明 細 書
液浸リソダラフィ一に用いるレジスト積層体
技術分野
[0001] 本発明は、 半導体装置の製造等における微細パターンを形成するためのレ ジスト積層体に関し、 水を液状媒体に用いる液浸リソグラフィ一において特 に有用なレジスト積層体に関するものである。
背景技術
[0002] 半導体集積回路をはじめとする各種の電子部品は超微細加工が必要とされ 、 その加工技術にはレジストが広く用いられている。 また、 電子部品の多機 能化、 高密度化に伴い、 形成されるレジストパターンの超微細化が求められ ている。
[0003] 現状、 レジス卜パターンを形成するフォトリソグラフィー技術は、 A r F エキシマレーザーにより発せられる波長 1 93 nmの紫外光を用いて露光す る、 A r Fリソグラフィープロセスが先端技術として実用化されつつある。
[0004] 次世代の、 より微細パターンの要求に対し、 露光波長をさらに短波長化し た、 F 2レーザーによリ発せられる波長 1 57 n mの紫外光を用いて露光す る、 F 2リソグラフィープロセスの開発が行われる一方で、 実用化されつつ ある A r Fリソグラフィ一で用いる A r F露光装置を用いて、 更なる微細化 に対応するリソグラフィ一技術の提案も行われている。
[0005] その一つとして、 A r F露光装置における、 縮小投影レンズとレジス卜被 膜を設けたウェハの間を、 純水で満たす液浸露光技術が検討されている ( " Immersion Optical Lithography at 193nm" (7/11/2003) Future Fab Intl. Volume 15 by Bruce W. Smith, Rochester Institute of Technology) 。
[0006] 従来のプロセス (ドライ法) では屈折率 1の空気中に光を通過させていた のを、 屈折率 1. 44の純水中を通過させることで、 同一の露光光の入射角 度においては、 理論上、 最小解像寸法 (最小パターン線幅) を 1Z1. 44 にすることが可能となるものである。
[0007] これら液浸露光技術を用いた A r F露光は、 開発済みの各種プロセスや装 置を大幅に変更することなく、 更なる微細パターン形成が可能となり期待さ れている。
[0008] 例えば、 レジス卜材料についても、 波長 1 9 3 n mに対して透明な、 従来 の A r Fレジス卜、 つまり脂肪族環状構造を有する炭化水素系樹脂を主成分 としたレジス卜材料がそのまま検討されてきている。
[0009] しかしながら、 液浸露光時は、 縮小投影レンズとレジス卜被膜の間を純水 で満たすため、 つまり、 レジスト被膜が純水と接触するため、 前記従来の A r Fレジストでは、 吸水し易く、 その結果、 レジスト被膜に含まれる光酸発 生剤やクェンチヤ一として用いるァミン類が拡散したり、 純水中へ溶出した りするため、 目的のパターン形状が再現良く得られにくいという問題点が生 じた。
[0010] さらにはレジス卜被膜の吸水ゃ膨潤によリ、 被膜強度が著しく低下したリ
、 基盤との密着性が低下したりするため、 形成したレジストパターンの強度 が弱く、 パターン倒れや、 欠落などの欠陥を生じやすくなつた。
発明の開示
[0011 ] 本発明は、 このような従来の課題を解決するべく鋭意研究して得られた新 たな知見に基づいてなされたものであり、 レジス卜被膜を特定の層構成とす ることで、 A r Fエキシマレーザー光のような短波長の露光光に対して透明 で、 さらに液浸露光時において、 目的の形状の微細パターンを欠陥なく、 再 現良く形成可能な、 レジスト積層体を提供することを目的とするものである
[0012] 本発明者らは、 純水を媒体とする液浸露光法に用いる、 レジスト被膜、 つ まり、 層構成やそれに用いる材料の種類などを鋭意検討した結果、 特定の層 構成および特定の材料でレジスト積層体を構成することで、 従来の A r「用 のレジス卜材料の層のみでは解決困難であった前記課題を改善できることを 見出せた。
[0013] すなわち、 本発明の第一は、 基材上にフォトレジス卜層 (L 1 ) と保護層
(L 2) を有し、 該保護層 (L 2) が積層体の最表面側に形成されており、 かつ保護層 (L 2) が、
( 1 ) 波長 1 93 n m以上の紫外光での吸光係数が 1. Ofl m_1以下、
(2) 現像液溶解速度が 50 nm/s e c以上、 かつ
( 3 ) 純水に対する溶解速度が 1 0 n mZm i n以下
であることを特徴とする露光紫外光が波長 1 93 nm以上である液浸リソグ ラフィー用レジスト積層体に関する。
[0014] また、 本発明の第二は、 基材上にフォトレジスト層 (L 3) を有するレジ スト積層体であって、 該フォトレジスト層 (L 3) が該積層体の最表面に形 成されており、 該フォトレジスト層 (L 3) が酸で解離してアルカリ可溶性 基に変換可能な保護基 Y2を有する含フッ素重合体 (A2) と光酸発生剤 (B 2) を含むことを特徴とする露光紫外光が波長 1 93 nm以上である液浸リ ソグラフィー用レジスト積層体に関する。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]本発明の第一のレジスト積層体の形成方法および液浸露光微細パターン 形成方法の各工程 (a) (e) を説明するための概略図である。
発明を実施するための最良の形態
[0016] まず、 本発明の第一は、 前記のとおり、 基材上にフォトレジス卜層 (L 1 ) と保護層 (L 2) を有し、 該保護層 (L 2) が積層体の最表面側に形成さ れており、 かつ保護層 (L 2) が、
( 1 ) 波長 1 93 n m以上の紫外光での吸光係数が 1. Ofl m_1以下、
(2) 現像液溶解速度が 50 nm/s e c以上、 かつ
( 3 ) 純水に対する溶解速度が 1 0 n mZm i n以下
であることを特徴とする。
[0017] これら、 レジスト積層体は波長 1 93 n m以上の紫外光で露光する、 純水 を液状媒体として用いる液浸リソグラフィ一の露光工程で効果的に利用可能 である。
[0018] つまり、 本発明の第一のレジスト積層体は、 A r Fレジス卜、 K r Fレジ
ストなど、 従来のレジスト材料を含むフォトレジスト層 (L 1 ) を有するレ ジス卜被膜の最表面に、 さらに、 保護層 (L 2) を形成したものであり、 保 護層 (L 2) に特定の性質のものを使用することで、 純水が接触することで 生じる問題点を改善できるものである。
[0019] 本発明の第一のレジスト積層体において、 最外層を形成する保護層は、 波 長 1 93 nm以上の光線に対して透明であることが必要である。
[0020] それによつて、 例えば、 1 93 nm波長を用いる A r Fリソグラフィー、
248 nm波長を用いる K r Fリソグラフィ一においても純水を用いる液浸 露光プロセスが有用に利用できる。
[0021] 具体的には、 1 93 n m以上の波長において、 吸光係数で 1. 0 m_1以下
、 好ましくは、 0. 8 m_1以下、 より好ましくは、 0. 5 m_1以下、 最も 好ましくは 0. 3 m_1以下である。
[0022] 保護層 (L 2) の吸光係数が大きすぎると、 レジスト積層体全体の透明性 を低下させるため微細パターン形成時の解像度を低下させたり、 パターン形 状を悪化させたりするため好ましくない。
[0023] また保護層 (L 2) は、 現像液、 例えば 2. 38%テトラメチルアンモニ ゥムハイド口オキサイド水溶液 (2. 38%TMAH水溶液) に対して良好 な溶解性を有しながら、 純水に対して溶解しにくい、 または溶解速度が遅い 性質のものが好ましい。
[0024] 具体的には、 現像液に対する溶解速度は、 後述する Q CM測定法で測定し た 2. 38 %TM A H水溶液に対する溶解速度で 50 nmZs e c以上の層 であり、 好ましくは 1 00 n mZ s e c以上、 より好ましくは 200 n mZ s e c以上、 特に好ましくは 300 nmZs e c以上である。
[0025] 現像液に対する溶解速度が低すぎると、 微細パターン形成時の解像度を低 下させたり、 パターン形状が T -トップ状などになりやすく目的のものが得ら れにくく、 好ましくない。
[0026] 一方、 保護層 (L 2) は純水に対して、 逆に溶解しにくいことが好ましく
、 Q CM測定法で測定した、 純水に対する溶解速度で 1 O nmZm i n以下
の層であり、 好ましくは 8 nmZm i n以下、 より好ましくは 5 n mZm i n以下、 特に好ましくは 2 nmZm i n以下である。
[0027] 純水に対する溶解速度が、 大きすぎると、 保護層 (L2) による保護効果 が不十分となり、 前述の問題点の改善効果が不十分となるため好ましくない
[0028] 本発明において、 純水に対する溶解速度の測定には通常のイオン交換膜に よリ得られるイオン交換水を純水として使用した。
[0029] また、 保護層 (L2) は、 現像液溶解速度を著しく低下させない範囲で、 撥水性が高い方が好ましい。
[0030] 例えば、 好ましくは対水接触角で 70° 以上、 より好ましくは 75° 以上
、 特に好ましくは 80° 以上であり、 上限の好ましくは 1 00° 以下、 より 好ましくは 95° 以下、 特に好ましくは 90° 以下である。
[0031] 保護層 (L2) 表面の対水接触角が低すぎると、 純水との接触後、 水の浸 透速度が早くなリ、 フォトレジスト層 (L 1 ) へ水が達しやすく、 保護層 (
L2) による保護効果が不十分となるため好ましくない。
[0032] また、 保護層 (L2) 表面の対水接触角が高すぎると、 逆に現像液溶解速 度が著しく低下するため好ましくない。
[0033] また、 さらに、 保護層 (L2) は吸水性 (吸水速度) の低いものが好まし い。
[0034] 吸水性 (吸水速度) が高すぎると純水との接触後、 水の浸透速度が早くな リ、 フォトレジスト層 (L 1 ) へ水が達しやすく、 保護層 (L2) による保 護効果が不十分となるため好ましくない。
[0035] 例えば、 吸水性 (吸水速度) は、 Q CM法により測定でき、 吸水による重 量増加速度 (吸水速度) として算出可能である。
[0036] これらの性質を有する保護層 (L2) としては、 撥水性または疎水性の部 位と親水性の部位を有するポリマー材料からなるものが好ましく、 例えば親 水性の官能基 Yを有するポリマー材料からなるものが好ましい。
[0037] なかでも、 1 93 nm以上の波長においても透明性が高く、 撥水性または
疎水性の部位を有することから、 親水性の官能基 Yを有する含フッ素重合体 (A 1 ) からなることが好ましい。
[0038] つまり、 保護層 (L 2) は親水性官能基 Yを有する含フッ素重合体 (A 1
) からなる層であって、 前述の特性を有するものが好ましい。
[0039] 親水性の官能基は、 現像液溶解性を付与できるものであれば良く、 例えば
、 p Kaで 1 1以下の酸性 OH基を含む官能基が好ましく、 より好ましくは p Kaで 1 0以下、 特には 9. 5以下である。
[0040] 具体的に親水性官能基 Yは、
[0041] [化 1]
O OH II I
一 OH、 — C— ΟΗ、 — S— ΟΗ、 一 p— ΟΗ、 ο ο ο
[0042] なかでも、 透明性が高い点で、 -OH基、 -COOH基が好ましく、 さらに吸 水性を低くできる点で- O H基が好ましい。
[0043] -OH基は、 p Kaを 1 1以下の酸性とするために、 OH基に直接結合する 炭素原子に、 含フッ素アルキル基または含フッ素アルキレン基が結合したも のが好ましく、 具体的には、 下式:
[0044] [化 2]
R f 3
I
一 C一 OH
p 2
[0045] (式中、 R f 3は炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素 アルキル基; R2は水素原子、 炭素数 1 1 0の炭化水素基および炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素アルキル基から選ばれるも の) で表される部位を有することが好ましい。
[0046] R2はなかでも炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素 アルキル基であることが好ましい。
[0047] さらには、 R R2は共にパーフルォロアルキル基であることが好ましく
、 具体的には、
[0048] [化 3]
[0049] などの部位が好ましい。
[0050] またさらには、 下式:
[0051] [化 4]
F R f 3
! I
-C-C-OH
[0052] (式中、 R f 3は炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素 アルキル基; R2は水素原子、 炭素数 1 1 0の炭化水素基および炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素アルキル基から選ばれるも の) で表される部位を有するものが吸水性を低くし、 現像液溶解性を大きく する面でより好ましく、 具体的には、
[0053] [化 5]
し 1 し 3
I i
― CF2— c— OH、 ^CF-C-OH 3 CF3 CF3
[0054] などの部位を有するものが好ましい。
[0055] 親水性官能基 Yを有する含フッ素重合体 (A 1 ) は、 フッ素含有率で 30 質量%以上であることが好ましく、 より好ましくは 40質量%以上、 特に好 ましくは 50質量%以上である。
[0056] フッ素含有率が低くなりすぎると、 撥水性が低くなつたり、 吸水性が大き <なリすぎるため好ましくない。
[0057] 一方、 フッ素含有率の上限は 7 5質量%であり、 好ましくは 7 0質量%、 より好ましくは 65質量%である。
[0058] フッ素含有率が高すぎると、 被膜の撥水性が高くなリ過ぎて、 現像液溶解 速度を低下させたり、 現像液溶解速度の再現性を悪くしたりするため好まし くない。
[0059] 本発明の第一のレジスト積層体の保護層 (L 2) に用いる、 親水性官能基 Yを有する含フッ素重合体 (A 1 ) の好ましい第一の具体例は、 重合体主鎖 に脂肪族環構造の構造単位 (M 2) を有するものである。
[0060] 重合体主鎖の脂肪族環構造の構造単位 (M 2) は、 通常、 重合体主鎖に脂 肪族環構造の構造単位 (M 2) を与え得る単量体 (m2) を重合することに よって得られ、 単量体 (m2) にフッ素原子を含まない場合は、 他の含フッ 素単量体、 具体的には含フッ素エチレン性単量体 (m l ) と共重合すること で重合体にフッ素原子が導入される。
[0061] 親水性官能基 Yは、 構造単位 M 2に有していてもよいし、 他の構造単位中 に含んでいてもよい。
[0062] 主鎖に脂肪族環構造の構造単位を有する含フッ素重合体 ( A 1 ) の好まし いものは、 式 (M-1 ) :
- (M 1 ) - (M 2) - (N 1 ) - (N) - (M-1 )
(式中、 構造単位 M 1は炭素数 2または 3のエチレン性単量体であって、 少 なくとも 1個のフッ素原子を有する含フッ素エチレン性単量体 (m l ) 由来 の構造単位;構造単位 M 2は重合体主鎖に脂肪族環構造を与え得る単量体 ( m2) 由来の構造単位;構造単位 N 1は単量体 (m l ) および単量体 (m 2 ) と共重合可能な単量体 (n 1 ) 由来の構造単位;構造単位 Nは単量体 (m
1 ) 、 単量体 (m2) および単量体 (n 1 ) と共重合可能な単量体 (n) 由 来の構造単位であって、 構造単位 M 2または N 1の少なくとも一方に親水性 官能基 Yを有し、 構造単位 M 2に Yを有する場合は構造単位 N 1と Nは同じ であってよい) であって、 構造単位 M 1を 1 99モル0 /0、構造単位 M 2を
1 -99モル0 /o、 構造単位 N 1を 0 98モル0 /o、 構造単位 Nを 0 98モ
ル%含む (ただし、 構造単位 M 2が親水性官能基 Yを含まない場合は構造単 位 N 1は必須である) 含フッ素重合体である。
[0063] まず、 式 (M- 1 ) の含フッ素重合体において、 重合体主鎖にフッ素原子を 導入できる含フッ素エチレン性単量体 (m l ) は重合性、 特にラジカル重合 性の炭素-炭素二重結合を 1つ有する炭素数 2または 3の含フッ素ェチレン性 単量体であって少なくとも 1個のフッ素原子を有する単量体である。
[0064] かかる含フッ素ェチレン性単量体 (m 1 ) は重合性の炭素-炭素二重結合を
1つ有するモノエン化合物であって、 重合によっても主鎖中に環構造を有す る構造単位は形成しない。
[0065] これらの含フッ素エチレン性単量体 (m l ) 由来の構造単位により、 フッ 素原子を効果的に導入できるため、 保護層 (L 2 ) に用いる場合、 良好な、 撥水性、 耐水性、 防水性を付与できる点で好ましい。 また、 透明性において も特に効果的である。
[0066] 好ましい含フッ素エチレン性単量体 (m l ) としては、 エチレンまたはプ 口ピレンの水素原子の少なくとも 1つがフッ素原子に置換したものがあげら れる。 他の水素原子はフッ素原子以外のハロゲン原子に置換されていてもよ い。
[0067] なかでもフッ素原子が炭素-炭素二重結合を構成する炭素原子に少なくとも
1個結合した単量体であることが好ましい。 それによつて、 構造単位 (M 1 ) に、 つまり重合体主鎖中にフッ素原子を導入でき、 真空紫外領域において 特に優れた透明性を与える含フッ素重合体が効果的に得られる。
[0068] 具体的には、 テトラフルォロエチレン、 クロ口トリフルォロエチレン、 フ ッ化ビニリデン、 フッ化ビニル、 トリフルォロエチレン、 へキサフルォロプ ロピレン、 C H = C F C Fから選ばれる少なくとも 1種の単量体が好ましく
2 3
あげられる。
[0069] なかでもテトラフルォロエチレン、 クロ口トリフルォロエチレン、 フッ化 ビニリデンまたはへキサフルォロプロピレンの 1種または 2種以上の混合物 であることが透明性の点で特に好ましく、 とリゎけテトラフルォロエチレン
および Zまたはクロロトリフルォロェチレンが好ましい。
[0070] ついで、 式 (M-1 ) の含フッ素重合体において、 重合体主鎖に脂肪族環構 造の構造単位 (M2) を与え得る単量体 (m2) について説明する。
[0071] かかる単量体 (m2) は、 後で述べる本願の第二の発明のフォトレジスト 層 (L3) に用いた場合にドライエッチング耐性を向上させる脂肪族環構造 の構造単位 (M2) を重合体主鎖中に導入することができる。
[0072] 単量体 (m2) は、 ラジカル重合性の炭素-炭素不飽和結合を環構造中に有 する不飽和環状化合物から選ばれるものであってもよいし、 ジェン化合物の 環化重合により主鎖に環構造を形成させることができる非共役ジェン化合物 から選ばれるものであってもよい。
[0073] また単量体 (m2) は、 その単量体中に親水性官能基 Yを有していてもよ いし有していなくてもよい。
[0074] この単量体 (m2) を (共) 重合することによって、 主鎖に単環構造また は複環構造の脂肪族環構造単位を有する重合体を得ることができる。
[0075] 本発明において 「複環構造」 とは複数の環が含まれる構造のうち、 ビシク 口環ゃトリシクロ環などの 「架橋環 (bridged ring) 」 は含むが、 「縮合環 (fused ring) 」 、 「スピロ環 (spiro ring) 」 および単縮合または多重縮 合あるいはスぺーサ一により複数の環が連結されたポリシクロへキサンなど の 「環集合 (ring assemblies) は含まない。
[0076] 単量体 (m2) の好ましい第 1は、 ラジカル重合性の炭素-炭素不飽和結合 を有し、 ポリマー主鎖に単環または複環構造を形成できる単量体であって、 かつ親水性官能基 Yを有さない単量体 (m2-1 ) である。
[0077] 具体的には、 親水性官能基 Yを有さない単環状の脂肪族不飽和炭化水素化 合物からなる単量体 (m2-1 a) 、 親水性官能基 Yを有しない複環状の脂肪 族不飽和炭化水素化合物からなる単量体 (m2-1 b) 、 または後述する親水 性官能基 Yを有しない環化重合可能な非共役ジェン化合物 (m2-1 c) から 選ばれるものである。
[0078] 親水性官能基 Yを有しない単環状の単量体 (m2-1 a) は環構造中にエー
テル結合を含んでいてもよい 3員環 8員環構造の脂肪族不飽和炭化水素化 合物であることが好ましい。
[0079] 単量体 (m2-1 a) は、 具体的には、
[0080] [化 6]
[0081] などが好ましくあげられる。
[0082] さらに、 これら単量体 (m2-1 a) の水素原子の一部または全部がフッ素 原子で置換された単量体であってもよく、 たとえば、
[0083] [化 7]
[0084] などが好ましくあげられる。
