明 細 書
2, 4, 5—卜リアリール置換イミダゾールイ匕合物及び 1, 2, 4, 5—テ卜ラァリ ール置換イミダゾール化合物
技術分野
[0001] 本発明は、ァリール置^ミダゾ一ルイ匕合物に関し、さらに詳述すると、例えば、有 機エレクト口ルミネッセンス素子の発光材料等として好適な 2, 4, 5—トリアリール置換 イミダゾールイ匕合物及び 1, 2, 4, 5—テトラァリール置^ミダゾ一ルイ匕合物に関する 背景技術
[0002] 従来、平面型光源としては、無機エレクト口ルミネッセンス素子が使用されてきた。こ の無機エレクト口ルミネッセンス素子は、それを駆動させるために交流高電圧が必要 である上、青色発光が難しいことから、 RGBの三原色によるフルカラー化が困難であ る。
一方、有機材料を用いたエレクト口ルミネッセンス素子についても、これまで様々な 検討が行われてきている。例えば、蛍光性有機化合物として単結晶アントラセン等を 用いた素子 (特許文献 1参照)、正孔輸送層と発光層とを組み合わせた素子 (特許文 献 2参照)、正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを組み合わせた素子 (非特許文献 1 参照)等が報告されている。
[0003] 有機エレクト口ルミネッセンス素子の発光材料は、エネルギー変換効率、発光効率 及びィ匕合物の安定性が求められる。また、フルカラーディスプレイ用の場合、三原色 を構成する赤、緑、青それぞれの発光材料が必要となる上、それぞれの色純度が問 題となる。
特に、従来の有機エレクト口ルミネッセンス素子の発光材料は、赤色発光の発光効 率が悪いため、さらなる改善が必要とされている。
[0004] この赤色発光効率を改善すベぐ有機発光材料からの青色又は青緑色の発光を、 蛍光色素で色変調して赤色発光を得る有機エレクト口ルミネッセンス素子 (特許文献 4参照)が開示されている。しかし、青又は青緑を吸収し、赤色に蛍光を持つ色素は
少なぐ青力 赤色への色変換を複数の色素で段階的に行う必要があるため、この 場合も発光効率に問題がある。
また、青紫領域の発光材料と、青紫領域の光を吸収する蛍光色素とを組み合わせ た有機エレクト口ルミネッセンス素子 (特許文献 5参照)も開示されている。この素子で は、青紫領域に吸収を有する蛍光色素を用いることができるため、赤色への一段階 変換が可能となり、変換効率を高めることができる。しかし、この青紫領域の有機発光 材料は、それ自体の発光効率に課題があった。
[0005] 特許文献 1 :米国特許第 3, 530, 325号明細書
特許文献 2 :特開昭 59— 194393号公報
特許文献 3:特開昭 63- 295695号公報
特許文献 4:特開平 3— 152897号公報
特許文献 5:特開 2001— 76878号公報
非特許文献 1 :「ジャパニーズ 'ジャーナル'ォブ'アプライド 'フィジックス (Jpn. J. Appl. Phys.)」、日本、社団法人 応用物理学会、 1988年、第 27卷、 p. L269-L27 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、青色発光効率が高ぐかつ、安 定な有機発光材料となり得るァリール置^ミダゾ一ルイ匕合物及びその使用、並び に当該イミダゾールイ匕合物を含む有機薄膜層を備える有機エレクト口ルミネッセンス 素子及び有機太陽電池素子を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で 示されるァリール置^ミダゾ一ルイ匕合物が、青色発光効率が高ぐかつ、安定であ るため、有機エレクト口ルミネッセンス素子や有機太陽電池用の有機発光材料として 好適であることを見出し、本発明を完成した。
[0008] すなわち、本発明は、
1. 式(1)で表されるイミダゾールイ匕合物、
[化 1]
{式中、 R
1は、フエ-ル基、ナフチル基又はビフエ-ル基 [該フエ-ル基、ナフチル基 及びビフエ-ル基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、炭素数 1一 3のァ ルコキシ基、炭素数 1一 10のアルキル基、フッ素もしくは塩素で任意に置換されてい てもよ 、炭素数 1一 10のハロゲン化アルキル基、又はイミダゾール基〈該イミダゾール 基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、炭素数 1一 3のアルコキシ基、炭素 数 1一 10のアルキル基、フッ素もしくは塩素で任意に置換されていてもよい炭素数 1 一 10のハロゲン化アルキル基、フエ-ル基、ナフチル基、又はビフエ-ル基(該フエ -ル基、ナフチル基及びビフエ-ル基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基 、炭素数 1一 3のアルコキシ基、又は炭素数 1一 10のアルキル基で任意に置換され ていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。〉で任意に置換されていてもよい。 ] を表し、 R
2は、水素原子、フエ-ル基、又はナフチル基 (該フエ-ル基及びナフチル 基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、炭素数 1一 3のアルコキシ基、炭素 数 1一 10のアルキル基、又はフッ素もしくは塩素で任意に置換されて 、てもよ 、炭素 数 1一 10のハロゲン化アルキル基で任意に置換されていてもよい。)を表し、
R
1Q及び R
11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数 1一 3のアルコキ シ基、炭素数 1一 10のアルキル基、又はフッ素もしくは塩素で任意に置換されていて もよい炭素数 1一 10のハロゲンィ匕アルキル基を表し、 R
5、 R
6、 R
7、 R
8及び R
9は、それ ぞれ独立に、水素原子、フエ-ル基、ハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、 炭素数 1一 3のアルコキシ基、炭素数 1一 10のアルキル基、又はフッ素もしくは塩素
で任意に置換されていてもよい炭素数 1一 10のハロゲンィ匕アルキル基を表す。但し、 R
5— R
9のうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基を表す。 }
2. 前記 R1が、フエ-ル基、ナフチル基、又はビフエ-ル基 [該フエ-ル基、ナフチ ル基及びビフエ-ル基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、メトキシ基、メ チル基、トリフルォロメチル基、又はイミダゾール基〈該イミダゾール基はハロゲン原子 、シァノ基、メチル基、フエ-ル基、又はビフヱ-ル基(該フヱ-ル基及びビフヱ-ル 基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、メトキシ基、メチル基、又はトリフル ォロメチル基)で任意に置換されていてもよい。〉で任意に置換されていてもよい。 ]で ある 1のイミダゾール化合物、
