JPH06192686A - 液体洗濯洗剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低粘度で、且つ高濃度の界面活性剤を含有す
る液体洗剤組成物の提供。 【構成】 （Ａ）モノ−、ジ−又はトリ−エタノールア
ミン石鹸を１２〜５５重量％、非石鹸アニオン界面活性
剤及び／又は両性界面活性剤を０〜４３重量％、および
非イオン界面活性剤を５〜４８重量％含有する全界面活
性剤 ３５〜６０重量％、（Ｂ）少なくとも主要量のビ
ルダー塩からなる、溶解した電解質 ２〜２０重量％、
および（Ｃ）水 少なくとも２０重量％を含有する液体
洗剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、溶解したビルダーおよ
び高濃度の界面活性剤を含有する、優れた洗濯特性を与
える、安定な、単一液状相の新規クリーニング調合物に
関する。本発明の組成物は、コストおよび環境上の理由
から望ましくない溶媒の存在における安定性に依存しな
いものである。

【０００２】

【技術的背景】液体洗濯洗剤は粉末洗剤に対して多くの
利点を有しているので、該粉末洗剤は、洗濯用洗剤市場
全体にかなりな割合を占める液体洗剤にリードされてい
る。従来の粉末洗剤よりも高濃度の活性成分を含むコン
パクト粉末洗剤の導入が、液体洗剤へと向かう時代の流
れに対して挑戦している。従って、この挑戦に合致す
る、より高濃度な液体洗浄剤、特に溶解または懸濁した
ビルダー塩類を含む、低粘度の高濃度水系界面活性剤組
成物を求める市場の要請がある。従来、液体洗剤を濃縮
し得る程度は、水および界面活性剤の重量に基づいて３
０重量％を越える濃度においてメソ相を形成するため
に、慣用の洗剤界面活性剤系の性向により、制限されて
きた。メソ相または液晶相とは、例えば三次元すべてに
おいてではないが一つもしくは二つの次元で、固相より
は低いが古典的液体よりは高い順位度（degree of orde
r）を呈する相である。

【０００３】約３０重量％までの濃度において、多くの
界面活性剤はミセル溶液（Ｌ₁相）を形成し、そこでは
界面活性剤が、光学顕微鏡で視認できないほど小さい界
面活性剤分子の凝集体であるミセルとして、水中に分散
している。ミセル溶液は、多くの点で、真の溶液に似た
見かけおよび挙動を示す。約３０重量％の濃度では洗剤
界面活性剤の多くは、六角対称性を有する液晶であり、
かつ通常は非可動性でワックスに類似した物質であるＭ
相を形成する。このような製品は注入可能ではなく、明
らかに液体洗剤として用いることができない。例えば約
５０重量％以上、通常は６０％以上８０％以下の濃度範
囲の、より高い濃度ではさらに可動性の相であるＧ相が
形成される。Ｇ相はニュートン性（剪断減粘性）の通常
注入可能な相であるが、典型的には粘性、流動特性およ
び曇って乳光性の外観を呈するので消費者を魅了でき
ず、洗濯用洗剤として直接使用するに適さない。

【０００４】例えば約７０または８０％以上の高濃度に
おいて、ほとんどの界面活性剤が水和固体を形成する。
幾つかの界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤はミセ
ルサイズの分散水滴を含む液相（Ｌ₂相）を形成する。
Ｌ₂相は水中に容易に分散せずゲルを形成する傾向を有
し、液体洗剤としての使用に適していないことがわかっ
た。観察され得るその他の相は、非可動性でありガラス
質の外観を呈する粘性等方性相（ＶＩ）を含む。種々の
相はその外観、流体学、および偏光顕微鏡、電子顕微鏡
及びＸ線回析もしくは中性子散乱により観察される組織
の組合せにより認識することができる。

【０００５】本明細書において論じられる種々の相に関
して、以下の用語は次のように説明もしくは定義され
る。“光学等方性”界面活性剤相は、通常、平面偏光光
線の偏光平面を回転させる傾向を持たない。偏光平面が
直角である光学的に平面を偏光する材料の二つのシート
の間に試料を一滴置き、その一つのシートに光を照射し
て、もう一方のシートを通して観察したときに、光学等
方性界面活性剤はその周囲よりも実質的に明るく見えな
い。光学異方性物質は実質的に明るく見える。光学異方
性メソ相は、典型的には、交差偏光間で顕微鏡を通して
観察すると特徴的な組織を示すが、光学等方性相は通常
は、暗く、本質的には特徴の無い連続体を示する。