[0085] 前記、 単量体 (m2-1 ) のもう一方は、 重合体主鎖中に脂肪族複環構造を 有する構造単位を与え、 かつ親水性官能基 Yを有しない脂肪族複環構造を有 する単量体 (m2-1 b) であり、 好ましい単量体 (m2-1 b) はノルポル ネン誘導体である。
[0086] 親水性官能基 Yを有していない脂肪族複環構造を有する単量体 (m2-1 b ) は、 具体的には、
[0087] [化 8]
[0088] などがあげられる。
[0089] 上記例示のノルポルネン類の環構造にフッ素原子を導入したものであって もよく、 フッ素原子を導入することによりドライエッチング耐性を低下させ ずに撥水性、 耐水性、 防水性を付与でき、 さらには透明性を向上できる。
[0090] 具体的には、 式:
[0091 ] [化 9]
(式中、 A、 B、 Dおよび D ' は同じかまたは異なり、 いずれも H、 F、 炭 素数 1 1 0のアルキル基または炭素数 1 1 0の含フッ素アルキル基; m は 0 3の整数。 ただし、 A、 B、 D、 D ' のいずれか 1つはフッ素原子を 含む) で示される含フッ素ノルポルネンであり、 具体的には、
[0093] [化 10]
[0094] などで示される含フッ素ノルポルネンがあげられる。
[0095] そのほか、
[0096] [化 11]
(A、 B、 D、 D, は H、 F、 炭素数 1〜10のアルキル基 または含フッ素アルキル基)
[0097] などのノルポルネン誘導体もあげられる。
[0098] 単量体 (m2) の好ましい第 2は、 ラジカル重合性の炭素-炭素不飽和結合 を有し、 ポリマー主鎖に単環または複環構造を形成できる単量体であって、 かつ親水性官能基 Yを有する単量体 (m2-2) である。
[0099] 詳しくは、 親水性官能基 Yを有する単環状の脂肪族不飽和炭化水素化合物 からなる単量体 (m2-2 a) 、 親水性官能基 Yを有する複環状の脂肪族不飽 和炭化水素化合物からなる単量体 (m2-2 b) 、 または後述する環化重合可 能な非共役ジェン化合物であって親水性官能基 Yを有する単量体 (m2-2 c ) から選ばれるものである。
[0100] なかでも親水性官能基 Yを有する単環状の単量体 (m2-2 a) は環構造中
にエーテル結合を含んでいてもよい 3員環 8員環構造の不飽和炭化水素化 合物であることが好ましい。 また前述と同様、 単量体 (m2-2 a) の水素原 子の一部またはすべてがフッ素原子で置換された単量体であってもよい。
[0101] 親水性官能基 Yを有する単環状の単量体 (m2-2 a) は、 具体的には、
[0102] [化 12]
[0103] などの単量体があげられる。
[0104] 前記、 親水性官能基 Yを有する単量体 (m2-2) のもう一方は、 重合体主 鎖中に脂肪族複環構造を有する構造単位を与え、 かつ親水性官能基 Yを有す る脂肪族複環構造を含む単量体 (m2-2 b) であり、 より好ましい単量体 ( m2-2 b) は親水性官能基 Yを有するノルポルネン誘導体である。
[0105] 親水性官能基 Υを有している脂肪族複環構造を含む単量体 (m2-2 b) は 、 具体的には、
[0106] [化 13]
(m : 0〜3の整数)
[0107] などがあげられる。
[0108] さらに親水性官能基 Yを有する脂肪族複環構造を含む単量体 (m 2 - 2 b ) は、 環構造に結合した水素原子の一部またはすベてをフッ素原子に置換した ものであってもよく、 このものは重合体にさらなる撥水性、 耐水性、 防水性 、 さらには透明性を付与できる点で好ましい。
[0109] 具体的には、
[0110] [化 14]
(式中、 Α、 Βおよび Dは同じかまたは異なり、 いずれも H、 F、 炭素数 1 - 1 0のアルキル基または炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していてもよ い含フッ素アルキル基; Rは炭素数 1 2 0の 2価の炭化水素基、 炭素数 1 2 0の含フッ素アルキレン基または炭素数 2 1 0 0のエーテル結合を有 する含フッ素アルキレン基; aは 0 5の整数; bは 0または 1。 ただし、 bが 0または Rがフッ素原子を含まない場合は A、 B、 Dのいずれか 1つは
フッ素原子または炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していてもよい含フッ 素アルキル基である) で表わされる含フッ素ノルポルネン誘導体があげられ る。
[0112] これらのなかでも、 A、 B、 Dのいずれかがフッ素原子またはフッ素原子 を含むものであることが好ましく、 または A、 B、 Dにフッ素原子が含まれ ない場合は Rのフッ素含有率が 5 0重量%以上、 より好ましくは 6 0重量% 以上、 特には 7 0重量%以上であることが好ましく、 さらにはパーフルォロ アルキレン基であることが、 重合体に透明性を付与できる点でさらに好まし い。
[01 13] 具体的には、
(n : 0〜: 10、 X: Fまたは CF3)
[0115] などで示されるノルポルネン誘導体があげられる <
[0116] またさらに、
[0117] [化 16]
[0118] (式中、 A、 Bおよび Dは同じかまたは異なり、 いずれも H、 F、 炭素数 1 - 1 0のアルキル基または炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していもよい 含フッ素アルキル基; Rは炭素数 1 2 0の 2価の炭化水素基、 炭素数 1 2 0の含フッ素アルキレン基または炭素数 2 1 0 0のエーテル結合を有す る含フッ素アルキレン基; aは 0 5の整数; bは 0または 1 ) で表わされ る含フッ素ノルポルネン誘導体などがあげられる。
[0119] またさらに、 親水性官能基 Yを有する脂肪族複環構造を含む単量体 (m 2 - 2 b ) の好ましいものとして、 式:
[0120] [化 17]
(式中、 R f 1、 R f 2は同じかまたは異なり、 炭素数 1 1 0の含フッ素アル キル基または炭素数 1 1 0のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基; A、 B、 Dは同じかまたは異なり、 いずれも H、 F、 Cし 炭素数 1 1 0 のアルキル基または炭素数 1 1 0のエーテル結合を含んでいてもよい含フ ッ素アルキル基; Rは Hまたは炭素数 1 1 0のアルキル基; nは 0 5の 整数) で示される含フッ素ノルポルネン誘導体があげられる。
[0122] 具体的には、 たとえば
[0123] [化 18]
(R、 nは前記と同じ; X または C1; m=l-10)
[0124] などがあげられる
[0125] より具体的には
[0126] [化 19]
[0127] などが好ましくあげられる。
[0128] その他、 式:
[0129] [化 20]
(式中、 R f 1、 R f 2は同じかまたは異なり、 炭素数 1 1 0の含フッ素アル キル基または炭素数 1 1 0のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基; B、 Dは同じかまたは異なり、 いずれも H、 F、 Cし 炭素数 1 1 0のァ
ルキル基または炭素数 1 1 0のエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素 アルキル基; Rは Hまたは炭素数 1 1 0のアルキル基; nは 0 5の整数
) で示されるノルポルネン誘導体もあげられる。
[0131] これら例示の脂肪族複環構造を含む単量体 (m2-1 b) 、 (m2-2 b) は、 重合体にドライエッチング耐性を付与できる点で、 また撥水性、 耐水性 、 防水性を付与できる点で、 特に液浸露光用の保護層の原料として好ましい
[0132] 特にフッ素原子を複環構造に含むノルポルネン誘導体は、 撥水性、 耐水性 、 防水性さらには透明性の点で好ましい。
[0133] また、 親水性官能基 Yを有するノルポルネン誘導体 (m2-2 b) は重合体 に効率的に現像液溶解性を付与する官能基を導入でき、 結果的に透明性、 ド ライエッチング耐性において有利となるため好ましい。
[0134] 単量体 (m2) の好ましい第 3は、 重合により脂肪族環構造を形成し得る フッ素原子を有していてもよい非共役のジェン化合物である。 非共役ジェン 化合物は、 主鎖中に環構造の構造単位を有する重合体を効率よく与えること ができ、 前述と同様、 真空紫外領域の透明性も改善できるものである。
[0135] 非共役ジェン化合物としては、 たとえば環化重合し主鎖に単環構造を与え る特定のジビニル化合物が好ましくあげられ、 親水性官能基 Yを有さないも の (m2-1 c) 、 または親水性官能基 Yを有するもの (m2-2 c) である
[0136] 具体例としては、 たとえばフッ素原子や親水性官能基 Yを有していてもよ い式:
[0137] [化 21]
CH2 = CHCH2-C-CH2CH=CH2
/ \
Y z1
や
CH2 = CHCH2-C^-CH2CH = CH2
[0138] (式中、 Z1および Z2は同じか異なり、 水素原子、 フッ素原子、 炭素数 1 5 のエーテル結合を有していてもよい炭化水素基、 炭素数 1 5のエーテル結 合を有していてもよい含フッ素アルキル基) で示されるジァリル化合物があ げられる。
[0139] このジァリル化合物をラジカル環化重合することによリ、
[0140] [化 22]
[0141] (式中、 Z'、 Z2は前記と同じ) で示される主鎖中に単環状の構造単位を形成 することができる。
[0142] 保護層 (L 2) に用いる親水性官能基 Yを有する含フッ素重合体は、 脂肪 族環構造を与え得る単量体 (m2) のうち親水性官能基 Yを有する単量体 ( m2-2) 、 つまり前述の (m2-2 a) 、 (m2-2 b) または (m2_2 c ) の中から選ばれる少なくとも 1種の単量体由来の構造単位を導入すること
で得ることができる。
[0143] または、 単量体 (m2) として親水性官能基 Yを有さない単量体 (m2_1 ) を用いる場合、 共単量体 (n 1 ) のうちで親水性官能基 Yを有する単量体 (n 1-2) を単量体 (m2) に加えて共重合し、 構造単位 (M2) に加え、 後述する親水性官能基 Yを有する構造単位 (N 1-2) を導入してもよい。
[0144] 構造単位 (N 1 ) および (N) はいずれも親水性官能基 Yを有していても いなくてもよい構造単位であって、 単量体 (m l ) および (m2) 、 さらに は相互に共重合可能な単量体 (n 1 ) および単量体 (n) である。 ただし、 構造単位 (N 1 ) は構造単位 (M2) が親水性官能基 Yを有していない場合 は親水性官能基 Yをもっている。 構造単位 (M2) は構造単位 (N 1 ) が親 水性官能基 Yを有していない場合は親水性官能基 Yをもっている。 構造単位 ( N ) は他の構造単位に関係なく親水性官能基 Yを有していてもいなくても よい。
[0145] つまり、 構造単位 (N 1 ) のうち親水性官能基 Yを有しない構造単位 (N
1-1 ) は親水性官能基 Yを有しない単量体 (n 1-1 ) を共重合することに より導入できる。 また構造単位 (N 1 ) のうち親水性官能基 Yを有する構造 単位 (N 1-2) は親水性官能基 Yを有する単量体 (n 1-2) を共重合する ことにより導入できる。
[0146] 任意の構造単位 (N 1-2) に親水性官能基 Yを導入できる単量体 (n 1- 2) としては、 共重合可能な親水性官能基 Yを有するエチレン性単量体が好 ましい。
[0147] 具体的には親水性官能基 Yを有するアクリル系単量体、 親水性官能基 Yを 有する含フッ素ァクリル系単量体、 親水性官能基 Yを有するァリルエーテル 系単量体、 親水性官能基 Yを有する含フッ素ァリルエーテル系単量体、 親水 性官能基 Yを有するビニルエーテル系単量体、 親水性官能基 Yを有する含フ ッ素ビニルエーテル系単量体などが好ましい。
[0148] より具体的には、
(メタ) アクリル酸、 ひ-フルォロアクリル酸、 ひ-トリフルォロメチルァク
リル酸、 t_ブチル (メタ) ァクリレート、 t_ブチル -ひ -フルォロアクリレ 一卜、 t_ブチル -ひ_トリフルォロメチルァクリレート、
[0149] [化 23]
CH2 = CHCH2Y、 CH2 = CHCH2OCH2CH2Y、
C Γ 3
CH2 = CHCH2C-Y 、
CF3
式:
C X 1 X2 = C X3^C X42^_(0^__R ト γ
[0150] (式中、 X1および X2は同じかまたは異なり、 いずれも Ηまたは F ; X3は Η、
F、 CHまたは CF ; X4は!"!、 Fまたは CF ; R f は炭素数 1 40の含
3 3 3
フッ素アルキレン基または炭素数 2 1 00のエーテル結合を有する含フッ 素アルキレン基; aは 0または 1 3の整数; bは 0または 1 ) で示される 含フッ素ェチレン性単量体である。
[0151] なかでも式:
CH =C F-C F O-R f -Y
2 2
(式中、 R f は前記と同じ) で示される含フッ素ァリルエーテル化合物が好 ましい。
[0152] より具体的には、
[0153] [化 24]
CH2=CFCFzOCF-Y、 CH2=CFCF2OCFCF2OCF— Y、
CF3 CF3 CF3
CH2=CFCFzO (CFCF20)2CF— Y 、
CF3 CF3
CH2=CFCF2OCH2CF2~Y、 CH2=CFCF2OCH2CF2CF2OCF-Y 、
CF3
CH2=CFCF2OCF2CF2OCF2-Y、
CH2=CFCF20(CF2CF20)2CF2— Y
[0154] などの含フッ素ァリルエーテル化合物が好ましくあげられる。
[0155] また、 式:
C F =C F-O-R f -Y
2
(式中、 R f は前記と同じ) で示される含フッ素ビニルエーテル化合物が好 ましい。
[0156] より具体的には、
[0157] [化 25]
CF2=CFOCF2CFOCF2CF2CH2-Y、
CF3
CF2=CFO (CF2- Y、 CF2=CFC CF CH2— Y、
CF2=CFOCF2CF2OCF2-Y、
CF2=CFOCF2CF2OCF2CH2— Y、
CF2=CFOCF2CF3CH2OCF2CF2-Y、
CF2=CFOCF2CF2CH2OCF2CF2CH2-Y、
CF2=CFOCF2CFOCF2CF2CH2-Y
CF3
[0158] などの含フッ素ビニルエーテル化合物があげられる。
[0159] その他、 親水性官能基 Yを含有する含フッ素ェチレン性単量体としては、 C F =C F_C F 0_R f _Y、 CF =CF_R f_Y、
2 2 2
CH =CH_R f_Y、 CH =CH-0-R f-Y
2 2
(R f は前記と同じ)
などの単量体があげられ、 より具体的には、
[0160] [化 26]
CF2 = CFCF2OCF2CF2CF2-Y 、
CF2=CFCF2OCF2CF2CF2CH2™Y 、
CF2=CFCF2OCF2CF— Y、 CF2=CFCF2OCF2CF - CH2— Y、
CF3 CF3
CF2=CFCF2— Y、 CF2=CFCF2CH2~Y 、
CH2=CHCF2CF2CH2CH2-Y, CH2=CHCF2CF2— Y 、
CH2=CHCF2CF2CH2— Y、 CH2=CHCF2CF2CF2CF2- Y 、 CH2=CHCF2CF2CF2CF2CH2— Y、
CH2=CHO— CH2CF2CF2— Y、
CH2=CHOCH2CF2CF2CH2-Y
[0161] などがあげられる。
[0162] 任意の構造単位 (N 1-1 ) を与える単量体 (n 1-1 ) としては、 共重合 可能な親水性官能基 Yを有さないェチレン性単量体が好ましい。
[0163] 具体的には、 酸で分解することの無いエステル部を持つ親水性官能基 Yを 有さないァクリル系単量体や含フッ素ァクリル系単量体、 親水性官能基 Yを 有さないァリルエーテル系単量体、 親水性官能基 Yを有さない含フッ素ァリ ルエーテル系単量体、 親水性官能基 Yを有さないビニルエーテル系単量体、 親水性官能基 Yを有さない含フッ素ビニルエーテル系単量体などが好ましい
[0164] より具体的には、
CX11X12=CX13COOR
(式中、 χ11、 χ12、 X13は H、 F、 CH 、 CFから選ばれるもの; Rは 1価
3 3
の有機基)
で表される (メタ) アクリル酸エステル、 ひ-フルォロアクリル酸エステル、
(X-トリフルォロメチルァクリル酸エステルであり、 エステル部位 Rが 1級ま
たは 2級炭素で Oと結合している単量体が挙げられる。
[0165] ビニルエーテル系単量体、 含フッ素ビニルエーテル系単量体では、
CH =CHOR、 C F =C FOR f
2 2
(Rは 1価の有機基; R f は 1価の含フッ素有機基) などがあげられ、 より具体的には、
CH =CHOCH R f (R f は前記と同じ) 、
2 2
C F =C FOC F、 C F =C FOC F C F、 C F =C FOC F C F C F
2 3 2 2 3 2 2 2 3 などがあげられる。
[0166] その他、 親水性官能基 Yを含有する含フッ素ェチレン性単量体としては、 C F =C F_C F 0_R f 、 C F =C F_R f 、
2 2 2
CH =CH_R f 、 CH =CH-0-R f
2 2
(R f は前記と同じ)
などがあげられる。
[0167] さらに任意の構造単位 (N) を与える単量体 (n) は前述のとおり、 親水 性官能基 Yを有しない単量体 (n-1 ) でも親水性官能基 Yを有する単量体 ( n-2) でもよく、 具体例としては前述の単量体 (n 1-1 ) および (n 1-2 ) と同様のものが例示できる。
[0168] 式 (M-1 ) の含フッ素重合体は、 なかでも脂肪族環構造を与え得る単量体
(m2) のうち親水性官能基 Yを有する単量体 (m2-2) 、 つまり前述の ( m2-2 a) 、 (m2-2 b) または (m2_2 c) の中から選ばれる少なくと も 1種の単量体由来の構造単位を有することが、 ドライエッチング耐性が良 好な点で好ましい。
[0169] 具体的には、 式 (M-2) :
- (M 1 ) - (M 2-2) - (M 2) - (N) - (M-2)
(式中、 構造単位 M 1、 M2は前記式 (M-1 ) と同じ;構造単位 M2-2は 重合体主鎖に脂肪族環構造を与え得る単量体であって、 親水性官能基 Yを有 する単量体 (m2-2) 由来の構造単位;構造単位 Nは単量体 (m l ) 、 (m 2-2) および単量体 (m2) と共重合可能な単量体 (n) 由来の構造単位)
であって、 構造単位 M 1を 1 99モル0 /o、 構造単位 Μ 2-2を 1 99モル %、 構造単位 Μ 2を 0 98モル0 /ο、 構造単位 Νを 0 98モル0 /ο含む含フ ッ素重合体である。
[0170] 式 (Μ-2) において、 構造単位 (Μ2-2) は前述の (m2-2 a) 、 (m 2-2 b) または (m2-2 c) の具体例のなかから選ばれるものが同様に好 ましく、 なかでもノルポルネン誘導体 (m2-2 b) 由来の構造単位であるこ とが、 ドライエッチング耐性が良好な点で好ましい。
[0171] 構造単位 (M 1 ) 、 (M2) および (N) は、 式 (M-1 ) の含フッ素重合 体における、 好ましい具体例 (ただし構造単位 M 2は前述の構造単位 M 2-2 以外のもの) が同様に利用できる。
[0172] また、 式 (M-2) の含フッ素重合体において、 任意の構造単位 Nに親水性 官能基 Yを有する構造単位 (N-2) を用いる場合の単量体 (n-2) として は、 前述の親水性官能基 Yを有するエチレン性単量体 (n 1-2) と同様のも のが好ましく例示できる。
[0173] 本発明では、 単量体 (ml ) 、 (m2) 、 (m2-2) および (n 1_2) に加え、 さらに任意の単量体 (n) として、 ラジカル重合性の単量体を、 得 られる含フッ素共重合体に別異の特性、 たとえば機械的強度や塗工性などを 改善する目的で共重合してもよい。
[0174] そうした任意の単量体 (n) としては、 親水性官能基 Yを有する上記共単 量体 (n 1-2) のほか、 親水性官能基 Yを有していてもいなくてもよく他の 構造単位を構成するための単量体 (ml ) 、 (m2) および (m2-2) と共 重合できるものから選ばれる。
[0175] たとえば、
アクリル系単量体 (ただし (n 1-2) で記載の単量体は除く) :
[0176] [化 27]
CH2 = CXCOOCH2CHCH2 、
O
CH2 = CXCOOCH2CH2OH, CH2 = CXCOO-<^、
(X:H、 CH3、 F、 CF3から選ばれるもの)
[0177] スチレン系単量体:
[0178] [化 28]
(n; 0〜2の鶴
[0179] エチレン系単量体:
CCHH ==CCHH 、、 CCH =CHCH 、 CH =CHC Iなど
22 22 2 3 2
マレイン酸系単量体:
[0180] [化 29] OH、
(Rは炭素数 1〜 20の炭化水素基)
[0181] ァリル系単量体:
CH =CH CH C し CH =CH CH OH、 CH =CH CH COOH.
