WO2005044566A1

WO2005044566A1 - 液体吐出装置及び液体吐出方法

Info

Publication number: WO2005044566A1
Application number: PCT/JP2004/016334
Authority: WO
Inventors: Takanori Takahashi; Kenji Okamoto; Soichi Kuwahara; Yuji Yakura; Shinichi Horii; Yoshiaki Haba; Hiromitsu Takeda
Original assignee: Sony Corporation
Priority date: 2003-11-05
Filing date: 2004-11-04
Publication date: 2005-05-19
Also published as: EP1685961A4; KR20060111365A; US20060246212A1; KR101137143B1; EP1685961A1; US7935389B2

Abstract

　本発明は、インクをノズルより吐出して記録紙Ｐに印刷を行うプリンタ装置であり、インクＰが付着される記録紙Ｐを搬送する給排紙機構（７２）と、インクを液滴の状態で吐出させるノズル（５２ａ）を有し、ノズルと対向する位置まで搬送された記録紙Ｐに向かってノズルよりインクを吐出するインク吐出ヘッド（４５）と、所定の吐出タイミングでノズルよりインクを吐出するようにインク吐出ヘッドを制御する吐出制御部（１２３）と、ノズルからインクを吐出するときの温度及び／又は湿度環境を検出する温度センサ（７４）と、記録紙Ｐの搬送速度が変化したか否かを判別する速度判別部（７３）と、記録紙Ｐの種類に応じて吐出タイミングを制御する吐出制御データが格納されたメモリ部（１２８）とを備え、印刷中に記録紙Ｐの搬送速度が速くなると、温度センサが検出した温度及び予めメモリ部に格納された記録紙Ｐの種類に応じた吐出制御データに基づき、ブラック以外の色のインクの吐出タイミングを制御部（１２９）が記録紙Ｐの搬送速度が速くなる前より遅らせるように制御し、ブラックのインクが着弾される着弾位置にブラック以外のインクを着弾させて色ずれを防止させる。

Description

明細書

液体吐出装置及び液体吐出方法

技術分野

[0001] 本発明は、圧力発生素子により発生した圧力で押圧された液体を吐出口より液滴にして対象物である記録紙に吐出する液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。本出願は、日本国において 2003年 11月 5日に出願された日本特許出願番号 200 3— 376116及び日本特許出願番号 2003— 376117を基礎として優先権を主張するものであり、これらの出願は参照することにより、本出願に援用される。

背景技術

[0002] 従来、液体を吐出する装置として、対象物となる記録紙に対して液体吐出ヘッドよりインクを吐出させて、画像や文字を記録するインクジェット方式のプリンタ装置がある。このインクジェット方式を用いたプリンタ装置は、低ランニングコストで、装置の小型化を実現でき、印刷画像のカラー化を容易に行うことができるという利点がある。インクジェット方式を用いたプリンタ装置では、例えばイェロー、マゼンダ、シアン、ブラック等のように複数の色のインクがそれぞれ充填されたインクカートリッジ力液体吐出ヘッドのインク液室等に供給される。

この種のプリンタ装置は、インク液室等に供給されたインクを、インク液室内に配置された発熱抵抗体等の圧力発生素子でインク内のインクを押圧して液体吐出ヘッドに設けられた微小なインク吐出口、いわゆるノズルより吐出させる。

具体的には、インク液室内に配置された発熱抵抗体でインク室内のインクを加熱し、発熱抵抗体上のインクに気泡を発生させ、この気泡によりインク室内で生じる圧力でインクをノズルから吐出させ、吐出させたインクを対象物となる記録紙等に着弾させて画像や文字を印刷する。

インクジェット方式のプリンタ装置には、インクカートリッジが液体吐出ヘッド部に装着され、インクカートリッジが装着された液体吐出ヘッド部が記録紙の幅方向、すなわち記録紙の走行方向と略直交する方向に移動することによって所定の色のインクを記録紙に着弾させるシリアル型のプリンタ装置がある。また、記録紙の幅とほぼ同じ範囲をインクの吐出範囲とした、すなわち記録紙の幅方向に並んだ液体吐出ヘッドのノズルよりライン状にインクを吐出するライン型のプリンタ装置がある。

シリアル型のプリンタ装置は、液体吐出ヘッド部が記録紙の走行方向と略直交する方向に移動するときに記録紙の走行を停止させ、停止して、る記録紙に液体吐出へッド部が移動しながらインクを吐出、着弾させ、これを繰り返すことで印刷する。一方、ライン型のプリンタ装置は、液体吐出ヘッド部が固定、若しくは印刷ムラを避けるための僅かな微動できる程度に固定されており、連続的に走行している記録紙に液体吐出ヘッド部がライン状にインクを吐出、着弾させることで印刷する。

このため、このライン型のプリンタ装置は、シリアル型と異なり液体吐出ヘッド部を移動させないものであるから、シリアル型のプリンタ装置に比べて高速印刷を行うことが可能となる。また、ライン型のプリンタ装置は、液体吐出ヘッド部を移動させる必要がないことから、各インクカートリッジを大型化することができ、インクカートリッジのインク容量を増やすことができる。このようなライン型のプリンタ装置では、液体吐出ヘッド部が移動するものではな、ため構成の簡素化を図ることができ、各インクカートリッジに液体吐出ヘッド部を一体的に設けるようにして、る。

このようなインクジェット型のプリンタ装置では、高品位な印刷を行うために、ノズルと記録紙との距離を一定に保ちつつ印刷を行うことが重要である。このため、この種のプリンタ装置においては、特開平 8— 90858号公報に記載されるように、ノズルが設けられているノズル面と対向する記録紙の面内方向に適切な負荷を与えて弛みが生じなヽようにさせ、ノズルと記録紙との距離を一定に保つようにしてヽる。

具体的には、図 1に示すプリンタ装置 201では、インク吐出ヘッド 202のノズル面 20 2aと対向する記録紙 Pに印刷する際に、図 1中矢印 X方向に搬送する記録紙 Pを印刷位置まで給紙するための送りローラ 203が軸を中心に回転する回転速度より記録紙 Pに印刷が行われて排出するための排紙ローラ 204が軸を中心に回転する回転速度を速くすることで、弛みがなぐ搬送方向に緊張した状態にさせている。

このプリンタ装置 201では、図 2に示すように、矢印 X方向に搬送されている記録紙 Pの後端が送りローラ 203のニップ点、すなわち送りローラ 203が記録紙 Pを掴んでいる点より外れると、記録紙 Pには排紙ローラ 204より回転速度の遅い送りローラ 203 による反搬送方向に加わる負荷、すなわち記録紙 Pに対して図 2中矢印 Y方向にカロわる負荷が作用しなくなる。このため、記録紙 Pの搬送速度は、記録紙 Pの後端が送りローラ 203の-ップ点より外れると、記録紙 Pに送りローラ 203による反搬送方向の負荷が作用しなくなることから、送りローラ 203より回転速度が速い排紙ローラ 204だけで記録紙 Pが搬送されることになり、印画紙 Pの搬送速度は、印刷している途中で早くなつてしまう。

また、記録紙 Pは、印刷時の温度や湿度等により面内方向に伸縮することから、温度や湿度等によっても搬送速度が左右される。さらに、記録紙 Pは、その種類によつてローラ 203, 204とのグリップが異なる、すなわちローラ 203, 204による掴み具合が異なることから、種類によっても搬送速度が左右される。

このため、液体吐出装置 201では、記録紙 Pの後端が送りローラ 203の-ップ点で外れると、印刷時の温度や湿度、記録紙 Pの種類等に応じて記録紙 Pの搬送速度が速く変化することから、搬送速度が印刷途中で速くなつた分、インクの着弾位置が反搬送方向側にずれる、いわゆる色ずれが生じてしまい画質が劣化することがある。また、液体吐出装置 201においては、記録紙 Pの種類によっても、記録紙 Pのローラ 20 3, 204に対するグリップが異なる、すなわちローラ 203, 204の記録紙 Pに対する掴み具合が異なることから、搬送速度が左右される。

すなわち、プリンタ装置 201では、温度や湿度が高いと、ローラ 203, 204を駆動させるための図示しない駆動モータ等に接続されるベルトが温度や湿度の影響で長くなり、ベルトのピッチが広くなる。これにより、ベルトのテンションが弱まり、ローラ 203, 204に備わりかつベルトが掛け合わされるプーリ 1歯当たりの送りピッチが減少して記録紙 Pの搬送速度が低下し、色ずれが小さくなる。具体的には、常温時に搬送速度が印刷途中で速くなつたことにより記録紙 Pの搬送方向で上流側に位置するノズルより吐出されたインク及び下流側に位置するノズルより吐出されたインクの着弾位置がずれて生ずる色ずれが 300 mだとすると、温度や湿度が高くなつたときには、記録紙 Pの搬送速度が遅くなつて色ずれが例えば 250 μ mとかになり色ずれが常温時より小さくなる。

一方、温度や湿度が低いと、温度や湿度の影響でベルトが短くなつてベルトのピッチが狭くなる。これにより、ベルトのテンションが高くなつてローラ 203, 204に備わるプーリ 1歯当たりの送りピッチが増大し、記録紙 Pの搬送速度が大きくなつて色ずれが大きくなる。具体的には、常温時に搬送速度が印刷途中で速くなつたことにより生ずる色ずれが 300 mだとすると、温度や湿度が低くなつたときには、記録紙 Pの搬送速度が速くなつて色ずれが例えば 350 μ mとかになり色ずれが常温時より大きくなるまた、プリンタ装置 201では、記録紙 Pがローラ 203, 204に対するグリップを大きくするような種類の場合、印刷途中での搬送速度の変化が大きくなつて色ずれが大きくなり、記録紙 Pがローラ 203, 204に対するグリップを小さくするような種類の場合、印刷途中での搬送速度の変化が小さくなつて色ずれが小さくなる。

このような色ずれを改善する方法として、例えば記録紙 Pを搬送させるローラ 203, 204に軟質ローラと硬質ローラを用いて、 -ップ点力記録紙 Pが外れたときの衝撃を軟質ローラで緩衝させることが特開平 5— 186086号公報において提案されている以上のような軟質ローラで記録紙 Pが-ップ点力外れたときの衝撃を緩衝させる方法では、色ずれといった不具合を改善することは困難であるのが現状である。また、特開平 5— 186086号公報ゃ特開 2002— 225370号公報において、印画に用いるノズル以外に未使用ノズルを設け、この未使用ノズルより吐出させたインクで色ずれを補正させることが提案されて、る。これら公報にぉ、て提案されて、る技術は、シリアル型の液体吐出装置には有効である力ラインヘッド型に液体吐出装置に適用することは実施である。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

本発明の目的は、上述したような従来の技術が有する問題点を解消することができる新規な液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することにある。

本発明の他の目的は、色ずれによる画質の劣化を防止することが可能な液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することにある。

本発明に係る液体吐出装置は、液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、液体を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、吐出口と対向する位置まで搬送された対象物に向かって吐出口より液滴を吐出する吐出手段と、所定の吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出するように吐出手段を制御する吐出制御手段と、吐出口から液滴を吐出するときの温度及び Z又は湿度環境を検出する環境検出手段と、記対象物の搬送速度が変化した力どうかを判別する速度判別手段と、対象物の種類に応じて吐出タイミングを制御する吐出制御データが格納された記憶手段とを備え、対象物の搬送速度が変化したと速度判別手段が判別したときに、環境検出手段が検出した環境データと記憶手段に格納されている吐出制御データとに基づき、搬送速度が変化する前とは異なる吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出させるように吐出制御手段が吐出手段を制御する。

また、本発明に係る液体吐出方法は、液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、液体を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、吐出口と対向する位置まで搬送された対象物に向力つて吐出口より液滴を吐出する吐出手段と、所定の吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出するように吐出手段を制御する吐出制御手段と、吐出ロカ液滴を吐出るときの温度及び Z又は湿度環境を検出する環境検出手段と、対象物の搬送速度が変化した力どうかを判別する速度判別手段と、対象物の種類に応じて吐出タイミングを制御する吐出制御データが格納された記憶手段とを備える液体吐出装置の液体吐出方法であって、対象物の搬送速度が変化したと速度判別手段が判別したときに、環境検出手段が検出した環境データと記憶手段に格納されている吐出制御データとに基づき、搬送速度が変化する前とは異なる吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出させる。

本発明にお!/、ては、対象物の搬送速度が変化したと速度判別手段が判別したときに、環境検出手段が検出した環境データと記憶手段に格納されている吐出制御データとに基づき、搬送速度が変化する前とは異なる吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出させることにより、対象物の搬送速度の変化で液滴の対象物に着弾する着弾位置が対象物の種類や周囲の環境に応じて搬送方向にずれることを抑制させる。また、本発明においては、対象物の搬送速度が変化したときに、環境検出手段が検出した環境データ及び予め記憶手段に格納されている吐出制御データに基づき、吐出タイミングを調整することから、対象物の搬送速度の変化によって液滴の対象物に対する着弾位置が温度や湿度に応じて搬送方向にずれることを抑えることができる。したがって、本発明によれば、対象物に着弾した液滴に位置ずれ、すなわち色ずれのない優れた画質の印刷を行うことができる。

さらに、本発明によれば、吐出制御データによって対象物の種類に応じて吐出タイミングを制御できることから、対象物の種類に応じて液滴の着弾位置が搬送方向にずれることを抑えることができ、異なる種類の対象物に対して着弾した液滴に色ずれがない優れた画質の印刷を行うことができる。

