明 細 書 フォ—ム攝正靴 技術分野
本発明はテニス、 卓球、 ゴルフ、 バドミントン、 野球などラケットやクラブゃパッ トなどを使用するスポーツを始め多くのスポーツの正しいフォームを習得しゃすレヽ ようにするための矯正靴に関するものである。 背景技術
テニス、 卓球、 ゴルフ、 バドミントン、 野球などラケットやクラブやバットを使用 するスポーツには基本となる正しいフォームがあり、 それをほとんど自動的に行うこ とができないと、テニスで言えばよくコントロールされた強いボールを打つことはで きない。 また、相手が打ってきたボールに対しても俊敏に適切な対処の仕方もできな い。従来、正しいフォームを身に着けるにはコーチに習う力 \ テニスの雑誌など教材 を参考に練習するしか方法がない。ゴルフでは多くの種類のフォーム矯正具や装着着 が考案されているが、 そういつたものは効果が不十分であるし、他のスポーツ、 例え ばテニスには応用できない。 ということで、 これらのスポーツの正しいフォームを習 得するのは一般の人にとっては難しいことである。
ラケットゃクラブゃバットを使用するスポーツの悪いフォームを分析してみる。 具 体的にテニスを例に、 右引きの人がフォーハンドで ground strokeを打つとする。 ラ ケット面がボールに対して直角になるように右腕を右後ろに回す際、 多くの素人は腕 が肩に対してほぼ自由に動かすので、腕が先に動いてポールを打つ前の姿勢は右腕と 右胸の角度は 9 0度以上になり、また肩の回し方が不十分なためにポールの方向から みると两胸が見える、つまり肩が開いた状態になってしまう。 この体勢でポールを打 つとほとんど腕の力だけ打っている、つまり手打ちになるので、体の回転力はボーノレ に伝わらない。 そのためにポールコントロールは悪く、 強いボールは打てない。 ポレ 一の際も、肩が開いていて腕と胸との角度が大きいために打点が頭の後ろになってし まいインパクトの瞬間ボールは見えない。 当然、 ポールをラケット面の中心で捉える
差替え用紙(規則 26)
ことはほとんどできずボールコントローノレもできなレヽ。 ノ ックハンド ground stroke の場合も、やはり腕が先に動いて打つ前の構いは右腕と肩の角度が鋭角になりすぎて ポールの方向からみると両胸が見え、 打つと手打ちだけになる。 その上、素人の人は 上半身と下半身の動きは連動せず、ボールを打ちに移動する際もパランスを崩しゃす く結果的に良いポールは打てない。悪いフォームはボールコントロールが悪いだけで なく、手打ちで打ち続けると前腕筋の起始部の骨膜炎、いわゆるテニス肘の原因にな る。 発明の開示
出願人が独自で長年テニスの理想のフオームを研究してきた結果、正しいフォーム でプレーできるためには、プレー中两上腕の内転 '外転を抑制し上腕を脇に固定して、 また背骨も骨盤に固定し、そして体の重心がいつも地面に接する足の部分の中央にあ つて、しかも体中の筋肉が適度に収縮しあたかも体にばねがあるような状態でなけれ ばならないことがわかってきた。 あとで詳しく説明するが、 現在ある運動靴では、 こ のようなスポーツを行うのに理想的な体の状態を得るのは難しく、プロ選手のように 並ならぬ努力が必要である。本発明のフォーム矯正靴は履くだけで無意識にこのよう な状態を得ることができるように開発されたものである。
