WO2005032729A1

WO2005032729A1 - 吐出装置

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Publication number: WO2005032729A1
Application number: PCT/JP2004/014383
Authority: WO
Inventors: Hideya Suzuki
Original assignee: Kao Corporation
Priority date: 2003-10-03
Filing date: 2004-09-30
Publication date: 2005-04-14
Also published as: EP1669139A1; EP1669139B1; EP1669139A4; US20060163282A1; ATE548127T1

Description

明細書

吐出装置

技術分野

[0001] 本発明は、複数の内容液をポンプ装置により同時に吐出させる吐出装置に関する背景技術

[0002] 従来、二剤形式の毛髪ィ匕粧料として、例えば、酸化染料を含有する第 1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含有する第 2剤とからなる二剤形式の染毛剤が知られている。また、ヘアブリーチとして、アルカリ剤を含有する第 1剤と、過酸化水素を含有する第 2剤とからなる二剤形式のものが知られている。

[0003] このような毛髪ィ匕粧料は、保存安定性の点から、第 1剤と第 2剤とがそれぞれ別個の容器に収容され、使用時に第 1剤と第 2剤とが混合される。この第 1剤と第 2剤を同時に吐出させる装置として、例えば、特許文献 1には、 2つのエアゾール容器に、これらのステムを同時に押し下げることのできる操作部材を取り付けたものが記載されている。

[0004] また、特許文献 2には、 2つのポンプ容器に、これらの排出ステムを一つの吐出孔に連結するアダプターを設け、アダプター上に装着した噴出ボタンを押し下げることにより、 2つのポンプを同時に作用させ、一つの吐出孔から二液を同時に吐出させるものが記載されている。さらに、二液を同時に吐出させるポンプ容器としては、トリガ一式ポンプを備えたものも知られて、る（特許文献 3)。

[0005] 特許文献 1：特開 2000-297018号公報

特許文献 2：実開平 5— 29982号公報

特許文献 3：特開平 8— 229465号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、エアゾール容器は製造コストが高、。廃棄時には、ガス抜きをした後に缶ゴミとして捨てることが必要となるので煩雑である。また、ステムを押し下げている間に内容液が吐出され続けるので、定量吐出させることができない。

[0007] 一方、ポンプ容器では、 2つのポンプ装置のステムを同時に一つの噴出ボタンで押し下げるために、相応の力が必要となる。特に、通常、染毛剤等の毛髪化粧料の吐出操作は片手で行われるから、片手で二液分のポンプ容器を把持し、その状態で噴出ボタンを指一本で押圧し、 2つ分のポンプ装置のステムを同時に押し下げることは、軽い操作ではできない。

[0008] 特許文献 3に記載されているようにトリガー式ポンプで二剤を吐出させる場合には、ー且トリガー式ポンプで二剤を吐出させた後には、トリガー式ポンプのシリンダー内に二剤の混合液が滞留することとなるため、次にこの容器を使用するまでの間に、シリンダー内で二剤の反応が進んでしまうという問題が生じる。

[0009] これに対し、本発明は、複数の容器に充填された内容液を、ポンプ装置を用いて、軽く簡便な操作で同時に吐出させられるようにし、かつシリンダー内での剤の混合を防止することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明は、複数の容器力もポンプ装置を用いて各容器の内容液を同時に吐出させるにあたり、ポンプ装置として、各容器ごとにシリンダーとピストンを設け、さらに各ビストンに同時に作用するようにレバーを設け、吐出孔の手前に一つの吐出弁を設け、各シリンダーと連通した内溶液の吐出路がこの吐出弁に臨むようにすると、シリンダ一内での内溶液同士の混合を防止でき、また、各内溶液について吐出と反対方向の流れを遮断する逆止弁として、一つの吐出弁を設ければ足るので、部品点数を減らして製造コストを下げられることを見出した。

