WO2005087885A1

WO2005087885A1 - 農業用遮光剤

Info

Publication number: WO2005087885A1
Application number: PCT/JP2005/004480
Authority: WO
Inventors: Toshimi Machida; Yutaka Sonobayashi; Nozomi Inoue
Original assignee: Achilles Corporation
Priority date: 2004-03-16
Filing date: 2005-03-15
Publication date: 2005-09-22
Also published as: TWI425061B; TW200540239A; KR101007165B1; KR20060131885A

Abstract

　農業用樹脂フィルムへ塗布する遮光塗膜を形成する遮光剤として、農業用ハウス等に無機物の皮膜を形成させ遮光を行なうものであり、被覆する無機皮膜として、樹脂エマルジョンをバインダーとして使用し、そこに無機物、特に炭酸カルシウムまたは酸化チタンを配合し、持続性を持たせた遮光層形成させ、雨などの水に対して耐水性があり、また不要となった場合には、アルカリ除去液で簡単に除去し得る遮光塗布膜が得られる農業用遮光剤である。

Description

農業用遮光剤

技術分野

[0001] 本発明は、ハウス栽培あるいはトンネル栽培に使用する農業用フィルムに適用する農業用遮光剤に関する。

背景技術

[0002] ノ、ウス栽培あるいはトンネル栽培に関し、農業用フィルムハウス内で栽培される作物にとって、透過する太陽光線が強すぎ、作物に焼けなどの悪影響を与える場合がある。特に夏場の作物の焼けを防止するため、遮光ネット (シート)を農業用ハウスに被覆し、遮光する手段、あるいは、石灰などの無機物を水に分散させ、農業用フィルムハウスに吹きかけて無機物の皮膜を形成させ、遮光するという手段が採用されてきている。

[0003] し力しながら、例えば、遮光ネット (シート）を農業用フィルムハウスに被覆する方法では、遮光ネット自体が高価なものであり、またその設置ならびに取り外しが簡単に行なうことができず、労力を必要とする欠点があった。また、石灰などの無機物の皮膜を形成させて、遮光するという方法では、フィルム上に均一に遮光皮膜を塗布することが困難であり、また、石灰などの無機物の皮膜は雨が降ると簡単に流れ落ちてしま、、散布を繰り返し行なければならな、等の欠点があった。

[0004] そこで、最近になって、顔料含有の遮光用ペイント (遮光塗料)を農業用フィルムにスプレーで散布'塗布し、フィルム上に遮光塗膜を形成させ、遮光を行なう方法が提案されている（特許文献 1)。この農業用フィルムに遮光ペイントを散布'塗布する方法にあっては、特定の粘度に調整した顔料含有の白色水性ェマルジヨン塗料を使用するものであり、フィルム上への遮光塗膜の形成は優れたものであるが、塗膜の持続性が不十分であり、また、塗膜を容易に除去することができないものであった。

[0005] この遮光塗布膜が不要になった場合には、フィルム上に塗布した遮光塗料を除去しなければならない。し力しながら、これら塗布膜を形成するェマルジヨン塗料自体は、不要時の除去を可能とする処方で配合されているものではない。例えば、冬場においてハウス内に太陽光線の透過を必要とする場合には、界面活性剤を含有する強力な除去液あるいは有機溶媒等で遮光塗膜を除去するか、新たな農業用フィルムを展張する必要があった。

特許文献 1：特開 2002— 119148号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 本発明は、上記問題点に鑑み、農業用榭脂フィルムへ塗布する遮光剤として、農業用ハウス等に白色顔料である無機物の皮膜を形成させ遮光を行なう場合に、雨などにより簡単に流れ落ちることがないよう、遮光塗膜に持続性を持たせると共に、不要となったときは、アルカリ性除去剤にて簡単に除去し得る遮光塗膜を形成し得る農業用遮光剤を提供することを課題とする。

[0007] カゝかる課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明者らは、農業用ハウスフィルムに被覆する無機皮膜として、榭脂ェマルジヨンをバインダーとして使用し、そこに粒子径の異なる 2種類の無機物を配合し、遮光層形成させた場合には、雨などの水に対して耐水性があり、また不要となった場合には、アルカリ除去液で簡単に除去し得る遮光塗布膜が得られることを確認した。

[0008] また本発明者らは、農業用ビニルハウスに使用されるフィルムとして塩ィ匕ビニル系榭脂フィルムの場合には、フィルム表面に、水酸基含有モノマーを共重合したアタリル系榭脂をコーティングして塗膜を形成した後に、白色顔料である無機物と水系榭脂ェマルジヨンとからなるアルカリ性除去剤で容易に除去可能な農業用遮光剤を塗布して遮光層を形成した場合には、長期にわたって持続性に優れると共に、また不要になった場合には、アルカリ除去剤で除去し得る遮光塗布膜が得られることを確認した。

[0009] さらに本発明者らは、農業用榭脂フィルムとして塩ィ匕ビュル系榭脂フィルムあるいはォレフィン系榭脂フィルムの場合にあって、榭脂フィルムにヒンダートアミン系化合物を含有させた農業用榭脂フィルムを使用した場合には、フィルム表面に塗布する遮光剤の遮光塗膜は、長期に亘つて持続性が保持されと共に、また不要となった場合、アルカリ性除去液で簡単に除去し得る遮光塗布膜が得られることを確認した。本発明は、これらの新規は事項に基づいて完成されたものである。

課題を解決するための手段

[0010] したがって本発明は、第一の態様として、無機物、榭脂ェマルジヨン、水性溶媒として水力もなる遮光塗布液であって、榭脂分と無機物の比が固形分比で 1 : 0. 3-1 : 1 5であり、無機物として平均粒子径 1 μ m未満の無機物および平均粒子径 1 μ m以上の無機物である 2種類の無機物を使用すると共に、平均粒子径 1 μ m未満の無機物：平均粒子径以上の無機物の比が、 1 : 0. 5— 2の範囲内であることを特徴とする遮光塗布液力なる農業用遮光剤である。

[0011] また本発明は、第二の態様として、農業用塩ィ匕ビュル系榭脂フィルムの少なくとも遮光剤を塗布する一方の面に、水酸基含有モノマーを共重合したアクリル系榭脂をコーティングして塗膜を形成し、無機物と榭脂ェマルジヨンカゝらなり、該塗膜面に塗布され遮光層を形成し、形成された遮光層がアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤である。

[0012] さらに本発明は、第三の態様として、ヒンダートアミン系化合物を含有する農業用榭脂フィルムに塗布され、無機物と榭脂ェマルジヨンカゝらなり、形成された遮光層がァルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤である。