上腕を脇に固定し内転 ·外転を抑制するというのは、 上腕が肩より内側に動く「内 転」と呼ばれる動作、 そして反対に外側に動く「外転」を抑制することであって、 上腕 自身を軸に回転させる動きや上げ下げさせる運動の抑制は含まれていない。 筋肉の働 きで大まかに言えば、上腕を内転させるのは大胸筋そして外転させるのは肩甲筋であ る。内転させる筋肉も外転させる筋肉も同じ力で収縮させれば上腕の内転も外転も抑 制することができるわけである。 上腕の付け根が脇に固定されていると、何も持たず に腕を伸ばし両手を体の前でぴったり合わせたとき横力 らみると腕と胴体は約 30度 の角度を成し、 また頭からみると両腕は胸と約 60度をなすように強制的に固定され る。上腕の内外転を抑制しかつ肘を伸ばしたまま腕全体を持ち上げると腕は前外側約 45度のところを上がっていく。 し力 し、上腕と胴体の角度が約 80度以上になると上 腕の付け根の固定が聞かない状態が生まれる。これは肩関節の角度と上腕を内外転さ せる筋肉の走行が平行以上になってしまうからである。
上腕を脇に固定し内転 ·外転を抑制している状態でテニスをやると正しいフォーム でプレーしやすくなる。 例えば、 右引きの人がフォーハンド ground strokeでポール を打とうとする。頭からみると右腕と胸が約 45-60度をなすように腕の付け根が胸に 固定されているが、 もちろん腕だけでラケットを回そうとすると抵抗感を覚える。 抗 感を感じないためには腕と肩を同時に回さなければならない。腕と胸の角度を 45-60 度に維持しながらラケットの面がボールと直角になるには、右側の背筋群と左側の腹 筋群を収縮させ、同時に右側の腹筋群と左側の背筋群を弛緩させて体を大きく右方向 にひねり、右腕と肩を一緒に右後上斜めに回さなければならない。 その際に、右上腕 が持ち上げられ胴体から離れていく。 同時に、左腕の付け根も左脇に固定されている ので、左肩と同時に右前方に回る。 そして、肩が回るのと同時に上腕の付け根が脇に 固定されたまま、 両腕が反対方向に互いから離れていく。 その際、左肘を完全に伸ば してかつ右胸を張るようにしないと右肩と腕が十分に後ろにもっていけない。前から 見るとポールを打つ前の構いは左肩が右肩を完全に隠す格好、つまり肩が閉じている 状態になる。 今度、 ポールを打つ時は腕の付け根が脇に固定されたまま、 先とは反対 に右側の腹筋群と左側の背筋群を収縮させ、同時に右側の背筋群と左側の腹筋群を弛 緩させて背骨を軸に体を左へひねって、右胸と腕が一体ィヒしてボールを打ち返してい くことになる。 その反動で離れていった左腕は右腕に向かって近づいてくる。 スウイ ングの最初から最後までのラケットの動きは 8の字を描くようになる。フォーハンド ボレーの時、 swin はより小さくなるが体の動きは、 round strokeと同様である。 インパクトの瞬間、右腕が胸と約 45-60度なしているので打点は体の前になつてしつ かりボールをみることができる。
このように、 上腕の付け根を脇に固定し内転 ·外転を抑制することで、 スウィング に胴体の大きな筋肉である腹筋や背筋を最大に活用することができ、手打ちつまり胸 筋や肩甲骨筋を主に使ってラケットを振るのを防げる。 良いスウィングの中では、 胸 筋と肩甲骨筋は腕を振るのに働くのではなく、いつも同じ位に収縮し上腕の内外転を 抑制し、肩と腕の動きを一体ィ匕させ体の捻る力を効率よく腕、手そしてラケットに伝 えることに役立っている。こうしてコント口ールのきいた強いポールが打てるわけで ある。
パックハンド ground strokeの場合、 ボールを打とうとすると両上腕の付け根が脇