2 2 2 2 2 2
CH =CHCH B「など
2 2
ァリルエーテル系単量体:
[0182] [化 30]
CH2 = CHCH2OR 、 CH2 = CHCH2OCH2(CF2^X ,
(R:炭素数 1 ~20の炭化水素基) (n: 1〜: 10、 X: H、 C 1 , F)
CH2 = CHCH2OCH2CH2COOH 、
CH2 = CHCH2OCH2CHCH2 、 CH2 = CHCH2OCH2CHCH2
\ / I I
O OH OH
[0183] その他の単量体
[0184] [化 31]
C ? R、
(Rはフッ素で置換されてもよい炭素数 1〜 20のアルキル基) より具体的には、
CHz = CH0 CHCH2O CH2 H 、
X
(n : 1~20、 n' : 0〜5、 X : Hまたは CH3)
[0185] などがあげられる。
[0186] 本発明における式 (M-1 ) 、 (M-2) の含フッ素重合体の分子量は、 数 平均分子量で 1 000 1 00000、 好ましくは 2000 50000、 よリ好ましくは 2000 1 0000であり、 重量平均分子量で 2000 200000、 好ましくは 3000 50000、 より好ましくは 3000 -1 0000である。
[0187] 親水性官能基 Yを有する含フッ素重合体 (A 1 ) としては、 より具体的に は、 つぎの重合体が好ましい。
[0188] ( I ) 式 :
- (M 1 ) - (M 2-2 a) -
(式中、 M 1は炭素数 2または 3のエチレン性単量体であって少なくとも 1 個のフッ素原子を有する単量体 (ml ) 由来の構造単位; M 2-2 aは単環状
の脂肪族不飽和炭化水素化合物に親水性官能基 Yを有するフッ素原子を有し ていてもよい単量体 (m2-2 a) に由来する構造単位) で示される含フッ素 鱼 Π体 o
[0189] 構造単位 (M1) と (M2-2 a) との組成割合は、 通常、 80Z20 2 0 80モル%比、 好ましくは 70Z30 3 OZ70モル0 /o比、 特に好ま しくは 60/40-40/60モル0 /o比である。
[0190] 単量体の具体例としては、 前述の単量体 (ml) の具体例、 および単量体
(m2-2 a) の具体例が好ましく例示できる。
[0191] (II) 式:
- (M 1 ) - (M 2-2 b) - (式中、 M1は前記と同じ; (M2-2 b) は前述の親水性官能基 Yを有する 脂肪族複環構造含有単量体 (m2-2 b) 、 特にノルポルネン誘導体由来の構 造単位) で示される含フッ素重合体。
[0192] 構造単位 (M1) と (M2-2 b) との組成割合は、 通常、 80Z20 2 0 80モル%比、 好ましくは 70Z30 3 OZ70モル0 /o比、 特に好ま しくは 60/40-40/60モル0 /o比である。
[0193] 具体的な単量体としては、 前述の単量体 (ml) の具体例、 および単量体
(m2-2 b) の具体例が好ましく例示できる。
[0194] これら ( I) 、 (I の含フッ素重合体はその重合体自体、 ドライエッチ ング耐性と撥水性、 耐水性、 防水性に優れておリ、 さらには透明性に優れる
[0195] (III) 式:
- (M 1 ) - (M 2-1 a) - (N 1-2) - (式中、 M 1は前記と同じ; M2-1 aは重合性の炭素-炭素不飽和結合を環 構造中に有し親水性官能基 Yを有していない単環状の単量体 (m2-1 a) 由 来の構造単位 N 1-2は親水性官能基 Yを有する共重合可能なエチレン性単 量体 (n 1-2) 由来の構造単位) で示される含フッ素重合体。
[0196] 構造単位 (M1) と (M2-1 a) と (N 1-2) との組成割合は、 (M 1
) + (M2-1 a) + (N 1-2) = 1 00モル0 /oとしたとき、 { (M 1 ) +
(M 2-1 a) } Z (N 1-2) が通常、 9 OZ1 0-20Z80モル0 /o比、 好ましくは 80/20-30Z70モル0 /o比、 特に好ましくは 70Z30 40/60モル0 /o比である。
[0197] 具体的な単量体としては、 前述の単量体 (ml ) および (m2-1 a) の具 体例、 および単量体 (n 1-2) の具体例が好ましく例示できる。
[0198] (IV) 式:
- (M 1 ) - (M 2-1 b) - (N 1 -2) -
(式中、 M 1、 N 1-2は前記と同じ; M2-1 bは親水性官能基 Yを有して いない脂肪族複環構造含有単量体 (m2-1 b) 、 特にノルポルネン誘導体由 来の構造単位) で示される含フッ素重合体。
[0199] 構造単位 (M 1 ) と (M2-1 b) と (N 1-2) との組成割合は、 (M 1 ) + (M 2-1 b) + (N 1-2) = 1 00モル0 /oとしたとき、 { (M 1 ) +
(M 2-1 b) } Z (N 1-2) が通常、 90Z1 0-20Z80モル0 /o比、 好ましくは 80/20-30Z70モル0 /o比、 特に好ましくは 70Z30 40/60モル0 /o比である。
[0200] 本発明の保護層に用いる含フッ素重合体 (A 1 ) の好ましい第二は、 親水 性官能基 Yを有する含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位 (M3) を有 するものであり、 純水に対する撥水性、 耐水性、 防水性と現像液溶解性を両 立でき、 さらに透明性においても好ましい。
[0201] 具体的には式 (M-3) :
- (M3) - (N 2) - (M-3)
〔式中、 構造単位 M 3は式 (1 ) :
[0202] [化 32]
CX^^CX3
I (1)
[0203] (式中、 X1、 X2は同じかまたは異なり Ηまたは F; X3は!"!、 F、 Cし CH
または C F ; X4、 X 5は同じかまたは異なり Hまたは F; R f は炭素数 1
3 3
4 0の含フッ素アルキル基に親水性官能基 Yが 1 4個結合した 1価の有機 基または炭素数 2 1 0 0のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に親 水性官能基 Yが 1 4個結合した 1価の有機基; a、 bおよび cは同じかま たは異なり 0または 1 ) で表される含フッ素単量体由来の構造単位;構造単 位 N 2は前記式 (1 ) の含フッ素単量体と共重合可能な単量体 (n 2 ) 由来 の構造単位であり、 構造単位 M 1を 3 0 1 0 0モル%、 構造単位 N 2を 0 - 7 0モル%含む含フッ素重合体である。
[0204] 式 (1 ) の含フッ素単量体は、 側鎖に含フッ素アルキル基を含む 1価の有 機基 R f を有し、 その R f基に 1 4個の親水性官能基 Yが結合しているこ とを特徴とし、 式 (1 ) の含フッ素単量体自体で親水性官能基 Yと多くのフ ッ素原子を含有することから、 それを用いた重合体に純水に対する撥水性、 耐水性、 防水性および現像液溶解性を両立させることができる。
[0205] 式 ( 1 ) の含フッ素単量体における R f は、 好ましくは親水性官能基が 1
4個結合した炭素数 1 4 0の含フッ素アルキル基または親水性官能基が 1 4個結合した炭素数 2 1 0 0のエーテル結合を有する含フッ素アルキ ル基であるが、 親水性官能基 Yは通常、 1個有するものが好ましい。
[0206] また、 R f としては親水性官能基が結合した炭素数 1 4 0のパーフルォ 口アルキル基または親水性官能基が結合した炭素数 2 1 0 0のエーテル結 合を有するパーフルォロアルキル基が、 重合体によリー層の撥水性、 耐水性 、 防水性を付与することができる点で好ましい。
[0207] 親水性官能基 Yとしては、 具体的には前述の例示のものが同様に好ましい
[0208] また、 式 (1 ) の含フッ素単量体は、 それ自体、 重合性が良好であり、 そ れ自体の単独重合または、 その他の含フッ素エチレン性単量体との共重合が 可能である点でも好ましい。
[0209] 式 ( 1 ) の親水性官能基 Yを有する含フッ素ェチレン性単量体の具体的に 好ましい第一は、 式 (2 ) :
[0210] [化 33]
[0211] (式中、 X1、 X2、 X3、 X4、 X5、 aおよび cは前記式 (1 ) と同じ; R f 1は 炭素数 1 40の 2価の含フッ素アルキレン基または炭素数 2 1 00のェ 一テル結合を有する 2価の含フッ素アルレン基) で表される単量体であり、 これらは特に重合性が良好であり、 それ自体の単独重合または、 その他の含 フッ素ェチレン性単量体との共重合が可能である点で好ましい。
[0212] 式 (2) の親水性官能基 Yを有する含フッ素エチレン性単量体は、 具体的 には、 式 (2—1 ) :
CH =C FC F -O-R f 1-Y (2-1 )
2 2
(式中、 R f 1は前記式 (2) と同じ) で表される含フッ素エチレン性単量体 があげられる。
[0213] 式 (2-1 ) の単量体は、 具体的には、
[0214] [化 34]
CH2 = CFCF20- CFCF20) pl (CFaQ)-^-
Z1 C Z2 2CF2C 、
または
[0215] (式中、 Z1は Fまたは CF ; Z2 Z3は Hまたは F ; Z4は!"!、 Fまたは CF
3 、 3
; p 1 + q 1 + r 1が 0 1 0の整数; s 1は 0または 1 ; t 1は 0 5の 整数、 ただし、 Z3、 Z4がともに Hの場合、 p 1 + q 1 + r 1 + s 1が 0でな い) で表される含フッ素エチレン性単量体であり、 これらは、 それ自体の単 独重合性に優れ、 含フッ素重合体に親水性官能基 Yをよリ数多く導入でき、 その結果、 保護層 (L 2 ) に撥水性、 耐水性、 防水性と優れた現像液溶解性 を付与できる点で好ましい。
[0216] また、 テトラフルォロエチレンゃフッ化ビニリデンなどの含フッ素ェチレ ン類との共重合性も高く、 保護層 (L 2 ) に撥水性、 耐水性、 防水性を付与 できる。
[0217] さらに具体的には、
[0218] [化 35]
CH2 = C FCF2OC F— Y、 C H 2 = C F C F 2OC F C F 20 C F— Y 、
CF3 CF3 CF3
CH2 = CFCF20- CFCFsOHCF-Y 、 CH2 = CFCF2OCFCH2-Y,
I I I
CF3 CF3 CF3
CH3 = CFCF2OCFCF2OCFCH2-Y ,
CF3 CF3
C H 2 ~ C C 2 ™ C F C F 20 ~¾ C F C rl j―
CF3 CF3 CH2 = CFCF2O H.
CF3
CH2 = CFCF20-(CFCF2O CF-i-OH 、
CF3 CF3 CF3
CH2 = CFCF2OCH2CF2-Y,
CH2 = CFCF20 (CH2CF2CF20) CH2CF2_Y、
CH2 = CFCF2OCH2CF2CH2-Y,
CH2-=CFCFaO (CH2CF2CF20) CH2CF2CH2— Y、
CH2 = CFCF2OCF2CF2-Y,
CH2 = CFCF20 (CF2CF¾CF20) CF2CF2— Y、
CH2 = CFCF2OCF2CF2CH2-Y,
CH2=CFCF20 (CF3CF3CF20) CFaCF2CH2-Y,
CHa=CFCF2OCF2-Y, CHa=CFCF20 (CF2CF20) CFZ-Y.
CH2 = CFCF2OCF2CH2— Y、 CH2 = CFCF20 (CF2CF20) CF2CH2— Y
[0219] などが好ましくあげられ、 なかでも
[0220] [化 36]
CH2 = CFCF2OCF— Y、 CH2 = CFCFaOCFCF2OCF-Y,
CF3 CF3 CF3
CH2 = CFCF204CFCF2。 CF— Y、
CF3 CF3
CH2 = CFCF2OCFCF2OCFCH2-Y,
CF3 CF3 CH2 = CFCF20~ C FC F20 ~sCFCH2— Y、
CF3 CF3
C F 3
CH2 = CFCF2OCFCF2OCF-C-OH
I I !
CF3 CF3CF3
[0221] であることが好ましい。
[0222] 式 (2) の親水性官能基 Yを有する含フッ素エチレン性単量体は、 さらに 式 (2-2) :
C F =C F-O-R f 1-Y (2-2)
2
(式中、 R f 1は前記式 (2) と同じ) で表される含フッ素エチレン性単量体 があげられる。
[0223] 式 (2-2) の単量体は、 具体的には、
[0224] [化 37]
CF2 = CFO (CF2CFO) v2 (CF2
[0225] (式中、 Z5は Fまたは CF ; Z6は Hまたは F; Z7は Hまたは F; p 2 + q
3
2+ r 2が 0 1 0の整数; s 2は 0または 1 ; t 2は 0 5の整数) で表 される含フッ素エチレン性単量体であり、 これらは、 テトラフルォロェチレ ンゃフッ化ビニリデンなどの含フッ素ェチレン類との共重合性も高く、 保護 層 (L 2) に撥水性、 耐水性、 防水性を付与できる。
[0226] 式 (2-2) の単量体は、 さらに具体的には、
[0227] [化 38]
CF2 = CFOCF2CF2— Y、
CF2 = CFOCF2CF02CF2CF2— Y、
I
CF3
CF2 = CFOCF2CF2CF2— Y、
CF2 = CFOCF2CF3CH2-Y,
CF2 = CFOCF2CF02CF2CF2CH2— Y、
CF3
CFz = CFOCF2CF2CF2CH2-Y,
CF2 = CFOCF2CF2OCF2— Y、
CF2 = CFOCF2CFaCF:iOCF2CF2-Y,
CF2 = CFOCF2CF2CH2OCF2CF2— Y、
CF2 = CFOCF2CF2OCF2CH2 - Y、
CF2 = CFOCF2CF2CF2OCF2CF2CH2-Y,
CFz = CFOCF2CF2CH2OCF2CF2CH2-Y [0228] などが好ましくあげられる。
[0229] 式 (2) の親水性官能基 Yを有する他の含フッ素エチレン性単量体として は、
[0230] [化 39]
CF2 = CFCF2-0-R f 1-Y. CF2 = CF-R f し Y、 CH2 = CH_R f し Y、
CH2=CH-0-R ί 1一 Y
[0231] (式中、 R f 1は前記式 (2) と同じ) で表される含フッ素エチレン性単量体 があげられ、 具体的には、
[0232] [化 40]
CF2 = CFCF2OCF2CF2CF2-Y, r F 20CF^C ρ™γ¾
CF3
CF2 = CFCF2OCF2CF2CFzCH2-Y, CF2 = CFCF2OCF2CFCH2-Y.
I
CF2=CFCF2CH2 - Y
CH2=CHCF2CF2CH2CH2-Y,
CH2 = CHCF2CF2— Υ
CH2-CHCF3CF3CH2-Y,
CH2=CHCF2CF2CF2CF2— Y
CH2 = CHCF2CF2CF2CF2CH2-Y,
CH2 = CHOCH2CF2CF2— Y
CH2 = CHOCH2CF2CF2CH2-Y [0233] などがあげられる。
[0234] これらの例示の含フッ素単量体における親水性官能基 Yとしては、 前述の 例示の親水性官能基が好ましくあげられるが、 特に好ましくは- OH -CO OHであり、 特には- CO OHが好ましい。
[0235] 式 (1 ) の親水性官能基 Yを有する含フッ素エチレン性単量体の具体的に 好ましい第二は、 式 (3) :
[0236] [化 41]
し Λ Λ ―し
i | f
(CX4X5 C— OH (3) R1
[0237] (式中、 X1、 X2、 X3、 X4、 X5および aは前記式 (1 ) と同じ; R f 2は炭素 数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素アルキル基; R1は H 、 炭素数 1 1 0の炭化水素基および炭素数 1 1 0のエーテル結合を有し ていても良い含フッ素アルキル基よリなる群から選ばれる少なくとも 1種) で表される含フッ素ェチレン性単量体である。
[0238] これらを用いた含フッ素重合体は、 特に透明性、 さらには撥水性、 耐水性 、 防水性に優れ、 保護層 (L2) に用いた場合、 液浸露光時の解像性、 バタ ーン形状において特に効果的である。
[0239] 式 (3) の含フッ素単量体は、 具体的には、
[0240] [化 42]
R f 2
CH2 = CHCH2C-OH 、
R1
R f 2
CH2=CHC-OH 、
i
R1
R f 2
CF2 = CFC-OH ,
R1
CH2 = CFC-OH
R1
[0241] (式中、 R f2、 R1は式 (3) と同じ) などが好ましくあげられ、 さらに具体 的には、
[0242] [化 43] τ τ _____ Τ I Τ I
し ι™ι2—し ιη ϋ2
CF 一 F
ο 3 >
Η
[0243] が好ましくあげられる。
[0244] 本発明の保護層 (L2) に用いる式 (M-3) の含フッ素重合体は式 (1 ) の親水性官能基を有する含フッ素単量体の単独重合体であっても、 その他の 単量体との共重合体であっても良い。
[0245] 式 (1) の単量体のうち単独重合可能な単量体の場合は、 単独重合体であ る方が、 保護層 (L2) の現像液溶解速度を向上させることが可能であるた めより好ましい。
[0246] また共重合体とする場合、 共重合成分の構造単位 (N 2) は適宜選択でき るが、 現像液溶解性を維持する範囲で撥水性、 耐水性、 防水性を付与する目 的で選択するのが好ましく、 具体的には、 含フッ素エチレン性単量体由来の 構造単位の中から選択される。
[0247] なかでも、 つぎの (N 2-1 ) および (N 2-2) の構造単位から選ばれる ものが好ましい。
[0248] (N 2-1 ) 炭素数 2または 3のエチレン性単量体であって、 少なくとも 1個 のフッ素原子を有する含フッ素ェチレン性単量体由来の構造単位:
この構造単位 N 2-1は、 現像液溶解性を低下させずに効果的に撥水性、 耐 水性、 防水性を付与できたり、 透明性を改善できる点で好ましい。 また、 保 護層の被膜強度を改善できる点でも好ましい。
[0249] 具体的には、 C F =C F、 C F =C FCし CH =C F、 C F H = CH
2 2 2 2 2 :
、 C FH = C F、 C F =C FC F、 CH =C FC F、 CH =CHC Fな
2 2 3 2 3 2 3 どがあげられる。 なかでも、 共重合性が良好でかつ透明性、 撥水性、 耐水性
、 防水性を付与する効果が高い点で、 テトラフルォロエチレン (C F =C F
2 2
) 、 クロ口トリフルォロエチレン (C F_=C FC I ) 、 フッ化ビニリデン ( CH =C F ) が好ましい。
2 2
[0250] (N 2-2) 式 (n 2-2)
[0252] (式中、 ' 5
X1、 X2、 X X4、 X aおよび cは丄前記二,式 (1 ) と同じ; 3
R f は 炭素数 1 40の含フッ素アルキル基または炭素数 2 1 00のエーテル結 合を有する含フッ素アルキル基) で表される単量体由来の構造単位:
この構造単位は、 効果的に撥水性、 耐水性、 防水性を付与したり、 透明性 を改善できる点で好ましい。
[0253] 具体的には、
CH =C F C F -O-R f 3、
2 2
C F =C F-O-R f 3、
2
C F =C F C F -O-R f
2 2
C F =C F-R f 3、
2
CH =CH-R f 3、
2
CH =CH-0-R f 3
(式中、 R は前記式 (n 2-2) と同じ) などが好ましくあげられる。
[0254] 式 (M-3) の含フッ素重合体における各構造単位の存在比率は、 前記の好 ましいフッ素含有率および親水性官能基の含有率に応じて適宜選択されるが 、 好ましくは構造単位 M 3が 30 1 00モル%、 構造単位 N 2が 0 70 モル0 /oであり、 さらに好ましくは構造単位 M 3が 40 1 00モル%、 構造 単位 N 2が 0 60モル0 /o、 よリ好ましくは構造単位 M 3が 50 1 00モ ル%、 構造単位 N 2が 0 50モル%、 特に好ましくは構造単位 M 3が 60 1 00モル%、 構造単位 N 2が 0 40モル0 /oである。
[0255] 式 (M-3) の含フッ素重合体の分子量は、 数平均分子量で 1 000 1 0 00000、 好ましくは 2000 200000、 より好ましくは 3000 -1 00000であり、 特には 5000-50000である。
[0256] 分子量が低すぎると保護層 ( L 2 ) の被膜の強度が低くなりすぎたリ、 ま た下層のフォトレジスト層 (L 1 ) へ含フッ素重合体自体が浸透してしまう などの問題が生じることがある。 また、 保護層の成膜性が悪くなつて均一な 薄膜形成が困難となることもある。
[0257] 本発明の保護層 (L2) に用いる含フッ素重合体 (A 1 ) の好ましい第三 は、 式 (M-4) :
- (M4) - (N 3) - (M-4)
[式中、 構造単位 M 4は親水性官能基 Yとして- COOHを含む式 (4) :
[0258] [化 45]
CX6X7 = CX8 , .
