JP4752597B2 - レジスト積層体の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明はフォトレジスト層上に、反射防止層を設けてなるレジスト積層体の形成方法、およびその形成に利用可能なコーティング組成物に関する。
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化が求められており、そのため、レジストパターンの形成の際に使用する露光光源の短波長化が進んでいる。64MビットDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)の量産プロセスにはKrFエキシマレーザー(248nm)が使用されたが、256Mや1Gビット以上のDRAMの製造には、より短波長なArF(193nm)エキシマレーザーが露光源として使用される。また、近年、更なる微細化を目指して、より短波長なF2(157nm)レーザーも新たな露光光として検討されている。
これらリソグラフィーの露光系としては単色光と屈折光学系レンズの組み合わせが主流であるが、露光時において入射する光と基盤からの反射光とが干渉し定在波が発生するため、パターン線幅などの寸法変動や形状の崩れなどが起っている。特に、段差を有する半導体基盤上に微細なレジストパターンを形成する場合には、この定在波による寸法変動や形状の崩れが著しい(定在波効果)。
従来、この定在波効果を抑える方法として、レジスト材料に吸光剤を入れる方法、レジスト層上面に反射防止層を設ける方法(TARC法。特許文献1、特許文献2、特許文献3)や、レジスト下面に反射防止層を設ける方法(BARC法。特許文献4)が提案された。この中でTARC法はi線より実用化が進められ、レジスト上面に透明な上層反射防止膜を形成し、露光後剥離する工程を含む方法であり、その簡便な手法で繊細かつ寸法精度、特に合わせ精度の高いパターンを形成する方法である。
BARC法でも高い反射防止効果を得ることができるが、下地に段差がある場合は、段差上で反射防止膜の膜厚が大きく変動し大きく反射率が変動する点、膜厚の変動を抑えるため反射防止膜の膜厚を厚くすると反射率が上昇する点などの欠点を持つため、フォトレジスト層の上面に設けられる上層反射防止膜との併用が望まれている。また、上層反射防止膜は本来の反射防止機能だけでなく、露光後の現像液との親和性を上げることにより現像欠陥を防止するといった機能、あるいは環境遮断膜としての機能も有しており、今後ますます重要な材料になる。
当初、TARC法に用いる反射防止膜材料として屈折率が低いパーフルオロポリエーテルが検討されたが、希釈剤や剥離剤として含フッ素炭化水素系溶剤を用いねばならず、コストがかさみ、また成膜性にも問題があり、実用面でデメリットがあった。
この難点を克服するため、現像液として用いられるアルカリ水溶液やリンス液として用いられる純水で容易に剥離できるフッ素系の反射防止膜材料が開発されてきた(特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12)。
これらは主に、非フッ素系のバインダーポリマーであるポリビニルピロリドンやポリビニルアルコールなどの水溶性高分子と、低分子量の含フッ素アルキルスルホン酸、含フッ素アルキルカルボン酸とそのアミン塩、またさらに主鎖末端がスルホン酸、カルボン酸またはそれらのアミン塩である高分子量の含フッ素ポリエーテルとからなる組成物である。
しかし、低分子量の含フッ素アルキルスルホン酸、含フッ素アルキルカルボン酸やそれらのアミン塩を用いた場合、分子量が小さいためレジスト層中に拡散してしまい、レジストのパターンプロファイルが劣化するという欠点がある。
また、主鎖末端がスルホン酸、カルボン酸またはそれらのアミン塩である高分子量の含フッ素ポリエーテルを用いた場合、拡散を防ぐために充分な高分子量では水溶性が低下するかまたは不溶になるという欠点があり、また、成膜性も悪化する。
さらにKrF用に開発されたポリビニルピロリドンをバインダーポリマーとして用いる反射防止膜では、ポリビニルピロリドンがArFエキシマレーザーの露光波長における屈折率が高く、また露光光の透過率が低いため、ArFレジスト用の反射防止膜材料としては不適である。
一方、これらの欠点を補うために、フッ素系高分子の側鎖にスルホン酸またはそのアミン塩を有する含フッ素重合体(特許文献13、特許文献14)やカルボン酸のフッ素化アルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩をカウンターイオンとして有するパーフルオロ化合物を用いた反射防止膜用組成物が開発されてきた(特許文献15)。
これらのうち側鎖にスルホン酸やそのアミン塩を用いたフッ素系の反射防止膜材料では(特許文献13、14)、スルホン酸およびそのアミン塩の酸性度が強すぎて、現像後のレジストパターン表層部が丸くなりエッチング工程で問題になる点、未露光部の表層も化学増幅反応を起こして膜減りする点、また酸成分の影響で素子製造装置類が腐食され錆びなどが発生し製品不良を引き起こす点などの問題がある。
一方、カルボン酸のフッ素化アルキルアミン塩またはアルカノールアミン塩をカウンターイオンとして有するパーフルオロ化合物を用いたフッ素系の反射防止膜材料(特許文献15)では、フッ素含有率が低く、実用上充分な低屈折率が得られない。また、単量体中に含有される親水性基量が少ないために、レジスト現像液や水系溶媒に対する溶解性(=溶解速度)が非常に低い点、さらには成膜性が悪いといった欠点がある。
また、カルボキシル基の含有比率の高い含フッ素重合体を用いた反射防止膜用組成物(特許文献16、17)が検討されているが、これらではカルボキシル基含有含フッ素重合体として分子量の低いものを得ているだけで、低分子量の含フッ素重合体を用いてレジスト用反射防止膜用組成物の検討を行っている。
これら低分子量の含フッ素重合体は水に対する溶解性が不十分であり、アミン類や界面活性剤などの添加が必要となり、それによって反射防止被膜の屈折率を低下させたり、透明性を低下させてしまう問題点がある。
またさらには、可溶化させるため水にアルコール類等の水溶性有機溶媒を大量に混合させる必要が生じ、その結果、レジスト膜上に塗布する際にレジスト層と反射防止層の界面がインターミキシングしてしまい充分な反射防止効果が得られなくなってしまう。
したがって、これらの問題点を改善し、実用的な水溶性を有する上層反射防止膜材料、特にKrF用、ArF用フォトレジストの上層反射防止膜材料が渇望されているのが現状である。
このように従来の反射防止膜材料に使用される重合体は屈折率が高く、パターン形成における効果が充分得られなかった。
一方、従来の材料は屈折率が低いものであっても水溶性または水性溶剤への溶解性が不充分であったために、フォトレジスト層上に反射防止層を形成する際、重合体を含むコーティング組成物に有機溶剤を使用する必要が生じ、フォトレジスト層と反射防止層とがインターミキシングしてしまい、それらの界面が不明確になり、パターン形成において低屈折率による充分な効果を発揮できなくなってしまっていた。また現像液溶解性(溶解速度)も不充分であり、従来の現像プロセスでは反射防止層を除去できなかったり、現像プロセスにおける露光部のレジスト層除去工程でも反射防止層をスムーズに除去できないこともある。
特開昭60−38821号公報 特開昭62−62520号公報 特開昭62−62521号公報 特開昭62−159143号公報 特開平5−188598号公報 特開平6−41768号公報 特開平6−51523号公報 特開平7−234514号公報 特開平8−305032号公報 特開平8−292562号公報 特開平11−349857号公報 特開平11−352697号公報 特開2001−194798号公報 特開2001−200019号公報 特開2001−133984号公報 特開平11−124531号公報 特開2004−37887号公報
そこで、より低屈折率で、かつ現像液溶解性に優れた含フッ素重合体からなるレジスト用反射防止膜をフォトレジスト層上に設けることで、特にi線(365nm)より短い紫外領域の光線を利用するフォトリソグラフイープロセスにおいて充分な反射防止効果を有し、かつその中の現像プロセスにおいても充分な現像特性を有するレジスト積層体を形成することを目指し、親水性基を有する種々の含フッ素重合体を検討した結果、低屈折率性と水または水性溶剤または現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液)に対する溶解性とを両立できる含フッ素重合体を見出すことができ、さらにフォトレジスト層にこの含フッ素重合体からなる反射防止層を設けることで、フォトリソグラフィーの露光プロセスにおいて特に優れた反射防止効果を発揮でき、なおかつ現像プロセスにおいても容易に反射防止層を除去できることを見出した。
すなわち本発明は、
(I)基板上にフォトレジスト層(L1)を形成する工程、および
(II)フォトレジスト層(L1)上に、含フッ素重合体(A)を含むコーティング組成物を塗布することにより反射防止層(L2)を形成する工程
を含むフォトレジスト積層体の形成方法であって、
含フッ素重合体(A)が、式(M):
−(M)−(N)− (M)
[式中、構造単位Mは式(1):
Figure 0004752597
(式中、X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれもH、FまたはCF3;Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜8の含フッ素アルキル基;RはH、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基またはエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基;YはH、F、CH3またはCF3;ZはCH2、CHF、CF2またはC=O;nは0〜4の整数)で表される含フッ素単量体(m)由来の構造単位;構造単位Nは前記含フッ素単量体(m)と共重合可能な単量体(n)由来の構造単位]であり、構造単位Mが0.1〜100モル%、構造単位Nが0〜99.9モル%の含フッ素重合体であること
を特徴とするフォトレジスト積層体の形成方法に関する。
また本発明は、前記含フッ素重合体(A)と、(B)水性溶剤または有機溶剤とを含むコーティング組成物にも関する。
本発明は、特に反射防止層(L2)に用いる特定の含フッ素重合体(A)に特徴を有するものであり、この含フッ素重合体(A)を反射防止層(L2)中に主成分として存在させることで、フォトレジスト層(L1)単独の場合で発生する定在波効果や段差のあるパターニングでの多重反射効果によるレジストパターンへの悪影響を低減でき、また外部雰囲気(空気中の酸性または塩基性物質や水分など)の影響によるパターン形状の変化を低減でき、その結果、パターンの形状、寸法精度が向上し、またそれらの再現性に優れた極微細レジストパターンを形成できるものである。
