WO2005020217A1 - 色素系追記型dvd媒体の記録再生方法及び装置 - Google Patents

Abstract

　本発明は、色素系追記型ＤＶＤ媒体に対して高線速記録を行う際に、良好な記録波形を得ることができる光記録再生方法及び装置の提供を目的とする。 　ウォブルを設けた案内溝を有する基板上に形成された有機色素を主成分とする記録層に対し、最短長マークを他のマークよりも高出力化されたパルスで記録し、短い方から３番目以降の長さのマークを、パルス後端部が一定時間高出力化され、該高出力化されたパルスパワーが２番目に短いマークのパルスパワーと等しい１つのパルス光で記録し、マーク記録時において、全てのマークの上記パルスの後端部以降にクーリングパルスを照射し、その照射光量を、一定時間０．１ｍＷ以下にすることを特徴とする色素系追記型ＤＶＤ媒体の記録再生方法である。

Description

明 細 書

色素系追記型 DVD媒体の記録再生方法及び装置

技術分野

[0001] 本発明は、光ビームを照射することにより記録層に透過率、反射率等の光学的な変 化を生じさせて情報の記録、再生を行なうことができ、かつ追記が可能な色素系追記 型 DVD媒体の記録再生方法及び装置に関するものである。

背景技術

[0002] 現在、次世代大容量光ディスクとして、 DVD— Rの開発が進められて ヽる。記録容 量の向上の要素技術としては、記録ピット微少化のための記録材料開発、 MPEG2 に代表される画像圧縮技術の採用、記録ピット読み取り用半導体レーザの短波長化 等の技術開発が必要である。

これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、バーコードリーダや計測器用の 670 nm帯の AlGalnPレーザダイオードが商品化されて!/、るのみであった力 光ディスク の高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ巿場で使用されつつある。 DVDドライブの場合、光源として 635nm帯と 650nm帯の 2つの波長帯のレーザダイ オードを用いて規格ィ匕されている。一方、再生専用の DVD— ROMドライブは波長約 650nmで商品化されて!/、る。

[0003] 一般的にヒートモードによってピット（マーク）が形成される色素系追記型 DVD媒体 は、特定の記録速度にぉ 、て記録時のレーザ発光による記録パルス列のパルス幅と 記録パワーが最適化され、異なった記録線速度では形成されるマークやスペースの 状態が変化する。即ち、マークの形成に必要な先頭加熱パルスによる熱容量の不足 が生じたり、最適な分解温度に対して到達する加熱温度が異なってマークの平均長 がばらついたり、最適な加熱パルスのデューティ比が異なって均一なマーク幅が得ら れなくなりマーク長に応じて太りや細りが生じたりするため、ジッタ特性が悪ィ匕してしま また、 DVD系媒体の物理フォーマットに関しては、 DVD— R媒体のフォーマットの 場合、ランドプリピットと呼ばれるランド部の一部をカットしたフォーマットで規格ィ匕され ている。この方式をとると、ランドプリピット信号 (LPPb)が 0. 16未満ではプリピットァ ドレス等のプリピット情報が良好に再生出来ず、 0. 32を越えると LPP信号自体がデ ータ領域においてノイズ的な振る舞いをし、データエラーが多く発生してしまう。従つ て、 LPPは、記録材料に合ったカット幅をスタンパで微調整して、 LPPb力 . 16— 0 . 32の範囲になるようにランドカット幅を制御しなければならな!/、。

[0004] なお、色素を記録層に用いた光記録媒体の公知例としては、ポリメチン色素或いは ポリメチン色素と光安定ィ匕材を記録材料として用いるもの、テトラァザポルフィリン (ポ ルフイラジン)色素又はシァニン色素 +ァゾ金属キレート色素 (塩形成色素）からなる 層と反射層を記録層とするもの、ホルマザン (金属キレート)色素 +その他の色素を 記録材料として用いるもの、ジピロメテン (金属キレート）色素 +その他の色素を記録 材料として用いるものなどがあり、枚挙に暇がない。また、記録材料に色素を用いマ ルチパルス記録を行うものも多数知られている力 本発明者等の知る限り、本発明の ように色素系追記型 DVD媒体に対し 1パルスで記録を行 、、かつ高線速記録を行う 際の記録波形に着目した文献は見当たらない。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 本発明は、色素系追記型 DVD媒体に対して高線速記録を行う際に、良好な記録 波形を得ることができる記録再生方法及び装置の提供を目的とする。

また、本発明は CD系媒体に比べて短波長に発振波長を有する半導体レーザを用 いる追記型 DVDシステムの新フォーマット方式であって、 LPP方式と同様、データの 書き足し部における未記録領域を無くす有効な方式、更には、 DVD— Rランドプリピ ット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御や LPP信号のデー タ部への漏れ出しによるデータエラーが生じない優れた方式の提供を目的とする。 課題を解決するための手段

[0006] 即ち、上記課題は、次の 1)一 17)の発明（以下、本発明 1一 17という）によって解決 される。

1) ゥォブルを設けた案内溝を有する基板上に形成された有機色素を主成分とす る記録層に対し、最短長マークを他のマークよりも高出力化されたパルスで記録し、 短い方から 3番目以降の長さのマークを、パルス後端部が一定時間高出力化され、 該高出力化されたパルスパワーが 2番目に短いマークのパルスパワーと等しい 1つの パルス光で記録し、マーク記録時において、全てのマークの上記パルスの後端部以 降にクーリングパルスを照射し、その照射光量を、一定時間 0. ImW以下にすること を特徴とする色素系追記型 DVD媒体の記録再生方法。

2) 短 、方から 3番目以降の長さのマークを、ノ ルスの先端部と後端部の 2力所が 一定時間高出力化され、該高出力化されたパルスパワーが 2番目に短いマークのパ ルスパワーと等しい 1つのパルス光で記録する前記 1)記載の記録再生方法。

3) パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間を、最短長スペースの 1 Z6— 6Z6の長さとする前記 1)又は 2)記載の記録再生方法。

4) 直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルス列の先頭加熱 パルス幅を、該マークの長さが最短長である力否かで区別し、最短長マークの先頭 加熱パルス幅を最短長でないマークの先頭加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最 短長マークを形成する記録パルス列の先頭加熱パルス幅を、該最短長マークの直 前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短であるマ ークの先頭加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短でな!、マークの先頭加熱パル ス幅よりも短く設定する前記 1)一 3)の何れかに記載の記録再生方法。

5) 前記高周波ゥォブルは、基本クロック周期を Tとして 4T一 96T相当の周波数と する前記 1)一 4)の何れかに記載の記録再生方法。

6) 高周波ゥォブルの振幅 (Wo)と、 2分割光検出器によりトラックエラーを検出制 御するためのトラックエラー検出信号のプッシュプル振幅（PP)との比「WoZPP」を、 0. l≤Wo/PP≤0. 4の範囲として同期合わせする前記 1)一 5)の何れかに記載の 記録再生方法。

