JP3012617B2 - ゴルフ靴 - Google Patents

ゴルフ靴

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフ靴に関し、
更に詳しくは、ゴルファーが、ゴルフのスウィングの際
に意識しなくても、体の重心が自然に踵に置かれるよう
にして、自然なスウィングがなされるようにするゴルフ
靴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ゴルフは、ゴルファーがゴル
フボールを打って所望の場所のホールに入れる運動であ
り、ボールを打つ時、正しい姿勢を保つことが必要な運
動である。上記のようにゴルファーが、芝生の上に置か
れているゴルフボールを打つためにスウィングをする
間、体の重心が踵と足底の中足骨具の奥側から外側へ偏
るように体のバランスを維持しなければ、安定したゴル
フのスウィングをすることができない。ゴルフは、脊髄
を中心として肩と腰を回転運動させながら、ゴルフボー
ルを打つ運動であり、スウィングの際、正しい且つリラ
ックスしたアドレス姿勢が求められるが、スウィングの
際にバランスを維持するために、意識的にスウィングを
するようになるため、スウィングの際、集中力が落ちて
好ましくない結果をもたらす。
【0003】また、ゴルファーが意識をせずスウィング
をするときは、アドレス姿勢が乱れて、バランスを維持
することができなくなるので、結果的には、上述したい
ずれの場合でも好ましくない結果をもたらす。従って、
ゴルファーがスウィングする間、上記のような問題点な
しに、自然にスウィングすることができるように、ゴル
ファーの体の動作時、正しいバランスを維持するに役立
つゴルフ靴が必要であるため、それに対する研究が進め
られてはいるが、未だ足りないのが実情である。一方、
ゴルフは、普通芝で行われる運動であり、ゴルフをする
際、ゴルフ靴はなくてはならない運動装具類の内の一つ
であって、滑りにくいゴルフ靴が求められる。
【0004】一般的にゴルフ靴の機能改善は、ボールを
打つ際のゴルファーのゴルフスウィングの時、芝が形成
されている地面との滑りを防止することに、最も力点を
置いてなされてきたものといえる。その結果、これまで
滑り防止に関する満足すべき成果を得たものと思われ
る。ゴルファー達が普遍的に使用しているゴルフ靴は、
図6に示したとおり、ゴルフ靴の靴底6に多数のスパイ
ク4が打ち込まれており、上記の靴底6は、踵2とつま
先8に区分され、踵2の底面とつま先8の下部底面12
は、ほぼ水平をなし、あるいはつま先8の下部底面12
が少し低く形成されていることが一般的である。
【0005】また、図6に示したとおり、つま先8の中
でも、中足骨具の上部底板10の高さは、踵2の上部底
板側より低く形成されていることが分かる。即ち、図7
に示したとおり、中足骨具側は、踵より常に低く形成さ
れており、つま先は、地面から大体11mm程度高く形
成されている。上記のように構成された従来のゴルフ靴
は、ゴルファーが、ゴルフのスウィングのためにアドレ
スした姿勢時、ゴルファーの重心がゴルフ靴の踵2側に
置かれていなければ、スウィング時やスウィング後も、
体のバランスを失って安定した姿勢を維持できない。し
かし、既存のゴルフ靴は、図6から明らかなように、足
がゴルフ靴の靴底6についている時は、踵2の方から、
中足骨具の上部底板10側に漸次低くなるように傾いて
形成されており、ゴルファーがアドレスする姿勢も亦、
前方へ傾くことにより、ゴルファーは、体のバランスを
合わせるために、意識的に重心を後ろに置こうとする。
【0006】上記のように既存のゴルフ靴は、中足骨具
側が、踵2より低くなるように形成されているので、正
しい且つリラックスしたアドレス姿勢のために、ゴルフ
ァーは、意識的に姿勢を直した後、ゴルフのスウィング
をしなければならないので、全般的に不自然なスウィン
グをするほかなく、自然なスウィングのリズムを維持す
るのは極めて難しいという問題点がある。また、ゴルフ
ァーがスウィングする時、正しいアドレス姿勢で、体の
バランスを維持した状態においてスウィングしなけれ
ば、スウィングの動作時、芝生に置かれているゴルフボ
ールを正確に打てず、たとえ打ったとしても、打球の正
確性が劣るばかりでなく、打撃の強度も劣る問題点があ
る。
【0007】上記のような既存の問題点を解決するべ
く、本願の出願人は、1998年7月29日付で特許出
願第98−30595号を出願した。しかし、本願の出
願人が、上記特許出願の明細書に記載の発明のゴルフ靴
を製造して使用した結果、図1のように、踵22の上部
面21を基準にして、その角度が、つま先24の上部底
面28の上端側の端角の1〜25°以内となるように構
成されている、上記のゴルフ靴を履いた場合、靴底20
のつま先24の傾きが、踵22から1〜25°の傾きを
有することにより、歩行時だけでなく、アドレスの時に
も足の裏の中足骨側において問題点が生じた。