[0013] より具体的には、農業用榭脂フィルムが農業用塩ィ匕ビ二ル系榭脂フィルムの場合には、ヒンダートアミン系化合物を 0. 05-0. 3重量部含有させ、農業用ォレフイン系榭脂フィルムの場合には、ヒンダートアミン系化合物を 0. 05— 2重量部含有させることを特徴とする農業用遮光剤である。

[0014] この場合、より好ましくは、農業用ォレフイン系榭脂フィルムが多層構造であり、少なくとも遮光剤を塗布する外層にヒンダードアミン系化合物を含有させることを特徴とする農業用遮光剤である。

[0015] 本発明はさらに具体的には、無機物が、炭酸カルシウム、酸化チタン、チタン白、タルク、クレー、シリカ、マイ力、硫酸バリウム力選択される少なくとも 1種であり、より好ましくは、無機物が、炭酸カルシウムまたは酸ィ匕チタンであることを特徴とする農業用遮光剤である。

[0016] また本発明は、より具体的には、榭脂ェマルジヨンとして、榭脂分が酸価 30— 300 の水系榭脂ェマルジヨンであり、榭脂平均粒径が 0. 01-0. 5 mであることを特徴とする農業用遮光剤である。

[0017] さらに本発明は、また別の態様として、上記した各農業用遮光剤を塗布して、アルカリ性除去剤にて除去可能である遮光層を形成することを特徴とする農業用遮光剤の塗工方法でもある。

発明の効果

[0018] 本発明が提供する農業用遮光剤による遮光塗布膜は、降雨などによっても被膜が流されることなぐ長期間に亘つて遮光効果を得ることができる。また、遮光塗膜が不要となった場合には、新たな農業用榭脂フィルムに張り替える必要がなぐアルカリ性除去液にて簡単に除去しうる利点を有して、る。

[0019] 特に、第一の態様の本発明にあっては、特に、遮光塗布液成分として、榭脂ェマルジョン、平均粒子径の異なる 2種類の無機物、水性溶媒である水を使用し、さらに榭脂分と無機物の比を固形分比で特定の範囲内になるようにしたものであるが、そのなかでも特に平均粒子径の異なる無機物を一定の比率で使用することにより、得られる遮光塗布膜に耐水性が付与される。したがって、降雨などによっても無機物の皮膜が流されることなく、長期間に亘つて遮光効果を得ることができる。

[0020] また、第二の態様の本発明にあっては、特に、農業用遮光剤を塗布する農業用塩化ビュル系榭脂フィルムとして、遮光剤に対するベース層として、水酸基含有のモノマーを共重合したアクリル系榭脂のコーティング層を農業用塩ィ匕ビュル系榭脂フィルム上に形成することに一つの特徴を有する。このベース層により、遮光剤が均一にフイルム上に形成されることとなり、形成された遮光塗膜は、持続性に優れたものとなる

[0021] さらに、第三の態様における本発明にあっては、特に、遮光剤を塗布する農業用榭脂フィルムとして、ヒンダートアミン系化合物を含有させた榭脂フィルムを使用する点に特徴を有するものであり、力かる榭脂フィルムを使用することにより、遮光剤が均一にフィルム上に形成され、形成された遮光塗膜は、持続性に優れたものとなる。発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下に、各態様に基づく本発明を、さらに詳細に説明していく。本発明が提供する各態様における農業用遮光剤中に含有される、遮光性を確保するために添加される無機物は、炭酸カルシウム、酸化チタン、チタン白、タルク、クレー、シリカ、マイ力、硫酸バリウム等をあげることができる。そのなかでも特に炭酸力ルシゥムまたは酸ィ匕チタンが好適に使用される。また、必要に応じて 2種以上の無機物を組み合わせた使用してもょ、。

[0023] これらの無機物については、第一の態様における本発明にあっては、その平均粒子径が異なる 2種類の無機物を組合せ配合することがよいことが判明した。

[0024] 特に、その粒子径の相違は 1 μ mを基準とするものであり、平均粒子径が 1 μ m未満の無機物および平均粒子径が 1 m以上の無機物の 2種類を組合せ使用するのがよいことが判明した。平均粒子径の最大としては 100 m程度である。

[0025] 平均粒子径が 1 μ m未満の無機物は、バインダーである榭脂ェマルジヨンと共に農業用ハウスフィルムに塗布された場合には、榭脂ェマルジヨン中へ微細な粒子状として分散していることからフィルム上に強固な無機物皮膜を形成し、その耐水性を向上し得る。し力しながら、不要となった場合の除去性に難点がある。

[0026] 一方、平均粒子径が 1 μ m以上の無機物は、バインダーである榭脂ェマルジヨンと共に農業用ハウスフィルムに塗布された場合には、耐水性が乏しいものとなる。

[0027] したがって本発明においては、この両者を混合使用することにより、耐水性と除去性に調和を持たせたものである。本発明者らの検討の結果、農業用の遮光塗布液としての耐水性と除去性を確保するためには、平均粒子径 1 μ m未満の無機物：平均粒子径 1 m以上の無機物の比力 1 : 0. 5— 2の範囲内であるのがよいことが判明した。

[0028] すなわち、平均粒子径 1 μ m未満の無機物と平均粒子径 1 μ m以上の無機物の配合比が 0. 5未満である場合には、農業用の遮光塗布液としての耐水性が十分ではなぐまた 2を超える場合には、耐水性は十分なものであるが、除去性が十分でない。これらの平均粒子径の異なる無機物としては、上記した各種の無機物をあげることができる力そのなかでも炭酸カルシウムまたは酸ィ匕チタンを使用することが好ましい

[0029] 一方、第二および第三の態様における本発明にあっては、無機物の粒子径は特に限定されるものではなぐ平均粒子径が 1 μ m未満のものから、平均粒子径が 100 μ m程度までのものを巾広く使用することができる。なお、平均粒子径が: L m未満の無機物は、バインダーである榭脂ェマルジヨンと共に農業用ハウスフィルムに塗布された場合には、榭脂中へ微細な粒子状として分散していることからフィルム上に強固な無機物皮膜を形成し、その耐水性を向上し得るものであり、不要となった場合の除去性に劣る欠点があるが、本発明の第二の態様および第三の態様であれば、問題なく使用することが可能である。

[0030] また、平均粒子径が 1 μ m以上の無機物は、バインダーである榭脂ェマルジヨンと共に農業用ハウスフィルムに塗布された場合には、耐水性が劣る欠点があるが、本発明の第二の態様および第三の態様であれば、問題なく使用することが可能である。勿論、第二の態様および第三の態様において、第一の態様の遮光剤を使用してもよい。

