明 細 書
変速装置及び処理装置
技術分野
[0001] 本発明は、ウェブの流れ速度を変速可能な変速装置及び処理装置に関するもの である。
背景技術
[0002] 従来より、ウェブの搬送速度を変速可能な変速装置が提案されている(例えば、特 許文献 1参照)。
特許文献 1 :特表 2000 - 514024号公報 (第 1一 9頁、図 1)
発明の開示
[0003] しかし、かかる従来の変速装置では、変速比に限界があり、十分な変速比を得られ ない場合がある。従って、本発明は、十分な変速比の得られる新たな変速装置と、該 変速装置を備えた処理装置を提供することを目的とする。
[0004] 前記目的を達成するために、本発明のある変速装置は、ウェブの流れ速度を変速 可能な変速装置であって、第 1ウェブを上流から受け取る第 1ローラと、第 1ウェブを 下流に渡す第 2ローラと、前記一対のローラを互いに等しい移動速度で第 1ウェブの 流れ方向に沿って往復移動させる往復移動装置と、前記一対のローラを互いに等し い回転速度で回転させる回転駆動装置とを備えている。
[0005] 本発明のある変速装置において、第 1ウェブは、第 1ローラから第 2ローラに向かつ て搬送される。ここで、前記第 1及び第 2ローラが互いに同じ移動速度で前記第 1ゥェ ブの流れ方向と同一の方向に移動すると、第 1ウェブの流れ速度に前記各ローラの 移動速度が加算された大きな速度で前記第 1ウェブが移動する。一方、前記一対の 第 1及び第 2ローラが互いに同じ移動速度で前記第 1ウェブの流れ方向と反対の方 向に移動すると、前記ウェブの流れ速度から前記各ローラの移動速度を減算した小 さな速度で第 1ウェブが移動する。従って、前記両ローラの往復移動により、第 1ゥェ ブの移動速度が加減速されることができる。
[0006] ここで、本変速装置は、回転駆動装置により前記一対のローラを同じ回転速度で回
転させるので、一対のローラ間における第 1ウェブの張力の変動が生じないから、理 論上は第 1ウェブが大きく伸びたり、縮んだりしない。
[0007] 2つの移動ローラが互いに等しい移動速度で移動すると、ウェブの流れる経路に沿 つた 2つの移動ローラ間の距離が、一定に保たれる。これにより、ウェブの伸びや縮 みが発生しなレ、。 2つの移動ローラは同じ方向に移動してもよいし、互いに反対方向 に移動してもよレ、。 2つの移動ローラがウェブの流れ方向に沿って互いに等しい移動 速度で移動し、 2つの移動ローラの間隔が所定の間隔に維持され、 2つの移動ローラ が同じ方向に移動すると、 2つの移動ローラが移動する方向に応じて、固定部から見 た見かけの、 2つの移動ローラ間のウェブの速度が変化する。但し、一方の固定ロー ラから一方の移動ローラに供給されるウェブの速度及び他方の移動ローラから他の 固定ローラに送出されるウェブの速度は変化しない。ここで、一方の固定ローラ及び 他の固定ローラは、回転はする力 移動をしないため、それらは固定部の一種とみな せる。
また、固定ローラの上流側に一方の移動ローラが位置し、固定ローラの下流側に他 方の移動ローラが位置する場合、一方の移動ローラと他方の移動ローラは互いに反 対の方向に移動する。このため、移動ローラにより生じる振動等が打ち消されることが 可能となる。
[0008] 例えば、本変速装置におレ、ては、固定された第 3ローラを備え、前記ウェブが、前 記第
1ローラから前記第 3ローラを経て前記第 2ローラに向って、前記各ローラの外周面に 沿って流れるようにしてもよぐこの場合、前記第 1ローラと前記第 2ローラとは、互い に反対方向に移動してもよレ、。
すなわち、本変速装置においては、第 1ローラと第 2ローラが同時に互いに同じ方 向に移動させられてもよいし、両ローラが互いに異なる方向に同じ速度で移動させら れてもよい。
[0009] この変速装置においては、第 1ローラを第 3ローラに近づく方向に移動させ、第 2口 一ラを第 3ローラから遠ざ力、る方向に移動させると、第 1ローラと第 2ローラとの間のゥ エブの部分の流れ速度が大きくなる。一方、その逆に移動させると前記ウェブの部分
の流れ速度が小さくなる。
[0010] この変速装置をシール装置のような処理装置に設けてもよレ、。かかるシール装置は 、ホーン及びアンビルを有するソニック装置を備える。前記第 1ローラと第 3ローラとの 間、あるいは、前記第 2ローラと第 3ローラとの間の少なくとも一方に前記アンビルが 配置される。
[0011] このシール装置においては、第 1ローラと第 2ローラとの間のウェブの部分の流れ速 度が小さい時に、アンビルに近接ないし接触するウェブの部分を超音波でシールす ることにより、シールに要する時間を稼ぐことが可能となる。
[0012] 本変速装置において、前記一対のローラを同じ移動速度で移動させる往復移動装 置としては、前記一対のローラを連結する連結部分を種々の機構を介してモータ等 の原動機で移動させる装置が用いられてもよい。
[0013] 前記一対のローラを同じ回転速度で回転させる機構としては、各ローラに個別にモ ータが接続されてもよい。また、 1つのモータの出力軸に取り付けたプーリにベルトが 卷回され、モータの回転力がベルトを介して 2つのローラに伝達されてもよい。この場 合、前記 2つのローラが移動しても前記ベルトの長さが変化しないように、当該ベルト が前記一対のローラ及びモータの出力軸のプーリに無端状に (ループ状に)卷回さ れてもよい。
