JP2000351999A - ベース顆粒群 - Google Patents

ベース顆粒群

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JP2000351999A JP16679999A JP16679999A JP2000351999A JP 2000351999 A JP2000351999 A JP 2000351999A JP 16679999 A JP16679999 A JP 16679999A JP 16679999 A JP16679999 A JP 16679999A JP 2000351999 A JP2000351999 A JP 2000351999A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高吸油能で、かつ衣類に洗剤の未溶解残留物の
極めて少ないベース顆粒群及び、該ベース顆粒群に界面
活性剤を担持させた高嵩密度洗剤粒子群を提供するこ
と。 【解決手段】水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶
性塩類を含有し、さらに界面活性剤0〜10重量%を含
有するベース顆粒群であって、その嵩密度が400〜1
000g/L であり、水不溶性無機物の少なくとも一部
は、水銀ポロシメータで測定される孔径0.015〜
0.5μm の容積が0〜1.0mL/g、孔径0.5〜2μ
mの容積が0.30mL/g以上の非晶質アルミノ珪酸塩で
ある界面活性剤担持用ベース顆粒群、並びに該界面活性
剤担持用ベース顆粒群100重量部に対し融点が40℃
以下の非イオン性界面活性剤を20重量%以上含有する
界面活性剤組成物を10〜100重量部担持させてなる
高嵩密度洗剤粒子群。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】特定構造の非晶質アルミノ珪
酸塩を含有する高嵩密度の界面活性剤担持用ベース顆粒
群、及び該ベース顆粒に界面活性剤を担持させた高嵩密
度の洗剤粒子群に関する。
【0002】
【従来の技術】1980年代後半の粉末洗剤の高嵩密度
化は、そのコンパクトさが輸送ないし持ち運び並びに収
納性に大きく寄与するものであったため、現在ではコン
パクト洗剤が主流を占めるようになっている。この高嵩
密度洗剤の製造方法に関しては、数多くの検討がなされ
ており、例えば、噴霧乾燥して得られるベース顆粒群に
界面活性剤を担持させる方法が考案されている。この方
法には、皮脂汚れ等の洗浄性に優れる常温で液体の非イ
オン性界面活性剤を多量に配合し得る点にメリットがあ
る。
【0003】しかし、ベース顆粒群の吸油能が低い場
合、洗浄性能を満足するに十分な界面活性剤を吸油させ
ると、界面活性剤のしみ出し等が懸念され、また、この
しみ出しを抑制するために表面改質剤を多量に用いるこ
とは、コスト面などから好ましくない。従って、前記方
法を活用するにはベース顆粒群の吸油能が極めて高いレ
ベルにあることが必要となる。
【0004】ベース顆粒群の吸油能を向上させた粉末洗
剤としては、特開平9-20900 号公報に非晶質ゼオライト
及び非晶質シリカを含有する洗浄ビルダースラリーを噴
霧乾燥してなる洗浄ビルダー粉末に界面活性剤溶液を染
み込ませてなる分包型洗剤の記載がある。しかし、かか
る粉末洗剤を用いた場合には、洗濯終了後に洗剤未溶解
残留物が衣類等に残留するいう問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高吸
油能で、かつ衣類に洗剤の未溶解残留物の極めて少ない
ベース顆粒群及び、該ベース顆粒群に界面活性剤を担持
させた高嵩密度洗剤粒子群を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶性塩類
を含有し、さらに界面活性剤0〜10重量%を含有する
ベース顆粒群であって、その嵩密度が400〜1000
g/L であり、水不溶性無機物の少なくとも一部は、水銀
ポロシメータで測定される孔径0.015〜0.5μm
の容積が0〜1.0mL/g、孔径0.5〜2μm の容積が
0.30mL/g以上の非晶質アルミノ珪酸塩である界面活
性剤担持用ベース顆粒群(以下、ベース顆粒群とい
う)、並びに〔2〕前記〔1〕記載のベース顆粒群10
0重量部に対し融点が40℃以下の非イオン性界面活性
剤を20重量%以上含有する界面活性剤組成物を10〜
100重量部担持させてなる高嵩密度洗剤粒子群に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】1.ベース顆粒、洗剤粒子及び洗
剤組成物の定義 本発明において、「ベース顆粒」とは、界面活性剤0〜
10重量%を含有し、主として水不溶性無機物(A)、
水溶性ポリマー(B)及び水溶性塩類(C)から構成さ
れているものであって、界面活性剤を担持させるために
使用される粒子をいい、「ベース顆粒群」とは、その集
合体を意味する。また、「洗剤粒子」とは、界面活性剤
及びビルダー等を含有してなる粒子であり、特に本発明
においてはベース顆粒に界面活性剤を担持させて得られ
るものを指し、「洗剤粒子群」とは、その集合体を意味
する。また、「洗剤組成物」とは、洗剤粒子群を含有
し、さらに前記洗剤粒子群以外に別途添加された洗剤成
分(例えば、ビルダー顆粒、蛍光染料、酵素、香料、消
泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等)を含有する組成物を意
味する。
【0008】2.ベース顆粒の組成 (A)水不溶性無機物 本発明に用いられる水不溶性無機物の少なくとも一部
は、水銀ポロシメータで測定される孔径0.015〜
0.5μmの容積が0〜1.0mL/g、孔径0.5〜2μ
m の容積が0.30mL/g以上の非晶質アルミノ珪酸塩
(以下、孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩ともい
う)である。
【0009】水銀ポロシメータで測定される孔径が制御
された非晶質アルミノ珪酸塩の孔径0.015〜0.5
μm の容積は、衣類に残留する洗剤の未溶解残留物の生
成と関係があり、その容積は、少なければ少ないほど好
ましく、好ましくは0〜0.70mL/g、より好ましくは
0〜0.60mL/g、さらに好ましくは0〜0.50mL/
g、最も好ましくは0〜0.45mL/gである。また、孔
径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩の孔径0.5〜2
μm の容積は、界面活性剤の担持量を高める効果があ
り、その容積は、多ければ多いほど好ましく、好ましく
は0.40mL/g以上、より好ましくは0.55mL/g以
上、さらに好ましくは0.60mL/g以上である。
【0010】なお、水銀ポロシメータによる非晶質アル
ミノ珪酸塩の孔径0.015〜0.5μm 及び孔径0.
5〜2μm の容積の測定は、島津製作所(株)製、「SH
IMADZU製ポアサイザ9320」を用い、その取扱説明書に基
づいて以下のように行う。即ち、100mgの非晶質ア
ルミノ珪酸塩をセル容積5.2mL、ステム容積0.39
2mLのセルに入れ、圧入する水銀を低圧部(0〜14.
2psia)と高圧部(14.2〜20000psia)に分け
20℃条件下で測定する。なお、測定中、粉体粒子がつ
ぶれている可能性があるが、ここではこれらを含んだ値
を表す。
【0011】また、孔径が制御された非晶質アルミノ珪
酸塩の吸油能は、高ければ高いほど界面活性剤の担持量
を高めるので好ましい。例えば、JIS K 5101法で測定さ
れる吸油能値は、好ましくは100mL/100g 以上、さら
に好ましくは120mL/100g以上、より好ましくは15
0mL/100g 以上、特に好ましくは170mL/100g 以上で
ある。
【0012】孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩の
組成は、下記式(1)で表されるものが好ましい。 xM2 O・yMeO・Al2 3 ・zSiO2 (1) (式中、Mはアルカリ金属原子、Meは2価金属原子を
示し、xは0.2〜2.0、yは0〜0.1、zは0.