[0031] 本発明が提供する農業用遮光剤にあっては、力かる無機物の含有量としては、遮光剤として所望の遮光効果を発揮し得る量であればょヽ。ノインダ一としての榭脂ェマルジヨン中への分散性を考慮した場合、榭脂分と無機物の比が、固形分比で 1 : 0 . 3— 1 : 15であるのがよいことが判明した。すなわち、無機物の配合比が 0. 3に満たない場合には所望の遮光効果を得ることが困難となり、また 15を超えて添加してもそれ以上の遮光効果が得られず、耐水性が低下する。さらに、遮光剤をスプレー塗布する際に目詰まりを生じ易ぐ好ましいものではない。

[0032] 本発明が提供する農業用フィルムに適用する遮光塗布液としての農業用遮光剤においては、遮光塗布液中に含有される榭脂としては、フィルム上に塗布された遮光塗布液が乾燥し、無機物を均一に保持するバインダーとしての榭脂膜を形成するものである榭脂が使用される。

[0033] 当該榭脂としては、その酸価が 30— 300である水性榭脂ェマルジヨンを使用するのがよい。そのような水分散性の榭脂としては、アクリル系榭脂、ウレタン系榭脂、ビ二ル系榭脂、ポリエステル系榭脂、エポキシ系榭脂等をあげることができる力なかでも特に酸価が 30— 300である水分散性アクリル系榭脂、水分散性ウレタン系榭脂が好ましく使用される。 [0034] この酸価は、ポリマー系バインダーについて、 1連鎖あたりの遊離カルボン酸基の平均数と関係するものであり、酸価が大きなものであればあるほど、耐水性がなくなり水に溶けやすくなる。また、酸価が小さなものであれば、水に溶けにくい性質を有している。本発明にあっては、水性榭脂ェマルジヨンとして、榭脂成分が、その酸価が 3 0— 300であるものを使用し、ある程度の耐水性を確保し、必要とされる遮光塗布膜の保持期間を満たすことができる。

[0035] この酸価が 30未満であると形成された塗膜は耐水性には問題な、が、除去性の面で塗膜が除去液で容易に除去できなくなり、好ましくない。また、酸価が 300を超える大きな値であると、榭脂膜の耐水性が低下し、長期間にわたって被覆し得るべき遮光剤としての性能が低下し、好ましくない。

[0036] また、榭脂ェマルジヨンとしての榭脂の平均粒径が 0. 01-0. 5 μ mであることが好ましい。平均粒径が 0. 01 /z mに満たない場合にはェマルジヨンとしての機能を発揮できず、また 0. 5 mを超える場合には、フィルム上に塗布した榭脂が流れてしまい好ましいものではない。

[0037] 本発明が提供する遮光塗布液中における当該榭脂ェマルジヨンの含有量は、配合する無機物との配合比との兼ね合いがあり、水 100重量部に対して、榭脂固形分として 0. 1— 10重量部添加するのがよい。 0. 1重量部未満であるとフィルム上への塗膜の形成が不十分なものとなり、また 10重量部を超える場合には、塗布作業性が低下するとともに、塗布後の乾燥に時間がかかり、それに反して塗膜の持続性はそれほど向上せず経済的ではない。

[0038] 本発明の遮光塗布液には、上記した無機物、特に炭酸カルシウムまたは酸化チタンの他に、必要に応じて、さらに硬化剤、防腐剤、増粘剤、減粘剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、アルコール類等を添加することができる。

[0039] 本発明が提供する遮光塗布液である農業用遮光剤が適用し得る農業フィルムとしては、従来力も農業用フィルムとして用いられているものを、いずれも使用することができる。そのようなフィルムの材質としては、例えば、ポリ塩化ビュルフィルム、ポリエステルフィルム、アクリル榭脂系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタンフィルム、ガラス、酢酸ビュル系フィルム等を挙げることができる。

[0040] 特に、農業用塩ィ匕ビ二ル系榭脂フィルムを構成する榭脂としては、ポリ塩ィ匕ビニルホモポリマーおよび塩ィ匕ビ二ルー酢酸ビュル共重合体、塩ィ匕ビュルエチレン共重合体、塩ィ匕ビュルプロピレン共重合体、塩ィ匕ビュルイソブチレン共重合体、塩ィ匕ビ二ルー塩ィ匕ビユリデン共重合体、塩ィ匕ビ二ルースチレン無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニルーアルキル、シクロアルキルまたはアルキルマレイミド共重合体、塩化ビュルスチレンアクリロニトリル共重合体、塩ィ匕ビュルブタジエン共重合体、塩ィ匕ビュルイソプレン共重合体、塩化ビュル一塩化ビ-リデンー酢酸ビュル三元共重合体、塩化ビニルーアクリル酸エステル共重合体、塩化ビ-ルーマレイン酸エステル共重合体、塩化ビニルーメタクリル酸エステル共重合体、塩ィ匕ビュルアクリロニトリル共重合体、塩ィヒビュルウレタン共重合体などの塩ィヒビニル共重合体が挙げられる。

[0041] また、使用される塩ィ匕ビ二ル系榭脂としては、以下の重合体とのブレンド品であってもよい。そのような重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ— 3 ーメチルブテンなどの α—ォレフイン重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ェチレンープロピレン共重合体などのポリオレフインおよびこれらの共重合体、ポリスチレン、アクリル榭脂、スチレンと他の単量体 (例えば、無水マレイン酸、ブタジエン、アタリ口二トリルなど）との共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、メタタリル酸エステルブタジエンスチレン共重合体、ポリウレタン等が挙げられる。

[0042] これらの塩ィ匕ビ二ル系榭脂組成物中には、必要に応じて、可塑剤、安定化剤、滑剤、粘着防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、無機重点剤等の各種添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、従来力も塩ィ匕ビュル系榭脂フィルムの添加剤として使用されている各種の添加剤をあげることができ、その配合量は、その種類によつて異なるが、塩ィ匕ビ二ル系榭脂 100重量部に対して 0. 001から 10重量部程度である。

[0043] 例えば、塩化ビュル系榭脂に対する柔軟性を付与するために、本発明で使用する塩ィ匕ビュル系榭脂には可塑剤を添加され、そのような可塑剤としては、ジー η—才クチルフタレート、ジー 2—ェチルへキシルフタレート、ジイソノ-ルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジデシルフタレート、ジゥンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、なかでもジー n—才クチルフタレート（DOP)を使用するのが好ましい。さらに、他の可塑剤として、トリキシリルホスフェート（TXP)、トリクレジルホスフェート、トリス（イソプロピルフエ二ノレ）ホスフェート、トリブチノレホスフェート、トリェチノレホスフェート、トリフエ二ノレホスフエート、トリェチルフエ-ルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤を混合して使用することちでさる。

