明細書 ドッ卜形成有無により画像を印刷する印刷装置、 およびそのための印刷制御装置 技術分野
この発明は、 印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関し、 詳し くは、 画像の印刷に先立って、 あるいは画像の印刷に伴って、 ドットの形成を制 御するためのデータを処理する技術に関する。 背景技術
印刷媒体上にドッ卜を形成して画像を印刷するドッ卜プリン夕は、 コンビユー 夕などで作成した画像や、 デジ夕ルカメラなどで撮影した画像の出力装置として 広く使用されている。 ィンクジェッ卜プリンタに代表されるこれらのドッ卜プリ ン夕は、 印刷媒体上にドットを形成するためのヘッドを搭載しており、 印刷媒体 に対するへッドの位置を、 相対的に変更しながらドッ卜を形成することによって 画像を印刷している。 こうしたドットプリン夕では、 ドットは、 必ずしも画像の端から順番に形成さ れるわけではない。 例えば、 印刷媒体上でヘッドを往復動させながらドットを形 成することで、 ドッ卜の列たるラスタを形成しながら画像を印刷する印刷装置で は、 画質上の要請から、 1回の往復動でラスタを完成させるのではなく、 複数回 の往復動に分けてラスタを形成することがある。 このように一つのラス夕をへッ ドの複数回の往復動で形成しょうとすると、 ラスタ上でドッ卜が並んでいる順番 とドットが形成される順番とは必ずしも一致しないことになる。 このように、 ド ッ卜プリン夕が、 画像上でドッ卜が並んでいる順番とは異なった順番でドッ卜を
形成する場合には、 先ずドットの形成の有無について判断し、 その判断結果であ るドットデータを、 ドットを形成する順番に並び換える操作を行っていた (例え ば、 特開 2 0 0 2— 2 9 2 8 5 0号公報参照)。 しかし、 ドッ卜を形成する順番にデ一夕をいちいち並び換える操作には時間を 要するため、この操作が、画像を迅速に印刷する上での一つの制約となっていた。 この発明は、 従来の技術における上述した課題を解決するためになされたもの であり、 ドッ卜を形成する順番にドッ卜データを並び換える操作を合理的に行う ことで、 画像を迅速に印刷可能とする技術の提供を目的とする。 発明の開示
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、 本発明の印刷装置は、 次の構成 を採用した。 すなわち、
印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であつて、
該印刷媒 ί本に対する相対的な往復動を複数回行なうことで、 ドッ卜の列たるラ スタを該印刷媒体上に形成するラスタ形成要素と、
該ラスタ形成要素による前記ラスタの形成行ないつつ、 該ラスタ形成要素を該 ラスタとは交差する方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記印刷しょうとする画像に対応した画像データを受け取る画像データ受取手 段と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドッ卜形成の有無を、 前記画像デー 夕に基づいて判断するドッ卜形成有無判断手段と、
前記ドッ卜形成の有無を判断した画素が、 前記ラスタを形成する前記複数回の 往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、 該画素の前記判
断結果を複数のグループに分けて記憶する判断結果記憶手段と、 前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、 前記記憶されている判断結果を前記グ ループ分けに従って読み出しながら、 該ラスタ形成要素に供給し、 前記印刷媒体 に対する所定の位置で、 前記判断結果に対応したドッ卜を形成させる判断結果供 給手段と
を備えることを要旨とする。 上記の印刷装置に対応する本発明の印刷制御装置は、
印刷媒体に対して相対的に行なわれる複数回の往復動にょリ該印刷媒体上にド ッ卜の列たるラスタを形成するラスタ形成要素を備えた印刷部に制御データを供 給して、 画像の印刷を行なわせる印刷制御装置であつて、
印刷しょうとする画像に対応した画像デ一夕を受け取る画像データ受取手段 と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドッ卜形成の有無を、 前記画像デー 夕に基づいて判断するドッ卜形成有無判断手段と、
前記ドッ卜形成の有無を判断した画素が、 前記ラス夕を形成するために必要と される前記複数回の往復動の中のいずれの往復動でドッ卜を形成されるかに応じ て、 該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する判断結果記憶手段 と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、 前記記憶されている判断結果を前記グ ループ分けに従って読み出しながら、 該判断結果を、 該ラスタ形成要素によるド ッ卜形成を決定する前記制御データとして、 前記印刷部に供給する制御データ供 給手段と
を備えることを要旨とする。
更に、 上記の印刷制御装置に対応する本発明の印刷制御方法は、 印刷媒体に対して相対的に行なわれる複数回の往復動にょリ該印刷媒体上にド ッ卜の列たるラスタを形成するラスタ形成要素を備えた印刷部に制御データを供 給して、 画像の印刷を制御する方法であって、
印刷しょうとする画像に対応した画像デ一夕を受け取り、
前記画像を構成する複数の画素についてのドッ卜形成の有無を、 前記画像デー 夕に基づいて判断し、
前記ドッ卜形成の有無を判断した画素が、 前記ラスタを形成するために必要と される前記複数回の往復動の中のいずれの往復動でドッ卜を形成されるかに応じ て、 該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶し、
前記ラス夕形成要素の往復動に応じて、 前記記憶されている判断結果を前記グ ループ分けに従って読み出しながら、 該判断結果を、 前記ラス夕形成要素による ドッ卜形成を決定する前記制御デ一夕として、 前記印刷部に供給すること を要旨とする。 これら印刷装置、 印刷制御装置、 および印刷制御方法においては、 画像を構成 する複数の画素についてドット形成有無を判断し、 判断結果を記憶する。 判断結 果を記憶するに際しては、 該判断を行った画素が、 ラス夕を形成するために前記 ラスタ形成要素が複数回行う往復動の中の、 いずれの往復動でドッ卜を形成され る画素であるかに応じて、複数のグループに分けた状態で該判断結果を記憶する。 次いで、 こうして記憶された判断結果を読み出して、 該ラスタ形成要素に供給す る。 前記ラス夕形成要素は、 ドッ卜を形成しながら複数回の往復動することによつ てラスタを形成しているので、 ドット形成有無の判断結果を供給する際には、 該
ラス夕形成要素の往復動に合わせて、 対象となる画素についての判断結果を供給 する。 本願発明では、 判断結果を記憶使用とする画素が、 該ラスタ形成要素が複 数回往復動する中のいずれの往復動で形成される画素かに応じて、 予めグループ 分けした状態で判断結果を記憶しておき、 該ラスタ形成要素に判断結果を供給す る。 従って、 ラスタ形成要素とに制御データを供給する処理を簡素なものとする ことができるので、 処理を短時間に完了することが可能となる。 こうした印刷装置、 印刷制御装置、 および印刷制御方法においては、 前記画像 データの処理中でデータのやり取りに標準的に用いられるデータ量の整数倍を単 位として、 前記判断結果をグループ分けして記憶しておくこととしても良い。 こ こで、 データ量の整数倍には、 デ一夕量そのものも含まれる。 画像データを処理するために使用される、 いわゆる C P Uなどを初めとする各 種の処理器には、標準的に用いられるデータ量(例えば、 8ビッ卜、 1 6ビッ卜、 3 2ビッ卜など) が存在してお こうしたデ一夕量を処理単位として処理を行 えば、 効率よい処理を行うことが可能である。 ところが、 画素 1つあたりのドッ 卜形成有無の判断結果は、 標準的に用いられるデータ量よりも通常は小さなデー 夕量となっている。 従って、 ドット形成有無の判断結果を、 こうした標準的に用 いられるデータ量の整数倍のデータ量ずつ、 グループ分けして記憶しておけば、 データを記憶したり、 あるいは記憶されたデータを読み出して前記ラス夕形成要 素に供給する処理を、 標準的なデータ量を用いて行うことができるので、 効率の よい処理が可能となる。 ドッ卜形成有無の判断結果を、 標準的に用いられるデータ量の整数倍のデータ 量ずつ、 グループ分けして記憶しておいた場合は、 読み出したデータに含まれる
判断結果は、 いずれも該当する画素についての判断結果となる。 このため、 該当 する画素のデータを取り出す処理や、 取り出したデータをまとめる処理が不要と なり、 ドッ卜形成有無の判断結果をラスタ形成要素に供給する処理を短時間のう ちに完了することが可能となるのである。 こうした印刷装置、 あるいは印刷制御方法においては、 前記ラスタ形成要素が 1回の前記往復動でドッ卜を形成する画素数分ずつ、 前記判断結果をグループ分 けして記憶することとしてもよい。 こうすれば、 該ラスタ形成要素の往復動に合わせて、 ドット形成有無の判断結 果を供給する処理を簡便に行うことが可能となるので好適である。 上述の印刷装置あるいは印刷制御装置においては、 ドッ卜形成有無の判断結栗 を記憶するに際して、 該判断した画素を含むラスタ中で、 該画素を該ラスタの先 頭の画素から数えた順番たる画素番号に基づいて、 該判断結栗のグループ分けを 行うこととしても良い。 前記ラスタ形成要素を所定回数ずつ往復動しながらラスタを形成する場合、 該 ラスタに含まれる画素のドッ卜が、 該所定回数の往復動の中のいずれの往復動で 形成されるかは、 該画素の画素番号に応じて定まることが多い。 従って、 画素番 号に基づいて判断結果をグループ分けしてやれば、 適切にグループ分けすること が可能となって好ましい。 こうした画素番号に基づくグループ分けに際しては、 該画素番号を、 ラスタを 形成するために前記ラスタ形成要素を往復動させる回数で除算し、 そのときの剰
