明 細 書
アミド化合物、医薬組成物及び RXR機能調節剤
技術分野
[0001] 本発明は、アミドィ匕合物、医薬組成物及び RXR機能調節剤に関する。
背景技術
[0002] ヒトを含む哺乳動物の生体内において、レチノイドは 2つの異なる細胞内レセプター サブファミリーであるレチノイン酸レセプター(以下「RAR」。 RARは、サブタイプであ る RAR a、 β及び γを含む)及びレチノイド Xレセプター(以下「RXR」。 RXRはその サブタイプである RXR a、 j8及び γを含む)の活性を調節して 、ることが知られて!/ヽ る。
[0003] 更に、 RXRは、ホモ二量体又は種々の核内受容体とのヘテロ二量体を形成し、標的 遺伝子に存在する応答性部位に結合し、当該遺伝子の転写効率を直接制御して 、 る。 RXRを共役因子としてへテロ二量体を形成する核内受容体には、 PPAR、レチノ イン酸レセプター(RAR)、ビタミン D3レセプター(VDR)、甲状腺ホルモンレセプタ 一 (TR)、肝臓 Xレセプター(LXR)、フアルネソイド Xレセプター(FXR)、プレダナン Xレセプター(PXR)等がある。このため、 RXRァゴ-ストは、これらの核内受容体に 対しても活性物質として作用する。
[0004] 例えば、 RXRァゴ-ストが RXRZPPAR γヘテロダイマーの RXR部分を活性化する ことにより、インスリン刺激性グルコース取込みを増カロさせ、トリグリセリドの血中濃度を 低下させ、インスリンのレベルを抑制し、同時に HDLコレステロールのレベルを上昇 させることが判明している(特許文献 1)。 RXRァゴニストは、糖尿病、高脂血症、癌、 神経変性疾患 (アルツハイマー症、パーキンソン病等)、心血管系疾患等の予防剤 又は治療剤として期待されて ヽる。
[0005] 特許文献 2には、 RXRァゴ-ストとステロイド/甲状腺の受容体のスーパーファミリー の少なくとも 1の受容体であって、かつ RXRァゴ-ストとヘテロダイマーを形成する受 容体に対するァゴ-ストを併用して使用することによって、皮膚の病気又は皮膚の障 害の治療、 目の障害の治療、癌又は前癌状態の治療又は防止、炎症性障害の治療
、ウィルス性起源の病気、脱毛症の防止又は治療、動脈硬化症のような心臓血管の 病気の治療、蜂巣炎,肥満,糖尿病の治療又は予防、真菌症の治療等の各種治療 を行うことが記載されている。
[0006] RARの転写活性化能を調節する内在性の低分子量リガンドは全トランスレチノイン 酸 (ATRA)であり、一方、 RXRの内在性リガンドは 9 シスーレチノイン酸(9 シス)で あることが同定されている(非特許文献 1)。しかし、 RXRの内在性リガンドである 9ーシ スーレチノイン酸(9 シス)は、その副作用のために、実際の医療用の薬剤として使用 することは敬遠されている。
[0007] 特許文献 1においては、 RXRァゴ-ストとして作用する化合物として 6— [1— (3, 5, 5 , 8, 8 ペンタメチルー 5, 6, 7, 8—テトラヒドロナフタレン一 2 ィル)一シクロプロピル] —ニコチン酸(LG100268)、 4— [1— (3, 5, 5, 8, 8—ペンタメチル— 5, 6, 7, 8—テト ラヒドロナフタレン 2 ィル)ーェテュル]安息香酸 (LGD1069)、が例示されて!、る。 更に、 RARァゴ-ストとしての活性を持つ化合物として 4 [ (5, 6, 7, 8—テトラヒドロ -5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフチル)カルボキシアミド]安息香酸 (Am580)が知 られている(非特許文献 2)。これらの公知の RXRZRARァゴ-ストは、 RXR調節作 用が弱い点で充分な効果を得ることが困難であり、より強い活性を有する RXR機能 調節剤が望まれている。
[0008] 特許文献 1 :特表平 11 511472号公報
特許文献 2:特開平 9-2972号公報
非特許文献 1 : Cell. 68 : 397—406 (1992)
非特許文献 2 : J. Med. Chem. , 31, 2182
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は、上記に鑑み、 RXRリガンドとしての高い活性を有し、副作用という問題を 生じることがないアミドィ匕合物、このようなアミドィ匕合物からなる RXR機能調節剤、この ようなアミドィ匕合物力 なる RXRZPPARヘテロダイマー機能調節剤及びこのような アミド化合物を含有してなる医薬組成物を提供することを目的とするものである。 課題を解決するための手段
[0010] 本発明は、一般式(1) :
[0011] [化 1]
[0012] (式(1)中、 R R2及び R4は、独立して、水素又は炭素数 1一 6のアルキル基を表し、 式(1)中、 R3は、炭素数 1一 6のアルキル基、ハロゲン、 -OR5,— SR6、— OCOR7、 - NH
R8、 R9、 R10、 1、 R12及び R13は、それぞれ独立して、炭素数 1一 6のアルキル基、フ ェ-ル基又はアルキルフエ-ル基を表す)を表し、
式(1)中、 Arは、ベンゼン環、 5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族環、又は、ベンゼ ン環及び 5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族環力 なる群力 選択される 2つが縮 環した環を表し、
式(1)中、 Vは、炭素数 1一 6の炭化水素鎖を表し、
式(1)中、 Wは、 0、 N— R14 (式中、 R14は水素又は炭素数 1一 6のアルキル基を表す )、 S、 SO、 SO又は下記一般式(2):
2
[0014] (式(2)中、 R1&及び Rlbは、独立して、水素又は炭素数 1一 6のアルキル基を表す)で 表される基を表し、
式(1)中、 Zは、炭素数 1一 3のアルキル基、ハロゲン、水酸基、炭素数 1一 3のアルコ キシル基、炭素数 1一 3のァシルォキシ基、炭素数 1一 3のハロゲン化アルキル基、チ オール基、 CO H、テトラゾール基、 PO H
2 3 、—SO H
3 、—CO R17
2 、— CONR18R19
、— CH OH、— CHO、 一 CH OR20、— CH (OR21)、— CH (OR220)、 -COR23,— C
2 2 2
R24 (OR25) 、又は、 CR26 (OR270)を表す (式中、 R17、 R18、 R19、 R2°、 R21、 R23、 R
、 R 及び R は、炭素数 1一 6のアルキル基、フエ-ル基、又は、アルキルフエ-ル 基を表し、 R22及び R27は、炭素数 1一 6のアルキレン基、フエ-レン基、又は、アルキ ルフヱ-レン基を表す)で表されることを特徴とするアミドィ匕合物又はその薬学的に許 容される塩である。
[0015] 本発明は、一般式 (3) :
[0016] [化 3]
[0017] (式(3)中、 Wは、 S、 0、又は、 C (CH ) を表し、 R は、 CH 、 一 CH CH
3 2 3、— C
3 2
H (CH ) 、又は- Fを表し、 Vは、 -CH—又は- CH CH を表す。)で表されるアミ
3 2 2 2 2
ド化合物又はその薬学的に許容される塩でもある。
[0018] 本発明は、一般式 (4) :
[0019] [化 4]
[0020] (式(4)中、 R は、 -CH、 -CH CH、又は Fを表す)
3 2 3
で表されるアミドィ匕合物又はその薬学的に許容される塩でもある。
[0021] 本発明は、上述したアミド化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することを特 徴とする医薬組成物でもある。
上記医薬組成物は、更に、レチノイン酸レセプターリガンド、ビタミン D3レセプターリ ガンド、甲状腺ホルモンレセプターリガンド、 PPARリガンド、及び、ォーファンレセプ ターリガンドからなる群より選択される少なくとも 1種の成分を含有するものであっても
よい。
[0022] 上記 PPARリガンドは、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、
シグリタゾン、ネトグリタゾン、 FK614、 KRP— 297、 BMS— 298585、テサグリタザ一 ル、 CS— 011、ラガグリタザール、 BML4156, TAK— 559、 R483、 K— 111、 GW5 90735、 MBS— 102、 ONO— 5129、 TY— 51501、 NS— 220、 MBS— 102SG、レ グリキサン、 YM— 440、 ONO— 5816、及び GI262570力もなる群より選択される少 なくとも 1の化合物であることが好ましい。
[0023] 本発明は、上述したアミド化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することを特 徴とする糖尿病治療用医薬組成物でもある。
上記糖尿病治療用医薬組成物は、更に、レチノイン酸レセプターリガンド、ビタミン D 3レセプターリガンド、甲状腺ホルモンレセプターリガンド、 PPARリガンド、及び、ォ 一ファンレセプターリガンドからなる群より選択される少なくとも 1種力 なる群より選択 される少なくとも 1種の成分を含有することが好まし 、。
[0024] 上記 PPARリガンドは、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、ネ トグリタゾン、 FK614、 KRP— 297、 BMS— 298585、テサグリタザール、 CS— 011、 ラガグリタザール、 BML4156, TAK-559, R483, K— 111、 GW590735, MBS —102、 ONO— 5129、 TY— 51501、 NS— 220、 MBS— 102SG、レグリキサン、 YM 440、 ONO— 5816、及び GI262570からなる群より選択される少なくとも 1の化合 物であることが好ましい。
[0025] 本発明は、上述したアミド化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することを特 徴とする RXR機能調節剤でもある。
上記 RXR機能調節剤は、更に、レチノイン酸レセプターリガンド、ビタミン D3レセプタ 一リガンド、甲状腺ホルモンレセプターリガンド、 PPARリガンド、及び、ォーファンレ セプターリガンドからなる群より選択される少なくとも 1種力もなる群より選択される少 なくとも 1種の成分を含有するものであってもよい。
[0026] 上記 PPARリガンドは、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、ネ トグリタゾン、 FK614、 KRP— 297、 BMS— 298585、テサグリタザール、 CS— 011、 ラガグリタザール、 BML4156, TAK-559, R483, K— 111、 GW590735, MBS
—102、 ONO— 5129、 TY— 51501、 NS— 220、 MBS— 102SG、レグリキサン、 YM 440、 ONO— 5816、及び GI262570からなる群から選択される少なくとも 1の化合 物であることが好ましい。
[0027] 本発明は、上述したアミド化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することを特 徴とする RXRZPPARヘテロダイマー機能調節剤でもある。
上記 RXRZPPARヘテロダイマー機能調節剤は、更に、 PPARリガンドを含有する ことが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
[0028] 本発明のアミドィ匕合物及びその薬学的に許容される塩は、一般式(1)で表わされる アミド化合物(以下「本発明化合物」)であり、 RXRリガンドとしての高 、活性を有する 化合物であることから、 RXR機能調節剤の有効成分として使用することができ、医薬 品としての高い有用性を有する化合物である。更に、 RXRZPPARヘテロダイマー 機能調節剤の有効成分として使用することができる化合物でもある。
[0029] 一般式(1)において、下記の語は、それぞれ下記の意味を有する。
「炭素数 1一 nのアルキル基」は、炭素数 1一 nの分岐鎖又は直鎖のアルキル基を表 す。上記分岐鎖又は直鎖のアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル (炭 素数 1);ェチル (炭素数 2); n プロピル、イソプロピル (炭素数 3);ブチル、イソプチ ル、 sec—ブチル、 tert ブチル(炭素数 4);ペンチル、イソペンチル(炭素数 5);へキ シル、イソへキシル (炭素数 6)等を挙げることができる。
[0030] 「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。これらの 2以上が併存して ちょい。
「アルキルフエ-ル基」は、炭素数 1一 6のアルキル基により 1一 3置換されたフエ-ル 基を意味する。上記炭素数 1一 6のアルキル基の置換様式は特に限定されず、任意 の置換様式のアルキルフエ-ル基であってよ 、。