| (4)
COOH
[0259] (式中、 X6、 X7は同じかまたは異なり Hまたは F; X8は H、 F、 Cし CH
または CFであり、 ただし、 X6、 X7、 X8の少なくとも 1つはフッ素原子を
3 3
含む) で表される構造単位;構造単位 N 3は前記式 (4) の含フッ素単量体 と共重合可能な単量体 (n 3) 由来の構造単位] で表され、 構造単位 M4を 1 0-1 00モル0 /o、 構造単位 N 3を 0 90モル0 /o含む含フッ素重合体で める。
[0260] この含フッ素重合体は、 親水性官能基 Yとして- COOHを含む含フッ素単 量体である含フッ素アクリル酸由来の構造単位を現像液溶解性を付与する成 分として含むもので、 特に現像液溶解性に優れたものとなる点で好ましい。
[0261] 式 (4) の含フッ素単量体は、 具体的には、
[0262] [化 46]
CH2 = CF— COOH、 CF2 = CF— COOH、
CF3
[0263] があげられ、 なかでも
[0264] [化 47]
CH2 = CF— COOH、
CH2=C— COOH [0265] が重合性が良好な点で好ましい。
[0266] 本発明の保護層 (L2) に用いる含フッ素重合体 (M-4) は、 式 (4) の 含フッ素単量体の単独重合体であっても良いが、 通常、 共重合により任意の 構造単位 N 3を含有させることが好ましい。
[0267] 共重合成分の構造単位 N 3は、 適宜選択できるが、 現像液溶解性を維持す る範囲で撥水性、 耐水性、 防水性を付与する目的で選択するのが好ましく、 具体的には、 つぎの含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位の中から選択 される。
(N3-1 ) 含フッ素ァクリレート系単量体由来の構造単位:
具体的には、 式 (n 3-1 ) :
[0268] [化 48]
CH2 = CX9
COO-R f (n3 - 1)
[0269] (式中、 X9は H、 Fまたは CH ; R f 4は炭素数 1 40の含フッ素アルキル
3
基または炭素数 2 1 00のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基) で 表される含フッ素ァクリレート単量体由来の構造単位であることが好ましく 、 これらは式 (4) の含フッ素単量体との共重合性が高く、 含フッ素重合体 に撥水性、 耐水性、 防水性を付与できる点で好ましい。
[0270] 式 (n 3-1 ) の含フッ素ァクリレートにおいて、 R f 4基は、
[0271] [化 49]
- CH2) (CF^ Z8
(式中、 Z iH, Fまたは C 1 : d 1は 1〜4の整数; e 1は 1〜10の整数) 、
— CH (CF3) 2、
CF3
- CH2i CF3、
CH3
-CH2CF- 0CF2CF^-^F
CF3 CF3
(式中、 e 2は 1〜5の整数) 、 し 3
™( C H 2^ ~™ ~~ C F ~~ ^3 C F
CF3
[0272] (式中、 d 3は 1 4の整数; e 3は 1 1 0の整数) などがあげられる。
(N3-2) 含フッ素ビニルエーテル系単量体由来の構造単位:
具体的には、 式 (n 3-2)
CH =CHO-R f (n 3-2)
(式中、 R fsは炭素数 1 40の含フッ素アルキル基または炭素数 2 1 0 0のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基) で表される含フッ素ビニル エーテル由来の構造単位であることが好ましく、 これらは式 (4) の含フッ 素単量体との共重合性が高く、 含フッ素重合体に撥水性、 耐水性、 防水性を 付与できる点で好ましい。
[0273] 式 (n 3-2) の単量体は、 具体的には
[0274] [化 50]
C n O C """"" r r
(式中、 Ζ9は Ηまたは F; e 4は 1〜10の整数) 、
(式中、 e 5は 1〜10の整数) 、
= CHOCH2CF- 0CF2CF^- eF
CF3 CF3
[0275] (式中、 e 6は 1 1 0の整数) などが好ましくあげられる。
[0276] より具体的には、
[0277] [化 51]
CHz = CHOCH2CF2CF2H,
CH
2 = CHOCHa- CF
2CF^H
¾ CH
2 = CHOCH CF
2CF
?^H
¾
2 3■»
CH2 = CHOCH2CF3、
CH2 = CHOCH2CHr CF2CF^F,
CH2 = CHOCH2CFOCF2CF2CF3,
CF3
CH2 = CHOCH2CFOCF2CFOCF2CF2CF3
C F a C F 3
[0278] などの単量体由来の構造単位があげられる。
[0279] その他、 つぎの構造単位 (N3-3) や (N3-4) もあげられる。
[0280] (N 3-3) 式 (n 3-3) :
CH =CH CH O-R f 6 (n 3-3)
2 2
(式中、 R f 6は炭素数 1 40の含フッ素アルキル基または炭素数 2 1 0 0のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基) で表される含フッ素ァリル エーテル由来の構造単位。
[0281] (N 3-4) 式 (n 3-4) :
CH =CH-R f 7 (n 3-4)
2
(式中、 R f 7は炭素数 1 40の含フッ素アルキル基または炭素数 2 1 0 0のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基) で表される含フッ素ビニル 単量体由来の構造単位。
[0282] これらは含フッ素重合体に撥水性、 耐水性、 防水性を付与できる点で好ま しい。
[0283] 式 (n 3-3) 、 (n 3-4) の単量体は、 具体的には
[0284] [化 52]
CH2 = CHCH2OCH2CF2CF2H, CH2 = CHCH2OCHH-CF2CF^H¾ CH2 = CHCH2OCH CF2CF2 H、 Ιτί 2―し ϊτ. JiIjj ClAgし"^ 3
CH2 = CHCH2OCH2CF3
CH2 = CHCH2OCH2CHr CF2CF2 - F,
CH2 = CHCH2OCH2CFOCF2CF2CF3,
3
CH2 = CHCH2OCH2CFOCF2CFOCF2CF2CF3、
CF3 CF3
CH2 = CH~ CF2CF F、
し I! 2―し Γΐ^ΤΤ ^ 2し 2*7 ¾
[0285] などがあげられる。
[0286] 式 (Μ-4) の含フッ素重合体における各構造単位の存在比率は、 前記の好 ましいフッ素含有率および親水性官能基の含有率に応じて適宜選択されるが 、 好ましくは構造単位 Μ 4が 1 0 1 00モル%、 構造単位 Ν 3が 0 90 モル%であり、 さらに好ましくは構造単位 Μ 4が 20 80モル%、 構造単 位 Ν 3が 20 80モル0 /ο、 よリ好ましくは構造単位 Μ 4が 30 70モル ο/ο、 構造単位 Ν 3が 30 70モル%、 特に好ましくは構造単位 Μ 4が 40 -60モル0 /ο、 構造単位 Ν 3が 40 60モル0 /οである。
[0287] 構造単位 Μ 4の存在比率が低すぎると、 現像液溶解性が不充分となり、 構 造単位 Μ 4の存在比率が高くなりすぎると、 撥水性、 耐水性、 防水性が悪く なりすぎるため好ましくない。
[0288] 式 (M-4) の含フッ素重合体の分子量は、 数平均分子量で 1 000 1 0 00000、 好ましくは 2000 200000、 より好ましくは 3000 1 00000であり、 特には、 5000 50000である。
[0289] 分子量が低すぎると保護層 ( L 2 ) の被膜の強度が低くなりすぎたリ、 ま た下層のフォトレジスト層 (L 1 ) へ含フッ素重合体自体が浸透してしまう などの問題が生じることがある。 また、 保護層の成膜性が悪くなつて均一な 薄膜形成が困難となることもある。
[0290] 本発明の保護層 (L 2) に用いる、 親水性官能基 Yを有する含フッ素重合 体 (A 1 ) の好ましい第四は、 親水性官能基 Yが重合体主鎖からスぺーサー を介して隔てられた炭素原子に置換した構造を与える構造単位 (M5) を有 する含フッ素重合体である。
[0291] 具体的には、 式 (M-5) :
- (M 1 ) - (M5) - (N 5) - ( M-5)
(式中、 構造単位 M 1は前記と同じ;構造単位 M 5は式 (5) :
[0292] [化 53]
(CH2) a (O) b (C = 0) 。 (O) d S R (5)
[0293] (式中、 Sは炭素数 2 40の 2価の炭化水素基または炭素数 2 1 00の エーテル結合を有する 2価の炭化水素基; R5は親水性官能基 Yまたは炭素数 1 -40の有機基に親水性官能基 Yが 1 4個結合した 1価の有機基; a、 b、 cおよび dは同じかまたは異なり 0または 1 ) で表される単量体 (m5 ) 由来の構造単位;構造単位 N 5は単量体 (m l ) および単量体 (m5) と 共重合可能な単量体 (n 5) 由来の構造単位であって、 構造単位 N 5は親水 性官能基 Yを有していても良いし、 フッ素原子を有していても良い) であつ て、 構造単位 M 1を 1 99モル0 /o、 構造単位 M 5を 1 99モル0 /o、 構造 単位 N 5を 0 98モル%含む含フッ素重合体である。
[0294] 親水性官能基 Yが重合体主鎖からスぺーサ一基 Sを介して隔てられた炭素
原子に置換した構造を与える構造単位 (M5) は、 通常、 構造単位 (M5) を与え得る単量体 (m5) を重合することによって得られ、 単量体 (m5) にフッ素原子を含まない場合は、 他の含フッ素単量体、 具体的には含フッ素 エチレン性単量体 (ml ) と共重合することで重合体にフッ素原子が導入さ れる。
[0295] まず、 式 (M-5) の含フッ素重合体において、 構造単位 (M 1 ) を与える 重合体主鎖にフッ素原子を導入できる含フッ素エチレン性単量体 (ml ) の 具体例としては、 前述の単量体 (ml ) の具体例が好ましく例示できる。
[0296] ついで、 式 (M-5) の含フッ素重合体において、 まず、 構造単位 (M5) を与え得る単量体 (m5) について説明する。
[0297] かかる単量体 (m5) は、 高いアルカリ性現像液溶解性を与える親水性官 能基 Yが重合体主鎖からスぺーサーを介して隔てられた炭素原子に置換した 構造を与える構造単位 (M5) を重合体中に導入することができる。
[0298] この単量体 (m5) を (共) 重合することによって、 親水性官能基 Yと重 合体主鎖との間に導入されるスぺーサ一基 Sによって、 純水に対する溶解性 を制限する効果を重合体に付与できる点で好ましい。
[0299] このスぺーサ一基 Sの構造としては、 芳香環構造を含まない環状、 分岐状 または直鎖状の炭化水素基であることが透明性の観点から好ましい。 さらに 、 スぺーサ一基 Sが直鎖状の構造を含む場合、 重合体に環境応答性を付与で きるため、 液浸露光技術における露光の際の純水と保護層 (L2) との接触 時には対水接触角が大きく純水への溶解性を制限することができ、 続く現像 液との接触時には対水接触角が小さくなり重合体の現像液への親和性を高め ることができる点で好ましい。 スぺーサ一基 Sが環状の構造を含む場合、 撥 水性を重合体に付与できる点で好ましく、 さらに、 後で述べる本願の第二の 発明のフォトレジスト層 (L3) に用いた場合にドライエッチング耐性を重 合体に付与できる点で好ましい。 環状の炭化水素基とは、 単環構造または複 環構造の脂肪族環構造を有する炭化水素基のことであり、 複環構造の脂肪族 環構造を有するものがさらにドライエッチング耐性が向上する点で好ましい
[0300] かかるスぺーサ一基 Sは、 短くなるとその効果が減少し、 純水に溶解した リ膨潤する傾向にあり、 長くなると撥水性が大きくなリすぎたり、 現像液へ の溶解性がなくなる傾向にあるため、 適度な長さをもつことが重要である。 つまり、 好ましいスぺーサ一基 Sとしては、 炭素数 2以上 40以下が好まし く、 炭素数 8以上 20以下のものがさらに好ましい。
[0301] かかるスぺーサ一基 Sの好ましい単環構造としては、 たとえばシクロプロ ピル骨格、 シクロブチル骨格、 シクロペンチル骨格、 シクロへキシル骨格、 シクロへプチル骨格、 シクロォクチル骨格などが好ましく例示できる。
[0302] 複環構造としては、 たとえば
[0303] [化 54]
[0304] などが好ましく例示できる。
[0305] 単量体 (m5) の好ましい第 1は、 ラジカル重合性の炭素-炭素不飽和結合 を有し、 親水性官能基 Yを有し、 重合体中の親水性官能基 Yと重合体主鎖と の間にスぺーサ一部を導入した構造を形成できる単量体であって、 かつフッ 素原子を有しない単量体 (m5-1 ) である。
[0306] 詳しくは、 親水性官能基 Yを有する単環状の Qfォレフィン系の単量体 (m 5-1 a) 、 親水性官能基 Yを有するビニルエーテル系の単量体 (m5-1 b ) 、 親水性官能基 Yを有するァリルエーテル系の単量体 (m5-1 c) から選 ばれるものである。
[0307] これらの単量体 (m5-1 a) 、 (m5-1 b) および (m5_1 c) は、 含 フッ素エチレン性単量体 (m l ) との共重合性が優れている点で好ましい。
[0308] 親水性官能基 Yを有する Qfォレフィン系の単量体 (m5-1 a) は、 具体的 には、
CH =CH-S-Y"
2
(Sは前述のスぺーサ一基; Y5は親水性官能基) の単量体があげられる。
[0309] 親水性官能基 Y5は、 -OH基、 -COOH基または- C (C F ) OH基であ
3 2
リ、 スぺーサ一として Sがあるために、 親水性官能基 Y5は- COOH基である ことが重合体の現像液への溶解性が良い点で好ましい。
[0310] 炭素数 4以上のスぺーサ一基 Sを含む単量体 (m5-1 a) を導入した含フ ッ素重合体は、 撥水性、 耐水性、 防水性をさらに付与できる点で好ましく、 さらに炭素数 8以上の Sを含む単量体 (m5-1 a) を導入した含フッ素重合 体が液浸露光用の保護層の原料として好ましい。
[0311] 親水性官能基 Yを有する Ofォレフィン系の単量体 (m5-1 a) の具体例と しては、
CH =CH- (CH ) -Y
2 2 η
(式中、 ηは 2から 20の整数)
が環境応答性を重合体に付与できる点で好ましくあげられる。
[0312] 親水性官能基 Υを有するビニルエーテル系の単量体 (m5-1 b) は、 具体 的には、
CH =CH-0-S-Y5
2
(Sおよび Y5は前記 (m5-1 a) で例示のものと同じ)
の単量体があげられる。
[0313] 親水性官能基 Yを有しているビニルエーテル系の単量体 (m5-1 b) の具 体例としては、
[0314] [化 55]
CH2 = CH O (CH2) n Y 、 Iti.ヮ JL ) 、ノ ϊ™ΐ
[0315] (式中、 ηは 2から 20の整数; mは 1から 4の整数; oは 0または 1 ) が 好ましく例示される。
[0316] 親水性官能基 Yを有しているァリルエーテル系の単量体 (m5-1 c) は、 具体的には、
CH =CH-CH -O-S-Y5
2 2
(Sおよび Y5は前記 (m5-1 a) で例示のものと同じ) の単量体があげられ る。
[0317] 具体的には、
CH =CH-CH -0- (CH ) -Y
2 2 2 η
CH =CH-CH -O- (C = 0) - (CH ) _Y
2 2 2 n
(式中、 nは 2から 20の整数) が好ましく例示される。
[0318] 単量体 (ml ) および単量体 (m5) と共重合可能な単量体 (n 5) は親 水性官能基 Y含んでいても良いし含んでいなくても良いが、 含フッ素重合体 に、 撥水性、 耐水性、 防水性をさらに付与できる点で親水性官能基 Yを含ま ない単量体が好ましい。 親水性官能基 Yを含まない単量体 (n 5) の好まし い例としては、 前述の単量体 (m2-1 ) 、 アクリル (またはメタクリル) 系 単量体、 含フッ素アクリル (またはメタクリル) 系単量体、 ァリルエーテル 系単量体、 含フッ素ァリルエーテル系単量体、 ビニルエーテル系単量体、 含 フッ素ビニルエーテル系単量体が、 単量体 (ml ) との重合性が良い点で好 ましい。 中でも、 含フッ素単量体は、 含まれるフッ素原子の効果により、 効
果的に撥水性、 耐水性、 防水性をさらに付与できる点で好ましい。 また、 脂 肪族環構造を有する単量体も効果的に撥水性、 耐水性、 防水性をさらに付与 できる点で好ましい。
[0319] 具体的に単量体 (n 5) の例としては、 前述の単量体 (n 1 ) の例示のう ちで親水性官能基 Yを含まない単量体 (n 1-1 ) 、 前述の単量体 (m2-1 ) 、 単量体 (n 2-2) 、 単量体 (n 2-3) 、 単量体 (n 2-4) 、 単量体 ( n 3-1 ) 、 単量体(n 3-2)が同様に挙げられる。
[0320] さらに、 単量体 (n 3-1 ) の中でも
CH =CH COO- (CH ) - (C F ) _X、
2 2 n 2 m
CH =C (CH ) COO- (CH ) - (C F ) _X、
2 3 2 n 2 m
CH =C (C F ) COO- (CH ) - (C F ) _X、
2 3 2 n 2 m
CH =C FCOO- (CH ) - (C F ) _X
2 2 n 2 in
(nは 1または 2 ; mは 2から 20の整数; Xは Hまたは F)
などが、 効果的に撥水性、 耐水性、 防水性をさらに付与できる点で好ましく 挙げられる。
[0321] 式 (M-5) の含フッ素重合体における各構造単位の存在比率は、 前記の好 ましいフッ素含有率および親水性官能基の含有率に応じて適宜選択されるが 、 好ましくは構造単位 M 1が 1 0 99モル%、 構造単位 M 5が 1 0 99 モル%、 構造単位 N 5が 0 80モル%であり、 さらに好ましくは構造単位 M 1が 30 70モル%、 構造単位 M 5が 30 70モル%、 構造単位 N 5 が 0 30モル%、 よリ好ましくは構造単位 M 1が 40 60モル%、 構造 単位 M 5が 40 60モル%、 構造単位 N 5が 0 20モル%、 特に好まし <は構造単位 M 1が 45 55モル%、 構造単位 M 5が 45 55モル0 /o、 構造単位 N5が 0 1 0モル0 /oである。
[0322] 構造単位 M 5の存在比率が低すぎると、 現像液溶解性が不充分となり、 構 造単位 M 5の存在比率が高くなりすぎると、 撥水性、 耐水性、 防水性が悪く なりすぎるため好ましくない。
[0323] 本発明で得られる式 (M-5) の含フッ素重合体の分子量は、 数平均分子量
で 1 000^1 00000、 好ましくは 2000 50000、 より好まし くは 2000 1 0000であり、 重量平均分子量で 2000 20000 0、 好ましくは 3000 50000、 より好ましくは 3000^1 000 0である。
[0324] 分子量が低すぎると保護層 ( L 2 ) の被膜の強度が低くなりすぎたリ、 ま た下層のフォトレジスト層 (L 1 ) へ含フッ素重合体自体が浸透してしまう などの問題が生じることがある。 また、 保護層の成膜性が悪くなつて均一な 薄膜形成が困難となることもある。
[0325] 本発明の第一のレジスト積層体の保護層 (L 1 ) に用いる、 親水性官能基 Yを有する含フッ素重合体 (A 1 ) の好ましい第五は、 重合体主鎖に脂肪族 環構造を有しかつ親水性官能基 Yが重合体主鎖からスぺーサ一基 Sを介して 隔てられた炭素原子に置換した構造を与える構造単位 (M6) を有する式 ( M-6) :
- (M 1 ) - (M6) - (N) - (M-6)
(式中、 構造単位 M 1、 Nは前述の式 (M-1 ) と同じ;構造単位 M 6は重合 体主鎖に脂肪族環構造を与えかつ親水性官能基 Yが重合体主鎖からスぺーサ 一基 Sを介して隔てられた炭素原子に置換した構造を与え得る単量体 (m 6 ) 由来の構造単位) であって、 構造単位 M 1を 1 99モル%、 構造単位 M 6を 1 99モル0 /o、 構造単位 Nを 0 98モル0 /o含む含フッ素重合体であ る。 スぺーサ一基 Sは、 炭素数 2 40の 2価の炭化水素基または炭素数 2 - 1 00のエーテル結合を有する 2価の炭化水素基である。
[0326] まず、 式 (M-6) の含フッ素重合体において、 重合体主鎖に脂肪族環構造 かつ親水性官能基 Yが重合体主鎖からスぺーサ一基 Sを介して隔てられた炭 素原子に置換した構造の構造単位 (M6) を与え得る単量体 (m6) につい て説明する。
[0327] かかる単量体 (m6) は、 後で述べる本願の第二の発明のフォトレジスト 層 (L3) に用いた場合ドライエッチング耐性を向上させる脂肪族環構造の 構造単位 (M6) を重合体主鎖中に導入することができる。 単量体 (m6)
中のスぺーサ一基 sの構造としては、 芳香環構造を含まない環状、 分岐状ま たは直鎖状の炭化水素基であることが透明性が良好である点から好ましい。 さらに、 スぺーサ一基 sが直鎖状の構造を含む場合、 重合体に環境応答性を 付与できるため、 液浸露光技術における露光の際の純水と保護層 (L 2 ) と の接触時には対水接触角が大きく純水への溶解性を制限することができ、 続 <現像液との接触時には対水接触角が小さくなリ重合体の現像液への親和性 を高めることができる点で好ましい。 スぺーサ一基 Sが環状の構造を含む場 合、 後で述べる本願の第二の発明のフォトレジスト層 (L 3 ) に用いた場合 にドライエッチング耐性を重合体に付与できる点で好ましく、 また、 撥水性 を重合体に付与できる点で好ましい。
[0328] かかるスぺーサ一基 Sは、 短くなるとその効果が減少し、 純水に溶解した リ膨潤する傾向があり、 長くなると撥水性が大きくなリすぎたり、 現像液へ の溶解性がなくなる傾向があるため、 適度な長さをもつことが重要である。 つまり、 好ましいスぺーサ一基 Sとしては、 炭素数 2以上 4 0以下のものが 撥水性、 耐水性、 防水性をさらに付与できる点で好ましく、 炭素数 4以上 1 0以下のものがさらに液浸露光時の保護作用に優れている点で好ましい。
[0329] さらにスぺーサ一基 Sは、 芳香環構造を含まない環状、 分岐状または直鎖 状の炭化水素基であることが透明性が良好である点から好ましい。 また、 ス ぺーサ一基 Sは環状の炭化水素基であることがドライエッチング耐性向上の 観点から好ましい。 環状の炭化水素基とは、 単環構造または複環構造の脂肪 族環構造を有する有機基をいい、 複環構造の脂肪族環構造を有するものがさ らにドライエッチング耐性が向上する点で好ましい。
[0330] 単環構造としては、 たとえばシクロプロピル骨格、 シクロブチル骨格、 シ クロペンチル骨格、 シクロへキシル骨格、 シクロへプチル骨格、 シクロォク チル骨格などが好ましく例示できる。
[0331 ] 複環構造としては、 たとえば
[0332] [化 56]
[0333] などが好ましく例示できる。
[0334] 単量体 (m 6 ) は、 ラジカル重合性の炭素-炭素不飽和結合を環構造中に有 する不飽和環状化合物から選ばれるものであってもよいし、 ジェン化合物の 環化重合により主鎖に環構造を形成させることができる非共役ジェン化合物 から選ばれるものであってもよい。
[0335] また単量体 (m 6 ) は、 その単量体中に親水性官能基 Yを有しており、 こ の単量体 (m 6 ) を (共) 重合することによって、 主鎖に単環構造または複 環構造の脂肪族環構造単位を有する重合体を得ることができる。
[0336] 単量体 (m 6 ) の与えるポリマー主鎖中の単環または複環構造としては、 たとえばシクロプロピル骨格、 シクロブチル骨格、 シクロペンチル骨格、 シ クロへキシル骨格、 シクロへプチル骨格、 シクロォクチル骨格、
[0337] [化 57]
[0338] などが好ましく例示でき、 これらの構造単位の水素原子の一部が- S - R基で 置換された誘導体の構造単位である。
[0339] 好ましい単量体 (m 6 ) としては、 ラジカル重合性の炭素-炭素不飽和結合 を有し、 ポリマー主鎖に単環または複環構造を形成できる単量体であって、
かつスぺーサ一基 Sと親水性官能基 Yを有する単量体である。
[0340] つまリ、 親水性官能基 Yを有する複環状の脂肪族不飽和炭化水素化合物か らなる単量体 (m6-1 ) 、 親水性官能基 Yを有する単環状の脂肪族不飽和炭 化水素化合物からなる単量体 (m6-2) 、 または後述する環化重合可能な非 共役ジェン化合物であって親水性官能基 Yを有する単量体 (m6-3) から選 ばれるものである。
[0341] 単量体 (m6) の好ましい第 1である単量体 (m6_1 ) は、 重合体主鎖か らスぺーサ一基 Sを介して隔てられた炭素原子に親水性官能基 Yが置換した 構造を与え得るノルポルネン誘導体であることが単量体 (ml ) との重合性 が高い点で好ましい。 さらに単量体 (m6-1 ) はノルポルネン骨格中にフッ 素原子を含まない構造のものがドライエッチング耐性の観点から好ましい。
[0342] 具体的には、 単量体 (m6-1 ) が、 式:
[0343] [化 58]
[0344] (式中、 Sは炭素数 2 40の 2価の炭化水素基または炭素数 2 1 00の エーテル結合を有する 2価の炭化水素基であるスぺーサ一基; R6は親水性官 能基 Yまたは炭素数 1 40の有機基に親水性官能基 Yが 1 4個結合した 1価の有機基; m、 oは 0または 1 ) であることが好ましい。 単量体 (m6- 1 ) に含まれる親水性官能基 Yが 1つの場合には、 重合体の現像液溶解性の 観点から Yは CO OH基であることが好ましい。
[0345] さらに具体的には、 単量体 (m6-1 ) が式:
[0346] [化 59]
[0347] (式中、 Sは前記スぺーサ一基; m、 oは 0または 1 ) であることが好まし い。
[0348] 親水性官能基 Y6は、 -OH基、 -COOH基または- C (C F ) OH基であ
3 2
リ、 スぺーサ一基 Sがあるために、 親水性官能基 Y6は- COOH基であること が重合体の現像液への溶解性が良い点で好ましい。
[0349] 具体的には、 単量体 (m6-1 ) が式:
[0351] (式中、 oは 0または 1 ; nは 2から 20の整数) であることが、 重合体に 適度な環境応答性を付与できる点で好ましい。 さらに nは 4以上 1 0以下で あることが、 重合体の必要なガラス転移温度が保たれる点で好ましい。
[0352] つぎに単量体 (m6) の好ましい第 2である親水性官能基 Yを有する単環 状の脂肪族不飽和炭化水素化合物からなる単量体 (m6-2) について述べる 。 単環状の単量体 (m6-2) は環構造中にエーテル結合を含んでいてもよい 3員環 8員環構造の不飽和炭化水素化合物であることが好ましい。 また前 述と同様、 単量体 (m6-2) の水素原子の一部またはすべてがフッ素原子で 置換された単量体であってもよい。