[0011] 即ち、本発明は、内容液を収容する複数の容器、

複数の容器と連通したポンプ装置、及び

ポンプ装置のピストンを動作させるレバーを備え、

一度のレバー操作で各容器に収容された内容液が吐出孔から同時に吐出する吐出装置であって、

ポンプ装置が、少なくとも、第 1容器に連通した第 1シリンダー、第 1シリンダー内に設けられた第 1ピストン、第 2容器に連通した第 2シリンダー及び第 2シリンダー内に設けられた第 2ピストンを有し、

レバーが、各ピストンに同時に作用し、

各シリンダーと連通した内溶液の吐出路カ吐出孔の手前で一つの吐出弁に臨み、各シリンダーから吐出された内容液が吐出弁の通過により合流する吐出装置を提供する。

[0012] また、本発明の吐出装置の第 1容器と第 2容器にそれぞれ毛髪ィ匕粧料の第 1剤と第 2剤が充填されている毛髪ィ匕粧料吐出用具を提供する。

発明の効果

[0013] 本発明の吐出装置によれば、複数の容器に収容された各溶液の所定量を、同時に吐出させることが出来る。そして、吐出孔の手前に吐出弁を設け、各内溶液の吐出路力の吐出弁に臨むようにするので、シリンダー内での内溶液同士の混合を防止することでき、また、吐出と反対方向の流れを遮断する逆止弁として、一つの吐出弁を設ければ足りるよう構成したので部品点数を減らして製造コストを下げることができる

[0014] さらに、本発明の吐出装置において、レバーとして、第 1ピストンと第 2ピストンに同時に作用するてこ型レバーを設けた場合には、各容器から内容液を吐出させる際に、吐出装置を片手で把持し、指をレバーに掛け、 1度の軽いレバー操作で吐出させることができる。即ち、通常、エアゾール容器あるいはポンプ容器に操作部材として設けられている押しボタンは、指一本で押圧操作をするように形成されているため、複数本の指で操作することは実際上難しぐそのため、二液分の吐出操作を行う場合には、その操作が重く感じられる力本発明において、てこ型レバーを設けた場合には、容易に複数本の指をレバーに掛けることができ、軽い力で吐出操作をすることができる。特に、このてこ型レバーを幅広に形成すると、複数本の指を掛けて操作することが容易となり、より一層軽い力で吐出操作をすることが可能となる。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1A]図 1Aは、吐出装置 100Aの初期状態を表す断面図である。