[0031] 「5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族環」は、ヘテロ原子を有する 5員環又は 6員環 の芳香族環を意味するものであり、チォフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゼン環 、ピリジン環、ビラゾン環等がこれに該当する。なお、上記一般式中の Arは、二置換 となるが、上記「ベンゼン環又は 5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族環」における二
置換様式としては特に限定されず、例えば、 Arがベンゼン環であれば、オルソ、メタ 、パラのいずれであってもよぐチォフェン環、フラン環、ピロール環等のへテロ 5員環 であれば、 2, 3—置換、 2, 4—置換、 2, 5—置換、 3, 4—置換、 4, 5—置換のいずれで あってもよい。また、ピリジン環等のへテロ 6員環であれば、 2, 3—置換、 2, 4—置換、 2, 5—置換、 2, 6—置換、 3, 4—置換、 3, 5—置換、 3, 6—置換、 4, 5—置換、 4, 6— 置換のいずれであってもよい。一般式(1)における Arとして使用することができる 5員 環若しくは 6員環のホモ若しくはヘテロ芳香族環の例を下記一般式に示す。なお、上 記 Arは、例示した基に限定されるものではな!/、。
[0032] [化 5]
30
X = 0 , S , N R
[0033] (式中、 RdUは、水素又は炭素数 1一 6のアルキル基を表す)
[0034] 「ベンゼン環及び 5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族環からなる群から選択される 2 つが縮環した環」は、上述した「ベンゼン環又は 5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族 環」が 2つ縮環した構造であり、ナフタレン環、キノリン環等がこれに該当する。上記「
ベンゼン環及び 5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族環からなる群から選択される 2 つが縮環した環」の置換様式としては特に限定されない。一般式(1)における Arとし て使用することができる 5員環及び Z又は 6員環のホモ若しくはヘテロ芳香族環の 2 つが縮環した構造の例を下記一般式に示す。なお、上記 Arは、例示した基に限定さ れるものではない。
[0035] [化 6]
[0036] 「ベンゼン環、 5員環若しくは 6員環のへテロ芳香族環、又は、ベンゼン環及び 5員環 若しくは 6員環のへテロ芳香族環力 なる群力 選択される 2つが縮環した環」は、 1 又は 2以上の置換基で置換されたものであってもょ 、。上記置換基としては特に限定 されず、例えば、炭素数 1一 6のアルキル基、炭素数 1一 6のアルコキシル基、 1一 3 個の水酸基で置換された炭素数 1一 6のアルキル基、炭素数 1一 6のァシルォキシ基 、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、ニトロ基、スルホ -ル基等を挙げることがで きる。
[0037] 「炭素数 1一 6のアルコキシル基」は、 R310— (R31は、炭素数 1一 6のアルキル基を表 す)で表わされる官能基である。「炭素数 1一 6のアルコキシル基」としては特に限定さ れず、例えば、メトキシ基、メトキシメチル基、エトキシ基等を挙げることができる。 「1一 3個の水酸基で置換された炭素数 1一 6のアルキル基」としては特に限定されず 、例えば、ヒドロキシメチル基等を挙げることができる。
「炭素数 1一 6のァシルォキシ基」は、炭素数 1一 5のアルキル基がカルボキシル基と 結合した直鎖又は分岐状の置換基を意味する。上記「炭素数 1一 6のァシルォキシ 基」としては特に限定されず、例えば、ホルミルォキシ基、ァセトォキシ基、プロピオ- ルォキシ基等を挙げることができる。
上記「炭素数 1一 6のハロゲンィ匕アルキル基」としては特に限定されず、例えば、クロ ロメチル基、ジクロロメチル基、 1—クロ口ェチル基、 1, 2—ジクロロェチル基等を挙げ ることがでさる。
[0038] 上記 Vで表される基は、炭素数 1一 6の炭化水素鎖であり、例えば、メチレン鎖、ェチ レン鎖、 n—プロピレン鎖、 n—ブチレン鎖、 n—ペンチレン鎖、 n—へキシレン鎖の直鎖 飽和炭化水素鎖;メチルメチン基、メチルエチレン基、ジメチルエチレン基、メチルプ ロピレン基、ェチルプロピレン基等の分岐飽和炭化水素基、ビニレン基、プロべ-レ ン基、 2—ブテニレン基等の不飽和炭化水素基を挙げることができる。
上記 R1及び R2で表される基は、炭素数 1一 3のアルキル基であることが好ましぐメチ ル基であることがより好ましい。上記 R1で表される基及び R2で表される基は、同一で あっても、相違するものであってもよいが、同一であることがより好ましぐ両方がメチ ル基であることがより好まし!/、。
上記 R4で表される基は、炭素数 1一 3のアルキル基又は水素であることが好ましぐ 水素であることがより好まし 、。
上記 Wで表される基は、上記定義に基づくものであれば特に限定されないが、 O, S 又は下記一般式(5)で表される基であることが好ましぐ下記一般式(5)で表される 基であることがより好まし!/、。
[0039] [ィ匕 7]
H3C CH3 (5)
[0040] 上記 Zで表される基は、上記定義に基づくものであれば特に限定されないが、 CO
2
H、テトラゾール基、 PO H、 一 SO H基等であることが望ましい。
3 3
上記 R3で表される基としては上記定義に基づくものであれば特に限定されないが、 炭素数 1一 6のアルキル基又はハロゲンであることが特に好ましい。
[0041] 本発明化合物は、 1以上の不斉中心を有する化合物となり得るものである。例えば、 R1と R2との置換基の種類が相違する場合には、下記一般式 (6)において *を付した 炭素が不斉炭素となり、 Wが一般式 (2)で表される構造であり R15と R16との置換基の 種類が相違する場合には、 W構造の中心の炭素原子が不斉炭素となる。このような 場合においては、分離された純粋な立体異性体若しくは部分的に精製した立体異 性体のような立体異性体 (光学異性体)、及び、そのラセミ混合物のすべてが、本発 明に含まれるものである。上記炭素のうち、一方のみが不斉炭素である場合は、立体 異性体としては、 R体及び S体が存在し、不斉炭素を 2つ有する場合の立体異性体と しては、 W炭素原子 Z *炭素原子が、 RZR、 RZS、 SZS、 SZR及びこれらの混 合物を挙げることができる。一般式(1)中の R1— R31として表される置換基中に不斉 炭素が存在する場合も、同様に、分離された純粋な立体異性体若しくは部分的に精 製した立体異性体のような立体異性体 (光学異性体)、及び、そのラセミ混合物のす ベてが、本発明に含まれるものである。
[0042] [化 8]
[0043] 本発明化合物は、一般式(1)で表される化合物であるが、なかでも、下記一般式 (3)
[0044] [化 9]
[0045] (式(3)中、 Wは、 S、 0、又は、 C (CH ) を表し、 R は、 CH 、 一 CH CH 、— C
3 2 3 2 3
H (CH ) 、又は Fを表し、 Vは、 CH—又は CH CH を表す。)で表される化合
3 2 2 2 2
物であることが好ましい。
[0046] 本発明化合物のうち、特に好ましい化合物としては、 4 [ (5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 3 , 5, 5, 8, 8 ペンタメチルー 2 ナフタレ-ル)カルボキサミドメチル]安息香酸(下記 一般式 (4)で表され、 R29=CHである化合物)、 4 [ (3—ェチルー 5, 6, 7, 8—テトラ
3
ヒドロー 5, 5, 8, 8 ペンタメチルー 2 ナフタレ-ル)カルボキサミドメチル]安息香酸( 下記一般式 (4)で表され、 R29=CH CHである化合物)、 4 [ (3—フルオロー 5, 6,
2 3
7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8 ペンタメチルー 2 ナフタレ-ル)カルボキサミドメチル] 安息香酸 (下記一般式 (4)で表され、 R29=Fである化合物)を挙げることができる。
[0047] [化 10]
[0048] これらの化合物は、特に高い活性を持ち医薬組成物として使用することができる点で 好ましい。
[0049] 本発明化合物の薬学的に許容される塩としては特に限定されず、適宜選択すればよ い。例えば、本発明化合物が酸である場合は、有機塩基との塩 (例えば、トリメチルァ ミン、トリエチルァミン、ピリジン、ピコリン、エタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエ
タノールァミン、ジシクロへキシルァミン、 N, N—ジベンジルエチレンジァミン等とのァ ミン塩);金属塩 (例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;力 ルシゥム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等);アンモ-ゥ ム塩;塩基性アミノ酸との塩 (例えば、アルギニン、リジン、オル-チン等との塩)等を 挙げることができる。
[0050] 本発明化合物の薬学的に許容される塩としては、本発明化合物が塩基である場合 は、有機酸との塩 (例えば、ギ酸、酢酸、トリフルォロ酢酸、フマル酸、シユウ酸、酒石 酸、マレイン酸、クェン酸、コノヽク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸 、 p—トルエンスルホン酸等との塩);無機酸との塩 (例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸
、硫酸、リン酸等);酸性アミノ酸との塩 (例えば、ァスパラギン酸、グルタミン酸等との 塩)等を挙げることができる。
[0051] 本発明化合物の製造方法としては特に限定されず、例えば、下記スキーム 1で表わ される反応によって合成する方法等を挙げることができる。
[0052] [化 11]
スキーム 1
[0053] (式中、 Tは、ァミノ基との反応によって、アミド結合を形成することができる基を表す) [0054] スキーム 1の合成方法は、カルボン酸誘導体である化合物 4及び芳香族アルキルアミ ン化合物である化合物 5とのアミド結合形成反応を行うことによって得る方法である。 上記スキーム 1中の Tは、ァミノ基との反応によって、アミド結合を形成することができ る基であれば特に限定されず、例えば、塩素、臭素等のハロゲン等を挙げることがで きる。
[0055] 上記アミド結合形成反応は、ジクロロメタン、 1, 2—ジクロロェタン、ベンゼン、トルエン
等、反応に影響を与えない通常の溶媒を使用して行うことができる。また、必要に応 じて、トリェチルァミン、ピリジン等のアミンィ匕合物;水酸ィ匕ナトリウム、水酸化カリウム 等の塩基性触媒存在下で行うものであってもよい。上記塩基性触媒の使用量として は特に限定されず、触媒活性を生じる通常の使用量でよい。反応温度は、 o°c—室 温で行うことが好ましい。
[0056] 化合物 5の Z基が、アミド結合形成反応条件下で反応する基である場合には、 Z基を 保護基 Pによって保護してアミド結合形成反応を行い、その後、脱保護反応を行うこ とによって目的化合物を得ることができる。 (下記スキーム 2参照)
[0057] [化 12]
スキーム 2
[0058] (スキーム 2中、 Pは、保護基を表す。 Tは、ァミノ基との反応によって、アミド結合を形 成することができる基を表す。 )
[0059] 上記スキーム 2に示した保護 脱保護の工程が必要である Z基としては、例えば、力 ルポキシル基、水酸基、アミノ基等を挙げることができる。上記スキーム 2に示した反
応においては、公知の保護-脱保護の反応を使用することができる。上記スキーム 2 に示したアミド結合形成反応は、上記スキーム 1で示した反応と同様の反応条件で行 うことができる。
[0060] 上記保護は、 Z基がカルボキシル基である場合には、例えば、エステル化による保護 等を挙げることができる。上記エステルイ匕による保護は、メチルエステル化、ェチルェ ステル化、ベンジルエステル化等の公知のエステル化によって行うことができる。エス テル化反応は、濃硫酸、 p—トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下 でのカルボン酸とアルコールとのエステル形成反応によって行うことができる。上記保 護基の脱保護は、公知の方法によって行うことができる。エステル化による保護の場 合は、脱保護はアルコール溶媒中での水酸ィ匕ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性 触媒による加水分解反応等を挙げることができる。
[0061] 一般式(1)中の R1— R4、 V、 W中に、上記アミド結合形成反応条件下で他の基と反 応する基を有する場合にも、上記スキーム 2に例示した方法と同様に当該基を保護 基によって保護してアミドィ匕反応を行った後、脱保護反応を行うことによって目的とす るィ匕合物を得ることがでさる。
[0062] 上記化合物 4及びィ匕合物 5は、公知化合物、又は、公知の方法によって合成すること ができるものである。
