WO2005097265A1

WO2005097265A1 - スプリンクラーヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッド

Info

Publication number: WO2005097265A1
Application number: PCT/JP2005/004610
Authority: WO
Inventors: Yasuaki Koiwa
Original assignee: Senju Sprinkler Co., Ltd.
Priority date: 2004-03-30
Filing date: 2005-03-16
Publication date: 2005-10-20
Also published as: US20070215720A1; KR20060126763A; TW200600145A; JP4673844B2; US7543654B2; CN1933876A; TWI350764B; KR101218165B1; JPWO2005097265A1; CN1933876B

Abstract

【課題】　火災時には迅速に作動し、カバープレートとハウジングの接合強度にバラツキが生じず安定した接合強度が得られるスプリンクラーヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッドの提供。【解決手段】　給水管に接続され、火災時には内部の弁体が開放されて給水管内の消火液が散布されるスプリンクラーヘッドに取付られるハウジングと、スプリンクラーヘッドを覆い隠すカバープレートと、ハウジングに設置され内部に穴を有するマウントから構成され、該穴より溶融した低融点合金によってカバープレートとマウントが接合されるスプリンクラーヘッドカバーであり、スプリンクラーヘッドのヒートコレクターはカバープレートに接触可能な構造である。

Description

明細書

スプリンクラーヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッド

技術分野

[0001] 本発明は、建物内に設置され火災時に作動して消火液を散布するスプリンクラーへッドおよび該スプリンクラーヘッドに設置されるスプリンクラーヘッドカバーに関するものである。

背景技術

[0002] 建物内の天井や壁に設置されるスプリンクラーヘッドは、給水配管と接続されており、スプリンクラーヘッド内部の弁体によってノズルが閉鎖されている。弁体は感熱作動部により支持されており、該感熱作動部には感熱体が組込まれていて、感熱体が火災の熱を感知することで感熱作動部が作動に至り弁体が開放されるものである。

[0003] 弁体が開放されると、ノズル内の消火液が放出され、消火液はノズルの先に設置されたデフレクタ一に衝突して四方に飛散し火災が抑制 ·消火される。

[0004] 上記のスプリンクラーヘッドは、室内において意匠的にあまり好ましいものではないので、スプリンクラーヘッドを覆い隠すためのスプリンクラーヘッドカバーがある。

[0005] スプリンクラーヘッドカバーは、スプリンクラーヘッド外部に取付られるハウジングと、スプリンクラーヘッドを覆、隠すカバープレートから構成され、ハウジングとカバープレートは、低融点合金によって接合されている。

[0006] 火災時、スプリンクラーヘッドカバーは火煙による熱気流およびカバープレートが吸収した熱によって低融点合金が溶融し、ハウジングとカバープレートとの接合が解除されてカバープレートが落下される。

[0007] 続いてハウジング内部のスプリンクラーヘッドが火災の熱によって作動して消火液が散布されるものである。

[0008] スプリンクラーヘッドカバーが設置されたスプリンクラーヘッドの例として、カバープレートが円盤状のもの (例えば、特許文献 1参照。）と、カバープレートが椀状のものとがある (例えば、特許文献 2参照。 ) ₀

[0009] 特許文献 1：米国特許第 5372203号明細書特許文献 2：米国特許第 5072792号明細書

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] 特許文献 1記載のスプリンクラーヘッドカバーが設置されたスプリンクラーヘッドは、円盤状のカバープレートが設置されているので、天井面力の突出量が少なく意匠的に優れたものである力火災時にカバープレートが外れた後に、ハウジング内の奥に設置されているスプリンクラーヘッドに火災の熱気流が届き難ぐスプリンクラーへッドが作動に至るまでに時間を要するものである。

[0011] また、特許文献 2記載のスプリンクラーヘッドカバーが設置されたスプリンクラーヘッドは、椀状のカバープレートが設置されたものであり、火災時においてはカバープレートの作動による落下およびスプリンクラーヘッドの作動が特許文献 1のスプリンクラーヘッドよりも早く行なわれるものである。

[0012] しかしながら、カバープレートが椀状であるため、カバープレートとハウジングの接合部分が斜面となるので、ろう付けの際に溶融した低融点合金がカバープレートの斜面によって流れることから、ろう付け作業は困難なものとなり作業者の力量によっては接合強度にばらつきが発生するおそれがある。