[0353] 親水性官能基 Yを有する単環状の単量体 (m6-2) は、 具体的には、
[0354] [化 61] - R(
[0355] (式中、 Sはスぺーサ一基、 R6は前記と同じ)
などの単量体があげられる。
[0356] 単量体 (m6) の好ましい第 3は、 重合により脂肪族環構造を形成するこ とができ、 かつスぺーサ一基 Sと親水性官能基 Yを有する非共役のジェン化 合物である。 非共役ジェン化合物は、 主鎖中に環構造の構造単位を有する重 合体を効率よく与えることができ、 前述と同様、 真空紫外領域の透明性も改 善できるものである。
[0357] 非共役ジェン化合物 (m6-3) としては、 たとえば環化重合し主鎖に単環 構造を与える特定のジビニル化合物が好ましくあげられる。
[0358] 具体例としては、 たとえばスぺーサ一基 Sと親水性官能基 Yを有する式:
[0359] [化 62]
ττ —— ^· τ τ
[0360] (式中、 Sおよび R6は前記と同じ; Zは水素原子または炭素数 1 5のエー テル結合を有していてもよい炭化水素基; a、 bは 0または 1 ) で表される ジァリル化合物があげられる。
[0361 ] このジァリル化合物をラジカル環化重合することにより、
[0362] [化 63] 一 CH2 CH2 -
z\c二 O) a - (O) b-S-R6 または、
[0363] (式中、 Sおよび R6は前記と同じ; Zは水素原子または炭素数 1 5のエー テル結合を有していてもよい炭化水素基; a、 bは 0または 1 ) で示される 単環状の構造単位を主鎖中に形成することができる。
[0364] 式 (M-6) の含フッ素重合体には、 現像液溶解性の改善を目的に (ml ) や (m6) と共重合可能な親水性官能基 Yを有する単量体 (n-2) を共重合 させても良い。 具体的な単量体 (n-2) としては、 式 (M-1 ) に例示の単 量体から選ばれるのが好ましい。
[0365] 本発明では、 単量体 (ml ) 、 (m6) および (n-2) に加え、 または単 量体 (n-2) に換えて、 さらに任意の構造単位 (N) を与える親水性官能基 Yを有しない任意の単量体 (n-1 ) として、 ラジカル重合性の単量体を、 得 られる含フッ素共重合体に別異の特性、 たとえば機械的強度や塗工性などを 改善する目的で共重合してもよい。
[0366] そうした任意の単量体 (n-1 ) としては、 式 (M-1 ) に例示の単量体か ら選ばれるものが好ましい。
[0367] 本発明における式 (M-6) の含フッ素重合体の分子量は、 数平均分子量で
1 000-1 00000、 好ましくは 2000 50000、 より好ましく は 2000 1 0000であり、 重量平均分子量で 2000 200000
、 好ましくは 3000 50000、 より好ましくは 3000^ 1 0000 である。
[0368] 本発明の保護層 (L 2) に用いる含フッ素重合体 (A 1 ) の好ましい具体 例は、 つぎの式 (M-3-1 ) 、 式 (M-3-2) および式 (M-4-1 ) で表さ れる含フッ素重合体があげられる。
[0369] 式 (M-3-1 ) :
- (M3-1 ) - (M-3-1 )
[式中、 構造単位 M 3-1は式 (2-1 ) :
CH =C FC F -O-R f -Y (2-1 )
2 2
(式中、 R f 1は前記式 (2) と同じ) で表される単量体由来の構造単位] で表され、 数平均分子量で 1 000 200000の含フッ素重合体である 。 つまり、 式 (2-1 ) の単量体から選ばれる 1種または 2種以上の単量体か らなる、 含フッ素ァリルエーテル単独重合体である。 これらは高いフッ素含 有率と、 高い親水性基含有率を両立できるため、 撥水性、 耐水性、 防水性と 現像液溶解性に優れる点で好ましい。
[0370] 式 (M-3-2) :
- (M3-2) - (N 2-1 ) - (M-3-2)
[式中、 構造単位 M 3-2は式 (3) :
[0371] [化 64]
(C IX4XS C V— OH (3)
[0372] (式中、 X1、 X2、 X3、 X4、 X5、 R f 2、 R1および aは前記式 (3) と同じ ) で表される単量体由来の構造単位;構造単位 N 2-1は炭素数 2または 3の エチレン性単量体であって、 少なくとも 1個のフッ素原子を有する含フッ素 エチレン性単量体由来の構造単位] で表され、 構造単位 M 3-2を 30 70 モル%、 構造単位 N 2-1を 30 70モル%含み、 数平均分子量が 1 000
-200000の含フッ素重合体である。
[0373] 構造単位 M 3-2は式 (3) の単量体の中で、 前述の例示のものが同様に好 ましく、 なかでも
[0374] [化 65] R I R f 2
CH2 = CHCH2C— OH 、 Rl
R f '
CH C h C OH
[0375] (式中、 R f 2、 R'は式 (3) と同じ) で表される単量体から選ばれる単量体 由来の構造単位であることが好ましい。
[0376] 構造単位 N 2-1は、 上記のなかでもテトラフルォロエチレン、 クロ口トリ フルォロエチレンから選ばれる単量体由来の構造単位であることが好ましい
[0377] これらは、 特に紫外領域の光に対して透明性が高く、 かつ撥水性、 耐水性
、 防水性を付与できる点で好ましい。
[0378] 式 (M-4-1 ) :
- (M4) - (N 3-2) - (M-4-1 )
[式中、 構造単位 M 4が式 (4) :
[0379] [化 66]
CX6X7 = CX8 f 、 j 4)
COOH
[0380] (式中、 X6、 X7および X8は前記式 (4) と同じ) で表される単量体由来の構 造単位;構造単位 N 3-2は式 (n 3-2) :
CH =CHO-R f 5 (n 3-2)
2
(式中、 R f 5は前記式 (n 3-2) と同じ) で表される単量体由来の構造単位
] で表され、 構造単位 M4を 30 70モル0 /ο、 構造単位 Ν 3-2を 30 7 0モル%含み、 数平均分子量が 1 000 200000の含フッ素重合体で める。
[0381] 構造単位 Μ4は式 (4) の単量体の中で、 前述の例示のものが同様に好ま しく、 なかでも特に、
[0382] [化 67]
CH2 = CF - COOH、
CH2-C~-COOH
[0383] が好ましい。
[0384] 構造単位 N 3-2は式 (n 3-2) の単量体の中で、 前述の例示のものが同 様に好ましく、 なかでも
[0385] [化 68]
CH2 = CHOCH-2- CF ™ 7Z9
[0386] (式中、 Z9は Hまたは F; 64は1 1 0の整数) で表される単量体由来の 構造単位であることが好ましい。
[0387] これらは、 特に、 現像液溶解性に優れたものとなる点で好ましい。
[0388] 本発明の第一のレジスト積層体は、 予め形成されたフォトレジス卜層 (L
1 ) 上に保護層 (L2) が、 前述の含フッ素重合体 (A 1 ) を含むコーティ ング組成物を塗布することで形成される。
[0389] 保護層 (L2) を形成するコーティング組成物は、 前記親水性官能基 Yを 有する含フッ素重合体 (A 1 ) と溶剤 (C 1 ) とからなるものである。
[0390] 溶剤 (C 1 ) は、 含フッ素重合体 (A 1 ) を均一に溶解させるものから選 ばれることが好ましく、 成膜性の良好な溶剤を適宜選択し、 利用される。
[0391] 具体的には、 セロソルブ系溶剤、 エステル系溶剤、 プロピレングリコール 系溶剤、 ケトン系溶剤、 芳香族炭化水素系溶剤、 アルコール系溶剤、 水また はこれらの混合溶剤が好ましくあげられる。 さらに含フッ素重合体 (A 1 )
の溶解性、 成膜性を高めるために、 CH CC I F (HC FC-1 4 1 b) な
3 2
どの含フッ素炭化水素系溶剤やフッ素アルコール類などのフッ素系溶剤を併 用してもよい。
[0392] コーティング組成物を塗布したとき、 予め形成された下層のフォトレジス 卜被膜 (L 1 ) を再溶解させない溶剤から選ばれることが好ましく、 その点 からも水および Zまたはアルコール類であることが好ましい。
[0393] これらの溶剤 (C 1 ) の量は、 溶解させる固形分の種類や塗布する基材、 目標の膜厚、 などによって選択されるが、 塗布のし易さという観点から、 フ オトレジスト組成物の全固形分濃度が 0. 5 70重量%、 好ましくは 1 50重量%となるように使用するのが好ましい。
[0394] 溶剤 (C 1 ) のうち、 水は、 水であれば特に制限されないが、 蒸留水、 ィ オン交換水、 フィルター処理水、 各種吸着処理などにより有機不純物や金属 イオンなどを除去したものが好ましい。
[0395] アルコール類は、 フォトレジスト層 (L 1 ) を再溶解させないものから選 ばれ、 下層のフォトレジスト層 (L 1 ) の種類に応じて適宜選択されるが、 一般に低級アルコール類が好ましく、 具体的にはメタノール、 エタノール、 ィソプロパノール、 n-プロパノールなどが好ましい。
[0396] なお、 これら溶剤 (C 1 ) に加えて、 フォトレジスト層 (L 1 ) を再溶解 させない範囲内で、 塗布性等の改善を目的として、 水に可溶な有機溶媒を併 用しても良い。
[0397] 水に可溶な有機溶媒としては、 水に対して 1質量%以上溶解するものであ ればとくに制限されない。 例えば、 アセトン、 メチルェチルケトンなどのケ トン類;酢酸メチル、 酢酸ェチルなどの酢酸エステル類; ジメチルホルムァ ミド、 ジメチルスルホキシド、 メチルセ口ソルブ、 セロソルブアセテート、 プチルセ口ソルブ、 プチルカルビトール、 カルビトールアセテートなどとい つた極性溶媒などが好ましく挙げられる。
[0398] 水またはアルコール類に加えて添加される水溶性の有機溶媒の添加量は、 溶剤 (C 1 ) 全体量に対し、 0. 1 50質量%、 好ましくは 0. 5 30
質量%、 より好ましくは 1 2 0質量%、 特に好ましくは 1 1 0質量%で める。
[0399] 本発明の保護層 (L 2 ) を形成するコーティング組成物は、 必要に応じて 、 塩基性の物質、 例えばアンモニアまたは有機アミン類から選ばれる少なく とも 1種を添加しても良い。 この場合、 コーティング組成物中で p K aが 1 1以下の酸性 O H基は、 たとえばアンモニゥム塩、 アミン塩などの形で親水 性誘導体部位になっていることもある。
[0400] 塩基性物質の添加は、 特に含フッ素重合体 (A 1 ) 中の親水性官能基 Yが- C O O Hまたは- S O Hであるとき、 水溶性■現像液溶解性を向上させる点で
3
、 また、 現像液溶解速度の再現性を保っために有効である。 また、 コーティ ング組成物の p Hを最適な範囲に調整するためにも有効である。
[0401 ] 有機ァミン類は水溶性の有機ァミン化合物が好ましく、 例えばメチルァミ ン、 ェチルァミン、 プロピルァミンなどの第一級ァミン類; ジメチルァミン 、 ジェチルァミンなどの第二級ァミン類; 卜リメチルァミン、 卜リエチルァ ミン、 ピリジンなどの第三級ァミン類;モノエタノールァミン、 プロパノー ルァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールァミン、 卜リス (ヒドロキ シメチル) ァミノメタンなどのヒドロキシルァミン類;水酸化テトラメチル アンモニゥム、 水酸化テトラエチルアンモニゥム、 水酸化テトラプロピルァ ンモニゥム、 水酸化テトラプチルアンモニゥムなどの第四級アンモニゥム化 合物などが好ましく挙げられる。
[0402] なかでも、 現像液溶解速度の向上という面で、 モノエタノールァミン、 プ ロパノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールァミン、 トリス ( ヒドロキシメチル) ァミノメタンなどのヒドロキシルァミン類であることが 好ましく、 なかでも特にモノェタノールァミンが好ましい。
[0403] またさらに、 本発明の保護層 (L 2 ) を形成するコーティング組成物には 、 必要に応じて、 消泡剤、 吸光剤、 保存安定剤、 防腐剤、 接着助剤、 光酸発 生剤などを添加しても良い。
[0404] 本発明の保護層 (L 2 ) を形成するコーティング組成物において、 親水性
基含有含フッ素重合体 (A 1 ) の含有率は、 重合体の種類、 分子量、 添加物 の種類、 量、 溶剤の種類などによって異なり、 薄層被膜を形成可能となる適 切な粘度となるように適宜選択される。 例えばコーティング組成物全体に対 し 0. 1 50質量%、 好ましくは 0. 5 30質量%、 より好ましくは 1 20質量0 /o、 特には 2 1 0質量%である。
[0405] コーティング組成物はフォトレジスト層 (L 1 ) 上に塗布され、 保護層 (
L 2) を形成しレジスト積層体の最外層を形成する。
[0406] 塗布方法としては従来公知の方法が採用され、 特に回転塗布法、 流延塗布 法、 ロール塗布法などが好適に例示でき、 なかでも回転塗布法 (スピンコー 卜法) が好ましい。
[0407] 保護層の膜厚は親水性基含有含フッ素重合体 (A 1 ) の種類、 液浸露光条 件、 水との接触時間などによって異なり、 適宜選択されるが、 通常 1 ^50 0 n m、 好ましくは 1 0 300 nm、 より好ましくは 20 200 nm、 特には 30- 1 00 nmである。
[0408] 本発明の含フッ素重合体 (A 1 ) は、 透明性が高いため、 保護層を厚く施 しても良好な微細/《タ一ン形成が可能となる。
[0409] 本発明のレジスト積層体において、 フォトレジス卜層 (L 1 ) は従来のフ ォトレジス卜組成物を用いて形成される層であり、 後述するウェハなどの基 板上に形成される。
[0410] 例えばノポラック樹脂とジァゾナフトキノンを主成分とするポジ型フォ卜 レジスト (g線、 i線リソグラフィー) 、 ポリヒドロキシスチレンをバイン ダー樹脂に用いた化学増幅型ポジ型またはネガ型レジス卜 (K r Fリソグラ フィ一) 、 側鎖に脂環式構造を有するアクリル系ポリマーやポリノルポルネ ン構造を有する脂環式重合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォトレジス卜 (A r Fリソグラフィー) を成膜して得られる層である。
[0411] フォトレジスト層 (L 1 ) の膜厚は、 作製するデバイスの種類や目的、 そ れを得るためのエッチングなどのプロセス条件、 レジスト層の種類 (透明性 やドライエッチング耐性の程度など) によって異なり、 適宜選択されるが、
通常 1 0 5 0 0 0 n m、 好ましくは 5 0 1 0 0 0 n m、 よリ好ましくは 1 0 0 5 0 0 n mである。
[0412] 本発明の保護層 (L 2 ) は、 純水を用いた液浸露光時、 従来のフォ卜レジ スト層を最外層に持つもの、 または従来のレジス卜用反射防止層を最外層に もつものなどに比べ、 撥水性、 耐水性、 防水性の少なくとも 1つについて優 れているため、 特に側鎖に脂環式構造を有するァクリル系ポリマーゃポリノ ルポルネン構造を有する脂環式重合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォ卜 レジスト (A r Fリソグラフィー) を用いた液浸フォトリソグラフィープロ セスにおいて特に好ましく適用でき、 精密なパターン形状やパターンの高寸 法精度、 さらにはそれらの再現性において効果的に目的を達成するものであ る。
[0413] 本発明の第一のレジスト積層体における基板としては、 例えばシリコンゥ ェハー;ガラス基板;有機系または無機系反射防止膜が設けられたシリコン ウェハーやガラス基板;表面に各種の絶縁膜、 電極および配線などが形成さ れた段差を有するシリコンウェハー;マスクブランクス; G a A s、 A I G a A s等の I I I -V族化合物半導体ウェハーや I I -V I族化合物半導体ゥ ェハー;水晶、 石英またはリチウムタンタレイ卜等の圧電体ウェハーなどが あげられる。
[0414] また、 いわゆる基板の上にて限定されるものではなく、 基板上の導電膜あ るいは絶縁膜など所定の層の上に形成されてよい。 また、 かかる基板上に例 えば Br ewer Sc i ence社製の DUV-30、 DUV-32. DUV-42. DUV-44などの反射防止 膜 (下層反射防止層) を施すことも可能であるし、 基板を密着性向上剤によ つて処理しても良い。
[0415] つぎに本発明の第一のレジスト積層体の製造法、 つまリフォトレジス卜層
( L 1 ) 上に保護層 (L 2 ) を設けてレジスト積層体を形成する方法、 さら にはそのフォトレジスト積層体を用いて液浸露光により微細パターンを形成 する方法の一例を図面を参照して説明する。
[0416] 図 1は、 本発明の第一のレジスト積層体の形成方法、 および液浸露光微細
パターン形成方法の各工程 (a) (e) を説明するための概略図である。
[0417] (a) フォトレジスト層 (L 1 ) の形成工程:
まず、 図 1 (a) に示すように基板 (LO) にフォトレジスト組成物を回 転塗布法等によって 1 0 5000 nm、 好ましくは 50-1 000 n m、 より好ましくは 1 00 500 nmの膜厚で塗布する。
[0418] ついで 1 50°C以下、 好ましくは 80 1 30°Cの所定の温度でプリべ一 ク処理を行って、 フォトレジスト層 (L 1 ) を形成する。
[0419] (b) 保護層 (L2) の形成工程:
図 1 (b) に示すように、 乾燥後のフォトレジスト層 (L 1 ) 上に、 前述 の含フッ素重合体 (A 1 ) を含むコーティング組成物を回転塗布法等によつ て塗布する。 ついで、 必要に応じてプリべークを行ない、 保護層 (L2) を 形成する。
[0420] プリべークは、 保護層 (L2) 中の残留溶剤 (C 1 ) を蒸発させ、 さらに 均質な薄層被膜を形成するために適宜、 条件選択される。 例えばプリべーク 温度は室温 1 50°Cの範囲内から選ばれ、 好ましくは 40 1 20°C、 よ リ好ましくは 60 1 00°Cである。
[0421] (c) 液浸露光工程:
つぎに図 1 (c) に示すように、 レジスト積層体 (L 1 +L2) に、 所望 のパターンを有するマスク 1 1および縮小投影レンズ 1 4を介して、 矢印 1 3で示すようにエネルギー線を照射し、 特定の領域 1 2を選択的に露光する ことによってパターン描画を行なう。
[0422] 本発明においては、 縮小投影レンズ 1 4とレジスト積層体の間に純水 1 5 を満たした状態で露光するものである。
[0423] 本発明の第一のレジスト積層体は、 これら純水で満たした状態において、 保護層 (L2) の効果により、 精密なパターン形状やパターンの高寸法精度 、 さらにはそれらの再現性において目的を達成するものである。
[0424] このときエネルギー線 (あるいは化学放射線) としては、 例えば g線 (4 36 n m波長) 、 i線 ( 365 n m波長) 、 K r Fエキシマレーザー光 ( 2
48 n m波長) 、 A r Fエキシマレーザー光 (1 93 n m波長) などが使用 可能であり、 それぞれのプロセスにおいて解像度を向上させることができる
[0425] なかでも A r Fエキシマレーザー光 (1 93 n m波長) において、 液浸露 光の高解像化効果がよリ発揮される。
[0426] 続いて、 70 1 60°C、 好ましくは 90 1 40°〇で30秒間 1 0分 間程度の露光後べ一キング (PEB工程) を行うことによって、 図 1 (d) に示すように、 フォトレジスト層 (L 1 ) の露光領域 1 2に潜像を形成させ る。 このとき、 露光によって生じた酸が触媒として作用して、 フォトレジス 卜層 (L 1 ) 中の溶解抑止基 (保護基) が分解されるため現像液溶解性が向 上し、 レジスト膜の露光部分が現像液に可溶化する。
[0427] ( d ) 現像工程:
ついで露光後べ一キングを行ったフォトレジスト層 (L 1 ) に対して現像 液で現像処理を行うと、 フォトレジスト層 (L 1 ) の未露光部分は現像液に 対する溶解性が低いため基板上に残存するが、 一方、 上述したように露光領 域 1 2は現像液に溶解する。
[0428] 一方、 上層の保護層 (L2) は、 露光部、 未露光部に関わらず現像液溶解 性に優れているため、 現像工程で露光部と同時に除去される。
[0429] 現像液としては 2. 38重量0 /0のテトラメチルアンモニゥムヒドロキシド 水溶液が好ましく用いられる。 保護層 (L2) 表面、 フォトレジスト層 (L 1 ) 表面との濡れ性を調整するため、 2. 38重量%のテトラメチルアンモ 二ゥムヒドロキシド水溶液中に界面活性剤やメタノール、 エタノール、 プロ パノールまたはブタノールなどのアルコール類を添加したものを用いても良 い。
[0430] ついで、 純水、 低級アルコールまたはそれらの混合物などで前記現像液を 洗い流したあと、 基板を乾燥させることにより、 図 1 (e) に示すような所 望のレジス卜パターンを形成することができる。
[0431] また、 このように形成した微細レジストパターンをマスクとして、 その下
の所定の層をエツチングして導電膜あるいは絶縁膜の所望の微細バターンを 形成し、 さらに他の工程を重ねて半導体装置など電子装置を製造することが できる。 これらの工程はよく知られているところであるから、 説明は省略す る。
[0432] 本発明の第二のレジスト積層体は、 基材上にフォトレジスト層 (L3) を 有するレジスト積層体であって、 該フォトレジスト層 (L3) が該積層体の 最表面に形成されており、 該フォトレジスト層 (L3) が酸で解離してアル カリ可溶性基に変換可能な保護基 Y2を有する含フッ素重合体 (A2) と光酸 発生剤 (B2) を含むことを特徴とする露光紫外光が波長 1 93 nm以上で ある液浸リソグラフィー用レジスト積層体である。
[0433] 本発明者らは、 これらフォトレジスト層 (L3) を最表面に有するレジス ト積層体を、 純水を液状媒体として用いる液浸フォトリソグラフィープロセ スに用いることで、 従来の A r Fレジス卜や K r Fレジス卜からなる被膜表 面では解決困難であった液浸露光プロセスによるパターンの欠陥、 不良を改 善できることを見出した。
[0434] 本発明の第二において、 含フッ素重合体 (A2) からなるフォトレジスト 層 (L3) は、 それ自体、 最表面に使用し純水に接触させても、 撥水性、 耐 水性、 防水性の少なくとも 1つに優れるため、 フォトレジスト層 (L3) に 含まれる光酸発生剤の拡散や溶出、 クェンチヤ一の拡散や溶出などを抑制す ることができると考えられる。
[0435] 本発明のレジスト積層体は含フッ素重合体 (A2) からなるフォトレジス 卜層 (L3) を基材に直接施したものであってもよいし、 従来の A r Fレジ ストや K r Fレジストからなるフォトレジス卜層 (L3-1 ) 上に、 前述と同 様保護の役割を有する層として施したものであってもよい。
[0436] なかでも最外層を形成するフォトレジスト層 (L3) は、 露光後の現像特 性を著しく低下させない範囲で、 撥水性が高い方が好ましい。
[0437] 例えば、 好ましくは対水接触角で 70° 以上、 より好ましくは 75° 以上 、 特に好ましくは 80° 以上であり、 上限の好ましくは 1 1 0° 以下、 より
好ましくは 1 00° 以下、 特に好ましくは 90° 以下である。
[0438] フォトレジスト層 (L 3) 表面の対水接触角が低すぎると、 純水との接触 後、 水の浸透速度が早くなリ、 フォトレジスト層 (L 3) 自体の吸水ゃ膨潤 が大きくなつたり、 または、 フォトレジスト層 (L 3) に含まれる光酸発生 剤ゃァミン類などの添加物が溶出し、 解像度や微細パターンの形状に悪影響 を与えるため好ましくない。 また、 従来のフォトレジスト層 (L 3-1 ) 上に 本発明の最外層を形成するフォトレジスト層 (L 3) を積層させる場合、 下 層のフォトレジスト層 (L 3-1 ) へ水が達しやすくなリ、 上記と同様、 解像 度や微細パターンの形状に悪影響を与えるため好ましくない。
[0439] また、 フォトレジスト層 (L 3) 表面の対水接触角が高すぎると、 露光後 、 現像時の照射部分の現像液溶解速度が低下し、 解像度や微細パターンの形 状に悪影響を与えるため好ましくない。
[0440] また、 さらに、 最表面のフォトレジスト層 (L 3) は吸水性 (吸水速度) の低いものが好ましい。
[0441] 吸水性 (吸水速度) が高すぎると純水との接触後、 水の浸透速度が早くな リ、 フォトレジスト層 (L 3) への水の浸透速度が速くなるため好ましくな い。
[0442] フォトレジスト層 (L 3) の吸水性 (吸水速度) が高すぎる、 純水との接 触後、 フォトレジスト層 (L 3) に含まれる光酸発生剤ゃァミン類などの添 加物が溶出し、 解像度や微細パターンの形状に悪影響を与えるため好ましく ない。 また、 従来のフォトレジスト層 (L 3-1 ) 上に本発明の最外層を形成 するフォトレジス卜層 (L 3) を積層させる場合、 下層のフォトレジス卜層
(L 3-1 ) へ水が達しやすくなリ、 上記と同様、 解像度や微細パターンの形 状に悪影響を与えるため好ましくない。
[0443] 例えば、 吸水性 (吸水速度) は、 Q CM法により測定でき、 吸水による重 量増加速度 (吸水速度) として算出可能である。
[0444] また本発明のレジスト積層体において最外層を形成するフォトレジス卜層
(L 3) は、 波長 1 93 nm以上の光線に対して透明であることが必要であ
る。
[0445] それによつて、 例えば、 1 93 nm波長を用いる A r Fリソグラフィー、
248 nm波長を用いる K r Fリソグラフィ一においても純水を用いる液浸 露光プロセスが有用に利用できる。
[0446] 具体的には、 1 93 n m以上の波長において、 吸光係数で 1. 0 m_1以下 、 好ましくは 0. 8 m_1以下、 より好ましくは 0. 5 m_1以下、 最も好ま しくは 0. 3 m_1以下である。
[0447] フォトレジスト層 (L3) の吸光係数が大きすぎると、 レジスト積層体全 体の透明性を低下させるため微細パターン形成時の解像度を低下させたり、 パターン形状を悪化させたりするため好ましくない。
[0448] 本発明の第二の積層体のフォトレジスト層 (L3) に含まれる含フッ素重 合体 (A2) は、 酸で解離してアルカリ可溶性基に変換可能な保護基 Y2を有 することが重要であり、 つまりポジ型のレジストとして動作可能なものであ る。 したがって、 フォトレジスト層 (L3) はさらに光酸発生剤 (B2) を 必須成分として含み、 必要に応じて、 アミン類やその他レジストとして必要 な添加物を含んでなる。
[0449] 含フッ素重合体 (A2) に含まれる保護基 Y2は、 酸と反応する前はアル力 リに不溶または難溶であるが酸の作用によリ、 アル力リに可溶化させること ができる官能基である。 このアルカリへの溶解性の変化により、 ポジ型のレ ジス卜のベース重合体として利用できるものになる。