余数に基づいてグループ分けすることとしてもよい。 ラス夕に含まれる画素のドッ卜が、 所定回数の往復動の中のいずれの往復動で 形成されるかは、 該往復動の回数で画素番号を除算したときの、 剰余数に応じて 応じて定まることが多い。 従って、 こうして剰余数に基づいてグループ分けして やれば、 簡便に且つ適切にグループ分けすることが可能となる。 また、前記ラスタ形成要素をラスタと交差する方向に相対的に移動させながら、 複数本のラスタを形成することによって画像を印刷する場合に、 次のようにして 画像を印刷することがある。 すなわち、 ラスタを形成するために行う該ラスタ形 成要素の往復動の回数を切り換えながら前記複数本のラス夕を形成することによ つて画像を印刷する場合がある。 この様な場合は、次のようにしても良い。先ず、 画像を形成するために用いられる複数種類の前記往復動の回数の中で、 主に用い られる回数の往復動によって形成される主要ラス夕を、 該画像を構成する複数本 のラスタの中から選択する。 そして、 選択した該主要ラスタの画素については、 該主要ラス夕を形成するための往復動に対応したグループ分けを行って、 前記判 断結果を記憶する。 次いで、 この様な状態で記憶されたドット形成有無の判斷結 果を、 前記ラスタ形成要素に供給する。 このとき、 該主要ラスタの画素について は、 該画素の判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら供給すること としてもよい。 前記主要ラスタは、 画像を構成する複数本のラスタ中に占める比率が高くなつ ている。 従って、 主要ラスタの画素については、 該ラスタ形成要素の往復動に応 じてグループ分けした状態で、 ドット形成有無の判断結果を記憶しておけば、 例 え、 主要ラス夕以外のラスタについては、 例え、 該ラスタを形成するための往復
動に応じたグループ分けが行われていなくても、 全体としては画像を迅速に印刷 することが可能となる。 加えて、 こうした方法によれば、 往復動の回数を複雑に 切り換えながら画像を形成する場合に対しても、 容易に対応することが可能とな る。 また、 画像を構成する複数本のラスタの中から前記主要ラスタを除いた残余ラ ス夕の画素については、 該主要ラスタの画素と同様にグループ分けした状態、 す なわち該主要ラスタを形成するための往復動に対応したグループ分けを行った状 態で、 前記判断結果を記憶してもよい。 あるいは、 こうしたグループ分けを行わ ず、画像上での画素の並びに従って、前記判断結果を記憶することとしてもよい。 そして、 前記ラス夕形成要素が該残余ラス夕のドットを形成する場合には、 前記 記憶されている判断結果の中から、 該ラス夕形成要素の往復動に合わせて、 ドッ 卜を形成する画素についての判断結果を選択し、 該遷択した判断結果を供給する こととしても良い。 このように、 前記残余ラス夕の画素についても、 前記主要ラス夕の画素と同様 にグループ分けして記憶しておけば、 画像中の全ての画素について、 同じグルー プ分けを行うことができる。 このため、 処理が簡素なものとなり、 延いては処理 の迅速化を図ることが可能となる。 あるいは、 前記残余ラス夕の画素については、 該画素の判断結果を、 画像上で の画素の並びの順番で記憶することとしても良い。 そして、 判断結果を前記ラス 夕形成要素に供給するに際しては、 該記憶されている判断結果の中から、 該ラス 夕形成要素の往復動に応じてドッ卜を形成する画素の判断結果を選択して供給す る。 こうした場合にも、 残余ラスタの画素については、 グループ分けすることな
く記憶すればよいので、 処理を簡素なものとすることができる。 また、 本発明によって画像を印刷する方法は、 所定の機能を実現するプロダラ 厶をコンピュータに組み込んで、 コンピュータを用いて印刷装置を制御すること によっても実現することができる。 従って、 本発明はプログラムあるいは該プロ グラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいることは勿論である。 図面の簡単な説明
図 1 発明の概要を例示した説明図である。
図 2 本実施例の画像処理装置としてのコンピュータの構成を概念的に示し た説明図である。
図 3 本実施例のプリン夕の構成を概念的に示した説明図である。
図 4 インク吐出用へッドの底面に形成されたノズルの配列を示す説明図で ある。
図 5 制御回路の制御の下で、 ノズルからインク滴が吐出されるメカニズ厶 を示した説明図である。
図 6 本実施例の画像処理の流れを示したフローチャートである。
図 7 本実施例のハーフトーン処理の流れを示したフローチヤ一卜である。 図 8 ラスタを構成する画素が印刷パス毎に分類される一態様を例示した説 明図である。
図 9 ラスタを構成する画素が印刷パス毎に分類される他の態様を例示した 説明図である。
図 1 0 ドッ卜形成有無の判断結果を印刷パス毎に分けて記憶する一態様を 示した説明図である。
図 1 1 Aおよび図 1 1 B 着目画素についての判断結果をワード単位で記憶
する様子を示した説明図である。
図 1 2 ドッ卜形成有無の判断結果を印刷パス毎に分けて記憶する他の態様 を示した説明図である。
図 1 3 本実施例のデータ出力処理の流れを示すフローチャートである。 図 1 4 参考としての通常のハーフ I ^一ン処理の流れを示したフローチヤ一 卜である。
図 1 5 参考としての通常のハーフトーン処理において、 判断結果を記憶す る様子を示した説明図である。
図 1 6 参考としての通常のハーフトーン処理で記憶された判断結果を読み 出して、 駆動バッファに書き込む様子を示す説明図である。
図 Ί 7 2ビットを用いて着目画素についての 4つの状態を表現している様 子を例示した説明図である。
図 Ί 8 Aおよび図 1 8 B 着目画素についての判断結果を 2ビッ卜デ一タで 表現する第 1の変形例を示した説明図である。
図 1 9 Aおよび図 1 9 B 複数種類のパス数を切リ換えながら画像を印刷す る第 2の変形例を示した説明図である。
図 2 0 第 2の変形例において画像データに画像処理が施されて駆動バッフ ァに書き込まれる一態様を概念的に示した説明図である。
図 2 1 第 2の変形例にお t、て画像デー夕に画像処理が施されて駆動バッフ ァに書き込まれる他の態様を概念的に示した説明図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明の作用 ·効果をより明確に説明するために、 以下では、 本発明の実施の 形態を次のような順序に従って説明する。
A . 実施の形態:
B . 装置構成:
C . 画像処理の概要:
D . ハーフトーン処理:
E . データ出力処理:
F . 変形例:
A . 実施の形態:
以下では、 実施例に基づく詳細な説明に先立って、 実施の形態を、 例示を用い て概念的に説明しておく。 図 1は、 一実施形態としての印刷装置 1 0を例示した 説明図である。 例示の印刷装置 1 0は、 画像データに所定の画像処理を施すハー フ i ^一ンモジュール Ί 2や、 印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラス 夕形成要素 Ί 6、 ラス夕形成要素 Ί 6がドットを形成するためのデータを蓄えて おくメモリ 1 4などから構成されている。 ラス夕形成要素 1 6は、 ドッ卜を形成 しながら印刷媒体上を所定回数往復動することによって、 該ラス夕を形成する。 更に、 ラス夕の形成に伴って、 印刷媒体上をラス夕と交差する方向に移動する。 印刷装置 1 0に画像データを供給すると、 ハーフトーンモジュール 1 2は、 こ の画像データに基づいて、 画像を構成する複数の画素についてドッ卜を形成する か否かを判断する。 判断結果は、 一旦、 メモリ 1 4に記憶された後、 ラスタ形成 要素 1 6の動きに合わせて読み出されて、 ラスタ形成要素 1 6に出力される。 ラ スタ形成要素 1 6は、 印刷媒体の一方向に対して移動しつつ、 受け取ったデータ に基づいてドットを形成する。 この結果、 印刷 7T退場には、 ドット列であるラス 夕が形成される。 更に、 こうしたラスタの形成を継続しながら、 印刷媒体をラス タ形成要素 1 6の移動方向に対して直交する方法に相対的に移動することで、 二 次元的な画像の印刷が完了する。
図 1では、 白い部分と黒い部分とが市松模様状に配列された画像を印刷する場 合を概念的に表している。 ここでは説明を簡単にするために、 ハーフ ! ^一ンモジ ユール 1 2は、 市松模様の黒い部分の画素にはドットを形成すると判断し、 白い 部分の画素にはドットを形成しないと判断するものとする。 また、 ラスタ形成要 素 1 6は、 それぞれのラスタを、 往復動を 2回行うこ^によって形成するものと して、 1回目の往復動時にはラスタ上で奇数番目にある画素のドットを形成し、 2回目の往復動時にはラスタ上で偶数番目にある画素のドッ卜を形成するものと する。 なお、 この実施形態では、 1回の往復動でドットを形成する際、 往動また は復動のいずれかのみでドッ卜を形成しており、 いわゆる双方向印字は採用して いない。 ハーフ卜一ンモジュール 1 2は、 各画素についてのドット形成の有無を判断し た後、 各画素が、 ラス夕を形成するための 2回の往復動のうちのいずれの回でド ッ卜を形成する画素であるかに応じて、 判斷結果をグループ分けし、 グループ分 けした状態でメモリ 1 4に記憶する。 ここでは、 ラス夕上で奇数番目にある画素 のドッ卜は 1回目の往復動時に形成し、 偶数番目にある画素のドッ卜は 2回目の 往復動時に形成することとしているから、 各画素についてのドッ卜形成有無の判 断結果は、 奇数番目の画素についての判断結果と、 偶数番目の画素についての判 断結果とにグループ分けして記憶されることになる。 図 1 に示した例では、 メモ リ 1 4の初めの 1列には、 1回目の往復動時に形成される奇数番目の画素につい ての判断結果が記憶され、 次の 1列には、 2回目の往復動時に形成される偶数番 目の画素についての判断結果が記憶されるものとしている。 尚、 メモリ 1 4中で 斜線が付された小さな正方形 B Bは、 ドッ卜を形成すると判断された画素を表し ており、 斜線の付されていない正方形 WWはドットを形成しないと判断された画
