明 細 書 洗濯用スベリ性改善剤 発明の属する技術分野
本発明は、 布傷みを回避する洗濯用スベリ性改善剤、 洗濯用スベリ性改善剤造 粒物に関する。 詳しくは、 手洗い洗濯時において被洗浄物間のスベリ性を改善す ることで軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度 (時間当たりの擦り回数) が増加し易いなどの手洗い性を向上させるとともに、 被洗浄物間の摩擦による被 洗浄物の傷みや被洗浄物と手が擦れ合うことにより生じる手の切り傷 '擦り傷等 を抑制する為の全く新しい発想に基づく洗濯時の添加剤に関する。 又、 前記スべ リ性改善剤、 スベリ性改善剤造粒物を含有した洗剤組成物に関する。 更に、 メタ リン酸カリゥムの存在下での手洗い洗濯方法に関する。 また洗濯機洗濯において は、 攪拌などの機械力によって生じる型くずれなどの原因となる繊維の傷みに対 して、 繊維間のスベリ性を高めることで布傷みを回避する方法に関する。 背景技術
洗濯方法としては、 大きく分けて手洗い洗濯と洗濯機洗濯の 2種類がある。 近 年では洗濯機の普及により洗濯機洗濯が増加する傾向にあるが、 汚れ落ちや経済 性の観点から、 依然、 手洗い洗濯に対するニーズも多い。
そこで、 従来より、 手洗い洗濯時に好ましい物性を有する洗剤の開発が行なわ れてきた。 例えば、 特表平 1 0 - 5 0 4 0 5 6号公報に挙げられるように、 ァニ オン界面活性剤、 カチオン界面活性剤、 非イオン界面活性剤を特定の比で配合す ることで手洗い洗濯時の皮膚への刺激性を改善する方法が開示されている。 また、 泡コントロールに関しては、 一般的に増泡には L A Sや A S等の高起泡性の界面 活性剤、 制泡にはポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤、
濯ぎ時の泡切れ性向上には石鹼等を用いることが知られている。 具体的には、 特 公平 8 - 1 3 9 8 7号公報に挙げられているァニオン界面活性剤、 特定のノニォ ン界面活性剤、 及び脂肪酸石鹼を特定比で含有することで溶解性、 起泡性及び濯 ぎ性に優れた洗剤組成物が開示されている。
しかしながら、 これまで、 手洗いのし易さ (被洗浄物を擦るときのスベリ性) を向上させる技術に着目した検討はされたことがなかった。 発明の要約 即ち、 本発明の要旨は、
〔 1〕 メタリン酸カリゥムを含有してなる洗濯用スベリ性改善剤、
〔2〕 メタリン酸カリウムの KZ Pモル比が 1未満である前記 〔1〕 記載の手洗 い洗濯用スベリ性改善剤、
〔3〕 手洗い洗濯用である前記 〔1〕 または 〔2〕 記載の手洗い洗濯用スベリ性 改善剤、
〔4〕 前記 〔1〕 記載の洗濯用スベリ性改善剤と、 可溶化剤とを含有する洗剤組 成物、
〔 5〕 可溶化剤の量がメ夕リン酸カリゥム中の力リゥムイオンに対して少なくと も 1倍当量の置換イオン源を含有してなる前記 〔4〕 記載の洗剤組成物、
〔6〕 更に界面活性剤及び 又はビルダーを含有する前記 〔4〕 記載の洗剤組成 物、
〔7〕 ビルダ一として、 カルシウムイオン捕捉能 1 0 0 m g C a C〇3 Z g以上 の金属イオン封鎖剤を 5重量%以上含有する前記 〔6〕 記載の洗剤組成物、 〔8〕 金属イオン封鎖剤が水溶性有機物質である前記 〔7〕 記載の洗剤組成物、 〔9〕 更にケィ酸塩を含有する前記 〔4〕 記載の洗剤組成物、
〔1 0〕 ケィ酸塩がケィ酸ナトリウムである前記 〔9〕 記載の洗剤組成物、
〔11〕 更にリン酸塩を含有する前記 〔4〕 記載の洗剤組成物、 〔12〕 リン酸塩がトリポリリン酸ナトリウムである前記 〔11〕 記載の洗剤組 成物、
〔13〕 メタリン酸カリウムの水中濃度 3 OmgZL以上、 浴比 2以上の条件下 で手洗い洗濯を行う方法、
〔14〕 メタリン酸カリウムを含有する洗濯用スベリ性改善剤造粒物、
〔15〕 メタリン酸カリウムの平均粒径が 0. 5 m 以上 200 im以下であ る前記 〔14〕 記載の洗濯用スベリ性改善剤造粒物、
〔16〕 手洗い洗濯用である前記 〔14〕 記載の洗濯用スベリ性改善剤造粒物、 〔17〕 更にバインダー物質を含有する前記 〔14〕 記載の洗濯用スベリ性改善 剤造粒物、
〔18〕 バインダー物質がポリエチレングリコールである前記 〔17〕 記載の洗 濯用スベリ性改善剤造粒物、
〔19〕 平均粒径が 100 /m以上 2000 m未満である前記 〔14〕 記載の 洗濯用スベリ性改善剤造粒物、
〔20〕 更に可溶化剤を含有する前記 〔14〕 記載の洗濯用スベリ性改善剤造粒 物、
〔21〕 前記 〔14〕 記載の洗濯用スベリ性改善剤造粒物及び可溶化剤を含有す る洗剤組成物、
〔22〕 前記 〔20〕 記載の洗濯用スベリ性改善剤造粒物を含有する洗剤組成物、 〔23〕 可溶化剤の量がメタリン酸カリウム中のカリウムイオンに対して 0. 5 倍当量以上である前記 〔21〕 記載の洗剤組成物、 並びに
〔24〕 更に界面活性剤及び 又はビルダーとを含有する前記 〔21〕 記載の洗 剤組成物
に関する。
図面の簡単な説明
第 1図は、 カルシウムイオン電極による C aイオン捕捉能測定法において作成 される検量線を示す概略図であり、 カルシウムイオン濃度の対数と電位の関係を 示し、
第 2図は、 カルシウムイオン電極による C aイオン捕捉能測定法において作成 されるカルシウムイオン濃度と、 サンプルの滴下量との関係を示す概略図である。 第 2図中のサンプルの滴下量 Aにおけるカルシウムイオン濃度がサンプルのカル シゥムイオン捕捉能となる。 発明の詳細な説明
本発明は、 手洗い洗濯時に、 被洗浄物間のスベリ性が改善されることによって、 軽い力で洗濯出来る事や、 洗濯物を擦る速度 (時間当たりの擦り回数) が増加し 易いなどのことで手洗いし易くし、 更には手洗い洗濯後の乾燥後の皮膚が柔らか く、 滑らかになったと感じられるハンドケア効果や洗濯機洗濯における、 攪拌な どの機械力によって生じる型くずれを回避するといつた衣類ケア効果をもなしう る洗濯用スベリ性改善剤、 手洗い洗濯用スベリ性改善剤、 これらのスベリ性改善 剤を含有する洗剤組成物、 並びに手洗い洗濯時において被洗浄物どうしを擦り合 わせるときのスベリ性を改善した手洗い洗濯方法に関する。
また、 手洗い洗濯を行う前に、 洗浄剤組成物を水に溶解させた液に被洗浄物を 数分から数時間の間、 浸潰して静置した後に、 手洗い洗濯を始めるケースが多い がその場合、 メタリン酸カリゥムの溶解によって発現されるスベリ性の向上効果 は、 経過時間とともに低下していく。 メタリン酸カリウム粉体の粒径を大きくす ることで、 スベリ性の持続時間を延長することが可能であるが、 メタリン酸カリ ゥムの溶け残りや衣類への付着が問題となってくる。 そのため、 本発明は、 メタ リン酸カリウムの溶け残りや衣類への付着を引き起こすことなく、 漬け置きしな い場合、 漬け置きした場合のいずれにおいても、 被洗浄物間のスベリ性の改善が
維持され、 軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度 (時間当たりの擦り回 数) が増加するなどのことで手洗い洗濯し易くする洗濯用スベリ性改善剤造粒物 及び該洗濯用スベリ性改善剤造粒物を含有する洗剤組成物に関する。
本発明のこれらおよび他の利点は、 下記説明により明らかになるだろう。 本発明者らは、 手洗い洗濯を手軽に行うというニーズに対して、 洗濯時におい て被洗浄物どうしを擦り合わせるときのスベリ性という、 全く新しい物性に着目 して鋭意研究を重ねた結果、 メ夕リン酸カリウムを含有してなる洗濯用スベリ性 改善剤を手洗い洗濯時に洗剤組成物とは別途添加するか、 あるいは上記洗濯用ス ベリ性改善剤を含有してなる洗剤組成物を用いることで上記課題を解決し、 本発 明を完成するに到った。 更には、 数分から数時間程度の浸漬洗浄を行った後に手 洗い洗濯を始めるケースが多いことを考慮し、 メ夕リン酸カリゥムを単独で造粒 したもの或いは、 バインダ一物質及び/又はその他の成分と造粒したものを用い ることによって、 添加直後の手洗い洗濯時だけでなく、 数分から数時間程度の浸 漬洗浄後の手洗い洗濯においても、 軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度 (時間当たりの擦り回数) が増加するなどのことで、 手洗い感触を高める事を見 出し、 本発明を完成するに到った。
<洗濯用スベリ性改善剤 >
洗濯用スベリ性改善剤は、 スベリ性改善剤含有洗剤として洗剤と混合して用い たり、 洗濯時に直接、 洗剤とは別に添加して用いることもできる。
本発明の洗濯用スベリ性改善剤は、 メ夕リン酸カリゥムを含有してなるもので あり、 具体的には、 メタリン酸カリウム単体及びメタリン酸カリウムと他の基剤 との混合物を指す。
メタリン酸カリウムは、 後述する。 また、 他の基剤とは、 メタリン酸カリウム の働きを阻害することなく洗剤組成物として一般的に用いられるものなら何を用
いても良く、 例えば、 芒硝、 ゼォライト、 ポリエチレングリコール又はアルキル 硫酸塩等を適宜用いることができる。
メタリン酸カリウムの量としては、 洗濯用スベリ性改善剤中、 3 0〜 1 0 0重 量%が好ましく、 5 0〜 1 0 0重量%がより好ましい。
かかる構成を有する洗濯用スベリ性改善剤は、 メタリン酸カリウム単体である 場合、 メタリン酸カリウムをそのまま使用してもよく、 粉砕処理して微粉状にし てもよい。
また、 メタリン酸カリウムと他の基剤との混合物である場合、 これらの成分を 公知の方法で混合することで製造することができる。
本発明の洗濯用スベリ性改善剤は、 手洗い洗濯時、 被洗浄物間のスベリ性を改 善して、 手洗いし易くし、 更に手洗いにおける感触を高め、 更にハンドケア、 衣 類ケアをもなしうるという作用を有するものである。 したがって、 本発明は、 手 洗い洗濯用スベリ性改善剤にも関する。