7) 記録光の波長が 600— 720nmである前記 1)一 6)の何れかに記載の記録再 生方法。

8) 記録光及び再生光の波長 ± 5nmの波長域の光に対して、記録層単層の屈折 率 nが 1. 5≤n≤3. 0であり、消衰係数 kが 0. 02≤k≤0. 2である前記 1)一 7)の何 れかに記載の記録再生方法。 9) 記録層の分解開始温度が 100— 360°Cである前記 1)一 8)の何れかに記載の 光記録再生方法。

10) 光記録媒体が、基板上に、記録層以外の構成層として、反射層、保護層、接 着層、保護基板、基板面ハードコート層から選ばれる少なくとも一つの層を有する前 記 1)一 9)の何れかに記載の記録再生方法。

11) 反射層が、金、銀、アルミニウムの何れか、又はそれらを主成分とする合金で ある前記 10)記載の記録再生方法。

12) 保護層が紫外線硬化樹脂からなる前記 10)又は 11)記載の記録再生方法。

13) 2枚の基板を貼り合わせて両面構成の記録媒体とするための接着層が該基 板間に設けられ、かつ、該接着層に用いられる接着剤が紫外線硬化榭脂である前記 10)— 12)の何れかに記載の記録再生方法。

14) 基板の案内溝にゥォブルを有する色素系追記型 DVD媒体に対し、最短長マ ークを他のマークよりも高出力化されたパルスで記録し、短い方から 3番目以降の長 さのマークを、パルス後端部が一定時間高出力化され、該高出力化されたパルスパ ヮ一が 2番目に短いマークのパルスパワーと等しい 1つのパルス光で記録し、マーク 記録時において、全てのマークの上記パルスの後端部以降にクーリングノルスを照 射し、その照射光量を、一定時間 0. lmW以下にして記録再生を行う機能を有する ことを特徴とする記録再生装置。

15) 短い方から 3番目以降の長さのマークを、パルスの先端部と後端部の 2力所 がー定時間高出力化され、該高出力化されたパルスパワーが 2番目に短いマークの パルスパワーと等しい 1つのパルス光で記録する機能を有する前記 14)記載の記録 再生装置。

16) パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間を、最短長スペースの 1Z6— 6Z6の長さとする機能を有する前記 14)又は 15)記載の記録再生装置。

17) 直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルス列の先頭カロ 熱パルス幅を、該マークの長さが最短長である力否かで区別し、最短長マークの先 頭加熱パルス幅を最短長でな 、マークの先頭加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、 最短長マークを形成する記録パルス列の先頭加熱パルス幅を、該最短長マークの 直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短である マークの先頭加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短でな!、マークの先頭加熱パ ルス幅よりも短く設定する機能を有する前記 14)一 16)の何れかに記載の記録再生 装置。

図面の簡単な説明

[図 1A]図 1Aは、通常の追記型光記録媒体の層構成例を示す図である。

[図 1B]図 1Bは、通常の追記型光記録媒体の他の層構成例を示す図である。

[図 1C]図 1Cは、通常の追記型光記録媒体の他の層構成例を示す図である。

[図 1D]図 1Dは、通常の追記型光記録媒体の他の層構成例を示す図である。

[図 2A]図 2Aは、通常の CD— R媒体の層構成例を示す図である。

[図 2B]図 2Bは、通常の CD— R媒体の他の層構成例を示す図である。

[図 2C]図 2Cは、通常の CD— R媒体の他の層構成例を示す図である。

[図 3A]図 3Aは、色素系追記型 DVD媒体の層構成例を示す図である。

[図 3B]図 3Bは、色素系追記型 DVD媒体の他の層構成例を示す図である。

[図 3C]図 3Cは、色素系追記型 DVD媒体の他の層構成例を示す図である。

[図 4]図 4は、記録線速 28mZs用の本発明 1に該当するパワー制御波形の従来例を 示す図である。

[図 5]図 5は、記録線速 28mZs用の本発明 2に該当するパワー制御波形の従来例を 示す図である。

[図 6]図 6は、記録線速 28mZs用の本発明 1に該当するパワー制御波形の例を示す 図である。

[図 7]図 7は、記録線速 28mZs用の本発明 2に該当するパワー制御波形の例を示す 図である。

[図 8]図 8は、記録線速 21mZs用の本発明 1に該当するパワー制御波形の例を示す 図である。

[図 9]図 9は、記録線速 21mZs用の本発明 2に該当するパワー制御波形の例を示す 図である。

[図 10]図 10は、光ディスクドライブの要部構成の一例を示す機能ブロック図である。 [図 11]図 11は、図 10に示す光ディスクドライブを使用した情報処理装置の概略図で ある。

[0008] 以下、上記本発明につ 、て詳しく説明する。

本発明 2は、パルス光により記録し、該記録を再生光で再生する色素系追記型 DVD媒体の記録再生方法にぉ 、て、基本的な最適パルス照射パターンを規定した ものである。短い方から 3番目以降の長さのマーク、即ち最短長マークと 2番目に短 いマーク以外のマークについて、パルスの後端部又は先端部と後端部に上乗せパヮ 一をカ卩えて高出力化する長さとしては、基本クロック周期 Tの 0. 5倍一 2倍、即ち、 0. 5T— 2Tの範囲が特に好ましぐ 0. 2T— 2. 5Tの範囲でも実施可能である。また、 最短長マークのパルスの光量は、それ以外のマークの上乗せした光量よりも大き!/、こ とが必須であり、最短長マークのパワーを WO、 2番目に短いマークのパワー、及び、 短！、方から 3番目以降の長さのマークの上乗せしたパワーを Wl、上乗せ無しパワー を W2として、 WOZWl = l. 01-2. 00の範囲で採用可能である力 好ましくは 1. 02—1. 50の範囲である。一方、 W1ZW2は 1. 05—3. 00の範囲で採用可能であ る力 好ましくは 1. 08-2. 00の範囲である。

本発明 3は各パルスの後端部以降に設けるクーリングパルスの好ましい照射条件を 規定したものであり、クーリングパルスを照射する時間は、最短スペース長の 1Z6— 6Z6の長さとすることが好ましぐこの範囲を外れると本発明の効果を得難くなる。 上記のようなパルス波形を選択することにより、特に高線速記録にぉ 、て低ジッタで 良好な記録が可能となる。

[0009] 色素系の光記録媒体は、高線速ィ匕を実現しょうとすると記録パワーを大きくしなけ ればならず、その結果マーク間の熱干渉が一層起き易くなる。そこで、マークを形成 する際のマークエッジ切れを良好にするために本発明が有効となる。