また、本発明に係る液体吐出装置は、液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、液体を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、吐出口と対向する位置まで搬送された対象物に向力つて吐出口より液滴を吐出する吐出手段と、所定の吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出するように吐出手段を制御する吐出制御手段と、吐出ロカ液滴を吐出するときの温度及び Z又は湿度環境を検出する環境検出手段と、対象物の搬送速度が変化した力どうかを判別する速度判別手段と、搬送される対象物に液滴を所定のパターンに着弾させたときに搬送速度が変化することで生じる液滴の着弾位置のずれを検出する着弾位置検出手段と、着弾位置検出手段が検出した液滴の着弾位置のずれを補正させるように吐出タイミングを制御する吐出制御データを、液滴を所定のパターンに着弾させた対象物の種類に応じて生成するデータ生成手段と、データ生成手段が生成した対象物の種類に応じた吐出制御データを格納する記憶手段とを備え、搬送速度が変化したと速度判別手段によって判別されたときに、環境検出手段が検出した環境データと、記憶手段に格納された対象物の種類に応じた吐出制御データとに基づき、搬送速度が変化する前とは異なる上記吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出させるように吐出制御手段が吐出手段を制御する。

本発明に係る液体吐出方法は、液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、液体を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、吐出口と対向する位置まで搬送された対象物に向かって吐出口より液滴を吐出する吐出手段と、所定の吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出するように吐出手段を制御する吐出制御手段と、吐出口から液滴を吐出するときの温度及び z又は湿度環境を検出する環境検出手段と、対象物の搬送速度が変化した力どうかを判別する速度判別手段と、搬送される対象物に液滴を所定のパターンに着弾させたときに搬送速度が変化することで生じる液滴の着弾位置のずれを検出する着弾位置検出手段と、着弾位置検出手段が検出した液滴の着弾位置のずれを補正させるように吐出タイミングを制御する吐出制御データを、液滴を所定のパターンに着弾させた対象物の種類に応じて生成するデータ生成手段と、データ生成手段により生成された対象物の種類に応じた吐出制御データを格納する記憶手段とを備える液体吐出装置の液体吐出方法であって、対象物の搬送速度が変化したと速度判別手段によって判別されたときに、環境検出手段が検出した環境データと、記憶手段に格納された対象物の種類に応じた吐出制御データとに基づき、搬送速度が変化する前とは異なる吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出させるように吐出制御手段が吐出手段を制御する。

本発明によれば、対象物の搬送速度が変化したと速度判別手段が判別したときに、環境検出手段が検出した環境データと、着弾位置検出手段が検出した搬送速度が変化したときに生ずる液滴の着弾位置ずれの結果よりデータ生成手段が生成した対象物の種類に応じた吐出制御データとに基づき、搬送速度が変化する前とは異なる吐出タイミングで吐出口より液滴を吐出させることで、対象物の搬送速度の変化によって液滴の着弾位置が対象物の種類や周囲の環境に応じて搬送方向にずれることを抑制させる。

また、本発明によれば、対象物の搬送速度が変化したときに、環境検出手段が検出した環境データ及びデータ生成手段により生成された吐出制御データに基づき、液滴の吐出タイミングを調整し、液滴の着弾位置のずれを補正することから、対象物の搬送速度の変化によって液滴の対象物に対する着弾位置が温度や湿度に応じて搬送方向にずれることを抑えることができる。したがって、本発明によれば、対象物に着弾した液滴に位置ずれ、すなわち色ずれのな!ヽ優れた画質の印刷を行うことができる。

さらに、本発明によれば、データ生成手段が所定のノターンに液滴を着弾させた対象物の種類毎に吐出制御データを生成し、この対象物の種類に応じた吐出制御データによって対象物の種類毎に吐出タイミングを制御できることから、対象物の種類に応じて液滴の着弾位置が搬送方向にずれることを抑えることができ、異なる種類の対象物に対して液滴の色ずれがない優れた画質の印刷を行うことができる。

図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、従来のプリンタ装置を示す模式的に示す側面図である。

[図 2]図 2は、従来のプリンタ装置において、印刷途中で記録紙の搬送速度が変化する状態を示す側面図である。

[図 3]図 3は、本発明が適用されたプリンタ装置の第 1の実施に形態を示す分解斜視図である。

[図 4]図 4は、プリンタ装置に設けられるプリンタヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。

[図 5]図 5は、プリンタヘッドカートリッジにおいて、カートリッジ本体にインクタンクを装着する状態を示す断面図である。

[図 6]図 6は、プリンタヘッドカートリッジの構成を示す断面図である。

[図 7]図 7は、プリンタヘッドカートリッジの要部を示す断面図である。

[図 8]図 8は、プリンタヘッドカートリッジに設けられたインク吐出ヘッドを示す断面図でめる。

[図 9]図 9A及び図 9Bはインク吐出ヘッドを示し、図 9Aは発熱抵抗体に気泡が発生した状態を示す断面図であり、図 9Bはノズルよりインクを吐出した状態を示す断面図である。

[図 10]図 10は、液体吐出装置の構成を示す透視側面図である。

[図 11]図 11は、液体吐出装置の印刷動作を説明するための透視側面図である。

[図 12]図 12は、液体吐出装置に備わる給排紙機構における記録紙を緊張状態に保持させるさせるローラについて説明するための図である。

[図 13]図 13は、液体吐出装置の制御回路を示すブロック図である。

[図 14]図 14A乃至図 14Cは、液体吐出装置において、印刷途中に搬送速度が速まることで生ずる色ずれを補正する吐出制御データについて説明する図であり、図 14

Aは搬送される記録紙にインクを吐出する状態を示す図であり、図 14Bは印刷途中で搬送速度が速まることで生ずる色ずれを説明するための図であり、図 14Cは色ずれを補正する方法を説明するための図である。

[図 15]図 15は、記録紙の搬送速度が速まることで各色のインクに生ずる着弾位置のずれを示す特性図である。

[図 16]図 16は、プリンタ装置の印刷準備動作を説明するフローチャートである。

[図 17]図 17は、プリンタ装置の印刷動作を説明するフローチャートである。

[図 18]図 18は、本発明が適用されたプリンタ装置の第 2の実施の形態を示す側面視図である。

[図 19]図 19は、プリンタ装置の印刷動作を説明するための側面図である。

[図 20]図 20は、プリンタ装置に備わる給排紙機構における記録紙を緊張状態に保持させるローラについて説明するための図である。

[図 21]図 21は、プリンタ装置に備わる着弾位置検出部によってインクの着弾位置を検出するために用いるテストパターンの一例を示す図である。

[図 22]図 22は、プリンタ装置の制御回路を示すブロック図である。

[図 23]図 23A乃至図 23Cは、液体吐出装置において、印刷途中に搬送速度が速まることで生ずる色ずれを補正する吐出制御データについて説明する図であり、図 23 Aは搬送される記録紙にインクを吐出する状態を示す図であり、図 23Bは印刷途中で搬送速度が速まることで生ずる色ずれを説明するための図であり、図 23Cは色ずれを補正する方法を説明するための図である。

[図 24]図 24は、記録紙の搬送速度が速まることで各色のインクに生ずる着弾位置のずれを示す特性図である。

[図 25]図 25は、プリンタ装置の印刷動作を説明するフローチャートである。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明が適用された液体吐出装置及び液体吐出方法の第 1の実施の形態を図面を参照して説明する。

本発明に係る液体と出装置の第 1の実施の形態である図 3に示す示すインクジエツトプリンタ装置（以下、単にプリンタ装置という。 ) 1は、所定の方向に走行する記録紙 Pに対してインク等を吐出して画像や文字を印刷するものである。このプリンタ装置 1 は、記録紙 Pの印刷幅に合わせて、記録紙 Pの幅方向、すなわち図 3中矢印 W方向にインク吐出口（ノズル)を一直線上に並列に配置したいわゆるライン型のプリンタ装置である。

図 3に示すプリンタ装置 1は、所定の方向に搬送される対象物である記録紙 Pに対してインクを吐出し、着弾させることによって、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置より入力された文字データや画像データ等に応じたインクドットからなる画像や文字等を記録する。

このプリンタ装置 1は、インク 4を吐出するインクジェットプリントヘッドカートリッジ（以下、単にヘッドカートリッジという。） 2と、このヘッドカートリッジ 2を装着するプリンタ本体 3とを備える。プリンタ装置 1は、ヘッドカートリッジ 2が消耗品として取り扱われており、プリンタ本体 3に対して着脱可能とされることによって容易に交換可能とされてヽる。

先ず、このようなプリンタ本体 3に対して着脱可能なヘッドカートリッジ 2について説明する。このヘッドカートリッジ 2は、インクを吐出する吐出口であるノズル 52aを図 3 中矢印 W方向に記録紙 Pの幅に対応する長さで略直線状に複数並べて配置した、いわゆるライン型のプリンタヘッドである。

このヘッドカートリッジ 2は、図 3及び図 4に示すように、インク iを収容するインクタンク 11が装着されるカートリッジ本体 12を備え、このカートリッジ本体 12には、カラー印刷に対応して、イェロー、シアン、マゼンダ、ブラックの各色のインクをそれぞれ収容したインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkが着脱可能となっている。

これら 4つのインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkは、例えば合成樹脂材料等を射出成形することで、直方体状に形成された容器であり、その内部に各色のインク iを収容している。これら 4つのインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkは、内部の洗浄を行った際に塵埃等の微小な異物が容易に除去されるように、インク iと接する内面が外面よりも表面粗さが小さくなつている。これら 4つのインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkは、大量のインクを収容し得るように、カートリッジ本体 12の長辺方向の長さに対応した長尺な直方体形状に形成されている。そして、各インクタンク l ly, 11m, 11c, I lkは、カートリッジ本体 12の短辺方向に並列して配置される。なお、以下の説明においては、各インクタンク l ly, 11m, 11c, I lkは、記録紙 Pの搬送方向に順に並んで配置されて、るものとして説明する。

これら 4つのインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkは、インクの消費量が最も多いブラックのインクを収納したインクタンク I lk力他のインクタンク l ly、 l lm、 11cよりも容量が大きぐ他に比べて厚く形成されている。なお、これらインクタンク l ly, 11m, 11 c, I lkを総称するとき、単にインクタンク 11として説明する。

インク iを収容するインクタンク 11は、図 4及び図 5に示すように、インク iを収容する液体収容部であるインク収容部 21と、インク収容部 21内のインク iをカートリッジ本体 12へと送り出す液体送出部であるインク送出部 22と、インク収容部 21を外部と連通させる外部連通孔 23と、外部連通孔 23からインク収容部 21内に外部の空気を導入するための空気導入管 24とを有して、る。

インク収容部 21は、インク iを収容する収容空間をゆうし、なるべく大量のインク iを収容するため、インクタンク 11の外形に対応した形状を有して、る。

また、インク収容部 21は、その底面部がほぼ中央に位置するインク送出部 22で最も深くなるように形成され、内部に収容されたインク iがインク送出部 22に集中して流入するように形成されて、る。

インク送出部 22は、インク収容部 21と連通されたインクタンク 11からカートリッジ本体 12へインク iを供給するノズルであり、このインク収容部 21の下面中央部から下方に向力つて突出して設けられている。そして、このインク送出部 22は、後述するカートリッジ本体 12の連結部 35に円滑に嵌合されるように、先端に向力つて内径が拡径されたテーパ形状を有してヽる。外部連通孔 23は、図 5に示すように、インク収容部 21の上面中央部に設けられている。また、この外部連通孔 23は、通気性を有するシール部材（図示せず。 )によつて閉塞されている。これにより、インクタンク 11では、この外部連通孔 23から外部にィンク iが漏れ出すことを防止するとともに、この外部連通孔 23から外部の空気を取り込む際に、インク収容部 21内に塵埃等が侵入することを防止している。

空気導入管 24は、外部連通孔 23からインク収容部 21の内部へと下方に向力つて延長して設けられている。これにより、インクタンク 11では、インク収容部 21内のインク iがインク送出部 22からカートリッジ本体 12へと送り出された際に、このインク収容部 21内のインク iが減少した分に相当する空気が、外部連通孔 23から空気導入管 2 4を通じてインク収容部 21内に取り込まれることになる。

また、この空気導入管 24の中途部には、インク収容部 21から逆流したインク iがいきなり外部連通孔 23から外部に流出することがないように、インク iを一時的に貯留させる液体貯留部であるインク貯留部 25が設けられている。このインク貯留部 25は、正面力見て長い方の対角線をインク収容部 21の長辺方向と平行とした菱形状の内部空間を有し、上部側の角部が空気導入管 24を介して外部連通孔 23と連通されるとともに、下部側の角部が空気導入管 24を介してインク収容部 21と連通されている。これにより、インクタンク 11では、インク収容部 21から空気導入管 24を通して逆流したインク iをインク貯留部 25が一時的に貯留することによって、外部連通孔 23から外部にインク iが漏れ出すことなぐ再度インク iをインク収容部 21側に戻すことが可能となつている。

このインクタンク 11は、図 4及び図 5に示すように、後述するカートリッジ本体 12のタンク装着部 31に固定するための固定手段である係合段部 26及び係止突部 27を有している。

係合段部 26は、インクタンク 11の長辺方向の一端側に形成された段差部であり、その一端側の側面部から上面部と平行かつ上面部よりも一段低くなされた水平面部 26aと、この水平面部 26aから上面部に向かって傾斜する傾斜面部 26bとを有している。

係止突部 27は、インクタンク 11の長辺方向の他端側の側面部力突出形成された突起部であり、上面部と平行な水平面部 27aと、この水平面部 27aよりも下方に位置する側面部に向力つて傾斜する傾斜面部 27bとを有している。

一方、カートリッジ本体 12は、図 4及び図 5に示すように、上述した各色のインクをそれぞれ収容したインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkが装着されるタンク装着部 31を有している。

このタンク装着部 31は、記録紙 Pの幅に対応して全体略直方体状に形成された力ートリッジ本体 12の上面部から各インクタンク l ly, 11m, 11c, I lkを収納するのに十分な深さで形成された凹部であり、その底面部は各インクタンク l ly, 11m, 11c, 1 lkがカートリッジ本体 12の短辺方向に並んで配置されるように、隔壁 31aによって仕切られた構造を有して!/、る。