3. 前記 R2が、水素原子又はフエ-ル基 (該フヱ-ル基はシァノ基、ジフヱ-ルァミノ 基、メトキシ基、メチル基、又はトリフルォロメチル基で任意に置換されていてもよい。
)である 1のイミダゾール化合物、
4. 前記 、
R
1Q及び R
11が、水素原子であり、前記 、 R
8及び R
9が、そ れぞれ独立に、水素原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、メトキシ基、メチル基、又は トリフルォロメチル基である(但し、 R
5— R
9のうち少なくとも一つは水素原子以外の置 換基を表す。 ) 1のイミダゾール化合物、
5. 前記 R
1が、フエ-ル基、ナフチル基、又はビフエ-ル基 [該フエ-ル基、ナフチ ル基及びビフヱ-ル基はシァノ基、又はイミダゾール基〈該イミダゾール基はフエ-ル 基又はビフヱ-ル基 (該フヱ-ル基及びビフヱ-ル基はジフヱ-ルァミノ基で任意に 置換されて 、てもよ 、)で任意に置換されて 、てもよ 、。 >で任意に置換されて ヽても よい。 ]であり、 R
2が、水素原子又はフエ-ル基であり、
R
5、 R
6、 R
8、 R
9、 R
1Q及 び R
11が、水素原子であり、 R
7力メトキシ基又はジフエニルァミノ基である請求項 1記載 のイミダゾール化合物、
6. 1一 5の!、ずれかに記載のイミダゾール化合物の発光材料への使用、
7. 陰極及び陽極と、これら各極間に介在する有機薄膜層とを備え、この有機薄膜 層力 1一 5のいずれかに記載のイミダゾール化合物を含む有機エレクト口ルミネッセ ンス素子、
8. 陰極及び陽極と、これら各極間に介在する有機薄膜層とを備え、この有機薄膜
層力 1一 5のいずれかに記載のイミダゾールイ匕合物を含む有機太陽電池素子 を提供する。
発明の効果
[0009] 本発明によれば、高い青色蛍光強度を有し、安定な 2, 4, 5—トリアリール置換イミ ダゾール化合物及び 1, 2, 4, 5—テトラァリール置 ミダゾール化合物を提供する ことができる。
これらのイミダゾール化合物を発光材料として用いることで、省電力で面状発光す るフレキシブル有機エレクト口ルミネッセンス素子を得ることができる。この有機エレク トロルミネッセンス素子は、発光光源、照明装置、表示デバイスとして好適に用いるこ とがでさる。
また、上記イミダゾールイ匕合物は、これを含む有機薄膜層を陰極と陽極との間に備 えた有機太陽電池素子として応用することもできる。
発明を実施するための最良の形態
[0010] 以下、本発明についてさらに詳しく説明する。まず、各置換基を具体的に説明する 式(1)中、 R1は、フ -ル基、ナフチル基、又はビフヱ-ル基 [該フヱ-ル基、ナフ チル基、及びビフエ-ル基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、炭素数 1 一 3のアルコキシ基、炭素数 1一 10のアルキル基、フッ素もしくは塩素で任意に置換 されて 、てもよ 、炭素数 1一 10のハロゲン化アルキル基、又はイミダゾール基〈該イミ ダゾール基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、炭素数 1一 3のアルコキ シ基、炭素数 1一 10のアルキル基、フッ素もしくは塩素で任意に置換されていてもよ い炭素数 1一 10のハロゲン化アルキル基、フエ-ル基、ナフチル基、又はビフエ-ル 基 (該フエニル基、ナフチル基、及びビフエ二ル基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ -ルァミノ基、炭素数 1一 3のアルコキシ基、又は炭素数 1一 10のアルキル基で任意 に置換されていてもよい。〉で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されてい てもよい。 ]を表す。
[0011] 具体的には、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素 原子が挙げられる。
炭素数 1一 3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、 及びイソプロピルォキシ基が挙げられる。
炭素数 1一 10のアルキル基としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピ ル基、ノーマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル 基、ノーマルペンチル基、アミル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチ ル基、ノーマルへキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノ-ル基、及びデシル基等が 挙げられる。
フッ素原子又は塩素原子で任意に置換されてもよい炭素数 1一 10のハロゲンィ匕ァ ノレキノレ基としては、トリフノレ才ロメチノレ基、 2, 2, 2—トリフノレ才ロェチノレ基、 1, 1, 2, 2 , 2—ペンタフルォロェチル基、及び 2, 2, 3, 3, 3—ペンタフルォロプロピル基等が挙 げられる。
[0012] 好ましくは、フヱ-ル基、ナフチル基、又はビフヱ-ル基 [該フヱ-ル基、ナフチル 基、及びビフエ二ル基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、メトキシ基、メ チル基、トリフルォロメチル基、又はイミダゾール基〈該イミダゾール基はハロゲン原子 、シァノ基、メチル基、フエ-ル基、又はビフヱ-ル基(該フヱ-ル基及びビフヱ-ル 基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、メトキシ基、メチル基、又はトリフル ォロメチル基)で任意に置換されていてもよい。〉で任意に置換されていてもよい。 ]で あり、より好ましくは、フエ-ル基、ナフチル基、又はビフエニル基 [該フエニル基、ナ フチル基及びビフエ-ル基は、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、又はイミダゾール基 (該 イミダゾール基はジァミノフエ-ル基で任意に置換されて 、てもよ 、。 )で任意に置換 されていてもよい。 ]である。
[0013] 式(1)中、 R2は、水素原子、フエ-ル基、又はナフチル基 (該フエニル基及びナフ チル基はハロゲン原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、炭素数 1一 3のアルコキシ基、 炭素数 1一 10のアルキル基、又はフッ素もしくは塩素で任意に置換されて 、てもよ!/ヽ 炭素数 1一 10のハロゲンィ匕アルキル基で任意に置換されていてもよい。 )を表す。 具体的には、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素 原子が挙げられる。