[0013] カバープレートとハウジングの接合部分において、低融点合金の量が不足したり、接合面積が小さかったりすると接合強度が弱くなる。このような状態でカバープレートに外力が加わると、低融点合金がカバープレートあるいはハウジング力剥れたり、力バープレートが外れて落下してしまう可能性がある。

[0014] そこで本発明では、上記問題に鑑み、火災時には迅速に作動し、カバープレートとノ、ウジングの接合強度にバラツキが生じず安定した接合強度が得られるスプリンクラ一ヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッドの提供を目的として、る。

課題を解決するための手段

[0015] 上記の目的を達成するために、本発明者は火災時において天井下面を漂う熱気流から、効率よく熱を吸収して低融点合金の溶融を促進させるために、天井面に対するカバープレートの距離に着目して本発明を完成させた。 [0016] 天井面下を漂う熱気流の温度は、天井面直下よりも天井面より下方に数ミリメートル力も数十ミリメートルの部分の温度が最も高ぐ後は天井面力も離れるに従い温度が低くなる傾向にある。

[0017] そこで、上記の天井面より下方に数ミリメートル力も数十ミリメートルの部分にカバープレートを設置することで、熱気流より効率よく熱を吸収できることが明らかになった。

[0018] 一方、スプリンクラーヘッドカバー内に収容されているスプリンクラーヘッドについても

、火災時に迅速に作動されるように、スプリンクラーヘッドカバーが設置された状態でもスプリンクラーヘッドに熱を伝達できることを考慮した。

[0019] また、カバープレートの接合強度において、カバープレートを曲面形状とした場合でも、ノ、ウジングとカバープレートの曲面との接合構造について、十分な接合強度が得られる構造とした。

[0020] 請求項 1記載の発明は、給水管に接続され、火災時には内部の弁体が開放されて給水管内の消火液が散布されるスプリンクラーヘッドに取付られるハウジングと、スプリンクラーヘッドを覆い隠すカバープレートと、ハウジングに設置され内部に穴を有するマウントから構成され、該穴より溶融した低融点合金によってカバープレートとマウントが接合されているスプリンクラーヘッドカバーである。

[0021] 請求項 2記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、マウントのカバープレート接続面がフランジ形状となっている請求項 1記載のスプリンクラーヘッドカバ一である。

[0022] 請求項 3記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、マウントのカバープレート接続面とカバープレートとの間には隙間が設けられている請求項 1または 2 記載のスプリンクラーヘッドカバーである。

[0023] 請求項 4記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、カバープレートが曲面形状をしており、マウントのカバープレート接続面がカバープレートの曲面に接する斜面となっている請求項 1または 2記載のスプリンクラーヘッドカバーである。

[0024] 請求項 5記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、マウントのカバープレート接続面に位置合わせ手段が設けられている請求項 4記載のスプリンクラーへッドカバーである。 [0025] 請求項 6記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、カバープレートおよびマウントは熱伝導性能が良好な部材によって形成されており、ハウジングは断熱材料により形成されている請求項 1記載のスプリンクラーヘッドカバーである。

[0026] 請求項 7記載の発明は、給水管に接続され、火災時には内部の弁体が開放されて給水管内の消火液が散布されるスプリンクラーヘッドに取付られるハウジングと、スプリンクラーヘッドを覆い隠すカバープレートから構成され、ハウジングの下部にフランジが形成されており、該フランジには貫通穴が穿設され該貫通穴より溶融した低融点合金によってカバープレートとマウントが接合されるスプリンクラーヘッドカバーである

[0027] 請求項 8記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、ハウジングのフランジとカバープレートとの間には隙間が設けられている請求項 7記載のスプリンクラーヘッドカバーである。

[0028] 請求項 9記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、カバープレートは曲面形状をしており、フランジのカバープレート接続面はカバープレートの曲面に接する斜面となっている請求項 7または 8記載のスプリンクラーヘッドカバーである。

[0029] 請求項 10記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、ハウジングは断熱材料によって形成され、ハウジングのカバープレート接続面には、低融点合金との接合が良好な材料による皮膜が施されている請求項 7記載のスプリンクラーヘッド力バーである。

[0030] 請求項 11記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、ハウジングと力バープレートとの間に三つ折された板パネが設置されている請求項 1または 7記載のスプリンクラーヘッドカバーである。

[0031] 請求項 12記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、板パネのハウジング接触面の端に、折り返しが設けられて、る請求項 11記載のスプリンクラーヘッドカバーである。