上述したブラックのインクを収納したインクタンク 1 lkは、他の色のインクを収容したインクタンク l ly, 11m, 11cに比べて大きな厚さを有することから、このタンク装着部 31においても、ブラックのインクを収容したインクタンク 1 lkの装着位置を仕切る隔壁 31aの間隔が他の色のインクを収容したインクタンク l ly, 11m, 11cの装着位置を仕切る隔壁 31 aの間隔ょり所定の幅だけ広く形成されて、る。

このタンク装着部 31には、上述したインクタンク 11を固定するための固定手段である被係合部 32、ラッチレバー 33及び板パネ 34が設けられて、る。

被係合部 32は、上述したインクタンク 11に形成された係合段部 26の水平面部 26a と係合される部分であり、タンク装着部 31の長辺方向の一端側に位置する開口端から長辺方向に所定の幅だけ突出形成されている。

ラッチレバー 33は、タンク装着部 31の長辺方向の他端側に位置する底面コーナ部力上方に向かって突出された弾性変位片であり、その先端部がタンク装着部 31の側面部に対して近接離間する方向に弾性変位可能となって、る。このラッチレバー 3 3の先端側には、上述したインクタンク 11の係止突部 27が係止される係止孔 33aが穿設されている。そして、隔壁 31aによって仕切られたタンク装着部 31には、各インクタンク l ly, 11m, 11c, I lkに対応したラッチレバー 33力それぞれカートリッジ本体 12の短辺方向に並んで設けられて!/、る。

板パネ 34は、タンク装着部 31の底面部に設けられ、このタンク装着部 31に装着されたインクタンク 11を上方に向力つて押圧する押圧部材である。この板パネ 34は、タンク装着部 31の長辺方向に沿って配置されるとともに、一端がタンク装着部 31の底面部に固定され、その中間部が上方に向かって折り曲げられた形状を有している。そして、隔壁 31aによって仕切られたタンク装着部 31の底面部には、各インクタンク 11 y, 11m, 11c, I lkに対応した板パネ 34力それぞれカートリッジ本体 12の短辺方向に並んで設けられて、る。

このタンク装着部 31にインクタンク 11を装着する際は、インクタンク 11の係合段部 2 6が設けられた一端側を、タンク装着部 31の内部に斜めに挿入し、この係合段部 26 の水平面部 26aをタンク装着部 31の被係合部 32に当接させながら、この当接位置を回動支点として、インクタンク 11の係止突部 27が設けられた他端側を、図 5中矢印 A 方向に回動させながらタンク装着部 31の内部に挿入する。このとき、インクタンク 11 の係止突部 27は、その傾斜面部 27bがラッチレバー 33に当接することによって、このラッチレバー 33をタンク装着部 31の側面部に近接する方向へと弾性変位させる。そして、図 6に示すように、インクタンク 11がタンク装着部 31に装着されると同時に、係止突部 27がラッチレバー 33の係止孔 33aに係止される。このとき、ラッチレバー 33 の先端部がタンク装着部 31に装着されたインクタンク 11の側面部を押圧するとともに、タンク装着部 31の底面部に設けられた板パネ 34がインクタンク 11の底面部を上方に向力つて押圧することから、係合段部 26の水平面部 26aがタンク装着部 31の被係合部 32に係止されるとともに、係止突部 27の水平面部 27aがラッチレバー 33の係止孔 33aに係止される。これにより、インクタンク 11をカートリッジ本体 12のタンク装着部 31に適切に固定することができる。

一方、このタンク装着部 31に装着されたインクタンク 11を取り外す際は、ラッチレバ一 33の先端部をインクタンク 11の側面部から離間する方向に弾性変位させる。これにより、上述した係止突部 27の水平面部 27aとラッチレバー 33の係止孔 33aとの係止状態が解除される。このとき、図 3に示すように、板パネ 34がインクタンク 11の底面部を図 5中反矢印 A方向に向力つて押圧することから、インクタンク 11をタンク装着部 31から取り外すことができる。

以上のようなインクタンク 11が装着されるカートリッジ本体 12は、図 6及び図 7に示すように、上述したインクタンク 11のインク送出部 22と連結される連結部 35と、この連結部 35に連結されたインクタンク 11からのインク iの供給を行う液体供給部であるインク供給部 36と、このインク供給部 36により供給されたインク iを吐出するヘッド部 37とを有している。

連結部 35は、タンク装着部 31の底面中央部に設けられたノズルであり、その先端が上述したインク送出部 22に嵌合されることによって、インクタンク 11のインク送出部 22と連結される。この連結部 35にインクタンク 11のインク送出部 22が連結された際には、連結部 35の先端部に設けられた図示しない開閉ピン力インク送出部 22を開放する。また、この連結部 35には、連結されたインク送出部 22との間からインク iが漏れ出すのを防止するために、 Oリング等のシール部材 38が設けられて、る。

なお、連結部 35は、その先端部が開閉ピンを兼ねるようにしてもよい。すなわち、この連結部 35の先端部がインク送出部 22に嵌合されるとともにインク送出部 22を開放する構成であってもよい。また、連結部 35の先端部は、上述したインク送出部 22に円滑に嵌合されるように、先端に向力つて外径が縮径されたテーパ形状を有しているそして、隔壁 31aによって仕切られたタンク装着部 31の底面中央部には、各インクタンク l ly, 11m, 11c, I lkに対応した連結部 35が、それぞれカートリッジ本体 12 の短辺方向に並んで設けられて、る。

インク供給部 36は、後述するヘッド部 37のノズル 52aからインク iが吐出された際に、ヘッド部 37側に発生する負圧によって図示しない弁が開放されてインクタンク 11のインク収容部 21からヘッド部 37へとインク iを供給し、インクタンク 11のインク収容部 2 1からヘッド部 37へインク iが供給されて、ヘッド部 37側の圧力が定常状態に戻ると、弁を閉塞してインクタンク 11のインク収容部 21からヘッド部 37へのインク iの供給を停止する弁機構である。

そして、インク供給部 36は、後述するヘッド部 37のノズル 52aからインク iを吐出する度に、インク iの供給動作を繰り返す。一方、インクタンク 11では、上述したインク供給部 36によるインク iの供給動作に連動して、インク収容部 21内のインク iがインク供給部 36側に供給されると、インク収容部 21内のインク iが減少するとともに、この減少したインク iに相当する空気が外部連通孔 23から空気導入管 24を通してインク収容部 21内に導入される。これにより、インク収容部 21内の圧力を平衡状態に保ちながら、インク供給部 36側にインク iを適切に供給することが可能となっている。

なお、上述した各色に対応した連結部 35の下方には、それぞれインク供給部 36が設けられている。

ヘッド部 37は、インク iを液滴の状態で吐出する後述するノズル 52aが形成された吐出面 41と、この吐出面 41よりも上方に位置し、インク供給部 36からインク iが供給されるインク供給口 42と、このインク供給口 42から供給されたインク iを各ノズルへと導くィンク流路 43と、吐出面 41を保護するヘッドキャップ 44とを有している。

吐出面 41には、記録紙 Pの幅に相当する長さに亘つて略直線状に複数のノズル 5 2aが並んで設けられている。インク供給口 42は、インク流路 43の上面中央部に設けられ、インク供給部 36に連通されている。インク流路 43は、各ノズル 52aにインク iが供給されるように記録紙 Pの幅に相当する長さに亘つて略直線状に設けられて、る。ヘッドキャップ 44は、図 3及び図 4に示すように、吐出面 41を保護するために設けられたカバーであり、印刷動作するときには吐出面 41より退避する。ヘッドキャップ 44 は、図 4中矢印 W方向の両端に開閉方向に設けられた一対の係合突部 44aと、長手方向に設けられ吐出面 41に付着した余分なインク iを吸い取るクリーニングローラ 44 bとを有している。ヘッドキャップ 44は、係合突部 44aが吐出面 41に図 4中矢印 W方向とは略直交方向に亘つて設けられたに一対の係合溝 41aに係合され、この一対の係合溝 41aに沿ってインクタンク 11の短手方向、すなわち図 4中矢印 W方向とは略直交方向に開閉するようにされている。そして、ヘッドキャップ 44は、開閉動作時に、クリーニングローラ 44bが吐出面 41に当接しながら回転することで、余分なインク iを吸い取り、吐出面 41をクリーニングする。このクリーニングローラ 44bには、例えば吸湿性の高い部材、具体的にはスポンジ、不織布、織布等が用いられる。また、ヘッドキャップ 44は、印刷動作しないときには吐出面 44のノズル 52aから露出するインク iが乾燥しないように吐出面 41を閉塞する。

このように構成されたヘッド部 37には、上述した構成の他に、所定数のノズル 52a を組とするインク吐出ヘッド 45を複数有し、このインク吐出ヘッド 45が千鳥状に配置されている。すなわち、このインク吐出ヘッド 45は、インク流路 43を挟んで記録紙 Pの幅方向に互、違いに並ぶように配置されて、る。

インク吐出ヘッド 45は、図 8に示すように、ベースとなる回路基板 51と、複数のノズル 52aが形成されたノズルシート 52と、回路基板 51とノズルシート 52との間をノズル 52a毎に区画するフィルム 53と、インク流路 43を通して供給されたインク iを加圧するインク液室 54と、インク液室 54に供給されたインク iを加熱する発熱抵抗体 55とを有している。回路基板 51は、シリコン等力もなる半導体ウェハ上に、ロジック IC (Integrated Circuit)やドライバトランジスタ等力もなる制御回路を構成するとともに、インク液室 54 の上面部を形成している。

ノズルシート 52は、吐出面 41に向力つて縮径され、かつ吐出面 41側の口径が 20 μ m程度のノズル 52aが穿設されるとともに、回路基板 51とフィルム 53を挟んで対向配置されることで、インク液室 54の下面部を形成して、る。

フィルム 53は、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、上述したインク流路 43と連通される部分を除、て各ノズル 52aの周囲を囲むように形成されて!、る。また、このフィルム 53は、回路基板 51とノズルシート 52との間に介在されることによつて、インク液室 54の側面部を形成している。

インク液室 54は、上述した回路基板 51、ノズルシート 52及びフィルム 53により囲まれることで、ノズル 52a毎にインク流路 43から供給されたインク iを加圧する加圧空間を形成している。

発熱抵抗体 55は、インク液室 54に臨む回路基板 51に配置されるとともに、この回路基板 51に設けられた制御回路等と電気的に接続されている。そして、この発熱抵抗体 55は、制御回路等により制御されることで発熱し、インク液室 54内のインク iをカロ熱する。

そして、このインク吐出ヘッド 45では、回路基板 51の制御回路が発熱抵抗体 55を駆動制御し、選択された発熱抵抗体 55に対して、例えば 1一 3マイクロ秒程度の間だけパルス電流を供給する。これにより、インク吐出ヘッド 45では、発熱抵抗体 55が急速に加熱される。すると、インク吐出ヘッド 45では、図 9Aに示すように、発熱抵抗体 5 5と接するインク液室 54内のインク iに気泡 bが発生する。そして、インク吐出ヘッド 45 では、図 9Bに示すように、このインク液室 54内において、気泡 bが膨張しながらインク iを加圧し、押し退けられたインク iが液滴の状態になってノズル 52aより吐出される。また、インク吐出ヘッド 45においては、インク iの液滴が吐出された後は、インク流路 4 3を通してインク iがインク液室 54に供給されることによって、再び吐出前の状態へと戻る。

上述したインク吐出ヘッド 45は、回路基板 51の一主面上にフィルム 53を全面に亘つて形成し、フォトリソグラフィ技術を用いてフィルム 53をインク液室 54に対応した形状に成形した後に、この上にノズルシート 52を積層することで形成される。

また、上述したインク吐出ヘッド 45は、発熱抵抗体 55によってインク iを加熱しながら吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えば圧電素子等の電気機械変換素子によってインク iの液滴を電気機械的に吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。

なお、上述した各色に対応したインク供給部 36の下方には、それぞれヘッド部 37 が設けられている。そして、カートリッジ本体 12の底面部には、各インクタンク l ly, 1 lm, 11c, I lkに対応した各ヘッド部 37の吐出面 41が、それぞれカートリッジ本体 1 2の短辺方向に並んで設けられており、これらは連続した吐出面 41を形成して！/、る。以上のような構成のヘッドカートリッジ 2は、上述した構成の他に、インク収容部 12 内のインク iの残量を検出する図示しない残量検出部や、インクタンク l ly, 11m, 11 c, 1 lkを識別する図示しな、インクタンク識別部等を備えて！/、る。

次に、以上のように構成されるヘッドカートリッジ 2が装着されるプリンタ本体 3について説明する。

このプリンタ本体 3は、図 3に示すように、内部への塵埃等の侵入を防ぐために、上部筐体 61 aと下部筐体 6 lbとから構成される外筐 61の内部に組み付けられた構造を有している。

また、このプリンタ本体 3において、外筐 61の前面側は、図 10及び図 11に示すように、下部筐体 61b内の図示しないフレームに上部筐体 61aの両側面部に設けられた一対の支軸 62が軸支されることによって、上部筐体 61aが下部筐体 61bに対して開閉可能となっている。

また、外筐 61の前面には、図 3に示すように、記録紙 Pの給排紙が行われる給排紙口 63が設けられている。そして、この給排紙ロ 63に記録紙 Pを収納する収納トレィ 6 4が装着されることによって給紙が可能となり、記録紙 Pは、この給排紙ロ 63を通して収納トレィ 64の開口端のうち前面側を閉塞する蓋トレイ 65上に排紙されることになる上部筐体 61aには、上述したヘッドカートリッジ 2が装着されるヘッド装着部 66が設けられている。そして、このヘッド装着部 66にヘッドカートリッジ 2が装着された際には、ヘッドカートリッジ 2の吐出面 41が、後述する下部筐体 61b内の印刷位置に臨むことになる。なお、ヘッドカートリッジ 2には、図 4に示すように、取手部 67が取り付けられている。これにより、ヘッドカートリッジ 2は、交換時等においてヘッド装着部 66に対する着脱が容易となっている。