素を表している。 そして、 その次の 1列には、 3回目の往復動時に形成される奇 数番目の画素の判断結果が、 更にその次の 1列には、 4回目の往復動時に形成さ れる偶数番目の画素の判断結果が記憶される。 以降、 奇数番目の画素についての 判断結果と、 偶数番目の画素についての判断結果とが、 所定数ずつ交互にグルー プ分けされた状態で記憶される。 図 1 に示した例では、 理解の便を図って、 奇数番目の画素の集合と、 偶数番目 の画素の集合とは、 それぞれに含まれる画素数が、 メモリ 1 4のちようど 1列分 の画素数に相当しているものとして示した。 もちろん、 1つの集合に含まれる画 素数と、 メモリ 1 4のちようど 1列分の画素数とは、 一致していなくとも構わな い。 このようにハーフ I、一ンモジュール 1 2は、 ドット形成有無の判断結果をメモ リ 1 4に記憶する際に、 各ドットが、 各ラスタを形成するために行うそれぞれ 2 回の往復動の中の、 いずれの往復動で形成されるかに応じて、 判断結果をグルー プ分けした状態で記憶している。 この結果、 図 1に示されているように、 メモリ 1 4上でドット形成有無の判断結果が記憶されている順序は、 画像上での画素の 並びとは異なった順序となっている。 各画素についての判断結果を、 このように グループ分けした状態で記憶しておけぱ、 メモリ 1 4からデータを読み出してラ スタ形成要素 1 6に供給する操作を簡素化することができるので、 画像を迅速に 印刷することが可能となる。 以下では、 実施例に基づいて詳細に説明する。
B . 装置構成:
図 2は、 本実施例の印刷制御装置としてのコンピュータ 1 0 0の構成を示す説 明図である。 コンピュータ 1 0 0は、 C P LM 0 2を中心に、 1¾ 0 [\/1 1 0 4ゃ8
A 1 0 6などを、 バス 1 1 6で互いに接続して構成されている。 コンピュータ 1 0 0には、 フレキシブルディスク 1 2 4やコンパクトディスク 1 2 6などから データを読み込むためのディスクコントローラ D D C 1 0 9や、 周辺機器とデー 夕の授受を行うための周辺機器インタ一フェース(以下、 P I Fという) 1 0 8、 C R T 1 1 4を駆動するためのビデオインターフェース (以下、 V I Fという) 1 1 2等が接続されている。 P I F 1 0 8には、 ハードディスク 1 1 8や、 後述 するプリンタ 2 0 0等が接続されている。 また、 デジタルカメラ Ί 2 0や、 カラ 一スキャナ 1 2 2等を P I F 1 0 8に接続すれば、 デジタルカメラ 1 2 0やカラ 一スキャナ 1 2 2で取り込んだ画像を読み込み、 これを処理して印刷することも 可能である。また、ネッ卜ワークインタ一フェースカード (以下、 N I Cという) Ί Ί 0を装着すれば、 コンピュータ〗 0 0を通信回線 3 0 0に接続して、 通信回 線に接続された記憶装置 3 1 0に記憶されているデ一夕を取得することもでき
図 3は、 本実施例のプリン夕 2 0 0の概略構成を示す説明図である。 このプリ ン夕 2 0 0はシアン, マゼン夕, イエロ, ブラックの 4色インクのドットを形成 可能なインクジエツトプリンタである。もちろん、これら 4色のインクに加えて、 染料濃度の低いシアン (淡シアン) インクと染料濃度の低いマゼンタ (淡マゼン 夕) ィンクとを含めた合計 6色のィンクドッ卜を形成可能なインクジエツ卜プリ ン夕を用いることもできる。 尚、 以下では、 シアンインク, マゼン夕インク, ィ エロインク, ブラックインクのそれぞれを、必要に応じて、 Cインク, Mインク, Yインク, Kインクと略称するものとする。 プリンタ 2 0 0は、 図示するように、 キャリッジ 2 4 0に搭載された印字へッ ド 2 4 1を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、 このキヤリツ
ジ 2 4 0をキャリッジモータ 2 3 0によってプラテン 2 3 6の軸方向 (以下、 主 走査方向という) に往復動させる機構と、 紙送りモータ 2 3 5によって印刷用紙 Pを主走査方向と直交する方向 (以下、 副走査方向という) に搬送する機構と、 ドッ卜の形成やキヤリッジ 2 4 0の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回 路 2 6 0などから構成されている。 キャリッジ 2 4 0には、 Kインクを収納するインクカー卜リッジ 2 4 2と、 C インク, Mインク, Yインクの三種類のインクを収納するインクカートリッジ 2 4 3とが装着されている。 キヤリッジ 2 4 0にインク力一卜リッジ 2 4 2, 2 4 3を装着すると、 カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、 印字 へッド 2 4 1の下面に設けられた各色毎のインク吐出用へッド 2 4 4ないし 2 4 7に供給される。 各色毎のインク吐出用ヘッド 2 4 4ないし 2 4 7は、 こうして 供給されたインクを用いてインク滴を吐出して、 印刷媒钵である用紙 P上にイン クドッ卜を形成する。 制御回路 2 6 0は、 C P Uを中心として、 R O Mや、 R A M、 周辺機器イン夕 一フェース P I F等を備える。 更に、 制御回路 2 6 0は、 デジタルデータをアナ ログ信号に変換する D / A変換器 2 6 2や、 印字へッド 2 4 1に供給するデータ を一時的に蓄えておく駆動バッファ 2 6 1等も備えている。 もちろん、 C P Uを 搭載せずに、 ディスクリー卜なハードウェアあるいはファームウェアによって同 様の機能を実現することとしても良い。 制御回路 2 6 0は、 キャリッジモータ 2 3 0および紙送りモ一夕 2 3 5の動作を制御することによって、 キヤリッジ 2 4 0の主走査動作および副走査動作の制御を行う。 また、 制御回路 2 6 0は、 キヤ リッジ 2 4 0の主走査および副走査に合わせて、 適切なタイミングで印字へッド 2 4 1を駆動する。 印字へッド 2 4 1の駆動は、 駆動バッファ 2 6 Ίからドット
形成の有無に対応した制御データを供給しておき、 所望のタイミングで、 D Z A 変換器 2 6 2からから駆動信号を出力することによって行なわれる。 制御データ および駆動信号を出力して印字へッド 2 4 1を駆動し、 インク滴を吐出するメカ ニズ厶については別図を用いて後述する。こうして制御回路 2 6 0の制御の下で、 各色のインク吐出用へッド 2 4 4ないし 2 4 7からは、 適切なタイミングでイン ク滴が吐出され、 その結果、 印刷用紙 P上にインクドットが形成されて、 カラー 画像が印刷される。 尚、 各色のインク吐出へッドからインク滴を吐出する方法には、 種々の方法を 適用することができる。すなわち、 ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、 インク通路に配置したヒー夕でインク通路内に泡 (バブル) を発生させてインク 滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わリに、 熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドッ卜を形成する方式や、 静電 気を利用して各色の卜ナ一粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリン夕を使用す ることも可能である。 図 4は、 各色のインク吐出用へッド 2 4 4ないし 2 4 7の底面に、 インク滴を 吐出する複数のノズル N zが形成されている様子を示した説明図である。 図示す るように、 各色のインク吐出用へッドの底面には、 各色毎のィンク滴を吐出する 4組のノズル列が形成されており、 1組のノズル列には、 4 8個のノズル N zが ノズルピッチ pの間隔を空けて千鳥状に配列されている。 これらノズルのうち、 ドッ卜を形成するという制御データを受け取ったノズルは、 制御回路 2 6 0から 供給される駆動信号に従って、 一斉にインク滴を吐出する。 このメカニズムにつ いて、 図 5を参照しながら説明する。
図 5は、 ィンク吐出用へッド 2 4 4ないし 2 4 7が駆動信号および制御データ に従って、 インク滴を吐出するメカニズムを概念的に示した説明図である。 図 4 に示したように、 インク吐出用へッドの底面には複数のノズル N zが設けられて おり、 各ノズル N zに至るインクの通路には、 インク滴を吐出させる駆動素子で ある図示しないピエゾ素子が設けられている。 駆動バッファ 2 6 1からの各信号 線は、 このピエゾ素子を駆動するソース側の回路に接続されている。 他方、 D / A変換器 2 6 2からの信号線は、 複数のピエゾ素子をまとめて駆動するシンク側 の回路に接続されている。 従って、 D Z A変換器から駆動信号が出力されると、 ノズルが選択されていることを意味する制御データ Γ 1」 が駆動バッファ 2 6 1 から供給されているノズル N zだけがインク滴を吐出してドッ卜を形成する。 逆 に言えば、 駆動バッファ 2 6 1からノズルが選択されていないことを意味する制 御デ一夕 「0」 が供給されているノズル N zは、 駆動信号が供給されていても、 実際には駆動されず、 インク滴を吐出することはない。 このように、 インク吐出 用へッド 2 4 4ないし 2 4 7に設けられた複数のノズル N zの中で、 制御データ によつて選択されたノズルのみが、 ィンク滴を吐出することになる。 図 3に示した制御回路 2 6 0は、 ィンク滴の吐出を制御するための制御デ一夕 と、 駆動信号とを、 キャリッジ 2 4 0の主走査および副走査に同期させながらィ ンク吐出用へッド 2 4 4〜2 4 7に出力する。 こうすることで、 印刷用紙 P上の 適切な位置にインクドッ卜が形成されて、 その結果、 画像が印刷されることにな る。
