JP2008163253A - 洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)粘土造粒物中に70質量%を超える量で(a)粘土鉱物を含有した粘土造粒物:1〜30質量%、
(b)流動点が2.5℃以下の非イオン性界面活性剤:4〜20質量%、
(c)陰イオン性界面活性剤(但し、脂肪酸塩を除く):0.5〜20質量%、
(d)アルカリ剤:1〜60質量%、及び
(e)アルミノ珪酸塩:1〜50質量%、
を含有する洗剤組成物であって、(b)と(c)の合計量が15〜40質量%である洗剤組成物。
【選択図】なし
Description
〔1〕 (A)粘土造粒物中に70質量%を超える量で(a)粘土鉱物を含有した粘土造粒物:1〜30質量%、
(b)流動点が2.5℃以下の非イオン性界面活性剤:4〜20質量%、
(c)陰イオン性界面活性剤(但し、脂肪酸塩を除く):0.5〜20質量%、
(d)アルカリ剤:1〜60質量%、及び
(e)アルミノ珪酸塩:1〜50質量%、
を含有する洗剤組成物であって、(b)と(c)の合計量が15〜40質量%である洗剤組成物、
〔2〕 (B)洗剤粒子中に(b)非イオン性界面活性剤、(c)陰イオン性界面活性剤、(d)アルカリ剤及び(e)アルミノ珪酸塩が30質量%を超える合計量で含有される洗剤粒子と、(A)粘土造粒物とを含有する〔1〕記載の洗剤組成物、並びに
〔3〕 (B)洗剤粒子が、さらに吸油能0.4mL/g以上の噴霧乾燥粒子を20質量%以上含有する〔2〕記載の洗剤組成物、
に関する。
以下、本発明の洗剤組成物についてさらに詳しく説明する。
<(A)成分:粘土造粒物>
本発明の洗剤組成物に含まれる粘土造粒物は粘土鉱物を粉砕・精製・再造粒することによって得られるものである。又、粘土造粒物として市販されているものを用いてもよい。洗剤組成物中の(A)粘土造粒物の含有量は、柔軟性、洗浄性の点から、1〜30質量%であり、4〜18質量%が好ましく、6〜16質量%がより好ましく、8〜15質量%が更に好ましく、10〜14質量%が特に好ましい。
本発明においては粘土造粒物や洗剤の見掛け密度は JIS K 3362により規定された方法で測定する。
一般に、(a)粘土鉱物は、特に天然の場合、クォーツ、クリストバライト、カルサイト、長石などの不純物を含有するため、(A)粘土造粒物中の含有量の計算においては、これらの不純物も含んだものとする。また、造粒時に供した水やバインダーや添加剤等(炭酸塩、結晶性珪酸塩、非晶質珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩等)の成分も(A)粘土造粒物中の含有量に含めて計算するものとする。
洗剤組成物中の(b)成分の含有量は、柔軟性能、洗浄性能、衣類残留性の点から4〜20質量%であり、4〜15質量%が好ましく、5〜12質量%がより好ましく、6〜10質量%がさらに好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲内で、流動点が2.5℃以下であれば、2種以上の非イオン性界面活性剤を混合して、適宜用いることができる。流動点は、粘土造粒物の分散性、界面活性剤を担持した洗剤粒子の安定性の点から、2.5℃以下であり、好ましくは−15〜2.5℃、より好ましくは−10〜0.0℃である。
JIS K 2269の原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法に基づいて、これを非イオン性界面活性剤に応用して、測定を行う。
非イオン性界面活性剤を45℃に調整後、5mL試験管(容量:15mL、胴径:16mm、全長:100mm、例えば、IWAKI製ディスポーザル試験管)に注ぎ、温度計を試験管の中心に立てて、その毛管が非イオン性界面活性剤の表面から3mm入るようにする。そして、−15〜−17.5℃(例えば、水+氷+塩化ナトリウム)の冷却浴へ入れ、試験管が7.5mm以上外に出ないように垂直にしっかりと保持する。その後、0℃を基点とする2.5℃の整数倍の温度から2.5℃下がるたびに試験管を冷却浴から取り出し、静かに傾けて非イオン性界面活性剤が流動するか確認する。この際、試験管を再び冷却浴に戻す場合は速やかに(3秒以内)戻す。試験管を傾けても非イオン性界面活性剤が流動しなくなったら、ストップウォッチを用いて正確に5秒間、試験管を水平にしたまま観察する。非イオン性界面活性剤が流動した場合は、すぐに冷却浴へ戻す。試験管を水平にして、5秒間保っても、非イオン性界面活性剤が全く動かなくなるまで、この操作を継続し、この時の温度を記録する。この温度に2.5℃加えた温度を、非イオン性界面活性剤の流動点とする。
(c)成分としては、洗浄性能、柔軟性能の点で、洗剤組成物中に陰イオン性界面活性剤を0.5〜20質量%含有する。更に柔軟性能、洗浄性能を向上させる観点から、洗剤組成物中の(c)成分の含有量は、8〜18質量%が好ましく、10〜16質量%がより好ましい。但し、脂肪酸塩は洗浄性能の点から、陰イオン性界面活性剤に含まない。
(d)成分としては、洗浄性能、柔軟性能及び分散性の点で、洗剤組成物中にアルカリ剤を1〜60質量%含有する。更に、洗浄性能、柔軟性能及び分散性を向上させる観点から、洗剤組成物中の(d)成分の含有量は、10〜40質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましく、15〜25質量%が更に好ましい。
(e)成分としては、洗浄性能、柔軟性及び分散性の点から、洗剤組成物中にアルミノ珪酸塩を1〜50質量%含有する。更に、洗浄性能、柔軟性及び分散性の観点から、アルミノ珪酸塩の含有量は10〜40質量%が好ましく、15%〜30質量%がより好ましい。