また、上部筐体 61aには、図 3に示すように、このヘッド装着部 66を閉塞する蓋体 6 lcが開閉可能に取り付けられている。この蓋体 61cは、ヘッド装着部 66を閉塞した際には、上部筐体 6 laと連続した上面部を形成する。また、この蓋体 61cは、ヘッド装着部 66にヘッドカートリッジ 2が装着された状態でも閉塞することが可能となっている。

さらに、上部筐体 61aの上面部には、後述する記録紙 Pの給排紙が行われる前面側に位置して、各種操作を行うための操作ボタン 68や、印刷状態等を表示するための表示パネル 69が設けられて!/、る。

さらに、上部筐体 61aの上面部には、ヘッドカートリッジ 2がヘッド装着部 66に装着されたときに、ヘッド装着部 66に対してヘッドカートリッジ 2を着脱可能に保持するへッドカートリッジ保持機構 70を備えている。具体的に、ヘッドカートリッジ保持機構 70 は、ヘッドカートリッジ 2に設けられたつまみ 70aを上部筐体 61aのヘッド装着部 66の周囲に設けられた係止孔 70b内の図示しないパネ等といった付勢部材に係止することにより、プリンタ本体 3におけるヘッド装着部 66の周囲に設けられた基準面 3aと、へッドカートリッジ 2の基準面 3aと対向する外周面 2aとが圧着することになり、上部筐体 61aに対してヘッドカートリッジ 2を位置決めして保持、固定できるようにする。これにより、カートリッジ本体 12の吐出面 41と、後述する給排紙機構 72によって印刷位置に搬送された記録紙 Pの主面とを互いに平行且つ所定の間隔をもって対向配置することができる。

また、プリンタ本体 3には、図 10及び図 11に示すように、ヘッドカートリッジ 2がへッド装着部 66に装着されたときに、このヘッドカートリッジ 2の吐出面 41に取り付けられたヘッドキャップ 44を開閉するヘッドキャップ開閉機構 71と、記録紙 Pを所定の方向に搬送してヘッド部 37に対して記録紙 Pを給排紙する給排紙機構 72と、記録紙 Pの搬送速度が変化したかどうかを判別する速度判別部 73と、インク iを吐出するときのヘッド部 37付近の環境温度を検出する温度センサ 74とを有している。

ヘッドキャップ開閉機構 71は、ヘッドカートリッジ 2のヘッドキャップ 44を開閉する駆動部を有しており、印刷を行うときにはインク吐出ヘッド 45が記録紙 Pに対して露出するように吐出面 41よりヘッドキャップ 44を退避させ、印刷が終了したときにはインク吐出ヘッド 45の保護やインク iの乾燥を防ぐために吐出面 41をヘッドキャップ 44で閉塞するように、ヘッドキャップ 44を吐出面 41に対して開閉動作する。

給排紙機構 72は、図 10及び図 11に示すように、記録紙 Pをヘッドカートリッジ 2まで供給し、ヘッドカートリッジ 2によって印刷が行われた記録紙 Pを外部に排出する、いわゆる記録紙 Pを所定の方向に搬送させる用紙搬送手段である。具体的に、給排紙機構 72は、プリンタ本体 3内部に記録紙 Pを給紙する給紙部 81と、この給紙部 81 により給紙された記録紙 Pを印刷位置へと搬送する搬送部 82と、この搬送部 82により搬送された記録紙 Pを排紙する排紙部 83とによって構成されている。

給紙部 81は、収納トレィ 64から搬送部 82へと記録紙 Pを給紙するための給紙手段として、収納トレィ 64内の記録紙 Pを搬送部 82へと送り出す給紙ローラ 91と、この給紙ローラ 91により送り出された記録紙 Pを 1枚毎に搬送部 82へと送り出すための一対の分離ローラ 92a, 92bとを有し、これらは、下部筐体 6 lb内に設けられた駆動機構（図示せず。）によって互いに連動しながら、図 11中矢印 Bl, B2, B3方向に回転駆動される。

給紙ローラ 91は、収納トレィ 64の背面側の開口端から臨む記録紙 Pの上方に配置されており、その外周面が、収納トレィ 64内に設けられた紙押上げ機構（図示せず。 )により押し上げられた記録紙 Pと接触可能となって、る。

一対の分離ローラ 92a, 92bは、給紙ローラ 91の背面側近傍に位置して、この給紙ローラ 91により送り出された記録紙 Pをローラの間に挟み込みながら、互いに同一方向に回転駆動される。これにより、給紙ローラ 91が記録紙 Pを誤って 2枚同時に給紙した場合でも、一方の分離ローラ 92aが、その外周面に接する 1枚の記録紙 Pを搬送部 82側へと送り出し、他方の分離ローラ 92bが、その外周面に接するもう 1枚の記録紙 Pを前面側の収納トレィ 64へと送り返すことによって、 1枚のみ背面側に送り出すことがでさる。

搬送部 82は、給紙部 81から排紙部 83へと記録紙 Pを搬送するための搬送手段として、記録紙 Pの送り方向を反転させる反転ローラ 93と、この反転ローラ 93により反転された記録紙 Pを印刷位置へと搬送させる送りローラ 94とを有している。

反転ローラ 93は、プリンタ本体 3内の背面側に配置されており、下部筐体 61b内に設けられた駆動機構（図示せず。）によって、図 11中矢印 C方向に回転駆動される。また、反転ローラ 93の背面側には、この反転ローラ 93の外周面に沿って反転される記録紙 Pを押さえる複数の押さえローラ 95a, 95b, 95cと、反転ローラ 93の外周面と対向して記録紙 Pの移動を規制する湾曲状の第 1の規制板 96とが設けられている。この反転ローラ 93と一対の分離ローラ 92a, 92bとの間には、記録紙 Pを案内する第 1の案内板 97が下部筐体 61b側に位置して設けられている。さらに、この反転ローラ 93と送りローラ 94との間には、記録紙 Pを案内する第 2の案内板 98と、この第 2の案内板 98と対向して記録紙 Pの移動を規制する平面状の第 2の規制板 99とが上部筐体 6 la側に位置して設けられてヽる。

送りローラ 94は、ヘッド部 37を基準にして記録紙 Pの搬送方向の上流側、すなわち反転ローラ 93側、かつ搬送される記録紙 Pに対して下部筐体 61b側に配置され、記録紙 Pの印刷される主面とは反対側の主面に軸中心に回転しながら当接されて記録紙 Pを搬送させる。

送りローラ 94の上部筐体 61a側には、この送りローラ 94と対向し、記録紙 Pを送り口ーラ 94に押圧させる押圧ローラ 100が設けられている。これにより、記録紙 Pは、押圧ローラ 100によって送りローラ 94に接触し、送りローラ 94に適切にグリップ、すなわち送りローラ 94の外周面に適切に掴まれることから、吐出面 41と対向する印刷位置へと適宜搬送されることになる。なお、押圧ローラ 100は、軸中心に回転自在にされており、記録紙 Pの搬送に伴って回転する。

排紙部 83は、図 10及び図 11に示すように、ヘッド部 37で印刷された記録紙 Pを給排紙ロ 63側に搬送させる排紙ローラ 101と、この排紙ローラ 101と対向する拍車 10 2とを有している。

排紙ローラ 101は、ヘッド部 37を基準にして記録紙 Pの搬送方向の下流側、すなわち給排紙口 63側、かつ搬送される記録紙 Pに対して下部筐体 61b側に配置され、記録紙 Pの印刷される主面とは反対側の主面に軸中心に回転しながら当接されて記録紙 Pを搬送させる。

拍車 102は、排紙ローラ 101に対して上部筐体 61側で対向し、印刷されたインクが極力転写されないように点で記録紙 Pの印刷面と接触し、排紙ローラ 101との間から記録紙 Pを給排紙ロ 63側の蓋トレイ 65上へと送り出す。なお、拍車 102は、軸中心に回転自在にされており、記録紙 Pの搬送に伴って回転する。

このような構成の給排紙機構 72において、送りローラ 94及び排紙ローラ 101は、図 12に示すように、駆動源となるパルスモータ 103a, 103bが例えば無端駆動ベルト等といった図示しないベルトプーリ等によって接続され、各パルスモータ 103a, 103 bからそれぞれ動力が伝達される。そして、送りローラ 94及び排紙ローラ 101は、反転ローラ 93側力も搬送された記録紙 Pを給排紙ロ 63側に搬送させるように図 12中矢印 D方向に軸中心に回転駆動する。

これらローラ 94, 101は、それぞれが異なる回転速度で回転、すなわちそれぞれが異なる回転数で回転しており、その回転数はパルスモータ 103a, 103bに供給されるパルス電流の周波数により制御される。具体的には、図 12中矢印 E方向に搬送される記録紙 Pを印刷位置まで給紙する送りローラ 94の回転速度より記録紙 Pに印刷が行われて排紙する排紙ローラ 101の回転速度を早くして、る。

これにより、給排紙機構 72では、ヘッド部 37の吐出面 41と対向する記録紙 Pに対して印刷を行う際に、記録紙 Pを弛みがなく搬送方向に緊張した状態にさせることが可能になる。したがって、給排紙機構 72では、印刷位置で記録紙 Pが弛み、橈み等が生じることを防ぐことから、絶えずヘッド部 73の吐出面 41と記録紙 Pの主面との距離を略一定に保つことができる。なお、パルスモータ 103a, 103bに供給されるパルス電流の周波数は後述する制御部 129等によって制御される。

送りローラ 94と排紙ローラ 101との間には、印刷位置に搬送された記録紙 Pをへッド部 37の吐出面 41に対向させるプラテン板 104が設けられている。この、プラテン板 104は、記録紙 Pの先端を送りローラ 94から排紙ローラ 101まで案内するガイド板としても機能する。なお、プラテン板 104は、記録紙 Pの印刷位置において、上述したヘッド部 37の吐出面 41と互いに平行かつ所定の距離を以て対向配置される。

また、下部筐体 61bには、図 11に示す印刷時に搬送動作を行う搬送位置と、この搬送位置よりも下方に位置して、図 10に示す非駆動時に待避される待避位置との間で、上述した送りローラ 94、排紙ローラ 101、プラテン板 104等を昇降させる図示しない昇降機構が設けられている。

以上のような構成の給排紙機構 72では、図 12に示すように、印刷位置における記録紙 Pを搬送方向に緊張した状態にして、ることから、図 12中矢印 E方向に搬送されている記録紙 Pの後端が送りローラ 94のニップ点、すなわち送りローラ 94で記録紙 Pを掴んでいる点より外れると、記録紙 Pには排紙ローラ 101より回転速度の遅い送りローラ 94より加わる反搬送方向、すなわち図 12中反矢印 E方向の負荷が作用しなくなり、送りローラ 94より回転速度が速い排紙ローラ 101だけで記録紙 Pが搬送されて印刷している途中で搬送速度が早くなる。

プリンタ本体 3におヽては、以上のように給排紙機構 72におヽて記録紙 Pの搬送速度が変化したときに、記録紙 Pの搬送速度が変化したことを検出、換言すると記録紙 Pの搬送速度が速くなつた力どうかを判別する手段として速度判別部 73を備えている速度判別部 73、図 12に示すように、矢印 E方向に搬送する記録紙 Pの後端を検出する後端検出センサ 111と、送りローラ 94の回転状態を検出するエンコーダ 112と、後述する例えば CPU (Central Processing Unit)等を備える制御部 129とによって構成されている。

後端検出センサ 111は、送りローラ 94を基準して搬送方向の上流側に、具体的には第 2の規制板 99と送りローラ 94との間に配置され、印刷位置に搬送される記録紙 Pにおける送りローラ 94と押圧ローラ 100との間に入り込んでいく前の後端を検出し、検出した後端検出データを後述する制御部 129に出力する。

エンコーダ 112は、送りローラ 94の回転状態を検出し、送りローラ 94の回転数に応じた回転検出データを後述する制御部 129に出力する。

このような速度判別部 73では、後端検出センサ 111と送りローラ 94との間の距離と、送りローラ 94による記録紙 Pを搬送させるときの単位時間当たりの送り量とに基づき、記録紙 Pの後端が後端検出センサ 111に検出されて力も送りローラ 94がどのくらい回転すると記録紙 Pの後端が-ップ点に到達し、直後に記録紙 Pの後端が-ップ点より外れて搬送速度が変化するかといった速度判別データを、後述するメモリ部 128等に予め記憶させている。したがって、速度判別部 73では、後端検出センサ 111が記録紙 Pの後端を検出し、検出した後端検出データを制御部 129に出力することで、この後端検出データと、エンコーダ 112からの回転検出データと、予め記憶されている速度判別データとに基づいて制御部 129によって記録紙 Pが送りローラ 94の-ップ点より外れて搬送速度が速くなることを判別させることができる。

上述の例では、速度判別部 73が後端検出センサ 111とエンコーダ 112とによって搬送速度が変化した力否かを判別しているが、このような構成に限定されることはなく、例えば記録紙 Pを搬送しているときの送りローラ 94ゃ排紙ローラ 101に加わる負荷を直接検出し、この負荷が変化したときに搬送速度が変化したと判別するような構成にしてもよい。また、送りローラ 94と排紙ローラ 101とによって緊張した状態の記録紙 Pに加わる負荷を直接的若しくは間接的に検出し、この負荷が変化したときに搬送速度が変化したと判別するような構成にしてもよい。