[0450] 酸またはカチオンの作用により- OH基、 -COOH基、 -SO H基などに変
3
化する能力をもち、 その結果、 含フッ素重合体自体がアルカリに可溶になる ものである。
[0451] 具体的には、
[0452] [化 69]
一 OCOC— R19 o o o o
II \
O R20 c
一 COOC OS i -R28
\
R29
12 14 18 19 20 .22
[0453] (式中、 R R9、 R10、 R 、 R
じかまたは異なり、 炭素数 1 1 0の炭 化水素基; R
13、 R
15、 R
16は同じかまたは異なり、 Hまたは炭素数 1 1 0の 炭化水素基; R
17、 R
23は同じかまたは異なり、 炭素数 2 1 0の 2価の炭化 水素基)
が好ましく利用でき、 さらに具体的には
[0454] [化 70]
一 OCH2OCH3、 •OCH.OC.H, 一 OC (CH3) 3 — OCH2COOC (CH3) 3、
CH3 o
/ / / \
— OCOC— CH3 OCHOR30 OC o o
II \
O CH3 CH3 \cノ
CH3 CH;
ClipChし l, CH,CHCH2
/ \ / \
o o o COOC(CH
3)
3、 一OS i (CH
3 3), 3
30は炭素数 1〜10のアルキル基)
[0455] などが好ましく例示される。
[0456] 以上の保護基 Y2のなかでも、 酸で OH基に変換できる保護基 Y3、 酸で解離 して C Ο Ο Η基に変化させることができる保護基 Υ 4の少なくとも 1種が好ま しい。
[0457] 酸で ΟΗ基に変換できる保護基 Υ3としては、
[0458] [化 71] 一 OC (R31)3、 — OCH2OR32、 — OCOC (R33)"
[0459] (式中、 R31、 R32 R33および R34は同じかまたは異なリ、 いずれも炭素数 1
5のアルキル基) で示される基が好ましくあげられる。
[0460] より具体的には、
[0461] [化 72]
— OC (CH3)3、 — OCH2OCH3、 -OCH2OC
— OCOC (CHS)3、 — OCHOC
[0462] が好ましく例示でき、 なかでも酸反応性が良好な点で、
[0463] [化 73]
一 OC (CH3)3、 —OCOC (CH3)3、 一 OCH2OCH
O
~OCH2OC2H5
[0464] が好ましく、 さらに透明性が良好な点で、 -OC (CH )
3 3、 -OCH
、 一 OCH OC Hが好ましい。
2 2 5
[0465] 酸で- COOH基に変換できる保護基 Y4としては、
[0466] [化 74]
— COOC— R36 — OCH2COOC— R39 — COC— OR42
\ \ II I
R37 、 R40 、 O R43
^ p 46
I /
— COC— O — COCOC— R47
II li ii \
O R45 O O R48
(式中、 R
35、 R
36、 R
37、 R
38、 R
39、 R
40、
R
48は同じ かまたは異なり、 いずれも炭素数 1 1 0の炭化水素基; R
43、 R
44は同じか または異なり、 いずれも Hまたは炭素数 1 1 0の炭化水素基; R
45は炭素数 2 1 0の 2価の炭化水素基) などがあげられ、 より詳しくは
[0468] [化 75] 一 COOC(CH
3)
3、 -OCH
2COOC (CH
3)
3、 —
O O CH3、 O CH3 、 O
(R42は上記式と同じ)
[0469] が好ましくあげられる。
[0470] また、 酸で OH基に変換できる保護基 Y3は、 なかでも、 酸により p Ka =
1 1以下の酸性を示す OHに変換可能なものが好ましく、 さらには p Ka =
1 0以下、 特には p K a = 9以下の OH基に変換可能ものが好ましい。
[0471] それによつて露光後の現像特性が良好となり、 高解像度の微細パターンが 可能となるため好ましい。
[0472] 具体的には、 OH基に変換可能な保護基 Y3が直接結合する炭素原子に、 含 フッ素アルキル基または含フッ素アルキレン基が結合したものが好ましく、 下式:
[0473] [化 76]
R f 3
I
-C-Y3
R2
[0474] (式中、 R f 3は炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素 アルキル基; R2は水素原子、 炭素数 1 1 0の炭化水素基および炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素アルキル基から選ばれるも の) で表される部位を有することが好ましい。
[0475] R2はなかでも炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素 アルキル基であることが好ましい。
[0476] さらには、 R f 3、 R2は共にパーフルォロアルキル基であることが好ましく
、 具体的には、
[0477] [化 77] ,
[0478] などの部位が好ましい。
[0479] またさらには、 下式:
[0480] [化 78]
F R f 3
-C-C-Y3
' L
[0481 ] (式中、 R f 3は炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素 アルキル基; R2は水素原子、 炭素数 1 1 0の炭化水素基および炭素数 1 1 0のエーテル結合を有していても良い含フッ素アルキル基から選ばれるも の) で表される部位を有するものが、 水溶性、 現像液溶解性の面でより好ま しく、 具体的には、
[0482] [化 79]
し 1 \ ¾
一 C F2 C— Y3、 -C F- C-Y3
A F3 C F3 C F 3
[0483] などの部位を有するものが好ましい。
[0484] 保護基 Y2を有する含フッ素重合体 (A 2 ) は、 フッ素含有率で 3 0質量% 以上であることが好ましく、 より好ましくは 4 0質量%以上、 特に好ましく は 5 0質量%以上である。
[0485] フッ素含有率が低くなりすぎると、 撥水性が低くなつたり、 吸水性が大き <なリすぎるため好ましくない。
[0486] 一方、 フッ素含有率の上限は 7 5質量%であり、 好ましくは 7 0質量%、
より好ましくは 65質量%である。
[0487] フッ素含有率が高すぎると、 被膜の撥水性が高くなリ過ぎて、 現像液溶解 速度を低下させたり、 現像液溶解速度の再現性を悪くしたりするため好まし くない。
[0488] 本発明の第二の積層体で最表面のフォトレジスト層 (L3) に用いる保護 基 Y2を有する含フッ素重合体 (A2) は、 前述の親水性官能基 Y含有含フッ 素重合体 (A 1 ) で例示した構造と同様のものが好ましく利用でき、 つまり 含フッ素重合体 (A 1 ) の親水性官能基 Yの一部またはすべてが前述の保護 基 Y2の少なくとも 1種に置き換えたものであって、 その結果ポジ型レジス卜 としての動作を可能とするものである。
[0489] 具体的には、 前述の親水性官能基 Y含有含フッ素重合体 (A 1 ) のうちの- O H基含有含フッ素重合体の例示のそれぞれに対し、 O H基の一部またはす ベてを前記酸で O H基に変換できる保護基 Y3に置き換えたものが好ましく例 示できる。
[0490] また、 前述の親水性官能基 Y含有含フッ素重合体 (A 1 ) のうちの- COO H基含有含フッ素重合体の例示のそれぞれに対し、 -COOH基の一部または すべてを、 前記酸で- COOH基に変換できる保護基 Y4に置き換えたものが好 ましく例示できる。
[0491] 保護基含有含フッ素重合体 (A2) の好ましい第一は、 保護基 Y2 (または Υ3、 Υ4) を有し、 重合体主鎖に脂肪族環状構造の構造単位を有する含フッ素 重合体である。 具体的には前述の式 (Μ-1 ) 、 (Μ-2) の重合体、 および それらのより具体的な例示の重合体の親水性官能基 Υの一部またはすべてを 前記例示の保護基 Υ2 (または Υ3、 Υ4) に置き換えたものが好ましい。
[0492] これらの保護基含有含フッ素重合体 (Α2) はドライエッチング耐性と透 明性に優れる点で好ましく、 さらに最表面のフォトレジスト層 (L3) に利 用することで、 レジスト積層体に撥水性、 耐水性、 防水性の少なくとも 1種 の特性を付与できるため、 液浸リソグラフィープロセスにおいて有用である
[0493] さらに、 保護基含有含フッ素重合体 (A2) の好ましい第二は、 保護基 Y2 (または Υ3、 Υ4) を有する含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位を有す る重合体である。
[0494] 具体的には前述の式 (Μ-3) 、 (Μ-4) の重合体、 およびそれらのより 具体的な例示の重合体の親水性官能基 Υの一部またはすベてを前記例示の保 護基 Υ2 (または Υ3、 Υ4) に置き換えたものが好ましい。
[0495] これらの保護基含有含フッ素重合体 (Α2) は透明性に優れる点で好まし く、 さらに最表面のフォトレジスト層 (L3) に利用することで、 レジスト 積層体に撥水性、 耐水性、 防水性の少なくとも 1種の特性を付与できるため 、 液浸リソグラフィープロセスにおいて有用である。
[0496] 本発明の第二のレジスト積層体において、 フォトレジスト層 (L3) は前 記保護基 Υ 2含有含フッ素重合体 (Α2) に加えて、 光酸発生剤 (Β) を含ん でなる。
[0497] 光酸発生剤 (Β) は国際公開公報第 01Ζ7491 6号パンフレツ卜に記 載の光酸発生剤 (b) と同様のものが同様に好ましく例示でき、 本発明でも 有効に使用できる。
[0498] 具体的には、 光を照射することによって酸またはカチオンを発生する化合 物であって、 たとえば有機ハロゲン化合物、 スルホン酸エステル、 ォニゥム 塩 (特に中心元素がヨウ素、 ィォゥ、 セレン、 テルル、 窒素またはリンであ るフルォロアルキルォニゥム塩など) 、 ジァゾニゥム塩、 ジスルホン化合物 、 スルホンジアジド類など、 またはこれらの混合物があげられる。
[0499] より好ましい具体例としては、 つぎのものがあげられる。
[0500] ( 1 ) T P S系:
[0501] [化 80]
[0502] (式中、 X—は P F―、 S b F―、 C F S O—、 C F SO _など; R1a、
6 6 3 3 4 9 3
1eは同じかまたは異なり、 CH 0、 H、 t-Bu、 CH、 OHなど)
3 3
[0503] (2) D P I系:
[0504] [化 81]
[0505] (式中、 X_は C F SO—、 C F SO _、 CH
3 4 9 3 3 -0-S O \ S b F
3 3
[0506] [化 82]
[0507] など; R . は同じかまたは異なり、 H、 OH、 CH、 CH 0、 など)
[0508] (3) スルホネー卜系:
[0509] [化 83]
— R4
[0512] など)
[0513] 通常、 フォトレジスト層 (L3) は、 例えば保護基 Y 2含有含フッ素重合体
(A2) と前記光酸発生剤 (B) からなるものを溶剤 (C2) に溶解させた レジスト組成物を作成し、 塗布することによって形成される。
[0514] 本発明の第二の積層体でフォトレジスト層 (L3) を形成するためのレジ スト組成物における光酸発生剤 (B) の含有量は、 保護基 Y2含有含フッ素重 合体 (A2) 1 00重量部に対して 0. 1 30重量部が好ましく、 さらに は 0. 2 20重量部が好ましく、 最も好ましくは 0. 5 1 0重量部であ る。
[0515] 光酸発生剤 (B) の含有量が 0. 1重量部より少なくなると感度が低くな リ、 30重量部より多く使用すると光酸発生剤が光を吸収する量が多くなリ 、 光が基板まで充分に届かなくなって解像度が低下しゃすくなる。
[0516] フォトレジスト層 (L3) を形成するためのレジスト組成物には、 上記の 光酸発生剤 (B) から生じた酸に対して塩基として作用できる有機塩基を添 加してもよい。 有機塩基は国際公開第 01Z7491 6号パンフレツ卜に記 載のものと同様のものが好ましく例示でき、 本発明でも有効に使用できる。
[0517] 具体的には、 含窒素化合物から選ばれる有機アミン化合物であり、 たとえ ばピリジン化合物類、 ピリミジン化合物類、 炭素数 1 4のヒドロキシアル キル基で置換されたァミン類、 ァミノフエノール類などがあげられ、 特にヒ ドロキシル基含有ァミン類が好ましい。
[0518] 具体例としては、 プチルァミン、 ジブチルァミン、 トリプチルァミン、 卜 リエチルァミン、 トリプロピルァミン、 トリアミルァミン、 ピリジンなどが 好ましくあげられる。
[0519] フォトレジスト層 (L3) を形成するためのレジスト組成物における有機 塩基の含有量は、 光酸発生剤 (B) の含有量に対して 0. 1 1 00モル% が好ましく、 さらに好ましくは、 1 50モル%である。 0. 1モル%より 少ない場合は解像性が低くなリ、 1 00モル%よりも多い場合は低感度にな る傾向にある。
[0520] その他、 レジス卜組成物に、 必要に応じて国際公開第 01 Z7491 6号 パンフレツ卜に記載の添加物、 たとえば、 溶解抑制剤、 増感剤、 染料、 接着 性改良剤、 保水剤などこの分野で慣用されている各種の添加剤を含有させる こともできる。
[0521] また、 本発明の第二の積層体におけるフォトレジスト層 (L3) を形成す るためのレジスト組成物において、 溶剤 (C2) は、 国際公開公報第 01Z 7491 6号パンフレツ卜に記載の溶剤 (C2) と同様のものが同様に好ま しく例示でき、 本発明でも有効に使用できる。
[0522] 具体的には、 セロソルブ系溶剤、 エステル系溶剤、 プロピレングリコール 系溶剤、 ケトン系溶剤、 芳香族炭化水素系溶剤、 またはこれらの混合溶剤が 好ましくあげられる。 さらに保護基含有含フッ素重合体 (A2) の溶解性を 高めるために、 CH CC I F (HC FC-1 41 b) などの含フッ素炭化水
3 2
素系溶剤やフッ素アルコール類などのフッ素系溶剤を併用してもよい。
[0523] これらの溶剤 (C2) の量は、 溶解させる固形分の種類や塗布する基材、 目標の膜厚、 などによって選択されるが、 塗布のし易さという観点から、 フ オトレジスト組成物の全固形分濃度が 0. 5 70重量%、 好ましくは 1
50重量%となるように使用するのが好ましい。
[0524] 本発明の第二の発明のレジスト積層体において、 その層構成の好ましい第 一は、 基板上に、 保護基含有含フッ素重合体 (A2) を含むフォトレジスト 層 (L 3) を形成されてなるレジスト積層体 (X 1 ) である。
[0525] これらのレジスト積層体 (X 1 ) は、 基板上に、 本質的にフォトレジスト 層 (L 3) のみを積層したもので、 フォトレジスト層 (L 3) 自体、 波長 1 93 nm以上の紫外線に対して透明性が高く、 それらの紫外光を用いるリソ グラフィープロセスにおいてポジ型レジス卜として働き、 良好なパターン形 成が可能なものである。 さらに液浸リソグラフィ一において用いられる水に よる悪影響を最小限にできる点で好ましい。
[0526] レジスト積層体 (X 1 ) において、 フォトレジスト層 (L 3) の膜厚は、 作製するデバイスの種類や目的、 それを得るためのエッチングなどのプロセ ス条件、 レジスト層の種類 (透明性やドライエッチング耐性の程度など) に よって異なり、 適宜選択されるが、 通常 1 0 5000 nm、 好ましくは 5 0- 1 000 nm、 より好ましくは 1 00 500 n mである。
[0527] 本発明の第二の発明のレジスト積層体において、 その層構成の好ましい第 二は、 基材上にあらかじめ形成されたフォトレジスト層 (L 3-1 ) 上に、 保 護基含有含フッ素重合体 (A2) を含むフォトレジスト層 (L 3) が形成さ れてなるレジスト積層体 (X 2) である。
[0528] これらのレジスト積層体 (X 2) は、 従来のレジスト材料からなるフォト レジスト層 (L 3-1 ) 上に、 水に対する保護層の役割で保護基含有含フッ素 重合体 (A2) を含むフォトレジスト層 (L 3) を積層したもので、 フォト レジスト層 (L 3-1 ) 、 (L 3) の両層が露光および現像工程によって、 同 時にパターン形成されるものである。
[0529] これらのレジスト積層体におけるフォトレジスト層 (L 3-1 ) は、 従来の フォトレジス卜組成物を用いて形成される層であり、 例えばノポラック樹脂 とジァゾナフトキノンを主成分とするポジ型フォトレジスト (g線、 i線リ ソグラフィー) 、 ポリヒドロキシスチレンをバインダー樹脂に用いた化学増
幅型ポジ型またはネガ型レジスト (K r Fリソグラフィー) 、 側鎖に脂環式 構造を有するアクリル系ポリマーやポリノルポルネン構造を有する脂環式重 合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォトレジス卜 (A r Fリソグラフィー ) を成膜して得られる層である。
[0530] なかでも、 本発明の液浸リソグラフィ一に用いる場合は、 ポリヒドロキシ スチレンをバインダー樹脂に用いた化学増幅型ポジ型レジス卜、 側鎖に脂環 式構造を有するアクリル系ポリマーやポリノルポルネン構造を有する脂環式 重合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォトレジス卜、 特には側鎖に脂環式 構造を有するアクリル系ポリマーやポリノルポルネン構造を有する脂環式重 合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォトレジス卜であることが好ましい。
[0531] レジスト積層体 (X2) において、 フォトレジスト層 (L3) の膜厚は、 保護基含有含フッ素重合体 (A2) の種類、 液浸露光条件、 水との接触時間 などによって異なり、 適宜選択されるが、 通常 1 500 nm、 好ましくは 1 0 300 nm、 より好ましくは 20 200 nm、 特には 30-1 00 n mでめる o
[0532] レジスト積層体 (X2) において、 フォトレジスト層 (L3-1 ) の膜厚は 、 作製するデバイスの種類や目的、 それを得るためのエッチングなどのプロ セス条件、 レジスト層の種類 (透明性やドライエッチング耐性の程度など) によって異なり、 適宜選択されるが、 通常 1 0 5000 nm、 好ましくは 50 1 OOO nm、 より好ましくは 1 00 500 n mである。
[0533] このレジスト積層体 (X2) は下層のフォトレジスト層 (L3-1 ) が有す るリソグラフィー性能 (例えば成膜性、 感度、 解像度、 パターン形状) およ びドライエッチング耐性などを利用しながら、 フォトレジスト層 (L3-1 ) では不十分であった液浸露光時の水に対する問題点を解決できるものである
[0534] なお、 最表面の保護基含有含フッ素重合体 (A2) からなるフォトレジス
卜層 (L3) 自体も同様の形状でパターン形成可能であるため、 現像後のパ ターン表面の形態やラフネスなどを向上できる点で好ましい。
[0535] 本発明の第二のレジスト積層体 (X 1 ) 、 (X2) における基板としては 、 例えばシリコンウェハー; ガラス基板;有機系または無機系反射防止膜が 設けられたシリコンウェハーやガラス基板;表面に各種の絶縁膜、 電極およ び配線などが形成された段差を有するシリコンウェハー;マスクブランクス ; GaAs. A I GaAs等の I I I -V族化合物半導体ウェハーや I I -V I族化合物半導体ウェハー;水晶、 石英またはリチウムタンタレイ卜等の圧 電体ウェハーなどがあげられる。
[0536] また、 いわゆる基板の上にて限定されるものではなく、 基板上の導電膜あ るいは絶縁膜など所定の層の上に形成されてよい。 また、 かかる基板上に例 えば Br ewer Sc i ence社製の DUV-30、 DUV-32. DUV-42. DUV-44などの反射防止 膜 (下層反射防止層) を施すことも可能であるし、 基板を密着性向上剤によ つて処理しても良い。
[0537] 基材にフォトレジスト層 (L3) を形成する方法、 フォトレジスト層 (L 3-1 ) 上にフォトレジスト層 (L3) を設けてレジスト積層体を形成する方 法、 さらにはそのフォトレジスト積層体 (X 1 ) 、 (X2) を用いて液浸露 光により微細パターンを形成する方法については、 前述のフォトレジス卜層 (L 1 ) 上に保護層 (L2) を設けてレジスト積層体を形成する方法、 さら にはそのフォトレジスト積層体を用いて液浸露光により微細パターンを形成 する方法が同様に採用できる。
[0538] たとえばレジスト積層体 (X 1 ) については、 従来のレジス卜層形成法お よび液浸露光を含む工程を行うことにより微細パターンが形成可能である。
[0539] またレジスト積層体 (X2) については、 前述のフォトレジスト層 (L 1 ) の代わりにフォトレジスト層 (L3-1 ) を、 保護層 (L2) の代わりにフ オトレジスト層 (L3) を用い、 同様にしてレジスト積層体を形成でき、 そ れらレジスト積層体を用い、 同様にして、 液浸露光を含む工程を行うことに より微細パターンが形成可能である。
実施例
[0540] つぎに合成例、 実験例、 実施例などをあげて本発明を具体的に説明するが
、 本発明はかかる具体例のみに限定されるものではない。
[0541] 合成例 1 (T FEと OH基含有含フッ素ノルポルネンとの共重合体の合成) バルブ、 圧力ゲージ、 攪拌器および温度計を備えた 50 Om Iのォートク レーブに OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 ) :
[0542] [化 85]
[0543] の 35. O g、 HCFC-1 41 bの 250mし ビス (4_t -ブチルシク口 へキシル) バーオキシジカーボネート (TCP) の 6. 5 gを入れ、 ドライ アイス Zメタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。 つい でバルブよリテトラフルォロエチレン (T FE) の 52. O gを仕込み、 4 0°Cにて 1 2時間、 攪拌して反応させた。 反応の進行と共にゲージ圧は反応 前の 0. 96MPaG (9. 7 k g f Zcm2G) から 0. 91 MPaG (9 . 2 k g f Zcm2G) まで低下した。
[0544] 未反応モノマーを放出したのち、 重合溶液を取り出し濃縮後へキサンで再 沈殿させ、 共重合体を分離した。 恒量になるまで真空乾燥を行い、 共重合体 6. O gを得た。
[0545] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 T
F EZ前記 OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 ) =50/50 モル%であった。
[0546] G P C分析による数平均分子量は 5500であった。
[0547] なお、 物性の評価に使用した装置および測定条件は以下のとおリである。
[0548] ( 1 ) NMR
N M R測定装置: B R U K E R社製
'H-NMR測定条件: 300MH z (テトラメチルシラン = 0 p p m) 19F-NMR測定条件: 282MH z (トリクロ口フルォロメタン = 0 p p m
[0549] (2) 数平均 (重量平均) 分子量は、 ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ ィ (GPC) により、 東ソー (株) 製の GPC H LC-8020を用い、 Shodex社製のカラム (GPC KF-801を 1本、 GPC KF-802を 1本、 GPC
KF-806Mを 2本直列に接続) を使用し、 溶媒としてテトラハイド口フラン (T H F) を流速 1 m I Z分で流して測定したデータより算出する。
[0550] 合成例 2 (T FEと OH基含有含フッ素ノルポルネンとの共重合体の合成) 合成例 1において OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 ) に代 えて、 OH基含有ノルポルネン (NB-2) :
[0551] [化 86]
[0552] の 32. 5 gを用いた以外は合成例 1と同様にして重合反応、 ポリマーの単 離、 精製を行い、 共重合体 4. 5 gを得た。
[0553] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 T
F EZ-OH基含有ノルポルネン (NB-2) = 50Z50モル0 /oであった。
[0554] G P C分析による数平均分子量は 3800であった。
[0555] 合成例 3 (T FEと OH基含有含フッ素ノルポルネンとの共重合体の合成) 合成例 1において、 OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 ) に 代えて OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-3) :
[0556] [化 87]
[0557] を 40. 0 g用いた以外は合成例 1と同様にして反応を行い、 同様にしてポ リマーを分離精製し、 共重合体 5. 5 gを得た。
[0558] この共重合体の組成比は1 H-NMR、 19F-NMR分析の結果より、 T F EZ
OH基含有含フッ素ノルポルネン (NB-3) =50Z50モル0 /oであった。
[0559] G PCによる数平均分子量は 3500であった。
[0560] 合成例 4 (T FEと- COOC (CH ) 基含有含フッ素ノルポルネンとの共
3 3
重合体の合成)
30 Om Lのオートクレーブに、 -COOC (CH ) 基含有含フッ素ノル
3 3
ポルネン誘導体 (NBC-1 P) :
[0561] [化 88]
[0562] の 1 5. 9 g、 HCFC-1 41 bの 1 40mし ビス (4-t e r t -ブチル シクロへキシル) バーオキシジカーボネート (TCP) の 1. O gを入れ、 ドライアイス Zメタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した 。 ついでバルブよリテトラフルォロエチレン (T F E) 30. O gを仕込み 、 40°Cにて 1 2時間、 振とうして反応させた。 反応の進行と共にゲージ圧 は反応前の 1. OOMPaG (1 0. 2 k f Zcm2G) から O. 94MP aG (9. 6 k g f Zcm2G) まで低下した。
[0563] 未反応モノマーを放出したのち、 重合溶液を取り出しメタノールで再沈殿 させ、 共重合体を分離した。 恒量になるまで真空乾燥を行い、 共重合体 8.