[0032] 請求項 13記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドカバーのハウジングが設置可能なスプリンクラーヘッドであり、スプリンクラーヘッド下部に設置された感熱体と接続されるヒートコレクターが前記カバープレートと接触可能であるスプリンクラーヘッドである。

[0033] 請求項 14記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドにおいて、ヒートコレクタ一は層状に複数枚設置されており、一番下のヒートコレクターがカバープレートに接触可能である請求項 13記載のスプリンクラーヘッドである。

[0034] 請求項 15記載の発明は、前記スプリンクラーヘッドにおいて、一番下のヒートコレクタ一は弾性材料より形成され、斜め下方に放射状に延出された複数枚の羽根を有している請求項 13記載のスプリンクラーヘッドである。発明の効果

[0035] 請求項 1記載の発明によれば、スプリンクラーヘッドカバーにおけるハウジングとカバ一プレートとの接合に、マウントを用いたことで、マウントがスぺーサ一の役割をして力バープレートの設置高さが天井面下の熱気流を吸収しやすい位置に配置可能となる

[0036] また、製造工程におヽてはマウントが既に設置されて、るハウジングにお、て、ハウジングをカバープレートの上に載せて、マウント内へ低融点合金片を入れた後に炉内で加熱すると、マウント内の低融点合金片が溶融する。これを冷却するとカバープレートとマウントが接合される。

[0037] 上記によれば、一度に大量のスプリンクラーヘッドカバーを製造することが可能となり、また低融点合金片の量ゃ炉内の温度、冷却時間等をコントロールすることで品質が安定した製品を製造できる。

[0038] 請求項 2記載の発明によれば、マウントのカバープレート接続面をフランジ形状としたことで、該フランジ面とカバープレートが低融点合金によりろう付けされ、接合面積が大きくなることで接合強度も大きくなる効果がある。

[0039] 請求項 3記載の発明によれば、マウントのカバープレート接続面とカバープレートとの間に隙間を設けたことで、低融点合金が溶融した際に、毛細管現象によって隙間内に低融点合金が流れ込む作用を有する。さらに溶融した低融点合金の表面張力によってカバープレート接続面の外周面にも低融点合金が付着し、カバープレート接続面の外周面とカバープレートとが低融点合金によって立体的に接合されて、接合強度が向上されるものでる。

[0040] 請求項 4記載の発明によれば、カバープレートが曲面形状としたことで外力を受けても変形しにく、効果がある。またマウントとカバープレートとの接合強度が十分に得られるように、マウントのカバープレート接続面がカバープレートの曲面に接する斜面としたものである。上記請求項 3の発明と組み合わせることで、さらに接合強度が向上されるものである。

[0041] 請求項 5記載の発明によれば、カバープレートが曲面形状の場合には、マウントの力バープレート接続面が水平とならずに斜面となるので、カバープレート接続面に位置合わせ手段を設けて、斜面であるカバープレート接続面の全周がカバープレートに接触される位置でマウントをノヽウジングに設置できるようにしたものである。

[0042] 請求項 6記載の発明によれば、カバープレートおよびマウントが吸収した火災の熱を低融点合金の溶融のみに消費されるように、ハウジングを断熱材料によって形成したものである。

[0043] 請求項 7記載の発明によれば、上記のマウントを用いる換わりにハウジング下部に形成したフランジに貫通穴を穿設し、該貫通穴に低融点合金片を入れて炉内で加熱することでノヽウジングとカバープレートを接合するものである。

[0044] 請求項 8記載の発明の効果は、請求項 3記載の発明の効果と同様であり、また請求項 9記載の発明の効果は、請求項 4記載の発明の効果と同様である。

[0045] 請求項 10記載の発明によれば、ハウジングのカバープレート接続面に低融点合金との接合が良好な材料による皮膜が施されていることで、ハウジングとカバープレートを接合した後に、ハウジングと低融点合金が剥離して接合強度が弱くなることを防止するものである。

[0046] 請求項 11記載の発明によれば、火災時においてカバープレートとマウントとを引き離して落下を促すために板パネを設置したものであるが、該板パネを三つ折形状としたことで、作動のストロークが二つ折の板パネよりも大きくなる。

[0047] 特に、カバープレートが曲面である場合には、板パネが接するカバープレートの曲面とハウジング底面とが平行ではな、ことから、板パネを三つ折形状として作動ストロークを大きくしたほうが、低融点合金が溶融した際にカバープレートをマウントから引き離すのに十分な作動ストロークを得ることができる。