【０００６】“ニュートン液体”は、種々の剪断速度に
おいて一定の値を保持する粘性を有する。本明細書にお
いては、1000／秒までの剪断速度おいて、粘性が実質的
に変化しなければ、その液体をニュートン液体と見な
す。組成物の“ペイロード”とは、該組成物の洗浄効果
に寄与する成分、即ち機能成分の、組成物全重量当たり
の百分率のことであり、該成分は界面活性剤、ビルダ
ー、蛍光増白剤、アルカリ緩衝液、酵素、再沈降防止剤
および消泡剤を包含する。

【０００７】本明細書において“電解質”は、界面活性
剤ではなく、溶液中でイオン化する水可溶の化合物を意
味する。該電解質は十分に高濃度で存在するときに界面
活性剤が溶液から塩析する傾向のあるものが好ましく、
これを“界面活性剤を脱溶解する電解質”という。本明
細書において“石鹸”は、Ｃ₈〜Ｃ₂₂の天然または合成
脂肪族モノカルボキシル脂肪酸の、少なくとも僅かに水
に可溶の塩を意味し、該塩は界面活性剤特性を有するも
のである。本明細書において“ビルダー”は、溶解した
カルシウムおよび／またはマグネシウムの効果を改善し
て界面活性剤の洗浄活動を補助する化合物を意味する言
葉として用いられる。一般的に、ビルダーは洗浄液をア
ルカリ性に維持する補助も行う。典型的なビルダーは、
トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン
酸３ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはニトリロ３
酢酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤および錯体形成
剤、ゼオライト等のイオン交換剤、およびナトリウムま
たはカリウムの炭酸塩等の沈澱剤、ならびにナトリウム
の珪酸塩等のアルカリを含む。

【０００８】通常、洗濯に使用される洗剤は、界面活性
剤およびビルダーを含有している。後者は界面活性剤が
より一層効果的に働くように補助し、それにより必要と
される界面活性剤の量を実質的に減少させる。ビルダー
入り液体洗剤は、約５〜１５％の界面活性剤および１０
〜３０％のビルダーを含有する。ビルダーが存在しなけ
れば、使用に耐えうる効能を得るために２倍量以上の界
面活性剤が必要とされるだろう。界面活性剤はビルダー
よりも充分に高価であるから、後者は本質的に効果的に
コストを下げるものと考えられている。

【０００９】可溶性ビルダーを液体洗剤に導入する試み
においては、このようなビルダーが塩析により界面活性
剤が溶液から排除される傾向を有する電解質であること
が、大きな問題となる。有機化合物の水性溶液に塩析電
解質を添加すれば、当然の結果として相分離が起こる。
これは水性界面活性剤においては一般的に観察されるこ
とであり、電解質の添加に対して、塩析の可能性を有す
るに充分な高濃度で添加することで水性界面活性剤の濃
縮液の効力を低下させるであろうという、強い先入観を
引き起こす。より強く濃縮された水性界面活性剤溶液の
場合には、適切な量で電解質を添加することに対する、
さらに強い先入観が存在している。

【００１０】

【従来の技術と課題】課題 自動計量に適している濃厚液体洗剤に対しては、特別な
要求が存在する。このような製品は、理想的には、低い
剪断非依存性またはニュートン粘性であり、そして中間
体ゲルを形成することなく水に容易に分散されるべきで
ある。このような濃厚液体洗剤は、大量の洗剤を使用す
る、工業的及び画一的使用者に特に適しており、そして
効率的操作の必要性から、自動計量システムの実施とい
う結果となる。