従来例のまま記録を行うと、最も低いジッタが得られるパワーとエラーが最小となる パワーにズレが生じてパワーマージンが減少する。具体的には高線速記録において は最も低いジッタが得られる記録パワーでは記録信号のァシンメトリがマイナス側に なる傾向が現れ、エラー測定では如何に低ジッタといえどもエラーが出易くなつてし まう。例えば、ァシンメトリがマイナスで低ジッタ、低エラーであっても、媒体、ドライブ の経年変化等で、ァシンメトリがゼロ付近で記録された媒体よりはエラーが出易い。 本発明はこの低ァシンメトリ問題を解決すべくなされたものである。

[0010] また、 1マークを複数パルス光（マルチパルス）で書き込む場合にお!、ても、パルス 光を最適化すれば、上述の低ァシンメトリ問題を解決することは可能であるが、複数 のパノレス光を用いるため、パノレス光の立ち上がり、立ち下がり時間にばらつきを生じ た際に記録品質自体がばらつく可能性がある。このばらつきは高線速記録になるほ ど発生し易くなることは言うまでもない。

これに対し、本発明では 1マーク当り 1パルス光で記録するため、該マルチパルス光 記録に比べて記録品質のばらつきが少な!/、記録方法を提供できる利点がある。また 、書き込み中のアドレス検出においては、マルチパルス法よりも単純な記録波形であ るため記録時の光量を平均化し易ぐスペース部の反射光量だけでなくマーク部の 光量も平均化してアドレス検出することが可能となり、パルスの後端に 0. lmW以下 のクーリングパルスを設けてもアドレス検出を比較的容易に実施できる利点を有する

[0011] 本発明 1に該当する記録波形の一例を図 6、図 8に示すが、この場合、最短長マー クと 2番目に短いマークのパルスのみが単純な矩形波であり、かつ最短長マークのパ ルスが高出力化されており、短い方から 3番目以降の長さのマークのパルスの後端 部が、最短長マークよりは低いレベルで高出力化されている。短い方から 3番目以降 の長さの各マークのパラーメーターは、後端部を高出力化するだけでほぼ共通のパ ラーメーターが選択可能であり、実用されているドライブへ容易に展開できるメリットが ある力 光記録媒体としては簡略ィ匕された記録波形で良好なジッタのものが求められ る。

また、本発明 2に該当する記録波形の一例を図 7、図 9に示すが、この場合、最短 長マークと 2番目に短いマークのパルスのみが単純な矩形波であり、かつ最短長マ ークのパルスが高出力化されており、短い方から 3番目以降の長さの各マークのパル スの先端部と後端部の 2力所が、最短長マークよりは低いレベルで高出力化されてい る。本発明 1に比べて、短い方から 3番目以降の長さの各マークは 2力所の高出力パ ヮー化が必要であって、実用されているドライブへの展開に負荷が力かる力 光記録 媒体としては良好なジッタを得易 、と 、うメリットがある。

図 6— 9において（図 5および 4においても同じ）、「space」はスペースを、「mark」は マークを、「Cooling Area」はクーリング領域を、「T」は基本クロック周期を、「η」及 び「η' 」は 3以上の整数を、「ps」は直前のスペース長を、「cm」は記録マーク長を、「 WOJは最短長マークの記録パワーを、「W1」は 2番目に短 、マークのパワー、或 ヽ は、短い方から 3番目以降の長さのマークの上乗せしたパワーを、「W2」は短い方か ら 3番目以降の長さのマークの上乗せ無しパワーを表わす。

[0012] また、熱干渉の影響を考慮して、直前のスペース長が最短長であるマークを形成す る記録パルス列の先頭加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるカゝ否かで区 別し、最短長マークの先頭加熱パルス幅を最短長でな 、マークの先頭加熱パルス幅 よりも長く設定する（一例として後述する表 1の、直前のスペース長が 3Tで記録マー ク長が 3T、 4Τ一 14Tの場合参照）ことで、より低ジッタな記録が実現できる。

更に、最短長マークを形成する記録パルス列の先頭加熱パルス幅を、該最短長マ ークの直前のスペース長が最短長であるか否かで区別し、直前のスペース長が最短 であるマークの先頭加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短でな!、マークの先頭 加熱パルス幅よりも短く設定する（一例として後述する表 1の、記録マーク長が 3Τで スペース長が 3Τ、 4Τ一 14Tの場合参照）ことで、一層低ジッタな記録が実現できる。

[0013] 上記先頭加熱ノ ルス幅を短く設定するための補正量 (長さ）は、 0. 02Τ— 0. 10T の範囲が特に好ま ヽ。形成されるマークの直前のスペース長が最短長である場合 に、そのマークを形成するパルス列の先頭パルス幅が他のマークの場合と略等し!/ヽ と、熱干渉により該直前のスペース長が短くなり、ジッタが若干悪ィ匕する。そこで、この ような場合のみ、マークを記録するための先頭加熱パルス幅を短くすると効果がある 。更にパルス幅を短くした 、場合は先頭加熱パルスの前エッジを短くすることが効果 的なのは言うまでもな!/、。

また、形成されるマークの直前のスペース長が最短長であるとき、そのマークを形成 するパルス列の先頭加熱パルス幅が 0. 10Tよりも短いと、マーク長自身が短くなり過 ぎるので好ましくない。

最短長マークの先頭加熱パルス幅を他のマークの場合よりも長く設定する際の補 正量 (長さ）は、 0. 05T— 0. 25Tが好ましい。特に記録線速度が大きくなると最短長 マークが形成し難くなるため、上記の範囲で補正して最短長マークの先頭パルス幅 を長くする。

先頭加熱パルス幅の補正量の具体例を下記表 1に示す。

[表 1]

次に、記録層に必要な項目として光学特性が挙げられる。

光学特性としては、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長域の光、即ち記録光 及び再生光の波長 ± 5nmの波長域の光に対する記録層単層の屈折率 nが 1. 5≤n ≤3. 0であり、消衰係数 k力^). 02≤k≤0. 2の範囲にあること力 子まし!/、。 η力 ^1. 5 未満の場合には、十分な光学的変化を得難く記録変調度が低くなるため好ましくなく 、 ηが 3. 0を越えると、波長依存性が高くなり過ぎ、記録再生波長領域であってもエラ 一となつてしまうため好ましくない。また、 kが 0. 02未満の場合には、記録感度が悪く なるため好ましくなぐ kが 0. 2を越えると、 50%以上の反射率を得ることが困難とな るので好ましくない。

なお、 DVDは、再生専用機では 650nm付近で規格ィ匕されているが、記録型媒体 の記録光の波長はォーサリング専用媒体の 635nmの他に、一般用途として 650— 6 60nmで規格化されている。しかしながら、これらの波長はあくまで中心波長であり、 LDの製造のバラツキで短波長側、長波長側に振れる。また LDは、その特性上、一 般的に温度が上昇すると波長が長波長側にシフトする。本発明は上記波長域を含む 600— 720nmの記録波長で実施可能な方法である。 [0016] 次に、基板に設ける蛇行した案内溝のゥォブル特性について述べる力 ゥォブル周 波数を特定するための Tは基本クロック周期であり、 DVD (4. 7GB)媒体であれば、 約 0. 133 ^ m,時間にして約 38nsec.である。