[0048] 請求項 12記載の発明によれば、前記板パネのハウジング接続面の端に折り返しを設けたことで、折り返し部分がハウジングの周縁と係合されることにより、板パネが力バープレート内部に滑り込んでしまうことや、ハウジングの外に外れてしまうことが防止され、常に板パネが適切な位置に配置されるものである。

[0049] 請求項 13から 15記載の発明によれば、スプリンクラーヘッドがカバープレートに覆われた状態でもカバープレートに接触しているヒートコレクターによって感熱体に熱を伝えることが可能な構造としたものである。

[0050] また、一番下のヒートコレクターが斜め下方に放射状に延出した複数枚の羽根を有する形状となっており、カバープレートが設置されている状態においてヒートコレクタ一の羽根は略水平方向に拡がっており、カバープレートが落下した際には、ヒートコレクターの羽根が斜め下方に延出した形状に復元して天井面下を漂う熱気流より熱を吸収しやす、構造としたものである。

発明を実施するための最良の形態

[0051] 本発明の実施形態として以下に実施例 1、 2を示す。実施例 1は請求項 1から 5および請求項 11、 12に記載されている発明の実施形態であり、実施例 2は請求項 7から 10に記載されている発明の実施形態である。また、実施例 1、 2のスプリンクラーへッドカバーが設置される請求項 13から 15記載のスプリンクラーヘッドについては、実施例 1の説明に含める。

実施例 1

[0052] 以下、この発明の実施例 1を図 1から図 7を参照して説明する。図 1は実施例 1のスプリンクラーヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッドの断面図、図 2はスプリンクラーへッドカバーの平面図、図 3はスプリンクラーヘッドカバーの分解断面図、図 4はカバープレートとマウントの接合前の断面図、図 5はカバープレートとマウントの接合後の断面図、図 6はスプリンクラーヘッドの断面図、図 7はスプリンクラーヘッドカバーとスプリンクラ一ヘッドの係合部の拡大断面図、図 8はカバープレートが落下した図、図 9はスプリンクラ一ヘッドが作動した図である。 [0053] 図 1から図 3に示す実施例 1のスプリンクラーヘッドカバーは、ハウジング 1、カバープレート 2、マウント 3により構成され、スプリンクラーヘッド 4に取付けられる。

[0054] ノ、ウジング 1は、弾性を有する断熱材料、具体的にはステンレス材料や、合成樹脂または、金属材料に断熱材をコーティングしたものから構成されており、円筒部 5と、円周部 5の下端に外側へ拡張したフランジ 6が形成されている。

[0055] 円筒部 5は、複数の切込み 5Aによって細幅の可動面 7、 7· · ·が形成されている。可動面 7は切込みによって円筒部 5と分けられていることから、外側および内側への弹性変形が可能となっている。該可動面 7上にスプリンクラーヘッド 4と係合するための爪 8が斜め下方に突出して設けられている。

[0056] フランジ 6に穿設された複数の穴 6Aにマウント 3が装着され、マウント 3がフランジ 6より吊り下げられた状態で設置されてヽる。

[0057] フランジ 6の周縁には、フランジ 6とカバープレート 2の間に設置される板パネ 9を係合するための切欠き 10が形成されて、る。板パネ 9は弾性材料を三つ折にして形成されており、フランジ 6と接触する側の端に爪 11が形成されている。

[0058] 爪 11を一つの切欠き 10に係止した状態でフランジ 6とカバープレート 3の間に設置すると、板パネ 9は爪 11によって切欠きに係止されているので、外力が加わった際に板パネ 9がカバープレート 2の内部に滑って外れてしまうことを防止できる。

[0059] カバープレート 2は曲面形状をしており、周縁が立ち上がった形状となっている。周縁が立ち上がって!/、ることで、前述の板パネ 9が設置された状態力取外すことをできなくしている。

[0060] カバープレート 2を曲面形状としたことで、カバープレート 2の表面積が平面の場合よりも大きいので、天井下面を漂う熱気流力も効率よく熱を吸収することができる。また、外力に対するカバープレート 2の強度が向上すると、う効果が得られる。

[0061] マウント 3は、円筒形状であり上部が絞られて小径筒 12となっている。該小径筒 12は、ハウジング 1の穴 6Aに挿通され、フランジ 6より突出した上側に部分した部分をカシメカロェによってハウジング 1に固定される。