に固定されているために、体を左方向へ捻ってラケットを左後上斜めに回さなければ ならない。 その際、 右上腕が胸に密着し右肘が完全に伸ばすようになり、 ポールを打 つ前の状態はフォーハンドの時とは逆に胸を丸める格好になる。 これで、 ポールを打 つ準備の姿勢は前から見ると右肩が左肩を隠す状態、 つまり肩が閉じた状態になる。 ポールを打つときは、右腕が胸に支えられているように体を右へ捻ると同時に、縮ん だ胸を張る状態にしてボールを押し出していく。そのいきよいで follow throughが生 じ、右腕が胴体から離れていく。左腕も右ほどではないがやはり胴体から離れていく。 スウィングの最初から最後までのラケットの動きは 8の字を描くようになる。腹筋と 背筋の使い方はフォーハンドとは逆になる。
では、 サーブやスマッシュも両上腕の付け根を脇に固定したままで打てるのカ サーブで説明する。 まず、 ボールを打ちたい方向に左肩を向けて、左腕の付け根をし つかり固定して、右上腕を多少持ち上げて構える。 次に、 背中をそらして胸が上に向 くようにして、左手の指が真上を指すようにボールを頭上に投げる。 と同時に、 右上 腕を内転 ·外転させることなく持ち上げて、 胸が張っている状態をつくる。 その際、 フォーハンド ground strokeと同様上腕が胴体から離れていく。ここで注意しなけれ ばならないのは、上腕と胴体の角度が約 8 0度超えると上腕の付け根が胸に固定され る状態は崩れてしまうのでコントロールのきいた強いポールは打てないのである。 あらゆるスポーツについてそうであるといっても言いすぎではないが、 ラケットゃ バットやクラブを使うテニス、 バドミントン、 野球、 ゴルフなどで最大のパワーを生 むには体をひねる力をいかにして活用するかがポイントである。体をひねるのに必要 な腹筋群と大きな背筋は腸骨と脊柱から起始している。腸骨は仙骨そして坐骨ととも に骨盤を形成している。 体をひねる力を生み出すには腹筋と背筋の起始である腸骨、 つまり骨盤と背骨を固定しなければならない。 骨盤と背骨は背中側にある仙骨と第 5 腰椎との関節で連なっている。仙骨と第 5腰椎との間の関節を固定すれば骨盤と背骨 を固定することになり、 仙骨が体をひねる際の基点になるわけである。 仙骨と第 5 腰椎との間の関節が固定されないと、 体を捻る際それより高い位置が基点となって、 体をひねると骨盤が動いて腰を振る格好になる。 つまり、体を捻る力が 100%ボール に伝わらず、 一部腰を振るのに無駄に使われるわけである。
両上腕の内転 ·外転を抑制しを脇に固定して、 しかも背骨も骨盤に固定している状
態にあると、 左右の腕、 肩、 胸、 腰そして脚が正しいフォームで連結して動くように なる。 右引きのフォーハンド ground strokeを例に説明する。 ラケットを後ろに持つ ていこうとすると腕、 肩そして胸は上述のように動く。 背骨全体がびんと張ってかつ 骨盤と背骨とが固定されているために、右胸を後ろに回した時右腰と脚も同時に右へ 回転する。 結果的に、 足の向きが飛んできたポールの方向に対して直角に近くなり、 従ってボールを打つ時地面を蹴る力が効率よくポールに伝わる。このように体の左右 そして上および下半身の動きが同時に連結しているので、相手の打つてきたボールに 対して素早く適切に反応できる。
いいプレーするにはもう一つ大事なことがある。 これはプレー中どんなに動いても 体のパランスを崩さないことである。 そのためには、 两上腕を脇に固定し上腕の内 転 ·外転を押さえ、そして背骨と骨盤とを固定する他にプレー中に全身の骨格筋に適 度の緊張を持たせて体をばねのように使わなければならない。 というのは、骨格筋は 弛緩しすぎても緊張しすぎても動きが鈍くなる性質をもっている。従って、構えてい るときや移動するときなどに一部の筋肉に力を入れすぎたり又はまったく力が入つ ていなかったりすると相手のボールに対し反応が遅れイメージ通りに自分の打った ボールをコントロールできなかったりする。 また、 いつも体の重心を地面に接する足 の部分の真ん中に来るようにしないと安定した動きゃショットができない。