本発明の反射防止層(L2)に用いる含フッ素重合体(A)は、従来では困難であった低屈折率と水溶性または水性溶剤溶解性または現像液溶解性(溶解速度)を両立できるものであり、その結果、上記パターン形成における効果に加えて、さらに従来のフォトリソグラフィープロセス、なかでも特に現像プロセスにおいて、従来どおり適応可能な性能を有するものである。
本発明によれば、リソグラフィー用フォトレジスト積層体を形成する工程において、とりわけKrF(248nm)レーザーまたはArF(193nm)レーザーを露光光とするリソグラフィーにおいて、レジスト積層体の反射防止層を親水性基を含み高フッ素含有率の含フッ素重合体から構成しているため、フォトレジスト層内での照射光と基板からの反射光が干渉するために生じるパターン寸法精度の低下および現像工程での溶解速度の低下を防ぎ、微細加工性を改善することができる。
はじめに、本発明のフォトレジスト積層体の形成方法において反射防止層(L2)を構成する特定の含フッ素重合体(A)について述べる。
本発明において反射防止層(L2)に用いる含フッ素重合体(A)は、式(M):
−(M)−(N)− (M)
[式中、構造単位Mは式(1):
Figure 0004752597
(式中、X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれもH、FまたはCF3;Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜8の含フッ素アルキル基;RはH、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基またはエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基;YはH、F、CH3またはCF3;ZはCH2、CHF、CF2またはC=O;nは0〜4の整数)で表される含フッ素単量体(m)由来の構造単位;構造単位Nは前記含フッ素単量体(m)と共重合可能な単量体(n)由来の構造単位]であり、構造単位Mが0.1〜100モル%、構造単位Nが0〜99.9モル%の含フッ素重合体である。
特定の構造単位Mを有することによって、低屈折率と水溶性または現像液溶解性(溶解速度)を両立でき、さらに薄層の反射防止被膜としたとき、自立膜として良好な機械的強度を付与できる。
特に、含フッ素重合体(A)を構成する構造単位は、構造単位Mのみで実質的に構成されることが好ましく、それによって、良好な水溶性または水性溶剤溶解性または現像液溶解性(溶解速度)を維持しながらさらに低屈折率化を達成できる。−OH基を含有することにより、特に透明性に優れ、低屈折率となる。
本発明の反射防止層(L2)に用いる含フッ素重合体(A)のフッ素含有率は50質量%以上が好ましい。フッ素含有率が小さくなると、露光時に365nm以下の紫外領域の光線を用いるフォトリソグラフィープロセスにおいてはその波長で測定した屈折率が高くなりすぎ、反射防止効果が充分に得られず、定在波効果や多重反射効果によるレジストパターンへの悪影響に対する改善効果が不充分となることがある。
含フッ素重合体(A)のフッ素含有率の好ましくは、55質量%以上、より好ましくは57.5質量%以上である。それによって、例えば193nmでの屈折率を1.46以下とすることができ、また1.44以下、さらには1.42以下とすることができるため好ましい。
フッ素含有率の上限は70質量%であり、好ましくは65質量%、より好ましくは62.5質量%、特には60質量%である。フッ素含有率が高すぎると、形成される被膜の撥水性が高くなり過ぎて現像液溶解速度を低下させたり、現像液溶解速度の再現性を悪くしたりすることがある。
特定の含フッ素重合体(A)は、構造単位Mが0.1〜100モル%、構造単位Nが0〜99.9モル%のものである。
さらに本発明において、反射防止層(L2)にOR基の含有率が特定量以上のもの、つまり従来のものに比べて高いOR基含有率の含フッ素重合体を用いることが好ましい。
具体的には含フッ素重合体(A)100g中のOR基のモル数が0.14以上のものであり、それによって水溶性、現像液溶解性(溶解速度)において良好なものとなり、実用的なものとなり得る。
含フッ素重合体(A)100g中のOR基のモル数が0.14を下回ると水または現像液に対して不溶になるか、あるいは現像液には溶解しても現像プロセス時の溶解速度が低く、フォトリソグラフィープロセスにおいて実用性が不充分なものとなることがある。
好ましくは、含フッ素重合体(A)100g当たりのOR基のモル数は0.21以上、より好ましくは0.22以上である。
OR基の含有率(モル数)の上限は、含フッ素重合体(A)100g当たり0.5、より好ましくは0.45、さらに好ましくは0.4である。OR基の含有率が高くなりすぎると、特に真空紫外領域での屈折率が高くなる場合がある。
本発明のフォトレジスト積層体の形成方法において、特定の含フッ素重合体(A)を反射防止層(L2)に用いることで、従来のフォトレジストプロセスにおいても実用的に適応でき、かつ定在波効果や多重反射効果によるレジストパターンへの悪影響を改善できるものである。
含フッ素重合体(A)の構造単位Mにおいて、好ましいX1およびX2は同じかまたは異なり、いずれもH、FまたはCF3であり、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜8の含フッ素アルキル基;RはH、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基またはエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基;YはH、F、CH3またはCF3;ZはCH2、CHF、CF2またはC=O;nは0〜4の整数である。
Rf1およびRf2は、好ましくはCF3、C25、47、817であり、特に合成法上容易に同構造を得られる溶剤または現像液の可溶性を保持できるという点からCF3、C25である。
Rの好ましいものの第1としては、水素原子、すなわちORが水酸基であるものである。水酸基とすることにより、特に水または水性溶剤または現像液への溶解性の点で優れた効果が奏される。
Rの好ましいものの第2としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のエーテル結合を含むアルキル基である。Rがアルキル基の場合、フォトレジスト層を侵さない炭化水素系溶剤への溶解という効果が奏される。具体例としては、たとえばCH3、C25、C37、CH(CH32、C49、C(CH33、C511、シクロペンチル、C613、シクロヘキシル、C713、C817などがあげられる。Rがエーテル結合を含むアルキル基の場合、水または水性溶剤または現像液への溶解性を高めるという効果が奏される。具体例としては、たとえばCH2OCH3、CH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH3、CH2OCH2OCH3、ポリエチレングリコール基などがあげられる。
Rの好ましいものの第3としては、炭素数1〜8の含フッ素アルキル基、炭素数2〜8のエーテル結合を含む含フッ素アルキル基である。Rが含フッ素アルキル基の場合、フッ素含量を向上させることで紫外線領域での屈折率を下げるという効果が奏される。具体例としては、たとえばCF3、C25、C24H、C37、CF(CF32、C49、C(CF33、C511、C613、713、C817などがあげられる。Rがエーテル結合を含む含フッ素アルキル基の場合、フッ素含量を向上させることで紫外線領域での屈折率を下げる効果と非結晶性樹脂とすることで透明性を向上させるという効果が奏される。具体例としては、たとえば、CF2OCF2CF3、CF(CF3)CF2OCF(CF3)CF3、CF2CF2CF2OCF2CF3などがあげられる。
YはH、F、CH3またはCF3であり、好ましくは低屈折率化が達成できる点からFまたはCF3である。
ZはCH2、CHF、CF2またはC=Oであり、好ましくは低屈折率化が達成できる点からCHF、CF2である。
nは0〜4の整数であり、合成が容易な点から0〜2、特に0である。
含フッ素重合体(A)の構造単位Mを与える単量体(m)として好ましいものは、式(2):
Figure 0004752597
(式中、Rおよびnは前記式(1)と同じ)で表される単量体(m1)であり、なかでも、
Figure 0004752597
で示される単量体が好ましい。
本発明の反射防止層(L2)に用いる式(M)の含フッ素重合体(A)は式(1)の構造単位Mを与える含フッ素単量体(m)の単独重合体であっても、構造単位Nを与える他の単量体(n)との共重合体であってもよい。
共重合体とする場合、共重合成分の構造単位(N)は適宜選択できるが、現像液溶解性を維持する範囲で屈折率を低く設定する目的で選択するのが好ましく、具体的には、含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位の中から選択される。
なかでも、つぎの構造単位N1〜構造単位N8から選ばれるものが好ましい。
(N1)炭素数2または3のエチレン性単量体であって、少なくとも1個のフッ素原子を有する含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位:
この構造単位N1は、現像液溶解性を低下させずに効果的に屈折率を低くできたり、透明性を改善できる点で好ましい。また、反射防止層の被膜強度を改善できる点でも好ましい。
具体的には、
CF2=CF2、CF2=CFCl、CH2=CF2、CFH=CH2、CFH=CF2、CF2=CFCF3、CH2=CFCF3、CH2=CHCF3などがあげられ、なかでも、共重合性が良好でかつ透明性、低屈折率性を付与する効果が高い点で、テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)、クロロトリフルオロエチレン(CF2=CFCl)、フッ化ビニリデン(CH2=CF2)が好ましい。
(N2)式(n2):
Figure 0004752597
(式中、X1、X2、Y、Zおよびnは前記式(1)と同じ;QはH、CH2OH、COOH、CONH2、CN、CH2OP(Pは炭素数1〜8の含フッ素アルキル基または炭素数2〜8のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)、SO3H、SO2NH2)で表される単量体由来の構造単位:
この構造単位は、効果的に水または水性溶剤または現像液の溶解性を向上させたり、屈折率を低くしたり、透明性を改善できる点で好ましい。
具体的には、
Figure 0004752597
などが好ましくあげられる。
(N3)式(n3):
Figure 0004752597