[0014] 本発明のある処理装置は、前記変速装置の他に搬送ドラムを備えていてもよい。前 記搬送ドラムは、不連続の複数の第 2ウェブを保持して搬送速度を変えながら回転 することで、前記第 2ウェブ同士のピッチを拡げる。前記第 2ウェブ同士のピッチが拡 がった状態で、かつ、前記変速装置により第 1ウェブが減速された状態で、第 2ゥェ ブが、前記変速装置の第 1ローラと第 2ローラとの間において、前記第 1ウェブ上に配 置される。
[0015] 前記変速装置により第 1ウェブの速度が小さくされた状態で、当該第 1ウェブ上に ピッチの拡がった (増速された)第 2ウェブが配置されると、前記一対のローラがゥェ ブの搬送方向に移動することで、第 1ウェブの速度が更に大きくなる。これにより、大 きな変速比が得られるので、様々な種類や大きさのウェブを製造することができる。
[0016] 本発明のある配置装置は、前記変速装置に加え、アンビルロールと該アンビルロー
ルに連続ウェブを供給する供給装置と、前記アンビルロールが受け取った連続ゥェ ブを切断して前記第 2ウェブを生成するカツタとを更に備える。この配置装置におい ては、前記アンビルロールは前記連続ウェブを第 1の速度で受け取り、前記カツタに よる前記連続ウェブの切断後に第 2の速度に変速して、前記変速装置により減速さ れた第 1ウェブ上に、前記第 2ウェブを配置してもよい。
[0017] この装置によれば、カツタが連続ウェブを切断して第 2ウェブを生成するので、切断 さ
れた第 2ウェブが第 1ウェブ上に配置されることができる。
[0018] 前記搬送ドラム又はアンビルロールとしては、回転速度を変えながら回転することで 互いに異なる速度で回転して第 2ウェブを搬送する複数のパッドを備えたリピッチドラ ムが用いられてもよい。
[0019] 前記アンビルロールは当該アンビルロールの 1回転の途中で周速度を変化させて もよレ、。このように、回転の 1サイクルの途中で周速度を変化させることにより、サイズ の異なる物品の生成が可能となる。
[0020] 更に、アンビルロールは、前記変速装置により加速された第 1ウェブを受け取る複 数のパッドを備えていてもよい。この場合、前記カツタにより前記パッド上に受け取つ た第 1ウェブが切断され、前記切断された第 1ウェブの配置されたパッドの周速度が 加速された後に当該パッド上の第 1ウェブが別のウェブ上に配置されるようにしてもよ レ、。
[0021] この装置では、第 1ウェブを切断すると共に、変速装置とアンビルロールの双方で 第 1ウェブを加速して搬送することが可能となる。
図面の簡単な説明
[0022] [図 1]本発明の第 1実施例にかかる変速装置を示す概略斜視図である。
[図 2] (a)は変速装置の概略平面図、(b), (c) , (d)は、それぞれ、変速装置の動作 を示す概略側面図、 (e)は、移動ローラの移動速度の関数を表すグラフである。
[図 3]ベルトの取りまわしを示す概略側面図である。
[図 4] (a), (b)は第 2実施例にかかる配置装置の概略側面図、(c)は同第 2ウェブの 第 1ウェブへの配置状態を示す平面図である。
[図 5] (a),(b),(c),(d)は、それぞれ、同リピッチドラム及び変速装置の動作を示す 概略側面図である。
[図 6] (a)は第 3実施例にかかる配置装置の概略側面図、(b) , (c)は、それぞれ、第 2ウェブの第 1ウェブへの配置状態を示す平面図である。
[図 7]第 4実施例にかかる配置装置の概略側面図である。
[図 8] (a), (b)は、それぞれ、往復移動装置の他の例を示す概略斜視図である。
[図 9]往復移動装置の他の例を示す概略側面図である。
[図 10]第 5実施例に力かる変速装置を示す概略側面図である。
[図 11]第 5実施例に力かる他の変速装置を示す概略側面図である。
[図 12]ウェブの供給方法の他の例を示す概略側面図である。
[図 13]第 6実施例に力かる処理装置を示す概略側面図である。
符号の説明
[0023] 1 :変速装置
2:リピッチドラム (搬送ドラム,アンビルロール)
100:ソニック装置(処理部)
101 :ホーン
102 :アンビノレ
R1 :第 1移動ローラ
R2 :第 2移動ローラ
R3 :第 3ローラ
R4 :第 4ローラ
T1一 T9 :ガイド
W1 :第 1ウェブ
W2 :第 2ウェブ
XI:流れ方向
発明を実施するための最良の形態
[0024] 本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理 解されるであろう。し力 ながら、実施例および図面は単なる図示および説明のため
のものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の 範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同 一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
以下の説明では、まず、第 1実施例において本発明の変速装置の一例について説 明し、第 2実施例以降の実施例において前記変速装置を備えた配置装置について 説明する。
[0025] 図 1一図 3は第 1実施例を示す。
図 1は、第 1の実施例を示す概略斜視図である。変速装置 1は、上流からのウェブ W1を受け取る第 1移動ローラ R1と、ウェブ W1を下流に渡す第 2移動ローラ R2と、 前記両移動ローラ R1、R2を同じ移動速度でウェブ W1の流れ方向 XIに沿って往復 運動させるための往復移動装置 13 (図 2 (b) )と、両移動ローラ Rl、 R2を同じ回転速 度で回転させるための一対のプーリ 40と、ベルト Bとを備えている。