炭素数 1一 3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、
及びイソプロピルォキシ基が挙げられる。
炭素数 1一 10のアルキル基としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピ ル基、ノーマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル 基、ノーマルペンチル基、アミル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチ ル基、ノーマルへキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノ-ル基、及びデシル基等が 挙げられる。
[0014] フッ素原子又は塩素原子で任意に置換されてもよい炭素数 1一 10のハロゲンィ匕ァ ノレキノレ基としては、トリフノレ才ロメチノレ基、 2, 2, 2—トリフノレ才ロェチノレ基、 1, 1, 2, 2 , 2—ペンタフルォロェチル基、及び 2, 2, 3, 3, 3—ペンタフルォロプロピル基等が挙 げられる。
好ましくは、水素原子、又はフエニル基 (該フエ二ル基はシァノ基、ジフエニルァミノ 基、メトキシ基、メチル基、又はトリフルォロメチル基で任意に置換されていてもよい。 )であり、より好ましくは、水素原子又は置換されていないフ -ル基である。
[0015] 式(1)中、
R
1Q及び R
11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素 数 1一 3のアルコキシ基、炭素数 1一 10のアルキル基、又はフッ素もしくは塩素で任 意に置換されて 、てもよ 、炭素数 1一 10のハロゲンィ匕アルキル基を表す。
具体的には、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素 原子が挙げられる。
炭素数 1一 3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、 及びイソプロピルォキシ基が挙げられる。
[0016] 炭素数 1一 10のアルキル基としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピ ル基、ノーマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル 基、ノーマルペンチル基、アミル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチ ル基、ノーマルへキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノ-ル基、及びデシル基等が 挙げられる。
フッ素原子又は塩素原子で任意に置換されていてもよい炭素数 1一 10のハロゲン 化アルキル基としてはトリフルォロメチル基、 2, 2, 2—トリフルォロェチル基、 1, 1, 2 , 2, 2—ペンタフルォロェチル基、及び 2, 2, 3, 3, 3—ペンタフルォロプロピル基等
が挙げられる。
これらの中でも、好ましくは、水素原子である。
[0017] 式(1)中、 R
5、
R
8及び R
9は、それぞれ独立に、水素原子、フエ-ル基、ハロ ゲン原子、シァノ基、ジフエ二ルァミノ基、炭素数 1一 3からなるアルコキシ基、炭素数 1一 10のアルキル基、又はフッ素もしくは塩素で任意に置換されて 、てもよ 、炭素数 1一 10のハロゲン化アルキル基(但し、 R
5— R
9のうち少なくとも一つは水素原子以外 の置換基を表す。)を表す。
[0018] 具体的には、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素 原子が挙げられる。
炭素数 1一 3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、 及びイソプロピルォキシ基が挙げられる。
炭素数 1一 10のアルキル基としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピ ル基、ノーマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル 基、ノーマルペンチル基、アミル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチ ル基、ノーマルへキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノ-ル基、及びデシル基等が 挙げられる。
フッ素原子又は塩素原子で任意に置換されてもよい炭素数 1一 10のハロゲンィ匕ァ ノレキノレ基としては、トリフノレ才ロメチノレ基、 2, 2, 2—トリフノレ才ロェチノレ基、 1, 1, 2, 2 , 2—ペンタフルォロェチル基、及び 2, 2, 3, 3, 3—ペンタフルォロプロピル基等が挙 げられる。
好ましくは、水素原子、シァノ基、ジフエ-ルァミノ基、メトキシ基、メチル基、又はトリ フルォロメチル基であり、より好ましくは、 R5、 R6、 R8及び R9は水素原子、 R7はメトキシ 基又はジフエ-ルァミノ基である。
[0019] 式(1)で示される化合物の中でも、
R
1Q及び R
11が水素原子であり、 R
5、 R R
8及び R
9力 それぞれ独立に、水素原子、シァノ基、ジフエ二ルァミノ基、メトキ シ基、メチル基、又はトリフルォロメチル基である(但し、 R
5— R
9のうち少なくとも一つ は水素原子以外の置換基を表す。 )イミダゾール化合物が好適である。
特に、式(1)中、 R
1がフエ-ル基、ナフチル基、又はビフエ二ル基 [該フエニル基、
ナフチル基及びビフエ二ル基はシァノ基、又はイミダゾール基〈該イミダゾール基はフ ェ-ル基又はビフヱ-ル基(該フヱ-ル基及びビフヱ-ル基はジフヱ-ルァミノ基で 任意に置換されて ヽてもよ ヽ〉で任意に置換されて ヽてもよ ヽ。 )で任意に置換され ていてもよい。 ]、 R
2が水素原子又はフエ-ル基、 R
3、
R
5、 R
6、 R
8、 R
9、 R
1Q及び R
11 が水素原子、 R
7カ^トキシ基又はジフエ-ルァミノ基であるイミダゾールイ匕合物が好ま しい。
[0020] 次に、本発明の式(1)で示される化合物の合成法について説明する。式(1)で示さ れる化合物は、以下のスキームに示される方法で合成できる。具体的には、ベンゾィ ル体 (A)、アルデヒド体 (B)及びアミン体 (C)を、酢酸アンモ-ゥム存在下、酢酸溶 液中で加熱還流することにより、目的とするイミダゾールイ匕合物(1)を得ることができ る。