テニスシューズをはじめとする現在のスポーツシューズのほとんどは履くと踵が 足の裏とつま先より高くなっているように設計されている。 今まで指摘されたことは ないが、 実はこのような設計ではテニス、 卓球、 ゴルフ、 バドミントン、 野球などラ ケットゃクラブゃパットなどを使用するスポーツの正しいフォームを習得するのを 難しくしている。 とレ、うのは、市販のテニスシューズを履いてまっすぐ立って、膝を 伸ばしたまま肩を回してみる。 そうすると肩は 90度近くまで回せて、 上腕の方もさ らに大きくそれ以上回せる。 このことは、 上腕の内'外転が自由にできるし、 体を捻 る基点は仙骨と第 5腰椎の関節より上の関節にある、つまり背骨と骨盤とが固定され ていないことを意味する。今度は、市販のテニスシューズを履いたまま歩いてみると、 踵、 足の裏、 趾の付け根、 そして趾先の順に着地する。 その際、 重心は踵と足の裏か らなる足裏の面そして趾の付け根と趾先からなるつま先の面 2つの面の上を移動す ることになる。足裏の面からつま先の面に移行するときに重心を上へ持ち上げる動き
が生じる。 さらに体重が別の足に移るときも、いま着地している足のつま先の面から もう片方の足の足裏の面への移行が生じ重心が落ちていく。着地するたびに重心が水 平方向にも垂直方向にも大きく動くことは多くのスポーツを行う上ではあまり好ま しいことではない。 テニスで言えばボールを打つ瞬間に重心が動くと強くてコン トロールのきいたボールは打てない。 とレ、うことで、本人達は理解してやっていない かもしれないが、プロのテニスプレーヤ一は皆プレー中ずつと踵を挙げてつま先の面 で動き回つている。着地面がひとつだけになり、重心の水平方向及び垂直方向の移動 を抑えることができる。 と同時に、重心をつま先の面の真ん中に置くことで重心が地 面に接するつま先の部分の真ん中にきて、体中の筋肉に均等に力が入り、骨盤と背骨 が固定され、脇がしまって上腕の内転 '外転が抑えられる状態を作っている。一般の 人はこのような体の状態を作れないので、腕、 肩、 胸、 腰そして脚の動きはばらばら でいくら練習してもなかなか上手にならないのである。プレー中にボールに集中しな いといいプレーができないことはいうまでもないが、つま先で立って体にばねがある ような状態を作るやり方の欠点は意識しないと作れないので、それをやろうとすると ボールに集中しづらい。意識しなくても自然にプレー中につま先で立って体にばねが あるような状態になるにはプロと同様に長年をかけて練習しなければならない。 着地の際、 重心の移動を抑えなければならないのは、 短距離競走もそうである。 裸 足であるいは通常の運動靴を履いてトップスピードで走ったら、体のバランスを保つ ために自然につま先だけで走るようになる。 だから、 競技用の靴はつま先を中心に前 の方にしかスパイクがついていない。つま先の面だけで走ると頭が上下しやすく、地 面を蹴る力は 100%前進するのに使われないし、 コーナーリングの際も体を支えてい るのはつま先だけなので強レ、遠心力に耐えられずスピードを落さなければならない。 長距離競走や競歩では必ず足幅全体を使わなければならないが、履くと踵が足の裏や つま先より高くなっている今の競技用運動靴を使うのは無駄なエネルギーを消費す ることになる。 というのは、今まで説明したように今の運動靴を履くと 体全体の筋 肉に均等に力が入らず、骨盤と背骨は固定されず、脇もしまらず上腕が自由に動くの で手が振り子のように大きく振る。より使う筋肉とあまり使わない筋肉が出てしまう ので、長時間の競技になるとより使う筋肉に負担をかけすぎることなってよい成績に つがらない。 また、着地するたびに重心が足の真ん中にないので、余計な力を使って