[0044] 以上の塩ィ匕ビ二ル系榭脂組成物を用いて農業用塩ィ匕ビュル系榭脂フィルムとするには、従来力汎用されているカレンダ一法、押出法、インフレーション法等の公知の手段でフィルム状に形成すればょ、。

[0045] 一方、本発明で使用される農業用ォレフイン系榭脂フィルムを構成する榭脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタ口セン触媒を用いて重合したポリエチレン等のポリエチレン;ランダム重合ポリプロピレン、ブロック重合ポリプロピレン、ァイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等のポリプロピレン；エチレン酢酸ビュル、エチレンーァクリル酸、エチレンアクリル酸エステル、エチレンーメタクリル酸、エチレンーメタクリル酸エステル等のエチレン系共重合体等のォレフィン系榭脂であり、これら単独またはこれらの混合物を使用することができる。

[0046] そのなかでも、例えば、エチレンと炭素原子数 4一 10の α—ォレフィンとをメタ口セン触媒により共重合して得られるエチレン a一才レフイン共重合体 (通称、メタ口センポリエチレン）、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン (HP— LDPE)、酢酸ビニル含有量力 S 1— 25重量％のエチレン酢酸ビニル共重合体（EVA)およびチーグラー触媒、酸化クロム触媒、酸化モリブテン触媒によりエチレンと炭素原子数 4一 20の α—ォレフィンとを共重合して得られるエチレン a一才レフイン共重合体 (LLDPE)が好ましく使用される。

[0047] 本発明のォレフィン系榭脂フィルムは、単層構造でもよ!、し、多層構造でもよ!、。多層構造の場合には、少なくともハウスに展張した時に、遮光剤を塗布する外側にくる層には、ヒンダートアミン系化合物を配合する必要がある。なお、多層構造のいずれの層にヒンダートアミン系化合物を配合したものであってもよ、ことは、うまでもな、。 [0048] この多層構造とする場合には、各層を構成する榭脂の種類は、同じであってもよいし、異なるものであってもよいが、相隣接する層の榭脂は、相互に相溶性または接着性の高い層となるようにするのがよい。例えば、外層としてのォレフィン系榭脂としては LLDPEであり、その下部に積層される中間層（および内層）としては LLDPEとの相溶性がよい、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性された低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビュル共重合体 (EVA)などを使用するのがよぐなかでも酢酸ビュル含有量が 1一 25重量％のエチレン酢酸ビニル共重合体 (EVA)を用いるのがよ!/、。

なお、 3層以上の多層構造である場合には、両最外層を同じ種類の榭脂とし、ヒンダートアミン系化合物を添加しておくと、どちらの面を外側にして展張しても同じ効果が得られるため、好ましい。

[0049] また、本発明で使用するォレフイン系榭脂にあっては、目的とする性能を損なわない限り、種々の添加剤を含有するものであってもよい。例えば、ォレフィン系榭脂フィルムは、塩ィ匕ビ二ル系榭脂フィルムに比べて耐こすれ性が劣る傾向があることより、滑剤、特にアマイド系の滑剤を添加するのがよい。また、各種安定化剤、防滴剤、粘着防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、無機充填剤等の各種添加剤を挙げることができる。これらの添加剤の配合量は、その種類により異なる力ォレフィン系榭脂 100重量部に対して 0. 01から 10重量部程度である。

[0050] 本発明が提供する第二の態様における発明においては、農業用遮光剤を塗布するにあたって、上記のような農業用塩ィ匕ビュル系榭脂フィルムの少なくとも遮光剤を塗布する一方の面に、水酸基含有モノマーを共重合したアクリル系榭脂をコーティングして塗膜を形成する。この塗膜の厚みとしては、 0. 5— 5 m程度でよい。この塗膜が 0. 5 m未満であると、この塗膜上に塗布される農業用遮光剤の塗工層の持続性を向上させることができず、また、 5 mを超えても、持続性を向上させることができないものである。

[0051] 力かるアクリル系榭脂塗膜を農業用塩ィ匕ビュル系榭脂フィルムに設けるにあたっては、フィルム形成された後に、同じ生産ライン、または別工程で、グラビ法等によって塗膜形成されることが好ましい。フィルムをビュルノヽウス等に展張後に、該アクリル系榭脂塗膜を設けてもょヽが、容易に均一な塗膜が形成されず作業性に劣るものとなる。

フィルムと塗膜とをより強固に密着させるために、アクリル系榭脂に末端イソシァネート含有化合物等の架橋剤を添加してもよヽ。

[0052] そのようなベース層を形成する水酸基含有のモノマーを共重合したアクリル系榭脂を構成する水酸基含有のモノマーとしては、ヒドロキシメチルアタリレート、 2—ヒドロキシェチルアタリレート、 2—ヒドロキシプロピルアタリレート、 3—ヒドロキシプロピルアタリレート、 2—ヒドロキシブチルアタリレート、 4ーヒドロキシブチルアタリレート、 2—ヒドロキシペンチルアタリレート、 6—ヒドロキシへキシルアタリレート等のヒドロキシアクリル酸ェステル；ヒドロキシメチルメタタリレート、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート、 2—ヒドロキシプロピルメタタリレート、 3—ヒドロキシプロピルメタタリレート、 2—ヒドロキシブチルメタクリレート、 4ーヒドロキシブチノレメタタリレート、 2—ヒドロキシペンチノレメタタリレート、 6—ヒドロキシへキシルメタタリレート等のヒドロキシメタクリル酸エステルを挙げることができる。

[0053] このようにアクリル系榭脂塗膜が設けられた面に本発明の農業用遮光剤力スプレー等によって塗工される。塗工は通常、フィルムのアクリル系榭脂塗膜が設けられた面を外側にして、ビュルノヽウス等に展張された後に、遮光性を必要とするときにフィルム表面に本発明の農業用遮光剤が塗工されて遮光層が形成される。最初から遮光性を必要とされる場合には、展張前のフィルム生産工程、または別工程で塗工してもよいが、展張時の作業段階等において、遮光層の欠落等が発生しやすいのであまり好ましくない。

[0054] また、本発明が提供する農業用遮光剤を塗布する第三の態様における農業用フィルムにあっては、ヒンダートアミン系化合物を添カ卩したものである。

[0055] ヒンダートアミン系化合物の添加量は、塩ィ匕ビュル系農業用榭脂フィルムにあっては、 0. 05-0. 3重量部を添加するのがよい。添加量が 0. 05未満であるとフィルム上に形成された遮光塗布膜の持続性が向上せず、また添加量が 0. 3を超えた場合でもそれ以上の効果が無ぐ力えって無駄となる。