通常、ゥォブルの周波数帯としては 150T— 400T相当が用いられている力 この周 波数帯は、周波数変調にしろ位相変調にしろデータの書き足しをする場合にゥォブ ルの周波数が低すぎて、前データと書き足しデータとの間がかなり空いてしまい高密 度記録には向かない。これに対し DVD— Rでは LPPを設け、この LPP信号によりデ ータの書き込む位置を制御して 、る。

し力しながら、 LPP方式では LPPの信号振幅が小さ過ぎると LPPが良好に読み出 せず、逆に LPPが大き過ぎると今度は LPP信号自体が書き込みデータへ漏れ込ん でデータエラーが多発するという不具合が生じるため、 LPPには、 0. 16≤LPPb≤0 . 32、好ましくは 0. 18≤LPPb≤0. 26という制約が生じ、スタンパ作成の際、ランド のカット幅を微細に制御しなくてはならない。

これに対し、高周波ゥォブルにすれば LPPは必要なくなり、ゥォブルを変調して同 期をとるため、 LPP方式の様にデータエラーが多発するような事態には至らない。本 発明 5で規定するように、高周波ゥォブルの好ましい周波数は 4T一 96Tである。 4T より小さいと高周波数すぎて検出し難くなり、回転制御やアドレス検知信頼性の点で も問題がある。一方、 96Tより大きくなると周波数が低すぎて、データを追記書きする 際の継ぎ目に間隔が開きすぎ、容量の低下やデータ処理速度低下等の問題を生じ る。

[0017] 本発明が対象とする DVD媒体のゥォブルの振幅は、適当なフィルター、例えば 4M Hz、 30kHzのハイ、ロウパスフィルターを通した信号のゥォブル振幅（Wo)と、適当 なフィルター、例えば 30kHzのフィルターを通したプシュプル信号（PP)の比 WoZP P力 0. l≤Wo/PP≤0. 4を満足するようなものであれば、本発明の目的であるゥ ォブルでの同期合わせは容易であり、更に好ましくは 0. 15≤Wo/PP≤0. 30の範 囲である。 WoZPPの値が 0. 1未満では同期をとるのに不十分な信号強度であり、 0 . 4を越えるとデータ部エラーが増えてくる傾向にある。但し、 LPP方式に比べ、 LPP が大きな媒体のデータエラー発生への影響度は小さくゥォブル振幅の増加に伴うデ 一タエラーは緩やかである。

更にスタンパを作成する際、 LPP方式の LPPカット幅を前述した 0. 16-0. 32の 範囲内にするには高度なカット幅制御技術を必要とする力 本発明の高周波ゥォブ ル方式においては高周波発生源とゥォブルの振り量の大きさ（ゥォブル振り量を制御 する回路で振り量は任意に再現性よく作成できる）を管理しさえすれば目的が達成さ れるため、スタンパの歩留まりや、媒体の歩留まりを飛躍的に向上させることができる

[0018] また、上記のフォーマットを有する基板の溝形状としては、有機色素を用いて溶剤 塗工法により記録層を形成する場合を例にとると、好ましい溝深さは 1000— 2500 A であり、更に好ましくは 1500— 2000 Aである。溝深さが 1000 A未満ではプシュプ ル信号が充分にとれずトラッキング制御ができない。また、 2500 Aを越えると基板成 形の際に転写性が甘くなるため好ましくない。

更に、色素記録層を設けた場合の色素溝深さはゥォブル周波数を mT(mは自然数 )とし、色素溝深さを dlとした時に 1200≤ dl X m≤ 160000の範囲にあることが好ま しい。 dl X mが 1200を下回ると充分な差信号が得られず、記録再生時に充分なトツ ラキングが行えないし、 dl X mが 160000を上回ると逆に発振してしまうためやはりト ラッキングには好ましくなぐ更に前述した基板成形の転写限界に起因する基板溝深 さの限界もあって、実質的には 160000を上回ることは出来ない。

また、記録密度 4一 5GBの容量を確保するためにトラックピッチは 0. 64-0. 程度が必要である。溝幅に関しては、記録材料によって異なる力 ほぼ全ての有機 材料において、半値幅 0. 18-0. 40 mの幅で適用できる。

[0019] 次に、本発明の対象となる色素系追記型 DVD媒体の層構成、各層の必要特性及 び構成材料にっ 、て説明する。

図 1A—図 1Dは、通常の追記型光ディスクの層構成例であり、図 2A—図 2Cは通 常の CD— R媒体の層構成例であり、図 3A—図 3Cは追記型 DVD媒体の層構成例 であるが、本発明の対象となる色素系追記型 DVD媒体の好ましい基本構成は、図 3 B及び図 3Cに示すような、第 1基板 1と第 2基板 (保護基板) 7を記録層 2を間にして 接着剤で貼り合わせたものである。 図 1Aは基板 1上に記録層 2を有する態様、図 1Bは記録層 2の下に下引き層 3を有 する態様、図 1Cはさらに記録層 2の上に保護層 4を有する態様、図 1Dはさらに基板 1の反対側にハードコート層 5を有する態様を表わす。また、図 2Aは基板 1上に、記 録層 2、反射層 6、保護層 4を有する態様、図 2Bは下引き層 3を有する態様、図 2Cは さらにハードコート層 5を有する態様を表わす。また、図 3Aは、基板 1上に、記録層 2 、反射層 6、保護層 4を有する態様、図 3Bは、さらに接着層 8と保護基板 7を有する態 様、図 3Cは、さらに記録層 2の下に下引き層 3を有し、基板 1の反対側にハードコート 層 5を有する態様を表わす。

記録層は有機色素層単層でも、反射率を高めるため有機色素層と反射層との積層 でも良い。記録層と基板の間には下引き層又は保護層を設けてもよぐ機能向上の ため各層を 2層以上の積層構造とした構成でも良い。最も普通に用いられるのは、第 1基板 Z有機色素層 Z反射層 Z保護層 Z接着層 Z第 2基板 (保護基板)からなる構 造である。

[0020] 《基板》

基板は、基板側から記録再生を行なう場合には使用レーザに対して透明でなけれ ばならないが、記録層側から記録再生を行なう場合には透明である必要はない。基 板材料としては、例えばポリエステノレ榭脂、アクリル榭脂、ポリアミド榭脂、ポリカーボ ネート榭脂、ポリオレフイン榭脂、フエノール榭脂、エポキシ榭脂、ポリイミド榭脂など のプラスチック、或いは、ガラス、セラミック、金属などを用いることができる。なお、基 板の表面にはトラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号などのプリフォ 一マットが形成されて ヽても良 、。