前記第 1移動ローラ R1の上流及び第 2移動ローラ R2の下流には、それぞれ、第 1 及び第 2ガイドローラ Gl、 G2が設けられている。前記ガイドローラ Gl、 G2は、図示し ない装置本体に回転自在に設けられている。一方、移動ローラ Rl、 R2は、図示しな い移動フレームの両端部に回転自在に取り付けられており、一対の移動ローラ Rl、
R2間の距離は一定に保持される。一対の移動ローラ Rl、 R2間の距離は、一対のガ イドローラ Gl、 G2間の距離よりも広い状態で、前記各ローラ Rl、 R2、 Gl、 G2が配 置されている。ベルト Bは、一対のプーリ 40及び前記各ローラ Gl、 G2、 Rl、 R2の一 端部に掛け渡されている。前記ウェブ W1は、上流から順に第 1ガイドローラ Gl、第 1 移動ローラ Rl、第 2移動ローラ R2、第 2ガイドローラ G2に沿って下流に搬送される。
[0026] 図 2 (a)は、変速装置 1の平面図である。図 2 (b)は、変速装置 1の図 2 (a)における Y— Y線断面図である。図 2 (a)及び図 2 (b)に示すように、移動ローラ Rl、 R2は移動 フレーム 10に回転可能に支持されている。前記移動フレーム 10は、ウェブ W1が上 流から下流へと向力 方向 XIに沿って往復移動可能である。移動フレーム 10は、例 えば、図 2 (b)に示されるような往復移動装置 13によって往復移動される。
[0027] 図 2 (b)に示すように、往復移動装置 13は、移動フレーム 10の下部に設けられてい
るラック 11と、ラック 11に嚙み合うピニオン 12と、ピニオン 12に接続される第 1モータ Mlとを備えている。ピニオン 12は、変速装置 1の本体側に設けられている。第 1モー タ Mlとしては、例えば、ステッピングモータが用いられ得る。第 1モータ Mlの往復回 転によりピニオン 12が回転し、ラック 11を介して移動フレーム 10が流れ方向 XIに往 復移動される。
[0028] なお、往復移動装置 13としては、図 8 (a)に示すようにフレーム 10をベルト 14Aで 駆動する装置が用いられてもよいし、図 8 (b)に示すようにフレーム 10を円筒カム 14 Bで駆動する装置が用いられてもよい。また、図 9に示すように、フレーム 10をクランク 15で駆動するような平行運動機構が用いられてもよい。図 9に示される移動ローラ R 1、 R2を支持する支持アーム 14Cの端部は、図示しない装置本体に回動自在に取り 付けられている。
[0029] 次に、往復移動装置 13による変速動作について説明する。
ウェブ W1が、例えば、速度 Vで搬送されている時の移動ローラ Rl、 R2間のウェブ の速度について説明する。図 2 (c)に示すように、例えば、往復移動装置 13により、 移動ローラ Rl、 R2を、下流方向 XIとは逆の上流方向 X2に向かって速度 v (t)で移 動させると、移動ローラ Rl、 R2間のウェブ W1の速度は、上流のウェブ W1の搬送速 度 Vから移動ローラ R1、R2の移動速度 v (t)の 2倍を減算した速度 V— 2v (t)となる。 一方、図 2 (d)に示すように、移動ローラ R1、R2を下流方向(搬送方向) XIに向かつ て速度 v (t)で移動させると、移動ローラ Rl、 R2間のウェブ W1の速度は、上流のゥ エブ W1の搬送速度 Vに移動ローラ Rl、 R2の移動速度 v (t)の 2倍が加算された速 度 V+ 2v (t)となる。
従って、移動ローラ Rl、 R2を同じ移動速度で方向 XIに沿って往復移動させること により、移動ローラ Rl、 R2間のウェブ W1の速度を加減速させることが可能である。
[0030] 移動ローラ Rl、 R2の移動速度 v (t)は、例えば、図 2 (e)に示すグラフに示されるよ うな、時亥 に関する関数で表される速度を設定してもよい。この場合、移動ローラ R1 、R2が、図 2 (b)に示す位置 (基点)から図 2 (c)に示す X2方向に時亥 ljt = tlまで移 動し、その後図 2 (d)に示す XI方向に移動して時刻 t = t2に基点を通過して時亥 = t3まで移動し、再び X2方向に移動して時亥 I」t = t4に基点を通過する場合、 v (tl) =
0及び v (t3) =0となり、基点を通過する時の速度 v (t2)、 v (t4)は最大となる。
[0031] ここで、移動ローラ Rl、 R2がフリーローラである場合には、移動ローラ Rl、 R2が方 向 XIに沿って往復運動すると、移動ローラ Rl、 R2がウェブ W1から回転エネルギを 得ることにより、各移動ローラ Rl、 R2の回転速度が変化し、ウェブ W1の張力の変動 が生じやすくなる。詳細には、図 2 (c)に示すように移動ローラ Rl、 R2を上流方向 X2 に移動させると、移動ローラ Rl、 R2は、ウェブ W1の進行方向(移動ローラ Rl、 R2 の回転方向)と逆方向の力がかかるので、移動ローラ Rl、 R2の回転速度が減速され る。一方、図 2 (d)に示すように、移動ローラ R1、R2を下流方向 XIに移動させると、 移動ローラ Rl、 R2には回転方向と同方向の力がかるので、移動ローラ Rl、 R2の回 転速度が増速される。従って、移動ローラ Rl、 R2の回転速度の増減に伴って、ゥェ ブ W1の張力の変動が生じる。