[図 1B]図 1Bは、吐出装置 100Aの初期状態を表す断面図である。

[図 2A]図 2Aは、吐出装置 100Aの作用を表す断面図である。 [図 2B]図 2Bは、吐出装置 100Aの作用を表す断面図である。

[図 2C]図 2Cは、吐出装置 100Aの作用を表す断面図である。

[図 3A]図 3Aは、把持部を設けた吐出装置 100Bの斜視図である。

[図 3B]図 3Bは、把持部を設けた吐出装置 100Bの側面図である。

[図 3C]図 3Cは、把持部を設けた吐出装置 100Bの底面図である。

[図 4A]図 4Aは、把持部を設けた吐出装置 100Cの正面図である。

[図 4B]図 4Bは、把持部を設けた吐出装置 100Cの側面図である。

[図 4C]図 4Cは、把持部を設けた吐出装置 100Cの分解斜視図である。

[図 5A]図 5Aは、把持部を設けた吐出装置 100Dの斜視図である。

[図 5B]図 5Bは、把持部を設けた吐出装置 100Dの側面図である。

[図 5C]図 5Cは、把持部を設けた吐出装置 100Dの底面図である。

[図 6A]図 6Aは、ケースを設けた吐出装置 100Eの斜視図である。

[図 6B]図 6Bは、ケースを設けた吐出装置 100Eの側面図である。

[図 6C]図 6Cは、ケースを設けた吐出装置 100Eの底面図である。

[図 7A]図 7Aは、先端部材を被せた吐出装置 100Aの正面図である。

[図 7B]図 7Bは、先端部材を被せた吐出装置 100Aの断面図である。

[図 8A]図 8Aは、刷毛状先端部材を被せた吐出装置 100Aの正面図である。

[図 8B]図 8Bは、刷毛状先端部材を被せた吐出装置 100Aの断面図である。

[図 9A]図 9Aは、ブラシを取り付けた吐出装置 100Aの正面図である。

[図 9B]図 9Bは、ブラシを取り付けた吐出装置 100Aの部分断面図である。

[図 10A]図 10Aは、刷毛状塗布具を取り付けた吐出装置 100Aの正面図である。

[図 10B]図 10Bは、刷毛状塗布具を取り付けた吐出装置 100Aの断面図である。

[図 11A]図 11Aは、バリカン型塗布具を取り付けた吐出装置 100Aの正面図である。

[図 11B]図 11Bは、バリカン型塗布具を取り付けた吐出装置 100Aの断面図である。

[図 12A]図 12Aは、染毛用塗布具を取り付けた吐出装置 100Aの部分断面図である

[図 12B]図 12Bは、染毛用塗布具を取り付けた吐出装置 100Aの部分断面図である符号の説明

[0016] 1八'.'第1容器

IB…第 2容器

2A、 2B…口部

9Α、 9Β···ポンプ部

10···ポンプ装置

12···本体ハウジング

13Α···第 1シリンダー

13Β···第 2シリンダー

16Α···第 1ピストン

16B…第 2ピストン

17八，*>第1計量室

17Β···第 2計量室

18Α、 18Β···吸引弁

19 'バネ材

22 •吐出ノズル

23 •吐出孔

26 •吐出弁

27 'スリット

28 •逆止弁作動制限部材

29 'てこ型レバー

30 •把持部

32 'ケース

100A、 100B、 100C、 100D、 100E…吐出装置

Α···第 1内容液

Β···第 2内容液

発明を実施するための最良の形態

[0017] 以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。

[0018] 図 1A、図 IBは、本発明の一態様の吐出装置 100Aの初期状態の断面図である。

なお、図 1Aは 2つの容器 1A、 IBの配列方向と平行な切断面の図であり、図 1Bは上述の切断面と垂直な方向の切断面の図である。また、図 2A、図 2B、図 2Cは、吐出装置 100Aの作用を表す断面図である。

[0019] この吐出装置 100Aは、第 1内容液 Aを収容する第 1容器 1Aと、第 2内容液 Bを収容する第 2容器 1B、及びこれらの容器 1A、 IBに冠着するポンプ装置 10からなつている。各容器 1A、 IBの口部 2A、 2Bは、それぞれポンプ装置 10の容器装着部 11A 、 11Bに着脱自在に螺着している。

[0020] ポンプ装置 10は、シリンダー 13A、ピストン 16A等力も構成されるポンプ部 9Aと、シリンダー 13B、ピストン 16B等力も構成されるポンプ部 9Bを有し、第 1容器 1Aに連通した第 1シリンダー 13Aと第 2容器に連通した第 2シリンダー 13Bが並列して設けられている。各シリンダー 13A、 13Bは、容器 1A、 IBの長手方向に対して垂直方向に伸びている。また、各シリンダー 13A、 13B内には、それぞれピストン 16A、 16Bが設けられ、シリンダー 13A、 13Bとピストン 16A、 16Bとで画された計量室 17A、 17B内には、ピストン 16A、 16Bをシリンダー 13A、 13B内に押し込む力に対して反発するバネ材 19A、 19Bが設けられている。

[0021] 図 1Aに記載の如ぐ 2つのシリンダー 13A、 13Bが並列して設けられていることで、 2つのポンプ部 9A、 9Bの動作のためには 2つのピストン 16A、 16Bを同じ方向に移動させればよぐこれにより 1つのてこ型レバー 29の操作で 2つのピストン 16A、 16B を同時に移動させ、 2つのポンプ部 9A、 9Bから同時に内溶液を吐出させることが可能となる。

[0022] ここで、シリンダー 13A、 13Bは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂から形成され、ピストン 16A、 16Bは低密度ポリエチレン等力も形成される。