[0021] 《記録層》

記録層はレーザ光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情 報を記録するものであり、その材料としては有機色素を主成分とするものを用いる。こ こで、主成分とは、記録再生に必要十分な量の有機色素を含有することを意味する 力 通常は、必要に応じて適宜添加する少量の添加剤を除き、有機色素のみを用い る。

有機色素の例としては、ァゾ系、ホノレマザン系、ジピロメテン系、（ポリ）メチン系、ナ フタロシア-ン系、フタロシアニン系、テトラァザポルフィリン系、スクァリリウム系、クロ コニゥム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系（インダンスレン系）、キサン テン系、トリフエニルメタン系、ァズレン系、テトラヒドロコリン系、フエナンスレン系、トリ フエノチアジン系色素、或いはそれらの金属錯体などが挙げられる。中でも好ましい のは、ァゾ (金属キレート）色素、ホルマザン (金属キレート）色素、スクァリリウム（金属 キレート）色素、ジピロメテン (金属キレート)色素、トリメチンシァニン色素、テトラァザ ポルフィリン色素である。

上記色素は熱分解特性として、分解開始温度 100— 360°Cのものが好ましぐ特に 100— 350°Cのものが好ましい。分解開始温度が 360°Cを越えると記録時のピット形 成がうまく行われずジッタ特性が悪くなる。また、 100°C未満であるとディスクの保存 安定性が悪化する。

[0022] 上記色素には光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素 、金属、金属化合物を混合してもよぐ或いは色素層と他の有機色素、金属、金属化 合物からなる層を積層しても良い。

このような金属、金属化合物の例としては、 In、 Te、 Bi、 Se、 Sb、 Ge、 Sn、 Al、 Be 、 TeO、 SnO、 As、 Cdなどが挙げられ、それぞれを分散混合するか或いは積層し

2

て用いることができる。

更に、上記染料中に高分子材料、例えばアイオノマー榭脂、ポリアミド榭脂、ビニル 系榭脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料、或いはシランカツプリ ング剤などを分散混合しても良いし、特性改良の目的で安定剤 (例えば遷移金属錯 体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを一緒に用いる ことも出来る。

[0023] 記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、 CVD、溶剤塗布などの通常の手段によつ て行うことができる。塗布法を用いる場合には、上記染料などを有機溶剤に溶解し、 スプレー、ローラーコーティグ、デイツビング、スピンコーティングなどの慣用のコーテ イング法によって行うことが出来る。用いられる有機溶媒としては一般にメタノール、ェ タノール、イソプロパノールなどのアルコール類；アセトン、メチルェチルケトン、シクロ へキサノンなどのケトン類； N, N—ジメチルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセトアミド などのアミド類；ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類；テトラヒドロフラン、ジォキ サン、ジェチノレエーテノレ、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類； 酢酸メチル、酢酸ェチルなどのエステル類；クロ口ホルム、塩化メチレン、ジクロルエタ ン、四塩化炭素、トリクロルェタンなどの脂肪族ハロゲンィ匕炭化水素類;ベンゼン、キ シレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類；メトキシエタノール、 エトキシエタノールなどのセロソルブ類；へキサン、ペンタン、シクロへキサン、メチル シクロへキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。

記録層の膜厚は 100 A— 10 μ m、好ましくは 200— 2000 Aが適当である。

[0024] 《下引き層》

下引き層は、（1)接着性の向上、（2)水又はガスなどのバリアー、（3)記録層の保 存安定性の向上、（4)反射率の向上、（5)溶剤力ゝらの基板の保護、（6)案内溝、案 内ピット、プレフォーマットの形成などの目的で設けられる。 （1)の目的に対しては、ァ ィオノマー榭脂、ポリアミド榭脂、ビュル榭脂、天然榭脂、天然高分子、シリコーン、 液状ゴムなどの種々の高分子化合物、又はシランカップリング剤などを用いることが できる。（2)及び（3)の目的に対しては、上記高分子材料以外に、 SiO、 MgF、 SiO

2

、 TiO、 ZnO、 TiN、 SiNなどの無機化合物を用いることができ、更に、 Zn、 Cu、 Ni、 Cr、 Ge、 Se、 Au、 Ag、 Alなどの金属又は半金属を用いることができる。（4)の目的 に対しては、 Al、 Au、 Ag等の金属や、メチン染料、キサンテン系染料など力もなる金 属光沢を有する有機薄膜を用いることができる。（5)及び (6)の目的に対しては、紫 外線硬化榭脂、熱硬化榭脂、熱可塑性榭脂などを用いることができる。

下引き層の膜厚としては、 0. 01— 30 μ m、好ましくは、 0. 05— 10 μ mが適当で ある。

[0025] 《反射層》

反射層の材料としては、 Au、 Ag、 Cr、 Ni、 Al、 Fe、 Snなどの単体で高反射率の得 られる腐食され難い金属や半金属が挙げられるが、反射率や生産性の点から Au、 A g、 Alが特に好ましい。また、これらの金属や半金属は単独で使用しても 2種以上の 合金として使用しても良い。

膜形成法としては蒸着、スッパタリングなどが挙げられ、膜厚としては、 50— 5000 A、好ましくは、 loo— 3000 Aである。

[0026] 《保護層、基板面ハードコート層》

保護層及び基板面ハードコート層は、（1)記録層 (反射吸収層）の傷、ホコリ、汚れ 等からの保護、（2)記録層 (反射吸収層）の保存安定性の向上、（3)反射率の向上 等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層と同じ材料を用 いることができる。また、ポリメチルアタリレート榭脂、ポリカーボネート榭脂、エポキシ 榭脂、ポリスチレン榭脂、ポリエステル榭脂、セルロース榭脂、脂肪族炭化水素榭脂 、天然ゴム、スチレンブタジエン榭脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド榭脂、乾 性油、ロジン等の熱軟ィ匕性、熱溶融性榭脂などの有機材料を用いることもできる。最 も好ま U、のは生産性に優れた紫外線硬化榭脂である。

保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は、 0. 01— 30 m、好ましくは 0. 05— 1 0 μ mである。

上記下引き層、保護層及び基板面ハードコート層には、記録層の場合と同様に安 定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させること ができる。

[0027] 《保護基板》

保護基板は、保護基板側からレーザ光を照射する場合には、使用レーザ光に対し て透明でなければならないが、単なる保護板として用いる場合には透明でなくてもよ い。

使用可能な保護基板材料は前記基板材料と全く同じであり、ポリエステル榭脂、ァ クリル樹脂、ポリアミド榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリオレフイン榭脂、フエノール榭 脂、エポキシ榭脂、ポリイミド榭脂などのプラスチック、又はガラス、セラミック、金属な どを用いることができる。