[0063] 本発明化合物は、同位元素等で標識されていてもよい。同位元素としては、例えば、 3H、 "C、 35S等が挙げられる。更に、本発明化合物の形態としては、無水物あっても よぐ水和物であってもよい。
[0064] 本発明化合物は、プロドラッグとして用いるものであってもよい。上記プロドラッグは、 生体内の生理条件下での反応により本発明化合物に変換する化合物を意味するも のである。すなわち、生体内において酵素的に酸化、還元、加水分解等され、又は、 胃酸等により加水分解等されることによって本発明化合物に変化する化合物をいう。
[0065] 本発明化合物のプロドラッグとしては、特に限定されず、例えば、本発明化合物が Z 基として又はその他の置換基としてカルボキシル基を有する化合物である場合は、力 ルポキシル基がエステル化、アミドィ匕された化合物等を用いることができる。このよう な化合物としては、例えば、本発明化合物中のカルボキシル基がェチルエステルイ匕
、フエ-ルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルァミノメチルエステル ィ匕、ピバロィルォキシメチルエステル化、エトキシカルボ-ルォキシェチルエステル化
、フタリジルエステル化、( 5—メチルー 2 ォキソ—1, 3—ジォキソレン 4 ィル)メチル エステル化、シクロへキシルォキシカルボ-ルェチルエステル化、メチルアミド化等さ れた化合物が挙げられる。本発明化合物がアミノ基を有する化合物である場合は、 プロドラッグとして、ァミノ基がァシル化、アルキル化、リン酸化された化合物等を用い ることができる。このような化合物としては、例えば、ァミノ基がエイコサノィル化、ァラ -ル化、ペンチルァミノカルボ-ル化、( 5—メチルー 2 ォキソ—1, 3 ジォキソレン 4 ィル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラ-ル化、テトラヒドロビラ-ル化、ピロリジ ルメチル化、ビバロイルォキシメチル化、 tert—ブチルイ匕等されたィ匕合物が挙げられ る。本発明化合物が水酸基を有する化合物である場合は、プロドラッグとして、水酸 基がァシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸ィ匕されたィ匕合物等を用いることができる 。このような化合物としては、例えば、水酸基がァセチル化、パルミトイル化、プロパノ ィル化、ビバロイル化、サクシ-ル化、フマリル化、ァラニル化、ジメチルァミノメチル カルボニル化、テトラヒドロビラ-ルイ匕等された化合物を挙げることができる。
[0066] 上記本発明化合物のプロドラッグとして用いられる化合物は、公知の方法によって本 発明化合物から製造することができる。また、本発明化合物のプロドラッグは、生理的 条件で本発明化合物に変化するものであってもよい (広川書店 1990年刊「医薬品の 開発」第 7卷分子設計 163頁一 198頁参照)。
[0067] 本発明は、本発明化合物を含有する医薬組成物でもある。本発明化合物は、新規化 合物であることから、本発明化合物を含有する医薬品組成物も新規である。
[0068] 本発明の医薬品組成物は、レチノイド Xレセプターが介在するとされる疾患の治療' 予防剤として有効である。例えば、肥満症、糖尿病(2型糖尿病及びインスリン依存性 糖尿病等)、皮膚疾患 (ざ瘡、魚鱗せん、乾癬、皮膚アトピー、色素沈着、表皮しわ、 表皮メラニンの排出、歯肉肥大、イボ、水泡等)、糖尿病合併症(腎症、神経障害、網 膜症、白内障、感染症、血管障害等)、癌及び前癌状態 (乳癌、皮膚癌、前立腺癌、 子宮頸癌、子宮癌、直腸癌、膀胱癌、食道癌、胃癌、肺癌、喉頭癌、口腔癌及び血 管及びリンパ系癌等)、炎症性疾患 (慢性関節リウマチ、大腸炎、神経痛、関節炎等)
、神経変性疾患 (例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病等)、動脈硬化症、高脂 血症、脂質代謝に関連する疾患 (脂血異常症等)、腎疾患、ウィルス疾患 (真菌症、 ウィルス性肝炎等)、虚血性心疾患、アレルギー疾患、脱毛症等が挙げられる。
[0069] 本発明化合物は、 RXRリガンドとしての高い活性を有し、かつ副作用という問題を生 じることのない化合物である。従って、 RXR機能調節剤における有効成分として使用 することができる、 RXR機能調節剤は、 RXR機能を調節することによって、疾患を治 療、予防、改善する医薬組成物である。 RXRリガンドがチォベンゾリジオン化合物等 の PPAR yァゴ-ストの抗糖尿病効果を模倣又は増強すること、 RXRリガンドは、 R XRZPPAR Yヘテロダイマーの転写活性を活性ィ匕し、インスリン刺激性グルコース 取込みを増加させ、トリグリセリドのレベルを低下させ、インスリンのレベルを抑圧し及 び HDLコレステロールのレベルを上昇させること、 RXRリガンドは 2型糖尿病の治療 及び関連兆候におけるインスリン増感剤又はインスリン模倣物 (mimetic)として使用 することができることが公知である(特表平 11 511472号公報)。従って、本発明の RXR機能調節剤は、 2型糖尿病治療剤を包含するものである。
[0070] RXRリガンドは、糖尿病(例、 1型糖尿病、 2型糖尿病、妊娠糖尿病等)の予防'治療 剤;高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低 HDL血症、食後 高脂血症等)の予防'治療剤;インスリン抵抗性改善剤;インスリン感受性増強剤;耐 糖能不全 [IGT (Impaired Glucose Tolerance) ]の予防'治療剤;及び耐糖能不 全から糖尿病への移行抑制剤として使用することができることも公知である(特開 200 3— 81832号)。従って、本発明の RXR機能調節剤は、これらの疾患の治療剤、防止 剤、改善剤をも包含するものである。
[0071] RXRリガンドは、皮膚疾患、例えば、細胞増殖及び Z又は細胞分化に関連する皮膚 の病気又は障害の治療;化学的角化症及び化学的色素沈着の治療;経時的又は化 学的な老化に関連するあらゆる異常の治療;表皮の萎縮症及び Z又は皮膚の萎縮 症の徴候の予防又は治療;はん痕化障害の予防又は治療;ヴイビシスの予防又は治 療;はん痕化の改善;皮脂機能の障害の治療等のあらゆる皮膚疾患の治療、予防、 改善に有効であることが公知である(特開平 9— 2972号公報)。 RXRリガンドはまた、 眼の障害の治療;癌性状態又は前癌状態の治療又は防止;炎症性障害の治療;ウイ
ルス起源の病気;脱毛症の防止又は治療;動脈硬化症のような心臓血管の病気の治 療;蜂巣炎、肥満又は糖尿病等の治療又は予防;真菌症の治療に使用することが公 知である(特開平 9— 2972号公報)。従って、本発明の RXR機能調節剤は、これらの 治療剤、防止剤、改善剤をも包含するものである。
[0072] 本発明化合物は、 RXRZPPARヘテロダイマーに対する高い活性を有し、かつ副作 用と 、う問題を生じな 、ものであることから、 RXRZPPARヘテロダイマー機能調節 剤における有効成分としても使用することができる。 RXRZPPARヘテロダイマー機 能調節剤は、 RXRZPPARヘテロダイマー機能を調節することによって、疾患を治 療、予防、改善する医薬組成物である。 RXRZPPARヘテロダイマーを活性ィ匕する こと〖こよって、 RXRZPPARヘテロダイマー機能調節剤は、 2型糖尿病の治療及び 関連兆候におけるインスリン増感剤又はインスリン模倣物 (mimetic)として使用でき ることが特表平 11— 511472号公報に記載され、 2型糖尿病の治療及び関連兆候に おけるインスリン増感剤又はインスリン模倣物 (mimetic)として使用することが特開 2 003-81832号に記載されている。また、 RXRZPPARヘテロダイマー機能調節剤 は、 RXRZPPARヘテロダイマーを活性ィ匕することによって、皮膚疾患等の治療に 使用できることが特開平 9— 2972号公報に記載されている。従って、本発明の RXR ZPPARヘテロダイマー機能調節剤は、これらの治療剤、防止剤、改善剤をも包含 するものである。
[0073] 更に、本発明化合物は、 RXRZPPARヘテロダイマーだけではなぐその他のへテ 口ダイマーをも活性ィ匕するものである。従って、その他の各種へテロダイマーの機能 調節剤における有効成分としても使用することができる。上記へテロダイマーとしては 、例えば、 RAR、甲状腺ホルモン受容体 (以下、「TR」) a、 TR |8、ビタミン D受容体 (VDR) )、 LXR a、 LXR β、 FXR、 CAR, PXR、 NGFI— B、 TINUR、及び、 MIN UR等力 選ばれる 1種の受容体と RXRとが形成するへテロダイマーを挙げることが できる。本発明の化合物は、上記へテロダイマーの機能調節剤としても作用するもの である。 RXRヘテロダイマー機能調節剤は、上記 RXRヘテロダイマーを活性ィ匕する ことによって、皮膚疾患等の治療に使用できることが特開平 9— 2972号公報に記載さ れている。従って、本発明の RXR機能調節剤は、これらの治療剤、防止剤、改善剤
をも包含するものである。
[0074] 上記医薬組成物は、上述の疾患に対する治療効果を高めるために、 PPARリガンド 、 RARリガンド、ビタミン D3レセプター(VDR)リガンド、甲状腺ホルモンレセプター( TR)リガンド、肝臓 Xレセプター(LXR)、フアルネソイド Xレセプター(FXR)、プレダ ナン Xレセプター(PXR)リガンドからなる群より選択される少なくとも 1種を更に含有 するものであってもよい。上記 PPARリガンド、 RARリガンド、ビタミン D3レセプター( VDR)リガンド、甲状腺ホルモンレセプター(TR)リガンド、肝臓 Xレセプター(LXR)、 フアルネソイド Xレセプター(FXR)、プレダナン Xレセプター (PXR)リガンドは、活性 化しようとする受容体の種類に応じて選択して使用することが好ましいものであり、例 えば、 RXRZPPARヘテロダイマーを活性化する RXRZPPARヘテロダイマー機能 調節剤においては、 PPARリガンドを使用することが好ましい。その他のヘテロダイマ 一を活性ィ匕する場合には、活性ィ匕しょうとしているダイマーを構成するレセプターのリ ガンドィ匕合物を併用することが好まし 、。
[0075] 上述したように、 RXRは、 PPAR, RAR、ビタミン D3レセプター(VDR)、甲状腺ホル モンレセプター (TR)、肝臓 Xレセプター(LXR)、フアルネソイド Xレセプター(FXR) 、プレダナン Xレセプター(PXR)等の核内レセプターとヘテロダイマーを形成するこ とが知られているから、これらのレセプターに対するリガンドと併用することによって、 相乗的に高い生理活性を得ることができ、かつ、併用すること〖こよる副作用も生じるこ とがないため、医薬組成物として、優れた効果が得られる。
[0076] 上記 PPARリガンドとしては特に限定されず、例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、 ロシグリタゾン、シグリタゾン、ネトグリタゾン、 FK614、 KRP— 297、 BMS— 298585、 テサグリタザール、 CS— 011、ラガグリタザール、 BML4156、 TAK— 559、 R483、 K— 111、 GW590735, MBS— 102、 ONO— 5129、 TY— 51501、 NS— 220、 MB S— 102SG、レグリキサン、 YM— 440、 ONO— 5816、及び GI262570を挙げること ができる。これらを併用すること〖こよって、特に 2型糖尿病等の治療剤又は予防剤とし ての効果が得られる。
[0077] 上記 RARリガンドとしては特に限定されず、例えば、全トランスレチノイン酸 (ATRA) 、 2—(5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2 ナフチル) 6—べンゾ [b
]チ才フェン力ノレボン酸、 4-[ (5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 5, 5, 8, 8—テトラメチノレー 2— ナフチル)カルボキシアミド]安息香酸 (Am580)、 4ー[ (5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフチル)力ルバモイル]安息香酸 (Am80)等を挙げるこ とができる。これらを併用すること〖こよって、特に急性前骨髄球性白血病等の治療又 は予防剤としての効果が得られる。
[0078] 上記ビタミン D3レセプター (VDR)リガンドとしては特に限定されず、例えば、 1 α , 2 5—ジヒドロキシビタミン D3、 1 α—ヒドロキシビタミン D3、 25—ヒドロキシビタミン D3、 1 a , 25—ジヒドロキシビタミン D2、 1 a , 24—ジヒドロキシビタミン D2等を挙げることが できる。これらを併用することによって、特に大腸癌等の治療又は予防剤としての効 果が得られる。
上記甲状腺ホルモンレセプター (TR)リガンドとしては特に限定されず、例えば、トリヨ ードチ口-ン等を挙げることができる。これらを併用することによって、特に敗血症、悪 性腫瘍等の治療又は予防剤としての効果が得られる。
上記肝臓 Xレセプター(LXR)、フアルネソイド Xレセプター(FXR)、プレダナン Xレセ プター(PXR)リガンドとしては特に限定されず、例えば、 22 (R)—ヒドロキシコレステロ ール、フアルネソイド、プロゲノロン等を挙げることができる。これらを併用することによ つて、特に高コレステロール血症等の治療剤又は予防剤としての効果が得られる。