(式中、X1およびX2は前記式(1)と同じ;X3はH、F、Cl、CH3またはCF3;X4、X5は同じかまたは異なりHまたはF;aおよびcは同じかまたは異なり0または1;Rf3は炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)で表される単量体由来の構造単位:
この構造単位は、効果的に屈折率を低くしたり、透明性を改善できる点で好ましい。
具体的には、
CH2=CFCF2−O−Rf3
CF2=CF−O−Rf3
CF2=CFCF2−O−Rf3
CF2=CF−Rf3
CH2=CH−Rf3
CH2=CH−O−Rf3
(式中、Rf3は前記式(n3)と同じ)などが好ましくあげられる。
(N4)−COOH基を含む式(n4):
Figure 0004752597
(式中、X6、X7は同じかまたは異なりHまたはF;X8はH、F、Cl、CH3またはCF3であり、ただし、X6、X7、X8の少なくとも1つはフッ素原子を含む)で表される含フッ素単量体由来の構造単位:
この構造単位は、−COOHを親水性基として含む含フッ素単量体である含フッ素アクリル酸由来の構造単位を水溶性・現像液溶解性を付与する成分として含むもので、特に水溶性・現像液溶解性に優れたものとなる点で好ましい。
式(n4)の含フッ素単量体は、具体的には、
Figure 0004752597
があげられ、なかでも
Figure 0004752597
が重合性が良好な点で好ましい。
(N5)含フッ素アクリレート系単量体由来の構造単位:
具体的には、式(n5):
Figure 0004752597
(式中、X9はH、FまたはCH3;Rf4は炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)で表される含フッ素アクリレート単量体由来の構造単位であることが好ましく、これらは含フッ素単量体との共重合性が高く、含フッ素重合体に低屈折率性を付与できる点で好ましい。
式(n5)の含フッ素アクリレートにおいて、Rf4基は、
Figure 0004752597
(式中、d3は1〜4の整数;e3は1〜10の整数)などがあげられる。
(N6)含フッ素ビニルエーテル系単量体由来の構造単位:
具体的には、式(n6):
CH2=CHO−Rf5 (n6)
(式中、Rf5は炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)で表される含フッ素ビニルエーテル由来の構造単位であることが好ましく、これらは含フッ素単量体との共重合性が高く、含フッ素重合体に低屈折率性を付与できる点で好ましい。
式(n6)の単量体は、具体的には、
Figure 0004752597
(式中、e6は1〜10の整数)などが好ましくあげられる。
より具体的には、
Figure 0004752597
などの単量体由来の構造単位があげられる。
その他、つぎの構造単位(N7)や(N8)もあげられる。
(N7)式(n7):
CH2=CHCH2O−Rf6 (n7)
(式中、Rf6は炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)で表される含フッ素アリルエーテル由来の構造単位。
(N8)式(n8):
CH2=CH−Rf7 (n8)
(式中、Rf7は炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)で表される含フッ素ビニル単量体由来の構造単位。
これらは含フッ素重合体に低屈折率性を付与できる点で好ましい。
式(n7)、(n8)の単量体は、具体的には、
Figure 0004752597
などの単量体由来の構造単位があげられる。
式(M)の含フッ素重合体における各構造単位の存在比率は、構造単位Mが0.1〜100モル%、構造単位Nが0〜99.9モル%の範囲内で適宜選択されるが、好ましくは構造単位Mが10〜100モル%、構造単位Nが0〜90モル%であり、さらに好ましくは構造単位Mが20〜80モル%、構造単位Nが20〜80モル%、より好ましくは構造単位Mが30〜70モル%、構造単位Nが30〜70モル%、特に好ましくは構造単位Mが40〜60モル%、構造単位Nが40〜60モル%である。
含フッ素重合体(A)の数平均分子量は、10000〜750000であることが好ましい。
数平均分子量が低すぎると、水溶性を低下させたり、一旦、水溶化できていても、水溶液の安定性が不十分となり、保存や他の添加物の添加により、含フッ素重合体が部分的に沈降、析出または白濁してしまう。好ましい下限は20000、より好ましくは31000である。
一方、数平均分子量が高すぎると、反射防止被膜の成膜性を悪化させるため好ましくない。好ましい上限は500000、より好ましくは300000である。
本発明の反射防止層(L2)に用いる含フッ素重合体(A)の好ましい具体例は、前記単量体(m1−1)、(m1−2)および/または(m1−3)の単独重合体、またはこれらの単量体と前記式(n1)〜(n8)、特に式(n1)(n2)または(n3)との共重合体があげられる。
なかでも、特に紫外領域の光に対して透明性が高く、かつ屈折率を低く設定できる点で、つぎの(共)重合体が好ましい。
(P1)構造単位Mの単独重合体:
構造単位Mは前記のとおり、式(1):
Figure 0004752597
(式中、X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれもH、FまたはCF3;Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜8の含フッ素アルキル基;RはH、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基またはエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基;YはH、F、CH3またはCF3;ZはCH2、CHF、CF2またはC=O;nは0〜4の整数)で表される含フッ素単量体(m)由来の構造単位である。
さらには、現像液への高い溶解性が獲得できる点で、
Figure 0004752597
で示される単量体の単独重合体が好ましい。
(P2)構造単位Mと構造単位N1との共重合体:
構造単位Mは式(1)で表される単量体から選ばれ、さらに好ましくは前記単量体(m1−1)、(m1−2)および/または(m1−3)である構造単位である。
構造単位N1は前記のとおり炭素数2または3のエチレン性単量体であって、少なくとも1個のフッ素原子を有する含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位である。
この構造単位N1を共重合することにより、現像液溶解性を低下させずに効果的に屈折率を低くでき、透明性を改善できる点で好ましい。また、反射防止層の被膜強度を改善できる点でも好ましい。なかでも、共重合性が良好でかつ透明性、低屈折率性を付与する効果が高い点で、テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)、クロロトリフルオロエチレン(CF2=CFCl)、フッ化ビニリデン(CH2=CF2)が好ましい。
(P3)構造単位Mと構造単位N2との共重合体:
構造単位Mは式(1)で表される単量体から選ばれ、さらに好ましくは前記単量体(m1−1)、(m1−2)および/または(m1−3)である構造単位である。
構造単位N2は前記のとおり式(n2):
Figure 0004752597
(式中、X1、X2、Y、Zおよびnは前記式(1)と同じ;QはH、CH2OH、COOH、CONH2、CN、CH2OP(Pは炭素数1〜8の含フッ素アルキル基または炭素数2〜8のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)、SO3H、SO2NH2)で表される単量体由来の構造単位である。
この構造単位N2を共重合することにより、効果的に水または水性溶剤または現像液の溶解性を向上させたり、屈折率を低くしたり、透明性を改善できる点で好ましい。なかでも、水溶性または水性溶媒への溶解性または現像液への溶解性を高める効果が高い点で、
Figure 0004752597
が好ましい。
(P4)構造単位Mと構造単位N3との共重合体:
構造単位Mは式(1)で表される単量体から選ばれ、さらに好ましくは前記単量体(m1−1)、(m1−2)および/または(m1−3)である構造単位である。
構造単位N3は前記のとおり式(n3):
Figure 0004752597
(式中、X1およびX2は前記式(1)と同じ;X3はH、F、Cl、CH3またはCF3;X4、X5は同じかまたは異なりHまたはF;aおよびcは同じかまたは異なり0または1;Rf3は炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)で表される単量体由来の構造単位である。
この構造単位N3を共重合することにより、効果的に屈折率を低くできかつまた透明性を改善できる点で好ましい。
具体的には、
CH2=CFCF2−O−Rf3
CF2=CF−O−Rf3
CF2=CFCF2−O−Rf3
CF2=CF−Rf3
CH2=CH−Rf3
CH2=CH−O−Rf3
(式中、Rf3は前記式(n3)と同じ)などが好ましくあげられる。
本発明のフォトレジスト積層体の形成方法において、予め形成されたフォトレジスト層(L1)上に反射防止層(L2)が、前述の含フッ素重合体(A)を含むコーティング組成物を塗布することで形成される。
反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物は、前記含フッ素重合体(A)と溶剤(B)を含むものである。
溶剤(B)は、コーティング組成物を塗布したとき、予め形成された下層のフォトレジスト被膜(L1)を再溶解させない溶剤から選ばれることが好ましく、その点から、水および/またはアルコール類であることが好ましい。
本発明の前述の含フッ素重合体(A)は、これら水やアルコール類に対して良好な溶解性を有するものである。
溶剤(B)のうち、水は、水であれば特に制限されないが、蒸留水、イオン交換水、フィルター処理水、各種吸着処理などにより有機不純物や金属イオンなどを除去したものが好ましい。
アルコール類は、フォトレジスト層(L1)を再溶解させないものから選ばれ、下層のフォトレジスト層(L1)の種類に応じて適宜選択されるが、一般に低級アルコール類が好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどが好ましい。
なお、これら溶剤(B)に加えて、フォトレジスト層(L1)を再溶解させない範囲内で、塗布性等の改善を目的として、水に可溶な有機溶媒を併用してもよい。
水に可溶な有機溶媒としては、水に対して1質量%以上溶解するものであればとくに制限されない。例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢酸エステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、カルビトールアセテートなどといった極性溶媒などが好ましくあげられる。