5〜5.0である)。
【0013】式(1)において、MはNa及びKが好ま
しく、Naがコスト面等からより好ましい。Meは、M
g、Ca及びFeが好ましく、Caがより好ましい。M
eは、前記孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩中に
おいて任意成分ではあるが、吸油能向上や該非晶質アル
ミノ珪酸塩中のアルミニウムや珪素の溶出を低減させる
等の効果があるため配合されていることが好ましい。な
お、M及びMeは、それぞれ単独で又は2種以上を組み
合わせて使用してもよい。xは、好ましくは0.5〜
1.5、より好ましくは0.85〜1である。yは、好
ましくは0.001〜0.08、より好ましくは0.0
05〜0.05である。
【0014】zは、孔径が制御された非晶質アルミノ珪
酸塩の構造や化学的な安定性に関係があり、その値が小
さすぎると該非晶質アルミノ珪酸塩の吸油能を大きくす
ることが困難になり、またその値が大きすぎると加水分
解を受けやすいSi−O−Si結合が該非晶質アルミノ
珪酸塩の分子内に増加して、遊離珪酸及び/又はそのポ
リマーが生成しやすくなる。遊離珪酸及び/又はそのポ
リマーは、0.015〜0.5μm の孔径に由来するも
のとは異なるメカニズムで、衣類に残留する洗剤の未溶
解残留物を生成する可能性があり、特に、ベース顆粒中
に10重量%以上のアルカリ剤が配合されているとき、
遊離珪酸及び/又はそれらのポリマー由来の未溶解残留
物が発生する傾向があることから、zは好ましくは1.
5〜4.0、より好ましくは2.0〜3.5である。な
お、「アルカリ剤」とは、この成分0.1gを25℃の
蒸留水1Lに分散したときの分散水のpHが10.1以
上を示す成分のことであり、具体的には炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、JIS1号ケイ酸ナトリウム、JI
S 2号ケイ酸ナトリウムを挙げることができる。な
お、孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩の組成は、
公知の元素分析法を用いることができるが、例えば、蛍
光X線法や高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(I
CP)により求めることができる。
【0015】また、ベース顆粒中におけるアルカリ剤に
対する孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩の化学的
安定性は、アルカリ条件下で該非晶質アルミノ珪酸塩か
ら溶出する遊離珪酸及び/又はそのポリマーの溶出量を
測定することにより、評価することができる。遊離珪酸
及び/又はそのポリマーは、便宜上、SiO2 に換算
し、その溶出量が供試した孔径が制御された非晶質アル
ミノ珪酸塩に対して0.20重量%以下、好ましくは
0.15重量%以下、さらに好ましくは0.10重量%
以下であると洗剤の未溶解残留物の発生率を低減するこ
とができる。特に、アルカリ剤の配合量が、ベース顆粒
中に10重量%以上である場合には効果的である。
【0016】なお、アルカリ条件下での遊離珪酸及び/
又はそのポリマーの溶出量の測定は、以下のように行
う。即ち、アルカリ性に耐性のある100mL容の容器
(例えば、高密度ポリエチレン製、テフロン(登録商
標)製等)に、孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩
5.0gと20.0%炭酸ナトリウム50mLを入れ、2
0℃において16時間振とう攪拌し、続いて、0.2μ
mフィルターで粉体懸濁液をろ過する。100mLメスフ
ラスコにろ液5.0mLを計り取り、6N HCl水溶液
5mLを添加しイオン交換水にて総量を100mLにした溶
液をICP測定し、得られたSi量をSiO2 量に換算
して、遊離珪酸及び/又はそれらのポリマーの溶出量を
得る。
【0017】次に、孔径が制御された非晶質アルミノ珪
酸塩の合成方法を説明する。孔径が制御された非晶質ア
ルミノ珪酸塩は、例えば、合成原料を適当な温度、攪拌
強度、滴下方法、滴下速度、濃度及び割合で混合し、反
応させて得ることができる。
【0018】合成原料としては、例えば、アルミン酸ア
ルカリ金属塩水溶液、珪酸アルカリ金属塩水溶液及び2
価金属塩水溶液が挙げられる。アルミン酸アルカリ金属
塩水溶液及び珪酸アルカリ金属塩水溶液としては、市販
のもの又は水酸化アルミニウム等のアルミ源や珪酸等の
シリカ源をアルカリ金属塩水溶液と共にアルカリ処理を
施したものを使用してもよい。また、2価金属塩水溶液
としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の塩化
物、硫酸塩等の水溶性の2価金属塩を用いることが好ま
しい。また、2価金属原子がCaやMgである場合には
硬水を用いてもよい。
【0019】用いる原料の濃度について述べる。アルミ
ン酸アルカリ金属塩水溶液及び珪酸アルカリ金属塩水溶
液の濃度は特に限定されないが、水溶液の粘着性増加に
よる操作性、及び生産性の点から15〜60重量%のも
のが好ましい。2価金属塩水溶液の濃度は、0〜5重量
%が好ましい。配合割合としては、原料混合物中にアル
ミン酸アルカリ金属塩水溶液が5〜50重量%、珪酸ア
ルカリ金属塩水溶液が1〜40重量%、2価金属塩水溶
液が0〜3重量%であることが好ましい。ここで、アル
ミン酸アルカリ金属塩水溶液に対し、珪酸アルカリ金属
塩水溶液の濃度比が、0.8以下であることが、孔径を
制御する上で好ましい。合成温度としては、10〜80
℃が好ましく、20〜60℃がより好ましく、25℃〜
55℃が特に好ましい。攪拌強度としては、反応液が均
一に分散するように強攪拌されていることが反応速度を
高めるだけでなく、孔径の制御を行う上でも好ましい。
滴下方法としては、上記濃度のアルミン酸アルカリ金属
塩水溶液へ上記濃度の珪酸アルカリ金属塩水溶液を滴下
することが好ましく、また滴下速度はなるべくゆっくり
行うことが孔径の制御を行う上で好ましい。
【0020】また、反応工程後、熟成工程を導入するこ
とによって吸油能向上や孔径が制御された非晶質アルミ
ノ珪酸塩からの珪素やアルミニウムの溶出を抑制するこ
とができる。熟成温度は、吸油能や溶出量の観点より、
50〜100℃が好ましい。
【0021】前記方法で合成した孔径が制御された非晶
質アルミノ珪酸塩は、ろ過等の操作によって母液と分離
された後、さらにろ過洗浄を繰り返したり、硫酸や炭酸
ガスなどの酸で中和し余剰のアルカリ成分を除去するな
どして反応溶液中のAl2 3 、SiO2 等の未反応物
を少なくすることが好ましい。これは、未反応物を含有
したスラリーを用いてベース顆粒を作製すると、その表
面に未反応物の殻が形成されてベース顆粒の吸油能が低
下するからである。このようにして得られる孔径が制御
された非晶質アルミノ珪酸塩のメジアン径は、1〜30
μmであることが好ましい。
【0022】孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩の
配合量は、ベース顆粒群中において好ましくは1〜20
重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好まし
くは2〜8重量%である。
【0023】その他の水不溶性無機物としては、結晶性
アルミノ珪酸塩をはじめ、前記以外の非晶質アルミノ珪
酸塩、二酸化珪素、水和珪酸化合物、パーライト、ベン
トナイト等の粘土化合物等が挙げられ、洗浄能力や洗剤
の未溶解残留物の発生を促さない理由等から、結晶性ア