【００１１】従来技術 典型的な市販の液体洗濯洗剤は三つの主要な区分に分け
られる。元の液体洗濯洗剤は、電解質の塩析効果を克服
し、かつ安定で非構造的等方性の水性ミセル溶液（Ｌ₁
相）を維持するために、溶媒およびヒドロトロープと共
に低濃度の水溶性ビルダー塩を含有する水性界面活性剤
であった。このような製品の効能は、粉末製品と比べて
貧弱なものであった。製品のグラム当たりの効能は、製
品を高濃度、例えば６０％までの界面活性剤に設計する
に連れて改善されてきたが、界面活性剤の高濃度化は、
より易溶性ではあるがより高価な界面活性剤を充分に高
レベルな有機溶媒と共に使用することによりなされたも
のである。後者はビルダーを高レベルに含有していない
ので、標準的なビルダー含有製品と同等の効能を得るた
めには、常時より多量に使用する必要があった。洗浄液
に界面活性剤を高レベルに供給する効果は、ビルダーの
欠乏を補うことである。加えて、界面活性剤には、より
易溶性になるに連れて洗剤としての効果が減少する傾向
がある。したがって要求されるバルクによる利点は殆ど
なく、洗浄毎のコストが比較的高いという欠点があり、
この欠点は、可溶性界面活性剤のより高いコスト、およ
び均一な等方性組成物を維持するためには必要であるが
洗浄力に寄与しない溶媒のコストにより、悪化する。ま
た、洗浄毎の界面活性剤の大量使用および溶媒の存在は
環境に対しても良くない。

【００１２】第二の型の液体洗剤の開発により、結果と
してトリポリリン酸ナトリウムまたはゼオライトのよう
な固体ビルダーを構造水性界面活性剤系に懸濁しうる水
性洗剤組成物が生じた。界面活性剤構造は、通常溶解し
た電解質と界面活性剤との相互反応により形成される。
後者が等方性ミセル相から塩分され、水性電解質により
散在されたメソ相を形成する。全ての構造界面活性剤系
は剪断依存性粘度を示す。該系が沈降の危険性なしに固
体粒子を懸濁しうるならば、非ニュートン粘性は必須で
あるが、自動計量も可能な、工業的及び画一的使用を意
図する製品の場合は、不利である。

【００１３】第三の型であり、つい最近市場に紹介され
た洗剤は、無水型である。これは高い界面活性剤濃度の
利点、および通常水性配合物に含ませることが困難な酸
化漂白剤を含ませる可能性も有している。しかし実質的
な量の有機溶媒を含む無水配合物の存在は、環境上の理
由から批判されるであろうし、洗浄液体濃度に希釈する
のが困難である。水の添加はゲル形成を起こしがちであ
る。高濃度は使い過ぎの原因となり得る。さらに、通常
この型の洗剤は貯蔵安定性に乏しい。

【００１４】発明の目的 本発明の目的は、乳白剤の不存在下で等方性（Ｌ₁相）
であり、界面活性剤及び溶解したビルダーを含有する、
比較的濃厚な、例えば３５％以上のペイロードを有する
液体洗濯洗剤を提供することにある。特別な目的は、環
境上望ましくない溶媒、または従来濃厚な液体洗濯には
必要であった、比較的コスト効率の悪い界面活性剤又は
高価な安定剤の存在を必要としない組成物を提供するこ
とにある。本発明の別の目的は、自動計量に適した、例
えば工業的及び画一的使用に適した、低粘度で、非剪断
増粘液体洗剤を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の態様によ
れば、組成物の全重量を基準として、 （Ａ）モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン石鹸を
１２〜５５重量％、非石鹸アニオン界面活性剤及び／又
は両性界面活性剤を０〜４３重量％、および非イオン界
面活性剤を５〜４８重量％含有する全界面活性剤 ３５
〜６０重量％ （Ｂ）少なくとも主要量のビルダー塩からなる、溶解し
た電解質 ２〜２０重量％、および （Ｃ）水 少なくとも２０重量％ を含有する、ニュートン液体洗剤組成物が提供される。

【００１６】本発明の組成物はアニオン性スルホ界面活
性剤を含有することが好ましい。例えば、アニオン界面
活性剤の少なくとも５重量％は、アルキルベンゼンスル
ホネート、パラフィンスルホネート、アルキルサルフェ
ート、アルキルエーテルサルフェートおよびアルキルエ
ーテルポリカルボキシレートから選択されることが好ま
しい。特に好ましいアニオン界面活性剤の組み合わせ
は、アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエーテル
サルフェートの組み合わせである。該組成物は典型的に
は、少なくとも２５重量％、通常は少なくとも３０重量
％、時には３６重量％以上の水を含有する。該組成物は
典型的には、少なくとも３重量％の、例えば少なくとも
５重量％の、主にビルダー塩からなる溶解した電解質を
含有する。