C . 画像処理の概要:
このようにインク滴の吐出を制御するために用いられる制御データは、 印刷し ようとする画像に所定の画像処理を施すことによって生成される。 図 6は、 本実
施例で行われる画像処理の流れを示したフローチヤ一卜である。 かかる処理は、 主に、コンピュータ 1 00に搭載された C P U 1 0 2の機能を用いて実行される。 以下、 図 6に従って、 画像処理の概要を説明する。 画像処理を開始すると、 先ず初めに、 印刷しょうとする画像の画像データを読 み込む (ステップ S 1 0 0)。 ここで読み込まれるデータは、 R G Bカラー画像 デー夕、 すなわち R, G , Bの各色毎に、 階調値 0から階調値 2 5 5の 2 5 6階 調幅を有する画像データである。 もちろん、 読み込む画像データは、 このような 形式の画像データに限定されるものではなく、 周知の他の画像データであっても 差し支えない。 次いで、 取り込んだ画像デ一夕の解像度を、 プリン夕 200が印刷するための 解像度に変換する (ステップ S 1 0 2)。 画像デ一夕の解像度が印刷解像度よリ も低い場合は、 線形補間を行うことで隣接する画像データ間に新たなデータを生 成し、 逆に印刷解像度よりも高い場合は、 一定の割合でデ一夕を間引くことによ つて画像デ一夕の解像度を印刷解像度に変換する。 解像度を変換したら、 色変換処理を開始する (ステップ S 1 0 4)。 色変換処 理とは、 R, G, Bの階調値の組み合わせによって表現されている R G B画像デ 一夕を、 印刷のために使用される各色の階調値の組合せによって表現された画像 データに変換する処理である。 前述したように、 プリンタ 2 00は C, M, Y, Κの 4色のインクを用いて画像を印刷しているから、 本実施例の色変換処理では R G B画像データを、 C, M, Y, Κの各色の階調値によって表現されたデータ に変換する。 色変換処理は、 色変換テーブル (L U T=L o o k— U p— T a b I e) と呼ばれる 3次元の数表を参照することで行う。 L U Tには、 R G B画像
デ一夕に対応した C, Μ, Υ, Κ各色の階調値が予め記憶されているので、 この L U Tを参照しながら変換すれば、 迅速に色変換することが可能である。 なお、 色変換は、 変換用の行列式を用いて行なうことも可能である。 こうして色変換処理を終了すると、 続いて、 ハーフ 1 ^一ン処理を開始する (ス テツプ S 1 0 6 )。 ハーフトーン処理とは、 画像デ一夕の階調数を変換する処理 であり、 大まかには次のような処理である。 色変換処理によって得られた画像デ 一夕は、 画像データが 1バイトデータであるとすると、 階調値 0から階調値 2 5 5までの値を取る 2 5 6階調を有する階調データである。 これに対して、 プリン 夕 2 0 0は、 印刷用紙上にドットを 「形成する」 か 「形成しない」 かのいずれか の状態しか取り得ない。 そこで、 2 5 6階調を有する階調データを、 ドット形成 の有無に対応する 2階調のデータに変換する必要がある。 このようにハーフ I ^一 ン処理とは、 2 5 6階調を有する画像デ一夕をドッ卜形成の有無を示すデータに 変換する処理である。 なお、 ドットの大きさと濃さが一種類に限られれば、 ハー i ^一ン処理は階調数 2に変換する処理 (二値化処理) となるが、 形成し得るドッ 卜に濃淡の 2種類があれば、 階調数変換処理後の階調数は 3となり、 形成し得る ドッ卜の大きさが例えば大中小のように 3段階に調整可能であれば、 階調数変換 処理後の階調は 4となる。 ハーフトーン処理によって変換されたデータは、 コンピュータ 1 0 0の R A M 1 0 6に記憶され、 プリンタ 2 0 0に転送された後、 駆動バッファ 2 6 1からィ ンク吐出用ヘッド 2 4 4〜2 4 7に供給される。 ここで、 インク吐出用ヘッド 2 4 4 ~ 2 4 7は、 印刷媒体上を往復動しながらドッ卜を形成することでドットの 列たるラスタを形成して画像を印刷するが、 それぞれのラスタは 1回の往復動で 形成されるのではなく、 画質上の要請から複数回の往復動に分けて形成されてい
る。詳細には後述するが、本実施例のハーフトーン処理では、各画素のドッ卜が、 それぞれのラスタを形成するために行う複数回の往復動の中の、 いずれの往復動 で形成されるかに応じて、 ドッ卜形成有無の判断結果をグループ分けした状態で R A M 1 0 6に記憶している。 本実施例のハーフ ! ^一ン処理については、 別図を 用いて後述する。 ハーフトーン処理を終了したら、 ハーフトーン処理後のデータを R A M 1 0 6 から読み出して、 プリンタ 2 0 0の駆動バッファ 2 6 1に転送し、 このデータを 制御データとして駆動バッファ 2 6 1からインク吐出用へッド 2 4 4〜 2 4 7に 出力する処理を行う (ステップ S 1 0 8 )。 本実施例では、 ハーフ I ン処理さ れたデ一夕が、 各ラス夕を形成するために行う複数回の往復動に応じてグループ 分けされた状態で、 R A M 1 0 6に記憶されている。 このため、 R A M I 0 6上 のデ一夕を読み出してプリンタ 2 0 0に転送する処理を大幅に簡素化することが 可能となっている。 かかる処理の詳細についても、 別図を用いて後述する。 図 5 を用いて前述したように、 インク吐出用ヘッド 2 4 4〜2 4 7は、 こうして供給 された制御データに従って、 それぞれのノズルから一斉にインク滴を吐出する。 その結果、 印刷用紙上には、 画像データに対応した画像が印刷される。
D . ハーフトーン処理:
以下では、 図 6に示した画像処理中で行われる本実施例のハーフ卜一ン処理に ついて詳しく説明する。 図 7は、 本実施例のハーフトーン処理の流れを示すフロ —チャートである。 以下、 フローチャートに従って説明する。 ハーフ ! ^一ン処理を開始すると、 先ず初めに、 画像を構成する複数の画素の中 から、 ドット形成の有無を判断しょうとする着目画素を選択する (ステップ S 2
0 0 )。 ここでは、 画像は格子状に分割されて、 縦横に並んだ複数の画素から構 成されているものとして、 ステップ S 2 0 0では、 これら複数の画素の中から 1 つの画素を着目画素として選択する。 次いで、 画像データに基づいて、 着目画素についてのドット形成の有無を判断 する処理を開始する (ステップ S 2 0 2 )。 ドット形成の有無を判断する手法と しては、 いわゆる誤差拡散法やディザ法などの種々の手法が知られており、 いず れの手法を適用することもできる。 着目画素についてのドット形成の有無を判断したら、 着目画素のグループ分け を行う (ステップ S 2 0 4 )。 この処理の内容について、 図 8を参照しながら説 明する。 図 8は、 画像を構成する格子状に配列された複数の画素の中から、 主走 査方向に並んだ任意の 1行分の画素列を取り出して、 概念的に表した説明図であ る。 ラスタは、 こうした画素列にドッ卜を形成することによって形成される。 前 述したようにプリン夕 2 0 0は、 印字へッド 2 4 Ίを主走査方向に往復動させつ つ、 印刷用紙上にドットを形成する。 ここで、 ラス夕に含まれるドットを 1回の 主走査で全て形成することも可能であるが、 印刷速度を最優先して印刷する場合 を除いて、 画質上の要請から、 ラスタを複数回の主走査に分けて形成することが 行われる。 図 8は、 ラスタ上のドットを、 4回の主走査に分けて形成する場合を例示して いる。 ここでは、 それぞれの主走査を、 パス A、 パス B、 パス C、 パス Dと呼ぶ ことにする。 図示されているように、 パス Aでは、 ラスタの先頭の画素 (図上で 左端にある画素) に続いて、 左から 5番目の画素、 9番目の画素、 1 3番目の画 素と、 4つずつ離れた画素のドットを形成する。 パス Bでは、 ラスタの先頭から
2番目の画素を先頭として、 6番目の画素、 1 0番目の画素と、 4つずつ離れた 画素のドットを形成する。 同様に、 パス Cでは、 ラスタの先頭から 3番目の画素 を先頭として 4画素ずつ離れた画素のドットを形成し、 パス Dでは、 ラスタの先 頭から 4番目の画素を先頭として 4画素ずつ離れた画素のドッ卜を形成する。 こ のように、 図 8に示したラスタ上の画素は、 必ず、 パス Aないしパス Dのいずれ かのパスでドッ卜が形成されることになる。図 7に示したステップ S 2 0 4では、 着目画素についてのドットが、 いずれのパスで形成されるかに応じて、 グループ 分けを行う。 本実施例では、 前述したようにパス Aないしパス Dでは、 いずれも 4画素おき にドッ卜を形成するから、 いわゆる剰余系を利用すれば簡便にグループ分けを行 うことができる。 図 8の例示に即して具体的に説明する。 例えばパス Aでは、 先 頭から数えて 1番目の画素、 5番目の画素、 9番目の画素と、 4画素おきにドッ 卜を形成するから、 先頭から数えた画素の番号を 4で割ったときの余りの数 (剰 余数) が Π」 であれば、 その画素のドットはパス Αで形成されると考えること ができる。 同様にして、 先頭から数えた画素の番号を 4で割ったときの剰余数が 「2」 であれば、 その画素のドッ卜はパス Bで形成され、 4で割ったときの剰余 数が 「3」 であれば、 その画素のドッ卜はパス Cで形成されると考えることがで きる。 また、 4で割ったときの剰余数が 「0」 すなわち、 先頭から数えた画素の 番号が 4で割り切れる場合は、 その画素のドットはパス Dで形成されると考える ことができる。 一例として、 図 8中で斜線付きの丸印が付された着目画素は、 ラ ス夕の先頭から 7番目 (すなわち、 7列目) の画素であるから、 剰余数は 「3」 となるので、 パス Cでドッ卜が形成されると判断することができる。 尚、 図 8に示した例では、 着目画素の剰余数の値が異なっていれば、 パスも異