[0062] マウント 3の下部には外側に拡張したフランジ 13となっており、フランジ 13は、マウント 3の円筒軸に対して斜めに形成されて!、る。 [0063] フランジ 13には切欠き 14が形成され、該切欠き 14はハウジング 1とマウント 3を接合する際に位置合わせに用、られる。該切欠き 14により位置合わせを行なうことでフランジ 13の斜面がカバープレート 2と面接触する位置でハウジングに固定されるものである。

[0064] フランジ 13の下面は、カバープレート 2と接続される面となっており、該面には突起 1 5が形成されている。該突起 15は、フランジ 13とカバープレート 2との間に隙間 16を形成する作用を有するものである。

[0065] 該隙間 16は、カバープレート 2とマウント 3を溶融させた低融点合金 17によって接合するときに、マウント 3内部の溶融した低融点合金 17が毛細管現象によって該隙間 1 6内に流出する作用を有するものである（図 5参照)。

[0066] 隙間 16内の溶融した低融点合金 17は、表面張力によってフランジ 13の外周面にも付着し、この状態で冷却するとカバープレート 2とマウント 3が接合され、フランジ 13の底面とカバープレート 2との接合だけでなぐフランジ 13の外周面とカバープレート 2 とが立体的に接合されるので強固に接合される。

[0067] 図 1および図 6に示すスプリンクラーヘッド 4は、給水配管 4Aと接続され、スプリンクラ一ヘッド内部の弁体 4Bによってノズル 4Cが閉鎖されている。弁体 4Bは感熱作動部 4Dにより支持されており、該感熱作動部 4Dには感熱体 4Eが組込まれていて、感熱体 4Eが火災の熱を感知することで感熱作動部が作動に至り弁体が開放されるものである。

[0068] ところで、大部分のスプリンクラーヘッドは、感熱体の構造がグラスバルブによるものと、低融点合金を使用したものに分けられる力本発明に使用されるスプリンクラーへッドの感熱体は、低融点合金を使用したものが用いられており、その構造の一例として、日本国公開特許公報の特開平 7— 284545号公報に記載されたものがある。

[0069] 尚、本発明においては、スプリンクラーヘッドの内部構造についての説明は省略する

[0070] 本発明に使用される図 6のスプリンクラーヘッド 4は、感熱体 20として有底円筒形状のシリンダー 21内に低融点合金 22が充填され、該低融点合金 22の上にプランジャ一 23が載置されて!、るものである。 [0071] シリンダー 21の下部には、数枚の円盤形状をしたヒートコレクター 24が層状に設置されている。ヒートコレクター 24は、シリンダー 21内部の低融点合金 22に熱を伝えるため火災の熱を吸収しやすい材料、例えば銅や銅合金、アルミニウム等によって形成されている。

[0072] ヒートコレクター 24の一番下に放射状に複数枚の羽根 26を有するヒートコレクター 2 5が設置されている。

[0073] ヒートコレクター 25は、バネ材等の弾性材料により形成され、各々の羽根 26が放射状に斜め下方に向力つて垂下された状態となっている。

[0074] スプリンクラーヘッド 4にハウジング 1を取付けると、カバープレート 2の内側がヒートコレクター 25に接触され、羽根 26が外側に拡がった状態となる。カバープレート 2が外れると、ヒートコレクター 25は弾性材料によって形成されているので、元の形状に戻る

[0075] スプリンクラーヘッド 4の外周面には、ハウジング 1と係合するための鋸形ネジ 27が螺刻されている。鋸形ネジ 27のネジ山の断面形状は、上面 28が略水平な平面となっており、該平面より斜め下に延びた斜面 29が形成されている。

[0076] 次に、本発明のスプリンクラーヘッドカバーの組立手順について説明する。

[0077] まず、ハウジング 1とマウント 3を接続する。ハウジング 1のフランジ 6に穿設された複数の穴 6Aに、マウント 3の小径筒 12を通して、マウント 3のフランジ 13に形成された切欠き 14の位置を合わせる。

[0078] この状態で小径筒 12をカシメによってフランジ 6に固定する。すると、各々のマウント

3のフランジ 13が、カバープレート 2の内側に面接触される方向で固定される。

[0079] 続いて、上記フランジ 13をカバープレート 2の内側に載せ、マウント 3内に低融点合金片 17を入れる（図 4参照)。それを炉に入れて加熱すると低融点合金 17は炉内の熱によって溶融し、毛細管現象によってマウント 3とカバープレート 2との隙間 16に流出する（図 5参照)。