[0023] 第 1のシリンダー 13A内の計量室 17Aは、吸引弁 18Aを介して第 1容器 1Aの口部 2Aと連通し、第 2のシリンダーの基部 13B内の計量室 17Bは、吸引弁 18Bを介して第 2容器 1Bの口部 2Bと連通して、る。

[0024] 吸引弁 18A、 18Bとしては、榭脂パネ弁、 1点弁、 3点弁、ボール弁等を使用することができる。また、吐出装置 100Aの使用途中で各容器 1A、 IBを容器装着部 11A、 1 IB力も外したときに、吸引弁 18A、 18Bが容器 1A、 IBに装着されたままの状態となるように、吸引弁 18A、 18Bは容器 1A、 IBの口部に設けることが好ましい。これにより、容器 1A、 IBを容器装着部 11A、 11Bから外したときに、容器 1A、 IB内に空気が混入することを防止できる。したがって、容器内に空気が混入することによる内容液の酸ィ匕劣化を防止でき、また、再度その容器 1A、 IBを容器装着部 11 A、 11Bに取り付けて使用した場合に、吐出装置 100Aから内容液と空気が混ざって吐出され、内容液の吐出量が不安定となる、所謂エア嚙みを防止することができる。

[0025] 吐出ノズル 22は、ピストン 16A、 16Bの動作方向と垂直 (即ち、容器の長手方向）に形成されている。また、吐出孔 23の手前の吐出ノズル 22の内側基部には、シリンダ一が負圧になったときに閉じ、加圧になったときに開く逆止弁として一つの吐出弁 26が設けられている。各計量室 17A、 17Bから吐出ノズル 22に至る吐出路 25A、 2 5Bは別個に形成されている力各吐出路 25A、 25Bともこの吐出弁 26に臨み、吐出弁 26の下流では各内容液 A、 Bが合流して吐出されるようになって、る。

[0026] したがって、この吐出装置 100Aによれば、一つの吐出弁 26で、第 1内容液 Aの吐出弁と第 2内容液 Bの吐出弁を兼ねさせることができるので、部品点数を減らして製造コストを低減させることができる。さら〖こ、吐出弁 26の通過により各内溶液 A、 Bの流れに乱れが生じ、吐出ノズル 22内が混合空間 24となり、双方の内溶液 A、 Bが良好に混合して吐出されるようになる。

[0027] 図 1Bの破線枠内は、この吐出弁 26を吐出孔 23側からみた平面図である。この吐出弁 26は、有底筒状の弾性部材カもなる。その底部の中央部には十文字のスリット 2 7が形成されており、底部が変形することによりこのスリット 27が開口するようになっている。

[0028] 吐出弁 26の内側には、逆止弁作動制限部材 28が取り付けられている。この逆止弁作動規制部材 28は、吐出弁 26が逆止弁作動制限部材 28と反対側に突出するように変形する場合には、その変形を妨げないが、逆止弁作動制限部材 28側に突出するように変形しょうとする場合には、その変形を妨げ、吐出弁 26が開口しないようにするものである。このように、吐出弁 26に逆止弁作動制限部材 28を併用すると、簡便な構造で、確実に逆止弁として機能させ、反対方向の流れを遮断することができる。

[0029] なお、本発明では、スリット 27付きの弾性部材カもなる吐出弁 26、あるいはこの吐出弁 26と逆止弁作動制限部材 28との組み合わせに代えて、吐出孔 23の手前に設ける吐出弁として、ポンプディスペンサーで用いられて、る一点弁や 3点弁などの榭脂弁、な、しは金属球ゃ榭脂性球を用いたボール弁等の逆止弁構造等を設けてもよい。