[0079] 糖尿病の判定基準については、 1999年に日本糖尿病学会から判定基準が報告さ れている。上記判定基準によると、「糖尿病型」と判定する基準は、空腹時血糖値 (静 脈血漿におけるグルコース濃度)が 126mgZdl以上、 75g経ロブドウ糖負荷試験(7 5gOGTT) 2時間値 (静脈血漿におけるグルコース濃度)が 200mgZdl以上、随時 血糖値 (静脈血漿におけるグルコース濃度)が 200mgZdl以上の ヽずれかを示す状 態である。
また、上記糖尿病に該当せず、かつ、「空腹時血糖値 (静脈血漿におけるグルコース 濃度)が 1 lOmgZdl未満又は 75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT) 2時間値 (静 脈血漿におけるグルコース濃度)が 140mgZdl未満を示す状態」(正常型)でない状 態を、「境界型」と呼ぶ。
[0080] また、糖尿病の判定基準については、 1997年に ADA (米国糖尿病学会)から、 199
8年に WHOから、新たな判定基準が報告されている。これらの報告によれば、糖尿 病とは、空腹時血糖値が 126mgZdl以上または(および)、 75g経ロブドウ糖負荷試 験 2時間値が 200mgZdl以上を示す状態である。また、上記報告によれば、 IGT(i mpaired glucose tolerance)とは、空腹時血糖値が 126mgZdl未満であり、力 つ、 75g経口ブドウ糖負荷試験 2時間値が 140mgZdl以上 200mgZdl未満を示す 状態である。更に、 ADAの報告によれは、空腹時血糖値が l lOmgZdl以上 126m gZdl未満の状態を IFG (Impaired Fasting Glucose)と呼ぶ。一方、 WHOの報 告によれば、該 IFG (Impaired Fasting Glucose)のうち、 75g経ロブドウ糖負荷 試験 2時間値が 140mgZdl未満である状態を IFG (Impaired Fasting Glycemi a)と呼ぶ。本発明化合物は、上記した新たな判定基準により決定される糖尿病型、 界型、 IGT (impaired glucose tolerance) ^ IFG Umpaired Fasting Gluco se)及び IFG (Impaired Fasting Glycemia)の予防 ·治療剤としても用いられる。 更に、本発明化合物は、境界型、 IGT (impaired glucose tolerance)、 IFG (Im paired Fasting u ucose)又は丄 FG (Impaired Fasting u ycemia)力ら糖床 病への進展を防止することもできる。
[0081] 本発明化合物又はその薬学的に許容される塩は、生物に対する毒性が低い化合物 であることから、そのまま、又は、薬理学的に許容される担体等と混合して、哺乳動物 (例、ヒト、マウス、ラット、ゥサギ、ィヌ、ネコ、ゥシ、ゥマ、ブタ、サル)、魚類等に対して 、医薬組成物として適用することができる。
[0082] 上記薬理学的に許容される担体としては特に限定されず、製剤素材として公知であ る各種担体物質を使用することができる。上記担体物質としては特に限定されず、例 えば、固形製剤においては、結合剤(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチル セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、 α化デンプン、 ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、白糖、 D—マン-トール、トレハロース、デキストリン、 プノレラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビ -ルピロリドン等)、賦形剤(例えば、 α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低 置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ァラビ ァゴム、デキストリン、プルラン、乳糖、白糖、 D—マン-トール、 D—ソルビトール、デン
プン、軽質無水ケィ酸、合成ケィ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等 )、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカル シゥム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、乳糖、白 糖、デンプン、軽質無水ケィ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、滑沢剤 (例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイドシリカ等 )等を挙げることがでさる。
[0083] 上記医薬組成物には、担体物質に加えて、更に、抗酸化剤(例えば、亜硫酸塩、ァ スコルビン酸塩等)、防腐剤(例えば、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フエネ チルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、パラォキシ安息香酸エステル類等)、水 不溶性レーキ色素(例、上記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩等)、甘味剤( 例えば、アスパルテーム、ステビア、サッカリンナトリウム、ダリチノレリチン酸二カリウム 等)、着色剤 (例えば、水溶性食用タール色素 (例、食用赤色 2号及び 3号、食用青 色 1号及び 2号、食用黄色 4号及び 5号等の食用色素)、天然色素(例、 β—カロチン 、ベンガラ、クロロフィル等)等の製剤添加物も必要に応じて用いることができる。
[0084] 液状製剤における上記担体物質としては特に限定されず、例えば、溶剤(例えば、 生理的食塩水、注射用水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリェチ レンダリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、ォリーブ油、綿実油等)、溶解補助剤(例え ば、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、 D—マン-トール、トレ ハロース、安息香酸ベンジル、トリスァミノメタン、コレステロール、トリエタノールァミン 、炭酸ナトリウム、クェン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、懸濁 ィ匕剤(例えば、モノステアリン酸グリセリン、ステアリルトリエタノールァミン、ラウリル硫 酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、塩化ベンザルコニゥム、塩化べンゼトニゥム 、レシチン等の界面活性剤;例えば、ポリビュルピロリドン、ポリビュルアルコール、メ チノレセノレロース、ヒドロキシメチノレセノレロース、ヒドロキシェチノレセノレロース、ヒドロキシ プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の親水性高分子;ポリ ソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、等張化剤 (例えば、塩化ナトリウ ム、グリセリン、 D-マン-トール、 D-ソルビトール、ブドウ糖等)、緩衝剤(例えば、リン 酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クェン酸塩等の緩衝液等)、無痛化剤(例えば、ベンジルァ
ルコール等)等として配合されるもの等を挙げることができる。更に、抗酸化剤(例え ば、亜硫酸塩、ァスコルビン酸塩等)、防腐剤(例えば、クロロブタノール、ベンジルァ ルコール、フエネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、パラォキシ安息香酸ェ ステル類等)、甘味剤(例えば、アスパルテーム、ステビア、サッカリンナトリウム、ダリ チルリチン酸二カリウム等)、水不溶性レーキ色素(例、上記水溶性食用タール色素 のアルミニウム塩等)、着色剤(例えば、水溶性食用タール色素(例、食用赤色 2号及 び 3号、食用青色 1号及び 2号、食用黄色 4号及び 5号等の食用色素)、天然色素( 例、 β—力ロチン、ベンガラ、クロロフィル等)等の製剤添加物も必要に応じて用いるこ とがでさる。
[0085] 上記医薬組成物の剤形としては特に限定されず、例えば、経口剤であってもよぐ非 経口剤であってもよい。経口剤としては、顆粒剤;舌下錠、 口腔内崩壊錠を含む錠剤 ;ソフトカプセル、マイクロカプセルを含むカプセル剤;散剤;シロップ剤;トローチ剤; 乳剤;懸濁剤等が挙げられる。非経口剤としては、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋 肉内注射剤、腹腔内注射剤等の注射剤;経皮製剤、軟膏剤:経鼻投与製剤等の外 用剤;直腸坐剤、膣坐剤等の坐剤;点滴剤;点眼剤;経肺剤(吸入剤);ペレット等を 挙げることができる。また、上記製剤は、速放性製剤であっても、徐放性製剤等の放 出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセル等)であってもよい。本発明の医薬組成物 を用いた製剤は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の 方法等により製造することができる。これらの製剤は、ヒトを含む哺乳動物に対して安 全に投与することができるものである。以下に、製剤の具体的な製造法について詳述 する。
[0086] 上記経口剤は、有効成分に、結合剤、賦形剤、崩壊剤又は滑沢剤等の担体物質を 添加して公知の方法によって圧縮成形することによって、製造することができる。必要 に応じて、上記圧縮成形後に公知の方法でコーティングしてもよい。上記コーティン グは、例えば、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、 徐放性フィルムコーティング基剤、糖衣基剤等を使用した公知の方法によって行うこ とがでさる。
[0087] 上記水溶性フィルムコーティング基剤としては特に限定されず、例えばポリビニルァ
セタールジェチルァミノアセテート、アミノアルキルメタアタリレートコポリマー E (商品 名:オイドラギット E、ロームフアルマ社)、ポリビュルピロリドン等の合成高分子;ヒドロ キシプロピノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレメチノレセノレロース、ヒドロキシェチノレセノレ ロース、メチルヒドロキシェチルセルロース等のセルロース系高分子;プルラン等の多 糖類等を挙げることができる。上記腸溶性フィルムコーティング基剤としては特に限 定されず、例えば、メタアクリル酸コポリマー L (商品名:オイドラギット L、ロームフアル マ社)、メタアクリル酸コポリマー LD (商品名:オイドラギット L 30D55、ロームフアル マ社)、メタアクリル酸コポリマー S (商品名:オイドラギット S、ロームフアルマ社)等の アクリル酸系高分子;カルボキシメチルェチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート等のセルロース系高分子;セラック等の天然物等を挙げるこ とができる。上記徐放性フィルムコーティング基剤としては特に限定されず、例えば、 アミノアルキルメタアタリレートコポリマー RS (商品名:オイドラギット RS、ロームフアル マ社)、アクリル酸ェチル 'メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液 (商品名:オイドラギッ ト NE、ロームフアルマ社)等のアクリル酸系高分子;ェチルセルロース等のセルロー ス系高分子等を挙げることができる。上記糖衣基剤としては特に限定されず、例えば 、白糖を使用することができる。上記糖衣基剤は、必要に応じて更に、ゼラチン、ァラ ビアゴム、タルク、沈降炭酸カルシウム、プルラン、カルナパロウ等力 選ばれる 1種 又は 2種以上を併用してもよい。
上記したコーティング基剤は、 2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、 コーティングの際に、例えば酸ィ匕チタン、三二酸ィ匕鉄等のような遮光剤を用いてもよ い。
[0088] 上記注射剤は、有効成分を保存剤、分散剤、等張化剤等と共に水性溶剤又は油性 溶剤等に溶解、懸濁又は乳化することにより製造される。また、必要に応じて、安定 剤 (例、ヒト血清アルブミン等)、溶解補助剤 (例、酢酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム 等)、無痛化剤(例、ベンジルアルコール等)等の添加物を用いてもよい。
[0089] 上記皮膚外用剤は、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、酸化防止 剤、保湿剤、キレート剤、 pH調整剤、精製水等を混合して製剤化することができ、タリ
