JP4173835B2 - 洗濯用スベリ性改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、布傷みを回避する洗濯用スベリ性改善剤に関する。詳しくは、手洗い洗濯時において被洗浄物間のスベリ性を改善することで軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度( 時間当たりの擦り回数) が増加し易いなどの手洗い性を向上させるとともに、被洗浄物間の摩擦による被洗浄物の傷みや被洗浄物と手が擦れ合うことにより生じる手の切り傷・擦り傷等を抑制する為の全く新しい発想に基づく洗濯時の添加剤に関する。又、前記スベリ性改善剤を含有した洗剤組成物及びメタリン酸カリウムの存在下での手洗い洗濯方法に関する。また洗濯機洗濯においては、攪拌などの機械力によって生じる型くずれなどの原因となる繊維の傷みに対して、繊維間のスベリ性を高めることで布傷みを回避する方法に関する。
洗濯方法としては、大きく分けて手洗い洗濯と洗濯機洗濯の2種類がある。近年では洗濯機の普及により洗濯機洗濯が増加する傾向にあるが、汚れ落ちや経済性の観点から、依然、手洗い洗濯に対するニーズも多い。
そこで、従来より、手洗い洗濯時に好ましい物性を有する洗剤の開発が行なわれてきた。例えば、特許文献1に挙げられるように、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を特定の比で配合することで手洗い洗濯時の皮膚への刺激性を改善する方法が開示されている。また、泡コントロールに関しては、一般的に増泡にはLASやAS等の高起泡性の界面活性剤、制泡にはポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤、濯ぎ時の泡切れ性向上には石鹸等を用いることが知られている。具体的には、特許文献2に挙げられているアニオン界面活性剤、特定のノニオン界面活性剤、及び脂肪酸石鹸を特定比で含有することで溶解性、起泡性及び濯ぎ性に優れた洗剤組成物が開示されている。
しかしながら、これまで、手洗いのし易さ(被洗浄物を擦るときのスベリ性) を向上させる技術に着目した検討はされたことがなかった。
特表平10−504056号公報 特公平8−13987号公報
従って、本発明の目的は、手洗い洗濯時に、被洗浄物間のスベリ性が改善されることによって、軽い力で洗濯出来る事や、洗濯物を擦る速度( 時間当たりの擦り回数) が増加し易いなどのことで手洗いし易くし、更には手洗い洗濯後の乾燥後の皮膚が柔らかく、滑らかになったと感じられるハンドケア効果や洗濯機洗濯における、攪拌などの機械力によって生じる型くずれを回避するといった衣類ケア効果をもなしうる洗濯用スベリ性改善剤、手洗い洗濯用スベリ性改善剤、これらのスベリ性改善剤を含有する洗剤組成物、並びに手洗い洗濯時において被洗浄物どうしを擦り合わせるときのスベリ性を改善した手洗い洗濯方法を提供することにある。
本発明者らは、手洗い洗濯を手軽に行うというニーズに対して、洗濯時において被洗浄物どうしを擦り合わせるときのスベリ性という、全く新しい物性に着目して鋭意研究を重ねた結果、メタリン酸カリウムを含有してなる洗濯用スベリ性改善剤を手洗い洗濯時に洗剤組成物とは別途添加するか、あるいは上記洗濯用スベリ性改善剤を含有してなる洗剤組成物を用いることで上記課題を解決し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕メタリン酸カリウムを含有してなる洗濯用スベリ性改善剤、
〔2〕メタリン酸カリウムのK/Pモル比が1未満である前記〔1〕記載の手洗い洗濯用スベリ性改善剤、
〔3〕手洗い洗濯用である前記〔1〕又は〔2〕記載の手洗い洗濯用スベリ性改善剤、
〔4〕前記〔1〕又〔3〕記載の洗濯用スベリ性改善剤と、可溶化剤とを含有する洗剤組成物、
〔5〕可溶化剤の量がメタリン酸カリウム中のカリウムイオンに対して少なくとも1倍当量の置換イオン源を含有してなる前記〔4〕記載の洗剤組成物、
〔6〕さらに界面活性剤及び/又はビルダーを含有する前記〔4〕又は〔5〕記載の洗剤組成物、
〔7〕ビルダーとして、カルシウムイオン捕捉能100mgCaCO3 /g以上の金属イオン封鎖剤を5重量%以上含有する前記〔6〕記載の洗剤組成物、
〔8〕金属イオン封鎖剤が水溶性有機物質である前記〔7〕記載の洗剤組成物、
〔9〕さらにケイ酸塩を含有する前記〔4〕〜〔8〕いずれか記載の洗剤組成物、
〔10〕ケイ酸塩がケイ酸ナトリウムである前記〔9〕記載の洗剤組成物、
〔11〕さらにリン酸塩を含有する前記〔4〕〜〔10〕いずれか記載の洗剤組成物、
〔12〕リン酸塩がトリポリリン酸ナトリウムである前記〔11〕記載の洗剤組成物、並びに
〔13〕メタリン酸カリウムの水中濃度30mg/L以上、浴比2以上の条件下で手洗い洗濯を行う方法
に関する。
本発明の洗濯用スベリ性改善剤を用いることで、手洗い洗濯時、被洗浄物間のスベリ性を改善して、軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度( 時間当たりの擦り回数) が増加するなどのことで手洗いし易くし、さらに手洗いにおける感触を高め、更にハンドケア、衣類ケアをもなしうるという効果が奏される。
<洗濯用スベリ性改善剤>
洗濯用スベリ性改善剤は、スベリ性改善剤含有洗剤として洗剤と混合して用いたり、洗濯時に直接、洗剤とは別に添加して用いることもできる。
本発明の洗濯用スベリ性改善剤は、メタリン酸カリウムを含有してなるものであり、具体的には、メタリン酸カリウム単体及びメタリン酸カリウムと他の基剤との混合物を指す。