【0008】即ち、上記のように与えられた傾き値は、
踵22から始まってつま先において終わる傾き値が直線
で形成されているので、ゴルフ靴を履いた状態における
歩行時やアドレスの時に、安定感とリラックスさを与え
なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記の特許出願第98−30595号を改良発明したもの
であって、その目的は、スウィングのためのゴルファー
のアドレス姿勢において、体の重心が自然に踵側に置か
れるようにして、意識をしなくても、自然にスウィング
することができるゴルフ靴を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のゴルフ靴は、踵と、該踵の前方側につな
げて形成されたつま先と、上記の踵とつま先との間は、
中足骨具が形成された靴底を備え、該靴底は、つま先は
中足骨具から水平を基準にして、1〜5°の傾きを有
し、踵は中足骨具から水平を基準にして、−7〜7°の
傾きを有するように構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】上記のように構成された本発明の
ゴルフ靴を、添付の図面を参照しながら、以下詳しく説
明する。図2〜図4は、本発明のゴルフ靴の靴底の傾き
値を示す図であり、図5は、本発明のゴルフ靴のアウト
ソール(或はミッドソール)の正面を示す図である。本
発明のゴルフ靴の靴底は、つま先34と踵30との間
に、中足骨具34を有する靴底より形成されており、上
記のつま先34と踵34及び中足骨具34の高低は、足
の裏の形に合わせて曲がるものであって、本発明者は、
上記の足の裏に当たる靴底の上面のつま先34は、中足
骨具32から水平を基準にして、1〜5°の傾きを有
し、踵30は、中足骨具32から水平を基準にして、−
7〜7°の傾きを有している時、安定したアドレスがで
きることを見出した。
【0012】具体的に、図3のように、踵30の高さの
角度が、中足骨具32から水平を基準にして、7°を有
するように形成され、つま先34の高さの角度は、中足
骨具32から水平を基準にして、4°の角度を有するも
のである。ゴルファーの足を靴底に着けた時、体の重心
が踵側に置かれるようにするため、踵30の前方側に連
結されるように形成された中足骨具32側までは、0°
に向かって段々低くなり、上記の中足骨具32からつま
先34の端までは高くなるよう形成されている。
【0013】また、図4のように、踵30を、中足骨具
32から水平を基準にして、−7°まで低く形成し、つ
ま先34は、中足骨具32から水平を基準にして、高さ
の角度を4°にするので、体の重心が踵側に置かれるよ
うになる。上記のとおり、つま先30が中足骨具32か
ら水平を基準にして、1〜5°の傾きの範囲を有し、踵
30は、中足骨具32から水平を基準にして、−7〜7
°の傾きを外れないようにすることが好ましい。
【0014】また、アドレスの時に最も安定した姿勢を
有するようにする傾きは、踵30が、中足骨具32から
水平を基準にして、0°を有するようにして、踵30か
ら中足骨具32までを水平に形成し、つま先34の傾き
値は、中足骨具32から水平を基準にして、4°程度傾
くようにすることが最も好ましい。即ち、踵30から中
足骨具32までの角度が0°と水平に形成されており、
中足骨具32側からつま先34が上部側へ4°程度傾い
ているので、自然に体の重心が踵側に置かれることにな
る。
【0015】また、既存のゴルフ靴のつま先34の高さ
が、地面から略11mm以下の高さで形成されているの
とは異なり、本発明は、常につま先34の高さが略11
mm以上となるように形成されているものである。上記
のように構成されたゴルフ靴の靴底は、つま先34が踵
30より高く形成されているので、ゴルファーが、本発
明のゴルフ靴を履いてゴルフボールを打つために、アド
レス姿勢を取った後、スウィングする時、自然に体の重
心が踵30にかかるので、ゴルファーは、アドレス姿勢
を取るために、体の重心を意識的に踵30側に置こうと
しなくてもよい。上記アドレス姿勢の際、体の重心はい
つも踵30側に置かれるので、ゴルファーは、自然にゴ
ルフスウィングをすることができる特徴がある。また、
ゴルフスウィング終了時において、本発明によるゴルフ
靴は、前の部分が高いので、左足の前の部分にかかる重
心をほぼ完璧に支えることができる。上記中足骨具32
を中心に、踵30よりつま先34が高く形成されている
ので、歩行の際、いつも、先ず踵30から地面に降り、
次につま先側が降りる理想的な歩行により、体の疲労の
減少と共に、自然に下半身が鍛えられるように構成され
ている。
【0016】また、他の例として、図5に示したとお
り、アウトソール(或はミッドソール)の長さ方向を中
心にして、前方部の内側と外側の材質を軟質と硬質の互
いに異なる材質の弾性材より形成することによって、ゴ