バランスをとらなければならない。競歩の選手が試合中大きく腰を振りながら歩く姿 はおなじみだと思うが、それは踵の方がつま先より高くなっている今の競技用の靴を 履いているために体を捻る起点が仙骨と第 5腰椎との関節より高い位置にあるため である。 ということは、体を捻る力の一部が腰を振るのに使われていて、 前進するの に活かされていなレ、。時間のロスになるだけでなく、腰を振るのに働く筋肉の余計な 疲労を招く。
本発明者はテ-スの理想のフォームを人間力学の観点から追求した過程で、素足で 足の趾に体重が乗らないように足の趾だけを挙げて踵と足の裏を平らな地面につけ て真っ直ぐに立つと自然に手の指先まで体中の骨格筋に適度の緊張が生じ、背骨を骨 盤が固定され、両上腕の内転と外転も抑えられることを見出した。 その証拠に、 この 状態で膝を曲げないで体を左右に捻ってみると仙骨と第 5腰椎との関節のところが 捻る基点となり、 上腕と胸が一体化して一緒に回る。 そのため、肩が約 6 0度しか回 らず、そして上腕の回せる角度も肩とほぼ同じである。足の趾を地面につけないで素 足で平らなところを歩くと体を左右に揺らすようになり、膝関節はほとんど曲がらず、 背骨もピンと張って、 脇がしまって上腕がほとんど動かないので手の振りは小さい。 体中の筋肉が適度に緊張しているので、体をばねのように使ってボールを打ったりす ることができる。そして着地時いつも体の重心が地面に接する踵と足の裏からなる足 裏の面の真ん中にあるので、移動中体重が片足に乗ったときでも安定感がある。 とい うことは足の趾に体重が乗らないようにし、踵と足の裏の高さを同じにしてテニスを すれば、 意識しなくてもパランスのよいフォームができやすいことになる。 し力 し、 左右の足の距離を骨盤の幅より大きく広くしたり腰や膝を曲げすぎたりすると、体重 の重心が踵と足の裏の真ん中に位置しなくなるので、今述べた体にばねのあるような 状態は崩れてしまう。 また、 踵と足の裏の高さはもちろん、 足の裏の内側と外側の高 さにもわずかな差があってもならない。例えば、厚さ 1 mmほどの靴下を土踏まずの ところで 2つに切って前の部分だけ、あるいは後ろの部分だけ左右の足にはめて平ら な地面の上で足の趾を挙げながら真っ直ぐ立って膝を曲げないで体を左右に捻って みると仙骨と第 5腰椎との関節より高いところが捻る基点となり、肩が 9 0度以上回 り、上腕の内転おょぴ外転が抑えられていないので、上腕の回せる角度は肩よりずつ と広い。 そうなると手、胴体、足の動きは瞬時連動しなくなり体をばねのように使う
ことができない。 趾を挙げながら動いてみても重心が足の上で動くのが分かる。今度 は、平らな地面の上を裸足で踵、足の裏そして足の趾を地面につけて真っ直ぐ立って みる、あるいは素足で平らな地面の上に置いてある厚さ 3 mm位の平らなじゅうたん の近くに立ってじゅうたんの上に足の趾だけを乗せる、または逆に踵と足の裏をじゅ うたんの上に载せて足の趾だけを 3 mm低い地面につけて同上のことをやってみて もやはり骨盤と背骨、 そして上腕と肩は固定されないのが分かる。 つまり、 立ってい るときも歩いたり、走ったりするときでも体重が足の趾に乗っては理想とした体の状 態は得られないのである。
只今述べたことを踏まえて、本発明のフォーム矯正靴は履いて平らな地面の上に真 つ直ぐ立つと踵と足の裏の高さを同じにし、しかも立っても歩いたり走ったりしても 体重が足の趾に乗らないようにする考案されたものである。このフォーム矯正靴を履 いただけで、足幅を骨盤より広げたり、膝と腰を曲げすぎたりさえしなければ、 自然 に体中の骨格筋が均等に緊張し骨盤と背骨が固定され、上腕と肩も固定され、体をば ねのように使うことができ、色んなスポーツの正しいフォームを習得するのを容易に できるようになる。 図の簡単な説明
