を磁気センサ7で検出することにより、磁気ヨーク6の全周で発生する磁束密度の平均を取ることができるので、磁気回路を構成する部品の製造ばらつきや組み付け誤差、及び入力側と出力側とのセンタずれ等による検出誤差を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルクセンサの分解斜視図である。
【図2】トルクセンサの軸方向断面図である。
【図3】磁石と一組の磁気ヨークとの位置関係を示す軸方向平面図(a)と側面図(b)である。
【図4】トーションバーの捩じれ角(磁石と磁気ヨークとのずれ角)と磁気ヨークに生じる磁束密度との関係を表すグラフである。
【図5】一組の磁気ヨークの側面図である。
【図6】トーションバーの捩じれ角(磁石と磁気ヨークとのずれ角)と磁気ヨークに生じる磁束密度との関係を表わすグラフである。
【図7】トルクセンサの分解斜視図である。(他の実施例)
【符号の説明】
1…トルクセンサ、
2…入力軸、
3…出力軸、
4…トーションバー、
5…磁石、
6…磁気ヨーク、
7…磁気センサ、
8…ピン、
9…固定部
Claims (2)
- 第1の軸と第2の軸とを同軸上に連結し、前記第1の軸と前記第2の軸との間に捩じれトルクが入力されると、自身に捩じれを生じる弾性部材と、
前記第1の軸に連結されて、周囲に磁界を形成する硬磁性体と、
前記第2の軸に連結され、且つ前記硬磁性体により形成される磁界内に配置されて磁気回路を形成し、前記弾性部材の捩じれによって前記硬磁性体との相対位置が変化すると、前記磁気回路に発生する磁束密度が変化する構造を有する一組の軟磁性体と、
前記軟磁性体と非接触に設置され、前記軟磁性体の磁気回路に発生する磁束密度を検出する磁気センサとを備え、
前記硬磁性体は、周方向に着磁され、
前記軟磁性体は、前記硬磁性体の外周に配置され、且つ軸方向にギャップを介して対向しており、前記磁石の極数と同数の爪が全周に等間隔に設けられ、且つ一方の軟磁性体に設けられる爪と他方の軟磁性体に設けられる爪とが周方向にずれて交互に配置され、
前記爪は、根本部と先端部とを有し、前記根本部の周方向の幅が前記先端部の周方向の幅よりも大きい略台形形状であって、
前記根本部の周方向の幅Aと、前記先端部の周方向の幅Bと、前記一方の軟磁性体から前記他方の軟磁性体までの軸方向の距離Fと、前記爪の根本部から先端部までの軸方向の長さLと、一方の軟磁性体の前記爪の根本部の周方向一端から隣り合う前記爪の根本部の周方向一端までの周方向の長さPとの間に以下の関係が成立することを特徴とするトルクセンサ。
0.6×F<L<1.2×F
B<0.15×P
A<0.5×P - 第1の軸と第2の軸とを同軸上に連結し、前記第1の軸と前記第2の軸との間に捩じれトルクが入力されると、自身に捩じれを生じる弾性部材と、
前記第1の軸に連結されて、周囲に磁界を形成する硬磁性体と、
前記第2の軸に連結され、且つ前記硬磁性体により形成される磁界内に配置されて磁気回路を形成し、前記弾性部材の捩じれによって前記硬磁性体との相対位置が変化すると、前記磁気回路に発生する磁束密度が変化する構造を有する一組の軟磁性体と、
前記軟磁性体に近接して配置され、前記軟磁性体から磁束を導くと共に、前記磁束を集める集磁部を有する補助軟磁性体と、
前記集磁部を介して前記補助軟磁性体に生じる磁束密度を検出する磁気センサとを備え、
前記硬磁性体は、周方向に着磁され、
前記軟磁性体は、前記硬磁性体の外周に配置され、且つ軸方向にギャップを介して対向しており、前記磁石の極数と同数の爪が全周に等間隔に設けられ、且つ一方の軟磁性体に設けられる爪と他方の軟磁性体に設けられる爪とが周方向にずれて交互に配置され、
前記爪は、根本部と先端部とを有し、前記根本部の周方向の幅が前記先端部の周方向の幅よりも大きい略台形形状であって、
前記根本部の周方向の幅Aと、前記先端部の周方向の幅Bと、前記一方の軟磁性体から前記他方の軟磁性体までの軸方向の距離Fと、前記爪の根本部から先端部までの軸方向の長さLと、一方の軟磁性体の前記爪の根本部の周方向一端から隣り合う前記爪の根本部の周方向一端までの周方向の長さPとの間に以下の関係が成立することを特徴とするトルクセンサ。
0.6×F<L<1.2×F
B<0.15×P
A<0.5×P
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