【００１７】本発明の第２の態様によれば、組成物の全
重量を基準として、 （Ａ）モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン石鹸を
１２〜５０重量％、非石鹸アニオン界面活性剤及び／又
は両性界面活性剤を０〜３８重量％、および非イオン界
面活性剤を５〜４３重量％含有する全界面活性剤 ３５
〜５５重量％ （Ｂ）少なくとも主要量のビルダー塩からなる、溶解し
た電解質 ２〜２０重量％、および （Ｃ）水 少なくとも２０重量％ を含有する液体洗剤組成物が提供される。

【００１８】上記第２の態様による組成物は、石鹸及び
非イオン界面活性剤以外に、存在する界面活性剤の主要
量として、アニオン性スルホ界面活性剤を含有すること
が好ましい。例えば、残りの全界面活性剤の少なくとも
５重量％がアルキルベンゼンスルホネート、パラフィン
スルホネート及びアルキルサルフェートから選択され
る。この組成物は、典型的には、少なくとも２５重量
％、通常は少なくとも３０重量％、時には３６重量％以
上の水を含有する。該組成物は典型的には、少なくとも
３重量％の、例えば少なくとも５重量％の、主にビルダ
ー塩からなる溶解した電解質を含有する。

【００１９】第３の態様によれば、本発明の製品は、重
量％で、２〜２０％のアルキルベンゼンスルホネート；
０〜１５％のアルキルエーテルサルフェート；１５〜４
０％の石鹸；５〜１５％の非イオンアルコキシル化され
た界面活性剤；２〜１０％のクエン酸塩、０〜１０％の
カーボネート及び０〜４％のホスホネートを含有する２
〜２０％の全ての、溶解した電解質；および３０〜６０
％の水を含有する。アニオン界面活性剤および他の塩の
カチオン成分は、少なくとも１０％のモノ−、ジ−又は
トリ−エタノールアミンおよび残部が実質的にアルカリ
金属イオンからなることが好ましい。

【００２０】第４の態様によれば、本発明は透明で、均
一で、低粘度で、典型的には２０℃で０．６パスカル秒
以下の粘度を有する、非剪断依存性の液体組成物が提供
され、この組成物は自動計量に適するものである。

【００２１】石鹸 石鹸の割合は、脂肪酸の重量％で表示して、組成物重量
の８〜２０％、例えば１０〜１５％であることが好まし
い。組成物の全重量を基準として、石鹸の重量で表示さ
れる石鹸の全割合は、好ましくは１５〜４０重量％、よ
り好ましくは１８〜３５重量％、例えば２０〜３２重量
％である。石鹸のカチオン成分は、モノ−、ジ−、トリ
−エタノールアミン、好ましくはモノ−又はジ−エタノ
ールアミンを、組成物の７〜２５重量％、より好ましく
は９〜２０重量％、殊に１０〜１５重量％を含有し、残
部が実質的にアルカリ金属、好ましくはナトリウム及び
／又はカリウムであることが好ましい。石鹸の製造に使
用することのできる天然及び合成酸類は、Ｃ₈〜Ｃ₂₂の
飽和または不飽和の、直鎖または分岐鎖の脂肪酸、例え
ばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、アラキン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リ
シノール酸、リノレン酸及びアラキドン酸が好ましい。
特に好ましいものは、Ｃ₈〜Ｃ₂₀脂肪酸のモノ−又はジ
−エタノールアミン塩、例えばパームカーネル（kerne
l）脂肪酸のモノエタノールアミンである。石鹸は予備
形成した石鹸として組成物に添加することができ、また
は脂肪酸と適当な塩基との反応によりその場で形成させ
ることもできる。