メタリン酸カリウムは、後述する。また、他の基剤とは、メタリン酸カリウムの働きを阻害することなく洗剤組成物として一般的に用いられるものなら何を用いても良く、例えば、芒硝、ゼオライト、ポリエチレングリコール又はアルキル硫酸塩等を適宜用いることができる。
メタリン酸カリウムの量としては、洗濯用スベリ性改善剤中、30〜100重量%が好ましく、50〜100重量%がより好ましい。
かかる構成を有する洗濯用スベリ性改善剤は、メタリン酸カリウム単体である場合、メタリン酸カリウムをそのまま使用してもよく、粉砕処理して微粉状にしてもよい。
また、メタリン酸カリウムと他の基剤との混合物である場合、これらの成分を公知の方法で混合することで製造することができる。
本発明の洗濯用スベリ性改善剤は、手洗い洗濯時、被洗浄物間のスベリ性を改善して、手洗いし易くし、さらに手洗いにおける感触を高め、更にハンドケア、衣類ケアをもなしうるという作用を有するものである。したがって、本発明は、手洗い洗濯用スベリ性改善剤にも関する。
洗濯用スベリ性改善剤(以下、「スベリ性改善剤」と略す)の形態は、特に限定されず、粉末、顆粒、液体、又はスラリー/ペースト状のいかなる剤形でも良いが、スベリ性を衣類に速やかにまんべんなく発現させるために、粉末若しくは顆粒の形態で用いることが好ましい。
本発明のスベリ性改善剤は、使用時の簡便性、溶解性の観点から、洗剤組成物中に含有されることが好ましい。なお、前記スベリ性改善剤は、使用する洗剤組成物の組成・形態・製造法等によって限定されず、後述の可溶化剤を含有する全ての洗剤組成物においてその効果を発現できる。
<洗剤組成物>
本発明の洗剤組成物は、前記スベリ性改善剤及び可溶化剤を含有する点に一つの大きな特徴がある。かかる特徴を有するために、洗濯時に洗剤組成物が溶解した洗濯液がローション状の粘稠溶液となり、手洗い洗濯時でも、被洗浄物間のスベリ性が改善されることによって、軽い力で洗濯できるなどの手洗い性を改善し、更には手洗い洗濯後の乾燥後の皮膚が柔らかく、滑らかになったと感じられるハンドケア効果や衣類ケア効果が発現される。
洗剤組成物は、粉末、顆粒、液体、又はペースト状等のいかなる剤型でもよく、又二次加工により凝集体、錠剤等に成形されていてもよいが、スベリ性を衣類に速やかにまんべんなく発現させるために、粉末若しくは顆粒の形態であることが好ましい。
なお、本発明において洗濯液とは、前記洗剤組成物が溶解・懸濁された、等の洗濯を行うための液をいう。
以下に本発明に用いられる各成分について説明する。
1.メタリン酸カリウム
本発明に用いられるメタリン酸カリウムとは、水への溶解度が非常に低いが、洗濯液中では可溶化剤(ナトリウムイオン源、リチウムイオン源、アンモニウムイオン源を含有する化合物) との塩交換により水溶性を呈する物質である。なかでも(KPO3 )nで表される高分子量のメタリン酸カリウム(分子量=約1万〜数千万) が手洗い洗濯時の被洗浄物間のスベリ性を改善し、手洗い洗濯性を向上させるのに好適である。ここでメタリン酸カリウムとは、カリウムが一部ナトリウムやリチウム等に置換されているものも含む。
メタリン酸カリウムは一般的に以下に示すような製法で、製造される。
nKH2 PO4 → (KPO3 )n + nH2
即ち、リン酸二水素カリウム(KH2 PO4 ) を加熱して分子間脱水を行うことにより、メタリン酸カリウムが生成するが、加熱温度と時間の差等の因子により各種重合度の製品が得られ、脱水反応を高温で行うほど重合度は大きくなる。
脱水反応を行う際の焼成温度としては、浸漬後すべり性の観点から、400℃以上が好ましく、500℃以上がより好ましく、600℃以上が更に好ましく、また、エネルギー消費の観点から、1500℃以下が好ましく、1300℃以下がより好ましく、1200℃以下が更に好ましい。
メタリン酸カリウムの分子量としては、手洗い性改善の観点から、1万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、20万以上が更に好ましく、50万以上が特に好ましい。入手のし易さから、5千万以下が好ましく、2千万以下がより好ましい。また、メタリン酸カリウムは、可溶化剤の存在下で水溶性を呈すれば、その分子量には特に上限は無く、高分子量のものほど手洗い性改善効果は高い。なお、加熱時にリン酸二水素カリウム以外に一部リン酸二水素ナトリウム等が含まれていた場合も、分子間脱水(縮合)したものであればスベリ性改善剤としての効果を発現できる。
また、メタリン酸カリウムは、浸漬後すべり性の観点から、そのK/Pモル比が1未満であることが好ましく、より好ましくは(1を除く)〜0.8、更に好ましくは0.999〜0.9、更に好ましくは0.999〜0.94、更に好ましくは0.995〜0.96、更に好ましくは0.99〜0.98である。なお、本発明でいうK/Pモル比とは、後述の実施例に記載の測定方法により測定される値をいう。
メタリン酸カリウムの洗剤組成物に対する添加量としては、手洗い性向上の観点から、洗剤組成物100重量部に対して0.5重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、3重量部以上が更に好ましく、5重量部以上が更に好ましく、7重量部以上が更に好ましく、10重量部以上が特に好ましい。また、洗浄後の被洗浄物の取り扱い性を維持する観点から、30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。