[0021] [化 2]
[0022] 上記イミダゾールイ匕合物は、有機エレクト口ルミネッセンス素子や有機太陽電池素 子などの発光材料として好適に用いることができる。
具体的には、陰極及び陽極と、これら各極間に介在する有機薄膜層とを備える有 機エレクト口ルミネッセンス素子や有機太陽電池において、この有機薄膜層として上 述のイミダゾールイ匕合物を含む層を用いる。
この場合、有機エレクト口ルミネッセンス素子では、陽極から正孔が、陰極から電子 が薄膜層に注入され、それらが有機分子上で再結合することによりエネルギーが得ら れ、その結果、発光することとなる。この有機エレクト口ルミネッセンス素子は、発光光 源、照明装置、表示デバイスなどに応用できる。
なお、有機エレクト口ルミネッセンス素子及び有機太陽電池の陰極、陽極、及び有 機薄膜層を構成するその他の材料などは、公知のものから適宜選択して用いればよ い。また、上記各素子は、陰極と有機薄膜層との間に電子輸送材料を含む電子輸送 層を備えていてもよぐ陽極と有機薄膜層との間に正孔輸送材料を含む正孔輸送層 を備えて!/、てもよ!ヽ。これらの電子輸送材料ゃ正孔輸送材料も公知の材料を適宜用 いればよい。
実施例
[0023] 次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例で得られた化合物は、それぞれ融点 (mp)、赤外分光法 (IR)、核磁気共鳴法 ( JH NMR、 13C NMR)、質量分析法 (EI- MS, FAB-MS),高速液体クロマトグラフィー (HPLC)、及び紫外 ·可視分光法 (UV-Vis)を用いて、同定した。また、有機エレクト口 ルミネッセンス素子の発光効率は、電流と輝度で表され、その効率は、発光材料を含 む薄膜中の電荷の注入、移動度、電荷の再結合割合、発光材料の蛍光量子収率が 影響する。以下の実施例ではこれらのうち蛍光量子収率を用いて各化合物の評価を 行った。
実施例にて採用した分析条件等は、下記の通りである。なお、その他の分析条件 は、実施例中にも記載している。
[0024] (A) JH NMR (270 MHz)及び13 C NMR (67.8 MHz)測定条件:
装置: JEOL JNM-EX 270
測定溶媒: DMSO- d、又は CDC1
6 3
基準物質:テトラメチルシラン (TMS) ( δ 0.0 ppm for 'Η and 13C)
(B) JH NMR (90 MHz)測定条件:
装置: JEOL JNM-EX 90
測定溶媒: DMSO- d
6
基準物質:テトラメチルシラン (TMS) ( δ 0.0 ppm for 'Η)
(C) IR測定装置: JASCO FT/IR-7000
(D) UV/Vis測定装置: JASCO 220A
(E) EI- MS測定装置: JEOL JMS-AX500
(F) FAB-MS測定装置: JEOL JMS-70
(G)融点測定装置: Yanaco MP-J3
[0025] [1]イミダゾール化合物の合成
[実施例 1 ] 4, 5 ビス(4,ーメトキシービフエ-ルー 4 ィル)—2—フエ-ルー 1H イミダ ゾールの合成
[化 3]
(式中、 Meはメチル基を表す。 )
[0026] 酢酸アンモ-ゥム(0. 62g, 8. Ommol)、ベンズアルデヒド(0. 14g, 1. 3mmol)、 及び 4, 4,一ビス(4ーメトキシフエ-ル)ベンジル(0. 42g, 1. Ommol)を、酢酸(10m L)に順に加え、 4時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物を水(50mL)に加え た後、析出した沈殿をろ取し、それを水 (40mL X 3)で洗浄し吸引ろ過した。ろ取し た白色固体(0. 54g)をカラムクロマトグラフィー(BW— 300)に付し、ベンゼンで溶出 後、活性炭で脱色した。得られた白色固体 (0. 42g, 82%)を THF-シクロへキサン (1Z3)力 再結晶することにより、表題ィ匕合物(0. 39g, 76%, mp240-241°C)を 淡緑色針状晶として得た。
[0027] 淡緑色針状晶 [THF-シクロへキサン(1/3)]; mp 240-241 °C.
IR (KBr) 3360 (NH), 3006, 2838 (CH), 1605, 1491, 1460 (C=C), 1243, 1038 (C-O), 824, 698 cm—1 (CH).
JH NMR (90MHz, DMSO— d ) δ 3.79, 3.80 (each 3H, s, O— CH ), 7.00, 7.04 (each
6 一 3
2H, d, J = 8.8 Hz, 7"-H), 7.25-7.92 (15H, m, Ar-H), 8.00-8.24 (2H, m, Ar-H), 12.72 (1H, br s , NH).
EI— MS m/z (rel. int., %) 508 (M+, 100), 493 ([M- CH ]+, 10), 464 (4), 421 (2), 254
3
(14), 211 (4), 152 (3).
HPLC(ODS, CHC1 , flow rate lmL/min, wavelength 341nm) retention time 2.60
3
min.
UV-Vis (CH CI , 1.0 X 10— 5 mol/L, 24 °C) I max, nm ( ε ) 323 (44650).
2 2
[0028] [実施例 2] 4, 5 ビス(4,ーメトキシービフエ-ルー 4 ィル)—2— (4—シァノーフエ-ル )—1H—イミダゾールの合成
[化 4]
(式中、 Meはメチル基を表す。 )
[0029] 酢酸アンモ-ゥム(0. 40g, 5. Ommol)、 4 シァノベンズアルデヒド(0. 14g, 1. 3 mmol)、及び 4, 4,一ビス(4ーメトキシフエ-ル)ベンジル(0. 42g, 1. Ommol)を、酢 酸(15mL)に順に加え、 4時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物を水(30m L)に加えた後、析出した沈殿をろ取し、それを水(50mL X 4)で洗浄し吸引ろ過した 。ろ取した黄色固体(0. 52g, 97%, mp263—265°C)をカラムクロマトグラフィー(B W— 300)に付し、ベンゼン 酢酸ェチル(5Z1)溶出分より黄色固体(0. 50g, 94% , mp265— 266°C)を得た。これを酢酸ェチルカも再結晶することにより、表題化合物 (0. 14g, 26%, mp265— 266。C)を黄色針状晶として得た。
[0030] 黄色針状晶(酢酸ェチル); mp 265-266 °C.
IR (KBr) 3316 (NH), 3040, 2836 (CH), 2230 (C≡N), 1607, 1504, 1493 (C=C), 1251, 1038 (C-O), 824 cm—1 (CH).