水またはアルコール類に加えて添加される水溶性の有機溶媒の添加量は、溶剤(B)全体量に対し、0.1〜95質量%、好ましくは0.5〜75質量%、より好ましくは1〜50質量%、特に好ましくは1〜30質量%である。
本発明の反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物は、必要に応じて、塩基性の物質、例えばアンモニアまたは有機アミン類から選ばれる少なくとも1種を添加しても良い。この場合、コーティング組成物中でpKaが11以下の酸性OH基は、たとえばアンモニウム塩、アミン塩などの形で親水性誘導体部位になっていることもある。
塩基性物質の添加は、特に含フッ素重合体(A)中の任意成分である構造単位Nが親水性基として−COOHまたは−SO3Hを有しているとき、水溶性・現像液溶解性を向上させる点で、また、現像液溶解速度の再現性を保つために有効である。また、コーティング組成物のpHを最適な範囲に調整するためにも有効である。
有機アミン類は水溶性の有機アミン化合物が好ましく、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミンなどの第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの第二級アミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピロール、ピペリジン、オキサゾール、モルホリンなどの第三級アミン類;モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどのヒドロキシルアミン類;水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム化合物;エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレントリアミン、イミダゾール、イミダゾリジン、ピラジン、s−トリアジン等の第一級〜第三級の多価アミン類などが好ましくあげられる。
なかでも、低屈折率の維持、現像液溶解速度の向上という面で、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどのヒドロキシルアミン類であることが好ましく、なかでも特にモノエタノールアミンが好ましい。
コーティング組成物においてアンモニアまたは有機アミン類の添加量は、使用する含フッ素重合体(A)の親水性基1モルに対し、通常0.01モル〜10モルの範囲で添加でき、好ましくは0.1〜5モル、より好ましくは0.5〜1モルである。
本発明の反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物には、必要に応じて公知の界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤の添加は下層のフォトレジスト層(L1)表面に対するコーティング組成物の濡れ性を改善し、均一な薄膜を形成するために有効である。またさらに、コーティング後、得られる反射防止層(L2)表面の表面張力を低下させ、その結果、現像液溶解性を安定化させる点でも好ましい。さらに、ストリエーションを防ぐ点でも好ましい。
添加される界面活性剤として、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などがあげられるが、アニオン系界面活性剤が好ましく用いられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレートなど、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシ脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アセチレングリコール誘導体などがあげられる。
また、アニオン系界面活性剤としては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸、およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸、およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキル硫酸、およびそのアンモニウム塩または有機アミン塩などがあげられる。
両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホンベタインなどがあげられる。
また、さらにフッ素系界面活性剤も反射防止層(L2)に低屈折率性を維持させることができる点で好ましく、具体的には、
Figure 0004752597
Figure 0004752597
Figure 0004752597
などがあげられる。
また、さらにフッ素系界面活性剤は上記低分子化合物のみならず、つぎの高分子系化合物も反射防止層(L2)に低屈折率性を維持させることができる点で好ましい。
具体的には、(a)フルオロアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(単量体(a))、(b)ポリアルキレングリコールアクリレートまたはポリアルキレングリコールメタクリレート(単量体(b))、(c)3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(c))、および(d)グリセロールモノ(メタ)アクリレート(単量体(d))から誘導される構成単位を含有する数平均分子量1,000〜500,000の共重合体、およびこれを含有する高分子型フッ素系界面活性剤があげられる。
各構成単位を与える単量体について以下に説明する。
単量体(a)としては、たとえば式:
Rf2010OCOCR11=CH2
[式中、Rf20は炭素数3〜20の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基、R11は水素原子またはメチル基、R10は炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基、−SO2N(R12)R13−基(R12は炭素数1〜10のアルキル基、R13は炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基)または−CH2CH(OR14)CH2−基(R14は水素原子または炭素数1〜10のアシル基)]で示される化合物の1種または2種以上があげられる。
単量体(a)の好ましい例を以下にあげる。これらは単独または2種以上混合して使用してもよい。
(a−1)CF3(CF2n(CH2mOCOCR11=CH2(式中、R11は水素原子またはメチル基、nは2〜19の整数、mは1〜10の整数)
具体例としては、
CF3(CF27(CH210OCOCH=CH2
CF3(CF27(CH22OCOCH=CH2
CF3(CF26CH2OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF27(CH22OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF29(CH22OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF211(CH22OCOC(CH3)=CH2
などがあげられる。
(a−2)(CF32CF(CF2n(CH2mOCOCR11=CH2(式中、R11は水素原子またはメチル基、nは0〜17の整数、mは1〜10の整数)
具体例としては、
(CF32CF(CF28(CH22OCOCH=CH2
などがあげられる。
(a−3)CF3(CF2nSO2N(R12)(CH2mOCOCR11=CH2(式中、R11は水素原子またはメチル基、R12は炭素数1〜10のアルキル基、nは2〜19の整数、mは1〜10の整数)
具体例としては、
CF3(CF27SO2N(CH3)(CH22OCOCH=CH2
CF3(CF27SO2N(C25)(CH22OCOC(CH3)=CH2
などがあげられる。
(a−4)(CF32CF(CF2nCH2CH(OR14)(CH2mOCOCR11=CH2(式中、R11は水素原子またはメチル基、R14は水素原子または炭素数1〜10のアシル基、nは0〜17の整数、mは1〜10の整数)
具体例としては、
(CF32CF(CF28CH2CH(OCOCH3)CH2OCOC(CH3)=CH2
(CF32CF(CF28CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2
などがあげられる。
単量体(b)としては、たとえば式:
CH2=CR15COO−(R16O)n−R17
(式中、R15およびR17は水素原子またはメチル基、R16は炭素数2〜6のアルキレン基、nは3〜50の整数)で示される化合物の1種または2種以上であることが好ましい。
16としては、通常−CH2CH2−が好適であるが、−CH(CH3)CH2−、−CH(C25)CH2−などであってもよい。すなわち本発明においては、R16が−CH2CH2−であるポリエチレングリコールアクリレートまたはメタクリレートが特に好ましく用いられ得る。また、nは3〜50の整数から選ばれるが、通常はnが9〜25の整数から選ばれる場合に特に良好な結果が得られる。もちろん、R16の種類やnの異なる2種以上の単量体の混合物の形態であってもよい。
単量体(b)の例を以下にあげる。これらは単独または2種以上混合して使用してもよい。
(b−1)CH2=CR15COO(CH2CH2O)n17(式中、R15およびR17は水素原子またはメチル基、nは3〜50の整数)
具体例としては、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)3H、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)6H、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9H、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)40H、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH3
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)23CH3
などがあげられる。
(b−2)CH2=CR15COO(CH2CH(CH3)O)n17(式中、R15およびR17は水素原子またはメチル基、nは3〜50の整数)
具体例としては、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH(CH3)O)12H、