また、良好な手洗い性を得るという観点から、洗剤組成物を溶解して洗濯液を調製した場合のメタリン酸カリウム水中濃度が15mg/L 以上が好ましく、30mg/L 以上がより好ましく、60mg/L 以上が特に好ましい。また、洗浄後の被洗浄物の取り扱い性の観点から3000mg/L 以下が好ましく、1500mg/L 以下がより好ましく、1000mg/L 以下が特に好ましい。更には、浴比(水と衣類の重量の比率:水重量/衣類重量) の低下、洗濯液硬度の増加、洗剤組成物中の非イオン界面活性剤の量及び全界面活性剤成分に対する比率の上昇に応じて、前記メタリン酸カリウム水中濃度を増加させることが好ましい。
2.可溶化剤
メタリン酸カリウムは、水に極めて難溶性であるが、可溶化剤の存在下で水溶性を呈する。ここでいう可溶化剤とは、メタリン酸カリウム中のカリウムを置換できるナトリウムイオン源及び/またはリチウムイオン源及び/又はアンモニウムイオン源を含有する化合物のことを言う。よって、洗剤組成物中において、メタリン酸カリウムを含有してなる前記スベリ性改善剤と可溶化剤とを併用することで、洗剤組成物を水に溶解させた際でもメタリン酸カリウムが溶解し、洗濯水がローション状が粘稠溶液となり、その結果、被洗浄物間のスベリ性が向上し、手洗い性が向上するという利点がある。
前記可溶化剤としては、メタリン酸カリウム中のカリウムを置換するすべてのナトリウム源及び/又はリチウムイオン源及び/又はアンモニウムイオン源を包含する。特に有用なのはナトリウム及びリチウム及びアンモニウムの無機塩及び有機塩、例えば炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどのカルボン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリカルボン酸ポリマーナトリウム塩、ポリスルホン酸ポリマーナトリウム塩、ハロゲン化リチウム及び硫酸リチウムである。中でも、ナトリウムの無機塩又は有機塩が最も好ましい。また、界面活性剤または脂肪酸の塩形態、金属イオン封鎖剤等も可溶化剤となりうる。
前記メタリン酸カリウムは、メタリン酸カリウム中のカリウムイオンがナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン及び/又はアンモニウムイオンに置換されることにより水溶性を呈するため、良好な手洗い洗濯性を得るにはメタリン酸カリウムが溶解できる状態で用いることが求められる。メタリン酸カリウム中のカリウムの一部を置換できれば効果を発現できるが経済性の観点からは、洗濯液中に含まれるメタリン酸カリウム中のカリウムイオンを完全に置換できる量のナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン及び/又はアンモニウムイオンを供給できる可溶化剤の量が好ましい。かかる可溶化剤の量としては、メタリン酸カリウム中のカリウムイオンと同量のナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン及び/又はアンモニウムイオンを供給できる量を1倍当量とすると0.5倍当量以上が好ましく、1倍当量以上がより好ましく、その2倍当量以上が更に好ましく、3倍当量以上が特に好ましい。一方、カリウムイオンに対して、過剰のナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン及び/又はアンモニウムイオンの存在下では、手洗い洗濯性の改善効果が小さい。この点から、可溶化剤の量は、400倍当量以下が好ましく、200倍当量以下より好ましく、100倍当量以下が特に好ましい。また、よりスベリ性改善効果を維持する観点から、前記の量は、30倍当量以下が好ましく、20倍当量以下がより好ましい。
なお、洗剤組成物中に別の目的で必要量のナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン及び/又はアンモニウムイオンが配合されている場合は、可溶化剤を別途配合する必要はない。
3.界面活性剤及び/又はビルダー
本発明の洗剤組成物には、界面活性剤及び/ビルダーを含有することができる。
界面活性剤としては、一般的に使用されているものを用いることができる。例えば、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。その例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニルリン酸エステルまたはその塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、脂肪酸グリセリンモノエステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
中でも、スベリ性効果を高める観点からは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩が好ましく、特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
前記陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の含有量は、洗剤組成物中において洗浄性能の観点から、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、12重量%以上が更に好ましく、15重量%以上が更に好ましく、17重量%以上が特に好ましい。また、粉末物性の観点から、40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下が更に好ましく、26重量%以下が特に好ましい。
本発明の洗剤組成物には、さらにベタイン型両性界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、石鹸、陽イオン界面活性剤等の界面活性剤も適宜配合することができる。