そこで、本変速装置では、このようなウェブ W1の張力の変動を生じさせないように するために、移動ローラ Rl、 R2を強制的に同じ回転速度で回転させて常に一定の 回転速度を保っための回転駆動装置を設けている。
[0032] 図 3を用いて、本変速装置の回転駆動装置について説明する。
図 3は、図 1の変速装置のベルト部分を示す概略側面図である。図 3に示すように、 回転駆動装置 41は、ガイドローラ Gl、 G2と、プーリ 40と、ベルト Bと、ガイドローラ G2 に接続されている第 2モータ M2とを備えている。第 2モータ M2としては、例えば、サ ーボモータが用いられ得る。第 2モータ M2により第 2ガイドローラ G2が所定の速度で 回転駆動されると、ベルト Bを介して一対の移動ローラ Rl、 R2が一定の回転速度で 回転される。
[0033] 従って、本変速装置は、回転駆動装置 41によって移動ローラ Rl、 R2が互いに同 じ速度で、かつ、一定の回転速度で回転されるので、前記往復移動装置 13により移 動ローラ R1、R2が移動する際のウェブ W1の張力変化を防止することができる。
[0034] なお、回転駆動装置 41としては、ベルト B及びプーリ 40を用いる代わりに、移動口 ーラ Rl、 R2に、それぞれサーボモータを設けた装置が用いられてもよぐこの場合、 2つの移動ローラ Rl , R2がー定かつ同じ回転速度で回転するように、各サーボモー タが移動ローラ Rl、 R2を直接駆動する。
[0035] 前記図 1の駆動用のベルト Bを介して一対の移動ローラ Rl、 R2を強制的に回転さ せた場合は、張力がベルト Bに付加される。また、サーボモータにより移動ローラ Rl、 R2を直接回転駆動した場合は、当該サーボモータ等にも負荷力 Sかかることになる。
[0036] 本発明の変速装置は、ウェブの流れ速度を変速する種々の装置に用いられること ができるが、以下に説明する各実施例では、ウェブの配置装置に本変速装置が用い られた場合について説明する。
[0037] 次に、図 4及び図 5を用いて、第 2実施例を説明する。
図 4 (a)において、配置装置は連続ウェブ供給装置 4と、リピッチドラム 2と、カツタ 3 と、変速装置 1とを備えている。なお、前記リピッチドラム 2は、搬送ドラムの一例であり 、アンビルロールであってもよレ、。
[0038] 上流から供給された連続ウェブ Wは、供給装置 4によって伸張された状態で下流の リピッチドラム 2に第 1速度 VIで供給される。リピッチドラム 2は、連続ウェブ Wを受け 取る複数のパッド Piを有しており、受取位置 RPにおいて第 1速度 VIで連続ウェブ W を受け取る。パッド Piに受け取られた前記連続ウェブ Wは、カツタ 3によって分割され て第 2ウェブ(不連続ウェブ) W2に加工される。その後、隣接するパッド Pi、 Pi+ 1の 間隔が広がることにより、各第 2ウェブ W2間の間隔が広がる(リピッチされる)。ノ^ド Piは、受取位置 RPから受渡位置 SPに移動する間に、第 1速度 VIから第 2速度 V2 に増速される。パッド Piは、受渡位置 SPで第 2ウェブ W2を受け渡した後、再び受取 位置 RPに戻る間に第 1速度 VIまで減速される。一方、速度 V3で流れる第 1ウェブ W1は、変速装置 1により速度 V2まで減速された状態で、受渡位置 SPにおいて第 2 ウェブを受け取る。
従って、第 2ウェブ W2は、移動ローラ R1と R2との間で、第 1ウェブ上に間隔をあけ て配置される。
[0039] 連続ウェブ Wとしては、例えば、弾性フィルムが用いられてもよレ、。かかる場合には 、前記供給装置 4としては、例えば、第 1速度 VIで回転するベルトコンペャが用いら れてもよレ、。前記第 1速度 VIよりも遅い低速度で上流から搬入された連続ウェブ W は、ベルトコンペャ 4により第 1速度 VIに加速される。そのため、低速度で搬入された 連続ウェブ Wは、低速度と第 1速度 VIとの速度差により伸張される。この伸張状態の
連続ウェブ Wは、下流の前記パッド Pi上に供給される。パッド Pi上の連続ウェブ Wは 、カツタ 3によって切断されて、第 2ウェブ W2が生成される。
[0040] 図 4 (b)に示すカツタ 3は、カツタローノレ 30と、該カツタロール 30の周囲に設けられ た少なくとも 1つの刃 31を有している。カツタ 3は、例えば、一対の刃 31を有していて もよレ、。前記パッド Piには、カツタ 3の刃 31が当接するアンビル 23a、 23b力 S、例えば 、流れ方向 XIに 2力所設けられてもよい。
[0041] 前記カツタロール 30の回転により、所定のタイミングで前方のアンビル 23aに刃 31 が当接し、切断位置 CP (図 4 (a) )におレ、て連続ウェブ Wが切断され第 2ウェブ W2a が生成される。その後、供給装置 4から供給される連続ウェブ Wがパッド Piの保持面 (外周面) 21上をスリップし、後方のアンビル 23bに刃 31が当接して連続ウェブ Wが 切断され、次の第 2ウェブ W2bが生成される。この切断カ卩ェにより、 1つのパッド Piに つき、一対のウェブ W2a、 W2bが生成される。前方のアンビル 23aで切断された第 2 ウェブ W2aと、後方のアンビル 23bで切断された第 2ウェブ W2bとの間に
は、所定の間隔があけられる。
なお、パッド Piの後端部や前端部の 1力所にのみアンビルが形成されていてもよい し、パッド Piの 3力所以上の位置にアンビルが形成されていてもよい。