[0080] このとき、表面張力によってマウント 3とカバープレート 2の隙間 16に溶融した低融点合金 17は、マウント 3のフランジ 13の外周面にも付着し、カバープレート 2とフランジ 1 3の外周面との間に低融点合金 17が介在している状態にある。 [0081] 上記ハウジング 1とカバープレート 2を炉カも取出して冷却すると、低融点合金 17が固まりハウジング 1とカバープレート 2が接合される。最後にハウジング 1の切欠き 10と板パネ 9の爪 11が係合されるように配置させ、板パネ 9の下面がカバープレート 2の周縁の立ち上がり部より内側に納まるまで押し込めばスプリンクラーヘッドカバーが出来上がる。

[0082] 次に、スプリンクラーヘッドカバーを前述のスプリンクラーヘッド 4に取付ける手順について説明する。

[0083] スプリンクラーヘッド 4は天井内に配設された配管 4Aに接続され、感熱体 20より下側の構成品のみが天井面 C力も突出された状態で設置されている。スプリンクラーへッド 4にスプリンクラーヘッドカバーをノヽウジング 1の円筒部 5より揷通させる。するとハウジング 1の爪 8が、スプリンクラーヘッド 4の外周面に形成された鋸形ネジ 27の斜面 2 9に接触する。

[0084] 図 7に示すように鋸形ネジ 27のねじ山の断面形状は、上面 28が略水平な平面が形成されており、該平面より斜め下方に延びた斜面 29となっているので、爪 8を上方に移動させる方向に対しては、爪 8および爪 8が設置されている可動面 7が斜面 29に沿つて外側に弾性変形するので鋸形ネジに引つ力かることなくハウジング 1を上方に移動させることが可會である。

[0085] ハウジング 1のフランジ 6が天井面 Cと接触する位置までハウジング 1を押し上げることでスプリンクラーヘッド 4にスプリンクラーヘッドカバーを設置することができる。

[0086] 上記の鋸形ネジにより、ハウジング 1は天井方向への移動は可能である力逆の方向に移動することはできない。ノ、ウジング 1をスプリンクラーヘッドから取外す際にはハウジング 1を回転させると鋸形ネジから取外すことができる。

[0087] 続いて、火災時のスプリンクラーヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッドの作動について説明する。

[0088] 常時において、図 1に示すようにスプリンクラーヘッドカバーのカバープレート 2は、スプリンクラ一ヘッドのヒートコレクター 25に接触した状態にある。火災が発生すると、火災の熱によって熱せられた空気が上昇し、天井面下を漂う。

[0089] カバープレート 2は熱気流より熱を吸収し、カバープレート 2と接合している低融点合金 17およびスプリンクラーヘッド 4のヒートコレクター 25を介して感熱体 20の低融点合金 22に熱を伝える。

[0090] また、ハウジング 1のフランジ 6とカバープレート 2との間の隙間力カバープレート 2 内に熱気流が流入し、ヒートコレクター 24および 25、マウント 3も熱気流から直接熱を吸収することができる。

[0091] カバープレート 2とマウント 3から低融点合金 17に伝播された熱は、断熱材料より形成されたハウジング 1には伝わることがなぐ低融点合金 17を溶融させるために作用される。

[0092] 低融点合金 17の溶融によってカバープレート 2とマウント 3の接続強度が弱まり、また板パネ 9がカバープレート 2の落下を促すように作用するため、カバープレート 2は落下し、ノ、ウジング 1内部のスプリンクラーヘッド 4が露出する（図 8参照)。

[0093] カバープレート 2が落下すると、カバープレート 2と接触していたヒートコレクター 25の羽根 26が元の形状に戻り、各々の羽根 26が斜め下方に突出した形状となる。

[0094] ヒートコレクター 24、 25は天井面下の熱気流より熱を吸収して感熱体 20の低融点合金 22に熱を伝えることで低融点合金 22が溶融し、プランジャー 23がシリンダー 21内に埋没することで感熱作動部が作動する。

[0095] 弁体を支持していた感熱作動部が作動したことで弁体の支持が解除され、弁体はノズルを開放し、ノズルより消火液が放出される。消火液の放出によってスプリンクラーヘッド内部に収納されていたデフレクタ一 Dがノズルの前方に突出して配置され、ノズルより放出した消火液はデフレクタ一 Dに衝突して四方に飛散され、消火液が周囲に散布されることで火災が抑制 ·消火される。

実施例 2

[0096] 続いて実施例 2について図 10から図 12を参照して説明する。図 10は実施例 2のスプリンクラ一ヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッドの断面図、図 11は実施例 2のハウジングの断面図。図 12は実施例 2のハウジングの平面図である。