【００２２】アニオン／両性界面活性剤 本発明の組成物は、典型的には、アニオン及び／又は両
性界面活性剤を、全界面活性剤の量として４３重量％ま
で、好ましくは５〜３０重量％、例えば５〜２５重量％
含有する。アニオン界面活性剤は、Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈、例えば
Ｃ₁₀〜Ｃ₁₄のアルキルベンゼンスルホネートを、例えば
全量で少なくとも５重量％、好ましくは５〜２０重量
％、殊に５〜１５重量％、最も好ましくは１０〜１４重
量％含有することが好ましい。アニオン界面活性剤は、
所望ならば、代わりに又は付加的にＣ₁₀〜Ｃ₁₈、例えば
Ｃ₁₀〜Ｃ₁₄の、分子あたり平均で１〜２０個、好ましく
は２〜４個のエトキシ基を有するアルキルポリオキシエ
チレンサルフェートを少なくとも２重量％、好ましくは
５〜１０重量％の割合で含有することができる。このよ
うなアルキルポリオキシエチレンサルフェートの添加の
特別な利点は、該組成物のペイロードを高めることがで
き、従って該組成物の性質に悪影響を与えることなく、
性能が改良されることである。

【００２３】存在させることのできる他のアニオン界面
活性剤としては、Ｃ₈〜Ｃ₂₂のパラフィンスルホンネー
トおよびＣ₈〜Ｃ₂₂のアルキルサルフェート、および分
子あたり１〜５０個、好ましくは２〜２０個のエチレン
オキシ基を有するＣ₈〜Ｃ₂₂のアルキルエーテルポリカ
ルボキシレートが包含される。界面活性剤は、場合よ
り、好ましいことであるが、少量の、例えば５％まで、
好ましくは１〜２％の両性界面活性剤を含有することが
できる。好ましい両性界面活性剤はＣ₈〜Ｃ₁₈のアルキ
ルベタインである。他の両性界面活性剤としては、アミ
ドアミンベタイン、アルキルイミダゾリンベタインおよ
びスルホベタインが包含される。

【００２４】非イオン界面活性剤 非イオン界面活性剤は、分子あたり平均で５〜５０個、
好ましくは６〜２０個、最も好ましくは６〜１０個のエ
チレンオキシ基を有する、エトキシル化Ｃ₈〜Ｃ₂₀の、
例えばＣ₁₀〜Ｃ₁₄のアルコールが好ましい。他の非イオ
ン界面活性剤としては、エチレンオキサイドを上記と同
じ好ましい割合で含有するエトキシル化Ｃ₈〜Ｃ₂₀脂肪
酸、およびエチレンオキシ基に対するプロピレンオキシ
基の比が０〜０.５である混合エトキシル化及びプロポ
キシル化された上記非イオン界面活性剤の類似体が包含
される。界面活性剤はアミンオキサイドを通常は１％ま
で、低泡特性が重要でなければそれ以上の割合で含有す
ることができる。他の非イオン界面活性剤としては、脂
肪アルキルモノ−及びジ−エタノールアミンが包含され
る。非イオン界面活性剤の割合は、組成物の５〜４８重
量％、好ましくは７〜３５重量％、例えば１０〜１５重
量％のような９〜２０重量％である。界面活性剤の全重
量は、組成物の全重量基準で、３１〜５９重量％、例え
ば４０〜５５重量％、殊に４８〜５２重量％が望まし
い。

【００２５】電解質 溶解した電解質の全割合は組成物の７〜１５重量％であ
ることが好ましい。電解質はクエン酸塩およびカーボネ
ートが好ましく、場合によりアミノトリス（メチレンホ
スホネート）、エチレンジアミンテトラキス（メチレン
ホスホネート）又はジエチレントリアミンペンタキス
（メチレンホスホネート）のようなホスホネートを４％
まで含有することが好ましい。組成物は少なくとも５重
量％のクエン酸塩及び少なくとも２重量％のカーボネー
トを含有することが好ましい。組成物は場合により少量
の、例えば５％まで、好ましくは２％のまでのアセテー
トを含有することができる。

【００２６】存在させることのできる電解質は、ビルダ
ー、例えばシリケート、ニトリロトリアセテート、ピロ
ホスフェート及びエチレンジアミンテトラアセテート、
並びに他の塩類、例えばクロライド、ブロマイド、ホル
メート、アセテート及びニトレート、又はボレートのよ
うな緩衝液を包含する。より低い粘度にするために電解
質中にある種のカリウム塩を含有させることが一般的に
望ましいが、コスト上の理由から、可能ならばナトリウ
ム塩を使用することが好ましい。リチウム及びカルシウ
ム塩も成功裏に試験されたが、商業的配合に使用するの
は好ましくない。