[0042] 図 4 (a)に示すように、リピッチドラム 2の各パッド Piは、例えば、ドラム 20のまわりに 設けられており、回転中心〇を中心として、矢印で示す方向(図 4 (a)における反時計 まわり)に、後述する速度で周回する。前記各パッド Piは、例えばカム機構などを介し て、その周速度が変化することにより、互いに異なる速度で回転して前記リピッチを行 う。この種の搬送手段の構造は、例えば、特開昭 63— 317576号、特表 2000— 514 024号に開示されている。
[0043] 以下に 1つのパッド Piの構造について説明する。なお、各パッド Piは、所定の位相 において互いに同じ動作を行う。
図 4 (b)に示す保持面 21は、第 2ウェブ W2の伸張方向 Yに沿って円弧状に形成さ れている。前記保持面 21には、保持手段を構成する単数又は複数の保持要素 22が 設けられていてもよい。前記保持要素 22としては、例えばエアノズノレが採用されても よレ、。このエアノズルは、図示しないエア源に接続されており、所定のタイミングで、
保持要素 22からエアが吸引される。これにより、前記受け取り時において、供給装置 4から伸張された連続ウェブ Wが供給され、保持面 21上に保持される。
[0044] 図 4 (a)のパッド Piは、供給装置 4から連続ウェブ Wを第 1の速度 VIで受け取り、力 ッタ 3による切断後の第 2ウェブ W2a、 W2bは、受渡位置 SPにおいて第 2の速度 V2 になるように加速される。一方、第 1ウェブ W1は前記変速装置 1によって搬送され、 前記第 2ウェブ W2a、 W2bは、移動ローラ Rl、 R2間の上の受渡位置 SPにおいて第 1ウェブ W1上に配置される。
[0045] 図 4 (c)は、第 2ウェブ W2の第 1ウェブ W1への配置状態を示す平面図である。図 4
(c)に示すように、前述の切断カ卩ェにより、ウェブ W2aと W2bの間隔が第 1距離 L1に なる。一方、前記リピツチ及び受け渡し動作により、各々の一対のウェブ W2 (W2a、 W2b)の間隔が第 2距離 L2となる。
[0046] 次に、本装置の変速方法について説明する。なお、パッド Piの第 1及び第 2の速度 VI、 V2は、第 1ウェブ W1が変速装置 1に供給される第 3の速度 V3よりも低速に設 定されている。すなわち、各速度は、 V3 >V2 >V1になるように設定されている。
[0047] 前述のように、図 4の供給装置 4は、連続ウェブ Wを搬送方向に引き伸ばしながら 連続ウェブ Wをパッド Pi上に供給する。その後、カツタ 3の刃 31が、パッド Pi上の連 続ウェブ Wを所定長に切断し、第 2ウェブ W2を生成する。パッド Pi上には 2個のアン ビル 23a、 23bが設けられているので、 1つのパッド Pi上に間隔をあけて 2つのウェブ W2a、 W2bが吸着される。
前記第 2ウェブ W2の生成後、パッド Piが受渡位置 SPに向かって第 2の速度 V2ま で加速し、隣接するパッド Pi、パッド Pi+ 1の間隔が広がる。
[0048] 一方、図 5 (a)に示すように、第 1ウェブ W1は、上流から変速装置 1に第 3の速度 V 3で供給される。パッド Piが受渡位置 SPに近づく所定のタイミングで、下流側(図 5に おける右側)の初期位置に位置する移動ローラ Rl、 R2が上流方向 X2に移動を開始 する。
図 5 (b)に示すように、移動ローラ R1、R2の上流方向 X2への移動により、移動ロー ラ Rl、 R2間の第 1ウェブ Wlの搬送速度は減速され、パッド Piが受渡位置 SPに到達 する時点では、速度 V-2v (t)が第 2の速度(受渡速度) V2に等しい速度と
なる。一方、パッド Piは、受渡位置 SPに至るまでに第 2の速度 V2に加速される。
[0049] このように、第 2ウェブ W2が第 1の速度 VIから第 2の速度 V2に加速される一方、 第 1ウェブ W1が減速されているので、受渡地点における両ウェブ Wl、 W2の搬送速 度 V— 2v (t)、 V2を略同一速度に設定すれば、第 2ウェブ W2を第 1ウェブ W1上に 正確、かつ、スムースに配置することができると共に、その後、変速装置 1により加速 されることで、大幅にウェブの速度を大きくすることができる。一方、製品のサイズや 種別に応じて、第 2ウェブ W2間の前記距離 Ll、 L2を変更する場合、移動ローラ R1 、R2の移動速度を変化させることで容易に該変更に対応することができる。
なお、受渡位置 SPに至るまでの第 1ウェブ W1の搬送速度が加速されたり、減速さ れたりしてもよい。力かる場合には、第 2ウェブ W2の搬送速度 V2と、受渡位置 SPに おける第 1ウェブ W1の速度 V— 2v (t)との速度差が小さくなるように、パッド Pi及び移 動ローラ Rl、 R2の移動速度を調整すればよい。
[0050] 次に、図 5 (c)に示すように、受渡位置 SPにおいてウェブ W2が第 1ウェブ W1上に 配置された後、次のパッド Pi+ 1が受渡位置 SPに到着する前に、図 5 (d)に示すよう に、移動ローラ Rl、 R2が下流方向 XIに移動し、図 5 (a)の初期位置に戻る。
[0051] ところで、図 4の供給装置 4は、連続ウェブ Wを供給する供給速度を変化させること ができるものであってもよレ、。
ここで、カツタ 3は、通常、ウェブ Wの供給速度よりも速い速度で回転している。その ため、カツタ 3がウェブ Wに接触すると、ウェブ Wが該カツタ 3とアンビル 23a、 23bと に挟まれ、当該接触部分付近においてカツタ 3により引っ張られる。前記引っ張られ たウェブ Wをカツタ 3が切断すると、その切断によりカツタ 3の下流側のウェブ Wが下 流側に引っ張られる。かかる不具合を解消するために、ウェブ Wの供給速度を変更 可能とする。