[0097] 実施例 2のスプリンクラーヘッドかバーは、ハウジング 31、カバープレート 2から構成され、スプリンクラーヘッド 4に取付けられる。尚、実施例 1と構造が同じカバープレート 2およびスプリンクラーヘッド 4については、同符号を付して説明は省略する。また、ハウジング 31についても、実施例 1と構造および機能について同じである箇所は同符号を付して説明は省略する。

[0098] ノヽウジング 31は断熱材料、具体的にはステンレス鋼や合成樹脂等から形成され、実施例 1と同様に円筒部 5およびフランジ 6が形成されている。円筒部 5は実施例 1と同様であり、可動面 7が形成され、該可動面 7にスプリンクラーヘッド 4と係合するための爪 8が設置されている。

[0099] フランジ 6には、実施例 1と同様にフランジ 6とカバープレート 2の間に設置される板バネ 9を係合するための切欠き 10が形成されている。

[0100] またフランジ 6には、低融点合金 17を収容する複数の凹み 32が形成されている。凹み 32の底面 33はカバープレート 2との接続面であり、底面 33の形状は、カバープレート 2の内面形状に沿った斜面または曲面形状になっている。

[0101] 底面 33には、低融点合金 17によってカバープレート 2との接合強度を向上させるために、低融点合金との接着性が良好な材料による皮膜 34が施されている。皮膜 34 の具体的な材料として、銅ゃスズ等が上げられ、これら材料を底面 33に貼付、メツキ、塗付する等して皮膜 34が形成される。あるいは、低融点合金との接着性が良好な材料を、底面 33に埋め込んで形成してもよい。

[0102] また、底面 33には、カバープレート 2側に突出した小さな突起 35が設けられている。

該突起 35により底面 33とカバープレート 2との間には、僅かな隙間 36が設けられる。

[0103] 底面 33には、凹み 32から底面 33に貫通する小孔 37が穿設されており、凹み 32内の低融点合金 17を加熱し溶融させると、小孔 37から隙間 36へ毛細管現象によって溶融した低融点合金 17がカバープレート側に流出し、表面張力によって隙間 36内に留まり、冷却することで底面 33とカバープレート 2が接合される。

[0104] フランジ 6のカバープレート 2側の面には、放射状に複数の突起 38が形成されている。これは、カバープレート 2が外力によって変形することを防止するものである。

[0105] 次に実施例 2のスプリンクラーヘッドカバーの組立手順について説明する。

[0106] まず、ハウジング 31の各々の凹み 32に低融点合金片 17を入れる。次にハウジング 3 1の底面 33をカバープレート 2の上に載せる。この状態で底面 33とカバープレート 2 の間には突起 35によって隙間 36が形成されている。 [0107] カバープレート 2にハウジング 31を載せたものを炉に入れて加熱する。低融点合金 1 7は炉内の熱によって溶融し、毛細管現象によって底面 33とカバープレート 2との隙間 36に流出する。

[0108] 上記ハウジング 31とカバープレート 2を炉から取出して冷却すると、低融点合金 17が固まりハウジング 31とカバープレート 2が接合される。最後にハウジング 1の切欠き 10 と板パネ 9の爪 11が係合されるように配置させ、板パネ 9の下面がカバープレート 2の周縁の立ち上がり部より内側に納まるまで押し込めばスプリンクラーヘッドカバーが出来上がる。

[0109] 実施例 2のスプリンクラーヘッドカバーでは、実施例 1のようにマウント 3をハウジング 1 に設置する手間がないので安価にスプリンクラーヘッドカバーを製造することができる。

[0110] また、カバープレート 2が吸収した熱は、ハウジング 31が断熱材料によって形成されているので、底面 33には熱が伝わらずに低融点合金 17の溶融のみに熱が消費され、低融点合金 17に無駄なく熱が伝わり溶融が促進される効果を有する。

[0111] 実施例 2のスプリンクラーヘッドカバーのスプリンクラーヘッド 4への取付け手順および火災時の作動につ、ては、実施例 1と同様であるので説明は省略する。図面の簡単な説明

[0112] [図 1]実施例 1のスプリンクラーヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッドの断面図