洗濯用スベリ性改善剤 (以下、 「スベリ性改善剤」 と略す) の形態は、 特に限 定されず、 粉末、 顆粒、 液体、 又はスラリー/ペースト状のいかなる剤形でも良 いが、 スベリ性を衣類に速やかにまんべんなく発現させるために、 粉末若しくは 顆粒の形態で用いることが好ましい。
また、 前記スベリ性改善剤を顆粒状又はカプセル状にした造粒物とすることで、 メ夕リン酸カリウムの溶け残りや衣類への付着を引き起こすことなく、 漬け置き しない場合、 漬け置きした場合のいずれにおいても、 被洗浄物間のスベリ性の改 善が維持され、 軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度 (時間当たりの擦り 回数) が増加するなどのことで手洗い洗濯し易くするという利点がある。 かかる 洗濯用スベリ性改善剤造粒物については後述する。
本発明のスベリ性改善剤又はスベリ性改善剤造粒物は、 使用時の簡便性、 溶解 性の観点から、 洗剤組成物中に含有されることが好ましい。 なお、 前記スベリ性 改善剤は、 使用する洗剤組成物の組成 ·形態 '製造法等によって限定されず、 後
述の可溶化剤を含有する全ての洗剤組成物においてその効果を発現できる。 ぐ洗剤組成物 >
本発明の洗剤組成物は、 前記スベリ性改善剤及びノ又はスベリ性改善剤造粒物 及び可溶化剤を含有する点に一つの大きな特徴がある。 かかる特徴を有するため に、 洗濯時に洗剤組成物が溶解した洗濯液がローション状の粘稠溶液となり、 手 洗い洗濯時でも、 被洗诤物間のスベリ性が改善されることによって、 軽い力で洗 濯できることや洗濯物を擦る速度が増加しやすいなどの手洗い性を改善し、 更に は手洗い洗濯後の乾燥後の皮膚が柔らかく、 滑らかになったと感じられるハンド ケア効果や衣類ケア効果が発現される。
洗剤組成物は、 粉末、 顆粒、 液体、 又はペースト状等のいかなる剤型でもよく、 又二次加工により凝集体、 錠剤等に成形されていてもよいが、 スベリ性を衣類に 速やかにまんべんなく発現させるために、 粉末若しくは顆粒の形態であることが 好ましい。
なお、 本発明において洗濯液とは、 前記洗剤組成物が溶解 ·懸濁された、 等の 洗濯を行うための液をいう。 以下に本発明に用いられる各成分について説明する。
1 . メタリン酸カリウム
本発明に用いられるメ夕リン酸カリゥムとは、 水への溶解度が非常に低いが、 洗濯液中では可溶化剤 (ナトリウムイオン源、 リチウムイオン源、 アンモニゥム イオン源を含有する化合物) との塩交換により水溶性を呈する物質である。 なか でも (K P 03 ) ηで表される高分子量のメタリン酸カリウム (分子量 =約 1万 〜数千万) が手洗い洗濯時の被洗净物間のスベリ性を改善し、 手洗い洗濯性を向 上させるのに好適である。 ここでメタリン酸カリウムとは、 カリウムが一部ナト リゥムゃリチウム等に置換されているものも含む。
メタリン酸カリウムは一般的に以下に示すような製法で、 製造される。
nKH2 P〇4 → (ΚΡ〇3) η + ηΗ2〇
即ち、 リン酸二水素カリウム (ΚΗ2 Ρ04 ) を加熱して分子間脱水を行うこ とにより、 メタリン酸カリウムが生成するが、 加熱温度と時間の差等の因子によ り各種重合度の製品が得られ、 脱水反応を高温で行うほど重合度は大きくなる。 脱水反応を行う際の焼成温度としては、 浸漬後すベり性の観点から、 400で 以上が好ましく、 500で以上がより好ましく、 600 以上が更に好ましく、 また、 エネルギー消費の観点から、 1 50 Ot:以下が好ましく、 1300 以下 がより好ましく、 1200 以下が更に好ましい。 .
メタリン酸カリウムの分子量としては、 手洗い性改善の観点から、 1万以上が 好ましく、 10万以上がより好ましく、 20万以上が更に好ましく、 50万以上 が更に好ましい。 入手のし易さから、 5千万以下が好ましく、 2千万以下がより 好ましい。 また、 メタリン酸カリウムは、 可溶化剤の存在下で水溶性を呈すれば、 その分子量には特に上限は無く、 高分子量のものほど手洗い性改善効果は高い。 なお、 加熱時にリン酸ニ水素力リゥム以外に一部リン酸ニ水素ナトリゥム等が含 まれていた場合も、 分子間脱水 (縮合) したものであればスベリ性改善剤として の効果を発現できる。
また、 メタリン酸カリウムは、 浸漬後すベり性の観点から、 その KZPモル比 が 1未満であることが好ましく、 より好ましくは (1を除く) 〜0. 8、 更に好 ましくは 0. 999〜0. 9、 更に好ましくは 0. 999〜0. 94、 更に好ま しくは 0. 995〜0. 96、 更に好ましくは 0. 99〜0. 98である。 なお、 本発明でいう K/Pモル比とは、 後述の実施例に記載の測定方法により測定され る値をいう。
洗剤組成物におけるメ夕リン酸カリウムの含有量は、 手洗い性向上の観点から、 洗剤組成物 100重量部に対して 0. 5重量部以上が好ましく、 1重量部以上が より好ましく、 3重量部以上が更に好ましく、 5重量部以上が更に好ましく、 7
重量部以上が更に好ましく、 10重量部以上が更に好ましい。 また、 洗浄後の被 洗浄物の取り扱い性を維持する観点から、 洗剤組成物 100重量部に対して 30 重量部以下が好ましく、 20重量部以下がより好ましい。
なお、 洗剤組成物中の非イオン界面活性剤の量及び全界面活性剤成分に対する 比率の上昇に応じて、 メ夕リン酸カリウムの配合量も増加することが好ましい。 また、 良好な手洗い性を得るという観点から、 洗剤組成物を溶解して洗濯液を 調製した場合のメタリン酸カリウム水中濃度が 15m g/L以上が好ましく、 3
OmgZL以上がより好ましく、 6 OmgZL以上が更に好ましい。 また、 洗浄 後の被洗浄物の取り扱い性の観点から 300 OmgZL以下が好ましく、 150
OmgZL以下がより好ましく、 100 OmgZL以下が更に好ましい。 更には, 浴比 (水と衣類の重量の比率:水重量 衣類重量) の低下、 洗濯液硬度の増加、 洗剤組成物中の非イオン界面活性剤の量及び全界面活性剤成分に対する比率の上 昇に応じて、 前記メタリン酸カリウム水中濃度を増加させることが好ましい。
2. 可溶化剤
メタリン酸カリウムは、 水に極めて難溶性であるが、 可溶化剤の存在下で水溶 性を呈する。 ここでいう可溶化剤とは、 メタリン酸カリウム中のカリウムを置換 できるナトリゥムイオン源及びノまたはリチウムイオン源及び 又はアンモニゥ ムイオン源を含有する化合物のことを言う。 よって、 洗剤組成物中において、 メ 夕リン酸力リウムを含有してなる前記スベリ性改善剤又はスベリ性改善剤造粒物 と可溶化剤とを併用することで、 洗剤組成物を水に溶解させた際でもメ夕リン酸 カリウムが溶解し、 洗濯水がローション状の粘稠溶液となり、 その結果、 被洗浄 物間のスベリ性が向上し、 手洗い性が向上するという利点がある。
前記可溶化剤としては、 メ夕リン酸カリウム中のカリウムを置換するすべての ナトリゥム源及び Z又はリチウムイオン源及び 又はアンモニゥムイオン源を包 含する。 更に有用なのはナトリウム、 リチウム及びアンモニゥムの無機塩及び有
機塩、 例えば炭酸ナトリウム、 塩化ナトリウム、 硫酸ナトリウム、 亜硫酸ナトリ ゥム、 クェン酸ナトリウムなどのカルボン酸ナトリウム、 リン酸ナトリウム、 ケ ィ酸ナトリウム、 ポリカルボン酸ポリマ一ナトリウム塩、 ポリスルホン酸ポリマ 一ナトリウム塩、 ハロゲン化リチウム及び硫酸リチウムである。 中でも、 ナトリ ゥムの無機塩又は有機塩が最も好ましい。 また、 界面活性剤または脂肪酸の塩形 態、 金属イオン封鎖剤等も可溶化剤となりうる。
前記メタリン酸カリウムは、 メタリン酸カリウム中のカリゥムイオンがナトリ ゥムイオン及び/又はリチウムイオン及び Z又はアンモニゥムイオンに置換され ることにより水溶性を呈するため、 良好な手洗い洗濯性を得るにはメタリン酸カ リウムが溶解できる状態で用いることが求められる。 メタリン酸カリウム中の力 リウムの一部を置換できれば効果を発現できるが経済性の観点からは、 洗濯液中 に含まれるメ夕リン酸カリゥム中の力リゥムイオンを完全に置換できる量のナト きる可溶化剤の量が好ましい。 かかる可溶化剤の量としては、 メタリン酸力リウ ム中の力リゥムイオンと同量のナトリウムイオン及び 又はリチウムイオン及び 又はアンモニゥムイオンを供給できる量を 1倍当量とすると 0 . 5倍当量以上 が好ましく、 1倍当量以上がより好ましく、 その 2倍当量以上が更に好ましく、 3倍当量以上が更に好ましい。 一方、 カリウムイオンに対して、 過剰のナトリウ ムイオン及び/又はリチウムイオン及び/又はアンモニゥムイオンの存在下では、 手洗い洗濯性の改善効果が小さい。 この点から、 可溶化剤の量は、 4 0 0倍当量 以下が好ましく、 2 0 0倍当量以下より好ましく、 1 0 0倍当量以下が更に好ま しい。 また、 よりスベリ性改善効果を維持する観点から、 前記の量は、 3 0倍当 量以下が好ましく、 2 0倍当量以下がより好ましい。
なお、 洗剤組成物中に別の目的で必要量のナトリウムイオン及び Z又はリチウ ムイオン及び 又はアンモニゥムイオンが配合されている場合は、 可溶化剤を別 途配合する必要はない。
3 . 界面活性剤及び/又はビルダー
本発明の洗剤組成物には、 界面活性剤及び Zビルダーを含有することができる。 界面活性剤としては、 一般的に使用されているものを用いることができる。 例 えば、 陰イオン界面活性剤、 非イオン界面活性剤が挙げられる。 その例としては、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 アルキルエーテル又はアルケニルエーテル硫酸 塩、 アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩、 α -ォレフインスルホン酸塩、 ァ ルカンスルホン酸塩、 Ν -ァシルアミノ酸型界面活性剤、 アルキル又はアルケニ ルエーテルカルボン酸塩、 アミノ酸型界面活性剤、 アルキル又はアルケニルリン 酸エステルまたはその塩等の陰イオン界面活性剤、 ポリオキシアルキレンアルキ ル (又はアルケニル) エーテル、 ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、 高級脂肪酸アル力ノールアミド又はそのアルキレンォキシド付加物、 ショ糖脂肪 酸エステル、 アルキルグリコシド、 脂肪酸グリセリンモノエステル等の非イオン 界面活性剤が挙げられる。