[0052] 前記供給速度の変更方法としては、種々の方法が採用され得る。例えば、カツタ 3 力 Sウェブ wに接触し始めてから、ウェブ Wを切断するまでの間、カツタ 3の周速度と概 ね同じ速度で供給装置 4がウェブ Wを供給し、ウェブ Wの切断後には、供給装置 4 がウェブ Wの供給速度を調整するようにしてもょレヽ。
また、カツタ 3がウェブ Wに接触するまでの間に、供給装置 4がウェブ Wの供給速度
を、カツタ 3と同じ周速度となるように、調整するようにしてもよい。
[0053] 更に、前記ウェブ Wの速度調整は、必ずしも供給装置 4の供給速度を変化させるこ とにより行われる必要はなぐ別途、速度調整用の装置を設けて行われてもよい。 例えば、図 12に示すように、ウェブ Wの走行路長を変化させるための移動ロール 5 0が設けられてもよい。移動ロール 50は、カツタ 3と供給装置 4との間に設けられた一 対のロールからなり、ウェブ Wは該ロール 50、 50間に挟まれている。移動ロール 50 は、ウェブ Wの供給方向とは異なる方向に移動可能である。
力、かる移動ロール 50を移動させることにより、カツタ 3付近のウェブ Wの供給速度を 変化させることが可能である。すなわち、移動ロール 50が供給装置 4から離れる方向 に移動すると、ウェブ Wの供給速度が遅くなり、一方、移動ロール 50が供給装置 4に 近づくと、ウェブ Wの供給速度が速くなる。
[0054] 次に、図 6を用いて、第 3実施例について説明する。
本第 3実施例の配置装置は、アンビルロール 2A、カツタ 3及び変速装置 1を備えて いる。
[0055] アンビルロール 2Aは、その外周面の一部に保持要素 22とアンビル 23とを備えてい る。図 6 (a)に示すように、アンビルロール 2Aは、 1回転の間に、区間 において第 1 の速度 VIで回転すると共に、区間 αにおいて第 1の速度 VIよりも速い第 2の速度 V 2まで加速されて回転する。
[0056] 連続ウェブ Wは、受取位置 RPにおいて上流からアンビルロール 2Αに供給された 後、切断位置 CPにおいてカツタ 3の少なくとも 1つの刃 31とアンビル 23に挟まれ、所 定の長さに切断される。力かる切断加工により第 2ウェブ W2が生成される。
[0057] 前記第 2ウェブ W2は、切断位置 CPを含む区間 βにおいて第 1の速度 VIで搬送さ れる。連続ウェブ Wの先端部分 W21は、アンビルロール 2Αの外周面の一部に吸着 されながら擦れている。そのため、連続ウェブ W力 切断された第 2ウェブ W2は、保 持要素 22に吸着された状態でアンビルロール 2Αと共に周速度 VIで回転し、第 1の 速度 VIよりも低速度で供給される連続ウェブ Wの先端 W21から離れていくようにし て搬送され、これにより、第 2ウェブ W2間の間隔 Lが開く。
[0058] 一方、第 2ウェブ W2は、変速装置 1に配置される受渡位置 SPを含む区間ひにさし
力かると第 2の速度 V2まで加速され、変速装置 1の第 1ウェブ W1上に配置される。 その他の構成は、第 2実施例と同様であり、同一部分又は相当部分に同一符号を 付して、その詳しい説明及び図示を省略する。
[0059] 前述のように、前記カツタ 3の切断によって生成された第 2ウェブ W2は、アンビル口 ール 2Aによって区間 βにおいて第 1の速度 VIで搬送された後、区間ひにおいて第 2の速度 V2まで加速される。変速装置 1による第 1ウェブ W1の搬送速度 V3は第 1の 速度 VIよりも速い速度である力 一対の移動ローラ Rl、 R2間の第 1ウェブ W1の速 度を V2にすることで、正確、かつスムースに第 1ウェブ W1上に第 2ウェブ W2を配置 すること力 Sできる。
[0060] 一方、変速装置 1の移動ローラ Rl、 R2を上流方向 X2や下流方向 XIに移動させ て、第 1ウェブ W1の搬送速度を変更すると共に、かかる搬送速度に応じての前記加 速区間ひにおける第 2ウェブ W2の速度 V2を変化させることにより、各第 2ウェブ W2 間の距離 Lを変更することができる。
[0061] すなわち、移動ローラ Rl、 R2を下流方向 XIに移動させて、第 1ウェブ W1の搬送 速度を大きくすると共に、第 2ウェブ W2の加速区間 αの速度を大きくすれば、図 6 (b )に示すように、第 2ウェブ W2間の距離 Lを小さくすることができる。一方、移動ローラ Rl、 R2を上流方向 X2に移動させて、第 1ウェブ W1の搬送速度を小さくすると共に 、第 2ウェブ W2の加速区間 αの速度を小さくすれば、図 6 (c)に示すように、第 2ゥェ ブ W2間の距離 Lを大きくすることができる。
[0062] 次に、図 7を用いて、第 4実施例について説明する。
本第 4実施例の配置装置は、変速装置 1、リピッチドラム 2及びカツタ 3を備えている
[0063] 変速装置 1には、連続ウェブ Wが供給速度 VIで供給される。連続ウェブ Wは、変 速装置 1からリピッチドラム 2に渡された後、カツタ 3によって切断されて複数の第 1ゥ エブ W1に加工される。その後、隣接するパッド Pi、 Pi+ 1の間隔が広がることにより、 第 1ウェブ W1同士の間隔が広がる(リピッチされる)と共に、第 1ウェブ W1の速度は 第 1速度 VIよりも大きい第 2速度 V2に増速される。