第 1図は、 フォーム矯正靴の使用例の断面図である。 注目すべき点は靴底を完全に 地面につけて真っ直ぐ立ったとき、 踵と足の裏の高さが同じであることと、 体重が趾 に乗らないように、 趾にあたる中敷のところを踵と足の裏にあたるところより低くし かつ趾にあたる靴底を地面と接しないように高くしているという点である。
第 2図は、 足の趾に当たる靴底の部分を無くしたフォーム矯正靴の使用 例の断面図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説術するために、 添付の図面に従ってこれを説明する。
本発明のフォーム矯正靴は図 1で示してあるように履いて靴の底辺が完全に平らな 地面につけて真っ直ぐ立つと、 地面からの踵 (1 ) と足の裏 (2 ) までの高さ (a) が同じ高さに、 そして趾 (3 ) に体重が乗らないように趾を載せる靴底 ( 4 ) の部分
を十分に低くし地面から趾までの高さ (b)が地面からの踵(1 ) と足の裏(2 ) までの 高さ (a) より十分低くし、 かつは趾の付け根から趾先に向かって靴底 (4 ) の底辺 を高くし地面と接触させないようにするところに特徴を有する。 または、 本発明のフ オーム矯正中敷は、 趾の付け根から先に当たる靴底の底辺がすでに高くなつていて 地面と接触とは接していないが、踵の部分が足の裏やつま先の部分より高くなるよう になっている現在の靴において中敷全体を変える力 あるいは部分的に踵と趾以外 の足の裏に当たる部分に補充するで、 履レヽて靴の底辺が完全に平らな地面につけて 真っ直ぐ立つと、 踵と足の裏が同じ高さに、 そしに体重が乗らないようすることが できる。 ゴルフのように立ったままスウィングするスポーツだったら、 履いたとき の地面から踵そして足の裏までの高さ (a)はあまり問題にはならないが、 テニスのよ うに動きながらプレーするスポーツの場合、 その高さ (a)と地面と接しないつま先部 に当たる靴底の底辺の地面となす角度 (c ) を厳密に計算しなければならない。 と いうのはその高さと角度が小さいと特に前へ移動するとき体重が足の趾に乗つてし まうからである。 そうなると移動中体重が片足に乗ったとき重心が足の上で動くこ とが必ず生じる。図 1ではサイズ 2 6 . 5 c mの既存のテニスシューズを元に本発明 のフォーム矯正靴に改造したものである。 元の設計では地面から踵 (1 ) までの高 さは約 2 . 5 c mあり、 地面から足の裏 (2 ) までの高さより高かった。 別の靴の 中敷や布など (5 ) を使って足の裏 (2 ) の部分だけを高くし地面からの高さを踵 ( 1 ) のところと同じにした。 そもそも、 踵からの着地とつま先の送り出しを円滑 にするために踵とつま先にあたる靴底の底辺を後ろと前に向かってカープを描いて 高くなつていく設計にしてある。つま先部においては靴底の底辺と地面との角度は 7 度以上であった。 つまり、 図 1に書いてあるような設計で地面から踵 (1 ) と足の 裏 (2 ) までの高さ (a) を 2 . 5 c m、 それより地面から足の趾までの高さ (b)をそ れ (a) より十分に低くし、 そしてつま先部においては靴底の底辺と地面との角度 は 7度以上であれば、立っても移動しても体重が足の趾にまつたく乗らないようにす ることができる。あるいは、地面から踵そして足の裏までの高さ (a)が十分にあれば、 図 2のように足の趾を支える靴底の部分をなくしても構わない。 というのは、 前へ 歩くとすると体重が片足から別の足に移る際、 今まで地面と接していた足の踵が上 がって足の裏でもって地面を蹴る動作が生じ、 続いて別の足の着地が始まるが、 踵