【００２７】ホスフェート及び／又は縮合ホスフェー
ト、例えばナトリウムヘキサメタホスフェート、カリウ
ムピロホスフェート、またはナトリウム又はカリウムト
リポリホスフェートを含有することが可能である。ホス
ホネート、例えばアセトジホスホン酸塩又はアミノトリ
ス（メチレンホスホネート）、エチレンジアミンテトラ
キス（メチレンホスホネート）およびジエチレントリア
ミンペンタキス（メチレンホスホネート）も使用するこ
とができる。

【００２８】電解質は飽和までの濃度で存在させうる
が、非機能成分が０℃でその飽和濃度以上にならないこ
とが好ましい。その為に、電解質は実質的な割合、例え
ばナトリウムサルフェートを２重量％より多く含有しな
いことが好ましい。ナトリウムサルフェートの含量は、
１重量％以下であることが好ましい。全ての、溶解した
電解質濃度は、典型的には、組成物の全重量を基準にし
て、２〜２０重量％、通常は４〜１８重量％、例えば６
〜１７重量％である。特に、本発明の組成物は、少なく
とも２重量％、好ましくは少なくとも３重量％、より好
ましくは少なくとも５重量％、最も好ましくは少なくと
も６重量％、殊に少なくとも７重量％、時には８重量％
の溶解したビルダーを含量することが好ましい。エタノ
ールアミンは別として、溶液中のカチオンの残部は、好
ましくはアルカリ金属、より好ましくはナトリウム及び
／又はカリウム、殊に原子比で０．５：１〜１：０．１
のナトリウム及びカリウムである。

【００２９】少量成分および水 本発明の組成物は、少量の、例えば２％まで、好ましく
は０．１〜１％のヒドロトロープ、例えばナトリウムキ
シレンホスホネート、ナトリウムキュメンホスホネート
又はナトリウムトルエンホスホネートのような低級アル
キルベンゼンスルホネートを含量することが好ましい。
本発明の組成物は、均一性の維持のためには必要でな
い、且つさらに環境上望ましくない溶媒が実質的にない
ことが好ましい。しかしながら、時には、香料増強剤と
して、エタノールのような（典型的には、工業用メチル
化スピリットのような）揮発性のヒドロキシル溶媒を少
量含有することが望ましい。１０重量％までの量を含有
することができるが、３重量％以下、例えば２重量％以
下が好ましい。本発明による組成物は、典型的には、通
常使用される少量成分、例えば香料、着色剤、蛍光増白
剤、乳白剤、防腐剤又は酵素、再沈降防止剤、または通
常量の他のポリマーを包含する。組成物は、典型的に
は、２０〜６０重量％、例えば３０〜５０重量％、通常
は３２〜４５重量％の水を含有する。

【００３０】調製 本発明組成物の配合においては、透明な均一液体相が得
られるまで、成分が混合される。組成物が分離して乳光
Ｇ相の層となる傾向があるときは、安定な、単一相の組
成物が得られるまで、少量の水及び／又はエタノールア
ミンで希釈すべきである。

【００３１】粘度 本発明の配合物は低いニュートン液である。典型的に
は、本発明組成物の２０℃における粘度は、調整された
応力流動計により２１／秒の剪断速度での測定値とし
て、０．６パスカル秒より低く、０．０３パスカル秒よ
り高く、好ましくは、０．０５〜０．５パスカル秒、よ
り好ましくは０．１２〜０．３５パスカル秒である。本
発明の組成物は、自動計量装置により容易に計量される
非剪断依存性ニュートン液である。

【００３２】

【実施例】本発明を第１表に示した実施例により説明す
るが、表中の全ての割合は組成物全重量を基準とする重
量％である。

【００３３】

【表１】

【００３４】実施例１および２の組成物は、透明で、均
一な等方性液体であり、１％溶液において、ｐＨが８、
ゲル化温度が約−５℃、２１／秒及び２０℃での粘度が
それぞれ０．３パスカル秒および０．２パスカル秒であ
った。実施例３および４の組成物も透明で、均一な等方
性液体であり、１％溶液において、ｐＨが１０、ゲル化
温度が約−５℃、２１／秒及び２０℃での実施例３の粘
度が０．１３パスカル秒であった。実施例１〜４の組成
物は全て、４０℃及び６０℃で、２００ppmの人口水硬
度（カルシウム及びマグネシウム硬度）で、標準化され
た洗濯機により特定条件下で洗濯した後のテスト布地に
おいて、激しい汚れ（stain）及び弱い汚れ(soil)の顕
著な除去が認められた。繊維の白さの度合いは、上記組
成物で処理した後、反射率測定器より測定された。