CH2=CHCOO(CH2CH(CH3)O)11CH3
などがあげられる。
(b−3)CH2=CR15COO(CH2CH2O)n(CH2CH(CH3)O)m17(式中、R15およびR17は水素原子またはメチル基、n+mは3〜50の整数)
具体例としては、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)5(CH2CH(CH3)O)3
などがあげられる。
単量体(c)の3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートは、式:
CH2=CR18COOCH2CH(OH)CH2Cl
(式中、R18は水素原子またはメチル基)で示される3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
単量体(d)のグリセロールモノ(メタ)アクリレートは、式:
CH2=CR19COOCH2CH(OH)CH2OH
(式中、R19は水素原子またはメチル基)で示されるグリセロールモノアクリレートおよび/またはグリセロールモノメタクリレートである。
本発明で用い得る高分子型フッ素系界面活性剤としての共重合体において、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(単量体(a))の共重合割合は、少なくとも5質量%、好ましくは6〜70質量%である。
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(単量体(b))の共重合割合は、少なくとも10質量%、好ましくは14〜60質量%である。10質量%未満では水に対する分散性が低下する傾向にある。
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(c))の共重合割合は、少なくとも0.5質量%、好ましくは0.5〜30質量%であり、グリセロールモノ(メタ)アクリレート(単量体(d))の共重合割合は、少なくとも0.5質量%、好ましくは0.5〜30質量%である。
また、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(c))とグリセロールモノ(メタ)アクリレート(単量体(d))の合計の共重合割合は、少なくとも1質量%、好ましく1.2〜30質量%であることが好ましい。また、単量体(c)および単量体(d)の合計に対する3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(c))の割合は、10〜90質量%、特に20〜80質量%であることが好ましい。
かかる高分子型フッ素系界面活性剤の数平均分子量は、1,000〜500,000、好ましくは5,000〜200,000である。1,000未満では耐久性が低下する傾向にあり、500,000を超えると処理液粘度が高くなり、作業性が低下することがある。また高分子型フッ素系界面活性剤は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
これらの高分子型フッ素系界面活性剤として用いる共重合体には、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の他に、これらと共重合可能なエチレン、塩化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、ベンジルメタクリレート、ビニルアルキルケトン、ビニルアルキルエーテル、イソプレン、クロロプレン、無水マレイン酸、ブタジエンなどのフルオロアルキル基を含まない単量体を共重合させることができる。これらの他の単量体を共重合することにより、共重合体の分散性、均一塗布性、低屈折率性、撥水撥油性、耐久性を向上させることができる。また、溶解性、耐水性その他の種々の性質を適宜改善することもできる。これらのフルオロアルキル基を含まない共単量体の共重合割合は、0〜40質量%、好ましくは0〜20質量%である。
本発明における高分子型フッ素系界面活性剤として好適な共重合体の具体的な組成としては、たとえばつぎの共重合体組成が例示できるが、これらに限定されるものではない。
(組成I)
CF3CF2(CF2CF2nCH2CH2OCOC(CH3)=CH2(n=3、4、5の化合物の重量比5:3:1の混合物)で示される単量体(a)が19〜22質量部、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH3の単量体(b)が8〜13質量部、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH(CH3)O)12Hの単量体(b)が4〜7質量部、
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2Clの単量体(c)が3〜5質量部、
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OHの単量体(d)が1〜2質量部
からなる共重合体。
(組成II)
CF3CF2(CF2CF2nCH2CH2OCOC(CH3)=CH2(n=3、4の化合物の重量比5.4:1の混合物)で示される単量体(a)が8〜13質量部、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH3の単量体(b)が8〜12質量部、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH(CH3)O)12Hの単量体(b)が4〜9質量部、
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2Clの単量体(c)が0.5〜3質量部、
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OHの単量体(d)が0.3〜2質量部
からなる共重合体。
(組成III)
CF3CF2(CF2CF2nCH2CH2OCOC(CH3)=CH2(n=3、4の化合物の重量比3.9:1の混合物)で示される単量体(a)が5〜8質量部、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH3の単量体(b)が14〜17質量部、
CH2=C(CH3)COO(CH2CH(CH3)O)12Hの単量体(b)が5〜8質量部、
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2Clの単量体(c)が0.5〜1.5質量部、
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2OHの単量体(d)が0.5〜1.5質量部
からなる共重合体。
この他、市販品として、KP341(商品名、信越化学工業製)、ポリフローNo.75,同No.95(商品名、共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352、同EF204(商品名、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(商品名、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(商品名、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(商品名、旭硝子製)等をあげることができる。これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記界面活性剤の配合量は、反射防止膜材料中の重合体成分の合計100質量部当たり、通常、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、特に好ましくは0.1〜50質量部である。
本発明の反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物には、必要に応じて公知の酸を添加しても良い。
酸の添加は、主としてコーティング組成物のpHを4以下に調整する目的で添加され、好ましくはpHで3以下、より好ましくは2以下に調整される。
酸性のコーティング組成物により反射防止層(L2)を形成することで、露光後、フォトレジスト層(L1)より反射防止層(L2)への酸の拡散や移動を防止でき、レジストパターンの形状のT−トップ化を防止できる。
本発明に用いられる酸は、有機酸あるいは無機酸の何れでもよい。有機酸としてはアルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸、アルキルベンゼンカルボン酸、および一部がフッ素化されたものが好ましいものとしてあげられる。そして前記アルキル基としては、炭素数がC1〜C20までのものが好ましい。これらの有機酸は組成物中に通常、0.1〜2.0質量%、好ましくは0.5〜1.0質量%の添加量で用いられる。
フッ素系の有機酸は、そのフッ素鎖がパーフルオロアルキル基、ハイドロフルオロアルキル基からなるフルオロアルキルスルホン酸、フルオロアルキルカルボン酸でもよく、また直鎖および分岐鎖でもよい。
前記フルオロアルキル基としては、例えば炭素数が1〜4のフルオロアルキル基を有するものだけでなく、炭素数5〜15のフルオロアルキル基のほか、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロヘプチル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘキサデカフルオロオクチル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−オクタデカフルオロノニル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−エイコサフルオロデシル基;2−(パーフルオロノニル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウンデシル基、パーフルオロデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−ドコサフルオロウンデシル基、パーフルオロウンデシル基;2−(パーフルオロデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドコサフルオロドデシル基、パーフルオロウンデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−テトラコサフルオロドデシル基、パーフルオロドデシル基;2−(パーフルオロウンデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−テトラコサフルオロトリデシル基、パーフルオロドデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−ヘキサコサフルオロトリデシル基、パーフルオロトリデシル基;2−(パーフルオロドデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−ヘキサコサフルオロテトラデシル基、パーフルオロトリデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−オクタコサフルオロテトラデシル基、パーフルオロテトラデシル基;2−(パーフルオロトリデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−オクタコサフルオロペンタデシル基、パーフルオロテトラデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−トリアコンタフルオロペンタデシル基、パーフルオロペンタデシル基等をあげることができる。