ルファーがスウィングのために、スタンスを取ろうと両
足を決める時、靴底の内側に設けられたスパイクは、軟
質底部に挿着されているので、靴底に加圧される加圧力
により軟質底部のスパイクは押されるが、硬質底部はそ
のまま維持され、靴底は軟質底部側に傾くので、両足を
対向する内側に容易に決められるように構成されてい
る。上記のように構成された本発明のゴルフ靴を製作
し、30 人のゴルファー達に着用させて本発明のゴル
フ靴に対する評価をしてもらい、その結果を表1に示し
た。
【表1】
【0017】上記のように、本発明のゴルフ靴を6つに
分類して製作したものを用いた結果を見ると、アドレ
ス、スウィング、フィニッシュの動作において、30人
のゴルファー達は、踵30の角度が−8°に製作された
ものは殆ど全て良好なものと評価したが、歩行に問題が
あった。これに対し、本発明による、踵30の角度が−
5°である場合は、アドレス、スウィング、フィニッシ
ュは、良好と評価し、歩行時は、普通と評価した。上記
の踵30の角度が、0°においては、アドレス、スウィ
ング、フィニッシュ共に優秀と評価し、歩行時も、優秀
と評価した。上記の踵30の角度が、5°においては、
アドレス、スウィング、フィニッシュ共に普通と評価
し、歩行時は、優秀と評価した。従って、本発明は、踵
30の角度が0°において、最も好ましい状態を示して
いる。ただし、踵30の角度が8°である場合には、既
存のゴルフ靴と同様、着用感に対する満足度が落ちると
評価した。上記のような評価調査による結果を検討する
と、踵30の角度が−7〜7°の範囲から外れる場合
は、安定感が落ちると評価され、踵30の角度が0°で
ある場合が最も優れていることが分かる。
【0018】
【発明の効果】上述のとおり、本発明により、中足骨具
を中心にして踵が水平となす角度を−7〜7°の範囲に
し、また、つま先が水平となす角度を1〜5°の範囲と
するゴルフ靴を提供することによって、ゴルファー達
は、アドレスの姿勢の際に、体の重心を意識せず、自
然、且つリラックスした姿勢になるばかりでなく、つま
先側が高いので腰まで自然に広がり、アドレス及びスウ
ィング時に体重の揺れ等を防止することができて、体の
バランスを保つのに優れた効果があるため、初心者は勿
論、中級者、上級者に至る全てのゴルファーが、正しく
リラックスしたアドレスを取ることができるので、打球
の正確度の向上と共に飛距離(実験結果:20ヤード程
度)が伸びる効果がある。なお、それのみならず本発明
のゴルフ靴は、歩行時にも意識せずとも正しい歩行姿勢
を取ることができるので、下半身の強化は勿論健康の維
持にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者による先行発明の靴底の側面を示す図
面。
【図2】本発明のゴルフ靴の靴底の傾き値を示す図面。
【図3】本発明のゴルフ靴の靴底の傾き値を示す図面。
【図4】本発明のゴルフ靴の靴底の傾き値を示す図面。
【図5】本発明のゴルフ靴のアウトソール(Out Sole、
或はミッドソール(Mid Sole))の正面を示す図面。
【図6】従来のゴルフ靴の靴底の側面を示す図面。
【図7】従来のゴルフ靴の靴底の傾き値を示す図面。
【符号の説明】
30 踵 32 中足骨具 34 つま先
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 1/00 - 23/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルフ靴において、 踵(30)と、 該踵(30)の前方側につなげて形成されたつま先(3
    4)と、 上記の踵(30)とつま先(34)との間には、中足骨
    具(32)が形成された靴底を備え、 該靴底は、つま先(34)は、中足骨具(32)から水
    平を基準にして1〜5°の傾きを有し、踵(30)は、
    中足骨具(32)から水平を基準にして−7〜7°の傾
    きを有することを特徴とするゴルフ靴。
  2. 【請求項2】 第1項において、つま先(34)は、中
    足骨具(32)から水平を基準にして4°の傾きを有
    し、踵(30)は、中足骨具(32)と水平で、中足骨
    具(32)から水平を基準にして0°の傾きを有するよ
    うになることを特徴とするゴルフ靴。
  3. 【請求項3】 第1項又は第2項において、上記のゴル
    フ靴のアウトソール又はミッドソールの材質について、
    アウトソール又はミッドソールの長さ方向を中心にして
    外側と内側の材質が互いに相違してなることを特徴とす
    るゴルフ靴。
  4. 【請求項4】 第3項において、ゴルフ靴の上記アウト
    ソール又はミッドソールの内側部分が外側部分より軟質
    弾性材であることを特徴とするゴルフ靴。
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