なっているものとして説明した。 しかし、 剰余数とパスとを対応付ける方法は、 こうした方法に限られるものではない。 例えば、 図 9に示したように、 剰余数が Γ 1 Jの画素はパス Aに対応付けて、剰余数が「3」の画素はパス Bに対応付け、 剰余数が 「2」 または 「0」 の画素はパス Cに対応付けることとしても良い。 こ のように判断した場合は、 ラスタは、 パス Aないしパス Cのパスに対応する 3回 の主走査に分けて形成されることになる。 ラスタを何回の主走査に分けて形成するかは、 印刷モードに応じて予め設定さ れている。すなわち画像の印刷に先立って、印刷速度を優先した印刷を行うのか、 あるいは画質を優先した印刷を行うのかを表す印刷モ一ドを、 C R T画面上から コンピュータ 1 0 0に対して予め設定しておく。 そして、 印刷モードとして 「速 度優先」 のモードが選択されている場合は、 プリン夕 2 0 0は、 Ί回の主走査で ラス夕上の全ての画素を形成し、 「画質優先」のモードが遷択されている場合は、 ラス夕を複数回(例えば 4回)の主走査で形成する。 もちろん、 印刷モードを「速 度優先」、 「画質優先」 の 2段階だけでなく、 よりきめ細かく設定可能として、 設定したモ一ドに応じて、ょリ多種類の主走査の回数(以下では、パス数と呼ぶ) を選択可能としても良い。 また、 以下の実施例では、 1枚の画像中では、 いずれ のラスタについてもパス数は同じ値に設定されているものとして説明するが、 設 定されている印刷モードによっては、 ラスタによって異なるパス数とすることも 可能である。 このように 1枚の画像中で異なるパス数が用いられる場合について は後述する。 以上のようにして着目画素のグループ分けを行ったら、 該着目画素についての 判断結果をグループ分けした状態で R A M 1 0 6上に記憶する (図 7のステップ S 2 0 6 ) 0 この処理の内容について、 図 8および図 1 0を参照しながら説明す
る。 図 8を用いて説明したように、 本実施例では、 ラスタ上の全ての画素は、 パ ス Aないしパス Dのいずれかにグループ分けされる。 本実施例のハーフ I ^一ン処 理では、 これら各画素のドット形成有無の判断結果を、 グループ毎にまとめて R A 1 0 6上に記憶する。 図 1 0は、 ドット形成有無の判断結果が、 こうした状態で R A M 1 0 6上に記 憶されている様子を例示した説明図である。 R A M 1 0 6上の所定のデータ領域 (図 1 0中では一番上の領域) には、 最初の主走査で形成する画素についての判 断結果が、 ひとまとまりとして記憶されている。 ここでは、 図 8に示すように、 1つのラスタを、 パス A→パス B→パス C→パス Dの順番で 4回の主走査で形成 するものとすると、 R A M I 0 6上のデ一夕領域の先頭部分には、 パス Aの画素 についての判断結果が、 Ί回の主走査で形成する画素数分だけまとめられて記憶 されることになる。 尚、 ここでは、 1つの画素についてのドット形成有無の判断 結果は、 ドッ卜を形成するか、形成しないかの 2通りしか取らないものとすれば、 各画素の判断結果は 1 ビットのデ一夕で表すことができるから、 図 1 0に示した データ領域にはビッ卜の並びが記憶されることになる。 パス Aのデータが記憶された領域に続くデータ領域には、 今度はパス Bの画素 についての判断結果が、 1回の主走査で形成する画素数分だけまとめられた状態 で記憶される。 同様にして、 続くデータ領域にはパス Cの画素についての判断結 果が、 その次のデータ領域にはパス Dの画素についての判断結果が、 それぞれ 1 回の主走査で形成する画素数分ずつまとめられて記憶される。 この結果、 R A M 1 0 6上には、 ラスタ 1本分のドット形成有無の判断結果が、 パス Aないしパス Dの 4つのパスに応じてグループ分けした状態で記憶されることになる。例えば、 図 8中に斜線付きの丸印で示した画素は、 パス Cの先頭から 2番目の画素である
から、 各画素の判断結果が 1 ビットのデータで表すことができるものとすれば、 この画素についての判断結果は、 図 1 0上では、 上から 3列目の先頭から 2ビッ 卜目に記憶される。 こうしてラスタ 1本分の判断結果をグループ分けした状態で 記憶したら、 次のラスタについても同様に、 パス Aないしパス Dの各パスに応じ てグループ分けした状態で記憶する。 以上の説明では、 いずれのラスタも、 パス A→パス B→パス C→パス Dの順序 で形成されるものとして説明したが、 それぞれのラス夕を形成するためのパスの 順序は、 こうした順序に限られるものではない。 例えば、 1つの画像中でも、 パ スの順序の異なるラスタが混在する場合もある。 こうした場合でも、 ドット形成 有無の判断結果を、 それぞれのパスに応じてグループ分けして記憶しておけば、 読み出す順序が変更されるだけ対応することができる。 ここで、 判断結果を R A M 1 0 6に書き込む操作について説明する。 各画素の 判断結果は 1 ビットのデ一夕で表されているが、 R A M I 0 6にはビッ卜単位で 書き込まれるのではなく、 実際にはワード単位で書き込まれる。 ワードとは、 コ ンピュー夕がデー夕を効率的に取り扱うことのできる最小単位である。 例えぱ、 いわゆる 8ビットコンピュータは、 データの書き込みや読み出しを 8ビット (1 バイ卜) 単位で行うように設計されており、 8ビットが 1 ワードとなる。 また、 1 6ビットコンピュータであれば 1 6ビットが 1 ワードとなり、 3 2ビッ卜コン ピュー夕であれば 3 2ビッ卜が 1ワードとなる。 本実施例のコンピュータ 1 0 0 では、 8ビットが 1 ワードとなっており、 着目画素についての判断結果は、 8ビ ッ卜単位で書き込まれるものとして説明する。 図 1 1は、 着目画素についての判断結果を、 1ワード (8ビット) 単位で書き
込む操作を概念的に示した説明図である。 ここでは着目画素は、 図 8中で斜線付 きの丸印を付して示した画素であるものとしている。 この着目画素のビッ卜位置 (すなわち、 先頭から 2番目のビット) に、 ドットを形成することを意味するデ —夕 「1」 を書き込むためには、 次のような操作を行う。 以下、 図 1 1 Aを参照 しながら説明する。 先ず、 データを書き込もうとしているビットは、 ワード単位 で考えれば、 先頭のワードの前から 2番目のビットである。 そこで、 先頭から 2 番目のビットだけが 「1」 であり、 他のビットは 「0」 であるような 8ビットデ —夕 (1 6進数表示では 4 O h ) を用意する。 次に、 R A M I 0 6上の該当する データ領域の中で、 データを書き込もうとしているビットを含んだワード (ここ では、 先頭のワード) のデータを読み出す。 そして、 先に用意したデータと、 読 み出したデータとの間で論理 0 R演算を行い、 得られた結果を元のヮードの位置 に上書きする。 こうすれば、 着目画素のビット位置に、 ドットを形成することを 意味するデ一夕 「1」 を書き込むことができる。 また、 着目画素にドットを形成しないことを意 P未するデータ 「0」 を書き込む 場合には、 図 1 〗 Bに示すような操作を行う。 先ず、 先頭から 2番目のビットだ けが r o j であり、 他のビットは 「1」 であるような 8ビッ卜のデータ ( 1 6進 数表示では B F h ) を用意する。 次に、 R A M I 0 6上の該当するデータ領域の 中で、 先頭のワードのデータを読み出して、 先に用意したデ一夕との間で、 今度 は論理 A N D演算を行い、 得られた結果を元のワードの位置に上書きしてやる。 こうして、 ドット形成有無の判断結果はワード単位で記憶されることから、 ダル —プ分けした状態で記憶されるひとまとまりのデータは、 通常はヮードの整数倍 のデータとなっている。 図 7に示したハーフ! ン処理中のステップ S 2 0 6では、 このようにして、
着目画素についての判断結果を、 該着目画素が属するパスに応じてグループ分け した状態で、 R A M 1 0 6に記憶する処理を行う。 こうして、 1つの着目画素についての判断結果を書き込んだら、 全ての画素に ついての処理を終了したか否かを判断し (ステップ S 2 0 8 )、 未判断の画素が 残っていれば (ステップ S 2 0 8 : n o )、 ステップ S 2 0 0に戻って新たな着 目画素、 通常は、 従前に選択されていた画素の隣の画素を選択する。 以上の処理 を繰り返して、 全ての画素について処理を終了したと判断したら (ステップ S 2 0 8 : y e s ) , 図 7に示すハーフトーン処理を抜けて図 6の画像処理に復帰す る。 尚、 以上の説明では、 ドット形成有無の判断結果は、 1回の主走査で形成する 画素数ずつにまとめられた状態で、 R A M 1 0 6上に記憶されているものとした。 もっとも、 判断結果を、 パスに応じてグループ分けした状態で記憶する方法は、 こうした方法に限られるものではない。 例えば、 図〗 2に示すように、 各画素の 判断結果を、パス毎に、 1 ヮ一ド(本実施例では 8ビッ卜二 1バイ卜 = Ί ワード) 分ずつあるいは数ワード分ずつをまとめた状態で記憶してもよい。
E . データ出力処理:
以上に説明したハーフ ! ^一ン処理を終了して、 図 6に示した画像処理に復帰す ると、 今度は、 データ出力処理を開始する。 データ出力処理では、 ハーフ I ^一ン 処理中で R A M 1 0 6上に記憶された判断結果を読み出して、 プリンタ 2 0 0の 駆動バッファ 2 6 1 に出力する処理を行う。 図 1 3は、 こうしたデータ出力処理 の流れを示すフローチャートである。 以下、 このフローチャートに従って説明す る。