ーム、乳液等の形態として用いることができる。更に、不織布、フィルム等の基材上に 有効成分を塗布した貼付剤の形態として使用することもできる。
[0090] 本発明化合物又はその薬学的に許容される塩を医薬又は動物薬として投与する場 合、そのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば 0. 1— 99. 5%、好ましくは、 0. 5— 90%含有する医薬組成物として、ヒトを含む哺乳動物 に投与することができる。
[0091] 非経口投与は、通常の方法によって調製された液状用量単位形態、例えば、溶液や 懸濁液の形態の注射剤を用いることによって行うことができる。
[0092] 本発明化合物の投与量は年齢、体重等の患者の状態、病気の性質と程度等を考慮 した上で設定することが望ましいが、抗菌剤としてヒトへ経口的に投与する場合は、 成人に対して 0. 1— lOOmgZkgZ日、好ましくは、 0. 5— lOmgZkgZ日を 1回一 数回に分けて投与すればよぐ非経口的に投与する場合は、投与方法により大きく 異なるが、通常 0. 001— lOmgZkgZ日を 1回一数回に分けて投与すればよい。神 経変性疾患治療剤としては、経口的に投与する場合は 0. 01- 10mg/kg/日、好 ましくは 0. 1— lmgZkgZ日を 1回一数回に分けて投与すればよぐ非経口的に投 与する場合は、通常 0. 001— lmgZkgZ日を 1回一数回に分けて投与すればよい
[0093] ヒト以外の動物、例えば、 -ヮトリ、豚、牛等の家禽及び家畜動物並びに魚類に対し ても、経口的又は非経口的に投与することができる。経口投与する場合、一般的に は通常使用されている担体 (例えば、脱脂米糠、脱脂大豆粉、ふすま、乳糖、水等) を混合した物を投与するか、あるいはこの様にして混合したもの、若しくは本発明化 合物単独を動物飼料若しくは水と混合して投与する方法が好ましい。該動物飼料と しては、動物の飼料として一般に使用されるものであればいずれでもよぐ例えば、と うもろこし、ふすま、米、麦、綿実粕、マイ口、大豆粕、魚粉、脱脂米糠、油脂、炭酸力 ルシゥム、リン酸カルシウム、塩ィ匕ナトリウム、ビタミン剤、硫酸マグネシウム、硫酸鉄 等が挙げられ、これらの一部又は全部が混合して使用される。
[0094] 本発明化合物の飼料中の含有量としては、 50— 2000ppmの範囲が適当である。
非経口投与する場合は、上記医薬として非経口投与する場合と同様の方法で用いる
ことができる。
本発明化合物の投与量は、通常、経口投与の場合、 10— 400mgZkgZ日であり、 非経口投与の場合、 5-200mg/kg/日であり、これを数日間連続投与する。 経皮投与の場合、製剤中の含有量は 0. 1重量%— 1重量%の範囲が適当である。 患部の状態及び大きさに応じて適当量、数日間連続投与する。
[0095] 本発明化合物及び本発明の医薬組成物の投与量は、特に限定されず、予防又は治 療の目的、治療対象その投与対象、投与ルート、対象疾患、症状等によっても異な る力 諸条件に応じて、適宜の投与量が容易に選択できる。例えば成人の糖尿病患 者に経口投与する場合、有効成分である本発明化合物を通常 1回量として約 0. 01 一 lOOmgZkg体重、好ましくは 0. 05— lOmgZkg体重、更に好ましくは 0. 1— 2m gZkg体重であり、この量を 1日 1回一 3回投与するのが望ましい。
[0096] 例えば成人の皮膚疾患患者に経皮投与する場合、有効成分である本発明化合物を 製剤の全重量に対して、一般的には 0. 001重量%—10重量%、好ましくは 0. 01重 量%— 5重量%、更に好ましくは 0. 1重量%— 1重量%の濃度で使用されることが望 ましぐ患部の状態及び大きさに応じて 1回 0. lg— 100g、 1日 1回一 5回投与するの が望ましい。
[0097] 本発明化合物は、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧 剤、抗肥満剤、利尿剤、化学療法剤、免疫療法剤、抗血栓剤等の薬剤 (以下、「併用 薬剤」)と組み合せて用いることができる。上記併用薬剤と併用して使用する場合、本 発明化合物及び併用薬剤の投与時期としては特に限定されず、これらを投与対象に 対し、同時に投与するものであっても、時間差をおいて投与するものであってもよい。 併用薬剤の投与量は、適宜選択することができる。本発明化合物と上記併用薬剤と の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選 択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物 1重量部に 対し、併用薬剤を 0. 01— 100重量部用いることができる。
[0098] 上記糖尿病治療剤としては特に限定されず、例えば、インスリン製剤 (超速効型イン スリン (例、インスリンリスプ口(遺伝子組換え)、インスリンァスパノレト(遺伝子組換え) 等)、超速効型インスリン (例、中性インスリン注射液、インスリン注射液等)、準速効型
インスリン (例、無晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液等)、中間型インスリン (例、イン スリン亜鉛水性懸濁注射液、イソフェンインスリン水性懸濁注射液等)、混合型インス リン (例、生合成ヒトニ相性イソフェンインスリン水性懸濁注射液等)、遅効型インスリン (例、結晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液、プロタミンインスリン亜鉛水性懸濁注射 液等)、インスリン抵抗性改善剤(例、塩酸ピオグリタゾン、ロシグリタゾン又はそのマ レイン酸塩、トログリタゾン、シグリタゾン、ネトグリタゾン、 FK614、 KRP— 297、 BMS
—298585、テサグリタザール、 CS— 011、ラガグリタザール、 BML4156, TAK-55
9、 R483、 K— 111、 GW590735, MBS— 102、 ONO— 5129、 TY— 51501、 NS—
220、 MBS— 102SG、レグリキサン、 YM— 440、 ONO— 5816、 GI262570等)、 a —ダルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、ァカルボース、ミグリトール、エミグリテ一 ト等)、ビグアナイド剤(例、メトホノレミン、ブホノレミン、フェンホノレミン等)、インスリン分 泌促進剤(スルホ -ルゥレア剤(例、トルプタミド、ァセトへキサミド、クロルプロパミド、 トラザミド、グリクロビラミド、ダリベンクラミド、ダリクラジド、グリメピリド等)、レバグリニド 、ナテグリニド、ミチグリニド、 GLP— 1等)、 β 3ァゴ-スト(例、 BRL35135、 CL-31 6243、 LY377604, AJ— 9677、 AZ— 40140、 L755507, L750355, L770644 、 SB— 226552等)、ジぺプチジルぺプチダーゼ IV阻害剤(例、 NVP— DPP—278、 PT— 100、 NVP-DPP-728, LAF237等)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホ リラーゼ阻害剤、グルコース 6 ホスファターゼ阻害剤、 CS— 917、グルカゴン拮抗 剤等)、アミリンァゴニスト(例、プラムリンチド等)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害 剤(例、バナジン酸等)、 SGLUT阻害剤(例、 T-1095等)等を挙げることができる。 上記糖尿病性合併症治療剤としては特に限定されず、例えば、 PKC阻害剤(例、ス タウロスポリン、 GF109203X、 LY— 333531等)、 AGE阻害剤(例、 ALT946、アミ ノグァ二ジン、 OPB— 9195、 LR— 90、ピリドキサミン、チアミン、ベンフォチアミン、チ ァミンピロリン酸、メトフオルミン、テモカプリラート、テモカプリル、オルメサルタン、ラミ プリル、ヒドララジン、 23CPPA、 PTB, ALT711等)、活性酸素消去薬(例、チォタト 酸等)、アルドース還元酵素阻害剤(例、ェパルレスタツト、ゼナレスタツト、フィダレス タツト等)、神経栄養因子 (例、 NGF、 NT— 3、 BDNF等)、脳血管拡張剤 (例、チア プリド、メキシレチン等)等を挙げることができる。
[0100] 上記皮膚疾患治療剤としては特に限定されず、例えば、乾癬治療薬 (エトレチナート .タカルシトール、八11180等)、ざ瘡治療薬(丁ー3192、ァダパレン、タザ口テン、トレノ ィチン等)、尋常性白斑治療薬 (メトキサレン等)、アトピー性皮膚炎 (タク口リムス水和 物等)、魚鱗せん (ビタミン A等)等を挙げることができる。
[0101] 上記降圧剤としては特に限定されず、例えば、アンジォテンシン変換酵素阻害剤 (例
、カプトプリル、マレイン酸ェナラプリル、ァラセプリル、塩酸デラプリル、シラザプリル 、リシノプリル.塩酸べナゼプリル、塩酸イミダプリル、塩酸テモカプリル、塩酸キナプ リル、トランドラプリル、ペリンドプリルエルプミン等)、アンジォテンシン II拮抗剤 (例、 カンデサルタン シレキセチル、口サルタンカリウム、バルサルタン、テルミサルタン等 )、カルシウム拮抗剤(塩酸マ-ジピン、二フエジピン.塩酸-カルジピン、アムロジピ ン、塩酸-ホ-ジピン、 -ルバジピン、 -トレジピン、 -ソルジピン、塩酸べ-ジピン、 塩酸パル-ジピン、フエロジピン、シル-ジピン等)、カリウムチャネル開口薬(レプク ロマカリム等)、塩酸クロリジン等を挙げることができる。
[0102] 上記高脂血症治療剤としては特に限定されず、例えば、 HMG - CoA還元酵素阻害 薬(例、プラバスタチンナトリウム、シンパスタチン、フルパスタチンナトリウム、アトルバ スタチンカルシウム水和物等)、フイブラート系化合物(例、クロフイブラート、クロフィ ブラートアルミニウム、クリノフイブラート、ベザフイブラート、フエノフイブラート等)、二 コチン酸およびその誘導体 (ニコモール、 -セリトロール等)、イオン交換薬 (例、コレ スチラミン、コレスチミド等)、植物ステロール (例、大豆油不けん化物(ソイステロール )、ガンマオリザノール等)、 ACAT阻害剤(例、アバシマイブ、エフルシマイブ等)、ス クアレン合成酵素阻害剤(例、 N— [ [ (3R, 5S)— 1— (3—ァセトキシー 2, 2—ジメチル プロピル)一 7 クロ口一 5— (2, 3—ジメトキシフエ二ル)一 2 ォキソ 1, 2, 3, 5—テトラヒ ドロー 4, 1一べンゾォキサゼピン 3 ィル]ァセチル]ピぺリジン 4 酢酸等)、プロブ コール、デキストラン硫酸ナトリウムィォゥ、ポリェンホスファチジルコリン、エラスター ゼ、ィコサペント酸ェチル等を挙げることができる。
[0103] 上記利尿剤としては特に限定されず、例えば、チアジド系製剤(例、トリクロルメチア ジド、ヒドロクロ口チアジド、ベンチルヒドロクロ口チアジド等)、チアジド系類似薬 (イン ダパミド、トリバミド、クロルタリドン、メチクラン、メフルシド等)、ループ利尿薬 (フロセミ
ド、ブメタ-ド、ピレタ -ド、ァゾセミド、トラセミド等)、カリウム保持性利尿薬 (スピロノラ タトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム等)、炭酸脱水酵素阻害剤 (例、ァセタゾラミ ド等)、イソソノレビド等を挙げることができる。
[0104] 上記抗肥満剤としては特に限定されず、例えば、 j8 3ァゴ-スト (例、 LY— 377604、 N—5984、 SB— 418790、 AZ— 40140等)、中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフル ラミン、フェンフノレラミン、フエンテノレミン、シブトラミン、アンフエプラモン、デキサンフエ タミン、マジンドール、フエニルプロパノールァミン、クロべンゾレックス等)、脾リパー ゼ阻害薬 (例、オルリスタツト、 ATL— 962等)、ペプチド性食欲抑制薬 (例、レブチン 等)、コレシストキニンァゴ-スト(例、リンチトリプト、 G卜 181771等)、カルボキンぺプ チダーゼ阻害薬(MLN— 4760)、 SR— 141716、 P— 57、甲状腺ホルモンレセプタ 一 βァゴ-スト等を挙げることができる。
[0105] 上記免疫療法剤としては特に限定されず、例えば、微生物又は細菌成分 (例、抗悪 性腫瘍溶連菌製剤 (ピシバニール)、ムラミル等)、免疫増強活性のある多糖類 (例、 クレスチン、レンチナン、シゾフィラン等)、遺伝子工学的手法で得られるサイト力イン( 例、インターフェロン、インターロイキン等)、コロニー刺激因子(例、顆粒球コロニー 刺激因子、エリスロポエチン等)等を挙げることができる。
[0106] 上記化学療法剤としては特に限定されず、例えば、抗生物質抗癌剤 (例、塩酸ドキソ ルビシン(アドリアマイシン)、塩酸ェピルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸ダウノルビシ ン、塩酸イダルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸アムルビシン、マイトマイシン c、ァ クチノマイシン D、塩酸ブレオマイシン、硫酸ぺプロマイシン、ネオカルチノスタチン、 ジノスタチンスチマラマー等)、アルキル化剤(例、シクロホスフアミド、ィホスフアミド、メ ルファラン、チォテパ、ブスルファン、カルボコン、ダカルバジン、塩酸-ムスチン、ラ 二ムスチン等)、代謝拮抗剤(例、メソトレキサート、メノレカプトプリン、 6—メルカプトプリ ンリボシド(チォイノシン)、フルォロウラシル、テガフール、テガフール'ゥラシル、カル モフール、ドキシフルリジン、シタラビンォクホスフアート、ヒドロキシカルバミド、シタラ ビン、塩酸ゲムシタピン、リン酸フルダラビン、エノシタビン等)、タキノール、シスプラ チン等を挙げることができる。