ルミノ珪酸塩が好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩として
好適なものは、A型ゼオライト(例えば、商品名:「ト
ヨビルダー」;東ソー(株)社製)であり、金属イオン
封鎖能及び経済性の点でも好ましい。ここで、A型ゼオ
ライトの、JIS K 5101法による吸油能の値は、40〜5
0mL/100g であることが好ましい。その他、P型(例え
ば商品名「Doucil A24」、「ZSE064」等;いずれもCros
field 社製;吸油能60〜150mL/100g )、X型(例
えば、商品名「WessalithXD 」;Degussa 社製;吸油能
80〜100mL/100g )、国際公開第9842622 号記載の
ハイブリッドゼオライトも好適な結晶性アルミノ珪酸塩
として挙げられる。ここで、これらの水不溶性無機物の
1次粒子の平均粒径は、0.1〜20μmが好ましく、
さらに好ましくは0.5〜10μmである。
【0024】前記孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸
塩以外の水不溶性無機物は、洗浄性能や品質面など考慮
に入れて適宜配合され、その配合量は、ベース顆粒群
中、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは15
〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%であ
る。
【0025】(B)水溶性ポリマー 本発明で使用される水溶性ポリマーは、洗浄性能向上及
び/又はベース顆粒の粒子強度向上の効果があるもので
あれば、特に限定されるものではないが、カルボン酸系
ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、
糖類等が挙げられ、中でもカルボン酸系ポリマーが好ま
しい。該カルボン酸系ポリマーの中では、アクリル酸−
マレイン酸コポリマーの塩及びポリアクリル酸塩が特に
優れている。なお、これらの塩の対イオンは、ナトリウ
ムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンであ
ることが好ましい。また、カルボン酸系ポリマーは分子
量が1000〜100000のものが好ましく、さらに
好ましくは分子量2000〜80000、特に好ましく
は分子量5000〜50000である。
【0026】また、カルボン酸系ポリマー以外に、ポリ
グリオキシル酸塩等のポリマー、カルボキシメチルセル
ロース等のセルロース誘導体並びにポリアスパラギン酸
塩等のアミノカルボン酸系のポリマーも使用することが
できる。
【0027】これらの水溶性ポリマーの配合量は、ベー
ス顆粒の粒子強度も十分にする効果があるだけでなく、
孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩のスラリー中で
の分散性も向上させ、凝集粒子が減少でき、凝集粒子由
来の水不溶物を低減することができるので、ベース顆粒
群の2〜20重量%が好ましく、4〜12重量%がより
好ましく、5〜9重量%が最も好ましい。
【0028】(C)水溶性塩類 水溶性塩類としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、亜
硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩等のアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、又はアミン塩などの水溶性の無機塩類
や、クエン酸塩やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機
酸塩類を挙げることができる。これらの中で、炭酸塩、
硫酸塩、亜硫酸塩及びリン酸塩が好ましい。例えば、炭
酸ナトリウムは洗濯液中で好適なpH緩衝領域を示すア
ルカリ剤として好ましい。また、硫酸ナトリウム、硫酸
カリウム、亜硫酸ナトリウム等の解離度の高い水溶性塩
類は、洗濯液のイオン強度を高め、皮脂汚れ洗浄等に好
適に作用する。また、亜硫酸根は水道水中に含有されて
いる次亜塩素イオンを還元し、酵素や香料等の洗剤成分
の、次亜塩素イオンによる酸化劣化を防止する効果があ
り重要である。また、トリポリリン酸ナトリウムも好ま
しい。
【0029】また、低分子量の水溶性有機塩類として
は、クエン酸塩やフマル酸塩等のカルボン酸塩が挙げら
れるが、金属イオン封鎖能を期待してpKCa2 + が大
きく、及び/又はカチオン交換容量の大きい基剤が好ま
しい。具体的には、メチルイミノジ酢酸塩、イミノジコ
ハク酸塩、エチレンジアミンジコハク酸塩、タウリンジ
酢酸塩、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸塩、β−アラニ
ンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグ
リシンジ酢酸塩、グルタミン酸ジ酢酸塩、アスパラギン
ジ酢酸塩、セリンジ酢酸塩等を挙げられる。
【0030】また、硫酸塩、亜硫酸塩等の炭酸塩とは異
なる陰イオンやアンモニウム等のナトリウムとは異なる
陽イオンをベース顆粒中に混在させると、水中での洗剤
粒子間の非ペースト形成性の点で効果がある。
【0031】水溶性塩類の配合量は、粒子強度が十分
で、洗剤組成物の溶解性の点でも好ましい点から、ベー
ス顆粒群の5〜75重量%が好ましく、10〜70重量
%がより好ましく、20〜60重量%が最も好ましい。
【0032】また、本発明のベース顆粒群中には、界面
活性剤は、含有されても、されなくてもよい。界面活性
剤を多量に含むスラリーを例えば噴霧乾燥させると、ベ
ース顆粒が被膜化されるために吸油能が低下する可能性
があり、ベース顆粒中に界面活性剤が存在していれば、
吸油させる界面活性剤の量を低減できるという利点があ
り、またスラリー中へ界面活性剤を添加することによ
り、噴霧乾燥時の乾燥効率が向上するという効果もあ
る。従ってその配合量は、ベース顆粒群の0〜10重量
%であり、0〜5重量%が好ましく、0〜3重量%がよ
り好ましい。
【0033】本発明のベース顆粒群の界面活性剤含有量
は0〜10重量%である。ここで、界面活性剤を含有し
てなるスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒を製造する場
合、得られるベース顆粒の表面に被膜が形成される傾向
があるため、結果としてベース顆粒群の吸油能が低下す
る可能性がある。したがって、かかる観点からは、界面
活性剤のベース顆粒群中の含有量はより少ない方が好ま
しく、むしろ界面活性剤を存在させないのが好ましい。
一方、スラリー中へ界面活性剤を添加することにより、
噴霧乾燥時の乾燥効率が向上するという利点もある。し
たがって、かかる観点からは、界面活性剤をベース顆粒
群中に配合させる方が好ましい。以上のことから、界面
活性剤のベース顆粒群中の含有量は0〜10重量%であ
り、0〜5重量%がより好ましく、0〜3重量%が特に
好ましい。
【0034】ここでいう界面活性剤の例としては、例え
ば、ベース顆粒群に担持される界面活性剤が挙げられ
る。
【0035】また、本発明のベース顆粒群中には、洗剤
組成物に好適なビルダー顆粒、蛍光染料、顔料、染料等
の補助成分も適宜配合でき、またベース顆粒群の水分量
は、赤外線水分法で1〜10重量%程度が好ましく、さ
らに好ましくは1.5〜8重量%がより好ましく、2〜
6重量%が更に好ましく、2〜5重量%が最も好まし
い。
【0036】ベース顆粒群の水分測定は、赤外線水分法
により行う。即ち、試料3gを質量既知の試料皿に0.