JH NMR (270MHz, DMSO— d ) δ 3.79, 3.81 (each 3H, s, O— CH ), 7.00 (2H, d, J
6 一 3
= 8.9 Hz, 7"-H), 7.04 (2H, d, J = 9.3 Hz, 7"-H), 7.54-7.77 (12H, m, Ar-H), 7.94, 8.28 (each 2H, d, J = 8.4 Hz, 2', 3'-H), 13.03 (1H, br s, NH).
13C NMR (67.8MHz, DMSO— d ) δ 55.06 (O - CH ), 109.97, 114.28, 118.83 (CN),
6 一 3
125.42, 125.82, 126.14, 127.53, 128.82, 129.32, 131.50, 131.93, 132.68, 133.08,
134.16, 137.81, 137.93, 139.14, 143.74, 158.74, 159.01.
EI— MS m/z (rel. int., %) 533 (M+, 100), 518 ([M- CH ]+, 13), 489 (5), 446 (3), 195
3
(3), 138 (5).
HPLC (ODS, CHC1 , flow rate lmL/min, wavelength 341nm) retention time 2.75
3
min.
UV-Vis (CH CI , 1.0 X 10— 5 mol/L, 24 °C) I max, nm ( ε ) 345 (41630).
2 2
[0031] [実施例 3] 4, 5 ビス(4,ーメトキシービフエ-ルー 4 ィル)—2— (ナフタレン— 2—ィル )—1H—イミダゾールの合成
[化 5]
(式中、 Meはメチル基を表す。 )
[0032] 酢酸アンモ-ゥム(0. 77g, 10mmol)、 2 ナフトアルデヒド(0. 41g, 2. 6mmol) 、及び 4, 4,一ビス(4ーメトキシフエ-ル)ベンジル(0. 85g, 2. Ommol)を、酢酸(20 mL)に順に加え、 4時間 30分加熱還流した。反応終了後、反応混合物を水(30mL )に加え、ろ取した沈殿物を水(50mL X 4)で洗浄し吸引ろ過した。ろ取した黄色固 体(0. 97g, 87%, mp292— 294°C)をカラムクロマトグラフィー(BW— 300)に付し、 トルエンで未反応の原料を溶出後、トルエン -酢酸ェチル (20/1)溶出分及び酢酸 ェチル溶出分より得た黄色固体を THF エタノール(2Z3)力 再結晶することによ り、表題化合物(0. 56g, 50%, mp288— 289°C)を淡黄色針状晶として得た。
[0033] 淡黄色針状晶 [THF-エタノール (2/3)]; mp 288-289 °C.
IR (KBr) 3398 (NH), 3050, 3006, 2834 (CH), 1605, 1499 (C=C), 1249, 1040 (C-O), 822 cm—1 (CH).
JH NMR (270MHz, DMSO— d ) δ 3.79, 3.81 (each 3H, s, O— CH ), 7.01 (2H, d, J
6 一 3
= 8.9 Hz, 7"-H), 7.04 (2H, d, J = 8.4 Hz, 7"-H), 7.50-7.77 (14H, m, Ar-H),
7.92-8.00 (2H, m, Ar-H), 8.03 (1H, d, J = 8.4 Hz, Ar-H), 8.30 (1H, dd, J = 8.4, 1.7 Hz, Ar-H), 8.66 (1H, br s, Ar-H), 12.91 (1H, br s, NH).
13C NMR(67.8MHz, DMSO— d ) δ 55.06 (O— CH ), 114.28, 123.41 , 123.59,
6 3
125.95, 126.25, 126.63, 127.46, 127.65, 127.69, 128.03, 128.19, 128.73, 129.20, 131.66, 131.93, 132.63, 132.92, 133.44, 137.09, 137.72, 138.83, 145.57, 158.79. EI— MS m/z (rel. int., %) 558 (M+, 100), 543 ([M- CH ]+, 9), 514 (4), 446 (4), 279
3
(22), 258 (4), 138 (6),77 ([C H ]+, 5).
6 5
HPLC (ODS, CHC1 , flow rate lmL/min, wavelength 341nm) retention time 2.69
3
min.
UV-Vis (CH CI , 1.0 X 10— 5 mol/L, 24 °C) max, nm ( ε ) 333 (48420).
2 2
[0034] [実施例 4] 4, 5—ビス(4,ーメトキシ―ビフエ-ルー 4 ィル)—1 , 2—ジフエ-ル— 1H—ィ ミダゾールの合成
[化 6]
(式中、 Meはメチル基を表す。 )
[0035] 酢酸アンモ-ゥム(7. 71g, 100. Ommol)、ァ-リン(0. 19g, 2. Ommol)、ベン ズアルデヒド(0. 21g, 2. Ommol)、及び 4, 4,―ビス(4—メトキシフエ-ル)ベンジル( 0. 85g, 2. Ommol)を酢酸(20mL)にカ卩え、 30時間加熱還流した。反応終了後、 反応混合物に水(50mL)を加えた後、析出した沈殿をろ取し、それを水(50mL X 5 )で洗浄し吸引ろ過した。ろ取した白色固体を、デシケーター中で一日乾燥すると白 色固体(1. 13g)が得られた。これにベンゼンを加え、黄色の不溶物(0. 35g, mp2 37— 240°C)をろ別後、ろ液を減圧濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィー(BW— 3 00)に付し、ベンゼンで未反応の原料を溶出後、ベンゼン 酢酸ェチル(20ZD溶 出分より白色固体の表題ィ匕合物(0. 38g, 33%, mp264— 267。C)、ついで 4, 5—ビ ス(4,ーメトキシービフエ-ルー 4 ィル)—2—フエ-ルー 1H イミダゾール(実施例 1)を
含む黄色固体 (0. 40g, 40%, mp239— 242°C)が得られた。白色固体の表題化合 物を THF—シクロへキサン(2ZD力も再結晶し、無色針状晶(0. 14g, 12%, mp2 65-266°C)が得られた。
無色針状晶 [THF-シクロへキサン (2/1)]; mp 265-266 °C.