[0107] 上記抗血栓剤としては特に限定されず、例えば、抗トロンビン薬 (例、アルガトロバン
等)、へノ リン製剤と抗へノ リン製剤(へノ リンカルシウム、へノ《リンナトリウム、硫酸プ ロタミン、ダルテパリンナトリウム、パルナパリンナトリウム、レビパリンナトリウム等)、血 栓溶解剤(例、ゥロキナーゼ、チソキナーゼ、アルテプラーゼ、ナサルプラーゼ (細胞 培養)、ナテプラーゼ)、モンテプラーゼ、パミテプラーゼ、ノ トロキソビン等)、クマリン 系抗凝固剤 (例、ヮルフアリンカリウム等)、血小板凝集抑制薬 (例、アスピリン、塩酸 チクロビジン、シロスタゾール. リマプロストアルファデタス、ォザグレルナトリウム、塩 酸サルポダレラート等)等を挙げることができる。
[0108] 併用薬剤としては、上述したものの他に、抗うつ薬 (例、塩酸ノルトリプチリン、塩酸ィ ミプラミン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸ミルナシプラン、塩酸ミアンセリン等)、抗 不整脈薬 (例、硫酸キ-ジン、塩酸リドカイン、塩酸ピルジカイ-ド、塩酸アミオダロン 、塩酸べプリジル等)、抗てんかん薬 (例、フエ-トイン、フエノバルビタール、プリミドン 、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、トリメタジオン、ァセチルフエネトライド、スル チアム、クロナゼバム、ゾ-サミド等)、神経再生促進薬 (例、 Y— 128、 VX— 853等)、 麻薬性鎮痛薬 (例、モルヒネ等)、抗不安薬 (例、ジァゼバム、プラゼバム、タエン酸タ ンドスピロン等)、鎮痛薬 (例、カブサイシン等)、ドーパミン作動薬 (例、アポモルフィ ン等)、骨粗鬆症治療剤(例、アルファカルシドール、カルシトリオール、エルカトニン 、サケカルシトニン、アレンドロン酸ナトリウム水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物、 ェチドロン酸ニナトリウム、ノ ミドロン酸ニナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、 インカドロン酸ニナトリウム、イブリフラボン等)、アルッノ、イマ一型痴呆薬 (塩酸ドネべ ジル等)、尿失禁'頻尿治療剤 (例、塩酸フラボキサート、塩酸ォキシプチニン、塩酸 プロピベリン等)、又は悪液質改善剤(例、 TNF— a;、 LIF、 IL 6、オンコスタチン M に対する抗体等)も挙げることができる。
[0109] 上記併用薬剤は、インスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、 ひ ダルコシダーゼ阻害 剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤 (好ましくはスルホ -ルゥレア剤)、抗肥満 剤、皮膚疾患治療剤等であることがより好ましい。上記併用薬剤は、 2種以上を適宜 の割合で組み合せて用いてもょ 、。
[0110] 本発明化合物が併用薬剤と組み合せて使用される場合には、お互いの剤の量は、 それらの剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。特に、インスリン抵抗性改
善剤、インスリン分泌促進剤、皮膚疾患治療剤及びビグアナイド剤は通常の投与量 よりも低減できる。したがって、これらの剤により引き起こされるであろう副作用は安全 に防止できる。それに加えて、糖尿病性合併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧剤の 投与量は低減でき、その結果これらの剤により引き起こされるであろう副作用は効果 的に防止できる。
[0111] 本発明化合物は、哺乳動物 (例、ヒト、マウス、ラット、ゥサギ、ィヌ、ネコ、ゥシ、ゥマ、 ブタ、サル)に対して毒性が低い化合物である。毒性が低いため、副作用を生じること がなく、医薬組成物として安全に使用することができるものである。
[0112] 本発明化合物又は医薬組成物が併用薬剤と組み合せて、又は製薬学的に有効な 薬剤を更に含む組成物として使用される場合には、それぞれの剤の量は、それらの 副作用を考慮して安全な範囲内に低減できる。したがって、これらの薬剤により引き 起こされるであろう副作用は安全に防止できる。
発明の効果
[0113] 本発明のアミドィ匕合物は、一般式(1)で表されるものであり、従来の RXRリガンドとし て知られて!/、る化合物よりも高 、RXRリガンドとしての活性を有し、副作用と!、う問題 を生じないことが明らかになった。従って、 2型糖尿病、皮膚疾患等の各種疾患の治 療剤又は予防剤等の医薬組成物として使用することができるものである。
発明を実施するための最良の形態
[0114] 以下に実施例を挙げて説明する力 本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例
[0115] 本発明化合物である化合物 18、化合物 32及び化合物 37の合成例並びに調製物の 生物学的活性を例証するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0116] 合成例 1
2, 5—ジクロ口— 2, 5—ジメチルへキサン(ィ匕合物 12)
[0117] [化 13]
11 12
[0118] 2, 5—ジメチルー 2, 5 キサンジオール(150g, 1. 03mol) (化合物 11)のエタノー ル溶液 (450ml)に、室温下、塩ィ匕水素ガスを吹き込んだ。反応混合液を 60°Cとした 後、 34時間攪拌した。反応終了後、反応混合液を 4°Cに保存し、析出した結晶を濾 取することにより、化合物 12を収率 17% (31. 99g)で得た。
Rf=0. 72 (Merck社製シリカゲル TLCプレート(以下すベて同一);展開溶媒: lZ 9,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) 6 ppm: l. 60 (s, 12H, CH X 4) , 1. 95 (s, 4H,
3 3
CH X 2)
2
融点 64. 0-66. 5°C
[0119] 合成例 2
1, 2, 3, 4—テ卜ラヒドロ一 1, 1, 4, 4, 6—ペンタメチノレナフタレン(ィ匕合物 13)
[0120] [化 14]
[0121] 反応器に化合物 12 (30g, 164mmol)及びトルエン(30g, 326mmol)のジクロロメ タン溶液(150ml)を仕込んだ。ここに、室温にて、粉末状塩ィ匕アルミニウム(840mg , 6. 30mmol)を加え、 1時間攪拌した。反応終了後、 20%塩酸(30ml)を加えた後
、反応混合液をへキサンで 2回抽出した。得られた有機層を、水(2回)及び飽和食塩 水で洗浄後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を、減圧蒸留(1. 333 X 102Pa、留 温 68— 73°C)することにより、化合物 13を透明液体として収率 89% (29. 33g)で得 た。
Rf=0. 68 (展開溶媒: 1Z9,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) S ppm:
3
1. 26 (s, 12H, CH X 4) , 1. 95 (s, 4H, CH X 2) , 2. 29 (s, 3H, CH ) , 6. 80
3 2 3
—7. 33 (m, 3H, aromatic;
融点 27. 2-29. 0°C
[0122] 合成例 3
1, 2, 3, 4ーテトラヒドロ一 1, 1, 4, 4, 6—ペンタメチルナフタレン 2—力ルボン酸クロリ ド (化合物 14)
[0123] [化 15]
13
14
[0124] 反応器にォキサリルクロリド(0. 19ml, 2. 04mmol)のジクロロメタン溶液(3ml)を仕 込み、室温にて、粉末状塩化アルミニウム(271mg, 2. 04mmol)を加え、 10分間 攪拌した。ここに、化合物 13 (374mg, 1. 85mmol)のジクロロメタン溶液(2ml)を滴 下し、 2時間攪拌した。反応終了後、反応混合液中に氷水を注ぎ、クロ口ホルムで抽 出した。クロ口ホルム層を、飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を減圧留去し、 425mg の残渣を得た。続いて、この残渣に塩化チォ -ル(1. 35ml, 18. 5mmol)を加え、 加熱還流下、 3時間攪拌した。反応終了後、過剰の塩化チォニルを減圧留去し、化 合物 14を収率 91 % (443mg)で得た。
Rf=0. 45 (展開溶媒: 1Z4,酢酸ェチル キサン)
[0125] 合成例 4
4 -ァミノメチル安息香酸メチル (化合物 16)
[0126] [化 16]
[0127] 4ーァミノメチル安息香酸(369mg, 2. 44mmol) (ィ匕合物 15)のメタノール懸濁液(3 Oml)に、塩ィ匕水素ガスを反応混合物が溶液となるまで吹き込んだ。次に、触媒量の 濃硫酸を加え、加熱環流下、 5時間反応させた。反応終了後、反応混合液に水を加 え、析出した結晶を溶解した。 20%水酸ィ匕ナトリウム溶液でアルカリ性とした後、メタ ノールを減圧留去した。得られた濃縮物に水を加え、酢酸ェチルで抽出した。有機 層を減圧濃縮し、化合物 16を淡黄色油状物質として収率 85% (343mg)で得た。 Rf=0. 38 (展開溶媒: 3Z1,クロ口ホルム メタノール)
60MHz — NMR(CDC1—CD OD) δ ppm:
3 3
3. 43 (s, 2H, NH ) , 3. 92 (s, 5H, CH及び CH ) , 7. 39 (d, J = 8. 22Hz, 2H
2 2 3
, aromatic; , 8. 03、d, J = 8. 1り Hz, 2H, aromatic)
[0128] 合成例 5
4-[ (5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 3, 5, 5, 8, 8—ペンタメチルー 2—ナフタレ-ル)カルボ キサミドメチル]安息香酸メチル (化合物 17)
[0129] [化 17]
[0130] 反応器にィ匕合物 16(135mg, 0.82mmol)、トリエチノレアミン(0.11ml, 0.82mm ol)及びジクロロメタン(3ml)を仕込み、ここに氷浴下、化合物 14(218mg, 0.82m mol)のジクロロメタン溶液(3ml)を滴下した。徐々に室温に戻しながら、 3時間反応 させた。反応終了後、水を加え、酢酸ェチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で 洗浄後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢 酸ェチル:へキサン =1:2)で精製した後、ジェチルエーテルより結晶化させ、化合 物 17を白色結晶として収率 73% (235mg)で得た。化合物 17は、上記一般式(1) で表される本発明化合物の一つである。
Rf=0.44(展開溶媒: 1Z2,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) Sppm:
3
1.26 (s, 12H, CH X4), 1.67(s, 4H, CH X2), 2.40 (s, 3H, CH ), 3.92
3 2 3
(s, 3H, CH ), 4.68(d, J = 5.88Hz, 2H, NH ), 6.10 (bs, 1H, NH), 7. 14
3 2
(s, 1H, aromatic) , 7.33 (s, 1H, aromatic) , 7.41(d, J = 9.36Hz, 2H, aro matic) , 8.03(d, J = 8.76Hz, 2H, aromatic)
融点 182.8-184.7°C
[0131] 実施例 1
4-[(5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 3, 5, 5, 8, 8—ペンタメチルー 2—ナフタレ-ル)カルボ キサミドメチル]安息香酸 (ィ匕合物 18)
[0132] [化 18]
[0133] 反応器に合成例 5で得られたィ匕合物 17 (98mg, 0. 25mmol)、 5N-水酸ィ匕カリウム
(0. 13ml)及びメタノール(5ml)を仕込み、加熱環流下、 6時間反応させた。反応終 了後、溶媒を減圧留去し、残渣に水を加え、 1N—塩酸で酸性とした後、酢酸ェチル で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧留去した。白色結晶の残渣 として、目的の化合物 18を収率 85% (81mg)で得た。
Rf=0. 35 (展開溶媒: 9Z1,クロ口ホルム メタノール)
60MHz — NMR(CDC1—CD OD) δ ppm:
3 3
1. 26 (s, 12H, CH X 4) , 1. 68 (s, 4H, CH X 2) , 2. 36 (s, 3H, CH ) , 4. 64
3 2 3
(s, 2H, NH ) , 7. 14 (s, IH, aromatic) , 7. 33 (s, IH, aromatic) , 7. 44 (d, J
2
=8. 22Hz, 2H, aromatic) , 8. 06 (d, J = 8. 16Hz, 2H, aromatic)
融点 257. 4-257. 9°C
[0134] 合成例 6
5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2 ナフトアルデヒド(ィ匕合物 22) [0135] [化 19]
[0136] 反応器に化合物 21 (2. 02g, 0. Olmmol)の酢酸溶液(2ml)を仕込み、 100°Cに 昇温した。ここに、硝酸二アンモ-ゥムセリウム(IV) (10. 96g, 0. 02mol)の 50%酢 酸水溶液 (30ml)を、 2時間かけて滴下し、その後 2. 5時間攪拌した。反応終了後、 反応混合液を氷水に注ぎ、へキサンで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗
浄後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸ェチル Zへキサン = 1: 9)で生成し、化合物 22を白色結晶として収率 45% (0. 98g)で得た。
Rf=0. 58 (展開溶媒: 1Z4,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) S ppm:
3
1. 31 (s, 12H, CH X 4) , 1. 72 (s, 4H, CH X 2) , 7. 19—7. 85 (m, 3H, aro
3 2
matic) , 9. 51 (s, 1H, CHO)
融点 50. 2-51. 2°C
[0137] 合成例 7
5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフトェ酸(ィ匕合物 23)の合成 [0138] [化 20]
[0139] 反応器に硝酸銀(1. 16g, 6. 90mmol)の水溶液(3ml)、水酸ィ匕ナトリウム(0. 55g , 13. 8mmol)の水溶液(3ml)を仕込んだ。ここに、ィ匕合物 22 (746mg, 3. 45mm ol)を、氷浴下、徐々にカ卩えた。 2時間後の TLCに変化がな力つたため、加熱環流下 、引き続き 3時間反応させたところ、原料のスポットが消失し、 目的物と思われるスポッ トが確認された。反応終了後、反応混合液をろ過し、ろ液を 1N—塩酸で酸性とした。 析出した結晶をろ取し、化合物 23を白色結晶として収率 82% (660mg)で得た。 Rf=0. 21 (展開溶媒: 1Z4,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) S ppm:
3
1. 30 (s, 12H, CH X 4) , 1. 71 (s, 4H, CH X 2) , 7. 37—7. 84 (m, 3H, aro
3 2
matic) , 9. 55 (s, 1H, COOH)
融点 192. 0-194. 3°C
[0140] 合成例 8
5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフトェ酸クロリド(ィ匕合物 24)
の合成
[0141] [化 21]
[0142] ィ匕合物 23 (187mg, 0. 80mmol)に塩ィ匕チ才ニノレ(0. 59ml, 8. 04mmol)をカロ免 、加熱環流下、 3時間反応させた。反応終了後、過剰の塩ィ匕チォニルを減圧下、除 去し、残渣の淡黄色液体として化合物 24を定量的(210mg)に得た。
Rf=0. 55 (展開溶媒: 1Z4,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) S ppm:
3
1. 30 (s, 12H, CH X 4) , 1. 71 (s, 4H, CH X 2) , 7. 35—8. 08 (m, 3H, aro
3 2
matic
[0143] 合成例 9
4-[ (5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフタレ-ル)カルボキサ ミドメチル]安息香酸メチル (化合物 25)
[0144] [化 22]
[0145] 反応器に化合物 16 (65mg, 0. 39mmol)、トリェチルァミン(54ul, 0. 39mmol)及 びジクロロメタン(lml)を仕込み、ここに氷浴下、化合物 24 (98mg, 0. 39mmol)の ジクロロメタン溶液(lml)を滴下した。徐々に室温に戻しながら、 3時間反応させた。 反応終了後、水を加え、酢酸ェチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄後、 溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジェチルエーテルにて結晶化させ、化合物 25
を淡黄色結晶として収率 86% (127mg)で得た。
Rf=0.32(展開溶媒: 1Z2,酢酸ェチルーへキサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) Sppm:
3
1.28 (s, 12H, CH X4), 1.69 (s, 4H, CH X2), 3.91 (s, 3H, CH ), 4.69
3 2 3
(d, J = 5.82Hz, 2H, CH ),
2
6.60 (bs, 1H, NH), 7.32—8.07 (m, 7H, aromatic)
融点 170.3-171.6°C
[0146] 比較例 1
4-[(5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフタレ-ル)カルボキサ ミドメチル]安息香酸メチル (化合物 26)
[0148] 反応器に合成例 9で得られたィ匕合物 25 (73mg, 0.19mmol)、 5N—水酸ィ匕カリウム
(0. 10ml)及びメタノール(2ml)を仕込み、加熱環流下、 6時間反応させた。反応終 了後、溶媒を減圧留去し、残渣に水を加え、 1N—塩酸で酸性とした後、酢酸ェチル で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧留去することにより、淡黄色 結晶の残渣として、 目的の化合物 26を収率 71% (49mg)で得た。
Rf=0.24(展開溶媒: 9Z1,クロ口ホルム メタノール)
60MHz — NMR(DMSO— d ) Sppm:
6
1.26 (s, 12H, CH X4), 1.66 (s, 4H, CH X2), 4.54 (s, 2H, CH ), 7.35
3 2 2
—7.98 (m, 7H, aromatic;
融点 250.7-252.3°C
[0149] 合成例 10
3—ェチルー 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルナフタレン(ィ匕合物 28) の合成
反応器にィ匕合物 12 (5g, 27. 3mmol)、ェチノレベンゼン(ィ匕合物 27 : 5. 90g, 54. 6 mmol)及びジクロロメタン(30ml)を仕込み、ここに氷浴下、粉末状塩化アルミニウム (0. 55g, 4. lOmmol)を加えた。徐々に室温に戻しながら、 4時間反応させた。反 応終了後、反応混合液を氷水に注ぎ、クロ口ホルムで抽出した。クロ口ホルム層を、水 及び飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を減圧蒸留( 1. 333 X 102Pa、留温 88— 92°C)し、化合物 28を透明液体として収率 89% (3. 51 g)で得た。
Rf=0. 69 (展開溶媒: 1Z9,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) S ppm:
3
1. 23 (t, 3H, J = 8. 16Hz, CH ) , 1. 28 (s, 12H, CH X 4) , 1. 67 (s, 4H, CH
3 3
X 2) , 2. 60 (q, 2H, J = 7. 62Hz, CH ) , 6. 84—7. 40 (m, 3H, aromatic)
[0150] [化 24]
[0151] 合成例 11
3—ェチルー 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフトェ酸(ィ匕合物 29)
反応器にォキサリルクロリド(0. 25ml, 2. 90mmol)、粉末状塩化アルミニウム(387 mg, 2. 90mmol)及びジクロロメタン(5ml)を仕込み、ここに氷浴下、化合物 28 (52 6mg, 2. 42mmol)のジクロロメタン溶液(5ml)を滴下した。徐々に室温に戻しなが ら、 30分間反応させた。反応終了後、反応混合液を氷水に注ぎ、クロ口ホルムで抽 出した。クロ口ホルム層を、水及び飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を減圧留去した 。得られた残渣(724mg)に 1M—水酸ィ匕ナトリウム (40ml)を加え、加熱還流下、 6時 間反応させた。反応終了後、反応混合液を酢酸ェチルで抽出した後、水層を 6N -
塩酸で酸性とし、酢酸ェチルで抽出した。酢酸ェチル層を、飽和食塩水で洗浄後、 溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸ェチ ル:へキサン = 1 :4)で精製し、化合物 29を白色結晶として収率 24% (143mg)で得 た。
Rf=0. 29 (展開溶媒: 1 4,酢酸ェチル キサン)
60MHz 'H-NMRCCDCl ) S ppm:
3
1. 26 (t, 3H, J = 7. 62Hz, CH ) , 1. 30 (s, 12H, CH X 4) , 1. 70 (s, 4H, CH
3 3
X 2) , 3. 03 (q, 2H, J = 7. 02Hz, CH ) , 7. 12 (s, 1H, aromatic) , 8. 04 (s,
2 2
1H, aromatic) , 12. 23 (bs, 1H, COOH)
融点 169. 4-171. 2°C
[0152] [化 25]
[0153] 合成例 12
3—ェチルー 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフトェ酸クロリド( 化合物 30)の合成
反応器にィ匕合物 29 (589mg, 2. 26mmol)及び塩ィ匕チ才ニノレ(1. 65ml, 22. 6m mol)を仕込み、加熱還流下、 3時間反応させた。反応終了後、過剰の塩ィ匕チォニル を減圧留去し、化合物 30を収率 100%で得た。
[0154] [化 26]
29 30
[0155] 合成例 13
4— [(3—ェチルー 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフタレ-ル )カルボキサミドメチル]安息香酸メチル (化合物 31)の合成
反応器にィ匕合物 16(373mg, 2.26mmol)、トリエチノレアミン(0.32ml, 2.26mm ol)及びジクロロメタン(6ml)を仕込み、ここに氷浴下、化合物 30(631mg, 2.26m mol)のジクロロメタン溶液(6ml)を滴下した。徐々に室温に戻しながら、 17時間反応 させた。反応終了後、反応混合液を減圧濃縮し、得られた残渣に酢酸ェチルを加え た。酢酸ェチル層を、水及び飽和食塩水で洗浄した。溶媒を減圧留去後、析出した 結晶をジェチルエーテルに懸濁させ、ろ取することにより、化合物 31を白色結晶とし て収率 91% (836mg)で得た。
Rf=0.41(展開溶媒: 1Z2,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) Sppm:
3
1.21 (t, 3H, J = 7.62Hz, CH ), 1.27(s, 12H, CH X4), 1.67(s, 4H, CH
3 3
X2), 2.77 (q, 2H, J = 7.62Hz, CH ), 3.92(s, 3H, CH ), 4.68 (d, 2H, J
2 2 3
=5.88Hz, CH ), 6. 15 (bs, 1H, NH), 7.18—8. ll(m, 6H, aromatic)
2
融点 172.6-174.4°C
[0156] [化 27]
[0157] 実施例 2
4— [ (3—ェチルー 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフタレ-ル )カルボキサミドメチル]安息香酸 (化合物 32)の合成
反応器に化合物 31 (74mg, 0. 18mmol)、 5N—水酸化カリウム(0. 4ml)及びメタノ ール (4ml)を仕込み、加熱環流下、 5時間反応させた。反応終了後、反応混合液を 減圧濃縮し、得られた残渣に水を加えた。 6N—塩酸で酸性とした後、酢酸ェチルで 抽出した。酢酸ェチル層を、水及び飽和食塩水で洗浄した。溶媒を減圧留去後、析 出した結晶をジェチルエーテルに懸濁させ、ろ取することにより、化合物 32を白色結 晶として収率 92% (65mg)で得た。