01gまではかり採り、赤外線水分計(株式会社ケット
科学研究所製( 赤外線ランプ185W) )により3分間
試料の加熱、乾燥を行う。乾燥後、試料皿と乾燥試料の
質量を0.01gまではかる。前記操作により得られた
乾燥前後の容器と試料の差分を試料のはかり採り量で除
し100を掛けることにより試料中の水分量を計算す
る。
【0037】3.ベース顆粒群の製法 本発明のベース顆粒群は、例えば、水不溶性無機物を含
有し、水溶性ポリマー、水溶性塩類の60重量%以上が
溶解したスラリーを調製し、該スラリーを乾燥して調製
することができる。なお、前記孔径が制御された非晶質
アルミノ珪酸塩は、前述の「(A)水不溶性無機物」の
項で説明した反応生成物を反応液のままスラリーにして
配合してもよいし、一旦、ろ過洗浄したものを配合して
もよい。また、スラリー中に水溶性ポリマー、水溶性塩
類の60重量%以上が溶解したことは下記の方法により
確認できる。即ち、スラリーを減圧濾過し、濾液中の水
分濃度(P%)を測定する。スラリー水分を(Q%)と
し、スラリー中の水溶性成分の濃度を(R%)とする。
式(2):
【0038】
【数1】
【0039】によって水溶性成分の溶解率が算出され
る。但し、算出される上記溶解率が100%を超える場
合は、溶解率は100%とする。
【0040】スラリーの乾燥方法としては、流動槽乾
燥、凍結乾燥、噴霧乾燥法等が挙げられ、これらの中で
はスラリーを球状に瞬間乾燥する噴霧乾燥が特に好まし
い。これは、粒子形状が実質的に球状となるだけでな
く、粒度分布のばらつきが抑えられるため、溶解性、流
動性、耐ケーキング性が向上した洗剤粒子群を得ること
ができる。スラリーの微粒化装置としては圧力噴霧ノズ
ル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式のいずれの形態でも
構わないが、ベース顆粒群の平均粒径が150〜500
μm、好ましくは180〜300μmであることから、
圧力噴霧ノズルが特に好ましい。噴霧乾燥塔としては向
流塔、並流塔の何れの形態でも構わないが、熱効率や、
ベース顆粒群の粒子強度が向上することから向流塔がよ
り好ましい。また、噴霧乾燥塔に供給される高温ガスの
温度は、生産性、製造し易さの点で好ましくは150〜
300℃、より好ましくは170〜250℃である。ま
た、乾燥塔より排出されるガスの温度は、乾燥塔の熱効
率の点で好ましくは70〜130℃、より好ましくは8
0〜120℃である。
【0041】4.ベース顆粒群の物性 本発明のベース顆粒群は、低温領域での皮脂汚れに効果
のある融点が40℃以下の非イオン性界面活性剤を多量
担持できる。このようなベース顆粒群の吸油能は、非イ
オン性界面活性剤滴下法で、0.40g/g 以上であり、
好ましくは、0.50g/g 以上、さらに好ましくは、
0.60g/g 以上である。なお、非イオン性界面活性剤
滴下法による吸油能の測定は、以下のように行う。即
ち、内部に攪拌翼を備えた内径約5cm×約15cmの円筒
型混合槽に30℃に維持されたベース顆粒群100gを
入れ、350rpm で攪拌しながら、液温30℃で維持さ
れた非イオン性界面活性剤(アルキル基炭素数12/14(以
下、C12/C14 という) =6/4 、平均エチレンオキサイド
付加数(以下、EOという) =7.7 、融点;25℃)を約1
0g/ 分の速度で投入し、攪拌動力が最も高くなった時
の非イオン性界面活性剤の投入量を吸油能とする。
【0042】また、ベース顆粒群の嵩密度は、コンパク
ト洗剤を製造する観点から、400〜1000g/L であ
り、450〜800g/L が好ましく、500〜700g/
L がより好ましく、500〜650g/L がさらに好まし
い。なお、嵩密度は、JIS K3362により規定された方法
で測定する。
【0043】次に、ベース顆粒群の平均粒径としては、
150〜500μmが好ましく、180〜300μmが
より好ましい。なお、測定方法としては、JIS Z
8801に規定の篩を用いて求める。例えば、目開きが
2000μm、1400μm、1000μm、710μ
m、500μm、355μm、250μm、180μ
m、125μmである9段の篩と受け皿を用い、ロータ
ップマシーン(HEIKO SEISAKUSHO製、
タッピング:156回/分、ローリング:290回/
分)に取り付け、100gの試料を10分間振動して篩
い分けを行った後、受け皿、125μm、180μm、
250μm、355μm、500μm、710μm、1
000μm、1400μm、2000μmの順番に受け
皿及び各篩上に重量頻度を積算していくと、積算の重量
頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmと
し、またaμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmと
した時、受け皿からaμmの篩までの重量頻度の積算を
c%、またaμmの篩上の重量頻度をd%とした場合、 式:平均粒径=10(50-(c-d/(log b-log a) x log b))
/(d/(log b-log a)) にしたがって求めることができる。なお、用いる篩は測
定粉体の粒度分布を正確に見積もることが出来るように
適宜調整する。
【0044】また、ベース顆粒群の水不溶物発生率は、
洗濯機中での洗剤粒子の溶け残りを低減できる観点か
ら、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1.5重
量%以下、さらに好ましくは0.8重量%以下である。
なお、ベース顆粒の水不溶物発生率は、以下のようにし
て測定できる。即ち、ベース顆粒群100部を80℃に
温度調節した後、レディゲミキサー(松坂技研(株)
製)に投入し、レディゲミキサーの主軸回転数50rpm
で混合しながら、80℃に温度調節した非イオン性界面
活性剤(C12/C14 =6/4 、EO=6.0 、融点;15℃)20
部を2分間で滴下投入する。滴下後さらに10分間撹拌
した後、ゼオライト(「トヨビルダー」;東ソー(株)
製)25部を添加し、主軸回転数150rpm 、チョッパ
ー回転数5000rpm で1分間撹拌混合する。得られた
粉体を710μmの篩で粗粒を除き、試験洗剤粒子群と
する。得られた試験洗剤粒子群100gをJIS P 3801に
規定される2種型ろ紙(例えば、東洋濾紙(株)製「定
性No2濾紙」)を用いた縦×横×高さ=10cm×6
cm×4cmの上面が開口した箱に充填し、40℃、8
0%RHの恒温室に12時間保存する。保存後のサンプ
ル全量を濾紙箱から取り出して混合した後、回転式縮分
機を用いて縮分された試験洗剤粒子群を得る。次いで、
硝子製1Lビーカーに水道水1L(水温20℃)を入
れ、回転数1200rpm 、長さ35mm×直径8mmの撹拌
子にてあらかじめ撹拌を行い回転数を安定させた後、前
記縮分された試験洗剤粒子群0.667gを投入し、1
0分間試験洗剤粒子群の溶解を行う。10分後直ちに試
験洗剤懸濁液をあらかじめ精秤した200メッシュの金
属篩で濾し取り、試験洗剤残留物を金属篩と共に105
℃/30分後の乾燥を行い、更にデシケーター中で30
分間放冷し、精秤を行う。試験前後の金属篩の重量差及
び供試した試験洗剤粒子群重量から残留率を計算しベー
ス顆粒群の水不溶物発生率(%)とする。
【0045】かかる方法で得られる本発明のベース顆粒
群は、嵩密度や吸油能が高く、かつ未溶解残留物が極め
て少ないので、高嵩密度洗剤組成物の原料として好適に
利用することができる。
【0046】5.ベース顆粒群への界面活性剤の担持 本発明の洗剤粒子群は溶解性の観点より単核性洗剤粒子
を含有することが好ましい。「単核性洗剤粒子」とは、
ベース顆粒に界面活性剤が担持された洗剤粒子であっ
て、1個の洗剤粒子の中に1個のベース顆粒を核として
有する洗剤粒子をいう。なお、単核性を表現する因子と
して、以下の式で定義される粒子成長度を用いることが
でき、その値は、好ましくは1.5以下、より好ましく
は1.3以下である。