[0056] また、ォレフィン系農業用榭脂フィルムにあっては、ヒンダートアミン系化合物の添加量は、 0. 05— 2重量部添加するのがよい。添加量が 0. 05未満であるとフィルム上に形成された遮光塗布膜の持続性が向上せず、また添加量が 2重量部を超えた場合でもそれ以上の効果が無ぐ力えって無駄となる。

[0057] そのようなヒンダートアミン系化合物としては、 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピベリジルステアレー K 1, 2, 2, 6, 6—ペンタメチル— 4—ピぺジジルステアレー卜、 2, 2, 6, 6 ーテトラメチルー 4—ピペリジルベンゾエート、 N—（2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル）ドデシルコハク酸イミド、 1— [ (3, 5—ジー tert—ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル）プ口ピオ-ルォキシェチル ]—2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル（3, 5 tert—ブチルー 4—ヒドロキシフエ-ル）プロピオネート、ビス（2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4—ピぺリジノレ）セバケート、ビス（1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジル）セバケート、ビス（1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジル) 2—ブチルー 2— (3, 5—ジ tert—ブチルー 4ーヒドロキシベンジル）へキサメチレンジアミジン、テトラ（2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル）ブテンンテトラカルボキシレート、ビス（2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4 —ピペリジル）ジ（トリデシル）ブタンテトラカルボキシレート、ビス（1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4—ピぺリジン）ジ（トリデシル）ブタンテトラカルボキシレート、 3, 9—ビス { 1, 1、一ジメチルー 2— [トリス（2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジルカルボ-ルォキシ）ブチルカルボ-ルォキシ]ェチル }ー2, 4, 8, 10—テトラォキシサスピロ [5, 5]ゥンデカン、 3, 9 ビス { 1, 1—ジメチルー 2— [トリス（1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4—ピペリジルォキシカルボ-ルォキシ）ブチルカルボ-ルォキシ]ェチル } 2, 4, 8, 10—テトラオキシサスピロ [5, 5]ゥンデカン、 1, 5, 8, 12—テトラキス [4, 6 ビス [N—（2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル）ブチルァミノ]— 1, 3, 5—トリアジンー 2 ィル]—1, 5, 8, 12—テトラァザデカン、 1— (2—ヒドロキシェチル)一、 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピベリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、 2 tert—ォクチルァミノー 4, 6—ジクロ口一 s—トリァジン/ N, N ' ビス（2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4—ピペリジル）へキサメチレンジァミン Zジブロモェタン縮合ィ匕合物等のヒンダートアミン系化合物が挙げられる

[0058] 以上のような構成に基づく本発明で使用する農業用榭脂フィルムとするには、従来力汎用されているカレンダ一法、押出法、インフレーション法等の公知の手段でフィルム化すればよい。なお、フィルム化するときの温度等の加工条件は、従来の農業用榭脂フィルムを製造する場合と同様でよい。また、フィルムの厚みとしては 0. 01-0. 2mm程度であればよい。ォレフィン系榭脂フィルムとして、例えば 3層の多層構造を有するフィルムとする場合には、その各層厚は、層比で外層 Z中間層 Z内層 = 1Z3 Zlとするのが好ましい。

[0059] 本発明におヽて、農業用榭脂フィルムに対する本発明の遮光塗布液である遮光剤の塗布量は、固形分として 0. 1— 50gZm²程度が好ましい。 0. lgZm²未満であると、充分な遮光効果を得ることができない。また 50gZm²を超える場合には、塗工作業中に農業用フィルムカも榭脂の落滴が生じ、好まし、ものではな、。

[0060] 力べして、本発明の無機物を含有し、 30— 300の酸価を有する榭脂ェマルジヨンおよび水性溶媒として水を含有する遮光塗布液は、農業用フィルム上にスプレー散布あるいは塗布されて、耐水性に優れた無機物の塗膜を形成し、簡便にその遮光効果を得ることができる。

一方、その遮光塗膜が不要となったときには、有機溶媒を多量に使用することなぐアルカリ除去液にて簡単に除去し得るものである。

実施例

[0061] 以下に本発明を実施例および比較例により、より詳細に説明する力本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

[0062] 実施例 1一 8 :

下記表 1に記載の処方 (重量部）により、本発明の農業用遮光剤である遮光塗布液を得た。得られた遮光塗布液を農業用ビュルハウスフィルムにスプレー塗工し、その塗膜の状態、塗膜の耐水性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表 1中に示した。

[0063] [表 1] 実施例

1 2 3 4 5 6 7 8 水 100 100 100 100 100 100 100 100 無機物 ^{11: 1} 6 6 4 8 6 5 8 4 無機物^{511 2} 3 6 8 4 6 10 8 8 樹脂分 A w 4.0 3.0 4.2

(樹脂固形分） ( 1.88) (0.47) (1 .97)

樹脂分 B * ⁴ 6.1 4.0

(樹脂固形分） (1.95) (1.28)

榭脂分 C * ⁵ 6.3 (樹脂固形分） (1.S 9) 塗膜の状態 * ⁶ 〇〇〇〇〇〇〇〇耐水性 * ⁷ O O

除去性 * 〇 © 〇 Δ

[0064] * 1：無機物 1：平均粒子径 1 μ m未満

炭酸カルシウム (丸尾カルシウム社製;ルミナス；平均粒子径 0. l ^ m)

* 2：無機物 2：平均粒子径 1 μ m以上

炭酸カルシウム（白石カルシウム社製；赤玉；平均粒子径 2— 3 μ m)

* 3：榭脂分 A：アクリル系榭脂ェマルジヨン;酸価 60；固形分 47%；榭脂平均粒径 0 . 09 m;分子量 20万以上

* 4：榭脂分 B：アクリル系榭脂ェマルジヨン;酸価 200；固形分 32%；榭脂平均粒径 0. 16 m;分子量 20万以上

* 5：榭脂分 C：アクリル系榭脂ェマルジヨン；酸価 10；固形分 30%；榭脂平均粒径 1 m;分子量 20万以上

[0065] * 6 :塗膜の状態については、以下の測定により評価した。

遮光塗布液を塗布し、塗膜を形成させ乾燥した後、塗膜表面を指で擦り、塗膜の剥げ状態を目視により以下の基準で判定した。

◎:全く変化がない。

〇:若干剥げ落ちるが、問題ない。

口：若干剥げ落ちる。

かなり剥げ落ちる。

X：すべて剥げ落ちる。

[0066] * 7：耐水性は、遮光塗布液を農業用フィルムに吹付け乾燥後、水に 12時間浸漬させた後取り出し、塗膜表面を指で擦り、塗膜の剥げ状態を目視により以下の基準で判定した。