データ出力処理を開始すると、 先ず初めに、 対象ノズルを選択する (ステップ S 3 0 0 )。 図 4に示したように、 インク吐出用ヘッドの底面には、 複数のノズ ルが設けられており、 各ノズルの図示しないピエゾ素子のソース側には駆動バッ ファ 2 6 1が接続されている。 ステップ S 3 0 0では、 R A M 1 0 6上に記憶さ れた判断結果のデータを駆動バッファ 2 6 に出力するに先立って、 ドッ卜形成 の対象とされているノズルを選択する。 次いで、選択した対象ノズルについて印刷パスを設定する(ステップ S 3 0 2 )。 すなわち、 前述したように、 プリンタ 2 0 0では 1つのラスタを、 パス Aないし パス Dの 4回の主走査に分けて形成しているので、 これから主走査して形成しよ うとするドットが、 いずれのパスであるかを設定するのである。 印刷パスとは、 このように、 これからドッ卜を形成しょうとするパスを言う。 次いで、 R A M 1 0 6に記憶されているドッ卜形成有無の判断結果から、 1回 の主走査で形成する画素数分 (1パス分) のデータを読み出して、 対象ノズルの 駆動バッファ 2 6 1 に書き込む処理を行う (ステップ S 3 0 4 )。 ここでは、 図 1 0あるいは図 1 2に示したように、 ドット形成有無の判断結果は、 ドットがパ ス Aないしパス のいずれのパスで形成されるかに応じてグループ分けされた状 態で記憶されている。 このため、 R A M 1 0 6上に記憶された対象ノズルのデー 夕を読み出して、駆動バッファ 2 6 1に書き込む処理を迅速に行うことができる。 次いで、インク吐出用へッド 2 4 4〜2 4 7に設けられている全ノズルに関し、 選択したノズルのデ一夕を駆動バッファ 2 6 1 に書き込んだか否かを判断する (ステップ S 3 0 6 )。未だ対象ノズルとして選択していないノズルがあれば(ス
テツプ S 306 : n o)、 ステップ S 300に戻って、 新たなノズルを対象ノズ ルとして選択し、続く一連の処理を繰り返す。こうして、全てのノズルについて、 RAM 1 06上に記憶された判断結果のデータを駆動バッファ 26 1に書き込ん だら (ステップ S 306 : y e s)、 へッドを主走査させながら、 駆動バッファ
26 1上のデータをそれぞれのノズルに設けられたピエゾ素子の駆動回路に向け て、 制御データとして出力する (ステップ S 308)。 ヘッドの主走査に同期し て、 DZA変換器 262からは、 シンク側の駆動信号が出力されるので、 各ノズ ルからは、 印刷用紙上の適正な主走査位置で、 制御データに従ってインク滴が吐 出され、 印刷用紙上にドッ卜が形成される。 こうして、 ドッ卜を形成しながら 1回分の主走査を行ったら、 画像の印刷が終 了したか否かを判断し (ステップ S 3 1 0)、 終了していなければ (ステップ S 3 1 0 : n 0)、 所定量の副走査を行った後 (ステップ S 3 1 2)、 ステップ S
300に戻って印刷パスを 1つ進め、 続く一連の処理を行う。 そして、 印刷終了
(ステップ S 3 1 0 : y e s ) と判断されるまで、 こうした処理を繰り返す。 以上に説明したように、本実施例の画像処理では、ハーフ i ^一ン処理において、 ドッ卜形成有無の判断結果を RAM 1 06に記憶する際に、 ドッ卜を形成するパ スに応じてグループ分けした状態で記憶している。 このため、 対象ノズルのデー 夕を RAM I 06から読み出して、 駆動バッファ 26 1に 1パス分ずつ書き込む 処理を迅速に行うことが可能となり、 延いては画像の印刷に要する時間を短縮化 することが可能となる。 また、 RAM I 06上にグループ分けして記憶されてい るデータは、 ヮードあるいはワードの整数倍に相当するデータ量をひとまとまり として記憶されている。 前述したように、 コンピュータはワード単位のデータを 高速に処理可能に設計されていることから、 このような大きさのデータ量ずつ、
ひとまとまりとして記憶しておけば、 R A M I 0 6からデータを読み出して駆動 バッファ 2 6 1に書き込む処理を、 さらに迅速に行うことが可能となる。 ここで、 本実施例によって印刷時間が短縮化される効果を、 明確に示す説明す るために、 通常のハーフ ! ^一ン処理およびデータ出力処理について簡単に説明す る。 図 1 4は、 通常のハーフ ! ^一ン処理の流れを示すフローチャートである。 フ ローチャー卜に示すように、 通常のハーフ I ^一ン処理では、 先ず初めに着目画素 を選択し (ステップ S 4 0 0 )、 その着目画素について、 ドット形成の有無を判 断する (ステップ S 4 0 2 )。 かかる判断には、 誤差拡散法やディザ法などの種 々の手法を適用することができる。 次いで、 着目画素についての判断結果を、 画 像上での画素の並びと同じ順序で R A Mに記憶する (ステップ S 4 0 4 )。 上記 の処理は、 全画素について処理が終了するまで (ステップ S 1 0 6 )、 繰り返さ
図 1 5は、 通常のハーフトーン処理において、 着目画素についての判断結果を R A M上に書き込む様子を説明する概念図である。 図 1 5の上段 (a ) では、 斜 線付きの丸印を付すことによって着目画素を表している。 図 1 5の (a ) に示さ れているように、 ラスタを先頭から 1バイ卜分ずつ区切っていくと、 着目画素は バイ卜中で先頭から 7番目の画素となっている。 この着目画素にドッ卜を形成す ると判断した場合は、 図 1 5の中段 (b ) に示した 1 ワード (8ビット) のデー タを用意する。 用意するデータは、 着目画素の位置に対応させて、 先頭から 7番 目のビットが 「1」 に設定され、 他のビットには 「0」 が設定されたデータであ る。 次いで、 R A M上の判断結果を書き込もうとする箇所から 1 ワード分のデータ
を読み出して、 図 1 5の (b ) に示すデータとの間で論理和演算 (O R演算) を 行った後、 演算結果を R A M上の同じ箇所に書き込む操作を行う。 一方、 着目画 素にドットを形成しないと判断した場合には、 図 1 5の下段 (c ) に示す 1 ヮー ドのデータを用意して、 R A M上から読み出したデータとの間で論理積演算 (A N D演算) を行い、 演算結果を R A M上の同じ位置に書き込む操作を行う。 図 Ί 4に示した通常のハーフ ! ^一ン処理と、 図 7に示した本実施例のハーフ卜 ーン処理とを比較すれば明らかなように、 本実施例のハーフ! ^一ン処理では、 着 目画素の判断結果を記憶する際に、グループ分けした状態で記憶している分だけ、 通常のハーフ I ^一ン処理よりも処理時間が長くなる。 しかし、 ドット形成有無の 判断に要する時間や、 判断結果を書き込むために必要なデ一夕を用意したリ論理 演算を行ったりするための時間に比べれば、 グループ分けするための時間は、 そ れほど長い時間ではないので、 通常の八ーフ卜ーン処理に比べれば、 短時間に処 理は終了する。 次に、 R A M上のデータをへッドのノズルに向けて出力するデ一夕出力処理に ついて説明する。 本実施例では、 前述したように、 着目画素についての判断結果 は、 該着目画素のドッ卜がいずれのパスで形成されるかに応じて、 グループ分け した状態で記憶されている。 これに対して通常のハーフ I ^一ン処理では、 ドット 形成有無の判断結果は、画像上での画素の並びと同じ順番で記憶されているので、 このデータを読み出してノズルに出力する処理は、 複雑なものとなってしまう。 以下では、 これを図 1 6を参照しながら説明する。 図 1 6は、 ドット形成有無の判断結果が、 画像上で画素の並びと同じ順番で R A Mに書き込まれている場合に、 あるラスタ上のデータを読み出して、 駆動バッ
ファに書き込む様子を概念的に示した説明図である。 図 1 6の一番上に、 複数の 矩形が一列に並んで示されているのは、 対象とするラスタのデータが、 R A M上 に記憶されている様子を模式的に表したものである。 今、 このラスタの中で、 斜 線付きの丸印を付した画素 (ここでは、 対象画素と呼ぶ) についてのデータを、 駆動バッファに書き込むものとする。 前述したように、 R A M上のデ一夕はワード単位で読み書きされるから、 先ず 初めに対象画素を含んだ 1ワード分のデ一夕を、 ハーフ ! ン済みのデータから 読み出す。 図 1 6では、 読み出したデータが、 1 6進数表示で 5 Aであったもの としている。 以下の説明で、 「h J は 1 6進数であることを示すサフィックスで
こうして読み出した 1 ワード分のデ一夕の中で、 対象画素についての判断結果 のデータは先頭から 4ビッ卜目のデータだけであり、 他のビッ卜のデータは対象 画素ではない他の画素についてのデ一夕である。 そこで、 対象画素の判断結果だ けを取り出すため、 対象画素の画素位置に対応するマスクデ一夕を用意して、 読 み出した 1 ワード分のデータ (ここでは、 5 A h ) とマスクデータとの論理積演 算を行う。 マスクデータは、 1 ワード中で対象画素のデータが記憶されている位 置、 すなわち先頭から 4番目のビットのみが 「1」 で、 他のビッ卜は全て 「0」 となっているデータ ( 1 6進数表示すれば、 1 O h ) を使用する。 このようなマ スクデータを用いて論理積演算を行えば、 読み出した 1ワード分のデータ (ここ では、 5 A h ) から対象画素についての判断結果のみを取り出すことができる。 対象画素の判断結果を取り出したら、 今度はビットシフトを行って、 駆動バッ ファに書き込むためのデータを作成する。 ここでは、 次のような操作を行う。 先