【００３５】洗剤組成物による汚れ除去の評価方法 １） ３インチ平方のあらかじめ汚した試験布２枚を、
４０℃又は６０℃で標準自動洗濯機で、実施例２の洗剤
又は一般に入手可能な一流の市販ブランド洗濯洗剤を１
２０ml（洗濯水１リットルあたり８．８ｇ）用いて洗濯
した。一般に入手可能な洗濯洗剤を標準として使用し
た。塩化カルシウム及び炭酸マグネシウムを洗濯水に加
え、２００ppmの全人口水硬度（カルシウム及びマグネ
シウム硬度）とした。洗濯サイクルを完結した後、試験
布を硬度を調節した水で洗い、空気乾燥した。 ２） 空気乾燥およびアイロンがけした後、ミノルタ反
射率計（モデルCR200）を用いて、各布の片側の異なる
２つの面の光り反射率を読み取った。各標準布から得ら
れた８つの光り反射率の読み取り値を平均化し、下記の
式により汚れ除去の百分率に換算した。 汚れ除去％＝［(Ｗ₁−Ｗ₂)／(Ｗ−Ｗ₂)］×１００ 式中、Ｗは汚れのない繊維の反射率読み取り値 Ｗ₁は洗濯された繊維の反射率読み取り値 Ｗ₂は汚れた繊維の反射率読み取り値

【００３６】標準の汚れた布は“材料試験及び研究のた
めのスイス連邦研究所”（スイス国）および Washereif
orfehung Krefeld(WFK)（ドイツ国）から提供された。
上記したような評価に使用された布は、洗剤工業全体に
亙って標準試験布として認められているものである。紅
茶、コーヒーおよびクロフサスグリ（blackcurrant）ジ
ュース試験布は、布を手で汚すことにより社内で調製し
た。試験繊維は、洗剤の前及び後に、反射率が測定され
た。

【００３７】各標準コットン布は、下記の混合物の１種
であらかじめ汚した。 ａ）カーボン／オリーブ油 ｂ）カーボン／羊毛脂 ｃ）顔料／皮脂 各標準ポリコットン布は、下記の混合物の１種であらか
じめ汚した。 ａ）カーボン／オリーブ油 ｂ）顔料／皮脂 標準ポリエステル布は顔料／皮脂であらかじめ汚した。
あらかじめ激しく汚した標準布は全てコットンであり、
漂白しうる汚れ（紅茶、コーヒー、クロフサスグリジュ
ースまたは赤ワイン）または酵素的汚れ（血液、ミル
ク、カーボン）であらかじめ汚した。

【００３８】

【表２】

【００３９】上記の汚れ除去性能の評価結果から、実施
例２のものが一般に入手しうる市販のブランド製品の性
能と等しい性能であることが分かる。両製品は同じ標準
試験条件で評価されている。しかしながら、一般に入手
しうる市販のブランド製品はかなりの量の溶媒を含有し
ている。従って、本発明の実施例のものは、標準試験布
において、標準条件で、均等な汚れ除去性能を与える
が、環境上望ましくない溶媒を必要としない。