[0064] 一方、リピッチドラム 2の下流には、第 3の速度 V3 (=V2)で別のウェブ W3が搬
送されている。第 1ウェブ Wlは、リピッチドラム 2によりピッチの拡がった状態で、かつ 、前記第 2速度 V2に増速された状態で、受渡位置 SPにおいて別のウェブ W3上に 配置される。
[0065] 変速装置 1において、連続ウェブ Wは、上流から順に第 1ガイドローラ Gl、第 1移 動ローラ Rl、第 2移動ローラ R2を経てリピッチドラム 2に搬送される。移動ローラ Rl、 R2は、連続ウェブ Wの流れ方向 XIに沿って互いに同じ方向に往復移動される。一 方、ベルト Bは、ガイドローラ Gl、 G2、移動ローラ Rl、 R2及びプーリ 40に掛け渡さ れている。
その他の構成は、第 2実施例と同様であり、同一部分又は相当部分に同一符号を 付して、その詳しい説明及び図示を省略する。
[0066] 変速装置 1によってリピッチドラム 2の周面上に搬送された連続ウェブ Wは、カツタ 3 によって切断されて第 1ウェブ W1が生成される。第 1ウェブ W1は、リピッチドラム 2に よりピッチの拡がった状態で別のウェブ W3上に配置される。
[0067] ここで、移動ローラ Rl、 R2を下流方向 XIや上流方向 X2に移動させて、連続ゥェ ブ Wの搬送速度を変化させることで、第 1ウェブ W1の長さの変更を行うことができる。 すなわち、カツタ 3の刃 31による連続ウェブ Wの切断後、移動ローラ Rl、 R2を上流 方向 X2に移動させることにより、次に生成される第 1ウェブ W1の長さが短くなる。一 方、移動ローラ Rl、 R2を下流方向 XIに移動させることにより、第 1ウェブ W1の長さ が長くなる。
[0068] 次に、本発明の変速装置の他の例について説明する。
図 10において、変速装置 1は、回転可能な第 1一第 3ローラ R1— R3を備えている。 第 1ローラ R1及び第 2ローラ R2は移動可能であり、一方、第 3ローラ R3はフレーム( 図示せず)に回転可能に固定されている。第 1ローラ R1と第 2ローラ R2とは、互いに 反対方向に移動する。このことにより、第 1ローラ R1と第 3ローラ R3の間におけるゥェ ブ W1の速度及び第 3ローラ R3と第 2ローラ R2の間におけるウェブ W1の速度が調 整されること力できる。
[0069] 前記第 1ローラ R1と第 2ローラ R2とを互いに反対方向に移動させる移動部としては 、前記第 1ローラ R1と一体に移動する第 1ラックと、前記第 2ローラ R2と一体に移動
する第 2ラックと、前記両ラックに歯合する 1つのピニオンと、該ピニオンを回転駆動す るモータとが備えられていてもよい。この移動部は、前記モータの回転で前記ピニォ ンを介して前記一対のラックを互いに反対方向に移動させることにより、前記第 1ロー ラ R1と第 2ローラ R2とを互いに反対方向に移動させることができる。
第 1ローラ R1と第 3ローラ R3の間に処理部 100が設けられている場合、処理部 100 は、第 1ローラ R1に流入する(受け取られる)ウェブ W1の速度 Vよりも遅い速度で搬 送されるウェブ W1に対して処理を実行することができる。
[0070] 2つの移動ローラ Rl、 R2間におけるウェブ Wl上の定点 200を中心に考えると、 2 つの移動ローラ Rl、 R2は前記定点 200に対し互いに反対方向に移動してレ、ること になる。かかる観点では、図 2の第 1実施例においても、定点 200に対し互いに反対 方向に移動していることになる。
[0071] 具体的には、図 10の第 1ローラ R1が実線で示す第 1方向 XIに移動する場合、第 2 ローラ R2は、それとは反対の実線で示す第 2方向 X2に移動する。この場合、第 1口 ーラ R1と第 2ローラ R2との間において、ウェブ W1の移動速度が大きくなる。一方、 第 1ローラ R1が破線で示す第 2方向 X2に移動する場合、第 2ローラ R2が破線で示 す第
1方向 XIに移動する。この場合、第 1ローラ R1と第 2ローラ R2との間において、ゥェ ブ W1の移動速度が小さくなる。従って、この変速装置 1においても、第 1ローラ R1と 第 3ローラ R3との間、及び第 2ローラ R2と第 3ローラ R3との間で、ウェブ W1の速度 が変更されることができる。
[0072] なお、第 1方向 XI及び第 2方向 X2の変位量を互いに同じ変位量に設定するため には、第 1ローラ R1の半径と第 2ローラ R2の半径を同一にする必要がある。
[0073] 次に、本発明のシール装置 (処理装置の一例)の一例について説明する。図 10に おいて、シール装置は前記変速装置 1と処理部を備えている。本装置の場合、処理 部は、少なくとも 1つのホーン 101と少なくとも 1つのアンビル 102を有するソニック装 置 100である。ソニック装置 100は複数のウェブ同士を超音波でシールすることが可 能である。
[0074] 前記ホーン 101は超音波ホーンである。このホーン 101には周波数の高い機械的
振動が負荷されて、アンビル 102との間を通過するウェブ (熱可塑性の素材)を摩擦 熱で溶着および/または切断する。
前記超音波ホーンとしては、たとえば、特表平 10-513128号に記載の超音波ホ ーンが用いられてもよレ、。前記ウェブ W1は、前記ホーン 101によって加熱されてシ ールされる。周知のように、ホーン 101の表面には、たとえば、多数の凸部からなるシ ールパターンが形成されていてもよレ、。また、ホーン 101の表面にシールパターンが 形成される代わりに、アンビル 102の表面にシールパターンが形成されていてもよい