中でも、 スベリ性効果を高める観点からは、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 アルキルエーテル硫酸塩、 アルキル硫酸エステル塩が好ましく、 アルキルべンゼ ンスルホン酸ナトリゥムが更に好ましい。
前記陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の含有量は、 洗剤組成物中に おいて洗浄性能の観点から、 5重量%以上が好ましく、 1 0重量%以上がより好 ましく、 1 2重量%以上が更に好ましく、 1 5重量%以上が更に好ましく、 1 7 重量%以上が更に好ましい。 また、 粉末物性の観点から、 4 0重量%以下が好ま しく、 3 5重量%以下がより好ましく、 3 0重量%以下が更に好ましく、 2 6重 量%以下が更に好ましい。
本発明の洗剤組成物には、 更にべ夕イン型両性界面活性剤、 リン酸エステル系 界面活性剤、 石鹼、 陽イオン界面活性剤等の界面活性剤も適宜配合することがで きる。
ビルダーとしては、 金属イオン封鎖剤、 アルカリ剤、 再汚染防止剤等が挙げら れる。
中でも、 洗濯水中の硬度成分量の上昇に伴い、 スベリ性改善効果が低下する特 徴があるため、 ビルダーとして、 金属イオン封鎖剤を洗剤組成物に配合し、 洗濯 水中の硬度成分を捕捉することは、 メ夕リン酸カリウムの性能発現に非常に効果 的である。 更にカルシウムイオン捕捉能 1 0 O m g C a C OaZ g以上である金 属イオン封鎖剤がより効果的である。 かかる金属イオン封鎖剤としては、 ゼオラ イト、 結晶性ゲイ酸塩などのイオン交換体、 ポリアクリル酸塩、 アクリル酸-マ レイン酸共重合体 (塩) 等のポリマー、 トリポリリン酸ナトリウム塩、 エチレン ジァミン四酢酸塩、 メチルグリシン二酢酸塩、 クェン酸塩等のキレート剤等の水 溶性有機物質が挙げられる。
炭酸ナトリゥムと非晶質ゲイ酸ナトリゥムは金属イオン封鎖剤に含まない。 アルカリ剤としては、 炭酸塩やケィ酸塩が挙げられる。 スベリ性効果を高める 観点からは、 非晶質ゲイ酸ナトリウムが好ましい。
再汚染防止剤には、 カルボキシメチルセルロース、 ポリエチレングリコール等 が挙げられる。
ビルダーの配合量としては、 手洗い性向上の観点から、 洗剤組成物中、 5重 量%以上が好ましく、 1 0重量%以上がより好ましく、 1 5重量%以上が更に好 ましく、 2 0重量%以上が更に好ましく、 また、 配合のバランスの観点から、 6 0重量%以下が好ましく、 4 0重量%以下がより好ましく、 3 0重量%以下が更 に好ましい。
4 . ゲイ酸塩、 リン酸塩 (メタリン酸カリウムを除く)
本発明の洗剤組成物には、 ゲイ酸塩、 リン酸塩を配合することでスベリ性改善 効果が更に向上できる利点がある。
ゲイ酸塩としては、 非晶質、 結晶性のものが知られており、 いずれのものも用
いることができる。 ここで S i 02 /M2 O比 (Mはアルカリ金属) として 1 以 上、 好ましくは 1 . 5以上、 より好ましくは 2以上、 また、 4以下が好ましく、 3以下がより好ましい。 ここで更に好ましくは非晶質ゲイ酸ナトリゥムであり、 JIS 1号ケィ酸ナトリウムや JIS 2号ケィ酸ナトリウムを好適に用いることが できる。 その配合量としては、 手洗い洗濯性の観点から、 洗剤組成物中、 3重 量%以上が好ましく、 5重量%以上がより好ましく、 7重量%以上が更に好まし い。 また、 スベリ性改善効果を高く維持しながら、 洗濯時の溶け残りを抑制する 観点から、 前記配合量は、 3 0重量%以下が好ましく、 2 0重量%以下がより好 ましい。
リン酸塩としては、 トリポリリン酸ナトリウム、 ピロリン酸ナトリウム、 リン 酸一ナトリウム、 リン酸ニナトリウム、 リン酸三ナトリウム等が挙げられるがト リボリリン酸ナトリウムが好ましく、 その配合量としては、 手洗い性の観点から、 洗剤組成物中、 5重量%以上が好ましく、 1 0重量%以上がより好ましく、 1 5 重量%以上が更に好ましい。 また、 スベリ性改善効果と洗浄力を両立する観点か ら、 4 0重量%以下が好ましく、 3 0重量%以下がより好ましい。
本発明においては、 前記成分の中でも、 金属イオン封鎖剤、 ケィ酸塩、 リン酸 塩を上記の量で配合することで、 メ夕リン酸カリゥムの配合量を低減させても手 洗い洗濯性が良好に保たれるメリッ卜がある。
5 . その他添加剤
本発明の洗剤組成物には、 酵素、 香料、 蛍光染料、 色素等も適宜配合すること ができる。
6 . 洗剤組成物の製造方法
前記のような構成を有する本発明の洗剤組成物は、 前記各成分を公知の方法で 適宜混合することにより製造することができる。
なお、 本発明の洗剤組成物中に含有されるメタリン酸カリウムは、 前記のよう に、 水中において、 可溶化剤の存在下で水溶性を呈するようになるため、 製造プ 口セス、 又は保存時における水分を低減させることが好ましい。 例えば、 噴霧乾 燥法にて洗剤組成物を製造する場合には、 噴霧乾燥工程後の造粒工程、 表面改質 工程及びアフターブレンド工程等でスベリ性改善剤及び 又はスベリ性改善剤造 粒物を添加することが望ましい。
また、 手洗い洗濯時にスベリ性改善剤を除く成分からなる洗剤組成物と、 スべ リ性改善剤とを別々に添加して洗濯液を調製する場合は、 溶解時の継粉発生抑制 のため、 洗濯用スベリ性改善剤としてはメ夕リン酸カリゥムと他の基剤との混合 物を用いることが好ましい。
また、 可溶化剤は、 洗濯用スベリ性改善剤又はスベリ性改善剤造粒物中及び 又は洗剤組成物中に含有されていれば良く、 必ずしも洗剤組成物中に含有されて いる必要はない。
かかる洗剤組成物の例としては、 例えば特許庁公報 10(1998)·25(7159) 周知 慣用技術集 (衣料用粉末洗剤) に記載の組成及び製造方法にて得られる洗剤組成 物等が挙げられる。
<スベリ性改善剤造粒物 >
本発明の洗濯用スベリ性改善剤造粒物は、 メタリン酸カリウムを含有し、 かつ 造粒物である点に大きな特徴がある。
かかる特徴を有する本発明の洗濯用スベリ性改善剤造粒物は、 メ夕リン酸カリ ゥムの溶け残りや衣類への付着を引き起こすことなく、 漬け置きしない場合、 更 には長時間漬け置きした場合においても、 被洗浄物間の良好なスベリ性が維持さ れ、 軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度が増加し易い等の手洗い洗濯を し易くすることができるという作用を有する。
また、 洗濯機洗濯においては攪拌等の機械力によって生じる型くずれ等の原因
となる繊維の傷みに対して、 繊維間のスべリ性を高めることで布傷みを回避する ことができる。
したがって、 本発明は、 手洗い洗濯用スベリ性改善剤造粒物にも関する。
本発明において、 造粒物とは、 メタリン酸カリウム単独で造粒したもの或いは メタリン酸カリゥムとバインダ一物質及び Z又はその他の成分とを造粒したもの を示し、 その形状としては、 顆粒状、 カプセル状等が挙げられる。
本発明では、 このように、 造粒物化することで、 製造プロセスにおける洗剤組 成物への添加時のハンドリング性の向上や洗濯時に洗剤組成物と別途添加する場 合の継粉発生を抑制することができるという利点もある。
以下に本発明の洗濯用スベリ性改善剤造粒物 (以下、 単に造粒物ともいう) に 用いられる各成分について説明する。
1 . メタリン酸カリウム (造粒物に用いる場合)
メ夕リン酸カリウムとしては、 前記スベリ性改善剤に使用されるものと同じも のであればよい。
造粒物に配合されるメ夕リン酸カリゥムの平均粒径としては、 ハンドリングの 観点から 0 . 5 i m以上が好ましく、 1 / m以上がより好ましく、 5 m以上が 更に好ましく、 1 0 // m以上が更に好ましく、 3 0 m以上が更に好ましい。 一 方、 造粒性及び溶解性 (溶解残ノ衣類への付着抑制) の観点から、 3 0 0 / m以 下が好ましく、 2 0 0 z m以下がより好ましく、 1 0 0 m以下が更に好ましい。 メタリン酸カリウムの平均粒径を前記範囲に調整する方法としては、 不二バウ ダル (株) 社製アトマイザ、 ホソカワミクロン (株) 社製ピンミル等の公知の粉 砕機により粉砕処理する方法が挙げられる。
このように造粒に用いるメ夕リン酸カリウムを小粒径化することで、 溶け残り や衣類への付着を抑制できるという利点がある。
メタリン酸カリウムの含有量としては造粒物中、 配合性の観点から 1 0重量%
以上が好ましく、 3 0重量%以上がより好ましく、 5 0重量%以上が更に好まし レ 一方、 溶解性の観点からは、 9 5重量%以下がより好ましく、 9 0重量%以 下が更に好ましく、 8 0重量%以下が更に好ましい。
本発明において、 前記メタリン酸カリウムは、 単独で造粒しても、 バインダー 物質や他の成分と混合して造粒してもよい。
2 . バインダー物質