5 gを得
[0564] この共重合体の組成比は、 F-NMR分析の結果より、 T FEZ-COOC
(CH ) 基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (N BC-1 P) =50/50
3 3
モル%であった。
[0565] G P C分析による数平均分子量は 4800であった。
[0566] 合成例 5 (ノルポルネンと T FEと t e r t -ブチル -ひフルォロアクリレー 卜との共重合体の合成)
30 Om Iのオートクレーブに 2-ノルポルネンの 1 0. 5 g、 t e r t- ブチル -ひフルォロアクリレートの 9. 8 g、 HCFC-1 41 bの 1 40m I、 ビス (4-t e r t-プチルシクロへキシル) バーオキシジカーボネート (TCP) の 0. 5 gを入れ、 ドライアイス Zメタノール液で冷却しながら 系内を窒素ガスで充分置換した。 ついでバルブよリテトラフルォロエチレン (T FE) 36. O gを仕込み、 40°Cにて 1 2時間、 振とうして反応させ た。 反応の進行と共にゲージ圧は反応前の 1. 06MP a G (1 0. 8 k g f Zcm2G) から 0. 88MPaG (9. 0 k g f Z c m2G) まで低下した
[0567] 未反応モノマーを放出したのち、 重合溶液を取リ出しメタノ一ルで再沈殿 させ、 共重合体を分離した。 恒量になるまで真空乾燥を行い、 共重合体 20 . 9 gを得た。
[0568] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 T
F EZ2-ノルポルネン Z t e r t -ブチル -ひフルォロアクリレー卜 =31 Z 30Z39モル%であった。
[0569] G P C分析による数平均分子量は 9800であった。
[0570] 合成例 6 (脱保護反応による T F E、 -CO OH基含有含フッ素ノルポルネン および- COOC (CH ) 基含有含フッ素ノルポルネンとの共重合体の合成
3 3
)
1 00m lのナス型フラスコに合成例 4で得た保護基含有含フッ素重合体 の 5 gを塩化メチレン 80 gに溶解させ、 トリフルォロ酢酸の 4 gを加え、
室温にて 1 2時間攪拌した。 反応終了後、 過剰のトリフルォロ酢酸と塩化メ チレンを減圧留去した。 残った固体成分を蒸留水で洗った後、 テトラヒドロ フランに溶かしへキサンにて再沈殿および乾燥し、 共重合体を単離した。
[0571] この共重合体の組成比は、 1H-NMR分析、 19 F-N M R分析により、 T FE Z-COOH基含有含フッ素ノルポルネン Z-COOC (CH ) 基含有含フッ
3 3
素ノルポルネン =50Z5Z45モル0 /oであった。
[0572] 合成例 7 (脱保護反応による、 T FE、 - COOH基含有含フッ素ノルポルネ ンおよび- COOC (CH ) 基含有含フッ素ノルポルネンとの共重合体の合
3 3
成)
合成例 6においてトリフルォロ酢酸を 1 6 g用いた以外は合成例 6と同様 にして、 合成例 4で得た保護基含有含フッ素重合体の脱保護反応および重合 体の単離を行った。
[0573] この共重合体の組成比は、 1H-NMR分析、 19 F-N M R分析により、 T FE Z-COOH基含有含フッ素ノルポルネン Z-COOC (CH ) 基含有含フッ
3 3
素ノルポルネン =50Z37. 5/1 2. 5モル0 /。であった。
[0574] 合成例 8 (脱保護反応による 2-ノルポルネン、 T FE、 t e r t-ブチル -ひ フルォロアクリレー卜および Q?フルォロアクリル酸との共重合体の合成)
1 00m lのナス型フラスコに合成例 5で得た保護基含有含フッ素重合体 の 5 gを塩化メチレン 80 gに溶解させ、 トリフルォロ酢酸の 4 gを加え、 室温にて 1 2時間攪拌した。 反応終了後、 過剰のトリフルォロ酢酸と塩化メ チレンを減圧留去した。 残った固体成分を蒸留水で洗った後、 テトラヒドロ フランに溶かしへキサンにて再沈殿および乾燥し、 共重合体を単離した。
[0575] この共重合体の組成比は、 1H-NMR分析、 19 F-N M R分析により、 T FE Z2-ノルポルネン ZQ?フルォロアクリル酸 Z t e r t -ブチル -ひフルォロア クリレート =31 Z3 OZ1 3Z26モル0 /。であった。
[0576] 合成例 9 (脱保護反応による 2-ノルポルネン、 T FE、 t e r t-ブチル -ひ フルォロアクリレー卜および Q?フルォロアクリル酸との共重合体の合成) 合成例 8においてトリフルォロ酢酸を 1 6 g用いた以外は合成例 6と同様
にして、 合成例 4で得た保護基含有含フッ素重合体の脱保護反応および重合 体の単離を行った。
[0577] この共重合体の組成比は、 1H-NMR分析、 19 F-N M R分析により、 T FE Z2-ノルポルネン ZQ?フルォロアクリル酸 Z t e r t -ブチル -ひフルォロア クリレート =31 Z30Z33Z6モル0 /oであった。
[0578] 合成例 1 0 (T FEと- OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 ) と- OCH OC H基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 P) との共重
2 2 5
合体の合成)
バルブ、 圧力ゲージ、 攪拌器および温度計を備えた 50 Om Iのォートク レーブに- OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1) の24. 5 g と- OCH OC H基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 P) :
2 2 5
[0579] [化 89]
[0580] の 7. 4 g、 HCFC-1 41 bの 250mし ビス ( 4- t-ブチルシクロへ キシル) バーオキシジカーボネート (TCP) の 6. 5 gを入れ、 系内を窒 素ガスで充分置換した。 ついでバルブより T FE52. O gを仕込み、 40 °Cにて 1 2時間撹拌して反応させた。
[0581] 未反応モノマーを放出したのち、 重合溶液を取り出し濃縮後へキサンで再 沈殿させ、 共重合体を分離した。 恒量になるまで真空乾燥を行い、 共重合体 7. 2 gを得た。
[0582] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 T
F EZ-OH基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 ) Z-OCH OC
2 2
H基含有含フッ素ノルポルネン誘導体 (NB-1 P) =50Z40Z1 0モル
5
%であった。
[0583] G P C分析による数平均分子量は 3200であった。
[0584] 合成例 1 1 (親水性官能基 Yが- COOHである含フッ素重合体の合成) 攪拌装置および温度計を備えた 1 OOm Iのガラス製四つ口フラスコに、 パーフルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビストリフルォロメチル -3, 6
-ジォキサ -8-ノネン酸:
[0585] [化 90]
CH2 = CFCF2OCFCF2OCFCOOH
CF3 CF3
[0586] を 21. 1 gと
[0588] の 8. 0重量%パーフルォ口へキサン溶液を 21. 6 g入れ、 充分に窒素置 換を行ったのち、 窒素雰囲気下 20°Cで 24時間重合反応を行ったところ、 高粘度の固体が生成した。
[0589] 得られた固体をアセトンに溶解させたものを n-へキサンに注ぎ、 分離、 真 空乾燥させ、 無色透明な重合体 1 7. 6 gを得た。
[0590] この重合体を19 F-N MR分析、 1H_NMR分析および I R分析により分析し たところ、 上記含 CO OH基含有含フッ素ァリルエーテルの構造単位のみか らなる含フッ素重合体であった。
[0591] G PC分析による数平均分子量は 22, 000であった。
[0592] 合成例 1 2 (親水性官能基 Yが OH基である含フッ素重合体の合成)
合成例 1 1においてパーフルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビストリ フルォロメチル -3, 6-ジォキサ -8-ノネン酸) に代えて、 (1, 1, 9,
9-テトラハイド口- 2, 5-ビストリフルォロメチル -3, 6-ジォキサ -8-ノ ネノール) :
[0593] [化 92]
CH2 = CFCF2OCFCF2OCFCH2OH
CF3 CF3
[0594] の 20. 4 gを用いた以外は合成例 1 1と同様にして、 重合反応および重合 体の単離を行い、 無色透明な重合体 1 7. 1 gを得た。
[0595] 19F-NMR、 1 H-N M R分析により分析したところ、 上記 OH基含有含フッ 素ァリルエーテルの構造単位のみからなる含フッ素重合体であった。
[0596] 合成例 1 3 (親水性官能基 Yが COOH基である含フッ素重合体の合成) 攪拌装置および温度計を備えた 1 OOm Iのガラス製四つ口フラスコに、
1, 1, 2, 4, 4, 8-へキサハイド口- 3-ォキサ -1 -ォクテン:
CH =CHOCH (C F C F ) _H
2 2 2 2 2
を 5. 0 gと酢酸ェチルを 50 g、 ァゾビスイソプチロニトリル (A I BN ) を 0. 03 g入れ、 系内を窒素置換したのち、 窒素気流下に 2- (トリフル ォロメチル) アクリル酸:
[0597] [化 93]
CF3
CHZ = C
COOH
[0598] を 5 g仕込み、 60°Cにて攪拌させながら反応を行った。
[0599] 得られた反応溶液を取り出し、 ついでへキサン溶剤で再沈殿させることに より固形分を分離した。 この固形分を恒量になるまで真空乾燥し、 白色粉末 状の共重合体 9. 1 gを得た。
[0600] この共重合体の組成比は、 1H-NMRおよび19 F-NMRにより分析したとこ ろ、 パーフルォロ - (1, 1, 2, 4, 4, 8-へキサハイド口- 3-ォキサ -1
-ォクテン) Z2- (トリフルォロメチル) アクリル酸 =50/50モル0 /oであ つた o
[0601] また G PC分析による数平均分子量は 87, 000であった。
[0602] 合成例 1 4 (親水性官能基 Yが OH基である含フッ素重合体の合成)
バルブ、 圧力ゲージ、 温度計を備えた 1 OOm I内容量のステンレススチ- ル製オートクレープに、 1, 1 -ビストリフルォロメチル -3-ブテン- 1-ォー ル:
[0603] [化 94]
CF3
CH2 = CHCH2C-OH
CF3
[0604] を 5. 2 gと CH CC I F (HCFC_1 41 b) を 30mし n-ヘプタフ
3 2
ルォロブチリルパーオキサイド (HBP) の 1 0モル0 /oパーフルォ口へキサ ン溶液を 1 O g入れ、 ドライアイス Zメタノール溶液で冷却しながら系内を 窒素ガスで充分置換した。 ついでバルブからテトラフルォロエチレン (T F E) を 1 0 g仕込み、 30°Cにて振とうさせながら反応を行った。 反応中は 、 系内のゲージ圧に変化はなく (反応前 9. OMPaG) 、 20時間後も 9. OMPaGであった。
[0605] 反応開始 20時間後に未反応モノマーを放出し、 析出した固形物を取り出 し、 アセトンに溶解させ、 ついでへキサン溶剤で再沈殿させることによリ固 形分を分離精製した。 この固形分を恒量になるまで真空乾燥し、 共重合体 3 . 0 gを得た。
[0606] この共重合体の組成比は、 1H-NMRおよび19 F-NMRにより分析したとこ ろ、 1, 1 -ビストリフルォロメチル -3-ブテン- 1 -オール Zテトラフルォロ エチレン =50Z50モル0 /oであった。
[0607] G PC分析による数平均分子量は 4, 900であった。
[0608] 合成例 15 (保護基 Y2を有する含フッ素重合体の合成)
撹拌装置、 温度計、 滴下ロートを備えた 1 リットルの四つ口フラスコに合 成例 1と同様にして得た OH基含有含フッ素重合体 (NB-1 ) 60 gを投入 し、 反応系中を N置換した後、 N, N-ジメチルホルムアミド (DMF) 1 2
2
Om I を加え完全に溶解させた。
[0609] ついで、 クロロメチル -2-メチルノルポルニルエーテル:
[0610] [化 95]
[0611] の 55. 5 g (31 8mmo I ) を加え、 内温 20°C以下となるようにトリ ェチルァミンの 1 20m l (862mmo I ) を滴下し、 滴下終了後、 室温 で 3時間攪拌を行った。
[0612] 反応終了後、 攪拌しながら反応混合物に純水 6 OOm I を加えたところ固 形物が析出したため、 静置し、 上層の溶液層をデカンテーシヨンにて除去し 、 その上からさらに純水 6 OOm I を加え、 同じ操作をもう 1回繰返し、 析 出した固体を濾取した。
[0613] この固体を酢酸ェチル 30 Om Iに溶解し、 純水 1 50m Iにて 1回洗浄 した。 酢酸ェチル層に酢酸 1 Om I を加え、 さらに純水 1 50m Iで p Hが 5以上になるまで洗浄した。
[0614] 洗浄した酢酸ェチル層にジォキサン 5 Om I を加え、 減圧下、 温浴上で溶 媒を留去し、 固体を得た。 この固体を HCFC-1 41 bに溶解させ、 1. 5 リツトルの n-へキサン中で再沈澱を行い析出した固体を濾取し、 真空乾燥す ることにより保護基 Y2含有含フッ素重合体 34. 4 gを得た。
[0615] 1H-NMR、 19 F-N M R分析の結果より、 保護基含有含フッ素重合体は式 ( N B-1 P-1 ) :
[0616] [化 96]
[0617] で表される保護基含有ノルポルネン誘導体由来の構造単位 (NB-1 P-1 )
を有する含フッ素重合体であった。 また、 重合体の組成比率は19 F-N MR分 祈より、 T FEZOH基含有ノルポルネン誘導体 (NB-1 ) Z保護基含有ノ ルポルネン誘導体 (N B-1 P-1 ) が 50Z31. 5/1 8. 5モル0 /oであ つた o
[0618] G PC分析による重量平均分子量は 3200であった。
[0619] 実験例 1 (含フッ素重合体の溶剤溶解性の確認)
合成例 1 1 4でそれぞれ得た親水性官能基を有する含フッ素重合体を用 いて、 表 1に示す各種溶剤への溶解性を確認した。
[0620] 表 1に示す各溶剤に各含フッ素重合体を重合体濃度が 5質量%となるよう に混合し、 攪拌を行いながら室温で 24時間放置し、 溶液の外観を観測した
。 評価は、 つぎの基準で行った。 結果を表 1に示す。
〇:完全に溶解し、 透明で均一な溶液となった。
X :一部または全く不溶で、 不透明な溶液であった。
[0621] [表 1]
表 1
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[0622] 実験例 2 (親水性官能基 Y含有単量体の p K aの測定)
合成例 1 3、 つ、 9および 1 1 1 4でそれぞれ用いた親水性官能基含 有単量体について、 以下の方法で親水性基の p K aを測定算出した。
[0623] (p Kaの測定算出方法)
1, 1-ビストリフルォロメチル -3-ブテン- 1-オール (合成例 1 4で使用 ) :
[0624] [化 97]
C F3
CH2 = CHCHgC-OH
CF3
[0625] を例にして測定算出法を記載する。
[0626] 水 Zアセトン = 1 OZ1 5m I溶液に CH =CHCH C (C F ) OHを
0. 7865 g入れ、 室温下攪拌した。 均一溶液であることを確認した後、 0. 2mo I ZLの N a OH溶液で滴定を行った。 滴定曲線は、 0. 1 5m
Iずつ N a OH溶液を滴下し、 そのときの p Hを記録して得た。 滴定曲線の 変曲点 (滴定曲線の微分値 =d p HZdm Iの最大値) から等量点を決定し た。 この場合、 等量点は 1 4. 5m lであった。 この半分の値 7. 25m l での p Hを滴定曲線から読み取ると、 1 0. 58であった。 あらかじめブラ ンクで測定した水/アセトン溶液と水溶液の滴定曲線から、 7. 25m l滴下 時の液間電位差に由来する P H差は 1. 29であった。 よって、 1 0. 98
- 1. 29 = 9. 69から、 この CH =CHCH C (CF ) OHの p Ka
2 2 3 2
を 9. 69と決定した。
[0627] 同様の操作で、 1. 0865 gの CH =CHCH C (CF ) O Hを滴定
2 2 3 2
した場合、 等量点は 20. 1 5mし 1Z2等量点は 1 0. 08m lとなり 、 1 Z2等量点での p Hは 1 0. 78となった。 1 0. 08m lでの両溶液 間の P H差は 1. 1 4となり、 1 0. 78-1. 1 4 = 9. 64から、 CH =
2
CHCH C (CF ) OHの p Kaを 9. 64と決定した。
2 3 2
[0628] 滴定溶液を約 0. 05mo i ZN aOH溶液に代えて同様の操作を行った とき、 0. 1 1 5gのCH =CHCH C (CF ) OHの等量点は 8. 00m
2 2 3 2
Iとなり、 1Z2等量点は 4. 00mし このときの p Hは 1 0. 92とな つた。 4. 00m Iでの両溶液間の pH差は 1. 38となり、 1 0. 92-1 . 38 = 9. 54から、 CH =CHCH C (CF ) OHの p Kaを 9. 5
2 2 3 2
4と決定した。
[0629] この 3回の実験から、 CH =CH CH C (C F ) OHの p Kaを 9. 6
2 2 3 2
とした。
[0630] 表 2に示す各種 O H基含有含フッ素ェチレン性単量体について上記と同様 な方法で p K aを測定した。 結果を表 2に示す。
[0631] [表 2]
表 2 親水性官能基 Y含有単量体 pKa 合成例 1 9. 0
合成例 2 10. 2
2
CCCII
3 o 3
合成例 3 8. 3
合成例 7 3. 8
CFCF2OCFCF。OCFCOOH
合成例 3. 6
CF, CF
CH = CFCF2OCFCFaOCFCH3OH
合成例 12 2. 6
I !