[0030] 吐出ノズル 22の外側基部には、板状のてこ型レバー 29の一端 29aが回動自在に連結されている。このてこ型レバー 29は幅広で、第 1ピストン 16Aと第 2ピストン 16B の突出部に同時に当接する凸部 29bを有している。てこ型レバー 29が板状で幅広であることにより、複数本の指を同時にかけることができる。したがって、てこ型レバー 29 の他端 29cを容器 1A、 IB側に押し込むと、吐出ノズル 22の基部と連結されている一端 29aを支点とし、凸部 29bを作用点として、てこの原理により、第 1ピストン 16Aと第 2ピストン 16Bを軽い力で同時に押し込むことが可能となる。

[0031] また、てこ型レバー 29の押圧部とする端部 29cに凹みを形成すると、てこ型レバー 29が幅広であることにより複数本の指をこのレバーに掛けられることと相俟って、てこ型レバーの押し込みがより一層容易となる。

[0032] 一方、容器 1A、 IBに充填する第 1内容液、第 2内容液としては、二剤を混合することで反応を開始する種々の剤、例えば、二剤形式の種々の染毛剤、ブリーチ剤、ホットシエ一ビング剤、接着剤等をあげることができる。

[0033] 容器 1A、 IBとしては、変形可能で、内容液の吐出に応じて内容積が低減するものが好ましい。このような容器としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の軟質可撓性材料カゝらなるチューブ容器やバウチ容器 (袋)、内容液の吐出に応じて容器底部からポンプ装置側へ次第に上昇する可動中皿を備えた容器、容器が内層と外層の積層構造からなり、内層容器内が内容液の吐出に応じて減圧あるいは減容すると内層が剥離して内層容器が体積収縮するデラミボトル等がある。

[0034] また、容器 1A、 IBの形成素材としては、収容する内容液の種類に応じて、酸素バリア性を備えたものが好ましい。例えば、この吐出装置 100Aを、酸化染料を含む第 1 剤と過酸ィ匕水素を含む第 2剤からなる二剤形式の染毛剤の吐出用具として用いる場合、第 1剤を収容する第 2容器 IBは、外層を低密度乃至高密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフイン系榭脂から形成し、中間層をエチレン 'ビュルアルコール共重合体フィルム、メタキシレンジアミンを用いたポリアミドフィルム等の酸素ガスバリア層、好ましくは水分バリア性、酸化染料のバリア性に優れた環状ポリオレフイン層から形成し、内層をポリオレフイン層とした積層構造の容器 (特開 2002— 345548号）とすることが好ましい。また、第 2剤を収容する第 1容器 1Aは、外層を低密度ポリェチレン力も形成し、内層を直鎖低密度ポリエチレン力も形成した、酸素ガスを透過する容器 (特開 2002-87418号公報）とすることが好ましい。

[0035] この吐出装置 100Aの使用方法は、まず、片手でてこ型レバー 29に指を掛けるようにしてポンプ装置 10を把持し、図 2Aに矢印で示したように、てこ型レバー 29を押し込む。これにより、第 1ピストン 16Aと第 2ピストン 16Bが同時にそれぞれのシリンダー 13A、 13B内に押し込まれ、バネ材 19A、 19Bが縮み、各々の計量室 17A、 17Bが加圧になる。そのため、計量室 17A、 17B内の空気が吐出路 25A、 25Bを経由し、吐出弁 26を通して吐出される。

[0036] 次に、てこ型レバー 29の押し込みを解除する。すると、図 2Bに示すように、縮められていたバネ材 19の反発力により各ピストン 16A、 16Bが押し戻される。これにより計量室 17A、 17Bの容積が拡大してその内部が減圧になるので、吸引弁 18A、 18B が開口して、第 1容器 1A、第 2容器 IBから内容液 A、 B力それぞれ計量室 17A、 1 7Bに吸引される。このとき、吐出弁 26にも計量室 17A、 17B側に変形させる力が加わるが、吐出路 25A、 25B側（上流側）に存在する逆止弁作動制限部材 28がこの変形を妨げるので、吐出弁 26は開口することなぐ確実に閉じたままである。