温度センサ 74は、インク iを吐出するときのヘッド部 37付近の環境温度を検出し、数値ィ匕して情報信号にし、環境データとして後述する制御部 129に出力する。温度センサ 74は、図 10及び図 11に示すように、ヘッド部 37を基準にして搬送方向の下流側、具体的にはヘッド部 37の側面に沿うように吐出面 41の近傍に配置されているそして、後述する制御部 129では、後述するメモリ部 128に温度毎で異なる記録紙 Pの時間当たりの送り量に関する搬送速度データが予め記憶されており、この搬送速度データと、温度センサ 74より制御部 129に出力される環境データとに基づき、印刷時の記録紙 Pが時間当たりにどのくらいの距離搬送されるか、すなわち温度毎の搬送速度が得られるようにされている。なお、後述するメモリ部 128には、記録紙 Pの種類や厚み等によって送りローラ 94ゃ排紙ローラ 101とのグリップ力等が異なり、搬送速度も違うことから、記録紙 Pの種類に対応した複数の搬送速度データが記憶されている。なお、ここでは、温度センサ 74がヘッド部 37の周辺温度を検出して得られた環境データで記録紙 Pの搬送速度を判別する場合を例に挙げて説明したが、このことに限定されることはなぐ例えば後述するメモリ部 128に記録紙 Pの湿度毎で異なる搬送速度に関する搬送速度データ等を記憶させておき、湿度センサ等によってヘッド部 37の周辺湿度を検出して得られた環境データによって記録紙 Pの搬送速度が得られるようにしてもよい。また、例えば後述するメモリ部に記録紙 Pの温度及び Z又は湿度毎で異なる搬送速度に関する搬送速度データ等を記憶させておき、温湿度センサ等によってヘッド部 37周辺の湿度及び湿度を検出して得られた環境データによつて記録紙 Pの搬送速度が得られるようにしてもょ、。

次に、以上のように構成されたプリンタ装置 1による印刷を制御する図 13に示す制御回路 121について図面を参照して説明する。

制御回路 121は、上述したプリンタ本体 3のヘッドキャップ開閉機構 71、給排紙機構 72の駆動を制御するプリンタ制御部 122と、各色のインク iに対応するインク吐出ヘッド 45に供給される電流等を制御する吐出制御部 123と、各色のインク iの残量を警告する警告部 124と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子 125と、制御プログラム等が記録された ROM (Read Only Memory) 126と、読み出された制御プログラム等をー且格納し、必要に応じて読み出される RAM (Random Access Memory) 12 7と、記録紙 Pの種類に応じてノズル 52aからインク iを吐出するときの吐出タイミングを制御する吐出制御データが格納されたメモリ部 128と、各部の制御を行う制御部 129 とを有している。

プリンタ駆動部 122は、制御部 129からの制御信号に基づき、ヘッドキャップ開閉機構 71を構成する駆動モータ（図示せず。）を駆動させてヘッドキャップ 44を開閉動作するように、ヘッドキャップ開閉機構 71を制御する。また、プリンタ駆動部 122は、制御部 129からの制御信号に基づき、給排紙機構 72を構成する駆動モータ（図示せず。）や、パルスモータ 103a, 103bを駆動させてプリンタ本体 3の収納トレィ 64から記録紙 Pを給紙し、印刷後に給排紙口 63から蓋トレイ 65上に記録紙 Pを排出するように給排紙機構 72を制御する。

吐出制御部 123は、インク吐出ヘッド 45に備わる発熱抵抗体 55にパルス電流を供給する外部電源との電気的な接続をオン zオフするスイッチング素子や、発熱抵抗体 55に供給されるパルス電流値を調整する抵抗体や、スイッチング素子等のオン Z オフの切り替えを制御する制御回路部等を有する電気回路である。そして、吐出制御部 123は、制御部 129からの制御信号に基づき、インク吐出ヘッド 45に備わる発熱抵抗体 55に供給されるノルス電流等を調整し、インク吐出ヘッド 45のノズル 52aよりインク iを吐出するときの吐出タイミングを制御する。

警告部 124は、例えば LCD (Liquid Crystal Display)等の表示手段であり、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を表示する。また、警告部 124は、例えばスピー力等の音声出力手段であってもよぐこの場合は、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を音声で出力する。なお、警告部 124は、表示手段及び音声出力手段をともに有するように構成してもよい。また、この警告は、情報処理装置 130のモニタゃスピー力等で行うようにしてもよ、。

入出力端子 125は、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報をインタフエースを介して外部の情報処理装置 130等に送信する。また、入出力端子 125は、外部の情報処理装置 130等から、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を出力する制御信号や、印刷データ等が入力される。ここで、上述した情報処理装置 130は、例えばパーソナルコンピュータや PDA (Personal Digital Assistant)等の電子機器である。

情報処理装置 130等と接続される入出力端子 125は、インタフェースとして例えばシリアルインタフェースやパラレルインタフェース等を用いることができ、具体的に US B (Universal serial Bus)、 RS (Recommended Standard) 2d2C、 IEEE (Institute of Electrical and Electronic Engineers) 1394等の規格に準拠したものである。また、入出力端子 125は、情報処理装置 130との間で有線通信又は無線通信の何れ形式でデータ通信を行うようにしてもよい。なお、この無線通信規格としては、 IEEE802. 1 la, 802. l ib, 802. l lg等力ある。

入出力端子 125と情報処理装置 130との間には、例えばインターネット等のネットヮークが介在していてもよぐこの場合、入出力端子 125は、例えば LAN (Local Area Network)、 I¾DN (Integrated Services Digital Network)、 xDsし (Digital subscriber Line)、 FTHP (Fiber To The Home)、 CATV (Community Antenna Television)、 B S (Broadcasting Satellite)等のネットワーク網に接続され、データ通信は、 TCP/IP ( Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の各種プロトコノレにより行われる

ROM126は、例えば EP— ROM (Erasable Programmable Read- Only Memory)等のメモリであり、制御部 129が行う各処理のプログラムが格納されている。この格納されているプログラムは、制御部 129により RAM127にロードされる。

RAM127は、制御部 129により ROM126から読み出されたプログラムや、速度判別部 73の後端検出センサ 111及びエンコーダ 112から制御部 129に出力された後端検出データや回転検出データや、温度センサ 74から制御部 129に出力された環境データ等を記憶する。

メモリ部 128は、例えば ROMや、 EP— ROMや、 RAM等であり、上述した速度判別データや、記録紙 Pの種類毎の搬送速度データ等が格納されている。また、メモリ部 128には、これらデータの他に、上述した記録紙 Pの種類毎の吐出制御データも格納されている。

ここでの吐出制御データとは、従来のような記録紙 Pの搬送速度が印刷途中で早くなったときに、搬送速度が速くなつた分インク iの着弾位置が反搬送方向側にずれる色ずれを補正させるように吐出タイミングを調整するように吐出制御部 123でインク吐出ヘッド 45を制御するプログラムデータである。

具体的に、図 14A—図 14Cを参照して説明する。なお、図 14A—図 14Cにおいては、記録紙 Pに着弾した各色のインク iのうちイェローは yで示し、マゼンダは mで示し、シアンは cで示し、ブラックは kで示している。

記録紙 Pに対して印刷する際は、図 14Aに示すように、記録紙 Pの搬送方向、すなわち図 14A中矢印 E方向に順に並んだインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkと対応する吐出面 41に設けられた各ノズル 52aより各色のインク iを搬送する記録紙 Pに吐出するときに、記録紙 Pには各色のインク iがイェロー、マゼンダ、シアン、ブラックの順で所定の着弾位置 Mlに順次着弾される。そして、印刷している途中で例えば送りローラ 94の-ップ点力記録紙 Pの後端が外れる等して記録紙 Pの搬送速度が変化すると、図 14Bに示すように、ヘッド部 37が所定の吐出タイミングでインク iを各ノズル 52a より順次吐出していることから、所定の着弾位置 Mlに対して各色のインク iが記録紙 Pの搬送方向の上流側にずれて着弾されてしまう、すなわち色ずれが生じてしまう。このような色ずれに対し、メモリ部 128に格納された吐出制御データは、色ずれを補正させるように吐出制御部 123を制御して各ノズル 52aより吐出されるインク iの吐出タイミングを補正させるプログラムデータであり、図 14Cに示すように、ブラックのインク iが記録紙 Pの搬送方向の上流側にずれて着弾される着弾位置 M2と略同じ位置にブラック以外のインク iが着弾されるようにブラックのインク iが吐出されるノズル 52a以外のノズル 52aより吐出されるインク iの吐出タイミングを制御させる。具体的には、ブラックのインク iが吐出される前に吐出されるブラック以外のインク iの吐出タイミングを、記録紙 Pの搬送速度が速くなる前より遅らせてインク iを吐出させるように制御し、ブラックのインク iが着弾される着弾位置 M2にブラック以外のインク iが着弾されるようにする。ここで、印刷途中で搬送速度が速まったときの記録紙 Pの先端力距離毎に発生する各色のインク iの本来着弾される着弾位置 Mlに対してどのくらい色ずれして着弾して、る力、すなわち着弾位置 Mlに対してどのくら、ずれて着弾位置 M2に着弾するかを測定した結果を図 15に示す。なお、図 15中 yはイェローのインク iにおけるずれ量を示し、 mはマゼンダのインク iにおけるずれ量を示し、 cはシアンのインクにおけるずれ量を示し、 kはブラックのインク iにおけるずれ量を示して!/、る。

図 15に示す測定結果より、印刷が記録紙 Pの先端から 250mm位に進んだところで搬送速度が変化して色ずれが生じはじめており、記録紙 Pの搬送方向の最も下流側のノズル 52aより吐出されるブラックのインク iの色ずれが最も大きくなつていることがわかる。そして、上述した吐出制御データは、ブラック以外のインク iを搬送速度が速くなる前より吐出タイミング遅らせて吐出させ、図 15中に示すブラックのインク iずれ量にブラック以外のインク iのずれ量が略同じになるようにして色ずれを抑制させる。

そして、吐出制御データは、搬送速度が変化したことで発生する色ずれが補正された後は、ブラック以外のインク iの吐出タイミングを遅らせたままでは逆に色ずれが生じてしまうことから、再び搬送速度が変化する前の吐出タイミングで各ノズル 52aより各色のインク iを順次吐出するように吐出制御部 123を制御する。一般的に、プリンタ装置 1では、温度や湿度が高いと、上述した送りローラ 94及び排紙ローラ 101とパルスモータ 103a, 103bとを接続する無端駆動ベルトが温度や湿度の影響で長くなり、無端駆動ベルトのピッチが広くなる。これにより、無端駆動べルトのテンションが弱まり、ローラ 94及び排紙ローラ 101等に備わりかつ無端駆動べルトが掛け合わされるプーリ 1歯当たりの送りピッチが減少し、記録紙 Pの搬送速度が低下して色ずれ力、さくなる。すなわち、常温時に搬送速度が変化することで生ずる色ずれより、温度や湿度が高いときの方が異なる色のインク iの着弾位置ずれが小さくなる。

一方、温度や湿度が低いと、無端駆動ベルトが温度や湿度の影響で短くなり、無端駆動ベルトのピッチが狭くなる。これにより、無端駆動ベルトのテンションが高くなつてローラ 94及び排紙ローラ 101等に備わるプーリ 1歯当たりの送りピッチが増大し、記録紙 Pの搬送速度が大きくなつて色ずれが大きくなる。すなわち、常温時に搬送速度が変化することで生ずる色ずれより、温度や湿度が低いときの方が異なる色のインク i の着弾位置ずれが大きくなる。

したがって、吐出制御データによって色ずれを補正する際は、温度センサ 74による環境データに基づき後述する制御部 129で吐出制御データを調整し、この調整した吐出制御データで制御した吐出タイミングでブラック以外のインク iを吐出させ、ブラックのインク iが着弾される着弾位置 M2にブラック以外のインク iを着弾させる。

以上のようにして吐出制御部 123を吐出制御する吐出制御データが格納されたメモリ部 128には、記録紙 Pの種類や厚み等によって送りローラ 94ゃ排紙ローラ 101とのグリップ力等が異なり、搬送速度が変化する程度が違う、すなわち記録紙 Pの種類毎に色ずれの度合いが異なることから、記録紙 Pの種類に対応した複数の吐出制御データが格納されている。

制御部 129は、例えば CPU等であり、入出力端子 125から入力された印刷データ、ヘッドカートリッジ 2から入力され力インク iの残量データ等に基づき、各部を制御する。制御部 129は、入力された制御信号等に基づいて各部を制御する処理プロダラムを ROM126から読み出して RAM127に記憶し、この処理プログラムに基づき各部の制御や処理を行う。すなわち、制御部 129は、 ROM166に格納された処理プログラムに基づき、ヘッドキャップ 44が開閉動作するようにヘッドキャップ開閉機構 71を制御したり、収納トレィ 64から記録紙 Pを給紙し、印刷後に給排紙口 63の蓋トレイ 65上へと記録紙 Pを送り出すように給排紙機構 72を制御したりする。また、制御部 129は、搬送速度が速くなる前は温度センサ 74からの環境データ、予めメモリ部 128に格納された搬送速度データに基づいて所定の吐出タイミングで適切にインク iが吐出されるように吐出制御部 123を制御したり、印刷途中で搬送速度が速くなつたときは環境データ、予めメモリ部 128に格納された吐出制御データに基づいて色ずれのない印刷が記録紙 Pに施されるように吐出制御部 123を制御したりする。

なお、以上のように構成された制御回路 121においては、 ROM126に処理プログラムを格納するようにした力処理プログラムを格納する媒体としては、 ROM126〖こ限定されるものでなぐ例えば処理プログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光磁気ディスク、 ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回路 121は、各種記録媒体を駆動するドライブと直接又は情報処理装置 130を介して接続されてこれら記録媒体から処理プログラムを読み出すように構成する。また、ここでは、メモリ部 128に速度判別データ、搬送速度データ、複数の吐出制御データ等を格納させた構成にしている力例えば RAM127、 ROM126の容量に余裕がある場合、これらのデータを RAM 127及び Z又は ROM 126に格納させるようにしてもよい。

ここで、以上のように構成されるプリンタ装置 1の印刷動作について図 16及び図 17 に示すフローチャートを参照にして説明する。なお、本動作は ROM126等の記憶手段に格納された処理プログラムに基づいて制御部 129内の図示しない CPUの演算処理等により実行されるものである。