《接着層》

接着層の材料としては、 2枚の記録媒体を接着できる材料なら何でもよぐ生産性を 考慮すると、紫外線硬化型接着剤又はホットメルト型接着剤が好まし ヽ。

[0028] 次に本発明の記録再生装置について説明する。

大容量の情報を記録する装置として光ディスクが使用されている力 光ディスクは 通常光ディスクドライブ (記録再生装置）によって記録再生される。ここで、光ディスク と光ディスクドライブの構成について概略を説明する。

DVD-RAM-WO, DVD-R, DVD+Rゝ及び DVD— RAMゝ DVD— RWゝ DVD +RWディスクは、書き込みが可能な（記録可能な） DVD (Digital Versatile Disc )である。 DVD-RAM -WO, DVD-R, DVD+Rは、 1回だけ書き込みが可能な D VDである（なお、 DVD Write Onceとも言われている）。また、 DVD— RAM、 DV D— RW、 DVD+RWは、複数回の書き込みが可能な DVDである。これらの DVD + Rや DVD+RWディスク等の光ディスクは、次の図 10のようなドライブによって情報の 記録再生が行われる。

[0029] 図 10は、光ディスクドライブについて、その要部構成の一例を示す機能ブロック図 である。図において、 11は光ディスク、 12はスピンドルモータ、 13は光ピックアップ、 14はモータドライノく、 15はリードアンプ、 16はサーボ手段、 17は DVDデコーダ、 18 は ADIPデコーダ、 19はレーザコントローラ、 20は DVDエンコーダ、 21は DVD— R OMエンコーダ、 22はバッファ RAM、 23はバッファマネージャ、 24は DVD— ROM デコーダ、 25は ATAPI/SCSIインターフェース、 26は D/Aコンバータ、 27は RO M、 28は CPU、 29は RAMを示し、 LBはレーザ光、 Audioはオーディオ出力信号を 示す。

[0030] この図 10において、矢印はデータが主に流れる方向を示しており、また、図を簡略 化するために、図 10の各ブロックを制御する CPU28には、太線のみを付けて各ブロ ックとの接続を省略している。 ROM27には、 CPU28にて解読可能なコードで記述さ れた制御プログラムが格納されている。なお、光ディスクドライブの電源がオン状態に なると、前記プログラムはメインメモリ（図示せず）にロードされ、前記 CPU28はその プログラムに従って上記各部の動作を制御すると共に、制御に必要なデータ等を一 時的に RAM29に保存する。

光ディスクドライブの構成と動作は、次の通りである。光ディスク 11は、スピンドルモ ータ 12によって回転駆動される。このスピンドルモータ 12は、モータドライノ 14とサ ーボ手段 16により、線速度又は角速度が一定になるように制御される。この線速度 又は角速度は、階段的に変更することが可能である。 [0031] 光ピックアップ 13は、図示されない半導体レーザ、光学系、フォーカスァクチユエ一 タ、トラックァクチユエータ、受光素子及びポジションセンサを内蔵しており、レーザ光 LBを光ディスク 11に照射する。また、この光ピックアップ 13は、シークモータによって スレツジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスァクチユエータ、トラックァク チユエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサ力 得られる信号に基づい て、モータドライノく 14とサーボ手段 16により、レーザ光 LBのスポットが光ディスク 11 上の目的の場所に位置するように制御される。

そして、リード時には、光ピックアップ 13によって得られた再生信号力 リードアンプ 15で増幅されて 2値ィ匕された後、 DVDデコーダ 17に入力される。入力された 2値ィ匕 データは、この DVDデコーダ 17において、 8Z16復調される。なお、記録データは 、 8ビットずつ纏められて変調（8Z16変調）されており、この変調では、 8ビットを 16ビ ットに変換している。この場合に、結合ビットは、それまでの「1」と「0」の数が平均的に 等しくなるように付けられる。これを「DC成分の抑制」といい、 DCカットされた再生信 号のスライスレベル変動が抑圧される。

[0032] 復調されたデータは、ディンターリーブとエラー訂正の処理が行われる。その後、こ のデータは、 DVD— ROMデコーダ 24へ入力され、データの信頼性を高めるために 更にエラー訂正の処理が行われる。このように 2回のエラー訂正の処理が行われた データは、バッファマネージャ 23によってー且バッファ RAM22に蓄えられ、セクタデ ータとして揃った状態で、 ATAPI/SCSIインターフェース 25を介して、図示しない ホストコンピュータ^—気に転送される。なお、音楽データの場合には、 DVDデコー ダ 17から出力されたデータ力 DZ Aコンバータ 26へ入力され、アナログのオーディ ォ出力信号 Audioとして取り出される。

また、ライト時には、 ATAPIZSCSIインターフェース 25を通して、ホストコンビユー タから送られてきたデータは、バッファマネージャ 23によってー且バッファ RAM22に 蓄えられる。その後，ライト動作が開始される力 この場合には、その前にレーザスポ ットを書き込み開始地点に位置させる必要がある。この地点は、 DVD+RWZ+Rで は、予め光ディスク 11上にトラックの蛇行により刻まれているゥォブル信号によって求 められる。 [0033] なお、上記地点は DVD— RWZ— Rではゥォブル信号の代わりにランドプリピット、 D VD— RAMZRAM'WOではプリピットによって求められる。

DVD+RWZ+Rディスクにおけるゥォブル信号には、 ADIP (ADress In Pre— groove)と呼ばれるアドレス情報が含まれており、この情報が、 ADIPデコーダ 18に よって取り出される。また、この ADIPデコーダ 18によって生成される同期信号は、 D VDェンコーダ 20へ入力され、光ディスク 11上の正確な位置へのデータの書き込み を可能にしている。バッファ RAM22のデータは、 DVD— ROMエンコーダ 21や DV Dエンコーダ 20において、エラー訂正コードの付カ卩や、インターリーブが行われ、レ 一ザコントローラ 19、光ピックアップ 13を介して、本発明の記録波形により光ディスク 11に記録される。

[0034] 本発明 14の記録再生装置は、基板の案内溝にゥォブルを有する色素系追記型 D VD媒体に対し、最短長マークを他のマークよりも高出力化されたパルスで記録し、 短い方から 3番目以降の長さのマークを、パルス後端部が一定時間高出力化され、 該高出力化されたパルスパワーが 2番目に短いマークのパルスパワーと等しい 1つの パルス光で記録し、該記録を再生光で再生するに当り、前記マーク記録時において 、全てのマークの上記パルスの後端部以降にクーリングパルスを照射し、その照射光 量を、一定時間 0. ImW以下にして記録再生を行う機能を有するので高線速におけ る高品質記録が実現可能である。