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 組成物の全重量を基準として、 （Ａ）モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン石鹸を
   １２〜５５重量％、非石鹸アニオン界面活性剤及び／又
   は両性界面活性剤を０〜４３重量％、および非イオン界
   面活性剤を５〜４８重量％含有する全界面活性剤 ３５
   〜６０重量％ （Ｂ）少なくとも主要量のビルダー塩からなる、溶解し
   た電解質 ２〜２０重量％、および （Ｃ）水 少なくとも２０重量％ を含有する液体洗剤組成物。
2. 【請求項２】 組成物の全重量を基準として、 （Ａ）モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン石鹸を
   １２〜５０重量％、非石鹸アニオン界面活性剤及び／又
   は両性界面活性剤を０〜３８重量％、および非イオン界
   面活性剤を５〜４３重量％含有する全界面活性剤 ３５
   〜５５重量％ （Ｂ）少なくとも主要量のビルダー塩からなる、溶解し
   た電解質 ２〜２０重量％、および （Ｃ）水 少なくとも２０重量％ を含有する液体洗剤組成物。
3. 【請求項３】 組成物の全重量を基準として、 （ａ）水 少なくとも２０重量％ （ｂ）アルキルベンゼンスルホネート ２〜２０重量％ （ｃ）アルキルエーテルサルフェート ０〜１５重量％ （ｄ）モノ−、ジ−、又はトリ−エタノールアミン石鹸
   １５〜４０重量％ （ｅ）非イオンアルコキシル化された界面活性剤 ５〜
   １５重量％、および （ｆ）全ての、溶解した電解質 ２〜２０重量％ を含有する液体洗剤組成物であって、前記溶解した電解
   質が （i）クエン酸塩 ２〜１０重量％ （ii）カーボネート ０〜１０重量％、および （iii）ホスホネート ０〜４重量％ を含有する組成物。
4. 【請求項４】 Ｃ₈〜Ｃ₁₈のアルキルベンゼンスルホネ
   ート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂のパラフィンスルホネート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂
   のアルキルサルフェート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂のアルキルエーテ
   ルポリカルボキシレート及び／又はＣ₁₀〜Ｃ₁₈のアルキ
   ルポリオキシエチレンサルフェートを含有する、前記他
   の非石鹸アニオン界面活性剤５〜３５重量％を含有す
   る、請求項１〜３のいずれか１項に記載の組成物。
5. 【請求項５】 非石鹸アニオン界面活性剤がＣ₁₀〜Ｃ₁₄
   のアルキルベンゼンスルホネートを含有する請求項４記
   載の組成物。
6. 【請求項６】 石鹸がＣ₈〜Ｃ₂₂の飽和又は不飽和の、
   直鎖又は分岐鎖の、天然又は合成脂肪酸である請求項１
   〜５のいずれか１項に記載の組成物。
7. 【請求項７】 石鹸の濃度が、全組成物中の石鹸の重量
   を基準にして、少なくとも１２重量％である請求項６記
   載の組成物。
8. 【請求項８】 石鹸の全濃度が１５〜４０重量％である
   請求項７記載の組成物。
9. 【請求項９】 非イオン界面活性剤が、分子あたり平均
   ５〜５０個のエチレンオキシ基を有する、エトキシル化
   されたＣ₈〜Ｃ₂₀のアルコール又は脂肪酸を含有する請
   求項１〜８のいずれか１項に記載の組成物。
10. 【請求項１０】 非イオン界面活性剤の割合が全組成物
    の７〜３５重量％である請求項９記載の組成物。
11. 【請求項１１】 ０．５〜５重量％の両性界面活性剤を
    含有する請求項１〜１０のいずれか１項に記載の組成
    物。
12. 【請求項１２】 両性界面活性剤がＣ₈〜Ｃ₁₈のアルキ
    ルジメチルベタイン、アミドアミンベタイン、アルキル
    イミダゾリンベタイン及び／又はスルホベタインである
    請求項１１記載の組成物。
13. 【請求項１３】 溶解した電解質が水可溶性クエン酸
    塩、及び／又はカーボネート及び／又はホスホネートで
    ある請求項１または２記載の組成物。
14. 【請求項１４】 溶解した電解質が少なくとも５重量％
    のクエン酸塩、および少なくとも２重量％のカーボネー
    ト、および場合により４重量％までのホスホネートを含
    有する請求項１〜１３のいずれか１項に記載の組成物。
15. 【請求項１５】 ７〜１５重量％の溶解した電解質を含
    有する請求項１〜１４のいずれか１項に記載の組成物。
16. 【請求項１６】 ５重量％までの通常量で、ヒドロトロ
    ープ、乳白剤、香料、着色剤、蛍光増白剤、乳白剤、防
    腐剤、酵素、再沈降防止剤及び／又は他のポリマーを含
    有するする請求項１〜１５のいずれか１項に記載の組成
    物。
17. 【請求項１７】 ニュートン流動特性を有し、２０℃で
    ０．０３〜０．６パスカル秒の粘度を有する、請求項１
    〜１６のいずれか１項に記載の組成物。
18. 【請求項１８】 洗濯洗剤として使用するための請求項
    １〜１７のいずれか１項の記載の組成物。
19. 【請求項１９】 自動計量システムに使用するための請
    求項１〜１８のいずれか１項に記載の組成物。