先ず、プリンタ装置を用いて印刷を行うには、プリンタ本体 3に設けられている操作ボタン 68を操作し、あるいは入出力端子 125を介して外部の情報処理装置 130から入力して制御部 129に印刷動作を実行する命令信号をプリンタ装置に入力する。このとき、印刷する記録紙 Pの種類に関する情報信号も入力され、如何なる種類の記録紙 Pに印刷が行われるかが設定される。次に、制御部 129は、ステップ S1において、各タンク装着部 31に所定の色のインクタンク 11が装着されている力、またヘッドカートリッジ 2がプリンタ本体 3のヘッド装着部 66に装着されているか否かを判断する。そして、制御部 129は、全てのタンク装着部 31に所定の色のインクタンク 11が適切に装着かつヘッドカートリッジ 2がプリンタ本体 3のヘッド装着部 66に装着されているときはステップ S2に進み、タンク装着部 31にインクタンク 11が適切に装着されていないとき、及び Z又はプリンタ本体 3のヘッド装着部 66にヘッドカートリッジ 2が装着されていないときはステップ S4に進み印刷動作を禁止する。

制御部 129は、ステップ S2において、インクタンク 11内のインク iが所定量以下、すなわちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断されたときは、警告部 124でその旨を警告し、ステップ S4において、印刷動作を禁止する。一方、制御部 129は、インクタンク 11内のインク iが所定量以上であるとき、すなわちインク iが満たされているとき、ステップ S3において、印刷動作を許可する。

そして、印刷動作を許可されたプリンタ装置 1では、図 17に示すように、ステップ S1 1において、制御部 129がプリンタ駆動部 122によってヘッドキャップ開閉機構 71及び給排紙機構 72を駆動制御し、記録紙 Pを印刷可能な位置まで搬送する。具体的に、印刷動作が開始されると、制御部 129は、ヘッドキャップ開閉機構 71を駆動制御して、吐出面 41を閉塞した状態にあるヘッドキャップ 44を、図 11に示すように、プリンタ装置 1の前面側の退避位置へと移動する。また、制御部 129は、図 11に示すように、図示しない昇降機構を駆動制御して送りローラ 94、排紙ローラ 101、プラテン板 10 4を待避位置力も搬送位置へと上昇させ、かつパルスモータ 103a, 103b等を駆動制御して記録紙 Pを図 11中矢印 E方向に搬送させる。このとき、温度センサ 74は、ステツプ S12において、ヘッド部 37近傍の温度を検出し、環境データとして制御部 129 に出力する。

次に、制御部 129は、ステップ S13において、給排紙機構 72によって印刷位置まで搬送され、かつ送りローラ 94と排紙ローラ 101とによって搬送方向に緊張した状態にされた記録紙 Pに対し、温度センサ 74より入力された環境データ、予めメモリ部 12 8に格納され、かつ印刷開始時に設定された記録紙 Pの種類に対応する搬送速度データに基づいて吐出制御部 123でインク吐出ヘッド 45を制御し、インク iを適切な吐出タイミングで吐出、着弾させ、入出力端子 125を介して外部の情報処理装置 130 等力も入力された文字データや画像データ等といった印刷データに基づくインクドットからなる文字や画像を記録させる。すなわち、記録紙 Pに対して印刷を行う。

次に、制御部 129は、ステップ S14において、速度判別部 73の後端検出センサ 11 1で印刷中の記録紙 Pの後端を検出し、検出されたら後端検出データとして速度判別部 73より入力される。そして、記録紙 Pの後端が検出されるまではステップ 13の印刷を継続し、記録紙 Pの後端を検出したら、後端検出センサ 111からの後端検出データと、エンコーダ 112からの回転検出データと、予めメモリ部 128に記憶されている速度判別データとによって記録紙 Pの搬送速度が速くなつたと判別してステップ S15 に進み、色ずれの補正を行う。

次に、制御部 129は、ステップ S15において、速度判別部 73が記録紙 Pの後端を検出して搬送速度が速くなつたと判別されると、温度センサ力もの環境データ、予めメモリ部 128に格納され、かつ印刷開始時に設定された記録紙 Pの種類に対応する吐出制御データに基づ、て吐出制御部 123でインク吐出ヘッド 45を制御し、ブラック以外のインク iの吐出タイミングを搬送速度が速くなる前より遅らせて吐出させ、色ずれが起きな、ようにインク iの着弾位置を補正させる。

そして、制御部 129は、ステップ S16において、色ずれ補正後、吐出制御データにより再び搬送速度が変化する前の吐出タイミングで各色のインク iを順次吐出するように吐出制御部 123を制御し、印刷データを最後まで印刷し、印刷を終了させる。次に、制御部 129は、ステップ S17において、給排紙機構 72を制御して印刷が終了した記録紙 Pを排紙ローラ 101より蓋トレイ 65上に排出し、印刷動作を終了する。そして、プリンタ装置 1においては、インクタンク 11内のインクがなくなる力、収納トレィ 64内の記録紙 Pがなくなる力操作ボタン 68や入出力端子 125を介して外部の情報処理装置 130から印刷中止の命令信号が入力されるまで、ステップ 11一ステップ 17の印刷動作を繰り返す。

以上のような手順で印刷動作を行うプリンタ装置 1では、速度判別部 73の後端検出センサ 111が印刷中の記録紙 Pの後端を検出し、記録紙 Pの搬送速度が速くなつたと判別されると、温度センサ 74からの環境データ、予めメモリ部 128に格納された記録紙 Pの種類に対応した吐出制御データに基づいて搬送速度が変化したことで生ずる色ずれを補正する。

すなわち、このプリンタ装置 1では、印刷中に記録紙 Pの搬送速度が速くなると、環境データが要素として盛り込まれた吐出制御データに基づき、搬送方向の最下流側のノズル 52aより吐出されるブラックのインク i以外のインク iの吐出タイミングを記録紙 Pの搬送速度が速くなる前より遅らせて制御し、ブラックのインク iが着弾される着弾位置にブラック以外のインク iを着弾させて搬送速度が変化したときに生ずる色ずれを補正させる。

したがって、このプリンタ装置 1では、印刷中に搬送速度が変化しても、記録紙 Pの種類や、周囲の環境温度等を考慮しつつ、印刷中に搬送速度が変化することで生ずる色ずれが防止された高品位な印刷を行うことができる。

次に、本発明の第 2の実施形態について説明する。なお、第 1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。

第 2の実施形態は、図 18及び図 19に示すように、所定の文字や画像を印刷する前に印刷したテストパターンにおけるインク iの着弾位置を検出する着弾位置検出部 75 をさらに備える。

着弾位置検出部 75は、排紙ローラ 101を基準にして搬送方向の下流側に配置され、所定の文字や画像を印刷する前に所定のパターンにインク iを記録紙 Pに着弾させる、すなわち記録紙 Pに所定のパターンに印刷したテストパターンのインク iの着弾位置を検出する例えば反射型フォトセンサ、電荷結合素子画像センサ（

Charge-Coupled device image sensor)等により構成され、搬送速度が変化したときに生じる虞のあるインク iの着弾位置のずれを検出し、数値ィ匕して情報信号にし、着弾位置データとして制御部 129に出力する（図 20参照)。

ここでの着弾位置検出部 75がインク iの着弾位置を検出するテストパターンは、図 2 1に示すように、例えば吐出タイミングを所定の間隔にして記録紙 Pの幅方向に各色のインク i毎に着弾させたものであり、所定の文字や画像を印刷する記録紙 Pと同じ種類のものに印刷する。そして、着弾位置検出部 75は、テストパターンにおけるインク i の着弾位置を読み取り、記録紙 Pの搬送速度が変化した後、すなわち搬送速度が速まった後のインク iの着弾位置が、搬送速度が速まらなければ本来着弾したであろう着弾位置 M 1に対してどのくら、ずれて、るかを検出し、検出に用、た記録紙 Pの種類に応じた着弾位置データを制御部 129に出力する。なお、図 21において、記録紙 Pに着弾した各色のインク iのうちイェローは yで示し、マゼンダは mで示し、シアンは c で示し、ブラックは kで示している。

次に、第 2の実施形態に係るプリンタ装置 1の制御を行う制御回路 131について図 22を参照して説明する。この制御回路 131は、前述した第 1の実施の形態の制御回路 121に相当する。

制御回路 131は、プリンタ本体 3のヘッドキャップ開閉機構 71、給排紙機構 72の駆動を制御するプリンタ駆動部 122と、各色のインク iに対応するインク吐出ヘッド 45に供給される電流等を制御する吐出制御部 123と、各色のインク iの残量を警告する警告部 124と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子 125と、制御プログラム等が記録された ROM (Read Only Memory) 126と、読み出された制御プログラム等を一且格納し、必要に応じて読み出される RAM (Random Access Memory) 127と、各部の制御を行いかつ着弾位置検出部 75からの記録紙 Pの種類に応じた着弾位置データに基づいてノズル 52aからインク iを吐出するときの吐出タイミングを制御する吐出制御データを記録紙 Pの種類毎に生成する制御部 129と、制御部 129で生成された吐出制御データが格納されたメモリ部 128とを有している。

プリンタ駆動部 122、吐出制御部 123、警告部 124等の動作は、前述した第 1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。

着弾位置検出部 75は、図 18に示すように、排紙ローラ 101を基準にして搬送方向の下流側に配置され、所定の文字や画像を印刷する前に所定のパターンにインク iを記録紙 Pに着弾させる、すなわち記録紙 Pに所定のパターンに印刷したテストパターンのインク iの着弾位置を検出する例えば反射型フォトセンサ、電荷結合素子画像センサ（Charge- Coupled device image sensor)等により構成され、搬送速度が変化したときに生じる虞のあるインク iの着弾位置のずれを検出し、数値化して情報信号にし、着弾位置データとして後述する制御部 129に出力する。ここでの着弾位置検出部 75がインク iの着弾位置を検出するテストパターンは、図 2 1に示すように、例えば吐出タイミングを所定の間隔にして記録紙 Pの幅方向に各色のインク i毎に着弾させたものであり、所定の文字や画像を印刷する記録紙 Pと同じ種類のものに印刷する。そして、着弾位置検出部 75は、テストパターンにおけるインク i の着弾位置を読み取り、記録紙 Pの搬送速度が変化した後、すなわち搬送速度が速まった後のインク iの着弾位置が、搬送速度が速まらなければ本来着弾したであろう着弾位置 M 1に対してどのくら、ずれて、るかを検出し、検出に用、た記録紙 Pの種類に応じた着弾位置データを制御部 129に出力する。

次に、以上のように構成されたプリンタ装置 1による印刷を制御する図 22に示す制御回路 131について図面を参照して説明する。

制御回路 131は、上述したプリンタ本体 3のヘッドキャップ開閉機構 71、給排紙機構 72の駆動を制御するプリンタ駆動部 122と、各色のインク iに対応するインク吐出ヘッド 45に供給される電流等を制御する吐出制御部 123と、各色のインク iの残量を警告する警告部 124と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子 125と、制御プログラム等が記録された ROM (Read Only Memory) 126と、読み出された制御プログラム等をー且格納し、必要に応じて読み出される RAM (Random Access Memory) 12 7と、各部の制御を行、かつ着弾位置検出部 75からの記録紙 Pの種類に応じた着弾位置データに基づいてノズル 52aからインク iを吐出するときの吐出タイミングを制御する吐出制御データを記録紙 Pの種類毎に生成する制御部 129と、制御部 129で生成された吐出制御データが格納されたメモリ部 128とを有している。

また、制御部 129は、着弾位置検出部 75が検出に用いた記録紙 Pの種類に応じた着弾位置データに基づいて、従来のような記録紙 Pの搬送速度が印刷途中で早くなつたときに搬送速度が速くなつた分インク iの着弾位置が反搬送方向側にずれる色ずれを補正させるように吐出タイミングを調整して吐出制御部 123を制御する吐出制御データを記録紙 Pの種類毎に生成し、後述するメモリ部 128に格納する。そして、制御部 129は、印刷途中で搬送速度が速くなつたときに、温度センサからの環境データ、記録紙 Pの種類に応じた吐出制御データに基づ、て色ずれのな!、印刷が記録紙 Pに施されるように吐出制御部 123を制御する。具体的に、吐出制御データについて図 23AA—図 23Cを参照して説明する。なお、図 23A—図 23Cでは、記録紙 Pに着弾した各色のインク iのうちイェローは y で示し、マゼンダは mで示し、シアンは cで示し、ブラックは kで示している。

記録紙 Pに対して印刷する際は、図 23Aに示すように、記録紙 Pの搬送方向、すなわち図 23A中矢印 E方向に順に並んだインクタンク l ly, 11m, 11c, I lkと対応する吐出面 41に設けられた各ノズル 52aより各色のインク iを搬送する記録紙 Pに吐出するときに、記録紙 Pには各色のインク iがイェロー、マゼンダ、シアン、ブラックの順で所定の着弾位置 Mlに順次着弾される。そして、印刷している途中で例えば送りローラ 94の-ップ点力記録紙 Pの後端が外れる等して記録紙 Pの搬送速度が変化すると、図 23Bに示すように、ヘッド部 37が所定の吐出タイミングでインク iを各ノズル 52a より順次吐出していることから、所定の着弾位置 Mlに対して各色のインク iが記録紙 Pの搬送方向の上流側にずれて着弾され、色ずれが生じてしまう。このような色ずれに対し、着弾位置検出部 75からの記録紙 Pの種類に応じた着弾位置データに基づいて制御部 129にて生成された吐出制御データは、色ずれを補正させるように吐出制御部 123を制御して各ノズル 52aより吐出されるインク iの吐出タイミングを記録紙 P の種類に応じて補正させるプログラムデータである。すなわち、吐出制御データは、図 23Cに示すように、ブラックのインク iが記録紙 Pの搬送方向の上流側にずれて着弾される着弾位置 M2と略同じ位置にブラック以外のインク iが着弾されるようにブラックのインク iが吐出されるノズル 52a以外のノズル 52aより吐出されるインク iの吐出タイミングを記録紙 Pの種類に応じて制御させる。具体的には、ブラックのインク iが吐出される前に吐出されるブラック以外のインク iの吐出タイミングを、記録紙 Pの搬送速度が速くなる前より遅らせてインク iを吐出させるように制御し、ブラックのインク iが着弾される着弾位置 M2にブラック以外のインク iが着弾されるようにさせる。