IR (KBr) 3050, 2934, 2838 (CH), 1607, 1499 (C=C), 1251 , 1040 (C- O), 826, 698 cm—1 (CH).
JH NMR (270MHz, DMSO— d ) δ 4.09, 4.10 (each 3H, s, O-CH ), 7.30, 7.32
6 一 3
(each 2H, d, J = 8.9 Hz, 7"-H) 7.53-7.78 (12H, m, Ar-H), 7.81-8.04 (10H, m, Aril).
C NMR(67.8MHz, DMSO— d ) δ 55.02, 55.06 (O— CH ), 114.21 , 114.28, 125.77,
6 3
126.77, 127.33, 127.56, 128.07, 128.17, 128.53, 128.71 , 129.13, 130.28, 130.91 , 131.10, 131.52, 131.89, 132.74, 136.60, 136.66, 137.55, 139.10, 146.11 , 158.69, 159.01.
EI— MS m/z (rel. int., %) 584 (M+, 100), 569 ([M- CH ]+, 7), 540 (3), 446 (2), 292
3
(13), 138 (19), 113 (7).
HPLC (ODS, CHCl , flow rate ImL/min, wavelength 341nm) retention time 2.55
3
min.
UV-Vis (CH CI , 1.0 X 10— 5 mol/L, 24 °C) X max, nm ( ε ) 315 (43820).
2 2
[0037] [実施例 5] 4, 5 ビス(4,ーメトキシービフエ-ルー 4 ィル)—2— (4—シァノーフエ-ル )—1 フエ-ルー 1H—イミダゾールの合成
[化 7]
(式中、 Meはメチル基を表す。 )
[0038] 酢酸アンモ-ゥム(7. 71g, 100. Ommol)、ァ-リン(0. 19g, 2. Ommol)、シァノ ベンズアルデヒド(0. 26g, 2. Ommol)、及び 4, 4,一ビス(4ーメトキシフエ-ル)ベン
ジル(0. 85g, 2. Ommol)を、酢酸(20mL)に加え、 32時間加熱還流した。反応終 了後、反応混合物に水(50mL)を加えた後、析出した沈殿をろ取し、それを水(50m L X 5)で洗浄し吸引ろ過した。ろ取した淡黄色固体を、デシケーター中で一日乾燥 すると淡黄色固体(1. 09g, mp l49— 153°C)が得られた。これにベンゼンを加え、 黄色の不溶物(0. 17g, mp l 70-174°C)をろ別後、ろ液を減圧濃縮した。残さを力 ラムクロマトグラフィー(BW— 300)に付し、ベンゼンで未反応の原料を溶出後、ベン ゼンー酢酸ヱチル(20ZD溶出分より白色固体の表題ィ匕合物(0. 24g, 20%, mp l 82— 183°C)、へキサン THF(2Zl)溶出分より黄色固体の 4, 5—ビス(4 'ーメトキシ —ビフエ-ルー 4 ィル)—2— (4—シァノーフエ-ル)—1H イミダゾール(実施例 2) (0. 42g, 40%, mp268— 269。C)、THF溶出分より淡黄色固体(0. 36g, mp l 70-17 4°C)を得た。得られた白色固体の表題ィ匕合物を酢酸ェチルーシクロへキサン(1Z4) から再結晶すると無色針状晶(0. 15g, 12%, mp219— 220°C)が得られた。
[0039] 無色針状晶 [酢酸ェチルーシクロへキサン (1/4)]; mp 219-220 °C.
IR (KBr) 3036, 2934, 2838 (CH), 2228 (C≡N), 1607, 1502 (C=C), 1249, 1040 (C-0), 826, 698 cm—1 (CH).
JH NMR (270MHz, DMSO— d ) δ 3.77, 3.78 (each 3H, s, O— CH ), 6.98, 6.99
6 3
(each 2H, d, J = 8.9 Hz, 7"-H), 7.24-7.46 (7H, m, Ar-H), 7.47-7.70 (12H, m, Ar- H), 7.77 (2H, d, J = 8.4 Hz, 3'-H).
13C NMR(67.8MHz, DMSO— d ) δ 55.02, 55.06 (O—一 CH ), 110.46, 114.21 , 114.28,
6 3
118.43 (CN), 125.80, 126.79, 127.35, 127.58, 128.05, 128.41 , 128.59, 129.16, 129.40, 131.03, 131.48, 131.80, 132.09, 132.32, 134.41 , 136.19, 137.43, 137.84, 139.33, 144.20, 158.74, 159.06.
EI— MS m/z (rel. int., %) 609 (M+, 100), 594 ([M- CH ]+, 9), 565 (3), 305 (13), 253
3
(3), 189 (2), 113 (2), 77 ([C H ]+,3).
6 5
HPLC (ODS, CHC1 , flow rate lmL/min, wavelength 341nm) retention time
3
2.49min.
UV-Vis (CH CI , 1.0 X 10— 5 mol/L, 24 °C) X max, nm ( ε ) 322 (37400).
2 2
[0040] [実施例 6] 2, 4, 5—トリス(4, (N, N—ジフエ-ルァミノ)—ビフエ-ル— 4—ィル)—1
H イミダゾールの合成
(1) 2, 4, 5—トリス(4 ブロモフエ-ル)—1H イミダゾールの合成
[0041] 酢酸アンモ-ゥム(1. 93g, 25. Ommol)、 4-ブロモベンズアルデヒド(1. l lg, 6.
Ommol)、及び 4, 4,一ジブロモベンジル(1. 85g, 5. Ommol)を、酢酸(75mL)に 加え、 6時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に水(lOOmL)を加え、析出し た不溶物をろ取し、それを水(50mL X 5)で洗浄しながら吸引ろ過した。ろ取した固 体を減圧下 100°Cで 3時間加熱乾燥することにより白色固体(2. 99g)が得られた。 この得られた白色固体(2. 99g)をカラムクロマトグラフィー(BW300)に付し、酢酸ェ チル溶出分より 2, 4, 5—トリス(4 ブロモフエ-ル)— 1H イミダゾールを白色固体(2 . 17g, mp290-293°C, 81%)として得られた。得られた白色固体(2. 17g)を THF -ベンゼン(1 :4)から再結晶後、減圧下 100°Cで 2時間乾燥すると無色針状晶(1. 9 2g, mp293— 294。C,72%)力得られた。
[0042] 無色針状晶 [THF- Benzene (1:4)], mp 293-294 °C.