[0037] 次に、図 2Cに示すように、てこ型レバー 29を再度押し込む。これにより、計量室 17 A、 17Bが狭められ、吸引弁 18A、 18Bが閉じ、吐出弁 26が開口し、第 1計量室 17 Aに吸引されていた第 1内容液 Aと第 2計量室に吸引されていた第 2内容液 Bが同時に混合状態で吐出孔 23から吐出する。

[0038] 以降、てこ型レバー 29の押し込みと解除を繰り返すことにより、第 1内容液 Aと第 2 内容液 Bを同時に吐出孔 23から吐出させることができる。

[0039] この場合、第 1内容液 Aと第 2内容液 Bの吐出量は、それぞれ、ピストン 16A、 16B の有効面積とピストン 16A、 16Bの移動量により定まるので、ピストン 16A、 16Bの有効面積又はその移動量を適宜調整することにより、第 1内容液 Aと第 2内容液 Bの混合液を定量吐出させることができる。さらに、てこ型レバー 29の全ストロークに亘つてピストン 16A、 16Bの突出部にてこ型レバー 29の凸部 29bが接しているので、第 1内容液 Aの吐出量と第 2内容液 Bの吐出量の比は、ピストン 16A、 16Bの有効面積の比によって定まる。従って、使用者は、混合液の吐出量がどのような量でも、第 1内容液 Aと第 2内容液 Bの混合比を一定にすることができ、てこ型レバー 29の押し込み量を調節するのみで容易に所望量の混合液を一定の混合比で得ることが出来る。

[0040] また、てこ型レバー 29を用いて、 2つのピストン 16A、 16Bを同時に押し込むので、てこの原理により軽いレバー操作で第 1内容液 Aと第 2内容液 Bを吐出させることができる。

[0041] 図 3Aの吐出装置 100Bは、図 1A、図 2Bの吐出装置 100Aの変形態様であって、図 3Bはその側面図、図 3Cは底面図である。この吐出装置 100Bには、対向する一対の把持部 30が、ポンプ装置 10の本体ハウジング 12に形成されている。この把持部 30は、ポンプ装置 10に取り付けた容器 1A、 IBの側面を両側から挟むように、本体ノヽウジング 12から容器 1A、 IBの長手方向に伸びた板状部材からなる。

[0042] このように把持部 30を設けることにより、吐出装置 100Bを手で握り、てこ型レバー 2 9を矢印方向に押し込む際に、てこ型レバー 29に力をかけやすくなる。特に、容器 1 A、 IBが軟質可撓性材料力もなるチューブ容器やバウチ容器である場合、容器 1A 、 1Bとてこ型レバー 29を直接的に手で把持しつつ、てこ型レバー 29に力をカ卩えると、容器 1A、 IBが橈むので力をカ卩えにくいが、把持部 30で把持することにより、てこ型レバー 29の押し込みが容易になる。

[0043] また、把持部 30を設けることにより、吐出装置 100Bの使用に際して、把持部 30に沿って容器 1A、 IBをポンプ装置 10に取り付けることができるので、容器 1A、 IBの取り付けが容易となり、さらに、吐出装置 100Bの使用時に容器 1A、 IBに不測の力が加わっても、容器 1A、 IBがポンプ装置 10から外れることを防止できる。

[0044] 図 4A、図 4B、図 4Cの吐出装置 100Cは、図 3A、図 3B、図 3Cの吐出装置 100B と同様に、把持部 30を有するが、この吐出装置 100Cは、容器 1A、 IBをポンプ装置 10から着脱自在とする他、ポンプ装置 10自体についても、把持部 30と容器装着部を有する下部ハウジング 12b、シリンダーを内蔵する上部ハウジング 12c、てこ型レバ一 29、吐出ノズル 22の各パーツを容易に分解、組み立てできるようにしたものである。これより、ポンプ装置 10の洗浄が容易となる。

[0045] 図 5A、図 5B、図 5Cの吐出装置 100Dも、図 1A、図 IBの吐出装置 100Aの変形態様であって、本体ノ、ウジング 12に把持部 30を設けたものである力この吐出装置 100Dにおいては、把持部 30を容器 1A、 IBの末端にまで伸ばしている。そこで、この吐出装置 100Dでは把持部 30の橈みによる変形を防止するため、対向する一対の把持部 30の間に支持板 31を設けて!/ヽる。