ビルダーとしては、金属イオン封鎖剤、アルカリ剤、再汚染防止剤等が挙げられる。
中でも、洗濯水中の硬度成分量の上昇に伴い、スベリ性改善効果が低下する特徴があるため、ビルダーとして、金属イオン封鎖剤を洗剤組成物に配合し、洗濯水中の硬度成分を捕捉することは、メタリン酸カリウムの性能発現に非常に効果的である。特にカルシウムイオン捕捉能100mgCaCO3 /g以上である金属イオン封鎖剤がより効果的である。かかる金属イオン封鎖剤としては、ゼオライト、結晶性ケイ酸塩などのイオン交換体、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体(塩)等のポリマー、トリポリリン酸ナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸塩、メチルグリシン二酢酸塩、クエン酸塩等のキレート剤等の水溶性有機物質が挙げられる。
炭酸ナトリウムと非晶質ケイ酸ナトリウムは金属イオン封鎖剤に含まない。
アルカリ剤としては、炭酸塩やケイ酸塩が挙げられる。スベリ性効果を高める観点からは、非晶質ケイ酸ナトリウムが好ましい。
再汚染防止剤には、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
ビルダーの配合量としては、手洗い性向上の観点から、洗剤組成物中、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上が更に好ましく、20重量%以上が特に好ましく、また、配合のバランスの観点から、60重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下が特に好ましい。
4.ケイ酸塩、リン酸塩(メタリン酸カリウムを除く)
本発明の洗剤組成物には、ケイ酸塩、リン酸塩を配合することでスベリ性改善効果がさらに向上できる利点がある。
ケイ酸塩としては、非晶質、結晶性のものが知られており、いずれのものも用いることができる。ここでSiO2 /M2 O比( Mはアルカリ金属) として1 以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、また、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。ここで特に好ましくは非晶質ケイ酸ナトリウムであり、JIS 1号ケイ酸ナトリウムやJIS 2号ケイ酸ナトリウムを好適に用いることができる。その配合量としては、手洗い洗濯性の観点から、洗剤組成物中、3重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、7重量%以上が更に好ましい。また、スベリ性改善効果を高く維持しながら、洗濯時の溶け残りを抑制する観点から、前記配合量は、30重量%以下が好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
リン酸塩としては、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等が挙げられるがトリポリリン酸ナトリウムが好ましく、その配合量としては、手洗い性の観点から、洗剤組成物中、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上が特に好ましい。また、スベリ性改善効果と洗浄力を両立する観点から、40重量%以下が好ましく、30重量%以下が特に好ましい。
本発明においては、前記成分の中でも、金属イオン封鎖剤、ケイ酸塩、リン酸塩を上記の量で配合することで、メタリン酸カリウムの配合量を低減させても手洗い洗濯性が良好に保たれるメリットがある。
5.その他添加剤
本発明の洗剤組成物には、酵素、香料、蛍光染料、色素等も適宜配合することができる。
6.洗剤組成物の製造方法
前記のような構成を有する本発明の洗剤組成物は、前記各成分を公知の方法で適宜混合することにより製造することができる。
なお、本発明の洗剤組成物中に含有されるメタリン酸カリウムは、前記のように、水中において、可溶化剤の存在下で水溶性を呈するようになるため、製造プロセス、又は保存時における水分を低減させることが好ましい。例えば、噴霧乾燥法にて洗剤組成物を製造する場合には、噴霧乾燥工程後の造粒工程、表面改質工程及びアフターブレンド工程等でスベリ性改善剤を添加することが望ましい。
また、手洗い洗濯時にスベリ性改善剤を除く成分からなる洗剤組成物と、スベリ性改善剤とを別々に添加して洗濯液を調製する場合は、溶解時の継粉発生抑制のため、洗濯用スベリ性改善剤としてはメタリン酸カリウムと他の基剤との混合物を用いることが好ましい。
また、可溶化剤は、洗濯用スベリ性改善剤中及び/又は洗剤組成物中に含有されていれば良く、必ずしも洗剤組成物中に含有されている必要はない。
かかる洗剤組成物の例としては、例えば特許庁公報10(1998)-25(7159) 周知慣用技術集(衣料用粉末洗剤)に記載の組成及び製造方法にて得られる洗剤組成物等が挙げられる。
7.手洗い洗濯方法
本発明の手洗い洗濯方法は、メタリン酸カリウム水中濃度30mg/L以上、浴比2以上の条件下で、手洗いで洗濯を行う方法であり、例えば、メタリン酸カリウムを洗剤成分の一部としてあるいは洗剤成分と別に洗濯液に添加して手洗いで洗濯を行う方法等が挙げられる。
具体的な態様としては、前記スベリ性改善剤又を洗剤成分の一部としてあるいは洗剤成分と別に洗濯液に添加して手洗いで洗濯を行う方法が挙げられる。