そして足の裏までの高さ (a)が十分にあれば足の趾が地面に触れることなくこの一連 の動作することが可能になるからである。 本発明のフォーム矯正靴は、 裸足で足の 趾を軽く上げて踵と足の裏を平らな地面につけて真っ直ぐ立っているように、 履く と足の裏と踵の部分が同じ高さになるように設計されるべきだが、 その高さが例 えば 0.05mm違っていたら本発明の claimの範囲ではないというわけではない。 足 裏の部分と踵の部分の高さが微妙に違っていても、本発明が意図としているところ、 つまり履レ、て平らな地面に真つ直ぐ立つと自然に体中の骨格筋に均等に力が入り、 骨盤と背骨が固定され、 脇が閉まり上腕の内転 ·外転が抑えられる状態になればよ いわけである。
本発明のフォーム矯正靴を先行技術と比較してみる。特開 2001- 70004及び特開平 11-123102に示してあるものはいずれもいかにして効率よくつま先を使って体の移 動を行うかのために考案されたものであり、つま先を使わないで足裏の面だけを使う ようにする本発明のフォーム矯正靴とは根本的に異なる。特開平 11-123102では足の 趾そして母趾球にあたる靴底に窪みを設けているが、 本発明のフォーム矯正靴にお いては母趾球とそれ以外の足裏の部分を同じ高さにしなければならないという点で は相違がある。 特開 2001-70004の中で引用された公知の履物底の中に足の趾にあた る靴底の部分を本発明と同様に低くしてあるものはあることはあるが、いずれも体重 が足の趾に乗るのを許す設計になっており、 この点では本発明とは異なる。 特開昭 49-07457及ぴ特開 2000-41703では踵と足の裏の高さを同じにするという点では本 発明と同じである。 し力 し、 特開昭 49-07457では足の趾も踵と足の裏と同じ高さに なるので意識して趾を上げない限り足関節の角度がちょっとでも前へ傾くと体重が 足の趾に乗ってしまう。 特開 2000-41703ではつま先にあたる靴底が地面と 1-5度を なして高くなつていくが、足の趾も同じく強制的に持ち上げられる。以前にも述べた が、素足で踵と足の裏を平らな地面につけて近くに置いてあるじゆうたんに趾だけを 載せて真つ直ぐ立つても、趾に体重が乗るので体にばねのあるような状態にはならな レ、。 つま先にあたる靴底が地面と 1-5度をなして高くなつていくだけでは、移動の際 にも必ず体重が趾に乗ってしまうのである。本努明のフォーム矯正靴の場合、意識せ ずとも足の趾に体重が載らないようにする構造になっている。 そして、地面から踵と 足の裏までの高さが十分にあればつま先の靴底の部分を設けなくても良いという点
で特開 2000-41703とははつきり異なる 産業上の利用可能性
フォーム矯正靴や中敷を使用することで、踵と足の裏の高さを同じにししかも体重 が足の趾に乗らないようにすることで、 足幅を骨盤より広げたり、 膝と腰を曲げすぎ たりしなければ、立っても動いても自然に体中の骨格筋が均等に緊張し骨盤と背骨が 固定され、 上腕と肩も固定され、 体をばねのように使うことができる。 従って、 テニ ス、 卓球、 ゴルフ、 バドミントン、 野球などラケットゃクラブゃパットなどを使用す るスポーツの正しいフォームをより早く習得することができる。すでに述べたように、 現在市販されているテニスシューズを使う場合、意図的につま先の面で立つようにし ないと体にばねがあるような理想の状態を作り出すことはできない。