ず、 対象画素はラスタ上で先頭から 4番目の画素としており、 また、 図 8の例に 即してラスタを 3回の主走査で形成するものとすると、 対象画素は、 1パス目に 2番目に形成される画素である。 そこで、 先に取り出した対象画素のデータをビ ッ卜シフトすることにより、 先頭から 2番目のビットのみが 「1」 で他のビット は 「0」 となるようなデータ (1 6進数表示では、 4 O h ) を作成する。 こうし て書き込み用のデータが得られたら、 1パス目のデータを記憶する R A M上の所 定のデ一夕領域に書き込んでやる。 具体的には、 書き込もうとするデータ領域か ら 1 ワード分のデータを読み出して、 書き込み用のデータ (ここでは、 4 0 h ) と論理和演算を行い、 演算結果を元のデータ領域に書き込む操作を行う。 尚、 対 象画素のデータを 1画素分ずつ R A Mに書き込む代わリに、 中間的なバッファに 蓄えておき、 1 ワード分のデ一夕を蓄えたら、 まとめて R A Mに書き込む手法も 知られている。 以上のような一連の操作を行うことによって、 対象画素についての判断結果が R A M上に画素の順序で記憶されて 、る判断結果の中から取リ出され、 R A M上 に別に設けられたデータ領域に書き込まれたことになる。 こうした操作を、 印刷 しょうとしているラスタの全ての画素について行う。 以上の全ての操作が完了す れば、 R A M上に画素の順序で記憶されている判断結果が、 ノズルでドッ卜を形 成する順序に並べ替えられて、 R A M上の別のデータ領域に移し替えられたこと になる。 こうして判断結果を並べ替えたら、 このデータを、 プリンタ内の駆動バ ッファに書き込んだ後、 へッドの主走査に合わせて駆動バッファから出力してや れば、 印刷用紙上にドッ卜が形成されることになる。 上述したように、 画素の順序で記憶された判断結果を並べ替えるためには、 単 にデータを並べ替えるのではなく、 少なくとも次の 3つの操作が必要となる。 す
なわち、 対象画素のデータを読み出すための論理積演算と、 書き込み用のデータ を作成する操作と、 データを書き込むための論理和演算の 3つの操作である。 こ うした操作を全ての画素について実施する必要があるので、 R A M上から読み出 したデータを並べ替えてノズルに出力するためには、 かなり長い時間がかかって しまう。 これに対して、 先に説明した本実施例の八一フ ! ^一ン処理では、 着目画素につ いてのドッ卜形成有無の判断結果が、 該着目画素のドッ卜がいずれのパスで形成 されるかに応じてグループ分けされた状態で記憶している。 このため、 ドットを 形成するに際しては、 R A M I 0 6上のデータをひとまとまりずつ読み出して駆 動バッファ 2 6 1に書き込むことで、 デ一夕を迅速に出力することができる。 加 えて、 ひとまとまりのデ一夕は、 コンピュータが迅速に取り扱うことの可能な、 ワードあるいはワードの整数倍のデ一夕量となっているので、 この点からも、 R A M I 0 6上のデータを駆動バッファ 2 6 1に迅速に書き込むことが可能となつ ている。 こうした理由から、 図 Ί 2に示す本実施例のデータ出力処理は、 図 1 6 を用いて説明した従来のデー夕出力処理に比べて、 きわめて短時間に完了するこ とが可能なのである。
F . 変形例:
上述した本実施例の画像処理には、 いくつかの変形例が存在する。 以下では、 これら変形例につき簡単に説明する。
( 1 ) 第 1の変形例:
上述した実施例では、単一の画素については、 ドッ卜を形成するかしないかの、 2つの状態しか表現し得ないものとして説明した。 しかし、 ドットの大きさや濃
度、 あるいは同じ場所に重ね打ちするドット数などを変えるなどして、 単一画素 であってもより多くの状態を表現可能なプリンタも存在する。 本発明は、 こうし たプリンタにも好適に適用することが可能である。 例えば、 ドットの大きさを大
•中 ·小の 3段階に変更することができるものとすると、「ドッ卜を形成しない」、 「小ドットを形成する」、 「中ドットを形成する」、 Γ大ドットを形成する」 の 4 つの状態を取り得ることになる。 こうした 4つの状態を表現するために、 ハーフ
I ^一ン処理の判断結果は、 1つの画素あたり 2ビッ卜のデータ (4階調) で表現 されることになる。 図 1 7は、 2ビットのデータを用いて、 ドット形成有無の判断結果を表現する 様子を例示した説明図である。 例えば、 図 1 7の上段 (a ) に例示するように、 いずれのビッ卜にも「0」が設定されたデータ「0 0」は「ドッ卜を形成しない J 状態を表すものとする。逆に、 いずれのビッ卜にも Γ 1 Jが設定されたデ一夕 Γ 1
1」 は 「大ドットを形成する」 状態を表すものとする。 また、 下位ビットにだけ Π」 が設定されたデータ 「0 1」 は 「小ドッ卜を形成する」 状態を表すものと し、 逆に上位ビッ卜にだけ 「1」 が設定されたデータ 门 0 J は 「中ドットを形 成する J 状態を表すものとする。 こうすれば、 2ビットのデータを用いて、 4つ の状態を表現することができる。 ハーフ I ^一ン処理の判断結果を R A M 1 0 6に 記憶する場合は、 こうした 2ビットのデータを組み合わせて 1 ワードのデータに まとめて記憶する。 この例では、 1 ヮードは 1バイ卜のデータであるとしている から、 図 1 7の下段 (b ) に例示するように、 1 ワード中には 4画素分の判断結 果が含まれることになる。 図 1 7に例示したように、 1画素あたり 2ビットのデータとして表現されてい る場合に、 ハーフ! ^一ン処理の判断結果を R A M 1 0 6に記憶する様子について
補足して説明する。 図 1 8 Aおよび図 1 8 Bは、 あるラス夕上の着目画素につい ての判断結果を、 記憶する様子を示す説明図である。 図 1 8 Aに示した小さな正 方形 S Qは、 ラスタを構成する画素を表しており、 斜線つきの丸印 D Dが付され た画素は着目画素を表している。 今、 パス数が 4、 すなわち、 1つのラスタを 4 回の主走査に分けて形成するものとすると、 図 1 8 Aに示した着目画素は、 パス C中の 5番目の画素となる。 ここで、 図 1 7に示したように、 ハーフトーン処理 の判断結果は、 画素あたり 2ビットで表現されるから、 5番目の画素についての 判断結果は、 図 1 8 Aに斜線を付して示したように、 2バイ卜目の先頭の 2ビッ 卜に記憶される。 例えば、 着目画素にドッ卜を形成しないと判断されている場合 は、 図 1 8 Bの斜線を付した 2ビッ卜には、 データ 「0 0」が記憶される。 また、 着目画素に中ドットを形成すると判断されている場合は、 デ一夕 Π 0」 が記憶 されることになる。 こうして、 1画素あたりの判断結果が、 2ビットずつ記憶されている場合は、 R A M上から 2ビッ卜ずっデ一夕を読み出して、 ノズルに向かって出力すればよ い。 濃淡の異なるドットを形成するプリン夕や、 同じ画素に淡インクのドットを 重ね打ち得ることで多階調を表現するプリンタでも、 同様に考え方を適用するこ とができる。 また、 一つの画素で表現できる階調数が 5ないし 8階調であれば 3 ビッ卜分のデータを用いれば良い。 一般に、 一つの画素で N階調 ( Nは 2以上の 整数) を表現可能なプリン夕の場合、
2 m一1 < N≤ 2 m
となるビッ卜数 mのデータを用いれば、 これを表現することが可能である。 ( 2 ) 第 2の変形例:
また、 上述した各種実施例では、 1枚の画像中ではパス数は同一であるものと
して説明した。 しかし、 1枚の画像を、 複数種類のパス数を切り換えながら印刷 する場合もある。 本発明は、 この様な場合にも好適に適用することができる。 以 下では、 こうした第 2の変形例について説明する。 図 1 9 Aおよび図 1 9 Bは、 複数種類のパス数を切り換えながら画像を印刷す る様子を概念的に示した説明図である。 図 1 9 Aは、 1枚の画像中でパス数 2の 領域とパス数 3の領域とを切り換えながら印刷する場合を例示した説明図であ る。 また、 図 1 9 Bには、 参考として、 全てのラスタがパス数 2で形成される場 合を示してある。 説明の便宜から、 初めに図 1 9 Bを参照しながら、 画像中の全 てのラスタをパス数 2で形成する場合について簡単に説明する。 前述したようにプリン夕 2 0 0は、 印刷用紙上にドッ卜を形成しながらインク 吐出用へッドを主走査することでラス夕を形成するとともに、 へッドを所定量ず つ副走査させて、 印刷用紙上での位置を少しずつずらしながら複数のラス夕を形 成することで画像を印刷している。 図 1 9 B中の左半分には、 インク吐出用へッ ド 2 4 4〜2 4 7を所定量ずつ副走査している様子を表しており、 図中の右半分 には、 それぞれの副走査位置で主走査することにより、 印刷用紙上に複数のラス 夕が形成されていく様子を概念的に表している。 尚、 本実施例のプリン夕 2 0 0 には、 各色インク毎に 4つのインク吐出用へッド 2 4 4〜2 4 7が備えられてい るが、 図示が煩雑となることを避けるために、 図 1 9 A, 図 1 9 Bでは、 これら 4つのへッドを 1つのへッドで代表して表示している。 画像の全ラスタをパス数 2で形成する場合は、 例えば、 図 1 9 Bに示されてい るように、 インク吐出用ヘッドを 1回主走査させてドットを形成した後、 ヘッド の長さのちょうど半分だけ副走査させ、 この位置で 2回目の主走査を行う。 2回