本発明においては、前記のように、メタリン酸カリウムの水中濃度と浴比とを特定の範囲に調整することで、洗濯液がローション状の粘稠溶液となり、被洗浄物間のスベリ性が向上した実感が得られ、また、浴比の上昇に伴い、メタリン酸カリウムの溶解性、被洗浄物表面への吸着が促進され、被洗浄物間のスベリ性が向上した実感が得られるという利点がある。
メタリン酸カリウムの水中濃度としては、スベリ性向上の観点から、15mg/L以上が好ましく、30mg/L以上がより好ましく、60mg/L 以上が特に好ましい。また、洗濯後の被洗浄物取り扱い性の観点から、3000mg/L以下が好ましく、1500mg/L以下がより好ましく、1000mg/L 以下が特に好ましい。また、浴比の低下、洗濯水硬度の増加、洗剤組成物中の非イオン界面活性剤の量及び全界面活性剤成分に対する比率の上昇に応じて、メタリン酸カリウム水中濃度を増加させることが好ましい。
また、浴比(水と衣類の重量の比率) は、溶解性、被洗浄物間への吸着の観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上が更に好ましく、5以上が特に好ましい。また、洗濯のし易さの観点から20以下が好ましく、15以下がより好ましい。
以下に、本発明における物性値の測定法を記載する。
〔金属イオン捕捉能の測定〕
金属イオン捕捉能は、金属イオン封鎖剤がイオン交換体の場合とポリマーやキレート剤の場合に対応して、それぞれ以下のような方法で測定する。
<イオン交換体の場合>
イオン交換体0.1gを精秤し、塩化カルシウム水溶液( 濃度はCaCO3 として500ppm) 100ml中に加え、25℃で60分間攪拌した後、孔サイズ0.2μmのメンブランフィルター( アドバンテック社、ニトロセルロース製) を用いてろ過を行い、そのろ液10ml中に含まれるCa量をEDTA滴定により測定する。その値よりイオン交換体のカルシウム交換容量( カチオン交換容量) を求める。
<ポリマーやキレート剤の場合>
溶液は全て以下の緩衝液を用いて調整する。
緩衝液;0.1M−NH4 Cl−NH4 OHバッファー(pH10.0)
(1) 検量線の作成
標準カルシウムイオン溶液を作成し、図1の如きカルシウムイオン濃度の対数と電位の関係を示す検量線を作成する。
(2) カルシウムイオンの捕捉能の測定
100mLメスフラスコに約0.1gのサンプルを秤量し、上記の緩衝液で100mLにする。これに、20000ppm(CaCO3 換算)に相当するCaCl2 水溶液(pH10.0)をビュレットから滴下する( ブランクも測定する)

滴下はCaCl2 水溶液を0.1〜0.2mlずつ加えて行い、その時の電位を読み取り、図1の検量線よりカルシウムイオン濃度を求める。
図2中のサンプルの滴下量Aにおけるカルシウムイオン濃度がサンプルのカルシウムイオン捕捉能となる。
<メタリン酸カリウム分子量の測定方法>
メタリン酸カリウムの分子量とは重量平均分子量のことを指し、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーを用いて以下の条件で測定し、ポリエチレングリコールの較正曲線を用いて換算する。
カラム;東ソー(株)社製 GMPWXL+GMPWXL
移動相;0.02Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=90/10(重量比)
温度;40℃
流速;1mL/min
サンプル濃度、量;0.1重量%(可溶化剤トリポリリン酸ナトリウム0.6%)、100μl
検出器;示差屈折率検出器(RID)
本発明においては、次に示す手洗い洗濯評価方法に準じた洗濯条件で手洗い洗濯を行うことにより特に好ましいスベリ性改善効果を評価することができる。
また、メタリン酸カリウム配合による洗濯液の粘度上昇がヌル付き性発現要因となり、その結果、スベリ性が改善されているため、洗濯液の粘度測定により、手洗い洗濯性を定量評価することができる。
<手洗い洗濯評価方法>
◎手洗い洗濯条件
本発明における手洗い洗濯の評価方法を以下に説明する。25℃に調整した89.3mgCaCO3 /リットルに相当する2リットルの硬水(Ca/Mgモル比7/3) を直径30cm、深さ13cm、容量8.2Lのポリプロピレン製洗面器(YAZAKI製) の中に満たし、15gとなるように秤量した洗剤組成物を水中に投入した後、水が洗面器より飛散しない程度に手によって攪拌し続ける。攪拌開始から30秒後に綿100%のTシャツ(グンゼ製白、Lサイズ) を洗面器の中の洗浄水にTシャツ全体が十分に濡れるように浸した後、Tシャツの後背部よりTシャツの胸部を両手で握り、Tシャツの胸部どうしを擦り合わせる。このとき擦り合わせる部分は洗浄水から出した状態で行う。3回から5回擦り合わせる毎に一旦洗浄水に擦り合わせる部分を浸す。擦り合わせるときの擦り易さをスベリ性として判定し、1〜5ランクとする。上記の調整水のみでこの評価を行った場合、Tシャツのしわがスベリ性を阻害し、また擦り合わせる部分に泡が無いため非常に擦りにくく、スベリ性が悪い。このときをスベリ性:1とする。各ランクの状態を下記に示す。
ランク1:スベリ性が非常に低く、きしみ感があり、手洗い洗濯が非常にしにくい。
ランク2:スベリ性が低く、きしみ感があり、手洗い洗濯がしにくい。
ランク3:スベリ性が中程度できしみ感がなく手洗い洗濯できる。
ランク4:スベリ性が高く、きしみ感がなく、手洗い洗濯がしやすい。
ランク5:スベリ性が非常に高く、きしみ感がなく、手洗い洗濯が非常にし易い。
なお、上記試験において、6人のパネラー評価結果の平均値を求めランクとした。