【0047】粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒
径)/(ベース顆粒群の平均粒径)
【0048】ここで、最終の洗剤粒子群とは、ベース顆
粒群に界面活性剤を担持させた後の洗剤粒子群、又は該
粒子群に表面改質処理を施した洗剤粒子群のいずれかを
いう。また、単核性粒子は、下記(α)法、(β)法、
(γ)法のうち少なくとも一つの方法により確認でき
る。 (α)法:洗剤粒子群の平均粒径付近から任意にサンプ
リングした洗剤粒子を切断し、洗剤粒子内におけるベー
ス顆粒の有無及びその個数を走査型電子顕微鏡(SE
M)で観察することによって洗剤粒子の単核性を確認す
る方法。本発明の洗剤粒子群に含有される洗剤粒子は、
ベース顆粒を核としてなる単核性の洗剤粒子であること
がわかる。 (β)法:洗剤粒子内のベース顆粒中の水溶性ポリマー
を溶解しない有機溶媒(例えば、ベース顆粒中に、水溶
性ポリマーとしてポリアクリル酸塩、界面活性剤として
陰イオン性界面活性剤(LAS)や非イオン性界面活性
剤が存在する場合、エタノールを好適に用いることがで
きる)により、洗剤粒子中の有機溶媒可溶分を抽出し、
その後の有機溶媒不溶分をSEM観察によって観察する
方法。即ち、1個の洗剤粒子を上記有機溶媒で処理して
得た有機溶媒不溶分に1個のベース顆粒が存在する場
合、単核性の洗剤粒子であることがわかる。 (γ)法:樹脂で包理した洗剤粒子の切断面の2次元の
元素分布をEDSやEPMAによって検出することによ
って洗剤粒子の単核性を確認する方法。
【0049】5−a)界面活性剤の担持 ベース顆粒群に担持させる界面活性剤の量は、洗浄力を
発揮させる点から、ベース顆粒群100重量部に対して
10〜100重量部が好ましく、20〜80重量部がよ
り好ましく、30〜70重量部がさらに好ましく、35
〜65重量部が特に好ましい。また、ベース顆粒に担持
させる界面活性剤中に融点40℃以下の非イオン性界面
活性剤を20重量%以上、好ましくは30重量%以上配
合したとき、皮脂汚れへの洗浄性能が向上する。ここ
で、非イオン性界面活性剤は単独で用いることもできる
が、各種汚れへの洗浄力、衣類への溶け残りから、陰イ
オン性界面活性剤と混合して用いるのが良い。陰イオン
界面活性剤の配合量は、好ましくは界面活性剤の20重
量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ま
しくは40重量%以上である。また、両性界面活性剤や
陽イオン性界面活性剤を目的に合わせ併用することもで
きる。ここでいう界面活性剤の担持量には、スラリー調
製時に界面活性剤が配合される場合、その界面活性剤の
配合量を含まないものである。
【0050】また、前記非イオン性界面活性剤の融点
は、好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以
下、特に好ましく25℃以下、その中でも好ましくは2
2℃以下のものであり、例えば、ポリオキシアルキレン
アルキル(フェニル)エーテル、アルキルポリグリコキ
シド、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリ
マー、ポリオキシアルキレンアルキロール(脂肪酸)ア
ミドが好ましいものとして例示される。陰イオン性界面
活性剤としては、炭素数10〜18のアルコールの硫酸
エステル塩、炭素数8〜20のアルコールのアルコキシ
ル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩又は脂肪酸塩が好ましい。本発明では特に、
アルキル鎖の炭素数が10〜14の、より好ましくは1
2〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好まし
く、対イオンとしては、アルカリ金属類やアミン類が好
ましく、特にナトリウムイオン及び/又はカリウムイオ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンが好ま
しい。
【0051】ベース顆粒群への界面活性剤の担持方法
は、例えば、回分式や連続式の混合機を用いることがで
きる。また、回分式で行う場合は、混合機への仕込み方
法は、(1) 混合機に先ずベース顆粒群を仕込んだ後、界
面活性剤を添加する、(2) 混合機にベース顆粒群と界面
活性剤とを少量ずつ仕込む、(3) ベース顆粒群の一部を
混合機に仕込んだ後、残りのベース顆粒群と界面活性剤
とを少量ずつ仕込む、等の方法をとることができる。な
お、(1) 〜(3) の方法は、混合機を運転させながら行う
ことが好ましい。これらの方法の中で、特に上記(1) が
好ましい。また、界面活性剤は液体状態で添加すること
が好ましく、さらに液体状態の界面活性剤を噴霧して供
給することが好ましい。かかる添加方法によれば、ベー
ス顆粒の単核性を維持しつつ、洗剤粒子群を製造するこ
とができるため、好ましい。
【0052】界面活性剤の中で、実用上の温度範囲内に
おいて、例えば、50〜90℃において昇温しても固体
あるいはペースト状で存在するものについては、これら
を予め粘性の低い、例えば、非イオン性界面活性剤、非
イオン性界面活性剤水溶液、あるいは水中に分散又は溶
解させた界面活性剤の混合液又は水溶液として調製し、
該混合液又は水溶液の形態でベース顆粒群に添加するこ
とができる。この方法により、固体あるいはペースト状
で存在する界面活性剤をも容易にベース顆粒群に添加す
ることができ、さらに単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒
子群の製造に有利である。粘性の低い界面活性剤又は水
と固体あるいはペースト状の界面活性剤との混合比率
は、得られる混合液又は水溶液が噴霧可能である粘度範
囲であれば好ましい。
【0053】上記混合液の製法は、例えば、粘性の低い
界面活性剤又は水に固体あるいはペースト状の界面活性
剤を投入して混合する方法や、粘性の低い界面活性剤中
又は水中で界面活性剤の酸前駆体をアルカリ剤(例えば
苛性ソーダ水溶液や苛性カリ水溶液)で中和することに
より界面活性剤混合液を調製してもよい。
【0054】また、この工程において、界面活性剤の添
加前、その添加と同時、その添加途中、又はその添加後
に陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加することも可
能である。陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加する
ことで、界面活性剤の高配合化、ベース顆粒群の吸油能
制御及び洗剤粒子群の非イオン性界面活性剤のシミ出し
抑制、流動性等の物性、品質の向上が可能となる。
【0055】陰イオン性界面活性剤の酸前駆体として
は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル又
はアルケニルエーテル硫酸、アルキル又はアルケニル硫
酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホン化脂肪
酸、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸、脂肪
酸等が挙げられる。特に脂肪酸を界面活性剤の添加後に
添加することが洗剤粒子群の流動性向上の観点より好ま
しい。
【0056】陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の使用量
は、洗剤粒子群中の粒子の単核性が維持され、良好な高
速溶解性を呈する観点から、ベース顆粒群100重量部
に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜20重量
部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましく、
1〜5重量部が特に好ましい。なお、該酸前駆体の使用
先は、本発明にかける界面活性剤には算出しない。ま
た、陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の添加方法として