[図 2]スプリンクラーヘッドカバーの平面図

[図 3]スプリンクラーヘッドカバーの分解断面図

[図 4]カバープレートとマウントの接合前の断面図

[図 5]カバープレートとマウントの接合後の断面図

[図 6]スプリンクラーヘッドの断面図

[図 7]スプリンクラーヘッドカバーとスプリンクラーヘッドの係合部の拡大断面図

[図 8]カバープレートが落下した図

[図 9]スプリンクラーヘッドが作動した図

[図 10]実施例 2のスプリンクラーヘッドカバーおよびスプリンクラーヘッドの断面図 [図 11]実施例 2のハウジングの断面図 [図 12]実施例 2のハウジングの平面図符号の説明

1 ハウジング

2 カノ一プレー十

3 マウント

4 スプリンクラー -ヘッド、

5 円筒部

6 フランジ

7 可動面

8 爪

9 板バネ

13 マウントのフラ ^ンジ

14 切欠き

15 突起

16 隙間

17、 22 低融点合金

20 感熱体

24 ヒートコレクタ、

25 一番下に設置されるヒ

Claims

請求の範囲

[1] 給水管に接続され、火災時には内部の弁体が開放されて給水管内の消火液が散布されるスプリンクラーヘッドに取付られるハウジングと、スプリンクラーヘッドを覆い隠すカバープレートと、ハウジングに設置され内部に穴を有するマウントから構成され、該穴より溶融した低融点合金によってカバープレートとマウントが接合されていることを特徴としたスプリンクラーヘッドカバー。

[2] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、マウントのカバープレート接続面がフランジ形状となっていることを特徴とする請求項 1記載のスプリンクラーヘッドカバー。

[3] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、マウントのカバープレート接続面とカバープレートとの間には隙間が設けられていることを特徴とする請求項 1または 2記載のスプリンクラ一ヘッドカバー。

[4] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、カバープレートが曲面形状をしており、マゥントのカバープレート接続面がカバープレートの曲面に接する斜面となって、ることを特徴とする請求項 1または 2記載のスプリンクラーヘッドカバー。

[5] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、マウントのカバープレート接続面に位置合わせ手段が設けられていることを特徴とする請求項 4記載のスプリンクラーヘッドカバ

[6] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、カバープレートおよびマウントは熱伝導性能が良好な部材によって形成されており、ハウジングは断熱材料により形成されていることを特徴とする請求項 1記載のスプリンクラーヘッドカバー。

[7] 給水管に接続され、火災時には内部の弁体が開放されて給水管内の消火液が散布されるスプリンクラーヘッドに取付られるハウジングと、スプリンクラーヘッドを覆い隠すカバープレートから構成され、ハウジングの下部にフランジが形成されており、該フランジには貫通穴が穿設され該貫通穴より溶融した低融点合金によってカバープレートとマウントが接合されることを特徴としたスプリンクラーヘッドカバー。

[8] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、ハウジングのフランジとカバープレートとの間には隙間が設けられていることを特徴とする請求項 7記載のスプリンクラーヘッド力バー。

[9] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、カバープレートは曲面形状をしており、フランジのカバープレート接続面はカバープレートの曲面に接する斜面となっていることを特徴とする請求項 7または 8記載のスプリンクラーヘッドカバー。

[10] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、ハウジングは断熱材料によって形成され、ノ、ウジングのカバープレート接続面には、低融点合金との接合が良好な材料による皮膜が施されていることを特徴とする請求項 7記載のスプリンクラーヘッドカバー。

[11] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、ハウジングとカバープレートとの間に三つ折された板パネが設置されていることを特徴とする請求項 1または 7記載のスプリンクフ ~へ、ソドカノ ^ ~。

[12] 前記スプリンクラーヘッドカバーにおいて、板パネのハウジング接触面の端に、折り返しが設けられて、ることを特徴とする請求項 11記載のスプリンクラーヘッドカバー。

[13] 前記スプリンクラーヘッドカバーのハウジングが設置可能なスプリンクラーヘッドであり

、スプリンクラーヘッド下部に設置された感熱体と接続されるヒートコレクターが前記力バープレートと接触可能であることを特徴とするスプリンクラーヘッド。

[14] 前記スプリンクラーヘッドにおいて、ヒートコレクタ一は層状に複数枚設置されており、一番下のヒートコレクターがカバープレートに接触可能であることを特徴とする請求項

13記載のスプリンクラーヘッド。

[15] 前記スプリンクラーヘッドにおいて、一番下のヒートコレクタ一は弾性材料より形成され、斜め下方に放射状に延出された複数枚の羽根を有していることを特徴とする請求項 13記載のスプリンクラーヘッド。