以上のような構成を有する本発明の洗濯方法を用いることにより、手洗い洗濯時において被洗浄物どうしを擦り合わせるときのスベリ性を改善することができ、加えて、軽い力で洗濯できることや洗濯物を擦る速度(時間当たりの擦り回数) が増加するなどのことで手洗いにおける感触を高め、更にハンドケアをもなしうるという効果が発現される。また、本発明の洗濯方法を用いることにより、手洗い洗濯は勿論、洗濯機洗濯においても、攪拌などの機械力によって生じる型くずれなどの原因となる繊維の傷みに対して、繊維間のスベリ性を高めることで布傷みを回避することができるという、所謂衣類ケア効果も発現され得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。なお、表1には各実施例で得られた洗剤組成物の組成を示す。
また、本実施例において衣類ケア効果は、以下の方法を用いて評価した。
<布帛ケア( MA試験布) >
(1)前処理布の調整
全自動洗濯機(東芝、AW-D802VP )を準備し、洗濯水量を45L に設定し、これに木綿Tシャツ合計10枚(約2.2kg)を入れた。更にコンパクト型粉末洗剤(アタック、花王(株))を標準使用量に従い投入し、洗濯8分、脱水3分、ため濯ぎ2回、脱水3分行ない、乾燥機で乾燥させた。この洗濯サイクルを5回繰り返し、前処理布とした。
(2)布帛ケア試験(MA試験布)
上記前処理布のTシャツの内、5枚の胸の部分にTestfabrics,Inc.社製のMA(Machine Action)試験布をミシンで縫いつけた。なお、該MA試験布については、Frants Szaras;“The mechanical action in washing machines.MA−test pieces instruction and application.”(1982)に記載のものを用いた。
全自動洗濯機(東芝、AW-D802VP )を準備し、洗濯水量を45L に設定し、上記MA試験布を縫い付けたTシャツを含む木綿Tシャツを計10枚(約2.2kg)を入れた。洗濯機に洗浄剤組成物60g を投入し、洗濯8 分、脱水3 分、ため濯ぎ2 回、脱水6 分の洗濯工程を行ない、乾燥せずにT シャツからMA試験布を取り外し、ほつれた糸の本数を測定した。
(3)布帛ケア評価判定基準
判定は5枚のMA試験布のほつれた糸の平均値を求めた。
(比較例1)
水370kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液200kg、40重量%の2号シリケート水溶液50kg、炭酸ナトリウム100kg、硫酸ナトリウム147.5kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS型蛍光染料2.5kg、ゼオライト125kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、洗剤組成物を得た。また、得られた洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。スベリ性ランク:2の洗剤組成物であった。5枚のMA試験布のほつれた糸の平均値は60本/枚であった。
(比較例2)
特許第3123757号に記載の実施例3に従って、水465kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液48kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液135kg、炭酸ナトリウム120kg、硫酸ナトリウム60kg、亜硫酸ナトリウム9kg、CBS型蛍光染料3kg、ゼオライト300kgを混合し均質なスラリーを得た。このスラリーを噴霧乾燥し、ベース顆粒を得た。
このベース顆粒100重量部と、非イオン性界面活性剤15重量部と陰イオン性界面活性剤15重量部とポリエチレングリコール1重量部からなる混合液とをを攪拌混合し、洗剤組成物を得た。得られた洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。スベリ性ランク:1の洗剤組成物であった。5枚のMA試験布のほつれた糸の平均値は60本/枚であった。
(実施例1)
比較例1で得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.04kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。スベリ性ランク:3で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例2)
比較例1で得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.4kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例3)
水377.5kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液140kg、40重量%の2号シリケート水溶液50kg、炭酸ナトリウム100kg、硫酸ナトリウム157.5kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS染料2.5kg、ゼオライト125kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液37.5kg、カルボキシルメチルセルロース5kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.40kg、セルラーゼ12g、プロテアーゼ12gを添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合しながら香料12gを賦香し、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例4)