IR (KBr) 3426 (N- H), 3034 (C- H), 1497, 1483 (C=C), 828 (C- H), 501 (C- Br) cm—1 JH NMR (270 MHz, DMSO— d ) δ 7.39-7.57 (6H, m, 3', 3"-H), 7.66 (2H, d, J=8.4
6
Hz, 2"-H), 7.69 (2H, d, J=8.4 Hz, 2"-H), 8.02 (2H, d, J=8.9 Hz, 2'-H), 12.89 (1H, s, N-H).
13C NMR (67.8 MHz, DMSO— d ) δ 119.80, 121.11, 121.60, 127.11, 127.69,
6
129.02, 129.13, 129.63, 130.24, 131.23, 131.64, 133.85,136.49, 144.96.
HPLC (ODS, CHC1 , flow rate lmL/min, wavelength 341nm) retention time
3
2.87min.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 537(\1^, 536(M+), 535(MH+), 53^^ , 533(\1^, 532(M+), 531(\1^, 530(M+).
[0043] (2) 2, 4, 5—トリス(4,— (N, N—ジフエ-ルァミノ)—ビフエ-ル— 4—ィル)—1H—イミダ ゾールの合成
[化 9]
[0044] アルゴン気流下、ベンゼン(25mL)と 2molZL炭酸ナトリウム水溶液(10mL)とを それぞれ超音波照射下 1時間脱気した後、アルゴンガスを溶液中に 10分間吹き込 みアルゴン置換した。アルゴン気流下、 2, 4, 5—トリス(4 ブロモフエ-ル)— 1H イミ ダゾール(0. 27g, 0. 50mmol)のベンゼン溶液に、テトラキス (トリフエ-ルホスフィン )パラジウム(0) (0. 03g, 0. 02mmol)、 2molZL炭酸ナトリウム水溶液(8mL)、 4— (N, N—ジフエ-ルァミノ)フエ-ルボロン酸(1. 22g, 1. 50mmol)をこの順に加え、 24時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に水(30mL)を加えた後、有機層 と水層とを分離した。水層をベンゼン(30mL X 4)で洗浄後、ベンゼン層を前述の有 機層と合わせてろ過し、不溶物をろ別した。ろ液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 減圧濃縮すると黄緑色固体(1. 39g)が得られた。得られた黄緑色固体(1. 39g)を カラムクロマトグラフィー(BW300)に付し、ベンゼン溶出分より、黄色固体 (0. 39g, mpl85— 190°C)が得られた。得られた黄色固体(0. 39g)を THF—へキサン(1 :4) から再結晶後、減圧下 80°Cで 1時間乾燥すると淡黄色針状晶の表題ィ匕合物 (0. 33 g, mp290-292°C,65%)力得られた。
[0045] 淡黄色針状晶 [THF- Hexane (1:4)], mp 290-292 °C.
IR (KBr) 3414 (N- H), 3034 (C- H), 1591, 1489 (C=C), 822, 752, 694 (C- H) cm"1. JH NMR (270 MHz, CDC1 ) δ 6.96—7.06 (6H, m, 4'", 4""-H), 7.11 (18H, d, J=8.4
3
Hz, 2'", 2"", 7', 7"-H), 7.17-7.29 (12H, m, 3'", 3""-H),7.37-7.54 (12H, m, 2", 3", 6"-H), 7.58 (2H, d, J=8.4 Hz, 3'-H), 7.67 (2H, brs, 6'-H), 7.92 (2H, d, J=8.4
Hz, 2'-H), 9.88 (1H, brs, N-H).
13C NMR (67.8 MHz, CDC1 ) δ 122.96, 123.04, 123.74, 123.84, 124.42, 124.49,
3
125.71 , 126.63, 126.83, 127.51 , 127.58, 128.16, 129.29, 133.96, 140.75, 146.09, 147.47, 147.56, 147.62.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m / z 1026 (MH+), 1025 (M .
UV-Vis (CH CI , 1.0 X 10— 5 mol/L, 24 °C) X max, nm ( ε ) 363 (99700), 308
2 2
(51600).
HPLC (ODS, CHC1 , flow rate lmL/min, wavelength 341nm) retention time 2.43
3
min.
元素分析 Calcd for C H N : C, 87.77; H, 5.40; N, 6.82%.
75 55 5
Found: C, 87.52; H, 5.47; N, 6.83%.
[0046] [実施例 7] 1 , 3—ビス(4, 5—ビス(4, - (N, N—ジフエ-ルァミノ)—ビフエ-ル— 4— ィル)—1H—イミダゾールー 2—ィル)ベンゼンの合成
( 1) 1 , 3 ビス(4, 5—ビス(4—ブロモフエ-ル)—1H イミダゾールー 2 ィル)ベンゼ ンの合成
[化 10]
[0047] 酢酸アンモ-ゥム(1. 93g, 25. Ommol)、イソフタルアルデヒド(0. 35g, 2. 5mm ol)、及び 4, 4,一ジブロモベンジル(1. 84 g, 5. Ommol)を、酢酸(75mL)にカロえ 、 8時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物を放冷し、析出した結晶をろ取し、 それを水(30mL X 4)で洗浄しながら吸引ろ過した。ろ取した固体を減圧下 100 °C で 4時間加熱乾燥することにより 1 , 3 ビス(4, 5 ビス(4 ブロモフエ-ル)—1H イミ ダゾールー 2—ィル)ベンゼンが無色針状晶(1. 18g, 61 %)として得られた。この得ら れた無色針状晶(1. 18g)を THF メタノール(1 : 2)から再結晶後、減圧下 100°Cで 3時間乾燥すると無色針状晶(1. 06g, mp > 300°C, 55%)が得られた。
[0048] 無色針状晶 [THF- Methanol (1 :2)], mp〉300 °C.