バインダー物質としては、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物を構成する成分同士を 結合させる能力を持つものであれば特に限定はされないが、 該造粒物の溶解性の 観点から、 水溶性バインダーが好ましく、 保存安定性の観点から 40で以下で凝 固して結合性を有する熱可塑性水溶性バインダ一が更に好ましい。 水溶性バイン ダ一としては、 平均分子量 2000〜30000、 好ましくは 5000〜: 15000のポリェチ レンダリコール、 炭素数 8〜: 18 の飽和または不飽和脂肪酸等が用いられ、 更に ポリエチレングリコールが好ましい。 これらは単独で使用しても混合で使用して もよい。 バインダー物質の量は、 メタリン酸カリウムに対して重量比で 0.05 倍 量以上が好ましく、 0.07倍量以上がより好ましく、 また、 10倍量以下が好まし く、 4倍量以下がより好ましく、 3倍量以下が更に好ましい。
3 . その他の成分
造粒物におけるその他の成分としては、 メ夕リン酸カリゥムの働きを阻害する ことなく洗剤組成物として一般的に用いられるものなら何を用いても良く、 可溶 化剤や金属イオン封鎖剤、 ゲイ酸塩、 リン酸塩等を適宜用いることができる。 中でも、 造粒物は、 可溶化剤を含有することで洗剤本体に可溶化剤を配合する 必要がないという利点がある。 可溶化剤としては、 前記のものであればよい。
4 . 造粒物の製造方法
本発明の造粒物の製造方法は、 特に限定されないが、 例えば、 攪拌転動造粒法、 押出造粒法、 噴霧冷却法等によって製造できる。 攪拌転動造粒法の場合、 例えば、 メタリン酸カリウム、 バインダー物質及び可溶化剤 (ナトリウム源及び/又はリ チウム源) などのその他の成分を混合し、 昇温してバインダー物質を溶解させて 造粒した後に冷却する方法や、 メタリン酸カリウム、 及び可溶化剤 (ナトリウム 源及び 又はリチウム源) などのその他の成分を攪拌混合しながら、 溶融したバ インダー物質を添加し造粒する方法、 メタリン酸カリウム、 及び可溶化剤 (ナト リウム源及び Z又はリチウム源) などのその他の成分を攪拌混合しながら、 バイ ンダ一水溶液を添加し造粒した後、 乾燥する方法等がある。 押出造粒法の場合例 えば、 メタリン酸カリウム、 バインダー物質及び可溶化剤 (ナトリウム源及びノ 又はリチウム源) などのその他の成分を溶融混合し、 押出造粒機を通して造粒す る方法、 メタリン酸カリウム、 バインダー水溶液及び可溶化剤 (ナトリウム源及 び 又はリチウム源) などのその他の成分を溶融混合し、 押出造粒機を通して造 粒した後、 乾燥する方法等がある。 噴霧冷却法の場合例えば、 メタリン酸力リウ ム、 バインダー物質及び可溶化剤 (ナトリウム源及び 又はリチウム源) などの その他の成分を溶融混合し、 ノズルから低温の空間へ噴霧し造粒物を得る方法等 がある。
なお、 可溶化剤を使用する場合、 メタリン酸カリウムは可溶化剤の存在下で水 分によって溶解、 増粘するため、 造粒時の水分を抑制することが好ましい。 この 様な場合にはバインダー物質として 40で以下では凝固して結合性を有する熱可 塑性の水溶性バインダーを使用するのが好適である。 かかる水溶性バインダ一と しては、 平均分子量 2000〜30000、 好ましくは 5000〜15000のポリエチレング リコール、 炭素数 8〜 1 8の飽和又は不飽和脂肪酸等が挙げられ、 更にポリェチ レンダリコールが好ましい。 また、 バインダー物質として水及びバインダー水溶 液を使用する場合には、 後工程で十分に乾燥することが好ましい。
造粒に用いられる装置としては、 攪拌転動造粒法では例えば深江工業 (株) 製
ハイスピードミキサー、 太平洋機ェ (株) 製プロシェアミキサー等が、 押出造粒 機としては例えば不二パゥダル (株) 製のペレツ夕一ダブル、 ツインドームダラ ン等がある。
かかる方法で得られる造粒物は、 造粒後、 外観及び収率を向上する等の目的か ら、 必要に応じ解砕、 球形化等により整粒を行なっても良い。 解砕に用いる装置 としては、 (株) ダルトン製のパワーミル、 不二バウダル (株) 製のフラッシュ ミル, Fitzpatrick社 (米国) 製のフィッツミル、 Comil社 (加国) 製のコ一ミ ル、 岡田精ェ (株) 製スピードミル等が挙げられ、 球形化装置としては不二バウ ダル (株) 製のマルメライザ一等が挙げられる。 前記熱可塑性の水溶性バインダ 一を使用した場合、 解砕機に供給する温度は常温付近まで冷却されていることが 好ましく、 例えば造粒物を振動冷却器に供給し、 所定の温度まで冷却後に解砕す ると、 解砕物の解砕機内での付着が抑制されるという利点がある。
整粒された造粒物は、 微粉及び 又は粗粉を低減する為に、 分級によって所望 の粒度に調整しても良い。 分級して粒度を調整することにより、 使用時の外観を 向上させることができる。 分級によって生じた微粒及びノ又は粗粉は例えば粉砕 して造粒原料として使用、 あるいは再溶融によって原料として使用し、 収率を向 上させることができる。
5 . 造粒物の品質
本発明の造粒物の粒径としては、 手洗い性改善効果の持続性の観点から、 平均 粒径が 1 0 0 以上が好ましく、 1 5 0 m以上がより好ましく、 2 0 0 ΙΏ 以上が更に好ましい。 また、 外観及び溶解性の観点から 2 0 0 0 未満が好ま しく、 1 5 0 0 z m未満がより好ましく、 1 0 0 0 m未満が更に好ましい。 中でも、 外観及び分級性の観点からは、 球状がもっとも好ましく、 球形化を行 なわない押出造粒物の場合には押出径と長さの比が 1に近いものが好ましい。 ま た、 外観の観点からは粒度分布についてもできるだけ揃っているものの方が好ま
しい。 一方、 保存安定性の観点から、 造粒物中の水分値は最終製品で 1 0重量% 以下が好ましく、 5重量%以下がより好ましく、 1重量%以下が更に好ましい。 かかる方法で製造されるスベリ性改善剤造粒物は、 前記のスベリ性改善剤と同 様に洗浄剤組成物中に含有させることができる。 以上のような構成を有する本発明のスベリ性改善剤及び 又はスベリ性改善剤 造粒物含有洗剤組成物を用いることにより、 メタリン酸カリゥムの溶け残りや衣 類への付着を引き起こすことなく、 漬け置きしない場合、 漬け置きした場合のい ずれにおいても、 被洗浄物間のスベリ性の改善が維持され、 洗浄性を阻害させる ことなく手洗い洗濯し易くし、 更にハンドケアをもなしうるという効果が発現さ れる。
<手洗い洗濯方法 >
本発明の手洗い洗濯方法は、 メタリン酸カリウム水中濃度 3 O m g / L以上、 浴比 2以上の条件下で、 手洗いで洗濯を行う方法であり、 例えば、 メタリン酸力 リウムを洗剤成分の一部としてあるいは洗剤成分と別に洗濯液に添加して手洗い で洗濯を行う方法等が挙げられる。 具体的な態様としては、 前記スベリ性改善剤 又はスベリ性改善剤造粒物を洗剤成分の一部としてあるいは洗剤成分と別に洗濯 液に添加して手洗いで洗濯を行う方法が挙げられる。
本発明においては、 前記のように、 メタリン酸カリウムの水中濃度と浴比とを 特定の範囲に調整することで、 洗濯液がローション状の粘稠溶液となり、 被洗浄 物間のスベリ性が向上した実感が得られ、 また、 浴比の上昇に伴い、 メタリン酸 カリウムの溶解性、 被洗浄物表面への吸着が促進され、 被洗浄物間のスベリ性が 向上した実感が得られるという利点がある。
メタリン酸カリウムの水中濃度としては、 スベリ性向上の観点から、 1 5 m g /L以上が好ましく、 3 O m g Z L以上がより好ましく、 6 0 m g ZL以上が更
に好ましい。 また、 洗濯後の被洗浄物取り扱い性の観点から、 3 0 0 0 m g Z L 以下が好ましく、 1 5 0 O m g Z L以下がより好ましく、 1 0 0 0 m g / L以下 が更に好ましい。 また、 浴比の低下、 洗濯水硬度の増加、 洗剤組成物中の非ィォ ン界面活性剤の量及び全界面活性剤成分に対する比率の上昇に応じて、 メ夕リン 酸カリウム水中濃度を増加させることが好ましい。
また、 浴比 (水と衣類の重量の比率) は、 溶解性、 被洗浄物間への吸着の観点 から、 2以上が好ましく、 3以上がより好ましく、 4以上が更に好ましく、 5以 上が更に好ましい。 また、 洗濯のし易さの観点から 2 0以下が好ましく、 1 5以 下がより好ましい。 以上のような構成を有する本発明の洗濯方法を用いることにより、 手洗い洗濯 時において被洗浄物どうしを擦り合わせるときのスベリ性を改善することができ、 加えて、 軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度 (時間当たりの擦り回数) が増加するなどのことで手洗いにおける感触を高め、 更にハンドケアをもなしう るという効果が発現される。
また、 本発明の洗濯方法を用いることにより、 手洗い洗濯は勿論、 洗濯機洗濯 においても、 攪拌などの機械力によって生じる型くずれなどの原因となる繊維の 傷みに対して、 繊維間のスベリ性を高めることで布傷みを回避することができる という、 所謂衣類ケア効果も発現され得る。
また、 メタリン酸カリウムの溶け残りや衣類への付着を引き起こすことなく、 漬け置きしない場合、 漬け置きした場合のいずれにおいても、 被洗浄物間のスべ リ性の改善が維持され、 軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度 (時間当た りの擦り回数) が増加するなどのことで手洗いにおける感触を高め、 更にハンド ケアをもなしうるという効果が発現される。 本発明においては、 次に示す手洗い洗濯評価方法に準じた洗濯条件で手洗い洗
濯を行うことにより更に好ましいスベリ性改善効果を評価することができる。 また、 メタリン酸カリゥム配合による洗濯液の粘度上昇がヌル付き性発現要因 となり、 その結果、 スベリ性が改善されているため、 洗濯液の粘度測定により、 手洗い洗濯性を定量評価することができる。
<手洗い洗濯評価方法 >
[手洗い洗濯条件]