Rf=0. 25 (展開溶媒: 4Z1,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1—CD OD) δ ppm:
3 3
1. 18 (t, 3H, J = 7. 62Hz, CH ) , 1. 26 (s, 12H, CH X 4) , 1. 68 (s, 4H, CH
3 3
X 2) , 2. 73 (q, 2H, J = 7. 02Hz, CH ) , 4. 64 (s, 2H, CH ) , 7. 18—8. 11 (
2 2 2
m, 6H, aromatic)
融点 231. 9-233. 2°C
[0158] [化 28]
32
[0159] 合成例 14
3—フルォロ一 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルナフタレン(ィ匕合物 34 )の合成
反応器に化合物 12 (940mg, 5. 13mmol)フルォロベンゼン(ィ匕合物 33 : 961mg, lOmmol)及びジクロロメタン(20ml)を仕込み、ここに氷浴下、粉末状塩化アルミ- ゥム(67mg, 0. 50mmol)をカ卩えた。徐々に室温に戻しながら、 20時間反応させた 。反応終了後、反応混合液を氷水に注ぎ、クロ口ホルムで抽出した。クロ口ホルム層を 、水及び飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣として化合物 34を収 率 85% (897mg)で得た。
Rf=0. 72 (展開溶媒: 1Z9,酢酸ェチル キサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) S ppm:
3
1. 26 (s, 12H, CH X 4) , 1. 68 (s, 4H, CH X 2) , 6. 62—7. 38 (m, 3H, aro
3 2
matic
[0160] [化 29]
12 85% 34
[0161] 合成例 15
3—フルォロ一 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフトェ酸クロリド (化合物 35)の合成
反応器にォキサリルクロリド(76ul, 0. 873mmol)、粉末状塩化アルミニウム(116m g, 0. 873mmol)及びジクロロメタン(3ml)を仕込み、ここに氷浴下、化合物 34 (12 Omg, 0. 582mmol)のジクロロメタン溶液(3ml)を滴下した。徐々に室温に戻しな がら、 2. 5時間反応させた。反応終了後、反応混合液を氷水に注ぎ、クロ口ホルムで 抽出した。クロ口ホルム層を、水及び飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を減圧留去し た。得られた残渣(126mg)に塩ィ匕チォ-ル (0. 5ml)を加え、加熱還流下、 3時間 反応した。反応終了後、過剰の塩化チォニルを減圧留去し、化合物 35を収率 95% ( 137mg)で得た。
[0162] [化 30]
4— [ (3—フルォロ一 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフタレ- ル)カルボキサミドメチル]安息香酸メチル (化合物 36)の合成
反応器にィ匕合物 16 (92mg, 0. 56mmol)、トリエチノレアミン(78ul, 0. 56mmol)及
びジクロロメタン(2ml)を仕込み、ここに氷浴下、化合物 35 (137mg, 0. 56mmol) のジクロロメタン溶液(2ml)を滴下した。徐々に室温に戻しながら、 4. 5時間反応さ せた。反応終了後、反応混合液を減圧濃縮し、得られた残渣に酢酸ェチルを加えた 。酢酸ェチル層を、水及び飽和食塩水で洗浄した。酢酸ェチルを減圧留去後、得ら れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル:へキサン = 1: 2)で精製 することにより、化合物 36を赤褐色アモルファスとして収率 41% (85mg)で得た。 Rf=0. 44 (展開溶媒: 1Z2,酢酸ェチルーへキサン)
60MHz — NMR(CDC1 ) S ppm:
3
1. 27 (s, 12H, CH X 4) , 1. 68 (s, 4H, CH X 2) , 3. 90 (s, 3H, CH ) , 4. 72
3 2 3
(d, 2H, J = 5. 28Hz, CH ) , 6. 90—8. 15 (m, 6H, aromatic)
2
[0164] [化 31]
[0165] 実施例 3
4— [ (3—フルォロ一 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 5, 5, 8, 8—テトラメチルー 2—ナフタレ- ル)カルボキサミドメチル]安息香酸 (化合物 37)の合成
反応器に化合物 36 (66mg, 0. 18mmol)、 5N—水酸化カリウム(0. 4ml)及びメタノ ール (4ml)を仕込み、加熱環流下、 5時間反応させた。反応終了後、反応混合液を 減圧濃縮し、得られた残渣に水を加えた。 6N—塩酸で酸性とした後、酢酸ェチルで 抽出した。酢酸ェチル層を、水及び飽和食塩水で洗浄した。溶媒を減圧留去後、析 出した結晶をジェチルエーテルに懸濁させ、ろ取することにより、化合物 37を淡黄色
結晶として、収率 77% (50mg)で得た。
Rf=0. 46 (展開溶媒: 4Z1,酢酸ェチルーへキサン)
60MHz — NMR (CD OD— CDC1 ) S ppm :
3 3
1. 29 (s, 12H, CH X 4) , 1. 69 (s, 4H, CH X 2) , 4. 73 (bs, 2H, CH ) , 6. 9
3 2 2
0-8. 14 (m, 6H, aromatic)
融点 172. 6-174. 4°C
[0166] [化 32]
37
[0167] 実施例 4
転写活性化
RXR aは PPAR yとへテロダイマーを形成する。この RXR a /PPAR yヘテロダイ マーは DNAに結合し、転写活性を調節する。本発明者らは、転写の活性化を測定 することにより、本発明化合物の活性ィ匕能を評価した。
RXR a発現プラスミド、 PPAR y発現プラスミド及び RXR a /PPAR yヘテロダイマ 一が結合する DNA配列(PPREと名づけられた配列)をコードするホタルルシフェラ ーゼレポータープラスミドを、 CV— 1細胞にトランスフエクシヨンした。またこのトランス フエクシヨンには、ゥミシィタケルシフェラーゼを発現するプラスミドも含んでいた。 7時 間後に培地を取り除き、実施例 1の化合物を 1. 0 M含有する培地を再度添加した 。 24時間インキュベーション後、細胞を溶解したものをサンプルとし、ホタルルシフエ ラーゼ活性を測定した。活性値は、実施例 1を含まない媒質により処理した時のホタ
ルルシフェラーゼ活性 (ゥミシィタケルシフェラーゼ活性で標準化)で補正した。
[0168] 実施例 5
実施例 1の化合物の代わりに実施例 2の化合物 (ィ匕合物 32)を 1. 0 /z M添加した他 は実施例 4と同様に実施した。
[0169] 実施例 6
実施例 1の化合物の代わりに実施例 3の化合物 (ィ匕合物 37)を 1. 0 /z M添加した他 は実施例 4と同様に実施した。
[0170] 比較例 2
実施例 4において、実施例 1の化合物の代わりに比較例 1の化合物を 1. O /z M添カロ した他は同様に実施した。
[0171] 比較例 3
実施例 1の化合物の代わりに LG100268を 1. 0 M添カ卩した他は実施例 4と同様に 実施した。
[0172] 比較例 4
実施例 1の化合物の代わりに Am580を 1. 0 M添加した他は実施例 4と同様に実 施した。
[0173] 比較例 5
実施例 1の化合物の代わりに 4 [ (3, 5, 5, 8, 8 ペンタメチルー 5, 6, 7, 8—テトラヒ ドローナフタレン 2 カルボ-ル)ーァミノ]安息香酸 (化合物 38)を 1. 0 M添加した 他は実施例 4と同様に実施した。
[0174] 実施例 7
PPAR γ作動剤との 2剤併用
実施例 1の化合物 1. Ο /ζ Μに加えて、 PPAR y作動剤であるピオグリタゾンを ΙΟΟη Μ添加した他は実施例 4と同様に実施した。
[0175] 実施例 8
実施例 1の化合物の代わりに実施例 2の化合物 (ィ匕合物 32)を 1. Ο /ζ Μ添加した他 は実施例 7と同様に実施した。
[0176] 実施例 9
実施例 1の化合物の代わりに実施例 3の化合物 (ィ匕合物 37)を 1. 0 /z M添加した他 は実施例 7と同様に実施した。
[0177] 比較例 6
実施例 1の化合物の代わりに比較例 1の化合物を 1. 0 M添加した他は実施例 7と 同様に実施した。
[0178] 比較例 7
実施例 1の化合物をカ卩えず、ピオグリタゾン ΙΟΟηΜを単独で添加した他は実施例 4 と同様に実施した。
[0179] 比較例 8
実施例 1の化合物の代わりに LG100268を 1. 0 M添カ卩した他は実施例 7と同様に 実施した。
[0180] 実施例 4一 9及び比較例 2— 8の結果を表 1に示す。本発明の化合物は単独でも PP AR y作動剤との併用でも RXRァゴ-ストとして公知である比較例の化合物よりも、高 Vヽ RXRァゴ-スト活性能を示した。
[0181] [表 1]
製剤例 1 (カプセルの製造)
1)実施例 1の化合物 150 mg
2)バレイショデンプン 785mg
3)結晶セノレロース 540 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 25mg
1)、 2)、 3)及び 4)を混合して、ゼラチンカプセル 6個に等分して充填し、 1カプセル 当たり実施例 1の化合物を 25mg含有する 6個のカプセル剤を得る。
[0183] 製剤例 2 (錠剤の製造)
1)実施例 1の化合物 25 g
2)マンニット 97 g
3)結晶セルロース 11 g
4)軽質無水ケィ酸 11 g
1)、 2)、 3)及び 4)を混合粉砕し、攪拌造粒法で造粒した粒子に滑沢剤としてステア リン酸マグネシウム lgを混合した後に打錠機にて実施例 1の化合物 25mgを含有す る 1錠 145mgの錠剤を 1000錠得る。
[0184] 製剤例 3 (顆粒剤の製造)
1)実施例 1の化合物 2重量部
2)乳糖 80重量部
3)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 14重量部
4)ヒドロキシプロピルセルロース 3重量部
5)無水エタノール 30重量部
1)、 2)、 3)及び 4)を充分混合し、 5)を加えて練合し、湿式押し出し造粒法により造 粒し、乾燥して整粒篩別し、造粒物を得る。この造粒物にステアリン酸マグネシウム 1 重量部を加えて混合し顆粒剤を得る。
[0185] 製剤例 4 (軟膏剤)
1)実施例 1の化合物 8重量部
2)クロタミトン 5重量部
3)ワセリン 15重量部
4)流動パラフィン 6重量部
5)セタノール 4重量部
6)ステアリルアルコール 2重量部
7)モノミリスチン酸グリセリド 3重量部
8)ポリオキシエチレンセチルエーテル 3重量部
9)精製水 54重量部
上記の全量を混合して軟膏剤を得る。
[0186] 実施例 10
RXR機能調節剤を投与した糖尿病動物モデルにおけるグルコース及びトリグリセリド の血中レベルの低下: KKAyマウスでの in vivo実験
肥満 · 2型糖尿病モデルである KKAyマウス( 11週齢)に粉末飼料 (CE— 2、日本タレ ァ社製)及び水を自由に与えた。予備飼育及び試験期間を通じ、温度 23± 3°C、湿 度 50— 60%、照明 12時間(7 : 00— 19 : 00)の環境下で、プラスティック製ケージに 個別に収容した (クリーンルーム)。
[0187] 試験日には、各々のマウスに薬剤をそれぞれ 4日間連続経口投与(20mgZkg又は
5mgZkg)後、尾静脈から採血を行い、血漿中のグルコース量及びトリグリセライド量 をそれぞれ、グルコース CII テストヮコー(和光純薬社製)及びトリグリセライド Έ テス トヮコ一(和光純薬社製)を用いて定量した。結果を表 2、表 3に示す。表中の値は、 被験化合物非投与群の値を 100%とした場合の被験化合物投与群の低下率 (%)を 表す。なお、 20mgZkg、 5mgZkgの投与では、マウスに毒性徴候は見られなかつ た。
[0188] [表 2]
[0189] [表 3] 被験化合物 血中脂質低下率(<½)
実施例 2 (化合物 32) 44.2
実施例 3 (化合物 37) 52.9
[0190] このように本発明化合物を投与した 2型糖尿病モデルマウスにぉ 、て血糖値及び血 中脂質量の低下が認められた。従って、本化合物は糖尿病、高脂血症等の予防'治 療剤として有用であると考えられる。
産業上の利用可能性
[0191] 本発明のアミドィ匕合物は、 RXRリガンドとしての高い生理活性を有するものであり、副 作用という問題も生じないものである。従って、糖尿病や皮膚疾患等の疾患の治療 剤、予防剤として作用する医薬組成物として使用することができる化合物である。 更に、 PPARリガンドと併用して使用することにより、 RXRZPPARヘテロダイマーの 機能の活性ィ匕が相乗的に良好なものとなるため、 PPARリガンドと併用することによつ ても、糖尿病や皮膚疾患等の疾患の治療剤、予防剤として作用する医薬組成物とし て使用することができる。