目の主走査を行ってドットを形成したら、 再び、 ヘッドを同じ量だけ副走査させ て、 3回目の主走査を行う。 図 1 9 B中に示した破線の矢印 B Aは、 ヘッドを所 定量ずつ副走査する様子を模式的に表したものである。 このように副走査して行 けば、 インク吐出用ヘッドは、 ヘッドの長さのちょうど半分ずつ副走査方向に位 置がずれていくことになり、同じ部分をへッドが 2回ずつ主走査することになる。 このため、 画像中の全てのラスタをパス数 2で形成することができる。 この様子を、 図 1 9 Bの右半分に示した図を用いて説明する。 画像中の一番上 の部分は、 1回目の主走査時および 2回目の主走査時にへッドが通過するので、 この領域では、 1パス目と 2パス目の 2回に分けて (すなわち 2パスで) ラスタ を形成することができる。 図 1 9 B中で、 Γ 2パス ( 1 + 2 )」 と表示されてい るのは、 この領域のラス夕を、 1パス目および 2パス目の 2パスで形成可能なこ とを表したものである。 画像中でこの領域の直ぐ下にある領域は、 2回目の主走 査時および 3回目の主走査時にヘッドが通過するので、 この領域では、 2パス目 と 3パス目の 2パスでラス夕を形成することができる。 以下、 同様に、 その下の 領域は 3パス目と 4パス目の 2パスで、 更にその下の領域は 4パス目と 5パス目 の 2パスで、 それぞれラスタを形成することができる。 結局、 画像中の全てのラ スタをパス数 2で形成することが可能となる。 次に、 図 1 9 Aを参照しながら、 1枚の画像中に 2種類のパス数が現れる場合 について説明する。 図 1 .9 Aにおいても、 前述した図 1 9 Bと同様に、 インク吐 出用ヘッドを所定量ずつ副走査しているが、 図 1 9 Aに示した例では、 副走査量 b aは、 図 1 9 Bでの副走査量 B Aよりも少しだけ小さな値に設定されている。 こうすることにより、 1枚の画像中に 2パスの領域と 3パスの領域とが現れる。 すなわち、 前述した図 1 9 Bに示した例では、 副走査を 2回行うことで、 インク
吐出用へッドはちょうどへッド 1つ分だけ副走査方向に移動させることができ た。 これに対して、 図 1 9 Aでは副走査量が小さな値に設定されているので、 2 回の副走査で移動する距離はへッドの長さより小さくなつてしまい、 へッドの一 部に重複する部分が発生する。 例えば、 図 1 9 A中で、 1パス目にヘッドが主走 査する領域と、 3パス目にヘッドが主走査する領域とは、 ヘッドの端部で重複す る。 同様に、 2パス目にヘッドが通過する領域と 4パス目にヘッドが通過する領 域についても、 あるいは 3パス目と 5パス目についても、 それぞれヘッドの端部 が通過する領域が重複する。 結局、 画像中でヘッドの端部が通過する領域でのパ ス数は、 他の部分が通過する領域のパス数よりも大きな値となるのである。
—般に、 インク吐出用ヘッドの製造上の都合から、 ヘッドの端部ではノズルの 精度が低下し易く、 従って、 ヘッドの端部が主走査する部分の画像は画質が低下 し易い傾向にある。 このため、 副走査量を適切な値に設定することで、 ヘッドの 端部が形成する領域でのパス数を、他の領域のパス数より大きな値としてやれば、 画質が低下し易い部分だけを大きなパス数で印刷することができるので、 印刷速 度の低下を最小限に抑制しながら、 高画質な画像を印刷することが可能となる。 次に、 1枚の画像中にパス数の異なる領域が含まれている場合に、 本発明を適 用した第 2の変形例について説明する。 図 2 0は、 こうした第 2の変形例におい て、 画像データにハーフ! ^一ン処理およびデ一夕出力処理が施されて、 変換され たデータが駆動バッファに書き込まれる様子を概念的に示したものである。 図中 の左側に示した矩形は、 印刷しょうとする画像の画像デ一夕を模式的に表したも のである。 ここでは、 図 1 9 Aを用いて説明したように、 画像中には、 ラスタが 2パスで形成される領域と、 3パスで形成される領域とが存在しているものとす る。 インク吐出用ヘッドのヘッド長さは決まっているので、 ヘッドの副走査量が
決まれば、画像中で 3パスで形成される領域は自ずから決定される。図 2 0では、 ラスタが 3パスで形成される領域を、 ハッチングを付して表している。 ハーフ I ン処理では、 各画素についてのドッ卜形成の有無を画像データに基 づいて判断した後、 判断結果を R A M I 0 6に記憶する。 ここで、 画像中でラス 夕が 2パスで形成される領域については、 判断結果をパス Aおよびパス Bに対^ する 2つのグループに分けた状態で記憶する。 また、 画像中でラスタが 3パスで 形成される領域については、 パス A、 パス B、 およびパス Cに対応する 3つのグ ループに分けた状態で判断結果を記憶する。 図 2 0の中央部分に示した矩形は、 ドッ卜形成有無の判断結果が書き込まれる R A M 1 0 6を模式的に表したもので ある。 図示されているように、 画像中で 2パスの領域についての判断結果は、 パ ス Aおよびパス Bの 2つにグループ分けされた状態で R A M 1 0 6に記憶され、 ハッチングを付して示した 3パスの領域についての判断結果は、パス A、パス B、 およびパス Cの 3つのグループにグループ分けした状態で R A M 1 0 6に記憶さ れる。 続くデータ出力処理では、 R A 1 0 6に記憶されているデ一夕を読み出して 駆動バッファに書き込んでいく。そして、主走査 1回分のデータを書き込んだら、 蓄積したデータをインク吐出用へッドの主走査に合わせてノズルに出力すること により、 印刷用紙上にドッ卜を形成する。 ここで、 駆動バッファには、 続く主走 査でドッ卜が形成される画素についての判断結果を、 へッドに複数設けられたノ ズル毎に書き込んでやる必要がある。 この点、 第 2の変形例では、 ラスタが 2パ スで形成される領域はパス Aおよびパス Bの 2つにグループ分けした状態で R A M 1 0 6に記憶され、 ラスタが 3パスで形成される領域はパス Aないしパス Cの 3つにグループ分けした状態で記憶されている。 このため、 R A M I 0 6上から
データを読み出して駆動バッファに書き込む処理を迅速に行うことが可能とな る。 あるいは、 第 2の変形例では、 次のようにすることもできる。 すなわち、 図 2 1 に示すように、 ハーフ卜一ン処理中でドット形成の有無を判断したら、 画像中 のいずれの領域であるかに関わらず、 一旦、 パス Aおよびパス Bの 2つのグルー プに分けた状態で R A M I 0 6に記憶する。 そして、 R A M I 0 6上に記憶され たデータを駆動バッファに書き込む際には、 画像中でラスタが 2パスで形成され る領域については、 グループ毎にデータを読み出して駆動バッファに書き込んで いく。 また、 画像中でラスタが 3パスで形成される領域については、 R A M 1 0 6上に記憶されているグループ分けは、 ノズルがラス夕を形成するための主走査 と対応したグループ分けにはなっていない。 そこで、 3パスで形成される領域に ついては、 パス Aおよびパス Bにグループ分けして記憶されているデ一夕の中か ら、 続く主走査で形成する画素についてのデータを選択して、 駆動バッファに書 き込んでいく。 こうして、 主走査 Ί回分のデータが蓄積されたら、 インク吐出用 へッドの主走査に合わせて、 蓄積したデ一夕を駆動バッファからノズルに出力す ることにより、 印刷用紙上にドッ卜を形成する。 こうした方法では、 ラスタを 3パスで形成する領域については、 R A M 1 0 6 上に記憶されているグループ分けは、 実際にラスタを形成するための主走査に対 応したグループ分けとはなっていない。 このため、 R A M 1 0 6上に記憶されて いるデータの中から、 続く主走査で形成する画素についてのデータを選択して、 駆動バッファに書き込む操作が必要となる。 もちろん、 こうした操作には時間が かかる。 しかし、 画像中で 3パスで形成される領域は、 2パスで形成される領域 に比べて少なければ、 残りの領域については、 ドット形成有無の判断結果は、 実
際にラスタを形成するために行う主走査と対応してグループ分けした状態で記憶 されているから、 全体としてみれば、 R A M I 0 6に記憶されたドット形成有無 の判断結果を読み出して、 駆動バッファに書き込む処理を短時間のうちに完了す ることが可能となる。 尚、 図 2 1 に示した例では、 ラスタが 3パスで形成される領域については、 R A 1 0 6上のデータの中から、 続く主走査で形成する画素についてのデータを 選択する操作が必要となる。従って、こうした操作が必要となる領域については、 ハーフ ! ^一ン処理後のデータを記憶する際に、 グループ分けすることなく、 画像 上での画素の並びに従って記憶しておくこととしても良い。 また、 上述したように、 画像中の一部の領域については、 R A M I 0 6上に記 憶されたデ一夕の中から、 続く主走査で形成する画素についてのデータを取り出 すこととすれば、 1枚の画像中でパス数が複雑に切り替わる場合でも、 本発明を 比較的容易に適用することが可能となる。 以上、 各種の実施例について説明してきたが、 本発明は上記すベての実施例に 限られるものではなく、 その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施す ることができる。 例えば、 上述した各実施例は、 いずれもカラー画像を印刷する ものとして説明したが、 モノクロ画像を印刷するプリン夕に対しても同様に適用 することが可能である。 また、 上述の機能を実現するソフトウェアプログラム (アプリケーションプロ グラム) を、 通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部 記憶装置に供給し実行するものであってもよい。 もちろん、 C D— R O Mゃフレ
キシプルディスクに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実行するも のであっても構わない。 産業上の利用可能性
本発明は、 上述した各種実施例に記載のように、 コンピュータを用いて行なう 画像データ変換処理および画像処理装置として利用可能であり、 更には、 画像デ —夕変換処理の一部あるいは全部をプリン夕側、 あるいは専用の画像処理装置を 用いて実行する形態でも利用可能である。 また、 プリン夕それ自体として利用す るばかりでなく、 ファクシミリ装置やスキャナプリンタの複合機、 コピー機など においても利用可能である。