このようなフルオロアルキルスルホン酸の具体例としては、2−(パーフルオロプロピル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンタンスルホン酸、パーフルオロペンタンスルホン酸;2−(パーフルオロブチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸;2−(パーフルオロペンチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸;2−(パーフルオロヘキシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘキサデカフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸;2−(パーフルオロヘプチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−オクタデカフルオロノナンスルホン酸、パーフルオロノナンスルホン酸;2−(パーフルオロオクチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−エイコサフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸;2−(パーフルオロノニル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−ドコサフルオロウンデカンスルホン酸、パーフルオロウンデカンスルホン酸;2−(パーフルオロデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−テトラコサフルオロドデカンスルホン酸、パーフルオロドデカンスルホン酸;2−(パーフルオロウンデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−ヘキサコサフルオロトリデカンスルホン酸、パーフルオロトリデカンスルホン酸;2−(パーフルオロドデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−オクタコサフルオロテトラデカンスルホン酸、パーフルオロテトラデカンスルホン酸;2−(パーフルオロトリデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−トリアコンタフルオロペンタデカンスルホン酸、パーフルオロペンタデカンスルホン酸等をあげることができる。
また、フルオロアルキルカルボン酸の具体例としては、2−(パーフルオロプロピル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンタンカルボン酸、パーフルオロペンタンカルボン酸;2−(パーフルオロブチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキサンカルボン酸、パーフルオロヘキサンカルボン酸;2−(パーフルオロペンチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロヘプタンカルボン酸、パーフルオロヘプタンカルボン酸;2−(パーフルオロヘキシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘキサデカフルオロオクタンカルボン酸、パーフルオロオクタンカルボン酸;2−(パーフルオロヘプチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−オクタデカフルオロノナンカルボン酸、パーフルオロノナンカルボン酸;2−(パーフルオロオクチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−エイコサフルオロデカンカルボン酸、パーフルオロデカンカルボン酸;2−(パーフルオロノニル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−ドコサフルオロウンデカンカルボン酸、パーフルオロウンデカンカルボン酸;2−(パーフルオロデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−テトラコサフルオロドデカンカルボン酸、パーフルオロドデカンカルボン酸;2−(パーフルオロウンデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−ヘキサコサフルオロトリデカンカルボン酸、パーフルオロトリデカンカルボン酸;2−(パーフルオロドデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−オクタコサフルオロテトラデカンカルボン酸、パーフルオロテトラデカンカルボン酸;2−(パーフルオロトリデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−トリアコンタフルオロペンタデカンカルボン酸、パーフルオロペンタデカンカルボン酸等をあげることができる。
これらのフルオロアルキルスルホン酸およびフルオロアルキルカルボン酸は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、りん酸、フッ化水素酸、臭化水素酸などが好ましい。これらの無機酸はコーティング組成物のpHを4.0以下とする目的において好ましいものである。また、無機酸の使用量はコーティング組成物に対して通常、0.01〜0.2質量%の量で用いられる。これらの有機酸および無機酸は単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
本発明の反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物には、必要に応じてさらに、含フッ素重合体(A)以外の水溶性ポリマーを添加しても良い。水溶性ポリマーは、成膜性を改善するために利用でき、被膜の屈折率や透明性を悪化させない範囲(ポリマーの種類、使用量)で使用しても良い。
水溶性ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール類、ポリアルキルビニルエーテル類(ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル)、ポリアクリル酸類、カルボキシル基含有アクリレート系樹脂、ポリメタクリル酸類、ポリエチレングリコール類、セルロース類などがあげられる。
水溶性ポリマーの使用量は、コーティング組成物中に含まれる含フッ素重合体(A)100質量部に対して、0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部、特に好ましくは1〜10質量部である。
本発明の反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物には、必要に応じて公知の光酸発生剤を添加しても良い。コーティング組成物に光酸発生剤を添加することで、露光後、フォトレジスト層(L1)より反射防止層(L2)への酸の拡散や移動を防止でき、レジストパターンの形状のT−トップ化を防止できる。
酸発生剤としては、例えばオニウム塩、ハロアルキル基含有化合物、o−キノンジアジド化合物、ニトロベンジル化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホン化合物等があげられ、これらの酸発生剤を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。好ましい酸発生剤は、オニウム塩である。
前記酸発生剤の配合量は、コーティング組成物中の重合体(A)の100質量部に対して、通常、20質量部以下、好ましくは10質量部以下、特には5質量部以下である。酸発生剤の使用量が多すぎると、レジスト積層体の現像性を低下させたり、反射防止層(L2)の透明性や屈折率を悪化させる傾向を示す。
またさらに、本発明の反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物には、必要に応じて、消泡剤、吸光剤、保存安定剤、防腐剤、接着助剤、光酸発生剤、染料などを添加しても良い。
本発明の反射防止層(L2)を形成するコーティング組成物において、含フッ素重合体(A)の含有率は、重合体の種類、分子量、添加物の種類、量、溶剤の種類などによって異なり、薄層被膜を形成可能となる適切な粘度となるように適宜選択される。例えばコーティング組成物全体に対し0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、特には2〜10質量%である。
コーティング組成物はフォトレジスト層(L1)上に塗布され、反射防止層(L2)を形成する。塗布方法としては従来公知の方法が採用され、特に回転塗布法、流延塗布法、ロール塗布法などが好適に例示でき、なかでも回転塗布法(スピンコート法)が好ましい。その他の反射防止層(L2)の形成法については後述する。
つぎに本発明のフォトレジスト層(L1)上に反射防止層(L2)を設けてフォトレジスト積層体を形成する方法、さらにはそのフォトレジスト積層体を用いて微細パターンを形成する方法についての一例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のフォトレジスト積層体の形成方法を経由しての微細パターン形成方法の各工程(a)〜(e)を説明するための概略図である。
(a)フォトレジスト層(L1)の形成工程:
まず、図1(a)に示すように基板L0にフォトレジスト組成物を回転塗布法等によって0.01〜5μm、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.3μmの膜厚で塗布する。
ついで150℃以下、好ましくは80〜130℃の所定の温度でプリベーク処理を行って、フォトレジスト層L1を形成する。