[0035] また、本発明 15の記録再生装置は、短い方から 3番目以降の長さのマークを、パ ルスの先端部と後端部の 2力所が一定時間高出力化され、該高出力化されたパルス パワーが 2番目に短いマークのパルスパワーと等しい 1つのパルス光で記録する機能 を有するので高線速での記録品質を一層向上させることができ、本発明 16の記録再 生装置は、パルス後端部以降のクーリングパルスを照射する時間を、再短長スぺー スの 1Z6— 6Z6の長さとする機能を有するので、より好ましいクーリングパルス範囲 を採用することにより、記録品質を更に向上させることが可能である。

更に、本発明 17の記録再生装置は、直前のスペース長が最短長であるマークを形 成する記録パルス列の先頭加熱パルス幅を、該マークの長さが最短長であるカゝ否か で区別し、最短長マークの先頭加熱パルス幅を最短長でな 、マークの先頭加熱パ ルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長マークを形成する記録パルス列の先頭加熱パ ルス幅を、該最短長マークの直前のスペース長が最短長である力否かで区別し、直 前のスペース長が最短であるマークの先頭加熱パルス幅を、直前のスペース長が最 短でな 、マークの先頭加熱パルス幅よりも短く設定する機能を有するので、高品質な 記録、即ち低ジッタ化が実現できる。

また、アドレス情報を得る方式は、ランドプリピットやプリピットからアドレス情報を得 る方式であっても良い。

[0036] 図 11は、図 10に示す光ディスクドライブを使用した情報処理装置の概略図である。

情報処理装置 50は、主制御装置 51、インターフェース 52、記録装置 53、入力装置 54及び表示装置 55などを備えて 、る。

主制御装置 51は、 CPU (中央処理装置、マイクロコンピュータ）、メインメモリ（何れ も図示せず)などを含んで構成され、ホストコンピューターの全体を制御する。

インターフェース 52は、光ディスクドライブとの双方向の通信インターフェースであり 、 ATAPI及び SCSI等の標準インターフェースに準拠している。インターフェース 52 は前述した光ディスクドライブのインターフェース 25と接続されている。なお、各インタ 一フェース間の接続形態は、通信ケーブル (例えば SCSIケーブル)などの通信線を 用いたケーブル接続だけでなぐ赤外線などを利用したワイヤレス接続であっても良 い。

[0037] 記録装置 53 (HDD,ハードディスク）には、主制御装置 51のマイクロコンピュータ で解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。なお、情報処理装置 の駆動電源がオン状態になると、上記プログラムは主制御装置 51のメインメモリに口 ードされる。

表示装置 55は、例えば CRT、液晶ディスプレイ (LCD)、プラズマディスプレイパネ ル (PDP)などの表示部（図示省略)を備え、制御装置からの各種情報を表示する。 入力装置 54は、例えばキーボード、マウス、ポインティングデバイスなどのうち少な くとも 1つの入力媒体 (図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御 装置 51に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良 い。また、表示装置と入力装置とが一体化したものとして、例えばタツチパネル付き C RTなどがある。また、情報処理装置はオペレーティングシステム（OS)を搭載してい る。そして、情報処理装置を構成する全てのデバイスは OSによって管理されているも のとする。

[0038] 本発明によれば、色素系追記型 DVD媒体に対し、何れの線速度でも低ジッタ、低 エラー率な記録が可能であり、 DVD— Rで用いて!/、るランドプリピットフォーマットより も簡単に製造可能な高周波ゥォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率良く実 施できる。し力も、現在、大量に製造されている CD— R、 CD— RWとほぼ同一フォー マットの色素系追記型 DVD媒体に対して記録が可能である。

実施例

[0039] 以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、こ れらの実施例により限定されるものではない。

[0040] 実施例 1一 9、比較例 1一 6

溝深さ 1660 A、半値幅 0. 38 m、トラックピッチ 0. 74 m、ゥォブル周波数 32T 相当を有する厚さ 0. 6mm,外径 120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、下 記化合物 1と化合物 2の色素化合物を重量比で 65 : 35秤量し、 2, 2, 3, 3—テトラフ ルォルー 1 プロパノールに溶解してスピンナー塗布し、厚さ 900Aの有機色素層を 形成した後、 85°Cで 30分間乾燥した。

次いで、スパッタ法により厚さ 1100 Aの Agの反射層を設け、更にその上にアクリル 系フォトポリマー力 なる厚さ 5 mの保護層を設けた後、厚さ 0. 6mm、外径 120m mの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにより接着して光 記録媒体を得た。

[化 1]

化合物 1

[化 2]

化合物 2

[0041] <記録再生条件 >

上記光記録媒体に対し、発振波長 660nm、ビーム径 0. 9 mの半導体レーザ光 を用い、トラッキングしながら EFM信号 (最小ピット長約 0. 4ミクロン)を、下記表 2に 示す記録条件と記録線速で Bottom Jitter (ボトム ·ジッタ）が極小となるような記録 パワーで記録し、その個所を再生してジッタ値、ァシンメトリ、 PIエラー数を求めた。な お、記録レーザ光の波形は図 4一図 9に示す通りである。また、 W0は最短長マーク のパルスパワー、 W1は 2番目に短いマークのパワー、或いは、短い方から 3番目以 降の長さのマークの上乗せしたパワー、 W2は短い方から 3番目以降の長さのマーク の上乗せ無しパワーである。更に、線速 21mZsと 28mZsのパルス長は、図 4一図 9 に示すパルス長を用いた力 本発明はこれに限定されるわけではない。

なお、比較例 1では、クーリング部の光量を 0. 7mWと再生光パワーと同一にした。 即ちクーリングノルスが存在しない記録波形とした。比較例 2では、クーリング部の光 量を 0. 4mWと本発明より大きくした。比較例 3では、比較例 1と同様にクーリングパ ルスなしで、記録線速を高線速にした。実施例 8は、クーリングパルス長を 0. 4Tと本 発明の最短スペース長 3Tの 1Z6、即ち 0. 5Tより短くした例である。

[0042] [表 2] パルス

後端 クーリング

SD録線速 ァシン PI

クーリング パルス長 W1 /W2 WO/W1 ンッタ

i, m/s)

パワー メ卜リ エラー 補正

(T)

(mW)

実施例 1 21 (図 8) 0 1 1.55 1.05 7.8 0.00 6 実施例 2 21 (図 9) 0 1.5 1.60 1.15 8.9 0.01 1 1 なし 実施例 3 21 (図 8) 0.1 0.8 1.65 1.20 7.2 - 0.01 5 あ y 実施例 4 28 (図 6) 0 2.0 1.80 1.08 7.4 0.01 2 あ y 実施例 5 28 (図 6) 0 2.0 1.75 1.08 7.4 0.00 9 ぁ 実施例 6 28 (図 7) 0.1 2.5 1.90 1.40 7.0 -0.01 8 ぁ 実施例 7 28 (図 7) 0 2.0 1.75 1.25 7.1 -0.02 7 あ y 実施例 8 28 (図 7) 0 0.4 1.75 1.05 7.9 - 0.04 18 fey 比較例 1 21 (図 5) 0.7 0 1.55 1.05 7.7 -0.06 41 あ y 比較例 2 21 (図 8) 0.4 0.5 1.60 1.05 7.9 -0.04 35 あり 比較例 3 28 (図 4) 0.7 0 1.80 1.05 8.1 一 0.08 51 fey 上記表 2から分るように、実施例 1〜8は、比較例 1〜3に比べて、ジッタ、ァシンメト リ共に概ね良好であり、 PIエラーは非常に優れている。