◎:全く変化がない。

〇:若干剥げ落ちるが、問題ない。

口：若干剥げ落ちる。

かなり剥げ落ちる。

X：すべて剥げ落ちる。

[0067] * 8：除去性は、遮光塗布液を農業用フィルムに吹付け乾燥後、除去液として、水 10 0重量部、水酸化ナトリウム 0. 5重量部、ベンジルアルコール 10重量部、ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム 0. 2重量部力もなる除去液をフィルムに吹付け、吹付け 5 分後にさらに水を吹付けた時の塗膜の落とし易さを、目視により以下の基準で判定した。

◎:すべて落ちる。

〇:若干残るが問題ない。

口：少し残る。

△:多く残る。

X：全く落ちない。

[0068] 比較例 1一 7 :

上記実施例と同様に、下記表 2に記載の処方 (重量部）により、比較例の遮光剤としての遮光塗布液を得た。得られた遮光塗布液を農業用ビュルハウスフィルムにスプレー塗工し、その塗膜の状態、塗膜の耐水性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表 2中に示した。

[0069] [表 2] 比較例

1 2 3 4 5 6 7 水 100 100 100 100 100 100 100 無機物^{111 1} 8 4 12 4 18 無機物 * ² 4 4 12 1 2 12 10 樹脂分 A * ³ 4.2 3.0 (樹脂固形分） (1 .97) (0.47) 樹脂分 B ^{111 4} 1 .0 4.0 (樹脂固形分） (0.32) (1.28) 樹脂分 C ^{111 5} 6 .3

(樹脂固形分） (1 89)

塗胰の状態^{111 6} △ Δ 〇 O 〇〇 Δ 耐水性 * ⁷ o O X X X O 除去性 * ^s 〇〇 X © Δ 〇〇

[0070] 表中の * 1 * 8は表 1と同様である。

[0071] 以上の実施例 1 8および比較例 1 7の結果力も明らかなように、本発明の遮光剤である遮光剤である遮光塗布液は、榭脂ェマルジヨンをバインダーとして使用し、そこに粒子径の異なる 2種類の無機物を配合したものであり、農業用フィルムへの塗布することで、良好な遮光性が得られ、吹付けされた塗膜の状態も良好であり、耐水性とその除去性に優れたものであることが判明した。

[0072] 実施例 9 13Z比較例 8— 10 :

下記表 3に記載のベース層塗料配合 (重量部）を、アキレスノンキリー (塩化ビニル系榭脂フィルム）にグラビア法にて塗工し、 90°C X 30秒で乾燥させ、ベースフィルムとした。

一方、下記表 3に記載の処方 (重量部）により、本発明の遮光剤を得た。得られた遮光剤を、前記ベースフィルムにスプレー塗工し、その塗膜の状態、塗膜の耐水性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表 3中に示した。

[0073] [表 3] 実施例比較例

9 10 11 12 13 8 9 10 ベース層塗料配合

メチルメタタリレート 41 51 61 41 41 66 66 ブテルメタクリレート 28 28 28 28 28 28 28 ブチルァタリレ一ト 5 5 5 5 5 5 5

メタクリノレ酸 1 1 1 1 1 1 1

2 — ヒドロキシェチノレ

25 15 5 25 25

メタタリレート

溶剤

ィソプロピノレアルコ一ル /酢酸ェチ

790 790 790 790 790 790 790 ノレ/ 卜 /レエン（100/15/10)

架橋剤 [前記塗料 100 に対して]

コロネート H L * ¹ 2 1 2 2 遮光剤配合処方

水 100 100 100 100 100 100 100 100 炭酸カノレシゥム 17 17 17 17 17 17 17 17 バインダ一 1 * ² 9 5 5 バインダー ₂ * ₃ 3 3 5 3 バインダー 3 * ⁴ 5

遮光塗膜の状態

持続性 *⁵ ◎ @ □ X △ X 除去性 *^e 〇〇氺 7 Δ Δ

[0074] * 1：日本ポリウレタン社製

* 2：酸価 60；分子量 20万以上；固形分 47%のアクリル系榭脂ェマルジヨン

* 3：酸価 200；分子量 20万以上；固形分 32%のアクリル系榭脂ェマルジヨン

* 4：酸価 400；分子量 20万以上；固形分 30%のアクリル系榭脂ェマルジヨン

[0075] * 5:遮光塗膜の持続性については、以下の測定により評価した。

屋外に展張した前記フィルムへ各遮光剤を噴霧器にて、 30%遮光になるように噴霧し均一に吹付けた。吹付け後屋外にて約 1ヶ月間放置し、遮光塗布膜の落ちた程度を、目視により以下の基準で判定した。

◎：塗膜が 80%以上残ってヽる。

〇：塗膜が 60— 80%未満残って、る。

□：塗膜が 40— 60%未満残ってヽる。

△：塗膜が 10— 40%未満残って、る。

X：塗膜が 10%未満し力残っていない。

[0076] *6:遮光塗膜の除去性は、遮光剤を農業用フィルムに吹付け乾燥後、屋外にて 1ケ月後の塗膜に対し除去液として、水 100重量部、水酸ィ匕ナトリウム 0. 5重量部、ベンジルアルコール 10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0. 2重量部からなる除去液をフィルムに吹付け、吹付け 5分後にさらに水を吹付けた時の塗膜の落とし易さを、目視により以下の基準で判定した。

◎：塗膜が 80%以上落ちた。

〇：塗膜が 60— 80%未満落ちた。

口：塗膜が 40— 60%未満落ちた。

△：塗膜が 10— 40%未満落ちた。

X：塗膜が 10%未満しか落ちない。

[0077] * 7 :遮光液を噴霧器により吹付けても、遮光液自体が落ちてしまい、判定が不可能であった。

[0078] 以上の実施例 9一 13および比較例 8— 10の結果力もも明らかなように、本発明の遮光剤は、水酸基を含有するモノマーを共重合したアクリル系榭脂ェマルジヨンをべース層として有する塩ィ匕ビニル系農業用の榭脂フィルム上にスプレー散布あるいは塗布されて、持続性に優れた無機物の塗膜を形成し、長期にわたりその遮光効果を挙げてヽることが理解される（実施例 9一 13)。