なお、ここで用いられる前記基板としては、例えばシリコンウェハー;ガラス基板;有機系または無機系反射防止膜が設けられたシリコンウェハーやガラス基板;表面に各種の絶縁膜、電極および配線などが形成された段差を有するシリコンウェハー;マスクブランクス;GaAs、AlGaAs等のIII−V族化合物半導体ウェハーやII−VI族化合物半導体ウェハー;水晶、石英またはリチウムタンタレイト等の圧電体ウェハーなどがあげられる。
本発明で用いるフォトレジスト組成物としては、従来のフォトレジスト組成物が利用できる。例えばノボラック樹脂とジアゾナフトキノンを主成分とするポジ型フォトレジスト(g線、i線リソグラフィー)、ポリヒドロキシスチレンをバインダー樹脂に用いた化学増幅型ポジ型またはネガ型レジスト(KrFリソグラフィー)、側鎖に脂環式構造を有するアクリル系ポリマーやポリノルボルネン構造を有する脂環式重合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォトレジスト(ArFリソグラフィー)などが利用できる。
本発明の反射防止層(L2)は、従来のものに比べより一層の低屈折率化が実現できるため、特に側鎖に脂環式構造を有するアクリル系ポリマーやポリノルボルネン構造を有する脂環式重合体などを用いた化学増幅型ポジ型フォトレジスト(ArFリソグラフィー)を用いたフォトリソグラフィープロセスにおいて好ましく適用でき、精密なパターン形状やパターンの高寸法精度、さらにはそれらの再現性において効果的に目的を達成するものである。
(b)反射防止層(L2)の形成工程:
図1(b)に示すように、乾燥後のフォトレジスト層L1上に、前述の含フッ素重合体(A)を含むコーティング組成物を回転塗布法等によって塗布する。ついで、必要に応じてプリベークを行ない、反射防止層L2を形成する。
その際、反射防止層L2の膜厚dtarcは、数式:
tarc=x・λ/4ntarc
(式中、dtarcは反射防止層の膜厚(nm);xは奇数の整数;λは露光波長(nm);ntarcは反射防止層の露光波長(λ)で測定した屈折率)で算出される膜厚に調整することが好ましい。それによってレジスト被膜の上側界面での反射防止効果、つまり反射率が低減し、定在波の影響を低減できる。
プリベークは、反射防止層L2中の残留溶剤(B)を蒸発させ、さらに均質な薄層被膜を形成するために適宜、条件選択される。例えばプリベーク温度は室温〜150℃の範囲内から選ばれ、好ましくは40〜120℃、より好ましくは60〜100℃である。
(c)露光工程:
つぎに図1(c)に示すように、フォトレジスト積層体(L1+L2)に所望のパターンを有するマスク11を介して、矢印13で示すようにエネルギー線を照射することによって、特定の領域12を選択的に露光することによってパターン描画を行なう。
このときエネルギー線(あるいは化学放射線)としては、例えばg線(436nm波長)、i線(365nm波長)、KrFエキシマレーザー光(248nm波長)、ArFエキシマレーザー光(193nm波長)、F2レーザー光(157nm波長)などがあげられ、フォトリソグラフィープロセスに応じて適宜選択して使用する。
その他、X線、高エネルギー電子線、シンクロトロン放射光等を露光光として用いたり、マスクを用いずに電子線、イオンビーム線等を走査して前記フォトレジスト積層体を直接パターン露光することも可能である。
なかでも、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光を露光光として用いる場合に、本発明の反射防止効果がもっとも発揮される。
続いて、70〜160℃、好ましくは90〜140℃で30秒間〜10分間程度の露光後ベーキング(PEB工程)を行うことによって、図1(d)に示すように、フォトレジスト層L1の露光領域12に潜像14を形成させる。このとき、露光によって生じた酸が触媒として作用して溶解抑止基(保護基)が分解されるため、現像液溶解性が向上しレジスト膜の露光部分が現像液に可溶化する。
また反射防止層L2は、上記露光後ベーキング(PEB工程)を実施する前に純水などでリンスすることで予め除去しても良いし、PEB後の現像工程において除去しても良い。
(d)現像工程:
ついで露光後ベーキングを行ったフォトレジスト層L1に対して現像液で現像処理を行うと、フォトレジスト層L1の未露光部分は現像液に対する溶解性が低いため基板上に残存するが、一方、上述したように露光領域12は現像液に溶解する。
一方、上層の反射防止層L2は、露光部、未露光部に関わらず現像液溶解性に優れているため、たとえ残存していても現像工程で露光部と同時に除去される。
現像液としては2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液が好ましく用いられる。またさらに、反射防止層L2表面、フォトレジスト層L1表面との濡れ性を調整するため、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液中に界面活性剤やメタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノールなどのアルコール類を添加したものを用いても良い。
ついで、純水、低級アルコールまたはそれらの混合物などで前記現像液を洗い流したあと、基板を乾燥させることにより、図1(e)に示すような所望のレジストパターン15を形成することができる。
なお、以上の例では、基板L0の上にフォトレジスト積層体を形成する場合について説明した。しかし、これはいわゆる基板の上にて限定されるものではなく、基板上の導電膜あるいは絶縁膜など所定の層の上に形成されてよい。また、かかる基板上に例えばBrewer Science社製のDUV−30、DUV−32、DUV−42、DUV−44などの反射防止膜(下層反射防止層)を施すことも可能であるし、基板を密着性向上剤によって処理しても良い。
また、このように形成した微細レジストパターンをマスクとして、その下の所定の層をエッチングして導電膜あるいは絶縁膜の所望の微細パターンを形成し、さらに他の工程を重ねて半導体装置など電子装置を製造することができる。これらの工程はよく知られているところであるから、説明は省略する。
つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、本発明および本特許請求の範囲および明細書に記載の諸物性値の測定法はつぎの方法による。
(1)単量体のpKa
合成例1で用いた単量体(m1−1)について、以下の方法でpKaを測定算出した。
(pKaの測定算出方法)
単量体(m1−1):
Figure 0004752597
を例にして測定算出法を記載する。
水/アセトン=10/15ml溶液に単量体(m1−1)を0.7865g入れ、室温下攪拌した。均一溶液であることを確認した後、0.2mol/LのNaOH溶液で滴定を行った。滴定曲線は、0.15mlずつNaOH溶液を滴下し、そのときのpHを記録して得た。滴定曲線の変曲点(滴定曲線の微分値=dpH/dmlの最大値)から等量点を決定した。この場合、等量点は14.5mlであった。この半分の値7.25mlでのpHを滴定曲線から読み取ると、10.58であった。あらかじめブランクで測定した水/アセトン溶液と水溶液の滴定曲線から、7.25ml滴下時の液間電位差に由来するpH差は1.29であった。よって、10.98‐1.29=9.69から、この単量体(m1−1)のpKaを9.69と決定した。
同様の操作で、1.0865gの単量体(m1−1)を滴定した場合、等量点は20.15ml、1/2等量点は10.08mlとなり、1/2等量点でのpHは10.78となった。10.08mlでの両溶液間のpH差は1.14となり、10.78−1.14=9.64から、単量体(m1−1)のpKaを9.64と決定した。
滴定溶液を約0.05mol/LのNaOH溶液に代えて同様の操作を行ったとき、0.115gの単量体(m1−1)の等量点は8.00mlとなり、1/2等量点は4.00ml、このときのpHは10.92となった。4.00mlでの両溶液間のpH差は1.38となり、10.92−1.38=9.54から、単量体(m1−1)のpKaを9.54と決定した。
この3回の実験から、単量体(m1−1)のpKaを9.6とした。
(2)組成分析:1H−NMRと19F−NMRとIRのデータから算出する。
NMRはBRUKER社製のAC−300を用いる。
1H−NMR測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
19F−NMR測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
の条件で室温にて測定する。
IR分析:Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計1760Xで室温にて測定する。
(3)数平均分子量:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、東ソー(株)製のGPC HLC−8020を用い、Shodex社製のカラム(GPC KF−801を1本、GPC KF−802を1本、GPC KF−806Mを2本直列に接続)を使用し、溶媒としてテトラハイドロフラン(THF)を流速1ml/分で流して測定し、単分散ポリスチレンを標準として分子量を算出した。
(4)含フッ素重合体のフッ素含有率(質量%):
酸素フラスコ燃焼法により試料10mgを燃焼し、分解ガスを脱イオン水20mlに吸収させ、吸収液中のフッ素イオン濃度をフッ素選択電極法(フッ素イオンメータ。オリオン社製の901型)で測定することによって求めた値を採用する。
(5)含フッ素重合体のOR基の含有率(モル数/重合体100g):
1H−NMRと19F−NMRとIRのデータから算出する。NMRはBRUKER社製のAC−300を用いる。
1H−NMR測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
19F−NMR測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
の条件で室温にて測定し、重合体中の各構造単位の存在比率より、重合体100g中に含まれる親水性基のモル数を算出する。
(6)含フッ素重合体の溶剤溶解性
溶剤に含フッ素重合体濃度が5質量%となるように混合し、攪拌を行いながら室温で24時間放置し、溶液の外観を観測する。評価は、つぎの基準で行う。
○:完全に溶解し、透明で均一な溶液となった。
×:一部または全く不溶で、不透明な溶液であった。
(7)含フッ素重合体の水/イソプロパノール混合溶剤に対する溶解性
含フッ素重合体1gに、水/イソプロパノール(IPA)混合溶媒の9gを加え攪拌しながら室温で24時間放置し、さらに室温で24時間靜置したのち溶液の外観を観測する。評価は、つぎの基準で行う。
○:完全に溶解し、透明で低粘度の均一な溶液となった。
△:透明で均一な溶液となるが、高粘度のゲル状溶液となった。