[0046] 図 6A、図 6B、図 6Cの吐出装置 100Eは、把持部 30に代えて、容器 1A、 IBを囲むケース 32を設けたものである。このケースは、ポンプ装置 10の本体ハウジング 12 に着脱自在に嵌着する。

[0047] 本発明は、種々の態様をとることができる。例えば、図 1A、図 IBの吐出装置 100A において、吐出ノズル 22を、ピストン 16A、 16Bの動作方向と平行になるように形成してもよい。また、ピストン 16A、 16Bの動作方向と容器 1A、 IBの長手方向との角度は垂直に限られない。

[0048] また、吐出装置 100Aにおいて、第 3の容器とその第 3の容器に連通した第 3シリンダーを設け、その第 3シリンダー内の第 3ピストンもてこ型レバー 29で押し込めるようにしてもよい。これにより、 1度のレバー操作で第 1、第 2、第 3の内容液を同時に吐出させることがでさる。

[0049] さらに、上述のいずれの吐出装置にも、その用途に応じて、吐出ノズル 22の先端部に櫛やブラシ等の塗布具を設けてもょ、。

[0050] 例えば、図 7A、図 7Bに示すように、先端開口部に複数のスリット 41が開口している先端部材 40あるいは先端開口部がメッシュ状になって、る先端部材（図示せず)を吐出ノズル 22に被せてもよい。これにより、吐出ノズル 22から直接毛髪に毛髪ィ匕粧料を塗布する際に、ノズルの頭皮への接触面積が広くなり、頭皮への刺激を和らげることができる。また、スリット 41あるいはメッシュを通すことにより、吐出ノズル 22内の第 1剤と第 2剤の流れに乱れを生じさせ、ノズルから吐出した後の両剤を混ざりやすくすることがでさる。

[0051] 図 8A、図 8Bに示すように、吐出孔 23の周囲に刷毛部 42を設けた筒型塗布具 43 を吐出ノズル 22に取り付けてもよい。これにより、この吐出装置 100Aを用いて直接部分染め等を行うことが容易となる。

[0052] 図 9A、図 9Bに示すように、矩形の基台 44に複数のブラシ歯 45を立設させ、中央部に吐出孔 23を開口したブラシ 46を吐出ノズル 22に取り付けてもよい。これにより、この吐出装置 100Aを用いて毛髪全体を染毛することが容易となる。この他、図 10A 、図 10Bに示すように、容器 1A、 IBの起立方向に起立した刷毛 47が、 2つの容器 1 A、 IBの配列方向に伸びたスリット状の吐出孔 23の周囲に植毛されている刷毛状塗布具 48、図 11A、図 11Bに示すように、内部に流路 49が形成され、両面に吐出孔 2 3が開口した板状櫛歯 50が、容器 1A、 IBの起立方向に起立し、櫛歯の厚み方向に列設しているバリカン型塗布具 51、図 12A、図 12Bに示すように、内部に流路 49が形成され、両面に吐出孔 23が開口した板状櫛歯 50が、ほぼ、 2つの容器 1A、 IBの配列方向に起立し、櫛歯の厚み方向に列設して、る染毛用塗布具 52等を吐出ノズル 22に取り付けてもよぐこれらによっても、別途染毛ブラシあるいは染毛用櫛を用意することなぐ毛髪全体の染毛を容易に行うことができる。

[0053] 本発明の毛髪ィ匕粧料吐出用具は、本発明の吐出装置の第 1容器と第 2容器にそれぞれ毛髪ィ匕粧料の第 1剤と第 2剤を充填したものである。したがって、本発明の毛髪化粧料吐出用具によれば、毛髪ィ匕粧料の第 1剤と第 2剤を別個に保管し、吐出時には、 1度の軽いレバー操作で、毛髪ィ匕粧料の第 1剤と第 2剤を同時に吐出させることができる。