本発明の洗剤組成物は、衣料用洗剤の分野で公知のビルダー(有機系ビルダーとしては、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、シクロカルボン酸塩、エーテルカルボン酸塩及び有機カルボン酸(塩)ポリマー等)、再汚染防止剤(ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース等)、その他の柔軟化剤、蛍光染料、抑泡剤(脂肪酸塩、シリコーン等)、酵素(プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等)、酵素安定化剤、着色剤、香料等を含有させることができる。
また、洗剤組成物は、安定性、生産性の点で、水(JIS K 3362:1998記載の過熱減量法による水分)を0.1〜10質量%含有することが好ましく、0. 2〜6質量%がより好ましく、0.5〜4質量%が更に好ましい。
ここでいう吸油能0.4mL/g以上の噴霧乾燥粒子とは、内部に攪拌翼を備えた内径5cm×15cmの円筒型混合槽に噴霧乾燥粒子100gを入れ、350rpmで攪拌しながら30℃でポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12/C14=6/4質量比、EO=8)を10mL/minの速度で滴下し、攪拌動力の経時変化を測定した時、攪拌動力が最も高くなった時のポリオキシエチレンアルキルエーテルの投入量が噴霧乾燥粒子の重量(100g)で除した値が0.4mL/g以上のものである。
本発明での洗剤粒子とは、(B)洗剤粒子中に、上記の(b)非イオン性界面活性剤、(c)陰イオン性界面活性剤、(d)アルカリ剤及び(e)アルミノ珪酸塩が30質量%を超える合計量で含有される洗剤粒子の他に、噴霧乾燥粒子に界面活性剤を担持させたものをさらに含んでなるものであってもよい。噴霧乾燥粒子に担持させる界面活性剤の量は、洗浄力の点から、噴霧乾燥粒子中1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましく、20〜30質量%が特に好ましい。ここで、担持させる界面活性剤は前記非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤であることが好ましい。
本発明の洗剤組成物は、低温溶解性、安定性の点で、JIS K 3362:1998記載のふるい分け機械によるふるい分け方法によって測定される粒度から求められる平均粒径は200〜1000μmが好ましく、より好ましくは250〜900μm、更に好ましくは300〜800μmである。低温溶解性、安定性の点で、JIS K 3362:1998記載方法によって測定される見掛け密度は300〜1200g/Lが好ましく、400〜1100g/Lがより好ましく、600〜1000g/Lが更に好ましく、700〜980g/Lが特に好ましい。
炭酸塩、芒硝、オリゴマーD、塩化ナトリウム及び水を混合し、得られたスラリー状物を200℃で噴霧乾燥し、噴霧乾燥粒子を得た。この噴霧乾燥粒子に、界面活性剤、ゼオライト、PEG、石鹸、結晶性シリケートを添加して吸油能0.4mL/g以上の噴霧乾燥粒子を20質量%以上含有した洗剤粒子を得た。これに、表1で示す粘土造粒物、酵素、香料等の残りの成分を混合して洗剤組成物を得た。洗剤組成物の組成を表1に示す。
陰イオン性界面活性剤:6.0質量%(対洗剤粒子、以下同様)、脂肪酸塩:18.0質量%、非イオン性界面活性剤(II):2.0質量%、オリゴマーD:0.6質量%、ゼオライト:20.8質量%、ソーダ灰:32.3質量%を水に溶解もしくは分散させた水分40%のスラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度300℃の条件で噴霧乾燥し水分4%の噴霧乾燥粒子を得た。この乾燥粒子と共に、4.0質量%のゼオライト、4.0質量%の非イオン性界面活性剤(II)及び水を連続ニーダーに投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、不定型固形洗剤を得た。この不定形固形洗剤を穴径10mmのダイスを装備したペレッターダブルを用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)、長さ5〜30mm程度のペレット状固形洗剤を得た。
次いで、得られた固形洗剤に粉砕助剤としての粒子状ゼオライトを5.2質量%添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミルを用いて粉砕した。(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=6mm/4mm/2mm、回転数:1段目/2段目/3段目=1880rpm/2350rpm/4700rpm)。最後に水平円筒型転同動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容積131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5質量%のゼオライトを加え、1分間転動し表面改質して得られた粒子に0.1質量%の香料を賦香して、洗剤粒子(水分:6.5質量%)を得た。
この洗剤粒子と粘土造粒物を質量比、9:1で混合し、洗剤組成物を得た。得られた洗剤組成物の分散性は、後述の式(1)から0.8%だった。
JIS K 3362:1998記載の衣料用合成洗剤の洗浄力評価方法に準じ、襟あか布を調整し、表1の洗剤組成物と洗浄力判定用指標洗剤の洗浄力とを比較した。表1の洗剤組成物の使用濃度を1.0g/Lとした。その結果、全ての組成において問題はなかった。
市販の綿タオル(綿100%)を洗濯機(National製 NA-F70AP '97)を用い、また、その際の前処理剤には非イオン性界面活性剤(炭素数12の1級アルコールにオキシエチレンを平均6モル付加させたもの)、結晶性シリケート(プリフィード顆粒品)、炭酸ナトリウムを1:1:3(重量比)で混合したものを0.5g/Lで使用した。水温20℃で標準コースでの洗濯を合計5回繰り返し、処理剤を除去したものを使用した。
20℃の71.2mgCaCO3/Lに相当する1Lの硬水(Ca/Mgのモル比7/3)40Lに表1の洗剤組成物33.3g、評価用に調製した綿タオル0.38kg(70cm×30cmで6枚)と調整布(綿100%Tシャツ、Lサイズ)を合わせて2.35kgを、洗濯機(National製 NA-F70AP '97)に投入し、標準コースで洗い、風乾させた。