[0079] これに対し、塩ィ匕ビニル系農業用の榭脂フィルムに水酸基を含有するモノマーを共重合したアクリル系榭脂によるベース層として設けな力つた場合 (比較例 8および 9)、あるいはベース層をまったく設けない場合 (比較例 10)には、フィルム上に遮光塗布膜が形成できず、また形成されたとしてもその持続性ならびに除去性は好まヽものでないことが理解される。

[0080] 実施例 14一 19 :

下記表 4に記載の処方 (重量部）により、カレンダ一法により塩ィヒビニル系農業用榭脂フィルム (厚み 0. 1mm)を調製した。

得られた塩ィ匕ビュルフィルムを用いて、農業用ビニルノヽウスに展張して、表中に示した本発明の農業用遮光剤を、スプレー塗工し、その時形成された塗膜の状態、塗膜の持続性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表 4中に示した。 [0081] [表 4]

[0082] * 1： DS401：フッ素系界面活性剤 (ダイキン工業社製）

* 2：ヒンダートアミン系化合物： LA— 63 (旭電化工業社製）

* 3：酸価 60；分子量 20万以上；固形分 47%のアクリル系榭脂ェマルジヨン

* 4：酸価 200；分子量 20万以上；固形分 32%のアクリル系榭脂ェマルジヨン

* 5：酸価 400；分子量 20万以上；固形分 30%のアクリル系榭脂ェマルジヨン

[0083] * 6 :遮光塗膜の持続性については、実施例 9一 13と同様の方法により行い、同様に評価した。

[0084] * 7 :遮光塗膜の除去性は、遮光剤を農業用フィルムに吹付け乾燥後屋外にて 1ケ月後の塗膜に対し、除去液として、 pHl lのアンモニア水溶液 100重量部に対して、ベンジルアルコール 5重量部、ジエタノールァミン 0. 2重量部を混合して得た除去液をフィルムに噴霧し、 5分間放置後、水で洗い流した際の塗膜の落ちる程度を、目視により以下の基準で判定した。

◎：塗膜が 80%以上落ちた。〇：塗膜が 60— 80%未満落ちた。

口：塗膜が 40— 60%未満落ちた。

△：塗膜が 10— 40%未満落ちた。

X：塗膜が 10%未満しか落ちない。

[0085] 比較例 11一 15:

下記表 5に記載の処方 (重量部）により、カレンダ一法により塩ィヒビニル系農業用榭脂フィルム (厚み 0.1mm)を調製した。

得られた塩ィ匕ビュルフィルムを用いて、農業用ビニルノヽウスに展張して、表中に示した本発明の農業用遮光剤を、スプレー塗工し、その時形成された塗膜の状態、塗膜の持続性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表 5中に示した。

なお、表 5中の注記は、表 4中のものと同一である。

[0086] [表 5]

比較例

11 12 13 14 15 塩化ビニル系樹脂配合処方

P V C 100 100 100 100 100

D O P 48 48 48 48 48

T X P 3 3 3 3 3 ェピコ一ト 8 2 8 2 2 2 2 2 液状安定化剤 1 1 1 1 1 粉体安定化剤 1 1 1 1 1 ベンゾフノン系紫外線吸収剤 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 ソノレビタンステアレ一ト 2 2 2 2 2 メチレンビスステアリ /レアマイド 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

S D 4 0 1 * ¹ 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 ヒンダ一トァミン系化合物 *² 0.01 0.1 0.5 0.03 遮光剤配合処方

水 100 100 100 100 100 炭酸カルシウム 17 17 17 17 17 バインダ一 1 * ³ 9

バインダ一 2 * ⁴ 9 5 5 バインダ一 3 * ⁵

遮光塗膜の状態

持続性 * ⁶ Δ X Δ Δ Δ 除去性 O 氺 8 〇 [0087] * 8 :遮光塗膜が降雨により落ちてしまい、判定不能。

[0088] 以上の実施例 14一 19および比較例 11一 15の結果からも明らかなように、本発明の遮光剤は、ヒンダートアミン系化合物を含有する塩ィ匕ビニル系農業用榭脂フィルムへの塗布することで、良好な遮光塗膜の持続性が得られていることが判明する。これに対し、バインダーを含有しない比較例 12の塩ィ匕ビニル系農業用榭脂フィルムにあつては、本発明の遮光剤は、農業用塩ィ匕ビニル榭脂フィルムの表面に、遮光塗膜を形成することができないものであった。また、本発明の遮光塗膜は、不要時の除去性に優れたものであることが理解される。

[0089] 実施例 20— 29 :

下記表 6に記載の処方 (重量部）による外層 Z中間層 Z内層の 3層構造を有するォレフイン系榭脂フィルム (厚み: 0. 1mm;層比：外層 Z中間層 Z内層 = 1Z3Z1)をインフレーション法により調製した。

得られたォレフィン系榭脂フィルムを用いて、農業用ハウスに展張して、表中に示した本発明の遮光剤を、スプレー塗工し、その時形成された塗膜の状態、塗膜の持続性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表 6中に示した。

[0090] [表 6]

実施例

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 ォレフィン系榭脂組成

外層

L L D P E 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 メチレンビスアミド 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 ベンゾフユノン系紫外線吸収剤 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 長石（平均粒径 5 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 ヒンダートアミン系化合物^{111 1} 0.1 0.5 1.0 2.0 3.0 2.0 2.0 0.5 1.0 2.0 中間層

E V A— 1 5 % V A 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 保湿剤ハイドロタルサイト 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 ベンゾフノン系紫外線吸収剤 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 グリセリンジステアレート 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 ヒンダートアミン系化合物 * ¹ 0.1 0.5 1.0 2.0 1.0 0.5 1.0 2.0 内層

E V A - 5 % V A 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 ベンゾフノン系紫外線吸収剤 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 グリセリンジスレアレー卜 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 長石（平均粒径 5 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 ヒンダートアミン系化合物^{111 1} 0.1 0.5 1.0 2.0 1.0 2.0 0.5 1.0 2.0 遮光剤配合処方

水 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 炭酸カルシウム 17 17 17 17 17 17 17 17 20 17 バインダー 1 * ² 9 5 5 バインダ— ₂ * 3 3 5 5 5 3 バインダ一 3 * ⁴ 5 9 9 遮光塗膜の状態

持続性 * ⁵ 〇 ◎ ◎ □ □ □ 除去性 * ⁶ ◎ ◎ 〇〇〇

[0091] * 1：ヒンダートアミン系化合物： LA— 63 (旭電化工業社製）

[0092] * 5:遮光塗膜の持続性については、実施例 9一 13と同様の方法により行い、同様に評価した。

[0093] * 6:遮光塗膜の除去性については、実施例 14一 19と同様の方法により行い、同様に評価した。

[0094] 比較例 16— 18:

下記表 7に記載の処方 (重量部）による外層 Z中間層 Z内層の 3層構造を有するォレフイン系榭脂フィルム (厚み: 0. 1mm;層比：外層 Z中間層 Z内層 = 1Z3Z1)をインフレーション法により調製した。

得られたォレフィン系榭脂フィルムを用いて、農業用ハウスに展張して、表中に示した本発明の遮光剤を、スプレー塗工し、その時形成された塗膜の状態、塗膜の持続性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表 7中に示した。なお、表 7中の注記は、表 6中のものと同一である。

[0095] [表 7]

[0096] * 7 :遮光塗膜が一ヶ月後降雨により落ちてしまい、判定不能, [0097] 以上の実施例および比較例の結果からも明らかなように、本発明の農業用遮光剤は、ヒンダートアミン系化合物を含有する農業用ォレフイン系榭脂フィルムへの塗布することで、良好な遮光塗膜の持続性が得られていることが判明する。これに対し、ヒンダートアミン系化合物を含有しな、比較例の農業用ォレフイン系榭脂フィルム、にあっては、本発明の遮光剤は、農業用塩ィ匕ビニル榭脂フィルムの表面に、遮光塗膜を形成することができないものであった。また、本発明の遮光塗膜は、不要時の除去性に優れたものであることが判明した。

[0098] また、ヒンダートアミン系化合物を含有する農業用ォレフイン系榭脂フィルムであつても、本発明の農業用遮光剤であるバインダーが水系榭脂バインダーであり、榭脂分が酸価 300を超える榭脂ェマルジヨンである場合には、遮光塗膜の持続性が確保されないことが判明した。

産業上の利用可能性

[0099] 以上記載したように、本発明のハウス栽培あるいはトンネル栽培に使用する農業用フィルムに適用する農業用遮光剤は、降雨などによっても無機物の皮膜が流されることなぐ長期間に亘つて遮光効果を得ることができる持続性に優れた遮光塗膜を形成し得るものである。また、遮光塗膜が不要となった場合には、有機溶媒を多量に使用することなぐアルカリ除去液にて簡単に除去し得るものであり、ハウス、トンネル等の被覆材を廃棄、交換する必要が無くなり、農業従事者に対して、多大な経費節減をもたらす利点を有している。

Claims

請求の範囲

[1] 無機物、榭脂ェマルジヨン、水性溶媒として水力もなる遮光塗布液であって、榭脂分と無機物の比が固形分比で 1 : 0. 3-1 : 15であり、無機物として平均粒子径 1 μ m 未満の無機物および平均粒子径 1 μ m以上の無機物である 2種類の無機物を使用すると共に、平均粒子径 1 μ m未満の無機物：平均粒子径 1 μ m以上の無機物の比力 1 : 0. 5— 2の範囲内であることを特徴とする遮光塗布液力なる農業用遮光剤。

[2] 塩ィ匕ビュル系農業用フィルムの少なくとも一方の面に、水酸基含有モノマーを共重合したアクリル系榭脂をコーティングして塗膜を形成し、無機物と榭脂ェマルジヨンからなり、該塗膜面に塗布され遮光層を形成し、形成された遮光層がアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤。

[3] ヒンダートアミン系化合物を含有する農業用榭脂フィルムに塗布され、無機物と榭脂ェマルジヨンカゝらなり、形成された遮光層がアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤。

[4] 農業用榭脂フィルムが農業用塩ィ匕ビュル系榭脂フィルムであり、ヒンダートアミン系化合物を 0. 05-0. 3重量部含有する請求項 3に記載のアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤。

[5] 農業用榭脂フィルムが農業用ォレフイン系榭脂フィルムであり、ヒンダートアミン系化合物を 0. 05— 2重量部含有する請求項 3に記載のアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤。

[6] 農業用ォレフイン系榭脂フィルムが多層構造であり、少なくとも外層にヒンダードアミン系化合物を含有させることを特徴とする請求項 5に記載の農業用遮光剤。

[7] 無機物が、炭酸カルシウム、酸化チタン、チタン白、タルク、クレー、シリカ、マイ力、硫酸バリウム力選択される白色顔料の少なくとも 1種であることを特徴とする請求項

1一 6のいずれかに記載の農業用遮光剤。

[8] 無機物が、炭酸カルシウムまたは酸ィ匕チタンであることを特徴とする請求項 1一 6のいずれかに記載の農業用遮光剤。

[9] 榭脂ェマルジヨンとして、榭脂分が酸価 30— 300の水系榭脂ェマルジヨンであり、榭脂平均粒径が 0. 01-0. 5 mであることを特徴とする請求項 1一 6のいずれかに記載の農業用遮光剤。

[10] 塩ィ匕ビュル系農業用フィルムの少なくとも一方の面に、水酸基含有のモノマーを共重合したアクリル系榭脂をコーティングして塗膜を形成した後に、該塗膜面に、無機物である白色顔料と榭脂ェマルジヨン力もなる農業用遮光剤を塗布して、アルカリ性除去剤にて除去可能である遮光層を形成することを特徴とする農業用遮光剤の塗工方法。

[11] ヒンダートアミン系化合物を 0. 05-0. 3重量部含有する塩ィ匕ビュル系農業用フィルムに、無機物である白色顔料と榭脂ェマルジヨン力もなる農業用遮光剤を塗布して、アルカリ性除去剤にて除去可能である遮光層を形成することを特徴とする農業用遮光剤の塗工方法。

[12] ヒンダートアミン系化合物を 0. 05— 2重量部含有する農業用ォレフイン系榭脂フィルムに、無機物である白色顔料と榭脂ェマルジヨン力もなる農業用遮光剤を塗布して、アルカリ性除去剤にて除去可能である遮光層を形成することを特徴とする農業用遮光剤の塗工方法。

[13] 無機物が、炭酸カルシウム、酸化チタン、チタン白、タルク、クレー、シリカ、マイ力、硫酸バリウム力選択される白色顔料の少なくとも 1種であることを特徴とする請求項

10— 12のいずれかに記載の農業用遮光剤の塗工方法。

[14] 無機物が、炭酸カルシウムまたは酸ィ匕チタンであることを特徴とする請求項 10— 12 の!、ずれかに記載の農業用遮光剤の塗工方法。

[15] 榭脂ェマルジヨンとして、榭脂分が酸価 30— 300の水系榭脂ェマルジヨンであり、榭脂平均粒径が 0. 01-0. 5 mであることを特徴とする請求項 10— 12のいずれかに記載の農業用遮光剤の塗工方法。