ここで、印刷途中で搬送速度が速まったときの記録紙 Pの先端力距離毎に生ずる各色のインク iの本来着弾される着弾位置 Mlに対してどのくらい色ずれして着弾して V、る力、すなわち着弾位置 Mlに対してどのくら、ずれて着弾位置 M2に着弾するかを測定した結果を図 24に示す。なお、図 24中 yはイェローのインク iにおけるずれ量を示し、 mはマゼンダのインク iにおけるずれ量を示し、 cはシアンのインク iにおけるずれ量を示し、 kはブラックのインク iにおけるずれ量を示して!/、る。

図 24に示す測定結果より、印刷が記録紙 Pの先端から 250mm位に進んだところで搬送速度が変化して色ずれが生じはじめており、記録紙 Pの搬送方向の最も下流側のノズル 52aより吐出されるブラックのインク iの色ずれが最も大きくなつていることがわかる。そして、上述した吐出制御データは、ブラック以外のインク iを搬送速度が速くなる前より吐出タイミング遅らせて吐出させ、図 24中に示すブラックのインク iずれ量にブラック以外のインク iのずれ量が略同じになるようにして色ずれを抑制させる。

そして、吐出制御データは、搬送速度が変化したことで起こる色ずれが補正された後は、ブラック以外のインク iの吐出タイミングを遅らせたままでは逆に色ずれが生じてしまうことから、再び搬送速度が変化する前の吐出タイミングで各ノズル 52aより各色のインク iを順次吐出するように吐出制御部 123を制御する。

なお、ここでの温度の影響は、記録紙 Pの種類にもよるが、一般的には、温度が高いと記録紙 Pや給排紙機構 72のベルトプーリ等の伸びが大きくなることから、印刷途中での搬送速度の変化が小さくなつて色ずれが小さぐ温度が低いと記録紙 Pやべルトプーリ等の伸びが殆どないことから、印刷途中での搬送速度の変化が大きくなつて色ずれが大きくなる。

具体的には、温度や湿度が高いと、上述した送りローラ 94及び排紙ローラ 101とパルスモータ 103a, 103bとを接続する無端駆動ベルトが温度や湿度の影響で長くなり、無端駆動ベルトのピッチが広くなる。これにより、無端駆動ベルトのテンションが弱まり、ローラ 94及び排紙ローラ 101等に備わり且つ無端駆動ベルトが掛け合わされるプーリ 1歯当たりの送りピッチが減少し、記録紙 Pの搬送速度が低下して色ずれが小さくなる。すなわち、常温時に搬送速度が変化することで起こる色ずれより、温度や湿度が高いときの方が異なる色のインク iの着弾位置ずれが小さくなる。

一方、温度や湿度が低いと、無端駆動ベルトが温度や湿度の影響で短くなり、無端駆動ベルトのピッチが狭くなる。これにより、無端駆動ベルトのテンションが高くなつてローラ 94及び排紙ローラ 101等に備わるプーリ 1歯当たりの送りピッチが増大し、記録紙 Pの搬送速度が大きくなつて色ずれが大きくなる。すなわち、常温時に搬送速度が変化することで起こる色ずれより、温度や湿度が低いときの方が異なる色のインク i の着弾位置ずれが大きくなる。

したがって、制御部 129では、吐出制御データで吐出制御部 123を制御する際に、温度センサ 74による環境データも要素として盛り込み、環境データ及び吐出制御データに基づいて吐出制御部 123がインク吐出ヘッド 45を制御するようにさせる。メモリ部 128は、例えば ROMや、 EP— ROMや、 RAM等であり、上述した速度判別データや、記録紙 Pの種類毎の搬送速度データ等が格納されている。また、メモリ部 128には、これらデータの他に、着弾位置検出部 75が検出した記録紙 Pの種類に応じた着弾位置データに基づいて制御部 129が生成した記録紙 Pの種類毎の吐出制御データも格納されて!、る。

以上のような構成の制御回路 131においては、記録紙 Pの種類や厚み等によって送りローラ 94ゃ排紙ローラ 101とのグリップ力等が異なり、搬送速度が変化する程度が違う、すなわち記録紙 Pの種類毎に色ずれの度合いが異なることから、印刷が行われる記録紙 Pの種類に対応した吐出制御データが制御部 129で生成され、メモリ部 1 28に格納される。なお、制御回路 131においては、制御部 129が生成した吐出制御データの他に、記録紙 Pの一般的な種類については吐出制御データを予め格納させおき、予め格納された吐出制御データで吐出制御部 123を制御させるようにしてもよい。これにより、一般的な種類の記録紙 Pに印刷を行う場合、テストパターンを着弾位置検出部 75で読み込んで吐出制御データを生成する作業を行わずに色ずれのない高品質な印画を得ることができる。

制御回路 131においては、 ROM126に処理プログラムを格納するようにした力処理プログラムを格納する媒体としては、 ROM126に限定されるものでなぐ例えば処理プログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光磁気ディスク、 ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回路 121は、各種記録媒体を駆動するドライブと直接又は情報処理装置 130を介して接続されてこれら記録媒体から処理プログラムを読み出すように構成する。

また、ここでは、メモリ部 128に速度判別データ、搬送速度データ、吐出制御データ等を格納させた構成にしている力例えば RAM127、 ROM126の容量に余裕がある場合、これらのデータを RAM 127及び Z又は ROM 126に格納させるようにしてもよい。

ここで、以上のように構成されるプリンタ装置 1の印刷動作について図 25に示すフローチャートを参照にして説明する。なお、本動作は ROM126等の記憶手段に格納された処理プログラムに基づ!/、て制御部 129内の図示しな、CPUの演算処理等により実行されるちのである。

先ず、プリンタ装置 1を用いて印刷動作を実行するには、プリンタ本体 3に設けられている操作ボタン 68を操作し、あるいは入出力端子 125を介して外部の情報処理装置 130からプリンタ装置 1が実行する命令信号を制御部 129に入力する。このとき、印刷する記録紙 Pの種類に関する情報信号も入力され、如何なる種類の記録紙 P〖こ印刷が行われるかが設定される。

上述のような印刷を実行する命令信号が入力されると、制御部 129は、ステップ S1 において、各タンク装着部 31に所定の色のインクタンク 11が装着されている力、またヘッドカートリッジ 2がプリンタ本体 3のヘッド装着部 66に装着されているか否かを判断する。そして、制御部 129は、全てのタンク装着部 31に所定の色のインクタンク 11 が適切に装着かつヘッドカートリッジ 2がプリンタ本体 3のヘッド装着部 66に装着されているときはステップ S2に進み、タンク装着部 31にインクタンク 11が適切に装着されていないとき、及び Z又はプリンタ本体 3のヘッド装着部 66にヘッドカートリッジ 2が装着されてヽな、ときはステップ S 14に進み、印刷動作を禁止する。

制御部 129は、ステップ S2において、インクタンク 11内のインク iが所定量以下、すなわちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断されたときは、警告部 124でその旨を警告し、ステップ S14において、印刷動作を禁止する。一方、制御部 129は、インクタンク 11内のインク iが所定量以上であるとき、すなわちインク iが満たされているとき、ステップ S3に進み、印刷動作を実行させる。

次に、制御部 129は、ステップ S3において、メモリ部 128に印刷に用いられる種類の記録紙 Pに対応する吐出制御データが格納されてヽるカゝ否かを判断し、記録紙 P に対応する吐出制御データが格納されている場合はステップ S8に進んで文字や画像等の印刷を開始し、記録紙 Pに対応する吐出制御データが格納されてな！ヽ場合はステップ S4に進んでテストパターンを印刷し、テストパターンが印刷された記録紙 Pに対応する吐出制御データを生成する作業を行う。

次に、制御部 129は、ステップ S4において、制御部 129がプリンタ駆動部 122によつてヘッドキャップ開閉機構 71及び給排紙機構 72を駆動制御し、印刷可能な位置まで搬送された記録紙 Pに対して吐出制御データを生成させるためのテストパターンを印刷する。具体的に、テストパターンを印刷する動作が開始されると、制御部 129 は、ヘッドキャップ開閉機構 71を駆動制御して、吐出面 41を閉塞した状態にあるへッドキャップ 44を、図 19に示すように、プリンタ装置 1の前面側の退避位置へと移動する。また、制御部 129は、図 19に示すように、図示しない昇降機構を駆動制御して送りローラ 94、排紙ローラ 101、プラテン板 104を待避位置カゝら搬送位置へと上昇させ、且つパルスモータ 103a, 103b等を駆動制御して記録紙 Pを図 17中矢印 E方向に搬送させる。そして、制御部 129は、吐出面 41と対向する位置まで搬送された記録紙 Pに対し、吐出制御部 123を制御してテストパターンを印刷する。

次に、制御部 129は、ステップ S5において、排紙ローラ 101により印刷位置より排出された記録紙 Pのテストパターンを着弾位置検出部 75で読み込ませて各色のインク iの着弾点を検出し、且つ着弾位置データとして出力させ、この着弾位置データを取得する。

次に、制御部 129は、ステップ S6において、着弾位置検出部 75からの着弾位置データに基づいて、印刷途中で搬送速度が速まったときに起こる色ずれを補正させる吐出制御データを生成し、この吐出制御データをメモリ部 128に格納する。このメモリ部 128に格納された吐出制御データは、印刷実行を命令したときに入力された記録紙 Pの種類に対応する新たな吐出制御データとしてメモリ部 128に格納され、再び同じ種類の記録紙 Pに印刷を行うときに用いられる。そして、制御部 129は、印刷に用いられる記録紙 Pに対応した吐出制御データが取得できたことを警告部 124で警告する。

次に、制御部 129は、ステップ S7において、プリンタ本体 3に設けられている操作ボタン 68が操作されたり、入出力端子 125を介して外部の情報処理装置 130から操作入力されたりして文字や画像の印刷を開始するための命令信号が入力される。

次に、制御部 129は、ステップ S8において、プリンタ駆動部 122でヘッドキャップ開閉機構 71及び給排紙機構 72を駆動制御し、印刷可能な位置まで搬送された記録紙 Pに吐出制御部 123を制御して文字や画像の印刷を開始させる。このとき、制御部 129は、ステップ S9において、温度センサ 74によってヘッド部 37近傍の温度を検出し、環境データとして出力させ、出力された環境データを取得する。具体的に、制御部 129は、給排紙機構 72によって印刷位置まで搬送され、且つ送りローラ 94と排紙ローラ 101とによって搬送方向に緊張した状態にされた記録紙 Pに対し、温度センサ 74より入力された環境データ、予めメモリ部 128に格納され、かつ印刷開始時に設定された記録紙 Pの種類に対応する搬送速度データに基づいて吐出制御部 123でインク吐出ヘッド 45を制御し、インク iを適切な吐出タイミングで吐出、着弾させ、入出力端子 125を介して外部の情報処理装置 130等力も入力された文字データや画像データ等といった印刷データに基づくインクドットからなる文字や画像を記録させる。なお、テストパターンを印刷した記録紙 Pの種類に対応する搬送速度データカモリ部 128に格納されて、な、場合、テストパターンを印刷するときに後端検出センサ 11 1やエンコーダ 112等から出力されるデータに基づ、て制御部 129で搬送速度データを生成する。

次に、制御部 129は、ステップ S10において、速度判別部 73の後端検出センサ 11 1で印刷中の記録紙 Pの後端を検出し続け、検出されたら後端検出データとして速度判別部 73より入力される。そして、記録紙 Pの後端が検出されるまではステップ 8の印刷動作を継続し、記録紙 Pの後端を検出したら、後端検出センサ 111からの後端検出データと、エンコーダ 112からの回転検出データと、予めメモリ部 128に記憶されている速度判別データとによって記録紙 Pの搬送速度が速くなつたと判別してステツプ S 11に進み、色ずれの補正を行う。

次に、制御部 129は、ステップ S11において、速度判別部 73が記録紙 Pの後端を検出して搬送速度が速くなつたと判別されると、温度センサ力もの環境データ、メモリ部 128に格納された記録紙 Pの種類に対応する吐出制御データに基づいて吐出制御部 123でインク吐出ヘッド 45を制御し、ブラック以外のインク iの吐出タイミングを搬送速度が速くなる前より遅らせて吐出させ、色ずれが起きな、ようにインク iの着弾位置を補正させる。そして、制御部 129は、ステップ S12において、色ずれ補正後、吐出制御データにより再び搬送速度が変化する前の吐出タイミングで各色のインク iを順次吐出するように吐出制御部 123を制御し、印刷データを最後まで印刷し、印刷を終了させる。次に、制御部 129は、ステップ S13において、給排紙機構 72を制御して印刷が終了した記録紙 Pを排紙ローラ 101よって蓋トレイ 65上に排出し、印刷動作を終了するそして、プリンタ装置 1においては、収納トレィ 64内の記録紙 Pがなくなる力、操作ボタン 68や入出力端子 125を介して外部の情報処理装置 130から印刷中止の命令信号が入力されるまで、ステップ 1一ステップ 14の印刷動作を繰り返す。

以上のような方法で印刷動作を行うプリンタ装置 1では、速度判別部 73の後端検出センサ 111が印刷中の記録紙 Pの後端を検出し、記録紙 Pの搬送速度が速くなつたと判別されると、温度センサ 74からの環境データ、制御部 129が着弾位置検出部 75 からの着弾位置データにより生成した吐出制御データ若しくは予めメモリ部 128に格納された吐出制御データに基づいて搬送速度が変化したことで起こる色ずれを補正する。