は、常温で液体のものは噴霧して供給することが好まし
く、常温で固体のものは粉末として添加してもよく、溶
融させた後噴霧して供給してもよい。ただし、粉末で添
加する場合は、粉末が溶融する温度まで混合機中の洗剤
粒子群の温度を昇温するのが好ましい。
【0057】界面活性剤の担持工程で好ましく用いられ
る装置としては、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)
製)、バーチカルグラニュレーター(パウレック(株)
製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシ
ェアミキサー(太平洋機工(株)製)、ナウターミキサ
ー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
【0058】好ましい混合機としては、単核性洗剤粒子
を多く含有する洗剤粒子群を製造する観点からベース顆
粒に強い剪断力がかかりにくい(ベース顆粒を崩壊させ
にくい)装置であり、界面活性剤の分散効率の観点から
混合効率のよい装置が好ましい。上記の混合機の中で特
に好ましくは、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有
し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形
式のミキサー(横型混合機)でレディゲミキサー、プロ
シェアミキサー等がある。
【0059】また、ここで、非イオン性界面活性剤が使
用される場合、この界面活性剤の融点を上昇させる作用
を有する、融点45〜100℃、分子量1000〜30
000の水溶性非イオン性有機化合物(以下、融点上昇
剤という)又はこの水溶液を、界面活性剤の添加前、界
面活性剤の添加と同時、界面活性剤の添加途中、又は界
面活性剤添加後、あるいは界面活性剤に予め混合して添
加することが好ましい。融点上昇剤を添加することで、
洗剤粒子群のケーキング性、洗剤粒子群中の界面活性剤
のシミ出し性を抑制することができる。本発明で用いる
ことのできる融点上昇剤としては、例えば、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、プルロニック型非イオン性
界面活性剤等が挙げられる。融点上昇剤の使用量は、ベ
ース顆粒群100重量部に対して0.5〜8重量部が好
ましく、0.5〜5重量部がより好ましく、1〜3重量
部が最も好ましい。この範囲が、洗剤粒子群に含有され
る洗剤粒子の粒子間の凝集の抑制、高速溶解性、及びシ
ミ出し性やケーキング性の抑制の点から好ましい。融点
上昇剤の添加方法として、予め界面活性剤と任意の方法
で混合して添加すること、又は界面活性剤の添加後に融
点上昇剤を添加することが洗剤粒子群のシミ出し性やケ
ーキング性の抑制に有利である。
【0060】本工程における混合機内の温度は、JIS K
2269に規定の方法によって測定される界面活性剤の流動
点以上に昇温して混合を行えば、より好ましい。ここ
で、昇温させる温度としては、界面活性剤の担持を促進
させるために添加する界面活性剤の流動点より高ければ
よいが、実用的な範囲を挙げると流動点を越えて流動点
より50℃高い温度までが好ましく、流動点より10℃
〜30℃高い温度がより好ましい。また、この工程で陰
イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加する場合は、当該
陰イオン性界面活性剤の酸前駆体が反応できる温度に昇
温して混合を行えばより好ましい。
【0061】好適な洗剤粒子群を得るための回分式の混
合時間、及び連続式の混合における平均滞留時間は、1
〜20分間が好ましく、2〜10分間が更に好ましい。
【0062】また、界面活性剤の水溶液や水溶性非イオ
ン性有機化合物水溶液を使用した場合には余剰の水分を
混合中及び/又は混合後に乾燥する工程を有してもよ
く、界面活性剤の添加前、その添加と同時、その添加途
中、又はその添加後に粉末の界面活性剤及び/又は粉末
ルダーを添加することも可能である。粉末ビルダーを添
加することで、洗剤粒子群の粒子径を制御することがで
き、また洗浄力の向上を図ることができる。特に陰イオ
ン性界面活性剤の酸前駆体を添加する場合は該酸前駆体
を添加する前にアルカリ性を呈する粉末ビルダーを添加
することが中和反応を促進する観点から有効である。な
お、ここで言う「粉末ビルダー」とは、界面活性剤以外
の粉末の洗浄力強化剤を意味し、具体的には、ゼオライ
ト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤や、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基
剤、結晶性珪酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能い
ずれも有する基剤、その他硫酸ナトリウム等のイオン強
度を高める基剤等を指す。
【0063】ここで、結晶性珪酸塩として、特開平5-27
9013号公報第3欄第17行〜第6欄第24行(特に、500
〜1000℃で焼成して結晶化させたものが好まし
い)、特開平7-89712 号公報第2欄第45行〜第9欄第34
行、特開昭60-227895 号公報第2頁右下欄第18行〜第4
頁右上欄第3行(特に第2表の珪酸塩が好ましい)に記
載の結晶性珪酸塩を粉末ビルダーとして用いることがで
きる。ここで、アルカリ金属珪酸塩のSiO2 /M2
(モル比;但しMはアルカリ金属原子を表す)は、0.
5〜3.2が好ましく、1.5〜2.6がより好まし
い。
【0064】粉末ビルダーの使用量としては、洗剤粒子
群に含有される洗剤粒子の単核性を維持し、良好な高速
溶解性を得られ、また、粒子径の制御も好適である点か
ら、ベース顆粒群100重量部に対して0.5〜12重
量部が好ましく、1〜6重量部がさらに好ましい。
【0065】また、本発明の洗剤粒子群は多核性洗剤粒
子を含有することができる。多核性洗剤粒子は、前述の
単核性洗剤粒子を構成するベース顆粒を凝集させたもの
でも、水溶性塩類、例えば炭酸ナトリウム等を核として
凝集させたものでもよい。また、界面活性剤の量を増や
すことにより、多核性洗剤粒子を容易に形成することが
できる。なお、重曹や過炭酸塩等の発泡剤を添加して、
ベース顆粒間の溶解促進を助長させても良い。
【0066】5−b)表面改質工程 本発明においては、前述の方法により界面活性剤を担持
させた洗剤粒子群の粒子表面を改質するために、添加時
の形態として以下の(1)微粉体、(2)液状物のよう
な種々の表面被覆剤を添加する表面改質工程を一工程あ
るいは二工程重複して行ってもよい。本発明の洗剤粒子
群の粒子表面を被覆すると、洗剤粒子群の流動性と非ケ
ーキング性が向上する傾向があるため、表面改質工程は
好ましい。表面改質工程で使用される装置は特に限定さ
れず、公知の混合機を用いることができるが、上述5−
a) で例示した混合機が好ましい。以下に表面被覆剤に
ついてそれぞれ説明する。
【0067】(1)微粉体 微粉体の一次粒子の平均粒径は、洗剤粒子群の粒子表面
の被覆率が向上し、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング
性の向上の観点から、10μm以下が好ましく、0.1
〜10μmがより好ましい。この平均粒径は、光散乱を
利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場
製作所(株)製)、又は顕微鏡観察による測定等で測定
される。また、微粉体は、高いイオン交換能や高いアル
カリ能を有していることが洗浄面から好ましい。
【0068】微粉体としては、アルミノ珪酸塩が好まし
く、結晶性、非晶質の何れでも構わない。アルミノ珪酸
塩以外では、硫酸ナトリウム、珪酸カルシウム、二酸化
珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘
導体、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物、
一次粒子の平均粒径が0.1〜10μmの金属石鹸、粉
末の界面活性剤(例えばアルキル硫酸塩等)、水溶性有
機塩等も好ましい。結晶性シリケート化合物を用いる場
合、吸湿や吸炭酸ガスによる結晶性シリケートの凝集等
による劣化を防ぐ目的から、結晶性シリケート化合物以
外の微粉体と混合して用いることが好ましい。非晶質ア
ルミノ珪酸塩としては、本発明に用られる孔径が制御さ
れた非晶質アルミノ珪酸塩が好ましい。
【0069】微粉体の使用量としては、流動性が向上
し、消費者に良好な使用感を与える観点から、洗剤粒子
群100重量部に対して0.5〜40重量部が好まし
く、1〜30重量部がより好ましく、2〜20重量部が
特に好ましい。
【0070】(2)液状物 液状物としては、水溶性ポリマーや脂肪酸等の、水溶液
や溶融物が挙げられる。 (2−1)水溶性ポリマー 水溶性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、
アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポ
リカルボン酸塩等が挙げられる。水溶性ポリマーの使用
量としては、洗剤粒子群100重量部に対して0.5〜
10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、
2〜6重量部が特に好ましい。当該水溶性ポリマーの使
用量はこの範囲において、洗剤粒子群に含有される洗剤
粒子の単核性を維持し、良好な高速溶解性を得られつ
つ、良好な流動性、耐ケーキング性を示す粉体を得るこ
とができる。 (2−2)脂肪酸 脂肪酸としては、例えば、炭素数10〜22の脂肪酸等
が挙げられる。脂肪酸の使用量としては、単核性洗剤粒
子を含有する洗剤粒子群100重量部に対して0.5〜
5重量部が好ましく、0.5〜3重量部が特に好まし
い。常温で固体のものの場合は、流動性を示す温度まで
加温した後に、噴霧して供給することが好ましい。
【0071】本発明の洗剤粒子群の平均粒径は、溶解
性、粉の感触及び保存安定性の点から150〜750μ
mが好ましく、200〜450μmがより好ましく、2
20〜350μmが特に好ましい。また、輸送や収納性
の観点や溶解性の観点から、その嵩密度は500〜12
00g/Lが好ましく、600〜900g/Lがより好
ましく、650〜800g/Lが特に好ましい。
【0072】本発明のベース顆粒群は、高嵩密度洗剤組
成物の原料として好適に用いることができる。例えば、
洗剤組成物を製造する際に、噴霧乾燥等で得られたベー
ス顆粒群を必要に応じて界面活性剤を添加しながら、圧
密化・造粒処理を行ってもよく、特に本願で示した単核
性の洗剤を得る造粒方法に限定されるものではない。ま
た、これら洗剤粒子群を50重量%以上、好ましくは6
0重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に
好ましくは80重量%以上含有し、さらに該洗剤粒子群
内に別途添加された洗剤成分(例えばビルダー顆粒、酵
素、蛍光染料、香料、漂白剤、漂白活性剤など)をアフ
ターブレンドした洗剤組成物も本発明の権利範囲とす
る。
【0073】かかる方法で得られた本発明の洗剤組成物
は、その嵩密度が好ましくは500〜1200g/L 、よ
り好ましくは600〜900g/L のように高いものであ
るので、輸送ないし持ち運び並びに収納性に優れたコン
パクト洗剤になりうる。
【0074】
【実施例】合成例 1〜 5〔孔径が制御された非晶質アル
ミノ珪酸塩の合成〕 50℃、50%アルミン酸ナトリウム水溶液17.62
kgに、50℃、40%珪酸ナトリウム水溶液19.7
2kgと1%塩化カルシウム水溶液45.18kgの混
合溶液を60分、30分、20分、5分、2
分(それぞれ合成例 1〜 5とする)で滴下終了するよう
ポンプを調節した。その後、反応温度50℃で10分、
熟成温度80℃で10分経過した後、60℃に冷却して
孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩を得た。次に、
このスラリー溶液に濃硫酸5.0kg滴下することで、
pH10.5程度まで中和し、20%濃度スラリー溶液
を得た。なお、スラリー溶液の一部を水洗洗浄後得られ
た孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩の組成式は、
0.92Na2 O・0.011CaO・Al2 3
2.13SiO2 、0.94Na2 O・0.01Ca
O・Al2 3 ・2.14SiO2 、0.93Na2
O・0.012CaO・Al2 3 ・2.13Si
2 、0.92Na2 O・0.011CaO・Al2
3 ・2.14SiO2 、0.93Na2 O・0.0
1CaO・Al2 3 ・2.14SiO2であった。ま
た、その物性を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1の結果より、得られた非晶質アルミノ
珪酸塩を「LA-700」(堀場製作所(株)製)にて粒径測
定すると滴下速度を速めることによってメジアン径が大
きくなった。これより、滴下速度が速いほど吸油能が高
くなっていた。
【0077】ベース顆粒群の製造例1 水136.0kgを攪拌翼を有した1m3 の混合槽に加
え、水温が55℃に達した後、15分間攪拌した後に、
炭酸ナトリウム65.0kg、硫酸ナトリウム56.5
kg、亜硫酸ナトリウム2.5kg、蛍光染料2.5k
gを添加した。次に、40重量%のポリアクリル酸ナト
リウム水溶液37.5kgを添加し、前記合成例 1〜 5
で得られた孔径が制御された非晶質アルミノ珪酸塩( 5
は除く)の20%濃度スラリー溶液125.0kg、ゼ
オライト75.0kgを添加し、30分間攪拌して均質
なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は58℃、
スラリー中の水分は49重量%であった。次いで、この
スラリーをポンプで噴霧乾燥塔に供給し、塔頂付近に設
置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力25kg/cm2で噴霧を
行い、ベース顆粒群a〜e(合成例 1〜 5にそれぞれ対
応)を得た。なお、噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔
下部より温度が225℃で供給され、塔頂より105℃
で排出された。得られたベース顆粒群a〜eはいずれも
赤外線水分計での水分量4重量%であった。ベース顆粒
群a〜eの物性を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2の結果より、使用した非晶質アルミノ
珪酸塩の吸油能が大きいほど(表1を参照)、ベース顆
粒群の吸油能が向上することがわかる。
【0080】ベース顆粒群の評価 ベース顆粒群a〜eの水不溶物発生率及び衣類残留性を
表2に示す。なお、水不溶物発生率は、前記のようにし
て測定した。また、衣類残留性は、以下のようにして評
価した。
【0081】<衣類残留性試験>松下電器(株)製全自
動洗濯機「NA-F50A1」に黒色布(「綿ブロード40」、染
色試剤(株)谷頭商店社製、40cm×40cm)5枚に加
え、浴比の調整布として木綿肌着(グンゼ社製;NO.
YG6614)を洗濯機に投入し、布量が総量600g
となるようにする。つづいて前記水不溶物発生率測定に
供した洗剤組成物27gを投入し、洗濯機の水位を低
(40L)に手動設定し、標準コースで洗濯を開始す
る。水温は5℃で行った。洗濯終了後、黒色布を25
℃、40%RHの室内に12時間吊るし干しした後、衣
類に付着した水不溶物(50〜300μm程度)を黒色
布1面当たりにつき、目視で、以下の評価基準に基づい
て評価した。
【0082】評価基準 凝視しても水不溶物が残留していないものを「0」、凝
視して、水不溶物がわずかに残留しているものを「0.