本発明における手洗い洗濯の評価方法を以下に説明する。 2 5 に調整した 8 9 . 3 m g C a C〇3 ノリツトルに相当する 2リットルの硬水 (C a ZM gモル 比 7 Z 3 ) を直径 3 O c m, 深さ 1 3 c m、 容量 8 . 2 Lのポリプロピレン製洗 面器 (Y A Z A K I製) の中に満たし、 1 5 gとなるように秤量した洗剤組成物 を水中に投入した後、 水が洗面器より飛散しない程度に手によって攪拌し続ける。 攪拌開始から 3 0秒後に綿 1 0 0 %の Tシャツ (グンゼ製白、 Lサイズ) を洗面 器の中の洗浄水に Tシャツ全体が十分に濡れるように浸した後、 Tシャツの後背 部より Tシャツの胸部を両手で握り、 Tシャツの胸部どうしを擦り合わせる。 こ のとき擦り合わせる部分は洗浄水から出した状態で行う。 3回から 5回擦り合わ せる毎に一旦洗浄水に擦り合わせる部分を浸す。 擦り合わせるときの擦り易さを スベリ性として判定し、 1〜5ランクとする。 上記の調整水のみでこの評価を行 つた場合、 Tシャツのしわがスベリ性を阻害し、 また擦り合わせる部分に泡が無 いため非常に擦りにくく、 スベリ性が悪い。 このときをスベリ性: 1とする。 各 ランクの状態を下記に示す。
ランク 1 : スベリ性が非常に低く、 きしみ感があり、 手洗い洗濯が非常にしにく い。
ランク 2 :スベリ性が低く、 きしみ感があり、 手洗い洗濯がしにくい。
ランク 3 :スベリ性が中程度できしみ感がなく手洗い洗濯できる。
ランク 4 :スベリ性が高く、 きしみ感がなく、 手洗い洗濯がしゃすい。
ランク 5 : スベリ性が非常に高く、 きしみ感がなく、 手洗い洗濯が非常にし易い。 なお、 上記試験において、 6人のパネラー評価結果の平均値を求めランクとし た。 実施例
以下、 実施例により本発明を具体的に説明するが、 これらの実施例に限定され るものではない。 なお、 表 1には各実施例、 比較例で得られた洗剤組成物の組成 を示す。 以下に、 本発明における物性値の測定法を記載する。
〔金属イオン捕捉能の測定〕
金属イオン捕捉能は、 金属イオン封鎖剤がイオン交換体の場合とポリマーゃキ レート剤の場合に対応して、 それぞれ以下のような方法で測定した。
ぐイオン交換体の場合 >
イオン交換体 0. l gを精秤し、 塩化カルシウム水溶液 (濃度は C aC〇3 と して 500 p pm) 10 Om l中に加え、 25でで 60分間攪拌した後、 孔サイ ズ 0. 2 /zmのメンブランフィルタ一 (アドバンテック社、 ニトロセルロース 製) を用いてろ過を行い、 そのろ液 10m 1中に含まれる C a量を EDTA滴定 により測定した。 その値よりイオン交換体のカルシウムイオン交換容量 (力チォ ン交換容量) を求めた。
<ポリマーゃキレー卜剤の場合 >
溶液は全て以下の緩衝液を用いて調整した。
緩衝液; 0. 1 M-NH4 C 1 -NH4 OHバッファ一 (pH 10. 0)
(1)検量線の作成
標準カルシウムイオン溶液を作成し、 第 1図の如きカルシウムイオン濃度の対 数と電位の関係を示す検量線を作成した。
(2)カルシウムイオンの捕捉能の測定
10 OmLメスフラスコに約 0. l gのサンプルを秤量し、 上記の緩衝液で 1 0 OmLにした。 これに、 20000 p pm (C a C03 換算) に相当する C a C 12 水溶液 (pH 1 0. 0) をビュレツ卜から滴下した (ブランクも測定し た) 。
滴下は C a C 12 水溶液を 0. 1〜0. 2m 1ずつ加えて行い、 その時の電位 を読み取り、 第 1図の検量線よりカルシウムイオン濃度を求めた。
第 2図中のサンプルの滴下量 Aにおけるカルシウムィォン濃度がサンプルの力 ルシゥムイオン捕捉能となった。
<メタリン酸カリウム分子量の測定方法 >
メタリン酸力リウムの分子量とは重量平均分子量のことを指し、 ゲルパーミェ ーシヨンクロマトグラフィー (GPC) を用いて以下の条件で測定し、 ポリェチ レンダリコールの較正曲線を用いて換算した。
カラム;東ソー (株) 社製 GMPWXL + GMPWXL
移動相; 0. 02Mリン酸緩衝液 アセトニトリル =90ノ 10 (重量比) 温度; 40°C
流速; 1 mL/m i n
サンプル濃度、 量; 0. 1重量% (可溶化剤トリポリリン酸ナトリウム 0. 6重 量%) 、 100 1
検出器;示差屈折率検出器 (R I D) ぐメタリン酸カリゥムの平均粒径の測定方法 >
レーザー散乱粒度分布計 (堀場製作所 LA-920) を用い、 屈折率 1.2 、 超音波 強度 7 、 超音波照射時間 1 分、 攪拌速度 4の条件で、 25でのイオン交換水を分 散媒として試料 (メタリン酸カリウム) を測定し、 体積基準としてメタリン酸力
リウムの平均粒径 ( m) を求めた。 ここでいう平均粒径とはメジアン径を指す。
ぐ漬置対応時間時間測定法 >
洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物又は、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物含有 洗剤組成物 3g を 25 :に調整した 89. 3mgC aC03 Zリツトルに相当す る 50 Oml の硬水 (C & 1^8モル比7//3) に添加し、 スターラ一ピース (7mmX4 Omm) にて、 1分間攪拌 ( 700 r Zm) した後に攪拌を停止し、 10分間静置した。 静置後、 再び攪拌 (300 r/m) を開始し、 同時に S V型 粘度計 (型番: S V-10、 株式会社エー ·アンド ·ディ) を用いて粘度測定を 行った。 同様の方法で静置時間を 20分〜 180分まで 10分刻みで行った。 再 攪拌開始後の粘度の値が、 2mP ' s 以上の場合をスベリ性向上による手洗い性 改善効果があると判断し、 改善効果がある最大の静置時間を漬け置き対応時間と した。
ぐ溶解残評価方法 >
•洗濯機:松下電器 「NA_F 42 Y5J
•洗濯衣料:黒布 〔混紡 (ポリエステル/綿 = 65 35) 重量比〕 20枚 '洗剤: 40 g
'洗濯コース:中水位 (水量表示 40リットル) 洗濯 9分—濯ぎ 2回→脱水 3分 →乾燥 (20で、 40%RHで 24時間放置) 衣料乾燥後、 黒布 20枚のうち 1
0枚を任意に選択した。 その際の黒布への水不溶物付着、 残留性を以下のように 評価した。
〔黒布への付着、 残留性〕
問題なし (付着物なし) (〇)
若干付着あり (△)
付着物あり (X)
付着残留物が多量にある (X X) ぐ布帛ケア (MA試験布) >
(1) 前処理布の調整
全自動洗濯機 (東芝、 AW-D802VP) を準備し、 洗濯水量を 45L に設定し、 これに木綿 Tシャツ合計 10枚 (約 2. 2 kg) を入れた。 更にコンパクト型粉 末洗剤 (アタック、 花王 (株) ) を標準使用量に従い投入し、 洗濯 8分、 脱水 3 分、 ため濯ぎ 2回、 脱水 3分行ない、 乾燥機で乾燥させた。 この洗濯サイクルを 5回繰り返し、 前処理布とした。
(2) 布帛ケア試験 (MA試験布)
上記前処理布の Tシャツの内、 5枚の胸の部分に T e s t f a b r i c s, I n c . 社製の MA (Ma c h i n e Ac t i on) 試験布をミシンで縫いつけ た。 なお、 該 MA試験布については、 F r a n t s S z a r a s ; "Th e me c h an i c a l a c t i on i n wa s h i n g ma c h i n e s . MA - t e s t p i e c e s i n s t r u c t i on n d a p p 1 i c a t i o n . " ( 1982) に記載のものを用いた。
全自動洗濯機 (東芝、 AW-D802VP) を準備し、 洗濯水量を 45L に設定し、 上記 MA試験布を縫い付けた Tシャツを含む木綿 Tシャツを計 10枚 (約 2. 2 kg) を入れた。 洗濯機に洗浄剤組成物 60gを投入し、 洗濯 8分、 脱水 3分、 ため濯ぎ 2回、 脱水 6分の洗濯工程を行ない、 乾燥せずに Tシャツから M A試 験布を取り外し、 ほつれた糸の本数を測定した。
(3) 布帛ケア評価判定基準
判定は 5枚の M A試験布のほつれた糸の平均値を求めた。 ぐ洗濯液感触〉
なお、 実施例において洗濯液感触は、 洗濯液を手のひらで洗面器から高さ 30 cm程度まですくい上げた後、 洗面器へ洗濯液を落とすときの洗濯液の流れ具合 で、 粘稠の有無を判断した。
また、 乾燥後皮膚感触は、 約 5分間の手洗い洗濯後、 水道水にて手に付着して いる洗濯液を 1 5秒間洗い流し、 タオル (木綿 100%) の上の手の表裏をそれ ぞれ 10秒静置させて、 手の表裏の水分を夕オルに吸収させた後の手の感触を以 下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:乾燥後の手の皮膚が柔らかく滑らかに感じられる。
〇:乾燥後に、 目立った感触なし (メタリン酸カリウムを配合していない洗剤 を用いた場合と同様) 。
(比較例 1 )
水 370 kg、 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液 2 00 k g, 40重量%の 2号シリケ一ト水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 100 kg、 硫酸ナトリウム 147. 5 kg, ポリエチレングリコール 5 k g、 CBS 型蛍光染料 2. 5 kg, ゼォライト 125 kgを混合して均質なスラリーを調製 した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 洗剤組成物を得た。 また、 得られた洗剤組成物 のスベリ性を表 2に示す。 スベリ性ランク : 2の洗剤組成物であった。 5枚の M A試験布のほつれた糸の平均値は 60本 枚であった。
(比較例 2 )