[0043] また、上記光記録媒体に対し、発振波長 660nm、ビーム径 0. 9 μ mの半導体レー ザ光を用い、トラッキングしながら EFM信号 (最小ピット長約 0. 4ミクロン)を下記表 3 に示す記録条件と記録線速で、かつ表 1捕正ありの条件下、ボトム'ジッタが極小とな るような記録パワーで記録し、その個所を再生してジッタ値、ァシンメトリ、 PIエラー数 求め 7こ。

なお、比較例 4〜6では、 DVD— Rで実施されている LPPフォーマットの LPPbの大 きさを振った (変化させた)試作条件スタンパと成形基板を用いて、実施例と同様の 作成条件で光記録媒体を作成し、実施例と同様の評価を行った。

[表 3]

[0044] 上記表 3から分るように、 LPPフォーマットのサンプルでは、 LPPb力 S大きくなると、ジ

差替え用鉞（規則 26) ッタが良好であっても PIエラーが増加してしまう。また、比較例 4のように LPPbが 0. 1 6を下回るレベルであると実用されている装置でのアドレス検出が不可能となってしま うことが確認された。

Claims

請求の範囲

[1] ゥォブルを設けた案内溝を有する基板上に形成された有機色素を主成分とする記 録層に対し、最短長マークを他のマークよりも高出力化されたパルスで記録し、短い 方から 3番目以降の長さのマークを、パルス後端部が一定時間高出力化され、該高 出力化されたパルスパワーが 2番目に短いマークのパルスパワーと等しい 1つのパル ス光で記録し、マーク記録時において、全てのマークの上記パルスの後端部以降に クーリングノ ルスを照射し、その照射光量を、一定時間 0. lmW以下にすることを特 徴とする色素系追記型 DVD媒体の記録再生方法。

[2] 短 、方から 3番目以降の長さのマークを、パルスの先端部と後端部の 2力所が一定 時間高出力化され、該高出力化されたパルスパワーが 2番目に短いマークのパルス パワーと等しい 1つのパルス光で記録する請求の範囲第 1項に記載の記録再生方法

[3] パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間を、最短長スペースの 1Z6 一 6Z6の長さとする請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の記録再生方法。

[4] 直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルス列の先頭加熱パル ス幅を、該マークの長さが最短長である力否かで区別し、最短長マークの先頭加熱 パルス幅を最短長でないマークの先頭加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長 マークを形成する記録パルス列の先頭加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のス ペース長が最短長である力否かで区別し、直前のスペース長が最短であるマークの 先頭加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短でな!、マークの先頭カ卩熱パルス幅よ りも短く設定する請求の範囲第 1項一第 3項の何れかに記載の記録再生方法。

[5] 前記高周波ゥォブルは、基本クロック周期を Tとして 4T一 96T相当の周波数とする 請求の範囲第 1項一第 4項の何れかに記載の記録再生方法。

[6] 高周波ゥォブルの振幅 (Wo)と、 2分割光検出器によりトラックエラーを検出制御す るためのトラックエラー検出信号のプッシュプル振幅（PP)との比「Wo/PP」を、 0. 1 ≤Wo/PP≤0. 4の範囲として同期合わせする請求の範囲第 1項一第 5項の何れか に記載の記録再生方法。

[7] 記録光の波長が 600— 720nmである請求の範囲第 1項一第 6項の何れかに記載 の記録再生方法。

[8] 記録光及び再生光の波長 ± 5nmの波長域の光に対して、記録層単層の屈折率 n が 1. 5≤n≤3. 0であり、消衰係数 kが 0. 02≤k≤0. 2である請求の範囲第 1項一 第 7項の何れかに記載の記録再生方法。

[9] 記録層の分解開始温度が 100— 360°Cである請求の範囲第 1項一第 8項の何れ かに記載の光記録再生方法。

[10] 光記録媒体が、基板上に、記録層以外の構成層として、反射層、保護層、接着層、 保護基板、基板面ハードコート層から選ばれる少なくとも一つの層を有する請求の範 囲第 1項一第 9項の何れかに記載の記録再生方法。

[11] 反射層が、金、銀、アルミニウムの何れか、又はそれらを主成分とする合金である請 求の範囲第 10項に記載の記録再生方法。

[12] 保護層が紫外線硬化樹脂からなる請求の範囲第 10項又は第 11項に記載の記録 再生方法。

[13] 2枚の基板を貼り合わせて両面構成の記録媒体とするための接着層が該基板間に 設けられ、かつ、該接着層に用いられる接着剤が紫外線硬化榭脂である請求の範囲 第 10項一第 12項の何れかに記載の記録再生方法。

[14] 基板の案内溝にゥォブルを有する色素系追記型 DVD媒体に対し、最短長マーク を他のマークよりも高出力化されたパルスで記録し、短い方から 3番目以降の長さの マークを、パルス後端部が一定時間高出力化され、該高出力化されたパルスパワー 力 番目に短いマークのパルスパワーと等しい 1つのパルス光で記録し、マーク記録 時において、全てのマークの上記パルスの後端部以降にクーリングノ ルスを照射し、 その照射光量を、一定時間 0. ImW以下にして記録再生を行う機能を有することを 特徴とする記録再生装置。

[15] 短 、方から 3番目以降の長さのマークを、パルスの先端部と後端部の 2力所が一定 時間高出力化され、該高出力化されたパルスパワーが 2番目に短いマークのパルス パワーと等しい 1つのパルス光で記録する機能を有する請求の範囲第 14項に記載 の記録再生装置。

[16] パルス後端部以降にクーリングパルスを照射する時間を、最短長スペースの 1Z6 一 6Z6の長さとする機能を有する請求の範囲第 14項又は第 15項に記載の記録再 生装置。

直前のスペース長が最短長であるマークを形成する記録パルス列の先頭加熱パル ス幅を、該マークの長さが最短長である力否かで区別し、最短長マークの先頭加熱 パルス幅を最短長でないマークの先頭加熱パルス幅よりも長く設定し、かつ、最短長 マークを形成する記録パルス列の先頭加熱パルス幅を、該最短長マークの直前のス ペース長が最短長である力否かで区別し、直前のスペース長が最短であるマークの 先頭加熱パルス幅を、直前のスペース長が最短でな!、マークの先頭カ卩熱パルス幅よ りも短く設定する機能を有する請求の範囲第 14項一第 16項の何れかに記載の記録 再生装置。