すなわち、このプリンタ装置 1では、印刷中に記録紙 Pの搬送速度が速くなると、環境データが要素として盛り込まれた吐出制御データに基づき、搬送方向の最下流側のノズル 52aより吐出されるブラックのインク i以外のインク iの吐出タイミングを記録紙

Pの搬送速度が速くなる前より遅らせて制御し、ブラックのインク iが着弾される着弾位置にブラック以外のインク iを着弾させて搬送速度が変化したときに起こる色ずれを補正させる。

したがって、このプリンタ装置 1では、印刷中に搬送速度が変化しても、記録紙 Pの種類や、周囲の環境温度等を考慮しつつ、印刷中に搬送速度が変化することで起こる色ずれが防止された高品位な印刷を行うことができる。

上述した説明では、本発明をプリンタ装置に適用した例を挙げて説明した力本発明は、上述した例に限定されるものではなぐ液体を吐出する他の液体吐出装置に広く適用することが可能である。例えばファクシミリやコピー機、液体に DNAチップ混合して吐出する DNAチップ用吐出装置 (特開 2002— 34560号公報）、プリンタ配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置等にも適用可能である。

また、上述の説明では、 1つの発熱抵抗体 55がインク iを加熱して吐出するインク吐出ヘッド 45を例に挙げて説明したが、このような構造に限定されることはなぐ複数の圧力発生素子を備え、各圧力発生素子に異なるエネルギ又は異なるタイミングでェネルギを供給することで吐出方向を制御することが可能な吐出手段を備える液体吐出装置にも適用可能である。

さらに、上述の例では、 1つの発熱抵抗体 55によってインク iを加熱しながらノズル 5 2aから吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えばピエゾ素子といった圧電素子等の電気機械変換素子等によってインクを電気機械的にノズルより吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。また、上述の例では、ライン型のプリンタ装置 1を例に挙げて説明した力このことに限定されることはなぐ例えばインクヘッドが記録紙 Pの走行方向と略直交する方向に移動するシリアル型の液体吐出装置にも適用可能である。

本発明は、図面を参照して説明した上述の実施例に限定されるものではなぐ添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなぐ様々な変更、置換又はその同等のものを行うことができることは当業者にとって明らかである。

Claims

請求の範囲

[1] 1.液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、

上記液体を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、上記吐出口と対向する位置まで搬送された上記対象物に向かって上記吐出口より上記液滴を吐出する吐出手段と、

所定の吐出タイミングで上記吐出口より上記液滴を吐出するように上記吐出手段を制御する吐出制御手段と、

上記吐出口から上記液滴を吐出するときの温度及び Z又は湿度環境を検出する環境検出手段と、

上記対象物の搬送速度が変化したかどうかを判別する速度判別手段と、上記対象物の種類に応じて上記吐出タイミングを制御する吐出制御データが格納された記憶手段とを備え、

上記吐出制御手段は、上記搬送速度が変化したと上記速度判別手段が判別したときに、上記環境検出手段が検出した環境データと上記記憶手段に格納されて、る上記吐出制御データとに基づき、上記搬送速度が変化する前とは異なる上記吐出タイミングで上記吐出口より上記液滴を吐出させる液体吐出装置。

[2] 2.上記吐出手段は、上記吐出口が上記対象物の搬送方向に複数並設され、上記対象物の搬送方向の上流側に位置する上記吐出ロカ順に上記対象物に向力つて上記液滴を吐出し、

上記吐出制御手段は、上記対象物の搬送方向の下流側に位置する上記吐出口から吐出された上記液滴の着弾位置を基準とし、上記下流側に位置する上記吐出口が上記液滴を吐出する前に、上記基準となる着弾位置と略同じ位置に、上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口から吐出された上記液滴が着弾されるように、上記搬送速度が変化する前とは異なる上記吐出タイミングで上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口より上記液滴を吐出させる請求の範囲第 1項記載の液体吐出装置。

[3] 3.上記搬送手段は、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の上流側に位置し、軸中心に回転する送りローラと、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の下流側に位置し、上記送りローラの回転速度よりも早、回転速度で軸中心に回転する排出ローラとを有し、上記対象物が上記吐出口と対向する位置まで搬送されたときに、上記送りローラと上記排出ローラとが略同時に上記対象物を搬送することによって上記対象物を上記吐出面の面内方向に緊張させた状態にする請求の範囲第 1項記載の液体吐出装置。

[4] 4.上記速度判別手段は、上記吐出手段を基準にして上記搬送方向の上流側に位置して上記対象物の搬送方向の後端を検出する後端検出センサを有し、この後端検出センサが上記対象物の後端を検出して力所定時間経過した後に上記搬送速度が変化したと判別する請求の範囲第 1項記載の液体吐出装置。

[5] 5.上記吐出手段は、上記吐出口が上記対象物の搬送方向とは略直交方向に略ライン状に並設されている請求の範囲第 1項記載の液体吐出装置。

[6] 6.液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、上記液体を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、上記吐出口と対向する位置まで搬送された上記対象物に向かって上記吐出口より上記液滴を吐出する吐出手段と、所定の吐出タイミングで上記吐出口より上記液滴を吐出するように上記吐出手段を制御する吐出制御手段と、上記吐出口から上記液滴を吐出するときの温度及び Z又は湿度環境を検出する環境検出手段と、上記対象物の搬送速度が変化した力どうかを判別する速度判別手段と、上記対象物の種類に応じて上記吐出タイミングを制御する吐出制御データが格納された記憶手段とを備える液体吐出装置の液体吐出方法であって、上記対象物の搬送速度が変化したと上記速度判別手段が判別したときに、上記環境検出手段が検出した環境データと上記記憶手段に格納されている上記吐出制御データとに基づき、上記搬送速度が変化する前とは異なる上記吐出タイミングで上記吐出口より上記液滴を吐出させることを特徴とする液体吐出方法。

[7] 7.上記吐出口を上記対象物の搬送方向に複数並設させ、上記対象物の搬送方向の上流側に位置する上記吐出口から順に上記対象物に向かって上記液滴を吐出し上記対象物の搬送方向の下流側に位置する上記吐出口から吐出された上記液滴の着弾位置を基準とし、上記下流側に位置する上記吐出口が上記液滴を吐出する前に、上記基準となる着弾位置と略同じ位置に、上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出ロカ吐出された上記液滴が着弾されるように、上記搬送速度が変化する前とは異なる上記吐出タイミングで上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口より上記液滴を吐出させることを特徴とする請求の範囲第 6項記載の液体吐出方法。

[8] 8.上記搬送手段として、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の上流側に軸中心に回転する送りローラと、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の下流側に上記送りローラの回転速度よりも早、回転速度で軸中心に回転する排出ローラとを配置し、

上記対象物が上記吐出口と対向する位置まで搬送されたときに、上記送りローラと上記排出ローラとが略同時に上記対象物を搬送することによって上記対象物を上記吐出面の面内方向に緊張させた状態にすることを特徴とする請求の範囲第 6項記載の液体吐出方法。

[9] 9.上記速度判別手段として、上記吐出手段を基準にして上記搬送方向の上流側に上記対象物の搬送方向の後端を検出する後端検出センサを配置し、

上記後端検出センサが上記対象物の後端を検出してから所定時間経過した後に上記搬送速度が変化したと判別する請求の範囲第 6項記載の液体吐出方法。

[10] 10.上記吐出口を、上記対象物の搬送方向とは略直交方向に略ライン状に並設させることを特徴とする請求の範囲第 6項記載の液体吐出方法。

[11] 11.液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、

上記対象物の搬送速度が変化したかどうかを判別する速度判別手段と、搬送される上記対象物に上記液滴を所定のパターンに着弾させたときに上記搬送速度が変化することで生じる上記液滴の着弾位置のずれを検出する着弾位置検出手段と、

上記着弾位置検出手段が検出した上記液滴の着弾位置のずれを補正させるよう〖こ上記吐出タイミングを制御する吐出制御データを、上記液滴を所定のパターンに着弾させた上記対象物の種類に応じて生成するデータ生成手段と、

上記データ生成手段が生成した上記対象物の種類に応じた上記吐出制御データを格納する記憶手段とを備え、

上記吐出制御手段は、上記搬送速度が変化したと上記速度判別手段によって判別されたときに、上記環境検出手段が検出した環境データと、上記記憶手段に格納された上記対象物の種類に応じた上記吐出制御データとに基づき、上記搬送速度が変化する前とは異なる上記吐出タイミングで上記吐出口より上記液滴を吐出させる液体吐出装置。

[12] 12.上記吐出手段は、上記吐出口が上記対象物の搬送方向に複数並設され、上記対象物の搬送方向の上流側に位置する上記吐出ロカ順に上記対象物に向力つて上記液滴を吐出し、

上記着弾位置検出手段は、上記対象物の搬送方向の下流側に位置する上記吐出ロカ吐出された上記液滴の着弾位置を基準とし、上記基準となる着弾位置に対する上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口から吐出された上記液滴の着弾位置のずれを検出し、

上記データ生成手段は、上記下流側に位置する上記吐出口が上記液滴を吐出する前に、上記基準となる着弾位置と略同じ位置に、上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口から吐出された上記液滴が着弾されるように上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口の上記吐出タイミングを制御する上記吐出制御データを生成する請求の範囲第 11項記載の液体吐出装置。

[13] 13.上記搬送手段は、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の上流側に位置し、

軸中心に回転する送りローラと、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の下流側に位置し、上記送りローラの回転速度よりも早、回転速度で軸中心に回転する排出ローラとを有し、上記対象物が上記吐出口と対向する位置まで搬送されたときに、上記送りローラと上記排出ローラとが略同時に上記対象物を搬送することによって上記対象物を上記吐出面の面内方向に緊張させた状態にする請求の範囲第 11項記載の液体吐出装置。

[14] 14.上記速度判別手段は、上記吐出手段を基準にして上記搬送方向の上流側に位置して上記対象物の搬送方向の後端を検出する後端検出センサを有し、この後端検出センサが上記対象物の後端を検出して力所定時間経過した後に上記搬送速度が変化したことを判別する請求の範囲第 11項記載の液体吐出装置。

[15] 15.上記記憶手段は、予め上記対象物の種類に応じた上記吐出制御データを格納して、る請求の範囲第 11項記載の液体吐出装置。

[16] 16.上記吐出手段は、上記吐出口が上記対象物の搬送方向とは略直交方向に略ライン状に並設されて、る請求の範囲第 11項記載の液体吐出装置。

[17] 17.液体が付着される対象物を所定の方向に搬送する搬送手段と、上記液体を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、上記吐出口と対向する位置まで搬送された上記対象物に向かって上記吐出口より上記液滴を吐出する吐出手段と、所定の吐出タイミングで上記吐出口より上記液滴を吐出するように上記吐出手段を制御する吐出制御手段と、上記吐出口から上記液滴を吐出するときの温度及び Z又は湿度環境を検出する環境検出手段と、上記対象物の搬送速度が変化したかどうかを判別する速度判別手段と、搬送される上記対象物に上記液滴を所定のパターンに着弾させたときに上記搬送速度が変化することで生じる上記液滴の着弾位置のずれを検出する着弾位置検出手段と、上記着弾位置検出手段が検出した上記液滴の着弾位置のずれを補正させるように上記吐出タイミングを制御する吐出制御データを、上記液滴を所定のパターンに着弾させた上記対象物の種類に応じて生成するデータ生成手段と、上記データ生成手段により生成された上記対象物の種類に応じた吐出制御データを格納する記憶手段とを備える液体吐出装置の液体吐出方法であって、

上記対象物の搬送速度が変化したと上記速度判別手段によって判別されたときに、上記環境検出手段が検出した環境データと、上記記憶手段に格納された上記対象物の種類に応じた上記吐出制御データとに基づき、上記搬送速度が変化する前とは異なる上記吐出タイミングで上記吐出口より上記液滴を吐出させることを特徴とする液体吐出方法。

[18] 18.上記吐出口を上記対象物の搬送方向に複数並設させ、上記対象物の搬送方向の上流側に位置する上記吐出口から順に上記対象物に向かって上記液滴を吐出し、

上記対象物の搬送方向の下流側に位置する上記吐出口から吐出された上記液滴の着弾位置を基準とし、上記基準となる着弾位置に対する上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口から吐出された上記液滴の着弾位置のずれを上記着弾位置検出手段で検出し、

上記下流側に位置する上記吐出口が上記液滴を吐出する前に、上記基準となる着弾位置と略同じ位置に、上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口から吐出された上記液滴が着弾されるように上記下流側に位置する上記吐出口以外の吐出口の上記吐出タイミングを制御する上記吐出制御データを上記データ生成手段で生成することを特徴とする請求の範囲第 17項記載の液体吐出方法。

[19] 19.上記搬送手段として、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の上流側に軸中心に回転する送りローラと、上記吐出手段を基準にして上記対象物の搬送方向の下流側に上記送りローラの回転速度よりも早、回転速度で軸中心に回転する排出ローラとを配置し、

上記対象物が上記吐出口と対向する位置まで搬送されたときに、上記送りローラと上記排出ローラとが略同時に上記対象物を搬送することによって上記対象物を上記吐出面の面内方向に緊張させた状態にすることを特徴とする請求の範囲第 17項記載の液体吐出方法。

[20] 20.上記速度判別手段として、上記吐出手段を基準にして上記搬送方向の上流側に上記対象物の搬送方向の後端を検出する後端検出センサを配置し、

上記後端検出センサが上記対象物の後端を検出してから所定時間経過した後に上記搬送速度が変化したことを判別することを特徴とする請求の範囲第 17項記載の液体吐出方法。

[21] 21.上記記憶手段に、予め上記対象物の種類に応じた上記吐出制御データを格納させることを特徴とする請求の範囲第 17項記載の液体吐出方法。

[22] 22.上記吐出口を、上記対象物の搬送方向とは略直交方向に略ライン状に並設させることを特徴とする請求の範囲第 17項記載の液体吐出方法。