特許第 3 1 23757号に記載の実施例 3に従って、 水 465 k g、 50重 量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリゥム水溶液 48 k g、 40重量%のポ リアクリル酸ナ卜リウム水溶液 135 k g、 炭酸ナトリゥム 120 k g、 硫酸ナ トリウム 60 k g、 亜硫酸ナトリウム 9 k g、 じ83型蛍光染料3 、 ゼオラ
イト 300 k gを混合し均質なスラリーを得た。 このスラリーを噴霧乾燥し、 ベ ース顆粒を得た。
このベース顆粒 100重量部と、 非イオン性界面活性剤 15重量部と陰イオン 性界面活性剤 1 5重量部とポリエチレンダリコール 1重量部からなる混合液とを 攪拌混合し、 洗剤組成物を得た。 得られた洗剤組成物のスベリ性を表 2に示す。 スベリ性ランク : 1の洗剤組成物であった。 5枚の MA試験布のほつれた糸の平 均値は 60本 枚であった。
(実施例 1 )
比較例 1で得られた洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械 産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬ェ 業株式会社製、 型番: 169-07045、 ?モル比=0. 94) を 0. 04 k g 添加し、 傾斜角 30° 、 回転数 2 Or/mで 3分間混合して、 洗濯用スベリ性改善 剤含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスべ リ性を表 2に示す。 スベリ性ランク : 3で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である 洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であつた。
(実施例 2 )
比較例 1で得られた洗剤組成物 4. O k gをコンクリートミキサー (光洋機械 産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬ェ 業株式会社製、 型番: 169-07045) を 0. 4 k g添加し、 傾斜角 30 ° 、 回転 数 2 Or/mで 3分間混合して、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。 得 られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表 2に示す。 これを溶 解させた洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ランク : 5で乾燥後の皮虜感触が非 常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例 3 )
水 377. 5 k g, 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶 液 140 k g、 40重量%の 2号シリケート水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 1 00 k g, 硫酸ナトリウム 157. 5 k g、 ポリエチレングリコール 5 k g、 C BS染料 2. 5 k g、 ゼオライト 125 k g、 40重量%のポリアクリル酸ナト リウム水溶液 37. 5 kg、 力ルポキシルメチルセルロース 5 k gを混合して均 質なスラリーを調製した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 得られた洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40L) に投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169-07045) を 0. 40 k g, セルラーゼ 12 g、 プロテア一ゼ 12 gを添加し、 傾斜角 30° 、 回転数 2 Or/mで 3分間混合しながら香料 12 gを賦香し、 洗濯用スベリ性改善 剤含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスべ リ性を表 2に示す。 これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ラン ク : 5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤 組成物であった。
(実施例 4)
水 347. 5 k g, 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶 液 200 k g、 40重量%の 2号シリゲート水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 1 00 k g, 硫酸ナトリウム 132. 5 k g, ポリエチレングリコール 5 k g、 C BS染料 2. 5 k g、 ゼオライ ト 1 25 k g、 40重量%のアクリル酸-マレイ ン酸共重合体水溶液 37. 5 k gを混合して均質なスラリーを調製した後、 スラ リーを噴霧乾燥し、 得られた洗剤組成物 4. O k gをコンクリートミキサー (光 洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光 純薬工業株式会社製、 型番: 169-07045) を 0. 28 k g添加し、 傾斜角 3 0° 、 回転数 2 Or/mで 3分間混合して、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物
を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表 2に示す。 これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ランク : 5で乾燥後の皮膚 感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例 5 )
水 322. 5 k g、 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶 液 250 k g、 40重量%の 2号シリゲート水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 1 00 k g, 硫酸ナトリウム 102. 5 k g, ポリエチレングリコール 5 k g、 C BS染料 2. 5 k g、 ゼオライト 1 25 k g、 40重量%のアクリル酸-マレイ ン酸共重合体水溶液 37. 5 kg, カルボキシルメチルセルロース 5 k gを混合 して均質なスラリーを調製した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 得られた洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に投 入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169- 07045) を 0. 28 k g、 セルラーゼ 12 g、 プロテア一ゼ 12 gを添加し、 傾 斜角 30° 、 回転数 2 Or/mで 3分間混合しながら香料 12 gを賦香し、 洗濯用 スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤 組成物のスベリ性を表 2に示す。 これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、 ス ベリ性ランク : 5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤 含有の洗剤組成物であつた。
(実施例 6 )
水 370 k g、 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液 2 00 k g, 40重量%の 2号シリゲート水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 100 kg, 硫酸ナトリウム 130 kg、 ポリエチレングリコール 5 k g、 CBS染料 2. 5 k g、 ゼオライト 125 k g、 エチレンジァミン四酢酸 17. 5 k gを混 合して均質なスラリーを調製した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 得られた洗剤組成
物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に 投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169- 07045) を 0. 28 k g添加し、 傾斜角 30° 、 回転数 20 r/m で 3分間混合し て、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善 剤含有洗剤組成物のスベリ性を表 2に示す。 これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液 となり、 スベリ性ランク : 5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スべ リ性改善剤含有の洗剤組成物であつた。
(実施例 7 )