つま先の面で立 つやり方の一つの弱点は、ボールを打つ瞬間地面を蹴るところは勿論つま先の部分だ けである。本発明のフォーム矯正靴はこれとは逆に立っても走っても体重は趾に乗る ことはないので、つま先の面を使わないで足裏の面だけを使うことになる。つま先と 比べれば、足裏の方は面積が広いのでより安定感のあるコントロールのきいた強いボ ールが打てるし、 またため (ポールが一番打ちやすいところまで待つこと) をつくり やすく早いボールにも遅いボールにも対応しやすい。
本宪明のフォーム矯正靴を履いて競走に用いると、 いつも踵と足の裏がほぼ同時に 着地し、しかも足の上で重心がほとんど動くこともなく、穎はほとんど上下しないし、 地面と蹴る力は前進するのにほぼ 100%使われる。 トップスピードで走っても踵と足 裏の面全体と使って地面を蹴ることができ、つま先だけで走っているのと比べたらよ り強い前進力と、体を支える部分が広いのでより強い遠心力にも耐えられょり早いス ピードでコーナーを曲がることができる。 従って、 100mや 200mなどの短距離種目 で従来の競技用の靴を履いて走るより有利である。 それだけでなく、マラソンなど長 距離の競走においても、フォーム矯正靴を履いているといつも体中の筋肉が適度に緊 張し体にばねがあるようなスポーツをするのに理想的な状態にあるので、特定の筋肉 にだけ余計な負担をかけることがないで、 より疲れにくレ、。 フォーム矯正靴を競歩に 使えば、早く歩いても動きに無駄に連なる腰を大きく振る動作がなくなるので、疲れ 具合が軽減され競技時間を大幅に短縮できる可能性がある。
今まで説明したように、履いて靴の底辺を完全に地面につけて立つと踵の部分が足 の裏やつま先の部分より高くなるようになっている現在の運動靴は各スポーツの正 しいフォームの習得を難しくしていることが分かる。 その良い例はアイススケートの 靴である。 刃全体を氷の面につけて立つと重心が足幅の真ん中ではなく踵よりにある ために、 初心者が始めてアイススケートをやるときは立つことすらなかな力難しい。 つま先に体重をかけて滑るようできた選手でもコーナーを曲がるときはパランスを とるのが難しい。 時間のロスになったり転倒したりする。 また、 前進力を生み出す氷 を蹴る瞬間はつま先だけで行っているために大きな前進力は得られなレ、。刃全体で蹴 ろうとするとパランスを崩して転倒してしまうのである。近年、靴の踵の部分が蹴る とき踵だけが刃から離れる競技用のスケートが開発されて広く選手に採用されてい る。 氷を蹴る瞬間でも刃がアイス面から離れないからである。このような問題は、 履 いて刃全体平らな面につけると趾に体重が乗らず、踵の部分と足の裏の部分が同じ高 さになる本努明のアイススケートのシューズを使えば踵が刃から離れるようにしな くても簡単に解決できる。 というのは両足で立っても、 移動して片足で着地しても、 アイスを蹴るときでもパランスを崩すことなく刃幅全体をアイス面につけることが できるからである。 このため、 コーナーリングも難しくなくなりかなりのスピードァ ップが期待できる。
フォーム矯正靴や中敷はスポーツの運動靴としてだけでなく、 散歩靴やハイキング 靴やスリッパなどとして使うこともできる。 フォーム矯正靴は履いて歩くと体中の骨 格筋が均等に緊張するので、歩き方としては硬い感じにはなるが、逆に転びそうなと きはすぐに反応できるので登山靴などにも適している。 そして、 工場などで長時間立 つて作業する方はフォーム矯正靴を作業中に履くと特定の筋肉に負担をかけること はないので腰痛、 肩こりなど作業に伴う筋肉痛を予防できる。