[0054] 毛髪化粧料としては、酸化染料又は直接染料とアルカリ剤とを含有する第 1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含有する第 2剤とからなる二剤式染毛剤や、アルカリ剤を含有する第 1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含有する第 2剤とからなる二剤式脱色剤をあげることができる。中でも、第 1剤のアルカリ剤として、アンモニアとアンモ-ゥム塩を併用することにより、容器力ものアンモニアの揮散を抑制したものが好ましい。このような二剤式毛髪ィ匕粧料の好ましい態様としては、第 1剤として、水性媒体中にァンモ-ァを 0. 01— 3重量％及びアンモ-ゥム塩を 0. 01— 10重量％含有するものを使用し、第 2剤として、水性媒体中に過酸ィ匕水素を含有するものをあげることができる。ここで、アンモ-ゥム塩としては、リン酸アンモ-ゥム、塩化アンモ-ゥム、硝酸アンモ-ゥム、硫酸アンモ-ゥム等をあげることができる。

[0055] また、第 1剤には、カチオン性界面活性剤を含有させることが好ましぐ第 1剤と第 2 剤に非イオン性界面活性剤、高級アルコール、シリコーン類を含有させることが好ましい。これにより、毛髪の染色、脱色効果及びコンディショニング効果を高め、液だれを防止する等の染毛時の操作性をよくすることができる。

産業上の利用可能性

[0056] 本発明の吐出装置は、二剤形式の染毛剤、ブリーチ剤等の毛髪ィ匕粧料や、二剤形式の接着剤等、複数の剤を混合することで反応を開始する多剤形式の剤の各構成剤を一定量ずつ計量しながら吐出させるのに好適である。

Claims

請求の範囲

[1] 内容液を収容する複数の容器、

複数の容器と連通したポンプ装置、及び

ポンプ装置のピストンを動作させるレバーを備え、

一度のレバー操作で各容器に収容された内容液が吐出孔から同時に吐出する吐出装置であって、ポンプ装置が、第 1容器に連通した第 1シリンダー、第 1シリンダー内に設けられた第 1ピストン、第 2容器に連通した第 2シリンダー及び第 2シリンダー内に設けられた第 2ピストンを有し、

レバーが、各ピストンに同時に作用し、

各シリンダーと連通した内溶液の吐出路が、吐出孔の手前で一つの吐出弁に臨み、各シリンダーから吐出された内容液が吐出弁の通過により合流する吐出装置。

[2] 吐出弁が、スリット付きの弾性弁力なり、複数の吐出路の開口端を覆っている請求項 1記載の吐出装置。

[3] 吐出弁を閉ざす方向の過度の力に対して、吐出弁が変形して開口しないように、吐出弁のシリンダー側に、吐出弁の変形を規制する逆止弁作動制限部材が設けられて V、る請求項 2記載の吐出装置。

[4] 各シリンダーの容器側吸引口に吸引弁が設けられている請求項 1一 3のいずれかに記載の吐出装置。

[5] 第 1ピストンと第 2ピストンの動作方向が等しくなるように第 1シリンダーと第 2シリンダ一が配置され、

レバーが、第 1ピストンと第 2ピストンに同時に作用する一つのてこ型レバー力なる請求項 1一 4のいずれかに記載の吐出装置。

[6] ポンプ装置の本体ハウジングに、容器の長手方向に伸びた把持部が設けられて!/、る請求項 1一 65のいずれかに記載の吐出容器。

[7] 容器を囲むケースが設けられている請求項 1一 65のいずれかに記載の吐出容器。

[8] 容器の内容積力内容液の吐出に応じて低減する請求項 1一 87のいずれかに記載の吐出装置。

[9] 請求項 1一 8のいずれかの吐出装置の第 1容器と第 2容器にそれぞれ毛髪ィ匕粧料の第 1剤と第 2剤が充填されている毛髪ィ匕粧料吐出用具。