水 370 kg、 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液 2 00 kg, 40重量%の 2号シリケ一ト水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 100 kg, 硫酸ナトリウム 135 k g、 ポリエチレングリコール 5 kg、 CBS染料 2. 5 k g、 ゼオライト 125 k g、 メチルダリシニン二酢酸 12. 5 k gを混 合して均質なスラリーを調製した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 得られた洗剤組成 物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に 投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169- 07045) を 0. 28 k g添加し、 傾斜角 30 ° 、 回転数 20 r/m で 3分間混合し て、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善 剤含有洗剤組成物のスベリ性を表 2に示す。 これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液 となり、 スベリ性ランク : 5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スべ リ性改善剤含有の洗剤組成物であつた。
(実施例 8 )
水 325 kg、 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液 2 00 kg, 40重量%の 2号シリゲート水溶液 125 k g、 炭酸ナトリウム 70 kg、 硫酸ナトリウム 147. 5 k g、 ポリエチレングリコール 5 k g、 CBS
染料 2. 5 k g、 ゼォライト 125 k gを混合して均質なスラリーを調製した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 得られた洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169-07045) を 0. 28 k g添加し、 傾斜 角 30° 、 回転数 2 Or/mで 3分間混合して、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組 成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表 2に 示す。 これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ランク : 5で乾燥後 の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。 5枚の M A試験布のほつれた糸の平均値は 50本 枚であった。
(実施例 9 )
水 370 k g、 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリゥム水溶液 2 00 k g, 40重量%の 2号シリケート水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 100 k g、 硫酸ナトリウム 147. 5 k g、 ポリエチレングリコール 5 k g、 CBS 染料 2. 5 k g、 ゼオライト 25 k g、 トリポリリン酸ナトリウム 1 00 k gを 混合して均質なスラリーを調製した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 得られた洗剤組 成物 4. 0 kgをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いてメ夕リン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169- 07045) を 0. 28 k g添加し、 傾斜角 30 ° 、 回転数 20 r/m で 3分間混合し て、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善 剤含有洗剤組成物のスベリ性を表 2に示す。 これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液 となり、 スベリ性ランク : 5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スべ リ性改善剤含有の洗剤組成物であった。 5枚の M A試験布のほつれた糸の平均値 は 50本 枚であった。
(実施例 1 0)
ハイスピードミキサー (三井三池 (株) 製、 容量 2 L、 ジャケット付) にメタ リン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169-07045 ) を 0 . 3 k g と硫酸ナトリウムを 0 . 3 k g投入し、 主軸を 3 6 0 O r/mで 3分間攪拌した後、 混合物を抜き出し、 洗濯用スベリ性改善剤混合物 (メタリン酸カリウム 5 0重 量%、 硫酸ナトリウム 5 0重量%) を得た。
比較例 1及び 2で得られた洗剤組成物と上記の洗濯用スベリ性改善剤混合物を 手洗い洗濯時に表 1の比率で添加した場合のスベリ性を表 2に示す。 洗剤組成物 と洗濯用スベリ性改善剤を溶解させた洗濯液は粘稠溶液となり、 スベリ性も優れ、 乾燥後の皮膚感触が非常に良好であるスベリ性改善剤であった。
表 1
表中、 ポリエチレングリコールの分子量は 1 . 3万であり、 ポリアクリル酸ナ トリウムの分子量は 1万であり、 アクリル酸-マレイン酸共重合体 (N a塩) の 分子量は 7万である。
表 2 実施例 戴例 mm m 雄例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 スベリ性 3 5 5 5 5 5 5 5 5 価纖後 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
洗剤組成物の調製
水 370 k g、 50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液 2 00 kg, 40重量%の 2号シリケ一ト水溶液 50 k g、 炭酸ナトリウム 100 kg、 硫酸ナトリウム 147. 5 kg, ポリエチレングリコール 5 k g、 CBS 型蛍光染料 2. 5 kg、 ゼォライト 125 k gを混合して均質なスラリーを調製 した後、 スラリーを噴霧乾燥し、 洗剤組成物を得た。
(実施例 11 )
メタリン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169-07045) をアト マイザ (不二パゥダル (株) 社製、 A-7. 5型) を用いて、 ハンマー回転数 8500 r/m, 原料供給速度 60 k g / h r、 スクリーン径 0. 7mmの条件にて 粉砕を行い、 平均 1次粒径約 60 / mのメタリン酸カリウムを得た。
上記の洗剤組成物 4. 0 kgをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40L) に投入し、 続いて上記の粉砕メタリン酸カリウム 0. 4 kgを添加 し、 傾斜角 30° 、 回転数 20 rZmで 3分間混合して、 洗濯用スベリ性改善剤 含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物の評価結 果を表 3に示す。 これを溶解させた直後の洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ラ ンク : 5、 浸漬対応時間 20分 (浸漬後スベリ性ランク : 4) 、 黒布への残留ノ 付着性〇、 乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗 剤組成物であった。
(実施例 12 )
上記の洗剤組成物 4. 0 kgをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40L) に投入し、 続いてメタリン酸カリウム (和光純薬工業株式会社製、 型番: 169-07045、 平均粒径約 300 m) 0. 4 k gを添加し、 傾斜角 3 0° 、 回転数 20 rZmで 3分間混合して、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成
物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物の評価結果を表 3に示 す。 これを溶解させた直後の洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ランク : 5、 浸 漬対応時間 120分 (浸漬後スベリ性ランク : 5) 、 黒布への残留/付着性 X、 乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物で あった。
(実施例 1 3)
ハイスピードミキサー (三井三池 (株) 製、 容量 2 L、 ジャケット付) に実施 例 1 1と同様の方法で得られた粉碎メタリン酸カリウムを 0. 4 k gとラウリル 硫酸ナトリウム (花王 (株) 製、 エマール 10パウダー) を 0. 086 k g投入 し、 ジャケットに 80 の温水を 10 L/分で流しながら、 主軸を 3600 mで混合物温度が 70でになるまで攪拌した。 その後、 予め 70 に昇温したポ リエチレングリコール (花王 (株) 製: K-PEG6000) を 0. 086 k g添加し 3分間攪拌を継続した後、 混合物を抜き出した。 次に得られた混合物を押出造粒 機 ( (株) ダルトン製: ドームグラン) により孔径 Φ 0. 5mmのスクリーンを 通して押し出して圧密化した。 得られた押出物を冷却した後、 整粒機 ( (株) ダ ルトン製のパワーミル、 スクリーン径 Φ 1. Omm) にて解砕し、 分級により 7 00 m以下- 355 /^m以上に調整し、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物 (メタリ ン酸カリウム 70重量%、 ラウリル硫酸ナトリウム 1 5重量%、 ポリエチレング リコール 15重量%) を得た。