IR (KBr) 3402 (N- H), 3074 (C- H), 1497, 1483 (C=C), 830 (C- H), 524 (C- Br) cm
H NMR (270 MHz, DMSO— d ) δ 7.41-7.73 (17H, m, 5', 2", 3"-H), 8.08 (2H,
6
dd, J=7.6, 1.7 Hz, 4', 6'-H), 8.78 (1H, brt, J=1.7 Hz, 2'-H), 12.98 (2H, s, N-H).
13C NMR (67.8 MHz, DMSO— d ) δ 119.76, 121.02, 122.37, 125.19, 127.58,
6
129.14, 129.72, 130.31, 130.55, 131.21, 131.62, 134.00, 136.49, 145.75.
HPLC (ODS, CHC1 , flow rate lmL/min, wavelength 341nm) retention time
3
4.15min.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 835(\1^, 834(M+), 833(MH+), 832(M+), 83KMH"), 830(M+), 829(\1^, 828(M+), 827(MH+), 826(M+).
[0049] (2) 1, 3—ビス(4, 5—ビス(4, - (N, N—ジフエ-ルァミノ)—ビフエ-ル— 4—ィル) 1 H イミダゾールー 2—ィル)ベンゼンの合成
[化 11]
[0050] アルゴン気流下、ベンゼン(30mL)と 2molZL炭酸ナトリウム水溶液(30mL)をそ れぞれ超音波照射下 1時間脱気した後、アルゴンガスを溶液中に 10分間吹き込み アルゴン置換した。アルゴン気流下、 1, 3—ビス(4, 5—ビス(4—ブロモフエ-ル)— 1H イミダゾールー 2 ィル)ベンゼン(0. 47g, 0. 60mmol)のベンゼン溶液に、テトラキ ス (トリフエ-ルホスフィン)パラジウム(0) (0. 06g, 0. 06mmol)、 2molZL炭酸ナトリ ゥム水溶液(28ml)、 4— (N, N—ジフエ-ルァミノ)フエ-ルボロン酸(0. 84g, 2. 88 mmol)をこの順に加え、 24時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に水(60 ml)を加えた後、有機層と水層とを分離した。水層をベンゼン(50mL X 4)で洗浄後 、ベンゼン層を前述の有機層と合わせてろ過し、不溶物をろ別した。ろ液を無水硫酸 マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮すると暗黄色固体(1. 06g)が得られた。得られた
喑黄色固体(1. 06g)をフラッシュカラムクロマトグラフィー (BW300)に付し、酢酸ェ チル溶出分より黄色固体 (0. 84g, mp229— 232°C)が得られた。得られた黄色固体 (0. 84g)をベンゼン 酢酸ェチル(1 : 3)から再結晶後、減圧下 100°Cで 4時間乾燥 すると黄色粉末の表題ィ匕合物(0. 64g, mp235— 237°C, 72%)が得られた。
[0051] 黄色粉末 [Benzene- Ethyl acetate (1 :3)], mp 235-237 °C.
IR (KBr) 3416 (N- H), 3032 (C- H), 1591 , 1489 (C=C), 820, 750, 694 (C- H) cm"1.
JH NMR (270 MHz, CDCl ) δ 6.83— 7.57(73H, m, 5', 2",3", 6", 7", 2'", 3'" , 4"し
3
H), 7.70 (2H, brs, 4', 6'-H), 8.39 (1H, brs, 2'-H), 10.86 (2H, brs, N-H).
13C NMR (67.8 MHz, CDCl ) δ 122.80, 122.89, 123.79, 124.06, 124.29, 124.36,
3
124.76, 126.40, 127.31 , 127.42, 128.17, 129.25, 129.65, 130.11 , 134.23, 134.63, 134.89, 139.08, 146.25, 146.43, 146.57, 146.72, 147.10, 147.44, 147.56, 147.69.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m / z 1488 (M++ 2).
HPLC (ODS, CHCl , flow rate ImL/min, wavelength 341nm) retention time 2.41
3
min.
UV-Vis (CH CI , 1.0 X 10— 5 mol/L, 24 °C) max, nm( ε ) 353 (149700), 311
2 2
(90900).
元素分析 Calcd for C H N : C, 87.18; H, 5.28; N, 7.53%.
108 78 8
Found: C, 86.91; H, 5.27; N, 7.39%.
[0052] [2]蛍光スペクトルの測定
[実施例 8]
実施例 1一 5の化合物をジクロロメタンに溶解(1.0 X 10— 6molZL)し、 1cm幅のセ ルを用いて蛍光スペクトルを測定した。極大蛍光波長( λ (nm) )、及び蛍光量子収
Em
率( φ、標準物質:硫酸キニーネ)を表 1に示す。
実施例 6— 7の化合物をジクロロメタンに溶解(5.0 X 10— 7molZL)し、 1cm幅のセ ルを用いて蛍光スペクトルを測定した。極大蛍光波長( λ (nm) )を表 2に示す。
Em
なお、蛍光スペクトルは、蛍光スペクトル測定装置〔F - 4500、(株)日立製作所製〕 を使用して測定した。
[0053] [表 1]
え Em Φ
実施例 1 426 0.35
実施例 2 460 0.51
実施例 3 430 0.66
実施例 4 423 0.52
実施例 5 448 0.65
[表 2]
^ Em
実施例 6 437
実施例 7 441
表 1, 2に示されるように上記実施例 1一 7で得られたイミダゾールイ匕合物は、高い青 色蛍光強度を有して 、ることがわかる。
このような高い青色蛍光強度を有し、安定な 2, 4, 5—トリアリール置換イミダゾール 化合物及び 1, 2, 4, 5—テトラァリール置^ミダゾ一ルイ匕合物を発光材料として用 V、ることで、省電力で面状発光するフレキシブル有機エレクト口ルミネッセンス素子等 を得ることができる。