水347.5kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液200kg、40重量%の2号シリケート水溶液50kg、炭酸ナトリウム100kg、硫酸ナトリウム132.5kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS染料2.5kg、ゼオライト125kg、40重量%のアクリル酸−マレイン酸共重合体水溶液37.5kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.28kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例5)
水322.5kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液250kg、40重量%の2号シリケート水溶液50kg、炭酸ナトリウム100kg、硫酸ナトリウム102.5kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS染料2.5kg、ゼオライト125kg、40重量%のアクリル酸−マレイン酸共重合体水溶液37.5kg、カルボキシルメチルセルロース5kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.28kg、セルラーゼ12g、プロテアーゼ12gを添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合しながら香料12gを賦香し、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例6)
水370kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液200kg、40重量%の2号シリケート水溶液50kg、炭酸ナトリウム100kg、硫酸ナトリウム130kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS染料2.5kg、ゼオライト125kg、エチレンジアミン四酢酸17.5kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.28kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例7)
水370kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液200kg、40重量%の2号シリケート水溶液50kg、炭酸ナトリウム100kg、硫酸ナトリウム135kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS染料2.5kg、ゼオライト125kg、メチルグリシニン二酢酸12.5kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.28kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例8)
水325kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液200kg、40重量%の2号シリケート水溶液125kg、炭酸ナトリウム70kg、硫酸ナトリウム147.5kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS染料2.5kg、ゼオライト125kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.28kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。
(実施例9)
水370kg、50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液200kg、40重量%の2号シリケート水溶液50kg、炭酸ナトリウム100kg、硫酸ナトリウム147.5kg、ポリエチレングリコール5kg、CBS染料2.5kg、ゼオライト25kg、トリポリリン酸ナトリウム100kgを混合して均質なスラリーを調製した後、スラリーを噴霧乾燥し、得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L )に投入し、続いてメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番: 169-07045)を0.28kg添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表2に示す。これを溶解させた洗濯水は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好である洗濯用スベリ性改善剤含有の洗剤組成物であった。5枚のMA試験布のほつれた糸の平均値は50本/枚であった。
(実施例10)
ハイスピードミキサー(三井三池(株)製、容量2L 、ジャケット付) にメタリン酸カリウム(和光純薬工業株式会社製、型番:169-07045 )を0.3kgと硫酸ナトリウムを0.3kg投入し、主軸を3600r/m で3分間攪拌した後、混合物を抜き出し、洗濯用スベリ性改善剤混合物(メタリン酸カリウム50重量%、硫酸ナトリウム50重量%)を得た。