25」、一見して、水不溶物の点在する部分の割合が1
割程度以上のものを「0.5」、一見して、水不溶物の
点在する部分の割合が5分5分以上のものを「1.0」
一見して、水不溶物の点在する部分の割合が9割以上の
ものを「2.0」
【0083】黒色布5枚、両面の計10面の評価を行
い、1面平均のスコアを衣類残留性指数とした。なお、
衣類残留性指数が0.20以下のものを合格品とする。
表2の結果より、使用した非晶質アルミノ珪酸塩の0.01
5 〜0.5 μm における容積(mL/g)が、少ないほど、ベー
ス顆粒群の水不溶物発生率が低減することがわかる。ま
た、実際の衣類残留性指数も同様であった。
【0084】ベース顆粒群の製造例2 組成式Na2 O・Al2 3 ・12.2SiO2 の非晶
質アルミノ珪酸塩(「チキソレックス25」;コフラン
ケミカル( 株) )配合のベース顆粒合成法を以下に示
す。なお、チキソレックス25の物性値を表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】水236.0kgを攪拌翼を有した1m3
の混合槽に加え、水温が55℃に達した後、15分間攪
拌した後に、炭酸ナトリウム65.0kg、硫酸ナトリ
ウム56.5kg、亜硫酸ナトリウム2.5kg、蛍光
染料2.5kgを添加した。次に、40重量%のポリア
クリル酸ナトリウム水溶液37.5kgを添加し、チキ
ソレックス25.0kg、ゼオライト75.0kgを添
加し、30分間攪拌して均質なスラリーを得た。このス
ラリーの最終温度は58℃であった。また、このスラリ
ー中の水分は49重量%である。このスラリーをポンプ
で噴霧乾燥塔に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノ
ズルから噴霧圧力25kg/cm2で噴霧を行い、ベース顆粒
群を得た。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より
温度が225℃で供給され、塔頂より105℃で排出さ
れた。このベース顆粒群(平均粒径245μm、嵩密度
550g/L 、吸油能0.61g/g)の水不溶物発生率は1
1.5%、衣類残留性指数は1.50であった。
【0087】〔洗剤粒子群の製造〕ベース顆粒群b及び
eを用いて界面活性剤組成物を担持させ洗剤粒子群
(A)及び洗剤粒子群(A)’を、ベース顆粒群bを用
いて界面活性剤組成物を担持させ洗剤粒子群(B)及び
(C)を得た。各洗剤粒子群の造粒は以下のようにし
た。
【0088】〔洗剤粒子群(A)及び(A)’の造粒〕
非イオン性界面活性剤(C12/C14=6/4, EO=7.7)、「エマ
ルゲン107KM 」;花王(株)製)23重量部を50℃に
なるように加熱した。レディゲミキサー(松技研
(株)製、容量20L、ジャケット付)に前期ベース顆
粒群b又はe100重量部を投入し、主軸(150rp
m)の攪拌を開始した。なお、ジャケットには60℃の
温水を10L/分で流し、そこに上記非イオン性界面活
性剤を2分間で投入し、その後4分間攪拌を行なった。
更にこの洗剤粒子群の表面をあらかじめ平均粒径10μ
mに粉砕した結晶性珪酸塩(「SKS−6」;クラリア
ントトクヤマ(株)製)5重量部及び結晶性アルミノ珪
酸塩(4A型ゼオライト、「トヨビルダー」;東ソー
(株)製)10重量部で表面被覆し、洗剤粒子群(A)
または(A)’を得た。
【0089】〔洗剤粒子群(B)の造粒〕非イオン性界
面活性剤(C12/C14=6/4, EO=7.7)、「エマルゲン107
KM」;花王(株)製)20重量部と陰イオン性界面活
性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム30重量
部に相当するアルキルベンゼンスルホン酸(「ネオペレ
ックスFS」;花王(株)製)並びに中和剤として水酸
化ナトリウム水溶液とポリエチレングリコール(「K−
PEG6000」;花王(株)製)2重量部を80℃に
なるように加熱混合し、混合液を作製した。上記レディ
ゲミキサーに前期ベース顆粒群b100重量部を投入
し、主軸(150rpm)の攪拌を開始した。なお、ジ
ャケットには80℃の温水を10L/分で流し、そこに
上記界面活性剤組成物を3分間で投入し、その後7分間
攪拌を行った。更にこの洗剤粒子群の表面をあらかじめ
平均粒径10μmに粉砕した結晶性珪酸塩(「SKS−
6」;クラリアントトクヤマ(株)製)10重量部及び
結晶性アルミノ珪酸塩(4A型ゼオライト、「トヨビル
ダー」;東ソー(株)製)10重量部で表面被覆し、洗
剤粒子群(B)を得た。
【0090】(洗剤粒子群(C)の造粒)ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル(C12, EO=3, PO=2, EO = 3 ブロックタイ
プ) 23重量部を用い、洗剤粒子群(B)と同様の方法
にて洗剤粒子群(C) を得た。
【0091】ここでの洗剤粒子群の水不溶物発生率は、
以下の測定方法による。洗剤粒子群100gをJIS P 38
01に規定される2種型ろ紙(例えば、東洋濾紙(株)製
「定性No2濾紙」)を用いた縦×横×高さ=10cm
×6cm×4cmの上面が開口した箱に充填し、40
℃、80%RHの恒温室に12時間保存する。保存後の
サンプル全量を濾紙箱から取り出し混合した後、回転式
縮分機にて縮分を行う。水不量の測定は水温20℃で行
う。まず硝子製1Lビーカーに水道水1Lを入れ、回転
数1200rpm 、長さ35mm×直径8mmの撹拌子にてあ
らかじめ撹拌を行い回転数を安定させる。回転数が安定
した後、上記縮分洗剤粒子群0.667gを投入し、1
0分間洗剤粒子群の溶解を行う。10分後直ちに洗剤懸
濁液をあらかじめ精秤した200メッシュの金属篩で濾
し取り、洗剤残留物を金属篩と共に105℃/30分後
の乾燥を行い、更にデシケーター中で30分間放冷し、
精秤を行う。試験前後の金属篩の重量差及び供試した洗
剤粒子群重量から残留率を計算し洗剤粒子群水不溶物発
生率(%)とする。
【0092】以上、得られた洗剤粒子群(A)〜(C)
の物性を表4に示す。
【0093】
【表4】
【0094】表4の結果より、本発明のベース顆粒群b
を含有した洗剤粒子群(A)〜(C)はいずれも、水不
溶物発生率と衣類残留性指数の高いベース顆粒群eを含
有した洗剤粒子群(A’)に比べ、洗剤粒子群水不溶物
発生率が格段に低いことがわかる。また、非イオン性界
面活性剤に陰イオン性界面活性剤を共存させると洗剤粒
子の水不溶物発生率がさらに低減し、衣類残も低減でき
ることがわかる。なお、洗剤粒子群(A)と(B)は、
良好な溶解性を保持し、流動性が良好であった。特に、
洗剤粒子群(B)は、ポリエチレングリコールを配合し
たことで、洗剤粒子群の耐ケーキング性が更に向上し、
非イオン性界面活性剤のシミ出しが更に抑制された。
【0095】
【発明の効果】本発明のベース顆粒群は、高吸油能で、
かつ衣類に洗剤の未溶解残留物の極めて少ない高嵩密度
のものであり、該ベース顆粒群に界面活性剤を担持させ
ることにより高嵩密度の洗剤粒子群を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 修 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 (72)発明者 尾谷 佳則 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 (72)発明者 山下 博之 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4H003 AB18 AC08 BA10 CA20 DA01 DB02 EA12 EA16 EA21 EA25 EA28 EB30 EB36 ED02 FA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水
    溶性塩類を含有し、さらに界面活性剤0〜10重量%を
    含有するベース顆粒群であって、その嵩密度が400〜
    1000g/L であり、水不溶性無機物の少なくとも一部
    は、水銀ポロシメータで測定される孔径0.015〜
    0.5μm の容積が0〜1.0mL/g、孔径0.5〜2μ
    m の容積が0.30mL/g以上の非晶質アルミノ珪酸塩で
    ある界面活性剤担持用ベース顆粒群。
  2. 【請求項2】 非晶質アルミノ珪酸塩の組成が、下記式
    (1)で表されるものである請求項1記載のベース顆粒
    群: xM2 O・yMeO・Al2 3 ・zSiO2 (1) (式中、Mはアルカリ金属原子、Meは2価金属原子を
    示し、xは0.2〜2.0、yは0〜0.1、zは0.
    5〜5.0である)。
  3. 【請求項3】 ベース顆粒群の吸油能が、0.40g/g
    以上である請求項1又は2記載のベース顆粒群。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の界面活性剤
    担持用ベース顆粒群100重量部に対し融点が40℃以
    下の非イオン性界面活性剤を20重量%以上含有する界
    面活性剤組成物を10〜100重量部担持させてなる高
    嵩密度洗剤粒子群。
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JP2008163253A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Kao Corp 洗剤組成物

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