洗剤組成物で洗った綿タオルと調製のみ行った綿タオルとを一対として5人の判定者が手触りの柔らかさを官能評価した。その結果、全ての組成において問題はなかった。
5℃に調整した71.2mgCaCO3/Lに相当する1Lの硬水(Ca/Mgのモル比7/3)を1Lビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1Lガラスビーカー)の中に満たし、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、SA型(丸型細型))にて水深に対する渦巻きの深さが約1/3となる回転数で攪拌する。1.0000±0.0010gとなるように秤量した洗剤組成物を攪拌下に水中に投入・分散させ、10分間攪拌を続ける。その後、溶け残っている洗剤組成物をアルミメッシュ(目開き75μm)上に取り出し、105℃で30分間乾燥し、デシケータ内で放冷後、質量を測定し、以下の式(1)により分散性を算出して分散性の指標とした。
・粘土造粒物:メキシコ製ベントナイト ラウンドロジルDGA 212 (SUD社メキシコ工場品、嵩密度:820〜880g/L、pH:10〜11、水分:10〜14質量%、粘土鉱物の含有量:80〜90質量%)
・ゼオライト:「ゼオビルダー」(ゼオビルダー社製、メジアン径:3.0μm)
・陰イオン性界面活性剤:アルキル基の炭素数12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・PEG:ポリエチレングリコール(重量平均分子量 10000)
・結晶性シリケート:プリフィード顆粒品(株式会社トクヤマシルテック製)
・オリゴマーD:ポリアクリル酸(重量平均分子量 1.5万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
・脂肪酸塩:パーム由来脂肪酸塩
・酵素:「セルラーゼK」(特開昭63−264699号公報記載)、「カンナーゼ24TK」(ノボ社製)、「サビナーゼ6.0T」(ノボ社製)を3:1:2 の質量比で使用
・非イオン性界面活性剤(I):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均2モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン102KG)流動点:5.0℃
・非イオン性界面活性剤(II):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均3モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン103)流動点:−2.5℃
・非イオン性界面活性剤(III):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均4モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン104P)流動点:2.5℃
・非イオン性界面活性剤(IV):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均5モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン105)流動点:0.0℃
・非イオン性界面活性剤(V):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均6モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン106)流動点:5.0℃
・非イオン性界面活性剤(VI):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均8モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)流動点:10.0℃
・非イオン性界面活性剤(VII):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均9モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン109P)流動点:17.5℃
・非イオン性界面活性剤(VIII):C12〜C14の第1級アルコールへオキシエチレンを平均12モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(花王(株)製エマルゲン120)流動点:25.0℃
・非イオン性界面活性剤(IX):C12〜C14の第2級アルコールへオキシエチレンを平均7モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒(株)製ソフタノール70)流動点:−7.5℃
Claims (3)
- (A)粘土造粒物中に70質量%を超える量で(a)粘土鉱物を含有した粘土造粒物:1〜30質量%、
(b)流動点が2.5℃以下の非イオン性界面活性剤:4〜20質量%、
(c)陰イオン性界面活性剤(但し、脂肪酸塩を除く):0.5〜20質量%、
(d)アルカリ剤:1〜60質量%、及び
(e)アルミノ珪酸塩:1〜50質量%、
を含有する洗剤組成物であって、(b)と(c)の合計量が15〜40質量%である洗剤組成物。 - (B)洗剤粒子中に(b)非イオン性界面活性剤、(c)陰イオン性界面活性剤、(d)アルカリ剤及び(e)アルミノ珪酸塩が30質量%を超える合計量で含有される洗剤粒子と、(A)粘土造粒物とを含有する請求項1記載の洗剤組成物。
- (B)洗剤粒子が、さらに吸油能0.4 mL/g以上の噴霧乾燥粒子を20質量%以上含有する請求項2記載の洗剤組成物。
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