比較例1及び2で得られた洗剤組成物と上記の洗濯用スベリ性改善剤混合物を手洗い洗濯時に表1の比率で添加した場合のスベリ性を表2に示す。洗剤組成物と洗濯用スベリ性改善剤造粒物を溶解させた洗濯液は粘稠溶液となり、スベリ性ランク:5で乾燥後の皮膚感触が非常に良好であるスベリ性改善剤造粒物であった。
Figure 0004173835
表中、ポリエチレングリコールの分子量は1.3万であり、ポリアクリル酸ナトリウムの分子量は1万であり、アクリル酸−マレイン酸共重合体(Na塩)の分子量は7万である。
Figure 0004173835
なお、実施例において洗濯液感触は、洗濯液を手のひらで洗面器から高さ30cm程度まですくい上げた後、洗面器へ洗濯液を落とすときの洗濯液の流れ具合で、粘稠の有無を判断した。
また、乾燥後皮膚感触は、約5分間の手洗い洗濯後、水道水にて手に付着している洗濯液を15秒間洗い流し、タオル(木綿100%)の上の手の表裏をそれぞれ10秒静置させて、手の表裏の水分をタオルに吸収させた後の手の感触を以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:乾燥後の手の皮膚が柔らかく滑らかに感じられる。
○:乾燥後に、目立った感触なし(メタリン酸カリウムを配合していない洗剤を用いた場合と同様)。
また、実施例1〜10で得られた洗濯物であるTシャツには、繊維の傷みがみられなかった。
実施例11〜21
以下の方法でメタリン酸カリウムを合成し、手洗い洗濯評価を行った。
KH2 PO4 (シグマアルドリッチジャパン株式会社製、試薬特級、Lot.A8347、K/Pモル比=1.00)に、焼成後のメタリン酸カリウムのK/Pモル比が表3に示す値になるように、H3 PO4 (和光純薬工業株式会社製、試薬特級、純度85%、Lot.CKL2218、K/Pモル比=0.94)を添加し、表3に示す温度で3時間焼成した。得られた焼成物を乳鉢で粉砕し、メタリン酸カリウムを得た。
比較例1で得られた洗剤組成物4.0kgをコンクリートミキサー(光洋機械産業(株)製、容量40L)に投入し、続いて表3に示す条件で合成した各メタリン酸カリウムを表3に示す割合( 対洗剤組成物外比) で添加し、傾斜角30°、回転数20r/m で3分間混合して、洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物を得た。得られた洗濯用スベリ性改善剤含有洗剤組成物のスベリ性を表3に示す。
Figure 0004173835
表3の結果より、手洗い洗濯評価ですべり性評価を行ったところ、K/Pモル比は1未満で、より良好なスベリ性ランクを示した。また、焼成温度によってもスベリ性ランクは変化し、400℃以上で良好なスベリ性を示した。
なお、K/Pモル比は、以下の測定方法に従って求めた。
<K/Pモル比の測定方法>
白金ルツボに試料0.1gを採取し、更にLi2 4 7 を5g及び、剥離剤(重量比でLi2 CO3 :LiBr:LiNO3 =5:1:1)を0.5g加え、ビードサンプラ(東京科学(株)製、NT−2100)により、1230℃で溶融し、ガラスビードを作成した。
蛍光X線装置((株)リガク製、ZSX100e)によりガラスビード中のK及びPを以下の条件で測定した(XRF強度)。
X線源 :Rh管球
電圧電流:50KV50mA
分光結晶 検出器 角度
・K:LiF SC(シンチレーションカウンタ) 136.68deg
・P:Ge PC(プロポーショナルカウンタ) 141.19deg
K/Pモル比の計算は、KH2 PO4 (シグマアルドリッチジャパン株式会社製、試薬特級)をサンプルと同様に測定し、K/Pモル比1.00の基準として、サンプルのK/Pモル比を以下の計算により算出した。
Figure 0004173835
本発明のスベリ性改善剤は、洗濯、中でも、手洗い洗濯時に好適に使用することができる。
図1は、カルシウムイオン電極によるCaイオン捕捉能測定法において作成される検量線を示す概略図であり、カルシウムイオン濃度の対数と電位の関係を示す。 図2は、カルシウムイオン電極によるCaイオン捕捉能測定法において作成されるカルシウムイオン濃度と、サンプルの滴下量との関係を示す概略図である。図2中のサンプルの滴下量Aにおけるカルシウムイオン濃度がサンプルのカルシウムイオン捕捉能となる。

Claims (13)

  1. メタリン酸カリウムを含有してなる洗濯用スベリ性改善剤。
  2. メタリン酸カリウムのK/Pモル比が1未満である請求項1記載の洗濯用スベリ性改善剤。
  3. 手洗い洗濯用である請求項1又は2記載の洗濯用スベリ性改善剤。
  4. 請求項1又は3記載の洗濯用スベリ性改善剤と、可溶化剤とを含有する洗剤組成物。
  5. 可溶化剤の量がメタリン酸カリウム中のカリウムイオンに対して少なくとも0.5倍当量の置換イオン源を含有してなる請求項4記載の洗剤組成物。
  6. さらに界面活性剤及び/又はビルダーを含有する請求項4又は5記載の洗剤組成物。
  7. ビルダーとして、カルシウムイオン捕捉能100mgCaCO3 /g以上の金属イオン封鎖剤を5重量%以上含有する請求項6記載の洗剤組成物。
  8. 金属イオン封鎖剤が水溶性有機物質である請求項7記載の洗剤組成物。
  9. さらにケイ酸塩を含有する請求項4〜8いずれか記載の洗剤組成物。
  10. ケイ酸塩がケイ酸ナトリウムである請求項9記載の洗剤組成物。
  11. さらにリン酸塩を含有する請求項4〜10いずれか記載の洗剤組成物。
  12. リン酸塩がトリポリリン酸ナトリウムである請求項11記載の洗剤組成物。
  13. メタリン酸カリウムの水中濃度30mg/L以上、浴比2以上の条件下で手洗い洗濯を行う方法。
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