実施例 1 1で用いたのと同じ洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いて上記の洗濯用スベリ性 改善剤造粒物を 0. 57 k g添加し、 傾斜角 30° 、 回転数 20 rZmで 3分間 混合して、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用 スベリ性改善剤造粒物含有洗剤組成物のスベリ性を表 3に示す。 これを溶解させ た洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ランク : 5、 浸漬対応時間 60分 (浸漬後
スベリ性ランク : 5) 、 黒布への残留/付着性〇、 乾燥後の皮膚感触が非常に良 好である洗濯用スベリ性改善剤造粒物含有の洗剤組成物であつた。
(実施例 14)
ハイスピードミキサー (三井三池 (株) 製、 容量 2 L、 ジャケット付) に実施 例 1 1と同様の方法で得られた粉砕メタリン酸カリウムを 0. 4 k gとラウリル 硫酸ナトリウム (花王 (株) 製、 エマール 10パウダー) を 0. 086 kg投入 し、 ジャケットに 80での温水を 10 LZ分で流しながら、 主軸を 3600r/m で混合物温度が 7 Ot:になるまで攪拌した。 その後、 予め 70でに昇温したポリ エチレングリコール (花王 (株) 製: K-PEG6000) を 0. 086 k g添加し 3 分間攪拌を継続した後、 混合物を抜き出した。 次に得られた混合物を押出造粒機
( (株) ダルトン製: ドームグラン) により孔径 Φ 0. 5 mmのスクリーンを通 して押し出して圧密化した。 得られた押出物を冷却した後、 整粒機 ( (株) ダル トン製のパワーミル、 スクリーン径 Φ 1. 5mm) にて解砕し、 分級により 10 00 / m以下- 355 /m以上に調整し、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物 (メタリ ン酸カリウム 70重量%、 ラウリル硫酸ナトリウム 15重量%、 ポリエチレング リコール 15重量%) を得た。
実施例 1 1で用いたのと同じ洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー
(光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いて上記の洗濯用スベリ性 改善剤造粒物を 0. 57 k g添加し、 傾斜角 30° 、 回転数 20 r mで 3分間 混合して、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用 スベリ性改善剤造粒物含有洗剤組成物のスベリ性を表 3に示す。 これを溶解させ た洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ランク : 5、 浸漬対応時間 1 50分 (浸漬 後スベリ性ランク : 5) 、 黒布への残留ノ付着性〇、 乾燥後の皮膚感触が非常に 良好である洗濯用スベリ性改善剤造粒物含有の洗剤組成物であつた。
(実施例 1 5)
ハイスピードミキサー (三井三池 (株) 製、 容量 2 L、 ジャケット付) に実施 1 1と同様の方法で得られた粉砕メ夕リン酸カリウムを 0. 4 k gとラウリル硫 酸ナトリウム (花王 (株) 製、 エマール 10パウダー) を 0. 086 k g投入し、 ジャケッ卜に 80での温水を 10 L/分で流しながら、 主軸を 3600 r/mで 混合物温度が 70でになるまで攪拌した。 その後、 予め 7 Ot:に昇温したポリエ チレングリコール (花王 (株) 製: K-PEG6000) を 0. 086 k g添加し 3分 間攪拌を継続した後、 混合物を抜き出した。 次に得られた混合物を押出造粒機
( (株) ダルトン製: ドームグラン) により孔径 Φ 0. 7mmのスクリーンを通 して押し出して圧密化した。 得られた押出物を冷却した後、 整粒機 ( (株) ダル トン製のパワーミル、 スクリーン径 φ 2. 0mm) にて解砕し、 分級により 14 1 0 zm以下- 355 ^m以上に調整し、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物 (メタリ ン酸カリウム 70重量%、 ラウリル硫酸ナトリウム 15重量%、 ポリエチレング リコール 1 5重量%) を得た。
実施例 1 1で用いたのと同じ洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー
(光洋機械産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いて上記の洗濯用スベリ性 改善剤造粒物を 0. 57 kg添加し、 傾斜角 30° 、 回転数 20 rZmで 3分間 混合して、 洗濯用スベリ性改善剤造粒物含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用 スベリ性改善剤造粒物含有洗剤組成物のスベリ性を表 3に示す。 これを溶解させ た洗濯水は粘稠溶液となり、 スベリ性ランク : 5、 浸漬対応時間 1 80分 (浸漬 後スベリ性ランク : 5) 、 黒布への残留 付着性〇、 乾燥後の皮膚感触が非常に 良好である洗濯用スベリ性改善剤造粒物含有の洗剤組成物であった。
実施例 16〜 26
以下の方法でメタリン酸カリウムを合成し、 手洗い洗濯評価を行った。
KH2P04 (シグマアルドリッチジャパン株式会社製、 試薬特級、 L o t . A8347、 KZPモル比 = 1. 00) に、 焼成後のメタリン酸カリウムの Κ/ Ρモル比が表 4に示す値になるように、 H3P04 (和光純薬工業株式会社製、 試薬特級、 純度 85 %、 Lo t. CKL 22 18) を添加し、 表 4に示す温度で 3時間焼成した。 得られた焼成物を乳鉢で粉砕し、 メタリン酸カリウムを得た。 比較例 1で得られた洗剤組成物 4. 0 k gをコンクリートミキサー (光洋機械 産業 (株) 製、 容量 40 L) に投入し、 続いて表 4に示す条件で合成した各メタ リン酸カリウムを表 4に示す割合 (対洗剤組成物外比)で添加し、 傾斜角 30° 、 回転数 2 Or/mで 3分間混合して、 洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。 得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表 4に示す。
表 4の結果より、 手洗い洗濯評価ですベり性評価を行ったところ、 KZPモル 比は 1未満で、 より良好なスベリ性ランクを示した。 また、 焼成温度によっても スベリ性ランクは変化し、 40 Ot:以上で良好なスベリ性を示した。
なお、 KZPモル比は、 以下の測定方法に従って求めた。 KZPモル比の測定方法 >
白金ルツポに試料 0. l gを採取し、 更に L i 2B 407を 5 g及び、 剥離剤 (重量比で L i 2C03 : L i B r : L i N03= 5 : 1 : 1) を 0. 5 g加え、 ビ一ドサンプラ (東京科学 (株) 製、 NT— 2100) により、 1230 で溶 融し、 ガラスビードを作成した。
蛍光 X線装置 ( (株) リガク製、 Z SX I O O e) によりガラスビード中の K及 び Pを以下の条件で測定した (XRF強度) 。
X線源 : Rh管球
電圧電流: 50 KV 50mA 分光結晶 検出器 角度
K: L i F SC (シンチレーシヨンカウンタ) 136. 68 d e g P : G e PC (プロポーショナルカウンタ) 141. 19 d e g
KZPモル比の計算は、 KH2P04 (シグマアルドリッチジャパン株式会社 製、 試薬特級) をサンプルと同様に測定し、 ΚΖΡモル比 1. 00の基準として、 サンプルの Κ/Ρモル比を以下の計算により算出した。
Κ (サンプル) の XRF強度 X Ρ (試薬) の XRF強度
κζρモル比 =
Ρ (サンプル) の XRF強度 X Κ (試薬) の XRF強度 表 4
本発明のスベリ性改善剤及びスベリ性改善剤造粒物は、 衣類等の手洗い洗濯、
中でも、 長時間漬け置きする手洗い洗濯においても好適に使用される。
本発明の洗濯用スベリ性改善剤を用いることで、 手洗い洗濯時、 被洗浄物間の スベリ性を改善して、 軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度 (時間当たり の擦り回数) が増加するなどのことで手洗いし易くするという効果が奏される。 更には、 本発明の洗濯用スベリ性改善剤造粒物を用いれば、 メタリン酸カリウム の溶け残りや衣類への付着を引き起こすことなく、 漬け置きしない場合、 長時間 漬け置きした場合においても上記と同様の効果が奏される。 更に手洗いにおける 感触を高めることによるハンドケア、 洗濯機洗濯においては攪拌等の機械力によ つて生じる型くずれ等の原因となる繊維の傷みに対して、 繊維間のスベリ性を高 めることで布傷みを回避することができるといつた衣類ケアをもなしうるという 効果が奏される。