[0075] なお、 1つのホーン 101に対して、 1つのアンビル 102が対応して設けられていても よレ、。また、図 10に示すように、 2つのホーン 101に対して、 1つのアンビル 102が対 応して設けられていてもよレ、。この場合、 1つのアンビル 102が、複数のシール刃を有 してもょレ、し、アンビル 102の回転が制御されることにより、 1つのアンビル 102が 1つ のシール刃を有してもよレ、。つまり、 1つのアンビノレ 102は、少なくとも 1つのシール刃 を有している。
[0076] なお、ウェブ W1は互いに溶着が必要な複数のウェブが重ねられて形成されている 。また、前記ソニック装置 100によってシールされるウェブ W1の部分(シール領域) は、たとえば、使い捨てパンツのような製品の端部であり、各シール領域の間のピッ チは予め所定のピッチに設定されている。
[0077] 図 10において、ウェブ W1のシールが行なわれるべき箇所がアンビル 102に到達 し、シールが行なわれる際には、各ローラ R1— R3が回転しながら、破線で示すよう に、第 1ローラ R1が第 3ローラ R3から遠ざ力る方向 X2に移動し、かつ、第 2ローラ R2 が第 3ローラ R3に近づく方向 XIに移動すると、第 1ローラ R1から第 2ローラ R2の間 のウェブ W1の流れ速度が前記導入及び導出速度 Vよりも小さくなる。すなわち、ゥ エブ W1の前記シール領域およびその近傍の部分が前記アンビル 102とホーン 101 との間を通過する際には、ウェブ W1の当該部分の流れ速度がウェブ W1の導入及 び導出速度よりも小さくなる。従って、シールに必要な時間を稼ぐことができる。
[0078] 一方、前記シールを行わない時は、各ローラ R1— R3が回転しながら、実線で示す ように、第 1ローラ R1が第 3ローラ R3に近づく方向 XIに移動し、かつ、第 2ローラ R2
が第 3ローラ R3から遠ざ力る方向 X2に移動すると、第 1ローラ R1から第 2ローラ R2の 間のウェブ W1の流れ速度が前記導入及び導出速度 Vよりも大きくなる。すなわち、 前記シール領域力ら離れたウェブ W1の部分が前記アンビル 102とホーン 101との 間を通過する際には、ウェブ W1の当該部分の流れ速度力 S、ウェブ W1の導入及び 導出速
度よりも大きくなる。これにより、ウェブ W1の搬送速度の低下を防止することができる ここで、図 10の変速装置 1のライン長は、図 1の変速装置のそれに比べて短くする こと力 Sできる。
また、第 1および第 2移動ローラ Rl , R2が互いに反対方向に移動するので、一方 の移動ローラの移動による振動が、他方の移動ローラの移動により打ち消されること ができる。
[0079] 更に、本発明の変速装置に関する他の例について説明する。
図 11において、変速装置 1は、回転可能な第 1一第 4ローラ R1— R4を備えている 。第 1ローラ R1と第 2ローラ R2は移動可能であり、一方、第 3及び第 4ローラ R3、 R4 はフレーム(図示せず)に固定されている。第 1ローラ R1と第 2ローラ R2とは、互いに 反対方向に移動する。図 11に示す変速装置の動作は、図 10に示す変速装置 1の動 作と同様である。
変速装置に対しソニック装置 100のような処理部が設けられている場合、アンビル 1 02のウェブの両側に第 3及び第 4ローラ R3、 R4が設けられているため、ウェブ W1が 流れる軌道が安定するので、シール精度の向上が図られる。
[0080] 更に、この変速装置 1には、第 1、第 2又は第 3ローラ R1 R3の少なくとも 1つの外 周にウェブ W1の流れを規制するガイド T1一 T3が設けられていてもよレ、。同様に、 第 1及び第 2ガイドローラ Gl、 G2の少なくとも 1つの外周にウェブ W1の流れを規制 するガイド T8、T9が設けられていてもよレ、。更に、第 4ローラ R4に流入するウェブ W 1の流れを規制するガイド Τ4、 Τ5や、第 4ローラ R4から流出するウェブ W1の流れを 規制するガイド Τ6、 Τ7が設けられていてもよレ、。これらのガイドは、例えば、ウェブ W 1が吸収体を含む複数のウェブの積層体である場合など、ウェブ W1の重量バランス
が悪いときに、当該ウェブ Wlがスムースに搬送されるのに役立つ。
[0081] つぎに、本処理装置に関する他の例について説明する。
図 13の例において、処理部としてリピッチドラム (搬送ドラムの一例) 2が設けられて いる。リピッチドラム 2は第 3ローラ R3と第 2ローラ R2との間のウェブ W1に接するよう に設けられている力 第 1ローラ R1と第 3ローラ R3との間のウェブ W1に接するように 設けられてもよレ、。リピッチドラム 2上において、連続ウェブ(第 2ウェブ) Wはカツタ 3 によって切断され、複数の不連続ウェブが生成される。前記不連続ウェブはウェブ W1上に配置される。前記リピッチドラム 2およびカツタ 3の構造や動作は、前記図 4 (a )、図 6 (a)または図 12に記載されたものを採用することができる。
産業上の利用可能性
[0082] 本発明の変速装置および処理装置は、使い捨てパンツ、ォムッ、生理用品などの 使い捨て着用物品の生産設備に利用されることができる他、医療用の創傷被覆材な どの生産設備に利用されることができる。