CF, CF,
1 ί ·ο し Cし 1 g )
合成例 1 3 3. 9
COOH 合成例 14 CH C hし H 9雷 6
実験例 3 (塗布用組成物の調製)
(1 ) 合成例 1 3、 7、 9、 および 1 1 1 4で得た各種親水性官能基 Y 含有含フッ素重合体をメタノールに 5重量%濃度となるように溶解した後、 孔径 0. 2 mサイズのフィルターで濾過して均一な塗布用組成物を得た。
[0633] (2) 合成例 4 6、 8および 1 0および 1 5で得た各種保護基 Y 2含有含フ ッ素重合体を P G M E Aに 5重量%濃度となるように溶解した後、 孔径 0. 2 β mサイズのフィルタ一で濾過して均一な塗布用組成物を得た。
[0634] 実験例 4 (1 93 n mでの透明性の測定)
(1 ) コーティング
Mg Fの基板上に、 実験例 3で得た各塗布用組成物をスピンコーターを用
2
い乾燥後の膜厚が 1 OO nmとなるように調整しながら塗布した。 塗布後 1 00°Cで 5分間焼成し、 透明な被膜を作製した。
[0635] (2) 真空紫外領域の透明性測定
(2-1 ) 測定装置
■瀬谷-波岡型分光装置 (高エネルギー研究機構: B L-7 B)
'スリット 7Z8-7Z8
'検出器 PMT
■グレーティング (G I I : ブレーズ波長 1 60 n m、 1 200本 Zmm)
[0636] 光学系は、 H. N amb aらの Re v. S i c. I n s t r um. , 60
(7) 、 1 91 7 (1 989) を参照。
[0637] (2-2) 透過スペクトルの測定
各塗布用組成物から ( 1 ) の方法で得た M g F
2基板上に形成した被膜の透 過スぺクトルを上記の装置を用いて測定した。
[0638] 1 93 n mにおける透過率と被膜の膜厚から分子吸光係数を算出した。 結 果を表 3に示す。
[0639] 実験例 5 (現像液溶解性の測定)
つぎの水晶振動子法 (QCM法) により現像液溶解速度 (nmZs e c) を測定した。 結果を表 3に示す。
[0640] ( 1 ) 試料の作製:
金で被覆された直径 24 mmの水晶振動子板に実験例 3で調製した塗布用 組成物のそれぞれを塗布し乾燥後、 約 1 OO nm厚の被膜を作製した。
[0641 ] (2) 現像液溶解速度の測定:
膜厚は水晶振動子板の振動数から換算して算出し測定する。
[0642] 上記で作製した含フッ素重合体を塗布した水晶振動子板を標準現像液であ る 2. 38重量0 /o濃度のテトラメチルアンモニゥムヒドロキサイド (TMA H) 水溶液に浸し、 浸潰させた時点から時間に対する被膜の膜厚変化を振動 数の変化により測定し、 単位時間あたりの溶解速度 (nmZs e c) を算出 した (参考文献: Advances in Resist Technology and Proceedings of SPIE Vol. 4690, 904(2002)) 。
[0643] [表 3]
表 3
[0644] 実施例 1 (レジスト積層体の形成)
(1 ) フォトレジスト層 (L 1 ) の形成
A r Fリソグラフィー用フォトレジス卜 T A r F-P 607 1 (東京応化工 業 (株) 製) を、 スピンコーターにて、 8インチのシリコン基板上に回転数 を変えながら 200^300 nmの膜厚に調整して塗布した後、 1 30°Cで 60秒間プリべークしてフォトレジスト層 (L 1 ) を形成した。
[0645] (2) 保護層 (L2) の形成
上記 (1 ) で形成したフォトレジスト層 (L 1 ) 上に、 実験例 3の (1 ) で得た親水性基含有含フッ素重合体 (合成例 1 3、 7、 9および 1 1 1 4) を含む塗布用組成物を、 スピンコーターで、 初めに 300 r pmで 3秒 間、 ついで 4000 r pmで 20秒間ウェハーを回転させ膜厚約 1 00 nm に調整しながら保護層 (L2) を形成し、 フォトレジスト積層体を形成した
[0646] (3) 対水接触角の測定
上記 (2) で得たレジスト積層体のうち合成例 1 3の重合体を含む塗布 用組成物を用いて作製した積層体の表面について、 室温にて、 接触角計を用 いて、 純水に対する接触角を測定した。 結果を表 4に示す。
[0647] (4) 現像液溶解性の確認
さらに、 上記 (2) で得たレジスト積層体のすべてについて、 テトラメチ ルアンモニゥムヒドロキサイド 2. 38重量%の現像液で温度 23°C、 時間 60秒間で静止パドル現像を行った後純水リンスを行った。
[0648] その結果、 いずれの塗布用組成物を使用した場合にも保護層 (L2) が選 択的に除去されたことが確認できた。
[0649] 実施例 2 (レジスト積層体の作製)
(1 ) レジスト組成物の調製
合成例 6、 8、 1 0および 1 5で得た保護基含有含フッ素重合体 (A2) のそれぞれについて含フッ素共重合体 1 00重量部に光酸発生剤としての卜 リフエニルスルホニゥム■ 卜リフルォロメチルスルホネー卜の 2重量部を添 加し、 2-ヘプタノン (MAK) に溶解させ、 ポリマー濃度 1 0重量%のレジ ス卜組成物を調製した。
[0650] (2) フォトレジスト層 (L3-1 ) の形成
A r Fリソグラフィー用フォトレジス卜 T A r F-P 607 1 (東京応化工 業 (株) 製) を、 スピンコーターにて、 8インチのシリコン基板上に回転数 を変えながら 200^300 nmの膜厚に調整して塗布した後、 1 30°Cで 60秒間プリべークしてフォトレジスト層 (L3-1 ) を形成した。
[0651] (3) フォトレジスト層 (L3) の形成
上記 (2) で形成したフォトレジス卜層 (L3-1 ) 上に、 上記 (1 ) で得 た保護基含有含フッ素重合体 (合成例 6、 8、 1 0および 1 5) を含むレジ スト組成物を、 スピンコーターで、 初めに 300 r pmで 3秒間、 ついで 4 000 r pmで 20秒間ウェハーを回転させ膜厚約 1 00 nmに調整しなが らフォトレジスト層 (L3) を形成し、 フォトレジスト積層体を形成した。
[0652] (4) 対水接触角の測定
上記 (3) で得たレジスト積層体のうち合成例 1 0の重合体を含む塗布用 組成物を用いて作製した積層体の表面について、 室温にて、 接触角計を用い て、 純水に対する接触角を測定した。 結果を表 4に示す。
[0653] [表 4]
表 4
[0654] 実験例 6 (純水に対する溶解速度の測定)
合成例 1 ^3、 合成例 1 0および合成例 1 5で合成した含フッ素重合体に ついて、 つぎの水晶振動子法 (QCM法) により純水に対する溶解速度 (n mZs e c) を測定した。 結果を表 5に示す。
[0655] ( 1 ) 試料の作製:
金で被覆された直径 24 mmの水晶振動子板に実験例 3で調製した塗布用 組成物 (合成例 1 ^3、 合成例 1 0および合成例 1 5の含フッ素重合体を用 いたもの) のそれぞれを塗布し乾燥後、 約 1 OO nm厚の被膜を作製した。
[0656] (2) 純水に対する溶解速度の測定:
膜厚は水晶振動子板の振動数から換算して算出し測定する。 上記で作製し た含フッ素重合体を塗布した水晶振動子板を純水に約 5分間浸し、 浸潰させ た時点から時間に対する被膜の膜厚変化を振動数の変化により測定し、 単位 時間 (分) あたりの溶解速度 (nmZm i n) を算出した。
[0658] 合成例 1 6 (親水性官能基 Yが COOH基と OH基である含フッ素重合体の 合成)
合成例 1 1においてパーフルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビストリ フルォロメチル -3, 6-ジォキサ -8-ノネン酸) 21. 1 gに代えて、 パー フルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビストリフルォロメチル -3, 6-ジ ォキサ -8-ノネン酸) 1 9. 0 gとパーフルォロ - ( 1, 1, 6, 6-テトラ ハイドロ- 2-トリフルォロメチル -3-ォキサ -5-へキセノール) :
[0659] [化 98]
C F 3
I
[0660] 1. 3 gとを用いた以外は合成例 1 1と同様にして、 重合反応および重合体
の単離を行い、 無色透明な重合体 1 6. 1 gを得た。
[0661] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 上 記 C O O H基含有含フッ素ァリルエーテル Z上記 O H基含有含フッ素ァリル エーテル =9 OZ1 0モル0 /oからなる含フッ素重合体であった。
[0662] G PC分析による数平均分子量は 20, 000であった。
[0663] 合成例 1 7 (親水性官能基 Yが COOH基と OH基である含フッ素重合体の 合成)
合成例 1 1においてパーフルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビストリ フルォロメチル -3, 6-ジォキサ -8-ノネン酸) に代えて、 パーフルォ口- ( 6, 6-ジハイド口- 2-トリフルォロメチル -3-ォキサ -5-へキセン酸) :
[0664] [化 99]
CF3
H2C=CFCF2OCFCOOH
[0665] 9. 0 gと合成例 1 2で用いたパーフルォロ - ( 1, 1, 9, 9-テトラハイ ドロ- 2, 5-ビストリフルォロメチル -3, 6-ジォキサ -8-ノネノール) 6 . 2 gとを用いた以外は合成例 1 1と同様にして、 重合反応および重合体の 単離を行い、 無色透明な重合体 1 2. 1 gを得た。
[0666] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 上 記 C O O H基含有含フッ素ァリルエーテル Z上記 O H基含有含フッ素ァリル エーテル =70Z30モル0 /oからなる含フッ素重合体であった。
[0667] G PC分析による数平均分子量は 21, 000であった。
[0668] 合成例 1 8 (親水性官能基 Yが COOH基と OH基である含フッ素重合体の 合成)
合成例 1 1においてパーフルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビストリ フルォロメチル -3, 6-ジォキサ -8-ノネン酸) に代えて、 合成例 1 7で用 いたパーフルォ口- (6, 6-ジハイド口- 2-トリフルォロメチル -3-ォキサ- 5-へキセン酸) 6. 4 gと合成例 1 6で用いたパーフルォロ - (1, 1, 6
, 6-テトラハイドロ- 2-トリフルォロメチル -3-ォキサ -5-へキセノール)
6. 1 gとを用いた以外は合成例 1 1と同様にして、 重合反応および重合体 の単離を行い、 無色透明な重合体 1 0. 5 gを得た。
[0669] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 上 記 C O O H基含有含フッ素ァリルエーテル Z上記 O H基含有含フッ素ァリル エーテル =50Z30モル0 /oからなる含フッ素重合体であった。
[0670] G PC分析による数平均分子量は 22, 000であった。
[0671] 実験例 7 (塗布用組成物の調製)
合成例 1 6^ 1 8でそれぞれ得た各種親水性官能基 Y含有含フッ素重合体 をメチルアミルケトン (MAK) に 5重量%濃度となるように溶解した後、 孔径 0. 2 mサイズのフィルターで濾過して均一な塗布用組成物を得た。
[0672] 実験例 8 (1 93 nmでの透明性の測定)
実験例 4と同様にして実験例,で得た各塗布用組成物の 1 93 n mでの透 明性を測定した。 結果を表 6に示す。
[0673] 実験例 9 (現像液溶解性の測定)
実験例 7で得た塗布用組成物を用いた以外は実験例 5と同様にして、 水晶 振動子法 (QCM法) により現像液溶解速度 (nmZs e c) を測定した。 結果を表 6に示す。
[0674] 実験例 1 0 (純水に対する溶解速度の測定)
実験例 7で得た塗布用組成物を用いた以外は実験例 6と同様にして、 水晶 振動子法 (QCM法) により純水に対する溶解速度 (nmZm i n) を測定 した。
[0675] [表 6] 表 6
193 n ITSでの透明性 現像液溶解性 純水に対する溶解性
(μΠ— mm/s e c ) (nm/ m i n) 合成例 16 0. 2 60 1. 0以下
合成例 1 Ί 0. 2 70 3. 1
合成例 18 0. 2 1000 8. 5
[0676] 実施例 3 (レジスト積層体の形成)
保護層 (L2) に実験例 7で調製した各塗布用組成物を用いた以外は実施 例 1と同様にレジスト積層体を形成し、 それぞれの耐水接触角を測定した。 結果を表 7に示す。
[0677] [表 7] 表 7
[0678] 合成例 1 9 (T F Eとゥンデシレン酸とシクロへキシルビニルエーテルとの 共重合体の合成)
バルブ、 圧力ゲージ、 攪拌器および温度計を備えた 50 Om Iのォートク レーブを窒素-真空の順で数回置換した後、 オートクレープ内 (系内) を真空 にした。 ゥンデシレン酸: CH =CH (CH ) COOH を 62. 5 g、 シ
2 2 8
クロへキシルビニルエーテル: CH =CHOC H を 2. 4 g、 アセトン
2 6 11
の 250 gの溶液を系内に仕込んだ。 ついでバルブよリテトラフルォロェチ レン (T FE) の 35. O gを仕込んだ。 攪拌しながら系内を 60°Cまで昇 温した後、 t-ブチルパーォキシビバレート (パーブチル PV、 日本油脂製) の 1. 9 gを系内に圧入し、 60°Cにて 6時間、 攪拌して反応させた。
[0679] 未反応モノマーを放出したのち、 重合溶液を取り出し濃縮後へキサンで 2 回再沈殿させ、 共重合体を分離した。 恒量になるまで真空乾燥を行い、 共重 合体 46. O gを得た。
[0680] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 T
F EZゥンデシレン酸 Zシクロへキシルビニルエーテル =50Z47Z3モ ル%であった。
[0681] G P C分析による数平均分子量は 4800であった。
[0682] 合成例 20 (T FEとゥンデシレン酸とヒドロキシプチルビニルエーテル との共重合体の合成)
バルブ、 圧力ゲージ、 攪拌器および温度計を備えた 50 Om Iのォートク レーブを窒素-真空の順で数回置換した後、 オートクレープ内 (系内) を真空 にした。 ゥンデシレン酸: CH =CH (CH ) COOH を 62. 5 g、 ヒ
2 2 8
ドロキシブチルビニルエーテル: CH =CHO (CH ) OH を 2. 1 g、
2 2 4
アセトンの 250 gの溶液を系内に仕込んだ。 ついでバルブよリテトラフル ォロエチレン (T FE) の 35. O gを仕込んだ。 攪拌しながら系内を 60 °Cまで昇温した後、 t-ブチルパーォキシビバレート (パーブチル PV、 日本 油脂製) の 1. 9 gを系内に圧入し、 60°Cにて 6時間、 攪拌して反応させ
[0683] 未反応モノマーを放出したのち、 重合溶液を取り出し濃縮後へキサンで 2 回再沈殿させ、 共重合体を分離した。 恒量になるまで真空乾燥を行い、 共重 合体 44. O gを得た。
[0684] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 T
F EZゥンデシレン酸 Zヒドロキシプチルビニルエーテル =50Z46Z4 モル%であった。
[0685] G P C分析による数平均分子量は 5500であった。
[0686] 合成例 21 (T FEとゥンデシレン酸とパーフルォロプロピルビニルエーテ ルとの共重合体の合成)
バルブ、 圧力ゲージ、 攪拌器および温度計を備えた 50 Om Iのォートク レーブを窒素-真空の順で数回置換した後、 オートクレープ内 (系内) を真空 にした。 ゥンデシレン酸: CH =CH (CH ) COOH を 62. 5 g、 パ
2 2 8
一フルォロプロピルビニルエーテル: CF =CFOCF CF CF を 2.
2 2 2 3
1 g、 アセトンの 250 gの溶液を系内に仕込んだ後、 ついでバルブよリテ トラフルォロエチレン (T FE) の 35. O gを仕込んだ。 攪拌しながら系 内を 60°Cまで昇温した後、 t-ブチルパーォキシビバレート (パーブチル P V、 日本油脂製) の 1. 9 gを系内に圧入し、 60°Cにて 6時間、 攪拌して
反応させた。
[0687] 未反応モノマーを放出したのち、 重合溶液を取り出し濃縮後へキサンで 2 回再沈殿させ、 共重合体を分離した。 恒量になるまで真空乾燥を行い、 共重 合体 44. O gを得た。
[0688] この共重合体の組成比は、 1H-NMRぉょび19F-NMR分析の結果ょリ、 T
F EZゥンデシレン酸 Zパーフルォロプロピルビニルエーテル =50Z46
Z4モル%であった。
[0689] G P C分析による数平均分子量は 4900であった。
[0690] 合成例 22 (親水性官能基 Yが- OHである含フッ素重合体の合成)
温度計、 冷却管および滴下ロートを備えた 1 L3口フラスコにパーフルォロ
- (6, 6-ジハイド口- 2-トリフルォロメチル -3-ォキサ -5-へキセン酸ェ チル) :
[0691] [化圃
CH2-CFCF2OCFCOOCH2CH3
[0692] 31 4 gを仕込み、 窒素ガス雰囲気下氷浴中で冷却した。 内温を 5 1 5°C に保ちながら、 1 43 gの CF S i (CH ) を 2時間かけて滴下した。 室温
3 3 3
に戻し一晩攪拌した。 反応液を氷浴に注ぎ、 ジェチルエーテルで抽出した。 有機層を塩酸、 飽和食塩水で洗い、 硫酸マグネシウムで乾燥した。 硫酸マグ ネシゥムをろ過し、 ろ液を濃縮し、 再び温度計、 冷却管および滴下ロートを 備えた 1 L3口フラスコにこれを仕込み、 窒素ガス雰囲気下氷浴中で冷却した 。 内温を 5 1 5°Cに保ちながら、 1 43 §の〇「 5 ! (CH ) を 2時間か
3 3 3
けて滴下した。 室温に戻し一晩攪拌した。 反応液を氷浴に注ぎ、 ジェチルェ 一テルで抽出した。 有機層を塩酸、 飽和食塩水で洗い、 硫酸マグネシウムで 乾燥した。 硫酸マグネシウムをろ過した後、 蒸留により精製し、 パーフルォ 口- (6, 6-ジハイド口- 1, 1, 2-トリストリフルォロメチル -3-ォキサ- 5-へキサノール) :
[0693] [化 101]
CF3 CF3
I I
し H2 = CFCt^ 20し F ― C ― OH
I
、ノ 3
[0694] を 240 g得た。
[0695] 次に、 合成例 1 1においてパーフルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビ ストリフルォロメチル -3, 6 -ジォキサ- 8 _ノネン酸) に代えて、 パーフル ォロ - (6, 6-ジハイド口- 1, 1, 2-トリストリフルォロメチル -3-ォキ サ -5-へキサノール) を 1 8. 1 g用いた以外は合成例 1 1と同様にして、 重合反応および重合体の単離を行い、 無色透明な重合体 1 4. 1 gを得た。
[0696] この重合体を19 F-N MR分析、 1H_NMR分析および I R分析により分析し たところ、 上記 O H基含有含フッ素ァリルエーテルの構造単位のみからなる 含フッ素重合体であった。
[0697] G PC分析による数平均分子量は 20, 000であった。
[0698] 合成例 23 (親水性官能基 Yが- OHである含フッ素重合体の合成)
温度計、 冷却管および滴下ロートを備えた 1L3口フラスコにひフルォロア クリル酸フルオラィド 1 02 gを仕込み、 窒素ガス雰囲気下氷浴中で冷却し た。 内温を 5 1 5°Cに保ちながら、 CF S i (CH ) 386 gを 2時間か
3 3 3
けて滴下した。 室温に戻し一晩攪拌した。 反応液を氷浴に注ぎ、 ジェチルェ 一テルで抽出した。
[0699] 有機層を塩酸、 飽和食塩水で洗い、 硫酸マグネシウムで乾燥した。 蒸留に より精製し、 1, 1_ビストリフルォロメチル _2_フロロ _2_プロペン—1-ォ ール:
CH =CFC (CF ) OH
2 3 2
1 0. 2 gを得た。
[0700] 次に、 合成例 1 1においてパーフルォロ - (9, 9-ジハイド口- 2, 5-ビ ストリフルォロメチル -3, 6-ジォキサ -8-ノネン酸) に代えて、 1, 1-ビ
ストリフルォロメチル -2-フロロ- 2-プロペン- 1-オール 1 0. 2 gを用い た以外は合成例 1 1と同様にして、 重合反応および重合体の単離を行い、 無 色透明な重合体 6. 5 gを得た。
[0701] この重合体を19 F-N MR分析、 1H-NMR分析および I R分析により分析し たところ、 上記 O H基含有含フッ素ァリルエーテルの構造単位のみからなる 含フッ素重合体であった。
[0702] G PC分析による数平均分子量は 24, 000であった。
[0703] 実験例 1 1 (塗布用組成物の調製)
合成例 1 9 23で得た各種親水性官能基 Y1含有含フッ素重合体をメチル アミルケトン (MAK) に 5重量%濃度となるように溶解した後、 孔径 0.
2 β mサイズのフィルタ一で濾過して均一な塗布用組成物を得た。
[0704] 実験例 1 2 (1 93 n mでの透明性の測定)
実験例 4と同様にして実験例 1 1で得た塗布用組成物の 1 93 n mでの透 明性を測定した。 結果を表 8に示す。
[0705] 実験例 1 3 (現像液溶解性の測定)
実験例 1 1で得た塗布用組成物を用いた以外は実験例 5と同様にして、 水 晶振動子法 (QCM法) により現像液溶解速度 (nmZs e c) を測定した
。 結果を表 8に示す。
[0706] 実験例 1 4 (純水に対する溶解速度の測定)
実験例 1 1で得た塗布用組成物を用いた以外は実験例 6と同様にして、 水 晶振動子法 (QCM法) により純水に対する溶解速度 (nmZm i n) を測 定した。 結果を表 8に示す。
[0707] [表 8]
表 8
[0708] 実施例 4 (レジスト積層体の形成)
保護層 (L 2 ) に実験例 1 1で調製した塗布用組成物を用いた以外は実施 例 1と同様にレジスト積層体を形成し、 それぞれの耐水接触角を 0秒後 1 0秒後、 6 0秒後 7 0秒後に測定した。 結果を表 9に示す。
[0709] [表 9] 9
[0710] 本発明の第一および第二の発明のレジスト積層体によれば、 波長 1 9 3 n m以上の紫外光で露光する、 純水を液状媒体として用いる液浸リソグラフィ 一の露光工程で、 目的の形状の微細パターンを欠陥なく、 再現良く形成可能 である。