×:一部または全く不溶で、不透明な溶液であった。
(8)含フッ素重合体の現像液溶解性
標準現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液)に含フッ素重合体濃度が5質量%となるように混合し、攪拌を行いながら室温で24時間放置し、溶液の外観を観測する。評価は、つぎの基準で行う。
○:完全に溶解し、透明で均一な溶液となった。
×:一部または全く不溶で、不透明な溶液であった。
(9)コーティング組成物のpH測定
pH測定はHORIBA社製のpH METER F−22を用い、25℃にて測定する。
(10)被膜の屈折率
8インチのシリコンウエハ基板に、含フッ素重合体を含むコーティング組成物をスピンコーターを用いて、はじめに300rpmで3秒間、ついで4000rpmで20秒間ウェハーを回転させながら塗布し、乾燥後約100nmの膜厚になるように調整しながら被膜を形成する。
上記の方法でシリコンウエハ基板上に形成したそれぞれの被膜について、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製のVASE ellipsometer)を用いて248nmと193nm波長光における屈折率および膜厚を測定する。
(11)被膜の対水接触角
接触角計(協和界面化学(株)製のCA−DT)を用いて純水の3μlの液量での接触角を測定する。
(12)被膜の現像液溶解速度
つぎの水晶振動子法(QCM法)により現像液溶解速度(nm/sec)を測定する。
試料の作製:
金で被覆された直径24mmの水晶振動子板に含フッ素重合体を含むコーティング組成物を塗布し乾燥後、約100nmの被膜を作製する。
現像液溶解速度の測定:
膜厚は水晶振動子板の振動数から換算して算出し測定する。
上記で作製した含フッ素重合体を塗布した水晶振動子板を標準現像液である2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液に浸し、浸漬させた時点から時間に対する被膜の膜厚変化を振動数の変化により測定し、単位時間あたりの溶解速度(nm/sec)を算出する(参考文献:Advances in Resist Technology and Proceedings of SPIE Vol. 4690, 904(2002))。
(13)積層体の反射率
分光エリプソメーター(J.A.Woollam 社製のVASE ellipsometer)を用いて248nmと193nm波長光における反射率を測定する。
合成例1
還流冷却器、温度計、撹拌装置を備えた100ml容のガラス製4ツ口フラスコに、pKaが9.6の:
Figure 0004752597
を40.0gと
Figure 0004752597
の8.0質量%パーフルオロへキサン溶液を9.2g加え、ドライアイス−メタノール浴で冷却しながら窒素パージと真空引きを繰り返し、溶液中の溶存酸素を除去した。20℃にて24時間撹拌しながら重合を行なったところ、高粘度の固体状物を得た。
この固体状物をアセトンに溶解させたものをヘキサン中に投入し再沈精製後、真空乾燥して無色透明な重合体38.2gを得た。
この重合体を19F−NMR分析、1H−NMR分析およびIR分析により分析したところ、上記OH基含有含フッ素アリルエーテルの構造単位のみからなる含フッ素重合体であった。
また、GPC分析を行ったところ数平均分子量は76,000であった。
この含フッ素重合体のフッ素含有率は65.3質量%であり、OH基含有率は0.259モル/重合体100gであった。
合成例2
還流冷却器、温度計、撹拌装置を備えた100ml容のガラス製4ツ口フラスコに、
合成例1で用いた式(m1−1)で示される単量体を9.07gと
Figure 0004752597
を6.14gと、
Figure 0004752597
の含フッ素パーオキサイドの8%パーフルオロヘキサン溶液を4.14g加え、ドライアイス−メタノール浴で冷却しながら窒素パージと真空引きを繰り返し、溶液中の溶存酸素を除去した。20℃にて24時間撹拌しながら重合を行なったところ、高粘度の固体状物を得た。
この固体状物をアセトンに溶解させたものをヘキサン中に投入し再沈精製後、真空乾燥して13.5gの含フッ素重合体を得た。
得られた含フッ素重合体は、19F−NMR、IR分析により、式(m1−1)の単量体と
Figure 0004752597
との共重合体でそのモル%比は50:50であった。
GPC分析により測定した分子量は数平均分子量Mnで12,000、重量平均分子量Mwで17,000であった。
得られた含フッ素重合体は、純水、アセトン、THFおよびペンタフルオロジクロロプロパン(HCFC−225)に可溶であった。
合成例3
合成例1で用いた式(m1−1)で示される単量体を10.88gと
Figure 0004752597
を4.92g用いたほかは合成例2と同様に反応を行い11.3gの含フッ素重合体を得た。
得られた含フッ素重合体は、19F−NMR、IR分析により、式(m1−1)の単量体と
Figure 0004752597
との共重合体でそのモル%比は60:40であった。
GPC分析により測定した分子量は数平均分子量Mnで12,000、重量平均分子量Mwで17,000であった。
得られた含フッ素重合体は、純水に膨潤し、アセトン、THFおよびペンタフルオロジクロロプロパン(HCFC−225)に可溶であった。
合成例4
バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた100ml内容量のステンレススチ−ル製オートクレーブに、合成例1で用いた式(m1−1)の単量体を5.2gとCH3CCl2F(HCFC−141b)を30ml、n−ヘプタフルオロブチリルパーオキサイド(HBP)の10モル%パーフルオロヘキサン溶液を10g入れ、ドライアイス/メタノール溶液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブからテトラフルオロエチレン(TFE)を10g仕込み、30℃にて振とうさせながら反応を行った。反応中は、系内のゲージ圧に変化はなく(反応前9.0MPaG)、20時間後も9.0MPaGであった。
反応開始20時間後に未反応モノマーを放出し、析出した固形物を取り出し、アセトンに溶解させ、ついでヘキサン溶剤で再沈殿させることにより固形分を分離精製した。この固形分を恒量になるまで真空乾燥し、共重合体3.0gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMRにより分析したところ、単量体(m1−1)/テトラフルオロエチレンが93/7(モル%)であった。
GPC分析により測定した分子量はMn5,300、Mw13,000であった。
得られた含フッ素重合体は、水に不溶で、アセトン、THFおよびペンタフルオロジクロロプロパン(HCFC−225)に可溶であった。
以上の合成例で得られた含フッ素重合体の表1に示す溶剤に対する溶解性を調べた。結果を表1に示す。
Figure 0004752597
実施例1
(コーティング組成物の調製)
合成例1で得た含フッ素重合体10gをイソプロパノール35gに溶解した。得られた含フッ素重合体のイソプロパノール溶液全量を、室温で攪拌しながら純水65gに約10分間かけて滴下した。さらに水/イソプロパノール:65/35質量%の混合溶液を追加し、組成物の全体量を200gに調整したのち、孔径0.2μmサイズのフィルターで濾過することで均一なコーティング組成物を得た。
得られたコーティング組成物について、pH、およびコーティング組成物を用いて形成した被膜の屈折率、対水接触角、現像液溶解速度を測定した。結果を表2に示す。
(レジスト積層体の形成)
フォトレジスト層(L1)の形成:
ArFリソグラフィー用フォトレジストTArF−P6071(東京応化工業(株))を、スピンコーターにて、8インチのシリコン基板上に回転数を変えながら200〜300nmの膜厚に調整しながら塗布した後、130℃で60秒間プリベークしてフォトレジスト層(L1)を形成した。
反射防止層(L2)の形成:
上記で形成したフォトレジスト層(L1)上に、実施例1で調製した含フッ素重合体を含むコーティング組成物を、スピンコーターで、はじめに300rpmで3秒間、ついで4000rpmで20秒間ウェハーを回転させ膜厚約100nmに調整しながら反射防止層(L2)を形成し、フォトレジスト積層体を形成した。
得られたフォトレジスト積層体について193nmにおける反射率を測定した。結果を表2に示す。
また、上記と同様にして反射防止層(L2)を形成したフォトレジスト積層体について、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド2.38質量%の現像液で温度23℃、時間60秒間で静止パドル現像を行った後純水リンスを行い、このコーティング組成物を使用した場合は、反射防止層(L2)が選択的に除去されたことが確認できた。
実施例2〜4
表2に示す含フッ素重合体および溶剤を用いたほかは実施例1と同様にコーティング組成物を調製し、得られたコーティング組成物を用いて形成した被膜の特性を実施例1と同様に調べた。結果を表2に示す。
さらに実施例1と同様にしてレジスト積層体を形成し、反射率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004752597
本発明のフォトレジスト積層体の形成方法を説明するための工程図である。
符号の説明
11 フォトマスク
12 露光領域
13 エネルギー線
14 潜像
15 レジストパターン
L0 基板
L1 フォトレジスト層
L2 反射防止層

Claims (4)

  1. (A)式(M):
    −(M)−(N)− (M)
    [式中、構造単位Mは式(m1−1):
    Figure 0004752597
    で表される含フッ素単量体(m1−1)由来の構造単位;構造単位Nは前記含フッ素単量体(m1−1)と共重合可能な単量体(n)由来の構造単位]であり、構造単位Mが0.1〜100モル%、構造単位Nが0〜99.9モル%の含フッ素重合体(A)と、(B)水性溶剤とを含むコーティング組成物。
  2. 含フッ素重合体(A)において、構造単位Mが70〜100モル%、構造単位Nが0〜30モル%である請求項記載のコーティング組成物。
  3. コーティング組成物が、さらに(C)アンモニアおよび有機アミン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または2記載のコーティング組成物。
  4. アンモニアおよび有機アミン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種(C)が、アンモニアおよびヒドロキシルアミン類から選ばれる少なくとも1種である請求項記載のコーティング組成物。
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